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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-11
(54)【発明の名称】物体識別装置
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/20 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
G01V8/20 Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537151
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 KR2022016842
(87)【国際公開番号】W WO2023120948
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0186373
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ドゥキョウ・キム
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB16
2G105BB17
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE02
2G105HH04
(57)【要約】
物体識別装置に関する発明を開示する。本開示の発明は、発光部を介して光を発信し、受信部を介して光を受信するセンサと、発光部から発信された光を受信部側に反射させる反射部と、反射部で反射した光を通過させるパターンが識別対象物体に形成されたパターン部と、を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別対象物体を移動させるコンベヤーベルトの一側側部に配置されて、コンベヤーベルトの他側側部に向かって光を発信する発光部;
前記発光部によって発光した光を、前記コンベヤーベルトの一側側部側に反射させる反射部;
識別対象物体に設けられて、前記反射部で反射した光を識別対象物体を介して通過させるパターンを、前記コンベヤーベルトによって移動する前記識別対象物体の移動方向と平行な第1方向に沿って前記識別対象物体に形成したパターン部;及び
前記コンベヤーベルトの一側側部に配置されて、前記パターン部を通過した光を受信する受信部;を含み、
前記識別対象物体は、互いに異なって識別される第1物体と第2物体とを含み、前記第1物体と前記第2物体にそれぞれ設けられたパターン部のパターンは互いに異なる、
物体識別装置。
【請求項2】
前記パターン部は、
前記発光部と前記反射部との間を隔てる第1パターン部;及び
前記反射部と受信部との間で光を移動させるための通路を識別対象物体に形成した、第2パターン部;を含み、
前記第1パターン部と前記第2パターン部とは、前記第1方向に沿って交互に配置されている、
請求項1に記載の物体識別装置。
【請求項3】
前記反射部は、前記発光部から発信される光の移動方向に反対の方向に光を反射し、
前記第2パターン部は、前記発光部から発信される光の移動方向に沿って、前記識別対象物体を貫通して形成されている、
請求項2に記載の物体識別装置。
【請求項4】
前記発光部を介して赤外線を発信し、前記受信部を介して赤外線を受信する、赤外線センサを含む、
請求項1に記載の物体識別装置。
【請求項5】
前記反射部は、前記コンベヤーベルトの他側側部に配置されて、前記赤外線センサによって発信した赤外線を、さらに前記赤外線センサ側に反射させる反射板を含む、
請求項4に記載の物体識別装置。
【請求項6】
前記受信部に受信される光のパターンに応じて、識別対象物体の種類を把握する制御部をさらに含む、
請求項1に記載の物体識別装置。
【請求項7】
前記発光部を介して光を発信し、前記受信部を介して光を受信するセンサを含み、
前記コンベヤーベルトの長さ方向に沿って、複数本の前記センサが所定の間隔で配列され、
前記制御部は、各々の前記センサに受信される光のパターンに応じて、識別対象物体の種類別の位置を把握する、
請求項6に記載の物体識別装置。
【請求項8】
前記コンベヤーベルトが複数本の経路に分岐され、
分岐された各々の経路に配置された複数本の前記センサのうち、特定のパターンの光を受信した前記センサの位置を把握して、識別対象物体の移動経路を把握する、
請求項7に記載の物体識別装置。
【請求項9】
識別対象物体を移動させるコンベヤーベルトの一側側部に、コンベヤーベルトの他側側部に向かって光を発信する発光部と、これら光を受信する受信部とを配置するステップ;
前記コンベヤーベルトの他側側部に、前記発光部によって発光した光を、前記コンベヤーベルトの一側側部側に反射させる反射部を配置するステップ;
前記発光部から発信し、前記反射部で反射した光を通過させるパターンが前記コンベヤーベルトによって移動する前記識別対象物体の移動方向と平行な第1方向に沿って設けられた識別対象物体を、前記コンベヤーベルトで移動させるステップ;及び
前記受信部が、前記反射部によって反射した光を受光して発生する信号に基づいて、前記識別対象物体の位置を把握するステップ;を含む、
物体識別方法。
【請求項10】
前記識別対象物体の位置を把握するステップは、時間に応じて、前記受信部の信号をデータロギングする手続きを含む、
請求項9に記載の物体識別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月23日付韓国特許出願第10-2021-0186373号に基づく優先権を主張し、同韓国特許出願の文献で開示の全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、物体識別装置に関し、特にコンベアを介して搬送されるトレイなどの物体を識別する物体識別装置に関する。
【背景技術】
【0003】
近接センサは、位置センサ或いは変位センサの一種であるが、物体が接近してきたときの位置を非接触方式で検出するためのセンサを特に、近接センサと言う。
【0004】
これら近接センサとして、磁気の影響により内部の電流が変化するホール素子と永久磁石とを結合した形態の近接センサ、ランプや発光ダイオードと光センサとを結合した形態の近接センサ、静電容量の変化を検出する形態の近接センサ等があり得る。
【0005】
これら近接センサは、移動する対象物が、一定の距離に入ったことを知る目的で使用されるのが一般的である。
【0006】
前記近接センサは、コンベヤーベルトなどといった物流移動装置に設置されて、物流移動装置における物流の流れを制御するために使用することができる。
【0007】
例えば、コンベヤーベルトの入口側に設置された近接センサが、コンベヤーベルトへの物流の投入を感知すると、物流を移動させるためコンベヤーベルトの動作が始まる。
【0008】
他の例として、コンベヤーベルトの出口側に設置された近接センサが、コンベヤーベルトの出口側における物流の滞積や障害物を感知すると、コンベヤーベルトの作動が中断する。
【0009】
さらに他の例として、コンベヤーベルト上に設置された近接センサは、設定された時間の間に、コンベヤーベルトによって移送された物流の量が、どれ位であるかを把握するために使用することもできる。
【0010】
しかし、上記のように、コンベヤーベルトに設置された近接センサは、近接センサが設置された位置を通った物流全体の量のみを把握するができるだけであり、どの物体が通ったかを把握することは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、特定の物体の位置に対する情報と、特定の物体の移動時点に対する情報の少なくともいずれかを別途把握することができる、物体識別装置を提供することをその目的とする。
【0012】
また、本発明の他の目的は、特定の物体の位置及び移動経路を把握することができる、物体識別装置を提供することである。
【0013】
本発明の目的は、以上に言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態である物体識別装置は、発光部を介して光を発信し、受信部を介して光を受信するセンサと、発光部から発信された光を受信部側に反射させる反射部と、反射部で反射した光を通過させるパターンを識別対象物体に形成したパターン部と、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の一側面による物体識別装置は、識別対象物体を移動させるコンベヤーベルトの一側側部に配置されて、コンベヤーベルトの他側側部に向かって光を発信する発光部;前記発光部によって発光した光を、前記コンベヤーベルトの一側側部側に反射させる反射部;識別対象物体に設けられて、前記反射部で反射した光を識別対象物体を介して通過させるパターンを、前記識別対象物体に形成したパターン部;前記コンベヤーベルトの一側側部に配置されて、前記パターン部を通過した光を受信する受信部;を含むことができる。
【0016】
また、前記パターン部は、前記発光部と前記反射部との間を隔てる第1パターン部と、前記反射部と受信部との間で光を移動させるための通路を識別対象物体に形成した第2パターン部とを含むのが好ましい。
【0017】
また、前記反射部は、前記発光部から発信される光の移動方向に反対の方向に光を反射し、前記第2パターン部は、前記発光部から発信される光の移動方向に沿って、前記識別対象物体に貫通して形成されているのが好ましい。
【0018】
また、本発明は、前記発光部を介して赤外線を発信し、前記受信部を介して赤外線を受信する、赤外線センサを含むのが好ましい。
【0019】
また、前記反射部は、前記コンベヤーベルトの他側側部に配置されて、前記赤外線センサによって発信された赤外線を、さらに前記赤外線センサ側に反射させる反射板を含むのが好ましい。
【0020】
また、本発明は、前記受信部に受信される光のパターンに応じて、識別対象物体の種類を把握する制御部をさらに含むのが好ましい。
【0021】
また、本発明は、前記発光部を介して光を発信し、前記受信部を介して光を受信するセンサを含み、前記コンベヤーベルトの長さ方向に沿って、複数本の前記センサが所定の間隔で配列され、前記制御部は、各々の前記センサに受信される光のパターンに応じて、識別対象物体の種類別の位置を把握するのが好ましい。
【0022】
また、前記コンベヤーベルトが複数本の経路に分岐され、分岐された各々の経路に配置された複数本の前記センサのうち、特定のパターンの光を受信した前記センサの位置を把握して、識別対象物体の移動経路を把握するのが好ましい。
【0023】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態である物体識別方法は、識別対象物体を移動させるコンベヤーベルトの一側側部に、コンベヤーベルトの他側側部に向かって光を発信する発光部と、これら光を受信する受信部とを配置するステップ;前記コンベヤーベルトの他側側部に、前記発光部によって発光された光を、前記コンベヤーベルトの一側側部側に反射させる反射部を配置するステップ;及び前記発光部から発信し、前記反射部で反射した光を通過させるパターンが設けられた識別対象物体を、前記コンベヤーベルトで移動させるステップ;を含む。
【0024】
前記物体識別方法は、前記受信部が、前記反射部によって反射した光を受光して発生する信号に基づいて、前記識別対象物体の位置を把握するステップを含む。
【0025】
前記識別対象物体の位置を把握するステップは、時間に応じて、前記受信部の信号をデータロギングする手続きを含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の物体識別装置によれば、識別対象物体に設けられたパターン部を通過して、センサに受信される光又は波動のパターンによって識別対象物体の種類を把握することで、特定の識別対象物体の現在位置及び特定の識別対象物体の移動時点を効果的に把握することができる。
【0027】
また、本発明は、識別対象物体の種類別にパターン部の形状を異にする方法であって、種々の識別対象物体を種類別に容易にかつ素早く区分して、種類別識別対象物体の位置情報を効果的に提供することができる。
【0028】
また、本発明は、特定の識別対象物体の現在位置、移動経路などを効果的に把握することで、特定の識別対象物体が現在、どの地点にあるか、どの地点を経由して移送されたか等に関する情報を、非常に早く且つ効果的に提供することができる。
【0029】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明するとともに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態による物体識別装置の構成を概略的に示す構成図である。
図2】本発明の一実施形態による物体識別装置を概略的に示した斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による物体識別装置における赤外線信号の受信状態の一例を示す図である。
図4図3に例示の第1区間における物体移動状態を示す図である。
図5図3に例示の第2区間における物体移動状態を示す図である。
図6図3に例示の第2区間における物体移動状態を示す図である。
図7図3に例示の第2区間における物体移動状態を示す図である。
図8図3に例示の第3区間における物体移動状態を示す図である。
図9】パターン部の他の例を示す図である。
図10】複数本の分岐点を有するように構成されたコンベヤーベルトの一例を示す図である。
図11図10に示した各センサにおける赤外線信号の受信状態の一例を示す図である。
図12図10に示した各センサにおける赤外線信号の受信状態に関する情報を基に追跡された識別対象物体の移動経路を示した図である。
図13】本発明の一実施形態による物体識別装置を活用した物体識別方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明を説明するにあたり、本発明に係る公知の技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0032】
第1、第2などは、様々な構成要素を示すために使われるものの、これら構成要素は、これらの用語によって制限されないことは勿論である。これらの用語は、単に一構成要素を他の構成要素と区別するために使うものであり、特に逆の記載がない限り、第1構成要素は、第2構成要素であってもよいことは勿論である。
【0033】
本発明は、以下で開示の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更を加えることができ、互いに異なる様々な形態に具現することができる。但し、本実施形態は、本発明の開示を完全にして、通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。したがって、本発明は、以下で開示の実施形態に限定されるものではなく、いずれか実施形態の構成と他の実施形態の構成を互いに置換するか付加することはもちろん、本発明の技術思想と範囲に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むものと理解しなければならない。
【0034】
添付の図面は、本明細書で開示の実施形態を理解しやすくするためのものであり、添付の図面によって本明細書で開示の技術的思想が制限されることはなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むものと理解しなければならない。図面における構成要素は、理解の便宜などを考慮して、大きさや厚さが誇張して大きいか小さく表現されていてもよいものの、これにより本発明の保護範囲が制限的に解釈されてはならない。
【0035】
本明細書で使った用語は、単に特定の具現例や実施形態を説明するために使われるものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。そして、単数の表現は、文脈上白らかに他に意味しない限り、複数の表現を含む。明細書における「含む、~なる」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものである。すなわち、明細書における「~含む、~なる」などの用語は、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらの組み合わせなどの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解しなければならない。
【0036】
第1、第2などのように、序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使われるものの、上記構成要素は、上記用語によって限定されない。上記用語は、一構成要素を他の構成要素から区別する目的だけに使われる。
【0037】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及されている場合は、その他の構成要素に直接に連結されているか、又は接続されていてもよいものの、その間に他の構成要素が存在し得ると理解しなければならない。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか「直接接続されて」いると言及されている場合は、その間に他の構成要素が存在しないと理解しなければならない。
【0038】
ある構成要素が他の構成要素の「上部にある」か「下部にある」と言及されている場合は、その他の構成要素の真上に配置されているだけでなく、その間に他の構成要素が存在し得ると理解しなければならない。
【0039】
他に定義されない限り、技術的或いは科学的な用語を含み、ここで使われるあらゆる用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同様の意味を有する。一般に使われる、辞書に定義されているのと同様の用語は、関連技術の文脈上に有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであり、本出願において明確に定義していない限り、理想的或いは過度に形式的な意味に解釈されない。
【0040】
コンベヤーベルトに識別対象物体が置かれた状態で、コンベヤーベルトに沿って識別対象物体が移動する方向を前方と定義し、その逆方向を後方と定義する。便宜上、このように、前方と後方に向かう方向を第1方向と言える。すると、前方は第1方向の一方、後方は第1方向の他方と言える。
【0041】
また、重力方向を下方、重力方向の逆方向を上方と定義することができる。
【0042】
そして、前後方向と直交する水平方向、つまりコンベヤーベルトの幅方向を左右方向と言える。便宜上、左右方向を第2方向と言える。すると、右側は第2方向の一方、左側は第2方向の他方と言える。
【0043】
また、前記コンベヤーベルトの幅方向を側部方向とも言える。すると、右側は側部方向の一側、左側は側部方向の他側と言える。
【0044】
そして、上述した上下方向を第3方向と言える。すると、上方は第3方向の一方、下方は第3方向の他方と言える。
【0045】
また、上述した上下方向を縦方向と言える。すると、前後方向と左右方向、つまり第1方向と第2方向を含み、横方向と言える。
【0046】
本明細書における「A及び/又はB」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、A、B又はA及びBを意味し、「C~D」とするとき、これは、特に逆の記載がない限り、C以上かつD以下であることを意味する。
【0047】
[物体識別装置の全般的な構造]
図1は、本発明の一実施形態による物体識別装置の構成を概略的に示す構成図であり、図2は、本発明の一実施形態による物体識別装置を概略的に示した斜視図である。
【0048】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態による物体識別装置は、コンベヤーベルト1によって移動する物体を識別することができるように、コンベヤーベルト1及びこのコンベヤーベルト1によって移動する物体上に設けられていてもよい。これら物体識別装置は、センサ10と、反射部20と、パターン部30と、を含むことができる。
【0049】
センサ10は、コンベヤーベルト1の周辺に設置することができる。本実施形態において、センサ10は、赤外線を用いた近接センサの形態で提供されることを例示する。これらセンサ10は、発光部11及び受信部13を含むことができる。
【0050】
発光部11は、識別対象物体2を移動させるコンベヤーベルト1の一側側部に配置されていてもよい。識別対象物体2は、物体識別装置によって識別される対象となる物体であって、後述するパターン部30を有する物体と定義することができる。
【0051】
発光部11は、コンベヤーベルト1の一側側部からコンベヤーベルト1の他側側部に向かって光を発信することができる。すなわち、発光部11から発信された光は、コンベヤーベルト1を側部方向に通過することができる。
【0052】
受信部13は、発光部11とともにコンベヤーベルト1の一側側部に配置されるものの、発光部11に隣接して配置されていてもよい。これら受信部13は、発光部11から発信された後、後述する反射部20で反射した光を受信することができる。
【0053】
本実施形態では、赤外線を用いた近接センサがセンサ10として適用されることを例示する。例えば、センサ10は、赤外線を放出する発光ダイオードと光センサとを結合させた形態の近接センサの形態で提供することができる。
【0054】
一例として、発光部11は、赤外線を放出する発光ダイオードを含むことができる。そして、受信部13は、赤外線を感知する赤外線を受信する光センサを含むことができる。
【0055】
すなわち、センサ10は、発光部11を介して赤外線を発信し、受信部13を介して赤外線を受信する、赤外線センサを含む形態で提供することができる。
【0056】
他の例として、センサ10は、センサから発信された後、反射してから戻る音波や電波などといった波動を受信するレーダー(radar)やライダー(Lidar)などのような形態で提供することもできる。
【0057】
反射部20は、発光部11によって発光した光を、コンベヤーベルト1の一側側部側に反射させるために設けられていてもよい。
【0058】
本実施形態において、反射部20は、コンベヤーベルト1の他側側部に配置されることを例示する。例えば、反射部20は、赤外線センサによって発信した赤外線を、さらに赤外線センサ側に反射させることができる、反射板を含む形態で提供することができる。
【0059】
発光部11から発光された光は、コンベヤーベルト1を側部方向に通過して、反射部20に到逹することができ、反射部20は、このような光をさらにセンサ10側に反射させることができる。反射部20で反射した光は、さらにコンベヤーベルト1を側部方向に通過することができ、受信部13は、このように反射した光を感知することができる。
【0060】
例えば、発光部11は、側部方向に光を発信することができ、反射部20は、発光部11から発信される光の移動方向に反対の方向に光を反射させることができる。すなわち、センサ10は、反射部20に向かって側部方向に光を発信することができ、反射部20は、かかる光を側部方向に反射させて、センサ10側に返すことができる。
【0061】
パターン部30は、識別対象物体2に設けられていてもよい。パターン部30は、反射部20で反射した光を、識別対象を介して通過させるパターンを識別対象物体2に形成することができる。このようなパターン部30は、第1パターン部31と第2パターン部33とを含むことができる。
【0062】
第1パターン部31は、パターン部30のうち発光部11と反射部20との間を隔てる部分に該当する。そして、第2パターン部33は、反射部20と受信部13との間に光が移動されるための通路を識別対象物体2に形成することができる。
【0063】
例えば、識別対象物体2は、内部に物品を収容することができる箱状に形成され得、パターン部30は、これら識別対象物体2の側面に設けられていてもよい。
【0064】
一例として、識別対象物体2は、六面体状の箱状に形成することができ、これら識別対象物体2の側面にパターン部30を設けることができる。このとき、第1パターン部31は、識別対象物体2の側面のうち塞いだ部分、第2パターン部33は、識別対象物体2の側面のうち開いた部分に該当する。
【0065】
言い換えれば、第2パターン部33は、識別対象物体2の側面を側部方向に貫通した形態に形成することができ、第1パターン部31は、識別対象物体2の側面のうち、第2パターン部33によって貫通していない部分を含む形態に形成することができる。
【0066】
識別対象物体2に一対の側面が側部方向に配置されるとするとき、パターン部30は、識別対象物体2の各側面に同一の形態で形成することができる。
【0067】
例えば、識別対象物体2の一側面に第2パターン部33が「L」状に形成されると、識別対象物体2の他の側面にもそれと同様、「L」状の第2パターン部33が形成され、各側面に形成された第2パターン部33は、側部方向に重畳する位置に配置されていてもよい。
【0068】
なお、本実施形態の物体識別装置は、制御部40をさらに含むことができる。センサ10は、センサ10設置地点を通過する識別対象物体2の移動を感知し、その感知結果による信号を制御部40に伝送することができる。
【0069】
例えば、センサ10は、受信部13で受信される光のパターンに応じて、それに対応する信号を発生させ、このように、センサ10によって発生した信号は、制御部40に伝送される。
【0070】
制御部40は、このように、センサ10から伝送された信号を用いて、識別対象物体2の種類を把握することができる。すなわち、制御部40は、受信部13に受信される光のパターンに応じて、識別対象物体2の種類を把握することができる。
【0071】
実施形態によれば、発光部11と受信部13は、互いに隣接して、いずれもコンベヤーベルト1の一側に設けられる。そして、コンベヤーベルト1の他側に反射部20が設けられる。かかる配置構造は、光学的に当該発光部11から発光した光が反射部20によって正確に反射して、さらに受信部13に入射することで、受信部13がこれを感知することができる。これは、光学的に当該発光部11で発光せずに、他所で発光した光が、前記受信部13に入射することを遮断することで、受信部13が、意図していない他の光信号によって攪乱されないようにする効果に優れる。特に、コンベヤーベルト1の周辺に設置された発光部が多いほど、コンベヤーベルト1が3次元的に複雑に配置されるほど、相違する位置に設置されるセンサの間の信号攪乱の問題が発生する可能性が高いが、実施形態のようなセンサ及び反射部構造は、前記信号攪乱を予防する効果に優れる。
【0072】
また、電源が供給されなければならない発光部11と受信部13を、いずれもコンベヤーベルト1の一側に配置することによって、発光部は、コンベヤーベルトの一側に配置し、受信部は、コンベヤーベルトの他側に配置することに比へて、設備のセッティングが簡便であるという利点もある。
【0073】
[物体識別装置の一適用例]
図3は、本発明の一実施形態による物体識別装置における赤外線信号の受信状態の一例を示す図であり、図4は、図3に例示の第1区間における物体移動状態を示す図である。また、図5図7は、図3に例示の第2区間における物体移動状態を示す図であり、図8は、図3に例示の第3区間における物体移動状態を示す図であり、図9は、パターン部の他の例を示す図である。
【0074】
以下では、図1図9を参照して、本発明の一実施形態による物体識別装置の作用、効果について説明する。
【0075】
図1図3を参照すると、本実施形態の物体識別装置は、コンベヤーベルト1によって移送される物体の種類を把握するために用いることができる。
【0076】
図3及び図4に示したように、コンベヤーベルト1によって移送される物体3が、センサ10設置地点を通過するとき、物体識別装置は、物体3が当該地点を通過することを感知することができる。
【0077】
例えば、物体3にパターン部が設けられていないか、物体3に設けられたパターン部上に、第2パターン部と同様の形状が形成されない場合、センサ10は、図3の第1区間に該当する信号を制御部40(図1参照)に伝送することができる。
【0078】
これら信号を伝送された制御部40は、第1区間に該当する信号と定義された物体が当該地点を通過したことを把握することができる。例えば、制御部40は、第1区間に該当する信号がセンサ10から伝送された場合、種類の把握が不要な一般的な物体3が当該地点を通過したと判断することができる。
【0079】
図3及び図5図7に示したように、コンベヤーベルト1によって移送される特定の識別対象物体2が、センサ10設置地点を通過するとき、物体識別装置は、特定の識別対象物体2が当該地点を通過することを感知することができる。
【0080】
例えば、パターン部30の設けられた識別対象物体2が当該地点を通過する場合、センサ10は、図3の第2区間に該当する信号を制御部40(図1参照)に伝送することができる。
【0081】
これら信号を伝送された制御部40は、第2区間に該当する信号と定義された識別対象物体2が、当該地点を通過したことを把握することができる。例えば、制御部40は、第2区間に該当する信号がセンサ10から伝送された場合、位置の把握又は追跡の必要な特定の識別対象物体2が、当該地点を通過したと判断することができる。
【0082】
また、図3及び図8に示したように、コンベヤーベルト1によって移送される物体3がセンサ10設置地点を通過するとき、物体識別装置は、物体3が当該地点を通過することを感知することができる。
【0083】
例えば、物体3にパターン部が設けられていないか、物体3に設けられたパターン部上に第2パターン部と同様の形状が形成されていない場合、センサ10は、図3の第3区間に該当する信号を制御部40(図1参照)に伝送することができる。
【0084】
これら信号を伝送された制御部40は、第3区間に該当する信号と定義された物体が当該地点を通過したことを把握することができる。例えば、制御部40は、第3区間に該当する信号がセンサ10から伝送された場合、第1区間に該当する信号を受信した場合と同様、種類の把握の不要な一般的な物体3が当該地点を通過したと判断することができる。
【0085】
上述したように、本実施形態の物体識別装置は、識別対象物体2に設けられたパターン部30を通過して、センサ10に受信される光又は波動のパターンに応じて、識別対象物体2の種類を把握することで、特定の識別対象物体2の現在位置及び特定の識別対象物体2の移動時点を効果的に把握することができる。
【0086】
また、本実施形態の物体識別装置は、識別対象物体2の種類別にパターン部30の形状を異にする方法であって、種々の識別対象物体2を種類別に容易にかつ素早く区分して、種類別識別対象物体2の位置情報を効果的に提供することができる。
【0087】
さらに、本実施形態の物体識別装置は、複数本のセンサ10を含む形態で提供することができる。これによれば、コンベヤーベルト1の長さ方向に沿って複数本のセンサ10が、所定の間隔で配列されていてもよい。
【0088】
制御部40は、各々のセンサ10に受信される光又は波動のパターンに応じて、識別対象物体2の種類を把握することで、特定の識別対象物体2の現在位置をさらに効果的に把握することができる。
【0089】
一方、本実施形態では、パターン部30が、識別対象物体2の下部側に偏った位置に配置されたことを例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0090】
他の例として、図9に示したように、パターン部30aの位置は、識別対象物体2aの上部側に偏った位置に配置されていてもよい。この場合、センサ10から発信された光又は反射部20で反射した光は、識別対象物体2aの上部側に偏った位置を通過することになる。
【0091】
これによって、センサ10から発信された光又は反射部20で反射した光の移動は、識別対象物体2aの内部に収容された物品によって影響を受ける可能性を効果的に減らすようになる。
【0092】
[物体識別装置の他の適用例]
図10は、複数本の分岐点を有するように構成されたコンベヤーベルトの一例を示す図であり、図11は、図10に示した各センサにおける赤外線信号の受信状態の一例を示す図であり、図12は、図10に示した各センサにおける赤外線信号の受信状態に対する情報を基に追跡された識別対象物体の移動経路を示した図である。
【0093】
図10に示したように、複数本の分岐点を有するように構成されたコンベヤーベルト1aに物体識別装置を適用することができる。
【0094】
これによれば、物体識別装置は、複数本のセンサ10a~10fを含む形態で提供することができる。これによれば、コンベヤーベルト1の分岐された各々の経路に、センサ10a~10fがそれぞれ配置されていてもよい。
【0095】
このように、複数本の分岐点を有するように構成されたコンベヤーベルト1aに適用された物体識別装置は、前記コンベヤーベルト1aによって移送される特定の識別対象物体2の移動経路を把握するために用いることができる。
【0096】
例えば、コンベヤーベルト1aの経路上に配置された複数本のセンサ10a~10fのうち、特定のパターンの光を受信したセンサ10a~10fの位置を把握すると、特定の識別対象物体2の位置を把握することができる。
【0097】
一例として、図11に示したように、センサ1(10a)、センサ4(10d)及びセンサ5(10e)における特定のパターンの光を順次受信することができる。この場合、物体識別装置は、特定の識別対象物体2(図10参照)が、図12に示したのと同様の経路、つまりセンサ1(10a)が配置された地点、センサ4(10d)が配置された地点、及びセンサ5(10e)が配置された地点を通過する経路で移動したことを把握することができる。
【0098】
上述したように、本実施形態の物体識別装置は、特定の識別対象物体2の現在位置、移動経路などを効果的に把握することで、特定の識別対象物体2が現在、どの地点にあるか、どの地点を経由して移送されたか等に関する情報を、非常に早く且つ効果的に提供することができる。
【0099】
また、本実施形態の物体識別装置は、パターン部30の種類を多様化して、種々の識別対象物体2の個別動線の追跡を可能にすることもでき、識別対象物体2毎にパターン部30の形状を異にする方法で、あらゆる識別対象物体2に対する個別動線の追跡を容易にかつ素早く行うこともできる。特に、実施形態の物体識別装置は、図11に示したデータロギング自体からターゲットとなる識別対象物体2の時間別位置を直観的に把握することができる。
【0100】
[物体識別方法]
以下では、図13を参照して、上述した物体識別装置を活用した物体識別方法を説明する。
【0101】
先ず、識別対象物体を移動させるコンベヤーベルト1の一側側部にセンサ10を設置する(S1)。
【0102】
前記センサ10は、コンベヤーベルト1の他側側部に向かって光を発信する発光部11と、これら光を受信する受信部13とを含む。前記発光部11と受信部13は、互いに近く隣接して配置される。
【0103】
次に、前記コンベヤーベルト1の他側側部に、前記発光部11によって発光した光を、前記コンベヤーベルトの一側側部側に反射させる反射部20を配置する(S2)。
【0104】
前記発光部11は、前記コンベヤーベルト1の移動方向に実質的に垂直な方向に光を発光することができ、前記反射部20は、前記発光部によって照射された光が入射し得る位置に設置されるものの、前記照射光が実質的に垂直に入射するように、前記反射部20の表面が調節された状態で設置することができる。
【0105】
すると、前記反射部20によって反射した光は、さらに前記発光部11に隣接して配置された受信部13に入射することができる。
【0106】
次に、前記発光部11から発信し、前記反射部20で反射した光を通過させるパターンが設けられた識別対象物体2を準備する。
【0107】
そして、前記識別対象物体2を前記コンベヤーベルト1に移動させる(S3)。すると、コンベヤーベルト1の移動経路に沿って設けられた複数本のセンサ10と反射部20によって貯蔵されるロギングデータ(図11参照)において、前記識別対象物体2の移動経路に沿って、前記識別対象物体2で把握され得る信号パターンが記録される。
【0108】
前記物体識別方法は、前記受信部13が、前記反射部20によって反射した光を受光して発生する信号に基づいて、前記識別対象物体2の位置を把握する(S4)。かかる手続きにおいて、図11に示したようなロギングデータを用いることができる。
【0109】
本発明は、図面に示した実施形態を参照して説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術の属する分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することができる。したがって、本発明の真の技術保護の範囲は、下記の特許請求の範囲によって定めるべきである。
【0110】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で通常の技術者によって様々な変形が行われることは明らかである。なお、本発明の実施形態を前述しつつ、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
【符号の説明】
【0111】
1 コンベヤーベルト
2 識別対象物体
10,10a,10b,10c,10d,10e,10f センサ
11 発光部
13 受信部
20 反射部
30,30a パターン部
31,31a 第1パターン部
33,33a 第2パターン部
40 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】