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特表2024-545729培養装置および培養装置を含む培養システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】培養装置および培養装置を含む培養システム
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20241203BHJP
   C12M 1/02 20060101ALI20241203BHJP
   C12M 1/06 20060101ALI20241203BHJP
   C12M 1/33 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
C12M1/00 C
C12M1/02 B
C12M1/06
C12M1/33
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539396
(86)(22)【出願日】2022-12-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 KR2022021338
(87)【国際公開番号】W WO2023128534
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0191575
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508139664
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CJ CHEILJEDANG CORPORATION
【住所又は居所原語表記】CJ Cheiljedang Center,330,Dongho-ro,Jung-gu,Seoul,Republic Of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100128923
【弁理士】
【氏名又は名称】納谷 洋弘
(74)【代理人】
【識別番号】100180297
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ドンウ
(72)【発明者】
【氏名】キム・ヨンタク
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA01
4B029AA12
4B029AA15
4B029BB02
4B029BB06
4B029BB07
4B029BB11
4B029CC01
4B029CC02
4B029DB01
4B029DD01
4B029DD04
4B029DF01
4B029DF07
4B029DG01
4B029DG08
4B029GA06
4B029GA08
4B029GB01
4B029GB02
4B029GB03
4B029GB04
4B029GB05
4B029GB07
4B029GB10
(57)【要約】
本発明の一実施形態に係る培養システムは、内部に培養プレートが収容されるように形成される内部空間である培養空間を有する培養チャンバと、前記培養プレートが出入りするために、前記培養チャンバに形成される開口を開閉するように、前記培養チャンバに結合される培養ドアと、前記培養プレートにシードを供給するように形成されるシード供給部と、前記培養空間の温度および湿度を調節するための水、水分、空気を供給するように形成される流体供給部と、前記流体供給部に電気的に連結されるプロセッサと、を含み、前記プロセッサは、前記培養空間の温度および湿度のうち少なくとも1つを調節するように前記流体供給部を制御することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に培養プレートを収容できる内部空間である培養空間を有する培養チャンバと、
前記培養プレートが出入りするために、前記培養チャンバに形成される開口を開閉するように、前記培養チャンバに結合される培養ドアと、
前記培養空間の温度、水分供給、およびシード供給それぞれの調節のために、前記培養チャンバおよび前記培養ドアのうち少なくとも1つに形成される供給ライン部と、
シードが前記培養プレートに拡散するように、前記培養チャンバおよび前記培養ドアのうち少なくとも1つに形成されるファン部と、
を含む、培養装置。
【請求項2】
前記培養チャンバは、前記培養チャンバが囲んでいる前記培養空間の外郭で水を循環させるためのチャンバ循環チャネルを含む、請求項1に記載の培養装置。
【請求項3】
前記培養ドアは、水を前記培養ドアがカバーしている前記培養空間の外郭で循環させるためのドア循環チャネルを含む、請求項1に記載の培養装置。
【請求項4】
前記培養ドアは、水を前記培養ドアがカバーしている前記培養空間の外郭で循環させるためのドア循環チャネルを含み、
前記チャンバ循環チャネルと前記ドア循環チャネルとを連結する連結チャネルをさらに含む、請求項2に記載の培養装置。
【請求項5】
前記供給ライン部は、前記チャンバ循環チャネルおよび前記ドア循環チャネルのうち少なくとも1つと連結され、水を供給するための水供給ラインを含む、請求項4に記載の培養装置。
【請求項6】
前記供給ライン部は、
前記水分を前記培養空間に供給するように形成される水分供給ラインを含む、請求項1に記載の培養装置。
【請求項7】
前記水分供給ラインは、高さが異なるように複数設けられる、請求項6に記載の培養装置。
【請求項8】
前記供給ライン部は、
前記シード供給のために形成されるシード供給ラインを含む、請求項1に記載の培養装置。
【請求項9】
前記シード供給ラインは、高さが異なるように複数設けられる、請求項8に記載の培養装置。
【請求項10】
前記ファン部は、
前記培養空間に流動を形成する第1ファンと、
前記シードを前記培養プレートに飛散させて供給するように形成される第2ファンと、を含む、請求項1に記載の培養装置。
【請求項11】
前記ファン部は、回転速度が調節されるように設けられる、請求項10に記載の培養装置。
【請求項12】
内部に培養プレートが収容されるように形成される内部空間である培養空間を有する培養チャンバと、
前記培養プレートが出入りするために、前記培養チャンバに形成される開口を開閉するように、前記培養チャンバに結合される培養ドアと、
前記培養プレートにシードを供給するように形成されるシード供給部と、
前記培養空間の温度および湿度を調節するための水、水分、空気を供給するように形成される流体供給部と、
前記流体供給部に電気的に連結されるプロセッサと、
を含み、
前記プロセッサは、
前記培養空間の温度および湿度のうち少なくとも1つを調節するように前記流体供給部を制御する、培養システム。
【請求項13】
前記培養空間の内圧を調節できるように形成される圧力ポンプを含む、請求項12に記載の培養システム。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記圧力ポンプに電気的に連結され、
前記プロセッサは、
前記培養空間の前記内圧を下げることで負圧を形成し、前記シードが前記シード供給部から前記培養プレートに供給されるように前記圧力ポンプを制御する、請求項13に記載の培養システム。
【請求項15】
前記シード供給部は、
前記シードが含む固相シードが貯蔵されるように設けられた固相シードタンクを含む、請求項13に記載の培養システム。
【請求項16】
前記シード供給部は、
前記固相シードを粉砕するように形成されるミキサをさらに含む、請求項15に記載の培養システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、培養装置および培養装置を含む培養システムに関する。
【背景技術】
【0002】
細胞、菌株のようなシード培養のためには、培養に適した環境を維持する必要があり、培養環境は、温度、湿度、圧力、培養時間のような様々な要素により決められることができる。
【0003】
培養環境を調節し維持できる培養装置および培養システムに関する研究が持続的に行われており、特にシードの種類または特性に応じて異なる最適な培養条件を満たすために、培養環境に影響を与える要素を制御できる培養装置および培養システムに関する開発が活発に行われている。
【0004】
従来技術によると、シード供給に必要な構成を取り替えて使用するため、温度、湿度、圧力のような要素のリアルタイム制御に限界があり、培養に長時間が必要である。また、従来技術によると、凝集した状態の細胞、菌株、シードなどの培養時に拡散が円滑に行われず、均一な品質を確保することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、シードを効果的な方法で供給することができ、細胞、菌株、シードなどの培養装置内の拡散を円滑に行うことができる培養装置および培養システムを提供することにある。また、温度、湿度、圧力のような培養に必要な環境要素を効果的に制御することができる培養装置および培養システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る培養装置は、内部に培養プレートを収容できる内部空間である培養空間を有する培養チャンバと、前記培養プレートの出入りを可能にするために、前記培養チャンバに形成される開口を開閉できるように前記培養チャンバに結合される培養ドアと、前記培養空間の温度、水分供給、およびシード供給それぞれの調節のために、前記培養チャンバおよび前記培養ドアのうち少なくとも1つに形成される供給ライン部と、シードが前記培養プレートに拡散するように、前記培養チャンバおよび前記培養ドアのうち少なくとも1つに形成されるファン部と、を含むことができる。
【0007】
本発明の一実施形態に係る培養システムは、内部に培養プレートが収容されるように形成される内部空間である培養空間を有する培養チャンバと、前記培養プレートが出入りするために、前記培養チャンバに形成される開口を開閉するように、前記培養チャンバに結合される培養ドアと、前記培養プレートにシードを供給するように形成されるシード供給部と、前記培養空間の温度および湿度を調節するための水、水分、空気を供給するように形成される流体供給部と、前記流体供給部に電気的に連結されるプロセッサと、を含み、前記プロセッサは、前記培養空間の温度および湿度のうち少なくとも1つを調節するように前記流体供給部を制御することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によると、シードを培養装置内に効果的に供給および拡散させることで、効率的なシード供給を行うことができる。
【0009】
本発明の実施形態によると、温度、湿度、圧力のような培養に必要な環境要素を安定的かつ効果的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る培養装置を示す図である。
【0011】
図2】本発明の一実施形態に係る培養装置を上面から示す図である。
【0012】
図3】本発明の一実施形態に係る培養チャンバの内部を示す図である。
【0013】
図4】本発明の一実施形態に係る培養チャンバの内部を詳細に示す図である。
【0014】
図5】本発明の一実施形態に係る培養装置を側面から示す図である。
【0015】
図6】本発明の一実施形態に係る培養装置の内部流動を示す図である。
【0016】
図7】本発明の一実施形態に係る培養装置のファン部を示す図である。
【0017】
図8】本発明の一実施形態に係る培養装置の温度調節のために供給される水の流れを示す図である。
【0018】
図9】本発明の一実施形態に係る培養装置を含む培養システムを示す図である。
【0019】
図10】本発明の一実施形態に係るシード供給部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本出願は、2021年12月29日付けの韓国特許出願第10-2021-0191575号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、様々な異なる形態で実現されてもよく、以下の実施形態により制限または限定されるものではない。
【0022】
本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分または本発明の要旨を不要に曖昧にする関連した公知の技術に関する詳細な説明は省略し、本明細書において、各図面の構成要素に参照符号を付するにあたり、明細書の全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては、同一または類似の参照符号を付するものとする。
【0023】
また、本明細書および特許請求の範囲で用いられている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る培養装置100を示す。
【0025】
培養装置100は、培養チャンバ110を含むことができる。例えば、培養チャンバ110は、シードを培養可能な培養空間111の外郭を形成することができる。
【0026】
培養装置100は、培養空間111を含むことができる。例えば、培養空間111は、培養チャンバ110の内部に培養プレート200を収容できる内部空間であってもよい。
【0027】
培養装置100は、培養ドア120を含むことができる。例えば、培養ドア120は、培養空間111の外郭を形成することができる。培養ドア120は、培養プレート200の出入りを可能にするために、培養チャンバ110に形成された開口を開閉できるように培養チャンバ110に結合されることができる。
【0028】
培養チャンバ110および培養ドア120は、培養空間111を外部から閉鎖させることができる。例えば、培養チャンバ110と培養ドア120との間にパッキング部材が配置され、パッキング部材の体積が増加して培養空間111を外部から閉鎖させることができる。
【0029】
培養チャンバ110と培養ドア120は、培養空間111を開放させることができる。例えば、培養チャンバ110と培養ドア120との間にパッキング部材が配置され、パッキング部材の体積が減少して培養空間111を開放させることができる。
【0030】
培養チャンバ110は、ファン部140を含むことができる。例えば、ファン部140は、培養空間111に流動を発生させることができる。また、ファン部140は、培養空間111に供給されるシードを飛散(または、拡散)させることができる。ファン部140は、複数のファンを備えることができる。
【0031】
培養装置100は、水、水分、空気、およびシードが培養空間111に供給されるように設けられる供給ライン部130を含むことができる。供給ライン部130は、複数の供給ラインを含むことができる。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態に係る培養装置100を上面から示す。
【0033】
培養装置100は、培養チャンバ110および培養ドア120を含むことができる。
【0034】
培養チャンバ110は、供給ライン部130を含むことができる。例えば、供給ライン部130は、温度、水分供給、およびシード供給それぞれの調節のために形成されることができる。具体例として、供給ライン部130は、複数の供給ラインからなることができ、温度調節のための水供給、湿度調節のための水分供給、および培養のためのシード供給を行うことができる。供給ライン部130に含まれる複数の供給ラインの一部は、噴射ノズルを含んでもよい。
【0035】
培養チャンバ110は、チャンバ循環チャネル112を含むことができる。例えば、培養チャンバ110は、温度調節のために供給された水を、培養チャンバ110がカバーしている培養空間111の外郭で循環させるように形成されるチャンバ循環チャネル112を含むことができる。前記水が循環する外郭は、培養空間111を囲むシェルの形態であってもよい。
【0036】
培養ドア120は、培養チャンバ110に回転可能に結合されることができる。例えば、培養ドア120は、培養チャンバ110の一部に結合され、開口を基準に回転することで培養空間111を開放させることができる。
【0037】
培養ドア120は、培養チャンバ110に回転可能に結合され、培養空間111に対する開閉を行うことができる。
【0038】
ファン部140は、培養ドア120に結合されることができる。例えば、培養ドア120の一側部にファン部140が結合されることができる。ファン部140は、培養ドア120が培養空間111を閉鎖した場合、培養空間111内に位置するように形成されることができる。
【0039】
ファンモータ141は、培養ドア120に結合されることができる。例えば、ファンモータ141は、培養ドア120の他側部に結合され、培養ドア120の中心を基準にファン部140の反対側に配置されることができる。ファンモータ141は、ファン部140と電気的にまたは作動的に連結され、ファン部140の回転のための駆動力を提供することができる。
【0040】
培養ドア120は、供給ライン部130のうち、水供給ライン133を含むことができる。例えば、培養ドア120は、温度調節のための水が供給されるように設けられる水供給ライン133を含むことができる。
【0041】
培養ドア120は、ドア循環チャネル121を含むことができる。例えば、培養ドア120は、温度調節のために供給された水を、培養ドア120がカバーしている培養空間111の外郭で循環させるように形成されるドア循環チャネル121を含むことができる。前記水が循環する外郭は、培養空間111を囲むシェルの形態であってもよい。
【0042】
図3および図4は、本発明の一実施形態に係る培養チャンバ110の内部を示す。
【0043】
培養チャンバ110は、供給ライン部130を含むことができる。例えば、供給ライン部130は、複数の供給ラインからなることができる。供給ライン部130は、培養空間111に培養対象であるシードを供給するように設けられるシード供給ライン131と、培養に必要な水分および空気を供給するように設けられる水分供給ライン132と、を含むことができる。供給ライン部130は、培養空間111の温度調節のために、培養装置100または培養ドア120に水が供給されるように設けられた水供給ライン133をさらに含んでもよい。ただし、これに限定されない。
【0044】
シード供給ライン131は、複数のシード供給ラインを含むことができる。例えば、シード供給ライン131は、培養チャンバ110の中心を基準に開口の反対側に位置する内部後面に設けられる第1シード供給ライン131-1と、培養チャンバ110の内部側面に設けられる第2シード供給ライン131-2と、を含むことができる。前述した第1シード供給ライン131-1および第2シード供給ライン131-2の位置は例示であり、これに限定されない。
【0045】
第1シード供給ライン131-1は、固体状態のシードである固相シードを少なくとも供給するように設けられることができる。例えば、第1シード供給ライン131-1は、固相シードを供給するように設けられることができる。ただし、これに限定されない。
【0046】
第2シード供給ライン131-2は、培養チャンバ110の内部側面から固相シードを供給することができる。第2シード供給ライン131-2は、培養チャンバ110の内部側面に複数設けられることができる。ただし、これに限定されない。
【0047】
第1シード供給ライン131-1および第2シード供給ライン131-2は、高さが異なるように複数設けられることができる。例えば、第1シード供給ライン131-1は、シードを培養空間111に収容される培養プレート200に容易に拡散させるために、高さが異なる複数の供給ラインからなることができる。また、第2シード供給ライン131-2も、シードを培養空間111に収容される培養プレート200に容易に拡散させるために、高さが異なる複数の供給ラインからなることができる。
【0048】
シード供給ライン131は、噴射ノズルを含むことができ、噴射ノズルによりシードの拡散を容易にすることができる。シード供給ライン131が複数のシード供給ラインを含む場合、噴射ノズルも複数設けられることができる。シード供給ライン131は、無動力ファンを含むことができ、シードが培養空間111に供給される場合、無動力ファンの回転によりシードの拡散を容易にすることができる。
【0049】
培養チャンバ110の内部下面には、湿度調節のための水分および空気が供給されるように設けられる水分供給ライン132が形成されることができる。例えば、水分供給ライン132は、培養チャンバ110の内部下面から培養空間111に水分および空気を供給し、培養空間111の湿度を調節するように設けられることができる。水分供給ライン132は、噴射ノズルを含むことができ、噴射ノズルにより水分の拡散を容易にすることができる。
【0050】
図5は、本発明の一実施形態に係る培養装置を側面から示す。
【0051】
培養装置100は、培養チャンバ110および培養ドア120を含むことができる。
【0052】
培養チャンバ110の内部空間である培養空間111には、培養プレート200が収容されることができる。例えば、培養プレート200は、培養チャンバ110の開口を介して培養空間111に収容されることができる。培養プレート200は、培養対象であるシードの収容量を最大限確保するために、プレートが多段に形成された形態であってもよい。培養プレート200は、下部に移動が容易になるように設けられたホイールを含むことができる。培養チャンバ110の内部下面には、前記ホイールをガイド可能なガイドラインが形成されることができる。
【0053】
培養チャンバ110は、供給ライン部130を含むことができる。供給ライン部130は、温度、水分供給、およびシード供給それぞれの調節のために形成されることができる。例えば、供給ライン部130は、複数の供給ラインからなることができ、複数の供給ラインは、培養空間111に温度調節のための水供給、湿度調節のための水分供給、および培養のためのシード供給を行うことができる。
【0054】
供給ライン部130は、シードが供給されるように設けられたシード供給ライン131を含むことができる。シード供給ライン131は、第1シード供給ライン131-1および第2シード供給ライン131-2を含むことができる。第1シード供給ライン131-1は、培養装置100の内部後面に形成され、第2シード供給ライン131-2は、培養装置100の内部側面に形成されることができる。ただし、これに限定されない。
【0055】
供給ライン部130は、水分および空気が供給されるように設けられた水分供給ライン132を含むことができる。例えば、水分供給ライン132は、培養チャンバ110の内部下面に形成されることができ、培養空間111に水分および空気を供給することができる。
【0056】
培養チャンバ110は、チャンバ循環チャネル112を含むことができる。例えば、培養チャンバ110は、温度調節のために供給された水を培養空間111の外郭で循環させるように形成されるチャンバ循環チャネル112を含むことができる。チャンバ循環チャネル112は、培養空間111を囲む形態で培養チャンバ110のシェル形態の外郭に形成されることができる。
【0057】
培養ドア120は、培養チャンバ110に回転可能に結合され、培養空間111に対する開閉を行うことができる。例えば、培養ドア120は、培養チャンバ110に回転可能に結合されることができる。培養ドア120は、培養チャンバ110の一部に回転可能に結合され、開口を基準に回転することで培養空間111を開放または閉鎖させることができる。
【0058】
培養装置100は、ファン部140を含むことができる。例えば、ファン部140は、培養ドア120に結合されることができる。培養ドア120の一側部にファン部140が結合されることができる。ファン部140は、培養ドア120が培養空間111を閉鎖した場合、培養空間111内に位置するように形成されることができる。
【0059】
培養装置100は、ファンモータ141を含むことができる。例えば、ファンモータ141は、培養ドア120に結合されることができる。ファンモータ141は、培養ドア120の他側部に結合され、培養ドア120の中心を基準にファン部140の反対側に配置されることができる。ファンモータ141は、ファン部140と電気的にまたは作動的に連結され、ファン部140の回転のための駆動力を提供することができる。
【0060】
培養ドア120は、供給ライン部130のうち、水供給ライン133を含むことができる。例えば、培養ドア120は、温度調節のための水が供給されるように設けられる水供給ライン133を含むことができる。ただし、これに限定されない。
【0061】
培養ドア120は、ドア循環チャネル121を含むことができる。例えば、培養ドア120は、温度調節のために供給された水を培養空間111の外郭で循環させるように形成されるドア循環チャネル121を含むことができる。ドア循環チャネル121は、水が培養空間111の開口側の外郭を循環するように、開口を囲むシェルの形態で培養ドア120の外郭に形成されることができる。
【0062】
図6は、本発明の一実施形態に係る培養装置の内部流動を示し、図7は、本発明の一実施形態に係る培養装置のファン部を示す。
【0063】
培養装置100は、ファン部140を含むことができる。また、ファン部140は、複数のファンを含むことができる。例えば、ファン部140は、培養ドア120に設けられ、流動を発生させる第1ファンと、培養チャンバ110に設けられ、流動を発生させる第2ファンと、を含むことができる。
【0064】
図6を参照すると、ファン部140のうち、第1ファンは、培養ドア120に設けられることができる。例えば、培養ドア120は、第1ファンを含むことができ、第1ファンが回転することで、培養空間111に空気の流動が発生することができ、培養空間111内の温度、圧力、湿度のような環境条件が均一に維持されることができる。
【0065】
図7を参照すると、ファン部140のうち、第2ファンは、培養チャンバ110に設けられることができる。例えば、培養チャンバ110の内部側面に第2ファンが設けられることができる。第2ファンは、無動力ファンであってもよく、負圧により外部からシードが供給され、第2ファンが回転することで、培養空間111に流動が形成されることができる。第2ファンは、シード供給ライン131と連結されることができ、シード供給ライン131を介して培養空間111にシードが供給され、第2ファンが回転することで、培養空間111の培養プレート200にシードを均一に飛散(または、拡散)することができる。
【0066】
ファン部140は、回転速度が調節可能に設けられることができる。例えば、ファン部140の回転速度が調節され、流動の程度または飛散(または、拡散)の程度を調節することができる。ファン部140が、培養ドア120に設けられ、流動を発生させる第1ファンと、培養チャンバ110に設けられ、流動を発生させる第2ファンと、を含む場合、それぞれの第1ファンおよび第2ファンの回転速度が調節可能に設けられることができる。
【0067】
培養装置100がファン部140を含むことで、培養空間111に空気の流動およびシードの均一な拡散を発生させることができ、培養空間111内の温度、圧力、湿度のような環境条件が調節または維持されることができる。
【0068】
図8は、本発明の一実施形態に係る培養装置の温度調節のために供給される水の流れを示す。
【0069】
培養装置100は、温度調節のために水の供給を受けることができる。例えば、培養装置100は、培養空間111の温度を調節するために、水(例えば、温水または冷水)の供給を受けることができる。培養装置100に温水が供給される場合には、培養空間111の温度を上げることができ、培養装置100に冷水が供給される場合には、培養空間111の温度を下げることができる。
【0070】
培養装置100は、水供給ライン133を介して水の供給を受けることができる。水供給ライン133は、培養ドア120に形成されることができる。水供給ライン133を介して培養ドア120に供給された水は、ドア循環チャネル121を介して循環することができる。ドア循環チャネル121は、培養ドア120に培養空間111の一部を囲む形態に形成されることができる。ドア循環チャネル121を介して循環する水は、チャンバ循環チャネル112に連結チャネル150を介して伝達されることができる。
【0071】
連結チャネル150は、ドア循環チャネル121とチャンバ循環チャネル112とを連結するように形成されることができる。例えば、ドア循環チャネル121を循環していた水は、ドア循環チャネル121と連結された連結チャネル150に伝達されることができ、連結チャネル150に伝達された水は、連結チャネル150内を循環することができる。連結チャネル150を循環していた水は、チャンバ循環チャネル112に伝達されることができる。
【0072】
チャンバ循環チャネル112に伝達された水は、培養チャンバ110を循環することができる。例えば、培養空間111を囲む形態で培養チャンバ110に形成されたチャンバ循環チャネル112に沿って、チャンバ循環チャネル112に伝達された水が循環することができる。
【0073】
培養装置100に水供給ライン133を介して伝達された水(例えば、温水または冷水)は、培養空間111の外郭を形成する培養ドア120および培養チャンバ110を循環することで、培養空間111の温度を調節することができる。
【0074】
図9は、本発明の一実施形態に係る培養装置100を含む培養システム300を示す。
【0075】
培養システム300は、培養装置100を含むことができる。培養システム300に含まれる培養装置100には、前述した図1~8を参照して説明した培養装置100に関する説明が同様に適用されることができる。
【0076】
培養システム300は、シード供給部310を含むことができる。
【0077】
シード供給部310は、培養装置100に培養のためのシードを供給するように設けられることができる。例えば、シード供給部310は、シード供給ライン131に培養されるシードを供給することができる。シード供給部310は、シード供給ライン131を介して、培養空間111内に収容可能な培養プレート200にシードを供給することができる。シード供給部310は、シードの種類や特性に応じた複数のシード供給部を含むことができる。シード供給部310は、固体状態のシードである固相シードを供給する固相シード供給部、および液体状態のシードである液相シードを供給する液相シード供給部のうち1つを含むことができる。液相シードは、液体のみからなるシードだけでなく、液体および固体が混合された形態のシードを含むことができる。
【0078】
培養システム300は、流体供給部320を含むことができる。
【0079】
流体供給部320は、培養空間111の温度および湿度を調節するための水、水分、空気を供給するように形成されることができる。
【0080】
流体供給部320は、培養空間111の温度調節のための水を供給するように設けられる水供給部321を含むことができる。例えば、水供給部321は、供給する水の温度を調節することができる。培養空間111の温度を上げようとする場合、水供給部321は、温水(または、高温の水)を水供給ライン133を介して培養装置100に供給することができる。培養空間111の温度を下げようとする場合、水供給部321は、冷水(または、低温の水)を水供給ライン133を介して培養装置100に供給することができる。
【0081】
流体供給部320は、図示してはいないが、別の水分供給部を用いて、水分供給ライン132を介して、培養空間111に湿度調節のための水分を供給することができる。
【0082】
流体供給部320は、図示してはいないが、別の空気供給部を用いて、培養空間111に空気を供給してもよい。
【0083】
流体供給部320は、コンデンサ322および圧力ポンプ323を含むことができる。例えば、コンデンサ322および圧力ポンプ323は、培養空間と連結ラインを介して連結されることができ、培養空間111の内圧を調節することができる。コンデンサ322および圧力ポンプ323は、培養空間111の内圧を下げることで、負圧を形成することができる。コンデンサ322および圧力ポンプ323は、培養空間111の内圧を下げることで、培養空間111の内圧を真空に対応するように調節することができる。
【0084】
培養空間111に負圧が形成される場合、シード供給部310が供給する培養シードが圧力差によりシード供給ライン131を介して培養空間111に移動することができる。シードは、培養空間111内に収容される培養プレート200に供給されることができる。
【0085】
培養システム300は、プロセッサ330を含むことができる。
【0086】
プロセッサ330は、シード供給部310および流体供給部320のうち少なくとも1つと電気的に連結されることができる。プロセッサ330は、シード供給部310および流体供給部320のうち少なくとも1つに含まれる構成の動作らを制御することができる。
【0087】
プロセッサ330は、培養装置100と電気的に連結され、培養装置100の構成に対する制御を行うことができる。例えば、プロセッサ330は、培養装置100に含まれるファン部140の回転速度に対する制御を行うことができる。ただし、これに限定されない。
【0088】
図10は、本発明の一実施形態に係るシード供給部310を示す。図10のシード供給部310は、固相シード供給部であることを前提に説明したが、これに限定されない。
【0089】
シード供給部310は、固相シード貯蔵部410を含むことができる。固相シード貯蔵部410は、固相シードが貯蔵されるように設けられることができ、シード供給ライン131と連結されることができる。培養空間111に負圧が形成される場合、固相シード貯蔵部410に貯蔵されている固相シードが圧力差によりシード供給ライン131を介して培養空間111に移動することができる。
【0090】
シード供給部310は、ミキサ420を含むことができ、ミキサ420は、ブレード430を含むことができる。例えば、固相シード貯蔵部410に貯蔵された固相シードは、ミキサ420に含まれるブレード430により粉砕されることができる。ミキサ420の駆動力によりブレード430が回転することで固相シードを粉砕することができる。
【0091】
固相シード供給部310は、圧縮空気投入ライン440をさらに含むことができる。圧縮空気投入ライン440は、固相シードが貯蔵された固相シード貯蔵部410に圧縮空気を噴射することで固相シードを浮遊させることができる。圧縮空気投入ライン440を介して固相シード貯蔵部410に圧縮空気が投入され、固相シードが浮遊することで、固相シードが固相シード貯蔵部410内に沈殿したり固まったりする現象を抑制することができる。
【0092】
以上、限定された実施形態および図面により本発明を説明したが、本発明は、これにより限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により、本発明の技術思想および後述する特許請求の範囲と均等な範囲内で様々な実施が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】