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特表2024-545710エアロゾル発生物品または煙発生物品をカーリングするためのカーリング方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品または煙発生物品をカーリングするためのカーリング方法
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/01 20200101AFI20241203BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20241203BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20241203BHJP
【FI】
A24C5/01
A24D1/20
A24F40/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024538221
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2022086154
(87)【国際公開番号】W WO2023117691
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】21217054.2
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】コンソランテ アントニオ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B144
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA50
4B045AB11
4B144CG08
4B144CL09
4B144CL10
4B144CM01
4B162AA02
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC14
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするための方法に関する。方法は、カーリング表面を提供することを含む。方法は、開いた管状端を備えるエアロゾル発生物品または煙発生物品を提供することを含む。方法は、カーリング表面をエアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させること、および同時にカーリング表面を回転させることによって、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングすることを含む。本発明は、エアロゾル発生物品または煙発生物品にさらに関する。本発明は、エアロゾル発生物品または煙発生物品をカーリングするためのカーリングヘッドにさらに関する。本発明は、エアロゾル発生物品または煙発生物品を製造するための設備にさらに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするための方法であって、
カーリング表面を提供する工程と、
開いた管状端を備えるエアロゾル発生物品または煙発生物品を提供する工程と、
前記カーリング表面を前記エアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させること、および同時に前記カーリング表面を回転させることによって、前記エアロゾル発生物品または煙発生物品の前記開いた管状端をカーリングする工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記カーリング表面が凹状形状であり、かつ中心軸の周りに回転対称的に配設され、かつ前記エアロゾル発生物品または煙発生物品の前記開いた管状端の前記カーリング工程が、前記中心軸に沿って前記エアロゾル発生物品または煙発生物品の前記開いた管状端に向かって前記カーリング表面を前進させ、かつ同時に前記中心軸の周りに前記カーリング表面を回転させることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カーリング表面を前記エアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させることが、1ミリメートル~10ミリメートル、好ましくは3ミリメートル~7ミリメートル、より好ましくは約5ミリメートルの距離にわたって前記カーリング表面を直線的に前進させることを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記カーリング表面を前記エアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させることが、1ニュートン~20ニュートン、好ましくは3ニュートン~15ニュートン、より好ましくは5ニュートン~10ニュートンの力で前記カーリング表面を直線的に前進させることを含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記エアロゾル発生物品または煙発生物品の前記開いた管状端の前記カーリング工程の前に、カプセルを前記エアロゾル発生物品または煙発生物品の前記開いた管状端の中に挿入する工程を含み、好ましくは、前記カプセルが一種以上のニコチン塩を含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記エアロゾル発生物品または煙発生物品の前記開いた管状端の前記カーリング工程の前に、前記エアロゾル発生物品または煙発生物品の前記開いた管状遠位端を前処理する工程を含み、好ましくは、前処理する前記工程が、前記エアロゾル発生物品または煙発生物品の前記開いた管状端を水溶液で湿潤させることを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記カーリング表面が、毎分50回転~毎分2,000回転、好ましくは毎分100回転~毎分1,500回転、より好ましくは毎分300回転~毎分1,200回転のスピードで回転される、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
カールされた遠位端を備えるエアロゾル発生物品または煙発生物品であって、前記カールされた遠位端が凸状の湾曲を備える、エアロゾル発生物品または煙発生物品。
【請求項9】
請求項1~7のいずれかに記載の方法によって得られる、請求項8に記載のエアロゾル発生物品または煙発生物品。
【請求項10】
前記カールされた遠位端が、中央開口を取り囲むカールされた縁を備える、請求項8または請求項9に記載のエアロゾル発生物品または煙発生物品。
【請求項11】
前記カールされた遠位端が厚紙または紙から作製される、請求項8~10のいずれかに記載のエアロゾル発生物品または煙発生物品。
【請求項12】
カプセルを備え、好ましくは、前記カプセルが一種以上のニコチン塩を含む、請求項7~11のいずれかに記載のエアロゾル発生物品または煙発生物品。
【請求項13】
エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするためのカーリングヘッドであって、
近位端と遠位端との間に延びる長軸方向中心軸と、
前記近位端の中央に位置し、かつ前記遠位端に向かって凹部を画定する円形の開口部と、を備え、
前記凹部が、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた中空の管状要素の前記凹部の中への挿入のために配設され、
前記凹部の側壁の少なくとも一部分が、凹状の湾曲を含むカーリング表面として配設され、
前記長軸方向中心軸に沿って前記カーリングヘッドを直線的に前進させ、かつ同時に、前記長軸方向中心軸の周りで前記カーリングヘッドを回転させるように構成されたカーリング機構をさらに備える、カーリングヘッド。
【請求項14】
前記凹部の基本的な形状が、椀型またはドーム型である、請求項13に記載のカーリングヘッド。
【請求項15】
前記カーリング機構が、前記長軸方向中心軸に沿って前記カーリングヘッドを直線的に前進させ、かつ同時に、前記カーリングヘッドを、毎分50回転~毎分2,000回転、好ましくは毎分100回転~毎分1,500回転、より好ましくは毎分300回転~毎分1,200回転のスピードで前記長軸方向中心軸の周りに回転させるように構成される、請求項13または請求項14に記載のカーリングヘッド。
【請求項16】
前記凹部の基部が、前記長軸方向中心軸に沿って前記近位端に向かって延びる中央に配設された突出部を備え、好ましくは、前記中央に配設された突出部がピン形状である、請求項13~15のいずれかに記載のカーリングヘッド。
【請求項17】
エアロゾル発生物品または煙発生物品を製造するための設備であって、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするためのカーリングステーションを備え、前記カーリングステーションが請求項13~16のいずれかに記載のカーリングヘッドを備える、設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするための方法に関する。本開示は、エアロゾル発生物品または煙発生物品にさらに関する。本開示は、エアロゾル発生物品または煙発生物品をカーリングするためのカーリングヘッドにさらに関する。本開示は、エアロゾル発生物品または煙発生物品を製造するための設備にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品または煙発生物品、例えば、吸入器物品製造の分野では、変形可能な管状要素を提供し、変形可能な管状要素の遠位端を内向きに約90度だけ折り曲げて、変形可能な管状要素の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖することが知られている。活性物質を含むカプセルは、管状要素内に保持されてもよい。物品の遠位端を完全に閉じるのではなく、中空の管状要素内に保持されたカートリッジまたはカプセルを穿孔するために、それを通して穿孔手段を挿入することを可能にする開いた中央開口を有することが望ましい場合がある。
【0003】
製造公差に起因して、折り曲げられた端の長さは、物品ごとに変化する場合がある。これは、パッケージ内の異なる物品の不均一な光学的外観を引き起こす場合があり、これは不快な場合がある。これはまた、部分的に閉じた物品の中央開口の直径の変化ももたらす場合がある。開口が過度に大きい場合には、これは、カプセルが管状要素から外へ出ることを生じる場合がある。開口が過度に小さい場合には、穿孔が可能ではない場合がある。同様に、開口が過度に大きい場合には、これは、他の要素、例えばたばこ材料が、エアロゾル発生物品または煙発生物品の管状要素から外へ出ることを生じる場合がある。
【0004】
中空の管状要素は、製造コストを低減するために、薄い、それ故に壊れやすい材料で作製される場合がある。薄い材料から作製された折り曲げられた遠位端は、わずかな剛直さしか呈しない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エアロゾル発生物品または煙発生物品を、再現可能かつ自動的に製造するための方法および装置を提供することが望ましいことになる。エアロゾル発生物品または煙発生物品を、十分に高速で製造するための方法および装置を提供することが望ましいことになる。物品の閉じた遠位端の均一な外観を有するエアロゾル発生物品または煙発生物品を製造するための方法および装置を提供することが望ましいことになる。
【0006】
構造的に補強されたエアロゾル発生物品または煙発生物品を製造するための方法および装置を提供することが望ましいことになる。楕円率がごく小さいか、またはゼロである円形断面を有するエアロゾル発生物品または煙発生物品を製造するための方法および装置を提供することが望ましいことになる。貫通装置の中へのエアロゾル発生物品または煙発生物品の挿入を改善することが望ましいことになる。
【0007】
エアロゾル発生物品または煙発生物品を製造するための方法および装置を提供し、この製造方法を、エアロゾル発生物品または煙発生物品を製造するために使用される既存の製造ラインで実施することができることが望ましいことになる。
【0008】
物品の端部分への別の要素の取り付けを可能にする、または改善するエアロゾル発生物品または煙発生物品を提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態によると、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするための方法が提供される。方法は、カーリング表面を提供することを含んでもよい。方法は、開いた管状端を備えるエアロゾル発生物品または煙発生物品を提供することを含んでもよい。方法は、カーリング表面をエアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させること、および同時にカーリング表面を回転させることによって、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングすることを含んでもよい。
【0010】
本発明の実施形態によると、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするための方法が提供される。方法は、カーリング表面を提供することを含む。方法は、開いた管状端を備えるエアロゾル発生物品または煙発生物品を提供することを含む。方法は、カーリング表面をエアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させること、および同時にカーリング表面を回転させることによって、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングすることを含む。
【0011】
エアロゾル発生物品または煙発生物品を、再現可能かつ自動的に製造するための方法が提供される。エアロゾル発生物品または煙発生物品を十分に高速で製造するための方法が提供される。
【0012】
エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングすることによって、開いた管状端は、少なくとも部分的に閉じられてもよい。少なくとも部分的に閉じた端は、挿入された要素、例えば、カプセルが物品から外へ出る可能性を回避する場合がある。
【0013】
開いた管状端をカーリングすることによって、開いた管状端を折り曲げることなく、管状端は少なくとも部分的に閉じられる場合がある。エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングすることによって、物品の閉じた遠位端の均一な外観を有するエアロゾル発生物品または煙発生物品を製造するための方法が提供されてもよい。
【0014】
開いた管状端をカーリングすることによって、増大した剛直さを有する管状端のカールされた縁が提供される場合がある。構造的に補強されたエアロゾル発生物品または煙発生物品を製造するための方法が提供される場合がある。カールされた縁は、物品の遠位端に増加した硬度を提供する場合がある。カールされた縁を備える物品の遠位端は、丸い形状から楕円形形状に押されにくい場合がある。例えば、カプセルを備える吸入器物品の構造的に補強されたカールされた端が提供されてもよく、これは有利なことに、カプセルを穿孔するために貫通装置の中へと挿入される時に変形または損傷されにくい場合がある。開いた管状端をカーリングすることによって、貫通装置の中への吸入器物品の挿入が改善された吸入器物品を製造するための方法が提供される場合がある。
【0015】
開いた管状端をカーリングすることによって、楕円率をほとんどまたは全く有しない、高度に円形断面を有するエアロゾル発生物品または煙発生物品が提供される場合がある。丸めの間の中心軸の周りの回転移動は、楕円率を有しない円形状の端を提供するために有益である場合がある。丸み付きの形状は、貫通装置の中への吸入器物品の挿入を改善する場合がある。
【0016】
開いた管状端をカーリングすることによって、縁表面の増加が提供される場合がある。物品の長軸方向と直角を成すカールされた縁の表面積は、カールされていない開いた管状端の壁の厚さによって提供される表面積と比較して増加する場合がある。カールされた縁の増加した表面積は有利なことに、物品の端部分への別の要素の取り付けを可能にする、または改善する場合がある。例えば、糊付け面積の増加が、表面積の増加によって提供されてもよい。糊付け面積の増加は、エアロゾル発生物品または煙発生物品のカールされた端への追加的な要素、例えばディスク要素の糊付けを容易にする場合がある。
【0017】
「カーリング表面をエアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させることによって、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングし、かつ同時にカーリング表面を回転させる」工程は、「カーリング表面をエアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させ、かつ同時に回転軸の周りにカーリング表面を回転させることによってエアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングすること」を含んでもよい。
【0018】
「カーリング表面をエアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させることによって、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングし、かつ同時にカーリング表面を回転させる」工程は、「カーリング表面をエアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させ、かつ同時に回転軸の周りにカーリング表面を複数回転だけ回転させることによってエアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングすること」を含んでもよい。
【0019】
回転軸は、エアロゾル発生物品または煙発生物品へと向かうカーリング表面の前進方向に対して、90度未満、好ましくは45度未満、より好ましくは20度未満、より好ましくは10度未満、より好ましくは5度未満、より好ましくは1度未満の角度で配設されてもよい。回転軸は、エアロゾル発生物品または煙発生物品に向かってカーリング表面の前進方向と平行に配設されてもよい。
【0020】
エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端は、セルロース系材料、例えば、紙または厚紙を含んでもよく、またはそれから成ってもよい。
【0021】
エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端は、ラッピングペーパーを含んでもよく、またはラッピングペーパーから成ってもよい。
【0022】
開いた管状端の壁の厚さは、100マイクロメートル~150マイクロメートルであってもよく、好ましくは110マイクロメートル~140マイクロメートル、より好ましくは120マイクロメートル~130マイクロメートルである。
【0023】
開いた管状端の壁は、厚紙で作製されてもよく、また100マイクロメートル~150マイクロメートル、好ましくは110マイクロメートル~140マイクロメートル、より好ましくは120マイクロメートル~130マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0024】
カールされた端は、カールされた縁を備えてもよい。カールされた縁の厚さは、エアロゾル発生物品または煙発生物品の長軸方向軸に対して直角な方向に測定されてもよい。
【0025】
カールされた縁の厚さは、0.5ミリメートル~2.5ミリメートル、好ましくは1.0ミリメートル~2.0ミリメートル、より好ましくは1.2ミリメートル~1.8ミリメートル、より好ましくは1.4ミリメートル~1.6ミリメートルであってもよい。カールされた縁の厚さは、約1.5ミリメートルであってもよい。
【0026】
例えば、エアロゾル発生物品または煙発生物品の外径は、約7.2ミリメートルであってもよく、またエアロゾル発生物品または煙発生物品のカールされた端は、約4.2ミリメートルの幅を有する中央開口を備えてもよく、これによりカールされた縁の厚さは、約1.5ミリメートルである。
【0027】
エアロゾル発生物品または煙発生物品のカールされた縁の少なくとも一部分は、開いた管状端のカールされていない壁より高い厚さを提供してもよい。エアロゾル発生物品または煙発生物品のカールされた縁の少なくとも一部分は、カールされていない管状の壁より高い密度を提供してもよい。カーリング表面の同時の前進および回転によって、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングする方法は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端を折り畳むかまたは曲げる他の方法とは異なる。結果として得られるエアロゾル発生物品または煙発生物品のカールされた縁は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の折り畳まれた、または曲げられた管状端とは異なる。カーリング表面を同時に前進および回転させることによる処理に起因して、カールされた端の形状および構造は、従来の折り畳む方法または曲げる方法によって少なくとも部分的に閉じられた物品の少なくとも部分的に閉じた端の形状および構造とは異なる。
【0028】
エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするための方法は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の製造に使用される既存の製造ライン内で実施されてもよい。
【0029】
カーリング表面は、凹状に形作られてもよく、また随意に、凹状の湾曲を含んでもよい。カーリング表面は、中心軸の周りで回転対称的に配設されてもよい。エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングする工程は、中心軸に沿ってエアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端に向かってカーリング表面を前進させることと、同時に、中心軸の周りにカーリング表面を回転させることと、を含んでもよい。カーリングする工程の間、カーリング表面の中心軸およびエアロゾル発生物品または煙発生物品の長軸方向中心軸は、共通軸に沿って整列してもよい。
【0030】
カーリング表面は、滑らかな表面、例えば、研磨されていてもよい金属表面であってもよい。カーリング表面は、鋼および真鍮のうちの一方または両方を含んでもよい。
【0031】
カーリング表面は、1ミリメートル~10ミリメートル、好ましくは3ミリメートル~7ミリメートル、より好ましくは約5ミリメートルの距離にわたって、エアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって直線的に前進してもよい。
【0032】
カーリング表面は、毎秒1ミリメートル~毎秒10ミリメートル、好ましくは毎秒3ミリメートル~毎秒7ミリメートル、より好ましくは毎秒約5ミリメートルのスピードで、エアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって直線的に前進してもよい。
【0033】
カーリング表面は、1ニュートン~20ニュートン、好ましくは3ニュートン~15ニュートン、より好ましくは5ニュートン~10ニュートンの力で、エアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって直線的に前進してもよい。
【0034】
カーリング表面は、毎分50回転~毎分2,000回転、好ましくは毎分100回転~毎分1,500回転、より好ましくは毎分300回転~毎分1,200回転のスピードで回転してもよい。
【0035】
カーリング表面は、本明細書に記述されるようなカーリングヘッドのカーリング表面であってもよい。
【0036】
方法は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングする工程の前に、カプセルをエアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端の中へと挿入する工程を含んでもよい。
【0037】
方法は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングする工程の前に、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状遠位端を前処理する工程を含んでもよい。前処理は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端を、例えば、スプレーミストの形態にある水溶液を用いて湿潤させることを含んでもよい。水溶液は水性であってもよく、また添加剤を含んでもよい。開いた管状端は、わずかに湿潤されるだけでよい。開いた管状端を湿潤させることによって、エアロゾル発生物品または煙発生物品の管状壁の湿度が増加する場合がある。
【0038】
前処理は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端を、ベイパーまたは蒸気を用いて処理することを含んでもよい。前処理は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端を、例えば、30℃~200℃の範囲の温度に加熱することを含んでもよい。
【0039】
前処理は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端のカーリングを改善する場合がある。前処理は、開いた管状端が厚紙または紙を含む時、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端のカーリングを特に改善する場合がある。
【0040】
前処理は、縁の弾性を増加する場合がある。
【0041】
本発明はさらに、少なくとも一つのカールされた端、好ましくはカールされた遠位端を備えるエアロゾル発生物品または煙発生物品に関する。エアロゾル発生物品または煙発生物品は、本明細書に記述されるようにエアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするための方法によって得られてもよい。
【0042】
カールされた遠位端は、凸状の湾曲を備えてもよい。凸状湾曲の曲率半径は、1.3ミリメートル~2.3ミリメートル、好ましくは1.6ミリメートル~2.0ミリメートル、より好ましくは1.7ミリメートル~1.9ミリメートル、より好ましくは約1.8ミリメートルであってもよい。カールされた遠位端は、丸みのある形状を有してもよい。
【0043】
カールされた遠位端は、中央開口を取り囲むカールされた縁を備えてもよい。カールされた縁は、丸みのある縁であってもよい。
【0044】
カールされた遠位端は、厚紙または紙、例えば、ラッピングペーパーから作製されてもよい。
【0045】
エアロゾル発生物品または煙発生物品は、カプセルを備えてもよい。カプセルは、一種以上のニコチン塩を含んでもよい。
【0046】
カプセルは、医薬的に活性な粒子を収容してもよい。例えば、医薬的に活性な粒子はニコチンを含んでもよい。医薬的に活性な粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。カプセルは、一種以上のニコチン塩を含んでもよい。
【0047】
カプセルは、ニコチンを含むニコチン粒子(「ニコチン粉末」または「ニコチン粒子」とも呼ばれる)、および随意に、風味を含む粒子(「風味粒子とも呼ばれる)を収容してもよい。カプセルは、所定の量のニコチン粒子および随意の風味粒子を収容してもよい。カプセルは、少なくとも2回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約5回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約10回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を収容してもよい。カプセルは、約5~約50回の吸入もしくは「吸煙」、または約10~約30回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を収容してもよい。各吸入または「吸煙」は、約0.1mg~約3mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約0.2ミリグラム~約2ミリグラムのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約1ミリグラムのニコチン粒子をユーザーの肺に送達してもよい。
【0048】
ニコチン粒子は、採用される特定の製剤に基づいてニコチンの任意の有用な濃度を有してもよい。ニコチン粒子は、少なくとも約1重量パーセントのニコチン~最大約30重量パーセントのニコチン、または約2重量パーセント~約25重量パーセントのニコチン、または約3重量パーセント~約20重量パーセントのニコチン、または約4重量パーセント~約15重量パーセントのニコチン、または約5重量パーセント~約13重量パーセントのニコチンを有してもよい。好ましくは、各吸入もしくは「吸煙」により、約50~約150マイクログラムのニコチンがユーザーの肺に送達されてもよい。
【0049】
カプセルは、少なくとも約5ミリグラムのニコチン粒子、または少なくとも約10ミリグラムのニコチン粒子を保持または収容してもよい。カプセルは約900ミリグラム未満のニコチン粒子、または約300ミリグラム未満のニコチン粒子、または150ミリグラム未満のニコチン粒子を保持または収容してもよい。
【0050】
カプセルは、約5ミリグラム~約300ミリグラムのニコチン粒子、または約10ミリグラム~約200ミリグラムのニコチン粒子を保持または収容してもよい。
【0051】
カプセルの中で風味粒子がニコチン粒子とブレンドされたまたは組み合わせられた時、ユーザーに送達される各吸入もしくは「吸煙」に対して所望の風味を提供する量の風味粒子が存在してもよい。
【0052】
ニコチン粒子は、ユーザーの肺の中へと優先的に吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有してもよい。カプセルは、ニコチン粒子以外の粒子を含んでもよい。ニコチン粒子およびその他の粒子は、粉末系を形成してもよい。
【0053】
カプセルは、少なくとも約5ミリグラムの乾燥粉末(粉末系とも呼ばれる)または少なくとも約10ミリグラムの乾燥粉末を保持または収容してもよい。カプセルは、約900ミリグラム未満の乾燥粉末、または約300ミリグラム未満の乾燥粉末、または約150ミリグラム未満の乾燥粉末を保持または収容してもよい。カプセルは、約5ミリグラム~約300ミリグラムの乾燥粉末、または約10ミリグラム~約200ミリグラムの乾燥粉末、または約25ミリグラム~約100ミリグラムの乾燥粉末を保持または収容してもよい。
【0054】
乾燥粉末または粉末系は、約5マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約5マイクロメートルの範囲内の粒子サイズを有するニコチン粒子から成る、少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約80重量パーセントの粉末系を有してもよい。
【0055】
ニコチンを含む粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約2.5マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径5を有してもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターを用いて測定することが好ましい。
【0056】
風味を含む粒子は、約20マイクロメートル以上、または約50マイクロメートル以上、または約50~約200マイクロメートルの範囲内、または約50~約150マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターを用いて測定することが好ましい。
【0057】
乾燥粉末は、約60マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約40マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約25マイクロメートルの範囲内の平均粒子径を有してもよい。平均粒子径は質量当たりの平均粒子径を指し、またレーザー回折、レーザー拡散、または電子顕微鏡によって測定することが好ましい。
【0058】
粉末系内またはニコチン粒子内のニコチンは、医薬的に許容可能な遊離塩基ニコチン、またはニコチン塩もしくはニコチン塩水和物であってもよい。有用なニコチン塩またはニコチン塩水和物としては、例えば、ピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、乳酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、サリチル酸ニコチン、フマル酸ニコチン、モノ-ピルビン酸ニコチン、グルタミン酸ニコチン、またはニコチン塩酸塩が挙げられる。ニコチンと組み合わせられて塩または塩水和物を形成する化合物は、その予想される薬理学的効果に基づいて選ばれてもよい。
【0059】
ニコチン粒子は、アミノ酸を含むことが好ましい。好ましくは、アミノ酸は、L-ロイシンなどのロイシンであってもよい。ニコチンを含む粒子にL-ロイシンなどのアミノ酸を提供することは、ニコチンを含む粒子の接着力を低減する場合があり、またニコチン粒子間の引力を低減し、それ故にニコチン粒子の凝集を低減する場合がある。
【0060】
同様に、風味を含む粒子に対する接着力も低減する場合があり、それ故にニコチン粒子の風味粒子との凝集も低減する。それ故に、本明細書に記述される粉末系は自由流動材料であってもよく、またニコチン粒子と風味粒子とが組み合わせられる時でさえも、各粉末構成成分の安定した相対的な粒子サイズを有する。
【0061】
好ましくは、ニコチンは表面修飾されたニコチン塩であってもよく、その場合、ニコチン塩粒子は被覆された粒子または複合材料粒子を含む。好ましい、コーティング材料または複合材料は、L-ロイシンであってもよい。一つの特に有用なニコチン粒子は、L-ロイシンを有する重5酒石酸塩ニコチンであってもよい。
【0062】
粉末系は、風味粒子の集団を含んでもよい。風味粒子は、選択的にユーザーの口または口腔の中へと吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有してもよい。
【0063】
粉末系は、少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約80重量パーセントの、約20マイクロメートル以上の粒子サイズを有する粒子から成る粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。粉末系は、少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約80重量パーセントの、約50マイクロメートル以上の粒子サイズを有する粒子から成る粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。粉末系は、少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約80重量パーセントの、約50マイクロメートル~約150マイクロメートルの範囲内の粒子サイズを有する粒子から成る粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。
【0064】
風味を含む粒子は、接着力または表面エネルギー、および結果としてもたらされる凝集を低減するための化合物を含んでもよい。風味粒子は、接着力低減化合物で表面修飾されて、被覆された風味粒子を形成してもよい。一つの好ましい接着力低減化合物は、ステアリン酸マグネシウムであってもよい。ステアリン酸マグネシウムなどの接着力低減化合物を風味粒子に提供すること、特に風味粒子を被覆することは、風味を含む粒子の接着力を低減する場合があり、また風味粒子の間の引力を低減する場合があり、そしてそれ故に風味粒子の凝集を低減する場合がある。それ故に、ニコチン粒子を有する風味粒子の凝集も、低減される場合がある。それ故に、本明細書に記述される粉末系は、ニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でさえも、ニコチンを含む粒子と風味を含む粒子の安定した相対的な粒子サイズを有する場合がある。粉末系は、好ましくは、自由流動であってもよい。
【0065】
乾燥粉末吸入用の従来の処方は、吸入器を通る単純な気流による影響を受けるには活性粒子は小さすぎる場合があるため、活性粒子の流動化を増大するように機能する担体粒子を含有する。粉末系は、担体粒子を含んでもよい。これらの担体粒子は、約50マイクロメートル超の粒子サイズを有してもよいラクトースまたはマンニトールなどのサッカリドであってもよい。担体粒子は、処方中で希釈剤または膨化剤として作用することによって、用量の均一性を改善するために利用されてもよい。
【0066】
本明細書に記述されるニコチン粉末送達システムとともに利用される粉末系は、担体を含まなくてもよく、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まなくてもよい。担体を含まない、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まないことは、典型的な喫煙方法での吸入量または空気流量と同様の吸入量または空気流量でニコチンが吸入され、かつユーザーの肺に送達されることを可能にする場合がある。
【0067】
ニコチン粒子および風味は、単一のカプセル内で組み合わせられてもよい。上述のように、ニコチン粒子および風味は各々、低減された接着力を有してもよく、組み合わせられた時に各構成要素の粒子サイズは実質的に変化しない場合、これらは安定な粒子処方をもたらす。別の方法として、粉末系は、単一のカプセルの中に収容されたニコチン粒子と、第二のカプセルの中に収容された風味粒子とを含む。
【0068】
ニコチン粒子および風味粒子は、ニコチン粒子とともに消費された時にユーザーによって風味粒子が気付かれるように、任意の有用な相対的な量で組み合わせられてもよい。
【0069】
ニコチン粒子および風味粒子は、粉末系の総重量の少なくとも約90重量パーセント、または少なくとも約95重量パーセント、または少なくとも約99重量パーセント、または100重量パーセントを形成することが好ましい。
【0070】
本発明は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするための、カーリングヘッドにさらに関する。カーリングヘッドは、近位端と遠位端との間に延びる長軸方向中心軸を備えてもよい。カーリングヘッドは、近位端の中央に位置し、かつ遠位端に向かう凹部を画定する円形の開口部を備えてもよい。凹部は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた中空の管状要素の、凹部の中への挿入のために配設されてもよい。凹部の側壁の少なくとも一部分は、カーリング表面として配設されてもよい。カーリング表面は、凹状の湾曲を備えてもよい。
【0071】
本発明は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするための、カーリングヘッドにさらに関する。カーリングヘッドは、近位端と遠位端との間に延びる長軸方向中心軸を備える。カーリングヘッドは、近位端の中央に位置し、かつ遠位端に向かう凹部を画定する円形の開口部を備える。凹部は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた中空の管状要素の、凹部の中への挿入のために配設される。凹部の側壁の少なくとも一部分は、カーリング表面として配設される。カーリング表面は、凹状の湾曲を備える。
【0072】
凹部の基本的な形状は、椀型またはドーム型であってもよい。
【0073】
カーリングヘッドの基本的な形状は、長軸方向中心軸に関して回転対称であってもよい。
【0074】
カーリングヘッドは、長軸方向中心軸に沿ってカーリングヘッドを直線的に前進させ、そして同時に、長軸方向中心軸の周りでカーリングヘッドを回転させるように構成されたカーリング機構を備えてもよい。カーリング機構は、一つ以上のモーターによって駆動されてもよい。カーリング機構は、一つ以上のモーターからカーリングヘッドに力を伝達するための手段を備えてもよい。
【0075】
カーリング機構は、カーリングヘッドを、1ミリメートル~10ミリメートル、好ましくは3ミリメートル~7ミリメートル、より好ましくは約5ミリメートルの距離にわたって直線的に前進させるように構成されてもよい。
【0076】
カーリング機構は、カーリングヘッドを、毎秒1ミリメートル~毎秒10ミリメートル、好ましくは毎秒3ミリメートル~毎秒7ミリメートル、より好ましくは毎秒約5ミリメートルのスピードで、直線的に前進させるように構成されてもよい。
【0077】
カーリング機構は、カーリングヘッドを、1ニュートン~20ニュートン、好ましくは3ニュートン~15ニュートン、より好ましくは5ニュートン~10ニュートンの力で、直線的に前進させるように構成されてもよい。
【0078】
カーリング機構は、カーリングヘッドを、毎分50回転~毎分2,000回転、好ましくは毎分100回転~毎分1,500回転、より好ましくは毎分300回転~毎分1,200回転のスピードで回転させるように構成されてもよい。
【0079】
円形の開口部の最大直径は、5ミリメートル~10ミリメートル、好ましくは、6ミリメートル~9ミリメートルであってもよい。
【0080】
凹部の基部は、長軸方向中心軸に沿って近位端に向かって延びる中央に配設された突出部を備えてもよい。
【0081】
中央に配設された突出部は、円錐形状であってもよい。中央に配設された突出部は、ピン形状であってもよい。ピン形状は、円錐形として記述されてもよく、側面は凹状の湾曲を備える。
【0082】
中央に配設された突出部は、切頭ピンまたは円錐として形作られてもよい。
【0083】
中央に配設された突出部は、砂時計形状であってもよい。
【0084】
中央に配設された突出部の長さは、0.3ミリメートル~3ミリメートル、好ましくは0.5ミリメートル~2ミリメートル、より好ましくは0.8ミリメートル~1.2ミリメートル、より好ましくは約1ミリメートルであってもよい。
【0085】
中央に配設された突出部の側壁の少なくとも一部分は、カーリング表面として配設されてもよい。凹部の側壁のカーリング表面は、第一のカーリング表面であってもよく、また中央に配設された突出部の側壁のカーリング表面は、第二のカーリング表面であってもよい。第二のカーリング表面は、凹状の湾曲を備えてもよい。
【0086】
長軸方向軸に平行な凹部の最大深さは、1ミリメートル~15ミリメートル、好ましくは4ミリメートル~10ミリメートル、より好ましくは5ミリメートル~8ミリメートルであってもよい。
【0087】
第一のカーリング表面および第二のカーリング表面のうちの一方または両方の凹状湾曲の曲率半径は、円形の開口部の最大直径の10%~40%、好ましくは20%~30%、より好ましくは約25%であってもよい。本明細書で使用される場合、「凹状湾曲の曲率半径」は、第一のカーリング表面および第二のカーリング表面のうちの一方または両方に関する場合がある。第一のカーリング表面および第二のカーリング表面の凹状湾曲の曲率半径は、同一であってもよく、または異なっていてもよい。
【0088】
本発明は、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするためのカーリングステーションを備える、エアロゾル発生物品または煙発生物品を製造するための設備にさらに関する。カーリングステーションは、本明細書に記述されるようなカーリングヘッドを備える。
【0089】
設備は、カーリングステーションによってエアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカールする前に、カプセルをエアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端の中へと挿入するためのカプセル挿入ステーションを備えてもよい。
【0090】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品または煙発生物品」という用語は、従来の紙巻たばこまたは葉巻たばこのような従来の煙発生物品を含む。本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品または煙発生物品」という用語は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を含む。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度へとエアロゾル形成基体を加熱するように提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、発熱体、例えば、サセプタ要素を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、固体形態、または液体形態で存在してもよい。本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品または煙発生物品」という用語は、吸入器物品、例えば、乾燥粉末吸入器を含む。
【0091】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルまたはベイパーを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、固体形態であってもよく、または液体形態であってもよい。「エアロゾル」および「ベイパー」という用語は、同じ意味で使用される。
【0092】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体であってもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の液体貯蔵部分内に保持される液体の一部であってもよい。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を収容してもよい。別の方法として、または追加的に、液体貯蔵部分は、固体エアロゾル形成基体を収容してもよい。例えば、液体貯蔵部分は、固体エアロゾル形成基体と液体との懸濁液を収容してもよい。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を収容することが好ましい。
【0093】
エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスであってもよい。
【0094】
エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。
【0095】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつ装置の動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)である。エアロゾル形成体は、グリセリンであることが好ましい。存在する場合、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5重量パーセント以上のエアロゾル形成体含有量を有してもよく、また好ましくは乾燥重量基準で5重量パーセント~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、風味剤などのその他の添加剤および成分を含んでもよい。
【0096】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾルを発生させる装置を指す。
【0097】
本明細書で使用される場合、エアロゾル発生物品または煙発生物品またはその一部と併せて使用する時、「近位」という用語は、ユーザー端、あるいは口側端を指し、また「遠位」という用語は、近位端の反対側の端を指す。
【0098】
下記に非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちの任意の一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【0099】
一つの実施形態に関して記述される特徴は、本発明の他の実施形態に等しく適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
図1図1Aおよび図1Bは、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするための方法を示す。図1Cは、図1Aおよび図1Bの方法によって得られた物品を示す。
図2図2Aおよび図2Bは、エアロゾル発生物品の開いた管状端をカーリングするための方法を示す。
図3図3A図3Fは、異なる形状のカーリングヘッドを示す。
図4図4は、カーリングヘッドを示す。
【発明を実施するための形態】
【0101】
実施例1:エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするための方法であって、
カーリング表面を提供する工程と、
開いた管状端を備えるエアロゾル発生物品または煙発生物品を提供する工程と、
カーリング表面をエアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させること、および同時にカーリング表面を回転させることによって、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングする工程と、を含む、方法。
【0102】
実施例2:カーリング表面が凹状形状であり、かつ中心軸の周りに回転対称的に配設され、かつエアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングする工程が、中心軸に沿ってエアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端に向かってカーリング表面を前進させ、かつ同時に中心軸の周りにカーリング表面を回転させることと、を含む、実施例1による方法。
【0103】
実施例3:エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端の壁が、厚紙または紙から作製される、実施例1または実施例2に記載の方法。
【0104】
実施例4:カーリング表面をエアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させることが、1ミリメートル~10ミリメートル、好ましくは3ミリメートル~7ミリメートル、より好ましくは約5ミリメートルの距離にわたってカーリング表面を直線的に前進させることを含む、先行する実施例のいずれかによる方法。
【0105】
実施例5:カーリング表面をエアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させることが、毎秒1ミリメートル~毎秒10ミリメートル、好ましくは毎秒3ミリメートル~毎秒7ミリメートル、より好ましくは毎秒約5ミリメートルのスピードでカーリング表面を直線的に前進させることを含む、先行する実施例のいずれかによる方法。
【0106】
実施例6:カーリング表面をエアロゾル発生物品または煙発生物品に向かって前進させることが、1ニュートン~20ニュートン、好ましくは3ニュートン~15ニュートン、より好ましくは5ニュートン~10ニュートンの力でカーリング表面を直線的に前進させることを含む、先行する実施例のいずれかによる方法。
【0107】
実施例7:カーリング表面が、毎分50回転~毎分2,000回転、好ましくは毎分100回転~毎分1,500回転、より好ましくは毎分300回転~毎分1,200回転のスピードで回転される、先行する実施例のいずれかによる方法。
【0108】
実施例8:エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングする工程の前に、カプセルをエアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端の中へと挿入する工程を含み、好ましくは、カプセルが一種以上のニコチン塩を含む、先行する実施例のいずれかによる方法。
【0109】
実施例9:エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングする工程の前に、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状遠位端を前処理する工程を含む、先行する実施例のいずれかによる方法。
【0110】
実施例10:前処理する工程が、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端を水溶液で湿潤させることを含む、実施例9による方法。
【0111】
実施例11:カールされた遠位端を備える、エアロゾル発生物品または煙発生物品。
【0112】
実施例12:実施例1~10のいずれかの方法によって得られる、実施例11によるエアロゾル発生物品または煙発生物品。
【0113】
実施例13:カールされた遠位端が、中央開口を取り囲むカールされた縁を備える、実施例11または実施例12によるエアロゾル発生物品または煙発生物品。
【0114】
実施例14:カールされた遠位端が、厚紙または紙から作製される、実施例11~13のいずれかによるエアロゾル発生物品または煙発生物品。
【0115】
実施例15:カプセルを備え、好ましくは、カプセルが一種以上のニコチン塩を含む、実施例11~14のいずれかによるエアロゾル発生物品または煙発生物品。
【0116】
実施例16:カールされた遠位端が、凸状湾曲を備える、実施例11~15のいずれかによるエアロゾル発生物品または煙発生物品。
【0117】
実施例17:凸状湾曲の曲率半径が、1.3ミリメートル~2.3ミリメートル、好ましくは1.6ミリメートル~2.0ミリメートル、より好ましくは1.7ミリメートル~1.9ミリメートル、より好ましくは約1.8ミリメートルである、実施例16によるエアロゾル発生物品または煙発生物品。
【0118】
実施例18:エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするためのカーリングヘッドであって、
近位端と遠位端との間に延びる長軸方向中心軸と、
近位端の中央に位置し、かつ遠位端に向かって凹部を画定する円形の開口部と、を備え、
凹部が、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた中空の管状要素の凹部の中への挿入のために配設され、
凹部の側壁の少なくとも一部分が、凹状の湾曲を含むカーリング表面として配設される、カーリングヘッド。
【0119】
実施例19:凹部の基本的な形状が、椀型またはドーム型である、実施例18によるカーリングヘッド。
【0120】
実施例20:カーリングヘッドの基本的な形状が、長軸方向中心軸に対して回転対称である、実施例18または実施例19によるカーリングヘッド。
【0121】
実施例21:長軸方向中心軸に沿ってカーリングヘッドを直線的に前進させ、そして同時に、長軸方向中心軸の周りでカーリングヘッドを回転させるように構成されたカーリング機構を備える、実施例18~20のいずれかによるカーリングヘッド。
【0122】
実施例22:カーリング機構が、カーリングヘッドを、1ミリメートル~10ミリメートル、好ましくは3ミリメートル~7ミリメートル、より好ましくは約5ミリメートルの距離にわたって直線的に前進させるように構成される、実施例21によるカーリングヘッド。
【0123】
実施例23:カーリング機構が、カーリングヘッドを、毎秒1ミリメートル~毎秒10ミリメートル、好ましくは毎秒3ミリメートル~毎秒7ミリメートル、より好ましくは毎秒約5ミリメートルのスピードで、直線的に前進させるように構成される、実施例21または実施例22によるカーリングヘッド。
【0124】
実施例24:カーリング機構が、カーリングヘッドを、1ニュートン~20ニュートン、好ましくは3ニュートン~15ニュートン、より好ましくは5ニュートン~10ニュートンの力で、直線的に前進させるように構成される、実施例21~23のいずれかによるカーリングヘッド。
【0125】
実施例25:カーリング機構が、カーリングヘッドを、毎分50回転~毎分2,000回転、好ましくは毎分100回転~毎分1,500回転、より好ましくは毎分300回転~毎分1,200回転のスピードで回転させるように構成される、実施例21~24のいずれかによるカーリングヘッド。
【0126】
実施例26:円形の開口部の最大直径が、5ミリメートル~10ミリメートル、好ましくは、6ミリメートル~9ミリメートルである、実施例18~25のいずれかによるカーリングヘッド。
【0127】
実施例27:凹部の基部が、長軸方向中心軸に沿って近位端に向かって延びる中央に配設された突出部を備える、実施例18~26のいずれかによるカーリングヘッド。
【0128】
実施例28:中央に配設された突出部が、ピン形状である、実施例27に記載のカーリングヘッド。
【0129】
実施例29:中央に配設された突出部が、砂時計形状である、実施例27によるカーリングヘッド。
【0130】
実施例30:中央に配設された突出部の長さが、0.3ミリメートル~3ミリメートル、好ましくは0.5ミリメートル~2ミリメートル、より好ましくは0.8ミリメートル~1.2ミリメートル、より好ましくは約1ミリメートルである、実施例27~29のいずれかによるカーリングヘッド。
【0131】
実施例31:中央に配設された突出部の側壁の少なくとも一部分が、凹状の湾曲を備えるカーリング表面として配設される、実施例27~30のいずれかによるカーリングヘッド。
【0132】
実施例32:長軸方向軸に平行な凹部の最大深さが、1ミリメートル~15ミリメートル、好ましくは4ミリメートル~10ミリメートル、より好ましくは5ミリメートル~8ミリメートルである、実施例18~31のいずれかによるカーリングヘッド。
【0133】
実施例33:凹状湾曲の曲率半径が、円形の開口部の最大直径の10%~40%、好ましくは20%~30%、より好ましくは約25%である、実施例18~32のいずれかによるカーリングヘッド。
【0134】
実施例34:エアロゾル発生物品または煙発生物品を製造するための設備であって、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするためのカーリングステーションを備え、カーリングステーションが実施例18~33のいずれかによるカーリングヘッドを備える、設備。
【0135】
実施例35:カーリングステーションによってエアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカールする前に、カプセルをエアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端の中へと挿入するためのカプセル挿入ステーションを備える、実施例34による設備。
【0136】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに記述する。
【0137】
図1Aおよび図1Bは、エアロゾル発生物品の開いた管状端をカーリングするための方法を示す。図1Aは、カーリング工程前のエアロゾル発生物品30に近接したカーリングヘッド10の断面図を示す。
【0138】
カーリングヘッド10は、近位端と遠位端との間に延びる長軸方向中心軸12を備える。カーリングヘッド10は、近位端の中央に位置し、かつカーリングヘッド10の遠位端に向かう方向で近位端から延びる凹部14を画定する円形の開口部を備える。凹部14は、エアロゾル発生物品30の開いた中空の管状要素32の、凹部14の中への挿入のために配設される。凹部14の側壁の一部分は、第一のカーリング表面16として配設される。第一のカーリング表面16は、凹状の湾曲を備える。
【0139】
カーリングヘッド10の基本的な形状は、長軸方向中心軸12に関して回転対称である。凹部14の基本的な形状はお椀型である。凹部14は、長軸方向中心軸12に対して回転対称である。
【0140】
凹部14の基部は、長軸方向中心12軸に沿ってカーリングヘッド10の近位端に向かって延びる中央に配設された突出部18を備える。中央に配設された突出部18は、ピン形状である。中央に配設された突出部18の側壁は、凹状の湾曲を備える第二のカーリング表面20として配設される。中央に配設された突出部18は、長軸方向中心軸12に関して回転対称である。
【0141】
エアロゾル発生物品30は、中空の管状要素32内に位置するカプセル34を備える。カプセル34は、中空の管状要素32の開いた遠位端36を介して挿入されている。エアロゾル発生物品30は、エアロゾル発生物品30の近位端においてマウスピースフィルター38をさらに備える。
【0142】
同時に、第一のカーリング表面16および第二のカーリング表面20の中心軸である、カーリングヘッド10の中心軸12は、共通の軸に沿ってエアロゾル発生物品30の長軸方向中心軸40と整列する。
【0143】
図1Bは、エアロゾル発生物品30の開いた管状端をカーリングする工程の終了時の、ある瞬間におけるカーリングヘッド10およびエアロゾル発生物品30の断面図を示す。カーリングヘッド10は、矢印70によって表示されるように、エアロゾル発生物品30の開いた管状端に向かって中心軸12に沿って前進している。同時に、矢印70によって表示されるようにカーリングヘッド10を前進させるために、カーリングヘッド10は、矢印72によって表示されるように中心軸12の周りを回転している。
【0144】
図1Cは、図1Aおよび図1Bの方法によって得られたカールされた遠位端42を備えるエアロゾル発生物品30の断面図を示す。カールされた遠位端42は、エアロゾル発生物品30の長軸方向中心軸40の周りに回転対称的に配設される。
【0145】
カーリングする方法によって、図1Aのエアロゾル発生物品の開いた遠位端36は、部分的に閉じられている。エアロゾル発生物品30のカールされた遠位端42は、部分的に閉じられ、これによりカプセル34は、中空の管状要素32内にしっかりと保持される。
【0146】
カールされた遠位端42は、丸みのあるカールされた縁44と中央開口46とを備える。カールされた遠位端42の基本的な形状は、ドーナツの形状に似る。カールされた遠位端42の基本的な形状は、図1Aおよび図1Bに示す第一のカーリング表面16および第二のカーリング表面20に対応する形状に適合する。第一のカーリング表面16および第二のカーリング表面20は、凹状に湾曲し、またカールされた遠位端42は対応して凸状に湾曲する。
【0147】
開いた中央開口46は、中空の管状要素32内に保持されたカプセル34を穿孔するために、それを通して穿孔手段を挿入することを可能にする。丸みのあるカールされた縁44は、エアロゾル発生物品30の遠位端に追加的な剛直さを提供する。これは、ユーザーの取り扱いを改善する場合がある。例えば、ユーザーがエアロゾル発生物品30を貫通装置の中へと挿入する時、構造的に補強された物品は、変形または損傷されにくい。
【0148】
カーリングする方法はまた、エアロゾル発生物品30に、物品30の部分的に閉じたカールされた遠位端42の均一な外観を再現可能に提供する。カーリングする方法によって、遠位端は、常に同じ形状にされる場合がある。それ故に、これは、製造公差に起因して初期に存在する場合がある、物品30の開いた遠位端36の長さの初期変形に対して補償される場合がある。これは、長さの変動を有する物品の開いた遠位端が、折り曲げられて閉鎖される、または部分的に閉鎖される、先行技術の方法とは異なる場合がある。これらの先行技術の方法では、製造公差に起因する異なる長さは、異なる長さの折り曲げられたフラップをもたらす場合があり、これはその後結果として物品の不均一な外観をもたらす場合がある。
【0149】
図2Aおよび図2Bは、エアロゾル発生物品または煙発生物品30の開いた管状端36をカーリングするための方法を示す。図2Aは、カーリング工程前のエアロゾル発生物品または煙発生物品30に近接したカーリングヘッド10の断面図を示す。エアロゾル発生物品または煙発生物品30の長軸方向の中心軸12、40およびカーリングヘッド10は、整列される。
【0150】
カーリングの前、図2Aに示すように、中空の管状要素32は、開いた遠位端36を備える。中空の管状要素32は、エアロゾル発生物体または煙発生物体48を取り囲む。例えば、エアロゾル発生物体または煙発生物体48は、ばらのたばこであってもよく、またエアロゾル発生物品または煙発生物品30は、可燃性紙巻たばこまたは葉巻たばこであってもよい。例えば、エアロゾル発生物体または煙発生物体48は、高いエアロゾル形成体含有量を有するたばこ材料であってもよく、またエアロゾル発生物品または煙発生物品30は、加熱非燃焼式エアロゾル発生物品であってもよい。例えば、エアロゾル発生物体または煙発生物体48は、ニコチン塩を含むカプセルであってもよく、またエアロゾル発生物品または煙発生物品30は、吸入器物品であってもよい。
【0151】
エアロゾル発生物品または煙発生物品30は、近位部分50をさらに備える。例えば、近位部分50は、マウスピース要素であってもよく、またフィルター材料を含んでもよい。
【0152】
カーリングヘッド10は、凹状湾曲を備えるカーリング表面16を備える。カーリング表面16は、半球形状をとる。両方向矢印52は、半球の周囲の長さの半分を表示する。
【0153】
図2Bは、カーリングする工程の終了時におけるカーリングヘッド10およびエアロゾル発生物品または煙発生物品30の断面図を示す。カーリングヘッド10は、矢印70によって表示されるように、エアロゾル発生物品30の開いた管状端に向かって中心軸12に沿って直線的に前進している。両方向矢印54は、カーリングヘッド10が前進した距離を表示する。同時に、矢印70によって表示されるようにカーリングヘッド10を前進させるために、カーリングヘッド10は、矢印72によって表示されるように中心軸12の周りを回転している。
【0154】
図2Bのカールされたエアロゾル発生物品30は、丸みのあるカールされた縁44と中央開口46とを有する部分的に閉じた遠位端を備える。
【0155】
例えば、丸めの間に、カーリングヘッド10は、5.0ミリメートルの距離54にわたって直線的に前進してもよい。半球52の円周の長さの半分は、5.2ミリメートルであってもよい。中央開口46の結果として得られる幅56は、約0.4ミリメートルであってもよい。
【0156】
図3A図3Fは、エアロゾル発生物品または煙発生物品の開いた管状端をカーリングするために、異なるように形作られたカーリングヘッド10の断面を示す。図3A図3Fのカーリングヘッド10は、中心軸12に関して回転対称である。図3A図3Fのカーリングヘッド10の各々の凹部14の基本的な形状は、椀型である。
【0157】
図3Aは、いかなる中央突出部も有しない、かつ第一のカーリング表面16のみを備えるカーリングヘッド10を示す。図3B図3Fに示すカーリングヘッド10の各々は、第一のカーリング表面16と、第二のカーリング表面20を提供する中央に配設された突出部18とを備える。
【0158】
図3Bのカーリングヘッド10の中央突出部18は、ピン形状である。図3Cおよび図3Dのカーリングヘッド10の中央突出部18は、図3Bに示すピンの先端の部分が除去された、切頭ピンとして形作られる。
【0159】
図3Eのカーリングヘッド10の中央突出部18は、小さくかつ細いピンとして形作られる。
【0160】
図3Fのカーリングヘッド10の中央突出部18は、砂時計形状である。
【0161】
図4は、図3Bに示すカーリングヘッドと同様に、切頭ピンとして形作られた中央に配設された突出部18を有するカーリングヘッド10を示す。凹部14を画定する円形の開口部の最大直径は、両方向矢印58によって表示される。長軸方向軸12に平行な凹部14の最大深さは、両方向矢印60によって示される。
【0162】
中央に配設された突出部18の長さは、両方向矢印62によって表示され、また凹部14の基部と中央突出部18の近位端との間に延びる。
【0163】
第一のカーリング表面16および第二のカーリング表面20は両方とも凹状に湾曲しており、かつ両方向矢印64によって表示されるのと同じ曲率半径を有する。
【0164】
例えば、直径58は7.2ミリメートルであってもよく、深さ60は6.0ミリメートルであってもよく、突出部18の長さ62は1.0ミリメートルであってもよく、また曲率半径64は1.8ミリメートルであってもよい。
図1a)】
図1b)】
図1c)】
図2
図3
図4
【国際調査報告】