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特表2024-545753活性剤及び/又はフレーバーを含む口腔無煙製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-11
(54)【発明の名称】活性剤及び/又はフレーバーを含む口腔無煙製品
(51)【国際特許分類】
   A24B 13/00 20060101AFI20241204BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20241204BHJP
   A24B 15/24 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
A24B13/00
A24B15/16
A24B15/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024534089
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-08-05
(86)【国際出願番号】 EP2022084548
(87)【国際公開番号】W WO2023104774
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】21212931.6
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510171922
【氏名又は名称】スウィーディッシュ・マッチ・ノース・ヨーロップ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リネア・ザイラー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・エルフストランド
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB08
4B043BB10
4B043BB11
4B043BB22
4B043BB25
4B043BC02
4B043BC03
4B043BC18
4B043BC20
(57)【要約】
本開示は、増粘剤、担体、並びに活性剤及び/又はフレーバーを含む口腔パッチの形態の口腔無煙製品であって、担体は、水不溶性不織布材料からなる繊維状担体である、口腔無煙製品に関する。本開示はまた、口腔無煙製品を製造するための方法であって、不織布材料を用意する工程;フレーバー、グリセロール、アルギン酸塩又はアカシアガム、水、及び任意選択的に食用色素を含む液体フレーバー溶液を用意する工程;液体フレーバー溶液を不織布材料に適用する工程;並びに任意選択的に、不織布シート材料から個々の口腔無煙製品を打ち抜く工程を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体(101)と、
活性剤及び/又はフレーバーと
を含む口腔パッチ(100)の形態の口腔無煙製品であって、
前記担体(101)が水不溶性の繊維状不織布材料からなり、
前記口腔パッチが増粘剤を更に含むことを特徴とする、口腔無煙製品。
【請求項2】
前記増粘剤が、アルギン酸塩、アカシアガム、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の口腔無煙製品。
【請求項3】
前記増粘剤が、アルギン酸塩を含むか、又はそれからなり、前記アルギン酸塩が、前記口腔パッチ(100)の乾燥質量の0.5%~5%を構成する、請求項1又は2に記載の口腔無煙製品。
【請求項4】
前記口腔パッチ(100)がグリセロールを含む、請求項1、2又は3に記載の口腔無煙製品。
【請求項5】
前記グリセロールが、前記口腔パッチ(100)の乾燥質量の15%から、前記口腔パッチ(100)の乾燥質量の35%までを構成する、請求項4に記載の口腔無煙製品。
【請求項6】
前記口腔パッチ(100)が、糖アルコール、例えばマルチトール、マンニトール若しくはイソマルト等、又は2種以上の異なる糖アルコールの組み合わせを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項7】
前記糖アルコールが、前記口腔パッチ(100)の乾燥質量の20%~45%を構成する、請求項6に記載の口腔無煙製品。
【請求項8】
前記担体(101)が、生分解性材料を含むか、又はそれからなる、請求項1から7のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項9】
前記繊維状不織布材料の繊維が、セルロース系繊維を含むか、又はそれからなる、請求項1から8のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項10】
前記担体(101)が湿式不織布材料からなる、請求項1から9のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項11】
前記湿式不織布材料が、ランダムな繊維配向を有する、請求項10に記載の口腔無煙製品。
【請求項12】
前記活性剤が、ニコチン、カンナビノイド、カフェイン、チョウセンニンジン、タウリン及び/又は分岐アミノ酸(BCAA)、又はそれらの任意の組み合わせの群から選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項13】
前記口腔無煙製品が、1mg~25mgの量のニコチン、好ましくは1mg~10mgのニコチン、又はより好ましくは2mg~8mgのニコチンを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項14】
前記活性剤が、ニコチン塩基又はニコチン塩の形態のニコチンを含むか、又はそれからなる、請求項1から13のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項15】
前記口腔無煙製品が、非タバコ製品である、請求項1から14のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項16】
前記口腔無煙製品がpH調整剤を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項17】
前記担体(101)が単層の不織布材料によって構成されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項18】
前記口腔無煙製品が、0.2mm~5mmの厚さ(t)を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項19】
前記担体が、70g/m2~300g/m2の目付質量を有する、請求項1から18のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項20】
前記担体(101)が、0.02g~0.2gの乾燥質量、例えば0.05g~0.2gの乾燥質量を有する、請求項1から19のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項21】
前記繊維状担体(101)の繊維が、0.5dtex~5dtexの線密度を有する、請求項1から20のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項22】
前記口腔無煙製品が、1.0cm2~8cm2の表面積を有する、請求項1から21のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項23】
前記口腔無煙製品が、長さ方向(L)に長さ(l)、及び幅方向(W)に幅(w)を有する長方形の形状を有し、前記口腔無煙製品が、幅方向(W)に5mm~20mmの最大幅(w)、及び長さ方向(L)に10mm~35mmの最大長さ(l)を有する、請求項1から22のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項24】
前記担体(101)が化学バインダーを含む、請求項1から23のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項25】
前記担体の水の吸収能が、担体ウェブの乾燥質量の500%~800%である、請求項1から24のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項26】
請求項1から25のいずれか一項に記載の口腔無煙製品を製造するための方法であって、
- 凝集した不織布ウェブの形態で、又は前記不織布担体材料の個々のパッチとして、単層不織布担体材料を用意する工程;
- フレーバー及び/又は活性剤、増粘剤、例えばグリセロール、アルギン酸塩又はアカシアガム等、並びに水を含む、液体溶液を用意する工程;
- 前記液体溶液を前記不織布材料に適用する工程
を含む、方法。
【請求項27】
前記液体溶液が、フレーバー及び前記増粘剤を含む液体フレーバー溶液である、請求項26に記載の口腔無煙製品を製造するための方法。
【請求項28】
請求項27に記載の口腔無煙製品を製造するための方法であって、
- 活性剤及び水を含む水溶液を用意する工程;及び
- 前記水溶液を、前記凝集した不織布ウェブに、又は前記個々の口腔無煙製品に、適用する工程
を更に含む、方法。
【請求項29】
前記不織布担体材料が、凝集した不織布ウェブの形態であり、
- 個々の口腔無煙製品を前記凝集した不織布ウェブから、切断又は打ち抜き等により切り離す工程
を更に含む、請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記口腔無煙製品が、ニコチン、カンナビノイド、カフェイン、チョウセンニンジン、タウリン及び/又は分岐アミノ酸(BCAA)を含むか、又はそれらからなる活性剤を含有する、請求項26から29のいずれか一項に規定の口腔無煙製品を製造するための方法。
【請求項31】
前記活性剤がニコチンを含むか、又はそれからなり、前記活性剤を含む溶液が、水酸化カリウム(KOH)等のpH調整剤を更に含む、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、担体と、活性剤及び/又はフレーバーとを含む口腔パッチの形態の口腔無煙製品に関する。更に、本開示は、口腔無煙製品を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔使用のための無煙製品は当技術分野で知られており、タバコ製品及び非タバコ製品が含まれる。
【0003】
口腔使用のためのタバコ製品は、緩んだ形態で提供されるか、又はタバコをベースとする充填材料を封入するパウチを形成する唾液透過性の多孔性包装材料に小分け包装されて提供することができる。非タバコパウチ製品は、一般に、粒子状材料、及び/又はタバコ以外の起源の植物繊維若しくは人工繊維であってもよい繊維、を含む充填材料の形態で提供される。口腔使用のためのパウチ製品は、一般に、消費者がパウチを上側又は下側の歯茎と唇との間に置き、一定期間そこに保持することによって使用される。パウチ材料は、タバコ又は非タバコの充填材料を適所に保持する一方で、唾液が充填材料を通過し、フレーバー及び活性剤、例えばニコチンがタバコ材料から消費者の口内に拡散することを可能にする。
【0004】
口腔使用のためのパウチ製品に使用されるパウチ材料は、包装材料とも呼ばれ、ビスコースレーヨン繊維、すなわち再生セルロースと、不織布材料中でバインダーとして作用し、パウチ製造時のパウチの封止に寄与するポリマーと、を含む乾式ボンド不織布とすることができるが、他のタイプの不織布材料を利用することもできる。
【0005】
口腔使用のためのパウチ製品は、唇の下に置かれた時に見栄えの悪い膨らみを形成することがあるため、一部の使用者には、所望よりも目立ちやすいものとして認識されている。更なる懸念は、かさばるパウチ製品が、使用者の唇の下に置かれた時に、擦れや圧迫感等の不快感を引き起こし得ることである。
【0006】
口腔パウチ製品の成分の放出速度は、様々であることが報告されている。ニコチンは、パウチ無煙タバコ製品からかなりゆっくりと吸収されることが知られている。
【0007】
US20170157106は、ニコチン等の様々な物質の送達に有用である組成物を開示している。この組成物は、内相が外相に囲まれた懸濁液を含む。懸濁液は、担体及び様々な系と組み合わせることができ、製品をその懸濁液を用いて形成することができる。製品はまた、懸濁液及び任意選択の担体を用いて形成することもでき、例えば、口腔ストリップ、スプレー送達システム、無煙タバコ製品、エアロゾル送達装置、紙巻きタバコ、及びパッケージ等がある。
【0008】
AU2012207021は、不溶性マトリックス中のタバコ組成物を含む無煙タバコ製品を開示している。タバコ又はタバコからの抽出物、例えばニコチンは、フィルム、タブ、成形部品、ゲル、消耗ユニット、不溶性マトリックス及び中空形状体等のタバコ製品に適用される組成物中に配分することができる。有効成分は、例えば、口の中に適用することができる可溶性ゲルフィルム中に適用することができる。有効成分は、例えば、2枚又は複数枚のフィルム層の間に配置することができる。製品は、可溶性フィルムとして口腔に適用されるものであってもよい。更に、タバコは、パウチ中に配置される担体内に配置してもよく、又はパウチ材料内に配置してもよい。タバコは、多孔性マトリックスに適用してもよく、又はスティック若しくは他の柄に配置してもよい。マトリックスは、例えば、タバコスラリーが、ワックス状構造体内に配置されている場合、噛むこともできる。
【0009】
US9402414は、熱可塑性ポリマー粒子及びタバコ粒子の混合物を含む無煙タバコ物品を開示している。この混合物は、口腔製品として使用することができるマトリックスに形成することができる。
【0010】
口腔無煙製品の満足度と認知度は、どの成分が放出されるか、及び有効成分の放出速度によって影響される。また、口腔物品が口の中でよく収まり、快適で、目立たずに使用することができるという要望もある。
【0011】
したがって、製品の成分を十分に放出することができ、使用するのに快適で、目立たない口腔無煙製品が必要とされている。
【0012】
本明細書に開示される製品は、口腔使用のためのパウチなし製品であり、本明細書では「口腔パッチ」とも称され、口腔使用のためのニコチン含有パウチなし製品であってもよく、ニコチンは、ニコチン塩基及び/又はニコチン塩の形態で存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】US20170157106
【特許文献2】AU2012207021
【特許文献3】US9402414
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】"Handbook of Nonwovens" S.Russel著、Woodhead Publ. Ltd.出版、2007年
【非特許文献2】NF T51-800 Plastics - Specifications for plastics suitable for home composting (2015年)
【非特許文献3】OK compost HOME certification scheme of TUV AUSTRIA Belgium
【非特許文献4】AS 5810 Biodegradable plastics - Biodegradable plastics suitable for home composting
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本開示の目的は、少なくとも上述した問題を軽減し、これまで知られている技術では提供されない利点や側面を提供することである。
【0016】
更に、本開示の目的は、使用中に消費者に心地よい口の快適さ、口当たり、及び/又は官能的な体験をもたらす口腔無煙製品を提供することである。
【0017】
本開示の目的は、活性剤及び/又はフレーバーの迅速かつ即時の放出を提供し、即時の満足感を与えることである。
【0018】
本開示の別の目的は、通常の条件下で口腔内における活性剤及び/又はフレーバーの満足のいく放出速度を有する口腔無煙製品を提供することである。
【0019】
これら及び他の目的は、請求項1に記載のパウチなし口腔無煙製品及び請求項26に記載の方法によって提供され得る。本開示の変形は、従属請求項及び以下の説明に記述されている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本開示は、担体と、活性剤及び/又はフレーバーとを含む口腔パッチの形態の口腔無煙製品を提供し、担体は、水不溶性不織布材料からなる繊維状担体であり、口腔パッチは、増粘剤を更に含む。
【0021】
不織布は、織物又は編物等の従来の織布成形方法により製造されない布地である。不織布材料を製造するための多くの異なる方法が当技術分野で知られている。不織布に関する更なる情報は、"Handbook of Nonwovens" S.Russel著、Woodhead Publ. Ltd.出版、2007年で見出すことができる。
【0022】
使用されるウェブ製造方法の観点から、不織布は、湿式積層されることもあれば、ドライ成形(dry-formed)されることもある。
【0023】
ドライ成形ウェブは、例えばカーディング、エアレイ、スパンボンド、メルトブロー等の方法によって製造することができる。カーディングの場合、この製造方法により、繊維がカーディング方向、すなわち、機械方向に実質的に配向される結果となり得る。ドライ成形不織布は、平行に積層されたウェブ、交差して積層されたウェブ又はランダムに積層されたウェブを含み得る。平行に積層されたウェブ及び交差して積層されたウェブは、2枚以上の重ね合わされたウェブ層を含むことがあり、これらはカーディングされることがあるが、ランダムに積層されたウェブは、通常、単一のウェブ層を含み、エアレイされることがある。
【0024】
いくつかの方法を使用して、ウェブ一体化(web consolidation)とも称されるウェブ中の繊維を共に結合させることができる。異なるタイプのボンド方法は、メカニカルボンド、例えば、ニードルパンチ、ステッチボンド、水流交絡、ケミカルボンド、例えば、飽和ボンド、スプレー法、泡まつ法、パウダーボンド、プリント接着、及びサーマルボンド、例えば、熱カレンダー加工、熱風接着、超音波接着法、放射熱ボンドに分類することができる。2つ以上のボンド方法を使用して不織布を一体化することができる。
【0025】
増粘剤は、アルギン酸塩、アカシアガム、又はそれらの組み合わせを含むことができ、アルギン酸塩が好ましい増粘剤である。アルギン酸塩は、口腔パッチの乾燥質量の0.5%~5%、好ましくは0.7~2.0%を構成することができる。
【0026】
増粘剤は、グリセロールを含むか、又はそれからなることができる。グリセロールは、口腔パッチの乾燥質量の15%~35%、好ましくは20%~30%を構成することができる。グリセロールは、製品の柔らかさ及び柔軟性を高めることができる。
【0027】
本明細書に開示される口腔パッチは、アルギン酸塩の乾燥質量の0.5%~5%、好ましくはグリセロールの乾燥質量の15%~35%で組み合わせた、好ましくはグリセロールの乾燥質量の20%~30%で組み合わせたアルギン酸塩の乾燥質量の0.7~2.0%を含むことができる。
【0028】
口腔パッチは、マルチトール、マンニトール若しくはイソマルト等の糖アルコール、又は2種以上の異なる糖アルコールの組み合わせを含むことができる。
【0029】
糖アルコールは、口腔パッチの乾燥質量の20%~45%を構成することができる。口腔パッチは、好ましくは、糖アルコールに加えて、グリセロールの乾燥質量の15%~35%、好ましくはグリセロールの乾燥質量の20%~30%を含む。口腔パッチはまた、好ましくはアルギン酸塩の乾燥質量の0.5%~5%、好ましくはアルギン酸塩の乾燥質量の0.7~2.0%を含む。
【0030】
活性剤及び/又はフレーバーは、不織布担体中に均一に分布してもよく、又は不織布担体の1つ以上の部分に選択的に堆積してもよい。
【0031】
本開示はまた、本明細書に開示されるパウチなし口腔無煙製品を製造するための方法も提供し、本方法は、
- 不織布担体材料を用意する工程;
- フレーバー及び/若しくは活性剤、グリセロール、アルギン酸塩又はアカシアガム及び水を含む液体溶液を用意する工程;並びに
- 液体溶液を不織布材料に適用する工程
を含む。
【0032】
本方法は、
- 不織布担体材料に液体溶液を適用する前又は後に、不織布担体材料から個々の口腔無煙製品を打ち抜く工程
を更に含むことができる。
【0033】
担体材料は、担体への液体溶液の含浸を促進するための複数の開口部及び/又は空洞を提供することができ、開口部及び/又は空洞は、担体の繊維状構造への通路を形成している。開口部及び/又は空洞は、使用者の口腔内での使用中に、口腔無煙製品への及びそれを通る唾液の流れを更に促進することができ、これにより、使用者の口腔内へのフレーバー及び/又は活性剤の放出を助けることができる。
【0034】
本発明を非限定的な実施例により、添付図面を参照して以下に更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本明細書に開示される口腔無煙製品の平面図を示す。
図2図1の口腔無煙製品の側面図を示す。
図3図1及び図2の口腔無煙の斜視図を示す。
図4a】本明細書に開示される様々な形状の口腔無煙製品の例の平面図を示す。
図4b】本明細書に開示される様々な形状の口腔無煙製品の例の平面図を示す。
図4c】本明細書に開示される様々な形状の口腔無煙製品の例の平面図を示す。
図4d】本明細書に開示される様々な形状の口腔無煙製品の例の平面図を示す。
図4e】本明細書に開示される様々な形状の口腔無煙製品の例の平面図を示す。
図4f】本明細書に開示される様々な形状の口腔無煙製品の例の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書で使用される「担体材料」は、本明細書に開示される口腔パウチなし製品中に唯一の構造体提供要素を構成する不織布材料である。担体材料は、本明細書に開示される口腔パウチなし製品の使用者の口腔への移行を意図した物質である1種以上の活性剤及び/又は1種以上のフレーバーを担持する。担体材料は、アルギン酸塩、アカシアガム、グリセロール、又はそれらの組み合わせたもの等の増粘剤を更に含む。
【0037】
「パウチなし製品」又は「口腔パッチ」は、本明細書に開示される口腔無煙製品に対して互換的に使用される用語である。パウチなし製品又は口腔パッチは、内側に充填された空洞を囲む外側のカバーを有さない、概して平坦な製品である。
【0038】
「タバコ材料」という用語は、本明細書では、タバコの葉、又は葉片や茎等の葉の部分の繊維状材料に使用される。葉及び葉の部分は、挽く、切断する、細断する又は脱穀する等、細かく分割(分解)することができ、葉の部分は、タバコ材料中に決められた割合で配合することができる。
【0039】
本明細書で使用される「タバコ」とは、ニコチアナ属(genus Nicotiana)のあらゆるメンバーのいずれかの一部、例えば、葉、茎、及び葉柄を意味する。タバコは、全体のまま、細断、脱穀、切断、粉砕、硬化、熟成、発酵、又はその他の処理、例えば粒状化又はカプセル化されてもよい。
【0040】
本明細書に開示されるパウチなし口腔無煙製品は、タバコ抽出物の形態で不織布担体ウェブに添加されているタバコを含有することができる。タバコ抽出物は、タバコ材料を水又はアルコールに浸すことによって得ることができる。
【0041】
或いは、又はそれに加えて、タバコは、タバコ繊維を不織布担体ウェブに組み込むことにより、本明細書に開示される口腔無煙製品に含まれてもよい。
【0042】
タバコ含有口腔無煙製品は、本明細書で企図されているが、本明細書に開示されるパウチなし口腔無煙製品は、好ましくはタバコ非含有パウチなし口腔無煙製品、例えばタバコ非含有ニコチン含有パウチなし口腔無煙製品である。
【0043】
ニコチン含有タバコ非含有製品又は少量タバコ含有製品中のニコチン化合物は、ニコチン塩基又はニコチン塩、例えばニコチン塩酸塩、ニコチン二塩酸塩、ニコチン一酒石酸塩、ニコチン二酒石酸塩、ニコチン二酒石酸塩二水和物、ニコチン硫酸塩、ニコチン塩化亜鉛一水和物、ニコチンサリチル酸塩、ニコチン安息香酸塩又はニコチンポラクリレックスでもよい。ニコチンは、タバコ原料由来のものであってもよく、又は合成的に製造されたニコチンであってもよい。
【0044】
「口腔の」及び「口腔使用」は、口内の配置等によって、口腔内での使用のための説明として、すべての文脈において本明細書で使用される。本明細書に開示される口腔パッチは、口腔パッチ全体が口腔内に入るように、歯茎と上唇又は下唇との間等、口腔内に配置することを意図している。したがって、本明細書に開示される口腔使用のためのパウチなし製品は、使用中に口腔内に完全に収容されることを意図しており、嚥下を意図していない。
【0045】
本明細書で使用される「w/w%」又は「wt%」又は「質量%」又は「質量の~%」は、言及される調製物、組成物又は製品の総質量に対する言及される成分の質量パーセントを指す。
【0046】
図面を参照すると、本開示は、担体101と、活性剤及び/又はフレーバーとを含む口腔パッチの形態の口腔無煙製品100を提供し、担体は、水不溶性不織布材料からなる繊維状担体101である。
【0047】
繊維状担体は、活性剤及び/又はフレーバーを含浸させることができる。繊維状担体は、その一方又は両方の表面に活性剤及び/又はフレーバーをコーティングとして適用することも企図される。含浸及びコーティングの組み合わせも、本明細書に開示される口腔無煙製品に企図される。一例として、本明細書に開示される口腔無煙製品は、初期のフレーバー感覚が、長時間のフレーバー感覚と異なり得るように、第1のフレーバーで含浸され、次いで第2のフレーバーでコーティングされてもよい。
【0048】
口腔無煙製品又は口腔パッチ100の一例を図1図3に示す。図1図3に示す口腔パッチ100は、長さ方向Lに長さl、長さ方向Lに垂直な幅方向Wに幅w、及び長さ方向L及び幅方向Wによって決定される平面に垂直な厚さ方向Tに厚さtを有する。図1図3のパッチは、角が丸い修正された長方形の形状を有する。しかし、パッチの形状は、本明細書に開示される口腔無煙製品に限定されるものではなく、パッチは、図4a図4fに示される形状を含む任意の有用な形状を有することができる。
【0049】
本開示の口腔無煙製品は、薄くて柔軟な製品である。この薄い製品は、消費者の口によく収まり、消費者の歯茎の形状に適合することにより、非常に快適で目立たない使用となる。更に、フレーバー及び/又は活性剤の迅速な送達が達成される。迅速な送達は、製品がその体積に対して大きく、露出した表面を有することによって促進される。更に、パウチなし口腔無煙製品のスリムさと、緩い充填材料がないことにより、パウチ無煙タバコ製品に関連する液だれや、微結晶セルロース粒子等の粒子を含む充填材料を有するパウチ非タバコ製品で経験され得るざらつき感がなくなる。これらの効果は、口腔無煙製品に心地よい口当たりを付与するため、多くの消費者に喜ばれる。更に、本明細書に開示される口腔パッチは、その小さい質量と少ない成分により、資源面から有益である。
【0050】
本明細書で記載するように、不織布材料は、生分解性繊維及び/又は生分解性バインダー等の生分解性材料を含むことができる。不織布担体材料が生分解性不織布担体材料であることが好ましい場合がある。
【0051】
不織布材料に生分解性材料が使用される場合、いくつかの更なる利点が得られる場合がある。例えば、製品は、国によって異なり得る家庭用堆肥化基準(home composting standard)、例えば、NF T51-800 Plastics - Specifications for plastics suitable for home composting (2015年)、OK compost HOME certification scheme of TUV AUSTRIA Belgium、及びAS 5810 Biodegradable plastics - Biodegradable plastics suitable for home compostingを満たすのに十分な生分解性を有し得ることが好ましい場合がある。これらの家庭用堆肥化基準は、特定の家庭用堆肥化基準で規定された試験時間中に、製品が堆肥中で分解されることを要求している。
【0052】
地面に捨てられた生分解性製品は、時間の経過とともに分解され、最終的には土壌と一体化され得る。環境への負荷が少ないという利点がある。
【0053】
不織布材料は、綿、木材パルプ、亜麻、麻等の天然セルロース系繊維、及びビスコース、リヨセル、及びその他の再生セルロース繊維等の人工セルロース系繊維を含むセルロース系繊維を含むことができる。
【0054】
セルロース系繊維は、繊維中に小さな毛細管を有し、セルロース系繊維は、良好な吸収能及び液体分配能を有する。これは、フレーバー及び/又は活性剤等の成分を、例えば噴霧又は含浸によって不織布材料に適用する場合に有利となり得る。セルロース系繊維はまた、一般に生分解性であると考えられている。
【0055】
繊維状担体は、好ましくは湿式不織布材料、例えば湿式セルロース系不織布材料からなる。
【0056】
湿式不織布材料は、本明細書に開示される口腔パッチに使用するのに特に好適な特性を有することが見出されている。湿式積層方法を使用して、ランダム化された繊維配向を有する繊維状ウェブを製造することができ、その結果、口腔パウチ製品にパウチ材料として一般的に使用される、比較の結合カード式不織布ウェブよりも高い表面摩擦を有する不織布材料が得られる。高い表面摩擦は、口腔内に位置決めした後、口腔パッチが所定の位置に留まる能力を高めるという点で有益であり得る。
【0057】
カーディング又はエアレイ及びスパンウェブ方法等のドライウェブ形成方法で作製された不織布材料と比較すると、ウェット方法は、生産速度が高くコストが低いため、更に有利であり得る。
【0058】
湿式不織布材料は、一般に短繊維から作製され、繊維長は、3mm~25mm程度、典型的には6mm~20mm程度であり、アスペクト比(長さ/幅)は300:1~>700:1である。繊維が比較的短い繊維であるため、湿式ウェブは、一般に、より長く、しばしば曲がった繊維長の繊維を使用するドライ形成方法によって作製されたウェブよりも、より緻密で、より硬く、より低い引張強度を有する。湿式ウェブの強度を向上させるために、ウェット形成方法は、複数の繊維層を互いに堆積させる工程を含むことができる。更に、このウェブは、より長い繊維によって若しくは更に連続フィラメントによって又はそれらの組み合わせによって補強することができる。本明細書で記載するように、ウェブ中の繊維は、好ましくはランダムに配置される。湿式不織布ウェブの目付質量は、広い範囲内で変化させることができる。
【0059】
ランダムな繊維配向を有する湿式材料は、方向性の低い比較的均一な材料であり、これは、機械方向における材料の引張強度が機械横断方向における材料の引張強度と同程度であることを意味する。均一な材料はまた、均一な空隙率、厚さ及び密度を有し、水及び可溶性成分を全方向に均一に分配するが、これは、本明細書に開示されるパウチなし口腔無煙製品を製造する時、及び口腔無煙製品の使用中の両方における利点である。本明細書に開示される口腔無煙製品において、不織布材料の繊維は、セルロース系繊維を含むか、又はそれからなることができ、繊維状担体は、湿式不織布材料からなることができる。
【0060】
これは、口腔パウチ製品のパウチ材料として使用される不織布材料とは対照的である。このような不織布材料は、一般に、材料中の大部分の繊維が機械方向に配置された、ドライ成形された、結合カード式ウェブである。結合カード式ウェブは、機械方向よりも機械横断方向の引張強度がかなり低い。加えて、このような材料中の流体分配は、材料中の繊維に平行な機械方向で主に行われる。パウチ材料の主な機能は、充填材料をパウチに含有し、粒子状材料がパウチから使用者の口腔内に漏出するのを防止する一方、唾液及び唾液可溶性充填成分がパウチ材料を概ね妨げられずに通過するのを可能にすることである。したがって、不織布パウチ材料は、15g/m2~40g/m2程度の目付質量を有する、薄くて高度に流体透過性のウェブである。
【0061】
本明細書に開示されるように、本明細書に開示される口腔パッチの基材として使用される不織布材料は、生分解性繊維を含むか、又はそれからなることができる。一般に生分解性であると考えられ、本明細書に開示される不織布材料に有用な材料としては、綿、亜麻、麻、木材パルプ等の天然セルロース系繊維;ビスコース繊維及びリヨセル繊維等の再生セルロース系繊維;ポリヒドロキシブチレート繊維(PHB)等のポリヒドロキシアルカノエート繊維(PHA);ポリブチレンサクシネート(PBS)繊維及びポリ乳酸(PLA)繊維が挙げられる。
【0062】
PHA繊維としては、PHBV(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート))、PHBH(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート))、PHBO(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシオクタノエート))、PHBD(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシデカノエート))、P3HB(ポリ-3-ヒドロキシブチレート)又はP4HB(ポリ-4-ヒドロキシブチレート)が挙げられる。
【0063】
本明細書で開示される不織布材料には、上記の繊維の組み合わせ、及び上記のポリマーの任意の二成分繊維も企図される。
【0064】
一般的にはあまり好ましくないが、不織布材料は、ポリプロピレン(PP)繊維及びポリエチレン(PE)繊維等のポリオレフィン繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等のポリエステル繊維からなる群からのポリマー繊維を含むか、又はそれらからなることができる。
【0065】
本明細書に開示されるポリマー繊維は、単成分繊維又は二成分繊維等の多成分繊維であってもよい。
【0066】
本明細書に開示されるポリマーの任意の二成分繊維及び/又はこの繊維の任意の組み合わせもまた、本明細書に開示される不織布ウェブに対して企図される。しかし、生分解性繊維のみを含有する不織布材料は、一般に、本明細書に開示される不織布担体での使用に好ましい場合がある。
【0067】
繊維は、円形断面を有していてもよく、又は、二葉性繊維(bi-lobal fibre)、三葉性繊維(tri-lobal fibre)等の多葉性繊維(multi-lobal fibre)であってもよい。多葉性繊維は、本明細書に開示される口腔パウチなし製品において有用であり得るが、これは、口腔パウチなし製品にフレーバー及び/又は活性剤に対する高い担持能を付与することができるからである。
【0068】
繊維状担体は、湿式、スパンレース、スパンボンド、水流交絡、結合カード式又はエアレイ不織布材料からなることができる。しかし、本明細書で記載する、湿式不織布材料が一般に好ましい。繊維状担体は、熱可塑性バインダー繊維等のバインダー繊維の形態であってもよい、及び/又は樹脂バインダーの形態であってもよいバインダー材料を含むことができる。バインダー材料が、生分解性材料であることが好ましい場合がある。本明細書で記載するように、繊維とバインダー材料との組み合わせが生分解性であるように、繊維状担体中の繊維が生分解性であることも好ましい場合がある。
【0069】
本明細書に開示される繊維状担体の繊維は、天然セルロース繊維又は再生セルロース繊維等の再生可能な原料から作製することができる。
【0070】
本開示は、活性剤が、ニコチン、カンナビノイド、カフェイン、チョウセンニンジン、タウリン及び/又はBCAA(分岐アミノ酸)を含み得るか、又はそれらからなり得る、口腔無煙パウチなし製品を提供する。
【0071】
ニコチンは周知の刺激剤であり、例えば禁煙を試みる人のための禁煙薬剤として使用されることがある。ニコチンは、身体に鎮静作用と刺激作用の両方を与える場合がある。ニコチンは、副腎を刺激して、その結果アドレナリンを放出させることによって引き起こされ得る「キック」をもたらすことがある。
【0072】
使用されるニコチン化合物の選択は、製品の意図される保存条件及び/又は所望の放出速度等の状況に依存する。例えば、ニコチン塩基の形態で製品中に存在するニコチンは、消費者が製品を口に入れた際に実質的に即時放出され、粘膜を超えて良好に吸収され得るが、酸化及び揮発性のために保存安定性が劣ることに関連し得る。したがって、ニコチンは、ニコチン塩の形態等、ニコチン塩基以外の形態で製品に提供することができる。有用なニコチン塩としては、ニコチン塩酸塩、ニコチン二塩酸塩、ニコチン一酒石酸塩、ニコチン二酒石酸塩、ニコチン二酒石酸塩二水和物、ニコチン硫酸塩、ニコチン塩化亜鉛一水和物、ニコチンサリチル酸塩、ニコチンクエン酸塩、ニコチンポラクリレックス、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。製品を消費者の口腔内に入れた時に、粘膜を越えて十分な吸収を可能にする十分な量のニコチンをニコチン塩基として放出できるように、pH調整剤は、ニコチン製剤に含まれてもよい。
【0073】
本明細書で記載するように、口腔無煙製品はpH調整剤を含むことができる。本明細書で使用されるpH調整剤は、pH調整剤が水性液体中に溶解又は分散された時に、唾液等の水性液体のpHを調整及び制御する目的で添加される1種以上の物質である。本明細書に開示されるパウチなし口腔無煙製品に使用される好適なpH調整剤の例としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0074】
pH調整剤の量は、本明細書に記載の製品を精製水に浸した時に、約6.0を超えるpH、例えば約7.0を超えるpH、例えば約7.0~約10.0の範囲内のpH、又は約8.0~約9.0の範囲内のpH、例えば約8.3~約8.7の範囲内のpHを提供するように選択することができる。
【0075】
pHは、5g±0.1gの質量を有する試料を150mlのガラスビーカーに入れ、そのビーカーに100mlの脱イオン水を加えて決定する。渦が形成しないように攪拌速度を慎重に調節しながら、浸漬した試料を5~10分間攪拌する。その後、pHメーター電極を溶液に浸してpHを測定する。
【0076】
ニコチンは周知の刺激剤であるが、カンナビジオール等のカンナビノイドの口腔無煙製品の活性剤としての使用は、より最近のことである。カンナビノイドは、カンナビス植物に見出される化合物である。最も周知されているカンナビノイドはテトラヒドロカンナビノール(THC)であり、これは、それを服用した個人の精神、行動及び/又は感情に影響を与えることができる向精神作用を有する。しかし、すべてのカンナビノイドが向精神作用を示すわけではない。例えば、カンナビノイドのカンナビジオール(CBD)は向精神作用に関連しない。カンナビジオールは、カンナビス植物の最大40%を構成する。カンナビジオール(C21H30O2)は、カンナビス植物から抽出することもでき、又は合成的に調製することもできる。カンナビジオールは、抗うつ作用、鎮静作用、抗不安作用、睡眠促進作用、抗炎症作用及び抗精神病作用等を有することが示されている。更に、カンナビジオールは、タバコ及び/又はニコチン中毒の軽減に有効であることが示されている。カンナビジオールは、抗てんかん作用のために医薬組成物に使用されており、パーキンソン病及びクローン病等の疾患の処置にも有用であるとも考えられている。
【0077】
本明細書に開示される口腔無煙製品に企図されるカンナビノイドは、以下のうちの1種以上であってもよい:テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビエルソイン(CBE)及びカンナビシトラン(CBT)。
【0078】
本明細書に記載されるカンナビノイドは、非向精神性カンナビノイド、すなわち向精神作用を有さないカンナビノイドであってもよい。非向精神性カンナビノイドの例としては、カンナビジオール(CBD)及びカンナビゲロール(CBG)が挙げられる。例えば、非向精神性カンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)の(-)-エナンチオマー、(+)-エナンチオマー又はラセミ混合物等のカンナビジオール(CBD)であってもよい。更に、非向精神性カンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノール(THC)を含まない、又は工業用麻の総質量に基づいて0.5wt%以下のような低濃度のTHCを含む工業用麻の形態であってもよい。
【0079】
本開示は、本明細書に記載されるカンナビノイドの誘導体も包含することが理解されよう。例えば、化合物中に存在する1個以上のヒドロキシ基は、アルキル化又はアシル化され得る。
【0080】
カフェインもまた、本明細書に開示される口腔無煙製品中の活性剤として使用することができる周知された刺激剤である。
【0081】
本明細書に開示される口腔無煙製品に使用できる更なる活性剤は、チョウセンニンジン、タウリン及び分岐鎖アミノ酸(BCAA)である。
【0082】
口腔無煙製品は、開示される任意の活性剤の組み合わせ物を含んでもよい。活性剤のいくつかは、共に有用であり得る。
【0083】
口腔無煙製品は、1mg~25mg、好ましくは1mg~10mg又はより好ましくは2mg~8mgの量のニコチンを含むことができる。
【0084】
本明細書に開示されるように、活性剤は、ニコチン塩基又はニコチン塩の形態のニコチンを含むか、又はそれからなることができる。ニコチン塩は、ニコチンポラクリレックス、ニコチン塩酸塩、ニコチン二塩酸塩、ニコチン一酒石酸塩、ニコチン二酒石酸塩、ニコチン二酒石酸塩二水和物、ニコチン硫酸塩、ニコチン塩化亜鉛一水和物、ニコチンサリチル酸塩、ニコチンクエン酸塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。
【0085】
本開示は、フレーバー剤を含む口腔無煙製品を提供することができる。レモン、リンゴ、マンゴー、バナナ、ナシ、オレンジ、イチゴ、ヘーゼルナッツ等のフルーツフレーバー、及びメントールフレーバー、コーヒーフレーバー、タバコフレーバー、カンゾウフレーバー、ウィンターグリーンフレーバー等を含む、当該技術分野で公知の任意のフレーバー剤を使用することができる。
【0086】
本開示は、本明細書に開示される薄い口腔無煙製品で達成されるフレーバーの迅速かつ改善された放出を提供し得る。
【0087】
本開示は、口腔無煙製品がタバコを含まない口腔無煙製品を提供し得る。
【0088】
口腔無煙製品は、単層不織布材料である繊維状担体を含むことができる。本明細書に開示される単層不織布材料は、凝集した一体化した繊維状不織布ウェブである。単層不織布ウェブは、厚さ方向に均質であってもよく、又は異なる組成及び/又は異なる密度の層を含んでもよい。
【0089】
単層材料により、層間剥離のリスクのない凝集した口腔無煙製品が製造される。一般に均質な多孔性不織布材料は、活性剤及び/又はフレーバーを効率的に担持することができ、担体材料のあらゆる方向に良好な流体分布をもたらす担体を構成する。更に、単層材料は、積層材料よりも良好な柔軟性及び適合性を有する口腔パッチを提供するので、複数の層の積層体よりも好ましい。
【0090】
口腔無煙製品は、0.2mm~5mm、例えば0.5mm~4mm、例えば0.8mm~3mm、例えば1.0mm~2.0mm、例えば1.0mm~1.5mm、例えば1.0mm~1.4mmの厚さを有することができる。口腔無煙製品の厚さが、0.7mm~1.5mmであることが特に好ましい場合がある。本明細書に開示される口腔無煙製品の厚さは、EDANA WSP120.6(5)法を用いて、0.5kPaを加えた圧力で、直径57mmのプローブで測定される。
【0091】
本明細書に開示される口腔無煙製品の担体の不織布材料は、70g/m2~300g/m2、例えば70g/m2~200g/m2、70g/m2~200g/m2又は70g/m2~150g/m2の目付質量を有することができる。担体の質量は、担体の乾燥質量である。好ましくは、本明細書に開示される口腔無煙製品の担体の不織布材料は、100g/m2~200g/m2の範囲の目付質量を有する。より小さいフォーマットに折り畳むように構成された、本明細書に開示されるパウチなし口腔無煙製品に対して、不織布担体材料は、好ましくは、50g/m2~100g/m2の範囲の非折り畳み目付質量を有する。不織布担体材料の二重折り畳み後の折り畳み目付質量は、100g/m2~200g/m2の範囲となる。
【0092】
担体の乾燥質量は、0.02g~0.5g、例えば0.05g~0.3g、好ましくは0.05g~0.2g、より好ましくは0.04g~0.1gでもよい。
【0093】
口腔パウチなし製品は、0.1g~1.0g、好ましくは0.1g~0.5gの乾燥質量を有することができる。製品は、担体を構成する不織布ウェブ、適用した増粘剤、活性剤及び/又はフレーバー、並びに本明細書に開示される任意の更なる添加剤を含む。製品の質量は、担体の質量の最大約7倍でもよい。
【0094】
繊維状担体の繊維は、0.5dtex~5.0dtex、例えば1.0dtex~3.0dtexの線密度を有することができる。
【0095】
口腔無煙パウチなし製品は、X-Y平面において、1.0cm2~8cm2、好ましくは1.0cm2~5cm2、より好ましくは1.5cm2~4cm2の面積を有することができる。より小さなフォーマットに折り畳むように構成された口腔パウチなし製品は、例えば、折り畳まない状態で使用するように構成された対応するパウチなし製品の2倍の面積を有することができる。
【0096】
本開示は、口腔無煙製品を提供することができ、口腔無煙製品は、長さ方向で測定される長さが、幅方向で測定される幅よりも大きい長方形の形状を有し、口腔無煙製品は、幅方向に5mm~40mm、例えば7mm~30mm又は8mm~20mmの最大幅を有し、長さ方向に10mm~70mm、例えば15mm~50mm又は20mm~35mmの最大長さを有する。長方形の形状を得るために、小さい幅は、小さい長さを有する口腔無煙製品に適用され、大きい幅は、大きい長さを有する口腔無煙製品に適用される。口腔無煙製品は、最大幅が8mm~20mmの範囲内にあり、最大長さが20mm~35mmの範囲内にある長方形の形状を有することが好ましい場合がある。これらの製品の厚さは、好ましくは0.7mm~1.5mmの範囲内である。このような好ましい寸法は、使用形態に折り畳むことを意図した口腔無煙パウチなし製品にも適用され、そのときの寸法は、口腔無煙パウチなし製品の折り畳まれた形態に適用可能である。
【0097】
本明細書に開示される口腔パッチ100は、レモンフレーバーであればレモン形状、バナナフレーバーであればバナナ形状、コーヒーフレーバーであればコーヒー豆形状等、フレーバーを示す形状を有することができる。例として、レモン形の口腔パッチ100aを図4aに示し、コーヒー豆形の口腔パッチ100fを図4fに示す。
【0098】
三角形、円形、長方形、楕円形、犬骨形等を含む任意の幾何学的形状、及びハート形、葉形、花形、閃光形、ブーメラン形、又はドロップ形等の装飾的形状等、任意の好適な形状を使用できることを理解されたい。製品の商業的起源を示すためにロゴ形状を使用することができる。
【0099】
図4bに例示する葉形の口腔パッチは、製品の環境に優しい側面を高めることができる。図4cに示す腎臓形の口腔パッチ100cは、すべての縁が滑らかに湾曲しており、腎臓形が使用者の歯茎と上唇又は下唇との間にきれいに収まるので有益となり得る。
【0100】
本明細書に開示される口腔パッチの不織布担体材料は、不織布担体材料に施されたミシン目、空洞又はエンボスを提供することによって物理的に修飾されている場合がある。ミシン目、空洞又はエンボスは、純粋に装飾的であってもよく、又は口腔パッチの視覚的印象を変えることに加え、機能的な目的を有するものであってもよい。
【0101】
不織布担体材料のミシン目又は空洞は、含浸液体が繊維状構造体に浸透するための通路を形成することによって担体材料の含浸性を高めるように働くことができる。ミシン目はまた、使用中に口腔パッチを通る唾液の流れを促進し、パッチからの活性剤及び/又はフレーバーの唾液中への迅速な放出を助けることができる。このような流体の流れを促進するミシン目は、担体材料の表面上に分布させることができ、パターン状に配置することができる。
【0102】
例として、葉脈(leaf nerve)102は、図4bに示す葉形の口腔パッチ100bに示されている。葉脈102は、不織布担体材料を完全に又は部分的に通って施されるエンボス線又は切れ目であってもよい。エンボス線は、折り曲げ指示として働き、エンボス線に沿って口腔パッチの柔軟性を高めることができる。エンボス線はまた、不織布担体材料の繊維状構造が圧縮されたエンボス線に沿って流体輸送を促進することができ、したがって、エンボス線中の繊維間に細いキャピラリー(capillary)が生じる。
【0103】
エンボス加工により形成された圧縮構造等の圧縮された繊維状構造は、周囲の圧縮されていない繊維状構造よりも細いキャピラリーを有する。微細なキャピラリーを有する圧縮された繊維状構造を有する口腔パッチの一部は、圧縮されていない繊維状不織布担体材料の部分から液体を排出する。加えて、口腔パッチの圧縮された部分は、口腔パッチの圧縮されていない部分よりも低い速度で液体及び液体中の活性剤を放出する。エンボス加工のこの効果は、口腔パッチ中の活性剤の放出速度を制御し、口腔パッチが使用者の口に入れられた時に活性剤が放出される期間を延長するために使用することができる。
【0104】
不織布担体材料を通る部分的又は完全な切れ目は、柔軟性が増し、それによって、口腔パッチの適合性が向上するように働くことができる。切れ目とエンボス加工は、液体分配及び口腔パッチの柔軟性を制御するために組み合わせて使用することができる。
【0105】
本明細書に開示される口腔パッチは、印刷された装飾、テキスト等を備えることができる。印刷は、単独で、又は不織布担体材料の表面に形成されたエンボス加工、ミシン目又は空洞等の、口腔パッチにおける不織布担体材料の機械的修飾と組み合わせて使用することができる。
【0106】
図4dに示すハート形の口腔パッチ100dは、口腔パッチ100dの長手方向Lの中央に延びるエンボス線103を有する。エンボス線103は、不織布担体材料の2枚の重ね合わされた層を有する、より小さいがより厚いパッチを作るために、口腔パッチ100dを使用者がそれに沿って折り曲げることができる折り曲げ指示である。
【0107】
図4eは、縦長のストリップ100eを4つの部分100e'、100e''、100e'''、100e''''に分割する3本のミシン目線104を含む不織布担体材料の縦長のストリップ100eを示す。縦長のストリップ100eは、縦長のストリップ100eよりも小さいサイズを有する口腔パッチを作るために、ミシン目線104の1本以上に沿って裂くことができる。3本すべてのミシン目線104に沿って裂けば、縦長のストリップ100eから等しい大きさの4つの口腔パッチ100e'、100e''、100e'''、100e''''が作成される。中心方向に延びるミシン目線104に沿って裂けば、等しい大きさの2つの口腔パッチが作成される等である。ミシン目線104は、代わりに、縦長のストリップをそれに沿ってより厚い多層構造に折り畳むことができる折り目指示として使用することができる。更なる選択肢は、例えば中央のミシン目線104に沿ってストリップを切り離すことでもよい。次いで、ストリップの2つの部分を、2つの部分のそれぞれに残る無傷のミシン目線に沿って二重に折り畳むことができる。
【0108】
マルチパッチ製品は、図4eに示す縦長のストリップ以外の他の形態、例えば、複数の個々の口腔パッチに分割できる不織布担体材料のシート等の形態、又は個々の口腔パッチが引き裂かれ得るか若しくは切断され得る不織布担体材料のロールとしての形態をとることができることを理解されたい。
【0109】
本明細書に開示される口腔無煙製品の繊維状担体は、化学バインダーを含んでもよく、化学バインダーは、好ましくは、規格ISO/AWI 20200 Plasticsに従った生分解性及び/又はバイオベースのバインダーである。ISO/AWI 20200 Plasticsは、実験室試験における模擬コンポスト化条件下でのプラスチック材料の分解度の決定に関する。
【0110】
もちろん、繊維状担体が生分解性繊維を含む場合、生分解性及び/又はバイオベースのバインダーを使用するのが特に有利である。
【0111】
ポリエステル等の他のバインダーを使用することは可能である。しかし、本明細書で記載するように、環境に優しいバインダー、例えば生分解性バインダー及び/又はバイオベースのバインダーを使用することは、環境面から有利である。
【0112】
70g/m2~150g/m2程度の目付質量を有する担体は、500l/m2/秒~2000l/m2/秒の通気性を有することができる。
【0113】
更に、担体の吸収能は、担体ウェブの乾燥質量の500%~800%でもよい。水の吸収能は、SS-EN ISO 12625-8:2006に基づく方法に従って測定されるが、その際、試料を水に浸した後、担体ウェブが完全に濡れていることを確認するために、試料を80kPaの負圧に10分間曝すという変更を加える。浸した材料が水で完全に飽和した時に、試料を水から取り出し、2分間排水させた後、重さを測る。
【0114】
高い吸収能が望まれる場合があるが、これは、担体が、増粘剤、活性剤及び/又はフレーバーを含有する液体を多量に吸収することができるためである。
【0115】
担体不織布の含浸は、不織布の製造プロセス又は不織布ウェブのための繊維を製造する際に界面活性剤を添加することによって促進することができる。
【0116】
不織布ウェブの担持能を向上させる方法としては、表面上の葉同士の間に形成されたキャピラリーに活性剤及び/又はフレーバーを含有できる多葉性繊維を使用することが挙げられる。多葉性繊維は、ビスコース繊維又はリヨセル繊維等の再生セルロース繊維でもよい。
【0117】
本明細書で開示される担体不織布ウェブは、試験を単層試料で行うこととする変更を加えた、ASTM D4032 - 08(2016年再承認)のCircular Bend Procedureに従って測定された2N~35Nの曲げ硬さを有し得る。
【0118】
本明細書に開示される口腔パウチなし製品は、好ましくは、乾燥状態では比較的硬いため、未使用の製品を扱いやすくし、口腔内に入れやすくする。口腔内で唾液で濡れると、製品は柔らかくなり、柔軟になって使用者の歯茎に適合する。
【0119】
本開示は、本明細書に開示される口腔無煙製品を製造するための方法を更に提供し、本方法は、
- 不織布担体材料を用意する工程;
- フレーバー及び/又は活性剤、グリセロール、増粘剤、例えばアルギン酸塩又はアカシアガム等、水、並びに任意選択の食用色素、を含む液体溶液を用意する工程;
- 液体溶液を不織布担体材料に適用する工程
を含む。
【0120】
本方法は、以下を更に含むことができる。
- 不織布担体材料から個々の口腔無煙パッチを打ち抜く工程。個々の口腔無煙パッチは、不織布担体材料への液体溶液の適用前又は後に打ち抜くことができる。
【0121】
液体フレーバー溶液である液体溶液の一例を以下に開示する。
成分 量(wt%)
グリセロール 14
アルギン酸塩 0.75
水 40.1
KOH 0.01
マルチトール 40.1
フレーバー 5.00
合計 100
【0122】
液体溶液が液体フレーバー溶液である場合、本方法は、
- 活性剤及び水を含む水溶液を用意する工程、及び
- 水溶液を不織布担体材料又は打ち抜かれた個々の口腔無煙パッチに適用する工程
を更に含むことができる。
【0123】
不織布担体ウェブに活性剤を含む水溶液を適用する工程とは別の工程で液体フレーバー溶液を適用することが有利な場合がある。フレーバー剤、甘味料、pH調整剤等の添加とは別に活性剤を添加することで、不織布担体ウェブに適用する活性剤の量を制御しやすくなることが見出されている。更に、活性剤は、ニコチン等の非常に強力な物質であることが多く、製造プロセスでは特に注意して取り扱う必要がある。
【0124】
更に、活性剤の適用方法は、フレーバー溶液の適用方法とは異なる場合がある。フレーバー溶液の適用は、例えば、フレーバー溶液に不織布担体ウェブを浸すことによって、不織布担体ウェブにフレーバー溶液を加圧又は吸引することによって、又は担体ウェブ上にフレーバー溶液を噴霧することによって行うことができる。活性剤は、例えば、不織布担体ウェブ上に滴として適用することも、不織布担体ウェブ上に噴霧することも、又は不織布担体ウェブ中に注入することもできる。
【0125】
液体溶液がフレーバー及び活性剤の両方を含有する製造方法において、液体溶液は、不織布担体ウェブを液体溶液に浸すことによって、液体溶液を不織布担体ウェブに加圧又は吸引することによって、又は液体溶液を担体ウェブに噴霧することによって、不織布担体に適用することができる。液体溶液は、アルギン酸塩、アカシアガム、グリセロール又はそれらの組み合わせ等の増粘剤を含むため、不織布担体ウェブに液体溶液を含浸させるには、不織布担体ウェブに液体溶液を加圧、注入又は吸引することが必要となる場合がある。
【0126】
活性剤としてのニコチン及び水を含む水溶液の例を以下に開示する。
成分 量(wt%)
予備混合物 40.0
KOH 5.3
水 54.7
合計 100
【0127】
この場合の予備混合物は、ニコチン20.0%、グリセロール60.0%、水10%及び酒石酸10%を含む。
【0128】
本明細書に開示される口腔無煙製品中に存在するニコチン又は他の活性剤の量は、水溶液中の予備混合物の量を変えることによって変更することができる。したがって、水溶液中の予備混合物の量は、口腔無煙製品中の活性剤の所望の含有量に応じて、20wt%~100wt%であることができる。100%の予備混合物を使用する場合、溶液は、本明細書に開示されるKOH又は他の任意の好適なpH調整剤等の高濃度のpH調整剤でpHを安定化することが必要となる場合がある。
【0129】
本明細書に開示される口腔無煙製品を製造するための方法において、活性剤は、ニコチン、カンナビノイド、カフェイン、チョウセンニンジン、タウリン及び/又は分岐アミノ酸(BCAA)を含むか、又はそれらからなることができる。
【0130】
上記に開示した異なる薬剤の例は、口腔無煙製品を製造するための方法にも使用できる。
【0131】
本方法では、活性剤はニコチンを含むか、又はそれからなることができ、ニコチンを含む水溶液は、KOH等のpH調整剤を更に含むことができる。
【0132】
本明細書で開示される方法は、以下の工程を含むことができる。
- 担体不織布材料を液体フレーバー溶液の浴槽に浸漬することにより、担体不織布材料に液体フレーバー溶液を含浸させる工程、
- 担体不織布材料に機械的圧力を加える工程;及び
- 担体不織布材料を乾燥させる工程。
本方法は、以下の工程を更に含むことができる:
- 担体不織布材料を乾燥させる工程の後、活性剤の水溶液を担体不織布材料に適用する工程。
【0133】
担体不織布材料は、凝集した不織布担体ウェブの形態でありながらも、液体フレーバー溶液を含浸させることができる。その後、活性剤の水溶液を乾燥し凝集した不織布担体ウェブに適用することができる。或いは、あまり好ましくないが、担体不織布材料に液体フレーバー溶液を、打ち抜き又は切り取った個々の不織布材料パッチの形態でありながらも、含浸させ、その後、活性剤の水溶液を乾燥した不織布材料パッチに適用することができる。
【0134】
更なる選択肢としては、凝集した不織布担体ウェブの形態でありながらも担体不織布材料は液体フレーバー溶液を含浸させ、その後、個々の不織布材料パッチを形成するために切断又は打ち抜きに供される。液体フレーバー溶液の適用後の乾燥工程は、連続ウェブを切断又は打ち抜きして個々の不織布材料パッチを形成する前又は後に実施することができる。
【0135】
その後、乾燥した個々の不織布材料パッチを、活性剤を含有する水溶液の適用に供することができる。
【0136】
切断工程は、不織布担体ウェブにすべての添加剤を適用した後に行われる最終工程であることが好ましい場合がある。切断工程は、含浸させた不織布担体ウェブの乾燥前又は後に実施することができる。
【0137】
本方法は、液体フレーバー溶液を不織布担体材料の凝集したウェブに適用した後、
- 回転する対向するローラー間の含浸させた不織布担体材料の凝集したウェブを通過させる工程及び/又は余分な液体を掻き落とす工程;
- 含浸させた不織布担体材料の凝集したウェブを、エアドライ等により乾燥させる工程
によって余分な液体を排出する工程を含むことができる。
【0138】
不織布担体ウェブをフレーバー及び増粘剤を含有する溶液で含浸させる工程とは別の製造工程でニコチン等の活性剤を添加することにより、含浸させた不織布ウェブから個々のパッチが切り取られる領域内にのみ活性剤を局所的に適用することができる。それにより、個々のパッチが、凝集した不織布ウェブから打ち抜かれたり、切り取られたりする際に、切り取られて廃棄される凝集した不織布ウェブの部分には、ニコチン又は他の活性剤は存在しない。潜在的に有害な活性剤を含有するこのような廃棄材の取り扱いは、慎重に行わなければならず、機械操作員が活性剤に曝されるのを避けなければならない。また、潜在的に有害な化学物質を含有する材料を廃棄する際は、環境面も考慮しなければならない。
【0139】
本明細書に開示される口腔無煙製品は、打ち抜き又は切り取りパッチとしてではなく他の形態で消費者に送達することができる。例えば、口腔無煙製品は、バンド、ストリップ、又はシートの形態で消費者に送達することができ、そこから個々の口腔無煙製品を、引き裂き又は切断等によって消費者が分離することができる。工具を使用することなく、このような複数製品のバンド、ストリップ又はシートから個々の口腔無煙製品を分離しやすくするために、バンド、ストリップ又はシートには、ミシン目、裂け目、部分的な切れ目等の分離手段を施してもよい。
【0140】
従来のパウチ口腔無煙煙製品は、一部の使用者にとって不満足であったり、魅力的ではなかったりする場合があり、又は製品を目立たずに使用できることが望まれる何らかの状況において不満足であったりする場合がある。従来のパウチ製品はかさばり、唇の下で人目を引かずに使用することが困難な場合がある。
【0141】
パウチ製品において、ニコチン又はタバコ組成物等の活性剤を含有する非タバコ組成物は、一般に、縦方向に延びる本体シーム及び2つの端部シームで封止される不織布パウチに充填され、5mm程度の厚さを有する枕状の製品を形成する。シームは通常、接着剤、熱溶着又は超音波溶着によって形成され、不快感の原因となり得る一体化して硬くなった材料を含有し、歯茎の粘膜や唇の内側に対してざらつきを感じさせることがある。
【0142】
本明細書に開示される口腔無煙製品において、不織布材料は、増粘剤の唯一の担体と、活性剤及び/又はフレーバーとを構成し、口腔無煙製品の厚さ及び体積を決定する。本明細書に開示される口腔無煙製品はパッチの形態であるため、製品はいかなるシームも含まない。
【0143】
満足のいく口腔無煙製品が封止なしで作製できることは、パウチ製品で発生する封止破損の問題が解消されるため、重要な発見である。更に、本明細書に開示されるパウチなし口腔無煙製品は、非常に目立たず、人目を引かないだけでなく、使用者の歯茎の形状にほぼ完全に適合できるため、口の中での使用がより快適である。
【0144】
本明細書に開示される口腔無煙製品は、通常のスヌース/ニコチンパウチ製品が、使用者の口の中で唾液と接触した際に生成する「スヌースジュース(snus-juice)」が原因で発生する液だれに悩まされることはない。また、製品の薄さと、製品の体積に対して大きく、露出した表面により、フレーバー及び活性剤の送達も向上する。薄い口腔パウチなし製品は、ニコチンを素早く放出し、紙巻きタバコを吸った時に経験するニコチン送達を模倣する。これは、禁煙の補助として本製品を使用する人々に特に喜ばれるであろう。
【0145】
生分解性製品は、多くの理由で有利である。製品が生分解性であるため、堆肥として、好ましくは家庭堆肥化環境でリサイクルできることは、環境にとって有利である。使用後の製品は、柔らかく薄い不織布材料のシート又はパッチの形態をしており、使用後は吐き出されて廃棄される。製品の生分解性は、意図せず又は意図的に地面に落とされた製品が時間とともに分解されて崩壊するという点で、ポイ捨ての悪影響を軽減することができる。
【0146】
本明細書に開示されるパウチなし製品は、好ましくは生分解性材料、好ましくはバイオベースの材料からも作製される。本明細書で記載するように、製品が家庭での堆肥化条件下で分解可能であることが特に好ましい場合がある。しかし、使用済みの廃棄された製品は、その後、他の産業用堆肥化可能材料と一緒に分別できるため、製品が産業用堆肥化基準を満たせば十分な場合がある。
【0147】
本明細書に開示される口腔無煙製品には溶着性が要求されないため、担体材料として使用可能な不織布材料は、生分解性、柔らかさ、親水性、吸収能等の基準に基づいて自由に選択することができる。
【0148】
体積が小さいため、スヌース、微結晶セルロース(MCC)、植物繊維及び同様の成分等の充填剤が不要であるため、本明細書に開示される製品は、資源効率及びコスト効率がよい。更に、輸送ボックス及びユーザーパッケージをより小さく作製することができる。
【0149】
本明細書に開示される口腔無煙製品は、長さ方向の長さ及び幅方向の幅を有する長方形の形状を有することができる。口腔無煙製品は、使用者の上唇の下の歯茎及び口内の利用可能な表面に適合する形状及びサイズを有することができる。歯茎の形状及び大きさは使用者によって異なるため、口腔無煙製品は、異なる使用者のニーズを満たすために、異なるサイズ及び/又は異なる形状で提供することができる。口腔無煙製品は、端が丸く、鋭い角がない場合がある。
【実施例
【0150】
摩擦測定
静及び動摩擦係数をASTM D1894に従って測定した。
【0151】
(実施例1)
ニュートン(N)単位の静及び動摩擦係数(CoF)を、2種類の比較可能なビスコース不織布材料について決定し、最初の1種類目は30g/m2の湿式不織布である:
静CoF:0.7、動CoF:0.17。
【0152】
2種類目の材料は、30g/m2の乾式不織布である:
静CoF:0.15、動CoF:0.06。
【0153】
湿式不織布のより高い値は、湿式材料から作製されたパッチについて所定の位置に留まる特性がより優れていることを示している。
【0154】
ニコチン抽出
(実施例2)
ニコチン抽出のための抽出試験は、本発明による不織布パッチに対して行い、2.5mg/パッチ、2.7mg/パッチ及び3mg/パッチの量のニコチンで含浸させた。担体不織布材料は湿式不織布ウェブであった。4種類の異なる目付質量を試験した:70g/m2、100g/m2、150g/m2、200g/m2。担体不織布材料は、1.7dtexのビスコース繊維を化学バインダーで接着して作製された。NIL 1と表示されたパッチは、製品あたり0.17gの平均乾燥質量を有する葉形であった。NIL 2、3、4及び5と表示されたパッチは、Table 1(表1)に記載した平均乾燥質量を有する三日月型であった。
【0155】
参照製品は、従来のパウチ非タバコ製品であった:Swedish Match社からのZyn dry(登録商標)(ニコチン3mg)及びZyn slim(登録商標)(ニコチン9mg)。「P」と表示された参照製品は、700μmの平均粒径を有する微結晶セルロースの粒子の基材を含む充填物を有する口腔パウチ非タバコ製品であった。
【0156】
試験手順
in vivo抽出調査の参加者は、個々のバイアルに保管した不織布パッチが同じ重さを保持するよう選択された3個の複製試料を扱った。参加者は、決められた時間(5、10、15又は30分)で、1日1回の使用に制限された製品セットを使用するよう指示され、確実に使用中は飲食しないようにし、その後、唇の下から製品を取り出し、ピンセットで新しいバイアルに直接入れ、その後、冷凍庫に入れた。使用した製品は、ユニットあたりのニコチン含有量について分析され、そこからニコチン抽出量を算出した。
【0157】
試料:
【0158】
【表1】
【0159】
試験試料は、グリセロール、アルギン酸ナトリウム、42%水及びマルチトールを含有する溶液に含浸させた後、ニコチン予備混合物溶液を分注し、最終的なニコチン量/ユニットを得た。NIL 2~5試料は、乾燥質量のおよそ23%のグリセロール含有量、乾燥質量のおよそ1%のアルギン酸塩含有量、及びおよそ30~35%のマルチトール含有量を有した。
【0160】
結果を以下のTable 2(表2)に示す。数値は、すべての被験者の平均値として算出した。被験者の数は、NIL 1に対して11人、NIL 2~5に対して12人、参照製品に対して9人であった。
【0161】
【表2】
【0162】
Table 2(表2)からわかるように、本発明によるニコチンパッチNIL 1のニコチン抽出は、従来のパウチ非タバコ製品Zyn dry 3mg及びZyn slim 9mgよりも、30分の試験時間の後、より速く、より完全であることが両立した。
【0163】
異なる目付質量を有するパッチを比較すると、70g/m2の目付質量を有するNIL 2は、150g/m2及び200g/m2の目付質量を有するNIL 3及びNIL 5のパッチと比べて、それぞれ10分間使用した後にパッチ中のニコチンがほぼ3倍多く放出されたことがわかった。ミシン目を入れた150g/m2パッチNIL 4から10分後に抽出されたニコチンの量は、対応するミシン目を入れていないパッチNIL 3よりもいくらか多いことがわかり、担体不織布のミシン目により口腔パッチからのニコチンの放出が向上し得ることを示した。
【0164】
吸収測定
NIL 1、3及び5試料の調製に使用したウェブに対応する湿式ビスコース不織布ウェブ、及び250g/m2の目付質量を有する湿式ビスコース不織布ウェブの水の吸収能を、担体材料/基材を水に浸しながら80kPaの負圧に10分間曝すという変更を加えた、SS-EN ISO 12625-8:2006に従って測定した。
【0165】
試料の準備:各試験不織布ウェブから5グラムの総質量を有する5片を切り出した。この5片の材料を緩く巻き合わせ、SS-EN ISO 12625-8:2006に規定されている試験用バスケットに入れた。試験用バスケットを水の入った容器に入れ、バスケット全体及び試料を水面下に置いた。
【0166】
試験用バスケット及び試料を入れた容器を真空チャンバーに入れ、-80kPaの圧力を10分間加えた。その後、試験用バスケットを水から引き上げ、2分間滴下させた。
【0167】
試料の吸収能は、試料の乾燥質量に対する湿潤試料の質量のパーセントとして決定され、すべての試験材料に対して同程度であることがわかった:
試料1(100g/m2) - 675%
試料2(150g/m2) - 664%
試料3(200g/m2) - 667%
試料4(250g/m2) - 678%
【0168】
本明細書で開示される口腔パッチの基材として使用される担体不織布材料の吸収能は、好ましくは担体ウェブの乾燥質量の500%~800%の範囲である。
【0169】
硬さ測定
上記試料1~5のドライ不織布担体ウェブの硬さは、試験を単層試料で行ったという変更を加えた、ASTM D4032-08(2016年再承認)Standard test Method for Stiffness of Fabric by the Circular Bend Procedureに従って試験した。
【0170】
試験したウェブは以下であった:
生分解性バインダーを有する70g/m2のビスコースベース - 平均硬さ2N
生分解性バインダーを有する150g/m2のビスコースベース - 平均硬さ15N
生分解性バインダーを有する200g/m2のビスコースベース - 平均硬さ18N
生分解性バインダーを有する250g/m2のビスコースベース - 平均硬さ30N
【0171】
本明細書に開示される口腔パッチは、口腔パッチが容器から取り出しやすく、口腔内に配置しやすいように、ドライ不織布担体ウェブの硬さよりも高い平均硬さを有する未使用状態において比較的硬いことが有利であることがわかった。本明細書に開示される口腔パッチの硬さは、アルギン酸塩及びアカシアガム等の増粘剤、及びマンニトール、マルチトール、イソマルト等の糖アルコールが担体ウェブ中に存在することによって増大する。使用前の段階では、製品の硬さに寄与するが、アルギン酸塩及びアカシアガムは濡れると軟化してゲル化し、糖アルコールは唾液に溶解し、柔軟性及び適合性が向上した製品が得られる。セルロース系繊維を含む担体不織布材料、例えばビスコース繊維の不織布ウェブは、濡れた際に柔軟になり、したがって、使用中の口腔パッチの柔軟性及び適合性を高めることに更に貢献する。
【0172】
70g/m2から作製されたNIL 2製品は、使用後に非常に薄くなり、取り除くのが難しいという点で、あまり好まれなかったということが、実施例1の被験者により報告された。
【符号の説明】
【0173】
100 口腔無煙製品
100 口腔パッチ
100a レモン形の口腔パッチ
100b 葉形の口腔パッチ
100c 腎臓形の口腔パッチ
100d ハート形の口腔パッチ
100e 縦長のストリップ
100f コーヒー豆形の口腔パッチ
101 担体
102 葉脈
103 エンボス線
104 ミシン目線
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
【手続補正書】
【提出日】2023-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体(101)と、
活性剤及び/又はフレーバーと
を含む口腔パッチ(100)の形態のパウチなし口腔無煙製品であって、
前記担体(101)が水不溶性の繊維状不織布材料からなり、
前記口腔パッチが増粘剤を更に含むことを特徴とする、口腔無煙製品。
【請求項2】
前記増粘剤が、アルギン酸塩、アカシアガム、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の口腔無煙製品。
【請求項3】
前記増粘剤が、アルギン酸塩を含むか、又はそれからなり、前記アルギン酸塩が、前記口腔パッチ(100)の乾燥質量の0.5%~5%を構成する、請求項1又は2に記載の口腔無煙製品。
【請求項4】
前記口腔パッチ(100)がグリセロールを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項5】
前記グリセロールが、前記口腔パッチ(100)の乾燥質量の15%から、前記口腔パッチ(100)の乾燥質量の35%までを構成する、請求項4に記載の口腔無煙製品。
【請求項6】
前記口腔パッチ(100)が、糖アルコール、例えばマルチトール、マンニトール若しくはイソマルト等、又は2種以上の異なる糖アルコールの組み合わせを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項7】
前記糖アルコールが、前記口腔パッチ(100)の乾燥質量の20%~45%を構成する、請求項6に記載の口腔無煙製品。
【請求項8】
前記担体(101)が、生分解性材料を含むか、又はそれからなる、請求項1から7のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項9】
前記繊維状不織布材料の繊維が、セルロース系繊維を含むか、又はそれからなる、請求項1から8のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項10】
前記担体(101)が湿式不織布材料からなる、請求項1から9のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項11】
前記湿式不織布材料が、ランダムな繊維配向を有する、請求項10に記載の口腔無煙製品。
【請求項12】
前記活性剤が、ニコチン、カンナビノイド、カフェイン、チョウセンニンジン、タウリン及び/又は分岐アミノ酸(BCAA)、又はそれらの任意の組み合わせの群から選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項13】
前記口腔無煙製品が、1mg~25mgの量のニコチン、好ましくは1mg~10mgのニコチン、又はより好ましくは2mg~8mgのニコチンを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項14】
前記活性剤が、ニコチン塩基又はニコチン塩の形態のニコチンを含むか、又はそれからなる、請求項1から13のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項15】
前記口腔無煙製品が、非タバコ製品である、請求項1から14のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項16】
前記口腔無煙製品がpH調整剤を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項17】
前記担体(101)が単層の不織布材料によって構成されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項18】
前記口腔無煙製品が、0.2mm~5mmの厚さ(t)を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項19】
前記担体が、70g/m2~300g/m2の目付質量を有する、請求項1から18のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項20】
前記担体(101)が、0.02g~0.2gの乾燥質量、例えば0.05g~0.2gの乾燥質量を有する、請求項1から19のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項21】
前記繊維状担体(101)の繊維が、0.5dtex~5dtexの線密度を有する、請求項1から20のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項22】
前記口腔無煙製品が、1.0cm2~8cm2の表面積を有する、請求項1から21のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項23】
前記口腔無煙製品が、長さ方向(L)に長さ(l)、及び幅方向(W)に幅(w)を有する長方形の形状を有し、前記口腔無煙製品が、幅方向(W)に5mm~20mmの最大幅(w)、及び長さ方向(L)に10mm~35mmの最大長さ(l)を有する、請求項1から22のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項24】
前記担体(101)が化学バインダーを含む、請求項1から23のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項25】
前記担体の水の吸収能が、担体ウェブの乾燥質量の500%~800%である、請求項1から24のいずれか一項に記載の口腔無煙製品。
【請求項26】
請求項1から25のいずれか一項に記載のパウチなし口腔無煙製品を製造するための方法であって、
- 凝集した不織布ウェブの形態で、又は前記不織布担体材料の個々のパッチとして、単層不織布担体材料を用意する工程;
- フレーバー及び/又は活性剤、増粘剤、例えばグリセロール、アルギン酸塩又はアカシアガム等、並びに水を含む、液体溶液を用意する工程;
- 前記液体溶液を前記不織布材料に適用する工程
を含む、方法。
【請求項27】
前記液体溶液が、フレーバー及び前記増粘剤を含む液体フレーバー溶液である、請求項26に記載のパウチなし口腔無煙製品を製造するための方法。
【請求項28】
請求項27に記載のパウチなし口腔無煙製品を製造するための方法であって、
- 活性剤及び水を含む水溶液を用意する工程;及び
- 前記水溶液を、前記凝集した不織布ウェブに、又は前記個々の口腔無煙製品に、適用する工程
を更に含む、方法。
【請求項29】
前記不織布担体材料が、凝集した不織布ウェブの形態であり、
- 個々の口腔無煙製品を前記凝集した不織布ウェブから、切断又は打ち抜き等により切り離す工程
を更に含む、請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記口腔無煙製品が、ニコチン、カンナビノイド、カフェイン、チョウセンニンジン、タウリン及び/又は分岐アミノ酸(BCAA)を含むか、又はそれらからなる活性剤を含有する、請求項26から29のいずれか一項に規定のパウチなし口腔無煙製品を製造するための方法。
【請求項31】
前記活性剤がニコチンを含むか、又はそれからなり、前記活性剤を含む溶液が、水酸化カリウム(KOH)等のpH調整剤を更に含む、請求項30に記載の方法。
【国際調査報告】