(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-11
(54)【発明の名称】光学結像系、カメラ・アセンブリ、および電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20241204BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20241204BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20241204BHJP
G02B 13/18 20060101ALN20241204BHJP
【FI】
G02B13/00
G03B17/02
G03B30/00
G02B13/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539446
(86)(22)【出願日】2022-12-27
(85)【翻訳文提出日】2024-07-03
(86)【国際出願番号】 CN2022142398
(87)【国際公開番号】W WO2023125551
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111643718.9
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,カイユエン
(72)【発明者】
【氏名】ユイ,シヤオダン
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087LA01
2H087MA06
2H087PA07
2H087PA17
2H087PB07
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA22
2H087QA26
2H087QA37
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA34
2H087RA42
2H087RA43
2H087RA44
(57)【要約】
本願は、光学結像系、カメラ・アセンブリおよび電子デバイスを提供する。光学結像系は、イジェクト機構と協働して使用される。光学結像系は、光軸に沿って物体側から像側へ順次配置された第1レンズないし第Nレンズを含み、第1レンズないし第Nレンズのそれぞれは、焦点屈折力を有し、7≦N≦10である。第1レンズないし第Nレンズは、物体側から像側へ順に第1群および第2群にグループ分けされ、第1群は正の屈折力を有し、第2群と像面との間の光軸方向に沿った距離は固定されている。イジェクト機構は、第1群を、光軸方向に沿って非作動位置から作動位置にイジェクトするように駆動するように構成される。作動位置と非作動位置は、物体側から像側へ順に配置される。光学結像系は、以下の関係式を満たす:0<ImgH/TTL≦1。第1群を群単位でイジェクトさせることにより総光学長と最大結像高さとの間の対応が適切に構成され、光学結像系の分解能を改善する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学結像系であって、当該光学結像系は、イジェクト機構と協働して使用され、当該光学結像系は、光軸方向に沿って物体側から像側へ順次配置された第1レンズないし第Nレンズを含み、前記第1レンズないし前記第Nレンズのそれぞれは、焦点屈折力を有し、7≦N≦10であり;
前記第1レンズないし前記第Nレンズは、物体側から像側へ順に第1群および第2群にグループ分けされ、前記第1群は正の屈折力を有し、前記第2群と像面との間の光軸方向の間隔は固定されており
前記イジェクト機構は、前記第1群を、光軸方向に沿って非作動位置から作動位置にイジェクトするように駆動するように構成されており、前記作動位置と前記非作動位置は、物体側から像側へ順に配置され、当該光学結像系は、以下の関係式:
0<ImgH/TTL≦1
を満たし、
TTLは、前記第1群が前記作動位置にあるときの当該光学結像系の総光学長であり、ImgHは、当該光学結像系の最大画角の半分に対応する結像高さである、
結像光学系。
【請求項2】
前記第1群は、物体側から像側へM個のレンズを含み、5≦M≦8であり、前記第2群は、物体側から像側へ2つのレンズを含む、請求項1に記載の結像光学系。
【請求項3】
N=7の場合、第4レンズ、第5レンズ、および第6レンズはそれぞれ、正の焦点屈折力を有し、第3レンズおよび第7レンズはそれぞれ、負の焦点屈折力を有する、請求項1または2に記載の結像光学系。
【請求項4】
当該光学結像系は、以下の関係式:
0<TTL<0/TTL<0.8
を満たし、
TTL0は、前記第1群が前記非作動位置にあるときの当該光学結像系の総光学長である、
請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の結像光学系。
【請求項5】
当該光学結像系は、以下の関係式:
1.4≦FNO≦2.4
を満たし、
FNOは、当該光学結像系のF値である、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の結像光学系。
【請求項6】
当該光学結像系は、以下の関係式:
0≦|f2/f3|≦0.7
を満たし、
f2は第2レンズの有効焦点距離であり、f3は前記第3レンズの有効焦点距離である、請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の結像光学系。
【請求項7】
当該光学結像系は、以下の関係式:
0≦|fN/f|≦2
を満たし、
fNは、前記第Nレンズの有効焦点距離であり、fは、当該光学結像系の有効焦点距離である、請求項1ないし6のうちいずれか一項に記載の結像光学系。
【請求項8】
前記第4レンズの像側表面は凸面である、請求項1ないし7のうちいずれか一項に記載の結像光学系。
【請求項9】
前記第1レンズないし前記第Nレンズにおいて、前記第Nレンズは最大光透過開口を有する、請求項1ないし8のうちいずれか一項に記載の結像光学系。
【請求項10】
請求項1ないし9のうちいずれか一項に記載の光学結像系と、感光性要素とを有するカメラ・アセンブリであって、前記感光性要素は、前記光学結像系の像側に位置する、カメラ・アセンブリ。
【請求項11】
前記感光性要素のサイズは1フィートである、請求項10に記載のカメラ・アセンブリ。
【請求項12】
請求項10または11に記載のカメラ・アセンブリを有する電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2021年12月29日に中国国家知識産権局に出願された「光学結像系、カメラ・アセンブリ、および電子デバイス」という名称の中国特許出願第202111643718.9号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本願は、光学技術の分野に関し、特に、光学結像系、カメラ・アセンブリ、および電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
携帯電話の撮影要求の向上およびカメラ・アセンブリの撮像品質の向上に伴い、マルチカメラ・アセンブリが携帯電話のカメラ・モジュールの主流になる。メイン・カメラ・レンズは、携帯電話カメラにおいて最も一般的に使用されるカメラ・レンズである。フラッグシップ・ハンドセットに用いられるメイン・カメラ・レンズは、通例7P以上のバージョンであり、表面形状および製造プロセスが比較的複雑であり、レンズ製造プロセスおよび公差に対する要求が比較的高い。メイン・カメラ・レンズは、無限遠結像品質およびマクロ性能に対して高い要求を有する。また、異なるシナリオにおけるメイン・カメラ・レンズの使用要求に伴い、小型化、大きな画像面、およびより大きなF値が、携帯電話のカメラ・モジュールの主流となる。
【0004】
しかしながら、携帯電話の既存のカメラ・アセンブリは、夜景、スナップショット、ビデオ、および背景ぼかしなどの機能においていまだ問題があり、より大きいF値および低い総結像高さは、互いに制約し合う関係を有する。従来のメイン・カメラ・レンズは、被写体距離が変化したときに発生するデフォーカス量を補償するために、像面オートフォーカスを用いている。この方式の欠点は、被写体距離が変化するときに発生する分散を効果的に補償することができないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の内容に鑑み、光学結像系が高い像品質を達成しながらメイン・カメラ・レンズの特定の要件を満たすように、光学結像系、カメラ・アセンブリ、および電子デバイスを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施形態の第1の側面は、光学結像系を提供する。光学結像系は、イジェクト機構と協働して使用される。光学結像系は、光軸に沿って物体側から像側へ順次配置された第1レンズないし第Nレンズを含み、第1レンズないし第Nレンズのそれぞれは、焦点屈折力を有し、7≦N≦10である。
【0007】
第1レンズないし第Nレンズは、物体側から像側へ順に第1群および第2群にグループ分けされ、第1群は正の屈折力を有し、第2群と像面との間の光軸方向に沿った距離は固定されている。具体的には、第1群および第2群は、物体側から像側に順に配置され、第1群および第2群におけるレンズの総数はNであり、第1群および第2群のそれぞれに含まれるレンズの数は、実際の適用シナリオに基づいて設定されてもよい。たとえば、N=7の場合、第1群は5枚のレンズを含み、第2群は2枚のレンズを含む。
【0008】
イジェクト機構は、第1群を、光軸方向に沿って非作動位置から作動位置にイジェクトするように駆動するように構成される。作動位置と非作動位置は、物体側から像側へ順に配置される。光学結像系は、以下の関係式を満たす。
0<ImgH/TTL≦1
【0009】
TTLは、第1群が作動位置にあるときの光学結像系の総光学長であり、ImgHは、光学結像系の最大画角の半分に対応する結像高さである。
【0010】
本願のこの実施形態では、イジェクト機構は、光学結像系のオートフォーカスを実施するために、第1群を非作動位置から作動位置にイジェクトさせて、群単位でのイジェクトを実施する。最大結像高さと総光学長との間の対応が適切に構成され、光学結像系の超薄型特徴を実現し、小型化を実現する。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1群は、物体側から像側へM個のレンズを含み、5≦M≦8であり、第2群は、物体側から像側へ2つのレンズを含む。第1群内のレンズの数および第2群内のレンズの数は、光学結像系の撮像品質を改善するように適切に構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、N=7の場合、第4レンズ、第5レンズ、および第6レンズはそれぞれ、正の焦点屈折力を有し、第3レンズおよび第7レンズはそれぞれ、負の焦点屈折力を有する。
【0013】
各レンズの焦点屈折力は、光学結像系の厚さを低減し、光学結像系の撮像品質を改善するように適切に構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1群が非作動位置にあるとき、光学結像系は、以下の関係式を満たす。
0<TTL<0/TTL<0.8
【0015】
TTL0は、第1群が非作動位置にあるときの光学結像系の総光学長である。
【0016】
作動位置における第1群の総光学長および非作動位置における第1群の総光学長は、光学結像系の総厚を低減させ、光学結像系の小型化設計を容易にするよう適切に制限される。
【0017】
いくつかの実施形態では、光学結像系は、以下の関係式を満たす。
1.4≦FNO≦2.4
【0018】
FNOは、光学結像系のF値である。
【0019】
光学結像系のF値は、光学結像系がより大きなF値の要求を満たすことを確実にするよう、適切に構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、光学結像系は、以下の関係式を満たす。
0≦|f2/f3|≦0.7
【0021】
f2は第2レンズの有効焦点距離であり、f3は第3レンズの有効焦点距離である。
【0022】
第2レンズと第3レンズの有効焦点距離の間の関係は、光学結像系の厚さを低減するために適切に構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、光学結像系は、以下の関係式を満たす。
0≦|fN/f|≦2
【0024】
fNは、第Nレンズの有効焦点距離であり、fは、光学結像系の有効焦点距離である。
【0025】
いくつかの実施形態では、第4レンズの像側表面は凸面である。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1レンズないし第Nレンズにおいて、第Nレンズは最大光透過開口を有する。
【0027】
本願の実施形態の第2の側面は、前述の実施形態で記述された光学結像系と、該光学結像系と協働して使用されるイジェクト機構とを含むカメラ・アセンブリを提供する。
【0028】
いくつかの実施形態では、カメラ・アセンブリは、感光性要素をさらに含む。感光性要素は、光学結像系の像側に位置し、感光性要素のサイズは1フィートであり、感光性要素はターゲット検出器とも呼ばれる。ターゲット検出器のサイズは、カメラ・アセンブリの解像度を改善するために増大される。
【0029】
本願の実施形態の第3の側面は、前述の実施形態で記述されたカメラ・アセンブリを含む電子デバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本願による光学結像系の第1の状態の構造の図である。
【0031】
【
図2】本願による光学結像系の第2の状態の構造の図である。
【0032】
【
図3】本願による光学結像系の第2の状態の図である。
【0033】
【
図4】本願の第1の実施形態による光学結像系の構造の図である。
【0034】
【
図5】本願の第1の実施形態によるデフォーカス曲線図である。
【0035】
【
図6】本願の第1の実施形態による光学歪曲の図である。
【0036】
【
図7】本願の第2の実施形態による光学結像系の構造の図である。
【0037】
【
図8】本願の第2の実施形態によるデフォーカス曲線図である。
【0038】
【
図9】本願の第2の実施形態による光学歪曲の図である。
【0039】
【
図10】本願の第3の実施形態による光学結像系の構造の図である。
【0040】
【
図11】本願の第3の実施形態によるデフォーカス曲線図である。
【0041】
【
図12】本願の第3の実施形態による光学歪曲の図である。
【0042】
【
図13】本願の第4の実施形態による光学結像系の構造の図である。
【0043】
【
図14】本願の第4の実施形態による球面デフォーカス曲線図である。
【0044】
【
図15】本願の第4の実施形態による光学歪曲の図である。
【0045】
【
図16】本願の第5の実施形態による光学結像系の構造の図である。
【0046】
【
図17】本願の第5の実施形態によるデフォーカス曲線図である。
【0047】
【
図18】本願の第5の実施形態による光学歪曲の図である。
【0048】
【
図19】本願の第6の実施形態による光学結像系の構造の図である。
【0049】
【
図20】本願の第6の実施形態によるデフォーカス曲線図である。
【0050】
【
図21】本願の第6の実施形態による光学歪曲の図である。
【0051】
【
図22】本願のある実施形態によるカメラ・アセンブリの構造の図である。
【0052】
【
図23】本願のある実施形態による電子デバイスの構造の図である。
【0053】
主要な要素の参照符号の説明
光学結像系 10
イジェクト機構 20
固定部 21
弾性部 22
イジェクト部 23
第1レンズ L1
第2レンズ L2
第3レンズ L3
第4レンズ L4
第5レンズ L5
第6レンズ L6
第1群 G1
第2群 G2
光フィルタ IR
画像面 IMG
カメラ・アセンブリ 100
感光性要素 30
筐体 200
電子デバイス 1000
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下は、本願の実施形態における添付図面を参照して、本願の実施形態を説明する。
【0055】
本願の目的、技術的解決策、および利点をより明確にし、より理解しやすくするために、以下は、添付の図面および実施形態を参照して本願を詳細にさらに説明する。本明細書に記載された具体的な実施形態は、本願を説明するために使用されるにすぎず、本願を限定することを意図しないことを理解されたい。創造的な努力なしに本願の実施形態に基づいて当業者によって得られるすべての他の実施形態は、本願の保護範囲内に入るものとする。
【0056】
本願の説明において、用語「中心」、「長手方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下部」、「内側」、「外側」、「時計回り」、「反時計回り」などによって示される方向または位置関係は、添付の図面に示される方向または位置関係に基づき、示される装置または要素が特定の方向を有する必要があるか、または特定の方向に構築され、運用される必要があることを示すか、または暗示するのではなく、単に本願を説明することを容易にし、説明を簡略化するために意図されており、したがって、本願に対する限定として理解されてはならないことを理解されたい。加えて、「第1の」および「第2の」という用語は、単に説明の目的のために意図されており、相対的な重要性の指示もしくは含意、または示された技術的特徴の量の暗黙の指示として理解されるべきではない。したがって、「第1の」または「第2の」によって限定される特徴は、一つまたは複数の特徴を明示的または暗示的に含みうる。本願の説明において、「複数の」は、そうでないように特に限定されない限り、2つ以上を意味する。
【0057】
本願の説明において、そうでないことが明示的に指定され限定されない限り、「設置」、「接続された」、および「接続」という用語は、広義に理解されるべきであることに留意されたい。たとえば、接続は、固定接続、取り外し可能な接続、または一体化された接続であってもよい。あるいはまた、接続は、機械的接続または電気的接続であってもよく、または相互通信を意味してもよい。あるいはまた、接続は、直接接続、または中間媒体を通じた間接接続であってもよく、あるいは2つの要素間の接続または2つの要素間の相互作用関係であってもよい。当業者は、特定の場合に応じて、本願における前述の用語の特定の意味を解釈することができる。
【0058】
本願において、そうでないことが明示的に指定され限定されない限り、第2の特徴の「上」または「下」の第1の特徴は、第1の特徴と第2の特徴との間の直接接触を含んでいてもよく、または直接接触の代わりに第1の特徴と第2の特徴との間の別の特徴を使用することによる第1の特徴と第2の特徴との間の接触を含んでいてもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の真上または斜め上方にあることを含み、あるいは、第1の特徴が第2の特徴よりも水平に高いことを示すに過ぎない。第1の特徴が第2の特徴の「下」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上または斜め上にあることを含むか、または単に、第1の特徴が第2の特徴よりも水平に低いことを示す。
【0059】
以下の開示は、本願の異なる構造を実装するための多くの異なる実装または例を提供する。本願の開示を簡単にするために、以下は、特定の例における構成要素および設定を記述する。むろん、構成要素および設定は単なる例であり、本願を限定することを意図していない。さらに、本願は、異なる例において参照番号および/または参照文字を繰り返すことがあり、この繰り返しは、簡単および明瞭のためであり、論じられるさまざまな実装および/または設定の間の関係を示すものではない。さらに、本願は、さまざまな特定のプロセスおよび材料の例を提供する。しかしながら、当業者は、別のプロセスの適用および/または別の材料の使用を認識しうる。
【0060】
理解を容易にするために、以下では、まず、本願における技術用語を説明し、記述する。
【0061】
光軸は、光学系によって光が透過される方向であり、中心視野の主光線である。対称透過系については、光軸は通例、光学系の回転中心線と一致する。軸外反射系ついては、光軸も破線で示される。
【0062】
焦点光に関しては、光軸に平行な光が凸レンズに入射する場合、理想的には凸レンズはすべての光をレンズ後方の一点に収束させる。すべての光が収束するこの点が焦点である。
【0063】
焦点距離(focal length)は、フォーカス長(focus length)とも呼ばれ、光学系における光の集束または発散を測定するための尺度であって、無限遠の物体がレンズまたはレンズ群を通じて焦点面に明瞭な像を形成するときのレンズまたはレンズ群の光学中心から焦点までの距離であるか、またはレンズまたはレンズ群の光学中心から焦点面までの垂直距離として理解されうる。実際的な観点からは、焦点距離は、レンズの中心から撮像面までの距離として理解されてもよい。固定焦点レンズについては、固定焦点レンズの光学中心の位置は固定されており、したがって焦点距離は固定である。ズームレンズについては、ズームレンズの光学中心の変化は、ズームレンズの焦点距離の変化を引き起こし、したがって、焦点距離は調整できる。
【0064】
球面および非球面は、主にレンズ(たとえば、さまざまなカメラ・レンズおよび顕微鏡レンズ)および眼鏡レンズ(コンタクトレンズを含む)の幾何学的形状についてであり、球面レンズおよび非球面レンズを指す。球面レンズと非球面レンズとの幾何学的形状の違いは、球面レンズと非球面レンズとを通過する平行入射光の屈折方向の違いを決定し、これは結像効果に影響を及ぼす。
【0065】
球面レンズは、球面弧を有し、円弧状の断面をもつ。平行な光軸を用いて、異なる波長の光がレンズ上の異なる位置に入射すると、点がフィルム面(レンズ中心とレンズ焦点に垂直で、焦点を通る面)上に合焦されることができない。これは収差の問題となり、像品質に影響を及ぼし、たとえば精細度の低下や変形といった現象が発生する。
【0066】
非球面レンズは、非球面弧を有するが、レンズの縁部がわずかに切り取られ、レンズの断面が平面形状である。非球面の反射面に光が入射すると、光は一点、具体的にはフィルム面に合焦されることができ、収差をなくすことができる。
【0067】
レンズを境界として使用し、撮影される物体が位置する側が物体側であり、物体側に近いレンズの表面を物体側表面と呼ぶ。
【0068】
レンズを境界として使用し、撮影される物体の像が位置する側は像側であり、像側に近いレンズの表面は像側表面と呼ばれる。
【0069】
本願のある実施形態は、低い総結像高さ、より大きいF値、および大きいターゲット面の要件を満たし、より高い結像品質を実現するための光学結像系10を提供する。以下は、添付の図面を参照して、本願のある実施形態において提供される光学結像系10について詳細に説明する。
【0070】
なお、本発明の実施形態における「光学結像系」は、いくつかの実施形態では、「光学系」または「光学レンズ」と表現されることもある。
【0071】
図1を参照する。本願のこの実施形態における光学結像系10は、光軸に沿って物体側から像側へ順次配置された第1レンズないし第Nレンズを含み、第1レンズないし第Nレンズのそれぞれは、焦点屈折力を有し、7≦N≦10である。光学結像系10は、イジェクト機構20と協働して使用される。
【0072】
図1に示されるように、N=7であり、光学結像系10は、光軸に沿って物体側から像側へ順に配置された第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、第7レンズL7、および像面IMGを含む。第1レンズL1から第7レンズL7までの7枚のレンズは、第1群G1と第2群G2とにグループ分けされる。第1群G1は、正の屈折力を有する。第2群G2と像面との間の距離は、光軸方向に沿って一定である。イジェクト機構20は第1群G1に接続されている。イジェクト機構20は、第1群G1を駆動して
図1に示される非作動位置から
図2に示される作動位置にイジェクトさせ、光学結像系10のオートフォーカスを実施するように構成される。
【0073】
第1群G1が非作動位置にあるとき、光学結像系10は非作動状態にある。第1群G1が作動位置にあるとき、光学結像系10は作動状態にある。
【0074】
第1群G1が作動位置にあるとき、光学結像系10は、通常に作動し、使用されうる。第1群G1が非作動位置にあるとき、光学結像系10は非作動状態にある。
【0075】
本実施形態において、イジェクト機構20は、固定部21、弾性部22、およびイジェクト部23を含む。弾性部22の一端は、固定部21に接続され、弾性部22の他端は、イジェクト部23に接続される。第1群G1は、イジェクト部23に収容されている。弾性部22は、弾性部22の伸縮の制御を通じて、イジェクト部23を駆動して移動させてもよく、イジェクト部23は、第1群G1を駆動して非作動位置から作動位置にイジェクトさせる。弾性部22は、バネ、バネ板部等であってもよい。
【0076】
任意的に、固定部21およびイジェクト部23は、磁性部分を含む。対応する磁性部分が帯電され、それにより、固定部21およびイジェクト部23は互いに排他的であり、弾性部22を引き伸ばし、次いで、イジェクト部23は、第1群G1を駆動して非作動位置から作動位置にイジェクトさせる。さらに、電流方向が変更され、それにより、帯電後の固定部21とイジェクト部23とが互いに引き合って弾性部22を圧縮し、次いでイジェクト部23が第1群G1を駆動して作動位置から非作動位置に戻す。
【0077】
図1に示されるイジェクト機構20は、本願において提供される単なる例であることが理解されうる。イジェクト機構20の具体的な構造は、イジェクト機構20が第1群G1を駆動して非作動位置から作動位置にイジェクトさせることができる限り、本願において限定されない。したがって、イジェクト機構20は、本願の以下の実施形態では示されていない。
【0078】
任意的に、イジェクト機構20は、第1群G1を作動位置から非作動位置に移動させるようにさらに構成される。むろん、第1群G1は代替的に、別の機構によって、作動位置から非作動位置に移動されてもよい。これは、本願において限定されない。
【0079】
図3は、本願によるイジェクト機構20と光学結像系10との組み合わせの図である。イジェクト機構20は、第1群G1に接続され、イジェクト機構20は、第1群G1を駆動して第2群G2に対してイジェクトさせうる。
【0080】
図1に示されるレンズの数は7である。レンズの数は、代替的に8、9、または10であってもよいことが理解されうる。上記の特定のレンズは、第1群G1と第2群G2とに分配される。具体的には、第1群G1および第2群G2におけるレンズの数は、8、9、または10であってもよく、光学結像系10のレンズの総数と同じである。
【0081】
いくつかの実施形態において、光学結像系10は、以下の関係式を満たす。
0<ImgH/TTL≦1
【0082】
TTLは、第1群G1が動作位置にあるときの光学結像系10の総光学長であり、ImgHは、光学結像系10の最大画角の半分に対応する結像高さである。
【0083】
このように、イジェクト機構20は、第1群G1を非作動位置から作動位置にイジェクトさせて群単位でイジェクトを実施し、それにより、光学結像系10のオートフォーカスを実現する。最大結像高さと総光学長との間の対応は、光学結像系10の超薄型特徴を実現し、小型化を実現するように適切に構成される。
【0084】
ある実施形態では、イジェクト機構20は、非作動位置から作動位置にイジェクトするように第1群G1を駆動し、第1群G1は、光軸方向に沿って0.6mmだけ動かされる。
【0085】
いくつかの実施形態において、第1群G1は、物体側から像側へM個のレンズを含み、5≦M≦8であり、第2群G2は、物体側から像側へ2つのレンズを含む。第1群G1におけるレンズの数および第2群G2におけるレンズの数は、光学結像系10の結像品質を改善するように適切に構成される。
【0086】
いくつかの実施形態において、N=7の場合、第4レンズL4、第5レンズL5、および第6レンズL6は、それぞれ正の焦点屈折力を有し、第3レンズL3および第7レンズL7は、それぞれ負の焦点屈折力を有する。各レンズの焦点屈折力は、光学結像系の厚さを低減し、光学結像系10の結像品質を改善するように適切に構成される。
【0087】
いくつかの実施形態において、第1群G1が非作動位置にあるとき、光学結像系10は、以下の関係式を満たす。
0<TTL0/TTL<0.8
【0088】
TTL0は、第1群G1が非作動位置にあるときの光学結像系10の総光学長である。作動位置における第1群G1の総光路長と非作動位置における第1群の総光路長は、光学結像系10の総厚を低減し、光学結像系10の小型化設計を容易にするよう、適切に制限される。
【0089】
ある実施形態では、第1群G1が非作動位置にあるとき、光学結像系10の総光学長は8.12mmである。第1群G1が作動位置にあるとき、光学結像系10の総光学長は11.12mmである。
【0090】
いくつかの実施形態において、光学結像系10は、以下の関係式を満たす。
【0091】
1.4≦FNO≦2.4。FNOは光学結像系10のF値である。光学結像系10のF値は、光学結像系10がより大きなF値の要求を満たすことを確実にするために、適切に構成される。
【0092】
いくつかの実施形態において、光学結像系10は、以下の関係式を満たす。
0≦|f2/f3|≦0.7
【0093】
f2は第2レンズL2の有効焦点距離であり、f3は第3レンズL3の有効焦点距離である。
【0094】
いくつかの実施形態では、光学結像系10はN個のレンズを含み、光学結像系10は以下の関係式を満たす。
0≦|fN/f|≦2
【0095】
fNは第Nレンズの有効焦点距離であり、fは光学結像系10の有効焦点距離である。
【0096】
いくつかの実施形態では、第4レンズL4の像側表面は凸面である。
【0097】
いくつかの実施形態では、第1レンズないし第Nレンズにおいて、第Nレンズは最大光透過開口を有する。第Nレンズは、N個のレンズのうちの、光軸方向に沿って像面に最も近いレンズである。たとえば、光学結像系は、8つのレンズを含み、第Nレンズは、第8レンズである。
【0098】
いくつかの実施形態では、光学結像系10は、光フィルタIRをさらに含む。光フィルタIRは、赤外線フィルタ(infrared filter、IR)であってもよく、赤外線フィルタIRは、物体側表面と像側表面とを有する。赤外線フィルタIRは、撮像のために光をフィルタリングするように構成され、特に、赤外光が感光性要素によって受光されることを防止するために、赤外光を隔離するように構成され、それにより、赤外光が通常の画像の色および精細度に影響を及ぼすことを防止し、光学結像系10の結像品質を改善する。好ましくは、赤外線フィルタIRは、赤外線カットフィルタである。
【0099】
いくつかの実施形態では、光学結像系10は、透明保護ガラス(図示せず)をさらに含み、保護ガラスは、物体側表面および像側表面を有し、保護ガラスは、感光性要素を保護するように構成される。
【実施例1】
【0100】
第1の実施形態
図4を参照する。第1の実施形態における光学結像系10は、物体側から像側へと順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6と、第7レンズL7と、光フィルタIRと、像面IMGとを含む。
【0101】
説明の簡単のため、以下の実施形態において、f1は第1レンズL1の焦点距離を表し、f2は第2レンズL2の焦点距離を表し、f3は第3レンズL3の焦点距離を表し、f4は第4レンズL4の焦点距離を表し、f5は第5レンズL5の焦点距離を表し、f6は第6レンズL6の焦点距離を表し、f7は第7レンズL7の焦点距離を表し、fは光学結像系10の有効焦点距離を表す。
【0102】
図4に示される光学結像系は、7枚のレンズを含む。第1群G1は、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5とを含む。第2群G2は、第6レンズL6と第7レンズL7とを含む。
【0103】
本実施形態において、第1レンズL1は正の焦点屈折力を有し、第2レンズは負の焦点屈折力を有し、第2レンズの物体側表面は凸面であり、第3レンズは負の焦点屈折力を有し、第4レンズは負の焦点屈折力を有し、第5レンズは正の焦点屈折力を有し、第6レンズは負の焦点屈折力を有し、第7レンズは負の焦点屈折力を有する。
【0104】
本実施形態の光学結像系は、以下の関係式を満たす。
ImgH/TTL=0.726
|f1/f|=0.955
|f2/f|=2.613
|f3/f|=4.33
|f4/f|=-46.5
|f5/f|=1.266
|f6/f|=3.541
|f7/f|=1.469
TTL0/TTL=0.727。
【0105】
表1は、本実施形態において提供される光学結像系10の光学パラメータを示す。
【表1】
【0106】
表2は、光学結像系10のレンズの基本パラメータを示す。Rは光学表面の曲率半径、dはレンズの厚さ、Ndは材料の屈折率、Vdは材料のアッベ数、VDは有効半径、infは無限大を表す。
【表2】
【0107】
表3は、レンズの非球面係数を示す。
【表3-1】
【表3-2】
【0108】
QBSFは非球面のタイプである。
【0109】
この実施形態では、光学結像系10のすべてのQBSF型非球面タイプzは、以下の非球面公式を使用することによって限定され得るが、これに限定されない。
【数1】
【0110】
ここで、zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の動径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、Kは2次曲面定数、A4、A6、…、A30は非球面係数であり、それぞれa1、・・・、a13に対応する。
【0111】
図5は、本実施形態による光学結像系10のデフォーカス曲線図である。
図5に示されるように、異なる視野における結像品質(100lp/mm)シミュレーション結果が示されている。図から、短焦点位置における像品質は、T方向およびS方向において0.5よりも大きいことがわかる。
【0112】
図5において、横座標におけるModulation Positionはデフォーカス位置であり、縦座標におけるModulationは変調である。
【0113】
図6は、ある実施形態による光学結像系の光学歪曲の図であり、光学歪曲の図における歪曲曲線は、この実施形態における結像変形と理想的な形状との間の差を表し、横座標はディストーション値であり、縦座標は視野である。
図6のDistortionはディストーションである。
【0114】
図からわかるように、本実施形態における光学結像系の、長焦点位置でのディストーションが3%の範囲内に制限されている。
【実施例2】
【0115】
第2の実施形態
図7を参照する。第2の実施形態における光学結像系10は、物体側から像側へ順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6と、第7レンズL7と、光フィルタIRと、像面IMGとを含む。
【0116】
図7に示される光学結像系10は、7枚のレンズを含む。第1群G1は、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5とを含む。第2群G2は、第6レンズL6と第7レンズL7とを含む。
【0117】
本実施形態において、第1レンズL1は正の焦点屈折力を有し、第2レンズは負の焦点屈折力を有し、第2レンズの物体側表面は凸面であり、第3レンズは負の焦点屈折力を有し、第4レンズは負の焦点屈折力を有し、第5レンズは正の焦点屈折力を有し、第6レンズは正の焦点屈折力を有し、第7レンズは負の焦点屈折力を有する。
【0118】
本実施形態の光学結像系は、以下の関係式を満たす。
ImgH/TTL=0.863
|f1/f|=0.802
|f2/f|=2.217
|f3/f|=3.864
|f4/f|=-2.002
|f5/f|=0.763
|f6/f|=2.048
|f7/f|=0.230
TTL0/TTL=0.68。
【0119】
表4は、本実施形態において提供される光学結像系10の光学パラメータを示す。
【表4】
【0120】
表5は、光学結像系10のレンズの基本パラメータを示す。Rは光学表面の曲率半径、dはレンズの厚さ、Ndは材料の屈折率、Vdは材料のアッベ数、VDは有効半径、infは無限大を表す。
【表5】
【0121】
表6はレンズの非球面係数を示す。
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【0122】
QBSFは非球面のタイプである。
【0123】
この実施形態では、光学結像系10のすべてのQBSF型非球面タイプzは、以下の非球面公式を使用することによって限定されうるが、これに限定されない。
【数2】
【0124】
ここで、zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の動径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、Kは2次曲面定数、A4、A6、…、A30は非球面係数であり、それぞれa1、…、a13に対応する。
【0125】
図8は、本実施形態による光学結像系10のデフォーカス曲線図である。
図8に示されるように、異なる視野における結像品質(100lp/mm)シミュレーション結果が示されている。図から、短焦点位置における像品質は、T方向およびS方向において0.5よりも大きいことがわかる。
【0126】
図9は、ある実施形態による光学結像系の光学歪曲の図であり、光学歪曲の図における歪曲曲線は、この実施形態における撮像変形と理想的な形状との間の差を表し、横座標はディストーション値であり、垂直座標は視野である。
【0127】
図からわかるように、本実施形態の光学結像系の長焦点位置でのディストーションは3%の範囲内にある。
【実施例3】
【0128】
第3実施形態
図10を参照する。第1の実施形態における光学結像系10は、物体側から像側へと順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6と、第7レンズL7と、光フィルタIRと、像面IMGとを含む。
【0129】
図10に示される光学結像系は、7枚のレンズを含む。第1群G1は、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5とを含む。第2群G2は、第6レンズL6と第7レンズL7とを含む。
【0130】
本実施形態において、第1レンズL1は正の焦点屈折力を有し、第2レンズは負の焦点屈折力を有し、第2レンズの物体側表面は凸面であり、第3レンズは負の焦点屈折力を有し、第4レンズは負の焦点屈折力を有し、第5レンズは正の焦点屈折力を有し、第6レンズは正の焦点屈折力を有し、第7レンズは負の焦点屈折力を有する。
【0131】
本実施形態の光学結像系は、以下の関係式を満たす。
ImgH/TTL=0.946
|f1/f|=0.946
|f2/f|=2.746
|f3/f|=4.292
|f4/f|=-15.568
|f5/f|=1.136
|f6/f|=4.381
|f7/f|=0.505
TTL0/TTL=0.68。
【0132】
表7は、本実施形態において提供される光学結像系10の光学パラメータを示す。
【表7】
【0133】
表8は、光学結像系10のレンズの基本パラメータを示す。Rは光学面の曲率半径、dはレンズの厚さ、Ndは材料の屈折率、Vdは材料のアッベ数、VDは有効半径、infは無限大を表す。
【表8】
【0134】
表9はレンズの非球面係数を示す。
【表9-1】
【表9-2】
【表9-3】
【0135】
この実施形態では、光学結像系10のすべてのQBSF型非球面表面タイプzは、以下の非球面公式を使用することによって限定されうるが、これに限定されない。
【数3】
【0136】
ここで、zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の動径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、Kは2次曲面定数、A4、A6、…、A30は非球面係数であり、それぞれa1、…、a13に対応する。
【0137】
図11は、本実施形態による光学結像系10のデフォーカス曲線図である。
図11に示されるように、異なる視野における結像品質(100lp/mm)シミュレーション結果が示されている。図から、短焦点位置における像品質は、T方向およびS方向において0.5よりも大きいことがわかる。
【0138】
図12は、ある実施形態による光学結像系の光学歪曲の図であり、光学歪曲の図における歪曲曲線は、この実施形態における結像変形と理想的な形状との間の差を表し、横座標はディストーション値であり、縦座標は視野である。
【0139】
図からわかるように、本実施形態の光学結像系の長焦点位置でのディストーションは3%の範囲内にある。
【実施例4】
【0140】
第4実施形態
図13を参照する。第1の実施形態における光学結像系10は、物体側から像側へと順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6と、第7レンズL7と、光フィルタIRと、像面IMGとを含む。
【0141】
図13に示される光学結像系は、7枚のレンズを有する。第1群G1は、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5とを含む。第2群G2は、第6レンズL6と第7レンズL7とを含む。
【0142】
本実施形態において、第1レンズL1は正の焦点屈折力を有し、第2レンズL2は負の焦点屈折力を有し、第2レンズの物体側表面は凸面であり、第3レンズは負の焦点屈折力を有し、第4レンズは負の焦点屈折力を有し、第5レンズは正の焦点屈折力を有し、第6レンズは負の焦点屈折力を有し、第7レンズは負の焦点屈折力を有する。
【0143】
本実施形態の光学結像系は、以下の関係式を満たす。
ImgH/TTL=0.726
|f1/f|=0.958
|f2/f|=2.62
|f3/f|=4.434
|f4/f|=-38.191
|f5/f|=1.261
|f6/f|=3.751
|f7/f|=1.383
TTL0/TTL=0.768。
【0144】
表10は、本実施形態において提供される光学結像系10の光学パラメータを示す。
【表10】
【0145】
表11は、光学結像系10のレンズの基本パラメータを示す。Rは光学面の曲率半径、dはレンズの厚さ、Ndは材料の屈折率、Vdは材料のアッベ数、VDは有効半径、infは無限大を表す。
【表11】
【0146】
表12はレンズの非球面係数を示す。
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【0147】
この実施形態では、光学結像系10のすべてのQBSF型非球面表面タイプzは、以下の非球面公式を使用することによって限定されうるが、これに限定されない。
【数4】
【0148】
ここで、zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の動径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、Kは2次曲面定数、A4、A6、…、A30は非球面係数であり、それぞれa1、…、a13に対応する。
【0149】
図14は、本実施形態による光学結像系10のデフォーカス曲線図である。
図14に示されるように、異なる視野における結像品質(100lp/mm)シミュレーション結果が示されている。図から、短焦点位置における像品質は、T方向およびS方向において0.5よりも大きいことがわかる。
【0150】
図15は、ある実施形態による光学結像系の光学歪曲の図であり、光学歪曲の図における歪曲曲線は、この実施形態における撮像変形と理想的な形状との間の差を表し、横座標はディストーション値であり、縦座標は視野である。
【0151】
図からわかるように、本実施形態の光学結像系の長焦点位置でのディストーションは3%の範囲内にある。
【実施例5】
【0152】
第5の実施形態
図16を参照する。第1の実施形態における光学結像系10は、物体側から像側へと順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6と、第7レンズL7と、光フィルタIRと、像面IMGとを含む。
【0153】
図16に示される光学結像系は、7枚のレンズを含む。第1群G1は、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5とを含む。第2群G2は、第6レンズL6と第7レンズL7とを含む。
【0154】
本実施形態において、第1レンズL1は正の焦点屈折力を有し、第2レンズは負の焦点屈折力を有し、第2レンズの物体側表面は凸面であり、第3レンズは負の焦点屈折力を有し、第4レンズは負の焦点屈折力を有し、第5レンズは正の焦点屈折力を有し、第6レンズは負の焦点屈折力を有し、第7レンズは負の焦点屈折力を有する。
【0155】
本実施形態の光学結像系は、以下の関係式を満たす。
ImgH/TTL=0.78
|f1/f|=0.910
|f2/f|=2.458
|f3/f|=4.03
|f4/f|=-20.007
|f5/f|=1.145
|f6/f|=3.654
|f7/f|=0.539
TTL0/TTL=0.711。
【0156】
表13は、本実施形態において提供される光学結像系10の光学パラメータを示す。
【表13】
【0157】
表14は、光学結像系10のレンズの基本パラメータを示す。Rは光学面の曲率半径、dはレンズの厚さ、Ndは材料の屈折率、Vdは材料のアッベ数、VDは有効半径、infは無限大を表す。
【表14】
【0158】
表15に各レンズの非球面係数を示す。
【表15-1】
【表15-2】
【表15-3】
【0159】
この実施形態では、光学結像系10のすべてのQBSF型非球面表面タイプzは、以下の非球面式を使用することによって限定されうるが、これに限定されない。
【数5】
【0160】
ここで、zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の動径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、Kは2次曲面定数、A4、A6、…、A30は非球面係数であり、それぞれa1、…、a13に対応する。
【0161】
図17は、本実施形態による光学結像系10のデフォーカス曲線図である。
図17に示されるように、異なる視野における結像品質(100lp/mm)シミュレーション結果が示されている。図から、短焦点位置における像品質は、T方向およびS方向において0.5よりも大きいことがわかる。
【0162】
図18は、ある実施形態による光学結像系の光学歪曲の図であり、光学歪曲の図における歪曲曲線は、この実施形態における撮像変形と理想的な形状との間の差を表し、横座標はディストーション値であり、縦座標は視野である。
【0163】
図からわかるように、本実施形態の光学結像系の長焦点位置でのディストーションは3%の範囲内にある。
【実施例6】
【0164】
第6実施形態
図19を参照する。第1の実施形態における光学結像系10は、物体側から像側へと順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6と、第7レンズL7と、光フィルタIRと、像面IMGとを含む。
【0165】
図19に示される光学結像系は、7枚のレンズを含む。第1群G1は、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5とを含む。第2群G2は、第6レンズL6と第7レンズL7とを含む。
【0166】
本実施形態において、第1レンズL1は正の焦点屈折力を有し、第2レンズは負の焦点屈折力を有し、第2レンズの物体側表面は凸面であり、第3レンズは負の焦点屈折力を有し、第4レンズは負の焦点屈折力を有し、第5レンズは正の焦点屈折力を有し、第6レンズは正の焦点屈折力を有し、第7レンズは負の焦点屈折力を有する。
【0167】
本実施形態の光学結像系は、以下の関係式を満たす。
ImgH/TTL=0.727
|f1/f|=1.136
|f2/f|=3.378
|f3/f|=7.68
|f4/f|=-2.35
|f5/f|=0.97
|f6/f|=5.6
|f7/f|=1.22
TTL0/TTL=0.701。
【0168】
表16は、本実施形態において提供される光学結像系10の光学パラメータを示す。
【表16】
【0169】
表17は、光学結像系10のレンズの基本パラメータを示す。Rは光学面の曲率半径、dはレンズの厚さ、Ndは材料の屈折率、Vdは材料のアッベ数、VDは有効半径、infは無限大を表す。
【表17】
【0170】
表18はレンズの非球面係数を示す。
【表18-1】
【表18-2】
【表18-3】
【0171】
この実施形態では、光学結像系10のすべてのQBSF型非球面表面タイプzは、以下の非球面公式を使用することによって限定されうるが、これに限定されない。
【数6】
【0172】
ここで、zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の動径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、Kは2次曲面定数、A4、A6、…、A30は非球面係数であり、それぞれa1、…、a13に対応する。
【0173】
図20は、本実施形態による光学結像系10のデフォーカス曲線図である。
図20に示されるように、異なる視野における結像品質(100lp/mm)シミュレーション結果が示されている。図から、短焦点位置における像品質は、T方向およびS方向において0.5よりも大きいことがわかる。
【0174】
図21は、ある実施形態による光学結像系の光学歪曲の図であり、光学歪曲の図における歪曲曲線は、この実施形態における結像変形と理想的な形状との間の差を表し、横座標はディストーション値であり、縦座標は視野である。
【0175】
図からわかるように、本実施形態の光学結像系の長焦点位置でのディストーションは3%の範囲内にある。
【0176】
図22を参照する。本願のこの実施形態におけるカメラ・アセンブリ100は、光学結像系10と感光性要素30とを含み、感光性要素は、光学結像系10の像側に配置される。
【0177】
具体的には、感光要素30は、イメージセンサー(image sensor)であってもよく、相補型金属酸化物半導体(CMOS、Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーまたは電荷結合素子(CCD、Charge-coupled Device)であってもよい。
【0178】
ある実施形態では、感光性要素30のサイズは1インチであり、それにより、カメラ・アセンブリのパース能力をより良好に改善することができる。
【0179】
ある実施形態では、カメラ・アセンブリ100は、イジェクト機構(図示せず)をさらに含む。イジェクト機構は、光学結像系10と協働して使用され、光学結像系10の第1群を非作動位置から作動位置にイジェクトさせるように構成される。
【0180】
図23を参照する。本願のこの実施形態における電子デバイス1000は、筐体200と、カメラ・アセンブリ100とを含む。カメラ・アセンブリ100は、筐体200に設置されて画像を取得する。
【0181】
本発明のこの実施形態における電子デバイス1000は、スマートフォン、車載レンズ、監視レンズ、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、電子書籍リーダー、ポータブルマルチメディアプレーヤー(PMP)、携帯電話、テレビ電話、デジタルスチルカメラ、モバイル医療機器、またはウェアラブル機器などの、撮像をサポートする電子デバイスを含むが、これらに限定されない。
【0182】
上記は、本願の特定の実装にすぎず、本願の保護範囲はそれに限定されないことに留意されたい。本願において開示される技術的範囲内で当業者によって容易に考え出される任意の変更または置換は、本願の保護範囲内に入るものとする。矛盾がない場合、本願の諸実装および実装における諸特徴は、相互に組み合わされてもよい。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0183】
Modulation 変調
Defocusing position デフォーカス位置
Distortion ディストーション
Angle 角度
【手続補正書】
【提出日】2024-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学結像系であって、当該光学結像系は、イジェクト機構と協働して使用され、当該光学結像系は、光軸方向に沿って物体側から像側へ順次配置された第1レンズないし第Nレンズを含み、前記第1レンズないし前記第Nレンズのそれぞれは、焦点屈折力を有し、7≦N≦10であり;
前記第1レンズないし前記第Nレンズは、物体側から像側へ順に第1群および第2群にグループ分けされ、前記第1群は正の屈折力を有し、前記第2群と像面との間の光軸方向の間隔は固定されており
前記イジェクト機構は、前記第1群を、光軸方向に沿って非作動位置から作動位置にイジェクトするように駆動するように構成されており、前記作動位置と前記非作動位置は、物体側から像側へ順に配置され、当該光学結像系は、以下の関係式:
0<ImgH/TTL≦1
を満たし、
TTLは、前記第1群が前記作動位置にあるときの当該光学結像系の総光学長であり、ImgHは、当該光学結像系の最大画角の半分に対応する結像高さである、
結像光学系。
【請求項2】
前記第1群は、物体側から像側へM個のレンズを含み、5≦M≦8であり、前記第2群は、物体側から像側へ2つのレンズを含む、請求項1に記載の結像光学系。
【請求項3】
N=7の場合、第4レンズ、第5レンズ、および第6レンズはそれぞれ、正の焦点屈折力を有し、第3レンズおよび第7レンズはそれぞれ、負の焦点屈折力を有する、請求項
1に記載の結像光学系。
【請求項4】
当該光学結像系は、以下の関係式:
0<TTL<0/TTL<0.8
を満たし、
TTL0は、前記第1群が前記非作動位置にあるときの当該光学結像系の総光学長である、
請求項
1に記載の結像光学系。
【請求項5】
当該光学結像系は、以下の関係式:
1.4≦FNO≦2.4
を満たし、
FNOは、当該光学結像系のF値である、請求項
1記載の結像光学系。
【請求項6】
当該光学結像系は、以下の関係式:
0≦|f2/f3|≦0.7
を満たし、
f2は第2レンズの有効焦点距離であり、f3は前記第3レンズの有効焦点距離である、請求項
1に記載の結像光学系。
【請求項7】
当該光学結像系は、以下の関係式:
0≦|fN/f|≦2
を満たし、
fNは、前記第Nレンズの有効焦点距離であり、fは、当該光学結像系の有効焦点距離である、請求項
1に記載の結像光学系。
【請求項8】
前記第4レンズの像側表面は凸面である、請求項
1に記載の結像光学系。
【請求項9】
前記第1レンズないし前記第Nレンズにおいて、前記第Nレンズは最大光透過開口を有する、請求項
1に記載の結像光学系。
【請求項10】
請求項1ないし9のうちいずれか一項に記載の光学結像系と、感光性要素とを有するカメラ・アセンブリであって、前記感光性要素は、前記光学結像系の像側に位置する、カメラ・アセンブリ。
【請求項11】
前記感光性要素のサイズは1
インチである、請求項10に記載のカメラ・アセンブリ。
【請求項12】
請求項
10に記載のカメラ・アセンブリを有する電子デバイス。
【国際調査報告】