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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-11
(54)【発明の名称】イヤホンの充電ボックス
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
H04R1/10 104Z
H04R1/10 104A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539065
(86)(22)【出願日】2023-03-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 CN2023083731
(87)【国際公開番号】W WO2024113552
(87)【国際公開日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】202211539251.8
(32)【優先日】2022-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521104171
【氏名又は名称】シェンチェン ショックス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ジーチン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン チェンシー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ゼテン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ハオフェン
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BA02
5D005BE01
(57)【要約】
本願は、主にイヤホンの充電ボックスに関し、イヤホンは、コアモジュールと、コアモジュールに接続されたフック状構造と、を含む。充電ボックスは、下部ハウジングアセンブリを含む。下部ハウジングアセンブリには、イヤホンを収容する倣い溝が設置され、倣い溝は、コアモジュールに対応する第1の倣い溝領域と、フック状構造に対応する第2の倣い溝領域と、を含む。第1の倣い溝領域と第2の倣い溝領域との第1の基準方向への投影は、重なり、第1の倣い溝領域と第2の倣い溝領域との第1の基準方向に垂直な第2の基準方向への投影は、重なる。上記方式により、本願の充電ボックスは、小さい体積を有することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヤホンの充電ボックスであって、
前記イヤホンは、コアモジュールと、前記コアモジュールに接続されたフック状構造と、を含み、
前記充電ボックスは、下部ハウジングアセンブリを含み、前記下部ハウジングアセンブリには、前記イヤホンを収容する倣い溝が設置され、前記倣い溝は、前記コアモジュールに対応する第1の倣い溝領域と、前記フック状構造に対応する第2の倣い溝領域と、を含み、前記第1の倣い溝領域と前記第2の倣い溝領域との第1の基準方向への投影は、重なり、前記第1の倣い溝領域と前記第2の倣い溝領域との第1の基準方向に垂直な第2の基準方向への投影は、重なる、ことを特徴とする、イヤホンの充電ボックス。
【請求項2】
前記第2の倣い溝領域の第1の部分と前記第1の倣い溝領域との第1の基準方向への投影は、重なり、前記第2の倣い溝領域の第2の部分と前記第1の倣い溝領域との第2の基準方向への投影は、重なる、ことを特徴とする、請求項1に記載の充電ボックス。
【請求項3】
前記第1の基準方向において、前記第2の倣い溝領域の第1の部分は、前記第1の倣い溝領域の、前記第1の倣い溝領域に隣接する前記下部ハウジングアセンブリの縁部から離れた側に位置する、ことを特徴とする、請求項2に記載の充電ボックス。
【請求項4】
前記第2の基準方向において、前記第2の倣い溝領域の第2の部分は、前記第1の倣い溝領域の、前記第1の倣い溝領域に隣接する前記下部ハウジングアセンブリの縁部から離れた側に位置する、ことを特徴とする、請求項2に記載の充電ボックス。
【請求項5】
前記下部ハウジングアセンブリは、2つの前記倣い溝を含み、2つの前記倣い溝は、ユーザの左耳と右耳に装着される2つのイヤホンをそれぞれ収容し、2つの前記イヤホンの前記コアモジュールは、第2の基準方向に沿って間隔をあけて設置される、ことを特徴とする、請求項1に記載の充電ボックス。
【請求項6】
前記下部ハウジングアセンブリは、2つの前記倣い溝を含み、2つの前記倣い溝の前記第2の倣い溝領域は、互いに交差して設置され、それにより2つの前記倣い溝が前記イヤホンをそれぞれ収容するとき、2つの前記イヤホンの前記フック状構造が互いに重なる、ことを特徴とする、請求項1に記載の充電ボックス。
【請求項7】
前記フック状構造は、電池ハウジングと、前記電池ハウジング及び前記コアモジュールを接続する弾性部と、を含み、2つの前記第2の倣い溝領域は、2つの前記イヤホンを収容するとき、前記イヤホンの前記弾性部が互いに重なるように設置される、ことを特徴とする、請求項6に記載の充電ボックス。
【請求項8】
前記弾性部は、弧状に設置され、2つの前記イヤホンの前記弾性部が互いに重なるとき、2つの重なり点を形成する、ことを特徴とする、請求項7に記載の充電ボックス。
【請求項9】
2つの前記倣い溝は、2つの前記重なり点を結ぶ線を対称軸として鏡像対称であり、2つの前記重なり点を結ぶ線の方向は、前記第1の基準方向又は前記第2の基準方向と平行である、ことを特徴とする、請求項8に記載の充電ボックス。
【請求項10】
2つの前記第2の倣い溝領域は、前記フック状構造に囲まれ、かつ2つの前記重なり点の間に位置する領域は、互いに一体に統合される、ことを特徴とする、請求項8に記載の充電ボックス。
【請求項11】
2つの前記第2の倣い溝領域は、前記フック状構造に囲まれ、かつ2つの重なり点の間に位置する領域には、アイランドが形成される、ことを特徴とする、請求項8に記載の充電ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子機器の技術分野に関し、具体的にイヤホンの充電ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器が普及し続けるにつれて、電子機器は、人々の日常生活に不可欠なソーシャル、娯楽ツールになっており、電子機器に対する人々の要求もますます高くなっている。イヤホンのような電子機器は、人々の日常生活に広く適用され、携帯電話、コンピュータなどの端末機器と協働して使用することにより、ユーザは、聴覚の饗宴を楽しむことができる。イヤホンの動作原理により、一般的に、空気伝導イヤホンと骨伝導イヤホンに分けられ、ユーザがイヤホンを装着する方式によって、一般的に、ヘッドホン、耳掛け型イヤホン及びカナル型イヤホンに分けられ、イヤホンと電子機器との間のインタラクション方式によって、一般的に、有線イヤホンと無線イヤホンに分けられる。さらに、イヤホンは、充電や収容しやすくなるように、電気量が不足し、使用しないなどのシーンで対応する充電ボックス内に収容されてもよい。関連技術において、イヤホンの充電ボックスは、体積が大きく、携帯しにくいという技術課題がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本願は、イヤホンの充電ボックスを提供し、イヤホンは、コアモジュールと、コアモジュールに接続されたフック状構造と、を含む。充電ボックスは、下部ハウジングアセンブリを含む。下部ハウジングアセンブリには、イヤホンを収容する倣い溝が設置され、倣い溝は、コアモジュールに対応する第1の倣い溝領域と、フック状構造に対応する第2の倣い溝領域と、を含む。第1の倣い溝領域と第2の倣い溝領域との第1の基準方向への投影は、重なり、第1の倣い溝領域と第2の倣い溝領域との第1の基準方向に垂直な第2の基準方向への投影は、重なる。上記方式により、本願の充電ボックスは、小さい体積を有することができる。
【0004】
いくつかの実施形態において、第2の倣い溝領域の第1の部分と第1の倣い溝領域との第1の基準方向への投影は、重なり、第2の倣い溝領域の第2の部分と第1の倣い溝領域との第2の基準方向への投影は、重なる。
【0005】
いくつかの実施形態において、第1の基準方向において、第2の倣い溝領域の第1の部分は、第1の倣い溝領域の、第1の倣い溝領域に隣接する下部ハウジングアセンブリの縁部から離れた側に位置する。
【0006】
いくつかの実施形態において、第2の基準方向において、第2の倣い溝領域の第2の部分は、第1の倣い溝領域の、第1の倣い溝領域に隣接する下部ハウジングアセンブリの縁部から離れた側に位置する。
【0007】
いくつかの実施形態において、下部ハウジングアセンブリは、2つの倣い溝を含み、2つの倣い溝は、ユーザの左耳と右耳に装着される2つのイヤホンをそれぞれ収容し、2つのイヤホンのコアモジュールは、第2の基準方向に沿って間隔をあけて設置される。
【0008】
いくつかの実施形態において、下部ハウジングアセンブリは、2つの倣い溝を含み、2つの倣い溝の第2の倣い溝領域は、互いに交差して設置され、それにより2つの倣い溝がイヤホンをそれぞれ収容するとき、2つのイヤホンのフック状構造が互いに重なる。
【0009】
いくつかの実施形態において、フック状構造は、電池ハウジングと、電池ハウジング及びコアモジュールを接続する弾性部と、を含み、2つの第2の倣い溝領域は、2つのイヤホンを収容するとき、イヤホンの前記弾性部が互いに重なるように設置される。
【0010】
いくつかの実施形態において、弾性部は、弧状に設置され、2つのイヤホンの弾性部が互いに重なるとき、2つの重なり点を形成する。
【0011】
いくつかの実施形態において、2つの倣い溝は、2つの重なり点を結ぶ線を対称軸として鏡像対称であり、2つの重なり点を結ぶ線の方向は、第1の基準方向又は第2の基準方向と平行である。
【0012】
いくつかの実施形態において、2つの第2の倣い溝領域は、フック状構造に囲まれ、かつ2つの重なり点の間に位置する領域は、互いに一体に統合される。
【0013】
いくつかの実施形態において、2つの第2の倣い溝領域は、フック状構造に囲まれ、かつ2つの重なり点の間に位置する領域には、アイランドが形成される。
【0014】
本願の有益な効果は、以下のとおりである。第1の倣い溝領域と第2の倣い溝領域との第1の基準方向への投影が重なり、また、第1の倣い溝領域と第2の倣い溝領域との第2の基準方向への投影が重なるように設置されることにより、イヤホンを対応する倣い溝に入れるとき、第2の倣い溝領域が占有した充電ボックスの第1の基準方向への投影長さと第1の倣い溝領域が占有した充電ボックスの第1の基準方向への投影長さは、重なり、第2の倣い溝領域が占有した充電ボックスの第2の基準方向への投影長さと第1の倣い溝領域が占有した充電ボックスの第2の基準方向への投影長さは、重なることができ、それにより充電ボックスの体積を縮小し、ユーザが携帯しやすくなる。
【0015】
本願の実施例における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本願に記載のユーザの耳部の前側輪郭の概略図である。
図2】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
図3】本願に係るイヤホンの一実施例の装着状態における概略図である。
図4】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
図5】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
図6】本願に係るイヤホンの一実施例におけるコアモジュールが耳部の異なる位置に位置する場合に同一聴音位置で測定された周波数応答曲線の比較図である。
図7図2におけるイヤホンの一実施例のA1-A1切断方向に沿った断面図である。
図8図2におけるイヤホンの一実施例のA2-A2切断方向に沿った断面図である。
図9】本願に係るイヤホンの一実施例の概略構成図である。
図10】本願に係るコアハウジングの一実施例の概略構成図である。
図11】本願に係るコアハウジングの一実施例の概略構成図である。
図12】本願に係るブラケットの一実施例の概略構成図である。
図13図8におけるイヤホンの一実施例のB1領域における拡大図である。
図14図8におけるイヤホンの一実施例のB2領域における拡大図である。
図15】本願に係るフック状構造の一実施例の概略構成図である。
図16図15におけるフック状構造の一実施例のA3-A3切断方向に沿った断面図である。
図17図15におけるフック状構造の一実施例のA3-A3切断方向に垂直な他の切断方向に沿った断面図である。
図18図15におけるフック状構造の一実施例の分解図である。
図19】本願に係る充電ボックスの一実施例の概略構成図である。
図20図19における充電ボックスの一実施例内にイヤホンが収容された後の概略構成図である。
図21】本願に係る充電ボックスの一実施例の概略構成図である。
図22図21における充電ボックスの一実施例がカバーされた後のA4-A4切断方向に沿った断面図である。
図23図22における充電ボックスの一実施例の概略構成図である。
図24図19における充電ボックスの一実施例のA5-A5切断方向に沿った断面図である。
図25】本願に係る充電ボックスの上部ハウジングアセンブリにストッパ部が設置された概略構成図である。
図26図25における上部ハウジングアセンブリにストッパ部が設置される他の視角の概略構成図である。
図27】本願の充電ボックスの一実施例が開状態にある断面図である。
図28】本願の充電ボックスの位置制限機構の一実施例の分解図である。
図29図28における位置制限機構の実施例が分解されていない部分概略構成図である。
図30】本願の充電ボックスの位置制限機構の他の一実施例の分解図である。
図31図30における位置制限機構の実施例が分解されていない部分概略構成図である。
図32図31における位置制限構造のA6-A6切断方向に沿った断面図である。
図33】本願の充電ボックスの実施例が閉状態にある断面図である。
図34】本願の充電ボックスの実施例のホールセンサにおける磁界シミュレーション結果の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面及び実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例は、本願を説明するためのものに過ぎず、本願の範囲を限定するものではない。同様に、以下の実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではなく、当業者が創造的な労力をしない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に含まれる。
【0018】
本願における「実施例」への言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。当業者であれば、本願で説明される実施例が他の実施例と組み合わせることができることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0019】
図1に示すように、ユーザの耳部100は、外耳道101、耳甲介腔102、耳甲介舟103、三角窩104、対耳輪105、舟状窩106、耳輪107及び対珠108などの生理部位を含んでもよい。外耳道101は、一定の深さを有し、耳部の鼓膜まで延在するが、説明の便宜上、図1に示すように、本願では、特に説明しない限り、外耳道101は、具体的には、鼓膜から離れる入口(すなわち、耳孔)を指す。さらに、耳甲介腔102、耳甲介舟103、三角窩104などの生理部位は、一定の容積及び深さを有し、耳甲介腔102は、外耳道101と直接的に連通し、すなわち、前述の耳孔が耳甲介腔102の底部に位置すると簡単に見なすことができる。
【0020】
さらに、異なるユーザには、個人差が存在する可能性があるため、耳部には異なる形状、大きさなどの寸法差が存在する。説明を容易にし、異なるユーザの個人差を軽減する(ひいては、除去する)ために、ANSI:S3.36、S3.25、及びIEC:60318-7標準に基づいて、頭部及びその(左、右)耳部を含むGRAS 45BC KEMARのようなシミュレータを製造することができる。したがって、本願における「ユーザがイヤホンを装着する」、「イヤホンが装着状態にある」及び「装着状態において」という説明は、本願のイヤホンが前述のシミュレータの耳部に装着されることを指してもよい。もちろん、異なるユーザに個人差が存在するため、イヤホンが異なるユーザに装着される状況と、イヤホンが前述のシミュレータの耳部に装着される状況とは、一定の差異が存在する可能性があるが、このような差異は、許容されるべきである。
【0021】
なお、医学、解剖学などの分野において、人体の矢状面(Sagittal Plane)、冠状面(Coronal Plane)及び水平面(Horizontal Plane)の3つの基本的な切断面と、矢状軸(Sagittal Axis)、冠状軸(Coronal Axis)及び垂直軸(Vertical Axis)の3つの基本的な軸を定義することができる。矢状面は、身体の前後方向に沿って切った地面に垂直な切断面であり、人体を左右の2つの部分に分け、冠状面は、身体の左右方向に沿って切った地面に垂直な切断面であり、人体を前後の2つの部分に分け、水平面は、身体の上下方向に沿って切った地面に平行な切断面であり、人体を上下の2つの部分に分ける。それに応じて、矢状軸は、身体の前後方向に沿って冠状面に垂直な軸であり、冠状軸は、身体の左右方向に沿って矢状面に垂直な軸であり、垂直軸は、身体の上下方向に沿って水平面に垂直な軸である。さらに、本願における「耳部の前側」は、「耳部の後側」に対する概念であり、前者は、耳部の頭部から離れた側であり、後者は、耳部の頭部に向かう側であり、それらは、いずれもユーザの耳部に対するものである。人体の冠状軸が位置する方向から上記シミュレータの耳部を見て、図1に示す耳部の前側輪郭の概略図が得られる。
【0022】
例示的には、図2図5に示すように、イヤホン10は、コアモジュール11と、コアモジュール11に接続されたフック状構造12と、を含んでもよく、コアモジュール11は、装着状態において耳部の前側に位置し、フック状構造12の少なくとも一部は、装着状態において耳部の後側に位置し、これにより、イヤホン10は、装着状態において耳部に掛けられる。コアモジュール11は、フック状構造12に接続された接続端CEと、フック状構造12に接続されていない自由端FEと、を有してもよい。さらに、コアモジュール11は、装着状態において外耳道を塞がないように設置され、これにより、イヤホン10を「開放型イヤホン」とすることができる。異なるユーザには、個人差が存在するため、イヤホン10が異なるユーザに装着される場合、コアモジュール11は、外耳道を部分的に遮蔽する可能性があるが、外耳道が依然として塞がれない。
【0023】
イヤホン10の装着状態での安定性を向上させるために、イヤホン10は、以下の方式のいずれか又はそれらの組み合わせを用いることができる。その1は、フック状構造12の少なくとも一部は、耳部の後側及び頭部の少なくとも一方にフィットする倣い構造として設置されて、フック状構造12と耳部及び/又は頭部との接触面積を増加させることにより、イヤホン10が耳部から脱落する抵抗を増加させることである。その2は、フック状構造12の少なくとも一部は、装着状態において一定の変形量を有するように弾性構造として設置されて、フック状構造12の耳部及び/又は頭部に対する正圧力を増加させることにより、イヤホン10が耳部から脱落する抵抗を増加させることである。その3は、フック状構造12の少なくとも一部は、装着状態において、頭部に当接して、耳部を押圧する反力を発生させるように設置されて、コアモジュール11を耳部の前側に押圧することにより、イヤホン10が耳部から脱落する抵抗を増加させることである。その4は、コアモジュール11及びフック状構造12は、装着状態において耳部の前後両側から対耳輪領域、耳甲介腔領域などの生理部位を挟持するように設置され、それによりイヤホン10が耳部から脱落する抵抗を増加させることである。その5は、コアモジュール11又はそれに接続された補助構造は、少なくとも一部が耳甲介腔、耳甲介舟、三角窩及び舟状窩などの生理部位内に挿入されるように設置され、それによりイヤホン10が耳部から脱落する抵抗を増加させることである。
【0024】
例示的には、図3に示すように、装着状態において、コアモジュール11の自由端FEは、耳甲介腔内に挿入されてもよい。コアモジュール11及びフック状構造12は、耳甲介腔に対応する耳部領域の前後両側から共に前述の耳部領域を挟持するように設置され、それによりイヤホン10が耳部から脱落する抵抗を増加させ、さらにイヤホン10の装着状態での安定性を向上させることができる。例えば、自由端FEは、厚さ方向Xにおいて耳甲介腔内に押圧され、また例えば、自由端FEは、長手方向Y及び幅方向Zにおいて耳甲介腔内に当接している。
【0025】
なお、装着状態において、コアモジュール11の自由端FEは、耳甲介腔内に挿入される以外に、正投影が対耳輪に収まれてもよく、正投影が頭部の左右両側、かつ人体の矢状軸において耳部の前側に位置する位置に収まれてもよい。言い換えれば、フック状構造12は、コアモジュール11を耳甲介腔、対耳輪、耳部の前側などの装着位置に装着するように支持することができる。
【0026】
例示的には、図3及び図4に示すように、コアモジュール11は、装着状態において、厚さ方向Xに沿って耳部に向かう内側面ISと、耳部から離れた外側面OSと、内側面IS及び外側面OSを接続する接続面と、を有してもよい。厚さ方向Xは、装着状態においてコアモジュール11が耳部に対して近接するか又は離れる方向として定義されてもよい。さらに、前述の接続面の少なくとも一部は、装着状態において耳甲介腔内に位置し、上記耳部領域の前側と第1の接触領域を形成し、フック状構造12は、装着状態において上記耳部領域の後側と第2の接触領域を形成し、前述の第2の接触領域と前述の第1の接触領域は、上記耳部領域の耳厚方向において少なくとも部分的に重なる。このように、コアモジュール11及びフック状構造12は、耳部の前後両側から共に耳部を挟持することができるだけでなく、形成された挟持力は、主に圧縮応力として現れ、イヤホン10の装着状態での安定性と快適性の向上に有利である。
【0027】
なお、装着状態において、冠状軸が位置する方向から見て、コアモジュール11は、円形、楕円形、角丸正方形、角丸長方形などの形状に設置されてもよい。コアモジュール11が円形、楕円形などの形状に設置される場合、上記接続面は、コアモジュール11の弧状側面であってもよく、コアモジュール11が角丸正方形、角丸長方形などの形状に設置される場合、上記接続面は、後述する下側面LS、上側面US及び後側面RSを含んでもよい。さらに、コアモジュール11は、厚さ方向Xに垂直で互いに直交する長手方向Y及び幅方向Zを有してもよい。長手方向Yは、装着状態において、コアモジュール11がユーザの後頭部に対して近接するか又は離れる方向として定義されてもよく、幅方向Zは、装着状態において、コアモジュール11がユーザの頭頂に対して近接するか又は離れる方向として定義されてもよい。したがって、説明の便宜上、本実施例において、コアモジュール11が角丸長方形に設置されることを例として例示的に説明する。コアモジュール11の長手方向Yにおける長さは、コアモジュール11の幅方向Zにおける幅よりも大きくてもよい。
【0028】
例示的には、図2図3及び図5に示すように、装着状態において、人体の冠状軸が位置する方向から見て、自由端FEが耳甲介腔内に挿入されるように、接続端CEは、自由端FEよりも頭頂に近接する。これに基づいて、長手方向Yと人体の矢状軸が位置する方向との間の夾角は、15°~60°であってもよい。前述の夾角が小さすぎると、自由端FEが耳甲介腔内に挿入できないこと、及びコアモジュール11における放音孔111aが外耳道から離れすぎることを引き起こしやすく、前述の夾角が大きすぎると、同様に自由端FEが耳甲介腔内に挿入できず、外耳道がコアモジュール11によって塞がれてしまうことを引き起こしやすい。言い換えれば、このように、自由端FEが耳甲介腔内に挿入されることを許容するとともに、コアモジュール11における放音孔111aが外耳道と適切な距離を有するようにして、外耳道が塞がれていない場合に、ユーザは、コアモジュール11が発生した音波をより多く聞くことができる。
【0029】
例示的には、図4に示すように、フック状構造12の長手方向Yに垂直な基準平面(例えば、図4のXZ平面)への正投影は、自由端FEの同一の基準平面への正投影と部分的に重なる。フック状構造12の前述の基準平面への正投影と自由端FEの同一の基準平面への正投影とが形成する重なり領域は、厚さ方向Xにおいて内側面ISと外側面OSとの間に位置する。このように、コアモジュール11及びフック状構造12は、耳部の前後両側から共に耳部を挟持することができるだけでなく、形成された挟持力は、主に圧縮応力として現れ、イヤホン10の装着状態での安定性と快適性の向上に有利である。
【0030】
さらに、図2図4図5及び図9に示すように、フック状構造12は、コアモジュール11に接続された弾性ワイヤ121と、弾性ワイヤ121のコアモジュール11から離れた一端に接続された電池ハウジング123と、を含んでもよく、電池ハウジング123内には、コアモジュール11に結合された電池14が設置され、電池ハウジング123の上記基準平面への正投影は、自由端FEの同一の基準平面への正投影と部分的に重なる。これにより、自由端FEが耳甲介腔内に当接する場合、電池ハウジング123は、耳部の後側から耳部を支持することができ、これにより、イヤホン10の装着状態での安定性の向上に有利である。電池ハウジング123は、弾性ワイヤ121に接続された蓋ケース1231と、蓋ケース1231に接続された電池マガジン1232と、を含んでもよく、電池マガジン1232と蓋ケース1231とが協働して電池14を収容するキャビティ構造を形成する。
【0031】
例示的には、図5に示すように、コアモジュール11は、装着状態において、幅方向Zに沿って外耳道から離れた上側面USと、外耳道に向かう下側面LSと、上側面US及び下側面LSを接続する後側面RSと、を有してもよく、後側面RSは、装着状態において、長手方向Yの後頭部に向かう一端に位置し、少なくとも一部が耳甲介腔内に位置する。フック状構造12の厚さ方向Xに垂直な基準平面(例えば、図5におけるYZ平面)への正投影のコアモジュール11に向かう側の縁部は、連続的な弧状で遷移する第1のセグメントS1と第2のセグメントS2に分割されてもよく、第1のセグメントS1と第2のセグメントS2との境界点DPは、前述の縁部が幅方向Zに沿って上側面USから最も離れた位置である。さらに、フック状構造12の第1のセグメントS1における全体的な湾曲程度は、フック状構造12の第2のセグメントS2における全体的な湾曲程度よりも大きい。このように、自由端FEが耳甲介腔内に挿入されることを許容しつつ、フック状構造12は、コアモジュール11と協働して適切な挟持力を提供することができる。
【0032】
なお、上記全体的な湾曲程度は、フック状構造12の異なるセグメントの湾曲程度を定性的に説明することができ、各セグメントの曲率半径は、一定の値であってもよいし、連続的に変化してもよい。したがって、第1のセグメントS1内には、第2のセグメントS2内の任意の一点の曲率半径よりも小さい点が少なくとも1つ存在する。さらに、上記全体的な湾曲程度は、平均曲率半径で定量的に特徴付けることもでき、すなわち、まず、各セグメントにおけるN個の点の曲率半径を求めてから平均値を取る。
【0033】
さらに、フック状構造12の延在方向において、フック状構造12がコアモジュール11とともに耳部を挟持し、フック状構造12がユーザの皮膚に接触する面積を増加させるように、第2のセグメントS2の長さは、第1のセグメントS1の長さよりも大きくてもよく、これにより、イヤホン10の装着状態での安定性の向上に有利である。
【0034】
いくつかの実施形態において、イヤホン10は、幅方向Zに平行な第1の基準線分RL1を有し、第1の基準線分RL1は、始点が第1の基準線分RL1と上側面USとが交差する点であり、終点が境界点DPである。後述する第2の基準線分RL2、第3の基準線分RL3及び第4の基準線分RL4は、幅方向Zにおいて第1の基準線分RL1の始点から順に離れる。また、第1の基準線分RL1の長さは、13mm~20mmであってもよい。第1の基準線分RL1の長さが小さすぎると、自由端FEが耳甲介腔内に挿入できないこと、及びコアモジュール11における放音孔111aが外耳道から離れすぎることを引き起こしやすく、第1の基準線分RL1の長さが大きすぎると、同様に自由端FEが耳甲介腔内に挿入できず、外耳道がコアモジュール11によって塞がれてしまうことを引き起こしやすい。言い換えれば、このように、自由端FEが耳甲介腔内に挿入されることを許容するとともに、コアモジュール11における放音孔111aが外耳道と適切な距離を有するようにして、外耳道が塞がれていない場合に、ユーザは、コアモジュール11が発生した音波をより多く聞くことができる。
【0035】
さらに、第1の基準線分RL1の1/4のところを通過し、かつ長手方向Yに平行な第2の基準線分RL2は、第1のセグメントS1及び第2のセグメントS2とそれぞれ第1の交点P1及び第2の交点P2で交差し、第1の交点P1と第1の基準線分RL1の始点との間の距離は、9mm~15mmであってもよく、第2の交点P2と第1の基準線分RL1の始点との間の距離は、12mm~19mmであってもよく、第1の基準線分RL1の1/2のところを通過し、かつ長手方向Yに平行な第3の基準線分RL3は、第1のセグメントS1及び第2のセグメントS2とそれぞれ第3の交点P3及び第4の交点P4で交差し、第3の交点P3と第1の基準線分RL1の始点との間の距離は、11mm~18mmであってもよく、第4の交点P4と第1の基準線分RL1の始点との間の距離は、12mm~19mmであってもよく、第1の基準線分RL1の3/4のところを通過し、かつ長手方向Yに平行な第4の基準線分RL4は、第1のセグメントS1及び第2のセグメントS2とそれぞれ第5の交点P5及び第6の交点P6で交差し、第5の交点P5と第1の基準線分RL1の始点との間の距離は、12mm~19mmであってもよく、第6の交点P6と第1の基準線分RL1の始点との間の距離は、12mm~19mmであってもよい。このように、自由端FEが耳甲介腔内に挿入され、かつコアモジュール11における放音孔111aが外耳道と適切な距離を有する場合、フック状構造12をより良好に耳部にフィットさせる。
【0036】
いくつかの実施形態において、第2のセグメントS2と後側面RSとの間に、長手方向Yに沿って最短間隔を有する第5の基準線分RL5を有し、第5の基準線分RL5の長さは、2mm~3mmであってもよい。第5の基準線分RL5の長さが小さすぎると、コアモジュール11とフック状構造12による耳部の挟持力が大きすぎて装着不快感を引き起こしやすく、第5の基準線分RL5の長さが大きすぎると、コアモジュール11とフック状構造12による耳部の挟持力が小さすぎて装着不安定を引き起こしやすい。言い換えれば、このように、イヤホン10の装着状態での安定性と快適性を両立させる。
【0037】
さらに、第5の基準線分RL5を以下のように定義する。第5の基準線分RL5が後側面RSと交差する点を第5の基準線分RL5の始点とし、第5の基準線分RL5が第2のセグメントS2と交差する点を第5の基準線分RL5の終点とする。第1の基準線分RL1と上側面USとの交点の長手方向Yに沿った正投影は、第2のセグメントS2と第7の交点P7で交差し、第1の基準線分RL1の延長線と下側面LSとの交点の長手方向Yに沿った正投影は、第2のセグメントS2と第8の交点P8で交差し、第7の交点P7と第5の基準線分RL5の始点との間の距離は、5mm~9mmであってもよく、第8の交点P8と第5の基準線分RL5の始点との間の距離は、5mm~9mmであってもよい。このように、イヤホン10の装着状態での安定性と快適性を両立させるとき、フック状構造12をより良好に耳部にフィットさせる。
【0038】
例示的には、図7図8及び図5に示すように、コアモジュール11は、フック状構造12に接続されたコアハウジング111と、コアハウジング111内に設置されたスピーカー112と、を含んでもよい。コアハウジング111の装着状態において耳部に向かう内側面(例えば、上記内側面IS)には、放音孔111aが設置され、スピーカー112が発生した音波が放音孔111aを介して伝播して外耳道に伝播される。なお、放音孔111aは、コアハウジング111の下側面LSに対応する側に設置されてもよく、前述の内側面と下側面LSとの間のコーナーに設置されてもよい。さらに、スピーカー112は、磁気回路システムと、磁気回路システムに挿入されるボイスコイルと、ボイスコイルに接続された振動膜と、を含んでもよく、ボイスコイルが通電された後に発生する磁界と、磁気回路システムが形成する磁界とが互いに作用することにより、振動膜が機械的振動を発生させ、さらに空気などの媒体の伝播により音声を発生させる。
【0039】
さらに、図7図9に示すように、イヤホン10は、コアハウジング111内に設置された主制御回路基板13と、フック状構造12のコアモジュール11から離れた一端に設置された電池14と、を含んでもよく、電池14とスピーカー112は、それぞれ主制御回路基板13に結合されて、電池14が主制御回路基板13の制御によりスピーカー112に給電することを許容する。もちろん、電池14とスピーカー112は、いずれもコアハウジング111内に設置されてもよく、かつ電池14は、接続端CEにより近接し、スピーカー112は、自由端FEにより近接してもよい。
【0040】
例示的には、図3及び図1に示すように、耳甲介腔が一定の容積及び深さを有するため、自由端FEが耳甲介腔内に挿入された後、コアハウジング111の内側面ISと耳甲介腔との間には、一定の間隔を有することができる。言い換えれば、コアモジュール11は、装着状態において耳甲介腔と協働して外耳道と連通する補助キャビティを形成することができ、放音孔111aの少なくとも一部は、前述の補助キャビティ内に位置する。このように、装着状態において、スピーカー112により発生し、かつ放音孔111aを介して伝播された音波は、前述の補助キャビティにより限定され、すなわち、前述の補助キャビティは、音波を収束させることにより、音波をより多く外耳道内に伝播させることができ、それによりユーザが近傍界で聞いた音声の音量及び音質を向上させ、このように、イヤホン10の音響効果の向上に有利である。さらに、コアモジュール11は、装着状態において外耳道を塞がないように設置することにより、前述の補助キャビティは、半開放型に設置することができる。このように、スピーカー112により発生し、かつ放音孔111aを介して伝播された音波は、大部分が外耳道に伝播すること以外、小部分がコアモジュール11と耳部との間の隙間(例えば、耳甲介腔のコアモジュール11により被覆されていない部分)を介してイヤホン10及び耳部の外部に伝播し、それにより遠方界で第1の音漏れを発生させ、それと同時に、コアモジュール11には、一般的に音響孔(例えば、後述する減圧孔111c)が形成され、前述の音響孔を介して伝播された音波は、一般的に遠方界で第2の音漏れを発生させ、かつ前述の第1の音漏れの位相と前述の第2の音漏れの位相(接近)とが互いに逆位相であるため、両者が遠方界で逆位相で相殺することができ、このように、イヤホン10の遠方界での音漏れの低減に有利である。
【0041】
さらに、イヤホン10は、コアモジュール11とフック状構造12とを接続する調整機構を含んでもよく、異なるユーザは、装着状態において、調整機構によってコアモジュール11の耳部における相対位置を調整して、コアモジュール11を適切な位置に位置させることができ、それによりコアモジュール11と耳甲介腔とが上記補助キャビティを形成する。これに加えて、調整機構の存在により、ユーザは、イヤホン10をより安定した快適な位置に装着するように調整することもできる。
【0042】
例示的には、図6に示すように、まずイヤホン10を上記シミュレータに装着し、さらにコアモジュール11の上記シミュレータの耳部における位置を調整し、次に上記シミュレータの外耳道内(例えば、鼓膜の位置、すなわち、聴音位置)に設置された検出器(例えば、マイク)によってイヤホン10の周波数応答曲線を測定することにより、ユーザがイヤホン10を装着した後の聴音効果をシミュレーションする。前述の周波数応答曲線は、振動の大きさと周波数との間の変化関係を特徴付けることができ、前述の周波数応答曲線の横座標は、周波数を表すことができ、単位がHzであり、前述の周波数応答曲線の縦座標は、振動の大きさを表すことができ、単位がdBである。図6において、曲線6_1は、コアモジュール11が装着状態において耳甲介腔と上記補助キャビティを形成しない場合の周波数応答曲線を表し、曲線6_2は、コアモジュール11が装着状態において耳甲介腔と協働して上記補助キャビティを形成する場合の周波数応答曲線を表す。これに基づいて、図6に示す周波数応答曲線の比較図から、曲線6_2が全体として曲線6_1の上方に位置し、すなわち、コアモジュール11が装着状態において耳甲介腔と上記補助キャビティを形成しないことに比べて、コアモジュール11が装着状態において耳甲介腔と上記補助キャビティを形成することは、イヤホン10の音響効果の向上に有利であることを直接的に、一義的に得ることができる。
【0043】
例示的には、図7図9及び図11に示すように、コアモジュール11は、コアハウジング111の外に設置された可撓性嵌合ブロック1131を含んでもよく、可撓性嵌合ブロック1131の硬度は、コアハウジング111の硬度よりも小さい。コアハウジング111は、プラスチック部品であってもよく、可撓性嵌合ブロック1131の材質は、シリコンゴム、ゴムなどであってもよく、射出成形によりコアハウジング111の所定領域に形成されてもよい。さらに、可撓性嵌合ブロック1131は、コアモジュール11の少なくとも一部が可撓性嵌合ブロック1131を介して耳甲介腔内に当接するように、コアハウジング111の自由端FEに対応する領域を少なくとも部分的に被覆することができる。言い換えれば、コアハウジング111が耳甲介腔に挿入され、かつ耳甲介腔に接触する部分は、可撓性嵌合ブロック1131によって被覆されてもよい。このように、コアモジュール11が耳甲介腔内に当接する場合、例えば、コアモジュール11及びフック状構造12が耳部の耳甲介腔に対応する耳部領域の前後両側から共に前述の耳部領域を挟持するように設置される場合、可撓性嵌合ブロック1131は、コアハウジング111と耳部(例えば、前述の耳部領域)との間に緩衝作用を果たし、イヤホン10の耳部に対する圧力を緩和し、イヤホン10の装着状態での快適性の向上に有利である。
【0044】
例示的には、可撓性嵌合ブロック1131は、コアハウジング111の後側面RS、上側面US及び下側面LSに対応する少なくとも一部の領域に連続的に被覆されてもよい。例えば、コアハウジング111の後側面RSに対応する領域は、可撓性嵌合ブロック1131によって90%以上被覆され、コアハウジング111の上側面US及び下側面LSに対応する領域は、それぞれ可撓性嵌合ブロック1131によって30%程度被覆される。このように、イヤホン10の装着状態での快適性と、コアハウジング111内にスピーカー112などの構造部材を設置するニーズとを両立させる。
【0045】
いくつかの実施形態において、厚さ方向Xから見て、可撓性嵌合ブロック1131は、U字形に設置されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、可撓性嵌合ブロック1131の下側面LSに対応する部分は、対珠に当接してもよい。可撓性嵌合ブロック1131の後側面RSに対応する部分の厚さは、可撓性嵌合ブロック1131の上側面US及び下側面LSに対応する部分の厚さよりもそれぞれ小さくてもよく、それによりコアモジュール11が耳甲介腔内の平坦でない位置に当接する場合にも、良好な快適性を得ることができる。
【0047】
例示的には、図7及び図8に示すように、コアハウジング111は、厚さ方向Xに沿って互いに係合する内部コアハウジング1111及び外部コアハウジング1112を含んでもよく、内部コアハウジング1111は、装着状態において外部コアハウジング1112よりも耳部に近接する。外部コアハウジング1112と内部コアハウジング1111との間のパーティング面111bは、自由端FEに近接する方向において内部コアハウジング1111が位置する側に傾斜することにより、可撓性嵌合ブロック1131を外部コアハウジング111の自由端FEに対応する領域にできるだけ設置することができる。例えば、図11に示すように、可撓性嵌合ブロック1131は、全体的に外部コアハウジング111の自由端FEに対応する領域に設置されて、コアモジュール11の構造を簡略化し、加工コストを低減する。
【0048】
例示的には、図7図8及び図11に示すように、コアモジュール11は、可撓性被覆層1132を含んでもよく、可撓性被覆層1132の硬度は、コアハウジング111の硬度よりも小さい。コアハウジング111は、プラスチック部品であってもよく、可撓性被覆層1132の材質は、シリコンゴム、ゴムなどであってもよく、射出成形、接着剤接続などの方式によってコアハウジング111の所定領域に形成されてもよい。さらに、可撓性被覆層1132は、少なくとも一部の可撓性嵌合ブロック1131の外表面と、少なくとも一部の外部コアハウジング1112の可撓性嵌合ブロック1131により被覆されていない外表面と、を一体的に被覆してもよく、このように、コアモジュール11の外観上の一致性を向上させることに有利である。もちろん、可撓性被覆層1132は、内部コアハウジング1111の外表面をさらに被覆してもよい。可撓性嵌合ブロック1131の硬度は、十分に柔らかくなるように、可撓性被覆層1132の硬度よりも小さい。これに加えて、可撓性被覆層1132は、イヤホン10の装着状態での快適性を向上させることができ、かつ一定の構造強度を有して可撓性嵌合ブロック1131を保護する。さらに、可撓性嵌合ブロック1131の外表面の面積は、126mm~189mmであってもよい。前述の面積が小さすぎると、コアモジュール11の装着状態での快適性の悪化を引き起こしやすく、前述の面積が大きすぎると、コアモジュール11の体積が大きすぎることを引き起こしやすく、及び可撓性嵌合ブロック1131が耳甲介腔に当接しない面積が大きすぎるため、可撓性嵌合ブロック1131を設置する本来の目的と乖離しやすい。さらに、可撓性被覆層1132の厚さは、外部コアハウジング1112の厚さよりも小さい。
【0049】
例示的には、図11及び図9に示すように、コアモジュール11は、外部コアハウジング1112と可撓性被覆層1132との間に設置されるアンテナパターン1141及び/又はタッチパターン1142などの金属機能パターンを含んでもよい。アンテナパターン1141は、レーザー直接構造化技術(Laser-Direct-structuring、LDS)によって外部コアハウジング1112の外側に成形されてもよく、タッチパターン1142は、レーザー直接構造化技術によって外部コアハウジング1112の外側に成形されてもよく、外部コアハウジング1112の外側に貼り付けられた可撓性タッチ回路基板であってもよい。さらに、外部コアハウジング1112には、アンテナパターン1141とタッチパターン1142にそれぞれ接続されたメッキスルーホールが設置される。この場合、主制御回路基板13がコアハウジング111内に設置され、例えば、主制御回路基板13が外部コアハウジング1112に接続されるため、主制御回路基板13は、例えば、pogo-PIN、メタルドームなどの弾性金属部材を介して対応するメッキスルーホールの内壁に接触することができ、例えば、アンテナパターン1141とタッチパターン1142は、それぞれ、主制御回路基板13に溶接されたpogo-PIN131とpogo-PIN132に接続される。それに応じて、スピーカー112は、主制御回路基板13の外部コアハウジング1112から離れた側に位置する。このように、アンテナパターン1141とタッチパターン1142がそれぞれ外部コアハウジング1112のスピーカー112に向かう内側に設置されることに比べて、アンテナパターン1141が外部コアハウジング1112の外側に設置されることは、主制御回路基板13との間の間隔を増大させ、すなわち、アンテナクリアランス領域を増大させ、それによりアンテナパターン1141の耐干渉性を向上させることができ、タッチパターン1142が外部コアハウジング1112の外側に設置されることは、外部の信号トリガ源(例えば、ユーザの指)との間隔を短縮することができ、すなわち、タッチ間隔を縮小することにより、タッチパターン1142のユーザによりトリガされた感度を向上させる。
【0050】
いくつかの実施形態において、アンテナパターン1141は、外部コアハウジング1112の外側の空間を十分に利用するように、タッチパターン1142の外周を取り囲んでもよい。アンテナパターン1141は、U字形に設置されてもよく、タッチパターン1142は、方形に設置されてもよい。
【0051】
さらに、コアモジュール11は、主制御回路基板13に溶接されたマイク133を含んでもよく、マイク133は、外部コアハウジング1112に設置された収音孔を介してユーザ音声及び環境音声をピックアップすることができる。主制御回路基板13が外部コアハウジング1112に接続される場合、マイク133を外部コアハウジング1112にさらに押圧することができる。
【0052】
例示的には、図10及び図11に示すように、内部コアハウジング1111は、底壁1113と、底壁1113に接続された第1の側壁1114と、を含んでもよく、外部コアハウジング1112は、頂壁1115と、頂壁1115に接続された第2の側壁1116と、を含んでもよく、第2の側壁1116と第1の側壁1114とは、パーティング面111bに沿って互いに係合され、両者は、互いに支持されてもよい。幅方向Zから見て、接続端CEから自由端FEに指向する基準方向(例えば、図10及び図11における矢印Yの逆方向)において、第1の側壁1114の自由端FEに近接する部分は、厚さ方向Xにおいて底壁1113に徐々に近接し、第2の側壁1116の自由端FEに近接する部分は、厚さ方向Xにおいて頂壁1115から徐々に離れ、それによりパーティング面111bが自由端FEに近接する方向において内部コアハウジング1111が位置する側に傾斜する。この場合、可撓性嵌合ブロック1131は、少なくとも一部が第2の側壁1116の外側に設置される。例えば、図11及び図9に示すように、可撓性嵌合ブロック1131は、第2の側壁1116の外側に設置される以外に、一部が頂壁1115の外側に設置される。それに応じて、放音孔111aは、底壁1113に設置されてもよい。もちろん、放音孔111aは、第1の側壁1114の下側面LSに対応する側に設置されてもよく、第1の側壁1114と底壁1113との間のコーナーに設置されてもよい。さらに、アンテナパターン1141とタッチパターン1142及びそれぞれのメッキスルーホールは、頂壁1115に設置されてもよく、マイク133の収音孔は、頂壁1115に設置されてもよい。
【0053】
例示的には、図7及び図11に示すように、外部コアハウジング1112には、少なくとも部分的に第2の側壁1116に位置する嵌入溝が設置されてもよく、可撓性嵌合ブロック1131が前述の嵌入溝内に嵌入されることにより、外部コアハウジング1112の可撓性嵌合ブロック1131により被覆されていない領域の外表面と可撓性嵌合ブロック1131の外表面とが連続的に遷移する。図7における可撓性嵌合ブロック1131が位置する領域は、前述の嵌入溝であると簡単に見なすことができる。このように、可撓性嵌合ブロック1131が射出成形過程において外部コアハウジング1112に堆積し、可撓性嵌合ブロック1131が溢れることを回避することに有利であるだけでなく、コアモジュール11の外観品質を向上させ、コアモジュール11の表面の窪みを回避することに有利である。
【0054】
さらに、第2の側壁1116は、第1のサブ側壁部1117と、第1のサブ側壁部1117に接続された第2のサブ側壁部1118と、を含んでもよく、第1のサブ側壁部1117は、厚さ方向Xにおいて第2のサブ側壁部1118よりも頂壁1115に近接し、第2のサブ側壁部1118は、第1のサブ側壁部1117よりもコアハウジング111の外側に向かって突出する。要するに、第2の側壁1116は、階段状構造であってもよい。このように、可撓性嵌合ブロック1131が射出成形過程において外部コアハウジング1112に堆積し、可撓性嵌合ブロック1131が溢れることを回避することに有利であるだけでなく、コアモジュール11が可撓性嵌合ブロック1131を介して耳甲介腔内によりよく当接して、イヤホン10の装着状態での快適性を向上させる。
【0055】
さらに、主制御回路基板13は、外部コアハウジング1112に接続され、例えば、頂壁1115に接続されたホットメルト柱に固定されてもよく、厚さ方向Xにおいて第1のサブ側壁部1117と部分的に重なってもよく、スピーカー112は、厚さ方向Xにおいて第2のサブ側壁部1118と部分的に重なってもよい。このように、コアハウジング111内に十分に大きいスピーカー112を設置することに有利であり、それによりイヤホン10が発生する音声の音量を大きくする。
【0056】
例示的には、図10及び図8に示すように、コアハウジング111には、減圧孔111cが設置されてもよく、減圧孔111cは、スピーカー112の主制御回路基板13に向かう側の空間を外部環境と連通させ、すなわち、空気が前述の空間に自由に出入りすることができる。このように、スピーカー112の振動膜の振動過程における抵抗を低減することに有利である。減圧孔111cは、装着状態において頭頂に向かうことができ、減圧孔111cを介して伝播された音波が音漏れ(すなわち、上記第2の音漏れ)となって聞こえることを回避することに有利である。ヘルムホルツ共振キャビティに基づいて、減圧孔111cの孔径をできるだけ大きくすることで、第2の音漏れの共振周波数をできるだけ周波数の高い周波数帯域(例えば、4kHzよりも大きい周波数範囲)にシフトさせることができ、このように、第2の音漏れが聞こえることをさらに回避することに有利である。
【0057】
さらに、コアハウジング111に調音孔111dが設置されてもよく、調音孔111dは、第2の音漏れの共振周波数をできるだけ周波数の高い周波数帯域(例えば、4kHzよりも大きい周波数範囲)にシフトさせ、このように、第2の音漏れが聞こえることをさらに回避することに有利である。調音孔111dの面積は、減圧孔111cの面積よりも小さくてもよく、それによりスピーカー112の主制御回路基板13に向かう側の空間は、できるだけ減圧孔111cを介して外部環境と連通する。さらに、放音孔111aと減圧孔111cとの幅方向Zにおける間隔は、放音孔111aと調音孔111dとの幅方向Zにおける間隔よりも大きく、それによりそれぞれ放音孔111aと減圧孔111cとを介して伝播された音波が近傍界で逆位相で相殺することを回避し、このように、ユーザが聞く放音孔111aを介して伝播された音声の音量を向上させることに有利である。それに応じて、調音孔111dが放音孔111aよりも接続端CEに近接して、両者の長手方向Yにおける間隔を増加させることにより、それぞれ放音孔111aと調音孔111dとを介して伝播された音波が近傍界で逆位相で相殺することを回避し、このように、ユーザが聞く放音孔111aを介して伝播された音声の音量を大きくすることに有利である。
【0058】
例示的には、図10に示すように、放音孔111a、減圧孔111c及び調音孔111dは、内部コアハウジング1111に設置されてもよく、例えば、放音孔111aは、底壁1113に設置され、減圧孔111cと調音孔111dは、それぞれ第1の側壁1114に設置される。減圧孔111cと調音孔111dは、第1の側壁1114の幅方向Zにおける対向する両側にそれぞれ設置されてもよい。このように、放音孔111a、減圧孔111c及び調音孔111dがいずれも内部コアハウジング1111に設置されるため、外部コアハウジング1112の構造がより簡単になり、加工コストの低減に有利である。これに加えて、減圧孔111cと調音孔111dがそれぞれ第1の側壁1114の幅方向Zに沿った対向する両側に設置されるため、上記パーティング面111bは、幅方向Zに垂直な基準平面に対して対称に設置することができ、このように、コアモジュール11の外観品質の向上に有利である。
【0059】
例示的には、図7及び図8に示すように、コアモジュール11は、コアハウジング111内に設置されたブラケット115を含んでもよく、ブラケット115及びスピーカー112は、音響キャビティ116を囲んで形成し、それにより音響キャビティ116をコアハウジング111内の他の構造(例えば、主制御回路基板13など)から離間させることができ、このように、コアモジュール11の音響表現力の向上に有利である。コアハウジング111に音響孔が設置され、例えば、音響孔は、減圧孔111c及び調音孔111dのうちの少なくとも1つであり、ブラケット115には、音響孔と音響キャビティ116を連通する音響通路1151が設置され、これにより、音響キャビティ116が外部環境と連通し、すなわち、空気が音響キャビティ116に自由に出入りすることができ、このように、スピーカー112の振動膜の振動過程における抵抗を低減することに有利である。
【0060】
さらに、ブラケット115は、コアハウジング111と協働して上記音響孔の少なくとも一部を取り囲む第1の接着剤収容溝1171を形成し、第1の接着剤収容溝1171には、ブラケット115とコアハウジング111との間の組立隙間を密封する第1の接着剤が収容され、すなわち、第1の接着剤により防水密封を行い、このように、外部の汗、雨水などの液滴がコアハウジング111内の主制御回路基板13が位置する空間に侵入することを回避することに有利である。このように、ヘルムホルツ共振キャビティに基づいて、関連技術においてブラケット115を介してシリコンゴムスリーブをコアハウジング111に押圧して防水密封を行うことに比べて、本技術的手段において第1の接着剤により防水密封を行うことは、関連技術における前述のシリコンゴムスリーブを省略することができ、音響キャビティ116と外部環境との連通部分(音響通路1151、音響孔を含む)の長さを短縮することに有利であり、それにより減圧孔111cを介して伝播して発生した音漏れ(すなわち、上記第2の音漏れ)の共振周波数をできるだけ周波数の高い周波数帯域(例えば、4kHzよりも大きい周波数範囲)にシフトさせ、第2の音漏れが聞こえることをさらに回避する。
【0061】
なお、上記音響孔が減圧孔111cである場合、第1の接着剤収容溝1171は、減圧孔111cの少なくとも一部を取り囲み、上記音響孔が調音孔111dである場合、第1の接着剤収容溝1171は、調音孔111dの少なくとも一部を取り囲み、上記音響孔が減圧孔111c及び調音孔111dである場合、第1の接着剤収容溝1171は、減圧孔111cと調音孔111dの少なくとも一部をそれぞれ取り囲む。説明の便宜上、図8図10及び図12に示すように、本願は、上記音響孔が減圧孔111c及び調音孔111dであり、第1の接着剤収容溝1171が減圧孔111cと調音孔111dの少なくとも一部をそれぞれ取り囲むことを例として例示的に説明する。さらに、ブラケット115とコアハウジング111(例えば、その底壁1113)との間の隙間が十分に大きい場合、又はコアハウジング111における底壁1113と第1の側壁1114とが一体成形された構造部材ではない(すなわち、2つの単独した構造部材である)場合、第1の接着剤収容溝1171は、上記音響孔の全体を取り囲んでもよく、すなわち、第1の接着剤収容溝1171は、完全な環状構造である。
【0062】
例示的には、図12及び図10に示すように、ブラケット115は、環状本体部1152と、環状本体部1152に接続された突き合わせ部1153と、を含んでもよい。環状本体部1152は、スピーカー112の外周に嵌設されて音響キャビティ116を形成し、音響通路1151は、突き合わせ部1153及び環状本体部1152を貫通する。さらに、突き合わせ部1153は、環状本体部1152とコアハウジング111との間に位置し、上記音響孔の少なくとも一部を取り囲み、突き合わせ部1153は、コアハウジング111と協働して第1の接着剤収容溝1171を形成する。上記音響孔は、減圧孔111c及び調音孔111dであってもよく、それにより突き合わせ部1153は、それに応じて2つ設置され、第1の接着剤収容溝1171もそれに応じて2つ設置される。それに応じて、突き合わせ部1153は、第1の側壁1114と協働して第1の接着剤収容溝1171を形成する。このように、ブラケット115が環状に設置されるため、スピーカー112の主制御回路基板13に向かう側が露出し、このように、コアモジュール11の厚さ方向Xにおける厚さを低減することに有利である。
【0063】
例示的には、図10及び図8に示すように、コアハウジング111の内側には、凹み領域1119が設置されてもよく、上記音響孔は、凹み領域1119の底部に設置されてもよく、コアモジュール11は、凹み領域1119内に設置された音響インピーダンス網118を含んでもよく、突き合わせ部1153は、音響インピーダンス網118を凹み領域1119の底部に押圧する。このように、ブラケット115が組立過程において音響インピーダンス網118に引っ掛かることを回避することに有利であるだけでなく、ブラケット115、音響インピーダンス網118と内部コアハウジング1111との間の組立隙間を縮小し、音響インピーダンス網118が揺れることを回避することに有利である。音響インピーダンス網118は、両面テープ又は接着剤によって凹み領域1119の底部に予め固定されてもよく、音響インピーダンス網118は、メタル保護メッシュに予め固定されてもよく、前述のメタル保護メッシュは、さらに両面テープ又は接着剤によって凹み領域1119の底部に予め固定される。それに応じて、上記音響孔は、減圧孔111c及び調音孔111dであってもよいため、凹み領域1119がそれに応じて2つ設置され、音響インピーダンス網118もそれに応じて2つ設置される。
【0064】
さらに、上記第1の接着剤は、ブラケット115と音響インピーダンス網118との間の組立隙間及び/又は音響インピーダンス網118とコアハウジング111(例えば、凹み領域1119の側壁)との間の組立隙間を密封してよく、このように、さらなる防水密封に有利である。
【0065】
例示的には、図8図10及び図12に示すように、突き合わせ部1153は、第1の接着剤収容溝1171の底壁と一方の側溝壁を形成し、コアハウジング111は、第1の接着剤収容溝1171の他方の側溝壁を形成する。第1の接着剤収容溝1171が一定の幅と深さを有するように、コアハウジング111における溝壁と突き合わせ部1153における溝壁とが対向して設置される。もちろん、突き合わせ部1153は、第1の接着剤収容溝1171の一方の側溝壁を形成し、コアハウジング111は、第1の接着剤収容溝1171の底壁及び他方の側溝壁を形成してもよく、又は、突き合わせ部1153は、第1の接着剤収容溝1171の一方の側溝壁及び底壁の一部を形成し、コアハウジング111は、第1の接着剤収容溝1171の他方の側溝壁及び底壁の他の一部を形成してもよい。
【0066】
例示的には、図12図14に示すように、スピーカー112は、本体1121と、本体1121の周方向に沿って設置された環状支持台1122と、を含んでもよく、ブラケット115の下端は、環状支持台1122に支持されてもよく、音響通路1151は、環状支持台1122に向かう側が開放型に設置されてもよく、環状支持台1122は、音響通路1151の開放部分をさらに閉塞する。この場合、後続きに例えば接着剤塗布プロセスなどの方式によって第1の接着剤収容溝1171内に接着剤を充填するように、第1の接着剤収容溝1171が上記音響孔の一部を取り囲むと簡単に見なすことができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、環状支持台1122は、階段状に設置された第1の環状メサ1123及び第2の環状メサ1124を含んでもよく、第2の環状メサ1124は、第1の環状メサ1123の外周に周設され、ブラケット115の下端は、一部が第1の環状メサ1123に支持され、他の一部が第2の環状メサ1124との間に間隔領域を形成してもよく、それによりブラケット115、環状支持台1122及びコアハウジング111が協働して第2の接着剤収容溝1172を形成し、第2の接着剤収容溝1172には、ブラケット115、環状支持台1122及びコアハウジング111のうちの任意の2つの間の組立隙間を密封する第2の接着剤が収容されて、対応する防水密封を行う。
【0068】
いくつかの実施形態において、ブラケット115の上端は、本体1121に掛けられ、本体1121と協働して第3の接着剤収容溝1173を形成してもよく、第3の接着剤収容溝1173には、ブラケット115と本体1121との間の組立隙間を密封する第3の接着剤が収容されて、対応する防水密封を行う。
【0069】
なお、コアモジュール11の具体的な組立過程において、以下のプロセスステップを含んでもよく、全てのプロセスステップの前後順序は、必要に応じて調整することができ、ステップ1)では、両面テープにより音響インピーダンス網118を凹み領域1119の底部に予め固定し、ステップ2)では、スピーカー112を底壁1113に固定し、両者の間の組立隙間に接着剤を塗布し、対応する接着剤がスピーカー112の第2の環状メサ1124に堆積し、ステップ3)では、ステップ2)における接着剤が硬化する前に、ブラケット115をスピーカー112に固定し、ブラケット115の下端がスピーカー112の第1の環状メサ1123に支持されることにより、ブラケット115の下端と第2の環状メサ1124との間も接着剤で充填され、ブラケット115の突き合わせ部1153が音響インピーダンス網118を押圧し、第1の側壁1114と協働して第1の接着剤収容溝1171を形成し、ブラケット115の上端が本体1121に掛けられ、本体1121と協働して第3の接着剤収容溝1173を形成し、ステップ4)では、第1の接着剤収容溝1171、第3の接着剤収容溝1173及びブラケット115の下端とスピーカー112及び内部コアハウジング1111との間の組立隙間に接着剤を塗布する。ブラケット115の下端とスピーカー112及び内部コアハウジング1111との間の組立隙間は、第1の接着剤収容溝1171に非常に近いため、ブラケット115の下端とスピーカー112及び内部コアハウジング1111との間の組立隙間は、第1の接着剤収容溝1171の連続であると簡単に見なすことができ、すなわち、第1の接着剤収容溝1171と第2の接着剤収容溝1172は、連通することができる。
【0070】
例示的には、図15図18及び図7に示すように、フック状構造12は、コアモジュール11に接続されたアダプタハウジング122を含んでもよく、アダプタハウジング122には、収容キャビティ124が予め形成されてもよく、イヤホン10は、後続きに収容キャビティ124内に取り付けられた電子部品15を含んでもよい。アダプタハウジング122とコアモジュール11との間の接続方式は、係止、溶接、接着剤接続、螺合接続及びネジ接続などの組立方式のうちの1種又はそれらの組み合わせであってもよい。このように、関連技術における電子部品15がコアモジュール11内に設置されることに比べて、本技術的手段は、電子部品15をフック状構造12の所定の収容キャビティ124内に取り付けることにより、コアモジュール11の空間を節約し、構造をよりコンパクトで、小型にすることに有利であるだけでなく、コアモジュール11の構造を簡略化し、その組立効率をより高くすることに有利であり、イヤホン10における各構造部材の相対位置を合理的にレイアウトすることに有利であり、コアモジュール11とフック状構造12をいずれも十分に利用することができる。
【0071】
なお、アダプタハウジング122には収容キャビティ124が予め形成されることは、収容キャビティ124がアダプタハウジング122の成形後に加工して形成されるものではなく、アダプタハウジング122の成形時に同時に形成されるものであることであってもよい。例えば、アダプタハウジング122は、プラスチックハウジングであり、対応する中子を設置することにより、プラスチックハウジングを射出成形した後に対応する収容キャビティ124を得ることができる。それに応じて、電子部品15が後続きに収容キャビティ124内に取り付けられることは、電子部品15とアダプタハウジング122とが一体成形されていない構造部材であることであってもよい。例えば、アダプタハウジング122は、プラスチックハウジングであり、電子部品15は、インサート成形によってプラスチックハウジング内に一体射出成形されていない。これに基づいて、以下に言及するアダプタハウジング122には、貫通孔1251、止まり孔1252及び貫通孔1253などが予め形成されている説明は、同様であるか又は類似するため、ここでは説明を省略する。もちろん、収容キャビティ124は、アダプタハウジング122を成形した後にドリルプロセスにより得られてもよく、貫通孔1251、止まり孔1252及び貫通孔1253なども同様に、アダプタハウジング122を成形した後にドリルプロセスにより得られてもよい。
【0072】
例示的には、図7に示すように、電子部品15は、主制御回路基板13に結合されて、フック状構造12とコアモジュール11との間の電気的な接続を実現することができ、アダプタハウジング122は、コアハウジング111に挿着固定することができ、それによりフック状構造12とコアモジュール11との間の構造接続を実現し、簡単で、信頼性がある。前述の挿着固定は、アダプタハウジング122とコアハウジング111のうちの一方がまず組立方向に沿って部分的に他方内に挿入されてから、プラグなどの他の位置制限構造によって挿着固定されることであってもよく、前述の位置制限構造の組立方向は、前述の組立方向と平行ではなく、前述の挿着固定は、アダプタハウジング122とコアハウジング111のうちの一方が部分的に他方内に挿入されると、前述の位置制限構造を介さずに挿着固定できることであってもよい。
【0073】
例示的には、図7図10及び図16に示すように、アダプタハウジング122には、第1のバックル構造1221が設置されてもよく、コアハウジング111には、第2のバックル構造1222が設置されてもよく、第1のバックル構造1221がコアハウジング111内に挿入され、第2のバックル構造1222と互いに係止されることにより、アダプタハウジング122とコアハウジング111とが係止固定され、両者が他の位置制限構造を介さずに直接的に挿着固定され、簡単で、信頼性がある。第1のバックル構造1221は、アダプタハウジング122に一体的に設置されてもよく、厚さ方向Xにおいて対向して間隔をあけて2つ設置されてもよく、第2のバックル構造1222は、内部コアハウジング1111に一体的に設置され、第1のバックル構造1221と1対1で設置されてもよい。
【0074】
例示的には、図7に示すように、イヤホン10は、可撓性回路基板16を含んでもよく、可撓性回路基板16は、少なくとも部分的に収容キャビティ124内に設置されて電子部品15に接続され、コアハウジング111内に延在し、それにより電子部品15が可撓性回路基板16を介して主制御回路基板13に接続される。例えば、電子部品15は、表面実装技術(Surface Mounted Technology、SMT)によって可撓性回路基板16の一端に溶接され、可撓性回路基板16の回路基板の他端は、BTBコネクタによって主制御回路基板13と係合される。スピーカー112は、可撓性回路基板16の延在経路において可撓性回路基板16に接続されるように設置されてもよく、例えば、スピーカー112のリード線は、可撓性回路基板16の対応する領域に溶接され、それによりスピーカー112も可撓性回路基板16を介して主制御回路基板13に接続され、スピーカー112のリード線は、主制御回路基板13に接続されるまで延長される必要がなく、このように、イヤホン10の配線構造を簡略化し、生産コストを低減することに有利である。
【0075】
例示的には、図16及び図15に示すように、アダプタハウジング122には、収容キャビティ124と連通する貫通孔1251が予め形成されてもよく、電子部品15は、貫通孔1251内に少なくとも部分的に設置された電極端子151を含んでもよく、電極端子151は、pogo-PINのような伸縮可能な弾性部材であってもよく、金属柱のような伸縮不能な剛性部材であってもよい。貫通孔1251の孔径は、後続きに電極端子151を取り付けるために、電極端子151の外径よりも大きくてもよい。もちろん、電極端子151は、インサートの方式によってアダプタハウジング122に一体成形されてもよい。さらに、電極端子151は、装着状態において耳部に向かって、装着状態において見えないようにすることができ、このように、イヤホン10の装着状態での外観品質の向上に有利である。
【0076】
なお、電極端子151がpogo-PINのような伸縮可能な弾性部材として設置される場合、電極端子151の延在方向は、その伸縮方向であってもよく、電極端子151が金属柱のような伸縮不能な剛性部材として設置される場合、電極端子151の延在方向は、その軸線が位置する方向であってもよい。
【0077】
さらに、電極端子151は、実際の使用ニーズに応じて複数設置されてもよく、例えば、充電、検出などに用いられる。
【0078】
いくつかの実施形態において、電極端子151は、互いに間隔をあけて設置された充電正極端子1511及び充電負極端子1512を含んでもよく、充電正極端子1511と充電負極端子1512は、イヤホン10が電極端子151を介して充電するように、それぞれの貫通孔1251内に対応して設置されてもよい。もちろん、充電正極端子1511及び充電負極端子1512は、一方のみがアダプタハウジング122に設置され、他方がフック状構造12における電池ハウジング123などの他のハウジングに設置され、又は内部コアハウジング1111に設置されてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、電極端子151は、充電正極端子1511及び充電負極端子1512と互いに間隔をあけて設置された検出端子1513を含んでもよく、検出端子1513は、充電検出、充電ボックスへのイヤホン10の出し入れの検出などの検出機能を行ってもよい。もちろん、検出端子1513は、ホールセンサのような電子部品に代替されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、電極端子151の延在方向から見て、充電正極端子1511、充電負極端子1512及び検出端子1513の2つずつを結ぶ線は、三角形、例えば、正三角形を構成することができる。
【0081】
いくつかの実施形態において、電極端子151の延在方向から見て、充電正極端子1511、充電負極端子1512及び検出端子1513は、互いに間隔をあけて線分、例えば、直線に配列されてもよい。充電正極端子1511と充電負極端子1512との間隔は、充電負極端子1512と検出端子1513との間隔よりも大きくてもよい。例えば、充電負極端子1512は、充電正極端子1511と検出端子1513との間に位置し、かつ充電正極端子1511と充電負極端子1512との間の間隔は、充電負極端子1512と検出端子1513との間の間隔よりも大きく、また例えば、検出端子1513は、充電正極端子1511と充電負極端子1512との間に位置する。このように、アダプタハウジング122に電極端子151を設置する空間が限られている場合、充電正極端子1511と充電負極端子1512との間の間隔をできるだけ増大させることで、両者の短絡を回避することに有利である。
【0082】
例示的には、図15に示すように、アダプタハウジング122の外側には、ボス126が設置されてもよく、貫通孔1251は、さらにボス126を貫通して、複数の電極端子151をそれぞれボス126に露出させる。このように、ボス126によって、アダプタハウジング122が一定の弧度を有するため、平坦ではない部分が平坦になり、電極端子151の設置を容易にする。充電正極端子1511、充電負極端子1512及び検出端子1513は、ボス126の長手方向に沿って順に間隔をあけて設置されてもよい。
【0083】
例示的には、図15図17に示すように、フック状構造12は、磁石127を含んでもよく、磁石127と電極端子151は、アダプタハウジング122の同一側に露出してもよく、すなわち、両者は、アダプタハウジング122の同一側表面に見えることができ、磁石127が電極端子151の露出端の向かう外部により近接し、それにより磁石127と、充電ボックスのような充電装置における磁石127と協働する磁気吸引構造との間の間隔又は磁石127と協働するホールセンサとの間の間隔を短縮し、このように、充電、検出などの機能の信頼性の向上に有利である。磁石127と電極端子151は、隣接して設置されてもよく、それにより磁石127が充電ボックスのような充電装置における磁気吸引構造と協働することを許容して、電極端子151が充電装置における電極端子と協働するようにして、充電を容易にする。それに応じて、電極端子151が充電ボックスなどの充電装置における電極端子に接触するように、ボス126は、磁石127の周囲のアダプタハウジング122から突出してもよく、すなわち、磁石127は、ボス126よりも低くてもよい。もちろん、磁石127が充電ボックスのような充電装置におけるホールセンサと協働して検出に用いられる実施形態において、磁石127は、電極端子151と隣接して設置され、充電ボックスのような充電装置における電極端子151と協働する電極端子が前述のホールセンサと隣接して設置されてもよく、このように、充電ボックスのような充電装置における前述の電極端子及び前述のホールセンサを搭載する面積を縮小することに有利である。
【0084】
さらに、フック状構造12は、可撓性被覆層128を含んでもよく、可撓性被覆層128の硬度は、アダプタハウジング122の硬度よりも小さい。アダプタハウジング122は、プラスチック部品であってもよく、可撓性被覆層128の材質は、シリコンゴム、ゴムなどであってもよく、射出成形、接着剤接続などの方式によってアダプタハウジング122に形成されてもよい。さらに、可撓性被覆層128は、磁石127が露出せず、電極端子151が露出するように、すなわち、磁石127が見えず、電極端子151が見えるように、アダプタハウジング122及び磁石127を被覆してもよい。このように、電極端子151の使用ニーズを満たすとともに、磁石127を遮蔽し、その露出による摩耗や外観品質への影響を回避することができる。これに加えて、可撓性被覆層128は、イヤホン10の装着状態での快適性の向上にも有利である。可撓性被覆層128の厚さは、アダプタハウジング122の厚さよりも小さい。
【0085】
例示的には、図16に示すように、収容キャビティ124の防水防塵性能を向上させるために、アダプタハウジング122には、収容キャビティ124と連通しない止まり孔1252が予め形成されてもよい。磁石127は、少なくとも止まり孔1252内に設置され、止まり孔1252の開口端を介して露出してもよい。このように、アダプタハウジング122の磁石127が位置する領域における厚さを低減することに有利であるだけでなく、イヤホン10の磁石127が位置する領域における外観品質の向上に有利である。もちろん、止まり孔1252は、貫通孔として設置されてもよい。
【0086】
例示的には、図15に示すように、電極端子151の延在方向から見て、複数の電極端子151は、互いに間隔をあけて線分、例えば、直線又は折れ線に配列されてもよい。磁石127は、前述の線分の任意の一側に位置してもよく、又は磁石127は、前述の線分と交差して少なくとも一部が任意の隣接する2つの電極端子151の間に位置してもよい。例えば、磁石127の数は、1つであり、磁石127は、全体として前述の線分の一側に位置し、又は前述の線分と交差し、全体として任意の隣接する2つの電極端子151の間に位置する。また例えば、磁石127の数は、2つであり、1つの磁石127は、全体として前述の線分の一側に位置し、もう1つの磁石127は、全体として前述の線分の他側に位置する。さらに、例えば、磁石127の数は、1つであり、磁石127は、一部が前述の線分と交差して任意の隣接する2つの電極端子151の間に位置し、他の一部が前述の延在方向において電極端子151の下方に位置する。
【0087】
例示的には、図15に示すように、複数の電極端子151は、直線に配列された充電正極端子1511、充電負極端子1512及び検出端子1513を含んでもよい。磁石127は、前述の直線の一側に位置してもよい。さらに、電極端子151の延在方向から見て、磁石127の中心と充電正極端子1511、充電負極端子1512及び検出端子1513の中心との間に第1の距離、第2の距離及び第3の距離をそれぞれ有し、第3の距離は、それぞれ第1の距離と第2の距離よりも大きくて、充電の信頼性を優先的に確保する。なお、フック状構造12に可撓性被覆層128が設置される実施例において、磁石127、充電正極端子1511、充電負極端子1512及び検出端子1513の間の相対位置関係の決定を容易にするために、まず可撓性被覆層128を除去してもよい。
【0088】
例示的には、図16図18に示すように、電子部品15は、電極端子151及びマイク152を含んでもよく、アダプタハウジング122には、収容キャビティ124と、それぞれ収容キャビティ124と連通する貫通孔1251及び貫通孔1253とが予め形成されてもよい。電極端子151とマイク152の作用が異なるため、貫通孔1251と貫通孔1253は、アダプタハウジング122の異なる側壁に位置してもよい。これに基づいて、電極端子151は、少なくとも一部が貫通孔1251内に設置され、マイク152は、収容キャビティ124内に設置され、かつ貫通孔1253を介してイヤホン10外の音声(例えば、ユーザ音声、環境音声)をピックアップすることができる。このように、電極端子151とマイク152との相対位置を合理的に配置することにより、収容キャビティ124の空間を十分に利用することができ、イヤホン10の構造もよりコンパクトで、小型になる。さらに、イヤホン10は、少なくとも一部が収容キャビティ124内に設置される支持アセンブリ17を含んでもよく、支持アセンブリ17は、それぞれ、電極端子151とマイク152を貫通孔1251と貫通孔1253に対応する側壁に支持固定することができる。このように、電極端子151及びマイク152とアダプタハウジング122との分離を回避することに有利であるだけでなく、電子部品15の防水防塵性能を向上させることに有利であり、構造が簡単で、信頼性が高い。
【0089】
例示的には、図18に示すように、可撓性回路基板16は、一体構造の第1の回路基板部161、第2の回路基板部162及び第3の回路基板部163を含んでもよく、電極端子151は、第1の回路基板部161に溶接され、第2の回路基板部162は、第1の回路基板部161に対して折り曲げられ、マイク152は、第3の回路基板部163に溶接され、かつ第2の回路基板部162に対して折り曲げられる。言い換えれば、可撓性回路基板16が2回折り曲げられた後、第1の回路基板部161、第2の回路基板部162及び第3の回路基板部163は、六面体構造における2つずつ隣接する3つの面に対応することができる。第2の回路基板部162は、第3の回路基板部163から離れた一端が第1の回路基板部161に接続され、他の部分が第1の回路基板部161に接続されていない。このように、可撓性回路基板16及びその上の電極端子151とマイク152とがアダプタハウジング122内に組み立てられた後、作業者がまず第2の回路基板部162の第1の回路基板部161に接続された一端を押圧して、第1の回路基板部161とできるだけ面一になるようにして、後続きに組み立てられる支持アセンブリ17を避けることを許容する。
【0090】
いくつかの実施形態において、アダプタハウジング122は、パーティング面が電極端子151の延在方向に垂直な2つのハウジングを含んでもよく、2つのハウジングは、互いに係合して収容キャビティ124を形成する。支持アセンブリ17は、2つのハウジングが係合されるときに電極端子151とマイク152をそれぞれ支持(又は押圧)するように、そのうちの1つのハウジングと一体成形されてもよい。又は、支持アセンブリ17における電極端子151を支持する第1の支持部材及びマイク152を支持する第2の支持部材のうちの少なくとも1つは、アダプタハウジング122から独立して、2つのハウジングが係合されるときに電極端子151とマイク152をそれぞれ支持(又は押圧)し、又は2つのハウジングが係合された後に支持アセンブリ17を組み立てて電極端子151とマイク152をそれぞれ支持(又は押圧)することができる。
【0091】
いくつかの実施形態において、アダプタハウジング122の少なくとも収容キャビティ124に対応する部分は、完全なハウジング構造である。支持アセンブリ17における電極端子151を支持する第1の支持部材及びマイク152を支持する第2の支持部材のうちの少なくとも第1の支持部材は、少なくとも電極端子151の組み立てを容易にするために、アダプタハウジング122から独立してもよい。
【0092】
例示的には、図18に示すように、支持アセンブリ17は、アダプタハウジング122から独立して収容キャビティ124内に挿入されてもよい。このように、支持アセンブリ17、電極端子151及びマイク152の3者は、それぞれアダプタハウジング122から独立して、一定の順序で組み立てることができるため、構造上の不要な干渉を回避することに有利であり、組立効率がより高くなる。
【0093】
いくつかの実施形態において、支持アセンブリ17における電極端子151を支持する第1の支持部材と、マイク152を支持する第2の支持部材は、それぞれアダプタハウジング122から独立してもよく、すなわち、第1の支持部材と第2の支持部材は、それぞれ電極端子151とマイク152を支持(又は押圧)するように、互いに独立する。このように、支持アセンブリ17における第1の支持部材及び第2の支持部材は、実際の需要に応じて差別化設計を行うことができる。
【0094】
いくつかの実施形態において、支持アセンブリ17は、一体成形された構造部材であってもよく、すなわち、支持アセンブリ17における電極端子151を支持する第1の支持部材とマイク152を支持する第2の支持部材は、互いに接続され、支持アセンブリ17の構造を簡略化することに有利であるだけでなく、第1の支持部材及び第2の支持部材が小さすぎて組み立てにくいことを回避することに有利である。支持アセンブリ17は、所定の位置まで挿入された後に収容キャビティ124のキャビティ壁にしっかりと固定することができ、すなわち、支持アセンブリ17を挿入又は抜き出す過程において一定の抵抗を有し、構造が簡単で、信頼性が高い。それに応じて、収容キャビティ124のキャビティ壁には、支持アセンブリ17と協働するガイド溝、位置制限溝が設置されてもよい。もちろん、支持アセンブリ17は、さらに接着剤塗布プロセスによって収容キャビティ124のキャビティ壁に接着されてもよい。
【0095】
例示的には、図17及び図18に示すように、支持アセンブリ17が電極端子151とマイク152との間の間隔領域内に挿入されるように、少なくとも一部の支持アセンブリ17及び収容キャビティ124は、支持アセンブリ17の収容キャビティ124に対する挿入方向(例えば、図17及び図18における矢印に示す方向)に垂直な少なくとも1つの基準方向における寸法が、前述の挿入方向に沿って徐々に小さくなるように設置されてもよい。言い換えれば、少なくとも一部の支持アセンブリ17の前述の挿入方向に垂直な少なくとも1つの基準方向における寸法は、前述の挿入方向に沿って徐々に小さくなるように設置されてもよく、少なくとも一部の収容キャビティ124の同一の基準方向における寸法は、前述の挿入方向に沿って徐々に小さくなるように設置されてもよく、両者の変化傾向が同じであるか又は類似し、このように、支持アセンブリ17が所定の位置に挿入された後に収容キャビティ124のキャビティ壁にしっかりと固定されることに有利である。
【0096】
例示的には、図16図18に示すように、収容キャビティ124のキャビティ壁は、互いに並んで間隔をあけて設置された第1のキャビティ壁1241及び第2のキャビティ壁1242と、第1のキャビティ壁1241及び第2のキャビティ壁1242を接続する第3のキャビティ壁1243と、を含んでもよい。貫通孔1251は、第1のキャビティ壁1241に設置されてもよく、貫通孔1253は、第3のキャビティ壁1243に設置されてもよい。それに応じて、支持アセンブリ17は、底板171と、底板171に接続された第1の側板172と、を含んでもよく、例えば、L形構造を呈する。底板171の一側主表面は、第1のキャビティ壁1241に対向して設置され、電極端子151を支持してもよく、第1の側板172の一側主表面は、第3のキャビティ壁1243に対向して設置され、マイク152を支持してもよい。このように、電極端子151及びマイク152が所定の位置に組み立てられた後、支持アセンブリ17は、上記挿入方向に沿って収容キャビティ124内に挿入され、所定の位置に挿入された後、底板171及び第1の側板172を介して電極端子151とマイク152をそれぞれ支持することができる。
【0097】
さらに、マイク152の第1のキャビティ壁1241への正投影は、少なくとも一部の電極端子151を被覆することができ、例えば、マイク152は、充電正極端子1511の一部を被覆することにより、各部分の構造をよりコンパクトにすることに有利である。
【0098】
いくつかの実施形態において、少なくとも一部の底板171及び収容キャビティ124の、上記挿入方向と垂直であり、かつ底板171の一側主表面と平行である第1の基準方向RD1における寸法は、上記挿入方向に沿って徐々に小さくなるように設置されてもよく、すなわち、底板171の上記挿入方向における前端及び後端のうちの1つ又は前端と後端との間の部分は、上記挿入方向に沿って第1の基準方向RD1における寸法を不変に維持するように設置されてもよい。第1の側板172及び収容キャビティ124の、上記挿入方向と垂直であり、かつ第1の側板172の一側主表面と平行である第2の基準方向RD2における寸法は、上記挿入方向に沿って不変に維持するように設置されてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、少なくとも一部の第1の側板172及び収容キャビティ124の、上記挿入方向と垂直であり、かつ第1の側板172の一側主表面と平行である第2の基準方向RD2における寸法は、上記挿入方向に沿って徐々に小さくなるように設置されてもよく、すなわち、第1の側板172の上記挿入方向における前端及び後端のうちの1つ又は前端と後端との間の部分は、上記挿入方向に沿って第2の基準方向RD2の寸法を不変に維持するように設置されてもよい。底板171及び収容キャビティ124の、上記挿入方向と垂直であり、かつ底板171の一側主表面と平行である第1の基準方向RD1における寸法は、上記挿入方向に沿って不変を維持するように設置されてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、少なくとも一部の第1の側板172及び収容キャビティ124の、上記挿入方向と垂直であり、かつ第1の側板172の一側主表面と平行である第2の基準方向RD2における寸法は、上記挿入方向に沿って徐々に小さくなるように設置されてもよく、少なくとも一部の第1の側板172及び収容キャビティ124の、上記挿入方向と垂直であり、かつ第1の側板172の一側主表面と平行である第2の基準方向RD2における寸法は、上記挿入方向に沿って徐々に小さくなるように設置されてもよい。
【0101】
なお、支持アセンブリ17について、底板171の第1の基準方向RD1における寸法は、底板171の幅と簡単に見なすことができ、第1の側板172の第2の基準方向RD2における寸法は、第1の側板172の高さと簡単に見なすことができる。
【0102】
例示的には、図16図18に示すように、支持アセンブリ17は、底板171に接続された第2の側板173を含んでもよく、第2の側板173及び第1の側板172は、互いに並んで底板171の同一側に間隔をあけて設置され、第2の側板173は、第2のキャビティ壁1242に当接し、電極端子151に向かう支持力を底板171に提供し、このように、支持アセンブリ17の電極端子151に対する支持効果の向上に有利である。電極端子151が上記挿入方向に垂直な方向に沿って互いに間隔をあけて設置された充電正極端子1511及び充電負極端子1512を含む実施形態において、電極端子151の各部分が力を均一に受けるように、第2の側板173は、充電正極端子1511と充電負極端子1512との間に位置してもよく、このように、支持アセンブリ17の電極端子151に対する支持効果のさらなる改善に有利である。
【0103】
例示的には、図16図18に示すように、収容キャビティ124のキャビティ壁は、第1のキャビティ壁1241及び第2のキャビティ壁1242を接続し、かつ第3のキャビティ壁1243に対向する第4のキャビティ壁1244を含んでもよい。第1のキャビティ壁1241と第2のキャビティ壁1242は、互いに平行な平面構造として概ね設置されてもよく、第3のキャビティ壁1243と第4のキャビティ壁1244とは、アダプタハウジング122の体積が限られている場合、収容キャビティ124の体積をできるだけ拡大するように、互いに外側に広がる弧面構造として概ね設置されてもよい。それに応じて、支持アセンブリ17は、底板171に接続された第3の側板174を含んでもよく、第1の側板172及び第3の側板174は、上記挿入方向に垂直な方向において、それぞれ底板171の両側縁部に位置し、第2の側板173は、第1の側板172と第3の側板174との間に位置する。第3の側板174は、第4のキャビティ壁1244に当接して、マイク152に向かう支持力を第1の側板172に与え、このように、支持アセンブリ17のマイク152に対する支持効果の向上に有利である。
【0104】
さらに、底板171について、第2の側板173が第2のキャビティ壁1242に当接し、第3の側板174が第4のキャビティ壁1244に当接するように、第2の側板173の高さは、それぞれ第1の側板172の高さと第3の側板174の高さよりも大きくてもよい。第2の側板173及び第3の側板174は、電極端子151及びマイク152のいずれにも直接的に接触しないため、支持アセンブリ17が収容キャビティ124に挿入される過程においてガイドすることができる。それに応じて、第2の側板173の高さが相対的に最も高いため、支持アセンブリ17は、第2の側板173及び底板171を接続する補強リブ175を含んでもよい。補強リブ175は、第2の側板173の第1の側板172及び第3の側板174に向かう対向する両側に設置されてもよい。
【0105】
例示的には、図15図17及び図9に示すように、フック状構造12は、弾性ワイヤ121、アダプタハウジング122、電池ハウジング123及び導線129を含んでもよく、弾性ワイヤ121及び導線129の両端は、それぞれアダプタハウジング122と電池ハウジング123に接続されてもよく、それにより導線129は、弾性ワイヤ121に沿って延在し、アダプタハウジング122及び電池ハウジング123内に配線される。もちろん、導線129は、弾性ワイヤ121がアダプタハウジング122及び電池ハウジング123に接続された後、所定の配線通路内に配線されてもよい。電池14は、電池ハウジング123内に設置され、導線129を介して可撓性回路基板16に接続されてもよく、それにより電池14も可撓性回路基板16を介して主制御回路基板13に接続され、このように、イヤホン10の配線構造を簡略化し、生産コストを低減することに有利である。言い換えれば、フック状構造体12における電極端子151、マイク152、電池14などの部品は、可撓性回路基板16を介して主制御回路基板13に接続されてもよい。
【0106】
さらに、可撓性被覆層128は、導線129が露出するように、少なくとも弾性ワイヤ121、導線129の露出部分及び電池123の少なくとも一部をさらに被覆することができ、このように、イヤホン10の外観品質の向上に有利である。
【0107】
なお、アダプタハウジング122は、コアハウジング111の一部の構造としてもよく、例えば、アダプタハウジング122は、内部コアハウジング1111と一体成形され、また例えば、アダプタハウジング122は、一部が内部コアハウジング1111と一体成形され、残りの他の一部が外部コアハウジング1112と一体成形される。フック状構造12のアダプタハウジング122以外の他の部分、例えば、弾性ワイヤ121の電池ハウジング123から離れた一端、また例えば、電池ハウジング123は、アダプタハウジング122を有するコアモジュール11とアダプタハウジング122において固定接続され、例えば、挿着固定される。それに応じて、電極端子151、マイク152及び磁石127などの構造部材もそれに伴って位置調整を行い、ここでは説明を省略する。
【0108】
上記関連説明に基づいて、本願は、ハウジングアセンブリを提供し、ハウジングアセンブリは、プラスチックハウジングと、金属機能パターンと、シリコンゴム被覆層と、を含んでもよく、金属機能パターンは、プラスチックハウジングの外側に設置され、シリコンゴム被覆層は、一体射出成形、接着剤接続などの方式によって、金属機能パターンのプラスチックハウジングから離れた側と、金属機能パターンによって被覆されていないプラスチックハウジングとを被覆することができる。このように、金属機能パターンがプラスチックハウジングのシリコンゴム被覆層から離れた内側に設置されることに比べて、金属機能パターンは、プラスチックハウジングのシリコンゴム被覆層に向かう外側に設置されると、ハウジングアセンブリ内の他の電子部品の干渉から離れ、又はハウジングアセンブリ外の信号トリガ源に近接し、それにより金属機能パターンの耐干渉性及び感度を向上させる。プラスチックハウジングの構造は、コアハウジング111又はその外部コアハウジング1112の構造と同じであるか又は類似してもよく、シリコンゴム被覆層の構造は、可撓性被覆層1132と同じであるか又は類似してもよく、ここでは説明を省略する。
【0109】
いくつかの実施形態において、金属機能パターンは、アンテナパターン1141又はタッチパターン1142として設置されてもよい。アンテナパターン1141がプラスチックハウジングの外側に設置されることは、プラスチックハウジング内の他の電子部品との間隔を増大させることができ、すなわち、アンテナクリアランス領域を増大させ、それによりアンテナパターン1141の耐干渉性を向上させることができ、タッチパターン1142がプラスチックハウジングの外側に設置されることは、外部の信号トリガ源(例えば、ユーザの指)との間隔を短縮することができ、すなわち、タッチ間隔を縮小することにより、タッチパターン1142のユーザによりトリガされた感度を向上させる。
【0110】
いくつかの実施形態において、金属機能パターンは、アンテナパターン1141及びタッチパターン1142を含んでもよく、アンテナパターン1141は、プラスチックハウジングの外側の空間を十分に利用するように、タッチパターン1142の外周を取り囲んでもよい。アンテナパターン1141は、U字形に設置されてもよく、タッチパターン1142は、方形に設置されてもよい。
【0111】
いくつかの実施形態において、シリコンゴム被覆層の厚さは、プラスチックハウジングの厚さよりも小さくてもよく、それによりシリコンゴム被覆層が金属機能パターンを遮蔽、保護するとともに、金属機能パターンの耐干渉性及び感度をさらに向上させ、ハウジングアセンブリの体積を低減する。
【0112】
例示的には、ハウジングアセンブリは、スピーカー112を収容するコアハウジングとすることができる。プラスチックハウジングとシリコンゴム被覆層との間の相対位置関係は、コアハウジング111と可撓性被覆層1132との間の相対位置関係と同じであるか又は類似してもよく、ここでは説明を省略する。
【0113】
さらに、ハウジングアセンブリは、イヤホン10以外に、スマートグラスなどの他の電子機器に適用されてもよい。電子機器は、スピーカー112が設置されたコアモジュールを含んでもよく、主制御回路基板13、並びに主制御回路基板13にそれぞれ結合されたスピーカー112及び電池14を含んでもよく、ハウジングアセンブリは、スピーカー112、主制御回路基板13及び電池14などの電子部品のうちの少なくとも1つを収容してもよく、電子機器におけるスピーカー112を対応する装着位置に位置するように支持してもよい。なお、骨伝導原理に基づくイヤホン、スマートグラスなどの電子機器について、スピーカー112は、骨伝導スピーカーに適応的に調整することができ、骨伝導スピーカーの基本構造は、当業者によく知られており、ここでは説明を省略する。
【0114】
本願は、ハウジングアセンブリを提供し、ハウジングアセンブリは、第1のハウジング、電極端子151、磁石127及び可撓性被覆層128を含んでもよく、電極端子151及び磁石127は、第1のハウジングの同一側に露出し、可撓性被覆層128の硬度は、第1のハウジングの硬度よりも小さく、第1のハウジング及び磁石127を被覆し、それにより磁石127は、露出せず、電極端子151は、露出する。このように、磁石127が第1のハウジング内に設置される場合に比べて、本技術的手段において、磁石127を電極端子151の露出端が向かう外部に近接させることにより、磁石127と、充電ボックスなどの充電装置における磁石127と協働する磁気吸引構造との間の間隔、又は磁石127と協働するホールセンサとの間の間隔を短縮し、このように、充電、検出などの機能の信頼性の向上に有利である。したがって、ハウジングアセンブリは、イヤホン10やスマートグラスなどの受電装置に適用されてもよく、充電ボックスなどの充電装置に適用されてもよい。言い換えれば、電子機器は、受電装置であってもよく、充電装置であってもよい。説明の便宜上、第1のハウジングは、アダプタハウジング122であってもよい。
【0115】
いくつかの実施形態において、第1のハウジングには、貫通孔1251及び止まり孔1252が設置されてもよく、電極端子151は、少なくとも一部が貫通孔1251内に設置されてもよく、磁石127は、少なくとも一部が止まり孔1252内に設置され、止まり孔1252の開口端を介して露出してもよい。このように、第1のハウジングの磁石127が位置する領域における厚さを低減することに有利であるだけでなく、第1のハウジングの磁石127が位置する領域における外観品質の向上に有利である。もちろん、止まり孔1252は、貫通孔として設置されてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態において、第1のハウジングの外側には、ボス126が設置されてもよく、ボス126は、磁石127に隣接して設置され、磁石127の周囲の第1のハウジングから突出し、貫通孔1251は、さらにボス126を貫通して、複数の電極端子151をそれぞれボス126に露出させる。このように、ボス126によって、第1のハウジングが一定の弧度を有するため、平坦ではない部分が平坦になり、電極端子151の設置を容易にする。ボス126は、長尺状に設置されてもよく、構造が簡単で、信頼性が高い。
【0117】
いくつかの実施形態において、ハウジングアセンブリは、可撓性回路基板16を含んでもよく、電極端子151の配線を簡略化するために、電極端子151は、可撓性回路基板16に接続される。第1のハウジングには、収容キャビティ124が形成されてもよく、少なくとも一部の可撓性回路基板16は、収容キャビティ124内に設置されてもよく、貫通孔1251が収容キャビティ124と連通し、止まり孔1252が収容キャビティ124と連通しないことにより、第1のハウジングの防水防塵性能を向上させる。
【0118】
いくつかの実施形態において、ハウジングアセンブリは、第2のハウジング、弾性ワイヤ121及び導線129を含んでもよく、弾性ワイヤ121及び導線129の両端は、それぞれ第1のハウジングと第2のハウジングに接続されてもよく、それにより導線129は、弾性ワイヤ121に沿って延在し、第1のハウジング及び第2のハウジング内に配線される。説明の便宜上、第2のハウジングは、電池ハウジング123であってもよい。さらに、第2のハウジング内には、電池14が設置され、電池14は、導線129を介して可撓性回路基板16に接続され、すなわち、電池14と電極端子151は、いずれも可撓性回路基板16に接続され、配線を簡略化する。それに応じて、可撓性被覆層128は、導線129が露出するように、少なくとも弾性ワイヤ121及び導線129をさらに被覆する。
【0119】
いくつかの実施形態において、ハウジングアセンブリは、イヤホン10に用いられ、スピーカー112を収容する第3のハウジングを含んでもよく、第3のハウジングは、第1のハウジングに挿着固定される。説明の便宜上、第3のハウジングは、コアハウジング111であってもよい。
【0120】
本願は、ハウジングアセンブリを提供し、ハウジングアセンブリは、第1のハウジング、電極端子151、マイク152及び支持アセンブリ17を含んでもよい。第1のハウジングには、収容キャビティ124と、収容キャビティ124とそれぞれ連通する貫通孔1251及び貫通孔1253とが設置されてもよく、貫通孔1251及び貫通孔1253は、第1のハウジングの異なる側壁に位置し、電極端子151は、少なくとも一部が貫通孔1251内に設置され、マイク152は、収容キャビティ124内に設置され、貫通孔1253を介してハウジングアセンブリ外の音声をピックアップしてもよい。さらに、支持アセンブリ17は、収容キャビティ124内に設置され、それぞれ、電極端子151とマイク152を貫通孔1251と貫通孔1253に対応する側壁に支持固定することができる。このように、電極端子151及びマイク152と第1のハウジングとの分離を回避することに有利であるだけでなく、電極端子151及びマイク152の防水防塵性能を向上させることに有利であり、構造が簡単で、信頼性が高い。説明の便宜上、第1のハウジングは、アダプタハウジング122であってもよく、コアハウジング111であってもよく、コアハウジング111とアダプタハウジング122とが一体成形されたハウジング構造であってもよい。
【0121】
いくつかの実施形態において、支持アセンブリ17は、第1のハウジングから独立して収容キャビティ124内に挿入されてもよい。
【0122】
いくつかの実施形態において、支持アセンブリ17は、一体成形された構造部材であってもよい。
【0123】
いくつかの実施形態において、ハウジングアセンブリは、イヤホン10に用いられ、スピーカー112を収容する第3のハウジングを含んでもよく、第3のハウジングは、第1のハウジングに挿着固定される。第1のハウジングは、アダプタハウジング122であってもよく、第3のハウジングは、コアハウジング111であってもよい。
【0124】
さらに、ハウジングアセンブリは、イヤホン10以外に、スマートグラスなどの他の電子機器に適用されてもよい。電子機器は、主制御回路基板13、主制御回路基板13にそれぞれ結合されたスピーカー112及び電池14を含んでもよく、ハウジングアセンブリは、スピーカー112、主制御回路基板13及び電池14などの電子部品のうちの少なくとも1つを収容してもよく、電子機器におけるスピーカー112を対応する装着位置に位置するように支持してもよい。なお、骨伝導原理に基づくイヤホン、スマートグラスなどの電子機器について、スピーカー112は、骨伝導スピーカーに適応的に調整することができ、骨伝導スピーカーの基本構造は、当業者によく知られており、ここでは説明を省略する。
【0125】
例示的には、図19及び図20に示すように、イヤホン10は、コアモジュール11と、コアモジュール11に接続されたフック状構造12と、を含んでもよい。フック状構造12は、湾曲又はフック状に折り曲げられた構造であってもよく、コアモジュール11の延在方向と平行でない棒状構造であってもよく、棒状構造は、コアモジュール11と協働して「フック状」の作用、すなわち、イヤホンを人の耳に装着する作用を果たすことができる。それに応じて、充電ボックス20は、下部ハウジングアセンブリ21を含み、下部ハウジングアセンブリ21には、それぞれイヤホン10を収容する2つの倣い溝211が設置されてもよく、各倣い溝211は、コアモジュール11に対応する第1の倣い溝領域2111と、フック状構造12に対応する第2の倣い溝領域2112と、を含んでもよく、2つの倣い溝211の第2の倣い溝領域2112は、互いに交差して設置される。このように、2つの倣い溝211にそれぞれイヤホン10が収容される場合、2つのイヤホン10のフック状構造12は、互いに重なり、例えば、上下に重ねられ、このように、充電ボックス20の体積を縮小し、より小型にし、ユーザが携帯しやすくなる。なお、互いに重なることは、互いに少なくとも重なり領域が存在することであり、部分的な重なり及び完全な重なりを含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、図19に示すように、第1の倣い溝領域2111と第2の倣い溝領域2112との第1の基準方向への投影は、重なる。また、第1の倣い溝領域2111と第2の倣い溝領域2112との第2の基準方向への投影は、重なる。第1の基準方向は、第2の基準方向と垂直である。このように、イヤホン10を対応する倣い溝211に入れるとき、第2の倣い溝領域2112が占有した充電ボックス20の第1の基準方向への投影長さと第1の倣い溝領域2111が占有した充電ボックス20の第1の基準方向への投影長さは、重なり、第2の倣い溝領域2112が占有した充電ボックス20の第2の基準方向への投影長さと第1の倣い溝領域2111が占有した充電ボックス20の第2の基準方向への投影長さは、重なることができ、それにより充電ボックス20の体積を縮小し、ユーザが携帯しやすくなる。充電ボックス20の体積の縮小量は、上記第1の基準方向への投影長さと、第2の基準方向への投影の重なり程度とに関係する。言い換えれば、イヤホン10が倣い溝211に入れられたとき、イヤホン10のコアモジュール11とフック状構造12との第1の基準方向への投影が重なり、コアモジュール11とフック状構造12との第2の基準方向への投影が重なる。なお、上記第1の基準方向及び第2の基準方向は、充電ボックス20の厚さ方向と垂直である互いに直交する両方向である。本願において、第1の基準方向は、複数の異なる実施形態を有し、以下、第1の基準方向の異なる実施形態について例示的に説明する。以下の第1の基準方向の実施形態は、少なくとも以下の実施形態のうちの少なくとも1つであり、説明を省略する。
【0127】
1)いくつかの実施例において、設置された2つの倣い溝211が下部ハウジングアセンブリ21に間隔をあけて設置される場合、第1の基準方向は、2つの倣い溝211の配列方向(すなわち、2つの倣い溝211の幾何学的中心を結ぶ線)又は配列方向に垂直な方向であってもよい。
【0128】
2)いくつかの実施例において、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して回転することによって充電ボックス20の開閉を実現する場合、第1の基準方向は、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して回転する軸線に垂直又は平行な方向であってもよい。
【0129】
3)いくつかの実施例において、設置された2つの倣い溝211が軸対称に設置される場合、第1の基準方向は、2つの倣い溝211の対称軸に垂直又は平行な方向であってもよい。
【0130】
好ましくは、第1の基準方向は、2つの倣い溝211の同じ特徴点を結ぶ線の方向又はそれを結ぶ線の方向に垂直な方向であってもよい。
【0131】
なお、充電ボックス20の厚さ方向及び倣い溝211の深さ方向が存在し、図24に示すように、本願の充電ボックス20の厚さ方向及び倣い溝211の深さ方向は、充電ボックス20を水平な台面に安定的に置いた後、充電ボックス20と水平な台面との接触平面に垂直な方向であってもよく、以下の実施形態における充電ボックス20の厚さ方向及び倣い溝211の深さ方向は、同様であるため、説明を省略する。なお、実際の生産製造過程において、プロセスにより、垂直には、誤差が存在する。言い換えれば、実際の製品において、本願の2つの対象が互いに垂直であることは、2つの対象の垂直度が許容される公差範囲内にあることであり、垂直度は、位置公差であり、具体的な公差範囲は、関連する国家基準を参照して決定することができ、対称度は、同様であり、説明を省略する。一方、本願の投影の重なりは、投影が完全に重なる状況と投影が部分的に重なる状況の両方を含む。
【0132】
いくつかの実施形態において、図19に示すように、第1の倣い溝領域2111と第2の倣い溝領域2112の第1の部分2112aとの第1の基準方向への投影は、重なる。このように、イヤホン10が倣い溝211に入れられたとき、第2の倣い溝領域2112の第1の部分2112aが占有した充電ボックス20の寸法と第1の倣い溝領域2111が占有した充電ボックス20の寸法は、重なることができる。言い換えれば、充電ボックス20は、第2の基準方向において、第2の倣い溝領域2112の第1の部分2112a及び第1の倣い溝領域2111を第1の寸法で同時に収容することができ、前述の第1の寸法は、第2の倣い溝領域2112の第1の部分2112aの第2の基準方向における寸法と第1の倣い溝領域2111の第2の基準方向における寸法との和よりも小さく、それにより充電ボックス20は、イヤホン10を収容することを保証した上で、充電ボックス20の第2の基準方向における寸法を縮小することができ、ユーザが携帯しやすくなる。
【0133】
いくつかの実施形態において、第1の基準方向に垂直な第2の基準方向において、第2の倣い溝領域2112の第2の部分2112bと第1の倣い溝領域2111との投影は、重なる。このように、イヤホン10が倣い溝211に入れられたとき、第2の倣い溝領域2112の第2の部分2112bが占有した充電ボックス20の寸法と第1の倣い溝領域2111が占有した充電ボックス20の寸法は、重なることができる。言い換えれば、充電ボックス20は、第1の基準方向において、第2の倣い溝領域2112の第2の部分2112b及び第1の倣い溝領域2111を第2の寸法で同時に収容することができ、前述の第2の寸法は、第2の倣い溝領域2112の第2の部分2112bの第1の基準方向における寸法と第1の倣い溝領域2111の第1の基準方向における寸法との和よりも小さく、それにより充電ボックス20は、イヤホン10を収容することを保証した上で、充電ボックス20の第1の基準方向における寸法を縮小することができ、ユーザが携帯しやすくなる。
【0134】
いくつかの実施形態において、第1の倣い溝領域2111と第2の倣い溝領域2112の第1の部分2112aとの第1の基準方向への投影は、重なる。また、第1の倣い溝領域2111と第2の倣い溝領域2112の第2の部分2112bとの第2の基準方向への投影は、重なる。このように、充電ボックス20は、第1の倣い溝領域2111と第2の倣い溝領域2112との第1の基準方向及び第2の基準方向への投影の重なり割合を調整することにより、充電ボックス20が第1の基準方向及び第2の基準方向において占有した寸法をより合理的にし、充電ボックス20の形状を比較的正方形にすることができ、より美しいだけでなく、ユーザが充電ボックス20をポケット又はバックパックに容易に収容することができる。
【0135】
具体的には、場合によっては、第2の倣い溝領域2112の第1の部分2112aは、フック状構造12における電池ハウジング123に対応し、第2の倣い溝領域2112の第2の部分2112bは、フック状構造12の弾性部に対応する。第1の倣い溝領域2111と第2の倣い溝領域2112の第1の部分2112aとの第1の基準方向への投影は、重なり、すなわち、イヤホン10が倣い溝211に入れられたとき、電池ハウジング123とコアモジュール11との第1の基準方向への投影は、重なる。第2の倣い溝領域2112の第2の部分2112bと第1の倣い溝領域2111との投影は、重なり、すなわち、イヤホン10が倣い溝211に入れられたとき、弾性部とコアモジュール11との第2の基準方向への投影は、重なる。
【0136】
さらに、第2の基準方向において、第2の倣い溝領域2112の第2の部分2112bは、第1の倣い溝領域2111の、第1の倣い溝領域2111に隣接する下部ハウジングアセンブリ21の縁部から離れた側に位置する。言い換えれば、2つの倣い溝211の第2の倣い溝領域2112は、互いに近接して設置されている。このように、2つのイヤホン10が収容される場合、2つのイヤホン10におけるフック状構造12は、コアモジュール11の厚さよりも小さい部分が、近接して設置することができる。また、2つの倣い溝211の第2の倣い溝領域2112は、互いに交差して設置されて、2つの倣い溝211がそれぞれイヤホン10を収容するとき、2つのイヤホン10のフック状構造12は、互いに重なる。また、イヤホン10のフック状構造12がコアモジュール11よりも細いため、2つのフック状構造12が互いに近接して重なった後、充電ボックス20の空間の利用率をさらに向上させることができ、充電ボックス20の体積の縮小に有利である。
【0137】
いくつかの実施形態において、図20に示すように、フック状構造12は、電池ハウジング123と、電池ハウジング123及びコアモジュール11を接続する弾性部と、を含み、2つの第2の倣い溝領域2112は、2つのイヤホン10を収容するとき、イヤホン10の弾性部が互いに重なるように設置される。弾性部は、電池ハウジング123よりも細く、2つのイヤホン10の弾性部が重なることにより、フック状構造12の充電ボックス20の厚さ方向における空間の占有を減少させることができ、充電ボックス20の体積の縮小に有利である。2つの弾性部は、複数の重なり方を有し、例えば、2つの弾性部の互いに近接する縁部が重なり、重なり領域が形成されてもよい。又は、弾性部が弧状に設置され、2つの弾性部が互いに重なり、2つの弾性部が一定の体積を有するため、連通しない2つの重なり領域が形成され、2つの重なり領域の幾何学的中心に2つの重なり点が形成される。好ましくは、2つの倣い溝211は、2つの重なり点を結ぶ線を対称軸として鏡像対称であり、2つの重なり点を結ぶ線の方向は、第1の基準方向又は第2の基準方向と平行である。
【0138】
他のいくつかの実施形態において、2つの倣い溝211の第2の倣い溝領域2112は、互いに独立して設置される。このように、2つのイヤホン10を相対的に独立して充電ボックス20に収容することができ、2つのイヤホン10の取り出しは、互いに影響を受けず、ユーザが単独で取り出しやすい。
【0139】
さらに、充電ボックス20は、下部ハウジングアセンブリ21内に設置された主制御回路基板221と、主制御回路基板221に設置された電極端子222と、を含んでもよい。電極端子222は、ニーズに応じて複数組、例えば、2組設置されてもよい。それに応じて、いずれかのイヤホン10を充電ボックス20に入れるとき、イヤホン10における電極端子151は、充電、検出などの機能のニーズを満たすように、充電ボックス20における電極端子222に1対1で接触することができる。それに応じて、電極端子222は、正極給電端子及び負極給電端子を含んでもよく、検出端子をさらに含んでもよく、これらの2つずつを結ぶ線は、三角形、例えば、正三角形を構成してもよく、直線に沿って間隔をあけて配列され、例えば、互いに間隔をあけて共線であってもよい。
【0140】
一実施例において、図7及び図24に示すように、充電ボックス20における電極端子は、第1の電極端子(すなわち、電極端子222)であり、イヤホン10における電極端子は、第2の電極端子(すなわち、電極端子151)である。第1の電極端子が倣い溝211から露出し、イヤホン10が倣い溝211に収容されているとき、第2の電極端子が第1の電極端子に接続される。
【0141】
具体的には、いくつかの実施形態において、第1の電極端子は、第1の倣い溝領域2111に設置され、第2の電極端子は、コアモジュール11に設置されてもよい。コアモジュール11は、フック状構造12に比べて硬質構造であり、剛性が相対的に大きいため、このように、第1の電極端子と第2の電極端子との接続に相対的に平滑で安定した接触面を提供し、第1の電極端子と第2の電極端子との接続の安定度を向上させることができる。いくつかの実施形態において、コアモジュール11には、磁性部材(例えば、上記実施形態における第1の磁気吸引部材)があってもよく、充電ボックス20には、コアモジュール11における磁性部材と係合する磁気吸引構造があってもよく、第1の電極端子と第2の電極端子との接続は、コアモジュール11の磁性部材と充電ボックス20における磁気吸引構造との磁気吸引係合でより安定することができる。
【0142】
いくつかの実施形態において、フック状構造12は、弾性部と、コアモジュール11及び弾性部を接続する硬質部と、を含んでもよい。弾性部は、少なくとも前述の弾性ワイヤ121で構成され、弾性変形を発生させてもよい。硬質部は、アダプタハウジング122とその中の電極端子151及び磁石127などであってもよい。第1の電極端子は、第2の倣い溝領域2112から露出し、第2の電極端子は、硬質部の内側面(イヤホン10が倣い溝211に収容されているときの硬質部の倣い溝211に向かう側面、図7におけるMSを参照)に設置される。このように、第2の電極端子とその関連する機械的構造及び回路構造をいずれもフック状構造12に設置し、コアモジュール11の構造を簡略化する。硬質部は、弾性部よりも高い剛性を有し、第2の電極端子を硬質部に設置することにより、イヤホン10が充電ボックス20に収容されているときの第2の電極端子と第1の電極端子との接続の成功率及び安定性を向上させることができる。
【0143】
さらに、コアモジュール11の内側面(図7におけるISを参照)と硬質部の内側面(図7におけるMSを参照)とは、互いに傾斜し、コアモジュール11の内側面と硬質部の内側面とが互いに傾斜するように設置することにより、イヤホン10と人の耳とのフィットを容易にすることができる。具体的には、このように、コアモジュール11が耳甲介腔内に挿入されるとともに、硬質部は、耳珠を迂回して耳部の後側に位置する弾性部に接続することができ、それによりイヤホン10と耳部との干渉を減少させ、イヤホン10の装着快適性を向上させる。いくつかの実施形態において、充電ボックス20の倣い溝211は、イヤホン10とのフィット性を向上させるように、コアモジュール11を収容する第1の倣い溝領域2111と、第2の倣い溝領域2112における硬質部を収容する領域とが互いに傾斜するように設置されてもよい。充電ボックス20の厚さ方向から見て、コアモジュール11を収容する第1の倣い溝領域2111と、第2の倣い溝領域2112における硬質部を収容する領域とが互いに平行である場合に比べて、倣い溝211を、コアモジュール11を収容する第1の倣い溝領域2111と、第2の倣い溝領域2112における硬質部を収容する領域とが互いに傾斜するように設置することにより、充電ボックス20の厚さ方向への投影の寸法を低減し、携帯しやすくすることができる。コアモジュール11を収容する第1の倣い溝領域2111と、第2の倣い溝領域2112における硬質部を収容する領域とが互いに垂直である場合に比べて、倣い溝211を、コアモジュール11を収容する第1の倣い溝領域2111と、第2の倣い溝領域2112における硬質部を収容する領域とが互いに傾斜するように設置することにより、イヤホン10を充電ボックス20に収容するとき、充電ボックス20の厚さ方向に必要な寸法を低減するとともに、ユーザがイヤホン10を収容するときの操作感を向上させることができる。要するに、倣い溝211を、コアモジュール11を収容する第1の倣い溝領域2111と、第2の倣い溝領域2112における硬質部を収容する領域とが互いに傾斜するように設置することにより、充電ボックス20をイヤホン10にフィットさせることができる。さらに、充電ボックス20の厚さ寸法、長さ寸法及び幅寸法がいずれも最適化され、これにより、充電ボックス20は、ユーザが携帯しやすくなり、充電ボックス20のヒューマンマシンエンジニアリングのニーズを満たすことができる。
【0144】
いくつかの実施形態において、例示的には、図24に示すように、第1の電極端子の延在方向は、充電ボックス20の厚さ方向に対して傾斜して設置される(図24におけるβ角を参照)。このように、第1の電極端子が充電ボックス20の厚さ方向において占有した空間を減少させることができ、充電ボックス20の体積の縮小に有利である一方、イヤホン10が倣い溝211に収容されているとき、第1の電極端子の延在方向は、第2の電極端子の延在方向と一致することができ、それにより第1の電極端子と第2の電極端子との接続の成功率を向上させる。好ましくは、上記β角は、10度~45度であり、例えば、30度~40度であってもよく、また例えば、15度~25度であってもよく、好ましくは、20度であってもよい。
【0145】
いくつかの実施形態において、コアモジュール11の内側面ISの法線方向と第2の電極端子の延在方向とが互いに傾斜して設置されることにより、第1の電極端子と第2の電極端子との接続を容易にし、接続成功率を向上させることができる。
【0146】
具体的には、イヤホン10が倣い溝211に入れられるとき、第1の電極端子の延在方向が充電ボックス20の厚さ方向に対して傾斜して設置されることにより、第1の電極端子と第2の電極端子との間の接触面積がイヤホン10の入れにつれて徐々に増加し、それにより第1の電極端子と第2の電極端子との間の接触面積の変化が瞬間的な変化ではない。このように、第1の電極端子と第2の電極端子との接続の成功率の向上及び第1の電極端子と第2の電極端子との接続後の安定性の向上に有利である。
【0147】
いくつかの実施形態において、第1の倣い溝領域2111の深さは、第1の電極端子から離れた方向に徐々に増大し、イヤホン10が倣い溝211に入れられたとき、コアモジュール11は、第1の倣い溝領域2111の深さ変化領域にフィットすることができ、それによりコアモジュール11に対してガイド及び位置決めの作用を果たし、コアモジュール11が第1の倣い溝領域2111に入れられやすくなる。
【0148】
いくつかの実施形態において、第1の電極端子は、第2の倣い溝領域2112における第1の倣い溝領域2111に近接する一端から露出し、第2の倣い溝領域2112における硬質部を収容する領域の深さは、第1の倣い溝領域2111から離れた方向において徐々に増大する。このように、第1の倣い溝領域2111及び第2の倣い溝領域2112における硬質部を収容する領域は、充電ボックス20の厚さ方向において、イヤホン10の硬質部及びコアモジュール11に合う、一定の角度を有するテーパ構造を形成することができ、それによりガイドの作用を果たし、イヤホン10が充電ボックス20に入れられるときに倣い溝211にフィットしやすくなる。イヤホン10が倣い溝211に収容されているとき、テーパ構造は、イヤホン10に対して位置制限作用を果たすこともでき、イヤホン10の倣い溝211に対する移動を限定し、イヤホン10が充電ボックス20に収容されているときの安定性を向上させる。
【0149】
いくつかの実施形態において、第2の倣い溝領域2112の底部には、第1の支持プラットフォーム2113が設置され、第1の電極端子は、第1の支持プラットフォーム2113に設置され、イヤホン10には、第2の支持プラットフォーム176が設置され、第2の電極端子は、第2の支持プラットフォーム176に設置される。例示的には、図7に示すように、第2の支持プラットフォーム176は、イヤホン10の硬質部に設置されてもよい。第2の支持プラットフォーム176は、コアモジュール11又はフック状構造12の他の位置に設置されてもよく、具体的に限定されない。イヤホン10が倣い溝211に収容されているとき、第2の支持プラットフォーム176は、第1の支持プラットフォーム2113に当接係合する。第1の支持プラットフォーム2113及び第2の支持プラットフォーム176を設置することによって、イヤホン10の第2の電極端子における構造強度及び倣い溝211の第1の電極端子における構造強度を向上させて、第1の電極端子と第2の電極端子との接続の安定性を向上させることができる。同時に、第1の電極端子と第2の電極端子とが接続される場合、第1の支持プラットフォーム2113及び第2の支持プラットフォーム176は、多くの摩耗を負担することができ、それによりイヤホン10の繰り返しの取り出し過程において、第1の電極端子、第2の電極端子及び他の部分の摩耗を軽減し、イヤホン10及び充電ボックス20の耐用年数の向上に有利である。
【0150】
好ましくは、第1の支持プラットフォーム2113と第2の支持プラットフォーム176との接触面は、平面である。いくつかの実施形態において、接触面の法線方向は、充電ボックス20の厚さ方向に対して傾斜して設置されてもよい。このように、第1の支持プラットフォーム2113と第2の支持プラットフォーム176とが当接係合したとき、第1の電極端子と第2の電極端子は、よりスムーズに接続することができる。また、このように、第1の支持プラットフォーム2113と第2の支持プラットフォーム176との間の接触面積をイヤホン10の入れにつれて徐々に増加させることができ、それにより第1の支持プラットフォーム2113と第2の支持プラットフォーム176との間の接触面積の変化が瞬間的な変化ではなく、第1の支持プラットフォーム2113と第2の支持プラットフォーム176との当接係合の安定性の向上及び第1の電極端子と第2の電極端子との接続の成功率の向上に有利である。好ましくは、第1の支持プラットフォーム2113と第2の支持プラットフォーム176とが当接係合するように、第1の支持プラットフォーム2113と第2の支持プラットフォーム176との接触面は、第2の倣い溝領域2112の底壁と互いに傾斜して設置されてもよく、第1の支持プラットフォーム2113と第2の支持プラットフォーム176は、階段構造を形成してもよい。
【0151】
他のいくつかの実施形態において、第1の支持プラットフォーム2113と第2の支持プラットフォーム176との接触面の法線方向は、第1の電極端子の延在方向と平行である。このように、第1の電極端子と第2の電極端子との接触面は、第1の支持プラットフォーム2113と第2の支持プラットフォーム176との接触面と平行であり、イヤホン10が徐々に倣い溝211に入れられている過程において、第1の電極端子と第2の電極端子との接続がスムーズであり、2つの支持プラットフォームの係合過程における抵抗感を低減する。
【0152】
他のいくつかの実施形態において、第1の支持プラットフォーム2113と第2の支持プラットフォーム176との接触面の法線方向は、第1の電極端子の延在方向に対して傾斜して設置される。このように、第1の電極端子と第2の電極端子との接触面は、第1の支持プラットフォーム2113と第2の支持プラットフォーム176との接触面に対して階段状の構造を形成してもよく、それにより第1の電極端子と第2の電極端子との係合過程において、位置決め及び位置制限の作用を果たし、第1の電極端子と第2の電極端子との接続の安定性の向上に有利である。
【0153】
例示的には、図20及び図9に示すように、フック状構造12は、コアモジュール11及び電池ハウジング123を接続する弾性部を含んでもよく、弾性部は、弾性ワイヤ121がアダプタハウジング122及び電池ハウジング123から露出する部分であってもよい。2つの第2の倣い溝領域2112は、2つのイヤホン10の弾性部が互いに重なるように設置されてもよい。このように、2つのイヤホン10のうちの1つが先に倣い溝211に入れられた後、もう1つも倣い溝211に入れられてもよく、かつ先に入れられたイヤホン10がある程度変形してもよく、それにより後に入れられたイヤホン10を下部ハウジングアセンブリ21内によりよく入れることができる。
【0154】
さらに、充電ボックス20の真上から見て、例えば、まず充電ボックス20を卓上に置いてから平面視して、フック状構造12の弾性部は、弧状に設置されてもよく、2つのイヤホン10の弾性部が互いに重なるときに2つの重なり点(例えば、図20におけるOP1及びOP2に示す)が形成され、2つの倣い溝211は、2つの重なり点を結ぶ線(すなわち、線分OP1OP2)を対称軸として鏡像対称であってもよく、それにより2つの倣い溝211の分布がより合理的になり、充電ボックス20の外観品質の向上に有利である。
【0155】
いくつかの実施形態において、2つの第2の倣い溝領域2112の2つの重なり点の間に位置する領域は、下部ハウジングアセンブリ21の一部を保留することができ、すなわち、2つの第2の倣い溝領域2112は、それらの合流箇所でアイランドを形成し、このように、いずれかのイヤホン10が倣い溝211に入れられた後の自由度を限定することに有利である。言い換えれば、2つの第2の倣い溝領域2112のフック状構造12に囲まれ、かつ2つの重なり点の間に位置する領域には、上記アイランドが形成される。
【0156】
一実施形態において、2つのイヤホン10は、それぞれユーザの左耳及び右耳に装着されており、2つのイヤホン10のコアモジュール11は、それぞれ第1の基準方向の両側に位置する。上記方式で設置することにより、第1の基準方向から見て、すなわち、ユーザが充電ボックス20を正面に開いたときの方向において、左耳に装着されるイヤホン10は、ユーザに対して左側に収容され、右耳に装着されるイヤホン10は、ユーザに対して右側に収容され、それによりユーザは、充電ボックス20からイヤホン10を取り出し、イヤホン10を充電ボックス20に収容しやすい。好ましくは、2つの倣い溝211は、2つの重なり点を結ぶ線を対称軸として鏡像対称である。2つの重なり点を結ぶ線の方向は、第1の基準方向と平行である。
【0157】
いくつかの実施形態において、2つの第2の倣い溝領域2112のフック状構造12に囲まれ、かつ2つの重なり点の間に位置する領域は、互いに一体に統合され、すなわち、上記アイランドが存在しないため、2つの第2の倣い溝領域2112がそれらの合流箇所で一体となり、このように、イヤホン10を対応する倣い溝211内に容易に入れることに有利である。
【0158】
例示的には、図20及び図9に示すように、フック状構造12は、弾性部とコアモジュール11との間に位置する硬質部を含んでもよく、硬質部は、コアモジュール11及び弾性部を接続し、アダプタハウジング122とその中の電極端子151及び磁石127などであってもよい。それに応じて、下部ハウジングアセンブリ21は、位置制限構造212を含んでもよく、位置制限構造212は、倣い溝211内に設置されてもよく、又は倣い溝211に近接して設置されてもよい。いずれかのイヤホン10が倣い溝211に入れられた後、位置制限構造212は、イヤホン10と下部ハウジングアセンブリ21との間の相対位置を維持するように、イヤホン10の硬質部に対して倣い溝211の底部に向かう押圧力を与えることができ、同一のイヤホン10の少なくとも一部の弾性部は、位置制限構造212の硬質部に対する作用点に対して、片持ち構造を構成し、すなわち、いずれかのイヤホン10の少なくとも一部の弾性部は、倣い溝211(特に、第2の倣い溝領域2112)の底部に接触しなくてもよい。このように、2つのイヤホン10のうちの1つが先に倣い溝211に入れられた後、もう1つのイヤホン10が倣い溝211に入れられるとき、先に入れられたイヤホン10の弾性部がある程度変形しやすくなり、それにより後に入れられたイヤホン10を下部ハウジングアセンブリ21内によりよく入れることができる。
【0159】
いくつかの実施形態において、位置制限構造212は、いずれかのイヤホン10を倣い溝211に入れ、倣い溝211から取り出す過程においてイヤホン10の硬質部と干渉する突起であってもよい。前述の突起は、倣い溝211に近接して設置されてもよい。
【0160】
例示的には、上記突起の数は、2つであってもよく、2つの突起は、倣い溝211の対向する両側に位置し、いずれかのイヤホン10を倣い溝211に入れる過程において、イヤホン10の硬質部は、ユーザにより印加された押圧力によって2つの突起の間に係止される。
【0161】
さらに、充電ボックス20は、下部ハウジングアセンブリ21内に設置された第1の磁気吸引構造231及び第2の磁気吸引構造232を含んでもよく、電極端子222は、第1の磁気吸引構造231と第2の磁気吸引構造232との間に位置してもよい。いずれかのイヤホン10が倣い溝211に入れられた後、第1の磁気吸引構造231は、イヤホン10内の第1の磁気吸引部材と第1の磁気吸引マッチングペアを形成することができ、第2の磁気吸引構造232は、イヤホン10内の第2の磁気吸引部材と第2の磁気吸引マッチングペアを形成することができ、前述の第1の磁気吸引マッチングペアと前述の第2の磁気吸引マッチングペアにより、電極端子222と電極端子151とが1対1で接触する。このように、電極端子222と電極端子151とがペアリングされた後、第1の磁気吸引マッチングペアと第2の磁気吸引マッチングペアとの間に位置するため、イヤホン10と充電ボックス20との接触がよりよくなる。なお、位置制限構造212によって、イヤホン10と充電ボックス20との間の接触をさらに保証することができる。
【0162】
いくつかの実施形態において、位置制限構造212は、倣い溝211と連通する位置制限溝であってもよく、フック状構造12は、いずれかのイヤホン10が倣い溝211に入れられた後、さらに位置制限溝内に移動し、すなわち、イヤホン10は、全体として変位量を有する。前述の位置制限溝は、倣い溝211内に設置されてもよい。
【0163】
例示的には、充電ボックス20は、下部ハウジングアセンブリ21内に設置された第1の磁気吸引構造231を含んでもよく、いずれかのイヤホン10が倣い溝211に入れられた後、第1の磁気吸引構造231は、イヤホン10内の第1の磁気吸引部材と第1の磁気吸引マッチングペアを形成し、例えば、2つの磁石が互いに引き合うことにより、イヤホン10のフック状構造をガイドして上記位置制限溝内にさらに移動させる。倣い溝211の底部には、イヤホン10のフック状構造を上記位置制限溝にガイドするガイド面が設置されてもよい。例えば、第2の倣い溝領域2112の第1の倣い溝領域2111に近接するセグメントの深さは、第1の倣い溝領域2111の深さよりも大きく、すなわち、両者の間に高低差を有し、倣い溝211は、高低差を有する領域に斜面遷移するように設置されて、前述のガイド面を形成する。それに応じて、上記位置制限溝は、第2の倣い溝領域2112の第1の倣い溝領域2111に近接するセグメントに位置してもよい。
【0164】
さらに、充電ボックス20は、下部ハウジングアセンブリ21内に設置された第2の磁気吸引構造232を含んでもよく、電極端子222は、第1の磁気吸引構造231と第2の磁気吸引構造232との間に位置してもよい。いずれかのイヤホン10が倣い溝211に入れられた後、第2の磁気吸引構造232は、イヤホン10内の第2の磁気吸引部材と第2の磁気吸引マッチングペアを形成することができ、例えば、2つの磁石が互いに互いに引き合うことにより、上記第1の磁気吸引マッチングペアとともに、イヤホン10のフック状構造をガイドして上記位置制限溝内にさらに移動させて、いずれかのイヤホン10が倣い溝211に入れられた後に上記位置制限溝内にさらに移動する動力がより十分になる。同様に、前述の第1の磁気吸引マッチングペアと前述の第2の磁気吸引マッチングペアにより、電極端子222と電極端子151は、1対1で接触する。このように、電極端子222と電極端子151とがペアリングされた後、第1の磁気吸引マッチングペアと第2の磁気吸引マッチングペアとの間に位置するため、イヤホン10と充電ボックス20との接触がよりよくなる。なお、位置制限構造212によって、イヤホン10と充電ボックス20との間の接触をさらに保証することができる。
【0165】
なお、上記第1の磁気吸引部材は、コアモジュール11内のスピーカー112であってもよく、具体的には、スピーカー112の磁気回路システムであってもよく、第2の磁気吸引部材は、イヤホン10の硬質部に設置された磁石127であってもよい。
【0166】
通常、イヤホン10が充電ボックス20に入れられたとき、フック状構造12が変形すると、イヤホン10のボックス入れ成功率を低下させたり、イヤホン10の収容安定性に影響を与えたりする。例えば、イヤホン10のコアモジュール11は、第1の倣い溝領域2111に収容され、フック状構造12は、第2の倣い溝領域2112に収容されてもよいが、弾性を有するため、第2の倣い溝領域2112に入れられる過程において、前に存在する使用変形又は慣性力による動作変形により、第2の倣い溝領域2112の形状にうまく対応することができず、倣い溝領域211に入れにくく、同時にコアモジュール11と第1の倣い溝領域2111との収容関係が不安定になる。上記技術課題を解決するために、以下の実施例を提供する。
【0167】
いくつかの実施例において、図20に示すように、コアモジュール11と第1の倣い溝領域2111の側壁との間に一定の可動隙間を設置し、フック状構造12と第2の倣い溝領域2112の側壁との間に一定の可動隙間を設置することにより、イヤホン10を倣い溝211に入れる過程において、倣い溝211は、フック状構造12にある程度の変形が存在するか又は発生することを許容するように、十分な空間を提供することができ、コアモジュール11及びフック状構造12がユーザの介入が少ない場合に第1の倣い溝領域2111と第2の倣い溝領域2112にそれぞれスムーズに入れられることを保証し、イヤホンのボックス入れ成功率及び収容安定性をさらに向上させる。さらに、フック状構造12は、一端がコアモジュール11に接続され、他端が片持ちに設置されるため、フック状構造12のコアモジュール11から離れた部分が片持ちビームの遠端と見なすことができ、イヤホン10を倣い溝211に入れる過程において、フック状構造12のコアモジュール11から離れた部分が他の部分よりも大きな変形量を発生させるとともに、コアモジュール11がフック状構造12よりも小さな可動隙間を必要として、コアモジュール11を第1の倣い溝領域2111に入れることができればよいことを考慮するため、可動隙間が大きすぎると、充電ボックス20の寸法最適化に不利であり、コアモジュール11の充電ボックス内での収容が不安定になり、揺れ及び異音が発生しやすい。
【0168】
いくつかの実施例において、イヤホン10が倣い溝211に入れられるとき、フック状構造12の延在方向において、フック状構造12のコアモジュール11から離れた部分と第2の倣い溝領域2112の側壁(図20における側壁2111cを参照)との間の可動隙間をコアモジュール11と第1の倣い溝領域2111の側壁との間の可動隙間よりも大きくすることにより、第1の倣い溝領域2111は、コアモジュール11がスムーズに入れられることを許容するとともに、第2の倣い溝領域2112は、より大きな可動空間をフック状構造12に提供することができ、イヤホン10のボックス入れ成功率及び収容安定性をさらに向上させるとともに、充電ボックス20の寸法を最適化することができる。フック状構造12が第2の倣い溝領域2112に収容されているとき、依然として揺れ又は応力により変形し、フック状構造12と第2の倣い溝領域2112の側壁との間の可動隙間の寸法が変化するが、このような変化は、可動隙間の消失を引き起こすことがない。好ましくは、フック状構造12のコアモジュール11から離れた部分と第2の倣い溝領域2112の側壁との間の可動隙間の寸法範囲は、0.5~1.5mmであり、例えば、該可動隙間の寸法は、1~1.3mmであってもよく、具体的には、1.2mmであってもよい。可動隙間の寸法をこのように設置することにより、フック状構造12を第2の倣い溝領域2112に入れる成功率を向上させることができ、充電ボックス20の寸法に与える影響が小さい。
【0169】
好ましくは、コアモジュール11と第1の倣い溝領域2111の側壁との間の可動隙間の寸法範囲は、0.05~0.2mmであり、例えば、該可動隙間の寸法は、0.07~0.15mmであってもよく、具体的には、0.1mmであってもよい。このように設置された可動隙間により、コアモジュール11を第1の倣い溝領域2111に安定的に収容することができ、イヤホン10の倣い溝211内での収容に対して位置決め及び位置制限を行うことができ、電極端子の接触の安定性の向上に有利である。
【0170】
いくつかの実施例において、フック状構造12のコアモジュール11から離れた部分は、電池を収容する電池ハウジング123を含む。電池ハウジング123は、フック状構造12のコアモジュール11から離れた部分に設置される。フック状構造12は、コアモジュール11及び電池ハウジング123を接続する弾性部をさらに含んでもよい。電池ハウジング123は、弾性部よりも大きい寸法を有し、それにより弾性部がユーザの耳部を取り囲んでイヤホン10を掛け、電池ハウジング123が耳部の後側から耳部を支持することができ、このように、イヤホン10の装着状態での安定性を向上させることに有利である。電池ハウジング123と第2の倣い溝領域2112の側壁との間の可動隙間は、コアモジュール11と第1の倣い溝領域2111の側壁との間の可動隙間よりも大きい。このように、電池ハウジング123を第2の倣い溝領域2112に入れる成功率を向上させることができ、イヤホン10を収容しやすい。さらに、イヤホン10が倣い溝211に収容されているとき、弾性部と第2の倣い溝領域2112の側壁との間の可動隙間は、コアモジュール11と第1の倣い溝領域2111の側壁との間の可動隙間よりも大きい。このように、弾性部を第2の倣い溝領域2112に入れる成功率を向上させることができ、イヤホン10を収容しやすい。
【0171】
いくつかの実施例において、フック状構造12は、弾性部及びコアモジュール11を接続する硬質部をさらに含む。硬質部には、電極端子151又は第2の磁気吸引部材を設置することができるため、弾性部よりも高い剛性を有する必要があり、安定性に対する要求がより高い。イヤホン10が倣い溝211に収容されているとき、弾性部と第2の倣い溝領域2112の側壁との間の可動隙間を硬質部と第2の倣い溝領域2112の側壁との間の可動隙間よりも大きくすることができる。このように、弾性部を第2の倣い溝領域2112に入れやすく、硬質部を第2の倣い溝領域2112に安定的に収容することができ、それにより硬質部をコアモジュール11にフィットさせることができ、イヤホン10が倣い溝211内に収容される安定性を増加させ、電極端子の接触又は第2の磁気吸引部材の安定性及び信頼性の向上に有利である。
【0172】
いくつかの実施例において、充電ボックス20は、少なくとも充電のための電極端子を含み、電極端子は、電池ハウジング123に設置されなくてもよい。なお、電池ハウジング123は、フック状構造12の末端に位置し、発生する変形程度が大きく、電極端子が電池ハウジング123に設置されることは、下部ハウジングアセンブリ21における電極端子とのマッチングに不利である。具体的には、電極端子は、電池ハウジング123に設置されなくてもよく、イヤホン10上の変形程度の小さい構造、例えば、コアモジュール11又は硬質部に設置され、これにより、電極端子同士のマッチングを容易にすることができる。
【0173】
いくつかの実施例において、図19に示すように、下部ハウジングアセンブリ21には、位置制限構造が設置されてもよく、イヤホン10を倣い溝211に入れる過程において、コアモジュール11は、位置制限構造によって第1の倣い溝領域2111に収容されてもよい。例えば、位置制限構造は、係止構造であってもよく、コアモジュール11は、位置制限構造と係止する方式によって第1の倣い溝領域2111に入れられてもよい。また例えば、位置制限構造は、磁気吸引構造であってもよく、コアモジュール11は、位置制限構造と磁気吸引して係合する方式によって第1の倣い溝領域2111に入れられてもよく、具体的には、第1の倣い溝領域2111には、第1の磁気吸引構造231が設置されてもよく、コアモジュール11には、第1の磁気吸引部材が設置され、コアモジュールが第1の倣い溝領域2111に入れられたとき、第1の磁気吸引部材と第1の磁気吸引構造231とが磁気吸引して係合する。コアモジュール11が磁気吸引によって第1の倣い溝領域2111内に収容される状況は、具体的には、上記実施形態の説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。コアモジュール11は、上記方式によって第1の倣い溝領域2111に安定的に収容され、イヤホン10の充電ボックス20での移動を限定し、電極端子同士のマッチングの安定性を向上させることができる。
【0174】
例示的には、図25及び図26に示すように、充電ボックス20は、充電ボックス20の閉状態において、下部ハウジングアセンブリ21にフィットする上部ハウジングアセンブリ24をさらに含む。上部ハウジングアセンブリ24には、充電ボックス20の閉状態において、フック状構造12に当接するストッパ部245が設置される。このように、ストッパ部245は、充電ボックス20が閉じるとき、フック状構造12に圧力を印加することができ、それによりフック状構造12の充電ボックス20の厚さ方向における移動を限定する。さらに、ストッパ部245とフック状構造12との間に摩擦力も発生し、それによりフック状構造12の他の方向における移動を限定して、フック状構造12の移動による異音を軽減するとともに、イヤホン10及び充電ボックス20の摩耗を軽減する。
【0175】
ストッパ部245の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。いくつかの実施形態において、ストッパ部245の数は、1つであり、ストッパ部245は、充電ボックス20が閉じるとき、2つのイヤホン10のフック状構造12に同時に当接する。このように、1つのストッパ部245によって2つのフック状構造12の移動を同時に限定することができる。いくつかの実施形態において、ストッパ部245の数は、2つであってもよく、充電ボックス20が閉じるとき、2つのストッパ部245は、2つのイヤホン10のフック状構造12の移動をそれぞれ限定することができる。
【0176】
いくつかの実施形態において、フック状構造12は、電池を収容する電池ハウジング123を含み、ストッパ部245は、充電ボックス20が閉じるとき、電池ハウジング123に当接する。電池ハウジング123は、フック状構造12における体積が大きい部分であり、ストッパ部245は、電池ハウジング123の移動を限定することにより、フック状構造12が充電ボックス20に収容されているときの安定性を向上させることができる。さらに、コアモジュール11は、係合又は磁気吸引などの方式によって第1の倣い溝領域2111に収容されて、コアモジュール11の自由度を限定することができる。このように、イヤホン10が倣い溝211に収容されているとき、イヤホン10のコアモジュール11及びフック状構造12の自由度がいずれも限定され、それによりイヤホン10の移動の自由度が大きく限定され、イヤホン10の充電ボックス20での揺れを防止し、さらに充電ボックス20及びイヤホン10が摩耗することを回避し、耐用年数を向上させる。
【0177】
他のいくつかの実施形態において、電池ハウジング123と第2の倣い溝領域2112の側壁との間の可動隙間は、コアモジュール11と第1の倣い溝領域2111の側壁との間の可動隙間よりも大きい。このように設置することによる有益な効果は、前述の実施形態の説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。電池ハウジング123と第2の倣い溝領域2112の側壁との可動隙間が大きく、イヤホン10を充電ボックス20に入れる成功率が高くなるが、フック状構造12がより揺れやすくなる。これに基づいて、さらに、ストッパ部245を設置して、充電ボックス20が閉じるときに電池ハウジング123に当接させることにより、イヤホン10の入れ成功率を向上させた上で、フック状構造12の揺れを軽減することができる。
【0178】
好ましくは、イヤホン10が充電ボックス20の倣い溝211に収容されているとき、コアモジュール11の第1の磁気吸引部材は、下部ハウジングアセンブリ21の第1の磁気吸引構造と係合する。このように、コアモジュール11の自由度を限定して、コアモジュール11の揺れを軽減することができる。さらに、ストッパ部245がフック状構造12に当接するように設置することにより、フック状構造12の揺れを軽減して、イヤホン10全体の揺れを軽減することができる。
【0179】
好ましくは、下部ハウジングアセンブリ21は、位置制限構造212を含んでもよく、位置制限構造212は、倣い溝211内に設置されてもよく、又は倣い溝211に近接して設置されてもよい。いずれかのイヤホン10が倣い溝211に入れられた後、位置制限構造212は、イヤホン10と下部ハウジングアセンブリ21との間の相対位置を維持するように、イヤホン10の硬質部又はコアモジュール11に対して倣い溝211の底部に向かう押圧力を与えることができ、それによりイヤホン10の自由度を限定し、イヤホン10の充電ボックス20での揺れを軽減する。さらに、ストッパ部245がフック状構造12に当接することにより、フック状構造12の揺れを軽減して、イヤホン10の揺れをさらに軽減することができる。
【0180】
いくつかの実施形態において、ストッパ部245は、可撓性構造であってもよく、例えば、ストッパ部245の材料は、シリコンゴム又はゴムなどの材料であってもよい。ストッパ部245のショア硬度範囲は、20~50であってもよい。このように、ストッパ部245は、フック状構造12に当接するときに変形することができ、ストッパ部245のフック状構造12に対する摩耗を軽減することができる一方、ストッパ部245がフック状構造12に印加する力をより均一にすることができ、ストッパ部245をフック状構造12の形状によりフィットさせることができ、それによりフック状構造12の複数の方向における移動をさらに限定し、イヤホン10の倣い溝211内での揺れを軽減し、移動による異音などの状況を軽減する。
【0181】
他のいくつかの実施形態において、ストッパ部245は、当接部及び伸縮部を含んでもよく、伸縮部は、当接部及び上部ハウジングアセンブリ24を接続し、充電ボックス20が閉じるとき、弾性伸縮により当接部をフック状構造12に当接させる。言い換えれば、伸縮部は、当接部がフック状構造12に当接するときに弾性力を提供することができ、それにより当接部は、フック状構造12に圧力を印加してフック状構造12の揺れを限定することができる。伸縮部は、具体的には、バネ、ねじりバネなどの構造であってもよい。
【0182】
好ましくは、ストッパ部245の厚さ範囲は、1.2~2mmであってもよく、例えば、1.2mm、1.5mm又は2mmであってよい。ストッパ部245の厚さが1.2mmよりも小さいと、ストッパ部245がフック状構造12と十分に干渉できず、十分な圧力を発生させてフック状構造12の移動を限定できない可能性がある。ストッパ部245の厚さが2mmより大きいと、ストッパ部245によるフック状構造12に対する圧力が大きすぎて、フック状構造12が収容されるときに変形し続け、さらにフック状構造12が元の形状を失い、ユーザの装着体験に影響を与える可能性がある。
【0183】
いくつかの実施形態において、第2の倣い溝領域2112の第1の部分2112aは、フック状構造12の一部(例えば、電池ハウジング123)を収容し、充電ボックス20の閉状態において、2つの第2の倣い溝領域2112の第1の部分2112aの充電ボックス20の厚さ方向への投影は、ストッパ部245の充電ボックス20の厚さ方向への投影の少なくとも一部を被覆する。このように、ストッパ部245の少なくとも一部をフック状構造に当接させることができ、ストッパ部245の限定領域が第2の倣い溝領域2112の第1の部分2112aが位置する領域を超えることがなく、ストッパ部245に発生可能な余計な部分を減少させ、コストを低減することができる。
【0184】
さらに、図26に示すように、いくつかの実施形態において、ストッパ部245は、単一の円弧状構造であってもよく、同時に2つのフック状構造12に当接する。ストッパ部245の回転軸機構25の軸線に垂直な第1の基準方向への投影長さ(図26のLを参照)の範囲は、20~24mmであり、例えば、21~23mm又は22~22.5mmであってもよい。ストッパ部245の第1の基準方向への投影長さが20mmよりも小さいと、ストッパ部245と各フック状構造12との接触面積が減少し、ひいてはストッパ部245が2つのフック状構造12に同時に当接することができない可能性があり、ストッパ部245が2つのフック状構造12に対する同時の位置制限能力を失うことを引き起こす。ストッパ部245の第1の基準方向への投影長さが24mmよりも大きいと、ストッパ部245のフック状構造12に当接する部分以外の長さに依然として余計な部分があり、余計な長さが生産コストを増加させる。
【0185】
いくつかの実施形態において、ストッパ部245の第1の基準方向に垂直な第2の基準方向への投影の長さ(図26のHを参照)範囲は、3~7mmであり、例えば、3~6mm又は5~6mmであってもよい。ストッパ部245の第2の基準方向への投影の長さが3mmよりも小さいと、ストッパ部245とフック状構造12との当接面積が減少し、ストッパ部245がフック状構造12の移動を限定する能力が弱くなる。ストッパ部245の第2の基準方向への投影の長さが7mmよりも大きいと、ストッパ部245とフック状構造12との接触面積が大きく、ストッパ部245がフック状構造12に印加する圧力を過度に増加させ、フック状構造12に所望以外の変形を発生させる。
【0186】
いくつかの実施形態において、上部ハウジングアセンブリ24には、充電ボックス20が閉じるときにイヤホン10を収容する収容溝244が設置され、収容溝244は、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に閉じるとき、イヤホン10の倣い溝211に収容されていない部分を収容することにより、上部ハウジングアセンブリ24と下部ハウジングアセンブリ21とを緊密に閉じることができる。また、充電ボックス20が閉状態にあるとき、収容溝244の側壁は、イヤホン10に対してさらなる位置制限作用を果たして、イヤホン10の充電ボックス20での移動を限定してもよい。さらに、収容溝244内には、上記ストッパ部245が設置され、ストッパ部245が収容溝244と協働して、イヤホン10が倣い溝211及び収容溝244に同時に収容されている場合、ストッパ部245は、フック状構造12に圧力を印加することができ、フック状構造12の移動を限定し、フック状構造12の揺れ及び異音の発生を軽減する。
【0187】
さらに、図20に示すように、2つの倣い溝211の第2の倣い溝領域2112は、互いに交差して設置されて、2つの倣い溝211がそれぞれイヤホン10を収容するとき、2つのイヤホン10のフック状構造12は、互いに重なり、回転軸機構25に近接する第1の重なり点OP1と、回転軸機構25から離れた第2の重なり点OP2とが形成される。このように、2つのイヤホン10のフック状構造12が重ねて収容されてもよく、充電ボックス20の体積の縮小に有利である。第1の重なり点OP1と第2の重なり点OP2とを結ぶ線の方向において、ストッパ部245がフック状構造12に当接する領域は、第2の重なり点OP2が第1の重なり点OP1から離れた方向に位置する。フック状構造12は、倣い溝211に収容されているときに互いに重なり、重なり部分は、フック状構造12の一部の移動の自由度を限定することができる。ストッパ部245がフック状構造12に当接する領域を、第2の重なり点OP2の第1の重なり点OP1から離れた側に設置することにより、フック状構造12の自由度をより効果的に低減して、フック状構造12の移動をさらに限定することができる。好ましくは、充電ボックス20が閉じるとき、ストッパ部245は、フック状構造12の第2の重なり点OP2に対応する部分に当接する。このように、第2の重なり点OP2におけるフック状構造12が互いに重なり、2つのフック状構造12の厚さが重なるため、ストッパ部245が第2の重なり点OP2に対応する部分に当接することにより、フック状構造12の自由度を限定した上で、より小さい厚さを有し、生産コストを低減することができる。
【0188】
好ましくは、充電ボックス20の閉状態において、ストッパ部245から上部ハウジングアセンブリ24の第2の重なり点OP2に近接する側壁までの距離範囲は、15~20mmである。このように、フック状構造12の第2の重なり点OP2に近接する部分にストッパ部245を当接させることができる。2つのフック状構造12の第2の重なり点OP2に近接する領域は、重なり部分を有するため、この領域は、充電ボックス20の厚さ方向において大きい高さを有し、それによりストッパ部245の厚さを低減することができる。ストッパ部245の下部ハウジングアセンブリ21の第2の重なり点OP2に近接する縁部からの距離が15mmよりも小さい場合、ストッパ部245は、第2の重なり点OP2から離れ、ストッパ部245は、厚さが増加してからフック状構造12に当接することができる。ストッパ部245の下部ハウジングアセンブリ21の第2の重なり点OP2に近接する縁部からの距離が20mmよりも大きいと、ストッパ部245がフック状構造12に当接する面積が減少し、限定効果が弱められる。
【0189】
例示的には、図21及び図22に示すように、充電ボックス20は、上部ハウジングアセンブリ24と、上部ハウジングアセンブリ24と下部ハウジングアセンブリ21とを接続する回転軸機構25と、を含んでもよく、それにより充電ボックス20を開閉可能にする。回転軸機構25は、下部ハウジングアセンブリ21と一体成形された下固定座251と、上部ハウジングアセンブリ24と一体成形された上固定座252と、回転軸253と、を含んでもよく、下固定座251は、上部ハウジングアセンブリ24内に挿入され、さらに回転軸253を介して上固定座252に枢着されてもよい。さらに、回転軸機構25は、下固定座251に接続された補強部材254を含んでもよく、補強部材254の構造強度は、下固定座251の構造強度よりも大きく、回転軸253は、さらに補強部材254に貫設されて、回転軸機構25に対して構造補強を行う。補強部材254と下固定座251とは、一体成形された構造部材であってもよく、例えば、金属インサート射出成形プロセスにより一体成形され、2つの単独した構造部材であり、接着剤接続、ネジ接続、係止などの方式のうちの1種又はその組み合わせによって接続される。
【0190】
さらに、回転軸機構25は、弾性部材255を含んでもよく、弾性部材255は、一端が下部ハウジングアセンブリ21に接続され、例えば、下固定座251に接続され、他端が上部ハウジングアセンブリ24に接続されて、充電ボックス20の開状態又は閉状態を維持する。充電ボックス20を開いたり閉じたりする過程において、弾性部材255がそれにつれて弾性変形して一定の抵抗感を提供し、もちろん、この抵抗感は、一部が回転軸253とその連結構造とが回転するときの摩擦抵抗に由来するものであってもよい。
【0191】
例示的には、図21に示すように、弾性部材255は、Z字形のねじりバネとして設置されてもよく、その基本的な構造は、当業者によく知られており、ここでは説明を省略する。下固定座251及び上部ハウジングアセンブリ24のうちの1つには、取付孔2411が設置され、もう1つには、取付溝2511が設置されてもよい。例えば、取付孔2411は、上部ハウジング本体241に設置され、回転軸253の延在方向において2つの上固定座252の間に位置し、取付溝2511は、下固定座251に設置され、回転軸253の延在方向において2つのスリーブ部2542の間に位置する。このように、弾性部材255を取り付ける過程において、弾性部材255は、一端がまず取付孔2411の軸方向に沿って取付孔2411内に挿入され、他端がさらに取付溝2511の軸方向に垂直な方向に沿って取付溝2511内に嵌入され、これにより、弾性部材255の取り付け過程における変形量を低減し、弾性部材255の信頼性の維持に有利である。さらに、取付孔2411と取付溝2511は、それぞれの軸方向に沿って貫通孔構造として設置されてもよい。
【0192】
例示的には、図21に示すように、上固定座252は、回転軸253の延在方向に沿って間隔をあけて2つ設置されてもよく、下固定座251は、2つの上固定座252の間に位置し、回転軸253の延在方向において2つの上固定座252とそれぞれ間隔をあけて設置されてもよく、このように、回転軸253を支持することに有利である。補強部材254は、下固定座251に接続された接続部2541と、回転軸253の延在方向に沿って間隔をあけて設置された2つのスリーブ部2542と、を含んでもよく、2つのスリーブ部2542は、それぞれ、下固定座251と2つの上固定座252との間の間隔領域内に位置してもよい。それに応じて、回転軸253は、下固定座251、2つのスリーブ部2542及び2つの上固定座252内に貫設される。
【0193】
例示的には、図22に示すように、下部ハウジングアセンブリ21は、下部ハウジング本体213と、下部ハウジング本体213の内側に設置された下部ハウジングライニング214と、を含んでもよく、下固定座251と下部ハウジング本体213とは、一体成形されたプラスチック部品であってもよく、補強部材254は、金属部品であってもよい。接続部2541は、下部ハウジング本体213と下部ハウジングライニング214との間に位置してもよく、それにより、補強部材254は、少なくとも充電ボックス20が閉状態にあるときに露出しない。それに応じて、倣い溝211及び位置制限構造212などは、下部ハウジングライニング214に設置され、主制御回路基板221及びその上の電極端子222、第1の磁気吸引構造231及び第2の磁気吸引構造232などは、下部ハウジング本体213と下部ハウジングライニング214との間に設置されてもよい。さらに、上部ハウジングアセンブリ24は、上部ハウジング本体241と、上部ハウジング本体241の内側に設置された上部ハウジングライニング242と、を含んでもよく、上固定座252と上部ハウジング本体241とは、一体成形されたプラスチック部品であってもよい。
【0194】
上記方式によって、関連技術において上部ハウジングアセンブリ24が金属接続部材を介して下部ハウジングアセンブリ21に接続され、すなわち、上部ハウジングアセンブリ24と下部ハウジングアセンブリ21とが金属接続部材を取り外した後に接続することができず、かつ金属接続部材が露出しなければならず、本技術的手段において、上部ハウジングアセンブリ24と下部ハウジングアセンブリ21とが補強部材254を取り外した後に接続されたままであり、かつ補強部材254が露出しなくてもよく、充電ボックス20のコストの低減及び外観の一致性に有利である。
【0195】
例示的には、図28図31に示すように、充電ボックス20は、上部ハウジングアセンブリ24と、上部ハウジングアセンブリ24と下部ハウジングアセンブリ21とを接続する回転軸機構25と、を含んでもよく、それにより充電ボックス20を開閉可能にする。充電ボックス20は、位置制限機構をさらに含み、位置制限機構は、充電ボックス20が開状態にあるとき、上部ハウジングアセンブリ24の下部ハウジングアセンブリ21に対する回転の角度を限定し、言い換えれば、位置制限機構は、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して所定の角度に回転するとき、両者のさらなる相対的な回転を限定することができる。なお、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して開く角度は、下部ハウジングアセンブリ21の下表面と上部ハウジングアセンブリ24の上表面との間の夾角(図27におけるα角を参照)であってもよい。位置制限機構を設置することにより、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して開く角度を限定することができ、それにより上部ハウジングアセンブリ24が過度に回転することによる充電ボックス20のハウジング構造の破損のリスクを軽減し、及びハウジングの当接による充電ボックス20の表面の摩耗などの問題を解決する。
【0196】
いくつかの実施形態において、位置制限機構は、上部ハウジングアセンブリ24と下部ハウジングアセンブリ21にそれぞれ接続されることにより、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して開く角度を限定する。例えば、位置制限機構は、2つのリンクを含んでもよく、2つのリンクは、互いにヒンジ接続され、それぞれ上部ハウジングアセンブリ24と下部ハウジングアセンブリ21にヒンジ接続される。上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して所定の角度まで回転すると、2つのリンクが一直線上に位置することにより、上部ハウジングアセンブリ24の下部ハウジングアセンブリ21に対するさらなる回転を限定する。充電ボックス20が開状態から閉状態に変換するとき、2つのリンクが相対的に回転し、上部ハウジングアセンブリ24との接続部分と、下部ハウジングアセンブリ21との接続部分とは、互いに近接する。言い換えれば、2つのリンクは、上部ハウジングアセンブリ24の下部ハウジングアセンブリ21に対する開状態への回転を限定し、両者の閉状態への回転を限定しない。
【0197】
いくつかの実施形態において、位置制限機構は、第1の位置制限部材271及び第2の位置制限部材272を含み、第2の位置制限部材272は、上部ハウジングアセンブリ24に接続され、上部ハウジングアセンブリ24に追従して移動することができる。第1の位置制限部材271は、下部ハウジングアセンブリ21に接続され、下部ハウジングアセンブリ21に追従して移動することができる。第1の位置制限部材271と第2の位置制限部材272とは、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して所定の角度まで回転したときに互いに当接することにより、上部ハウジングアセンブリ24の下部ハウジングアセンブリ21に対するさらなる回転を限定する。好ましくは、所定の角度の範囲は、90度~110度であり、所定の角度が90度よりも小さいと、すなわち、上部ハウジングアセンブリ24と下部ハウジングアセンブリ21との間の夾角が鋭角であると、上部ハウジングアセンブリ24は、重力又は回転軸機構25の弾性部材により再び閉じる傾向があり、ユーザがイヤホン10を取り外すか又は収容することに不利である。また、所定の角度が90度よりも小さいと、ユーザがイヤホン10を取り外すか又は収容するとき、上部ハウジングアセンブリ24と干渉し、ユーザの使用体験に影響を与える。所定の角度が110度よりも大きいと、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して開く角度が大きすぎるため、回転軸機構25及び位置制限機構に対する強度要求が増加する。また、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して開く角度が大きすぎると、充電ボックス20の開いたときの長さが長くなり、充電ボックス20の開いたときの長さは、上部ハウジングアセンブリ24の回転軸機構からの最遠端から下部ハウジングアセンブリ21の回転軸機構からの最遠端までの距離である。例えば、充電ボックス20が落下するか又は押圧される限界状況では、充電ボックス20の開いたときの長さが長いと、上部ハウジングアセンブリ24及び下部ハウジングアセンブリ21が受けたモーメントが大きく、充電ボックス20の破損のリスクが高くなる。
【0198】
いくつかの実施形態において、上部ハウジングアセンブリ24の下部ハウジングアセンブリ21に近接する縁部には、スロット247が設置され、回転軸機構25は、スロット247の両端に架橋された回転軸253を含み、上部ハウジングアセンブリ24は、回転軸253の周りに下部ハウジングアセンブリ21に対して回転する。いくつかの実施形態において、上記所定の角度は、スロット247のスロット縁が下部ハウジングアセンブリ21の外壁に当接するときに上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して開く角度よりも小さい。なお、スロット247は、上部ハウジングアセンブリ24の下部ハウジングアセンブリ21に対する回転を容易にすることができる。スロット247のスロット縁が下部ハウジングアセンブリ21の外壁に当接するとき、上部ハウジングアセンブリ24の下部ハウジングアセンブリ21に対する回転も限定される。しかしながら、上部ハウジングアセンブリ24及び下部ハウジングアセンブリ21の材質及び構造に制限され、スロット縁の当接による位置制限方式は、充電ボックス20のハウジングの構造強度に対して要求が高く、プロセス及び材料のコストを向上させる。位置制限機構を増設することにより、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して開く角度を限定して位置制限強度を向上させるとともに、充電ボックスの構造強度に対する要求を低減し、コストを低減することができる。
【0199】
さらに、スロット247のスロット縁が下部ハウジングアセンブリ21の外壁に当接するとき、下部ハウジングアセンブリ21の外壁に圧力を印加し、下部ハウジングアセンブリ21の外壁に圧痕が発生しやすく、美観に影響を与える。また、下部ハウジングアセンブリ21の外壁に圧痕が発生する当接領域は、力を受けるとき、応力集中現象が発生し、下部ハウジングアセンブリ21の強度が大きく影響される。当接領域の応力集中現象を回避するために、所定の角度を、スロット247のスロット縁が下部ハウジングアセンブリ21の外壁に当接するときに上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して開く角度よりも小さいように設置することにより、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して所定の角度まで開くとき、さらなる回転が位置制限機構によって限定され、スロット247のスロット縁が下部ハウジングアセンブリ21の外壁に当接することを回避する。例えば、スロット247のスロット縁が下部ハウジングアセンブリ21の外壁に当接するときに上部ハウジングアセンブリ24及び下部ハウジングアセンブリ21が開くことができる角度は、120度であり、所定の角度は、110度であり、位置制限機構は、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して110度まで開くとき、上部ハウジングアセンブリ24のさらなる回転を限定し、それによりスロット247のスロット縁と下部ハウジングアセンブリ21の外壁との当接を回避する。
【0200】
いくつかの実施形態において、回転軸機構25は、下部ハウジングアセンブリ21に取り付けられた第1の固定座256と、上部ハウジングアセンブリ24に取り付けられた第2の固定座257と、を含み、回転軸253は、第1の固定座256及び第2の固定座257に貫設される。第1の固定座256及び第2の固定座257を設置することにより、回転軸機構25の強度を向上させることができる。位置制限機構は、第1の固定座256に接続された第1の位置制限部材271と、第2の固定座257に接続された第2の位置制限部材272と、を含み、第1の位置制限部材271と第2の位置制限部材272とは、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して所定の角度まで回転したときに互いに当接することにより、上部ハウジングアセンブリ24の下部ハウジングアセンブリ21に対するさらなる回転を限定する。
【0201】
好ましくは、図28及び図29に示すように、第1の位置制限部材271の延在方向と第2の位置制限部材272の延在方向とは、互いに垂直である。このように、第1の位置制限部材271と第2の位置制限部材272との当接の成功率を向上させることができる。いくつかの実施形態において、第1の位置制限部材271及び第2の位置制限部材272のうちの1つの延在方向は、回転軸253の軸線方向に沿って設置され、もう1つの延在方向は、回転軸253の径方向に沿って設置される。このように、第1の位置制限部材271と第2の位置制限部材272との相対回転を、上部ハウジングアセンブリ24と下部ハウジングアセンブリ21との回転軸253に対する回転に合わせることができ、それにより第1の位置制限部材271と第2の位置制限部材272は、上部ハウジングアセンブリ24と下部ハウジングアセンブリ21との回転軸253に対する回転を限定することができる。
【0202】
いくつかの実施形態において、第1の位置制限部材271と第1の固定座256とは、一体成形された金属部材である。又は、第2の位置制限部材272と第2の固定座257とは、一体成形された金属部材である。又は、第1の位置制限部材271と第1の固定座256とは、一体成形された金属部材であり、かつ第2の位置制限部材272と第2の固定座257とは、一体成形された金属部材である。第1の固定座256及び第2の固定座257は、金属部材として設置されることにより、両者が十分な強度を有した上で小さい体積を有することができ、それにより充電ボックス20の空間に対する占有を減少させ、充電ボックス20の体積の縮小に有利である。第1の位置制限部材271と第1の固定座256とが一体成形され、又は第2の位置制限部材272と第2の固定座257とが一体成形されることにより、第1の位置制限部材271と第2の位置制限部材272とが当接して力を受けるとき、それらのモーメントが第1の固定座256又は第2の固定座257を介して充電ボックス20に伝達され、第1の固定座256及び第2の固定座257と充電ボックス20との接続構造は、高い接続強度を有する。したがって、第1の位置制限部材271と第1の固定座256とが一体成形されるか、又は第2の位置制限部材272と第2の固定座257とが一体成形されることにより、第1の位置制限部材271と第2の位置制限部材272との当接時の安定性を向上させることができる。
【0203】
例示的には、図30図32に示すように、第1の位置制限部材271及び第2の位置制限部材272のうちの1つには、位置制限溝2721が設置され、第1の位置制限部材271及び第2の位置制限部材272のうちのもう1つは、充電ボックス20が開かれたときに位置制限溝2721と係合して、上部ハウジングアセンブリ24の下部ハウジングアセンブリ21に対する回転を限定する。いくつかの実施形態において、第2の位置制限部材272には、位置制限溝2721が設置されてもよく、第1の位置制限部材271は、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して第1の角度まで開かれた後に位置制限溝2721に挿入され、第1の角度は、所定の角度よりも小さい。上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して所定の角度まで回転するとき、第1の位置制限部材271が位置制限溝2721の溝壁に当接する。第1の位置制限部材271と位置制限溝2721との当接係合により、位置制限機構が他の方向の力を受けるとき、位置制限溝2721の溝壁も第1の位置制限部材271を位置制限することができ、位置制限機構の位置制限の強度及び信頼性を向上させる。充電ボックス20が開状態から閉状態に回転するとき、第1の位置制限部材271が位置制限溝2721から脱出することができ、それにより充電ボックス20が閉じるときに位置制限機構から受ける影響を軽減する。他のいくつかの実施形態において、第1の位置制限部材271には、位置制限溝2721が設置されてもよく、第2の位置制限部材272は、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して第1の角度まで開かれた後に位置制限溝2721に挿入される。
【0204】
さらに、充電ボックス20が開状態にある場合、第1の位置制限部材271の延在方向と第2の位置制限部材272の延在方向との間の夾角は、鈍角である。このように、第2の位置制限部材272又は第1の位置制限部材271の長さが短い場合でも、位置制限溝2721にスムーズに挿入するか又は位置制限溝2721からスムーズに脱出することができる。第1の位置制限部材271の延在方向と第2の位置制限部材272の延在方向とが直角及び鋭角である場合、位置制限溝2721は、第1の位置制限部材271又は第2の位置制限部材272がスムーズに脱出することを保証するために長い長さを必要とし、回転軸機構25全体の体積を増大させ、より多くの充電ボックス20の空間を占有する。
【0205】
いくつかの実施形態において、下部ハウジングアセンブリ21、位置制限機構及び回転軸機構25の接続及び係合については、以下の例示的な説明を参照することができ、下部ハウジングアセンブリ21の内部には、回転軸253の軸方向に沿って離間する2つの第1の支持部215と、2つの第1の支持部215の間に位置する第1の補強部216と、が設置され、第1の補強部216は、補強リブ構造又は厚さが充電ボックス20の他の側壁よりも厚い構造であってもよく、第1の補強部216は、充電ボックス20の構造強度を強化することができ、それにより充電ボックス20が回転軸機構25及び位置制限機構を安定的に載置することができる。2つの第1の支持部215には、それぞれ第1の嵌合溝2151が設置され、第1の固定座256は、第1の板状本体2561を含み、第1の板状本体2561は、下部ハウジングアセンブリ21に向かう下縁部が2つの第1の支持部215の第1の嵌合溝2151に挿入され、第1の板状本体2561は、第1の補強部216に当接する。第1の補強部216は、下部ハウジングアセンブリ21自体の構造強度を向上させることができる一方、第1の固定座256と第1の補強部216との係合により、回転軸機構25と下部ハウジングアセンブリ21との係合強度を向上させて、回転軸機構25を下部ハウジングアセンブリ21に容易に組み立てることができる。好ましくは、下部ハウジングアセンブリ21は、下部ハウジング本体213及び下部ハウジングライニング214を含み、第1の支持部215、第1の補強部216及び第1の固定座256は、下部ハウジング本体213と下部ハウジングライニング214との間に設置される。
【0206】
いくつかの実施例において、第1の固定座256は、2つの第1の延在部2562をさらに含み、2つの第1の延在部2562は、第1の板状本体2561から第1の補強部216の方向に向かって延在し、第1の補強部216は、2つの第1の延在部2562の間に位置し、第1の延在部2562は、第1の板状本体2561の上縁部から突出し、第1の延在部2562には、回転軸253が貫通する第1の回転軸孔が設置される。第1の位置制限部材271は、第1の延在部2562の第1の板状本体2561から離れた一端に位置する。このように、第1の固定座256と第1の補強部216との係合の安定性を向上させ、第1の位置制限部材271と第1の固定座256とが十分な構造強度を有するようにして、充電ボックス20の開状態のときの安定性を向上させることができる。
【0207】
いくつかの実施形態において、上部ハウジングアセンブリ24、位置制限機構及び回転軸機構25の接続及び係合は、以下の例示的な説明を参照することができる。上部ハウジングアセンブリ24の内部には、回転軸253の軸方向に沿って離間する2つの第2の支持部243が設置され、2つの第2の支持部243には、第2の嵌合溝2431が設置され、第2の固定座257は、第2の板状本体2571及び2つの第2の延在部2572を含み、第2の板状本体2571は、上部ハウジングアセンブリに向かう上縁部が2つの第2の支持部243の第2の嵌合溝2431に挿入され、第2の延在部2572は、第2の板状本体2571に接続され、かつスロット247の方向に向かって延在し、第2の延在部2572には、回転軸253が貫通する第2の回転軸孔が設置され、第1の位置制限部材271は、第2の延在部2572に設置される。このように、回転軸機構25と上部ハウジングアセンブリ24との係合の強度を向上させることができ、回転軸機構25を上部ハウジングアセンブリ24に容易に組み立てることができる。
【0208】
さらに、上部ハウジングアセンブリ24の内部には、スロット247の両端に位置する第2の補強部246が設置され、第2の延在部2572は、2つの第2の補強部246の間に位置する第1のサブ延在部2572aと、第1のサブ延在部2572aに接続され、回転軸253の軸方向に沿って延在する第2のサブ延在部2572bと、を含み、第2のサブ延在部2572bは、さらに第2の補強部246に接続される。例えば、第2のサブ延在部2572bは、ネジ又はリベットなどの固定部材の方式によって第2の補強部246と係合することができ、それにより第1の固定座256と上部ハウジングアセンブリ24との係合強度及び安定性を向上させる。
【0209】
例示的には、図22に示すように、充電ボックス20は、下部ハウジングアセンブリ21内に設置された透磁部材261と、上部ハウジングアセンブリ24内に設置された永久磁石262と、を含んでもよい。例えば、透磁部材261は、下部ハウジングライニング214の上部ハウジングアセンブリ24から離れた内側に固定され、永久磁石262は、上部ハウジングライニング242の下部ハウジングアセンブリ21から離れた内側に固定され、このように、充電ボックス20が閉じた後の透磁部材261と永久磁石262との間隔を縮小することに有利である。主制御回路基板221には、ホールセンサ223が設置され、すなわち、ホールセンサ223は、主制御回路基板221に直接的に固定され、ホールセンサ223は、透磁部材261に隣接して設置される。このように、充電ボックス20が開状態と閉状態との間に切り替えられる過程において、永久磁石262は、透磁部材261に対して異なる程度の磁化を行い、ホールセンサ223は、透磁部材261の磁界を感知して、前述の開状態又は前述の閉状態を検出する。言い換えれば、前述の閉状態において、透磁部材261は、永久磁石262が発生する磁界をホールセンサ223により多く集中させ、このように、ホールセンサ223の検出の信頼性を向上させ、永久磁石262の体積を減少させることに有利である。
【0210】
上記方式により、関連技術におけるホールセンサ223が下部ハウジングライニング214の内側に固定され、導線を介して主制御回路基板221に接続されることに比べて、本技術的手段は、ホールセンサ223を主制御回路基板221に直接的に固定し、充電ボックス20の配線の簡略化に有利である。
【0211】
例示的には、図22及び図23に示すように、各倣い溝211と透磁部材261との主制御回路基板221への正投影は、充電ボックス20が閉じた後に透磁部材261ができるだけ永久磁石262に近接することを許容するように、ずらしてもよい。例えば、充電ボックス20の真上から見て、透磁部材261は、2つの倣い溝211の外周の第1の位置(例えば、図23の破線枠P1に示す)、第2の位置(例えば、図23の破線枠P2に示す)及び第3の位置(例えば、図23の破線枠P3に示す)のうちの任意の1つに位置する。
【0212】
例示的には、図23に示すように、充電ボックス20の真上から見て、2つの倣い溝211は、対称軸(例えば、図23の一点鎖線SAに示す)に関して鏡像対称であってもよく、それにより2つのイヤホン10が充電ボックス20にきれいに収容されることを許容する。透磁部材261は、対称軸SAに位置し、回転軸機構25から離れてもよい。このように、上記開状態と上記閉状態のそれぞれにおいてホールセンサ223が透磁部材261を感知した磁界の差異量を増大させることに有利であり、ホールセンサ223の検出の信頼性を向上させる。なお、対称軸SAは、線分OP1OP2と平行であってもよく、線分OP1OP2と重なっていてもよい。
【0213】
例示的には、図22に示すように、透磁部材261とホールセンサ223との主制御回路基板221への正投影は、少なくとも部分的に重なってもよく、透磁部材261とホールセンサ223との間の磁気ギャップを低減することに有利であり、それにより特に、上記閉状態において、永久磁石262が発生した磁界をホールセンサ223により多く集中させる。ホールセンサ223は、透磁部材261とホールセンサ223との間の磁気ギャップを低減するように、主制御回路基板221の透磁部材261に向かう側に設置されてもよく、ホールセンサ223と透磁部材261とは、特に、充電ボックス20の落下などの限界状況において、透磁部材261とホールセンサ223との衝突のリスクを低減するように、主制御回路基板221の法線方向に間隔をあけて設置されてもよい。
【0214】
例示的には、図22に示すように、上記閉状態において、永久磁石262と透磁部材261との主制御回路基板221への正投影は、少なくとも部分的に重なってもよく、永久磁石262と透磁部材261との間の磁気ギャップを低減することに有利であり、それにより特に、上記閉状態において、永久磁石262が発生した磁界をホールセンサ223により多く集中させる。
【0215】
例示的には、図33図33は、充電ボックス20が閉じるときの断面図である)に示すように、充電ボックス20は、下部ハウジングアセンブリ21と、上部ハウジングアセンブリ24と、下部ハウジングアセンブリ21内に設置された主制御回路基板221及び磁気吸引構造と、上部ハウジングアセンブリ24内に設置された上部ハウジング磁石と、を含んでもよい。上部ハウジング磁石は、上記永久磁石262であり、下部ハウジングアセンブリ21には、ホールセンサ223が設置されてもよく、ホールセンサ223は、主制御回路基板221に電気的に接続されてもよい。磁気吸引構造は、磁気吸引によってイヤホン10の充電ボックス20での収容状態を維持する。これに基づいて、上部ハウジングアセンブリ24の閉じ過程において、ホールセンサ223は、上部ハウジング磁石の近接を検出することにより、上部ハウジングアセンブリ24の閉じをさらに検出して、充電ボックス20の閉じ検出を実現することができる。ホールセンサ223のタイプは、S極トリガのユニポーラホールスイッチであってもよく、N極トリガのユニポーラホールスイッチであってもよく、ここでは具体的に限定されない。以下、本願は、ホールセンサ223がS極トリガのタイプを例として説明する。ホールセンサ223のタイプがN極トリガのタイプである場合、原理は、同じであり、説明を省略する。なお、当業者は、以下に説明されるホールセンサ223がS極トリガのタイプである場合の関連原理に基づいて、ホールセンサ223のタイプがN極トリガのタイプである場合、関連する磁極特徴を調整することにより、同一又は類似の技術的効果を達成することができる。したがって、ホールセンサ223のタイプがN極トリガのタイプである場合の技術的手段も本願の保護範囲に含まれる。
【0216】
なお、ホールセンサ223は、ハイレベルとローレベルをそれぞれ出力可能な2種類の出力状態を有する。ホールセンサ223は、感知面を有し、ホールセンサ223においてホールセンサ223の感知面と垂直であり、かつ感知面の正方向に向かう磁界成分は、ホールセンサ223のキャリアに作用し、キャリアを偏向させることにより、ホールセンサ223の出力状態を変化させる。具体的な原理については、少なくとも従来技術を参照することができ、ここでは説明を省略する。ホールセンサ223がS極トリガのタイプを例として、磁石のS極がホールセンサ223に徐々に近接する過程において、磁石が発生する、ホールセンサ223においてホールセンサ223の感知面と垂直である正方向磁界成分は、徐々に増加し、ある閾値(例えば、磁界強度が2mT又は3mTである場合)を超えるまで増加したとき、ホールセンサ223は、ハイレベルからローレベルに変換する。
【0217】
関連技術において、充電ボックス20には、イヤホン10と係合する磁気吸引構造又は充電ボックス20の閉じに対して補助作用を果たす補助磁石をさらに含む。上部ハウジング磁石が近接するときの磁界がホールセンサに作用する以外、充電ボックス20内の磁気吸引構造と補助磁石などの部材の磁界もホールセンサに一定の影響を与える。例示的には、下部ハウジングアセンブリ21内に設置された磁気吸引構造は、ホールセンサに影響を与えるが、その体積が比較的小さいため、ホールセンサ223に対する影響は、無視することができる。言い換えれば、磁気吸引構造がホールセンサ223に作用する磁界強度は、ホールセンサ223の出力状態を変化させる閾値に達することができない(すなわち、磁気吸引構造の有無がホールセンサ223の出力状態を変化させない)。このように、ホールセンサ223の状態が変化する原因は、主に上部ハウジング磁石の近接によるものである。ホールセンサ223がS極トリガであるタイプを例として、磁気吸引構造の体積が小さい場合、ホールセンサ223の出力状態は、磁気吸引構造の磁界によって変化しない。上部ハウジングアセンブリ24が閉じるとき、上部ハウジング磁石のS極がホールセンサ223に近接し、ホールセンサ223が上部ハウジング磁石の磁界作用を受け、磁界強度が出力状態を変化させる閾値に達し、その出力状態が変化する。例えば、ホールセンサ223の出力状態の変化は、ハイレベルからローレベルに変換してもよく、主制御回路基板における回路は、ホールセンサ223がローレベルを出力したことを検出した場合に充電ボックス20が閉じると判定するように設計されてもよい。
【0218】
いくつかの実施例において、体積が小さい磁気吸引構造のイヤホン10に対する吸引力が弱く、イヤホン10の充電ボックス20での収容に不利であるため、磁気吸引構造の体積を増大させることによりイヤホン10に対する吸引力を強化する必要があり、それによりイヤホン10の収容安定性を向上させる。例えば、第1の磁気吸引構造は、直径が8~15mmであり、厚さが2~4mmである磁石を用いることができる。しかしながら、磁気吸引構造の体積が増大すると、磁気吸引構造が発生した磁界のホールセンサ223に対する影響を無視することができなくなり、すなわち、磁気吸引構造のホールセンサ223における磁界強度がホールセンサ223の出力状態を変化させる閾値に達し、磁気吸引構造の磁界が、充電ボックス20が閉じていないときにホールセンサ223の出力状態を変化させることができる。例えば、上記上部ハウジング磁石は、S極が下向きになるように設置される場合、磁気吸引構造のホールセンサ223の感知面に垂直な磁界成分が感知面の正方向に向かい、かつホールセンサ223の出力状態を変化させる閾値を超えると、上部ハウジング磁石がホールセンサ223に近接するとき、上部ハウジング磁石と磁気吸引構造とのホールセンサ223における感知面に垂直な成分の方向が同じであるため、ホールセンサ223における磁界を強化するが、ホールセンサ223の出力状態を変化させることができず、ボックスの開閉検出が失効する。上記技術課題を解決するために、本願は、以下の実施例を提供する。
【0219】
いくつかの実施例において、磁気吸引構造、上部ハウジング磁石及びホールセンサ223の三者の協働関係は、以下のように設置されてもよい。上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して開状態にあるとき、ホールセンサ223は、磁気吸引構造の磁界によって第1の状態にあり、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して閉状態にあるとき、上部ハウジング磁石は、磁気吸引構造のホールセンサ223に対する磁界の作用を相殺して、ホールセンサ223を第1の状態と異なる第2の状態に切り替える。第1の状態は、ホールセンサ223がハイレベルを出力する状態又はホールセンサ223がローレベルを出力する状態のうちの1つの状態であり、第2の状態は、ホールセンサ223がハイレベルを出力する状態又はホールセンサ223がローレベルを出力する状態のうちの第1の状態と異なるもう1つの状態である。言い換えれば、磁気吸引構造、上部ハウジング磁石及びホールセンサ223の協働関係を設置することにより、充電ボックス20が閉じるとき、ホールセンサ223は、上部ハウジング磁石によって出力状態を変化させることができる。
【0220】
同様に、S極トリガのユニポーラホールスイッチを例として、上記実施例を例示的に説明する。磁気吸引構造のホールセンサ223における磁界は、ホールセンサ223の出力状態を変化させる閾値(ホールセンサ223が磁界によって完全に干渉されないときの状態に比べて、すなわち、磁気吸引構造の有無がホールセンサ223の出力状態に影響を与える)に達し、例えば、磁界は、3mTよりも大きく、ホールセンサ223は、第1の状態にあり、ローレベルを出力する。この場合、閉じ検出の有効性を保証するために、上部ハウジングアセンブリ24が閉じられるとき、上部ハウジング磁石がホールセンサ223に近接し、ホールセンサ223が第2の状態になるように、すなわち、ハイレベルを出力するように、ホールセンサ223における磁界を変化させる必要がある。このように、主制御回路基板における回路を、ホールセンサ223がハイレベルを出力したことを検出した場合に充電ボックス20が閉じると判定するように設置することにより、有効な閉じ検出を実現することができる。具体的には、上部ハウジングアセンブリ24が下部ハウジングアセンブリ21に対して閉状態にあるとき、磁気吸引構造の上部ハウジングアセンブリ24に向かう磁極は、上部ハウジング磁石の下部ハウジングアセンブリ21に向かう磁極と逆極性である。例えば、磁気吸引構造のS極が上部ハウジングアセンブリ24に向かい、磁気吸引構造とホールセンサ223とを結ぶ線とホールセンサ223の感知面との夾角が45度よりも小さいと、磁気吸引構造は、ホールセンサ223におけるホールセンサ223の感知面に垂直な成分が感知面に向かう正方向において、ホールセンサ223を第1の状態、すなわち、ローレベルにトリガすることができる。上部ハウジング磁石のN極は、充電ボックス20が閉じるときに下部ハウジングアセンブリ21に向かって設置され、このように、充電ボックス20が閉じるとき、上部ハウジング磁石のホールセンサ223における感知面に垂直な成分は、感知面の負方向に位置する。言い換えれば、充電ボックス20が閉じるとき、ホールセンサ223における上部ハウジング磁石と磁気吸引構造との磁界が互いに相殺され、それによりホールセンサ223における磁気吸引構造と上部ハウジング磁石との複合磁界の感知面に垂直な成分がホールセンサ223のトリガ閾値よりも小さくなり、ひいては、該複合磁界の感知面に垂直な成分が感知面の負方向に向かうことにより、ホールセンサ223を第2の状態、すなわち、ハイレベルの状態にトリガする。主制御回路基板221は、ホールセンサ223の出力状態を検出することにより、充電ボックス20が閉じるか否かを検出することができ、上記方式によって、ホールセンサ223が磁気吸引構造に干渉された場合、充電ボックス20もスムーズにボックスの閉検出を実現することができる。
【0221】
いくつかの実施形態において、上部ハウジング磁石のホールセンサ223における磁界分布を調整することにより、磁気吸引構造のホールセンサ223における磁界分布と協働することができ、それにより上部ハウジング磁石がホールセンサ223に近接するとき、ホールセンサ223に作用する総磁界の方向を変化させることができる。上部ハウジング磁石のホールセンサ223における磁界分布の違いは、上部ハウジング磁石の物理的パラメータの違いによって表現することができる。
【0222】
いくつかの実施形態において、上部ハウジング磁石は、直径範囲が4~6mmであってもよく、厚さが1~8mmであってもよい。例示的には、図34図34は、異なる厚さの上部ハウジング磁石のホールセンサ223における磁界のシミュレーション結果の概略図である)に示すように、図34(a)は、イヤホン10が収容されていない場合、充電ボックス20がそれぞれ開状態と閉状態にあるホールセンサ223における磁界のシミュレーション結果の概略図である。図34(b)は、イヤホン10が収容されている場合、充電ボックス20がそれぞれ開状態と閉状態あるホールセンサ223における磁界のシミュレーション結果の概略図である。図34における数値の正、負は、それぞれホールセンサ付近の総磁界に対応する感知面の正、負方向を表す。例えば、磁気吸引構造が直径10mm、厚さ2.5mmの永久磁石を用い、かつ充電ボックス20にイヤホン10が収容されていない場合、磁気吸引構造は、ホールセンサ223において、方向がホールセンサ223の感知面の正方向に向かって、かつ磁界強度が6.5mTの磁界を発生させ、この場合、ホールセンサ223は、磁気吸引構造の磁界の影響を受けてローレベル状態にある。上部ハウジングアセンブリ24が閉じた後、上部ハウジング磁石は、ホールセンサ223における磁気吸引構造により発生した磁界を相殺し、ホールセンサ223における磁界方向が感知面の負方向に向かって、磁界強度が5.1mTになるように、ここでの磁界を反転させ、この場合、ホールセンサ223は、ハイレベル状態にある。上部ハウジング磁石の寸法が異なると、ホールセンサ223に対する影響も異なり、例えば、上部ハウジング磁石の直径が5mmである場合、上部ハウジング磁石の厚さの増加につれて、ホールセンサ223における反転後の磁界強度も徐々に増加する。
【0223】
いくつかの実施形態において、イヤホン10には、磁気吸引構造と係合する第1の磁気吸引部材がさらに設置され、第1の磁気吸引部材は、イヤホン10が充電ボックス20に収容され、かつ上部ハウジングアセンブリ24が開状態にあるとき、ホールセンサ223が第1の状態にあるように設置され、第1の磁気吸引部材は、イヤホン10が充電ボックス20に収容され、かつ上部ハウジングアセンブリ24が閉状態にあるとき、ホールセンサ223が第2の状態にあるように設置される。イヤホン10が充電ボックス20に入れられるとき、イヤホン10に設置された第1の磁気吸引部材もホールセンサ223における磁界に対して磁気吸引構造と異なる影響を与え、第1の磁気吸引部材のホールセンサ223における感知面に垂直な成分は、感知面の正方向に向かう可能性があり、感知面の負方向に向かう可能性もある。しかしながら、第1の磁気吸引部材は、ホールセンサ223における感知面に垂直な磁界の大きさのみに影響を与え、該箇所の総磁界の方向に影響を与えないように設置される。言い換えれば、イヤホン10の入れは、ホールセンサ223の出力状態に影響を与えない。例えば、図34(b)は、充電ボックス20にイヤホン10がある場合のシミュレーション結果の概略図である。概略図は、磁気吸引構造が直径10mm、厚さ2.5mmの永久磁石を用い、かつ上部ハウジング磁石が直径5mm、厚さ2mmの永久磁石を用いる場合に作成されるものである。充電ボックス20にイヤホン10がある場合、ホールセンサ223における磁界は、磁界方向が感知面の正方向に向かって、かつ磁界強度が7.1mTである磁界であり、この場合、ホールセンサ223は、ローレベルを出力する。上部ハウジングアセンブリ24が閉じた後、上部ハウジング磁石は、ホールセンサ223における磁界を、磁界方向が感知面の負方向に向かって、かつ磁界強度が4.5mTである磁界に反転させ、この場合、ホールセンサ223は、ハイレベルを出力する。
【0224】
いくつかの実施形態において、イヤホン10は、第1の磁気吸引部材から独立した第2の磁気吸引部材をさらに含み、磁気吸引構造は、第2の磁気吸引部材と磁気吸引して係合する第2の磁気吸引構造を含む。第1の磁気吸引構造231は、イヤホン10内の第1の磁気吸引部材と第1の磁気吸引マッチングペアを形成することができ、第2の磁気吸引構造232は、イヤホン10内の第2の磁気吸引部材と第2の磁気吸引マッチングペアを形成することができ、前述の第1の磁気吸引マッチングペアと前述の第2の磁気吸引マッチングペアにより、電極端子222と電極端子151とが1対1で接触する。このように、電極端子222と電極端子151とがペアリングされた後、第1の磁気吸引マッチングペアと第2の磁気吸引マッチングペアとの間に位置するため、イヤホン10と充電ボックス20との接触がよりよくなる。第2の磁気吸引部材及び第2の磁気吸引構造の体積は、第1の磁気吸引部材及び第1の磁気吸引構造231よりも小さく、ホールセンサ223から第1の磁気吸引構造231までの距離は、ホールセンサ223から第2の磁気吸引構造までの距離よりも小さい。このように、第2の磁気吸引構造がホールセンサ223における磁界に与える影響を低減し、ホールセンサ223の出力状態に与える干渉を減少させることができる。
【0225】
いくつかの実施形態において、下部ハウジングアセンブリ21内には、透磁部材261がさらに設置され、透磁部材261は、上部ハウジング磁石の磁界分布を変化させることができ、それにより上部ハウジング磁石の磁界を集中させて、上部ハウジング磁石のホールセンサ223に対する影響を増大させることができる。上部ハウジングアセンブリ24が閉じるとき、上部ハウジング磁石が透磁部材261に徐々に近接することにつれて、上部ハウジング磁石の磁界は、透磁部材261を磁化し、透磁部材261は、ホールセンサ223における磁界分布に影響を与えることができる。さらに、透磁部材261が発生する磁界によって磁気吸引構造のホールセンサ223に対する磁界作用を相殺することにより、ホールセンサ223を第1の状態と異なる第2の状態に切り替える。充電ボックス20が開状態と閉状態との間に切り替えられる過程において、上部ハウジング磁石は、透磁部材261に対して異なる程度の磁化を行い、ホールセンサ223は、透磁部材261の磁界を感知して、前述の開状態又は前述の閉状態を検出する。言い換えれば、前述の閉状態において、透磁部材261は、上部ハウジング磁石が発生する磁界をホールセンサ223により多く集中させ、このように、ホールセンサ223の検出の信頼性を向上させ、上部ハウジング磁石の体積を減少させることに有利である。上記方式により、関連技術におけるホールセンサ223が下部ハウジングライニング214の内側に固定され、導線を介して主制御回路基板221に接続されることに比べて、本技術的手段は、ホールセンサ223を主制御回路基板221に直接的に固定することができ、充電ボックス20の配線の簡略化に有利である。
【0226】
いくつかの実施形態において、ホールセンサ223から透磁部材261までの距離をホールセンサ223から磁気吸引構造までの距離よりも小さくすることにより、透磁部材261により集中した磁界をホールセンサ223により近接させることができるとともに、透磁部材261により集中できる磁気吸引構造の磁界が限られ、透磁部材261により集中した磁界のホールセンサ223に対する作用を強化するとともに、磁気吸引構造の磁界の影響を低減し、ホールセンサ223における磁界の反転に有利である。
【0227】
いくつかの実施形態において、充電ボックス20の厚さ方向において、上部ハウジングアセンブリ24が閉状態にあるとき、上部ハウジング磁石と透磁部材261との厚さ方向への正投影が少なくとも部分的に重なるように設置することができ、このように、上部ハウジング磁石と透磁部材261との第1の基準方向又は第2の基準方向における距離を調整することができ、上部ハウジング磁石と透磁部材261との第1の基準方向又は第2の基準方向における距離を短縮することにより、上部ハウジング磁石と透磁部材261との間の磁気ギャップを低減することに有利であり、それにより永久磁石262が発生する磁界をホールセンサ223により多く集中させ、特に、上記閉状態において、上部ハウジング磁石の体積が小さい場合でもホールセンサ223において十分な強度の磁界を発生させることができる。好ましくは、上部ハウジングアセンブリ24が閉状態にあるとき、上部ハウジング磁石と透磁部材261との厚さ方向への正投影の図心が重なるように設置することができる。
【0228】
いくつかの実施形態において、上部ハウジングアセンブリ24が閉状態にあるとき、透磁部材261と上部ハウジング磁石との充電ボックス20内に取り付けられた相対位置を設置することにより、上部ハウジング磁石と透磁部材261との厚さ方向における距離を調整することができる。上部ハウジング磁石と透磁部材261との厚さ方向における距離を短縮することにより、上部ハウジング磁石と透磁部材261との間の磁気ギャップを低減することに有利であり、透磁部材261の上部ハウジング磁石に対する磁界の集中能力を向上させることにより、永久磁石262が発生する磁界をホールセンサ223により多く集中させる。このように、充電ボックス20が閉じるとき、上部ハウジング磁石がホールセンサ223の出力状態を変化させることができることを保証した上で、上部ハウジング磁石が小さい体積を有することができ、さらに充電ボックス20の体積を縮小することができる。好ましくは、上部ハウジングアセンブリ24が閉状態にあるとき、透磁部材261と上部ハウジング磁石との互いに近接する表面との間の距離は、5mm以下に設置されてもよい。このように、上部ハウジング磁石と透磁部材との間には、一定の隙間を持たせることができ、それにより上部ハウジングアセンブリの側壁と下部ハウジングアセンブリの側壁(すなわち、前述の上部ハウジングライニング242と下部ハウジングライニング214)は、上部ハウジング磁石と透磁部材261を離間して被覆することができ、両者を上部ハウジングアセンブリ24と下部ハウジングアセンブリ21との間に露出させなくてもよく、上部ハウジングライニング242と下部ハウジングライニング214に別途孔を形成する必要がなく、充電ボックス20の構造強度の向上に有利であり、充電ボックス20をより美しくすることができる。他の実施形態において、上部ハウジングアセンブリ24が閉状態にあるとき、透磁部材261のホールセンサ223から離れた一端が上部ハウジング磁石の底面に直接的に当接するように設置することにより、上部ハウジング磁石の透磁部材261に対する磁化を増加させ、上部ハウジング磁石の磁界をホールセンサ223により多く集中させることができる。
【0229】
充電ボックス20の厚さ方向において、下部ハウジングアセンブリ21には、それぞれイヤホン10を収容する倣い溝211が設置され、倣い溝211の主制御回路基板221への正投影は、ホールセンサ223と上部ハウジング磁石との主制御回路基板221への正投影とずれている。このように、ホールセンサ223を倣い溝211の外に設置することができ、ホールセンサ223を上部ハウジング磁石により近接させることができ、上部ハウジング磁石がホールセンサ223の出力状態を変化させることに有利である。
【0230】
好ましくは、下部ハウジングアセンブリ21内には、補助磁石がさらに設置され、補助磁石は、例えば、上部ハウジングアセンブリ24と下部ハウジングアセンブリ21との磁気吸引係合を補助する磁石、又はイヤホン10と倣い溝211との係合を補助する磁石などであってもよい。補助磁石は、上部ハウジングアセンブリ24が開状態にあるとき、ホールセンサ223が第1の状態にあり、上部ハウジングアセンブリ24が閉状態にあるとき、ホールセンサ223が第2の状態にあるように設置される。言い換えれば、補助磁石は、ホールセンサ223の出力状態に対して磁気吸引構造と異なる影響を与えない。
【0231】
以上は、本願の一部の実施例に過ぎず、本願の保護範囲を限定するものではなく、本願の明細書及び図面の内容に基づいて行った等価装置又は等価プロセス変換、又は他の関連する技術分野への直接的又は間接的応用は、すべて同様に本願の特許保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0232】
10 イヤホン
11 コアモジュール
12 フック状構造
13 主制御回路基板
15 電子部品
16 可撓性回路基板
17 支持アセンブリ
CE 接続端
FE 自由端
111 コアハウジング
112 スピーカー
111a 放音孔
111c 減圧孔
111d 調音孔
115 ブラケット
116 音響キャビティ
121 弾性ワイヤ
122 アダプタハウジング
123 電池ハウジング
124 収容キャビティ
1231 蓋ケース
1232 電池マガジン
1131 可撓性嵌合ブロック
1132 可撓性被覆層
1141 アンテナパターン
1142 タッチパターン
151 電極端子
171 底板
172 第1の側板
173 第2の側板
174 第3の側板
231 第1の磁気吸引構造
232 第2の磁気吸引構造
21 下部ハウジングアセンブリ
213 下部ハウジング本体
214 下部ハウジングライニング
24 上部ハウジングアセンブリ
241 上部ハウジング本体
242 上部ハウジングライニング
245 制限部材
251 下固定座
252 上固定座
253 回転軸
254 補強部材
255 弾性部材
271 第1の位置制限部材
272 第2の位置制限部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図17
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図20
図21
図22
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図25
図26
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図30
図31
図32
図33
図34
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヤホン(10)の充電ボックス(20)であって、
前記イヤホン(10)は、コアモジュール(11)と、前記コアモジュール(11)に接続されたフック状構造(12)と、を含み、
前記充電ボックス(20)は、下部ハウジングアセンブリ(21)を含み、前記下部ハウジングアセンブリ(21)には、前記イヤホン(10)を収容する倣い溝(211)が設置され、前記倣い溝(211)は、前記コアモジュール(11)に対応する第1の倣い溝領域(2111)と、前記フック状構造(12)に対応する第2の倣い溝領域(2112)と、を含み、前記第1の倣い溝領域(2111)と前記第2の倣い溝領域(2112)との第1の基準方向への投影は、重なり、前記第1の倣い溝領域(2111)と前記第2の倣い溝領域(2112)との第1の基準方向に垂直な第2の基準方向への投影は、重なる、ことを特徴とする、イヤホン(10)の充電ボックス(20)
【請求項2】
前記第2の倣い溝領域(2112)の第1の部分と前記第1の倣い溝領域(2111)との第1の基準方向への投影は、重なり、前記第2の倣い溝領域(2112)の第2の部分と前記第1の倣い溝領域(2111)との第2の基準方向への投影は、重なる、ことを特徴とする、請求項1に記載の充電ボックス(20)
【請求項3】
前記第1の基準方向において、前記第2の倣い溝領域(2112)の第1の部分は、前記第1の倣い溝領域(2111)の、前記第1の倣い溝領域(2111)に隣接する前記下部ハウジングアセンブリ(21)の縁部から離れた側に位置する、ことを特徴とする、請求項2に記載の充電ボックス(20)
【請求項4】
前記第2の基準方向において、前記第2の倣い溝領域(2112)の第2の部分は、前記第1の倣い溝領域(2111)の、前記第1の倣い溝領域(2111)に隣接する前記下部ハウジングアセンブリ(21)の縁部から離れた側に位置する、ことを特徴とする、請求項2に記載の充電ボックス(20)
【請求項5】
前記下部ハウジングアセンブリ(21)は、2つの前記倣い溝(211)を含み、2つの前記倣い溝(211)は、ユーザの左耳と右耳に装着される2つのイヤホン(10)をそれぞれ収容し、2つの前記イヤホン(10)の前記コアモジュール(11)は、第2の基準方向に沿って間隔をあけて設置される、ことを特徴とする、請求項1に記載の充電ボックス(20)
【請求項6】
前記下部ハウジングアセンブリ(21)は、2つの前記倣い溝(211)を含み、2つの前記倣い溝(211)の前記第2の倣い溝領域(2112)は、互いに交差して設置され、それにより2つの前記倣い溝(211)が前記イヤホン(10)をそれぞれ収容するとき、2つの前記イヤホン(10)の前記フック状構造(12)が互いに重なる、ことを特徴とする、請求項1に記載の充電ボックス(20)
【請求項7】
前記フック状構造(12)は、電池ハウジング(123)と、前記電池ハウジング(123)及び前記コアモジュール(11)を接続する弾性部と、を含み、2つの前記第2の倣い溝領域(2112)は、2つの前記イヤホン(10)を収容するとき、前記イヤホン(10)の前記弾性部が互いに重なるように設置される、ことを特徴とする、請求項6に記載の充電ボックス(20)
【請求項8】
前記弾性部は、弧状に設置され、2つの前記イヤホン(10)の前記弾性部が互いに重なるとき、2つの重なり点を形成する、ことを特徴とする、請求項7に記載の充電ボックス(20)
【請求項9】
2つの前記倣い溝(211)は、2つの前記重なり点を結ぶ線を対称軸として鏡像対称であり、2つの前記重なり点を結ぶ線の方向は、前記第1の基準方向又は前記第2の基準方向と平行である、ことを特徴とする、請求項8に記載の充電ボックス(20)
【請求項10】
2つの前記第2の倣い溝領域(2112)は、前記フック状構造(12)に囲まれ、かつ2つの前記重なり点の間に位置する領域は、互いに一体に統合される、ことを特徴とする、請求項8に記載の充電ボックス(20)
【請求項11】
2つの前記第2の倣い溝領域(2112)は、前記フック状構造(12)に囲まれ、かつ2つの重なり点の間に位置する領域には、アイランドが形成される、ことを特徴とする、請求項8に記載の充電ボックス(20)
【請求項12】
前記下部ハウジングアセンブリ(21)内に設置された主制御回路基板(13)と、前記主制御回路基板(13)に設置された電極端子(151)と、をさらに含み、
前記電極端子(151)は、正極給電端子、負極給電端子及び検出端子を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の充電ボックス(20)。
【請求項13】
前記フック状構造(12)は、弾性部と、前記コアモジュール(11)及び前記弾性部を接続する硬質部と、を含み、
前記硬質部の剛性は、前記弾性部の剛性よりも大きい、ことを特徴とする、請求項1に記載の充電ボックス(20)。
【請求項14】
前記下部ハウジングアセンブリ(21)内に設置された第1の磁気吸引構造(231)及び第2の磁気吸引構造(232)を含み、
前記第1の磁気吸引構造(231)は、前記イヤホン(10)内の第1の磁気吸引部材と第1の磁気吸引マッチングペアを形成し、前記第2の磁気吸引構造(232)は、前記イヤホン(10)内の第2の磁気吸引部材と第2の磁気吸引マッチングペアを形成する、ことを特徴とする、請求項1に記載の充電ボックス(20)。
【請求項15】
上部ハウジングアセンブリ(24)をさらに含み、
前記充電ボックス(20)が閉状態にあるとき、前記上部ハウジングアセンブリ(24)は、前記下部ハウジングアセンブリ(21)と係合する、ことを特徴とする、請求項1に記載の充電ボックス(20)。
【国際調査報告】