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特表2024-545758剛性のある遠位カニューレ係合領域を有する閉塞具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-11
(54)【発明の名称】剛性のある遠位カニューレ係合領域を有する閉塞具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536429
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 US2022082141
(87)【国際公開番号】W WO2023122667
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/292,415
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518072597
【氏名又は名称】ネプチューン メディカル インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス,ガーレット・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター,ケンダル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD51
4C160GG22
(57)【要約】
本明細書において、閉塞具と閉塞具が挿入されるカテーテルとの間の間隙を、組み合わされた閉塞具およびカテーテルを折り曲げるときに、防止または低減する閉塞具が開示されている。例えば、本明細書には、閉塞具が中に挿入されるカテーテルの遠位端部領域の剛性に整合するように構成されている遠位カニューレ係合領域を含む閉塞具が記載されている。また、本明細書には、閉塞具の周囲の部分のものよりも大きな剛性を有する遠位カニューレ係合領域を含む閉塞具が記載されている。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の剛性を有する遠位端部領域を有するカテーテルと、
前記第1の剛性に整合されている剛性を有する遠位カニューレ係合領域を有する閉塞具であって、前記遠位カニューレ係合領域の前記剛性が、前記遠位カニューレ係合領域の遠位にある先細りした領域の剛性とは異なり、前記遠位カニューレ係合領域に近位に隣接する前記閉塞具の領域とも異なる、閉塞具と、
を備え、
前記閉塞具およびカテーテルが、前記遠位カニューレ係合領域が前記カテーテルの前記遠位端部領域と整列されるように、互いに近位に係合して、組み合わされた構造物を形成し、前記組み合わされた構造物が屈曲しまたは湾曲されるときに、前記閉塞具と前記カテーテルとの間に間隙を形成することを防止するように構成されている、
システム。
【請求項2】
前記遠位カニューレ係合領域が、補剛部品を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記補剛部品が、前記遠位カニューレ係合領域内に管状部材を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記補剛部品が、前記遠位カニューレ係合領域の遠位にある前記先細りした領域および/または前記遠位カニューレ係合領域の近位に隣接する前記閉塞具の前記領域を形成する材料よりも高い剛性を有する材料を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記補剛部品が、内部の骨組みを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記遠位カニューレ係合領域が、1mmから40mmの間である長さを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記遠位カニューレ係合領域が、5mmよりも大きな長さを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記閉塞具が、前記閉塞具の長さを下に延在する細長いガイドワイヤチャネルを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の剛性に整合した前記剛性が、前記第1の剛性の±5%以内である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記遠位カニューレ係合領域が、前記遠位カニューレ係合領域内に補剛挿入物を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
先細りした遠位端部を含み、第1の材料を含む細長い本体と、
前記細長い本体の遠位カニューレ係合領域と、
を備え、前記遠位カニューレ係合領域が、挿入物を含み、前記遠位カニューレ係合領域が、前記細長い本体の前記先細りした遠位端部の近位にあり、前記細長い本体の第2の領域に遠位に隣接しており、前記挿入物が、前記遠位カニューレ係合領域の剛性が前記先細りした遠位端部および前記第2の領域の前記剛性よりも大きくなるように、前記第1の材料の剛性よりも大きな剛性を有する材料を含む、
閉塞具。
【請求項12】
前記細長い本体を通って延在する閉塞具内腔をさらに備える、請求項11に記載の閉塞具。
【請求項13】
前記挿入物が、前記閉塞具内腔と同軸の挿入物内腔を含む、請求項12に記載の閉塞具。
【請求項14】
前記挿入物が、約1mm~20mmの長さを含む、請求項11に記載の閉塞具。
【請求項15】
前記挿入物が、約0.2から約2.5GPaの間の剛性を含む、請求項11に記載の閉塞具。
【請求項16】
前記挿入物の剛性が、前記第1の材料の前記剛性の2倍よりも大きい、請求項11に記載の閉塞具。
【請求項17】
前記挿入物が、前記閉塞具と同軸である、請求項11に記載の閉塞具。
【請求項18】
閉塞具または拡張器を備える、請求項11に記載の閉塞具。
【請求項19】
前記挿入物が、前記遠位カニューレ係合領域の外径よりも小さな外径を有する、請求項11に記載の閉塞具。
【請求項20】
前記閉塞具の近位端部領域に、前記閉塞具の前記遠位カニューレ係合領域を前記閉塞具が挿入されるカテーテルの遠位端部領域と整列して固定するように構成されている止め具をさらに備える、請求項11に記載の閉塞具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本特許出願は、2021年12月21日に出願され、「OBTURATOR WITH STIFF DISTAL CANNULA ENGAGEMENT REGION」という発明の名称である、米国仮特許出願第63/292,415号に対する優先権を主張し、その全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
参照による組み込み
[0002]本明細書において述べられるすべての公開および特許出願は、各個別の公開または特許出願が具体的かつ個別に参照によって引用されると示された場合と同じ程度まで、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0003】
[0003]本出願は、医療処置での使用のための閉塞具の分野に関する。
【背景技術】
【0004】
[0004]閉塞具は、カテーテルが対象の解剖学的構造へガイドワイヤに沿って誘導されるときに、カテーテルを中心合わせし、導くために使用され得る医療機器である。例えば、閉塞具は、腹腔鏡手術、内視鏡手術、もしくは関節鏡手術、またはカニューレ挿入される部材(例えばカニューレ)が体内に挿入される実質的に任意の外科的処置のために、(例えばカニューレおよび閉塞具を含む)トロカール組立体の一部として使用され得る。閉塞具は、通常、それらが中に挿入されるカニューレを超えて延在し、体内への挿入に役立つことができる先細りしたまたはさらには尖った遠位端部領域を有し得る。場合によっては、閉塞具は中実であり得、あるいは閉塞具は、中空でありおよび/または閉塞具を貫通する1つもしくは複数の細長い内腔を含み得る。
【0005】
[0005]いくつかの事例では、特に解剖学的構造の蛇行した部分を進むときに、カニューレと閉塞具の外部表面との間に、間隙が形成し得ることが長らく認識されてきた。カテーテルと閉塞具との間の間隙の存在は、先端間隙として知られている。この間隙が、湾曲した解剖学的構造においてカテーテルおよび閉塞具が使用される結果である場合、間隙は際立ち、フィッシュマウスとして知られる状態になる虞がある。これらのタイプの間隙は、ともに組み合わせられ、単に1つまたは複数の「間隙」と呼ばれる。
【0006】
[0006]間隙は、患者の安全への懸念であり、および/または血管を通るカテーテルの機能性および追従性に影響する可能性がある。間隙は、組織をつまむことをもたらし得、これにより、患者の外傷および処置合併症を引き起こす虞がある。間隙は、分岐血管に引っかかって、解剖学的構造を通した前進を妨害する可能性がある。カテーテルと閉塞具との間の間隙を最小化するための機器またはシステムの必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本明細書には、閉塞具とカニューレとの間の間隙(フィッシュマウス)を防止する閉塞具を提供することができる方法および装置(例えば、閉塞具を含むシステム、機器)が記載されている。特に本明細書には、本明細書において閉塞具の遠位カニューレ係合領域と呼ばれる、(例えばカニューレの遠位端部開口部を含む)カニューレの遠位端部領域と整列するように構成されている閉塞具の少なくとも遠位端部領域が、遠位カニューレ係合領域のすぐ近位および/または遠位にある閉塞具の領域の剛性よりも大きな剛性を有する方法および装置が記載されている。
【0008】
[0008]間隙は、典型的には、閉塞具とカニューレの遠位端部領域との間に、曲げ剛性の大きな差があるときに作り出される。遠位端部領域の遠位先端が、デュロメータ硬度が低く剛性の低い材料で作られており、遠位先端のちょうど近位にある領域が、遠位先端よりも剛性があるときに、間隙は悪化させられる。遠位先端は、処置中に解剖学的構造を解体しまたは損傷させないために、しばしば低いデュロメータ硬度および低い剛性を有するように作られる。カニューレの本体が、その形状を保持し、押し荷重、引き荷重、ねじれ荷重、およびつまみ荷重に耐えなければならないため、遠位先端のちょうど近位にある領域は、典型的には遠位先端よりも剛性がある。また、ワイヤ、組紐、および滑らかなライナなどの補強要素がこの領域で終端し、それらの終端部が、補強要素が取り外されることを防止するために、溶接部、接着剤、およびヒートシンクなどの補強を要求するので、遠位先端のちょうど近位にある領域は、典型的には遠位先端よりも剛性がある。遠位先端が、遠位先端のちょうど近位にある領域よりも低い剛性であるとき、閉塞具からの曲げ荷重は、より剛性のある近位領域を折り曲げるのではなく、遠位先端に加えられ、軟質な遠位先端を変形して、遠位先端を楕円形にし、間隙を作り出す。本明細書において使用される場合、カテーテルの遠位端部領域とは、カテーテルの概ねより剛性がある遠位端部領域(例えば遠位先端のちょうど近位にある領域)を指し得る。
【0009】
[0009]カテーテルおよび/または閉塞具の剛性は、曲げ弾性率の観点で測定され得る。概して、曲げ弾性率は、荷重のもとでの伸びに対する材料の曲げ応力の測定値である。それは、所与の試験試料および形状についての材料の剛性の弾性測定値をもたらす。例えば、ポリマー管の堅さは、材料の固有の剛性(弾性率)、およびカテーテルの断面設計によって決定され得る。断面の寸法を変更することは、堅さに重大な影響を及ぼす場合がある。本明細書で説明される場合、カテーテルまたは閉塞具の剛比を説明するときに、曲げ弾性率が利用されてもよい。曲げ弾性率は、パスカル(PaまたはN/mまたはm-1・kg・s-2)で記載され得、実際には、単位はメガパスカル(MPaまたはN/mm)またはギガパスカル(GPaまたはkN/mm)であり得る。
【0010】
[0010]いくつかの例では、閉塞具の遠位カニューレ係合領域の剛性は、遠位カニューレ係合領域にすぐ隣接する閉塞具の領域の剛性の、あるパーセンテージよりも大きいことができる。例えば、閉塞具の遠位カニューレ係合領域の剛性は、近位および/または遠位のいずれかで遠位カニューレ係合領域にすぐ隣接する閉塞具の領域の剛性の10%以上(例えば、12.5%以上、15%以上、17.5%以上、20%以上、22.5%以上、25%以上、27.5%以上、30%以上、40%以上、45%以上、50%以上など)であり得る。
【0011】
[0011]同様に、本明細書には、カニューレ、特にカニューレの遠位端部領域の剛性に整合する遠位端部領域(遠位カニューレ係合領域)を有する閉塞具が記載されている。このようにして、本明細書に記載される閉塞具のうちのいずれも、閉塞具が挿入されるカニューレの遠位端部領域の剛性に整合する剛性を有する閉塞具の遠位カニューレ係合領域を有し得る。閉塞具の剛性整合された遠位カニューレ係合領域は、カニューレの遠位端部領域の剛性に、カニューレの遠位端部領域の剛性の±あるパーセンテージ以内で整合されることができる。例えば、剛性は、±20%、±15%、±14%、±13%、±12%、±11%、±10%、±9%、±8%、±7%、±6%、±5%、±4%、±3%、±2%、±1%以内などに整合され得る。閉塞具の剛性整合された遠位カニューレ係合領域の遠位または近位にある閉塞具の領域は、カニューレの遠位端部領域よりも著しく大きいまたは小さい剛性があり得る。いくつかの例では、閉塞具の全長が、カニューレの遠位端部領域の剛性に整合され得、または、カニューレの遠位端部領域と整列するように構成されている閉塞具の部分のみが、剛性整合され得る。
【0012】
[0012]閉塞具の遠位端部領域(例えば遠位カニューレ係合領域)をカニューレの剛性に整合させるとき、剛性は、典型的には遠位先端よりも剛性のある遠位先端のちょうど近位にある領域の剛性に整合され得る。概して、閉塞具の遠位端部領域(例えば遠位カニューレ係合領域)の剛性は、カニューレの遠位端部領域の最も剛性のある領域(例えば、遠位xmm(例えば遠位2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mmなどの最も剛性のある領域)の剛性に整合され得る。
【0013】
[0013]本明細書に記載される閉塞具は、遠位カニューレ係合領域のすぐ近位および/または遠位にある閉塞具の領域の剛性よりも大きな剛性を有する遠位カニューレ係合領域を有し得、また、カニューレの遠位端部領域の剛性に(例えばカニューレの遠位端部領域の剛性の±あるパーセンテージ以内で)整合されている遠位カニューレ係合領域の剛性をも有し得る。
【0014】
[0014]概して、閉塞具の遠位カニューレ係合領域は、閉塞具の遠位端部領域の長さに沿って1mmから40mmの間で延在し得る。例えば、遠位カニューレ係合領域は、2mm以上(例えば3mm以上、4mm以上、5mm以上、6mm以上、7mm以上、8mm以上、9mm以上、10mm以上、11mm以上、12mm以上、13mm以上、14mm以上、15mm以上、2~40mmの間、2~35mmの間、2~30mmの間、2~25mmの間、2~20mmの間、2~15mmの間、2~10mmの間、2~5mmの間など)の距離を延在し得る。遠位カニューレ係合領域の近位にある領域および/または遠位カニューレ係合領域の遠位にある領域を含む、大部分の閉塞具の長さは、遠位カニューレ係合領域とは異なる剛性を有し得る(例えば、カニューレの遠位カニューレ係合領域よりも剛性が小さくてもよい)。
【0015】
[0015]閉塞具の遠位カニューレ係合領域は、使用中(例えば体を通した進行時)にカニューレの遠位端部領域と整列されるように構成されている領域遠位カニューレ係合領域において、閉塞具の本体内に挿入物を含むことによって、より剛性があるように作られ得る(または、いくつかの例では、カニューレの遠位端部領域の剛性に整合するように作られ得る)。例えば、閉塞具の遠位カニューレ係合領域は、閉塞具の他の領域よりも大きな(および/または閉塞具が中に挿入されるべきカニューレの遠位端部領域の剛性に整合し得る)剛性を有する内部管状部材を含み得る。
【0016】
[0016]いくつかの例では、閉塞具の遠位カニューレ係合領域は、閉塞具の他の領域の剛性よりも大きな剛性(曲げ弾性率)を有する(またはいくつかの例では、カニューレの遠位端部領域の剛性に、例えばカニューレの遠位端部領域の剛性の±あるパーセンテージ以内で整合する剛性を有する)材料で形成される。
【0017】
[0017]遠位カニューレ係合領域(またはいくつかの変形形態では、遠位カニューレ係合領域内の挿入物)は、より硬いプラスチック材料で形成され得、その結果それは、閉塞具の先細りした遠位トリップ領域および/または閉塞具の隣接する近位の領域ほど曲がらずまたは撓まない。閉塞具の大半は、より容易に曲がるようにエラストマーであり得る。エラストマーは、エラストマーについてのデュロメータ硬度と弾性率との間におよその関係性があるものの、硬さ(デュロメータ硬度)で測定され得る。例えば、参照によって本明細書にその全体が組み込まれる)Dow Coming White Paper、「Can You Estimate Modulus From Durometer Hardness for Silicones?」を、https://www.dow.eom/content/dam/dcc/documents/en-us/tech-art/l 1/11-37/1 l-3716-01-durometer-hardness-for-silicones.pdfにおいて、参照されたい。
【0018】
[0018]例えば、本明細書には、第1の剛性を有する遠位端部領域を有するカテーテルと、第1の剛性に整合されている剛性を有する遠位カニューレ係合領域を有する閉塞具であって、遠位カニューレ係合領域の剛性が、遠位カニューレ係合領域の遠位にある先細りした領域の剛性とは異なり、遠位カニューレ係合領域に近位に隣接する閉塞具の領域とも異なる、閉塞具とを備え、閉塞具およびカテーテルが、遠位カニューレ係合領域がカテーテルの遠位端部領域と整列されるように、互いに近位に係合して、組み合わされた構造物を形成し、組み合わされた構造物が屈曲しまたは湾曲されるときに、閉塞具とカテーテルとの間に間隙を形成することを防止するように構成されている、システムが記載されている。
【0019】
[0019]遠位カニューレ係合領域は、補剛部品を含み得る。補剛部品は、遠位カニューレ係合領域内に管状部材を含み得る。補剛部品は、遠位カニューレ係合領域の遠位にある先細りした領域および/または近位に隣接する閉塞具の領域を形成する材料よりも高い剛性を有する材料を含み得る。いくつかの例では、補剛部品は、内部の骨組みを含む。
【0020】
[0020]遠位カニューレ係合領域は、1mmから40mmの間である長さを含み得る。例えば、遠位カニューレ係合領域は、5mmよりも大きな長さを含み得る。
【0021】
[0021]閉塞具は、閉塞具の長さを下に延在する細長いガイドワイヤチャネルを含み得る。
【0022】
[0022]いくつかの例では、第1の剛性に整合した剛性は、第1の剛性の±5%以内である。遠位カニューレ係合領域は、遠位カニューレ係合領域内に補剛挿入物を含み得る。
【0023】
[0023]例えば、閉塞具は、先細りした遠位端部を含み、第1の材料を含む細長い本体と、細長い本体の遠位カニューレ係合領域とを含み得、遠位カニューレ係合領域は、挿入物を含み、遠位カニューレ係合領域は、細長い本体の先細りした遠位端部の近位にあり、細長い本体の第2の領域に遠位に隣接しており、挿入物は、遠位カニューレ係合領域の剛性が先細りした遠位端部および第2の領域の剛性よりも大きくなるように、第1の材料の剛性よりも大きな剛性を有する材料を含む。
【0024】
[0024]閉塞具は、細長い本体を通って延在する閉塞具内腔を含み得る。挿入物は、閉塞具内腔と同軸の挿入物内腔を含み得る。挿入物は、約1mm~20mmの間の長さを有し得る。挿入物は、約0.2から約2.5GPaの間の剛性を有し得る。いくつかの例では、挿入物の剛性は、第1の材料の剛性の2倍よりも大きい。挿入物は、閉塞具と同軸であり得る。閉塞具は、閉塞具または拡張器を備え得る。
【0025】
[0025]挿入物は、遠位カニューレ係合領域の外径よりも小さな外径を有し得る。
【0026】
[0026]本明細書に記載される閉塞具のいずれも、閉塞具の近位端部領域に、閉塞具の遠位カニューレ係合領域を閉塞具が挿入されるカテーテルの遠位端部領域と整列して固定するように構成されている止め具を含み得る。
【0027】
[0027]本発明の新規の特徴は、続く特許請求の範囲において特定性を伴って記述される。本発明の特徴および利点のよりよい理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記述する以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1A】[0028]遠位カニューレ係合領域を含む閉塞具の一例を示す図である。
図1B】[0029]カニューレの一例を示す図である。
図1C】[0030]遠位カニューレ係合領域がカニューレの遠位端部領域と係合されるように、図1Bのカニューレと係合された図1Aの閉塞具を示す図である。
図2A】[0031]閉塞具とカテーテルとの間に生じる間隙(例えばフィッシュマウス)の一例を示す図である。
図2B】閉塞具とカテーテルとの間に生じる間隙(例えばフィッシュマウス)の一例を示す図である。
図3】[0032]遠位カニューレ係合領域に補剛部品を含む閉塞具の一実施形態を示す図である。
図4】[0033]図3に示されているような補剛部品の有無での閉塞具およびカテーテルシステムの比較を示す図である。
図5A】[0034]閉塞具が内部に挿入されるカテーテルの遠位端部領域の剛性に整合されている遠位カニューレ係合領域を有する閉塞具を示す図である。
図5B】[0035]遠位カニューレ係合領域を含む閉塞具の近位端部の一例を示す図である。
図6A】[0036]遠位端部領域に異なる剛性を有するカテーテルとともに使用され得る、異なる剛性を有する一列に並んで配置されている2つの剛性整合された領域を有する遠位カニューレ係合領域を含む閉塞具の一例を示す図であり、第1の剛性整合された領域が(同等またはほぼ同等な剛性を有する)第1のカテーテルの遠位端部領域と整列した状態の、第1の位置にある閉塞具を示す図である。
図6B】遠位端部領域に異なる剛性を有するカテーテルとともに使用され得る、異なる剛性を有する一列に並んで配置されている2つの剛性整合された領域を有する遠位カニューレ係合領域を含む閉塞具の一例を示す図であり、第2の剛性整合された領域が第2のカテーテルの遠位端部領域と整列した状態の、第2の位置にある閉塞具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[0037]概して、本明細書には、2つが湾曲した体内腔を通して進められるときに、閉塞具と閉塞具が内部に位置付けられるカテーテルとの間の「フィッシュマウス」または間隙を、防止または低減する装置(閉塞具を含む機器およびシステム)、ならびにそれらを使用するための方法が記載されている。これらの装置は、閉塞具が中に位置付けられるカニューレの遠位端部領域の剛性とおよそ同じである剛性(曲げ弾性率)を有するように構成されている遠位カニューレ係合領域を有する閉塞具を含み得る。いくつかの例では、閉塞具は、閉塞具の他の隣接する領域よりも剛性のある遠位カニューレ係合領域を有している。例えば、閉塞具は、遠位カニューレ係合領域の内部に位置付けられる挿入物を含み得る。例えば、挿入物は、閉塞具の細長い本体の先細りした遠位端部の近位に位置付けられ得る。挿入物は、あまり剛性のない材料で形成され得る閉塞具の隣接する領域の剛性よりも、大きな剛性を有する材料を含み得る。
【0030】
[0038]例えば、図1Aは閉塞具102の一例を示す。閉塞具は、細長い本体115と、先細りした遠位端部107とを有する。本明細書に記載される閉塞具はまた、先細りした遠位端部から近位であり、かつカニューレの遠位端部領域と係合する(例えば図1C参照)ように構成されている遠位カニューレ係合領域103を含み、その結果、遠位カニューレ係合領域103は、遠位端部領域の遠位端部開口部に及び得る。
【0031】
[0039]閉塞具は、中実または中空であり得る。いくつかの例では、閉塞具は、閉塞具の長さを通して延在する内腔を含む。
【0032】
[0040]図1Aにおいて、遠位カニューレ係合領域103は、(先細りした遠位端部107を含み得る)隣接する遠位領域、および細長い部材115の近位本体領域109、109’よりも剛性があることができる。場合によっては、遠位カニューレ再係合領域は、隣接する領域よりも剛性のある材料で形成されている。場合によっては、遠位カニューレ領域は、遠位カニューレ再係合領域の剛性を高める内部構造物または挿入物(例えば、支持部、骨組み、管など)を含む。閉塞具の外径は、閉塞具に沿って先細りした遠位端部107まで同じであり得る。閉塞具の外径は、閉塞具が中に挿入されるべきカニューレの内径よりも概ね小さくてもよい。挿入物は、全直径であってもよく、または(以下で図3を参照して説明するように)直径の一部であってもよい。
【0033】
[0041]閉塞具は、図1Bに示されるカニューレなどのカニューレ104とともに使用され得る。カニューレは、遠位端部開口部153を含む遠位端部領域105を含む。任意の適切なカニューレが使用され得、閉塞具と係合するように構成され得、その結果、図1Cに示されるように、遠位カニューレ係合領域103がカテーテルの遠位端部領域105と整列した状態で、閉塞具およびカニューレが互いに係合する。この例では、遠位カニューレ係合領域は、カテーテルの遠位端部開口部153からわずかに延在する。いくつかの例では、遠位カニューレ係合領域は、遠位端部開口部と整列するように構成されている。カニューレおよび閉塞具は、例えば、カニューレおよび閉塞具の近位端部において、互いに係合するように構成され得、その結果、閉塞具は、図1Cに示されるように、遠位端部領域と整列して把持される。
【0034】
[0042]遠位カニューレ係合領域(およびしたがって、剛性が整合する領域、またはより剛性のある領域)は、閉塞具の任意の適切な長さについて、例えば1mmから50mmの間(例えば1mmから40mmの間、2mmから40mmの間、1mmから35mmの間、2mmから35mmの間、1mmから30mmの間、2mmから30mmの間、1mmから25mmの間、2mmから25mmの間など)で延在し得る。同様に、カテーテルの遠位端部領域は、カテーテルの任意の適切な長さについて延在し得、典型的には、遠位端部の剛性を反映する。カテーテルの遠位端部領域は、遠位カニューレ係合領域よりも短くてもよい。例えば、カテーテルの遠位端部領域は、1mmから50mmの間、1mmから45mmの間、1mmから40mmの間、1mmから35mmの間、1mmから30mmの間、1mmから25mmの間、1mmから20mmの間、1mmから15mmの間、1mmから10mmの間、1mmから9mmの間、1mmから8mmの間、1mmから7mmの間、1mmから6mmの間、1mmから5mmの間、1mmから4mmの間、1mmから3mmの間、1mmから2mmの間など)であり得る。
【0035】
[0043]図2Aおよび図2Bを参照すると、カテーテル104内に位置付けられた閉塞具102が示されている。撓められた(例えば屈曲した)閉塞具先端106が示されており、閉塞具先端106とカテーテルとの間の間隙108を示す。間隙108は、図2Bの拡大図にはっきりと示されている。このようにして、図2A図2Bに示されているものなどの閉塞具が、屈曲した経路にわたって進められるとき、閉塞具およびカテーテル遠位端部領域の遠位端部開口部は分離して、体壁を引っかけまたは引き裂くことがある間隙を生じ得る。
【0036】
[0044]図2Aおよび図2Bに示されているものなどの間隙は、部品間に剛性の不整合があるときに、悪化させられる虞がある。カテーテルはしばしば、特にカテーテルの遠位端部領域において非常に可撓性があるように構成されており、閉塞具よりも多少可撓性があり得る。カテーテル先端は、(比較的堅い)プラスチックカテーテル先端、および(比較的軟質で、可撓性であり、変形しやすい)エラストマー先端を含めて、剛性を変動させることができる。カテーテル先端は薄壁構造物であり、これにより、容易に撓められることが可能になり得る。
【0037】
[0045]閉塞具は、中実体であり得(または例えばガイドワイヤ用の狭いチャネルを含み得)、その幾何形状の結果として特定の剛性を持ち得る。閉塞具先端は、遠位の最も先細りした点において非常に可撓性があることができ、その結果、容易にガイドワイヤに追従する。しかしながら、この最も遠位の点の近位では、閉塞具先端は、幾何形状がより剛性のある本体を作り出す概ね一定の直径区画の近位で広くなることができる。いくつかの例では、閉塞具は、直径を変動させて、潜在的な先端間隙距離を最小化し得る。
【0038】
[0046]剛性不整合は、カテーテルの先端がカテーテル本体よりも軟質でありおよび/または可撓性があり、閉塞具が可撓性のある遠位端部を有する事例を含む可能性がある。1つの部品の可撓性および/または軟度を高めることにより、その部品が、同じ力が加えられるもとで、より堅いおよび/またはより硬い部品よりも大きく撓むことを可能にすることができる。この撓みの量の違いが、間隙につながり得る。
【0039】
[0047]いくつかの実施形態では、閉塞具は、カテーテルよりも可撓性があることができる。いくつかの実施形態では、カテーテルは、閉塞具よりも可撓性があることができる。
【0040】
[0048]本明細書では、カテーテル先端と閉塞具との間の接触点がある軸方向箇所の近位に、閉塞具の比較的堅い遠位カニューレ係合領域を備える(例えば、場合によっては補剛挿入物を含む)閉塞具の実施形態が開示されている。遠位カニューレ係合領域は、閉塞具102が挿入されるカニューレ104の遠位端部領域の剛性に、実質的に整合するように構成され得る。カテーテル先端および閉塞具の剛性または可撓性をより近く整合させることが、間隙を最小化するのに役立つことができる。
【0041】
[0049]図3は、内部補剛部品202を含む遠位カニューレ係合領域103を備える閉塞具200の一実施形態を示す。カテーテル204内に位置付けられている閉塞具200が、示されている。カテーテルの遠位端部206は、遠位カニューレ係合領域203(および、この例では、補剛部品202の遠位端部208)と整列されることができる。この例では、閉塞具および補剛部品は両方とも、ガイドワイヤの通過を可能にする孔または内腔210を備える。
【0042】
[0050]図3に示されるはめ込み物202は、補剛部品の1つの例である。この挿入物は、遠位カニューレ係合領域の直径の一部である外径を有してもよく、または遠位カニューレ係合領域の全直径であることができる。挿入物の長さは、遠位カニューレ係合領域の全長であってもよく、または挿入物の長さは、遠位カニューレ係合領域の一部であってもよい。例えば、長さは、約2mmから約20mmの間、約2mmから約17.5mmの間、約2mmから約15mmの間、約2mmから約12.5mmの間、約2mmから約10mmの間などであってもよい。いくつかの例では、多数の挿入物が遠位カニューレ係合領域に含まれていてもよい。挿入物は、デュロメータ硬度のより高い材料、例えば、約80~110の間のショアAデュロメータ硬度(例えばショアA80、85、90、95、100、105など)、または約20~100の間のショアDデュロメータ硬度(例えばショアD20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95など、もしくはその中の任意の小区域)を有するエラストマーあるいはプラスチックなどの、より剛性のある材料で形成され得る。いくつかの例では、挿入物は、0.2GPa以上の弾性率を有し得る。概して、図3に示されるように、カニューレの遠位端部領域は、2つ(以上)の区画を有し得る。例えば、遠位端部領域は、遠位先端206と、遠位先端のちょうど近位にあり遠位先端を接合する接合領域とを含み得、この接合領域は、カニューレの残りに対して、よりデュロメータ硬度のより低い(例えば軟質な)材料であり得る。
【0043】
[0051]遠位カニューレ係合領域、およびいくつかの例では補剛部品は、様々な異なる直径、長さを有することができ、様々な異なる材料で作られ得る。いくつかの実施形態では、挿入物は、約2mmから40mm(例えば約2mmから30mmの間、約2mmから25mmの間、約2mmから20mmの間、約2mmから15mmの間、約2mmから10mmの間、約2mmから8mmの間など)の長さを有することができる。
【0044】
[0052]いくつかの実施形態では、補剛部品は、円筒形形状を備えることができる。(例えば、長方形、管状などの)他の構成もまた可能である。いくつかの例では、補剛部品は、メッシュ材料であってもよい。いくつかの例では、遠位カニューレ係合領域は、より堅いポリマー材料を含むより堅い材料で形成されてもよい。いくつかの例では、遠位カニューレ係合領域は、遠位カニューレ係合領域内に支持部または骨組み材料を含んでもよい。
【0045】
[0053]補剛部品の寸法は、部品の所望の堅さに基づいて選択されることができる。所望の堅さは、カテーテルと閉塞具との間の剛性の整合に基づくことができる。上記で述べられたように、これらの例のうちのいずれにおいても、遠位カニューレ係合領域の剛性は、カニューレの遠位端部領域の剛性に整合され得る。例えば、遠位カニューレ係合領域の剛性は、カテーテルの遠位端部領域の剛性の±あるパーセンテージ以内であることができる。例えば、遠位カニューレ係合領域の剛性は、カニューレの遠位端部領域の±20%、±15%、±14%、±13%、±12%、±11%、±10%、±9%、±8%、±7%、±6%、±5%、±4%、±3%、±2%、±1%以内などに整合され得る。補剛部品を含む変形形態において、遠位カニューレ係合領域における閉塞具の堅さは、補剛部品、ならびに周囲の閉塞具材料および構造物の堅さの組合せであり得る。補剛部品は、機器本体と軸方向に整列され得、または予定された湾曲が知られている場合には、片側をひいきし得る。
【0046】
[0054]概して、閉塞具は、プラスチック(例えばポリカーボネート)などの堅い材料、またはデュロメータ硬度の高いエラストマー(>ショアA100)で形成され得る。これらの材料の例は、限定されないが、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ASA(アクリロニトリルスチレンアクリレート)、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などを含み得る。
【0047】
[0055]遠位カニューレ係合領域は、任意の適切なやり方で形成されることができ、補剛部品を追加することを含み得る。例えば、遠位カニューレ係合領域は、堅い材料の上に軟質材料をオーバーモールドすること、2つのより軟質な材料の間に堅い材料を突合せ接続すること、より軟質な材料の外側に堅い材料のリングを追加すること、およびより軟質な本体内の空隙の中に異なる材料(例えば、UV硬化接着剤)を注入することによって形成されることができる。主題の機器は、閉塞具の代わりに別のカテーテルであることができる。
【0048】
[0056]本明細書において説明された装置のいずれにおいても、潜在的な間隙の点においてカテーテルと閉塞具との間で剛性をより近く整合させることが、より軟質なカテーテル先端を可能にすることができ、これにより、患者への外傷を最小化することができる。また、剛性をより近く整合させることは、間隙を最小化するのに役立って、処置合併症の低減を含む多くの臨床的な利点をもたらすことができる。
【0049】
[0057]図4は、補剛部品の有無(例えば、遠位カニューレ係合領域の剛性とカテーテル遠位端部の剛性との整合の有無)での、システムに存在する先端間隙の比較を示す。この例において、閉塞具は、図3に示された補剛部品を含むものと同様である。点302は、補剛部品のないシステムを表す。データ点304は、長さが5.84mmの補剛部品のあるシステムを表す。データ点306は、長さが7.62mmの補剛部品のあるシステムを表す。このデータで示されるように、間隙は、挿入物のないシステムの場合におよそ40%高かった。
【0050】
[0058]図5Aおよび図5Bは、閉塞具200の遠位カニューレ係合領域103が、カテーテル204の遠位端部領域と整列されるように、カテーテルの中に挿入されている閉塞具の一例を示す。遠位カニューレ係合領域103の剛性は、カテーテルの遠位端部領域105の剛性に整合されている。図5Bは、閉塞具200およびカテーテル204の近位端部を示しており、閉塞具の遠位カニューレ係合領域が、カニューレの遠位端部領域と整列される(またはいくつかの例では、遠位カニューレ係合領域が、カテーテルの遠位端部領域をわずかに超える(および及ぶ)ように、近位端部において互いに係合された2つを示している。この例では、閉塞具近位端部領域の止め具518が、カテーテルの近位端部領域と係合し得る。
【0051】
[0059]遠位カニューレ係合領域は、図5Aに示されるように、カテーテルの遠位端部領域より長くてもよい。カニューレの長さおよび閉塞具の長さは、上記で説明されたように、閉塞具の遠位カニューレ係合領域が遠位端部領域と整列されるときに、止め具がカニューレの近位端部と係合するように選択され得る。
【0052】
[0060]いくつかの例では、図6A図6Bに示されるものなど、同じ閉塞具が遠位端部の異なる剛性を有する異なるカテーテルとともに使用されることを可能にする、多数の長手方向に分離された遠位カニューレ係合領域が含まれ得る。例えば、図6Aにおいて、閉塞具200は、互いに隣接する第1の遠位カニューレ係合領域および第2の遠位カニューレ係合領域を含む。第1の遠位カニューレ係合領域および第2の遠位カニューレ係合領域は、スペーサー距離(例えば、0.1mmから20mmの間、0.1mmから10mmの間など)だけ互いから分離され得る。図6Aでは、第1の遠位カニューレ係合領域が、第1のカニューレ204の遠位端部領域105と整列されている。第1のカニューレの中に近位に引かれた第2の遠位カニューレ係合領域103’が示されている。図6Bでは、同じ閉塞具200が示されており、閉塞具の第2の遠位カニューレ係合領域が、第2のカニューレ204’の遠位端部領域105’と整列されるように第2のカニューレと係合されている。
【0053】
[0061]この説明の全体を通して、閉塞具という用語は、閉塞具および拡張器の両方に適用してもよい。
【0054】
[0062]本明細書において、特徴または要素が、別の特徴または要素の「上に」あると言及されるとき、それは、他の特徴または要素の直接上にあることができ、あるいは介在する特徴および/または要素が存在してもよい。対照的に、特徴または要素が、別の特徴または要素の「直接上に」あると言及されるとき、介在する特徴および/または要素は存在しない。また、特徴または要素が、別の特徴または要素に「接続され」、「取り付けられ」、または「連結され」ていると言及されるとき、それは、他の特徴または要素に直接、接続され、取り付けられ、または連結されることができ、あるいは介在する特徴または要素が存在してもよいことも理解されよう。対照的に、特徴または要素が、別の特徴または要素に「直接接続され」、「直接取り付けられ」、または「直接連結され」ていると言及されるとき、介在する特徴または要素は存在しない。1つの実施形態を参照して説明または図示されていても、そのように説明または図示される特徴および要素は、他の実施形態に適用することができる。また、当業者には、別の特徴に「隣接して」配設されている構造物または特徴の参照が、隣接する特徴に重なりまたはその下にある部分を有し得ることも認識されよう。
【0055】
[0063]本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのためのものであり、本発明を限定すること意図されていない。例えば、本明細書で使用される場合、文脈がそうでないことを明らかに示さない限り、単数形の「一」および「その」は、複数形もまた含むことを意図されている。「備える」という用語は、この明細書において使用されるとき、述べられた特徴、ステップ、動作、要素、および/または部品の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、部品、および/またはそれらの群の存在ならびに追加を排除しないことがさらに理解されよう。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連付けられ列挙される事項のうちの1つまたは複数の任意およびすべての組合せを含み、「/」として短縮され得る。
【0056】
[0064]「下に」、「より下に」、「下部の」、「上に」、および「上部の」などの空間的な相対語は、本明細書において、図面に示される1つの要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係性を説明する説明の容易さのために使用され得る。空間的な相対語が、図面に示される方向付けに加えて、使用または動作中の機器の異なる方向付けを包含することが意図されることが理解されよう。例えば、図面における機器が反転された場合、他の要素または特徴の「下に」または「下方に」あると記載されていた要素は、他の要素または特徴の「上」になるであろう。このようにして、例示的な「下に」という用語は、上および下の方向付けの両方を包含することができる。機器は、それ以外の方法(90度回転され、または他の方向付け)で方向付けられてもよく、本明細書で使用される空間的な相対記述語は、それに従い解釈される。同様に、「上方に」、「下方に」、「垂直な」、および「平行な」などの用語は、そうでないことを明らかに示されない限り、説明の目的のためのみに使用される。
【0057】
[0065]本明細書において、「第1の」および「第2の」という用語が、様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために使用され得るが、これらの特徴/要素は、文脈がそうでないことを示さない限り、これらの用語により限定されるべきではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために使用され得る。このようにして、本発明の教示から逸脱することなく、以下で議論される第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ばれることができ、同様に、以下で議論される第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と呼ばれることができる。
【0058】
[0066]この明細書および続く特許請求の範囲の全体を通して、文脈がそうでないことを要求しない限り、「備える」という語およびその変化形は、様々な部品が、方法および物品(例えば、機器および方法を含む複合物ならびに装置)において相互に連帯して採用されることができることを意味する。例えば、「備える」という用語は、任意の述べられた要素またはステップを含むが任意の他の要素またはステップを除外しないことを暗示することが理解されよう。
【0059】
[0067]本明細書において、例において使用される場合も含めて明細書および特許請求の範囲で使用される場合、そうでないことが明示的に指定されない限り、すべての数字は、「約」または「およそ」という語が明示的に現れなくても、その用語による前置きがあるように読まれることができる。「約」または「およそ」という語句は、記載される値および/または位置が値および/または位置の合理的に予想される範囲内にあることを示すように、大きさおよび/または位置を説明するときに使用され得る。例えば数値は、述べられた値(または値の範囲)の±0.1%、述べられた値(または値の範囲)の±1%、述べられた値(または値の範囲)の±2%、述べられた値(または値の範囲)の±5%、述べられた値(または値の範囲)の±10%などである値を有し得る。本明細書において与えられる数値はいずれも、文脈がそうでないことを示さない限り、約その値またはおよそその値を含むと理解されるべきである。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」もまた開示される。本明細書において示される数的範囲はいずれも、そこに組み込まれるすべての小範囲を含むように意図されている。また、当業者によって適切に理解されるように、値が開示されるとき、その値「以下」、「その値以上」、および値間の考えられる範囲もまた開示されることが理解される。例えば、値「X」が開示される場合、「X以下」ならびに「X以上」(例えばXは数値である)もまた開示される。また、本出願の全体を通して、データがいくつかの異なる形式で与えられ、このデータが、終点および始点、ならびにデータ点の任意の組合せについての範囲を表すことも理解される。例えば、特定のデータ点「10」および特定のデータ点「15」が開示されている場合、10および15よりも大きい、10および15以上、10および15未満、10および15以下、および10および15に等しい、ならびに10と15との間が、開示されるとみなされることが理解される。また、2つの特定の単位間の各単位もまた開示されることが理解される。例えば、10および15が開示される場合、11、12、13および14もまた開示される。
【0060】
[0068]様々な例示的な実施形態が上記に記載されているが、特許請求の範囲によって記載される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態に対して、いくつかの変更のいずれがなされてもよい。例えば、様々な記載される方法ステップが実行される順番は、代替の実施形態においてしばしば変更され得、他の代替の実施形態において、1つまたは複数の方法ステップが、完全に飛ばされてもよい。様々な機器およびシステムの実施形態の任意選択的な特徴は、いくつかの実施形態に含まれても、他のものに含まれなくてもよい。したがって、先行する説明は、主に例示の目的のために提供されており、特許請求の範囲に記載されているために、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0061】
[0069]本明細書に含まれる例および図は、限定としてではなく例示として、主題が実施され得る具体的な実施形態を示す。述べられたように、本開示の範囲から逸脱することなく構造的および論理的な代用または変更がなされ得るように、他の実施形態が利用され導き出され得る。発明の主題のそのような実施形態は、実際に2つ以上が開示されている場合、この出願の範囲を単一の発明または単一の発明の概念に自主的に限定することを意図せずに、単に便宜上、本明細書において個別にまたはまとめて「発明」という用語で呼ばれ得る。このようにして、本明細書において具体的な実施形態が図示され説明されたが、同じ目的を達成するように計算された任意の配置が、図示の具体的な実施形態の代わりになり得る。この開示は、様々な実施形態の任意およびすべての適合または変形例に及ぶことを意図されている。当業者には、上記の説明を読み直すと、上記の実施形態の組合せおよび本明細書において具体的に説明されていない他の実施形態が明らかであろう。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
【国際調査報告】