(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-11
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20241204BHJP
H02M 3/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02M3/00 Y
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538039
(86)(22)【出願日】2023-01-02
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 KR2023000037
(87)【国際公開番号】W WO2023132586
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】10-2022-0002118
(32)【優先日】2022-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ボスン
【テーマコード(参考)】
5H730
5H770
【Fターム(参考)】
5H730BB81
5H730CC01
5H730ZZ01
5H730ZZ04
5H730ZZ07
5H730ZZ11
5H730ZZ12
5H770AA21
5H770BA15
5H770CA01
5H770CA02
5H770PA01
5H770PA22
5H770PA42
5H770QA01
5H770QA08
5H770QA12
5H770QA22
5H770QA28
(57)【要約】
電力変換装置が開示される。本発明の一側面に係る電力変換装置は、上側部、前記上側部と並んで配置される下側部、前記上側部と前記下側部を連結する第1側面部および前記第1側面部と並んで配置される第2側面部を含むハウジング;前記ハウジングの内部で前記上側部の下側に備えられるトランジスタ;前記トランジスタの下側に備えられ、外部から流入した空気が移動される通路を提供するヒートシンク;前記ヒートシンクの側面に備えられ、前記第1側面部と並んで配置される第1エア遮断部;前記第1エア遮断部と前記第2側面部の間に配置される複数のキャパシタ;および前記ヒートシンクと離隔して配置される変圧器;を含み、前記上側部には前記変圧器の上側に形成され、かつ前記通路を経由した空気が前記ハウジングの外部に排出されるように形成される排出部が備えられ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側部、前記上側部と並んで配置される下側部、前記上側部と前記下側部を連結する第1側面部および前記第1側面部と並んで配置される第2側面部を含むハウジング;
前記ハウジングの内部で前記上側部の下側に備えられるトランジスタ;
前記トランジスタの下側に備えられ、外部から流入した空気が移動される通路を提供するヒートシンク;
前記ヒートシンクの側面に備えられ、前記第1側面部と並んで配置される第1エア遮断部;
前記第1エア遮断部と前記第2側面部の間に配置される複数のキャパシタ;および
前記ヒートシンクと離隔して配置される変圧器;を含み、
前記上側部には、前記変圧器の上側に形成され、かつ前記通路を経由した空気が前記ハウジングの外部に排出されるように形成される排出部が備えられる、電力変換装置。
【請求項2】
前記複数のキャパシタと前記変圧器の間に配置される第2エア遮断部;をさらに含む、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第1エア遮断部は前記ヒートシンクと前記キャパシタの間に配置される、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記ヒートシンクは、
前記トランジスタを支持する放熱プレート;および
前記プレートから下側方向に延び、前記第1側面部と並んで互いに離隔配置される複数の放熱フィンを含む、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記トランジスタは前記複数の放熱フィンと並んで配置される、請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記下側部と前記ヒートシンクの間に配置され、前記ヒートシンクを支持する支持プレートをさらに含み、
前記支持プレートは前記支持プレートの一側に傾斜するように形成されるエアガイドを含み、
前記エアガイドは外部から流入する空気を前記ヒートシンクの一側の下で供給されるようにガイドする、請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記トランジスタと前記複数のキャパシタと電気的に連結される基板;
その一端が前記基板と電気的に連結され、その他端が前記ハウジングの後方に突出するバスバー;および
前記バスバーの他端に結合され、無停電電源装置のコネクタと着脱可能に結合される結合部をさらに含む、請求項1に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力変換装置に関し、より詳細には、熱によって損傷することが防止されるように放熱効率が改善される電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に無停電電源装置(UPS;uninterruptible power supply)は、一般の電源または予備電源などを使う時に電圧変動、周波数変動、瞬間停電、過度電圧などによる電源異常を防止し、安定した電源を供給する装置である。このような無停電電源装置は、工場に設置された機械または電子機器とバッテリーの間に連結されて機械または電子機器の動作が安定的に確保される。また、最近では金融、放送などで使われる電子機器の動作安定性が要求されることにより、無停電電源装置の導入が広がっている。
【0003】
このような無停電電源装置には直流(DC)電力を他のロード(load)への適用に適合した電力に変換する電力変換装置が備えられる。電力変換装置の中の一つは、直流(DC)電力を他の直流(DC)電力に変換するDC-DCコンバータである。
【0004】
このような電力変換装置には、直流電力を他の電力に変換する変圧器で熱が過度に発生することになって電力変換装置が熱によって損傷したり機能が低下する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記のような問題点を解決するためのもので、本発明の目的は、熱によって損傷することが防止されるように放熱効率が改善される電力変換装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、電力変換装置の設置または取り替え時の便宜性が改善される電力変換装置を提供することである。
【0007】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は下記の記載から本発明が属する技術分野の通常の技術者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によると、上側部、前記上側部と並んで配置される下側部、前記上側部と前記下側部を連結する第1側面部および前記第1側面部と並んで配置される第2側面部を含むハウジング;前記ハウジングの内部で前記上側部の下側に備えられるトランジスタ;前記トランジスタの下側に備えられ、外部から流入した空気が移動される通路を提供するヒートシンク;前記ヒートシンクの側面に備えられ、前記第1側面部と並んで配置される第1エア遮断部;前記第1エア遮断部と前記第2側面部の間に配置される複数のキャパシタ;および前記ヒートシンクと離隔して配置される変圧器;を含み、前記上側部には前記変圧器の上側に形成され、かつ前記通路を経由した空気が前記ハウジングの外部に排出されるように形成される排出部が備えられ得る。
【0009】
この時、前記電力変換装置は、前記複数のキャパシタと前記変圧器の間に配置される第2エア遮断部;をさらに含むことができる。
【0010】
この時、前記第1エア遮断部は前記ヒートシンクと前記キャパシタの間に配置され得る。
【0011】
この時、前記ヒートシンクは、前記トランジスタを支持する放熱プレート;および前記プレートから下側方向に延び、前記第1側面部と並んで互いに離隔配置される複数の放熱フィンを含むことができる。
【0012】
この時、前記トランジスタは前記複数の放熱フィンと並んで配置され得る。
【0013】
この時、前記電力変換装置は、前記下側部と前記ヒートシンクの間に配置され、前記ヒートシンクを支持する支持プレートをさらに含み、前記支持プレートは前記支持プレートの一側に傾斜するように形成されるエアガイドを含み、前記エアガイドは外部から流入する空気を前記ヒートシンクの一側の下で供給されるようにガイドすることができる。
【0014】
この時、前記電力変換装置は、前記トランジスタと前記複数のキャパシタと電気的に連結される基板;その一端が前記基板と電気的に連結され、その他端が前記ハウジングの後方に突出するバスバー;および前記バスバーの他端に結合され、無停電電源装置のコネクタと着脱可能に結合される結合部をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
前記の構成により、本発明の実施例に係る電力変換装置は、ヒートシンクに流入する空気が変圧器の上側に誘導されることによって変圧器の熱がトランジスタに流入しなくなるため、トランジスタが熱によって損傷することが防止される。
【0016】
また、結合部が無停電電源装置のコネクタと着脱可能に結合されることによって、電力変換装置の設置または取り替え便宜性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例に係る無停電電源装置の内部を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施例に係る電力変換装置の外観を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施例に係る電力変換装置の外観を他の側面から見た斜視図である。
【
図4】本発明の実施例に係る電力変換装置の内部を示す側面図である。
【
図5】本発明の実施例に係る電力変換装置の内部を示す平面図である。
【
図6】本発明の実施例に係る電力変換装置のヒートシンク、トランジスタおよび基板が分離された姿を示す分離斜視図である。
【
図7】本発明の実施例に係る電力変換装置で空気の流れを概略的に示す図面である。
【
図8】本発明の実施例に係る電力変換装置が無停電電源装置に連結される前の姿を示す図面である。
【
図9】本発明の実施例に係る電力変換装置が無停電電源装置に連結された姿を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は多様な異なる形態で具現され得ここで説明する実施例に限定されない。本発明を明確に説明するために図面で説明に関わらない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似する構成要素に対しては同じ参照符号を付した。
【0019】
本明細書および請求の範囲に使われた単語と用語は通常的または辞書的な意味で限定解釈されず、自身の発明を最善の方法で説明するために発明者が用語と概念を定義できる原則に則って本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
【0020】
したがって、本明細書に記載された実施例と図面に図示された構成は本発明の好ましい一実施例に該当し、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので該当構成は本発明の出願時点でこれを代替する多様な均等物と変形例があり得る。
【0021】
本明細書で、「含む」または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを説明しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0022】
或る構成要素が他の構成要素の「前方」、「後方」、「上部」または「下部」にあるとは、特別な事情がない限り他の構成要素とすぐに接して「前方」、「後方」、「上部」または「下部」に配置されることだけでなく、その中間にさらに他の構成要素が配置される場合も含む。また、或る構成要素が他の構成要素と「連結」されているとは、特別な事情がない限り互いに直接連結されることだけでなく間接的に互いに連結される場合も含む。
【0023】
以下では、図面を参照して本発明の実施例に係る電力変換装置を説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施例に係る無停電電源装置の内部を示す斜視図である。
【0025】
図1を参照すると、本発明の実施例に係る無停電電源装置10はケース11および電力変換装置100、200を含む。
【0026】
前記ケース11には前記電力変換装置100、200と電力機器が収容される収容空間11aが備えられる。前記ケース11は金属材質からなる。ただし、前記ケース11は金属材質からなるものに限定されず、剛性を有するプラスチックのように多様な材質からなり得る。
【0027】
前記電力変換装置100、200は第1電力変換装置100および第2電力変換装置200を含む。
【0028】
前記第1電力変換装置100は前記ケース11の下側面11bから並んで配置される。前記第1電力変換装置100は直流(DC)電力を他の直流(DC)電力に変換する直流-直流コンバータである。ただし、前記第1電力変換装置100は直流-直流コンバータに限定されず、交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換する交流-直流コンバータまたは直流(DC)電力を交流(AC)電力に変換する直流-交流コンバータであり得る。この時、前記第1電力変換装置100は複数で構成され、前記複数の第1電力変換装置100は互いに積層されて配置される。前記第1電力変換装置100については、図面を参照して詳細に後述することにする。
【0029】
前記第2電力変換装置200は前記ケース11の下側面11bから垂直な方向に配置される。前記第2電力変換装置200は交流(AC)電力を直流(DC)に変換する交流-直流コンバータである。ただし、前記第2電力変換装置200は交流-直流コンバータに限定されず、直流(DC)電力を直流(DC)電力に変換する直流-直流コンバータまたは直流(DC)電力を交流(AC)電力に変換する直流-交流コンバータであり得る。この時、前記第2電力変換装置200は複数で構成され、前記複数の第2電力変換装置100は互いに並んで配置される。これに伴い、前記複数の第2電力変換装置200は互いの荷重が加えられることが防止される。
【0030】
また、前記ケース11の上側面11cには前記ケース11の収容空間11aの空気を外部に排出するためのファン13が備えられる。前記ファン13は回転により前記収容空間11aの空気を吸入することになり、前記収容空間11aの空気は前記ファン13を通じて外部に排出される。これに伴い、前記電力変換装置100、200および前記電力機器によって発生する熱は前記収容空間11aの空気の流れに沿って外部に放出されるので、前記電力変換装置100、200が熱によって損傷することが防止される。
【0031】
図2は本発明の実施例に係る電力変換装置の外観を示す斜視図であり、
図3は本発明の実施例に係る電力変換装置の外観を他の側面から見た斜視図であり、
図4は本発明の実施例に係る電力変換装置の内部を示す側面図であり、
図5は本発明の実施例に係る電力変換装置の内部を示す平面図であり、
図6は本発明の実施例に係る電力変換装置のヒートシンク、トランジスタおよび基板が分離された姿を示す分離斜視図である。
【0032】
図2ないし
図6を参照すると、本発明の実施例に係る電力変換装置100はハウジング110、トランジスタ120、ヒートシンク130、第1エア遮断部141、複数のキャパシタ150および変圧器160を含む。
【0033】
前記ハウジング110は略六面体状からなる。そして、前記ハウジング110は金属材質からなる。ただし、前記ハウジング110は金属材質からなるものに限定されず、剛性を有する多様な材質からなり得る。前記ハウジング110は上側部111、下側部112、第1側面部113および第2側面部114を含む。
【0034】
前記上側部111、前記下側部112、前記第1側面部113および前記第2側面部114は板状からなる。前記下側部112は前記上側部111と並んで配置される。そして、前記第1側面部113は前記上側部111と前記下側部112を連結する。前記第2側面部114は前記第1側面部113と並んで配置されて前記上側部111と前記下側部112を連結する。この時、前記ハウジング110にはx軸方向である前方に開口された第1開口100aが形成される。そして、前記ハウジング110の外部の空気は前記第1開口100aを通じて前記ハウジング110の内部に流入する。また、前記ハウジング110には前記第1開口100aの反対側で後方に開口された第2開口100bが形成される。
【0035】
前記トランジスタ120は、
図4に図示された通り、前記ハウジング110の内部で前記上側部111の下側に配置される。前記トランジスタ120は大電力の高速スイッチングが可能な半導体素子である絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT;insulated gate bipolar transistor)である。ただし、前記トランジスタ120は絶縁ゲートバイポーラトランジスタに限定されず、電力のスイッチングが可能な多様なスイッチング素子であり得る。この時、前記トランジスタ120は半導体素子であるので、前記変圧器160から発生する熱によってスイッチング機能が低下したり損傷する可能性がある。したがって、前記トランジスタ120は前記ハウジング110の内部で前記変圧器160から発生する熱が伝達されない領域に配置されて前記トランジスタ120の機能低下または損傷が防止される。
【0036】
前記ヒートシンク130は、前記ハウジング110の内部で前記トランジスタ120の下側に配置される。前記ヒートシンク130は、
図6に図示された通り、前記ハウジング110の外部から流入した空気が移動される通路133を提供する。前記ヒートシンク130は銅またはアルミニウムの材質からなる。ただし、前記ヒートシンク130の材質は銅またはアルミニウムに限定されず、銀のように熱伝導性を有する多様な材質からなり得る。そして、前記ヒートシンク130は前記トランジスタ120から発生する熱の伝達を受けて空気と熱交換されて前記トランジスタ120を放熱させる。これに伴い、前記ヒートシンク130は前記トランジスタ120が熱によって損傷することが防止される。
【0037】
そして、前記ヒートシンク130は前記トランジスタ120を支持する放熱プレート131および前記放熱プレート131から下側方向に延びる複数の放熱フィン132を含む。前記放熱プレート131は前記トランジスタ120と接触して前記トランジスタ120から発生した熱の伝達を受ける。そして、前記複数の放熱フィン132は前記第1側面部113と並んで配置される。この時、前記複数の放熱フィン132の間には前記ハウジング110の外部から流入した空気が移動される通路133が形成される。そして、前記放熱プレート131の熱は前記複数の放熱フィン132に移動された後、前記複数の放熱フィン132の熱は空気と熱交換される。すなわち、前記複数の放熱フィン132の熱は前記通路133の空気に移動されて前記通路133の空気の温度が増加する。そして、温度が増加した空気は前記通路133に沿って前記変圧器160に向かって移動される。
【0038】
この時、前記トランジスタ120は前記複数の放熱フィン132と並んで配置される。これに伴い、前記トランジスタ120の熱は前記放熱プレート131を通じて前記複数の放熱フィン132それぞれに均一に移動されて前記複数の放熱フィン132の一部分に前記放熱プレート131の熱が集中して放熱性能が低下することが防止される。
【0039】
前記第1エア遮断部141は前記ヒートシンク130の側面に備えられ、前記第1側面部113と並んで配置される。前記第1エア遮断部141は前記ヒートシンク130と前記複数のキャパシタ150を分離させる。これに伴い、前記複数のキャパシタ150から発生した熱が前記ヒートシンク130に移動されることが防止されて前記ヒートシンク130の発熱性能が改善される。
【0040】
前記複数のキャパシタ150は前記第1エア遮断部141と前記第2側面部114の間に配置される。前記複数のキャパシタ150には前記ハウジング110の第1開口100aを通じて空気が流入する。そして、前記複数のキャパシタ150に流入した空気の温度は前記複数のキャパシタ150から発生した熱によって増加する。この時、前記複数のキャパシタ150により温度が増加した空気は前記第1エア遮断部141により前記ヒートシンク130に移動されることが防止される。
【0041】
前記変圧器160は前記ヒートシンク130と離隔して配置される。前記変圧器160は電力の変換により熱を発生させる。この時、前記ヒートシンク130の空気は前記変圧器160に移動される。そして、前記変圧器160の空気は前記変圧器160と熱交換された後、Z軸方向である上側方向に移動される。そして、前記上側部111にはホールの形状からなる排出部111aが形成され、前記変圧器160の空気は前記排出部111aを通じて前記ハウジング110の外部に排出される。すなわち、前記変圧器160により温度が増加した空気は上側方向に移動されるので、前記変圧器160の空気が前記ヒートシンク130に再流入されなくなって前記変圧器160から発生した熱が前記トランジスタ120に伝達されない。このように、前記トランジスタ120は前記変圧器160から発生した熱が伝達されなくなるので前記電力変換装置100の性能が低下することが防止される。
【0042】
また、本発明の実施例に係る電力変換装置100は複数のキャパシタ150と前記変圧器160の間に配置される第2エア遮断部142をさらに含む。
【0043】
前記第2エア遮断部142は前記変圧器160の空気が前記複数のキャパシタ150に移動されることを防止するだけでなく、前記変圧器160の熱が輻射方式で前記複数のキャパシタ150に移動されることが防止される。これに伴い、前記第2エア遮断部142は前記変圧器160と前記複数のキャパシタ150の間の熱の流れを遮断して、前記変圧器160の熱によって前記複数のキャパシタ150の性能が低下することが防止される。
【0044】
また、本発明の実施例に係る電力変換装置100は基板171、バスバー172および結合部173をさらに含む。
【0045】
前記基板171は前記トランジスタ120と前記複数のキャパシタ150それぞれと電気的に連結される。そして、前記バスバー172は前記基板171と前記無停電電源装置(10、
図1参照)の電力機器と電気的に連結される。前記バスバー172の一端は前記基板171と電気的に連結され、前記バスバー172の他端は前記第2開口100bを通じて前記ハウジング110の後方に突出する。そして、前記結合部173は前記バスバー172の他端に結合される。前記結合部173は前記無停電電源装置(10、
図1参照)の電力機器と電気的に連結されるコネクタと着脱可能に結合される。このように、前記トランジスタ120と前記複数のキャパシタ150は前記基板171、前記バスバー172および前記結合部173を通じて前記無停電電源装置(10、
図1参照)の電力機器と電気的に連結される。
【0046】
図7は、本発明の実施例に係る電力変換装置で空気の流れを概略的に示す図面である。
【0047】
図7を参照して、本発明の実施例に係る電力変換装置100のハウジング110の内部で空気の流れを詳察することにする。
【0048】
まず、前記ハウジング110の外部の空気は前記第1開口100aを通じて前記ヒートシンク130に流入する。そして、前記トランジスタ120の熱は前記ヒートシンク130に伝達され、前記ヒートシンク130の熱は空気と熱交換される。そして、前記ヒートシンク130に流入した空気は前記第1開口100aから前記変圧器160に向かう第1方向(
)に移動される。
【0049】
この時、本発明の実施例に係る電力変換装置100は前記下側部112と前記ヒートシンク130の間に配置される支持プレート115をさらに含む。
【0050】
前記支持プレート115は前記ヒートシンク130を支持する。そして、前記支持プレート115は前記支持プレート115の一側に傾斜するように形成されるエアガイド115aを含む。前記エアガイド115aは前記ハウジング110の外部に流入する空気を前記ヒートシンク130の一側の下で供給されるようにガイドする。これに伴い、前記ヒートシンク130の一側では空気の渦流が発生しても、前記エアガイド115aにより前記ヒートシンク130の下で供給されるようにカイドされることによって、空気が前記ヒートシンク130に円滑に供給される。
【0051】
そして、前記変圧器160に移動された空気は前記変圧器160から発生した熱の伝達を受ける。すなわち、前記変圧器160に移動された空気の温度は前記変圧器160により増加して上側方向である第2方向(
)に移動される。これに伴い、前記第2方向(
)に移動される空気は前記ヒートシンク130の空気が前記第1方向(
)に移動されるように駆動力を提供する。すなわち、このような第2方向(
)に移動される空気は前記ヒートシンク130に移動されなくなるので、前記変圧器160の熱が前記トランジスタ120に伝達されなくなるなって前記電力変換装置100の性能が低下することが防止される。
【0052】
また、前記ハウジング110の内部は、空気が前記第1方向(
)に移動されながら前記トランジスタ120と前記ヒートシンク130が配置される第1領域Aと空気が前記第2方向(
)に移動されながら前記変圧器160が配置される第2領域Bに区分される。そして、前記第1領域Aと前記第2領域Bは別途の構成によって遮断されることなく、かつ前記第1方向(
)と前記第2方向(
)に移動される空気の流れによって前記変圧器160の熱が前記トランジスタ120に伝達されることが防止されて、前記トランジスタ120の熱が排出される排出通路と前記変圧器160の熱が排出される排出通路を別途に設置せずとも一つの空気の流れを制御するように、前記トランジスタ120、前記ヒートシンク130および前記変圧器160を前記第1領域Aと前記第2領域Bにそれぞれ配置することで、前記電力変換装置100が別途の放熱構造によって大きさが増加することを防止しつつ、前記電力変換装置100の発熱効率が確保される。
【0053】
図8は本発明の実施例に係る電力変換装置が無停電電源装置に連結される前の姿を示す図面であり、
図9は本発明の実施例に係る電力変換装置が無停電電源装置に連結された姿を示す図面である。
【0054】
図1、
図8および
図9を参照して、本発明の実施例に係る電力変換装置100が前記無停電電源装置10に連結される方法を詳察することにする。
【0055】
前記電力変換装置100が前記ケース11に挿入される。この時、前記無停電電源装置10には前記電力変換装置100の電力機器と連結された連結部14が備えられる。前記連結部14は前記ケース11の内側面に沿って垂直方向に配置される。そして、前記連結部14は前記ケース11の前方に向かって突出するコネクタ15を含む。そして、前記結合部173は前記コネクタ15と着脱可能に結合される。具体的には、前記結合部173は前記コネクタ15が前記結合部173に挿入されるように形成される。すなわち、前記コネクタ15は前記結合部173に挿入されて結合される。これに伴い、前記電力変換装置100は前記無停電電源装置10と電気的に連結される。その反対に、前記電力変換装置100が前記ケース11から分離されると、前記コネクタ15は前記結合部173から離脱されて分離される。
【0056】
このように、本発明の実施例に係る電力変換装置100は前記結合部173が前記コネクタ15に着脱可能に結合されることによって、別途のバスバーで前記電力変換装置100と結合するための工程が不要であるので、前記電力変換装置100を組み立てたりメンテナンスのために分離する便宜性が改善される。
【0057】
本発明の実施例について説明したが、本発明の思想は本明細書に提示される実施例によって制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同じ思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案できるであろうが、これもまた本発明の思想範囲内に入ると言える。
【符号の説明】
【0058】
100:電力変換装置
110:ハウジング
111:上側部
112:下側部
113:第1側面部
114:第2側面部
120:トランジスタ
130:ヒートシンク
141:第1エア遮断部
150:複数のキャパシタ
160:変圧器
【国際調査報告】