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特表2024-545703核酸由来ヌクレオシドアナログおよびこれらの薬学的に許容可能な塩を含む抗ウイルス用組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】核酸由来ヌクレオシドアナログおよびこれらの薬学的に許容可能な塩を含む抗ウイルス用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/522 20060101AFI20241203BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20241203BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20241203BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20241203BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20241203BHJP
   A23L 33/13 20160101ALI20241203BHJP
   A23K 20/121 20160101ALI20241203BHJP
【FI】
A61K31/522
A61P31/14
A61P31/16
A61P31/20
A61P37/02
A23L33/13 ZNA
A23K20/121
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537992
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-08-21
(86)【国際出願番号】 KR2022021110
(87)【国際公開番号】W WO2023121362
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0185397
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0101489
(32)【優先日】2022-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507406611
【氏名又は名称】シージェイ チェルジェダン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ホ・ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン・ナム
(72)【発明者】
【氏名】イ,ナ‐ラ
(72)【発明者】
【氏名】イ,チャンソク
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ア・ルム
【テーマコード(参考)】
2B150
4B018
4C086
【Fターム(参考)】
2B150AA01
2B150AA06
2B150AA08
2B150AA20
2B150AB10
2B150DB01
2B150DB12
4B018MD44
4B018ME14
4B018MF14
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB07
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA16
4C086MA56
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB07
4C086ZB33
4C086ZC61
(57)【要約】
本出願は、ヌクレオチド由来ヌクレオシドアナログを含む抗ウイルス用組成物、免疫増強用組成物、飼料または飼料添加剤に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1~6のヌクレオシドアナログおよびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される1種以上のヌクレオシドアナログを含む抗ウイルス用組成物。
【化1】
【請求項2】
前記ウイルスは、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(Porcine Reproductive and Respiratory Syndrome virus、PRRSV)、豚流行性下痢ウイルス(Porcine Epidemic Diarrhea virus、PEDV)、インフルエンザウイルス(Swine Influenza virus、SIV、Avian Influenza virus、AIV)、豚ロタウイルス(Porcine Rotavirus、PRV)、豚サーコウイルス(Porcine Circovirus、PCV)、鶏伝染性気管支炎ウイルス(Infectious Bronchitis virus、IBV)、鶏ニューカッスル病ウイルス(Newcastle Disease virus、NDV)、牛ウイルス性下痢ウイルス(Bovine Viral Diarrhea virus、BVD)、牛ロタウイルス(Bovine Rotavirus、BRV)および犬パルボウイルス(Canine Parvovirus、CPV)からなる群より選択される1種以上のウイルスである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
下記の化学式1~6のヌクレオシドアナログおよびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される1種以上のヌクレオシドアナログを含む免疫調節用組成物。
【化2】
【請求項4】
薬学組成物または食品組成物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
下記の化学式1~6のヌクレオシドアナログおよびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される1種以上のヌクレオシドアナログを含む飼料添加剤。
【化3】
【請求項6】
哺乳動物用、鳥類用、魚類用または節足動物用である、請求項5に記載の飼料添加剤。
【請求項7】
下記の化学式1~6のヌクレオシドアナログおよびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される1種以上のヌクレオシドアナログを含む飼料。
【化4】
【請求項8】
哺乳動物用、鳥類用、魚類用または節足動物用である、請求項7に記載の飼料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、核酸由来ヌクレオシドアナログおよびこれらの薬学的に許容可能な塩を含む抗ウイルス用組成物、免疫調節用組成物そして飼料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
全世界的にウイルス原因の疾病によるヒトと動物の被害は次第に増大しており、その被害規模も巨大化している傾向にある。近年発生したまたは持続しているSARS-CoV-2、MERS、インフルエンザ(Influenza)などの人獣共通ウイルスが人類に及ぼす大きな影響と、鳥インフルエンザとアフリカ豚熱のような動物ウイルスによる社会的、経済的被害はウイルス疾患の制御のための効果的な対策づくりをさらに促している状況である。
【0003】
特に、いくつかのワクチンだけが唯一のウイルス対応策である現状の中でウイルス疾患の完全な制御が不可能であることに異論はないだろう。これを解決するための強力なソリューションとして動物ウイルス治療剤を開発しようとする努力はここ数十年間続いていた。豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)、豚流行性下痢ウイルス(PEDV)、豚インフルエンザウイルス(SIV)または鳥インフルエンザウイルス(AIV)のようなインフルエンザウイルス、豚ロタウイルス(PRV)、豚サーコウイルス(PCV)、鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、鶏ニューカッスル病ウイルス(NDV)、 牛ウイルス性下痢(BVD)、牛ロタウイルス(BRV)、犬パルボウイルス(CPV)のような多くの動物ウイルスを制御するためのウイルス治療剤(ウイルス感染および増殖抑制剤)の研究が続いているが(Kim et al., 2013 Virus Res. 171(1):44-53, Paul C Jordan et al., 2018 Antivir Chem Chemother. 26:1-19, Andrea J Pruijssers et al., 2019 Current Opinion in Virology 35:57-62)、まだ効果の高い抗ウイルス剤の商品化は行われていない状況であり、ウイルス性疾患が大きな脅威となっている現在は抗ウイルス剤の開発および商品化に対するニーズが非常に高いと言える。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Kim et al., 2013 Virus Res. 171(1):44-53
【非特許文献2】Paul C Jordan et al., 2018 Antivir Chem Chemother. 26:1-19
【非特許文献3】Andrea J Pruijssers et al., 2019 Current Opinion in Virology 35:57-62
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の目的は、核酸由来ヌクレオシドアナログおよびこれらの薬学的に許容可能な塩を含む抗ウイルス用組成物、免疫調節用組成物または飼料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の一様態は、イノシンのジアルデヒド形態、キサントシンのジアルデヒド形態、グアノシンのジアルデヒド形態、またはイノシンの非環式ジオール形態、キサントシンの非環式ジオール形態、グアノシンの非環式ジオール形態のヌクレオシドを含む抗ウイルス用組成物であり得る。
【0007】
本出願の他の一様態は、イノシンのジアルデヒド形態、キサントシンのジアルデヒド形態、グアノシンのジアルデヒド形態、またはイノシンの非環式ジオール形態、キサントシンの非環式ジオール形態、グアノシンの非環式ジオール形態のヌクレオシドを含む免疫調節用組成物であり得る。
【0008】
本出願の他の一様態は、前記抗ウイルス用組成物を含む医薬品、飼料または飼料添加剤であり得る。
【0009】
具体的に前記組成物は、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(Porcine Reproductive and Respiratory Syndrome virus(PRRSV))、豚流行性下痢ウイルス(Porcine Epidemic Diarrhea virus(PEDV))、豚インフルエンザウイルス(Swine Influenza virus(SIV))または鳥インフルエンザウイルス(Avian Influenza virus(AIV))のようなインフルエンザウイルス(Influenza Virus)、豚ロタウイルス(Porcine Rotavirus(PRV))、豚サーコウイルス(Porcine Circovirus(PCV))、鶏伝染性気管支炎ウイルス(Infectious Bronchitis virus(IBV))、鶏ニューカッスル病ウイルス(Newcastle Disease virus(NDV))、牛ウイルス性下痢ウイルス(Bovine Viral Diarrhea virus(BVDV))、牛ロタウイルス(Bovine Rotavirus(BRV))、犬パルボウイルス(Canine Parvovirus(CPV))からなる群より選択される1種以上のウイルスに対する抗ウイルス効果を示す組成物であり得る。
【発明の効果】
【0010】
本出願による核酸由来ヌクレオシドアナログは、抗ウイルス剤として有用に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1a】IMP、XMPおよびGMPをジアルデヒド形態に転換させて本出願による化学式1~3のジアルデヒド形態のヌクレオシドの構造を得ることを示した図面である。
図1b】それぞれIMP、XMPおよびGMPを非環式ジオール形態に転換させた本出願による化学式4~6のヌクレオシドの化学構造を示す。
図2】免疫蛍光染色法を通じて確認したジアルデヒド形態のイノシン(inosine)が示す抗PRRSV効能(上)とこれを利用してPRRSV感染率を示すグラフ(下)である。
図3】免疫蛍光染色法を通じて確認したジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)が示す抗PRRSV効能(上)とこれを利用してPRRSV感染率を示すグラフ(下)である。
図4】免疫蛍光染色法を通じて確認したジアルデヒド形態のグアノシン(guanosine)が示す抗PRRSV効能(上)とこれを利用してPRRSV感染率を示すグラフ(下)である。
図5】免疫蛍光染色法を通じて確認した非環式ジオール形態のイノシン(inosine)が示す抗PRRSV効能(上)とこれを利用してPRRSV感染率を示すグラフ(下)である。
図6】免疫蛍光染色法を通じて確認した非環式ジオール形態のキサントシン(xanthosine)が示す抗PRRSV効能(上)とこれを利用してPRRSV感染率を示すグラフ(下)である。
図7】免疫蛍光染色法を通じて確認した非環式ジオール形態のグアノシン(guanosine)が示す抗PRRSV効能(上)とこれを利用してPRRSV感染率を示すグラフ(下)である。
図8】ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)をOral(Intragastric、経口)とIP(Intraperitoneal、腹腔内注射)方式で接種した後、血中素材の濃度を時間帯別に示した結果である。
図9】ジアルデヒド形態のグアノシン(guanosine)をOral(Intragastric、経口)とIP(Intraperitoneal、腹腔内注射)方式で接種した後、血中素材の濃度を時間帯別に示した結果である。
図10】マウスを利用したインフルエンザウイルスチャレンジテスト(influenza virus challenge test)試験日程を示す。
図11】SIV感染後7日間のモニタリング(monitoring)期間における各グループ別のマウスの体重変化を示す。
図12】SIV感染後7日間のモニタリング期間における各グループ別のマウスの生存率変化を示す。
図13】SIV感染後3、5、7日目の剖検を通じて摘出された肺組織の病変を各グループ別に観察した結果である。
図14】SIV感染後3、5、7日目の剖検を通じて摘出された肺組織内に残存するウイルス力価(titer)をPCR方法により測定した結果を各グループ別に示している。
図15】SIV感染後7日目の最終剖検時に各グループ別に代表性を示す肺組織の病変写真である。
図16】子豚を利用したPRRSウイルスチャレンジテスト(virus challenge test)試験日程を示す。
図17】PRRSV感染後14日間のモニタリング期間における各グループ別の子豚の体重変化を示す。
図18】PRRSV感染後2週目に各グループ別の子豚から採取した肺組織内に存在するウイルス量を陽性対照群と比較した結果である。
図19】PRRSV感染後2週目に各グループ別の代表子豚の肺を摘出して間質性肺炎病変を肉眼観察した写真である。
図20】PRRSV感染後2週目に各グループ別の代表子豚の肺を摘出して免疫染色法(Immunohistochemistry(IHC))により組織内に存在するPRRSウイルス粒子を観察した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本出願を詳細に説明する。
【0013】
本出願の抗ウイルス用または免疫調節用組成物は、ジアルデヒド形態、非環式ジオール形態のヌクレオシドアナログ(nucleoside analog)であり、具体的な一様態として、下記の化学式1~6で表される核酸由来ジアルデヒド形態、非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)、およびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される1種以上を有効成分として含むことを特徴とする。
【化1】
【0014】
このような有効成分であるジアルデヒド形態または非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)またはグアノシン(guanosine)は、最適化した工程を通じて生産され得る。具体的な一例として、本発明による実施例に記載された方法により製造されることもできるが、これに制限されるのではない。
【0015】
この時、前記抗ウイルス組成物100重量部に対して化学式1~6で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を0.0001重量部~20重量部、0.0001重量部~15重量部、0.0001重量部~10重量部、0.0001~5重量部、0.0001重量部~1重量部、0.0001~0.5重量部、0.0001~0.1重量部、0.0001~0.05重量部、0.0001~0.01重量部、0.0001~0.001重量部、0.0001~0.0005重量部、0.001重量部~20重量部、0.001重量部~15重量部、0.001重量部~10重量部、0.001~5重量部、0.001重量部~1重量部、0.001~0.5重量部、0.001~0.1重量部、0.001~0.05重量部、0.001~0.01重量部、0.001~0.005重量部、0.01重量部~20重量部、0.01重量部~15重量部、0.01重量部~10重量部、0.01~5重量部、0.01重量部~1重量部、0.01~0.5重量部、0.01~0.1重量部、0.01~0.05重量部、0.1重量部~20重量部、0.1重量部~15重量部、0.1重量部~10重量部、0.1~5重量部、0.1重量部~1重量部、0.1~0.5重量部、1~20重量部、1~15重量部、1~10重量部、1~5重量部、5~20重量部、5~15重量部、5~10重量部、10~15重量部、10~20重量部、または15~20重量部で含有することができるところ、前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩が0.0001重量部未満で含まれる場合には、化合物の抗ウイルス効果が良好に現れず、20重量部超過で含まれる場合には、化合物含有量の増加量と対比して抗ウイルス性効果の増加量が微々であるため好ましくない。
【0016】
前記ウイルスは、ウイルス種類であればこれに限定されないが、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(Porcine Reproductive and Respiratory Syndrome virus(PRRSV))、豚流行性下痢ウイルス(Porcine Epidemic Diarrhea virus(PEDV))、豚インフルエンザウイルス(Swine Influenza virus(SIV))または鳥インフルエンザウイルス(Avian Influenza virus(AIV))のようなインフルエンザウイルス(Influenza Virus)、豚ロタウイルス(Porcine Rotavirus(PRV))、豚サーコウイルス(Porcine Circovirus(PCV))、鶏伝染性気管支炎ウイルス(Infectious Bronchitis virus(IBV))、鶏ニューカッスル病ウイルス(Newcastle Disease virus(NDV))、牛ウイルス性下痢ウイルス(Bovine Viral Diarrhea virus(BVDV))、牛ロタウイルス(Bovine Rotavirus(BRV))および犬パルボウイルス(Canine Parvovirus(CPV))からなる群より選択される一つ以上であり得る。
【0017】
本出願で抗ウイルス効能が検証されたウイルスのうちの代表的なウイルスに関する説明は以下の通りである。
【0018】
豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(Porcine reproductive and repiratory syndrome virus(PRRSV))は、豚における代表的な慢性消耗性疾患であって、アルテリウイルス科(Ateriviridae)に属し、ニドウイルス(Nidovirales)目で、コロナウイルス科(Coronaviridae)とは遠い親戚関係である。このウイルスは、抗原と遺伝的特徴により欧州型(EU strain)と北米型(NA strain)に大きく区分され、エンベロープタンパク質を有し、15kbのプラス一本鎖RNAを遺伝子として有している。この遺伝子には最小10個以上のOpen reading frame(ORF)が存在し、非構造タンパク質(Nonstructural protein(NSP))をコードする5’末端のORF1a、ORF1bが全体遺伝子の3分の2を占める。このウイルスは主に肺に存在するマクロファージ(porcine alveolar macrophage(PAM))に感染してマクロファージの免疫機能を抑制する特性があり、他のウイルスや細菌の2次感染に脆弱にさせるため、非常に深刻な被害を与えるウイルスとして知られている。感染した妊娠母豚の場合は流産、死産(ミイラ)を示し、子豚の場合は深刻な呼吸器症状と斃死が起こったりもする。豚サーコウイルス(Porcine Circovirus)と共に離乳後全身性消耗症候群の被害は、長年養豚業系の大きな問題となってきている。
【0019】
コロナウイルス(Corona virus)科に属する豚流行性下痢ウイルス(Porcine Epidemic Diarrhea virus(PEDV))は、病名のとおり豚の小腸に感染して絨毛を脱落させ、激しい脱水と下痢を起こして農家に深刻な経済的損失を被らせるウイルスであり、特に、幼い豚では高い斃死率(50~100%)を示すため、より大きな経済的損失が発生するウイルス性疾患である。PEDVは、エンベロープを有し、約28kbのプラス一本鎖RNAを有しており、7個のORFを含有している。Spike遺伝子により大きく2種類の遺伝形態(G1、G2)に区分され、各形態はa、bに再び区分される。最近はG2c typeも明らかになったことがある。追加的に、スパイク(Spike)タンパク質のS1サブユニット(subunit)に多くの欠失(deletion)と挿入(insertion)を含有しているS INDEL(G1b type)と、そうではないnon-S INDEL(G2b type)が存在し、G2b typeが一般に高いウイルス毒性(virulence)を示す。G1とG2タイプの間で交差免疫が良好に形成されないという理由により、ワクチン開発も各タイプに応じて開発されなければならない。治療剤がなく、ワクチンもタイプ別に交差免疫が形成されないなど依然としてPEDVに対する確実な対応策は大いに不足した状況である。
【0020】
1982年に最初確認された豚サーコウイルスは、離乳後全身性消耗症候群(Postweaning multisystemic wasting syndrome、PMWS)の原因体であって、北米、英国、その他欧州の多くの国で発生しており、韓国内では1999年からその発生が確認され始め、養豚場のウイルス性疾患を起こしている。動物ウイルスの中で最も小さい形態である豚サーコウイルスは、血清型1型と2型に区分されており、1型は非病原性であるのに対し、2型が病原性ウイルスと知られている。また農場では豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルスまたは豚パルボウイルスと混合感染する場合が多く報告されており、深刻な経済的問題を引き起こす厄介なウイルスである。
【0021】
コロナウイルス(Corona virus)に属するIBVは、全世界的に発生しており、韓国内発生は1986年に公式確認された。マサチューセッツ型(Massachusetts type)のような全世界で分離されるウイルスがあるのに対し、欧州、米国、東南アジアなどでそれぞれ流行する地域特性を示すウイルスもあると報告されている。韓国の場合、1986年に最初に産卵低下と呼吸器症状を引き起こすウイルスが分離されており、1990年以降に腎臓型を主症状とするウイルス感染が持続的に高い頻度で発生している。最近、流行している分離株は、大きく呼吸器型のKorean Iグループと腎臓型のKorean IIグループに区分され、腎臓型の場合は日本や中国の分離株と類似していると分析されている。
【0022】
BVDVは、牛の第2種法定伝染病である牛ウイルス性下痢疾患を誘発し、消化管粘膜の潰瘍と下痢、呼吸器病変などを引き起こし、激しい場合は牛の斃死まで誘発する。1946年に米国のOlafsonなどにより最初に報告された。BVDVは、フラビウイルス科(Flaviviridae)のペスチウイルス(pestivirus)属に分類されるRNAウイルスであり、細胞株で細胞変性効果を引き起こすか否かにより細胞変性株(NADL、Singer、T20株など)と非細胞変性株(New York株など)に分類される。BVDVの感染経路は、糞便で汚染された飼料による経口感染と胎盤感染が主な経路となるが、呼吸器および生殖器感染によっても可能である。生殖器感染は、精液と受精卵を通じて伝染可能であると知られている。
【0023】
CPV感染症は、1978年以前に世界的に発生および報告されており、韓国では1980年代に京畿道で最初に確認されてから、全国的に発生した。臨床的または病理学的に主に3~8週齢の幼い子犬でみることができる心臓型と離乳後の犬からみることができる腸炎型の2種類に大きく区分することができる。腸炎型の症状には、激しい嘔吐、出血性下痢による脱水、白血球減少を示し、斃死するようになる。CPVに対する治療剤はなく、症状緩和のための静脈内点滴注射と複合性細菌感染を抑制するための抗生剤投与がある。予防目的で弱毒化ワクチンおよび不活化ワクチンの接種を唯一の手段として行う。
【0024】
豚ロタウイルス(Porcine Rotavirus)感染症は、伝染性胃腸炎(TGE、Transmissible gastroenteritis virus)および流行性下痢(PED、Porcine epidemic diarrhea)と共に幼い豚で下痢を引き起こし、成長成績を阻害する主なウイルス性疾患の一つである。斃死率は10%内外であるが、混合感染時には斃死率が高くなる。ワクチンで予防をしているが、変異がよく起こるRNAウイルスであり、VP6カプシドタンパク質(capsid protein)によりA~Hまで総8個の血清型グループが存在(このうち、A型が最も大きな被害を誘発する)してワクチンを通じた完璧な制御(Control)が容易ではない。さらには、同種間のロタウイルス感染にとどまらず、異種間の感染が引き起こるようになる組換えロタウイルスが簡単に作られ得るため、もしもの場合に新型の組換えロタウイルスにより大きな被害を誘発するようになり得るロタウイルス感染症に対するワクチン以外の対策を迅速に備えなければならない。
【0025】
豚と共に子牛、特に生後2~4週程度の幼い子牛でロタウイルス(Bovine Rotavirus(BRV))の感染により激しい下痢が誘発され、これにより深刻な経済的被害が引き起こされている。全世界的に子牛下痢病を誘発する牛コロナウイルス(BCV)、牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)などと共に幼い子牛で下痢を発生させる疾患として知られており、韓国内ではこれらの中でロタウイルスの感染が最も深刻である。豚と同様に、ワクチンで予防の効果を期待しているが、治療法が存在しないため、完全な疾患の制御が難しい実情である。牛ロタウイルスは、構造的にロタウイルスの最も外層を構成するVP4タンパク質により分類されるP typeウイルスが11種であり、VP7タンパク質により分類されるG typeウイルスが12種に区分されている。
【0026】
ニューカッスル病は、ニューカッスル病ウイルス(Newcastle Disease virus)により鳥類で発生する疾患であり、12個の遺伝型(Paramyxovirus(PMV)-1~PMV12)が存在し、PMV-1が鳥類、特に鶏と七面鳥などで最も重要な疾患である。また、鶏では病原性により病原性が弱いレントジェニック株(Lentogenic strain)、中間水準の病原性であるメソジェニック株(Mesogenic strain)、病原性が強いベロジェニック株(Velogenic strain)に区分され、レントジェニック株は弱毒化生ワクチン(Live-attenuated virus vaccine)として用いられている。予防接種をしていない鶏は2~14日内に100%斃死を引き起こす法定1種家畜伝染病(韓国)であり、呼吸困難および咳、緑色便または血便と共に神経症状として斜傾(首が捩じれる症状)が代表的なニューカッスル病の症状とみることができる。高い斃死率と共に成長成績の低下および産卵率の低下が農家に甚大な被害を与えることがあり、予防が効果的ではあるが、RNAウイルスの特性上、変異株が簡単に発生することがあるため、効果的な治療方法または物質が必ず開発されてこそ完全な疾病制御(Control)が可能であろう。
【0027】
豚インフルエンザウイルス(Swine Influenza virus)は、豚に感染して伝播性が強い急性呼吸器疾患を引き起こす。症状としては、発熱、咳、涙、衰弱、食欲不振など上部呼吸器の症状が現れ、たとえ斃死率は1~4%であまり高くはないが、豚の成長成績を阻害させて農家に被害をもたらす。そこで、最近は豚でもワクチン接種を行う傾向にあるが、あまりにも変異が頻繁に起こるウイルスで、完全な予防効能を期待し難い状況であり、治療剤と並行した制御(Control)が必要であると言える。人獣共通伝染病として、2009年に豚インフルエンザA型ウイルスH1N1がヒトに感染して新型インフルエンザが国際的に広範囲に発生した。一般にインフルエンザウイルス(Influenza Virus)は、ウイルスA、B、C、Dなど4種類のtypeが存在し、豚ではA型に属するウイルスが主な疾患の原因と言える。ウイルスのエンベロープに存在して感染細胞での浸透(Penetration)と放出(Budding out)に重要な役割を果たすヘマグルチニン(Hemagglutinin)とノイラミニダーゼ(Neuraminidase)タンパク質の構造(Sequence)によりH1~H18とN1~N11まで存在し、ウイルスのサブタイプ(Subtype)はこれら2種類のタンパク質の組み合わせにより総198個以上が存在することができる。
【0028】
豚インフルエンザウイルス疾患と共に、鳥類でのインフルエンザウイルス(Influenza Virus)は、斃死率が100%に達する高病原性(H5N1、H5N6、H5N8、H7N9など)ウイルスと、斃死率は低いが生産成績(成長および産卵率)を低下させて農家に大きな被害をもたらす低病原性(H9N2など)ウイルスに区分される。豚と同様にRNAウイルスであるため、変異が頻繁であり、組換えウイルス発生が頻繁であるため、ワクチンの効果を期待し難く、新型の組換えウイルスによりどのような甚大な被害(人獣共通伝染病で、ヒトにまで甚大な災難になり得る)が発生するか不明であるため、必ずワクチン以外の対策(治療剤の確保)を講じて疾病を制御(Control)可能にしなければならない。
【0029】
前記薬学的に許容可能な塩としては、薬学的に許容可能な遊離酸(free acid)により形成された酸付加塩が有用である。遊離酸としては、無機酸と有機酸を用いることができ、無機酸としては、塩酸、臭素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸などを使用することができ、有機酸としては、クエン酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、酢酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸、ガラクツロン酸、エンボン酸、グルタミン酸、クエン酸、アスパラギン酸などを使用することができる。また、本出願の化学式1~6で表されるヌクレオシドを含有する薬学組成物は、薬学的に許容可能な塩だけでなく、通常の方法により製造することができる全ての塩、水和物および溶媒和物を全て含むことができる。
【0030】
本出願による付加塩は、通常の方法で製造することができ、例えば化学式1~6で表される化合物からなる群より選択される化合物を水混和性有機溶媒、例えばアセトン、メタノール、エタノール、またはアセトニトリルなどに溶かし、過量の有機酸を加えたり無機酸の酸水溶液を加えた後に沈殿させたり結晶化させて製造することができる。次いで、この混合物から溶媒や過量の酸を蒸発させた後に乾燥して付加塩を得るかまたは析出された塩を吸引濾過させて製造することができる。
【0031】
また、前記組成物は、薬学組成物または健康食品組成物から選択され得る。
【0032】
具体的な一実施例において、前記抗ウイルス組成物は、薬学組成物の製造に通常使用する適切な担体、賦形剤、崩壊剤、甘味剤、被覆剤、膨張剤、潤滑剤、滑沢剤、香味剤、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤および潤滑剤からなる群より選択される一つ以上の添加剤を追加的に含むことができる。具体的に担体、賦形剤および希釈剤は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、非晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレートおよび鉱物油を用いることができ、経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記組成物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、カルシウムカーボネート、スクロースまたはラクトース、ゼラチンなどを混合して調製することができる。また、単純な賦形剤以外にマグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も使用することができる。経口のための液状製剤としては懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などがあり、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に様々ン賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれ得る。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、座薬などが含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどを用いることができる。
【0033】
本出願のまた他の実施様態として、前記薬学組成物は、通常の方法により顆粒剤、散剤、被覆錠剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、座薬、ゲル、シロップ、懸濁剤、乳剤、点滴剤または液剤として剤形化して使用することができる。本出願の一実施例によれば、前記薬学組成物は、当業界によく知られている方式、例えば経口、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、動脈内、腹腔内、胸骨内、経皮、鼻腔内、吸入、局所、直腸、経口、眼球内または皮内経路を通じて通常の方式で対象体に投与することができるが、これに制限されるのではない。
【0034】
前記化学式1~6で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩の具体的な投与量は、対象体の状態および体重、疾患の種類および程度、薬物形態、投与経路および期間により変わることがあり、当業者により適切に選択され得る。
【0035】
本出願の一実施例によれば、これに制限されるのではないが、下記に明示されたように各畜種別に適正量を動物に経口給餌(Intragastric administration)する場合、腸上皮細胞を通じて吸収され、血流内に流入されて各臓器組織に拡散するようになり、特にウイルスが増殖する組織内に存在する細胞に伝達/吸収されてウイルス攻撃接種により感染した細胞内でウイルス増殖を抑制して、結果としてウイルス感染した動物の治療剤として活用され得る。
【0036】
-6ヶ月未満の犬:100mg/kg、6ヶ月以上の犬:200mg/kg、1日2回給餌、4週以上毎日給餌
-6ヶ月未満の猫:100mg/kg、6ヶ月以上の猫:200mg/kg、1日2回給餌、4週以上毎日給餌
-1週齢未満の鶏:20mg/kg、2週齢未満の鶏:50mg/kg、3週齢以上の鶏:100mg/kg、1日2回給餌または1日飼料摂取量に応じて混合して給餌、4週以上毎日給餌
-4週齢未満の豚:100mg/kg、8週齢未満の豚:200mg/kg、8週齢以上の豚:300mg/kg、50kg以上の豚:400mg/kg、1日2回給餌または1日飼料摂取量に応じて混合して給餌、4週以上毎日給餌
-2ヶ月未満の子牛:200mg/kg、6ヶ月未満の牛:300mg/kg、6ヶ月以上の牛:400mg/kg、1日2回給餌または1日飼料摂取量に応じて混合して給餌、4週以上毎日給餌
【0037】
ただし、これは一例示に過ぎず、これにより本出願の範囲が制限されるのではない。
【0038】
本出願で前記対象体は、哺乳動物、鳥類、魚類または節足動物であり得るが、これに限定されるのではない。前記哺乳動物対象体は、豚、牛、犬、猫または鶏であり得る。前記魚類対象体は、ヒラメ、鮭、鯛、鰻、メバル、鱒であり得る。前記節足動物対象体は、海老、ロブスターであり得る。
【0039】
本出願のまた他の具体例において、前記健康食品は、健康食品全体100重量部に対して化学式1~6の化合物およびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される化合物を0.01~90重量部、0.01~50重量部、0.01~10重量部、0.01~5重量部、0.01~1重量部、0.01~0.1重量部、0.1~90重量部、0.1~50重量部、0.1~10重量部、0.1~5重量部、0.1~1重量部、1~90重量部、1~50重量部、1~10重量部、1~5重量部、10~90重量部、10~70重量部、10~50重量部、10~30重量部、または10~20重量部で含むことができるが、これに限定されるのではない。本出願の他の具体例において、前記健康食品は、有機酸、リン酸塩、抗酸化剤、乳糖カゼイン、デキストリン、葡萄糖、砂糖およびソルビトールからなる群より選択される一つ以上の添加剤を追加的に含むことができる。有機酸は、これに制限されるのではないが、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、乳酸またはリンゴ酸であり得、リン酸塩は、これに制限されるのではないが、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、酸性ピロリン酸塩またはポリリン酸塩(重合リン酸塩)であり得、抗酸化剤は、これに制限されるのではないが、ポリフェノール、カテキン、α-トコフェロール、ローズマリー抽出物、甘草抽出物、キトサン、タンニン酸またはフィチン酸などの天然抗酸化剤であり得る。本出願のまた他の具体例において、前記健康食品は、前記有効成分以外にも様々な栄養剤、プロバイオティクス、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤および天然風味剤などの風味剤、着色剤および増進剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有することができる。本出願の一実施例によれば、健康食品の剤形は、これに制限されるのではないが、固形、粉末、顆粒、錠剤、カプセル、液状または飲料形態であり得る。また前記健康食品は、これに制限されるのではないが、菓子類、糖類、アイスクリーム製品類、乳加工品、食肉製品、魚肉製品、豆腐類またはムク類、食用油脂類、麺類、茶類、飲料類、特殊栄養食品、健康補助食品、調味食品、氷、高麗人参製品類、キムチ漬物、干し魚介類、果物、野菜、果物または野菜の乾燥製品、切断製品、果物ジュース、野菜ジュース、これらの混合ジュース、チップス類、麺類、畜産加工食品、水産加工食品、乳加工食品、醗酵乳食品、豆類食品、穀類食品、微生物醗酵食品、製菓製パン、調味類、肉加工類、酸性飲料水、甘草類、ハーブ類などの食品の製造に用いることができる。
【0040】
また本出願は、化学式1~6の化合物およびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される化合物を有効成分として含有する飼料添加剤を提供する。
【0041】
一実施例において、本出願の飼料添加剤は、前記抗ウイルス用組成物と同様に、様々な形態で適用され得る。製剤形態の例としては、これに制限されるのではないか、液剤、懸濁剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤などが挙げられる。また前記形態に製剤化するために、前記有効成分以外に通常飼料添加剤に含まれ得る添加剤、賦形剤、例えば、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、甘味剤、安定剤および防腐剤の中の1種以上を選択して使用可能であり、追加的機能の提供のための香料、免疫増強剤などを混合して用いることができる。具体的に希釈剤は、乳糖、とうもろこしデンプン、大豆油、非晶質セルロース、またはマンニトール、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムまたはタルク、結合剤は、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルセルロースであり得る。また、崩壊剤は、カルボキシメチルセルロースカルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ポラクリリンカリウム、またはクロスポビドン、甘味剤としては、白糖、果糖、ソルビトール、アスパルテーム、または核酸(IMP、GMP)、安定剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、β-シクロデキストリン、白蜜蝋、またはキサンタンガム、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、またはソルビン酸カリウムであり得る。
【0042】
前記飼料添加剤は、哺乳動物、魚類、鳥類または節足動物、具体的に豚、牛、鶏、山羊、羊、馬、魚類、海老、昆虫、犬および猫からなる群より選択され得る。具体的に豚、牛、鶏、犬、猫であり得るが、これに限定されない。前記飼料添加剤は、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(Porcine Reproductive and Respiratory Syndrome virus(PRRSV))、豚流行性下痢ウイルス(Porcine Epidemic Diarrhea virus(PEDV))、豚インフルエンザウイルス(Swine Influenza virus(SIV))または鳥インフルエンザウイルス(Avian Influenza virus(AIV))のようなインフルエンザウイルス(Influenza Virus)、豚ロタウイルス(Porcine Rotavirus(PRV))、豚サーコウイルス(Porcine Circovirus(PCV))、鶏伝染性気管支炎ウイルス(Infectious Bronchitis virus(IBV))、鶏ニューカッスル病ウイルス(Newcastle Disease virus(NDV))、牛ウイルス性下痢ウイルス(Bovine Viral Diarrhea virus(BVDV))、牛ロタウイルス(Bovine Rotavirus(BRV))および犬パルボウイルス(Canine Parvovirus(CPV))からなる群より選択されたウイルスの活性を抑制することができる。
【0043】
前記飼料添加剤は、本出願による抗ウイルス用組成物と同様な用法用量で哺乳動物、魚類、鳥類または節足動物、具体的に豚、牛、鶏、山羊、羊、馬、魚類、海老、昆虫、犬または猫のような対象体に給餌され得る。また給餌方法は、通常当業界によく知られている給餌方式、例えば飼料などと混合して経口給餌することができるが、これに制限されない。
【0044】
一実施例において、本出願の飼料添加剤は、前記の用法用量により、例えば、乾燥重量を基準として1kgの飼料に0.01~300g、1g~200gまたは10g~100g(つまり、飼料の乾燥重量全体に対して0.001重量%~30重量%、0.1重量%~20重量%または1重量%~10重量%)などのように多様な比率で添加され得るがこれに制限されるのではない。
【0045】
本出願による抗ウイルス用組成物、薬学組成物または飼料添加剤に含まれる化学式1~6の化合物およびこれらの薬学的に許容可能な塩から選択される抗ウイルス素材は、ウイルスが細胞に侵入して遺伝子複製を行う場合、必要なGMPを生成させるイノシンモノホスフェート脱水素酵素(IMP Dehydrogenase、IMPDH)の機能を阻害させる機序を通じて、ウイルス遺伝子複製のソースを不足するようにして円滑なウイルス遺伝子複製を阻害させるか、またはウイルス遺伝子複製過程においてグアノシン(guanosine)アナログで複製過程に挿入されて最終産物として生成されるウイルスの機能性タンパク質に異常を起こすことにより感染性を低める方式でウイルスの感染と増殖を効果的に抑制する機序を示す。
【0046】
いくつかのヌクレオシドアナログ(Nucleoside analogue)に対して知られている機序、例えば免疫調節の効果、インターフェロン刺激因子(interferon stimulating factors)の発現増加、ウイルスのRNAポリメラーゼ(Polymerase)の機序阻害などのよく知られた効能機序も、本出願による抗ウイルス用組成物、薬学組成物または飼料添加剤に含まれる化学式1~6の化合物およびこれらの薬学的に許容可能な塩から選択される機序であり得る。
【0047】
一実施例において、本出願による化学式1~6のヌクレオシドの各畜種別の多様なウイルスの感染や増殖を抑制する効果を確認するために、インビトロ(in vitro)細胞評価法を通じて抗ウイルス効能を評価した結果、前記に明示された各畜種別の全てのウイルスに対して卓越な抗ウイルス効果を示すことを確認した。また、マウスに前記ヌクレオシドをインフルエンザウイルス(2009年のPandemic strain、CA04)攻撃接種後、5日間の経口給餌を行って生体内の抗ウイルス効果の評価結果を確認した結果、卓越な抗ウイルス効果を示すことを確認した。また、目的動物での抗ウイルス効能を確認するために、子豚に前記ヌクレオシドをPRRSV(NA strain)攻撃接種後、14日間の経口給餌を行ってウイルス性疾患の緩和効果と血液および肺組織内でのウイルス減少効能を評価してみた結果、卓越な抗ウイルス効果を示すことを確認した。
【0048】
以下、本出願の理解のために実施例を挙げて詳細に説明する。ただし、下記の実施例は、本出願の内容を例示するものに過ぎず、本出願の範囲が下記の実施例に限定されるのではない。本出願の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本出願をより完全に説明するために提供させるものである。
【実施例
【0049】
実施例1:IMP、XMP、GMPを利用したヌクレオシドアナログの製造法
【0050】
1-1.ジアルデヒド形態のヌクレオシドの製造法
酸化的開裂(Oxidative cleavage)のために水に溶かしたIMP、XMP、またはGMP(CJ第一製糖の製造および供給)を過ヨード酸塩(NaIO)を触媒剤として使用し、有機溶媒を利用して製造した後、濾過紙を利用して濾過し、透過物(Permeate)を陰イオン交換樹脂(WA30)で精製した後、凍結乾燥させて最終産物を獲得する(Maria Meurillon et al., 2014 Eur. J. Med. Chem. 77:18-37)。図1aではヌクレオシドアナログであるジアルデヒド形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)が生成された化学構造を示す。
【0051】
1-2.非環式ジオール形態のヌクレオシドの製造法
酸化的開裂(Oxidativecleavage)のために水に溶かしたIMP、XMP、またはGMP(CJ第一製糖の製造および供給)を過ヨード酸塩(NaIO)を触媒剤として使用し、有機溶媒を利用して製造した後、濾過紙を利用して濾過し、透過物(Permeate)に水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)を添加して還元(Reduction)させた後、凍結乾燥させて最終産物を獲得する(Maria Meurillon et al., 2014 Eur. J. Med. Chem. 77:18-37)。図1bではヌクレオシドアナログである非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)が生成された化学構造を示す。
【0052】
実施例2:in vitro細胞評価基盤のPRRSウイルス感染抑制効能および安全性の検証
PRRSウイルスに対するジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)のウイルス感染および増殖抑制効能を評価するために、猿腎臓細胞(Marc-145 cell line)を96ウェルプレート(well plate)に2×10 cells/wellで播種(seeding)した後、一日間培養した。翌日、100 TCID50/mlのPRRSV(NA type、VR-2332 strain)と段階希釈(serial dilution)されたアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に同時処理し、3日後にMeOH/Acetonの1:1混合溶液で細胞を固定してPRRSV N(Nucleocapid)タンパク質(protein)結合抗体であるSDOW-17を用いた1次抗体処理と1次抗体に付いて蛍光を発する2次抗体を順次に反応させた後、蛍光を発する細胞を測定してウイルス感染抑制の有無を分析した。また、DAPI(4’,6-diamidino-2-phenylindole)を使用して細胞数をカウント(counting)して全体細胞数から感染した細胞数を計算して数値化された感染水準により素材の効能を比較した。
【0053】
図2]、[図3]、[図4]、[図5]、[図6]および[図7]に示すように、各素材の濃度別PRRSV感染および増殖抑制効能を評価した結果、ジアルデヒド形態のグアノシン(guanosine)の場合、低濃度(40μM)で50%水準の感染抑制が観察され、100μMで90%以上の感染抑制がなされて最も良好な抗ウイルス効能を示した。効能を示す濃度でDAPI染色を通じてみることができるように、1000μMまでも細胞毒性はみられず、非常に安全な濃度範囲内で抗ウイルス効能を示すことができることを確認した。また、WST-1実験法を利用した細胞毒性評価でも、6000または10000μM以上で細胞毒性が観察されず、素材が非常に安全であることを確認した[表1]。
【0054】
結論として、[表1]に示すような選択性指数(Selectivity Index)も、ジアルデヒド形態のグアノシン(guanosine)で最も高く示されたことを確認した。ジアルデヒド形態のグアノシン(guanosine)の次の順位の効能を有する化合物は、ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)と示され、イノシン(inosine)基盤のアナログが最も高濃度で効能を示したが、当該濃度が動物適用に不適切な程度の高濃度水準ではないと判断された。また、非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(gunosine)を500、1000、2000、4000および8000マイクロモーラー(μM)濃度で処理してその効能水準および細胞毒性を評価し、ジアルデヒド形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)よりも高濃度(IC50:400~500μM)でPRRSVに対する抗ウイルス効能があることを確認した。
【0055】
【表1】
【0056】
実施例3:in vitro細胞評価基盤のPEDウイルス感染抑制効能および安全性の検証
PEDウイルスに対するジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)のウイルス感染および増殖抑制効能を評価するために、猿腎臓細胞(Vero cell line)を48ウェルプレート(well plate)に4×10 cells/wellで播種(seeding)した後、一日間培養する。翌日、200 TCID50/mlのPEDV(G1a type、SM98 strain)とジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に同時処理し、2日後に 商用化されたViral gene(DNA/RNA)extraction kit(iNtRON、101410754)を利用してRNAを分離した。分離されたRNAを商用化されたPEDV detection kit(MEDIAN Diagnostics、NS-PED-31)を利用して素材の抗ウイルス効能を検証した。
【0057】
[表2]から分かるように、ジアルデヒド形態のグアノシン(guanosine)で最も良好な効能を示し、ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)、イノシン(inosine)の順に良好な効果を確認した。また、非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)もPEDVに対する抗ウイルス効能を示したが、ジアルデヒド形態に比べて高濃度でIC50値を示した。
【0058】
【表2】
【0059】
実施例4:in vitro細胞評価基盤の豚サーコウイルス2型(PCV2)に対する感染抑制効能の検証
PCV2に対するジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)のウイルス感染および抑制効能を評価するために、豚腎臓細胞(PK15 cell line)を48ウェルプレート(well plate)に4×10 cells/wellで播種(seeding)した後、200 TCID50/wellのPCV2とジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に同時処理し、4日後に商用化されたViral gene(DNA/RNA)extraction kit(iNtRON、101410754)を利用してDNAを分離した。
【0060】
分離されたDNAをPCV2特異的プライマー(primer)(F-AGGAGGGCGTTCTGACTGTG、R-ACCGCTACCGTTGGAGAAGG)とrealtime RT-qPCR実験法(95℃、30秒の1サイクル(1 cycle)、95℃、20秒、56℃、60秒の40サイクル(40 cycles))を利用して素材の抗ウイルス効能を検証した。
【0061】
[表3]から分かるように、ジアルデヒド形態のグアノシン(guanosine)で圧倒的に良好な効能を示し、ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)、イノシン(inosine)の順に良好な効果を確認した。また、非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)もPCV2に対する抗ウイルス効能を示し、非環式ジオール形態のグアノシン(guanosine)は比較的に高濃度でIC50値を示した。
【0062】
【表3】
【0063】
実施例5:in vitro細胞評価基盤の豚ロタウイルス(PRV)感染抑制効能および安全性の検証
PRVに対するジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)のウイルス感染および増殖抑制効能を評価するために、猿腎臓細胞(Vero cell line)を48ウェルプレート(well plate)に4×10 cells/wellで播種(seeding)した後、一日間培養する。翌日、200 TCID50/wellのPEDV(G1a type、SM98 strain)とジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に同時処理し、3日後に商用化されたViral gene(DNA/RNA)extraction kit(iNtRON、101410754)を利用してRNAを分離した。分離されたRNAを商用化されたPRV detection kit(Ingenetix、DHUV02053)を利用して素材の抗ウイルス効能を検証した。
【0064】
[表4]から分かるように、ジアルデヒド形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)で類似の水準(100μM以下の濃度でIC50値を形成)の抗ウイルス効能を示し、グアノシン(guanosine)で177.4μM濃度のIC50値を示した。また、非環式ジオール形態ではジアルデヒド形態の素材よりも高濃度でIC50値を示し、イノシン(inosine)、グアノシン(guanosine)、キサントシン(xanthosine)の順に効能が観察された。
【0065】
【表4】
【0066】
実施例6:in vitro細胞評価基盤のインフルエンザウイルス(Influenza Virus、IV)に対する感染抑制および安全性の検証
SIV(Swine Influenza virus)に対するジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)のウイルス感染および抑制効能を評価するために、犬腎臓細胞(MDCK cell line)を48ウェルプレート(well plate)に5×10 cells/wellで播種(seeding)した後、一日間培養する。翌日、200 TCID50/wellのSIVとジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に同時処理し、4日後に商用化されたViral gene(DNA/RNA)extraction kit(iNtRON、101410754)を利用してRNAを分離した。
【0067】
分離されたRNAをSIV特異的プライマー(primer)(F-GATGGTAGATGGATGGTACGGTTAT、R-TTGTTAGTAATCTCGTCAATGGCATT)とrealtime RT-qPCR実験法(95℃、10分の1サイクル(1 cycle)、95℃、15秒、60℃、30秒、72℃、30秒の40サイクル(40 cycles))を利用して素材の抗ウイルス効能を検証した。
【0068】
[表5]から分かるように、ジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に処理した時、SIVの感染と増殖が抑制されることを確認することができた。ジアルデヒド形態のグアノシン(guanosine)で最も優れた効能(IC50:171.3μM)を示し、イノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)の順に良好な効果を確認した。また、非環式ジオール形態でも抗ウイルス効能を確認することができたが、非常に高濃度でその効能が確認された。
【0069】
【表5】
【0070】
実施例7:in vitro細胞評価基盤の鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)に対する感染抑制および安全性の検証
IBVに対するジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)のウイルス感染および抑制効能を評価するために、猿腎臓細胞(Vero cell line)を48ウェルプレート(well plate)に4×10cells/wellで播種(seeding)した後、一日間培養した。翌日、200 TCID50/wellのIBVとジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に同時処理し、4日後に商用化されたViral gene(DNA/RNA)extraction kit(iNtRON、101410754)を利用してRNAを分離した。
【0071】
分離したRNAをIBV特異的プライマー(primer)(F-ATGCTCAACCTTGTCCCTAGCA、R-TCAAACTGCGGATCATCACGT)とrealtime RT-qPCR実験法(95℃、10分の1サイクル(1 cycle)、95℃、15秒、60℃、45秒、72℃、30秒の40サイクル(40 cycles))を利用して各素材の抗ウイルス効能を評価した。
【0072】
[表6]から分かるように、ジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)によるIBVの感染と増殖抑制効能を確認することができた。ジアルデヒド形態のイノシン(inosine)で最も良好な効能(IC50:76.4μM)を示し、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)の順に抗ウイルス効果を示した。追加的に非環式ジオール形態ではキサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)で類似の水準のIC50値を示し、それに比べてイノシン(inosine)では相対的に高いIC50値で効能を示した。
【0073】
【表6】
【0074】
実施例8:in vitro細胞評価基盤の鶏ニューカッスル病ウイルス(NDV)感染抑制効能および安全性の検証
NDVに対するジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)のウイルス感染および増殖抑制効能を評価するために、猿腎臓細胞(Vero cell line)を48ウェルプレート(well plate)に4×10 cells/wellで播種(seeding)した後、一日間培養する。翌日、200 TCID50/wellのNDVとジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に同時処理し、3日後に商用化されたViral gene(DNA/RNA)extraction kit(iNtRON、101410754)を利用してRNAを分離した。分離されたRNAを商用化されたNDV detection kit(iNtRON、IP15456)を利用して素材の抗ウイルス効能を検証した。
【0075】
[表7]から分かるように、ジアルデヒド形態のイノシン(inosine)で最も優れた効能(IC50:469.4μM)を示し、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)の順にウイルス感染および増殖抑制効能を確認した。非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、グアノシン(guanosine)はジアルデヒド形態の素材に比べて高いIC50値で抗ウイルス効能を示し、キサントシン(xanthosine)は8000μMの濃度で39.4%(±0.97)のNDV感染抑制効能を示した。
【0076】
【表7】
【0077】
実施例9:in vitro細胞評価基盤の牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)に対する感染抑制および安全性の検証
BVDVに対するジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)のウイルス感染および抑制効能を評価するために、牛腎臓細胞(MDBK cell line)を48ウェルプレート(well plate)に4×10 cells/wellに播種(seeding)した後、一日間培養した。翌日、200 TCID50/wellのBVDVとジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に同時処理し、4日後に商用化されたViral gene(DNA/RNA)extraction kit(iNtRON、101410754)を利用してRNAを分離した。
【0078】
分離したRNAをBVDV特異的プライマー(primer)(F-TGACACCATCACCGACCAC、R-CTCCCTCTCTGCCCATTTCTT)とrealtime RT-qPCR実験法(94℃、10分の1サイクル(1 cycle)、94℃、10秒、53℃、20秒、72℃、30秒の35サイクル(35 cycles))を利用して各素材の抗ウイルス効能を確認した。
【0079】
[表8]から分かるように、ジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に処理した時、BVDVの感染と増殖が抑制されることを確認することができた。ジアルデヒド形態キサントシン(xanthosine)で最も優れた効能(IC50:97.8μM)を示し、イノシン(inosine)、グアノシン(guanosine)の順に良好な効果を確認した。また非環式ジオール形態では、ジアルデヒド形態に比べて高いIC50値で効能を確認することができた(log10 1以上のウイルス力価(virus titer)減少効能確認)。
【0080】
【表8】
【0081】
実施例10:in vitro細胞評価基盤の牛ロタウイルス(BRV)に対する感染抑制および安全性の検証
BRVに対するジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)のウイルス感染および抑制効能を評価するために、牛腎臓細胞(MDBK cell line)を48ウェルプレート(well plate)に4×10 cells/wellに播種(seeding)した後、一日間培養した。翌日、200 TCID50/wellのBRVとジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に同時処理し、4日後に商用化されたViral gene(DNA/RNA)extraction kit(iNtRON、101410754)を利用してRNAを分離した。
【0082】
分離したRNAをBRV特異的プライマー(primer)(F-TCATTTCAGTTGATGAGACCACC、R-ATTCAATTCTAAGCGTGAGTCCTAC)とrealtime RT-qPCR実験法(95℃、10分の1サイクル(1 cycle)、95℃、15秒、60℃、15秒、72℃、20秒の40サイクル(40 cycles))を利用して各素材の抗ウイルス効能を確認した。
【0083】
[表9]から分かるように、ジアルデヒド形態キサントシン(xanthosine)でBRVに対する非常に優れた感染および増殖抑制効能(IC50:50.5μM)を示し、イノシン(inosine)、グアノシン(guanosine)の順に優れた効果を確認することができた。非環式ジオール形態は、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)、イノシン(inosine)の順にBRVに対する抗ウイルス効能を示したが、ジアルデヒド形態に比べて多少高いIC50値を示した。
【0084】
【表9】
【0085】
実施例11:in vitro細胞評価基盤の犬パルボウイルス(CPV)に対する感染抑制効能の検証
CPVに対するジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)のウイルス感染および抑制効能を評価するために、犬腎臓細胞(MDCK cell line)を48ウェルプレート(well plate)に5×10 cells/wellで播種(seeding)した後、200 TCID50/wellのCPVとジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に同時処理し、4日後に商用化されたViral gene(DNA/RNA)extraction kit(iNtRON、101410754)を利用してDNAを分離した。
【0086】
分離されたDNAをCPV特異的プライマー(primer)(F-AGCTAGTTTCATCTTAACTATCAAATT、R-TTAACTCTCCAGAAAACTCATGC)とrealtime T-qPCR実験法(95℃、5分の1サイクル(1 cycle)、95℃、10秒、60℃、30秒の40サイクル(40 cycles))を利用して素材の抗ウイルス効能を検証した。
【0087】
[表10]から分かるように、ジアルデヒド形態および非環式ジオール形態のイノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)を細胞に処理した時、CPVの感染と増殖が抑制されることを確認することができた。ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)で最も優れた効能(IC50:221.2μM)が観察され、イノシン(inosine)、グアノシン(guanosine)がその次であった。非環式ジオール形態の場合、イノシン(inosine)、キサントシン(xanthosine)がほぼ類似のIC50値(2194および2195.5μM)の抗ウイルス効能を示し、グアノシン(guanosine)は8000μMで18.0%(±0.68)のCPV感染抑制効能を示した(log10 1以上のウイルス力価(virus titer)減少効能確認)。
【0088】
【表10】
【0089】
実施例12:in vivoマウス(mouse)攻撃接種評価基盤のインフルエンザウイルス(Influenza Virus、IV)感染抑制効能および安全性の検証
マウス(mouse)を利用したジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)アナログのin vivo効能分析のために、インフルエンザウイルス(Influenza Virus)を用いた攻撃接種評価の前に、接種方式と頻度および濃度などを決定するために略式形態のPharmaco-kinetics(PK、薬動学)分析を行った。2種類の接種方式を比較した時、一つは、マウスに胃内経路(Intragastric route)を通じて250mg/kg濃度で200ul強制経口接種をした後、10回の血液サンプリングを通じて血中素材の濃度変化を分析した。他の接種方式である腹腔内経路(Intraperitoneal route)を通じて50mg/kg濃度で100ulを注射器を通じて接種した後、同一方式の血液サンプリング後、分析を行った。[図8]と[図9]では10個の時点(time point)での残存濃度値を示し、値の傾向線を描いて分析を行い、AUC(Area under the curve)値を基盤として素材濃度が半分になる時点を推定してみた結果、ジアルデヒド形態のグアノシン(guanosine)は胃内経路(Intragastric route)接種時に約9時間、腹腔内経路(Intraperitoneal route)接種時に約6時間で50%素材残量が測定される時間となり、ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)の場合は、胃内経路(Intragastric route)と腹腔内経路(Intraperitoneal route)の場合共に約6時間を示した。血漿内のMax濃度から半分以下に下がる半減期(Half Life)は、1.3~3.1時間と現れ、水溶性が多少高いジアルデヒドキサントシン(xanthosine)で半減期が短く現れる傾向を示した。Max濃度を比較すると、経口投与よりも腹腔内注射投与でより高く現れ、これを基盤として経口投与では吸収率を高めることができる機序が必要となり得ることが分かる。
【0090】
前記の結果を参照してマウス(Mouse)を利用したインフルエンザウイルス(2009年のpandemic strain、CA04(豚由来インフルエンザウイルスに感染した患者から分離されたウイルス))攻撃接種評価時、素材接種計画を樹立し、試験処理群のデザインおよび日程は[図10]と[表11]に示した。
【0091】
【表11】
【0092】
試験内容
-Time Point別の肺組織摘出(Virus titration)
-剖検時に肺組織の病変観察
-毎日臨床症状観察
-剖検時に臓器組織別のダメージ(damage)観察
-毎日体重確認
-3、5dpi、処理群別1頭ずつ剖検(7dpi試験終了時に全数剖検)
【0093】
図10]に示すように、1週間の馴化期間後、100 MLD50(50% mouse lethal dose)のSIV(2009年のpandemic strain CA04)を鼻腔内経路(Intranasal route)を通じて攻撃接種の前と後の3時間である時、[表11]に示された接種方式で経口(Intragastric)投与で行い、素材はウイルス攻撃接種の翌日から5日になる日まで毎日1回ずつ投与を行った。最終剖検を行う7日目までモニタリングを行い、進行期間の間に毎日、臨床症状の観察と体重(BW)を測定した。感染後3日と5日目には各処理群別に1頭ずつ剖検を行ってウイルスによる肺病変の観察と肝臓、胃腸、脾臓、腎臓、心臓、小腸、大腸の異常病変を観察して素材の安全性の検証も行った。摘出された肺は、後でtotal RNAを抽出してウイルスの肺組織内の残存量を追跡して抗ウイルス素材の効能を測定した。
【0094】
結果として、in vitroで確認されたものと同様に、経口投与されたジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)とグアノシン(guanosine)のin vivo Anti-Influenza Virus効能を示し、給餌された素材による異常病変は観察されず、安全性も検証された。ただし、対照群(PBS(phosphate buffered saline)だけ給餌されたグループ)と比較して効能は優れていたが、ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)とグアノシン(guanosine)の二つのグループ間に効能差が現れ、溶解度が高いジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)の吸収率が良いことから、細胞基盤のin vitro抗ウイルス効能評価とは反対に、ジアルデヒド形態のグアノシン(guanosine)よりは効能が優れていた。詳細に説明すると、[図11]に示すように、7日間のSIV攻撃接種評価期間の間に体重の変化を観察した結果、PBSだけ投与されたマウス(Mouse)は3日目からウイルスによる体重減少が現れ、ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)とグアノシン(guanosine)アナログをIntragastric(経口接種目的の方式)投与したマウス(Mouse)は5日目まで素材が投与され、6日目まで素材が体内に持続する期間の間に非常に軽微な症状だけを示し、体重減少も非常に軽微であったが、2日間素材が給餌されない時点である7日目には体重減少が観察された。しかし、体重減少水準が軽微で試験終了時点まで素材の経口給餌による抗ウイルス効能が非常に優れていることを対照群と比較して確認することができた。体重減少の変化率を総合分析すると、素材給餌がウイルス完全根絶時点まで必ず投与されなければならないという情報を獲得することができ、全般的に素材の給餌を通じてウイルス症状を最小化できる効果があることを証明することができた。
【0095】
前記結果に基づいて生存率を説明することができるが、[図12]に示すように、7日目までの全てのデータを基盤として8日目の生存率結果を予測してみた結果、体重減少が非常に激しかった対照群は100%斃死(7日目に80%生存率)を示す結果となり、ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)とグアノシン(guanosine)を経口給餌したグループは、体重減少パターンと同様にジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)グループは100%生存(7日目に100%生存率)を示し、ジアルデヒド形態のグアノシン(guanosine)グループは60%生存率(7日目に80%生存率)を示した。水溶性が高くて吸収率(PK結果参照)が高かったジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)素材は血漿内濃度が高く現れて体重変化と生存率から前記のような結果が出たと推定することができる。
【0096】
剖検を通じた肺病変観察も前記と同一のパターンの結果が観察されたが、[図13]に示すように、ウイルス増殖がピーク(peak)となる3日目の病変は軽微であるが、ウイルス増殖の余波で対照群の5日目の肺病変は非常に深刻な状態で現れた。反面、ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)とグアノシン(guanosine)は、対照群と比較して軽微な肺病変が観察されて、外観から観察される臨床症状結果と同一の結果を示した。同じ脈絡で5日目以降に素材給餌が行われず、7日という短い評価期間のため、ウイルス完全根絶の結果をみることができなかった点から、肺病変の観察時、7日目に対照群と症状水準の格差が非常に狭くなった状態と見られた部分がある。それにもかかわらず、5日目の観察結果を比較分析すると、給餌された素材の抗ウイルス効能を明確に確認可能であると言える。また[図14]に示すように、肺組織内に残存しているウイルス量も素材を給餌した場合、より低く測定された結果を確認することができ、ジアルデヒド形態のグアノシン(guanosine)よりも効能が優れるように現れたジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)で最も低いウイルス力価(titer)を確認することができた。結果として、素材によるウイルス増殖が抑制されて前記のように臨床症状および検視結果が導出されたと言える。追加的に、[図15]は、剖検時に各グループで代表的な肺病変を示す摘出された肺組織の写真であり、対照群で非常に深刻な水準で血液成分が充満されたり組織壊死を示したりしているのに対し、ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)とグアノシン(guanosine)は、対照群に比べてマイルドな水準の病変だけが観察されて、前記の結果を裏付けることができる肉眼観察結果であると言える。畜種別の特定ウイルスに対する実際効果を確認するために、ウイルスがターゲットする畜種ごとに素材投与量や頻度などが新たに導出されなければならず、投与持続期間に対する情報を獲得しなければならないが、in vivoでジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)とグアノシン(guanosine)が抗ウイルス効能(疾病の症状緩和およびウイルス増殖の抑制)を効果的に示すため、優先してin vivo効能を確認できたとのことによって、前記で示すin vitro実施例で主張する各ウイルス別の抗ウイルス効能に対して主張できる根拠が設けられたと言える。
【0097】
参考までに、以上の小動物を活用した全ての臨床評価で使用されたインフルエンザウイルス(Influenza Virus)の場合、鶏と豚の全てに感染して病症を示すことができるウイルスであって、鶏と豚でインフルエンザウイルス(Influenza Virus)が感染する場合、ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)、グアノシン(guanosine)により病症が緩和され、生存率を高めるなど、鶏と豚で抗ウイルス用途の治療剤として活用可能であることが立証されたと言える。
【0098】
実施例13:in vivo子豚攻撃接種評価基盤のPorcine reproductive and respiratory syndrome(PRRS) virus感染抑制効能および安全性の検証
幼い豚(子豚)を利用したジアルデヒド形態XMPのin vivo抗ウイルス効能分析のためにPRRSウイルス(virus)を用いた攻撃接種評価を行ったが、PRRSVの空気伝播防止のためのアイソレータ(Isolator)を使用し、ウイルス臨床症状の識別力を確保するために3週齢の子豚を利用した。[表12]に説明されているように処理群配置を行い、[図16]に説明されているように評価を行った。18日齢の子豚を導入して3日の馴化期間後、PRRSV(NA strain、EU strainより高病原性)を鼻腔内経路(Intranasal route)で攻撃接種し、毎日午前、午後に素材またはPBS(Phosphate buffered saline)をカテーテル(catheter)を使用して経口給餌した。攻撃接種後、3~4日間隔で体重を測定し、臨床症状モニタリングを行った。攻撃接種開始2週後に剖検を通じて肺組織での病変を確認してジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)の抗ウイルス効能を検証した。
【0099】
【表12】
【0100】
図17]に示すように、ウイルス接種とPBS給餌が行われた陽性対照群は、ウイルス感染によるダメージにより増体が非常に遅く行われたが、素材を経口で給餌した子豚の体重増加は、ウイルス感染による増体遅延が全く現れず、何の処理も行っていない陽性対照群と同一の体重増加パターンを示した。これは非常に重要な結果であり、ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)を飼料と共に給餌した時、実際畜産農家でPRRSV感染による経済的損失を防止することができるという事実である。また、剖検時に肺組織内(PRRSVのtropismは肺に存在するマクロファージ)virus力価を測定した結果、[図18]に示すように、陽性対照群に比べて減少したウイルス量を素材処理群から確認することができた。これは、臨床症状緩和効能は実際的に宿主の体内ウイルス残存量を減少させ、ウイルス増殖を抑制させることによって抗ウイルス効能を示していることを証明している。[図19]は剖検時に肺を摘出して間質性肺炎病変を肉眼で観察した写真であり、肺全般にわたって病変をみせる陽性対照群とは異なり、陰性対照群と素材処理群は比較的に完全な状態の肺を示している。最後に、摘出された肺を剥離切片してPRRSウイルス(virus)を特異的に検出(detection)する抗体を利用して免疫染色法(Immunohistochemistry)を行ったが、[図20]に示すように幾多のウイルスが存在する陽性対照群とは異なり、素材処理群では極少量のウイルスだけ検出(detection)された。全ての実験結果を総合すると、ジアルデヒド形態のキサントシン(xanthosine)の経口給餌を通じて養豚農家で慢性的に経済的被害を与えるPRRSウイルス感染症を治療可能であることを判断することができる。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【配列表】
2024545703000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1~6のヌクレオシドアナログおよびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される1種以上のヌクレオシドアナログを含む、ウイルス感染の阻害に使用するための組成物。
【化1】
【請求項2】
前記ウイルスは、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(Porcine Reproductive and Respiratory Syndrome virus、PRRSV)、豚流行性下痢ウイルス(Porcine Epidemic Diarrhea virus、PEDV)、インフルエンザウイルス(Swine Influenza virus、SIV、Avian Influenza virus、AIV)、豚ロタウイルス(Porcine Rotavirus、PRV)、豚サーコウイルス(Porcine Circovirus、PCV)、鶏伝染性気管支炎ウイルス(Infectious Bronchitis virus、IBV)、鶏ニューカッスル病ウイルス(Newcastle Disease virus、NDV)、牛ウイルス性下痢ウイルス(Bovine Viral Diarrhea virus、BVD)、牛ロタウイルス(Bovine Rotavirus、BRV)および犬パルボウイルス(Canine Parvovirus、CPV)からなる群より選択される1種以上のウイルスである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
下記の化学式1~6のヌクレオシドアナログおよびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される1種以上のヌクレオシドアナログを含む、免疫調節に使用するための組成物。
【化2】
【請求項4】
薬学組成物または食品組成物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
下記の化学式1~6のヌクレオシドアナログおよびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される1種以上のヌクレオシドアナログを含む、ウイルス感染の阻害に使用するための飼料添加剤。
【化3】
【請求項6】
哺乳動物用、鳥類用、魚類用または節足動物用である、請求項5に記載の飼料添加剤。
【請求項7】
下記の化学式1~6のヌクレオシドアナログおよびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される1種以上のヌクレオシドアナログを含む、ウイルス感染の阻害に使用するための飼料。
【化4】
【請求項8】
哺乳動物用、鳥類用、魚類用または節足動物用である、請求項7に記載の飼料。
【請求項9】
ウイルス感染を阻害するための方法であって、
非ヒト対象体に請求項1に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項10】
前記ウイルスは、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(Porcine Reproductive and Respiratory Syndrome virus、PRRSV)、豚流行性下痢ウイルス(Porcine Epidemic Diarrhea virus、PEDV)、インフルエンザウイルス(Swine Influenza virus、SIV、Avian Influenza virus、AIV)、豚ロタウイルス(Porcine Rotavirus、PRV)、豚サーコウイルス(Porcine Circovirus、PCV)、鶏伝染性気管支炎ウイルス(Infectious Bronchitis virus、IBV)、鶏ニューカッスル病ウイルス(Newcastle Disease virus、NDV)、牛ウイルス性下痢ウイルス(Bovine Viral Diarrhea virus、BVD)、牛ロタウイルス(Bovine Rotavirus、BRV)および犬パルボウイルス(Canine Parvovirus、CPV)からなる群より選択される1種以上のウイルスである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記非ヒト対象体は、哺乳動物、鳥類、魚類または節足動物である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
免疫調節のための方法であって、
非ヒト対象体に請求項1に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項13】
前記非ヒト対象体は、哺乳動物、鳥類、魚類または節足動物である、請求項12に記載の方法。
【国際調査報告】