IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スカルプテッド・パートナーズ・エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】運動器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/04 20060101AFI20241203BHJP
   A63B 21/06 20060101ALI20241203BHJP
   A63B 23/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
A63B23/04 Z
A63B21/06
A63B23/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538466
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 US2022053111
(87)【国際公開番号】W WO2023121956
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/293,603
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/337,850
(32)【優先日】2022-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/826,440
(32)【優先日】2022-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517214079
【氏名又は名称】スカルプテッド・パートナーズ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SCULPTED PARTNERS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】レイマン,エリカ
(72)【発明者】
【氏名】ヤーンズ,エンネル
(72)【発明者】
【氏名】ツァルファス,オルガー
(57)【要約】
使用者の臀部の筋肉の運動のための運動器具であって、支持された座位スクワットを上方の開始位置から下方に行い、上方に戻る動作を行う。本器具は、運動中に地面から高い位置で使用者の実質的にすべての足を支持するための少なくとも1つの足支持面を有する少なくとも1つの足傾斜部を備える。足傾斜部と運動器具の残りの部分との組み合わせにより使用者を位置決めすることで、スクワット運動に多くの利点が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方向Xに延びる少なくとも1本の梁を含む基部と、
前記基部に接続され、かつ前記方向Xに直交する方向Yに前記基部から上方に延びる少なくとも1本の直立梁であって、前記直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、前記直立梁は、運動器具の前側に配置される、直立梁と、
前記直立梁よりも後方に配置された臀部支持アセンブリであって、前記臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立ハンドルに対して枢動可能であり、前記第1の位置は、前記方向Yにおいて前記基部から前記第2の位置よりも離間している、臀部支持アセンブリと、
前記直立梁よりも後方に配置された足傾斜構造体であって、地面から高い状態で前記使用者の足を実質的にすべて支持するのに十分な表面積を有する少なくとも1つの足支持面を含む、足傾斜構造体と、
を備える、運動器具。
【請求項2】
前記少なくとも1つの足支持面は、前記運動器具の一方の側で少なくとも約300cmの面積を有し、前記運動器具の第2の側で少なくとも約300cmの面積を有するように構成されている、請求項1に記載の運動器具。
【請求項3】
前記足傾斜構造体は、左側足傾斜構造体および右側足傾斜構造体を含み、前記運動器具の正面側に向かって見て、前記左側足傾斜構造体は、前記基部の少なくとも一部の左側に位置し、前記右側足傾斜構造体は、前記基部の少なくとも一部の右側に位置する、請求項1に記載の運動器具。
【請求項4】
前記基部と前記臀部支持アセンブリとに接続されたリンクロッドをさらに備える、請求項1に記載の運動器具。
【請求項5】
前記左側足傾斜部および前記右側足傾斜部の各々は、少なくとも約300cmの面積を有する足支持面を有する、請求項4に記載の運動器具。
【請求項6】
前記足傾斜構造体は、前記運動器具の対向する両側の足傾斜面を含む1つの構造体である、請求項1に記載の運動器具。
【請求項7】
前記少なくとも1つの足傾斜構造体は、前記足支持面と前記少なくとも1つの足傾斜構造体の隣接する前面との間に鈍角γが形成された台形プリズムの形状を有する、請求項1に記載の運動器具。
【請求項8】
方向Xに延びる少なくとも1本の梁を含む基部と、
前記基部に接続され、かつ前記方向Xに直交する方向Yに前記基部から上方に延びる少なくとも1本の直立梁であって、前記直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、前記直立梁は、運動器具の前側に配置される、直立梁と、
前記直立梁よりも後方に配置された臀部支持アセンブリであって、前記臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立ハンドルに対して枢動可能であり、前記第1の位置は、前記方向Yにおいて前記基部から前記第2の位置よりも離間しており、前記臀部支持アセンブリは、前記使用者の前記臀部を支持するように構成された表面を含む、臀部支持アセンブリと、
前記直立梁よりも後方に配置された足傾斜構造体であって、前記使用者の足を支持するように構成された少なくとも1つの足支持面を含む足傾斜構造体部と、
を備え、
前記臀部支持アセンブリが前記第1の位置にあるときに、前記臀部支持面の表面の中心から前記足支持面の中心までの前記方向Xにおける距離が約30cm乃至約60cmであり、前記臀部支持面の表面の中心から前記足支持面の中心までの前記方向Yにおける距離が約80cm乃至約90cmであるように、前記運動器具が構成されている、運動器具。
【請求項9】
前記少なくとも1つの足支持面は、前記運動器具の一方の側で少なくとも約300cmの面積を有し、前記運動器具の第2の側で少なくとも約300cmの面積を有するように構成されている、請求項8に記載の運動器具。
【請求項10】
前記足傾斜構造体は、左側足傾斜構造体および右側足傾斜構造体を含み、前記運動器具の正面側に向かって見て、前記左側足傾斜構造体は、前記基部の少なくとも一部の左側に位置し、前記右側足傾斜構造体は、前記基部の少なくとも一部の右側に位置する、請求項8に記載の運動器具。
【請求項11】
前記基部と前記臀部支持アセンブリとに接続されたリンクロッドをさらに備える、請求項8に記載の運動器具。
【請求項12】
前記足支持面の各々が少なくとも約300cmの面積を有する、請求項11に記載の運動器具。
【請求項13】
前記足傾斜構造体は、前記運動器具の対向する両側の足傾斜面を含む1つの構造体である、請求項8に記載の運動器具。
【請求項14】
前記少なくとも1つの足傾斜構造体は、前記足支持面と前記少なくとも1つの足傾斜構造体の隣接する前面との間に鈍角γが形成された台形プリズムの形状を有する、請求項8に記載の運動器具。
【請求項15】
方向Xに延びる少なくとも1本の梁を含む基部と、
前記基部に接続され、かつ前記方向Xに直交する方向Yに前記基部から上方に延びる少なくとも1本の直立梁であって、前記直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、前記直立梁は、運動器具の前側に配置される、直立梁と、
前記直立梁よりも後方に配置された臀部支持アセンブリであって、前記臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立ハンドルに対して枢動可能であり、前記第1の位置は、前記方向Yにおいて前記第2の位置よりも高い、臀部支持アセンブリと、
前記基部および前記臀部支持アセンブリに接続されたリンクロッドと、前記直立梁よりも後方に配置された足傾斜構造体であって、前記足傾斜構造体は、地面から高い位置で前記使用者の足を支持するために、少なくとも約500cmの表面積を有する少なくとも1つの足支持面を含む、足傾斜構造体と、
を備え、
前記少なくとも1つの足支持面が、地面に対して約10°乃至約35°の角度で形成されている、運動器具。
【請求項16】
前記足傾斜構造体は、左側足傾斜構造体および右側足傾斜構造体を含み、前記運動器具の正面側に向かって見て、前記左側足傾斜構造体は、前記基部の少なくとも一部の左側に位置し、前記右側足傾斜構造体は、前記基部の少なくとも一部の右側に位置する、請求項16に記載の運動器具。
【請求項17】
前記足傾斜構造体は、前記運動器具の対向する両側の足傾斜面を含む1つの構造体である、請求項16に記載の運動器具。
【請求項18】
前記少なくとも1つの足傾斜構造体は、前記足支持面と前記少なくとも1つの足傾斜構造体の隣接する前面との間に鈍角γが形成された台形プリズムの形状を有する、請求項16に記載の運動器具。
【請求項19】
前記少なくとも1つの足支持面が地面に対して約15°乃至約20°の角度で形成されている、請求項16に記載の運動器具。
【請求項20】
方向Xにおける少なくとも1本の梁を含む基部と、
前記基部に接続され、かつ前記方向Xに直交する方向Yに前記基部から上方に延びる少なくとも1本の直立梁であって、前記直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、前記直立梁は、スクワット運動用の運動器具の前側に配置される、直立梁と、
前記直立梁よりも後方に配置された臀部支持アセンブリであって、前記臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立ハンドルに対して枢動可能であり、前記第1の位置は、前記方向Yにおいて前記基部から前記第2の位置よりも離間している、臀部支持アセンブリと、
前記臀部支持アセンブリに作動可能に接続されたウェイト支持梁であって、前記ウェイト支持梁は1つ以上のウェイトを支持するように構成されている、ウェイト支持梁と、
前記直立梁よりも後方に配置された足傾斜構造体であって、地面から高い状態で前記使用者の足を実質的にすべて支持するのに十分な表面積を有する少なくとも1つの足支持面を含む、足傾斜構造体と、
を備える、スクワット運動用の運動器具。
【請求項21】
前記臀部支持アセンブリが前記第1の位置にあるときに、前記ウェイト支持梁は、前記運動器具を支持する表面よりも高い位置で前記1つ以上のウェイトを支持するように配置される、請求項21に記載の運動器具。
【請求項22】
前記臀部支持アセンブリは、第1の端部に支持パッドを含み、前記ウェイト支持梁は、前記臀部支持アセンブリの第2の端部に隣接して配置される、請求項21に記載の運動器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規かつ改良された運動器具に関する。特に、本発明は、手動で操作され、運動中に使用者の臀部および足を最適に位置決めするとともに支持することによって、臀筋群を標的にする運動器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの臀筋群の3つの主な筋肉、すなわち大殿筋、中殿筋、および小殿筋(「複数の臀筋」)は、臀部を構成し、人体で最大の筋肉群の1つである。臀筋は、ヒトが直立し、体幹を直立姿勢に保持するための身体的基盤である。臀筋により、前かがみになった後に、体が直立した姿勢を取り戻すことができ、また、臀筋は、まとまって脚の回旋器としての役割も果たしている。さらに、臀筋は、歩行からランニング、跳躍、横断方向への移動まで、ヒトの二足歩行の運動機能を支えている。加えて、整った臀部は魅力的な外見の不可欠な一部とみなされるのが一般的である。
【0003】
臀筋の重要性にもかかわらず、多くのヒトは臀筋が未発達である。現代のライフスタイルは、座っていることが多く、臀筋を効果的にシャットダウンしている。そのため、スクワットおよびランジを含む、臀筋を標的にした運動が数多く開発されてきた。伝統的にバーベルを両肩に担いで行うこれらの運動では、ある程度の器用さおよびバランス感覚、そしてバーベルを所定の位置に持ち上げる筋力が必要とされる。ウェイトを適切な位置で支持するとともに維持することは、使用者にとって不快である可能性がある。効果的な運動のためには、適切なフォームが必要である。パワーケージや、スミスマシンとして周知の直立フレームなどの運動器具は、スクワットを行うために使用することができ、バーベルが前方、後方、または側方に移動するのを防ぎ、予め定められた経路に沿ってウェイトを縦に移動させることができる。
【0004】
スクワット運動では、適切なフォームが特に重要である。スクワット運動で臀筋に最適な負荷をかけるには、体幹の前方への動きと腰の後方への動きを相殺し、同時に背骨を安定させる必要がある。そのためには、身体への意識、協調性、安定性、および均衡が必要である。しかしながら、適切な動作のための特別なトレーニングを受けていない限り、スクワットは間違ったやり方で行われることが多い。例えば、大腿四頭筋を優位にしたやり方では、実際には臀筋を改善することなく、膝および背中に負担をかけてしまう。
【0005】
本出願の譲受人に対するものであり、その全体がここに開示されたものとされる特許文献1には、臀筋を適切に運動させるために使用できる運動器具と、臀筋を適切に運動させるための方法が記載されている。特許文献1に記載された器具は、ハンドルを有する直立部、臀部支持アセンブリ、および運動中に使用者の足の一部を支持するように構成された足傾斜部を含む。その中で説明されている運動では、使用者は、使用者の臀部がパッドと接触するように位置決めされ、使用者はハンドルにつかまり、臀部支持アセンブリは、臀部の筋肉がパッドとの接触を維持するための初期緊張状態にあるような、初期の概ね水平な位置にある。運動中、使用者は、臀部群の制御された動作により、緩慢に制御された動作で、臀部アセンブリを下方の位置まで枢動させ、その後、臀部群の制御された動作により、臀部アセンブリを開始位置まで戻し、使用者の腕は、運動動作の全範囲を通じて完全に伸展した位置に留まる。特許文献1に記載された器具および方法は、臀部の筋肉に効果的な運動を提供する。
【0006】
本出願の譲受人に対するものであり、その全体がここに開示されたものとされる特許文献2には、臀筋を運動させるために使用することができる別のタイプの器具および臀筋を運動させるための方法が記載されている。特許文献2に記載された器具は、ハンドルを有する直立部、臀部支持アセンブリ、および運動中に使用者の足の一部を支持するように構成された足傾斜部を含む。器具はまた、臀部支持アセンブリに作動可能に接続されたウェイトスタックを含む。運動中、ウェイトスタックは、臀部アセンブリを下方に動かす抵抗力と、臀部支持アセンブリを上方に動かす支援力を付与する。特許文献2に記載された器具は、一般に、ジムなどの商業的な使用に適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第9,375,607号明細書
【特許文献2】米国特許第11,117,017号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書に記載される本発明の実施形態は、特許文献1および2に記載される運動の改良を提供する。本明細書で説明する運動は、運動器具の上で使用者の臀部および足を位置決めするとともに支持することにより、臀部の筋肉をさらに標的にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、運動器具は、方向Xに延びる少なくとも1本の梁を含む基部と、基部に接続され、かつ方向Xに直交する方向Yに基部の上方に延びる少なくとも1本の直立梁とを備え、直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、直立梁は器具の前側に配置される。直立梁よりも後方に臀部支持アセンブリが配置され、臀部支持アセンブリは第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立梁に対して枢動可能であり、第1の位置は第2の位置が基部からY方向に離間している距離よりも、基部からY方向にさらに離間している。直立梁よりも後方に足傾斜構造体が配置され、足傾斜構造体は、地面から高い位置で使用者の実質的にすべての足を支持するのに十分な表面積を有する少なくとも1つの足支持面を含む。
【0010】
本発明の別の態様によれば、運動器具は、方向Xに延びる少なくとも1つの梁を含む基部と、基部に接続され、かつ方向Xに直交する方向Yにおいて基部の上方に延びる少なくとも1つの直立梁とを備え、直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、直立梁は器具の前側に配置される。臀部支持アセンブリは、直立梁よりも後方に配置され、臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立梁に対して枢動可能であり、第1の位置は、方向Yにおいて第2の位置よりも基部から遠く、臀部支持アセンブリは、使用者の臀部を支持するように構成された表面を含む。器具はまた、直立梁よりも後方に配置された足傾斜構造体を含み、足傾斜構造体は、使用者の足を支持するように構成された少なくとも1つの足支持面を含む。臀部支持アセンブリが第1の位置にあるときに、臀部支持面の表面の中心から足支持面の中心までの方向Xにおける距離が約30cm乃至約60cmであり、臀部支持面の表面の中心から足支持面の中心までの方向Yにおける距離が約80cm乃至約90cmであるように、運動器具が構成されている。
【0011】
別の態様によれば、運動器具は、方向Xに延びる少なくとも1本の梁を含む基部を含む。少なくとも1本の直立梁は、基部に接続され、かつ方向Xに直交する方向Yにおいて基部の上方に延び、直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、直立梁は、器具の前側に配置される。臀部支持アセンブリは、直立梁よりも後方に配置され、臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立ハンドルに対して枢動可能であり、第1の位置は、方向Yにおいて基部から第2の位置よりも離間している。リンクロッドは、基部および臀部支持アセンブリを接続している。直立梁よりも後方には足傾斜構造体が配置され、足傾斜構造体は、地面から高い位置で使用者の足を支持するために、少なくとも約500cmの表面積を有する少なくとも1つの足支持面を含む。少なくとも1つの足支持面は、地面に対して約10°乃至約35°の角度で形成されている。
【0012】
本発明のさらなる別の実施形態によれば、スクワット運動のための運動器具が提供される。この器具は、少なくとも1本の梁を含む基部と、基部に接続されるとともに基部の上方に延びる少なくとも1本の直立梁とを含み、直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、直立梁は、器具の前側に配置される。臀部支持アセンブリは、直立梁の後方に配置され、臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立ハンドルに対して枢動可能であり、第1の位置は第2の位置よりも高い。本器具は、臀部支持アセンブリに作動可能に接続されたウェイト支持梁をさらに備え、ウェイト支持梁は1つ以上のウェイトを支持するように構成されている。足傾斜構造体は、直立梁と臀部支持アセンブリとの間に配置され、足傾斜構造体は、地面から高い位置で使用者の実質的にすべての足を支持するのに十分な表面積を有する少なくとも1つの足支持面を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、運動のための直立した開始位置にある器具を示す斜視図である。
図2図2は、器具を示す正面立面図である。
図3図3は、器具を示す側面立面図である。
図4図4は、器具のロックブラケットを示す詳細図である。
図5図5は、折り畳まれて収納された状態の器具を示す斜視図である。
図6図6は、直立開始位置にある器具を示す側面立面図であり、そこにいる使用者の配向を描いている。
図7図7は、下降位置にある器具を示す側面立面図であり、その上にしゃがんだ姿勢の使用者の配向を描いている。
図8A図8A図8B、および図8Cは、本発明の一実施形態による足傾斜部を示す図である。
図8B図8A図8B、および図8Cは、本発明の一実施形態による足傾斜部を示す図である。
図8C図8A図8B、および図8Cは、本発明の一実施形態による足傾斜部を示す図である。
図9図9は、本発明の一実施形態による器具の足傾斜部の取付けを示す図である。
図10図10は、本発明の代替的実施形態による足傾斜部を示す図である。
図11A図11Aは、器具を示す斜視図である。
図11B図11Bは、器具を示す側面図である。
図11C図11Cは、本発明の代替的実施形態による器具を示す頂面図である。
図12A図12Aは、器具を示す斜視図である。
図12B図12Bは、器具を示す側面図である。
図12C図12Cは、本発明の代替的実施形態による器具を示す頂面図である。
図13図13は、本発明の別の実施形態による器具を示す斜視図である。
図14図14は、図13に示した器具を示す別の斜視図である。
図15図15は、本発明のさらなる実施形態による器具を示す斜視図である。
図16図16は、図15に示した器具を示す別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態の完全な理解は、添付の図面と組み合わせて本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することにより達成されるであろう。
【0015】
本発明の実施形態は、一般的なタイプの運動器具に向けられており、この運動器具では、使用者は、器具によって支持されてしゃがむ動作を行い、器具は、しゃがむ動作および使用者の直立位置への復帰の両者を制御することができる。
【0016】
図面、特に図1乃至3に示すように、運動器具10の例示的な実施形態は、一対の平行な水平梁14で形成された基部12からなる。フロアパッド16はその両端部に配置され、梁14をその長さ方向に沿って床面よりもわずかに高くし、床との滑り止めの接触面を提供することができる。ホイール18は、器具の移動を支援するために、周知の方法で一対のパッドに軸受けされてもよい。ホイール18は、描かれているように梁14の前部に配置することも、梁14の後部に配置することも、梁14の前部および後部の両者に配置することもできる。2本の梁14は、その両端が横梁46で結合されている。
【0017】
一対の直立梁20が基部梁14から上方に延び、その上端が一対のハンドル22で終端している。ハンドル22は、使用者の両手に快適な表面を提供するために、当該技術分野で周知のように、クッション性のあるカバーを設けてもよい。ハンドル22は、様々な身長の使用者に対応できるように、高さを調整することもできる。直立梁20は、後述するように、収納位置まで下方に折り畳むことができるように、基部梁14に枢動可能に接続されていてもよい。当業者であれば、基部梁14、直立梁20およびハンドル22の他の構成、例えば1本の基部梁、1本の直立梁、および1つのハンドル構造体が可能であることを認識するであろう。
【0018】
直立梁20には、同様に横ロッド26によって直立梁20に枢動可能に接続され得る臀部パッド支持アーム24の前方端のための取付部が設けられる。アーム24は、その遠位端で臀部パッド面28を支持し、この臀部パッド面28は、アームが上方、概ね水平の位置にあるときに、水平に対して鋭角をなす。角度は45度の状態であり得る。支持アーム24は伸縮構造体であってもよく、その全長は、周知の方法に従って、内側伸縮要素に対して保持圧力を加えることができ、かつ/または、ノブアセンブリと位置合わせされた内側要素の複数の間隔をあけた穴のうちの選択された1つにピンを通すことができるロックノブアセンブリ30によって維持することができる。
【0019】
少なくとも1本のロッドを含むリンクシステム32が基部12およびパッド支持アーム24を接続する。描かれた本発明の実施形態では、リンクシステム32は、ダンパーのような付勢要素を含む。付勢要素は、臀部パッド28および支持アーム24の下方への動きに対して対抗力を生じるとともに、パッドおよび支持アームを下降位置から上方へ駆動するための復帰力を生じる。ダンパーは力加減を調整可能である。図示のように、ダンパーは緩衝器のような部材であってもよく、ダンパーピストンのダンパー本体への圧縮に対して抵抗し、ピストンの伸長位置への伸長に向けられた復元力を生じる。いくつかの実施形態では、使用者がダンパーによって生じる圧縮に対する抵抗を変更できるように、ダイヤル構造体を含めてもよい。また、調整は、例えば、U字状保持部36の間隔をあけた穴34のうちの選択された1つに選択的に取り付けることによって、基部に沿ってダンパーの接続位置を変えることによって行うことができる。垂直に対するダンパーの角度が大きくなるにつれて、ピストンロッド38の移動によってもたらされる圧縮の程度は、支持アームの動作範囲にわたって小さくなり、それに対応して圧縮に必要な力の量も小さくなる。
【0020】
基部梁14はまた、梁14から外側上方に突出する一対の足傾斜部40を支持し、足傾斜部40は直立梁20よりも後方に配置される。足傾斜部40については、以下に詳述する。描かれている運動器具10は器具10の対向する両側に2つの足傾斜部40を含むが、他の実施形態では1つの足傾斜構造体を設けることができ、1つの構造体には、器具10の2つの両側に使用者の両足を置くための表面領域が設けられることに留意すべきである。また、1つの足傾斜構造体の一例を以下に説明する。
【0021】
図4に詳述されているように、直立梁20は、それらを基部梁14に接続する一対の軸継手42によって、図1乃至3に図示されているような直立位置と図5に図示されているような折り畳まれた位置との間で枢動するように軸受けされている。アーム44は、直立梁20のうちの1つからその軸継手に近接して前方に延び、操作ノブを備えたアームを通って延びるねじ付きロッドからなるロック部材48を支持する。1本のアーム44および1つのロック部材48が描かれているが、他の実施形態では、アームおよびロック部材が直立梁20の各々に関連付けられるように、2本のアーム48および2つのロック部材48を設けてもよいことに留意すべきである。ロック部材48は、前方基部横梁46の相補的なねじ穴と係合するように配置され、係合すると直立梁20は縦の作動位置に保持される。他の実施形態では、ロック部材48に代えて、直立梁20を縦の作動位置に保持するクランプが設けられる。ロッドおよびボアの係合が手動で解除されると、図5に示すように、直立梁20は両基部梁14の間に横たわるように枢動して戻ることができる。ダンパー32が保持部36から外れた状態で、臀部パッド支持アーム24は、折り畳まれた両直立梁20の間に横たわるように前方に枢動させることができ、ダンパー32はアーム24に沿って横たわる。折り畳むと小型になり、持ち運びや保管に便利である。折り畳まれたユニットの一端は持ち上げることができ、反対側の端にあるホイールでユニットを所望に応じて転がすことができる。器具を再び組み立てるには、臀部支持アーム24を後方に枢動させ、直立梁20を作動位置まで持ち上げ、ロック部材48を横梁46にねじ込んで固定する。
【0022】
上述したように、特許文献1は、臀筋の効果的な運動を提供する器具および方法を記載している。本明細書で説明する器具および方法は、スクワット運動中の使用者の位置決めの違いにより、さらに効果的な運動を提供する。この位置決めは、部分的には、本明細書に記載されているように、器具の他の部分に対する足傾斜部の構成および配置によって可能になり、足傾斜部は、地面から高い位置で使用者の足を支持する。
【0023】
足傾斜部の足支持表面積および足傾斜部によって可能な高い足の位置決めにより、いくつかの利点が得られる。例えば、足傾斜部は、異なる足の位置決めおよび足の角度(例えば、つま先を内側に向けたり、外側に向けたり)に対応する表面積を提示する。より広い表面積を有することにより、より包括的な足の位置決めの選択肢が得られ、これにより、様々な体型の使用者が自分に合った足の位置を見つける選択肢が増える。足の位置決めを変えることで、比較的より幅広のスタンスや狭小なスタンスで、股関節および臀部の発達の特定の態様を標的にしたスクワットを、器具を使用して行うことができる。例えば、スタンスの幅がより広ければ、股関節の内転あるいは大腿の内側をより強化することができる。また、足の角度を変えることで、股関節の回旋のバリエーションが増え、股関節および臀部の強化がより十分に発達するように、様々な神経筋運動パターンを利用できるようになる。さらに、様々な足の位置決めを可能にすることで、より高度なスクワット運動を行うことができる。
【0024】
さらなる別の利点として、本器具の臀部支持パッドに対する足傾斜部の角度が高くなることにより、使用者は自身の体重を容易に両踵に預けることができ、それにより、スクワット運動中に使用者が自身の体重をつま先に前方に引き寄せる自然な傾向を修正することができる。すなわち、本発明の実施形態による足傾斜部を備えた器具に使用者を位置決めすることで、使用者の体重が踵に移動し、それによってスクワット運動中に臀筋に負荷がかかることが支援される。加えて、足傾斜部を備えた器具に使用者を位置決めすることで、使用者は、両足首を背屈させることなく(すなわち、両足の甲を上に引き上げることなく)適切な踵の圧力を見つけることが支援されることによって、神経エネルギーを解放することができる。すなわち、足傾斜部の位置決めおよび角度によって、使用者は自然と踵からプッシュするようになる。踵への圧力が高まることで、後肢連鎖筋により直接つながり、臀筋をより活性化させることができる。
【0025】
図6および図7は、本発明の実施形態による方法を実行している間の、本発明の実施形態による器具による使用者の位置決めを示す図である。器具の使用者は臀部支持アーム24にまたがり、パッド面28に臀部を載せる。パッドの傾斜により、使用者は単純にリラックスした姿勢でパッド上に着座するのではなく、脚および臀部の筋肉を緊張させることでパッド上での自身の姿勢を維持する必要がある。使用者の両足は、地面から高い位置で使用者の足の実質的にすべてを支持するのに十分な表面積を設ける足傾斜部40の上に置かれる。臀部パッド28とハンドル22との間の距離は、使用者の両腕が実質的に延び、使用者がパッド28上で直立姿勢を維持できるように、ロックアームアセンブリ30を介して調整される。使用者が制御された緩慢な形態でスクワットすると、リンクシステムのダンパー要素が上向きの対抗力を生じ、降下速度の制御を支援し、使用者は臀筋を運動させて所望の制御された降下に影響を付与する。図7に示すより低い位置では、使用者の両膝はつま先よりも後方に位置し、一般に両足首と一直線上にある、または足首よりも後方にある。この位置決めは、スクワット運動における膝への圧力を軽減する。下方の位置から使用者は立ち上がるが、ダンパーの上向きの力により使用者が支援され、これにより、使用者は、緩慢に制御された態様で立ち上がることができ、臀筋がさらに鍛えられる。
【0026】
図6および図7に示すような器具によって誘発されるスクワット運動は、従来のスクワット運動では達成することが困難であった運動から最も多くの利益を得ることができるように、使用者を位置決めする。パッド支持アーム24およびパッド28の動きは、使用者の臀部(すなわち臀筋)に負荷がかかるように、使用者を適切な経路に誘導する。従来のスクワットは、膝が前に出て大腿四頭筋に負担がかかるため、最終的には体の前面に倒れ込む「ジャストダウン」と考えられている。しかしながら、本明細書に記載されているように、器具によってフィードバックされる張力により、器具によって誘導される運動は、使用者自身の体重を臀部へと誘導するとともに両膝から遠ざけるような緩やかな弧を描くように、使用者を後方かつ下方へと誘導する。さらに、筋肉の関与は、使用者がスクワットの後方経路および下降経路に入るときに、器具からの張力によって開始される。従来のスクワットでは、重力が下向きに作用するため、スクワット運動の高度な訓練および経験がなければ、ヒトの筋肉に適切な発火を促すものは何もない。本明細書において説明する器具は、使用者の体を引き下げるために、大腰筋、腹筋、股関節屈筋、およびハムストリング筋の緊張を促進する。そしてこれらの筋肉が働くことで、臀筋は使用者を底部の位置から追い出すための準備態勢に入る。
【0027】
上述したような利点を達成する位置に使用者を位置合わせするために、本発明の実施形態では、運動器具10は、パッド表面28と足傾斜部40との間の水平X方向および垂直Y方向の距離を特定の範囲に設定して構成される。この点に関して、距離X1は、水平方向に測定されたパッド表面28の中心C28から足傾斜部40の足支持面の各々の中心C40までの距離であり、距離Y1は、垂直方向に測定されたパッド表面28の中心C28から足傾斜部40の足支持面の各々の中心C40までの距離である。なお、パッド面28の中心は、垂直方向において足傾斜部の各々の中心C40の真上に位置せず、パッド面28の中心は、水平方向において足傾斜部の各々と真直には一致しないので、図2図8、および図9に見られるように、距離X1およびY1は、水平方向および垂直方向において測定された距離である。他の用語を使用すると、距離X1は、パッド表面28の中心C28を含む垂直平面から足傾斜部40の足支持面の中心C40を含む垂直平面までに直交する線に沿った距離であり、距離Y1は、パッド表面28の中心C28を含む水平面から足傾斜部40の足支持面の中心C40を含む水平面までに直交する線に沿った距離である。距離X1およびY1をベクトルと解釈すれば、距離X1およびY1のベクトルを足し合わせて、パッド面28の中心C28から両足傾斜部40の両足支持面の両中心C40までの直線上のベクトルを形成することになる。
【0028】
図6に示すように臀部支持アセンブリが最上位置にあるときに、パッド表面28の中心C28から足傾斜部40の各々の中心C40までの水平方向における距離X1は、約30cm乃至約60cmの範囲にあり、パッドの中心C28から足傾斜部40の各々の中心C40までの垂直方向における距離Y1は、約80cm乃至約90cmの範囲にある。上述したように、アーム24の全長は調整可能であり、よって、距離X1およびY1の範囲内に収まる。これらの範囲は、成人したヒトの大半のサイズに対応している。さらに、器具の比率は、特定の個人に対応するためにアーム24を調整した場合に、距離X1およびY1が、上述した多くの利点を達成するスクワット運動を提供するようなものとなる。
【0029】
図8Aは足傾斜部40の頂面図を示し、図8Bは足傾斜部40の側面図を示し、図8Cは足傾斜部40の底面図を示す。足傾斜部40は、本明細書に記載の器具を使用する際に使用者が自身の足を置く足支持面402を含む。表面402には、より良好な牽引力を得られるように複数の隆起したリブが設けられる。当業者には理解されるように、より良好な牽引力を得られるように、様々な他の構造体を表面402上に形成または配置することができる。足傾斜部40はまた、開口部408およびクリップ406を含む。後述するように、開口部408およびクリップ406により、本発明の実施形態に従って、足傾斜部40を器具構造体の他の部分に着脱することができる。
【0030】
図8Aに示すように、足傾斜部40が置かれている表面(例えば地面)と足傾斜部40の足支持面402との間を角度αがなす。本発明のより具体的な実施形態では、角度αは約10°乃至約35°の間とすることができる。本発明のより具体的な実施形態では、角度αは約13°乃至約25°の間とすることができる。さらなる具体的な実施形態では、角度αは約15°乃至約20°である。特定の実施形態では、角度は約18°である。
【0031】
図8Bに示すように、足傾斜部40の前面404は、足傾斜部40の上縁409からX方向に延びている。したがって、足傾斜部40は、前面404と足傾斜部40の底面に沿った縁部410との間に鋭角βが形成され、足支持面402と前面404の縁部との間に鈍角γが形成された台形プリズムの形状を有する。本発明の具体的な実施形態では、角度βは約70°である。足傾斜部40を台形に形成することにより、楔形の足傾斜部と比較して、安定性および強度が向上する。足傾斜部404の強度および安定性をさらに高めるために、足傾斜部404の内側にウェビング412が形成され、開口部408の一部に充填材414が配置される。図8Cでは、充填材414は足傾斜部40の右側に配置されている。しかしながら、充填材414は、これに代えて、足傾斜部40の左側に配置することもできる。充填材414を交互に配置することにより、後述するように、足傾斜部404を運動器具10の右側または左側に配置するのに容易に適合させることができる。
【0032】
本発明の実施形態では、足支持面402は、成人の使用者の足の実質的に全部が足支持面402上に載るような大きさである。例えば、表面は、少なくとも約20cmの長さLおよび少なくとも約15cmの幅を有するようにサイズ決めされ、それによって、成人の使用者の足の実質的にすべて(すべてではないとしても)を収容するために、少なくとも約300cmの表面積を設けることができる。別の例として、表面は少なくとも約500cmの表面積を設けるような大きさにすることで、ほとんどすべての成人使用者の足を収容することができる。特定の実施形態では、足支持面402は約27cmの長さおよび約19cmの幅を有し、それにより約513cmの表面積を設ける。当業者であれば、足支持面402の長さLおよび幅Wの寸法をどのように変化させれば、大多数の成人使用者の足に対応できるかを理解できるであろう。
【0033】
図9は、足傾斜部40が運動器具10にどのように接続されるかを詳細に示している。この図では、器具10の右側の足傾斜部40は所定の位置に固定されており、器具の左側の足傾斜部40は器具10と接続するように移動している。足傾斜部40を接続するには、クリップ406を水平梁14のうちの一方に配置し、開口部408を水平梁14に直交して延びるより小型の足傾斜部41の上にはめ込む。このように、足傾斜部40は、器具10に容易に着脱可能である。さらに、器具10は、より小型の足傾斜部41またはより大型の足傾斜部40と交互に構成することもできる。異なるサイズの足傾斜部を使用できるようにすることで、運動器具10を特定の使用者の希望に合わせることができる。例えば、足傾斜部40をより大きくすることで、様々なタイプのワークアウトが可能になり、ワークアウトの選択性が向上する。当業者であれば、本明細書で説明する本発明の利点を達成するために、複数のサイズの足傾斜部を有することは必要ではなく、例えば、より大きな足傾斜部40を運動器具10にねじ止めするなどして、より大きな足傾斜部40のみを設けた器具を構成することも可能であることを理解するであろう。
【0034】
図10は、本発明の代替的実施形態による足傾斜部40Aを示す。上述した足傾斜部40とは異なり、足傾斜部40Aは、足傾斜部40Aを運動器具10の水平梁14に固定するためのクリップ406を含まない。これに代えて、ストラップ43が足傾斜部40Aを運動器具に固定するために設けられている。ストラップ43は、例えば、ストラップ43および足傾斜部40Aにそれぞれ設けられた対応するボタン構造体45および47によって、足傾斜部40Aに着脱可能に接続される。器具10の足傾斜部41の上に置かれたときに、ストラップは足傾斜部40Aの一端から足傾斜部40Aおよび足傾斜部41の下面に沿って延び、足傾斜部40Aの他端で固定される。
【0035】
図11A乃至11Cは、本発明の代替的実施形態による運動器具11を示す。上述した運動器具10と同様に、この実施形態では、器具11は、水平梁140、直立梁220、リンクロッド320、2つのハンドル222、パッド支持アーム240、および臀部パッド面280を含み、支持アーム240は、支持アーム240の全長がロックノブアセンブリ230によって維持され得るような伸縮構造体を有する。運動器具11が上述した器具10と異なる点は、器具の基部が1つの水平梁140を有し、1つの足傾斜部500が水平梁140に接続されている点にある。また、運動器具11には動画表示モニター600が含まれている。運動器具11は、使用者が、上述したのと同様のスクワット運動を行うことができるように構成することができる。この点に関して、足傾斜部500には、使用者の足のために2つの足支持面501Aおよび501Bが設けられ、足支持面501Aおよび501Bの各々は、上述した足傾斜部40の各足支持面402と同様に構成されている。さらに、器具11は、上述した器具10と同様に、パッド面280の中心と足傾斜部500の足支持面501Aおよび501Bの中心との間の水平X方向および垂直Y方向の距離を特定の範囲に設定して構成されている。
【0036】
図12A乃至12Cは、本発明の代替的実施形態による運動器具12を示す。上述した運動器具10および11と同様に、この実施形態では、器具12は、水平梁640、直立梁720、リンクロッド820、2つのハンドル722、パッド支持アーム724、および臀部パッド面780を含み、支持アーム720は、支持アーム720の全長がロックノブアセンブリ730によって維持され得るような伸縮構造体を有する。運動器具12が上述した器具と異なる点は、器具の基部が、器具の前側に2本のアーム642Aおよび642Bを有し、器具の後側に2本のアーム641Aおよび641Bを有する点にある。水平梁640には、1つの足傾斜部900が接続されている。運動器具12は、使用者が上述したのと同様のスクワット運動を行うことができるように構成することができる。この点に関して、足傾斜部900には、使用者の足のために2つの足支持面901Aおよび901Bが設けられ、足支持面901Aおよび901Bの各々は、上述した足傾斜部40の各足支持面402と同様に構成されている。さらに、器具12は、上述した器具10と同様に、パッド面280の中心と足傾斜部900の足支持面901Aおよび901Bの中心との間の水平X方向および垂直Y方向の距離を特定の範囲に設定して構成されている。
【0037】
図13および図14は、本発明の別の実施形態による運動器具1000を示す斜視図である。先に説明した実施形態と同様に、運動器具1000はスクワット運動を行うために使用することができる。しかしながら、以下に説明するように、運動器具1000は、スクワット運動において加重抵抗を付与するように構成されている点で、上述した実施形態とは異なる。
【0038】
運動器具1000は、4本の梁1013、1014、1015、および1016を有する基部1012を含む。梁1013、1014、1015、および1016上には滑り止めのフロアパッド1017が配置されている。U字状の直立梁1020が梁1013から上方に延び、一対のハンドル1022が梁1020から上方に延びている。ハンドル1022は、使用者の両手に快適な表面を提供するために、クッション性のあるカバーを設けてもよい。ハンドル1022は、様々な身長の使用者に対応できるように、高さを調整することもできる。当業者には理解されるように、代替的実施形態では、ハンドルは、描かれた実施形態に示されたものとは異なる位置および構成とすることができる。例えば、別の実施形態では、使用者が把持するための水平ハンドルバーが設けられている。
【0039】
別の直立梁1023が梁1013から上方に延びている。直立梁1023は車軸1019を支持し、支持アーム1024は車軸1019を中心に枢動可能である。アーム1024はその遠位端で臀部パッド面1028を支持する。支持アーム1024は、伸縮可能であってもよく、例えば、上述した実施形態と同様にロックノブによって維持されてもよい。
【0040】
運動器具1000は、支持アーム1024および直立梁1023に接続された位置決めカム1018を含む。複数の開口部1039A乃至1039Eが位置決めカム1018を貫通して形成されている。支持アーム1024の開口部1031は、開口部1039A乃至1039Eのうちの1つと整列するように位置決めされてもよく、この整列は、開口部1031および開口部1039A乃至1039Eのうちの整列した1つを通って延びるロックピン1032を使用することによって固定されてもよい。アーム1024およびパッド1028の水平(地面)に対する初期角度は、開口部1039A乃至1039Eのうちの1つを開口部1031に整列させるように選択することによって調整することができる。したがって、パッド1028は、異なる身長および脚/胴の比率の使用者に対応するように調整することができる。
【0041】
ウエイト支持バー1040は支持アーム1024の前端から延びている。支持バー1040は、ディスクウェイト1042が支持アーム1024の両側に配置されるように、支持アーム1024の対向する両側から延びている。ウェイト1042を支持アーム1024の両側に設けることにより、ウェイトが支持アーム1024の片側に配置される構成と比較して、バーにかかる応力がより小さくなり、回転ベアリングにかかる応力もより小さくなる。
【0042】
支持アーム1024および臀部支持パッド1028が図13および図14に示す第1の位置にあるときに、支持パッド1028は垂直方向においてウェイト1042の上方に位置する。使用者が支持パッド1028に対してしゃがんで下方に動くと、ウェイト1042は上方に動かされる。したがって、ウェイト1042は、運動器具1000の使用者の下向きのしゃがむ動作に対して抵抗力を付与する。抵抗力は、支持バー400上に支持されたウェイト1042の数に正比例するため、ウェイト1042の加減によって力を広い範囲で容易に調整することができる。ウェイト1042はまた、使用者がスクワットの底部から上向きの動作をするときに支援力を生じる。また、ウェイト1042からの支援力が使用者の上方への移動を支援する一方で、使用者は、ウェイトおよびリンクシステム1032の付勢要素によって付与される上方への力に抵抗することによっても利益を得ることができる。すなわち、使用者が支援力に逆らって緩慢に上方に移動すれば、スクワット運動はさらに強化される。
【0043】
器具1000の構成により、使用者は器具内に容易に入ることができ、最初に器具内に自身を位置決めすることができる。すなわち、図13に示すように、使用者は、器具の一部の上に両足を上げる必要なく、器具の左側から器具に入ることができる。したがって、この構成は、移動に制限のある使用者にとって有益であろう。また、器具1000は、例えば怪我をしたヒトのリハビリ・プログラムの一環として容易に使用することができる。当業者であれば、図示の実施形態では開放側が左側にあるが、器具の構成を逆にして、図示のように器具が右側に開くようにすることも可能であることを理解できよう。
【0044】
運動器具1000はまた、足傾斜構造体1040を含み、この足傾斜構造体は、上述した実施形態における足傾斜構造体の構成を有することができる。例えば、足傾斜構造体1040は、上述した実施形態と同様に、地面に対する同じ角度、同じ足支持表面積、および臀部支持パッド1028に対する同じ位置決めを有するように構成することができる。上述した実施形態とも同様に、足傾斜構造体1040は、使用者の足全体が構造体によって支持されるような大きさおよび構成である。図13および図14に描かれている足傾斜構造体1040は、使用者の両足用の1つの構造体として設けられているが、他の実施形態では、使用者の片足用の個別の足傾斜部が器具1000の右側および左側に設けられてもよい。さらなる他の実施形態では、足傾斜構造体1040は、地面に対する足支持面の角度を変化させることができるように調整可能にすることができる。
【0045】
特許文献2に記載された運動器具と比較すると、運動器具1000はより単純な機械である。例えば、特許文献2に記載された運動器具とは異なり、運動器具1000はプーリーシステムを含まず、すべての動きは回転ベアリングで実現される。また、運動器具1000とともに使用されるウェイト1042は、容易に変更および/または交換することができるが、特許文献2に記載された器具は、その中で使用されるウェイトを交換する必要がある場合に、分解する必要がある場合がある。本明細書で説明する実施形態におけるウェイトの高い位置は、回転ベアリングと連動してより滑らかな動きを提供するためでもある。
【0046】
図15および図16は、本発明の別の実施形態を示す。本実施形態における器具1200は、4本の梁1213、1214、1215、および1216を有する基部1212を含む、図14および図15に描かれた実施形態と同じ要素の多くを含み、滑り止めフロアパッド1217が梁1213、1214、1215、および1216上に配置される。U字状の直立梁1220が梁1213から上方に延び、一対のハンドル1022が梁1220から上方に延びている。別の直立梁1223が梁1213から上方に延びている。直立梁1223は車軸1219を支持し、支持アーム1224は車軸1219を中心として枢動可能である。アーム1224はその遠位端で臀部パッド面1228を支持する。支持アーム1224は、伸縮可能であってもよく、例えば、上述した実施形態と同様にロックノブによって維持されてもよい。位置決めカム1218が支持アーム1224および直立梁1223に接続され、複数の開口部1239A乃至1239Eが位置決めカム1218を貫通して形成される。支持アーム1024の開口部1231は、上述した器具1000と同様に、開口部1239A乃至1239Eの1つと整合するようにロックピン1232で固定されている。器具1000と同様に、器具1200も片側が開放された形態になっており、使用者が器具上に自身を容易に位置決めすることができるようになっている。
【0047】
運動器具1200はまた、足傾斜構造体1240を含み、この足傾斜構造体は、上述した実施形態における足傾斜構造体の構成を有することができる。例えば、足傾斜構造体1240は、上述した実施形態と同様に、地面に対する同じ角度、同じ足支持表面積、および臀部支持パッド1228に対する同じ位置決めを有するように構成することができる。上述した実施形態とも同様に、足傾斜構造体1240は、使用者の足全体が構造体によって支持されるような大きさおよび構成である。図15および図16に描かれている足傾斜構造体1240は、使用者の両足用の1つの構造体として設けられているが、他の実施形態では、使用者の片足用の個別の足傾斜部が器具1200の右側および左側に設けられてもよい。さらなる他の実施形態では、足傾斜構造体1240は、地面に対する足支持面の角度を変化させることができるように調整可能にすることができる。
【0048】
上述した器具1000のようなウェイト支持バーに代えて、器具1200はリンクシステム1230を含む。上述した実施形態におけるリンクシステムと同様に、リンクシステム1032は、ダンパーのような付勢要素を含む。付勢要素は、臀部パッド1028および支持アーム1024の下方への動きに対して対抗力を生じるとともに、パッド1028および支持アーム1024を下降位置から上方へ駆動するための復帰力を生じる。ダンパーは力加減を調整可能である。いくつかの実施形態では、使用者がダンパーによって生じる圧縮に対する抵抗を変更できるように、ダイヤル構造体を含めてもよい。
【0049】
器具1000の構成と同様に、器具1200の構成により、使用者は器具内に容易に入り、最初に自身を位置決めすることができる。すなわち、図15に示すように、使用者は、構造体の上に両足を持ち上げる必要なく、器具の左側から器具に入ることができ、あるいは、図15に描かれているのとは逆の実施形態では、使用者は、器具の右側から器具に入ることができる。
【0050】
本発明のさらなる別の実施形態には、器具1000および器具1200の要素の組み合わせが含まれる。この実施形態では、器具は、器具1000と同様に、ディスクウェイトを支持するように構成されたウェイト支持バーを含み、器具は、器具1200と同様に、付勢要素を有するリンクシステムを含む。本実施形態の器具もまた、器具1000および1200と同様に、基部、直立梁、支持アーム、臀部支持パッド、ハンドル、および足傾斜部の同じ構成を含む。
【0051】
以上、本発明の様々な例示的実施形態について説明したが、これらは例示として提示されたものであり、これらに限定されるものではないことを理解されたい。関連技術分野の当業者であれば、形状および細部に様々な変更を加えることができることは明らかである。したがって、本発明は、上述した例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその均等物に従ってのみ定義されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規かつ改良された運動器具に関する。特に、本発明は、手動で操作され、運動中に使用者の臀部および足を最適に位置決めするとともに支持することによって、臀筋群を標的にする運動器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの臀筋群の3つの主な筋肉、すなわち大殿筋、中殿筋、および小殿筋(「複数の臀筋」)は、臀部を構成し、人体で最大の筋肉群の1つである。臀筋は、ヒトが直立し、体幹を直立姿勢に保持するための身体的基盤である。臀筋により、前かがみになった後に、体が直立した姿勢を取り戻すことができ、また、臀筋は、まとまって脚の回旋器としての役割も果たしている。さらに、臀筋は、歩行からランニング、跳躍、横断方向への移動まで、ヒトの二足歩行の運動機能を支えている。加えて、整った臀部は魅力的な外見の不可欠な一部とみなされるのが一般的である。
【0003】
臀筋の重要性にもかかわらず、多くのヒトは臀筋が未発達である。現代のライフスタイルは、座っていることが多く、臀筋を効果的にシャットダウンしている。そのため、スクワットおよびランジを含む、臀筋を標的にした運動が数多く開発されてきた。伝統的にバーベルを両肩に担いで行うこれらの運動では、ある程度の器用さおよびバランス感覚、そしてバーベルを所定の位置に持ち上げる筋力が必要とされる。ウェイトを適切な位置で支持するとともに維持することは、使用者にとって不快である可能性がある。効果的な運動のためには、適切なフォームが必要である。パワーケージや、スミスマシンとして周知の直立フレームなどの運動器具は、スクワットを行うために使用することができ、バーベルが前方、後方、または側方に移動するのを防ぎ、予め定められた経路に沿ってウェイトを縦に移動させることができる。
【0004】
スクワット運動では、適切なフォームが特に重要である。スクワット運動で臀筋に最適な負荷をかけるには、体幹の前方への動きと腰の後方への動きを相殺し、同時に背骨を安定させる必要がある。そのためには、身体への意識、協調性、安定性、および均衡が必要である。しかしながら、適切な動作のための特別なトレーニングを受けていない限り、スクワットは間違ったやり方で行われることが多い。例えば、大腿四頭筋を優位にしたやり方では、実際には臀筋を改善することなく、膝および背中に負担をかけてしまう。
【0005】
本出願の譲受人に対するものであり、その全体がここに開示されたものとされる特許文献1には、臀筋を適切に運動させるために使用できる運動器具と、臀筋を適切に運動させるための方法が記載されている。特許文献1に記載された器具は、ハンドルを有する直立部、臀部支持アセンブリ、および運動中に使用者の足の一部を支持するように構成された足傾斜部を含む。その中で説明されている運動では、使用者は、使用者の臀部がパッドと接触するように位置決めされ、使用者はハンドルにつかまり、臀部支持アセンブリは、臀部の筋肉がパッドとの接触を維持するための初期緊張状態にあるような、初期の概ね水平な位置にある。運動中、使用者は、臀部群の制御された動作により、緩慢に制御された動作で、臀部アセンブリを下方の位置まで枢動させ、その後、臀部群の制御された動作により、臀部アセンブリを開始位置まで戻し、使用者の腕は、運動動作の全範囲を通じて完全に伸展した位置に留まる。特許文献1に記載された器具および方法は、臀部の筋肉に効果的な運動を提供する。
【0006】
本出願の譲受人に対するものであり、その全体がここに開示されたものとされる特許文献2には、臀筋を運動させるために使用することができる別のタイプの器具および臀筋を運動させるための方法が記載されている。特許文献2に記載された器具は、ハンドルを有する直立部、臀部支持アセンブリ、および運動中に使用者の足の一部を支持するように構成された足傾斜部を含む。器具はまた、臀部支持アセンブリに作動可能に接続されたウェイトスタックを含む。運動中、ウェイトスタックは、臀部アセンブリを下方に動かす抵抗力と、臀部支持アセンブリを上方に動かす支援力を付与する。特許文献2に記載された器具は、一般に、ジムなどの商業的な使用に適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第9,375,607号明細書
【特許文献2】米国特許第11,117,017号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書に記載される本発明の実施形態は、特許文献1および2に記載される運動の改良を提供する。本明細書で説明する運動は、運動器具の上で使用者の臀部および足を位置決めするとともに支持することにより、臀部の筋肉をさらに標的にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、運動器具は、方向Xに延びる少なくとも1本の梁を含む基部と、基部に接続され、かつ方向Xに直交する方向Yに基部の上方に延びる少なくとも1本の直立梁とを備え、直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、直立梁は器具の前側に配置される。直立梁よりも後方に臀部支持アセンブリが配置され、臀部支持アセンブリは第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立梁に対して枢動可能であり、第1の位置は第2の位置が基部からY方向に離間している距離よりも、基部からY方向にさらに離間している。直立梁よりも後方に足傾斜構造体が配置され、足傾斜構造体は、地面から高い位置で使用者の実質的にすべての足を支持するのに十分な表面積を有する少なくとも1つの足支持面を含む。
【0010】
本発明の別の態様によれば、運動器具は、方向Xに延びる少なくとも1つの梁を含む基部と、基部に接続され、かつ方向Xに直交する方向Yにおいて基部の上方に延びる少なくとも1つの直立梁とを備え、直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、直立梁は器具の前側に配置される。臀部支持アセンブリは、直立梁よりも後方に配置され、臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立梁に対して枢動可能であり、第1の位置は、方向Yにおいて第2の位置よりも基部から遠く、臀部支持アセンブリは、使用者の臀部を支持するように構成された表面を含む。器具はまた、直立梁よりも後方に配置された足傾斜構造体を含み、足傾斜構造体は、使用者の足を支持するように構成された少なくとも1つの足支持面を含む。臀部支持アセンブリが第1の位置にあるときに、臀部支持面の表面の中心から足支持面の中心までの方向Xにおける距離が約30cm乃至約60cmであり、臀部支持面の表面の中心から足支持面の中心までの方向Yにおける距離が約80cm乃至約90cmであるように、運動器具が構成されている。
【0011】
別の態様によれば、運動器具は、方向Xに延びる少なくとも1本の梁を含む基部を含む。少なくとも1本の直立梁は、基部に接続され、かつ方向Xに直交する方向Yにおいて基部の上方に延び、直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、直立梁は、器具の前側に配置される。臀部支持アセンブリは、直立梁よりも後方に配置され、臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立ハンドルに対して枢動可能であり、第1の位置は、方向Yにおいて基部から第2の位置よりも離間している。リンクロッドは、基部および臀部支持アセンブリを接続している。直立梁よりも後方には足傾斜構造体が配置され、足傾斜構造体は、地面から高い位置で使用者の足を支持するために、少なくとも約500cmの表面積を有する少なくとも1つの足支持面を含む。少なくとも1つの足支持面は、地面に対して約10°乃至約35°の角度で形成されている。
【0012】
本発明のさらなる別の実施形態によれば、スクワット運動のための運動器具が提供される。この器具は、少なくとも1本の梁を含む基部と、基部に接続されるとともに基部の上方に延びる少なくとも1本の直立梁とを含み、直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、直立梁は、器具の前側に配置される。臀部支持アセンブリは、直立梁の後方に配置され、臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立ハンドルに対して枢動可能であり、第1の位置は第2の位置よりも高い。本器具は、臀部支持アセンブリに作動可能に接続されたウェイト支持梁をさらに備え、ウェイト支持梁は1つ以上のウェイトを支持するように構成されている。足傾斜構造体は、直立梁と臀部支持アセンブリとの間に配置され、足傾斜構造体は、地面から高い位置で使用者の実質的にすべての足を支持するのに十分な表面積を有する少なくとも1つの足支持面を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、運動のための直立した開始位置にある器具を示す斜視図である。
図2図2は、器具を示す正面立面図である。
図3図3は、器具を示す側面立面図である。
図4図4は、器具のロックブラケットを示す詳細図である。
図5図5は、折り畳まれて収納された状態の器具を示す斜視図である。
図6図6は、直立開始位置にある器具を示す側面立面図であり、そこにいる使用者の配向を描いている。
図7図7は、下降位置にある器具を示す側面立面図であり、その上にしゃがんだ姿勢の使用者の配向を描いている。
図8A図8A図8B、および図8Cは、本発明の一実施形態による足傾斜部を示す図である。
図8B図8A図8B、および図8Cは、本発明の一実施形態による足傾斜部を示す図である。
図8C図8A図8B、および図8Cは、本発明の一実施形態による足傾斜部を示す図である。
図9図9は、本発明の一実施形態による器具の足傾斜部の取付けを示す図である。
図10図10は、本発明の代替的実施形態による足傾斜部を示す図である。
図11A図11Aは、器具を示す斜視図である。
図11B図11Bは、器具を示す側面図である。
図11C図11Cは、本発明の代替的実施形態による器具を示す頂面図である。
図12A図12Aは、器具を示す斜視図である。
図12B図12Bは、器具を示す側面図である。
図12C図12Cは、本発明の代替的実施形態による器具を示す頂面図である。
図13図13は、本発明の別の実施形態による器具を示す斜視図である。
図14図14は、図13に示した器具を示す別の斜視図である。
図15図15は、本発明のさらなる実施形態による器具を示す斜視図である。
図16図16は、図15に示した器具を示す別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態の完全な理解は、添付の図面と組み合わせて本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することにより達成されるであろう。
【0015】
本発明の実施形態は、一般的なタイプの運動器具に向けられており、この運動器具では、使用者は、器具によって支持されてしゃがむ動作を行い、器具は、しゃがむ動作および使用者の直立位置への復帰の両者を制御することができる。
【0016】
図面、特に図1乃至3に示すように、運動器具10の例示的な実施形態は、一対の平行な水平梁14で形成された基部12からなる。フロアパッド16はその両端部に配置され、梁14をその長さ方向に沿って床面よりもわずかに高くし、床との滑り止めの接触面を提供することができる。ホイール18は、器具の移動を支援するために、周知の方法で一対のパッドに軸受けされてもよい。ホイール18は、描かれているように梁14の前部に配置することも、梁14の後部に配置することも、梁14の前部および後部の両者に配置することもできる。2本の梁14は、その両端が横梁46で結合されている。
【0017】
一対の直立梁20が基部梁14から上方に延び、その上端が一対のハンドル22で終端している。ハンドル22は、使用者の両手に快適な表面を提供するために、当該技術分野で周知のように、クッション性のあるカバーを設けてもよい。ハンドル22は、様々な身長の使用者に対応できるように、高さを調整することもできる。直立梁20は、後述するように、収納位置まで下方に折り畳むことができるように、基部梁14に枢動可能に接続されていてもよい。当業者であれば、基部梁14、直立梁20およびハンドル22の他の構成、例えば1本の基部梁、1本の直立梁、および1つのハンドル構造体が可能であることを認識するであろう。
【0018】
直立梁20には、同様に横ロッド26によって直立梁20に枢動可能に接続され得る臀部パッド支持アーム24の前方端のための取付部が設けられる。アーム24は、その遠位端で臀部パッド面28を支持し、この臀部パッド面28は、アームが上方、概ね水平の位置にあるときに、水平に対して鋭角をなす。角度は45度の状態であり得る。支持アーム24は伸縮構造体であってもよく、その全長は、周知の方法に従って、内側伸縮要素に対して保持圧力を加えることができ、かつ/または、ノブアセンブリと位置合わせされた内側要素の複数の間隔をあけた穴のうちの選択された1つにピンを通すことができるロックノブアセンブリ30によって維持することができる。
【0019】
少なくとも1本のロッドを含むリンクシステム32が基部12およびパッド支持アーム24を接続する。描かれた本発明の実施形態では、リンクシステム32は、ダンパーのような付勢要素を含む。付勢要素は、臀部パッド28および支持アーム24の下方への動きに対して対抗力を生じるとともに、パッドおよび支持アームを下降位置から上方へ駆動するための復帰力を生じる。ダンパーは力加減を調整可能である。図示のように、ダンパーは緩衝器のような部材であってもよく、ダンパーピストンのダンパー本体への圧縮に対して抵抗し、ピストンの伸長位置への伸長に向けられた復元力を生じる。いくつかの実施形態では、使用者がダンパーによって生じる圧縮に対する抵抗を変更できるように、ダイヤル構造体を含めてもよい。また、調整は、例えば、U字状保持部36の間隔をあけた穴34のうちの選択された1つに選択的に取り付けることによって、基部に沿ってダンパーの接続位置を変えることによって行うことができる。垂直に対するダンパーの角度が大きくなるにつれて、ピストンロッド38の移動によってもたらされる圧縮の程度は、支持アームの動作範囲にわたって小さくなり、それに対応して圧縮に必要な力の量も小さくなる。
【0020】
基部梁14はまた、梁14から外側上方に突出する一対の足傾斜部40を支持し、足傾斜部40は直立梁20よりも後方に配置される。足傾斜部40については、以下に詳述する。描かれている運動器具10は器具10の対向する両側に2つの足傾斜部40を含むが、他の実施形態では1つの足傾斜構造体を設けることができ、1つの構造体には、器具10の2つの両側に使用者の両足を置くための表面領域が設けられることに留意すべきである。また、1つの足傾斜構造体の一例を以下に説明する。
【0021】
図4に詳述されているように、直立梁20は、それらを基部梁14に接続する一対の軸継手42によって、図1乃至3に図示されているような直立位置と図5に図示されているような折り畳まれた位置との間で枢動するように軸受けされている。アーム44は、直立梁20のうちの1つからその軸継手に近接して前方に延び、操作ノブを備えたアームを通って延びるねじ付きロッドからなるロック部材48を支持する。1本のアーム44および1つのロック部材48が描かれているが、他の実施形態では、アームおよびロック部材が直立梁20の各々に関連付けられるように、2本のアーム44および2つのロック部材48を設けてもよいことに留意すべきである。ロック部材48は、前方基部横梁46の相補的なねじ穴と係合するように配置され、係合すると直立梁20は縦の作動位置に保持される。他の実施形態では、ロック部材48に代えて、直立梁20を縦の作動位置に保持するクランプが設けられる。ロッドおよびボアの係合が手動で解除されると、図5に示すように、直立梁20は両基部梁14の間に横たわるように枢動して戻ることができる。ダンパー32が保持部36から外れた状態で、臀部パッド支持アーム24は、折り畳まれた両直立梁20の間に横たわるように前方に枢動させることができ、ダンパー32はアーム24に沿って横たわる。折り畳むと小型になり、持ち運びや保管に便利である。折り畳まれたユニットの一端は持ち上げることができ、反対側の端にあるホイールでユニットを所望に応じて転がすことができる。器具を再び組み立てるには、臀部支持アーム24を後方に枢動させ、直立梁20を作動位置まで持ち上げ、ロック部材48を横梁46にねじ込んで固定する。
【0022】
上述したように、特許文献1は、臀筋の効果的な運動を提供する器具および方法を記載している。本明細書で説明する器具および方法は、スクワット運動中の使用者の位置決めの違いにより、さらに効果的な運動を提供する。この位置決めは、部分的には、本明細書に記載されているように、器具の他の部分に対する足傾斜部の構成および配置によって可能になり、足傾斜部は、地面から高い位置で使用者の足を支持する。
【0023】
足傾斜部の足支持表面積および足傾斜部によって可能な高い足の位置決めにより、いくつかの利点が得られる。例えば、足傾斜部は、異なる足の位置決めおよび足の角度(例えば、つま先を内側に向けたり、外側に向けたり)に対応する表面積を提示する。より広い表面積を有することにより、より包括的な足の位置決めの選択肢が得られ、これにより、様々な体型の使用者が自分に合った足の位置を見つける選択肢が増える。足の位置決めを変えることで、比較的より幅広のスタンスや狭小なスタンスで、股関節および臀部の発達の特定の態様を標的にしたスクワットを、器具を使用して行うことができる。例えば、スタンスの幅がより広ければ、股関節の内転あるいは大腿の内側をより強化することができる。また、足の角度を変えることで、股関節の回旋のバリエーションが増え、股関節および臀部の強化がより十分に発達するように、様々な神経筋運動パターンを利用できるようになる。さらに、様々な足の位置決めを可能にすることで、より高度なスクワット運動を行うことができる。
【0024】
さらなる別の利点として、本器具の臀部支持パッドに対する足傾斜部の角度が高くなることにより、使用者は自身の体重を容易に両踵に預けることができ、それにより、スクワット運動中に使用者が自身の体重をつま先に前方に引き寄せる自然な傾向を修正することができる。すなわち、本発明の実施形態による足傾斜部を備えた器具に使用者を位置決めすることで、使用者の体重が踵に移動し、それによってスクワット運動中に臀筋に負荷がかかることが支援される。加えて、足傾斜部を備えた器具に使用者を位置決めすることで、使用者は、両足首を背屈させることなく(すなわち、両足の甲を上に引き上げることなく)適切な踵の圧力を見つけることが支援されることによって、神経エネルギーを解放することができる。すなわち、足傾斜部の位置決めおよび角度によって、使用者は自然と踵からプッシュするようになる。踵への圧力が高まることで、後肢連鎖筋により直接つながり、臀筋をより活性化させることができる。
【0025】
図6および図7は、本発明の実施形態による方法を実行している間の、本発明の実施形態による器具による使用者の位置決めを示す図である。器具の使用者は臀部支持アーム24にまたがり、パッド面28に臀部を載せる。パッドの傾斜により、使用者は単純にリラックスした姿勢でパッド上に着座するのではなく、脚および臀部の筋肉を緊張させることでパッド上での自身の姿勢を維持する必要がある。使用者の両足は、地面から高い位置で使用者の足の実質的にすべてを支持するのに十分な表面積を設ける足傾斜部40の上に置かれる。臀部パッド28とハンドル22との間の距離は、使用者の両腕が実質的に延び、使用者がパッド28上で直立姿勢を維持できるように、ロックアームアセンブリ30を介して調整される。使用者が制御された緩慢な形態でスクワットすると、リンクシステムのダンパー要素が上向きの対抗力を生じ、降下速度の制御を支援し、使用者は臀筋を運動させて所望の制御された降下に影響を付与する。図7に示すより低い位置では、使用者の両膝はつま先よりも後方に位置し、一般に両足首と一直線上にある、または足首よりも後方にある。この位置決めは、スクワット運動における膝への圧力を軽減する。下方の位置から使用者は立ち上がるが、ダンパーの上向きの力により使用者が支援され、これにより、使用者は、緩慢に制御された態様で立ち上がることができ、臀筋がさらに鍛えられる。
【0026】
図6および図7に示すような器具によって誘発されるスクワット運動は、従来のスクワット運動では達成することが困難であった運動から最も多くの利益を得ることができるように、使用者を位置決めする。パッド支持アーム24およびパッド28の動きは、使用者の臀部(すなわち臀筋)に負荷がかかるように、使用者を適切な経路に誘導する。従来のスクワットは、膝が前に出て大腿四頭筋に負担がかかるため、最終的には体の前面に倒れ込む「ジャストダウン」と考えられている。しかしながら、本明細書に記載されているように、器具によってフィードバックされる張力により、器具によって誘導される運動は、使用者自身の体重を臀部へと誘導するとともに両膝から遠ざけるような緩やかな弧を描くように、使用者を後方かつ下方へと誘導する。さらに、筋肉の関与は、使用者がスクワットの後方経路および下降経路に入るときに、器具からの張力によって開始される。従来のスクワットでは、重力が下向きに作用するため、スクワット運動の高度な訓練および経験がなければ、ヒトの筋肉に適切な発火を促すものは何もない。本明細書において説明する器具は、使用者の体を引き下げるために、大腰筋、腹筋、股関節屈筋、およびハムストリング筋の緊張を促進する。そしてこれらの筋肉が働くことで、臀筋は使用者を底部の位置から追い出すための準備態勢に入る。
【0027】
上述したような利点を達成する位置に使用者を位置合わせするために、本発明の実施形態では、運動器具10は、パッド表面28と足傾斜部40との間の水平X方向および垂直Y方向の距離を特定の範囲に設定して構成される。この点に関して、距離X1は、水平方向に測定されたパッド表面28の中心C28から足傾斜部40の足支持面の各々の中心C40までの距離であり、距離Y1は、垂直方向に測定されたパッド表面28の中心C28から足傾斜部40の足支持面の各々の中心C40までの距離である。なお、パッド面28の中心は、垂直方向において足傾斜部の各々の中心C40の真上に位置せず、パッド面28の中心は、水平方向において足傾斜部の各々と真直には一致しないので、図2図8、および図9に見られるように、距離X1およびY1は、水平方向および垂直方向において測定された距離である。他の用語を使用すると、距離X1は、パッド表面28の中心C28を含む垂直平面から足傾斜部40の足支持面の中心C40を含む垂直平面までに直交する線に沿った距離であり、距離Y1は、パッド表面28の中心C28を含む水平面から足傾斜部40の足支持面の中心C40を含む水平面までに直交する線に沿った距離である。距離X1およびY1をベクトルと解釈すれば、距離X1およびY1のベクトルを足し合わせて、パッド面28の中心C28から両足傾斜部40の両足支持面の両中心C40までの直線上のベクトルを形成することになる。
【0028】
図6に示すように臀部支持アセンブリが最上位置にあるときに、パッド表面28の中心C28から足傾斜部40の各々の中心C40までの水平方向における距離X1は、約30cm乃至約60cmの範囲にあり、パッドの中心C28から足傾斜部40の各々の中心C40までの垂直方向における距離Y1は、約80cm乃至約90cmの範囲にある。上述したように、アーム24の全長は調整可能であり、よって、距離X1およびY1の範囲内に収まる。これらの範囲は、成人したヒトの大半のサイズに対応している。さらに、器具の比率は、特定の個人に対応するためにアーム24を調整した場合に、距離X1およびY1が、上述した多くの利点を達成するスクワット運動を提供するようなものとなる。
【0029】
図8Aは足傾斜部40の頂面図を示し、図8Bは足傾斜部40の側面図を示し、図8Cは足傾斜部40の底面図を示す。足傾斜部40は、本明細書に記載の器具を使用する際に使用者が自身の足を置く足支持面402を含む。表面402には、より良好な牽引力を得られるように複数の隆起したリブが設けられる。当業者には理解されるように、より良好な牽引力を得られるように、様々な他の構造体を表面402上に形成または配置することができる。足傾斜部40はまた、開口部408およびクリップ406を含む。後述するように、開口部408およびクリップ406により、本発明の実施形態に従って、足傾斜部40を器具構造体の他の部分に着脱することができる。
【0030】
図8に示すように、足傾斜部40が置かれている表面(例えば地面)と足傾斜部40の足支持面402との間を角度αがなす。本発明のより具体的な実施形態では、角度αは約10°乃至約35°の間とすることができる。本発明のより具体的な実施形態では、角度αは約13°乃至約25°の間とすることができる。さらなる具体的な実施形態では、角度αは約15°乃至約20°である。特定の実施形態では、角度は約18°である。
【0031】
図8Bに示すように、足傾斜部40の前面404は、足傾斜部40の上縁409からX方向に延びている。したがって、足傾斜部40は、前面404と足傾斜部40の底面に沿った縁部410との間に鋭角βが形成され、足支持面402と前面404の縁部との間に鈍角γが形成された台形プリズムの形状を有する。本発明の具体的な実施形態では、角度βは約70°である。足傾斜部40を台形に形成することにより、楔形の足傾斜部と比較して、安定性および強度が向上する。足傾斜部404の強度および安定性をさらに高めるために、足傾斜部404の内側にウェビング412が形成され、開口部408の一部に充填材414が配置される。図8Cでは、充填材414は足傾斜部40の右側に配置されている。しかしながら、充填材414は、これに代えて、足傾斜部40の左側に配置することもできる。充填材414を交互に配置することにより、後述するように、足傾斜部404を運動器具10の右側または左側に配置するのに容易に適合させることができる。
【0032】
本発明の実施形態では、足支持面402は、成人の使用者の足の実質的に全部が足支持面402上に載るような大きさである。例えば、表面は、少なくとも約20cmの長さLおよび少なくとも約15cmの幅を有するようにサイズ決めされ、それによって、成人の使用者の足の実質的にすべて(すべてではないとしても)を収容するために、少なくとも約300cmの表面積を設けることができる。別の例として、表面は少なくとも約500cmの表面積を設けるような大きさにすることで、ほとんどすべての成人使用者の足を収容することができる。特定の実施形態では、足支持面402は約27cmの長さおよび約19cmの幅を有し、それにより約513cmの表面積を設ける。当業者であれば、足支持面402の長さLおよび幅Wの寸法をどのように変化させれば、大多数の成人使用者の足に対応できるかを理解できるであろう。
【0033】
図9は、足傾斜部40が運動器具10にどのように接続されるかを詳細に示している。この図では、器具10の右側の足傾斜部40は所定の位置に固定されており、器具の左側の足傾斜部40は器具10と接続するように移動している。足傾斜部40を接続するには、クリップ406を水平梁14のうちの一方に配置し、開口部408を水平梁14に直交して延びるより小型の足傾斜部41の上にはめ込む。このように、足傾斜部40は、器具10に容易に着脱可能である。さらに、器具10は、より小型の足傾斜部41またはより大型の足傾斜部40と交互に構成することもできる。異なるサイズの足傾斜部を使用できるようにすることで、運動器具10を特定の使用者の希望に合わせることができる。例えば、足傾斜部40をより大きくすることで、様々なタイプのワークアウトが可能になり、ワークアウトの選択性が向上する。当業者であれば、本明細書で説明する本発明の利点を達成するために、複数のサイズの足傾斜部を有することは必要ではなく、例えば、より大きな足傾斜部40を運動器具10にねじ止めするなどして、より大きな足傾斜部40のみを設けた器具を構成することも可能であることを理解するであろう。
【0034】
図10は、本発明の代替的実施形態による足傾斜部40Aを示す。上述した足傾斜部40とは異なり、足傾斜部40Aは、足傾斜部40Aを運動器具10の水平梁14に固定するためのクリップ406を含まない。これに代えて、ストラップ43が足傾斜部40Aを運動器具に固定するために設けられている。ストラップ43は、例えば、ストラップ43および足傾斜部40Aにそれぞれ設けられた対応するボタン構造体45および47によって、足傾斜部40Aに着脱可能に接続される。器具10の足傾斜部41の上に置かれたときに、ストラップは足傾斜部40Aの一端から足傾斜部40Aおよび足傾斜部41の下面に沿って延び、足傾斜部40Aの他端で固定される。
【0035】
図11A乃至11Cは、本発明の代替的実施形態による運動器具11を示す。上述した運動器具10と同様に、この実施形態では、器具11は、水平梁140、直立梁220、リンクロッド320、2つのハンドル222、パッド支持アーム240、および臀部パッド面280を含み、支持アーム240は、支持アーム240の全長がロックノブアセンブリ230によって維持され得るような伸縮構造体を有する。運動器具11が上述した器具10と異なる点は、器具の基部が1つの水平梁140を有し、1つの足傾斜部500が水平梁140に接続されている点にある。また、運動器具11には動画表示モニター600が含まれている。運動器具11は、使用者が、上述したのと同様のスクワット運動を行うことができるように構成することができる。この点に関して、足傾斜部500には、使用者の足のために2つの足支持面501Aおよび501Bが設けられ、足支持面501Aおよび501Bの各々は、上述した足傾斜部40の各足支持面402と同様に構成されている。さらに、器具11は、上述した器具10と同様に、パッド面280の中心と足傾斜部500の足支持面501Aおよび501Bの中心との間の水平X方向および垂直Y方向の距離を特定の範囲に設定して構成されている。
【0036】
図12A乃至12Cは、本発明の代替的実施形態による運動器具12を示す。上述した運動器具10および11と同様に、この実施形態では、器具12は、水平梁640、直立梁720、リンクロッド820、2つのハンドル722、パッド支持アーム724、および臀部パッド面780を含み、支持アーム72は、支持アーム720の全長がロックノブアセンブリ730によって維持され得るような伸縮構造体を有する。運動器具12が上述した器具と異なる点は、器具の基部が、器具の前側に2本のアーム642Aおよび642Bを有し、器具の後側に2本のアーム641Aおよび641Bを有する点にある。水平梁640には、1つの足傾斜部900が接続されている。運動器具12は、使用者が上述したのと同様のスクワット運動を行うことができるように構成することができる。この点に関して、足傾斜部900には、使用者の足のために2つの足支持面901Aおよび901Bが設けられ、足支持面901Aおよび901Bの各々は、上述した足傾斜部40の各足支持面402と同様に構成されている。さらに、器具12は、上述した器具10と同様に、パッド面280の中心と足傾斜部900の足支持面901Aおよび901Bの中心との間の水平X方向および垂直Y方向の距離を特定の範囲に設定して構成されている。
【0037】
図13および図14は、本発明の別の実施形態による運動器具1000を示す斜視図である。先に説明した実施形態と同様に、運動器具1000はスクワット運動を行うために使用することができる。しかしながら、以下に説明するように、運動器具1000は、スクワット運動において加重抵抗を付与するように構成されている点で、上述した実施形態とは異なる。
【0038】
運動器具1000は、4本の梁1013、1014、1015、および1016を有する基部1012を含む。梁1013、1014、1015、および1016上には滑り止めのフロアパッド1017が配置されている。U字状の直立梁1020が梁1013から上方に延び、一対のハンドル1022が梁1020から上方に延びている。ハンドル1022は、使用者の両手に快適な表面を提供するために、クッション性のあるカバーを設けてもよい。ハンドル1022は、様々な身長の使用者に対応できるように、高さを調整することもできる。当業者には理解されるように、代替的実施形態では、ハンドルは、描かれた実施形態に示されたものとは異なる位置および構成とすることができる。例えば、別の実施形態では、使用者が把持するための水平ハンドルバーが設けられている。
【0039】
別の直立梁1023が梁1013から上方に延びている。直立梁1023は車軸1019を支持し、支持アーム1024は車軸1019を中心に枢動可能である。アーム1024はその遠位端で臀部パッド面1028を支持する。支持アーム1024は、伸縮可能であってもよく、例えば、上述した実施形態と同様にロックノブによって維持されてもよい。
【0040】
運動器具1000は、支持アーム1024および直立梁1023に接続された位置決めカム1018を含む。複数の開口部1039A乃至1039Eが位置決めカム1018を貫通して形成されている。支持アーム1024の開口部1031は、開口部1039A乃至1039Eのうちの1つと整列するように位置決めされてもよく、この整列は、開口部1031および開口部1039A乃至1039Eのうちの整列した1つを通って延びるロックピン1032を使用することによって固定されてもよい。アーム1024およびパッド1028の水平(地面)に対する初期角度は、開口部1039A乃至1039Eのうちの1つを開口部1031に整列させるように選択することによって調整することができる。したがって、パッド1028は、異なる身長および脚/胴の比率の使用者に対応するように調整することができる。
【0041】
ウエイト支持バー104は支持アーム1024の前端から延びている。支持バー104は、ディスクウェイト1042が支持アーム1024の両側に配置されるように、支持アーム1024の対向する両側から延びている。ウェイト1042を支持アーム1024の両側に設けることにより、ウェイトが支持アーム1024の片側に配置される構成と比較して、バーにかかる応力がより小さくなり、回転ベアリングにかかる応力もより小さくなる。
【0042】
支持アーム1024および臀部支持パッド1028が図13および図14に示す第1の位置にあるときに、支持パッド1028は垂直方向においてウェイト1042の上方に位置する。使用者が支持パッド1028に対してしゃがんで下方に動くと、ウェイト1042は上方に動かされる。したがって、ウェイト1042は、運動器具1000の使用者の下向きのしゃがむ動作に対して抵抗力を付与する。抵抗力は、支持バー400上に支持されたウェイト1042の数に正比例するため、ウェイト1042の加減によって力を広い範囲で容易に調整することができる。ウェイト1042はまた、使用者がスクワットの底部から上向きの動作をするときに支援力を生じる。また、ウェイト1042からの支援力が使用者の上方への移動を支援する一方で、使用者は、ウェイトおよびリンクシステム1032の付勢要素によって付与される上方への力に抵抗することによっても利益を得ることができる。すなわち、使用者が支援力に逆らって緩慢に上方に移動すれば、スクワット運動はさらに強化される。
【0043】
器具1000の構成により、使用者は器具内に容易に入ることができ、最初に器具内に自身を位置決めすることができる。すなわち、図13に示すように、使用者は、器具の一部の上に両足を上げる必要なく、器具の左側から器具に入ることができる。したがって、この構成は、移動に制限のある使用者にとって有益であろう。また、器具1000は、例えば怪我をしたヒトのリハビリ・プログラムの一環として容易に使用することができる。当業者であれば、図示の実施形態では開放側が左側にあるが、器具の構成を逆にして、図示のように器具が右側に開くようにすることも可能であることを理解できよう。
【0044】
運動器具1000はまた、足傾斜構造体1040を含み、この足傾斜構造体は、上述した実施形態における足傾斜構造体の構成を有することができる。例えば、足傾斜構造体1040は、上述した実施形態と同様に、地面に対する同じ角度、同じ足支持表面積、および臀部支持パッド1028に対する同じ位置決めを有するように構成することができる。上述した実施形態とも同様に、足傾斜構造体1040は、使用者の足全体が構造体によって支持されるような大きさおよび構成である。図13および図14に描かれている足傾斜構造体1040は、使用者の両足用の1つの構造体として設けられているが、他の実施形態では、使用者の片足用の個別の足傾斜部が器具1000の右側および左側に設けられてもよい。さらなる他の実施形態では、足傾斜構造体1040は、地面に対する足支持面の角度を変化させることができるように調整可能にすることができる。
【0045】
特許文献2に記載された運動器具と比較すると、運動器具1000はより単純な機械である。例えば、特許文献2に記載された運動器具とは異なり、運動器具1000はプーリーシステムを含まず、すべての動きは回転ベアリングで実現される。また、運動器具1000とともに使用されるウェイト1042は、容易に変更および/または交換することができるが、特許文献2に記載された器具は、その中で使用されるウェイトを交換する必要がある場合に、分解する必要がある場合がある。本明細書で説明する実施形態におけるウェイトの高い位置は、回転ベアリングと連動してより滑らかな動きを提供するためでもある。
【0046】
図15および図16は、本発明の別の実施形態を示す。本実施形態における器具1200は、4本の梁1213、1214、1215、および1216を有する基部1212を含む、図14および図15に描かれた実施形態と同じ要素の多くを含み、滑り止めフロアパッド1217が梁1213、1214、1215、および1216上に配置される。U字状の直立梁1220が梁1213から上方に延び、一対のハンドル1022が梁1220から上方に延びている。別の直立梁1223が梁1213から上方に延びている。直立梁1223は車軸1219を支持し、支持アーム1224は車軸1219を中心として枢動可能である。アーム1224はその遠位端で臀部パッド面1228を支持する。支持アーム1224は、伸縮可能であってもよく、例えば、上述した実施形態と同様にロックノブによって維持されてもよい。位置決めカム1218が支持アーム1224および直立梁1223に接続され、複数の開口部1239A乃至1239Eが位置決めカム1218を貫通して形成される。支持アーム1024の開口部1231は、上述した器具1000と同様に、開口部1239A乃至1239Eの1つと整合するようにロックピン1232で固定されている。器具1000と同様に、器具1200も片側が開放された形態になっており、使用者が器具上に自身を容易に位置決めすることができるようになっている。
【0047】
運動器具1200はまた、足傾斜構造体1240を含み、この足傾斜構造体は、上述した実施形態における足傾斜構造体の構成を有することができる。例えば、足傾斜構造体1240は、上述した実施形態と同様に、地面に対する同じ角度、同じ足支持表面積、および臀部支持パッド1228に対する同じ位置決めを有するように構成することができる。上述した実施形態とも同様に、足傾斜構造体1240は、使用者の足全体が構造体によって支持されるような大きさおよび構成である。図15および図16に描かれている足傾斜構造体1240は、使用者の両足用の1つの構造体として設けられているが、他の実施形態では、使用者の片足用の個別の足傾斜部が器具1200の右側および左側に設けられてもよい。さらなる他の実施形態では、足傾斜構造体1240は、地面に対する足支持面の角度を変化させることができるように調整可能にすることができる。
【0048】
上述した器具1000のようなウェイト支持バーに代えて、器具1200はリンクシステム1230を含む。上述した実施形態におけるリンクシステムと同様に、リンクシステム1は、ダンパーのような付勢要素を含む。付勢要素は、臀部パッド128および支持アーム124の下方への動きに対して対抗力を生じるとともに、パッド128および支持アーム124を下降位置から上方へ駆動するための復帰力を生じる。ダンパーは力加減を調整可能である。いくつかの実施形態では、使用者がダンパーによって生じる圧縮に対する抵抗を変更できるように、ダイヤル構造体を含めてもよい。
【0049】
器具1000の構成と同様に、器具1200の構成により、使用者は器具内に容易に入り、最初に自身を位置決めすることができる。すなわち、図15に示すように、使用者は、構造体の上に両足を持ち上げる必要なく、器具の左側から器具に入ることができ、あるいは、図15に描かれているのとは逆の実施形態では、使用者は、器具の右側から器具に入ることができる。
【0050】
本発明のさらなる別の実施形態には、器具1000および器具1200の要素の組み合わせが含まれる。この実施形態では、器具は、器具1000と同様に、ディスクウェイトを支持するように構成されたウェイト支持バーを含み、器具は、器具1200と同様に、付勢要素を有するリンクシステムを含む。本実施形態の器具もまた、器具1000および1200と同様に、基部、直立梁、支持アーム、臀部支持パッド、ハンドル、および足傾斜部の同じ構成を含む。
【0051】
以上、本発明の様々な例示的実施形態について説明したが、これらは例示として提示されたものであり、これらに限定されるものではないことを理解されたい。関連技術分野の当業者であれば、形状および細部に様々な変更を加えることができることは明らかである。したがって、本発明は、上述した例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその均等物に従ってのみ定義されるべきである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方向Xに延びる少なくとも1本の梁を含む基部と、
前記基部に接続され、かつ前記方向Xに直交する方向Yに前記基部から上方に延びる少なくとも1本の直立梁であって、前記直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、前記直立梁は、運動器具の前側に配置される、直立梁と、
前記直立梁よりも後方に配置された臀部支持アセンブリであって、前記臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立ハンドルに対して枢動可能であり、前記第1の位置は、前記方向Yにおいて前記基部から前記第2の位置よりも離間している、臀部支持アセンブリと、
前記直立梁よりも後方に配置された足傾斜構造体であって、地面から高い状態で前記使用者の足をすべて支持するのに十分な表面積を有する少なくとも1つの足支持面を含む、足傾斜構造体と、
を備える、運動器具。
【請求項2】
前記少なくとも1つの足支持面は、前記運動器具の一方の側で少なくとも300cmの面積を有し、前記運動器具の第2の側で少なくとも300cmの面積を有するように構成されている、請求項1に記載の運動器具。
【請求項3】
前記足傾斜構造体は、左側足傾斜構造体および右側足傾斜構造体を含み、前記運動器具の正面側に向かって見て、前記左側足傾斜構造体は、前記基部の少なくとも一部の左側に位置し、前記右側足傾斜構造体は、前記基部の少なくとも一部の右側に位置する、請求項1に記載の運動器具。
【請求項4】
前記基部と前記臀部支持アセンブリとに接続されたリンクロッドをさらに備える、請求項1に記載の運動器具。
【請求項5】
前記左側足傾斜部および前記右側足傾斜部の各々は、少なくとも300cmの面積を有する足支持面を有する、請求項に記載の運動器具。
【請求項6】
前記足傾斜構造体は、前記運動器具の対向する両側の足傾斜面を含む1つの構造体である、請求項1に記載の運動器具。
【請求項7】
前記少なくとも1つの足傾斜構造体は、前記足支持面と前記少なくとも1つの足傾斜構造体の隣接する前面との間に鈍角γが形成された台形プリズムの形状を有する、請求項1に記載の運動器具。
【請求項8】
方向Xに延びる少なくとも1本の梁を含む基部と、
前記基部に接続され、かつ前記方向Xに直交する方向Yに前記基部から上方に延びる少なくとも1本の直立梁であって、前記直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、前記直立梁は、運動器具の前側に配置される、直立梁と、
前記直立梁よりも後方に配置された臀部支持アセンブリであって、前記臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立ハンドルに対して枢動可能であり、前記第1の位置は、前記方向Yにおいて前記基部から前記第2の位置よりも離間しており、前記臀部支持アセンブリは、前記使用者の前記臀部を支持するように構成された表面を含む、臀部支持アセンブリと、
前記直立梁よりも後方に配置された足傾斜構造体であって、前記使用者の足を支持するように構成された少なくとも1つの足支持面を含む足傾斜構造体部と、
を備え、
前記臀部支持アセンブリが前記第1の位置にあるときに、前記臀部支持面の表面の中心から前記足支持面の中心までの前記方向Xにおける距離が30cm乃至60cmであり、前記臀部支持面の表面の中心から前記足支持面の中心までの前記方向Yにおける距離が80cm乃至90cmであるように、前記運動器具が構成されている、運動器具。
【請求項9】
前記少なくとも1つの足支持面は、前記運動器具の一方の側で少なくとも300cmの面積を有し、前記運動器具の第2の側で少なくとも300cmの面積を有するように構成されている、請求項8に記載の運動器具。
【請求項10】
前記足傾斜構造体は、左側足傾斜構造体および右側足傾斜構造体を含み、前記運動器具の正面側に向かって見て、前記左側足傾斜構造体は、前記基部の少なくとも一部の左側に位置し、前記右側足傾斜構造体は、前記基部の少なくとも一部の右側に位置する、請求項8に記載の運動器具。
【請求項11】
前記基部と前記臀部支持アセンブリとに接続されたリンクロッドをさらに備える、請求項8に記載の運動器具。
【請求項12】
前記足支持面の各々が少なくとも300cmの面積を有する、請求項11に記載の運動器具。
【請求項13】
前記足傾斜構造体は、前記運動器具の対向する両側の足傾斜面を含む1つの構造体である、請求項8に記載の運動器具。
【請求項14】
前記少なくとも1つの足傾斜構造体は、前記足支持面と前記少なくとも1つの足傾斜構造体の隣接する前面との間に鈍角γが形成された台形プリズムの形状を有する、請求項8に記載の運動器具。
【請求項15】
方向Xに延びる少なくとも1本の梁を含む基部と、
前記基部に接続され、かつ前記方向Xに直交する方向Yに前記基部から上方に延びる少なくとも1本の直立梁であって、前記直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、前記直立梁は、運動器具の前側に配置される、直立梁と、
前記直立梁よりも後方に配置された臀部支持アセンブリであって、前記臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立ハンドルに対して枢動可能であり、前記第1の位置は、前記方向Yにおいて前記第2の位置よりも高い、臀部支持アセンブリと、
前記基部および前記臀部支持アセンブリに接続されたリンクロッドと、前記直立梁よりも後方に配置された足傾斜構造体であって、前記足傾斜構造体は、地面から高い位置で前記使用者の足を支持するために、少なくとも500cmの表面積を有する少なくとも1つの足支持面を含む、足傾斜構造体と、
を備え、
前記少なくとも1つの足支持面が、地面に対して10°乃至35°の角度で形成されている、運動器具。
【請求項16】
前記足傾斜構造体は、左側足傾斜構造体および右側足傾斜構造体を含み、前記運動器具の正面側に向かって見て、前記左側足傾斜構造体は、前記基部の少なくとも一部の左側に位置し、前記右側足傾斜構造体は、前記基部の少なくとも一部の右側に位置する、請求項15に記載の運動器具。
【請求項17】
前記足傾斜構造体は、前記運動器具の対向する両側の足傾斜面を含む1つの構造体である、請求項15に記載の運動器具。
【請求項18】
前記少なくとも1つの足傾斜構造体は、前記足支持面と前記少なくとも1つの足傾斜構造体の隣接する前面との間に鈍角γが形成された台形プリズムの形状を有する、請求項15に記載の運動器具。
【請求項19】
前記少なくとも1つの足支持面が地面に対して15°乃至20°の角度で形成されている、請求項15に記載の運動器具。
【請求項20】
方向Xにおける少なくとも1本の梁を含む基部と、
前記基部に接続され、かつ前記方向Xに直交する方向Yに前記基部から上方に延びる少なくとも1本の直立梁であって、前記直立梁は、使用者によって保持されるように構成された少なくとも1つのハンドル領域を含み、前記直立梁は、スクワット運動用の運動器具の前側に配置される、直立梁と、
前記直立梁よりも後方に配置された臀部支持アセンブリであって、前記臀部支持アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で少なくとも1つの直立ハンドルに対して枢動可能であり、前記第1の位置は、前記方向Yにおいて前記基部から前記第2の位置よりも離間している、臀部支持アセンブリと、
前記臀部支持アセンブリに作動可能に接続されたウェイト支持梁であって、前記ウェイト支持梁は1つ以上のウェイトを支持するように構成されている、ウェイト支持梁と、
前記直立梁よりも後方に配置された足傾斜構造体であって、地面から高い状態で前記使用者の足をすべて支持するのに十分な表面積を有する少なくとも1つの足支持面を含む、足傾斜構造体と、
を備える、スクワット運動用の運動器具。
【請求項21】
前記臀部支持アセンブリが前記第1の位置にあるときに、前記ウェイト支持梁は、前記運動器具を支持する表面よりも高い位置で前記1つ以上のウェイトを支持するように配置される、請求項20に記載の運動器具。
【請求項22】
前記臀部支持アセンブリは、第1の端部に支持パッドを含み、前記ウェイト支持梁は、前記臀部支持アセンブリの第2の端部に隣接して配置される、請求項20に記載の運動器具。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正の内容】
図13
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正の内容】
図14
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正の内容】
図15
【国際調査報告】