(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-11
(54)【発明の名称】身体流体分析のためのキュベット
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20241204BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20241204BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
G01N35/00 D
G01N37/00 101
G01N1/10 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538217
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2022086908
(87)【国際公開番号】W WO2023118081
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520149917
【氏名又は名称】ヘモキュー・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン,パー
(72)【発明者】
【氏名】ペッテション,ジョアキム
(72)【発明者】
【氏名】ラーンボーイ,ジョアン
【テーマコード(参考)】
2G052
2G058
【Fターム(参考)】
2G052AA29
2G052AA30
2G052AB16
2G052AD09
2G052AD29
2G052AD49
2G052CA04
2G052DA09
2G052ED17
2G058CC05
2G058CC08
2G058EB11
2G058GC02
2G058GC05
(57)【要約】
身体流体分析のためのキュベットが開示される。キュベットは、流体入口を備えるサンプリングキャビティと、サンプル分析キャビティと、サンプリングキャビティおよびサンプル分析キャビティと流体接続状態にある排出キャビティとを備える。排出キャビティはキュベットの外部に対する出口を有する。キュベットは、遠心力がキュベットに加えられると、排出キャビティを介してサンプリングキャビティからサンプル分析キャビティまで身体流体を移送するように構成される。サンプル分析キャビティは、第1の毛管力を提供するように構成され、第1の毛管力は、排出キャビティ内の毛管力よりも大きい。サンプル分析キャビティは、身体流体サンプルを分離し分析するために構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体流体分析のためのキュベットであって、
流体入口を備えるサンプリングキャビティと、
サンプル分析キャビティと、
前記サンプリングキャビティおよび前記サンプル分析キャビティと流体接続状態にある排出キャビティとを備え、前記排出キャビティは前記キュベットの外部に対する出口を有し、
前記キュベットは、遠心力が前記キュベットに加えられると、前記排出キャビティを介して前記サンプリングキャビティから前記サンプル分析キャビティまで身体流体を移送するように構成され、
前記サンプル分析キャビティは、第1の毛管力を提供するように構成され、
前記第1の毛管力は、前記排出キャビティによって提供される第2の毛管力よりも大きく、
前記サンプル分析キャビティは、前記身体流体サンプルを分離し分析するために構成される、キュベット。
【請求項2】
請求項1に記載のキュベットにおいて、前記キュベットは、遠心力が前記キュベットに加えられると、前記排出キャビティを介して前記サンプル分析キャビティから前記キュベットの外部に空気を移送するように構成される、キュベット。
【請求項3】
請求項1または2に記載のキュベットにおいて、前記キュベットは、身体流体が前記サンプリングキャビティに導入されると、前記排出キャビティを介して前記サンプリングキャビティから前記キュベットの外部に空気を移送するように構成される、キュベット。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、前記キュベットは、前記遠心力が取り除かれた後に、前記身体流体が前記サンプル分析キャビティを去ることを防止するように構成される、キュベット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、前記サンプリングキャビティおよび前記サンプル分析キャビティは、同じ体積を有する、キュベット。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、前記サンプリングキャビティは、第3の毛管力を提供するように構成され、前記第3の毛管力は、前記排出キャビティによって提供される第2の毛管力よりも大きい、キュベット。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、前記サンプル分析キャビティは、前記キュベットの第1の端部から、対向する第2の端部への第1の方向に延在する実質的に均一な細長い形状を有する、キュベット。
【請求項8】
請求項7に記載のキュベットにおいて、前記キュベットの外部に対する前記排出キャビティの前記出口は、前記キュベットの前記第1の端部に配置される、キュベット。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、前記キュベットは、前記排出キャビティを前記サンプリングキャビティに流体接続する第1の界面を有し、前記第1の界面は、前記第3の毛管力に打ち勝つ遠心力が前記キュベットに加えられると、前記身体流体サンプルが前記第1の界面を通して流れることを可能にするように構成される、キュベット。
【請求項10】
請求項9に記載のキュベットにおいて、前記キュベットは、前記排出キャビティを前記サンプル分析キャビティに流体接続する第2の界面を有し、前記第2の界面は、前記身体流体サンプルが前記第2の界面を通して流れることを可能にするように構成される、キュベット。
【請求項11】
請求項9または10に記載のキュベットにおいて、前記排出キャビティは、前記キュベットの主平面に垂直な平面内で、前記サンプリングキャビティおよび/または前記サンプル分析キャビティよりも大きい断面積を有する、キュベット。
【請求項12】
請求項11に記載のキュベットにおいて、前記排出キャビティの前記断面は、前記キュベットの主平面に垂直な平面内で、前記サンプリングキャビティおよび/または前記サンプル分析キャビティの断面よりも広い幅および/または高い高さを有する、キュベット。
【請求項13】
請求項9~12のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、前記第1の界面および前記第2の界面は、互いに対して或る角度で配置される、キュベット。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、前記キュベットは、本体内で前記サンプリングキャビティ、前記サンプル分析キャビティ、および前記排出キャビティを画定する内側壁を有する、単一本体部材からなる、キュベット。
【請求項15】
請求項14に記載のキュベットにおいて、前記本体部材は先端を備え、前記サンプリングキャビティは、前記本体部材の前記先端に配置される、キュベット。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、前記サンプリングキャビティは、前記サンプル分析キャビティに向かって傾斜するように構成される、キュベット。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、前記サンプル分析キャビティは、試薬がない、キュベット。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、前記キュベットは、前記身体流体サンプルのヘマトクリットレベルを示すための指示子を含む、キュベット。
【請求項19】
請求項18に記載のキュベットにおいて、前記指示子は、前記サンプル分析キャビティの外周に沿って配置される、キュベット。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、前記排出キャビティは、前記キュベットの外側壁を通る開口を有し、前記開口は、前記排出キャビティの全幅にわたって延在する、キュベット。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、前記サンプリングキャビティは、前記キュベットの前記外側壁を通る開口を有し、前記開口は、前記サンプリングキャビティの全幅にわたって延在する、キュベット。
【請求項22】
身体流体サンプルを吸い上げ、前記身体流体サンプルを分析するためのキュベットを製造する方法であって、
前記キュベットを形成する、キュベットベース材料を設けるステップと、
前記キュベットベース材料から、少なくとも1つの整形ツールを使用してキュベットを整形するステップであって、前記整形ツールは、前記キュベットを形成するために前記キュベットベース材料内に延在して配置され、前記キュベットは、
流体入口を備えるサンプリングキャビティと、
サンプル分析キャビティと、
前記サンプリングキャビティおよび前記サンプル分析キャビティと流体接続状態にある排出キャビティとを有する、整形するステップと、
前記キュベットの外側壁を通して前記整形ツールを引き抜くステップと
を含む、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、前記方法は、前記キュベット上に身体流体サンプルのヘマトクリットレベルを示すための指示子を貼り付けるステップを含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、前記指示子を前記貼り付けるステップは、レーザー溶接によって実施される、方法。
【請求項25】
請求項22~24のいずれか一項に記載の方法において、前記キュベットを前記整形するステップは、射出成形によって実施される、方法。
【請求項26】
キュベットを形成するための整形ツールであって、キュベットベース材料に挿入して、前記ベース材料内にキャビティを形成するために構成され、前記キャビティが形成されると、前記キュベットベース材料から引き抜かれるようにさらに構成され、
前記キュベットのサンプリングキャビティの反転形状を有するサンプリングキャビティ部分と、
前記キュベットのサンプル分析キャビティの反転形状を有するサンプル分析キャビティ部分と、
前記キュベットの排出キャビティの反転形状を有する排出キャビティ部分と
を備え、
前記排出キャビティ部分は、前記サンプリングキャビティ部分および前記サンプル分析キャビティ部分に接続される、整形ツール。
【請求項27】
請求項26に記載の整形ツールにおいて、前記サンプリングキャビティ部分、前記サンプル分析キャビティ部分、および前記排出キャビティ部分は、共通整形コア上に配置される、整形ツール。
【請求項28】
請求項26または27に記載の整形ツールにおいて、前記排出キャビティ部分の厚さは、前記サンプリングキャビティ部分および/または前記サンプル分析キャビティ部分の厚さよりも厚い、整形ツール。
【請求項29】
身体流体のサンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定する方法であって、
- 請求項1~21のいずれか一項に記載のキュベットの前記サンプリングキャビティに身体流体のサンプルを導入する(S102)ステップと、
- 前記キュベットに遠心力を加える(S104)ステップであって、それにより、前記排出キャビティを介して前記サンプリングキャビティから前記サンプル分析キャビティまでの前記身体流体の移送を促進する、加える(S104)ステップと、
- 前記身体流体サンプルが前記サンプル分析キャビティに入ると、遠心力をさらに加えることによって前記サンプル分析キャビティ内で前記身体流体サンプルを分離する(S105)ステップと、
- 前記遠心力を加える間または前記遠心力を加えた後、前記身体流体サンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定する(S106)ステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血液分析などの身体流体分析の分野に関する。本開示は、身体流体サンプルを吸い上げ、身体流体サンプルを分析に提供するためのキュベットに関する。本開示は、身体流体のサンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キュベットは、分光/光度測定のために、身体流体サンプルなどの液体サンプルを保持するように設計されている小さいコンテナであり、その測定において、光ビームは、サンプルの特定の特性を決定するため、サンプルの吸光度、透過率、蛍光強度、蛍光偏光度、蛍光寿命または反射率などを測定するためにキュベット内のサンプルを通過させられ得る。これらの測定は、分光光度計などの分析装置によって行われ得る。
【0003】
典型的に、決定される各特性は、対応する身体流体サンプルを有するそれぞれのキュベットを必要とする。そのため、複数の特性を分析するために、大量の身体流体が必要とされる場合がある。さらに、各サンプルは、典型的に、独立に分析される。そのため、血液サンプルを受け取ることと分析を提供することとの間に有意の時間遅延が存在し、それは、必要な患者介護を遅らせる可能性がある。
【0004】
身体流体分析のために使用される典型的なキュベットは、キュベットを操作するときに、特に、血液サンプルの分析後など、分析装置からキュベットを取り外し、その後、処理するときに、キュベットの取り扱いが急いで行われ得る場合、身体流体の流出を受け易い場合もある。これは、分析機器の可用性の低下をもたらす場合がある。なぜなら、分析の実行の間に、身体流体流出によって機器を洗浄することに時間が費やされなければならない場合があるからである。
【0005】
したがって、正確かつ速い身体流体分析を可能にする新しいアプローチについての必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、存在する欠点を軽減する、緩和する、またはそれに対処し、改善された操作性、改善された分析品質を提供し、身体流体分析を実施するために必要とされる時間を低減するキュベットについての必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
身体流体分析のためのキュベットが開示される。キュベットは、流体入口を備えるサンプリングキャビティと、サンプル分析キャビティと、サンプリングキャビティおよびサンプル分析キャビティと流体接続状態にある排出キャビティとを備える。排出キャビティはキュベットの外部に対する出口を有する。キュベットは、例えば、遠心力などの力がキュベットに加えられると、排出キャビティを介してサンプリングキャビティからサンプル分析キャビティまで身体流体を移送するように構成される。サンプル分析キャビティは、第1の毛管力を提供するように構成され、第1の毛管力は、排出キャビティによって提供される第2の毛管力よりも大きい。サンプル分析キャビティは、身体流体サンプルを分離し分析するために構成される。
【0008】
身体流体のサンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定する方法が開示される。方法は、本明細書で開示されるキュベットのサンプリングキャビティに身体流体のサンプルを導入することを含む。方法は、キュベットに遠心力などの力を加えることであって、それにより、排出キャビティを介してサンプリングキャビティからサンプル分析キャビティまでの身体流体の移送を促進する、加えることを含む。方法は、サンプルの1つまたは複数の生物学的に関連するパラメータを決定することを含む。
【0009】
身体流体サンプルの分析を開始する前に、キュベットが、身体流体サンプルを含むキュベットのサンプル分析キャビティの、ギャップ深さなどの特性の測定を可能にすることが本開示の利点である。キュベット内に2つのキャビティ、例えば、サンプルを吸い上げ保持するためのサンプリングキャビティおよびサンプルの分析を実施するためのサンプル分析キャビティを設けることによって、測定は、身体流体サンプルをサンプル分析キャビティに輸送する前に、空のサンプル分析キャビティに対して実施され得る。空のサンプル分析キャビティの特性を測定することによって、分析装置は、身体流体サンプルを分析する前に各キュベットに対して較正され得る。それにより、分析の品質が改善され得る。
【0010】
さらに、第1の毛管力が排出キャビティ内の第2の毛管力よりも大きい状態でサンプル分析キャビティを有するキュベットを設けることによって、身体流体サンプルは、サンプル分析キャビティから漏出することを防止される。これは、予め規定された体積の身体流体がサンプル分析キャビティ内に残り、分析のために使用され得ることを確実にする。これは、分析の品質を改善することができ、分析のために必要とされる身体流体の体積を低減することができる。さらに、身体流体がサンプル分析キャビティから漏出することを防止することは、キュベットの外側への身体流体の漏洩であって、キュベットの遠心分離中にまたは分析装置からキュベットを取り外すと(取り外したときに)、分析装置などのキュベットの周囲を汚染する場合がある、または、キュベットを配設すると周囲を汚染する場合がある、身体流体の漏洩を低減する。それにより、分析装置を洗浄するための時間が低減され得、それは、分析セッション間のダウンタイムを低減し、分析装置がより効率的に使用されることを可能にする。
【0011】
さらに、本開示は、製造するのが簡単かつ費用効率の高いキュベットを提供する。
【0012】
さらに、本開示によるキュベットは、同じ身体流体サンプルおよびキュベットが、身体流体サンプルの複数の異なる生物学的パラメータを分析するために使用され得、それにより、より速くかつより正確な結果を提供するという利点を有する。
【0013】
本開示の上記のおよび他の特徴および利点は、添付部面を参照して、本開示の例示的な実施形態の以下のより詳細な説明によって当業者に容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示による例のキュベットの斜視図である。
【
図2】本明細書で開示する例のキュベットの略図である。
【
図3】本明細書で開示される例のキュベットの断面図を示す切断線を含む例のキュベットの略図である。
【
図4】
図4Aは本明細書で開示される切断線A-Aに沿う例のキュベットの第1の略切断図である。
図4Bは本明細書で開示される切断線A-Aに沿う例のキュベットの第1の略断面図である。
【
図5】
図5Aは本明細書で開示される切断線B-Bに沿う例のキュベットの第2の略切断図である。
図5Bは本明細書で開示される切断線B-Bに沿う例のキュベットの第2の略断面図である。
【
図6】本明細書で開示される切断線C-Cに沿う例のキュベットの第3の略断面図である。
【
図7】本明細書で開示される切断線D-Dに沿う例のキュベットの第4の略断面図である。
【
図8】本開示による指示子を備える例のキュベットの略図である。
【
図10】本開示による、身体流体の1つまたは複数の生物学的パラメータを決定するための例の方法を示すフローダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
種々の例示的な実施形態および詳細は、関連するとき、図を参照して以降で説明される。図が一定比例尺に従って描かれる場合があるか描かれない場合があること、および、同様の構造または機能の要素が、図全体を通して同様の参照数字によって示されることが留意されるべきである。図が、実施形態の説明を促進することを意図されるだけであることも留意されるべきである。図は、本開示の網羅的な説明としてまたは本開示の範囲に対する制限として意図されない。さらに、示す実施形態は、示される全ての態様または利点を有する必要はない。特定の実施形態と併せて説明される態様または利点は、その実施形態に必ずしも限定されず、そのように示されなくても、または、そのように明示的に説明されなくても任意の他の実施形態において実施され得る。
【0016】
血液分析などの身体流体分析のためのキュベットが開示される。キュベットは、血液、血漿、血清、および/または尿サンプルなどの身体流体サンプルを吸い上げ、身体流体サンプルを、分析装置などの分析に提供するように構成される。本明細書の例において、キュベットは、全血のサンプルを吸い上げるために特に適合される。分析装置は、身体流体サンプルを遠心分離し、身体流体サンプルの生物学的パラメータを決定するように構成され得る。キュベットは、身体流体サンプルを吸い上げる、例えば取得するための流体入口を備えるサンプリングキャビティ、身体流体サンプルを分析するためのサンプル分析キャビティ、および排出キャビティを備える。
【0017】
排出キャビティは、サンプリングキャビティおよびサンプル分析キャビティと流体連通状態にあり、それにより、身体流体は、排出キャビティを介してサンプリングキャビティからサンプル分析キャビティまで流れることができる。サンプリングキャビティおよびサンプル分析キャビティは、互いに直接流体連通状態にない。したがって、身体流体サンプルがサンプリングキャビティからサンプル分析キャビティまで移動するために、身体流体サンプルは、排出キャビティを通って流れなければならない。
【0018】
キュベットは、遠心力などの力がキュベットに加えられると、排出キャビティを介してサンプリングキャビティからサンプル分析キャビティまで身体流体サンプルを移送するように構成される。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットは、遠心力がキュベットに加えられている間、例えば、単一遠心分離ステップ中、排出キャビティを介してサンプリングキャビティからサンプル分析キャビティまで身体流体サンプルを移送するように構成される。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットは、排出キャビティをサンプリングキャビティに流体接続する第1の界面を有する。第1の界面は、第3の毛管力などのサンプリングキャビティの毛管力に打ち勝つ遠心力がキュベットに加えられると、身体流体サンプルが第1の界面を通して流れることを可能にするように構成され得る。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットは、排出キャビティをサンプル分析キャビティに流体接続する第2の界面を有する。第2の界面は、身体流体サンプルが第2の界面を通して排出キャビティからサンプル分析キャビティまで流れることを可能にするように構成され得、サンプル分析キャビティから排出キャビティへの流れを防止することができる。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、身体流体サンプルは、例えば、サンプル分析キャビティの第1の毛管力が排出キャビティによって提供される第2の毛管力よりも大きいため、第2の界面を通して自動的に流れることができる。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットは、身体流体サンプルをサンプル分析キャビティから引き離すように構成される、毛管チャネルおよび/またはサイフォンなどの任意の手段がない。
【0019】
サンプリングキャビティを介してキュベットに導入される身体流体サンプルなどの身体流体サンプルは、身体流体サンプルがサンプル分析キャビティに入ると、遠心力をさらに加えることによってサンプル分析キャビティ内で分離され得る。例えば、赤血球は、全血サンプルから分離除去され得る、または、擾乱要素は、尿のサンプルから分離除去され得る。換言すれば、身体流体サンプルは、サンプル分析キャビティ内など、同じキャビティ内で分離され分析され得る。サンプル分析キャビティは、1つまたは複数の例の方法において、遠心キャビティとして作用することもできる。
【0020】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプル分析キャビティは、キュベットの最も奥のキャビティである。それにより、分離された身体流体は、キュベットの最も奥のキャビティ内に配置され、それは、分離された身体流体が、キュベットの外側と接触することによって汚染されるリスクを低減する。
【0021】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、第1の界面および第2の界面は、互いに対して或る角度で(或る角度を持って)配置される。第1の界面は、キュベットの縦軸に沿ってなど、第1の軸に沿って配置され得る。第2の界面は、キュベットの横軸に沿ってなど、第2の軸に沿って配置され得る。第1の界面および第2の界面は、例えば、互いに実質的に垂直に配置され得る。実質的に垂直とは、互いに対して85~95度の範囲内など、80~100度の範囲内の或る角度に配置されるものとして本明細書では理解され得る。しかしながら、他の角度も想定され得る。第2の界面は、1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットに加えられる遠心力の方向に実質的に垂直になど、キュベットの縦方向に実質的に垂直に配置され得る。
【0022】
サンプル分析キャビティは、第1の毛管力を提供するように構成され、第1の毛管力は、排出キャビティによって提供される第2の毛管力よりも大きい。第1の毛管力は、サンプル分析キャビティの高さおよび/または幅によって達成され得、排出キャビティの高さおよび/または幅によって達成される毛管力よりも小さい。サンプル分析キャビティおよび排出キャビティの高さは、
図1で規定するように、キュベットの垂直方向におけるそれぞれのキャビティの第1の内側表面と第2の内側表面との間の距離として本明細書で見られ得る。キャビティの内側表面間の距離を減少させることによって、キャビティの毛管力は増加され得る。排出キャビティよりも大きい毛管力を有する、すなわち、第1の毛管力が第2の毛管力よりも大きくなるようにサンプル分析キャビティを構成することによって、排出キャビティからサンプル分析キャビティまでの身体流体サンプルの輸送は、増大され得、一方、サンプル分析キャビティから排出キャビティまでの流体の輸送は防止され得る。そのため、キュベットは、遠心力が取り除かれた後に、身体流体サンプルがサンプル分析キャビティを去ることを防止するように構成され得る。それにより、遠心力がキュベットから取り除かれた後に、身体流体サンプルの全体積がサンプル分析キャビティ内に残ることが確実にされ得る。全体積は、サンプリングキャビティによって取得される身体流体の体積の95%、96%、97%、98%、99%、または100%など、少なくとも90%として本明細書で見られ得る。
【0023】
排出キャビティは、キュベットの外部に対する開口を有し、その開口は、排出開口と本明細書で呼ばれ得る。排出開口は、サンプル分析キャビティが身体流体サンプルで充填されると、排出キャビティを介してサンプル分析キャビティからキュベットの外部に空気がそこを通って排出され得る出口を形成することができる。キュベットは、身体流体が、サンプリングキャビティに導入される、例えば、サンプリングキャビティによって吸い上げられると、空気を、サンプリングキャビティからキュベットの外部まで排出キャビティを介しておよび/またはサンプリングキャビティを介して移送するように構成され得る。
【0024】
排出開口は、1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットの第1の端部に配置され得る。排出開口は、排出キャビティの全幅をカバーすることができ、それにより、排出キャビティの全側面は、キュベットの外部に対して開放することができる。
【0025】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、排出開口は、キュベットの外側壁を通る開口である。排出開口は、排出キャビティの一部または全幅にわたって延在することができる。開口は、キャビティが身体流体サンプルで充填されると、排出キャビティ、サンプリングキャビティ、および/またはサンプル分析キャビティなどの任意のキャビティから排出キャビティを通してキュベットの外部に、空気が漏出することを可能にする。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットの外部に対する排出キャビティの出口は、キュベットの第1の縦端部になど、キュベットの第1の端部に配置される。
【0026】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプリングキャビティは、キュベットの外側壁を通る開口を有し、その開口は、サンプリング開口と本明細書で呼ばれ得る。サンプリング開口は、サンプリングキャビティの全幅の一部または全幅にわたって延在することができる。サンプリング開口は、サンプリングキャビティが身体流体サンプルを吸い上げる、例えば、身体流体サンプルで充填されると、サンプリングキャビティから空気が漏出することを可能にすることができる。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットの外部に対するサンプリングキャビティのサンプリング開口は、キュベットの第1の端部に配置される。そのため、サンプリング開口および排出開口は、キュベットの同じ端部に配置され得る。
【0027】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、それぞれのキャビティの全幅にわたって延在する排出開口および/またはサンプリング開口は、キュベットの製造中に使用される整形ツールの除去を可能にすることができる。それにより、キュベットの製造は促進され得、それは、キュベットを製造するための時間およびコストを低減する可能性がある。
【0028】
サンプリングキャビティは、第3の毛管力を提供するように構成され得る。第3の毛管力は、排出キャビティ内の第2の毛管力よりも大きくてもよい。第3の毛管力が第2の毛管力よりも大きくなるようにキュベットを構成することによって、サンプリングキャビティからの身体流体サンプルの自動的輸送が防止され得る。本明細書の自動的輸送は、キュベットに対して遠心力などの外力を加えることのない状態での輸送を意味する。サンプリングキャビティ内のより大きい毛管力は、サンプリングキャビティが排出キャビティの高さよりも低い高さを有することによって達成され得る。キャビティの高さは、それぞれのキャビティの2つの平行な内側表面間の距離として本明細書で見られ得る。サンプリングキャビティの第3の毛管力は、第1の毛管力と同じまたは異なっていてもよい。サンプリングキャビティからの身体流体の自動的輸送が防止されるようにキュベットが構成されるため、サンプリングキャビティは、過剰の流体を取得することなく、幾つかのステップで、サンプルで充填され得る。そのため、サンプリングキャビティが適切に充填されていない場合、より多くの流体が、サンプリングキャビティを充填するためにサンプリングキャビティに引き込まれ得る。したがって、入口キャビティが流体で完全に充填されないことが留意される場合、キュベットは、サンプリングされる流体と再び接触することができ、それにより、より多くの流体が、サンプリングキャビティ内の毛管作用によって入口キャビティに引き込まれることになる。それにより、サンプリングキャビティの体積に対応する予め規定されたサンプル体積が、常に収集され得る。
【0029】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットは、単一主本体部材などの主本体部材からなり、主本体部材は、本体内に、サンプリングキャビティ、サンプル分析キャビティ、および排出キャビティを画定する内側壁を有する。単一本体部材は、キュベットが、例えば、成形または鋳造によって1つの一体部分で作られることが本明細書で見られ得る。キュベットを一体部分として作ることによって、キュベットは、遠心分離中に身体流体がそこを通してキュベットから漏洩する場合がある任意の接合部/継手を備えない。それにより、キュベットおよび分析装置の外側の汚染が低減される可能性があり、それは、別のキュベットを受け取るための分析装置を洗浄し調製するための、分析の間で必要とされる時間を低減する。
【0030】
サンプリングキャビティ、サンプル分析キャビティ、および排出キャビティは、キュベットの主本体部材内に配置され得る。キュベットの主本体部材は、身体流体サンプルの分析中に使用される波長の放射についての低吸光度を有する材料でできていてもよい。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットの材料は、ポリスチレン(PS:polystyrene)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethylmethacrylate)、またはポリカーボネート(PC:polycarbonate)などのプラスチックとすることができる。
【0031】
キュベットに加えられる遠心力は、サンプリングキャビティ内に身体流体サンプルを保持する第3の毛管力に打ち勝つことができる。そのため、身体流体サンプルは、排出キャビティを介してサンプリングキャビティを去ることができ、サンプル分析キャビティに入ることができる。サンプル分析キャビティは、キュベットの縦方向にサンプリングキャビティからオフセットして配置され得る。それにより、遠心力は、サンプル分析キャビティに向かいかつその中に入るように身体流体サンプルを押しやることができる。
【0032】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプル分析キャビティは、排出キャビティなどの任意の隣接キャビティよりも大きい毛管力を有し、例えば、大きい毛管力を提供するように構成される。隣接キャビティは、サンプル分析キャビティと直接流体接続状態にあるキャビティとして本明細書で見られ得る。換言すれば、サンプル分析キャビティは、サンプル分析キャビティ自身よりも大きい毛管力を有するキャビティと直接流体接続状態になくてもよい。
【0033】
キュベットは、遠心力がキュベットに加えられると、排出キャビティを介してサンプル分析キャビティからキュベットの外部まで空気を移送するように構成され得る。身体流体サンプルがサンプル分析キャビティに入ると、サンプル分析キャビティ内の空気は、第2の界面および排出開口を介してサンプル分析キャビティからキュベットの外部に漏出することができ、それにより、サンプル分析キャビティの適切な充填を確実にする。
【0034】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプリングキャビティおよびサンプル分析キャビティは、実質的に等しい体積などの等しい体積を有する。それにより、予め規定された体積の身体流体サンプルは、サンプリングキャビティによって取得され得、同じ体積の流体は、サンプル分析キャビティ内で分離および/または分析され得る。
【0035】
サンプリングキャビティの体積は、10~100マイクロリットル(μL)または20~60マイクロリットル(μL)の範囲内、例えば30~50μLの範囲内、例えば30~40μLの範囲内、例えば30~35μLの範囲内、例えば32μLとすることができる。サンプル分析キャビティの体積は、10~100マイクロリットル(μL)例えば20~60マイクロリットル(μL)の範囲内、例えば30~50μLの範囲内、例えば30~40μLの範囲内、例えば30~35μLの範囲内、例えば32μLとすることができる。
【0036】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプル分析キャビティは、キュベットの第1の端部と対向する第2の端部との間の第1の方向に延在する実質的に均一な/一様な細長い形状(uniform elongated shape)を有する。キュベットの第1の端部および第2の端部は、キュベットの対向する縦端部に配置され得る。第1の方向は、キュベットを受け取るように構成される分析装置を使用してキュベットが分析されるときにキュベットに加えられる遠心力の方向になど、キュベットに加えられる遠心力の意図される方向に平行とすることができる。
【0037】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、
図1に規定されるキュベットの縦方向の伸長部などのキュベットの全長は、30~50mmまたは36~44mmの範囲内、例えば38~42mmの範囲内、例えば39~40mmの範囲内とすることができる。全長は、キュベットの第1の縦端部の先端からキュベットの第2の縦端部まで測定され得る。
【0038】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、
図1に規定されるキュベットの横方向の伸長部などのキュベットの全幅は、15~28mmまたは18~24mmの範囲内、例えば19~23mmの範囲内、例えば20~22mmの範囲内とすることができる。1つまたは複数の例の方法において、キュベットの幅は21mmとすることができる。
【0039】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、
図1に規定されるキュベットの垂直方向の伸長部などのキュベットの全幅は、1.9~2.4mmの範囲内、例えば2.0~2.3mmの範囲内、例えば2.1~2.2mmの範囲内とすることができる。
【0040】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプル分析キャビティは、10~20mmの範囲内の、例えば、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、または20mmの、および/または、この段落で論じる寸法によって制限される任意の範囲内の、
図1に規定されるキュベットの縦方向、例えばX方向の伸長部などの長さを有することができる。
【0041】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプル分析キャビティは、2~7mm、例えば、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、または7mmの、および/または、この段落で論じる寸法によって制限される任意の範囲内の、
図1に規定されるキュベットの横方向、例えばY方向の伸長部などの幅を有することができる。
【0042】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプル分析キャビティは、0.2~0.7mmの範囲内の、例えば、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、または0.7mmの、および/または、この段落で論じる寸法によって制限される任意の範囲内の、
図1に規定されるキュベットの垂直方向、例えばZ方向の伸長部などの高さを有することができる。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプル分析キャビティの高さは、0.5mm、例えば、500μmとすることができる。
【0043】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプリングキャビティは、5~15mmの範囲内の、例えば、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、または15mmの、および/または、この段落で論じる寸法によって制限される任意の範囲内の、平均長さなどの長さを有することができる。サンプリングキャビティの長さは、
図1で規定されるキュベットのX方向におけるなど、縦方向における伸長部として見られ得る。
【0044】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプリングキャビティは、5~15mmの範囲内の、例えば、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、または15mmの、および/または、この段落で論じる寸法によって制限される任意の範囲内の、平均幅などの、
図1で規定されるキュベットのY方向におけるなど、横方向における伸長部などの幅を有することができる。
【0045】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプリングキャビティは、0.2~0.7mmの範囲内の、例えば、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、または0.7mmの、および/または、この段落で論じる寸法によって制限される任意の範囲内の、
図1に規定されるキュベットの垂直方向、例えばZ方向の伸長部などの高さを有することができる。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプリングキャビティの高さは、200~700μmの範囲内、例えば500~650μmの範囲内、例えば、592μm、または575μmとすることができる。
【0046】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、排出キャビティは、5~10mmの範囲内の、例えば、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、または10mmの、および/または、この段落で論じる寸法によって制限される任意の範囲内の、
図1で規定されるキュベットのX方向におけるなど、縦方向における伸長部などの長さを有することができる。
【0047】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、排出キャビティは、3~8mmの範囲内の、例えば、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、または8mmの、および/または、この段落で論じる寸法によって制限される任意の範囲内の、
図1で規定されるキュベットのY方向における伸長部などの幅を有することができる。
【0048】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、排出キャビティは、0.4~2mmの範囲内の、例えば、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、または2.0mmの、および/または、この段落で論じる寸法によって制限される任意の範囲内の、
図1に規定されるキュベットの垂直方向、例えばZ方向の伸長部などの高さを有することができる。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、排出キャビティの高さは、1mm、例えば1000μmとすることができる。
【0049】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、本体部材は先端を備える。サンプリングキャビティは、本体部材の先端に配置され得、それにより、サンプリングキャビティの入口は、キュベットの先端に配置される。キュベットの先端に入口を配置することによって、身体流体サンプルによるサンプリングキャビティの充填が促進され得る。なぜなら、先端が、吸い上げられる血液サンプルにおけるサンプリングキャビティの入口の精密な位置決めを可能にするからである。
【0050】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプリングキャビティの内側表面などのサンプリングキャビティは、サンプル分析キャビティに向かって傾斜するように構成される。サンプル分析キャビティに傾斜を提供することによって、サンプリングキャビティからサンプル分析キャビティまでの身体流体サンプルの輸送が改善され得る。サンプリングキャビティは、キュベットの整形後に整形ツールの取り外しをさらに促進するために、開口に向けて外方に傾斜するように構成され得る。
【0051】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットのサンプル分析キャビティなどのキュベットは、試薬がない。キュベットが、試薬がないとき、血液サンプルなどの身体流体サンプルの分析は、身体に含まれるヘモグロビン(Hb)誘導体を直接測定することによって行われ得る。血液の場合、ヘモグロビン誘導体は、例えば、還元ヘモグロビン(Hb)、例えば、デオキシヘモグロビン(還元型)、オキシヘモグロビン(HbO2)、メトヘモグロビン(met-Hb)、カルボキシヘモグロビン(HbCO)、または他のタイプのヘモグロビンとすることができる。異なるヘモグロビン誘導体は、異なる波長において異なる吸光度を有することができ、したがって、フォトメータなどの光学部品および血液のパラメータを決定するためのアルゴリズムは、異なる波長において異なるヘモグロビン誘導体によってもたらされる干渉を補償するように構成され得る。試薬なしのキュベットを作ることは、キュベットを製造するコストを低減し、キュベットを製造するためにかかる時間も低減する。キュベットを試薬なしで作ることにより、キュベット内のキャビティの数が低減され得る。なぜなら、分離された血液と試薬との間の反応が起こる必要がないからである。それにより、キュベットの複雑さは低減され得、それは、キュベットの製造および使用を促進する。さらに、キュベットを試薬なしで作ることによって、キュベットは、空気湿度に無反応になり、それは、キュベットが、シールされたパッケージングなしで出荷されることを可能にする。これは、キュベットを生産するための労力およびコストが低減され得るという利益を有する。
【0052】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプリングキャビティの壁は、湿潤剤でコーティングされる。湿潤剤は、サンプリングキャビティ内に血液サンプルを吸い上げるのに役立つことができる。
【0053】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプル分析キャビティは、身体流体サンプルと反応するように構成される試薬を含むことができる。試薬は、サンプル分析キャビティの内側表面に配置され得、それにより、身体流体サンプルがサンプル分析キャビティに入ると、身体流体サンプルと接触する。試薬は、キュベットの製造中にサンプル分析キャビティに塗布され得る。異なる試薬は、実施される分析に応じてキャビティ内に提供され得、それにより、身体流体の異なる生物学的パラメータの分析のために、および、異なるタイプの身体流体のためにキュベットが適合されることを可能にする。身体流体サンプルが血液であるとき、試薬は、異なるヘモグロビン誘導体を同じ誘導体になるように反応させることができ、それにより、異なる波長における干渉を低減し、それは、血液サンプルの分析プロシージャを促進することができる。
【0054】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットは、それぞれの各キュベットを識別するための一意の識別子を含むことができる。一意の識別子は、バーコードまたはQRコード(登録商標)などの視覚的識別子、または、無線周波数識別(RFID:Radio Frequency Identification)タグなどのデジタル識別子とすることができる。一意の識別子は、特定の身体流体サンプルおよび/または分析のために使用されるキュベットを識別するために使用され得る。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、識別子は、分析装置によって識別され得、分析装置からの測定値は、キュベットの一意の識別子と共に自動的に記憶され得る。
【0055】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、身体流体が血液であるときなど、キュベットは、身体流体サンプルのヘマトクリットレベルを示すための指示子を備えることができる。指示子は、サンプル分析キャビティの外周に沿って配置され得る。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、身体流体サンプルのヘマトクリットレベルを示すための指示子は、サンプル分析キャビティと部分的にまたは完全にオーバーラップして配置され得る。キュベットは、血液サンプルの血漿分離などの、身体流体サンプルの分離を実施するために構成され得るため、ヘマトクリットレベル指示子は、キュベットに付加され得る。サンプリングキャビティは、精密な身体流体体積を抽出するように構成され、キュベットは、サンプリングキャビティからサンプル分析キャビティまで全サンプルを輸送するように構成される。それにより、身体流体の既知の体積が、サンプル分析キャビティに提供され得る。したがって、測定線は、ヘマトクリットレベルの視覚的指示を提供するためにキュベット内に付加され得る。測定線は、キュベットにおけるレーザー溶接、エッチング、および彫刻のうちの1つまたは複数によって、あるいは、キュベットの成形プロシージャ中に付加され得る。遠心分離後に、オペレータが分析装置からキュベットを抽出すると、ヘマトクリットレベルの視覚的指示は、キュベットのヘマトクリットレベル指示子に基づいて読み取られ得る。キュベット上のヘマトクリットレベル指示子は、貧血または多血症など疾患のための指示を提供することができるという利益を有する。
【0056】
キュベットは、使い捨てのキュベット、例えば、使い捨て可能であり分析のために1回使用された後に捨てられるような、1回使用のために構成されるキュベットとすることができる。
【0057】
さらに、キュベットを製造する方法が開示される。キュベットは、身体流体サンプルを吸い上げ、身体流体サンプルを分析するために構成され得る。方法は、キュベットを形成する、キュベットベース材料を設けることを含む。材料は、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、またはポリカーボネート(PC)などの、分析中に使用される波長の放射についての低吸光度を有するプラスチック材料とすることができる。方法は、少なくとも1つの整形ツールを使用して、キュベットベース材料からキュベットを整形することを含む。整形ツールは、キュベットを形成するために上記キュベットベース材料内に延在するように配置される。キュベットは、流体入口を備えるサンプリングキャビティと、サンプル分析キャビティと、サンプリングキャビティおよびサンプル分析キャビティと流体接続状態にある排出キャビティとを有することができる。方法は、キュベットの外側壁を通して整形ツールを引き抜くことを含む。整形ツールは、1つまたは複数の例の方法において、サンプリングキャビティおよび/または排出キャビティの出口を通して引き抜かれ得る。
【0058】
1つまたは複数の例の方法において、方法は、キュベット上に身体流体サンプルのヘマトクリットレベルを示すための指示子を貼り付けることを含む。1つまたは複数の例の方法において、キュベットを整形することは、射出成形によって、例えば射出成形を使用して実施される。指示子は、成形ツール上でネガティブインプリントを使用してなど、射出成形プロセス中にキュベットに貼り付けられ得る、または、レーザー溶接、エッチング、および彫刻のうちの1つまたは複数の手段によって、例えば、1つまたは複数を使用して、貼り付けられ得る。ネガティブインプリントは、指示子のなど、成形される部分の反転形状として本明細書で見られ得る。
【0059】
キュベットを形成するための整形ツールが開示される。整形ツールは、ベース材料内にキャビティを形成するためにキュベットベース材料に挿入するために構成され得る。整形ツールは、キャビティが形成されてしまうと、キュベットベース材料から引き抜かれるようにさらに構成され得る。整形ツールは、キュベットのサンプリングキャビティの反転形状を有するサンプリングキャビティ部分を備える。整形ツールは、キュベットのサンプル分析キャビティの反転形状を有するサンプル分析キャビティ部分を備える。整形ツールは、キュベットの排出キャビティの反転形状を有する排出キャビティ部分を備え、上記排出キャビティ部分は、サンプリングキャビティ部分およびサンプル分析キャビティ部分に接続される。サンプリングキャビティ部分およびサンプル分析キャビティ部分は、互いに直接接続されない。
【0060】
1つまたは複数の例の整形ツールにおいて、サンプリングキャビティ部分、サンプル分析キャビティ部分、および排出キャビティ部分は、単一整形コア上になど、共通整形コア上に配置される。
【0061】
1つまたは複数の例の整形ツールにおいて、整形ツールは、第1の整形コアおよび第2の整形コアを備えることができる。1つまたは複数の例の整形ツールにおいて、サンプリングキャビティ部分、サンプル分析キャビティ部分、および排出キャビティ部分のうちの1つまたは複数は、第1の整形コア上に配置され、サンプリングキャビティ部分、サンプル分析キャビティ部分、および排出キャビティ部分のうちの1つまたは複数は、第2の整形コア上に配置される。
【0062】
1つまたは複数の例の整形ツールにおいて、排出キャビティ部分の厚さは、サンプリングキャビティ部分の厚さよりも厚い。1つまたは複数の例の整形ツールにおいて、排出キャビティ部分の厚さは、サンプル分析キャビティ部分の厚さよりも厚い。
【0063】
身体流体のサンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定する方法が開示される。方法は、本明細書で開示されるキュベットのサンプリングキャビティに身体流体のサンプルを導入することを含む。方法は、キュベットに第1の遠心力などの遠心力を加えることであって、それにより、排出キャビティを介してサンプリングキャビティからサンプル分析キャビティまでの身体流体の移送を促進する、加えることを含む。1つまたは複数の例の方法において、方法は、身体流体サンプルがサンプル分析キャビティに入ると、第2の遠心力を加えることであって、それにより、サンプル分析キャビティに含まれる身体流体サンプルを分離する、加えることを含む。方法は、身体流体サンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定することを含む。身体流体サンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定することは、身体流体サンプルがサンプル分析キャビティ内にあるときに行われ得る。
【0064】
以下において、本開示のキュベットは、図を参照してさらに詳細に説明される。図は、本来概略的であり、明確にするために簡素化され、図は、本開示を理解するのに役立つ詳細を単に示し、一方、他の詳細は省略されている。全体を通して、同じ参照数字は、同一のまたは対応する部分のために使用される。
【0065】
図1は、本開示の1つまたは複数の例によるキュベット1の斜視図を示す。キュベット1は、サンプリングキャビティ2、排出キャビティ3、およびサンプル分析キャビティ4を備える。本文書全体を通して、キュベットは、
図1に開示する座標系に関連して説明されることになり、X軸は、キュベット1の長さ(キュベット1の第1の縦端部6と第2の縦端部7との間など)に及ぶ縦方向を規定し、Y軸は、キュベット1の幅に及ぶ横方向を規定し、Z軸は、キュベット1の高さに及ぶ垂直方向を規定する。本明細書で論じるキュベット1の主平面は、キュベット1の縦方向と横方向に延在する平面である。主平面に垂直な平面は、本明細書において、キュベット1の縦方向と垂直方向に延在する平面およびキュベット1の横方向と垂直方向に延在する平面の一つまたは複数とすることができる。キュベット1は、垂直方向と比べて、縦方向と横方向に長い伸長部を有することができ、したがって、平坦形状を有する、または、平坦キュベットであると呼ばれ得る。
【0066】
図2は、本開示の1つまたは複数の例によるキュベット1を示す。キュベット1は、サンプリングキャビティ2、サンプル分析キャビティ4、および排出キャビティ3を備える。サンプリングキャビティ2は、身体流体サンプルを収集(collect)するための流体入口22を備える。キュベット1は、ベース部分11を備える主本体部材10を有する。ベース部分11は、中実とすることができ、身体流体の分析の結果に干渉をもたらすことなく、キュベットの取り扱い中にオペレータによって触れられるように構成され得る。1つまたは複数の例によるキュベットにおいて、主本体部材10のベース部分11は、サンプリングキャビティ2および/またはサンプル分析キャビティ4のエリアの主本体部材10と異なる表面テキスチャを有することができる。異なる表面テキスチャを有するベース部分11を設けることは、分析結果と干渉することなく触れられ得るエリアの視覚的指示をキュベットのオペレータに提供することができる。例えば、サンプリングキャビティ2および/またはサンプル分析キャビティ4のエリア内の表面は透明とすることができ、一方、ベース部分11の表面はつや消しとすることができる。キュベット1の外側形状は、キュベット1が分析装置内に1つの方法で位置決めされ得るだけであるように構成され得る。1つまたは複数の例のキュベット1において、キュベット1の外側形状は非対称である。主本体部材10は、キュベットホルダーを分析装置に嵌合するように構成され得る取り付け要素5を備えることができる。取り付け要素5は、キュベット1が分析装置内に1つの方法で位置決めされ得るだけであるように配置され得る。
図2に示す例のキュベット1において、取り付け要素5は、キュベット1の外側表面内のへこみとして整形され得る。そのため、取り付け要素5は、分析装置の回転可能部材になど、分析装置にキュベット1を取り付けるために構成され得る。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプル分析キャビティ4のエリア内のキュベット1の外側形状は、へこまされ得る、例えば、キュベット1の外側表面の周囲エリアより低くてもよい。換言すれば、キュベット1の外側表面は、キュベット1のベース部分11のエリアにおいてよりもサンプル分析キャビティ4のエリアにおいて低くてもよい。それにより、サンプル分析キャビティ4のエリア内の外側表面は、キュベットが取り扱われるまたは汚染されたおよび/または粗い表面に配置されるときに、汚染される、例えば、スクラッチされることから保護され得る。
【0067】
サンプリングキャビティ2、サンプル分析キャビティ4、および排出キャビティ3は、キュベット1の主本体部材10内に配置され、例えば、その中に形成され得る。キュベット1は、主本体部材10内にサンプリングキャビティ2、サンプル分析キャビティ4、および排出キャビティ3を画定する内側壁を有する、一体部分などの単一主本体部材10からなることができる。キュベット1の主本体部材10は、身体流体サンプルの分析中に使用される波長の放射についての低吸光度を有する材料でできていてもよい。主本体部材10は、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、またはポリカーボネート(PC)などのプラスチックでできていてもよい。
【0068】
排出キャビティ3は、サンプリングキャビティ2およびサンプル分析キャビティ4と流体接続状態にあり、それにより、身体流体は、排出キャビティ3を介してサンプリングキャビティ2からサンプル分析キャビティ4まで流れることができる。排出キャビティ3は、第1の界面23を介してサンプリングキャビティ2と流体接続され得る。第1の界面23は、キュベット1の縦軸に沿って配置され得る。排出キャビティ3は、第2の界面34を介してサンプル分析キャビティ4と流体接続され得る。第2の界面34は、キュベット1の横軸に沿って配置され得る。サンプリングキャビティ2およびサンプル分析キャビティ4は、互いに直接流体連通状態にない。したがって、身体流体サンプルがサンプリングキャビティ2からサンプル分析キャビティ4まで移動するために、身体流体サンプルは、第1の界面23および第2の界面34を介してなどで、排出キャビティ3を通って流れなければならない。
【0069】
サンプル分析キャビティ4は、第1の毛管力を提供するように構成され、第1の毛管力は、排出キャビティ3によって提供される第2の毛管力よりも大きい。これは、サンプル分析キャビティ4の高さが排出キャビティ3の高さよりも小さいことによって達成され得る。第2の界面34は、身体流体サンプルが、第2の界面34を通って排出キャビティからサンプル分析キャビティまで流れることを可能にし、サンプル分析キャビティ4から排出キャビティ3までの身体流体サンプルの流れを防止するように構成され得る。これは、身体流体サンプルの全体積がサンプル分析キャビティ4に入りサンプル分析キャビティ4内に留まることを確実にする。
【0070】
第1の界面23および第2の界面34は、互いに対して或る角度aで配置され得る。第1の界面23および第2の界面34は、例えば、互いに実質的に垂直に配置され得る。
【0071】
サンプリングキャビティ2は、第3の毛管力を提供するように構成され、第3の毛管力は、第2の毛管力よりも大きい。第2の毛管力よりも大きい第3の毛管力は、サンプリングキャビティ2から排出キャビティ3までの身体流体サンプルの自動的輸送を防止する。これは、サンプリングキャビティ2の高さが排出キャビティ3の高さよりも小さいことによって達成され得る。第3の毛管力は、第1の毛管力と同じかまたは異なっていてもよい。第1の界面23は、第3の毛管力に打ち勝つ遠心力がキュベット1に加えられると、身体流体サンプルが、第1の界面23を通して流れることを可能にするように構成され得る。そのため、キュベット1は、遠心力がキュベット1に加えられると、排出キャビティ3を介してサンプリングキャビティ2からサンプル分析キャビティ4まで身体流体サンプルを移送するように構成され得る。
【0072】
サンプリングキャビティ2を介してキュベット1に導入される身体流体サンプルは、身体流体サンプルがサンプル分析キャビティ4に入ると、遠心力、例えば第2の遠心力をさらに加えることによって、サンプル分析キャビティ4内で分離され得る。
【0073】
排出キャビティ3は、キュベット1の外部に対する出口31を有する。排出キャビティ3の出口31は、キュベット1の第1の縦端部などの第1の端部6に配置され得る。出口31は、キュベット1の第1の端部6の第1の外側壁を通る開口とすることができ、上記開口は、排出キャビティ3の全幅にわたって延在する。それにより、排出キャビティ3の全側面は、キュベット1の外部に対して開放することができる。出口31は、サンプル分析キャビティ4が身体流体サンプルで充填されると、排出キャビティ3を介してサンプル分析キャビティ4からキュベット1の外部まで空気が排出されることを可能にするように構成される。排出キャビティ3の全幅をカバーする出口31は、キュベット1の製造後に、整形ツールが、主本体部材10から取り外されることも可能にする。
【0074】
サンプリングキャビティ2は、キュベット1の第1の端部6の第1の外側壁を通る開口21を有する。開口21は、サンプリングキャビティ2の全幅にわたって延在する。サンプリングキャビティ2の開口21は、サンプリングキャビティ2が、身体流体サンプルを吸い上げる、例えば、身体流体サンプルで充填されると、サンプリングキャビティから空気が漏出することを可能にすることができる。開口21は、キュベット1の製造中に使用される整形ツールの取り外しをさらに可能にすることができる。サンプリングキャビティ2の開口21は、出口31と同じキュベット1の端部に配置され得る。主本体部材10は、先端12を備えることができる。先端12は第1の端部6に配置され得る。第1の端部6の側壁は、先端12を形成する屈曲部を備えることができる。サンプリングキャビティ2は、主本体部材10の先端12に配置され得、それにより、サンプリングキャビティ2の入口22は、キュベット1の先端12に配置される。キュベット1の先端12に入口22を配置することによって、身体流体サンプルによるサンプリングキャビティの充填が促進され得る。なぜなら、先端12が、吸い上げられる身体流体サンプルにおける入口22の精密な位置決めを可能にするからである。先端12が身体流体サンプルに浸されると、サンプリングキャビティ2の毛管力は、身体流体を、入口22を介してサンプリングキャビティ2に引き込ませることになる。入口22は、キュベット1の先端12に配置された開口21のセクションとすることができる。サンプリングキャビティ2の内側表面24などのサンプリングキャビティ2は、サンプル分析キャビティ4に向かって傾斜するように構成され得る。傾斜した内側表面24を有するサンプリングキャビティ2を設けることによって、サンプリングキャビティ2からサンプル分析キャビティ4までの身体流体サンプルの輸送が改善され得る。内側表面24などのサンプリングキャビティ2は、開口21に向かって外方に傾斜するように構成され得る。それにより、キュベット1の整形後の整形ツールの取り外しが促進され得る。
【0075】
サンプル分析キャビティ4は、キュベット1の第1の端部6からキュベット1の対向する第2の端部7までの/への第1の方向に延在する実質的に均一な細長い形状を有することができる。キュベットの第1の端部6および第2の端部7は、キュベット1の対向する縦端部に配置され得る。第1の方向は、キュベット1を受け取るように構成される分析装置を使用してキュベット1が分析されるときに、キュベットに加えられる遠心力の方向など、キュベットに加えられる遠心力の意図される方向に平行とすることができる。
【0076】
1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプル分析キャビティ4は、キュベット1の縦方向にサンプリングキャビティ2からオフセットすることができる。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプル分析キャビティ4は、キュベット1の横方向にサンプリングキャビティ2からオフセットすることができる。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、サンプル分析キャビティ4は、キュベット1の縦方向におよびキュベット1の横方向にサンプリングキャビティ2からオフセットすることができる。
図3は、
図4~7の断面図のために使用される、第1の切断面A-A、第2の切断面B-B、第3の切断面C-C、第4の切断面D-Dの位置を示す。切断面A-Aは、サンプリングキャビティ2を通ってキュベットの縦方向に延在する。切断面A-Aの断面図は、
図4Aおよび4Bを参照してさらに説明される。切断面B-Bは、排出キャビティ3およびサンプル分析キャビティ4を通ってキュベットの縦方向に延在する。切断面B-Bの断面図は、
図5Aおよび5Bを参照してさらに説明される。切断面C-Cは、排出キャビティ3およびサンプリングキャビティ2を通ってキュベット1の横方向に延在する。切断面C-Cの断面図は、
図6を参照してさらに説明される。切断面D-Dは、サンプル分析キャビティ4を通ってキュベット1の横方向に延在する。切断面D-Dの断面図は、
図7を参照してさらに説明される。
【0077】
図4Aは、切断図を示し、
図4Bは、切断面A-Aを通るキュベット1の断面図を示す。
図4Aの切断図に見ることができるように、サンプリングキャビティ2は、主本体11内でキュベット1の第1の端部6に配置される。サンプリングキャビティ2は、キュベット1の外側壁を通る開口21を第1の端部6に有する。
【0078】
図4Bの断面図は、キュベット1の先端12に向くキュベットの断面を示す。見ることができるように、サンプリングキャビティ2の開口21は、サンプリングキャビティ2の全幅にわたって、先端12に配置される入口22まで延在する。
【0079】
図5Aは、切断図を示し、
図5Bは、切断面B-Bを通るキュベット1の断面図を示す。排出キャビティ3は、キュベット1の第1の端部6に配置され、第1の端部6とサンプル分析キャビティ4との間に延在する。サンプル分析キャビティ4は、排出キャビティ3からキュベット1の第2の端部7に向かって縦方向に延在する。
図5Aの切断図に見ることができるように、サンプル分析キャビティ4は、排出キャビティ3よりも狭い、例えば、排出キャビティ3よりも低い高さを有する。サンプル分析キャビティ4が排出キャビティ3よりも低い高さを有するため、第1の毛管力は第2の毛管力よりも大きい。それにより、排出キャビティ3から、第2の界面34を通りサンプル分析キャビティ4までの身体流体サンプルの輸送は、増大され得る。なぜなら、第1の毛管力が身体流体サンプルをサンプル分析キャビティ4に吸引するからである。第1の毛管力が第2の毛管力よりも大きいことは、流体が、サンプル分析キャビティ4から排出キャビティ3に戻るように流れることをさらに防止する。
【0080】
図5Bの断面図は、キュベット1の先端12に向いて見られるキュベットの断面を示す。見ることができるように、サンプリングキャビティ2の開口21および排出キャビティ3の出口31は、第1の端部6におけるキュベットの第1の外側壁が、サンプリングキャビティ2および排出キャビティ3の全長にわたって開放するように接続される。これは、全てのキャビティ用の共通整形コアを有する整形ツールが、開口21および出口31を通して取り外されることを可能にする。第1の界面23は、キュベットの縦方向に配置され、サンプリングキャビティ2を排出キャビティ3から分離する。
【0081】
図6は、切断面C-Cを通るキュベット1の断面図を示す。上記で論じたように、サンプリングキャビティ3の高さは、排出キャビティ3の高さよりも低い。サンプリングキャビティ2が排出キャビティよりも低い高さを有するため、サンプリングキャビティ2内の第3の毛管力は、第2の毛管力よりも大きい。それにより、サンプリングキャビティ内の身体流体サンプルは、サンプリングキャビティ2から排出キャビティ3まで自動的に流れることを防止され得る。サンプリングキャビティ2および排出キャビティ3は、第1の界面23によって接続され得る。第1の界面23は、サンプリングキャビティ2と排出キャビティ3の両方よりも、Z方向の伸長部などの低い高さを有することができる。そのため、第1の界面は、第4の毛管力を有することができる。第4の毛管力は、第2の毛管力および第3の毛管力より大きくてもよい。そのため、第1の界面23は、サンプリングキャビティ2から排出キャビティ3までの毛管輸送が存在しないことをさらに確実にするために、非常に狭い厚さを有するサンプリングキャビティ2に隣接するエリアとすることができる。そのため、第1の界面23は、身体流体サンプルがサンプリングキャビティ2から排出キャビティ3まで流れるのを防止するロックとして作用することができる。身体流体サンプルを排出キャビティ3まで輸送するために、遠心力がキュベット1に加えられ得る。キュベット1に加えられる遠心力が第3の毛管力に打ち勝つと、身体流体サンプルは、第1の界面23を介してサンプリングキャビティ2を去ることができ、そして、排出キャビティ3に入ることができ、そこから、身体流体サンプルはサンプル分析キャビティ4に入ることができる。
【0082】
図7は、切断面D-Dを通るキュベット1の断面図を示す。
図7に見ることができるように、その断面図を
図6の断面
図C-Cと比較すると、サンプル分析キャビティ4の高さおよび幅などのサンプル分析キャビティ4の断面積は、排出キャビティ3の断面積よりも小さく、それにより、サンプリングキャビティ2に、排出キャビティ3よりも大きい毛管力をもたせる。換言すれば、排出キャビティ3は、Y軸およびZ軸に及ぶ平面内でなど、キュベット1の主平面に垂直な平面内で、サンプリングキャビティ2および/またはサンプル分析キャビティ4よりも大きい断面積を有する。さらに、排出キャビティ3の高さおよび幅と比較してサンプル分析キャビティ4のより低い高さおよびより狭い幅は、サンプル分析キャビティ4を成形する部分などの、製造中にキュベット1の主本体部材11内の最も遠いところにある整形ツールの部分が、より幅広の排出キャビティ3を介してなどで、キュベット1のより幅広の外側セクションを介して取り外されることを可能にする。
【0083】
図8は、本開示の1つまたは複数の例によるキュベット1を示す。キュベット1は、身体流体サンプルのヘマトクリットレベルを示すための指示子13を備えることができる。指示子13は、サンプル分析キャビティ4の外周に沿って配置され得る。キュベット1は、血液サンプルの血漿分離などの身体流体サンプルの分離を実施するために構成され得るため、ヘマトクリットレベル指示子は、キュベット1に付加され得る。1つまたは複数の例のキュベットにおいて、キュベットは、サンプル分析キャビティ4内で身体流体サンプルの分離を実施するように構成される。換言すれば、血液サンプルは、サンプル分析キャビティ4内で分離され分析され得る。サンプリングキャビティ2は、精密な身体流体体積を抽出するように構成され、キュベット1は、サンプリングキャビティ2からサンプル分析キャビティ4まで全サンプルを輸送するように構成される。それにより、身体流体の既知の体積が、サンプル分析キャビティ4に提供され得る。したがって、指示子13は、ヘマトクリットレベルの視覚的指示を提供するために、キュベット1の主本体部材10上に付加された測定線を備えることができる。指示子は、キュベットにおけるレーザー溶接によって、または、キュベットの成形プロシージャ中に付加され得る。
【0084】
図9は、本開示の1つまたは複数の例によるキュベット1を示す。
図9による例のキュベット1は、サンプリングキャビティ2、サンプル分析キャビティ4、および排出キャビティ3を備える。排出キャビティ3は、サンプリングキャビティ2およびサンプル分析キャビティ4と流体接続状態にあり、それにより、身体流体は、排出キャビティ3を介してサンプリングキャビティ2からサンプル分析キャビティ4まで流れることができる。排出キャビティ3は、第1の界面23を介してサンプリングキャビティ2と流体接続され得る。第1の界面23は、キュベット1の縦軸に沿って配置され得る。排出キャビティ3は、第2の界面34を介してサンプル分析キャビティ4と流体接続され得る。第2の界面34は、キュベット1の横軸に沿って配置され得る。サンプリングキャビティ2およびサンプル分析キャビティ4は、互いに直接流体連通状態にない。サンプル分析キャビティ4は、第1の毛管力を提供するように構成され、第1の毛管力は、排出キャビティ3によって提供される第2の毛管力よりも大きい。これは、サンプル分析キャビティ4の、ギャップ深さなどの高さが排出キャビティ3の、ギャップ深さなどの高さよりも低いことによって達成され得る。
図9の例のキュベット1において、第2の界面34における排出キャビティ3の幅は、サンプル分析キャビティ4の幅に等しいため、排出キャビティ3の第1の界面23に対向する内側遠位側壁32は、サンプル分析キャビティ4の内側遠位側壁42と同一平面上にある。遠位は、サンプリングキャビティ2から最も外方にあるとして本明細書で見られ得る。排出キャビティ3の内側遠位側壁32をサンプル分析キャビティ4の内側遠位側壁42と同一平面上になるように配置することによって、排出キャビティ3とサンプル分析キャビティ4との間の移行部において、ヌックまたは角部がなくされ得る。これは、排出キャビティ3とサンプル分析キャビティ4との間でよりよい流体流を提供し、身体流体が、排出キャビティ3内に捕捉され、サンプル分析キャビティ4に達しないリスクを低減する。それにより、サンプリングキャビティを介してキュベット1に導入される身体流体サンプルのより大きな部分が、サンプル分析キャビティ内での身体流体の分析のために使用され得、それが、分析の結果を改善し得る。
図2~8に開示する例のキュベットの場合と同様に、排出キャビティ3の高さは、サンプル分析キャビティ4の高さよりも高く、それにより、サンプル分析キャビティ4の毛管力は、排出キャビティ3の毛管力よりも大きい。
図9の例のキュベット1は、キュベット1を分析装置に取り付けるための取り付け要素5をさらに備える。
【0085】
図10は、身体流体サンプルなどの身体流体のサンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定する方法100が開示される。方法は、本明細書で開示されるキュベットのサンプリングキャビティに身体流体のサンプルを導入するS102ことを含む。方法は、キュベットに、第1の遠心力などの遠心力を加えるS104ことであって、それにより、排出キャビティを介してサンプリングキャビティからサンプル分析キャビティまでの身体流体の移送を促進する、加えるS104ことを含む。1つまたは複数の例の方法において、方法は、身体流体サンプルがサンプル分析キャビティに入ると、第2の遠心力を加えるS105ことであって、それにより、サンプル分析キャビティに含まれる身体流体サンプルを分離する、加えるS105ことを含む。そのため、身体流体サンプルは、サンプル分析キャビティ内で分離され得る。方法は、身体流体サンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定するS106ことを含む。身体流体サンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定することは、身体流体サンプルがサンプル分析キャビティ内にあるときに行われ得る。
【0086】
図1~10で説明する実施形態において述べる特徴が、これらの特定の実施形態に限定されないことが留意されるものとする。そのため、キュベット、ならびに、キュベットに含まれ、キュベットおよび/またはキャビティの寸法などの
図2~7に関連して述べるコンポーネントの任意の特徴は、
図1および8に関連して説明されるキュベットに同様に適用可能であり、また、その逆も同様である。
【0087】
本開示による製品(キュベット、製造方法、整形ツール、および身体流体のサンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定するための方法)の実施形態は、以下の条項に述べられる:
【0088】
条項1.身体流体分析のためのキュベットであって、
流体入口を備えるサンプリングキャビティと、
サンプル分析キャビティと、
上記サンプリングキャビティおよび上記サンプル分析キャビティと流体接続状態にある排出キャビティとを備え、上記排出キャビティは上記キュベットの外部に対する出口を有し、
上記キュベットは、遠心力が上記キュベットに加えられると、上記排出キャビティを介して上記サンプリングキャビティから上記サンプル分析キャビティまで身体流体を移送するように構成され、
上記サンプル分析キャビティは、第1の毛管力を提供するように構成され、
上記第1の毛管力は、上記排出キャビティによって提供される第2の毛管力よりも大きい、キュベット。
【0089】
条項2.条項1に記載のキュベットにおいて、上記キュベットは、遠心力が上記キュベットに加えられると、上記排出キャビティを介して上記サンプル分析キャビティから上記キュベットの外部に空気を移送するように構成される、キュベット。
【0090】
条項3.条項1または2に記載のキュベットにおいて、上記キュベットは、身体流体が上記サンプリングキャビティに導入されると、上記排出キャビティを介して上記サンプリングキャビティから上記キュベットの外部に空気を移送するように構成される、キュベット。
【0091】
条項4.条項1~3のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、上記キュベットは、上記遠心力が取り除かれた後に、上記身体流体が上記サンプル分析キャビティを去ることを防止するように構成される、キュベット。
【0092】
条項5.条項1~4のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、上記サンプリングキャビティおよび上記サンプル分析キャビティは、同じ体積を有する、キュベット。
【0093】
条項6.条項1~5のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、上記サンプリングキャビティは、第3の毛管力を提供するように構成され、上記第3の毛管力は、上記排出キャビティによって提供される第2の毛管力よりも大きい、キュベット。
【0094】
条項7.条項1~6のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、上記サンプル分析キャビティは、上記キュベットの第1の端部から、対向する第2の端部への第1の方向に延在する実質的に同一の細長い形状を有する、キュベット。
【0095】
条項8.条項7に記載のキュベットにおいて、上記キュベットの外部に対する上記排出キャビティの出口は、上記キュベットの上記第1の端部に配置される、キュベット。
【0096】
条項9.条項1~8のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、上記キュベットは、上記排出キャビティを上記サンプリングキャビティに流体接続する第1の界面を有し、上記第1の界面は、上記第3の毛管力に打ち勝つ遠心力が上記キュベットに加えられると、上記身体流体サンプルが上記第1の界面を通して流れることを可能にするように構成される、キュベット。
【0097】
条項10.条項9に記載のキュベットにおいて、上記キュベットは、上記排出キャビティを上記サンプル分析キャビティに流体接続する第2の界面を有し、上記第2の界面は、上記身体流体サンプルが上記第2の界面を通して流れることを可能にするように構成される、キュベット。
【0098】
条項11.条項9または10に記載のキュベットにおいて、上記排出キャビティは、上記キュベットの主平面に垂直な平面内で、上記サンプリングキャビティおよび/または上記サンプル分析キャビティよりも大きい断面積を有する、キュベット。
【0099】
条項12.条項11に記載のキュベットにおいて、上記排出キャビティの上記断面は、上記キュベットの主平面に垂直な平面内で、上記サンプリングキャビティおよび/または上記サンプル分析キャビティの断面よりも広い幅および/または高い高さを有する、キュベット。
【0100】
条項13.条項9~12のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、上記第1の界面および上記第2の界面は、互いに対して或る角度で配置される、キュベット。
【0101】
条項14.条項1~13のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、上記キュベットは、本体内で上記サンプリングキャビティ、上記サンプル分析キャビティ、および上記排出キャビティを画定する内側壁を有する、単一本体部材からなる、キュベット。
【0102】
条項15.条項14に記載のキュベットにおいて、上記本体部材は先端を備え、上記サンプリングキャビティは、上記本体部材の上記先端に配置される、キュベット。
【0103】
条項16.条項1~15のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、上記サンプリングキャビティは、上記サンプル分析キャビティに向かって傾斜するように構成される、キュベット。
【0104】
条項17.条項1~16のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、上記サンプル分析キャビティは、試薬がない、キュベット。
【0105】
条項18.条項1~17のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、上記キュベットは、上記身体流体サンプルのヘマトクリットレベルを示すための指示子を含む、キュベット。
【0106】
条項19.条項18に記載のキュベットにおいて、上記指示子は、上記サンプル分析キャビティの外周に沿って配置される、キュベット。
【0107】
条項20.条項1~19のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、上記排出キャビティは、上記キュベットの外側壁を通る開口を有し、上記開口は、上記排出キャビティの全幅にわたって延在する、キュベット。
【0108】
条項21.条項1~20のいずれか一項に記載のキュベットにおいて、上記サンプリングキャビティは、上記キュベットの上記外側壁を通る開口を有し、上記開口は、上記サンプリングキャビティの全幅にわたって延在する、キュベット。
【0109】
条項22.身体流体サンプルを吸い上げ、上記身体流体サンプルを分析するためのキュベットを製造する方法であって、
上記キュベットを形成する、キュベットベース材料を設けるステップと、
上記キュベットベース材料から、少なくとも1つの整形ツールを使用してキュベットを整形するステップであって、上記整形ツールは、上記キュベットを形成するために上記キュベットベース材料内に延在して配置され、上記キュベットは、
流体入口を備えるサンプリングキャビティと、
サンプル分析キャビティと、
上記サンプリングキャビティおよび上記サンプル分析キャビティと流体接続状態にある排出キャビティとを有する、整形するステップと、
上記キュベットの外側壁を通して上記整形ツールを引き抜くステップと
を含む、方法。
【0110】
条項23.条項22に記載の方法において、上記方法は、上記キュベット上に身体流体サンプルのヘマトクリットレベルを示すための指示子を貼り付けるステップを含む、方法。
【0111】
条項24.条項23に記載の方法において、上記指示子を上記貼り付けるステップは、レーザー溶接によって実施される、方法。
【0112】
条項25.条項22~24のいずれか一項に記載の方法において、上記キュベットを上記整形するステップは、射出成形によって実施される、方法。
【0113】
条項26.キュベットを形成するための整形ツールであって、キュベットベース材料に挿入して、上記ベース材料内にキャビティを形成するために構成され、上記キャビティが形成されると、上記キュベットベース材料から引き抜かれるようにさらに構成され、
上記キュベットのサンプリングキャビティの反転形状を有するサンプリングキャビティ部分と、
上記キュベットのサンプル分析キャビティの反転形状を有するサンプル分析キャビティ部分と、
上記キュベットの排出キャビティの反転形状を有する排出キャビティ部分と
を備え、
上記排出キャビティ部分は、上記サンプリングキャビティ部分および上記サンプル分析キャビティ部分に接続される、整形ツール。
【0114】
条項27.条項26に記載の整形ツールにおいて、上記サンプリングキャビティ部分、上記サンプル分析キャビティ部分、および上記排出キャビティ部分は、共通整形コア上に配置される、整形ツール。
【0115】
条項28.条項26または27に記載の整形ツールにおいて、上記排出キャビティ部分の厚さは、上記サンプリングキャビティ部分および/または上記サンプル分析キャビティ部分の厚さよりも厚い、整形ツール。
【0116】
条項29.身体流体のサンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定する方法であって、
- 条項1~21のいずれか一項に記載のキュベットの上記サンプリングキャビティに身体流体のサンプルを導入する(S102)ステップと、
- 上記キュベットに遠心力を加える(S104)ステップであって、それにより、上記排出キャビティを介して上記サンプリングキャビティから上記サンプル分析キャビティまでの上記身体流体の移送を促進する、加える(S104)ステップと、
― 上記サンプルの1つまたは複数の生物学的パラメータを決定する(S106)ステップと
を含む、方法。
【0117】
用語「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」、および「第4の(fourth)」、「1次の(primary)」、「2次の(secondary)」、「3次の(tertiary)」などの使用は、任意の特定の順序を示唆するのではなく、個々の要素を識別するために含まれる。さらに、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、および「第4の」、「1次の」、「2次の」、「3次の」などの使用は、任意の順序または重要性を示すのではなく、むしろ、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、および「第4の」、「1次の」、「2次の」、「3次の」などは、1つの要素を別の要素から区別するために使用される。語「第1の」、「第2の」、「第3の」、および「第4の」、「1次の」、「2次の」、「3次の」などが、単にラベル付けのために本明細書でおよび他の所で使用され、任意の特定の空間的または時間的順序付けを示すことを意図されないことに留意されたい。さらに、第1の要素のラベル付けは第2の要素の存在を示唆せず、また、その逆も同様である。
【0118】
語「備える(comprising)」が、挙げたもの以外の要素またはステップの存在を必ずしも排除しないことが留意される。
【0119】
要素に先行する語「1つの(a)」または「1つの(an)」が、複数のそのような要素の存在を排除しないことが留意される。
【0120】
特徴が示され説明されたが、特徴が、特許請求される開示を制限することを意図されないことが理解されることになり、種々の変更および修正が、特許請求される開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることが当業者に明らかにされることになる。したがって、本明細書および図面は、制限的な意味ではなく例証的な意味で考えられる。特許請求される開示は、全ての代替物、修正物、および均等物をカバーすることを意図される。
【国際調査報告】