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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】自動車用窓及び自動車
(51)【国際特許分類】
   B60J 1/00 20060101AFI20241203BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B60J1/00 J
B32B17/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538664
(86)(22)【出願日】2022-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 CN2022142887
(87)【国際公開番号】W WO2023125678
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111629854.2
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516151818
【氏名又は名称】フーイャォ グラス インダストリー グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シャンピン
(72)【発明者】
【氏名】リン,コンロン
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ジェンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,フアイユアン
(72)【発明者】
【氏名】イェ,ジャロン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シーシン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,マオロン
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AB01D
4F100AG00A
4F100AG00B
4F100AK01D
4F100AT00D
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA32D
4F100CB00C
4F100CB00E
4F100DC11D
4F100GB32
4F100JJ10
4F100JL11C
4F100JL11E
(57)【要約】
自動車用窓(100)及び自動車が提供される。自動車用窓(100)は外側ガラス板(10)、内側ガラス板(20)、中間接着層(30)及び補強板(50)を備える。外側ガラス板(10)は第1の表面(11)及び第2の表面(12)を有し、内側ガラス板(20)は第3の表面(21)及び第4の表面(22)を有し、第1の表面(11)は自動車の外部に向き、第4の表面(22)は自動車の内部に向く。第2の表面(12)には、第1の取付領域(121)と、第1の貼合領域(122)とが設けられており、中間接着層(30)の一方の表面には、第2の取付領域(321)と、第2の貼合領域(34)とが設けられている。外側ガラス板(10)、中間接着層(30)及び内側ガラス板(20)は順に積層されており、中間接着層(30)は第2の表面(12)と第3の表面(21)とを接着しており、第2の取付領域(321)の投影は第1の取付領域(121)と重なり、第2の貼合領域(34)の投影は第1の貼合領域(122)と重なり、内側ガラス板(20)の投影は第1の取付領域(121)と重なる。補強板(50)は内側ガラス板(20)の側部に設けられており、補強板(50)の一端は第2の貼合領域(34)に接続されており、補強板(50)の他端は内側ガラス板(20)の第4の表面(22)に接続されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車ボディシェルに取り付けられた自動車用窓であって、
外側ガラス板、内側ガラス板、中間接着層及び補強板を備え、
前記外側ガラス板は第1の表面及び第2の表面を有し、前記内側ガラス板は第3の表面及び第4の表面を有し、前記第1の表面は自動車の外部に向き、前記第4の表面は自動車の内部に向き、
前記第2の表面には、第1の取付領域と、前記第1の取付領域の一側に位置する第1の貼合領域とが設けられており、前記中間接着層の一方の表面には、第2の取付領域と、前記第2の取付領域の一側に位置する第2の貼合領域とが設けられており、
前記外側ガラス板、前記中間接着層及び前記内側ガラス板は順に積層されており、前記中間接着層は前記第2の表面と前記第3の表面とを接着しており、前記外側ガラス板への前記第2の取付領域の正投影は前記第1の取付領域と完全に重なり、前記外側ガラス板への前記第2の貼合領域の正投影は前記第1の貼合領域と重なり、前記外側ガラス板の前記第1の取付領域への前記内側ガラス板の投影は前記第1の取付領域と完全に重なり、
前記補強板は前記内側ガラス板の側部に設けられており、前記補強板の一端は前記第2の貼合領域に接続されており、前記補強板の他端は前記内側ガラス板の第4の表面の縁辺に接続されている、
ことを特徴とする自動車用窓。
【請求項2】
前記補強板は第1のセグメント、第2のセグメント及び第3のセグメントを含み、前記第2のセグメントの対向する両端はそれぞれ前記第1のセグメント及び前記第3のセグメントに接続されており、前記第1のセグメントと前記第3のセグメントとは平行に配置され、且つ前記第2のセグメントを離れる方向に向かって延びており、前記第4の表面の両側の縁辺は支持領域であり、前記第3のセグメントは、前記第2の貼合領域と積層され且つ貼合されており、前記第1のセグメントは、前記支持領域と積層され且つ貼合されており、前記自動車用窓はさらに発光体を備え、前記発光体は前記第2のセグメントと前記内側ガラス板の側部との間に位置し、前記発光体は前記第2の貼合領域に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用窓。
【請求項3】
前記発光体の厚さは、前記内側ガラス板の厚さよりも大きく、前記第1のセグメントは、第1のサブセグメント、第2のサブセグメント、及び第3のサブセグメントを含み、前記第1のサブセグメントは、前記第2のサブセグメントと角度をもって接続されており、前記第2のサブセグメントは、前記第3のサブセグメントと角度をもって接続されており、前記第1のサブセグメント及び前記第3のサブセグメントは、前記第3のセグメントと略平行であり、前記第2のサブセグメントは、前記第2のセグメントと略平行であり、前記第1のサブセグメント、前記第2のサブセグメント、前記第3のサブセグメント及び前記第2のセグメントは、凹部を形成しており、前記凹部、前記外側ガラス板及び前記内側ガラス板の間に収容空間が形成されており、前記収容空間は前記発光体を収容するために用いられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動車用窓。
【請求項4】
前記第1のセグメントには放熱孔が設けられており、前記放熱孔は前記第1のセグメントを貫通し、前記放熱孔の位置は前記発光体の位置に対応する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の自動車用窓。
【請求項5】
前記第1のセグメントには置換スイッチが設けられており、前記置換スイッチはドアプレート及び開口を含み、前記ドアプレートは前記開口に対して開閉可能であり、前記置換スイッチの位置は前記発光体の位置に対応する、
ことを特徴とする請求項4に記載の自動車用窓。
【請求項6】
前記放熱孔は、前記置換スイッチの前記ドアプレートに設けられている、
ことを特徴とする請求項5に記載の自動車用窓。
【請求項7】
前記外側ガラス板と前記補強板との間には第1の接続体があり、前記第1の接続体は前記外側ガラス板と前記補強板とを接着して固定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用窓。
【請求項8】
前記外側ガラス板の第1の貼合領域には第1の接着剤溝が開けられており、前記中間接着層の前記第2の貼合領域には第2の接着剤溝が開けられており、前記第1の接着剤溝と前記第2の接着剤溝とは連通して第3の接着剤溝を形成しており、前記第3の接着剤溝は、前記第1の接続体を充填するために用いられ、前記第1の接続体は、前記第2の貼合領域に部分的に延びて前記補強板を接続する、
ことを特徴とする請求項7に記載の自動車用窓。
【請求項9】
前記第1の接続体は硬化後の接着剤である、
ことを特徴とする請求項7に記載の自動車用窓。
【請求項10】
前記補強板は金属材料又はプラスチック材質で作製されたものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用窓。
【請求項11】
前記第2のセグメント及び前記第3のセグメントは、前記内側ガラス板及び前記外側ガラス板と背向する一側において収容領域を形成し、前記収容領域は、前記自動車ボディシェルとの接続に用いられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動車用窓。
【請求項12】
自動車であって、
自動車ボディシェルと、請求項1~11のいずれか1項に記載の自動車用窓とを備え、前記自動車ボディシェルには窓口が開けられており、前記自動車用窓は前記窓口に取り付けられており、前記補強板は前記自動車ボディシェルに固定接続されている、
ことを特徴とする自動車。
【請求項13】
前記窓口の対向する両側は支持辺であり、前記支持辺は取付領域を含み、前記内側ガラス板及び前記外側ガラス板と背向する前記補強板の一側には収容領域が形成されており、前記支持領域及び前記収容領域は対向し、且つ接着剤を収容するための接着剤注入空間を形成しており、前記接着剤注入空間内には第2の接続体が設けられており、前記自動車用窓は前記第2の接続体を通じて前記自動車ボディシェルに固定されている、
ことを特徴とする請求項12に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、発明の名称が「自動車用窓及び自動車」とされ、2021年12月28日に出願された中国特許出願第202111629854.2号の優先権を主張し、そのすべての内容が引用として本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は自動車技術の分野に関し、特に自動車用窓及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車用窓は、自動車ボディシェルに取り付けられて、車内の空気を効果的に流通させ、新鮮な空気の流入を増やすことができると同時に、自動車用窓は、視野を広げ、移動撮影の需要を満たすこともできる。現在、アンビエントライト付き自動車用窓は、照明とカラフルな環境光効果の機能を備えていることで広く人気があるが、アンビエントライト付き自動車用窓は、剛性が不足し、破裂しやすいなどの問題がある2枚式構造を採用することが多い。
【発明の概要】
【0004】
本出願の目的は、2枚式構造の自動車用窓の剛性不足の問題を解決するための自動車用窓及び自動車を提供することにある。
【0005】
本出願は自動車用窓を提供する。自動車用窓は外側ガラス板、内側ガラス板、中間接着層及び補強板を備える。外側ガラス板は第1の表面及び第2の表面を有し、内側ガラス板は第3の表面及び第4の表面を有し、第1の表面は自動車の外部に向き、第4の表面は自動車の内部に向く。第2の表面には、第1の取付領域と、第1の取付領域の一側に位置する第1の貼合領域とが設けられており、中間接着層の一方の表面には、第2の取付領域と、第2の取付領域の一側に位置する第2の貼合領域とが設けられている。外側ガラス板、中間接着層及び内側ガラス板は順に積層されており、中間接着層は第2の表面と第3の表面とを接着しており、外側ガラス板への第2の取付領域の正投影は第1の取付領域と完全に重なり、外側ガラス板への第2の貼合領域の正投影は第1の貼合領域と重なり、外側ガラス板の第1の取付領域への内側ガラス板の投影は第1の取付領域と完全に重なる。補強板は内側ガラス板の側部に設けられており、補強板の一端は第2の貼合領域に接続されており、補強板の他端は内側ガラス板の第4の表面の縁辺に接続されている。
【0006】
補強板は第1のセグメント、第2のセグメント及び第3のセグメントを含み、第2のセグメントの対向する両端はそれぞれ第1のセグメント及び第3のセグメントに接続されており、第1のセグメントと第3のセグメントとは平行に配置され、且つ第2のセグメントを離れる方向に向かって延びており、第4の表面の両側の縁辺は支持領域であり、第3のセグメントは、第2の貼合領域と積層され且つ貼合されており、第1のセグメントは、支持領域と積層され且つ貼合されており、自動車用窓はさらに発光体を備え、発光体は第2のセグメントと内側ガラス板の側部との間に位置し、発光体は第2の貼合領域に接続されている。
【0007】
発光体の厚さは、内側ガラス板の厚さよりも大きく、第1のセグメントは、第1のサブセグメント、第2のサブセグメント、及び第3のサブセグメントを含み、第1のサブセグメントは、第2のサブセグメントと角度をもって接続されており、第2のサブセグメントは、第3のサブセグメントと角度をもって接続されており、第1のサブセグメント及び第3のサブセグメントは、第3のセグメントと略平行であり、第2のサブセグメントは、第2のセグメントと略平行であり、第1のサブセグメント、第2のサブセグメント、第3のサブセグメント及び第2のセグメントは、凹部を形成しており、凹部、外側ガラス板及び内側ガラス板の間に収容空間が形成されており、収容空間は発光体を収容するために用いられる。
【0008】
第1のセグメントには放熱孔が設けられており、放熱孔は第1のセグメントを貫通し、放熱孔の位置は発光体の位置に対応する。
【0009】
第1のセグメントには置換スイッチが設けられており、置換スイッチはドアプレート及び開口を含み、ドアプレートは開口に対して開閉可能であり、置換スイッチの位置は発光体の位置に対応する。
【0010】
放熱孔は、置換スイッチのドアプレートに設けられている。
【0011】
外側ガラス板と補強板との間には第1の接続体があり、第1の接続体は外側ガラス板と補強板とを接着して固定する。
【0012】
外側ガラス板の第1の貼合領域には第1の接着剤溝が開けられており、中間接着層の第2の貼合領域には第2の接着剤溝が開けられており、第1の接着剤溝と第2の接着剤溝とは連通して第3の接着剤溝を形成しており、第3の接着剤溝は、第1の接続体を充填するために用いられ、第1の接続体は、第2の貼合領域に部分的に延びて補強板を接続する。
【0013】
第1の接続体は硬化後の接着剤である。
【0014】
補強板は金属材料又はプラスチック材質で作製されたものである。
【0015】
第2のセグメント及び第3のセグメントは、内側ガラス板及び外側ガラス板と背向する一側において収容領域を形成し、収容領域は、自動車ボディシェルとの接続に用いられる。
【0016】
本出願は自動車を提供する。自動車は、自動車ボディシェルと、上記いずれか1項に記載の自動車用窓とを備え、自動車ボディシェルには窓口が開けられており、自動車用窓は窓口に取り付けられており、補強板は自動車ボディシェルに固定接続されている。
【0017】
窓口の対向する両側は支持辺であり、支持辺は取付領域を含み、内側ガラス板及び外側ガラス板と背向する補強板の一側には収容領域が形成されており、支持領域及び収容領域は対向し、且つ接着剤を収容するための接着剤注入空間を形成しており、接着剤注入空間内には第2の接続体が設けられており、自動車用窓は第2の接続体を通じて自動車ボディシェルに固定されている。
【0018】
以上をまとめると、本出願では、補強板を配置して外側ガラス板と内側ガラス板とを接続し、補強板を通じて自動車用窓を自動車ボディシェルに取り付けることにより、2枚式構造の自動車用窓の剛性不足の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本出願の実施例又は先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下、本出願の実施例で使用する必要がある図面について簡単に説明する。明らかに、説明される図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な努力なしに、これらの図面によって他の図面を得ることができる。
図1】本出願の1つの実施例に係る自動車用窓の平面構造模式図である。
図2図1に示す自動車用窓が自動車ボディシェルと組み立てられた後の断面模式図である。
図3図1に示す自動車用窓が自動車ボディシェルと組み立てられた後の断面分解模式図である。
図4】本出願の自動車用窓の発光体の1つの実施例における平面模式図である。
図5】本出願の自動車用窓の発光体のもう1つの実施例における平面模式図である。
図6】本出願の自動車用窓の発光体のもう1つの実施例における平面模式図である。
図7】本出願の自動車用窓のもう1つの実施例における断面模式図である。
図8】本出願の自動車用窓のもう1つの実施例における断面模式図である。
図9】本出願の自動車用窓のもう1つの実施例における断面模式図である。
図10】本出願の自動車用窓のもう1つの実施例における断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本出願の実施例の図面を参照しながら、本出願の実施例の技術的解決策を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本出願の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得られるすべての他の実施例は、本出願の保護範囲に属する。
【0021】
図1及び図2を参照すると、図2は本実施例の自動車用窓100の自動車ボディシェル70に取り付けられた後の断面模式図である。自動車ボディシェルの一部のみが図示され、本実施例の自動車は自動車ボディシェル70を備える。自動車用窓100は、外側ガラス板10、内側ガラス板20、中間接着層30、発光体40、及び補強板50を備える。外側ガラス板10、内側ガラス板20及び中間接着層30は順に積層されており、中間接着層30は外側ガラス板10と内側ガラス板20とを固定する。発光体40は、内側ガラス板20の対向する両側に設けられている。補強板50は第1の接続体60を通じて外側ガラス板10の周縁に接着されており、補強板50は発光体40及び一部の内側ガラス板20を支持している。補強板50と自動車ボディシェル70との間に接着剤注入空間80が形成されており、接着剤注入空間80には第2の接続体90が充填されている。自動車用窓100が第2の接続体90を通じて自動車ボディシェル70に固定されており、ひいては自動車用窓100が自動車に取り付けられるようになる。1つの実施例では、第1の接続体60及び第2の接続体90は、硬化後の接着剤であるが、これに限定されない。
【0022】
具体的には、外側ガラス板10の面積は内側ガラス板20の面積よりも大きく、すなわち外側ガラス板10への内側ガラス板20の投影は完全に外側ガラス板10内に位置し、内側ガラス板20への外側ガラス板10の投影は完全に内側ガラス板10を覆っていると理解することもできる。中間接着層30は、外側ガラス板10と内側ガラス板20との間に位置し、外側ガラス板10と内側ガラス板20とを接着するために用いられる。発光体40は内側ガラス板20の周縁を取り囲むように設けられており、内側ガラス板20の側部、補強板50及び一部の中間接着層30は発光体40を包囲し、発光体40は光線を発するために用いられる。発光体40が発する光線は、内側ガラス板20を透過して自動車用窓100の内部に拡散し、自動車の内部の照明に用いられ、同時に自動車用窓100の視覚効果を高めるために用いられる。2つの補強板50はそれぞれ内側ガラス板20の対向する両側に設けられており、補強板50は第1の接続体60を通じて外側ガラス板10と接着され、補強板50は内側ガラス板20を支持しており、これによって自動車用窓100の剛性を高める。
【0023】
図2及び図3を参照すると、本実施例では、外側ガラス板10はおおよそ矩形の板状構造である。外側ガラス板10の横断面は矩形であるが、これに限定されない。外側ガラス板10は、第1の表面11、第2の表面12及び2つの第1の側面13を有する。第1の表面11及び第2の表面12は、外側ガラス板10の面積が最も大きい2つの面である。第1の表面11と第2の表面12とは背向して配置され、2つの第1の側面13はいずれも第1の表面11及び第2の表面12を接続している。具体的には、自動車用窓100が自動車に取り付けられた後、第1の表面11は自動車の外部に向いて自動車の外部空間に直接接触し、第2の表面12は自動車の内部に向いており、2つの第1の側面13は外側ガラス板10の幅方向において対向する2つの面である。
【0024】
第2の表面12は、第1の取付領域121と、第1の取付領域121の対向する両側に位置する2つの第1の貼合領域122とを含む。2つの第1の貼合領域122はそれぞれ第2の表面12における2つの第1の側面13と接続される部分に位置する。第2の表面12への内側ガラス板20の投影は、第1の取付領域121と完全に重なり、又は少なくとも第1の取付領域121内に位置する。本実施例における第2の表面12において、第2の表面12への内側ガラス板20の投影領域を除いて、残りの領域は2つの第1の貼合領域122である。理解できるように、外側ガラス板10の幅方向(自動車の幅方向)には、第2の表面12の両側にそれぞれ1つの第1の貼合領域122がある。
【0025】
引き続き図2及び図3を参照して、内側ガラス板20はおおよそ矩形の板状構造である。内側ガラス板20の横断面は矩形であるが、これに限定されない。内側ガラス板20は、第3の表面21、第4の表面22及び対向して配置された2つの第2の側面23を有する。第3の表面21及び第4の表面22は、内側ガラス板20の面積が最も大きい2つの面である。第3の表面21と第4の表面22とは背向して配置されている。2つの第2の側面23は、第3の表面21の対向する両側に接続されており、第4の表面22の対向する両側に接続されている。具体的には、自動車用窓100が自動車に取り付けられた後、第3の表面21は自動車の外部に向き、第4の表面22は自動車の内部に向いて自動車の内部空間に直接接触する。2つの第2の側面23は、内側ガラス板20の幅方向(自動車の幅)において対向する2つの面である。2つの第2の側面23は、発光体40を取り付け、且つ発光体40によって発せられる光線を内側ガラス板20に入り込ませるために用いられる。これにより、自動車の内部照明を実現し、自動車用窓100の視覚効果を高める。
【0026】
1つの実施例では、内側ガラス板20にはパターンが刻まれている。発光体40によって発せられる光線が内側ガラス板20を通過すると、内側ガラス板20のパターンが光線を通じて現されるようになり、ひいては自動車用窓100の視覚効果を高める。
【0027】
第4の表面22は、第4の表面22の対向する両側に位置する2つの支持領域24を含み、2つの支持領域24はそれぞれ第4の表面22の2つの第2の側面23に近い部分に位置し、第4の表面22への2つの第1の貼合領域122の投影は2つの支持領域24と完全にずれている。具体的には、内側ガラス板20の幅方向(自動車の幅方向)で、第4の表面22の両側にそれぞれ1つの支持領域24がある。2つの支持領域24はそれぞれ補強板50と接続されるために用いられる。その接続は、補強板50が支持領域24を直接支持し、ひいては内側ガラス板20を支持することで実現される。又は、補強板50と支持領域24との接着で実現されてもよく、本出願では限定されない。
【0028】
引き続き図2及び図3を参照すると、中間接着層30はおおよそ矩形のシート状構造である。中間接着層30の横断面は矩形であるが、これに限定されない。中間接着層30は外側ガラス板10と内側ガラス板20とを接着するために用いられる。中間接着層30の材料はポリビニルブチラール(polyvinyl butyral、PVB)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(ethylene-vinyl acetate、EVA)であるが、これらに限定されない。中間接着層30は、第5の表面31、第6の表面32、及び2つの第3の側面33を有する。第5の表面31及び第6の表面32は中間接着層30の面積が最も大きい2つの面である。具体的には、自動車用窓100が自動車に取り付けられた後、第5の表面31は自動車の外部に向いて外側ガラス板10と接着され、第6の表面32は自動車の内部に向いて内側ガラス板20と接着されている。2つの第3の側面33は、中間接着層30の幅方向(自動車の幅)において対向する2つの面である。
【0029】
第6の表面32は、第2の取付領域321と、第2の取付領域321の対向する両側に位置する第2の貼合領域34とを含み、外側ガラス板10への第2の取付領域321の正投影は第1の取付領域121と完全に重なり、第2の貼合領域34は発光体40及び補強板50と接着されるために用いられる。2つの第2の貼合領域34は、それぞれ第6の表面32における2つの第3の側面33に近い位置にある。具体的には、中間接着層30の幅方向において、第6の表面32の両側にはそれぞれ1つの第2の貼合領域34がある。第6表面32への外側ガラス板10の2つの第1の貼合領域122の投影は、2つの第2の貼合領域34と重なる。第6表面32への内側ガラス板20の2つの支持領域24の投影は、2つの第2の貼合領域34と完全にずれている。なお、第6表面32において、2つの第2の貼合領域34の領域を除いて、残りの領域は内側ガラス板20と接着されるために用いられる。
【0030】
中間接着層30は、外側ガラス板10と内側ガラス板20とを接着する。外側ガラス板10の第2の表面12と内側ガラス板20の第3の表面21とを対向させ、外側ガラス板10と内側ガラス板20との間に中間接着層30を配置する。具体的には、中間接着層30の第5表面31と外側ガラス板10の第2の表面12とを接着し、中間接着層30の第6表面32と内側ガラス板20の第3の表面21とを接着する。同時に、外側ガラス板10の両側の各第1の側面13が中間接着層30の両側の各第3の側面33に対応することを保証し、すなわち、同じ側で1つの第1の側面13と1つの第3の側面33が同じ平面にあることを保証する。
【0031】
第6の表面32への外側ガラス板10の2つの第1の貼合領域122の投影は、中間接着層30の2つの第2の貼合領域34と完全に重なる。第6表面32への内側ガラス板20の2つの支持領域24の投影は、2つの第2の貼合領域34とずれている。なお、中間接着層30の第5の表面31と外側ガラス板10の第2の表面12とは全て接着され、すなわち第5の表面31と第2の表面12とは接着後に完全に重なる。中間接着層30の第6表面32において、2つの第2の貼合領域34の領域を除いて、残りの領域がすべて内側ガラス板20の第3の表面21と接着されている。
【0032】
各発光体40は、発光ダイオード(LED)であるが、これに限定されない。発光体40は光線を発するために用いられ、発光体40からの光線は内側ガラス板20に入り込み、窓ガラス100内で拡散されて、これによって自動車の内部の照明を実現するとともに、自動車用窓100の視覚効果を向上させる。発光体40は、第1の固定面41、発光面42、第2の固定面43、及びバックライト面44を有する。第1の固定面41と第2の固定面43とは背向して配置され、発光面42とバックライト面44とは背向して配置されている。第1の固定面41は中間接着層30の第2の貼合領域34と固定接続され、第1の固定面41は第2の側面23に近い位置にある。発光面42は第2の側面23に貼り合わせられている。発光面42の面積と第2の側面23の面積は等しく、すなわち第2の側面23への発光面42の投影は第2の側面23と完全に重なる。発光体40が自動車用窓100に取り付けられた後、発光面42は第2の側面23に固定接続されており、これは自動車用窓100上の発光体40の位置を固定するために用いられる。発光体40が内側ガラス板20に装着された後、第2の固定面43と第4の表面22とは同じ平面にあり、第2の固定面43は補強板50と固定接続されるために用いられる。
【0033】
1つの実施例では、各発光体40の第1の固定面41、発光面42、第2の固定面43及びバックライト面44のうち、少なくとも第1の固定面41と中間接着層30の第2貼合領域34とは固定接続され、発光面42と第2の側面23との間、第2の固定面43と補強板50との間、バックライト面44と補強板50との間はいずれも固定されていない。すなわち、発光体40に対して、第1の固定面41と中間接着層30の第2の貼合領域34との固定接続だけで、自動車用窓100上の発光体40の位置の固定を実現できる。これにより、工程フローを簡略化し、組立効率を高める。
【0034】
1つの実施例では、内側ガラス板20の両側に固定溝(図示せず)が設けられている。発光体40は、直接固定溝を通じて内側ガラス板20に固定されることができる。なお、本出願では、発光体40を内側ガラス板20に固定する方式は制限されず、発光体40を内側ガラス板20に固定できる方式であれば構わない。
【0035】
図4図6を参照すると、いくつかの実施例では、発光体40の数は1つ又は複数であり、発光体40の形状は長尺状又は円形であり、本出願では発光体40の数と形状は限定されなく、発光体40が窓ガラス100に取り付けられる位置も限定されなく、発光体40によって発せられる光線が窓ガラス100に入り、窓ガラス100の照明及び美的機能を実現できればよい。
【0036】
引き続き図2及び図3を参照すると、各補強板50は金属材料又はプラスチック材質で作製されたものである。補強板50は、第1のセグメント51、第2のセグメント52、及び第3のセグメント53を含む。各補強板50の横断面(自動車の幅方向に沿う横断面)はおおよそZ型の板状構造である。第1のセグメント51と第2のセグメント52とは角度をもって接続されており、第2のセグメント52と第3のセグメント53とは角度をもって接続されている。第1のセグメント51と第3のセグメント53とは略平行であり、両方の延在方向はいずれも第2のセグメント52と背向する。第2のセグメント52と第3のセグメント53は、外側ガラス板10及び内側ガラス板20と背向する一側において収容領域(図示せず)を形成し、収容領域は、自動車ボディシェルとの接続に用いられる。第1のセグメント51は第3の貼合領域54を含み、第2のセグメント52は第7の表面55を有する。第3のセグメント53は、第4の貼合領域56を含む。第7の表面55は、第3の貼合領域54と第4の貼合領域56とを接続している。
【0037】
補強板50と外側ガラス板10とは、第1の接続体60を通じて接着固定されており、補強板50は内側ガラス板20の一部を支持し、第7の表面55は、発光体40のバックライト面44に対応して設けられている。具体的には、第7の表面55はバックライト面44と平行であり、両者は直接接触しなく、すなわち第7の表面55とバックライト面44との間に隙間がある。1つの実施例では、第7の表面55はバックライト面44と直接接触し、すなわち第7の表面55とバックライト面44との間に隙間が存在しない。理解できるように、中間接着層30の第2の貼合領域34、内側ガラス板の第2の側面23、補強板50の第1のセグメント51、補強板50の第2のセグメント52は、共に発光体40を取り囲んでいる。
【0038】
第3の貼合領域54は支持領域24と接触する。第3の貼合領域54は、内側ガラス板20の縁辺を支持してもよく、補強板50を内側ガラス板20に接着して固定するように接着剤を通じて内側ガラス板20に接着されてもよい。なお、発光体40を配置するための十分な空間があるように、支持領域24への第3の貼合領域54の投影は、支持領域24の面積と第2の固定面43との面積の和よりも小さくなく、すなわち発光体40は、支持領域24と接着されている第3の貼合領域54の領域を除く補強板50の第3の貼合領域54に設けられている。補強板50の第3のセグメント53は、外側ガラス板10と固定接続され、補強板50は第1のセグメント51を通じて内側ガラス板20を支持している。これにより、窓ガラス100が自動車ボディシェルに装着された後、内側ガラス板20の剛性を高め、剛性不足と支持構造がないことによる内側ガラス板20の破損を防止し、ひいては自動車用窓100の寿命を向上させることができる。
【0039】
第4の貼合領域56と第2の貼合領域34とは、第1の接続体60を通じて接着され、第1の接続体60は硬化後の接着剤である。すなわち、第4の貼合領域56と第2の貼合領域34とは直接接触せず、第4の貼合領域56と第2の貼合領域34との間には、補強板50と外側ガラス板10とを接着して固定するように、第1の接続体60が充填されている。なお、第2の貼合領域34の面積は、第4の貼合領域56の面積と第1の固定面41との面積の和より少なくなく、すなわち第4の貼合領域56への第2の貼合領域34の投影が第4の貼合領域56及び第1の固定面41を覆っている。
【0040】
本出願で提供される自動車用窓及び自動車は、外側ガラス板10と内側ガラス板20とが中間接着層を通じて接続された上で、補強板50を配置することで、補強板50の第1のセグメント51が内側ガラス板20を支持し、補強板50の第3のセグメント53の第4の貼合領域56と外側ガラス板10とが接続体を通じて接着され、その後、補強板50の収容領域と自動車ボディシェルの取付領域との間の空間、すなわち接着剤注入空間を通じて接着剤を注入し、ひいては自動車用窓100を自動車ボディシェルに固定する。これにより、自動車用窓100の全体的な剛性を高め、2枚式構造の自動車用窓の剛性不足の問題を解決することができる。
【0041】
図7を参照すると、1つの実施例では、各第1の貼合領域122には1つの第1の接着剤溝14が設けられ、第2の表面12の幅方向(すなわち自動車の幅方向)に沿った各第1の接着剤溝14の横断面は三角形である。第1の接着剤溝14は、補強板50が外側ガラス板10と接着されて固定される際に第1の接続体60を充填するために用いられ、これによって接着効果を高め、接着強度を向上させる。1つの実施例では、各第1接着溝14の横断面は別の形状であってもよく、本出願では第1接着溝14の位置及び形状が限定されなく、補強板50と外側ガラス板10との間の固定関係を満たすことができればよい。
【0042】
各第2の貼合領域34には1つの第2の接着剤溝35が設けられ、各第2の接着剤溝35は中間接着層30の第5表面31及び第6表面32を貫通し、中間接着層30の幅方向(すなわち自動車の幅方向)に沿った各第2の接着剤溝35の横断面は台形であるが、これに限定されない。なお、各第2接着槽35の位置は、各第1接着槽14の位置に対応しており、これは、補強板50と外側ガラス板10とを接着して固定する時に第1の接続体60を充填するために用いられ、これによって接着効果を高め、接着強度を向上させる。
【0043】
また、各第2の接着剤溝35の位置は、それぞれ各第1の接着剤溝14の位置に対応しており、中間接着剤層30は外側ガラス板10と接着されて、各第2の接着剤溝35がそれぞれ各第1の接着剤溝14と連通して第3の接着剤溝(図示せず)を形成する。具体的には、各第1の接着剤溝14の横断面は三角形であり、各第2の接着剤溝35の横断面は台形である。第1の接着剤溝14の三角形横断面の底辺を第2の接着剤溝35の台形横断面の上底に重ねることで、第1の接着剤溝14と第2の接着剤溝35を連通させて第3の接着剤溝(図示せず)を形成する。第3の接着剤溝(図示せず)の横断面(自動車の幅方向に沿う断面)は三角形であり、第3の接着剤溝(図示せず)は第1の接続体60を充填するために用いられる。第1の接続体60によって補強板50と外側ガラス板10とを接着して固定する。これによって接着効果を高め、接着強度を向上させる。
【0044】
1つの実施例では、第3の接着剤溝(図示せず)の形成方法は、まず中間接着剤層30と外側ガラス板10とを接着し、その後、各第2の貼合領域34の位置に直接溝を開けて第3の接着剤溝(図示せず)を形成することであるが、これに限定されない。
【0045】
図8を参照すると、1つの実施例では、各補強板50の第1のセグメント51には放熱孔57がさらに設けられ、放熱孔57は第1のセグメント51の第3の貼合領域54と、第3の貼合領域54と対向する第1のセグメント51の面を貫通し、放熱孔57の位置が発光体40の第2の固定面43に対応している。放熱孔57は発光体40の動作時に放出された熱を速やかに排出し、故障率を低減し、安全性を高めるために用いられる。本出願では、放熱孔57の数及び形状が限定されなく、発光体40の放熱機能を実現できればよい。
【0046】
図9を参照すると、1つの実施例では、各補強板50の第1のセグメント51には、置換スイッチ58がさらに設けられており、置換スイッチ58の位置が発光体40の第2の固定面43に対応している。置換スイッチ58は、ドアプレート581及び開口582を含む。ドアプレート581は開口582に対して開閉可能であることで、開口582を通じて発光体40を取り付け及び取り外すことができる。発光体40が故障した場合、置換スイッチ58を通じて発光体40を取り外して交換することができる。もう1つの実施例では、放熱孔57は置換スイッチ58に設けられてもよい。
【0047】
図10を参照すると、1つの実施例では、発光体40の厚さは内側ガラス板20の厚さよりも大きく、すなわち自動車の幅方向の横断面から見て、発光面42は第2の側面23よりも長く、発光面42が第2の側面23より長い部分は自動車の内部方向に向かって延びる。このとき、補強板50の第1のセグメント51は略Z型を呈し、第1のセグメント51は第1のサブセグメント511、第2のサブセグメント512、及び第3のサブセグメント513を含む。第1のサブセグメント511は第2のサブセグメント512と角度をもって接続されており、第2のサブセグメント512は第3のサブセグメント513と角度をもって接続されており、且つ第1のサブセグメント511及び第3のサブセグメント513は第3のセグメント53と略平行であり、第2のサブセグメント512は第2のセグメント52と略平行である。第1のサブセグメント511、第2のサブセグメント512、第3のサブセグメント513及び第2のセグメント52は凹部を形成しており、凹部、外側ガラス板10及び内側ガラス板20の間に収容空間が形成されており、収容空間は発光体40を収容するために用いられる。
【0048】
具体的には、第1のサブセグメント511は、内側ガラス板20の支持領域24に沿って延び、内側ガラス板20の支持領域24に接続されている。第2のサブセグメント512の一端は第1のサブセグメント511と角度をもって接続されており、第2のサブセグメント512の他端は発光体40の第2の固定面43に沿って延びる。第3のサブセグメント513の一端は第2のサブセグメント512と角度をもって接続されており、第3のサブセグメント513の他端は発光体40の第2の固定面43に沿って延び、第2のセグメント52に接続されている。第2のセグメント52は、発光体40のバックライト面44に沿って延び、第3のセグメントと角度をもって接続されている。理解できるように、内側ガラス板20の第2の側面23、補強板50の第2のサブセグメント512、第3のサブセグメント513、第2のセグメント52、及び一部の中間接着層は、共に発光体40を取り囲んで発光体を収容空間内に収容し、これによって発光体40の外形に合わせて異なるサイズの発光体40を取り付ける。
【0049】
1つの実施例では、補強板50の数は4つ又は6つであってもよく、本出願では補強板50の数が限定されなく、同じ場合、補強板50の数が多いほど補強効果が強い。
【0050】
本出願は、上記の自動車用窓100を備える自動車をさらに提供する。自動車はさらに自動車ボディシェル70を備える。自動車ボディシェル70には窓口が開けられており、自動車ボディシェル70の窓口の対向する両側は支持辺であり、支持辺は取付領域を含み、自動車用窓100は窓口に取り付けられており、補強板50は自動車ボディシェル70に固定されている。具体的には、各補強板50の収容領域と自動車ボディシェル70との接続方法は、次の通りであるが、これに限定されない。収容領域と取付領域との間に接着剤注入空間80を形成し、接着剤注入空間80内に接着剤を注入し又は熱可塑性ポリウレタン(thermoplastic polyurethane、PU)射出加工操作を行うことで、第2の接続体90を接着剤注入空間80内に配置し、最終的に第2の接続体90を通じて自動車用窓100を自動車ボディシェル70に固定する。
【0051】
以上の内容は、本出願の好適な実施例に過ぎず、本出願の請求範囲を制限するために用いられない。当業者は上記実施例の全体又は一部の操作を理解且つ実現することができ、当業者が本出願の特許請求の範囲に基づいて行う同等な変化は、依然として本出願のカバーする範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本出願は自動車用窓を提供する。自動車用窓は外側ガラス板、内側ガラス板、中間接着層及び補強板を備える。外側ガラス板は第1の表面及び第2の表面を有し、内側ガラス板は第3の表面及び第4の表面を有し、第1の表面は自動車の外部に向き、第4の表面は自動車の内部に向く。第2の表面には、第1の取付領域と、第1の取付領域の一側に位置する第1の貼合領域とが設けられており、中間接着層の一方の表面には、第2の取付領域と、第2の取付領域の一側に位置する第2の貼合領域とが設けられている。外側ガラス板、中間接着層及び内側ガラス板は順に積層されており、中間接着層は第2の表面と第3の表面とを接着しており、外側ガラス板への第2の取付領域の正投影は第1の取付領域と完全に重なり、外側ガラス板への第2の貼合領域の正投影は第1の貼合領域と重なり、第1の取付領域は外側ガラス板への内側ガラス板の投影を完全にカバーしている。補強板は内側ガラス板の側部に設けられており、補強板の一端は第2の貼合領域に接続されており、補強板の他端は内側ガラス板の第4の表面の縁辺に接続されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
窓口の対向する両側は支持辺であり、支持辺は取付領域を含み、内側ガラス板及び外側ガラス板と背向する補強板の一側には収容領域が形成されており、取付領域及び収容領域は対向し、且つ接着剤を収容するための接着剤注入空間を形成しており、接着剤注入空間内には第2の接続体が設けられており、自動車用窓は第2の接続体を通じて自動車ボディシェルに固定されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
具体的には、外側ガラス板10の面積は内側ガラス板20の面積よりも大きく、すなわち外側ガラス板10への内側ガラス板20の投影は完全に外側ガラス板10内に位置し、内側ガラス板20への外側ガラス板10の投影は完全に内側ガラス板10を覆っていると理解することもできる。中間接着層30は、外側ガラス板10と内側ガラス板20との間に位置し、外側ガラス板10と内側ガラス板20とを接着するために用いられる。発光体40は内側ガラス板20の周縁を取り囲むように設けられており、内側ガラス板20の側部、補強板50及び一部の中間接着層30は発光体40を包囲し、発光体40は光線を発するために用いられる。発光体40が発する光線は、内側ガラス板20を透過して自動車用窓100の内部に拡散し、自動車の内部の照明に用いられ、同時に自動車用窓100の視覚効果を高めるために用いられる。2つの補強板50はそれぞれ内側ガラス板20の対向する両側に設けられており、補強板50は第1の接続体60を通じて外側ガラス板10と接着され、補強板50は内側ガラス板20を支持しており、これによって自動車用窓100の剛性を高める。なお、本出願では、「投影」は「正投影」を意味する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
各発光体40は、発光ダイオード(LED)であるが、これに限定されない。発光体40は光線を発するために用いられ、発光体40からの光線は内側ガラス板20に入り込み、自動車用窓100内で拡散されて、これによって自動車の内部の照明を実現するとともに、自動車用窓100の視覚効果を向上させる。発光体40は、第1の固定面41、発光面42、第2の固定面43、及びバックライト面44を有する。第1の固定面41と第2の固定面43とは背向して配置され、発光面42とバックライト面44とは背向して配置されている。第1の固定面41は中間接着層30の第2の貼合領域34と固定接続され、第1の固定面41は第2の側面23に近い位置にある。発光面42は第2の側面23に貼り合わせられている。発光面42の面積と第2の側面23の面積は等しく、すなわち第2の側面23への発光面42の投影は第2の側面23と完全に重なる。発光体40が自動車用窓100に取り付けられた後、発光面42は第2の側面23に固定接続されており、これは自動車用窓100上の発光体40の位置を固定するために用いられる。発光体40が内側ガラス板20に装着された後、第2の固定面43と第4の表面22とは同じ平面にあり、第2の固定面43は補強板50と固定接続されるために用いられる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
図4図6を参照すると、いくつかの実施例では、発光体40の数は1つ又は複数であり、発光体40の形状は長尺状又は円形であり、本出願では発光体40の数と形状は限定されなく、発光体40が自動車用窓100に取り付けられる位置も限定されなく、発光体40によって発せられる光線が自動車用窓100に入り、自動車用窓100の照明及び美的機能を実現できればよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
第3の貼合領域54は支持領域24と接触する。第3の貼合領域54は、内側ガラス板20の縁辺を支持してもよく、補強板50を内側ガラス板20に接着して固定するように接着剤を通じて内側ガラス板20に接着されてもよい。なお、発光体40を配置するための十分な空間があるように、支持領域24への第3の貼合領域54の投影は、支持領域24の面積と第2の固定面43との面積の和よりも小さくなく、すなわち発光体40は、支持領域24と接着されている第3の貼合領域54の領域を除く補強板50の第3の貼合領域54に設けられている。補強板50の第3のセグメント53は、外側ガラス板10と固定接続され、補強板50は第1のセグメント51を通じて内側ガラス板20を支持している。これにより、自動車用窓100が自動車ボディシェルに装着された後、内側ガラス板20の剛性を高め、剛性不足と支持構造がないことによる内側ガラス板20の破損を防止し、ひいては自動車用窓100の寿命を向上させることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
本出願で提供される自動車用窓及び自動車は、外側ガラス板10と内側ガラス板20とが中間接着層30を通じて接続された上で、補強板50を配置することで、補強板50の第1のセグメント51が内側ガラス板20を支持し、補強板50の第3のセグメント53の第4の貼合領域56と外側ガラス板10とが接続体を通じて接着され、その後、補強板50の収容領域と自動車ボディシェル70の取付領域との間の空間、すなわち接着剤注入空間を通じて接着剤を注入し、ひいては自動車用窓100を自動車ボディシェル70に固定する。これにより、自動車用窓100の全体的な剛性を高め、2枚式構造の自動車用窓の剛性不足の問題を解決することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
具体的には、第1のサブセグメント511は、内側ガラス板20の支持領域24に沿って延び、内側ガラス板20の支持領域24に接続されている。第2のサブセグメント512の一端は第1のサブセグメント511と角度をもって接続されており、第2のサブセグメント512の他端は発光体40の発光面42に沿って延びる。第3のサブセグメント513の一端は第2のサブセグメント512と角度をもって接続されており、第3のサブセグメント513の他端は発光体40の第2の固定面43に沿って延び、第2のセグメント52に接続されている。第2のセグメント52は、発光体40のバックライト面44に沿って延び、第3のセグメント53と角度をもって接続されている。理解できるように、内側ガラス板20の第2の側面23、補強板50の第2のサブセグメント512、第3のサブセグメント513、第2のセグメント52、及び一部の中間接着層30は、共に発光体40を取り囲んで発光体40を収容空間内に収容し、これによって発光体40の外形に合わせて異なるサイズの発光体40を取り付ける。
【手続補正9】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車ボディシェルに取り付けられた自動車用窓であって、
外側ガラス板、内側ガラス板、中間接着層及び補強板を備え、
前記外側ガラス板は第1の表面及び第2の表面を有し、前記内側ガラス板は第3の表面及び第4の表面を有し、前記第1の表面は自動車の外部に向き、前記第4の表面は自動車の内部に向き、
前記第2の表面には、第1の取付領域と、前記第1の取付領域の一側に位置する第1の貼合領域とが設けられており、前記中間接着層の一方の表面には、第2の取付領域と、前記第2の取付領域の一側に位置する第2の貼合領域とが設けられており、
前記外側ガラス板、前記中間接着層及び前記内側ガラス板は順に積層されており、前記中間接着層は前記第2の表面と前記第3の表面とを接着しており、前記外側ガラス板への前記第2の取付領域の正投影は前記第1の取付領域と完全に重なり、前記外側ガラス板への前記第2の貼合領域の正投影は前記第1の貼合領域と重なり、前記第1の取付領域は前記外側ガラス板への前記内側ガラス板の投影を完全にカバーしており
前記補強板は前記内側ガラス板の側部に設けられており、前記補強板の一端は前記第2の貼合領域に接続されており、前記補強板の他端は前記内側ガラス板の第4の表面の縁辺に接続されている、
ことを特徴とする自動車用窓。
【請求項2】
前記補強板は第1のセグメント、第2のセグメント及び第3のセグメントを含み、前記第2のセグメントの対向する両端はそれぞれ前記第1のセグメント及び前記第3のセグメントに接続されており、前記第1のセグメントと前記第3のセグメントとは平行に配置され、且つ前記第2のセグメントを離れる方向に向かって延びており、前記第4の表面の両側の縁辺は支持領域であり、前記第3のセグメントは、前記第2の貼合領域と積層され且つ貼合されており、前記第1のセグメントは、前記支持領域と積層され且つ貼合されており、前記自動車用窓はさらに発光体を備え、前記発光体は前記第2のセグメントと前記内側ガラス板の側部との間に位置し、前記発光体は前記第2の貼合領域に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用窓。
【請求項3】
前記発光体の厚さは、前記内側ガラス板の厚さよりも大きく、前記第1のセグメントは、第1のサブセグメント、第2のサブセグメント、及び第3のサブセグメントを含み、前記第1のサブセグメントは、前記第2のサブセグメントと角度をもって接続されており、前記第2のサブセグメントは、前記第3のサブセグメントと角度をもって接続されており、前記第1のサブセグメント及び前記第3のサブセグメントは、前記第3のセグメントと略平行であり、前記第2のサブセグメントは、前記第2のセグメントと略平行であり、前記第1のサブセグメント、前記第2のサブセグメント、前記第3のサブセグメント及び前記第2のセグメントは、凹部を形成しており、前記凹部、前記外側ガラス板及び前記内側ガラス板の間に収容空間が形成されており、前記収容空間は前記発光体を収容するために用いられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動車用窓。
【請求項4】
前記第1のセグメントには放熱孔が設けられており、前記放熱孔は前記第1のセグメントを貫通し、前記放熱孔の位置は前記発光体の位置に対応する、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動車用窓。
【請求項5】
前記第1のセグメントには置換スイッチが設けられており、前記置換スイッチはドアプレート及び開口を含み、前記ドアプレートは前記開口に対して開閉可能であり、前記置換スイッチの位置は前記発光体の位置に対応する、
ことを特徴とする請求項4に記載の自動車用窓。
【請求項6】
前記放熱孔は、前記置換スイッチの前記ドアプレートに設けられている、
ことを特徴とする請求項5に記載の自動車用窓。
【請求項7】
前記外側ガラス板と前記補強板との間には第1の接続体があり、前記第1の接続体は前記外側ガラス板と前記補強板とを接着して固定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用窓。
【請求項8】
前記外側ガラス板の第1の貼合領域には第1の接着剤溝が開けられており、前記中間接着層の前記第2の貼合領域には第2の接着剤溝が開けられており、前記第1の接着剤溝と前記第2の接着剤溝とは連通して第3の接着剤溝を形成しており、前記第3の接着剤溝は、前記第1の接続体を充填するために用いられ、前記第1の接続体は、前記第2の貼合領域に部分的に延びて前記補強板を接続する、
ことを特徴とする請求項7に記載の自動車用窓。
【請求項9】
前記第1の接続体は硬化後の接着剤である、
ことを特徴とする請求項7に記載の自動車用窓。
【請求項10】
前記補強板は金属材料又はプラスチック材質で作製されたものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用窓。
【請求項11】
前記第2のセグメント及び前記第3のセグメントは、前記内側ガラス板及び前記外側ガラス板と背向する一側において収容領域を形成し、前記収容領域は、前記自動車ボディシェルとの接続に用いられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動車用窓。
【請求項12】
自動車であって、
自動車ボディシェルと、請求項1~11のいずれか1項に記載の自動車用窓とを備え、前記自動車ボディシェルには窓口が開けられており、前記自動車用窓は前記窓口に取り付けられており、前記補強板は前記自動車ボディシェルに固定接続されている、
ことを特徴とする自動車。
【請求項13】
前記窓口の対向する両側は支持辺であり、前記支持辺は取付領域を含み、前記内側ガラス板及び前記外側ガラス板と背向する前記補強板の一側には収容領域が形成されており、前記取付領域及び前記収容領域は対向し、且つ接着剤を収容するための接着剤注入空間を形成しており、前記接着剤注入空間内には第2の接続体が設けられており、前記自動車用窓は前記第2の接続体を通じて前記自動車ボディシェルに固定されている、
ことを特徴とする請求項12に記載の自動車。
【国際調査報告】