(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】自走式装置の制御方法、装置、電子機器および可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G05D 1/661 20240101AFI20241203BHJP
G05D 1/247 20240101ALI20241203BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20241203BHJP
【FI】
G05D1/661
G05D1/247
G05D1/43
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540625
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2022105544
(87)【国際公開番号】W WO2023130707
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】202210004272.3
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523065214
【氏名又は名称】北京石頭創新科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Roborock Innovation Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 1201, Floor 12, Building 3, Yard 17, Anju Road, Changping District, Beijing 102206, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100230640
【氏名又は名称】高山 望
(72)【発明者】
【氏名】祁 勝軍
(72)【発明者】
【氏名】王 磊
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301FF08
5H301GG05
5H301GG14
5H301QQ04
(57)【要約】
本出願は、自走式装置の制御方法、装置、電子機器および可読記憶媒体を開示し、装置制御の技術分野に関し、固定パイルに向かって移動するときに、線速度または角速度を動的に調整することにより自走式装置の揺動幅を制御し、自走式装置がパイルに正確に位置合わされ、パイル登り効率とパイル登り成功率が向上し、パイル戻り安定性が良好である。前記方法は、パイル戻り過程中固定パイル位置を決定し、固定パイル位置に向かって移動すること、現在位置と固定パイル位置間の距離情報を統計すること、距離情報に適合する装置移動速度を計算し、装置移動速度に従って、固定パイル位置に向かって移動すること、を含み、装置移動速度は自走式装置の線速度または角速度を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイル戻り過程において固定パイル位置を決定し、前記固定パイル位置に向かって移動することと、
現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報を統計することと、
前記距離情報に適合する装置移動速度を計算し、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動し、前記装置移動速度は自走式装置の線速度または角速度を含むことと、を含む、自走式装置の制御方法。
【請求項2】
前記パイル戻り過程において固定パイル位置を決定し、前記固定パイル位置に向かって移動することは、
少なくとも1つの固定パイル信号を収集することと、
前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号強度に従って、前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号源を決定することと、
前記信号源が示す位置を前記固定パイル位置として使用し、前記固定パイル位置に向かって移動することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報を統計することは、
前記自走式装置が前記固定パイルにより送信されたパイル戻り信号の範囲内に移動するとき、測距装置によって固定パイルに対する自身の距離を測定することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報を統計することは、
前記現在位置で収集された指定された固定パイル信号を取得し、前記指定された固定パイル信号の指定された信号強度を識別することと、
前記指定された信号強度に対応する伝送距離を検索し、前記伝送距離を前記現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報として使用することとを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報を統計した後に、前記方法は、
距離閾値を取得し、前記距離情報と前記距離閾値を比較することと、
前記距離情報が前記距離閾値よりも大きい場合、距離情報をリアルタイムで連続的に統計し、リアルタイムで統計された距離情報と前記距離閾値を比較することと、
前記距離情報が前記距離閾値以下である場合、前記距離情報に適合する装置移動速度を計算し、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動することと、をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記距離情報に適合する装置移動速度を計算することは、
前記自走式装置の現在装置速度を取得し、予め設定された速度計算パラメータを決定し、前記予め設定された速度計算パラメータに従って前記距離情報と前記現在装置速度を計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記現在装置速度は、前記自走式装置の現在の角速度または線速度であり、前記予め設定された速度計算パラメータは、前記距離情報に従って前記現在装置速度を減少調整する戦略を示すこと、または、
予め設定された速度調整式を決定し、前記現在装置速度と前記距離情報を前記予め設定された速度調整式に入力して計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記予め設定された速度調整式は距離情報と現在装置速度間の線形または非線形の調整関係を示すこと、を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記距離情報に適合する装置移動速度を計算することは、
予め設定された関連関係を取得し、前記予め設定された関連関係は、複数のサンプル距離区間、および前記複数のサンプル距離区間のうちの各サンプル距離区間に対応するサンプル装置速度を含むことと、
前記複数のサンプル距離区間において前記距離情報に当たった目標サンプル距離区間を検索し、前記予め設定された関連関係において、前記目標サンプル距離区間に対応する目標サンプル装置速度を決定することと、
前記目標サンプル装置速度を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用することと、を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報をリアルタイムで連続的にまたは周期的に統計し、前記距離情報に適合する装置移動速度を連続的に計算し、前記装置移動速度に従って、所定位置スイッチがトリガされるか、または通電信号が受信されるまで、前記固定パイル位置に向かって移動すること、をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
パイル戻り過程において固定パイル位置を決定し、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される移動モジュールと、
現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報を統計するために使用される統計モジュールと、
前記距離情報に適合する装置移動速度を計算するために使用される計算モジュールと、を備え、
前記移動モジュールは、さらに、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用され、前記装置移動速度は自走式装置の線速度または角速度である、自走式装置の制御装置。
【請求項10】
前記移動モジュールは、少なくとも1つの固定パイル信号を収集し、前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号強度に従って、前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号源を決定し、前記信号源が示す位置を前記固定パイル位置として使用し、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記統計モジュールは、前記現在位置で収集された指定された固定パイル信号を取得し、前記指定された固定パイル信号の指定された信号強度を識別し、前記指定された信号強度に対応する伝送距離を検索し、前記伝送距離を前記現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報として使用するために使用される、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、
距離閾値を取得し、前記距離情報と前記距離閾値を比較するために使用される取得モジュールをさらに備え、
前記統計モジュールはさらに、前記距離情報が前記距離閾値よりも大きい場合、距離情報をリアルタイムで連続的に統計し、リアルタイムで統計された距離情報と前記距離閾値を比較するために使用され、
前記計算モジュールはさらに、前記距離情報が前記距離閾値以下である場合、前記距離情報に適合する装置移動速度を計算し、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される、請求項9または10に記載の装置。
【請求項13】
前記計算モジュールは、
前記自走式装置の現在装置速度を取得し、予め設定された速度計算パラメータを決定し、前記予め設定された速度計算パラメータに従って前記距離情報と前記現在装置速度を計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記現在装置速度は前記自走式装置の現在の角速度または線速度であり、前記予め設定された速度計算パラメータは、前記距離情報に従って前記現在装置速度を減少調整する戦略を示す、
または、
予め設定された速度調整式を決定し、前記現在装置速度と前記距離情報を前記予め設定された速度調整式に入力して計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記予め設定された速度調整式は距離情報と現在装置速度間の線形または非線形の調整関係を示すために使用される、請求項9~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記計算モジュールは、予め設定された関連関係を取得し、前記予め設定された関連関係は、複数のサンプル距離区間、および前記複数のサンプル距離区間のうちの各サンプル距離区間に対応するサンプル装置速度を含み、前記複数のサンプル距離区間において前記距離情報に当たった目標サンプル距離区間を検索し、前記予め設定された関連関係において、前記目標サンプル距離区間に対応する目標サンプル装置速度を決定し、前記目標サンプル装置速度を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用するために使用される、請求項9~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記統計モジュールはさらに、現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報をリアルタイムで連続的にまたは周期的に統計し、前記距離情報に適合する装置移動速度を連続的に計算し、前記装置移動速度に従って、所定位置スイッチがトリガされるか、または通電信号が受信されるまで、前記固定パイル位置に向かって移動する、請求項9~14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
メモリとプロセッサを備え、前記メモリにコンピュータプログラムが記憶されており、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると請求項1~8のいずれか1項に記載の方法のステップを実行する、電子機器。
【請求項17】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると請求項1~8のいずれか1項に記載の方法のステップを実行する、可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2022年1月4日に出願された中国特許出願202210004272.3の優先権を主張し、上記中国特許出願のすべての開示内容は本出願の一部として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、装置制御の技術分野に関し、特に自走式装置の制御方法、装置、電子機器および可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
自走式装置は、プログラムの制御下で自動的に移動可能な装置であり、例えば、掃き掃除用自走式装置、モップ掛け用自走式装置、窓拭き用自走式装置等が挙げられる。自走式装置は、ユーザからの制御命令を受信し、制御命令に応答して作業を実行することができる。作業が完了した後、あるいは、ユーザからパイルに戻る命令を受信した後、あるいは、電力が低下した場合、自走式装置は、充電またはメンテナンス(例えば、集塵、モップ掛け布の清掃など)のために自動的に充電パイルに戻る。
【0004】
関連技術では、パイルに戻る過程では、パイル登りの成功率を確保するために、パイルから一定の距離を置いた後、パイルに前進または後退方向で充電し、パイルの中心でパイルに整列する必要がある。パイルの所定位置スイッチがトリガされると、携帯端末が成功にパイルに戻ったことを意味し、充電やその他の機能を開始する。そのため、どのようにして正確かつ安定的に所定位置スイッチをトリガさせるかが、解決すべき緊急の課題となっている。
【発明の概要】
【0005】
本出願の第1態様によれば、自走式装置の制御方法を提供し、該方法は、
パイル戻り過程において固定パイル位置を決定し、前記固定パイル位置に向かって移動することと、
現在位置と前記固定パイル位置間の距離情報を統計することと、
前記距離情報に適合する装置移動速度を計算し、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動し、前記装置移動速度は自走式装置の線速度または角速度を含むことと、を含む。
【0006】
本出願の第2態様によれば、自走式装置の制御装置を提供し、該装置は、
パイル戻り過程において固定パイル位置を決定し、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される移動モジュールと、
現在位置と前記固定パイル位置間の距離情報を統計するために使用される統計モジュールと、
前記距離情報に適合する装置移動速度を計算するために使用される計算モジュールと、を備え、
前記移動モジュールは、さらに、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用され、前記装置移動速度は自走式装置の線速度または角速度である。
【0007】
本出願の第3態様によれば、電子機器を提供し、メモリとプロセッサを備え、前記メモリにコンピュータプログラムが記憶されており、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると上記第1側面のいずれか1項に記載の方法のステップを実行する。
【0008】
本出願の第4態様によれば、可読記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると上記第1側面のいずれか1項に記載の方法のステップを実行する。
【0009】
上記説明は本出願の技術的解決策の概要に過ぎず、本出願の技術手段をより明確に理解するために、明細書の内容に従って実施し、本出願の上記および他の目的、特徴および利点をより明白かつ容易に理解するために、以下、本出願の具体的な実施形態を特に引用する。
【0010】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、様々な他の利点および利益は当業者にとって明らかになるであろう。添付図面は好ましい実施形態を示す目的でのみ使用され、本出願を限定するものではない。添付図面全体を通じて、同一符号は同一部材を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本出願の実施例によって提供される自走式装置の制御方法流れを示す模式図
【
図2】本出願の実施例によって提供される自走式装置の制御方法流れを示す模式図
【
図3】本出願の実施例によって提供される自走式装置の制御装置の構造を示す模式図
【
図4】本出願の実施例によって提供される自走式装置の制御装置の構造を示す模式図
【
図5】本出願の実施例によって提供される電子機器の装置構造を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願発明の例示的な実施例について、添付図面を参照してより詳細に説明する。本願の例示的な実施例が添付の図面に示されているが、しかしながら、本願は、本明細書に規定される実施例によって限定されることなく、様々な形態で実施され得ることが理解されるべきである。むしろ、これらの実施例は、本出願のより完全な理解を可能にし、当業者に本出願の範囲を完全に伝えることを可能にするために提供される。
【0013】
本出願は、既存の自走式装置のパイル戻り安定性が低く、パイル登り成功率が高くないという問題を解決することができる、自走式装置の制御方法、装置、電子機器および可読記憶媒体を提供する。
【0014】
自走式装置が後方でパイルに戻る過程において、後方所定位置スイッチのトリガに依存するため、パイル戻りを安定化させるために、清掃パイル、充電パイルなどの固定パイルに制限溝が設けられ、制限溝によって自走式装置の尾部を固定することが多い。
【0015】
制限溝の存在により、掃き掃除ロボット、モップ掛けロボットなどの自走式装置のソフトウエアはそれに応じて適合させる必要があり、すなわち、制限溝に近づけると、自走式装置の尾部が狭くなる信号に従って揺動して追跡する(すなわち左右に揺動してパイル戻り動作を行う)。自走式装置が走行する線速度または角速度が比較的大きい場合、自走式装置の尾部が制限溝からずれてパイル戻りの失敗することがあり、パイルから離れた後再度パイル戻り操作を実行する必要があり、逆に、比較的小さい場合、自走式装置は制限溝の位置を見つけるために多くの時間を消費する必要があり、パイル登り効率が相対的に低い。そこで、自走式装置の尾部が効率的かつ正確に制限溝に進入して所定位置スイッチをトリガさせるために、本実施例は自走式装置の制御方法を提供し、パイル戻り動作を実行する際に、固定パイル位置を決定し、固定パイル位置に向かって移動し、現在位置と固定パイル位置の間の距離情報を統計し、距離情報に適合する線速度または角速度を装置移動速度として計算し、上記装置移動速度に従って固定パイル位置に向かって移動し、固定パイルとの距離に従って自走式装置の線速度または角速度を減少させ、線速度または角速度を動的に調整することにより自走式装置の移動速度および揺動幅を制御し、自走式装置がパイルに正確に位置合わされ、パイル登り効率とパイル登り成功率が向上し、パイル戻り安定性が良好である。
【0016】
本出願の実施例は自走式装置の制御方法を提供し、
図1に示すように、該方法は、以下のステップを含む。
【0017】
101、パイル戻り過程において固定パイル位置を決定し、固定パイル位置に向かって移動する。
【0018】
ここで、自走式装置とユーザが持つ端末との間にデータリンクが存在し、ユーザは端末を操作することにより、自走式装置に掃き掃除の開始、充電、パイルに戻るなどの移動制御命令を与えることができ、ユーザの両手が自由になる。従って、自走式装置は、通常の作業において、端末からの、自走式装置を制御して固定パイルに戻り、充電、洗浄のためにパイルに戻る等のパイル登り操作を行うための移動制御命令をユーザから受けることになるので、移動制御命令に応じて、自走式装置は、固定パイルの位置を決定し、固定パイルの位置に向かって移動する。なお、自走式装置は、対応する作業を完了した後、充電、集塵、戻り洗浄の操作を行うために、自動的に固定パイルに戻り、このとき、固定パイルの位置を決定してから、固定パイルの位置に向かって移動する必要がある。したがって、自走式装置のパイル戻り操作は能動的な動作であっても受動的な動作であってもよく、本出願では具体的に限定されない。
【0019】
固定パイル位置は固定パイルの現在位置であり、固定パイルは自走式装置の充電のための充電パイルであってもよく、自走式装置の洗浄やメンテナンスのための清掃パイルであってもよく、自走式装置に清浄水を供給し、集塵、自走式装置上の清掃部材を清掃し、自走式装置の汚水を収容することのいずれか1つの機能または任意機能の組み合わせであってもよく、充電と洗浄メンテナンス機能を兼ねるパイルであってもよい。本出願では、固定パイルの具体的な機能は限定されない。
【0020】
102、パイル戻り信号を検出した場合、現在位置と固定パイル位置の間の距離情報を統計する。
【0021】
本実施例では、自走式装置がパイル戻り操作を開始する必要があると判定した場合、まずその前に保存した固定パイルの地図中の位置に応じて固定パイル方向に向かって移動する。自走式装置が固定パイルのパイル戻り信号カバー範囲内にあることを検出し(すなわちパイル戻り信号を検出した場合)、すなわち自身が固定パイル領域に位置することを検出した場合、パイル戻り信号から自身の固定パイル中心位置に対するオフセットを決定し、該オフセットに従って自身を固定パイルの中心位置に位置合わせる位置に移動させるように制御し(すなわち固定パイルの真正面に移動し)、測距装置によって固定パイルに対する自身の距離を測定する。
【0022】
ここで、本出願は、固定パイルからの距離に基づいて自走式装置の線速度または角速度を減少させ、線速度または角速度を動的に調整し、自走式装置の揺動幅を制御するので、自走式装置は、現在位置と固定パイル位置の間の距離情報を連続的に統計し、統計された距離情報に従って装置移動速度を決定する。距離情報は、現在位置と固定パイル位置間の直線距離であってもよく、自走式装置と固定パイル間の障害物が自走式装置の速度調整を妨げることを回避する。
【0023】
103、距離情報に適合する装置移動速度を計算し、該装置移動速度に従って、固定パイル位置に向かって移動する。
【0024】
ここで、距離情報を決定した後、距離情報に適合する装置移動速度を計算し、装置移動速度に従って、固定パイル位置に向かって移動する必要がある。具体的に、計算された装置移動速度は距離情報に適合する速度であり、装置移動速度は距離情報の減少に従って減少する。すなわち、自走式装置と固定パイル間の距離が近いほど、自走式装置の装置移動速度が小さくなり、自走式装置のパイル位置決めの精度を確保する。
【0025】
さらに、装置移動速度は自走式装置の線速度または角速度を含むことができ、線速度または角速度を動的に調整することにより、自走式装置の揺動幅を制御することができ、自走式装置と固定パイル間の距離が近いほど、揺動幅が小さくなり、自走式装置が制限溝外面に揺動するか、または信号を失うことを回避することができる。
【0026】
本出願の実施例によって提供される方法は、現在位置と固定パイル位置の間の距離情報に基づいて、距離情報に適合する線速度または角速度を装置移動速度として計算し、装置移動速度に従って固定パイル位置に向かって移動し、固定パイルからの距離に基づいて自走式装置の線速度または角速度を減少させ、線速度または角速度を動的に調整することにより自走式装置の揺動幅を制御し、自走式装置がパイルに正確に位置合わされ、パイル登り効率とパイル登り成功率が向上し、パイル戻り安定性が良好である。
【0027】
さらに、上記実施例の具体的な実施形態の微細化および拡張として、本実施例の具体的な実施過程を完全に説明するために、本出願の実施例は別の自走式装置の制御方法を提供し、
図2に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0028】
201、パイル戻り過程において、少なくとも1つの固定パイル信号を収集する。
【0029】
本出願の実施例では、自走式装置が充電、戻り洗浄などのパイル登り操作のために固定パイルに戻る場合を例にして説明し、自走式装置がパイル戻り過程において予め設定された収集範囲内の少なくとも1つの固定パイル信号を収集する必要があり、後に固定パイル信号の強度に応じて現在固定パイルの配置位置を決定し、該位置に向かって移動する。ここで、少なくとも1つの固定パイル信号は固定パイルから外部に放送する信号であり、具体的に、パイル戻り信号などであってもよい。固定パイルから放射するパイル戻り信号範囲は限られているので、自走式装置がパイル戻り信号を収集した後、すなわち固定パイルが位置する領域に入ったことを意味し、固定パイル信号の指示に従って移動することができる。
【0030】
202、少なくとも1つの固定パイル信号の信号強度に従って、少なくとも1つの固定パイル信号の信号源を決定し、信号源が示す位置を固定パイル位置として使用し、固定パイル位置に向かって移動する。
【0031】
本出願の実施例では、自走式装置が固定パイル信号カバー範囲内に移動したとき、固定パイル信号を連続的に受信し、固定パイルに近いほど固定パイル信号の強度が強くなり、固定パイルから遠いほど固定パイル信号の強度が弱くなる。したがって、少なくとも1つの固定パイル信号を受信した後、少なくとも1つの固定パイル信号の信号強度に従って、自走式装置は少なくとも1つの固定パイル信号の信号源を決定することができ、信号源が示す位置を固定パイル位置として使用し、該固定パイル位置は固定パイルの現在位置であり、自走式装置が固定パイル位置に向かって移動する。
【0032】
203、現在位置で収集された指定された固定パイル信号を取得し、指定された固定パイル信号の指定された信号強度を識別し、指定された信号強度に対応する伝送距離を検索し、伝送距離を現在位置と固定パイル位置間の距離情報として使用する。
【0033】
本出願の実施例では、本出願は主に自走式装置と固定パイルの間の距離に基づいて装置移動速度を調整するので、自走式装置は現在位置で収集された指定された固定パイル信号を取得し、指定された固定パイル信号の指定された信号強度を識別する。指定された信号強度は、自走式装置の現在位置と固定パイルの間の距離を示し、信号強度と距離間は関連性があるため、自走式装置は指定された信号強度に対応する伝送距離を検索し、伝送距離を現在位置と固定パイル位置間の距離情報として使用し、後に該距離情報に従って速度を調整し、パイル登り効率を向上させる。
【0034】
204、距離閾値を取得し、距離情報と距離閾値を比較し、距離情報が距離閾値よりも大きい場合、上記ステップ203を繰り返して実行し、距離情報が距離閾値以下である場合、下記ステップ205を実行する。
【0035】
本出願の実施例では、自走式装置が固定パイルから遠い場合に速度を調整する意味が大きくないことを考慮すると、自走式装置が固定パイルから近いときの速度によって自走式装置がパイルに正確に登ることができるかどうかを真に决定することができる。したがって、距離閾値を設定し、距離閾値に基づいて自走式装置が固定パイル間の距離から速度を調整するタイミングを制御し、すなわち距離閾値を取得し、距離情報と距離閾値を比較する。これに対応して、距離情報が距離閾値よりも大きい場合、自走式装置が固定パイルから遠く、速度を調整する必要がないが、距離情報をリアルタイムで連続的に統計し、リアルタイムで統計された距離情報と距離閾値を比較する必要があるため、上記ステップ203を繰り返して実行し、距離情報が距離閾値以下である場合、自走式装置が固定パイルの近くにあることを示し、自走式装置の速度を調整してパイルに正確に位置合わせる必要があるため、下記ステップ205を実行する。
【0036】
実際の応用過程中、距離閾値は20cm、30cmなどであってもよく、自走式装置のパイル登り精度を向上させるために、距離閾値を適切に大きくしてもよく、本出願では距離閾値の具体値を限定することがない。
【0037】
205、距離情報が距離閾値以下である場合、距離情報に適合する装置移動速度を計算し、装置移動速度に従って、固定パイル位置に向かって移動する。
【0038】
本出願の実施例では、距離情報が距離閾値以下である場合、自走式装置が固定パイルの近くに位置したことを示し、自走式装置の速度を調整してパイルに正確に位置決めることを開始する必要があるため、距離情報に適合する装置移動速度を計算し、装置移動速度に従って、固定パイル位置に向かって移動する。1つの選択可能な実施態様では、装置移動速度は以下の3つの方法のうちのいずれか1つの方法を使用して計算される。
【0039】
第1方法、自走式装置の現在装置速度を取得し、予め設定された速度計算パラメータを決定し、予め設定された速度計算パラメータに従って距離情報と現在装置速度を計算し、得られた計算結果を距離情報に適合する装置移動速度として使用する。ここで、予め設定された速度計算パラメータは距離情報に従って現在装置速度を減少調整する戦略を示し、すなわち予め設定された速度計算パラメータに従って現在の距離情報を決定した前提下で、自走式装置は角速度または線速度をどれだけ増減させて正確なパイル登りを確保する。実際の応用過程において、線形関数、指数関数などのアルゴリズムを設定し、設定されたアルゴリズムを参照し、予め設定された速度計算パラメータに従って距離情報と現在装置速度を計算して装置移動速度を得る。
【0040】
第2方法、予め設定された速度調整式を決定し、現在装置速度と距離情報を予め設定された速度調整式に入力して計算し、得られた計算結果を距離情報に適合する装置移動速度として使用する。ここで、予め設定された速度調整式は距離情報と現在装置速度間の線形または非線形の調整関係を示し、具体的に、予め設定された速度調整式はZ=X-0.5Yの線形式であってもよく、Zは装置移動速度を示し、Xは現在装置速度を示し、Yは距離情報を示し、このように、XとYの値を該式に入力すればZの値を取得することができ、Zの値に従って固定パイルに向かって移動する。なお、上記の式は単なる一例に過ぎず、実際の応用過程中、予め設定された速度調整式は指数関数、対数関数などの非線形かつ現在装置速度を距離情報の増減に伴って増減させることができる式であってもよく、本出願では予め設定された速度調整式の具体的な内容は限定されるものではない。
【0041】
第3方法、まず、予め設定された関連関係を取得し、予め設定された関連関係は複数のサンプル距離区間および複数のサンプル距離区間中の各サンプル距離区間に対応するサンプル装置速度を含み、予め設定された関連関係は自走式装置のパイル登り過程を複数回実験して生成されてもよい。すなわち、事前に複数のサンプル距離区間を設け、自走式装置のパイル登り過程を複数回実行し、各パイル登り過程においてそれぞれ複数のサンプル距離区間のうちの各サンプル距離区間に対応する適切な角速度または線速度値を記録し、最後に、各サンプル距離区間について複数回パイル登り過程において適切な角速度または線速度を取得し、該サンプル距離区間に対応する角速度または線速度の平均値を計算し、該平均値を該サンプル距離区間に対応するサンプル装置速度として使用する。このように、実際応用の過程において、複数のサンプル距離区間において距離情報に当たった目標サンプル距離区間を検索し、予め設定された関連関係において目標サンプル距離区間に対応する目標サンプル装置速度を決定し、目標サンプル装置速度を距離情報に適合する装置移動速度として使用する。第3方法により、サンプル実験方法を用いて各距離に対応する最適な装置移動速度を決定し、直接所定の最適な装置移動速度に従って自走式装置を制御して固定パイルに向かって移動し、リアルタイムで速度を計算する必要がなく、自走式装置の計算負担を軽減することができる。
【0042】
このように、上記ステップ201~ステップ205の過程を行うことにより、パイル戻り速度を動的に調整することで自走式装置のパイル戻り安定性を確保し、パイル登り成功率を確保することができる。なお、上記ステップ201~ステップ205の説明は装置移動速度を1回だけ動的に調整する過程であり、実際の応用過程中、自走式装置は現在位置と固定パイル位置の間の距離情報をリアルタイムで連続的にまたは周期的に(例えば2秒ごとに速度を調整する)統計し、距離情報に適合する装置移動速度を連続的に計算し、装置移動速度に従って、固定パイル位置に向かって移動し、自走式装置の尾部が所定位置スイッチをトリガするか、または通電信号を受信するまで、自走式装置の尾部が固定パイルの制限溝に進入し、充電または洗浄を開始する。
【0043】
本出願の実施例によって提供される方法は、パイル戻り過程において固定パイルからの距離情報を用いて、距離情報に適合する線速度または角速度を装置移動速度として計算し、装置移動速度に従って、固定パイル位置に向かって移動し、固定パイルからの距離に従って自走式装置の線速度または角速度を減少させ、線速度または角速度を動的に調整することにより自走式装置の揺動幅を制御し、自走式装置がパイルに正確に位置合わされ、パイル登り効率とパイル登り成功率が向上し、パイル戻り安定性が良好である。
【0044】
さらに、
図1に記載の方法の具体的な態様として、本出願の実施例は自走式装置の制御装置を提供し、
図3に示すように、前記装置は、移動モジュール301、統計モジュール302、計算モジュール303を備える。
【0045】
該移動モジュール301は、パイル戻り過程において固定パイル位置を決定し、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用され、
該統計モジュール302は、現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報を統計するために使用され、
該計算モジュール303は、前記距離情報に適合する装置移動速度を計算するために使用され、
該移動モジュール301はさらに、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用され、前記装置移動速度は自走式装置の線速度または角速度である。
【0046】
具体的な応用シナリオでは、該移動モジュール301は、少なくとも1つの固定パイル信号を収集し、前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号強度に従って、前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号源を決定し、前記信号源が示す位置を前記固定パイル位置として使用し、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される。
【0047】
具体的な応用シナリオでは、該統計モジュール302は、前記現在位置で収集された指定された固定パイル信号を取得し、前記指定された固定パイル信号の指定された信号強度を識別し、前記指定された信号強度に対応する伝送距離を検索し、前記伝送距離を前記現在位置と前記固定パイル位置間の距離情報として使用するために使用される。
【0048】
具体的な応用シナリオでは、
図4に示すように、該装置は、取得モジュール401をさらに備える。
【0049】
該取得モジュール401は、距離閾値を取得し、前記距離情報と前記距離閾値を比較するために使用され、
該統計モジュール302はさらに、前記距離情報が前記距離閾値よりも大きい場合、距離情報をリアルタイムで連続的に統計し、リアルタイムで統計された距離情報と前記距離閾値を比較するために使用され、
該計算モジュール303はさらに、前記距離情報が前記距離閾値以下である場合、前記距離情報に適合する装置移動速度を計算し、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される。
【0050】
具体的な応用シナリオでは、該計算モジュール303は、前記自走式装置の現在装置速度を取得し、予め設定された速度計算パラメータを決定し、前記予め設定された速度計算パラメータに従って前記距離情報と前記現在装置速度を計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記現在装置速度は前記自走式装置現在の角速度または線速度であり、前記予め設定された速度計算パラメータは、前記距離情報に従って前記現在装置速度を減少調整する戦略を示す、または、予め設定された速度調整式を決定し、前記現在装置速度と前記距離情報を前記予め設定された速度調整式に入力して計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記予め設定された速度調整式は距離情報と現在装置速度間の線形または非線形の調整関係を示すために使用される。
【0051】
具体的な応用シナリオでは、該計算モジュール303は、予め設定された関連関係を取得し、前記予め設定された関連関係は、複数のサンプル距離区間、および前記複数のサンプル距離区間中の各サンプル距離区間に対応するサンプル装置速度を含み、前記複数のサンプル距離区間において前記距離情報に当たった目標サンプル距離区間を照会し、前記予め設定された関連関係において、前記目標サンプル距離区間に対応する目標サンプル装置速度を決定し、前記目標サンプル装置速度を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用するために使用される。
【0052】
具体的な応用シナリオでは、該統計モジュール302はさらに、現在位置と前記固定パイル位置間の距離情報をリアルタイムで連続的にまたは周期的に統計し、前記距離情報に適合する装置移動速度を連続的に計算し、前記装置移動速度に従って、所定位置スイッチがトリガされるか、または通電信号が受信されるまで、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される。
【0053】
本出願の実施例によって提供される装置は、パイル戻り過程中固定パイルからの距離情報を用いて、距離情報に適合する線速度または角速度を装置移動速度として計算し、装置移動速度に従って、固定パイル位置に向かって移動し、固定パイルからの距離を用いて自走式装置の線速度または角速度を減少させ、線速度または角速度を動的に調整することにより自走式装置の揺動幅を制御し、自走式装置がパイルに正確に位置合わされ、パイル登り効率とパイル登り成功率が向上し、パイル戻り安定性が良好である。
【0054】
なお、本出願の実施例によって提供される自走式装置の制御装置にかかる各機能ユニットの他の対応の説明は、
図1および
図2の対応の説明を参照すればよく、ここでは繰り返さない。
【0055】
例示的な実施例では、
図5を参照すると、電子機器をさらに提供し、該電子機器はバス、プロセッサ、メモリおよび通信インターフェースを備え、入出力インターフェースおよび表示装置をさらに備えてもよく、ここで、各機能ユニット間はバスを介して相互の通信を達成することができる。該メモリにコンピュータプログラムが記憶されており、プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを実行し、上記実施例の自走式装置の制御方法を実行する。
【0056】
コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると前記の自走式装置の制御方法のステップを実行する。
【0057】
以上の実施形態の説明により、本出願はハードウェアによって、ソフトウエアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームによって実現することが当業者には明らかである。このような理解に基づいて、本出願の技術的解決策はソフトウエア製品の形態で具現化することができ、該ソフトウエア製品は1つの不揮発性記憶媒体(CD-ROM、USBディスク、リムーバブルハードディスクなど)に記憶され、多数の命令を含んで1台コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバー、またはネットワーク装置など)に本出願の各実施態様に記載の方法を実行させる。
【0058】
添付図面は好ましい実施態様の模式図に過ぎず、添付図面中のモジュールまたは流れは本出願を実施するために必ずしも必要ではないことは当業者にとって明らかである。
【0059】
当業者であれば、実施態様中の装置のモジュールは実施態様の説明に従って実施態様の装置に分布されてもよく、対応する変更に伴って本実施態様と異なる1つまたは複数の装置に分布されてもよい。上記実施態様のモジュールは1つのモジュールとして統合されてもよく、複数のサブモジュールにさらに分割されてもよい。
【0060】
上記本出願の番号は説明のためのものに過ぎず、実施態様のメリットを示すものではない。
【0061】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記パイル戻り過程中固定パイル位置を決定し、前記固定パイル位置に向かって移動することは、
少なくとも1つの固定パイル信号を収集することと、
前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号強度に従って、前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号源を決定することと、
前記信号源が示す位置を前記固定パイル位置として使用し、前記固定パイル位置に向かって移動することと、を含む。
【0062】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報を統計することは、
前記自走式装置が前記固定パイルからのパイル戻り信号範囲内に移動するとき、測距装置によって固定パイルに対する自身の距離を測定することを含む。
【0063】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記現在位置と前記固定パイル位置間の距離情報を統計することは、
前記現在位置で収集された指定された固定パイル信号を取得し、前記指定された固定パイル信号の指定された信号強度を識別することと、
前記指定された信号強度に対応する伝送距離を検索し、前記伝送距離を前記現在位置と前記固定パイル位置間の距離情報として使用することとを含む。
【0064】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記現在位置と前記固定パイル位置間の距離情報を統計した後に、前記方法は、
距離閾値を取得し、前記距離情報と前記距離閾値を比較すること、
前記距離情報が前記距離閾値よりも大きい場合、距離情報をリアルタイムで連続的に統計し、リアルタイムで統計された距離情報と前記距離閾値を比較すること、
前記距離情報が前記距離閾値以下である場合、前記距離情報に適合する装置移動速度を計算し、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動すること、をさらに含む。
【0065】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記距離情報に適合する装置移動速度を計算することは、
前記自走式装置の現在装置速度を取得し、予め設定された速度計算パラメータを決定し、前記予め設定された速度計算パラメータに従って前記距離情報と前記現在装置速度を計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記現在装置速度は前記自走式装置現在の角速度または線速度であり、前記予め設定された速度計算パラメータは、前記距離情報に従って前記現在装置速度を減少調整する戦略を示すこと、または、
予め設定された速度調整式を決定し、前記現在装置速度と前記距離情報を前記予め設定された速度調整式に入力して計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記予め設定された速度調整式は距離情報と現在装置速度間の線形または非線形の調整関係を示すこと、を含む。
【0066】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記距離情報に適合する装置移動速度を計算することは、
予め設定された関連関係を取得し、前記予め設定された関連関係は、複数のサンプル距離区間、および前記複数のサンプル距離区間のうちの各サンプル距離区間に対応するサンプル装置速度を含むこと、
前記複数のサンプル距離区間において前記距離情報に当たった目標サンプル距離区間を検索し、前記予め設定された関連関係において、前記目標サンプル距離区間に対応する目標サンプル装置速度を決定すること、
前記目標サンプル装置速度を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用すること、を含む。
【0067】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記方法は、
現在位置と前記固定パイル位置間の距離情報をリアルタイムで連続的にまたは周期的に統計し、前記距離情報に適合する装置移動速度を連続的に計算し、前記装置移動速度に従って、所定位置スイッチがトリガされるか、または通電信号が受信されるまで、前記固定パイル位置に向かって移動すること、をさらに含む。
【0068】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記移動モジュールは、少なくとも1つの固定パイル信号を収集し、前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号強度に従って、前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号源を決定し、前記信号源が示す位置を前記固定パイル位置として使用し、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される。
【0069】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記統計モジュールは、前記現在位置で収集された指定された固定パイル信号を取得し、前記指定された固定パイル信号の指定された信号強度を識別し、前記指定された信号強度に対応する伝送距離を照会し、前記伝送距離を前記現在位置と前記固定パイル位置間の距離情報として使用するために使用される。
【0070】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記装置は、
距離閾値を取得し、前記距離情報と前記距離閾値を比較するために使用される取得モジュールをさらに備え、
前記統計モジュールはさらに、前記距離情報が前記距離閾値よりも大きい場合、距離情報をリアルタイムで連続的に統計し、リアルタイムで統計された距離情報と前記距離閾値を比較するために使用され、
前記計算モジュールはさらに、前記距離情報が前記距離閾値未満である場合、前記距離情報に適合する装置移動速度を計算し、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される。
【0071】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記計算モジュールは、前記自走式装置の現在装置速度を取得し、予め設定された速度計算パラメータを決定し、前記予め設定された速度計算パラメータに従って前記距離情報と前記現在装置速度を計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記現在装置速度は前記自走式装置現在の角速度または線速度であり、前記予め設定された速度計算パラメータは、前記距離情報に従って前記現在装置速度を減少調整する戦略を示す、または、予め設定された速度調整式を決定し、前記現在装置速度と前記距離情報を前記予め設定された速度調整式に入力して計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記予め設定された速度調整式は距離情報と現在装置速度間の線形または非線形の調整関係を示すために使用される。
【0072】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記計算モジュールは、予め設定された関連関係を取得し、前記予め設定された関連関係は、複数のサンプル距離区間、および前記複数のサンプル距離区間中の各サンプル距離区間に対応するサンプル装置速度を含み、前記複数のサンプル距離区間において前記距離情報に当たった目標サンプル距離区間を照会し、前記予め設定された関連関係において、前記目標サンプル距離区間に対応する目標サンプル装置速度を決定し、前記目標サンプル装置速度を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用するために使用される。
【0073】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記統計モジュールはさらに、現在位置と前記固定パイル位置間の距離情報をリアルタイムで連続的にまたは周期的に統計し、前記距離情報に適合する装置移動速度を連続的に計算し、前記装置移動速度に従って、所定位置スイッチがトリガされるか、または通電信号が受信されるまで、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される。
【0074】
上記の技術解決策によれば、本出願は自走式装置の制御方法、装置、電子機器および可読記憶媒体を提供し、本出願は固定パイルに向かって移動するときに、線速度または角速度を動的に調整することにより自走式装置の揺動幅を制御し、自走式装置がパイルに正確に位置合わされ、パイル登り効率とパイル登り成功率が向上し、パイル戻り安定性が良好である。
【0075】
以上、本出願のいくつかの具体的な実施態様を説明したが、本出願はこれに限定されなく、当業者が容易に想到できる変化はすべて本出願の保護範囲に含まれるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイル戻り過程において固定パイル位置を決定し、前記固定パイル位置に向かって移動することと、
現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報を統計することと、
前記距離情報に適合する装置移動速度を計算し、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動し、前記装置移動速度は自走式装置の線速度または角速度を含むことと、を含む、自走式装置の制御方法。
【請求項2】
前記パイル戻り過程において固定パイル位置を決定し、前記固定パイル位置に向かって移動することは、
少なくとも1つの固定パイル信号を収集することと、
前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号強度に従って、前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号源を決定することと、
前記信号源が示す位置を前記固定パイル位置として使用し、前記固定パイル位置に向かって移動することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報を統計することは、
前記自走式装置が前記固定パイルにより送信されたパイル戻り信号の範囲内に移動するとき、測距装置によって固定パイルに対する自身の距離を測定することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報を統計することは、
前記現在位置で収集された指定された固定パイル信号を取得し、前記指定された固定パイル信号の指定された信号強度を識別することと、
前記指定された信号強度に対応する伝送距離を検索し、前記伝送距離を前記現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報として使用することとを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報を統計した後に、前記方法は、
距離閾値を取得し、前記距離情報と前記距離閾値を比較することと、
前記距離情報が前記距離閾値よりも大きい場合、距離情報をリアルタイムで連続的に統計し、リアルタイムで統計された距離情報と前記距離閾値を比較することと、
前記距離情報が前記距離閾値以下である場合、前記距離情報に適合する装置移動速度を計算し、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動することと、をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記距離情報に適合する装置移動速度を計算することは、
前記自走式装置の現在装置速度を取得し、予め設定された速度計算パラメータを決定し、前記予め設定された速度計算パラメータに従って前記距離情報と前記現在装置速度を計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記現在装置速度は、前記自走式装置の現在の角速度または線速度であり、前記予め設定された速度計算パラメータは、前記距離情報に従って前記現在装置速度を減少調整する戦略を示すこと、または、
予め設定された速度調整式を決定し、前記現在装置速度と前記距離情報を前記予め設定された速度調整式に入力して計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記予め設定された速度調整式は距離情報と現在装置速度間の線形または非線形の調整関係を示すこと、を含む、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項7】
前記距離情報に適合する装置移動速度を計算することは、
予め設定された関連関係を取得し、前記予め設定された関連関係は、複数のサンプル距離区間、および前記複数のサンプル距離区間のうちの各サンプル距離区間に対応するサンプル装置速度を含むことと、
前記複数のサンプル距離区間において前記距離情報に当たった目標サンプル距離区間を検索し、前記予め設定された関連関係において、前記目標サンプル距離区間に対応する目標サンプル装置速度を決定することと、
前記目標サンプル装置速度を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用することと、を含む、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報をリアルタイムで連続的にまたは周期的に統計し、前記距離情報に適合する装置移動速度を連続的に計算し、前記装置移動速度に従って、所定位置スイッチがトリガされるか、または通電信号が受信されるまで、前記固定パイル位置に向かって移動すること、をさらに含む、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項9】
パイル戻り過程において固定パイル位置を決定し、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される移動モジュールと、
現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報を統計するために使用される統計モジュールと、
前記距離情報に適合する装置移動速度を計算するために使用される計算モジュールと、を備え、
前記移動モジュールは、さらに、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用され、前記装置移動速度は自走式装置の線速度または角速度である、自走式装置の制御装置。
【請求項10】
前記移動モジュールは、少なくとも1つの固定パイル信号を収集し、前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号強度に従って、前記少なくとも1つの固定パイル信号の信号源を決定し、前記信号源が示す位置を前記固定パイル位置として使用し、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記統計モジュールは、前記現在位置で収集された指定された固定パイル信号を取得し、前記指定された固定パイル信号の指定された信号強度を識別し、前記指定された信号強度に対応する伝送距離を検索し、前記伝送距離を前記現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報として使用するために使用される、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、
距離閾値を取得し、前記距離情報と前記距離閾値を比較するために使用される取得モジュールをさらに備え、
前記統計モジュールはさらに、前記距離情報が前記距離閾値よりも大きい場合、距離情報をリアルタイムで連続的に統計し、リアルタイムで統計された距離情報と前記距離閾値を比較するために使用され、
前記計算モジュールはさらに、前記距離情報が前記距離閾値以下である場合、前記距離情報に適合する装置移動速度を計算し、前記装置移動速度に従って、前記固定パイル位置に向かって移動するために使用される、請求項9または10に記載の装置。
【請求項13】
前記計算モジュールは、
前記自走式装置の現在装置速度を取得し、予め設定された速度計算パラメータを決定し、前記予め設定された速度計算パラメータに従って前記距離情報と前記現在装置速度を計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記現在装置速度は前記自走式装置の現在の角速度または線速度であり、前記予め設定された速度計算パラメータは、前記距離情報に従って前記現在装置速度を減少調整する戦略を示す、
または、
予め設定された速度調整式を決定し、前記現在装置速度と前記距離情報を前記予め設定された速度調整式に入力して計算し、得られた計算結果を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用し、前記予め設定された速度調整式は距離情報と現在装置速度間の線形または非線形の調整関係を示すために使用される、請求項9
または10に記載の装置。
【請求項14】
前記計算モジュールは、予め設定された関連関係を取得し、前記予め設定された関連関係は、複数のサンプル距離区間、および前記複数のサンプル距離区間のうちの各サンプル距離区間に対応するサンプル装置速度を含み、前記複数のサンプル距離区間において前記距離情報に当たった目標サンプル距離区間を検索し、前記予め設定された関連関係において、前記目標サンプル距離区間に対応する目標サンプル装置速度を決定し、前記目標サンプル装置速度を前記距離情報に適合する装置移動速度として使用するために使用される、請求項9
または10に記載の装置。
【請求項15】
前記統計モジュールはさらに、現在位置と前記固定パイル位置の間の距離情報をリアルタイムで連続的にまたは周期的に統計し、前記距離情報に適合する装置移動速度を連続的に計算し、前記装置移動速度に従って、所定位置スイッチがトリガされるか、または通電信号が受信されるまで、前記固定パイル位置に向かって移動する、請求項9
または10に記載の装置。
【請求項16】
メモリとプロセッサを備え、前記メモリにコンピュータプログラムが記憶されており、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると請求項1
または2に記載の方法のステップを実行する、電子機器。
【請求項17】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると請求項1
または2に記載の方法のステップを実行する、可読記憶媒体。
【国際調査報告】