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特表2024-545745マルチセンサ干渉法システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-11
(54)【発明の名称】マルチセンサ干渉法システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0215 20060101AFI20241204BHJP
   A61M 60/135 20210101ALI20241204BHJP
   A61M 60/216 20210101ALI20241204BHJP
   A61M 60/414 20210101ALI20241204BHJP
   A61M 60/531 20210101ALI20241204BHJP
   A61M 60/816 20210101ALI20241204BHJP
【FI】
A61B5/0215 D
A61M60/135
A61M60/216
A61M60/414
A61M60/531
A61M60/816
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522532
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 US2022049546
(87)【国際公開番号】W WO2023086472
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/278,320
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シップ,アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
4C017
4C077
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AB04
4C017AC28
4C017BC07
4C017FF08
4C077AA04
4C077CC09
4C077DD10
4C077EE01
4C077HH03
4C077HH13
4C077JJ03
4C077JJ13
4C077KK25
4C077KK27
(57)【要約】
光源、光ファイバスプリッタ、2つ以上のフィルタ、2つ以上のセンサヘッド部を有する血管内血液ポンプ、及び光検出器を含む心室支援システムが開示される。光源によって伝送された光の少なくとも一部は、光ファイバスプリッタによって分割され、その結果、その一部が2つ以上のフィルタのそれぞれに伝送される。光の各部分は、2つ以上のフィルタのうちの1つによってフィルタ処理され、2つ以上のセンサヘッド部のうちの1つに伝送される。2つ以上のセンサヘッド部のそれぞれから反射された光ビームは、光ファイバスプリッタによって結合される。結合された光ビームの少なくとも一部は光検出器によって受光される。2つ以上のセンサヘッド部を備えた単一の光源及び単一の光検出器のみを使用することにより、心室支援システムは可搬性が改善され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心室支援システムであって、
光を伝送するように構成された光源と、
第1のセンサヘッド部及び第2のセンサヘッド部を備え、前記第1のセンサヘッド部は前記第2のセンサヘッド部に対して遠位側に位置決めされている血管内血液ポンプと、
前記第1のセンサヘッド部に直接又は間接的に結合された第1のフィルタであって、前記光源によって伝送された光の第1のサブスペクトルを通過させる第1のフィルタと、
前記第2のセンサヘッド部に直接又は間接的に結合された第2のフィルタであって、前記光源によって伝送された光の第2のサブスペクトルを通過させ、前記第1及び第2のサブスペクトルは異なる、第2のフィルタと、
前記第1及び第2のフィルタに直接又は間接的に結合された第1の光ファイバスプリッタであって、第1の部分が前記第1のフィルタに伝送され、第2の部分が前記第2のフィルタに伝送されるように、前記光源によって伝送される光の少なくとも一部を分割するように構成され、また、前記第1及び第2のセンサヘッド部から反射された複数の光ビームを結合するように構成された第1の光ファイバスプリッタと、
前記第1及び第2のセンサヘッド部から反射された複数の光ビームの前記結合の少なくとも一部を受光するように構成された第1の光検出器と
を備える心室支援システム。
【請求項2】
前記第1のフィルタが前記第1のセンサに直接結合され、前記第2のフィルタが前記第2のセンサに直接結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の光ファイバスプリッタが、前記血管内血液ポンプのカテーテルの少なくとも一部を通って延びる第1の光ファイバを介して前記第1のフィルタに結合され、前記第1の光ファイバスプリッタが、前記カテーテルの少なくとも一部を通って延びる第2の光ファイバを介して前記第2のフィルタに結合される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のフィルタが、前記血管内血液ポンプのカテーテルの少なくとも一部を通って延びる第1の光ファイバを介して前記第1のセンサヘッド部に結合され、前記第2のフィルタが、前記カテーテルの少なくとも一部を通って延びる第2の光ファイバを介して前記第2のセンサヘッド部に結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記血管内血液ポンプのカテーテルの少なくとも一部を通って延びる第1の光ファイバを介して前記第1の光ファイバスプリッタに結合されたビームスプリッタ、
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1及び第2のセンサヘッド部のそれぞれが、キャビティ及び感圧膜を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1及び第2のセンサヘッド部のそれぞれの前記キャビティ及び前記感圧膜が、ファブリペロー共振器の一部を形成する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記光源によって伝送された光の少なくとも一部を前記第1の光検出器に向けて反射するように構成されたミラーをさらに備え、
前記第1及び第2のセンサヘッド部のそれぞれが、前記キャビティに面する前記感圧膜の底面に取り付けられたミラーを備える、
請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のフィルタがショートパスフィルタであり、前記第2のフィルタがロングパスフィルタである、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1及び第2のフィルタがバンドパスフィルタである、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1及び第2のサブスペクトルが重複する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1及び第2のサブスペクトルが重複しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記血管内血液ポンプの第3のセンサヘッド部に直接又は間接的に結合された第3のフィルタをさらに備え、前記第3のフィルタは、前記光源によって伝送された光の第3のサブスペクトルを通過させ、前記第1、第2及び第3のサブスペクトルは異なり、
前記第1の光ファイバスプリッタは、第3の部分が前記第3のフィルタに伝送されるように、前記光源によって伝送された光の少なくとも一部を分割するように構成され、前記第1の光ファイバスプリッタは、前記第1、第2、及び第3のセンサヘッド部から反射された複数の光ビームを結合するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記光源及び前記第1の光検出器に通信可能に結合されたコントローラ、
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の光検出器が、前記第1及び第2のセンサヘッド部から反射された複数の光ビームの前記結合によって形成された結合された干渉パターンの画像をキャプチャするように構成され、前記コントローラが、前記第1及び第2のセンサヘッド部によって作成された前記干渉パターンを分離するために前記画像をデジタル的にフィルタ処理するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1及び第2のセンサヘッド部から反射された複数の光ビームの前記結合の少なくとも一部を受光するように構成された第2の光検出器と、
前記第1の光検出器に直接又は間接的に結合された第3のフィルタであって、前記光源によって伝送された光の前記第1のサブスペクトルを通過させる、第3のフィルタと、
前記第2の光検出器に直接又は間接的に結合された第4のフィルタであって、前記光源によって伝送された光の前記第2のサブスペクトルを通過させる、第4のフィルタと、
前記第3及び第4のフィルタに直接又は間接的に結合された第2の光ファイバスプリッタであって、第1の部分が前記第3のフィルタに伝送され、第2の部分が前記第4のフィルタに伝送されるように、前記第1及び第2のセンサヘッド部から反射された複数の光ビームの前記結合の少なくとも一部を分割するように構成されている、第2の光ファイバスプリッタと
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
光源から、第1の光ビームを伝送することと、
光ファイバスプリッタによって、前記光ファイバスプリッタによって受光された前記第1の光ビームの少なくとも一部を、第2の光ビームと第3の光ビームとに分割することと、
第1のフィルタによって、前記第1のフィルタによって受光された前記第2の光ビームの少なくとも一部をフィルタ処理することであって、前記第1のフィルタは、前記第2の光ビームの第1のサブスペクトルを通過させる、フィルタ処理することと、
第2のフィルタによって、前記第2のフィルタによって受光された前記第3の光ビームの少なくとも一部をフィルタ処理することであって、前記第2のフィルタは、前記第3の光ビームの第2のサブスペクトルを通過させ、前記第1及び第2のサブスペクトルは異なる、フィルタ処理することと、
血管内血液ポンプの第1のセンサヘッド部によって、前記フィルタ処理された第2の光ビームの少なくとも一部を反射させて、第1の反射光ビームを生成することと、
前記血管内血液ポンプの第2のセンサヘッド部によって、前記フィルタ処理された第3の光ビームの少なくとも一部を反射させて、第2の反射光ビームを生成することと、
前記光ファイバスプリッタによって、前記第1及び第2の反射光ビームを結合することと、
光検出器によって、前記結合された第1及び第2の反射光ビームの少なくとも一部を受光することと
を含む方法。
【請求項18】
前記光検出器によって受光された、前記結合された第1及び第2の反射光ビームの少なくとも一部から、心室圧及び大動脈圧を導出すること、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1及び第2のセンサヘッド部のそれぞれが、キャビティ及び感圧膜を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1及び第2のセンサヘッド部のそれぞれの前記キャビティ及び前記感圧膜が、ファブリペロー共振器の一部を形成する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年11月11日に提出され、参照により本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第63/278,320号に付与された優先権及びその利益を主張するものである。
【0002】
技術分野
[0002] 本技術は、血管内血液ポンプを用いて患者に血行力学的支援を提供するシステム及び方法に関する。いくつかの実施態様において、血液ポンプは、患者の脈管系内の複数の圧力を測定するための複数の光学式圧力センサを含む。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 血管内血液ポンプは、(例えば、高リスクの経皮的冠動脈インターベンション中に)患者の心臓に血行力学的支援を提供するために使用されることがある。例えば、血管内血液ポンプは、経皮的に患者の血管(例えば、大腿動脈)内に導入され、患者の心臓におけるポンプ作用を支援又は置換するために、患者の脈管系を通して案内され得る。血管内血液ポンプは、入口エリア、出口エリア、カニューレ、モータハウジング、カテーテル、及び1つ又は複数のセンサを含み得る。動作中、血管内血液ポンプは、カニューレが開いた心臓弁を通って延び、血液が心臓弁を通って圧送されることを可能にするように位置決めされ得る。例えば、血液は、モータハウジング内に配置されたモータによって、入口エリアの1つ又は複数の開口部に引き込まれ、カニューレを通して流され、出口エリアの1つ又は複数の開口部を通して排出される。1つ又は複数のセンサは、例えば、患者の心臓の1つ又は複数の空洞内の1つ又は複数の圧力を測定するために使用することができる。このような測定は、例えば、患者を監視するため、及び/又は患者の脈管系内での血液ポンプの位置決めを支援するために使用することができる。1つ又は複数のセンサからの信号は、血液ポンプを通って延びる1つ又は複数のライン(例えば、光ライン及び/又は電気ライン)を介してコントローラに提供され得る。この種のシステムの可搬性を改善するために、コントローラ及び/又は血管内血液ポンプのサイズ及び/又は消費電力を低減する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
[0004] 血管内血液ポンプを用いて患者に血行力学支援を提供するシステム及び方法が開示されている。いくつかの実施態様において、心室支援システムは、光源、光ファイバスプリッタ、2つ以上のフィルタ、2つ以上のセンサヘッド部を有する血管内血液ポンプ、及び光検出器を含む。光源によって伝送された光の少なくとも一部は、光ファイバスプリッタによって分割され、その結果、その一部が2つ以上のフィルタのそれぞれに伝送される。光の各部分は、2つ以上のフィルタのうちの1つによってフィルタ処理され、2つ以上のセンサヘッド部のうちの1つに送達される。2つ以上のセンサヘッド部のそれぞれから反射された光ビームは、光ファイバスプリッタによって結合される。結合された光ビームの少なくとも一部は光検出器によって受光される。2つ以上のセンサヘッド部を備えた単一の光源及び単一の光検出器のみを使用することにより、心室支援システムは可搬性が改善され得る。
【0005】
[0005] 本開示の一態様は、光源と、血管内血液ポンプと、第1のフィルタと、第2のフィルタと、第1の光ファイバスプリッタと、第1の光検出器とを含む心室支援システムに関する。光源は光を伝送するように構成されている。血管内血液ポンプは、第1のセンサヘッド部及び第2のセンサヘッド部を含み、第1のセンサヘッド部は、第2のセンサヘッド部に対して遠位側に位置決めされる。第1のフィルタは、第1のセンサヘッド部に直接又は間接的に結合される。第1のフィルタは、光源によって伝送された光の第1のサブスペクトルを通過させる。第2のフィルタは、第2のセンサヘッド部に直接又は間接的に結合されている。第2のフィルタは、光源によって伝送された光の第2のサブスペクトルを通過させるが、ここで、第1及び第2のサブスペクトルは異なる。第1の光ファイバスプリッタは、第1及び第2のフィルタに直接又は間接的に結合されている。第1の光ファイバスプリッタは、第1の部分が第1のフィルタに伝送され、第2の部分が第2のフィルタに伝送されるように、光源によって伝送される光の少なくとも一部を分割するように構成される。第1の光ファイバスプリッタはまた、第1及び第2のセンサヘッド部から反射された複数の光ビームを結合するように構成される。第1の光検出器は、第1及び第2のセンサヘッド部から反射された複数の光ビームの結合の少なくとも一部を受光するように構成される。
【0006】
[0006] いくつかの実施態様において、第1のフィルタは第1のセンサに直接結合され、第2のフィルタは第2のセンサに直接結合される。いくつかの実施態様において、第1の光ファイバスプリッタは、(a)血管内血液ポンプのカテーテルの少なくとも一部を通って延びる第1の光ファイバを介して第1のフィルタに結合され、(b)カテーテルの少なくとも一部を通って延びる第2の光ファイバを介して第2のフィルタに結合される。いくつかの実施態様において、第1のフィルタは、血管内血液ポンプのカテーテルの少なくとも一部を通って延びる第1の光ファイバを介して第1のセンサヘッド部に結合され、第2のフィルタは、カテーテルの少なくとも一部を通って延びる第2の光ファイバを介して第2のセンサヘッド部に結合される。いくつかの実施態様において、第1のフィルタはショートパスフィルタであり、第2のフィルタはロングパスフィルタである。いくつかの実施態様において、第1及び第2のフィルタはバンドパスフィルタである。いくつかの実施態様において、第1及び第2のサブスペクトルは重複する。いくつかの実施態様において、第1及び第2のサブスペクトルは重複しない。
【0007】
[0007] いくつかの実施態様において、システムは、血管内血液ポンプのカテーテルの少なくとも一部を通って延びる第1の光ファイバを介して第1の光ファイバスプリッタに結合されたビームスプリッタをさらに含む。いくつかの実施態様において、第1及び第2のセンサヘッド部のそれぞれは、キャビティ及び感圧膜を備える。いくつかの実施態様において、第1及び第2のセンサヘッド部のそれぞれのキャビティ及び感圧膜は、ファブリペロー共振器の一部を形成する。いくつかの実施態様において、システムは、光源によって伝送された光の少なくとも一部を第1の光検出器に向けて反射するように構成されたミラーをさらに含み、第1及び第2のセンサヘッド部のそれぞれは、キャビティに面する感圧膜の底面に取り付けられたミラーを備える。
【0008】
[0008] いくつかの実施態様において、システムは、血管内血液ポンプの第3のセンサヘッド部に直接又は間接的に結合された第3のフィルタをさらに含み、第3のフィルタは、光源によって伝送された光の第3のサブスペクトルを通過させ、第1、第2及び第3のサブスペクトルは異なり、第1の光ファイバスプリッタは、第3の部分が第3のフィルタに伝送されるように、光源によって伝送された光の少なくとも一部を分割するように構成され、第1の光ファイバスプリッタは、第1、第2、及び第3のセンサヘッド部から反射された複数の光ビームを結合するように構成される。
【0009】
[0009] いくつかの実施態様において、システムは、光源及び第1の光検出器に通信可能に結合されたコントローラをさらに含む。いくつかの実施態様において、第1の光検出器は、第1及び第2のセンサヘッド部から反射された複数の光ビームの結合によって形成された結合された干渉パターンの画像をキャプチャするように構成され、コントローラは、第1及び第2のセンサヘッド部によって作成された干渉パターンを分離するために画像をデジタル的にフィルタ処理するように構成される。
【0010】
[0010] いくつかの実施態様において、システムは、(a)第1及び第2のセンサヘッド部から反射された複数の光ビームの結合の少なくとも一部を受光するように構成された第2の光検出器と、(b)第1の光検出器に直接又は間接的に結合された第3のフィルタであって、光源によって伝送された光の第1のサブスペクトルを通過させる、第3のフィルタと、(c)第2の光検出器に直接又は間接的に結合された第4のフィルタであって、光源によって伝送された光の第2のサブスペクトルを通過させる、第4のフィルタと、(d)第3及び第4のフィルタに直接又は間接的に結合された第2の光ファイバスプリッタであって、第1の部分が第3のフィルタに伝送され、第2の部分が第4のフィルタに伝送されるように、第1及び第2のセンサヘッド部から反射された複数の光ビームの結合の少なくとも一部を分割するように構成されている、第2の光ファイバスプリッタとをさらに含む。
【0011】
[0011] 本開示の別の態様は、(a)光源から、第1の光ビームを伝送することと、(b)光ファイバスプリッタによって、光ファイバスプリッタによって受光された第1の光ビームの少なくとも一部を、第2の光ビームと第3の光ビームとに分割することと、(c)第1のフィルタによって、第1のフィルタによって受光された第2の光ビームの少なくとも一部をフィルタ処理することであって、第1のフィルタは、第2の光ビームの第1のサブスペクトルを通過させる、フィルタ処理することと、(d)第2のフィルタによって、第2のフィルタによって受光された第3の光ビームの少なくとも一部をフィルタ処理することであって、第2のフィルタは、第3の光ビームの第2のサブスペクトルを通過させ、第1及び第2のサブスペクトルは異なる、フィルタ処理することと、(e)血管内血液ポンプの第1のセンサヘッド部によって、フィルタ処理された第2の光ビームの少なくとも一部を反射させて、第1の反射光ビームを生成することと、(f)血管内血液ポンプの第2のセンサヘッド部によって、フィルタ処理された第3の光ビームの少なくとも一部を反射させて、第2の反射光ビームを生成することと、(g)光ファイバスプリッタによって、第1及び第2の反射光ビームを結合することと、(h)光検出器によって、結合された第1及び第2の反射光ビームの少なくとも一部を受光することとを含む方法に関する。
【0012】
[0012] いくつかの実施態様において、本方法は、光検出器によって受光された、結合された第1及び第2の反射光ビームの少なくとも一部から、心室圧及び大動脈圧を導出することをさらに含む。いくつかの実施態様において、第1及び第2のセンサヘッド部のそれぞれは、キャビティ及び感圧膜を備える。いくつかの実施態様において、第1及び第2のセンサヘッド部のそれぞれのキャビティ及び感圧膜は、ファブリペロー共振器の一部を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面の簡単な説明
図1】[0013]患者の心臓内に位置決めされた血管内血液ポンプを含む心室支援システムを示す。
図2】[0014]図1の血管内血液ポンプの光学式圧力センサの態様をより詳細に示す。
図3】[0015]図1の血管内血液ポンプの態様をより詳細に示す。
図4A】[0016]図1の血管内血液ポンプの光学式圧力センサの態様をより詳細に示す。
図4B】[0016]図1の血管内血液ポンプの光学式圧力センサの態様をより詳細に示す。
図5A】[0017]図1の血管内血液ポンプの光学式圧力センサの態様をより詳細に示す。
図5B】[0017]図1の血管内血液ポンプの光学式圧力センサの態様をより詳細に示す。
図6】[0018]マルチセンサ干渉法システムを示す。
図7】[0019]マルチセンサ干渉法システムを示す。
図8】[0020]マルチセンサ干渉法システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な記載
[0021] 本開示の実施態様を、同様の参照数字が類似又は同一の要素を識別する図面を参照して詳細に記載する。開示された実施態様は、様々な形態で具体化され得る本開示の単なる例であることを理解されたい。よく知られた機能又は構造は、不必要な詳細で本開示を不明瞭にすることを避けるため、詳細には記載されていない。したがって、本明細書に開示された特定の構造的及び機能的な詳細は、限定的に解釈されるものではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、及び実質的に任意の適切に詳細な構造において本開示を様々に採用するために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈される。
【0015】
[0022] 図1は、血管内血液ポンプ50及びコントローラ40(例えば、Abiomed,Inc.(Danvers,MA)製のAutomated Impella Controller(登録商標))を含む心室支援システムを示す。血液ポンプ50は、カテーテル20と、モータセクション51と、ポンプセクション52と、カニューレ53と、入口エリア54と、軟質柔軟性先端部55と、出口エリア56と、光学センサヘッド部30及び60とを含む。光ファイバ28A及び28Bが、カテーテル20を通って延びている。コントローラ40は、センサヘッド部30及び60からそれぞれ光ファイバ28A及び28Bを通して信号を送信及び/又は受信し得る。先端部55は、例えば、患者の心臓内で血液ポンプ50を安定させるのを補助するために、「ピッグテール」として、又はJ字形状に構成することができる。動作中、血液は、モータセクション51に配置されたモータ(図示せず)によって、入口エリア54の1つ又は複数の開口部に引き込まれ、カニューレ53を通して流され、出口エリア56の1つ又は複数の開口部を通して排出され得る。いくつかの実施態様において、血液流の入口エリアと出口エリアは逆であってもよく、そのような場合、動作中、血液は、出口エリア56の1つ又は複数の開口部に引き込まれ、カニューレ53を通して流され、入口エリア54の1つ又は複数の開口部を通して排出される。
【0016】
[0023] 図1に示すように、血液ポンプ50は、患者の心臓内に位置決めすることができる。例えば、血液ポンプ50は、大腿動脈(図示せず)を介して経皮的に大動脈11に挿入され、大動脈弁15を横切って、左心室16に挿入することができる。大動脈11は、下行大動脈12、大動脈弓13、及び上行大動脈14を含む。動作中、血液ポンプ50は、左心室16から血液を巻き込み、血液を上行大動脈14に排出し得る。その結果、血液ポンプ50は、患者の心臓が通常行う仕事の少なくとも一部を行う。血液ポンプ50の血行力学的効果には、例えば、心拍出量の増加、左室拡張末期圧(LVEDP)、肺動脈楔入圧(PCWP)、心筋仕事量、及び酸素消費量の減少をもたらす冠血流の改善などが含まれる。他の実施態様において、血液ポンプ50は、例えば、腋窩動脈(図示せず)を介して経皮的に大動脈11に挿入され、大動脈弁15を横切り、左心室16に挿入され得る。他の実施態様では、血液ポンプ50は、例えば、大動脈11に直接挿入され、大動脈弁15を横切って、左心室16に挿入されてもよい。他の実施態様では、血液ポンプ50は、患者の心臓の右側内に位置決めされ、右側循環を支援してもよい。
【0017】
[0024] コントローラ40は、血液ポンプ50を監視及び制御する。例えば、上述したように、コントローラ40は、センサヘッド部30及び60からそれぞれ光ファイバ28A及び28Bを介して信号を送信及び/又は受信し得る。コントローラ40はまた、追加の信号を送信及び/又は受信し得る。例えば、コントローラ40は、カテーテル20を通って延びる1つ又は複数の電力供給ライン(例えば、図3の電力供給ライン59A)を介して、モータセクション51に配置されたモータ(図示せず)に提供される電力(例えば、電流及び/又は電圧)を監視及び制御し得る。別の例として、コントローラ40は、カテーテル20を通って延びる1つ又は複数のパージ流体ライン(例えば、図3のパージ流体ライン59B)を介してモータセクション51に配置されたモータ(図示せず)に送達されるパージ流体の圧力及び/又は流量を監視及び制御して、血液がモータに入るのを防止し得る。いくつかの実施態様において、パージ流体はブドウ糖溶液(例えば、25又は50 IU/mLのヘパリンを含む水中5%ブドウ糖)である。これらの信号からコントローラ40が導き出したデータは、ディスプレイ41に表示することができる。コントローラ40によって導き出されたデータは、臨床医が患者を監視するため、及び/又は患者内の血液ポンプ50の位置を調整するために使用することができる。いくつかの実施態様において、コントローラ40は、外部電源(例えば、バッテリ又は電力網のコンセント)に接続される。いくつかの実施態様において、コントローラ130は、内部電源(例えば、バッテリ)を備える。バッテリによって電力が供給される場合、患者は、より高度な可動性を与えられる可能性がある。
【0018】
[0025] 光学センサヘッド部30及び60からの信号は、それぞれ心室圧及び大動脈圧を測定するためにコントローラ40によって使用され得る。センサヘッド部30及び60からの信号はまた、血液ポンプ50を通る血液の流れを測定し(例えば、心室圧と大動脈圧との差を評価することによって)、収縮力(例えば、収縮する心筋の固有の能力)を測定し、及び/又は先端部55の屈曲を検出するために、コントローラ40によって使用され得る。いくつかの実施態様において、センサヘッド部30及び60は微小電気機械システム(MEMS)であり得る。センサヘッド部30及び60は、それぞれ光ファイバ28A及び28Bの遠位端の先端部からキャビティによって分離された感圧膜を含み得る(例えば、図2の膜32及びキャビティ33を参照)。いくつかの実施態様において、これらの構成要素はファブリペロー共振器を形成し得る。いくつかの実施態様において、膜はガラス膜(例えば、SiO)又はセラミック膜(例えば、Si)である。いくつかの実施態様において、膜は、周囲に面する表面に追加のコーティング(例えば、シリコーンコーティング)を有する。他の実施態様では、膜は周囲に面する表面に追加のコーティングを有さない。
【0019】
[0026] 図1に示されるように、センサヘッド部30及び60は、それぞれ、カニューレ53及びポンプセクション52に外部から固定される。いくつかの実施態様において、センサヘッド部30及び/又は60は、血液ポンプ50の外面に設けられた窪み内に位置決めされる。この窪みは、血液ポンプ50が患者の脈管系に導入されるときに、例えば、水門弁又は止血弁との衝突からセンサヘッド部30及び/又は60を保護し得る。いくつかの実施態様において、センサヘッド部30及び/又は60は、血液ポンプ50の外周を越えて突出する膨出部によって位置決めされる。いくつかの実施態様において提供される窪みと同様に、膨出部は、血液ポンプ50が患者の脈管系に導入されるときに、例えば、水門弁又は止血弁との衝突からセンサヘッド部30及び60を保護し得る。いくつかの実施態様において、膨出部はU字形又はO字形を有する。いくつかの実施態様において、膨出部は結合剤のビードによって形成され得る。いくつかの実施態様において、膨出部は血液ポンプ50の外面に溶接又ははんだ付けされ得る。いくつかの実施態様において、膨出部は血液ポンプ50の一体部分を形成し得る。
【0020】
[0027] 図2は、センサヘッド部30の態様をより詳細に示している。しかしながら、センサヘッド部30及びその関連構成要素に関する以下の記載は、センサヘッド部60及びその関連構成要素にも等しく適用可能である。図2に示すように、光ファイバ28Aはチューブ27を通って延びる。センサヘッド部30は、チューブ27の遠位端34に配置される。いくつかの実施態様において、1つ又は複数の追加の光ファイバがチューブ27を通って延び得る。図1に示すように、チューブ27は、地点22でカテーテル20を出て、モータセクション51、ポンプセクション52、及びカニューレ53に沿って血液ポンプ50の外面に取り付けられる。いくつかの実施態様において、チューブ27は、カテーテル20を通って延びるファイバ28Aの部分の全部又は一部を覆い得る。いくつかの実施態様において、チューブ27は、地点22又はその近傍(例えば、地点22から5cm以内)で終端し得る。いくつかの実施態様において、チューブ27は、ポリマー(例えば、ポリウレタン)及び/又は金属合金(例えば、ニチノール)から形成することができる。
【0021】
[0028] センサヘッド部30は、ハウジング31を含み、このハウジング31は、キャビティ33によって光ファイバ28Aの遠位端の先端部から分離された感圧膜32を含む。いくつかの実施態様において、膜32はガラス膜(例えば、SiO)又はセラミック膜(例えば、Si)である。示されるように、膜32の上面は周囲環境に露出し、膜32の底面はキャビティ33に露出する。他の実施態様では、膜32の上面にコーティング(例えばシリコーンコーティング)が配置されてもよい。動作中、膜32はセンサヘッド部30に作用する圧力の大きさに依存して変形する。いくつかの実施態様において、膜32は、血液ポンプ50の動作によって発生するノイズを低減するために、血液ポンプ50の長手方向軸に対して直交するように整列され得る。
【0022】
[0029] いくつかの実施態様において、光ファイバ28Aの遠位端の先端部、膜32、及びキャビティ33は、ファブリペロー共振器を形成し得る。そのような実施態様では、第1の部分反射ミラーが光ファイバ28Aの遠位端の先端部に配置されてもよく、第2の部分反射ミラーが底面膜32に取り付けられてもよい。動作中、コントローラ40は、光ファイバ28Aを通してセンサヘッド部30に光ビームを送信し得る。光ビームがファブリペロー共振器と相互作用するとき、光ビームは、第1及び第2の部分反射ミラーによって部分的且つ多重に反射され、複数の干渉光線を生成する。例えば、光ビームは、光ファイバ28Aの遠位端の先端部に配置された第1の部分反射ミラーに接触すると、部分的に反射される。さらに、第1の部分反射ミラーを透過した光信号の一部は、膜32の底面に取り付けられた第2の部分反射ミラーによって部分的に反射される。反射された複数の干渉光線は、光ファイバ28Aを通って戻り、例えば、コントローラ40に配置された光検出器(例えば、電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ)によって受信され得る。センサヘッド部30に作用する圧力に応答して膜32が動くと、複数の反射された干渉光線によって形成される干渉パターンが変化する。コントローラ40は、例えば、これらの変化する干渉パターンから圧力測定値(例えば、心室圧及び/又は大動脈圧)を導出し得る。
【0023】
[0030] 他の実施態様では、ファブリペロー共振器は異なる方法で形成されてもよい。例えば、光ファイバ28Aの遠位端の先端部とキャビティ33との間にガラス基板を配置してもよい。そのような実施態様では、光ファイバ28Aの遠位端は、接着剤でガラス基板に取り付けられてもよく、第1の部分反射ミラーは、代わりに、キャビティ33に面するガラス基板の表面上に配置されてもよい。他の実施態様では、センサヘッド部30は異なるタイプの干渉計に組み込まれてもよい。例えば、ファブリペロー干渉計に組み込むのではなく、センサヘッド部30をマイケルソン干渉計又はマッハ・ツェンダー干渉計に組み込んでもよい。このような実施態様では、センサヘッド部30は、例えば、上述のように、一対の部分反射ミラーではなく、底面膜32に取り付けられた単一のミラーを含み得る。
【0024】
[0031] 図3は、血液ポンプ50の態様をより詳細に示す。示されるように、駆動シャフト57が、モータセクション51からポンプセクション52内に突出している。駆動シャフト57は、インペラ58に結合されている。動作中、モータセクション51に配置されたモータ(図示せず)による駆動シャフト57及びインペラ58の回転により、血液が血液ポンプ50を通って流れる。例えば、血液は、入口エリア54の1つ又は複数の開口部に引き込まれ、カニューレ53を通して流され、出口エリア56の1つ又は複数の開口部を通して排出され得る。代替的に、例えば、駆動シャフト57及びインペラ58の回転方向を逆にすることによって、血液は、出口エリア56の1つ又は複数の開口部に引き込まれ、カニューレ53を通して流され、入口エリア54の1つ又は複数の開口部を通して排出される。
【0025】
[0032] 光ファイバ28A及び28Bに加えて、電力供給ライン59A及びパージ流体ライン59Bがカテーテル20を通って延びる。電力は、電力供給ライン59Aを介してモータセクション51に配置されたモータ(図示せず)に提供される。いくつかの実施態様において、電力はコントローラ40によって提供され得る。いくつかの実施態様において、電力供給ライン59Aは、複数の電気ラインを含む。パージ流体(例えば、ブドウ糖溶液)は、パージ流体ライン59Bを介してモータセクション51に配置されたモータ(図示せず)に送達される。
【0026】
[0033] 図3に示すように、センサヘッド部30は、より近位に位置決めされたセンサヘッド部60に対して遠位に位置決めされている。より具体的には、センサヘッド部30は、入口エリア54によってカニューレ53の外面に取り付けられている。上で説明したように、光ファイバ28Aはチューブ27を通って延びており、センサヘッド部30はチューブ27の遠位端に位置している。さらに、センサヘッド部60は、出口エリア56によってポンプセクション52の外面に取り付けられている。光ファイバ28Bは、チューブ21を通って延びており、このチューブ21は、モータセクション51及びポンプセクション52に沿って血液ポンプ50の外面に取り付けられている。センサヘッド部60は、チューブ21の遠位端に位置する。チューブ21は、チューブ27とほぼ同じ構造であり得る。例えば、いくつかの実施態様において、1つ又は複数の追加の光ファイバがチューブ21を通って延び得る。別の例として、いくつかの実施態様において、チューブ21は、カテーテル20を通って延びるファイバ28Bの部分の全部又は一部を覆い得る。さらに別の例として、いくつかの実施態様において、チューブ21は、ポリマー(例えば、ポリウレタン)及び/又は金属合金(例えば、ニチノール)から形成されてもよい。膨出部又は突起35及び65は、それぞれ、センサヘッド部30及び60によって提供され、血液ポンプ50が患者の脈管系に導入されるときに、センサヘッド部30及び60が、例えば、水門弁又は止血弁と衝突しないように保護する。さらに、以下で説明するように、センサヘッド部30及び60は、それらをさらに保護するために、それぞれカニューレ53及びポンプセクション52の窪み内に位置決めすることができる。
【0027】
[0034] 他の実施態様では、センサヘッド部30及び/又は60を異なる位置に位置決めしてもよい。例えば、センサヘッド部30は、先端部55の外面に取り付けることができる。このような実施態様では、チューブ27は、モータセクション51、ポンプセクション52、及び/又はカニューレ53に沿って血液ポンプ50の外面に取り付けられてもよい。別の例として、センサヘッド部60は、モータセクション51の外面に取り付けられてもよい。このような実施態様では、チューブ21は、ポンプセクション52ではなく、もっぱらモータセクション51に沿って血液ポンプ50の外面に取り付けられてもよい。さらに別の例として、センサヘッド部30及び/又は60をカテーテル20の外面に取り付けてもよい。このような実施態様では、チューブ21及び/又は27は血液ポンプ50から取り外すことができる。他の実施態様では、センサヘッド部30及び/又は60は、血液ポンプ50の内面に取り付けられてもよい。例えば、センサヘッド部30は、カニューレ53の内面に取り付けられてもよい。別の例として、センサヘッド部60は、ポンプセクション52の内面に取り付けられてもよい。同様に、他の実施態様では、チューブ21及び/又は27の全部又は一部が、血液ポンプ50の内面に取り付けられてもよい。
【0028】
[0035] 図4A及び4Bは、図3の詳細Aのそれぞれ断面図及び上面図を提供する。示されているように、センサヘッド部60は、ポンプセクション52の外面に設けられた窪み66内に位置決めされている。さらに、窪み66は、U字形の膨出部65によって部分的に囲まれている。他の実施態様では、膨出部65はO字形の膨出部に置き換えられてもよい。いくつかの実施態様において、膨出部65は結合剤のビードによって形成されてもよい。いくつかの実施態様において、膨出部65はポンプセクション52の外面に溶接又ははんだ付けされてもよい。いくつかの実施態様において、膨出部65はポンプセクション52の一体部分を形成してもよい。
【0029】
[0036] 図5A及び5Bは、図3の詳細Bのそれぞれ断面図及び上面図を提供する。示されているように、センサヘッド部30は、カニューレ53の外面に設けられた窪み36内に位置決めされている。さらに、窪み36は、点状の膨出部35に隣接して位置決めされている。他の実施態様では、膨出部35はU字形膨出部又はO字形膨出部に置き換えられてもよい。いくつかの実施態様において、膨出部35は結合剤のビードによって形成されてもよい。いくつかの実施態様において、膨出部35はカニューレ53の外面に溶接又ははんだ付けされてもよい。いくつかの実施態様において、膨出部35はカニューレ53の一体部分を形成してもよい。
【0030】
[0037] 図1~5(b)の心室支援システム及びその構成要素の1つ又は複数に様々な修正を加えることができる。例えば、このシステムは、Abiomed,Inc.(Danvers,MA)製のImpella 2.5(登録商標)、Impella 5.0(登録商標)、Impella 5.5(登録商標)、Impella LD(登録商標)、Impella RP(登録商標)、Impella CP(登録商標)カテーテルなどの様々な異なる血管内血液ポンプに対応するように修正することができる。別の例として、光学センサヘッド部30及び/又は60を電気式圧力センサ(例えば、ストレインゲージセンサ)に置き換えてもよい。さらに別の例として、1つ又は複数のセンサ(例えば、光学センサ及び/又は電気センサ)が血液ポンプ50に追加されてもよい。そのような実施態様では、1つ又は複数の追加のセンサは、例えば、患者の大腿動脈(例えば、血液ポンプ50が大腿動脈を介して経皮的に挿入される場合)又は腋窩動脈(例えば、血液ポンプ50が腋窩動脈を介して経皮的に挿入される場合)内の圧力を測定するために使用され得る。さらに別の例として、図1~5(b)の心室支援システムの1つ又は複数の構成要素を分離又は組み合わせてもよい。例えば、ディスプレイ41は、コントローラ40と(例えば、無線で、又は1つ又は複数の電気回線を介して)通信する別の装置に組み込んでもよい。別の例として、カテーテル20を通って延びる光ファイバ28A及び28Bの部分を単一の光ファイバに結合してもよい。
【0031】
[0038] 図6は、マルチセンサ干渉法システム101を示す。示されるように、システム101は、コントローラ110、光源120、ビームスプリッタ130、光ファイバスプリッタ140、フィルタ152及び154、センサヘッド部162及び164、並びに光検出器170を含む。しかしながら、システム101はまた、1つ又は複数のコリメートレンズ及び/又は1つ又は複数の集束レンズなどの追加の構成要素を含み得る。コントローラ110は、1つ又は複数のプロセッサ、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/又は他の同様の構成要素を含み得る。コントローラ110はまた、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、CD-ROM、書き込み可能なメモリ、及び/又は読み取り専用メモリなどの、情報を記憶することができるメモリ媒体を含み得る。光源120は、1つ又は複数の白熱ランプ、1つ又は複数の蛍光ランプ、1つ又は複数の発光ダイオード(LED)、及び/又は1つ又は複数のレーザを含み得る。光源120は、例えば、白色光(例えば、約400nmと700nmとの間の波長分布)又は可視光スペクトル内の1つ又は複数の特定の色の光(例えば、青色光と赤色光との組み合わせ)を生成し得る。ビームスプリッタ130は、例えば、プレートビームスプリッタ(例えば、半透鏡)又はキューブビームスプリッタ(例えば、接着された一対の三角形ガラスプリズム)であり得る。光ファイバスプリッタ140は、例えば、融合バイコニカルテーパ(FBT:Fused Biconical Taper)スプリッタ又は平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)スプリッタであり得る。フィルタ152及び154は、ショートパスフィルタ、ロングパスフィルタ、又はバンドパスフィルタであり得る。フィルタ152及び154は、例えば、吸収フィルタ(例えば、着色ガラス)又はダイクロイックフィルタ(例えば、コーティングガラス)であり得る。センサヘッド部162及び164は、例えば、センサヘッド部30及び60とよく似た構造であり得る。光検出器170は、例えば、電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサであり得る。
【0032】
[0039] システム101の構成要素は、直接又は間接的に結合することができる。例えば、光源120とビームスプリッタ130は直接的に結合されてもよい。代替的に、光源120とビームスプリッタ130は、例えば、1つ又は複数の光ファイバ及び/又は1つ又は複数の他の光学的に透明な構成要素を介して一緒に結合されてもよい。別の例として、ビームスプリッタ130と光ファイバスプリッタ140は直接結合されてもよい。代替的に、ビームスプリッタ130と光ファイバスプリッタ140は、例えば、1つ又は複数の光ファイバ及び/又は1つ又は複数の他の光学的に透明な構成要素を介して一緒に結合されてもよい。さらに別の例として、光ファイバスプリッタ140とフィルタ152及び154は、直接結合されてもよい。代替的に、光ファイバスプリッタ140とフィルタ152及び154は、例えば、1つ又は複数の光ファイバ及び/又は1つ又は複数の他の光学的に透明な構成要素を介して一緒に結合されてもよい。さらに別の例として、フィルタ152及び154は、それぞれセンサヘッド部162及び164に直接結合されてもよい。代替的に、フィルタ152及び154とセンサヘッド部162及び164は、例えば、1つ又は複数の光ファイバ及び/又は1つ又は複数の他の光学的に透明な構成要素を介して一緒に結合されてもよい。さらに別の例として、ビームスプリッタ130と光検出器170は直接結合されてもよい。代替的に、ビームスプリッタ130及び光検出器170は、例えば、1つ又は複数の光ファイバ及び/又は1つ又は複数の他の光学的に透明な構成要素を介して一緒に結合されてもよい。
【0033】
[0040] システム101の構成要素は、ファブリペロー干渉計を形成し得る。例えば、センサヘッド部162及び164のそれぞれは、感圧膜及び一対の部分反射ミラーを有するファブリペロー共振器を含み得る。動作中、コントローラ110は、光源120を制御して、ビームスプリッタ130に向けて光ビーム(矢印A参照)を伝送し得る。光ビームは、ビームスプリッタ130によって部分的に反射され得る。ビームスプリッタ130を通過した光ビームの一部(矢印B参照)は、光ファイバスプリッタ140に向かって移動し、光ファイバスプリッタ140によって2つの別々の光ビーム(矢印C及びD参照)に分割され得る。これらの光ビームの一方はフィルタ152を通ってセンサヘッド部162に向かって移動し(矢印E参照)、他方の光ビームはフィルタ154を通ってセンサヘッド部164に向かって移動し得る(矢印F参照)。2つの光ビームがそれぞれセンサヘッド部162及び164のファブリペロー共振器と相互作用するとき、それらはそれぞれ、一対の部分反射ミラーによって部分的に多重反射され、複数の干渉光線を生成し得る(矢印G及びHを参照)。反射された複数の干渉光線は、フィルタ152及び154を通って光ファイバスプリッタ140に向かって移動し(矢印I及びJ参照)、光ファイバスプリッタ140によって結合され得る(矢印K参照)。結合された光線は、ビームスプリッタ130に向かって移動し、ビームスプリッタ130によって部分的に反射され得る。結合された光線のうちビームスプリッタ130によって反射された部分(矢印L参照)は、光検出器170によって受光され得る。センサヘッド部162及び164の膜が、例えば、センサヘッド部162及び164に作用する圧力に応答して動くときに、結合された光線によって形成される干渉パターンが変化する。集合的に、コントローラ110及び/又は光検出器170は、例えば、これらの変化する干渉パターンから圧力測定値(例えば、心室圧及び/又は大動脈圧)を導出し得る。
【0034】
[0041] 有利なことに、システム101は、センサヘッド部(すなわち、センサヘッド部162及び164)に光線を伝送するための単一の光源(すなわち、光源120)と、センサヘッド部から反射された複数の干渉光線を受光するための単一の光検出器(すなわち、光検出器170)とを含むだけである。従来の心室支援システムは、典型的には、センサヘッド部ごとに別個の干渉法システムを含む。例えば、図1~5(b)の心室支援システムの従来の実施態様は、2つの光源及び2つの光検出器を含むだろう。しかしながら、図6のマルチセンサ干渉法システムを使用することにより、1つの光源と1つの光検出器のみが必要である。さらに、図6のマルチセンサ干渉法システムを使用することにより、1組のレンズ(例えば、1つ又は複数のコリメートレンズ及び/又は1つ又は複数の集束レンズ)のみが必要である。その結果、システム101を使用して、図1~5(b)の心室支援システムの可搬性を向上させることができる。
【0035】
[0042] 上述の利点は、少なくとも部分的には、光源120によって生成された光のスペクトルを、センサヘッド部162及び164に提供される2つの異なるサブスペクトルに分割することによって達成される。上で説明したように、光源120によって生成された光ビームの一部は、ビームスプリッタ130を通過する(矢印B参照)。光ファイバスプリッタ140は、その光ビームを2つの別々の光ビームに分割する(矢印C及びD参照)。いくつかの実施態様において、光ファイバスプリッタ140は、ほぼ等しいスプリッタ比を提供するように構成され得る。他の実施態様では、光ファイバスプリッタ140は、不均等なスプリッタ比を提供するように構成され得る。フィルタ152及び154は、光ファイバスプリッタ140によって生成された2つの光ビームをフィルタ処理する。さらに、フィルタ152及び154は、異なるスペクトルの光を通過させる。例えば、フィルタ152は、所定の閾値(例えば、500nm~600nmの間の値)未満の光の波長を通過させるショートパスフィルタであり得、フィルタ154は、所定の閾値(例えば、500nm~600nmの間の値)を超える光の波長を通過させるロングパスフィルタであり得る。別の例として、フィルタ152及び154はバンドパスフィルタであり得る。例えば、フィルタ152は青色光を通過させ得、フィルタ154は赤色光を通過させ得る。いくつかの実施態様において、フィルタ152及び154は、異なる重複スペクトルの光を通過させ得る。他の実施態様では、フィルタ152及び154は、異なる非重複スペクトルの光を通過させ得る。
【0036】
[0043] 上で説明したように、光検出器170は、センサヘッド部162及び164から反射された複数の干渉光線の組み合わせを受光する(矢印L参照)。コントローラ110及び/又は光検出器170は、センサヘッド部162及び164によって作成された干渉パターンを分離するために、結合された光線をデジタル処理し得る。例えば、光検出器170は、結合された干渉パターンの画像をキャプチャし得、コントローラ110は、センサヘッド部162及び164によって作成された干渉パターンを分離するために、その画像をデジタルフィルタ処理し得る。例えば、フィルタ152が、青色光を通過させるように構成されたバンドパスフィルタであり、画像の各画素が赤色、緑色、及び青色の値を有する場合、コントローラ110は、センサヘッド部162によって作成された干渉パターンを得るために、各画素の赤色及び緑色の値をゼロに設定し得る。同様に、フィルタ154が赤色光を通過させるように構成されたバンドパスフィルタであり、画像の各画素が赤色、緑色、及び青色の値を有する場合、コントローラ110は、センサヘッド部164によって作成された干渉パターンを得るために、各画素の緑色及び青色の値をゼロに設定し得る。
【0037】
[0044] 図1~5(b)の心室支援システムと組み合わせると、システム101の構成要素を様々な異なる位置に位置決めすることができる。例えば、いくつかの実施態様において、図1のコントローラ40は、コントローラ110、光源120、ビームスプリッタ130、光ファイバスプリッタ140、フィルタ152及び154、並びに光検出器170を含み得、図1の血液ポンプ50は、センサヘッド部162及び164を含み得る(例えば、センサヘッド部30及び60として)。そのような実施態様では、光ファイバ28A及び28Bの近位端は、それぞれフィルタ152及び154に結合され得る。別の例として、いくつかの実施態様において、図1のコントローラ40は、コントローラ110、光源120、ビームスプリッタ130、及び光検出器170を含み得、図1の血液ポンプ50は、光ファイバスプリッタ140、フィルタ152及び154、並びにセンサヘッド部162及び164を含み得る。このような実施態様では、単一の光ファイバが、カテーテル20の全部又は一部を通って延び得る。単一の光ファイバの遠位端は、光ファイバスプリッタ140に取り付けられ得る。このような実施態様では、光ファイバスプリッタ140とフィルタ152及び154は、地点22の近傍(例えば、地点22から5cm以内)でカテーテル20の遠位端内に位置決めされ得る。代替的に、光ファイバスプリッタ140とフィルタ152及び154は、モータセクション51、ポンプセクション52、カニューレ53、及び/又は先端部55の内面又は外面に位置決めされ得る。さらに別の例として、いくつかの実施態様において、少なくとも1つが図1のコントローラ40に通信可能に結合された1つ又は複数の別個のデバイス(図示せず)が、コントローラ110、光源120、ビームスプリッタ130、光ファイバスプリッタ140、フィルタ152及び154、並びに光検出器170を含み得、図1の血液ポンプ50が、センサヘッド部162及び164を含み得る(例えば、センサヘッド部30及び60として)。
【0038】
[0045] システム101に様々な修正を加えることができる。例えば、システム101は、1つ又は複数の追加のセンサヘッド部及び対応するフィルタを含み得る。さらに、そのような実施態様では、光ファイバスプリッタ140は、光源120によって生成された光ビームのうちビームスプリッタ130を通過する部分(矢印Bを参照)を、(2つの光ビームだけでなく)3つ以上の別個の光ビームに分割し得る。そのような実施態様では、対応するフィルタは、異なる重複又は非重複スペクトルの光を通過させることを可能にし得る。例えば、第1のバンドパスフィルタは青色光を通過させるように構成され得、第2のバンドパスフィルタは緑色光を通過させるように構成され得、第3のバンドパスフィルタは赤色光を通過させるように構成され得る。このようにしてより多くのセンサヘッド部をシステム101に追加すると、システム101を心室支援システムに組み込む潜在的な利点(例えば、低減されたサイズ及び/又は電力消費)が増大する。
【0039】
[0046] 別の例として、いくつかの実施態様において、光検出器170は、光ファイバスプリッタ、2つ以上のフィルタ、及び2つ以上の別個の光検出器によって置き換えることができる。例えば、図7に示すように、マルチセンサ干渉法システム102は、図6のシステム101に関連して上述したように、コントローラ110、光源120、ビームスプリッタ130、光ファイバスプリッタ140、フィルタ152及び154、並びにセンサヘッド部166及び168を含む。しかしながら、光検出器170は、光ファイバスプリッタ171、フィルタ173及び174、並びに光検出器175及び176に置き換えられている。光ファイバスプリッタ171は、例えば、FBTスプリッタ又はPLCスプリッタであり得る。フィルタ173及び174は、ショートパスフィルタ、ロングパスフィルタ、又はバンドパスフィルタであり得る。フィルタ152及び154は、例えば、吸収フィルタ(例えば、着色ガラス)又はダイクロイックフィルタ(例えば、コーティングガラス)であり得る。光検出器175及び176は、例えば、モノクロームCCD又はCMOSイメージセンサであり得る。
【0040】
[0047] 動作中、光ファイバスプリッタ171は、センサヘッド部162及び164から反射された複数の干渉光線の組み合わせを受光し(矢印L参照)、それらを2つの別個の光ビームに分割する(矢印M及びN参照)。いくつかの実施態様において、光ファイバスプリッタ171は、ほぼ等しいスプリッタ比を提供するように構成され得る。他の実施態様では、光ファイバスプリッタ171は、不均等なスプリッタ比を提供するように構成され得る。フィルタ173及び174は、光ファイバスプリッタ171によって生成された2つの光ビームをフィルタ処理する。さらに、フィルタ173及び174は、異なるスペクトルの光を通過させる。例えば、フィルタ173は、所定の閾値(例えば、500nm~600nmの間の値)未満の光の波長を通過させるショートパスフィルタであり得、フィルタ174は、所定の閾値(例えば、500nm~600nmの間の値)を超える光の波長を通過させるロングパスフィルタであり得る。別の例として、フィルタ173及び174はバンドパスフィルタであり得る。例えば、フィルタ173は青色光を通過させ得、フィルタ174は赤色光を通過させ得る。いくつかの実施態様において、フィルタ173及び174は、異なる重複スペクトルの光を通過させ得る。他の実施態様では、フィルタ173及び174は、異なる非重複スペクトルの光を通過させ得る。光検出器175及び176は、それぞれフィルタ173及び174によって生成されたフィルタ処理された光ビームを受光する(矢印O及びP参照)。
【0041】
[0048] 有利なことに、システム101に対して、システム102の構成は、コントローラ110によって実行される信号処理の一部を削減し得る。例えば、システム102では、コントローラは、センサヘッド部162及び164によって作成された別個の干渉パターンを得るために画像をデジタル処理する必要がない。代わりに、コントローラ110は、例えば、センサヘッド部162によって作成された干渉パターンの画像を光検出器175から受信し、センサヘッド部164によって作成された干渉パターンの画像を光検出器176から別個に受信し得る。さらに、いくつかの実施態様において、これらの画像は、図6に関連して上述した画像よりも高い解像度を有し得る。しかしながら、システム102の追加の構成要素は、システム101に対して、システム102のコスト、サイズ及び/又は電力消費を増加させる可能性がある。
【0042】
[0049] いくつかの実施態様において、システム101及び/又は102は、マイケルソン干渉計又はマッハ・ツェンダー干渉計などの異なるタイプの干渉計を形成するように修正されてもよい。例えば、図8に示すように、マルチセンサ干渉法システム103は、図6のシステム101に関連して上述したように、コントローラ110、光源120、ビームスプリッタ130、光ファイバスプリッタ140、フィルタ152及び154、並びに光検出器170を含む。しかしながら、システム103は、マイケルソン干渉計を形成するためにミラー180も含む。さらに、センサヘッド部162及び164は、それぞれセンサヘッド部166及び168に置き換えられている。センサヘッド部166及び168は、例えば、センサヘッド部30及び60とよく似た構造であり得る。しかしながら、センサヘッド部166及び168は、センサヘッド部162及び164に関連して上述したように、一対の部分反射ミラーではなく、膜の底面に取り付けられた単一のミラーを含み得る。
【0043】
[0050] 動作中、コントローラ110は、ビームスプリッタ130に向けて光ビーム(矢印A参照)を伝送するように光源120を制御し得る。光ビームは、ビームスプリッタ130によって部分的に反射され得る。ビームスプリッタ130によって反射された光ビームの一部(矢印Q参照)は、ミラー180に向かって移動し、ミラー180によって反射されてビームスプリッタ130に向かって戻り得る(矢印R参照)。ミラー180によって反射された光ビームの一部は、ビームスプリッタ130を通過し、光検出器170に向かって移動し得る(矢印S参照)。図6に関連して上で説明したように、光源120によって生成された光ビームのうちビームスプリッタ130を通過する部分(矢印B参照)は、光ファイバスプリッタ140に向かって移動し、2つの別個の光ビームに分割され得る(矢印C及びD参照)。フィルタ152及び154を通過した後、これらの光ビームは、センサヘッド部166及び168のミラーによって反射され、フィルタ152及び154に向かって戻り得る(矢印G及びH参照)。反射された信号は、光ファイバスプリッタ140によって結合され(矢印K参照)、ビームスプリッタ130によって部分的に反射され(矢印L参照)、光検出器170によって受信され得る。
【0044】
[0051] 集合的に、コントローラ110及び/又は光検出器170は、図6に関連して上述したのとほぼ同じ方法で、光検出器170によって受光された光ビームをデジタル処理し得る。しかしながら、図8の実施態様では、光検出器170は、ミラー180によって反射された基準光ビーム(矢印S参照)と、センサヘッド部166及び168のミラーによって反射された光ビームの組み合わせ(矢印L参照)とを受光する。これらの光ビームは一緒になって結合された干渉パターンを形成する。センサヘッド部166及び168の膜が、例えば、センサヘッド部166及び168に作用する圧力に応答して動くと、干渉パターンが変化する。集合的に、コントローラ110及び/又は光検出器170は、例えば、これらの変化する干渉パターンから圧力測定値(例えば、心室圧及び/又は大動脈圧)を導出し得る。
【0045】
[0052] 前述から、及び様々な図面を参照すると、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示に一定の修正を加えることも可能であることを理解するであろう。本開示のいくつかの実施態様を図面に示したが、本開示をこれに限定することは意図しておらず、本開示は、当技術分野が許容する限り広い範囲とし、本明細書も同様に読まれることを意図している。したがって、上の記載は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に特定の実施態様の例示として解釈されるべきである。当業者であれば、本明細書に添付した特許請求の範囲の範囲及び趣旨の範囲内で、他の修正を想定するであろう。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8
【国際調査報告】