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特表2024-545717データ伝送方法、電子機器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】データ伝送方法、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0446 20230101AFI20241203BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20241203BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W84/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538488
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 CN2022119092
(87)【国際公開番号】W WO2023116082
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111602089.5
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】宋欣
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE72
5K067HH22
(57)【要約】
本願の実施例は通信伝送の分野に関するものであり、特にデータ伝送方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関するものである。前記方法は、トライバンドルータの親ルータに適用され、前記親ルータは、第1のチャネルと、第2のチャネルと、第3のチャネルとを備え、前記方法は、ユーザ機器と子ルータとの両方が第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合、ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるステップと、ユーザ機器及び子ルータにそれぞれに割り当てられたタイムスライスに従って、第3のチャネルを介して、ユーザ機器及び子ルータとデータ伝送を実行するステップと、を含み、トライバンドルータの無線リソースを十分に利用し、トライバンドルータの最大の能力を発揮させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トライバンドルータの親ルータに適用されるデータ伝送方法であって、前記親ルータは、第1のチャネルと、第2のチャネルと、第3のチャネルとを備え、前記方法は、
ユーザ機器と子ルータとの両方が前記第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合、前記ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、前記子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるステップと、
前記ユーザ機器及び前記子ルータにそれぞれに割り当てられたタイムスライスに従って、前記第3のチャネルを介して、前記ユーザ機器及び前記子ルータとデータ伝送を実行するステップと、
を含むデータ伝送方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記ユーザ機器が前記第3のチャネルにアクセスしており、前記子ルータが前記第3のチャネルにアクセスしていないことが検出された場合、前記ユーザ機器に前記第1の閾値よりも大きい第3の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるステップをさらに含む
請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記ユーザ機器が前記第3のチャネルにアクセスしておらず、前記子ルータが前記第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合に、前記子ルータに前記第2の閾値よりも大きい第4の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるステップをさらに含む
請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項4】
前記ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、前記子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てる前記ステップの後に、
前記ユーザ機器又は前記子ルータが前記親ルータとのデータ伝送を切断した場合、前記タイムスライスの割り当てを調整するステップをさらに含む
請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項5】
前記方法において、さらに、
前記ユーザ機器がアクセスを実現するために、前記第3のチャネルに第1のポートが存在し、
前記子ルータがアクセスを実現するために、前記第3のチャネルに第2のポートが存在する
請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項6】
前記第1の閾値と前記第2の閾値とが等しく、
前記ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、前記子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てる前記ステップは、
等しい数のタイムスライスを前記ユーザ機器及び前記子ルータに割り当てるステップを含む
請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記ユーザ機器と前記子ルータとの両方が前記第3のチャネルにアクセスしていないことが検出された場合、前記ユーザ機器及び前記子ルータに同じ数のタイムスライスを予め割り当てるステップをさらに含む
請求項1から6の何れか一項に記載のデータ伝送方法。
【請求項8】
ユーザ機器と子ルータとの両方が前記第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合、前記ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、前記子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるように設定された割当ユニットと、
前記ユーザ機器及び前記子ルータにそれぞれに割り当てられたタイムスライスに従って、前記第3のチャネルを介して、前記ユーザ機器及び前記子ルータとデータ伝送を実行するように設定された実行ユニットと、
を備えるデータ伝送装置。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを備える電子機器であって、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサにより実行できる命令が記憶され、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1から7の何れか一項に記載のデータ伝送方法を実行できるようにする
電子機器。
【請求項10】
コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された場合、請求項1から7の何れか一項に記載のデータ伝送方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は通信伝送の分野に関するものであり、特にデータ伝送方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
WiFi技術の発展及びサービスの増加に伴い、より良いユーザ体験を達成するために、トライバンドWiFiルータは無線ルータの市場に登場し始めた。トライバンドWiFiルータとは、通常サービスが使用する1つ目の5Gチャネル及び2.4Gチャネル、即ち通常サービスにより使用される第1のチャネル及び第2のチャネルと、ゲームなどの、ネットワーク遅延に対する要求のより高いサービスが使用する2つ目の専用5Gチャネル、即ちネットワーク遅延に対する要求のより高い第3のチャネルとを有するルータである。しかしながら、従来の製品は、単に2つ目の5G周波数帯(第3のチャネル)を利用し、高速サービス、例えばゲームサービスの要求を満たすか、又は、親子ルータのネットワーク構築時にWiFiルータ間の無線ネットワーク構築の要求を満たすことにより、より大きな無線カバレッジを達成するだけであった。
【0003】
つまり、トライバンドWiFiルータを使用して親子ルータのネットワーク構築を実行すると、より大きな無線カバレッジの需要を満たすことしかできず、第3のチャネルが親子ルータのネットワーク構築に用いられるため、ユーザは、メインルータ(親ルータ)のカバレッジ内で1つのデュアルバンドWiFiルータの存在を感じることしかできず、トライバンドルータの最大の能力を発揮させることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、トライバンドルータの無線リソースを十分に利用し、トライバンドルータの最大の能力を発揮させることができるデータ伝送方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、データ伝送装置を提供し、前記データ伝送装置は、ユーザ機器と子ルータとの両方が前記第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合、前記ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、前記子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるように設定された割当ユニットと、前記ユーザ機器及び前記子ルータにそれぞれに割り当てられたタイムスライスに従って、前記第3のチャネルを介して、前記ユーザ機器及び前記子ルータとデータ伝送を実行するように設定された実行ユニットと、を備える。
【0006】
本願の実施例は、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを備える電子機器をさらに提供し、前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサにより実行できる命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサが上記のデータ伝送方法を実行できるようにする。
【0007】
本願の実施例は、コンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行された場合、上記のデータ伝送方法を実現する。
【0008】
本願の実施形態において、親ルータのユーザ機器及び子ルータが第3のチャネルにアクセスしている状態に応じて、両者にタイムスライスを割り当て、両者に対応するタイムスライス内でそのサービスをそれぞれ実行する。例えば、親ルータのユーザ機器に割り当てられたタイムスライス内で、親ルータのユーザ機器が第3のチャネルを介してデータ伝送を行い、前記親ルータの対応するサービスを実行することを許可する。子ルータに割り当てられたタイムスライス内で、子ルータが第3のチャネルを介してデータ伝送を行い、前記子ルータの対応するサービスを実行することを許可する。予め設定された実行規則に従ってタイムスライスを交互に実行する場合、ユーザの知覚レベルにおいて、親ルータのユーザ機器と子ルータとの両方のタスクを同時に実行することができる。トライバンドWiFiの無線リソースを十分に利用し、システムキャパシティ(ユーザアクセス数及びユーザ帯域幅)が常に最大化された状態である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願の一実施形態により提供されるデータ伝送方法のフローチャートである。
図2】本願の一実施形態により提供されるデータ伝送方法の模式図である。
図3】本願の別の実施形態により提供されるデータ伝送方法のフローチャートである。
図4】本願の一実施形態により提供されるデータ伝送装置の模式図である。
図5】本願の一実施形態により提供される電子機器の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願実施例の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下では、添付図面を組み合わせて本願の各実施例を詳しく説明する。しかしながら、当業者であれば、本願の各実施例において、読み手に本願の実施例をよりよく理解してもらうために多くの技術的詳細が提示されていることを理解することができる。しかしながら、これらの技術的詳細及び以下の各実施例に基づく様々な変更及び修正がなくとも、本願の実施例が保護を求める技術案を実現することができる。以下の各実施例の区分は、説明の便宜のためになされており、本願の実施例の具体的な実施形態にいかなる限定を構成すべきではなく、各実施例は、矛盾しない限り、互いに組み合わされたり参照されたりしてもよい。
【0011】
本願の実施例における用語「第1」、「第2」は説明のために使用されるものだけであって、相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗黙的に指定するように理解すべきではない。このため、「第1」、「第2」に限定される特徴は当該特徴を少なくとも一つ明示的或いは暗示的に含んでもよい。本願の実施例の記載において、用語「含む」及び「備える」、並びにそれらのあらゆる変形は、排他的でない包含をカバーすることを意図している。例えば、一連の部品又はユニットを含むシステム、製品、又は機器は、羅列された部品又はユニットに限定されるのではなく、羅列されていない部品又はユニットをさらにオプションとして含み、又はこれらの製品又は装置に固有の他の部品又はユニットをさらにオプションとして含む。本願の実施例の説明において、別途明確で具体的な限定がない限り、「複数」とは少なくとも2つ、例えば2つ、3つ等を意味する。
【0012】
従来のWiFiルータには、WiFi無線通信の2.4G周波数帯と5G周波数帯とが含まれ、2つの周波数帯が互いに補完し合い、デュアルバンドにより、ユーザの家庭における無線通信の需要を満たしていた。無線帯域幅、ネットワーク遅延への、ハイビジョンテレビやゲーマーのより高い要求に伴い、トライバンドWiFiルータが現れた。通常のサービスは、1つ目の5Gチャネルと2.4Gチャネルとを使用し、ゲームなどの、ネットワーク遅延に対する要求のより高いサービスは、2つ目の専用5Gチャネルを使用する。また、広い家の家中カバーを実現するために、親子ルータ製品が現れた。子ルータを親ルータのWiFi拡張とすることにより、WiFiのカバレッジをより広くする。既存のユーザネットワーク帯域幅に影響しないように、トライバンドWiFi構造のルータは、親子ルータ同士が専用のバックホールチャネルで接続される要求を満たすこともできる。ゲーム、ハイビジョンテレビなど、ネットワーク遅延に対する要求のより高いサービスへのユーザの普遍的な需要と、家庭の家中カバーの要求から、トライバンドWiFiの親子ルータは最適な応用案となるであろう。
【0013】
トライバンドWiFiの親子ルータについては、従来のトライバンドWiFiの親子ルータは、ネットワーク構築完了後に、パターンが固定された1つのWiFiカバレッジモデルを形成する。このようなカバレッジモデルは、2つ目の5Gチャネルを単独で占有し、即ち、2つ目の5Gチャネルは親子ルータの専用のバックホールチャネルとして使用される。ユーザが完全に親ルータのカバーエリアに集中すると、固定化されたネットワーク構築モデルが原因で、親ルータと子ルータとの間の専用のバックホールチャネルリソースが無駄になるか、又は使用されないままになる。つまり、この場合、ユーザが、(2つ目の5Gチャネルが子ルータ及び親ルータ専用のバックホールチャネルとして使用される故に)通常のデュアルバンドWiFiルータ製品であるように感じることしかできず、トライバンドWiFiの親ルータは、最大限の能力を発揮することができない。
【0014】
従来のトライバンドルータの設計は、単に既存のデュアルバンドルータに2つ目の5G周波数帯を簡単に追加し、UIインターフェースでは1つのゲーム用ホットスポットページを追加することにより、この新しく追加された5G周波数帯の、例えばサービスセット識別子(Service Set Identifier、SSID)名称、暗号化認証、アクセスパスワードなどのパラメータのパラメータ設定を実現するだけであった。一方、このゲーム用ホットスポットを使用すると、複数のルータの無線ネットワーク構築機能が実現できなくなり、即ち、子ルータのバックホールサービスが実行できなくなる。ユーザが無線ネットワーク構築機能を選択してネットワーク構築に成功すると、このゲーム用ホットスポットが無くなり、つまり、2つ目の5G周波数帯が専用のバックホールチャネルとされる。ユーザが全て親ルータのエリアに集中してデータサービスを行っていても、ネットワーク構築モードにあるため、現れる可能性のある子ルータのユーザにサービスを提供するためには、2つ目の5G周波数帯リソースがアイドル状態になる。ユーザは、専用のゲーム用ホットスポットを利用しようとすると、親子ルータのネットワークを切断して、専用のホットスポットモードに切り替えなければならず、使い勝手が非常に悪い。
【0015】
また、家庭用無線ルータの中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)の性能はますます強くなり、WiFi規格が持続的に進化し、WiFi 6Eでは6GHzのWiFi周波数帯が既にサポートされ、さらに、WiFiチップの高集積化、トライバンドWiFiルータはますます普及が進み、ひいてはクアッドバンドWiFiルータも将来登場する。如何にしてマルチ周波数帯のwifiを最大限に活用できるようにするかは、解決すべき現実的な問題である。
【0016】
本願の一実施形態は、トライバンドルータの親ルータに適用されるデータ伝送方法に関し、前記親ルータは、第1のチャネルと、第2のチャネルと、第3のチャネルとを備える。具体的な流れを図1に示す。本願の実施例は、親ルータCAP(Central Access Point:中央アクセスポイント)及び子ルータRE(Range Extend:レンジエクステンダー)を含む親子ルータ製品に適用される。本願の適用環境における親ルータは、既存のイーサネット(登録商標)ネットワークインターフェースをWiFi無線方式で転送する。親ルータは、既存の2.4G周波数帯(第1のチャネル)及び1つ目の5G周波数帯(第2のチャネル)に加えて、2つ目の5G周波数帯(の3チャネル)をサポートし、専用ユーザとしてアクセスされることができる。これとともに、子ルータを用いて、より広範囲のWiFi無線カバレッジを実現する。
【0017】
ステップ101において、ユーザ機器と子ルータとの両方が第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合、ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てる。
【0018】
ステップ102において、ユーザ機器及び子ルータにそれぞれに割り当てられたタイムスライスに従って、第3のチャネルを介して、ユーザ機器及び子ルータとデータ伝送を実行する。
【0019】
本実施例において、親ルータのユーザ機器及び子ルータが第3のチャネルにアクセスしている状態に応じて、両者にタイムスライスを割り当て、両者に対応するタイムスライス内でそのサービスをそれぞれ実行するのであり、親ルータのユーザ機器に割り当てられたタイムスライス内で、親ルータのユーザ機器が第3のチャネルを介してデータ伝送を行い、前記親ルータの対応するサービスを実行することを許可する。子ルータに割り当てられたタイムスライス内で、子ルータが第3のチャネルを介してデータ伝送を行い、前記子ルータの対応するサービスを実行することを許可する。トライバンドWiFiの無線リソースを十分に利用して、親子ルータ機器のアクセス状況及び負荷情況に応じて、親ルータの第3のチャネルのデータ伝送を動的に調節することにより、様々なシナリオにおいてハードウェア無線リソースを十分に利用できるようにし、システムキャパシティ(ユーザアクセス数及びユーザ帯域幅)の最大化を実現する。
【0020】
以下では、本実施形態のデータ伝送方法の実現の詳細について具体的に説明するが、以下の内容は、提供される実現の詳細への理解を容易にするためのものであり、本案を実施するための必須条件ではない。
【0021】
ステップ101において、ユーザ機器と子ルータとの両方が第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合、ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てる。ここで、前記「アクセス」とは、データを要求すること、又はデータのやり取り、情報の伝送を発生させることである。即ち、子ルータとユーザ機器との両方が第3のチャネルを介して親ルータと情報をやり取りする場合、子ルータとユーザ機器との両方の第3のチャネルを介した情報伝送を時分割多重化により実現する。
【0022】
一例において、この方法において、さらに、ユーザ機器がアクセスを実現するために、第3のチャネルに第1のポートが存在し、子ルータがアクセスを実現するために、第3のチャネルに第2のポートが存在する。即ち、時分割方式により、1つの物理的ホットスポットが、親ルータのユーザ機器のアクセス及び子ルータのデータバックホールをそれぞれ受信するのに用いられる、第3のチャネルの第1のポート及び第3のチャネルの第2のポートである2つの仮想の論理的ホットスポットに変わることにより、親ルータの専有サービスと親子ルータの無線ネットワーク構築のニーズとを同時に満たすことを達成する。
【0023】
さらに、これら2つの仮想ホットスポットの時分割動作時間について、例えば、親ルータのユーザ機器を優先させる、子ルータを優先させる、又は均等に分割するなど、異なる段階を設定することができる。異なる段階は、例えば、親ルータのユーザ専用の高要求サービスを優先させる、子ルータユーザのバックホールサービスを優先させる、及び親ルータのユーザ機器専用の高要求サービス及び子ルータのバックホールサービスを同時に考慮するなど、異なるシナリオを満たすことができる。ここで、子ルータのバックホールサービスとは、子ルータと親ルータとの間でのネットワーク構築の需要である。ここで、親ルータのユーザ専用の高要求サービスを優先させるとは、例えば、第3のチャネルにアクセスしている親ルータのユーザ機器により多くの又は全部のタイムスライスを割り当てることである。子ルータユーザのバックホールサービスを優先させるとは、例えば、子ルータにより多くの又は全部のタイムスライスを割り当てることである。親ルータのユーザ機器専用の高要求サービス及び子ルータのバックホールサービスを同時に考慮するとは、例えば、2種類のサービスを同時に実行するために、同じ数のタイムスライスを両者に割り当てるか、又は、訓練済みの動的調節モデルに従って、両者が第3のチャネルにアクセスしている際に、検出された親ルータのユーザ機器及び子ルータのデータ要求状況(例えば、必要な帯域幅など)に応じて、異なる割合のタイムスライス数を両者に割り当てる。
【0024】
一例において、第1の閾値と第2の閾値とが等しく、ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるステップは、等しい数のタイムスライスをユーザ機器及び子ルータに割り当てるステップを含む。即ち、親ルータのユーザ機器と子ルータとの両方が親ルータの第3のチャネルにアクセスした後に、二者に同じ数のタイムスライスを割り当てる、即ち、親ルータの第3のチャネルの動作時間を均等に分割することができる。各タイムスライスの持続時間が比較的に短いため、二者に割り当てられたタイムスライスを予め設定された規則に従って交互に実行する場合、ユーザの知覚レベルにおいて、親ルータのユーザ機器及び子ルータのサービスの同時アクセスをサポートする需要を実現することができ、トライバンドルータの親子ルータの製品優位性を最大限に発揮させることができる。この場合、第1の閾値と第2の閾値とが等しくなるように設定し、親ルータのユーザに第1の閾値に等しい数のタイムスライスを割り当て、子ルータに第2の閾値に等しい数のタイムスライスを割り当てるようにしてもよい。
【0025】
一例において、ユーザ機器が第3のチャネルにアクセスしており、子ルータが第3のチャネルにアクセスしていないことが検出された場合、ユーザ機器に第1の閾値よりも大きい第3の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるステップをさらに含む。即ち、親ルータのユーザ機器のみが第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合、親ルータのユーザ機器のデータ需要が十分に満たされるように、前記ユーザ機器により多くのタイムスライスを割り当て、例えば、親ルータのユーザに該サービス時間帯内の80%以上のタイムスライスを割り当てる。同時に、子ルータにアクセスの需要が存在するか否かを検出するために、子ルータにより少ない数のタイムスライスを割り当てることができる。
【0026】
一例において、ユーザ機器が第3のチャネルにアクセスしておらず、子ルータが第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合に、子ルータに第2の閾値よりも大きい第4の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるステップをさらに含む。即ち、子ルータのユーザ機器のみが第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合、子ルータのデータ需要が十分に満たされるように、前記子ルータにより多くのタイムスライスを割り当て、例えば、子ルータに該サービス時間帯内の80%以上のタイムスライスを割り当てる。同時に、親ルータのユーザ機器にアクセスの需要が存在するか否かを検出するために、親ルータのユーザ機器により少ない数のタイムスライスを割り当てることができる。
【0027】
一例において、ユーザ機器又は子ルータが親ルータとのデータ伝送を切断した場合、タイムスライスの割り当てを調整するステップをさらに含む。即ち、親ルータのユーザ機器と子ルータとの両方が第3のチャネルにアクセスしている実行中に、前記親ルータのユーザ機器又は子ルータが接続を終了したことが検出された場合、それに割り当てたタイムスライスを動的に調整し、親ルータのユーザ機器又は子ルータを含む、第3のチャネルを介してデータ伝送をまだ実行している方に、より多くのタイムスライスを割り当てる。具体的には、例えば、親ルータのユーザ機器と子ルータとの両方が第3のチャネルにアクセスしている場合、第1の閾値及び第2の閾値に従ってタイムスライスを割り当てる。親ルータのユーザ機器が第3のチャネルにおけるデータ伝送を終了した場合、タイムスライスの割り当てを調整し、第4の閾値に従って前記子ルータにタイムスライスを割り当て、前記子ルータに割り当てるタイムスライスの数を増やす。又は、子ルータが第3のチャネルにおけるデータ伝送を終了した場合、タイムスライスの割り当てを調整し、第3の閾値に従って前記親ルータのユーザ機器にタイムスライスを割り当て、前記親ルータのユーザ機器に割り当てるタイムスライスの数を増やす。
【0028】
さらに、最初に親ルータのユーザ機器又は子ルータのうちの一方が単独で第3のチャネルにアクセスしていたが、ある期間動作した後に、他方が第3のチャネルにアクセスしたことが検出された場合にも、タイムスライスの割り当ての動的調整がサポートされる。例えば、第3のチャネルにアクセスする親ルータのユーザ機器に第3の閾値に従ってタイムスライスを割り当て、ある期間動作させた後に、子ルータも第3のチャネルにアクセスする必要がある場合、親ルータのユーザ機器へのタイムスライス割り当てを第1の閾値に従って再調整する。第3のチャネルにアクセスする子ルータに第4の閾値に従ってタイムスライスを割り当て、ある期間動作させた後に、親ルータのユーザ機器も第3のチャネルにアクセスする必要がある場合、子ルータへのタイムスライス割り当てを第2の閾値に従って再調整する。これにより、前記第3のチャネルは、システムキャパシティ(ユーザアクセス数及びユーザ帯域幅)が常に最大化された状態である。
【0029】
ステップ102において、ユーザ機器及び子ルータにそれぞれに割り当てられたタイムスライスに従って、第3のチャネルを介して、ユーザ機器及び子ルータとデータ伝送を実行する。即ち、第3のチャネルにアクセスする機器にタイムスライスを割り当てた後に、割り当てられたタイムスライスの時間に従って対応するサービスを実行させる。例えば、二者に割り当てられたタイムスライス内で対応するサービスを予め設定された規則に従って交互に実行させる。親ルータのユーザ機器に割り当てられたタイムスライス内で、前記親ルータのユーザ機器に対応するサービスを実行させ、子ルータに割り当てられたタイムスライス内で、子ルータに対応するサービスを実行させることなどが含まれ、ユーザの知覚レベルから、親ルータのユーザ機器及び子ルータのサービスの同時アクセスをサポートする需要を実現することができ、トライバンドルータの親子ルータの製品優位性を最大限に発揮させることができる。
【0030】
好ましくは、ユーザと子ルータとの両方が第3のチャネルにアクセスしていないことが検出された場合、ユーザ機器及び子ルータに同じ数のタイムスライスを予め割り当てる。即ち、親ルータのユーザ機器と子ルータとの両方が第3のチャネルを介してデータ伝送を実行していない場合、両者がアクセスするのに備えて、タイムスライスを均等に分割する。両者に同じ数のタイムスライスを割り当てる場合、親ルータのユーザ機器と子ルータとの両方がアクセスしている状況では、タイムスライスの調整を行う必要はなく、元の同じ数の状態に従ってタイムスライスの割り当てを行えばよい。同時に、親ルータのユーザ機器又は子ルータが別々にアクセスする場合、タイムスライスの数が常に均等分割状態にあるため、そのいずれか一方の単独アクセスの需要を満たすように、迅速に調整することができる。例えば、ランダムに割り当てるときに、ユーザ機器に10%のタイムスライスを割り当て、子ルータに90%のタイムスライスを割り当てたが、実際にはユーザ機器が単独でアクセスしている場合、ユーザ機器に割り当てたタイムスライスは10%を元に調整される必要があり、調整に必要な時間は、50%を元に調整する場合に必要な時間よりも長くなる。即ち、本実施形態は、親ルータのユーザ機器に専用サービス(例えばゲームサービス)の5G WiFiカバレッジを提供する需要と、子ルータにバックホールチャネルを提供する需要とを同時に満たせるだけでなく、タイムスライス数の調整時間を削減し、機器アクセス時の調整効率を保証することにより、ユーザ体験を向上させることができる。
【0031】
以下では、1つの実際の実施プロセスを例として具体的に説明する。なお、以下の内容は、提供される実施形態の技術的詳細への理解を容易にするためのものに過ぎず、本実施形態の必須条件ではない。
【0032】
本実施形態の模式図である図2に示すように、WAN(Wide Area Network:ワイドエリアネットワーク)モジュールは、ワイドエリアネットワークにアクセスするのに用いられ、CAP機器内のwifi0及びwifi1は、2.4G周波数帯(第1のチャネル)及び1つ目の5G周波数帯(第2のチャネル)にそれぞれ対応し、wifi2は、2つ目の5G周波数帯(第3のチャネル)である。SSID(Service Set Identifier:サービスセット識別子)について、CAP機器内のSSID1は、親ルータのユーザ機器にアクセスされる通常サービスの識別子であり、CAP機器内のSSID2は、親ルータのユーザ機器にアクセスされる、遅延に対する要求の高いサービスの識別子であり、CAP機器内のSSID3は、子ルータにアクセスされる、バックホールサービスを実行するのに用いられる識別子である。即ち、SSID2及びSSID3は、wifi2の2つの仮想ホットスポット、即ち第3のチャネルの第1のポート及び第2のポートとして機能する。RE機器内の、STA(Station:ステーション)として機能できるユーザ機器、即ち、無線ネットワークに接続されたネットワーク接続可能なユーザ機器は、無線ネットワークインターフェースカードを備えた機器であってもよく、WiFiモジュールを備えたスマート機器であってもよく、モバイルであっても、固定であってもよい。RE機器内のSSID1は、子ルータのユーザにアクセスされるためのサービスの識別子である。なお、図中のUSER1、USER2、USER3等は、異なるタイプのアクセスユーザ機器を表し、アクセスユーザ機器が1つのみであるとして限定するものではない。
【0033】
図2に記載された構成を参照し、本案の実行ステップは、図3を参照し、例えば、以下のとおりのステップを含んでもよい。
【0034】
ステップ1において、CAP及びRE機器は、電源投入後に、WiFi meshのネットワーク自動構築を実行する。CAPは、電源投入後、SSID2及びSSID3のホットスポット時間をデフォルトで均等に分割し、RE装置は、予め設定されたパラメータに従って、STAモードでCAP機器のSSID3ホットスポットに自動的にアクセスする。
【0035】
ステップ2において、従来ユーザUSER1は、CAP機器のSSID1ホットスポットに接続する。ネットワーク構築検出モジュールは、USER1を検出し、ユーザ情報をバックホールポリシーモジュールに報告する。バックホールポリシーモジュールは、現在USER2及びUSER3ユーザのアクセスがないことを発見し、現在の均等に分割された時間パラメータを維持する。従来ユーザは、通常のサービスを実行する必要があるユーザ機器であり、専用ユーザは、遅延に対する要求の高いサービスを実行する必要があるユーザ機器である。即ち、バックホールポリシーモジュールには、現在のネットワークアクセス状態に対応するポリシー、又は現在のネットワークアクセス状態に応じて対処策を決定するのに用いられる訓練済みのモデルが記憶される。ネットワークアクセス状態には、USER1、USER2、USER3タイプのユーザがアクセスしているか否か、及び必要な帯域幅パラメータ又はその他のユーザデータなどが含まれる。
【0036】
ステップ3において、専用ユーザUSER2は、CAP機器のSSID2ホットスポットに接続する。ネットワーク構築検出モジュールは、USER2を検出し、ユーザ情報をバックホールポリシーモジュールに報告する。バックホールポリシーモジュールは、現在USER3ユーザのアクセスがなく、専用ユーザUSER2がシステムにアクセスしていることを発見し、USER2ユーザの最適なユーザ体験を保証するために、新しい時間パラメータを適用するようにwifi2モジュールを制御し、SSID2ホットスポットの動作時間を優先させ、例えば、当該ユーザ機器に第3の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てる。
【0037】
ステップ4において、専用ユーザUSER2が接続を切断する。子ルータのユーザUSER3は、RE機器のSSID1ホットスポットに接続する。ネットワーク構築検出モジュールは、USER2及びUSER3のアクセス情報を検出し、ユーザ情報をバックホールポリシーモジュールに報告する。バックホールポリシーモジュールは、現在USER2ユーザのアクセスがなく、子ルータのユーザUSER3がシステムにアクセスしていることを発見し、USER3ユーザの最適なユーザ体験を保証するために、新しい時間パラメータを適用するようにwifi2モジュールを制御し、SSID3ホットスポットの動作時間を優先させ、例えば、タイムスライスの割り当てを更新し、子ルータに第4の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てる。子ルータのユーザUSER3は、RE機器のSSID1ホットスポットに接続される。即ち、子ルータは、第3のチャネルを介して親ルータにアクセスし、親ルータとデータ伝送を実現する必要がある。
【0038】
ステップ5において、専用ユーザUSER2は、CAP機器のSSID2ホットスポットに接続される。ネットワーク構築検出モジュールは、USER2及びUSER3のアクセス情報を検出し、ユーザ情報をバックホールポリシーモジュールに報告する。バックホールポリシーモジュールは、現在専用ユーザUSER2と子ルータのユーザUSER3とが同時にシステムにアクセスしていることを発見し、システム全体のバランスをとるために、新しい時間パラメータを適用するようにwifi2モジュールを制御し、例えば、SSID2ホットスポット及びSSID3ホットスポットの動作時間を均等に分割する。例えば、第1の閾値及び第2の閾値に従って、第3のチャネルにアクセルする親ルータのユーザUSER2及び子ルータにタイムスライスをそれぞれ割り当てる。
【0039】
ステップ6において、割り当てられたタイムスライスに従って第3のチャネルを介してデータ伝送を実行する際に、専用ユーザUSER2及び子ルータのユーザUSER3の動的な変化を調べる。ネットワーク構築検出モジュールは、USER2及びUSER3のアクセス情報を検出し、ユーザ情報をバックホールポリシーモジュールに報告し、バックホールポリシーモジュールは、予め作成された規則に従って、対応する時間パラメータを適用するようにwifi2モジュールを制御して、システムの最適な状態を動的に調節する目的を達成する。
【0040】
即ち、本願の一実施形態において、CAP機器は、デュアルバンドルータの従来のモジュールであるWANモジュール、wifi0、及びwifi1モジュールを備え、wifi0は、2.4GHz周波数帯のSSID1に対応し、wifi1は、1つ目の5GHz周波数帯のSSID1に対応し、従来ユーザUSER1は、SSID1にアクセスし、WANモジュールを介してインターネットサービスにアクセスする。CAP機器は、ネットワーク構築検出モジュール、バックホールポリシーモジュール、及びwifi2モジュールをさらに含む。wifi2モジュールは、2つ目の5GHz周波数帯チャネルを提供し、時分割メカニズムによりSSID2とSSID3との2つのホットスポットを仮想化することができる。また、wifi2モジュールは、異なる時分割段階を有し、SSID2及びSSID3の時間パラメータを調節することでSSID2及びSSID3のタイムスライスを調節し、これにより、SSID2及びSSID3のネットワーク帯域幅の割合を調節することができる。専有ユーザUSER2は、ホットスポットSSID2を介してCAP機器にアクセスし、専有のデータ経路を有するため、従来ユーザUSER1との帯域幅競合が回避され、より良いユーザ体験を実現する。RE機器は、ホットスポットSSID3を介してCAP機器にアクセスし、元の従来ユーザUSER1に影響することなく、REは、より広い範囲のWiFiカバレッジを実現する。ネットワーク構築検出モジュールは、親子ルータシステムにおけるユーザアクセスの状況を管理及び監視するように設定され、現在システムにアクセスしているユーザと、そのユーザが位置するネットワーク(例えば、ユーザのタイプ、従来ユーザUSER1、専用ユーザUSER2、子ルータユーザUSER3、及びユーザの数)とをリアルタイムで把握することができる。バックホールポリシーモジュールは、ユーザアクセスの情報を監視することにより、異なる時間パラメータを使用するようにwifi2モジュールを制御することにより、SSID2とSSID3とのネットワーク帯域幅の割合を制御するように設定されている。
【0041】
RE機器は、wifi0、wifi1、wifi2モジュールを備える。wifi0は、2.4GHz周波数帯のSSID1に対応し、wifi1は、1つ目の5GHz周波数帯のSSID1に対応し、wifi2モジュールは、2つ目の5GHz周波数帯に対応し、STAモードでCAP機器のSSID3ホットスポットに接続し、子ルータと親ルータとの専用バックホールチャネルを構成する。こうして、子ルータユーザUSER3は、RE機器のSSID1ホットスポットにアクセスし、上記の専用バックホールチャネルを介してCAP機器にアクセスし、さらにWANモジュールを介してインターネットサービスにアクセスする。
【0042】
本願の実施形態は、親ルータの2つ目の5G周波数帯(第3のチャネル)を、時分割ブロードキャスト方式により、1つの物理ホットスポットから2つの仮想の論理的ホットスポット(第1のポート及び第2のポート)に変換し、それぞれ、親ルータにおける遅延に対する要求の高い専有サービスと、親子ルータ内の子ルータのバックホールサービスとに用いる。これにより、専有サービスの需要及び無線ネットワーク構築の需要を同時に満たすことができる。次に、これら2つの仮想ホットスポットの時分割動作時間について、異なる段階を設定し、例えば、親ルータのユーザ機器ホットスポットを優先させ、バックホールホットスポットを優先させ、又はホットスポットについて均等に分割することができる。異なる段階は、例えば、親ルータのユーザ機器を優先させる、子ルータのバックホールサービスを優先させる、及び親ルータのユーザ機器サービス及び子ルータのバックホールサービスを同時に考慮するなど、異なるシナリオを満たすことができる。最後に、親子ルータシステムのアクセス及び負荷を監視し、2つの仮想ホットスポットの時分割動作段階を動的に調整することにより、システムキャパシティの最適な配置を達成する。トライバンドルータの2つ目の5G周波数帯を十分に利用することを考慮し、親子ルータシステムのアクセス状況及び負荷状況をリアルタイムでモニタリングすることにより、親子ルータ間のバックホール経路をスマート且つ動的に調節し、無線ネットワーク構築システムの正常な動作を保証することを前提として、アクセスするユーザのネットワーク帯域幅及び低遅延サービスの需要を最大限に満たす。ユーザのアクセス状況に応じてシステム全体の最大キャパシティを動的に調整し、無線リソースが十分に利用されるようにすることができる。
【0043】
上記の各種方法のステップ分けは、単に明確に説明するためになされたものであり、実装時に1つのステップに統合するか、又は一部のステップを複数のステップに再分割することができ、同一の論理的関係が含まれていれば、いずれも本願の保護範囲内に含まれること、アルゴリズム及びプロセスの中核となる設計を変更せずに、そのアルゴリズム又はプロセスに重要でない修正を加えたり、又は重要でない設計を導入したりしたものであれば、いずれも本願の保護範囲内に含まれることを、理解すべきである。
【0044】
本願の一実施形態は、図4に示すようなデータ伝送装置に関し、データ伝送装置は、ユーザ機器と子ルータとの両方が前記第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合、前記ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、前記子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるように設定された割当ユニット201と、前記ユーザ機器及び前記子ルータにそれぞれに割り当てられたタイムスライスに従って、前記第3のチャネルを介して、前記ユーザ機器及び前記子ルータとデータ伝送を実行するように設定された実行ユニット202と、を備える。
【0045】
ここで、割当ユニット201について、一例において、前記ユーザ機器が前記第3のチャネルにアクセスしており、前記子ルータが前記第3のチャネルにアクセスしていないことが検出された場合、前記ユーザ機器に前記第1の閾値よりも大きい第3の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てる。
【0046】
一例において、前記ユーザ機器が前記第3のチャネルにアクセスしておらず、前記子ルータが前記第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合に、前記子ルータに前記第2の閾値よりも大きい第4の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てる。
【0047】
一例において、前記ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、前記子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てる前記ステップの後に、前記ユーザ機器又は前記子ルータが前記親ルータとのデータ伝送を切断した場合、前記タイムスライスの割り当てを調整するステップをさらに含む。
【0048】
一例において、前記方法において、さらに、前記ユーザ機器がアクセスを実現するために、前記第3のチャネルに第1のポートが存在し、前記子ルータがアクセスを実現するために、前記第3のチャネルに第2のポートが存在する。
【0049】
一例において、前記第1の閾値と前記第2の閾値とが等しく、前記ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、前記子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てる前記ステップは、等しい数のタイムスライスを前記ユーザ機器及び前記子ルータに割り当てるステップを含む。
【0050】
また、前記方法は、前記ユーザ機器と前記子ルータとの両方が前記第3のチャネルにアクセスしていないことが検出された場合、前記ユーザ機器及び前記子ルータに同じ数のタイムスライスを予め割り当てるステップをさらに含む。
【0051】
本願の実施形態において、親子ルータシステムのアクセス及び負荷を監視し、第3のチャネルの時分割動作段階を動的に調整することにより、システムキャパシティの最適な配置を達成する。トライバンドルータの2つ目の5G周波数帯(第3のチャネル)を十分に利用することを考慮し、親子ルータシステムのアクセス状況及び負荷状況をリアルタイムでモニタリングすることにより、親子ルータ間のバックホール経路をスマート且つ動的に調節し、無線ネットワーク構築システムの正常な動作を保証することを前提として、アクセスするユーザのネットワーク帯域幅及び低遅延サービスの需要を最大限に満たす。ユーザのアクセス状況に応じてシステム全体の最大キャパシティを動的に調整し、無線リソースが十分に利用されるようにすることができる。
【0052】
本実施形態は、上記の実施形態に対応するシステム実施形態であり、本実施形態は上記の実施形態と組み合わせて実施できることは、容易に理解できる。上記の実施形態で言及された関連する技術的詳細は、本実施形態においても有効であるため、重複を減らすためにここでは説明を省く。したがって、本実施形態で記載された関連する技術的詳細は、上記の実施形態にも適用可能である。
【0053】
なお、本実施形態に係る各モジュールはいずれも論理モジュールであり、実際の応用において、1つの論理ユニットは1つの物理ユニットであってもよく、1つの物理ユニットの一部であってもよく、さらに、複数の物理ユニットの組み合わせで実現してもよい。また、本願の実施例の創造的な部分を強調するために、本願の実施例で提起された技術的課題の解決にあまり関係のない手段は本実施形態には導入されていないが、これは本実施形態に他の手段が存在しないことを示しているわけではない。
【0054】
本願の一実施形態は電子機器に関する。図5に示すように、電子機器は、少なくとも1つのプロセッサ301と、前記少なくとも1つのプロセッサ301と通信可能に接続されたメモリ302とを備え、前記メモリ302には前記少なくとも1つのプロセッサ301により実行できる命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサ301により実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサが301上記のデータ伝送方法を実行できるようにする。
【0055】
ここで、メモリとプロセッサとはバス方式で接続され、バスは任意の数の相互接続されたバス及びブリッジを含んでもよく、バスにより、1つ又は複数のプロセッサとメモリの様々な回路が一つに接続される。バスはまた、周辺機器、電圧安定器、及びパワーマネジメント回路などの様々な他の回路を一つに接続することができるが、これらは当分野で周知なことであるので、本文ではこれ以上の説明を省く。バスインターフェースは、バスとトランシーバとの間のインターフェースを提供する。トランシーバは、1つの素子であってもよく、複数の受信機及び送信機のような複数の素子であってもよく、伝送媒体上で様々な他の装置と通信するための手段を提供する。プロセッサによって処理されたデータはアンテナを介して無線媒体で伝送され、さらに、アンテナはまたデータを受信して、プロセッサにデータを伝送する。
【0056】
プロセッサは、バスの管理及び通常の処理を担う以外にも、さらにタイミング、周辺インターフェース、電圧調節、電源管理及びその他の制御機能を含む様々な機能を提供することができる。一方、メモリは、プロセッサによりオペレーションを実行するときに使用されるデータを記憶するために使用されてもよい。
【0057】
本願の一実施形態は、コンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読記憶媒体に関する。コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された時、上記の方法実施例を実現する。
【0058】
即ち、当業者であれば、上記の実施例の方法における全部又は一部のステップを実施することは、プログラムによって関連するハードウェアに命令することにより実現できることは、理解できるであろう。このプログラムは1つの記憶媒体に記憶され、1つの装置(ワンチップコンピュータ、チップなどであってもよい)又はプロセッサ(processor)に本願の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるためのいくつかの命令を含む。一方、上記記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等、プログラムコードを記憶可能な種々の媒体を含む。
【0059】
当業者であれば、上記の各実施例は、本願を実施するための具体的な実施例であり、実際の応用においては、本願の実施例の精神及び範囲を逸脱することなく、形式的に及び細部に様々な変更を加えることができることを理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トライバンドルータの親ルータに適用されるデータ伝送方法であって、前記親ルータは、第1のチャネルと、第2のチャネルと、第3のチャネルとを備え、前記データ伝送方法は、
ユーザ機器と子ルータとの両方が前記第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合、前記ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、前記子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるステップと、
前記ユーザ機器及び前記子ルータにそれぞれに割り当てられたタイムスライスに従って、前記第3のチャネルを介して、前記ユーザ機器及び前記子ルータとデータ伝送を実行するステップと、
を含むデータ伝送方法。
【請求項2】
前記データ伝送方法は、
前記ユーザ機器が前記第3のチャネルにアクセスしており、前記子ルータが前記第3のチャネルにアクセスしていないことが検出された場合、前記ユーザ機器に前記第1の閾値よりも大きい第3の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるステップをさらに含む
請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項3】
前記データ伝送方法は、
前記ユーザ機器が前記第3のチャネルにアクセスしておらず、前記子ルータが前記第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合に、前記子ルータに前記第2の閾値よりも大きい第4の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てるステップをさらに含む
請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項4】
前記ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、前記子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てる前記ステップの後に、
前記ユーザ機器又は前記子ルータが前記親ルータとのデータ伝送を切断した場合、前記タイムスライスの割り当てを調整するステップをさらに含む
請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項5】
前記データ伝送方法において、さらに、
前記ユーザ機器がアクセスを実現するために、前記第3のチャネルに第1のポートが存在し、
前記子ルータがアクセスを実現するために、前記第3のチャネルに第2のポートが存在する
請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項6】
前記第1の閾値と前記第2の閾値とが等しく、
前記ユーザ機器に第1の閾値以上の数のタイムスライスを割り当て、前記子ルータに第2の閾値以上の数のタイムスライスを割り当てる前記ステップは、
等しい数のタイムスライスを前記ユーザ機器及び前記子ルータに割り当てるステップを含む
請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項7】
前記データ伝送方法は、
前記ユーザ機器と前記子ルータとの両方が前記第3のチャネルにアクセスしていないことが検出された場合、前記ユーザ機器及び前記子ルータに同じ数のタイムスライスを予め割り当てるステップをさらに含む
請求項1から6の何れか一項に記載のデータ伝送方法。
【請求項8】
前記ユーザ機器又は前記子ルータが前記親ルータとのデータ伝送を切断した場合、前記タイムスライスの割り当てを調整するステップは、
前記ユーザ機器と前記子ルータとの両方が前記第3のチャネルにアクセスしていることが検出された場合、又は前記ユーザ機器又は前記子ルータが接続を終了したことが検出された場合、前記ユーザ機器又は前記子ルータに割り当てたタイムスライスを動的に調整し、前記第3のチャネルを介してデータ伝送をまだ実行している方に、より多くのタイムスライスを割り当てるステップを含む
請求項4に記載のデータ伝送方法。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを備える電子機器であって、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサにより実行できる命令が記憶され、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1からの何れか一項に記載のデータ伝送方法を実行できるようにする
電子機器。
【請求項10】
コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された場合、請求項1からの何れか一項に記載のデータ伝送方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本願の実施例は通信伝送の分野に関するものであり、特にデータ伝送方法電子機器及び記憶媒体に関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
本願の実施例は、トライバンドルータの無線リソースを十分に利用し、トライバンドルータの最大の能力を発揮させることができるデータ伝送方法電子機器及び記憶媒体を提案する。
【国際調査報告】