(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-11
(54)【発明の名称】太陽光モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20241204BHJP
H01L 31/044 20140101ALI20241204BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01L31/04 520
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539455
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2022085146
(87)【国際公開番号】W WO2023126145
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523246639
【氏名又は名称】レック ソーラー プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スブラマニ,ティヤグ
(72)【発明者】
【氏名】スリダラ,シャンカー ガウリ
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251EA02
5F251EA06
5F251EA19
5F251JA08
5F251JA27
(57)【要約】
横並びに配置された複数の太陽電池ストリングを備える太陽光モジュールであって、各太陽電池ストリングが、太陽電池ストリングの反対側の端部に正極及び負極を有し、複数の太陽電池ストリングが、太陽電池ストリングの正極が太陽光モジュールの第1の端部寄りに配設されるように各々が配向された、第1のグループの隣接する太陽電池ストリングと、太陽電池ストリングの正極が第1の端部とは反対側の太陽光モジュールの第2の端部寄りに配設されるように各々が配向された、第2のグループの隣接する太陽電池ストリングであって、第2のグループの太陽電池ストリングの正極が、第1のグループの太陽電池ストリングの負極に電気的に接続されている、第2のグループの隣接する太陽電池ストリングと、を含む、太陽光モジュール。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横並びに配置された複数の太陽電池ストリングを備える太陽光モジュールであって、各太陽電池ストリングが、前記太陽電池ストリングの互いに反対側の端部に正極及び負極を有し、前記複数の太陽電池ストリングが、
前記複数の太陽電池ストリングの正極が前記太陽光モジュールの第1の端部寄りに配設されるように各々が配向された、隣接する太陽電池ストリングの第1のグループと、
前記複数の太陽電池ストリングの正極が前記第1の端部とは反対側の前記太陽光モジュールの第2の端部に向かって配設されるように各々が配向された、隣接する太陽電池ストリングの第2のグループであって、前記第2のグループの太陽電池ストリングの前記正極が、前記第1のグループの太陽電池ストリングの前記負極に電気的に接続されている、第2のグループの太陽電池ストリングと、
を含む、太陽光モジュール。
【請求項2】
前記第1のグループの各太陽電池ストリングが、前記第2のグループの少なくとも1つの太陽電池ストリングと直列に接続されている、請求項1に記載の太陽光モジュール。
【請求項3】
前記第1のグループの各太陽電池ストリングが、前記第1のグループの残りの他の太陽電池ストリングと並列に接続されており、前記第2のグループの各太陽電池ストリングが、前記第2のグループの残りの他の太陽電池ストリングと並列に接続されている、請求項2に記載の太陽光モジュール。
【請求項4】
各太陽電池ストリングが、1つの他の太陽電池ストリングのみと直列に接続されて、太陽電池ストリング対を規定し、各太陽電池ストリング対が、前記第1のグループの太陽電池ストリングと、前記第2のグループの太陽電池ストリングと、を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の太陽光モジュール。
【請求項5】
各太陽電池ストリング対が、残りの他の太陽電池ストリング対と並列に接続されている、請求項4に記載の太陽光モジュール。
【請求項6】
前記第2のグループの太陽電池ストリングの前記正極を前記第1のグループの太陽電池ストリングの前記負極に接続する1つ以上の中間導電性素子を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の太陽光モジュール。
【請求項7】
前記第2のグループの太陽電池ストリングの各正極を前記第1のグループの太陽電池ストリングの各負極に接続する単一の中間導電性素子を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の太陽光モジュール。
【請求項8】
複数の中間導電性素子を備え、各中間導電性素子が、ソーラーストリング対における前記第2のグループの前記太陽電池ストリングの前記正極を、前記ソーラーストリング対における前記第1のグループの前記太陽電池ストリングの前記負極に接続している、請求項4又は5に記載の太陽光モジュール。
【請求項9】
各中間導電性素子が、
前記第1のグループの前記太陽電池ストリングの前記負極に接続された第1の脚部と、
前記第2のグループの前記太陽電池ストリングの前記正極に接続された第2の脚部と、
前記第1の脚部と前記第2の脚部とを接続するクロスリンクと、を含む、請求項8に記載の太陽光モジュール。
【請求項10】
前記中間導電性素子が、同心で配置されている、請求項8又は9に記載の太陽光モジュール。
【請求項11】
前記第1のグループの太陽電池ストリングの前記正極に接続された第1の導電性素子と、
前記第2のグループの太陽電池ストリングの前記負極に接続された第2の導電性素子と、を更に備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の太陽光モジュール。
【請求項12】
前記太陽電池ストリングと並列に接続されたバイパスダイオードを備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の太陽光モジュール。
【請求項13】
前記バイパスダイオードが、前記第1の導電性素子と前記第2の導電性素子との間に接続されている、請求項11に従属する場合の、請求項12に記載の太陽光モジュール。
【請求項14】
各太陽電池ストリングが、前記太陽電池ストリングの長手方向に重複する複数の太陽電池を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の太陽光モジュール。
【請求項15】
各太陽電池が、長方形であり、長さよりも大きい幅を有する、請求項14に記載の太陽光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽光モジュールに関し、特に、排他的ではないが、横並びに配置された複数の太陽電池ストリングを備えるタイプの太陽光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光から電気エネルギーを提供するための太陽光モジュールは、各々が半導体基板を含む、太陽光発電電池(本明細書では太陽電池とも呼ばれる)のアレイを備える。セルは、旧来、セル表面上のフィンガー電極のグリッドを介して、セルの前部及び裏側に印刷された一連のより幅広の垂直なバスバー電極に電流が送られるように接続されている。バスバー電極から、電流は、各銅リボンがそれぞれのバスバー電極にはんだ付けされた一連の銅リボンに沿って、接続箱に流れる。いくつかの構成では、バスバーは、フィンガーのグリッド上に配置された一連の銅リボン/ワイヤによって置き換えられる。
【0003】
特に、複数の太陽電池が、太陽電池ストリングを画定するように、直列に、及び列をなして電気的に接続され得る。太陽光モジュールは、太陽電池の列を形成するように、横並びに配置された複数のそのようなストリングを含み得る。太陽電池ストリングは、太陽電池ストリングの端部で接続されたバスバーによって、互いに及び接続箱に電気的に接続され得る。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、横並びに配置された複数の太陽電池ストリングを備える太陽光モジュールであって、各太陽電池ストリングが、太陽電池ストリングの反対側の端部に正極及び負極を有し、複数の太陽電池ストリングが、
複数の太陽電池ストリングの正極が太陽光モジュールの第1の端部に向かって配設されるように各々が配向された、第1のグループの隣接する太陽電池ストリングと、
複数の太陽電池ストリングの正極が第1の端部とは反対側の太陽光モジュールの第2の端部に向かって配設されるように各々が配向された、第2のグループの隣接する太陽電池ストリングであって、第2のグループの太陽電池ストリングの正極が、第1のグループの太陽電池ストリングの負極に電気的に接続されている、第2のグループの隣接する太陽電池ストリングと、を含む、太陽光モジュールが提供される。
【0005】
バスバーは、バスバーがオーバーラップする短絡リスクの可能性があるため、互いに絶縁されなければならず、これにより、太陽光モジュールを製造し、組み立てる複雑さが増大する。開示される構成は、太陽電池ストリングが、太陽電池ストリングの接続を提供するバスバーを重ね合わせる必要なく、互いに、及び外部回路又は外部コンポーネントに接続されることを可能にすることができる。これにより、バスバーの間に電気絶縁を提供する必要性を回避することができ、かつ/又は短絡が発生する可能性を低減することができる。
【0006】
「端部」という用語は、太陽光モジュールの長手方向の端部(すなわち、長方形の太陽光モジュールの短辺によって表される)に制限されることは意図されていない。すなわち、「端部」は、例えば長方形の太陽光モジュールの反対側の長辺を含む、太陽光モジュールの任意の反対側の領域であり得る。
【0007】
不確かさを避けるために、本明細書で使用される場合、「隣接する」という用語は、間に太陽電池ストリングが何ら位置付けられていない、互いに隣接する2つの太陽電池ストリングを意味する。2つの隣接する太陽電池ストリングは、互いに接触して(すなわち、直接隣接して)もよいし、互いに離隔配置されてもよい。
【0008】
本明細書で使用される「接続された」という用語は、電気的に接続されたことを意味することが意図されており、接続された構成要素の間の直接的な(例えば、物理的な)接触を必要としない(すなわち、この用語は、第1のグループの負極が第2のグループの正極と直接接触することを必要としない)ことも理解されたい。例えば、2つの端子は、物理的に離隔配置されてもよく、1つ以上のワイヤ(又は他の導電性素子)は、両端子をともに電気的に接続するために、2つの端子の両方に対して接続されてもよい。
【0009】
次に任意選択の機能について述べる。これらは、単独で、又は任意の態様との任意の組み合わせで適用可能である。
【0010】
第1のグループの各太陽電池ストリングは、第2のグループの少なくとも1つの太陽電池ストリングと直列に接続されてもよい。
【0011】
第1のグループの各太陽電池ストリングは、第1のグループの残りの他の太陽電池ストリングと並列に接続されてもよい。第2のグループの各太陽電池ストリングは、第2のグループの残りの他の太陽電池ストリングと並列に接続されてもよい。第1のグループ太陽電池ストリングは、第2のグループの太陽電池ストリングと直列に接続されてもよい。
【0012】
各太陽電池ストリングは、1つの他の太陽電池ストリングのみと直列に接続されて、太陽電池ストリング対を規定してもよく、各太陽電池ストリング対は、第1のグループの太陽電池ストリング及び第2のグループの太陽電池ストリングを含んでもよい。各太陽電池ストリング対は、残りの他の太陽電池ストリング対と並列に接続されてもよい。
【0013】
太陽光モジュールは、第2のグループのソーラーストリングの正極を第1のグループの太陽電池ストリングの負極に電気的に接続する1つ以上の中間導電性素子を備えてもよい。各中間導電性素子は、中間導電性素子が接続する太陽電池ストリングに取り付けられてもよいし、それと一体であってもよい。1つ以上の中間導電性素子は、太陽電池ストリングのバスバーと一体であってもよい。少なくとも1つの(例えば、各)中間導電性素子は、相互接続バスバーの形態であってもよい。少なくとも1つの(例えば、各)中間導電性素子は、ワイヤの形態であってもよい。
【0014】
少なくとも1つの中間導電性素子(例えば、相互接続バスバー)は、外層によって取り囲まれたコアを含んでもよい。コアは、銅を含んでもよい(例えば、銅板であってもよい)。外層は、はんだ付け合金を含んでもよい(すなわち、はんだ付けに好適な融点を有する)。
【0015】
太陽光モジュールは、第2のグループの太陽電池ストリングの各正極を第1のグループの太陽電池ストリングの各負極に接続する単一の(すなわち、1つのみの)中間導電性素子を備えてもよい。すなわち、単一の中間導電性素子は、第1のグループの太陽電池ストリングの全てを第2のグループの太陽電池ストリングの全てに接続してもよい。そのような実施形態では、中間導電性素子は、各々が対応する太陽電池ストリングに接続された複数の脚部と、複数の脚を接続するクロスリンクと、を含んでもよい。各脚部は、太陽電池ストリングの長軸と実質的に平行であってもよい。クロスリンクは、脚部に実質的に垂直であってもよい。
【0016】
太陽光モジュールは、複数の中間導電性素子を備えてもよい。複数の中間導電性素子の各々は、太陽電池ストリング対における第2のグループの太陽電池ストリングの正極を、太陽電池ストリング対における第1のグループの太陽電池ストリングの負極に接続してもよい。換言すると、各中間導電性素子は、第1のグループから(第1のグループの負極を介して)の1つと、第2のグループから(第2のグループの正極を介して)の1つと、の2つの太陽電池ストリング(のみ)を接続してもよい。
【0017】
各中間導電性素子は、第1のグループの太陽電池ストリングの負極に接続された第1の脚部と、第2のグループの太陽電池ストリングの正極に接続された第2の脚部と、第1の脚部と第2の脚部とを接続するクロスリンクと、を含んでもよい。第1の脚部及び第2の脚部は、太陽電池ストリングの長軸に実質的に平行であってもよい。クロスリンクは、第1の脚部及び第2の脚部に実質的に垂直であってもよい。この点で、各中間導電性素子は、U字形状であってもよい。
【0018】
中間導電性素子(例えば、U字形状の中間導電性素子)は、同心で配置されてもよい。太陽電池ストリングの各グループは、太陽電池ストリングの残りの他のグループに最も近い第1の太陽電池ストリング(すなわち、最も内側の太陽電池ストリングであってもよい)を含んでもよい。太陽電池ストリングの各グループは、第1の太陽電池ストリングから外向きに(すなわち、太陽電池ストリングの残りの他のグループから離れる方向に)離隔配置された第2の太陽電池ストリングを含んでもよい。第1のグループ及び第2のグループの第2の太陽電池ストリングを接続する第2の中間導電性素子は、第1の太陽電池ストリングを接続する第1の(最も内側の)中間導電性素子の周りに延在してもよい。したがって、第2の中間導電性素子の脚部及びクロスリンクは、第1の中間導電性素子の脚部及びクロスリンクよりも長くてもよい。
【0019】
太陽電池ストリングの各グループは、第2の太陽電池ストリングの外側に離隔配置された第3の太陽電池ストリングを含んでもよい。第3の中間導電性素子は、第1のグループ及び第2のグループの第3の太陽電池ストリングを接続してもよい。第3の中間導電性素子は、第2の中間導電性素子の周りに延在してもよい。したがって、第3の中間導電性素子の脚部及びクロスリンクは、第2の中間導電性素子の脚部及びクロスリンクよりも長くてもよい。
【0020】
太陽光モジュールは、第1のグループの太陽電池ストリングの正極に接続するための1つ以上の第1の導電性素子を備えてもよい。太陽光モジュールは、第1のグループの太陽電池の正極に接続するための単一の第1の導電性素子を備えてもよい。第1の導電性素子は、太陽電池ストリングの正極に接続された複数の脚部と、複数の脚部を接続するクロスリンクと、を含んでもよい。
【0021】
太陽光モジュールは、第2のグループの太陽電池ストリングの負極に接続するための1つ以上の第2の導電性素子を備えてもよい。太陽光モジュールは、第2のグループの太陽電池の負極に接続するための単一の第2の導電性素子を備えてもよい。第2の導電性素子は、太陽電池ストリングの負極に接続された複数の脚部と、複数の脚部を接続するクロスリンクと、を含んでもよい。
【0022】
バイパスダイオード(例えば、電力管理デバイス)が、第1のグループの太陽電池ストリングと第2のグループの太陽電池ストリングと間に接続されてもよい。太陽電池ストリングの全てが、バイパスダイオードに接続されてもよい。バイパスダイオードは、第1の導電性素子を第2の導電性素子に接続してもよい。
【0023】
バイパスダイオードは、太陽電池ストリングと並列に接続されてもよい。バイパスダイオードは、第1のグループの太陽電池ストリング及び第2のグループの太陽電池ストリングのうちの一方の正極に接続された第1の端子と、第1のグループの太陽電池ストリング及び第2のグループの太陽電池ストリングのうちの他方の負極に接続された第2の端子と、を有してもよい。
【0024】
バイパスダイオードは、接続箱に収容されてもよい。接続箱は、太陽光モジュールの後ろ側、つまり、使用中に放射源(例えば、太陽)から離れる方に向くように意図された太陽光モジュールの側に位置付けられてもよい。
【0025】
バイパスダイオードは、1つの電流フロー方向での低抵抗と、反対の電流フロー方向での高抵抗と、を有するように構成されてもよい。バイパスダイオードは、通常の使用中に(例えば、太陽電池ストリングの太陽電池が誤動作しておらず、遮光されてもいないとき)、ダイオードが電流の通常の方向に対して高抵抗を提示するように接続されている。したがって、電流は、ダイオードではなく、太陽電池ストリングを通って流れる。しかしながら、ストリングの太陽電池が誤動作するか、又は遮光されているとき、そのセルは、そのセルが誤動作しておらず、遮光されてもいないときと比較して、電流に対してより高抵抗を提示する。ストリングにおける2つ以上の太陽電池が誤動作するか、又は遮光されている場合、これらの太陽電池の抵抗は、組み合わされ、加わり合う。ストリングの太陽電池抵抗がダイオードの高抵抗を上回って増加すると、電流は、太陽電池ストリングではなく、ダイオードを通って流れ、それによって、モジュールの他の太陽電池ストリングを通る電流フローを促進する。本質的に、バイパスダイオードを通る経路が最小の抵抗の経路であるとき(例えば、太陽電池ストリングの1つ以上のセルが遮光されているか、又は誤動作しているとき)、電流は、バイパスダイオードを通って流れる。バイパスダイオードが最小抵抗の経路ではないとき(例えば、太陽電池ストリングのセルが遮光されておらず、誤動作してもいないとき)には、電流は、太陽電池ストリングを通って流れる。並列にソーラーストリングを提供することに起因して、最小の抵抗の経路は、太陽光モジュール全体にわたる遮光パターンに少なくとも部分的に依存する。すなわち、1つの太陽電池ストリングが(高抵抗を提示するように)強く遮光されていても、(並列の)他の太陽電池ストリングが実質的に遮光されていないままである場合には、電流は、バイパスダイオードを通る代わりに、それらの太陽電池ストリングを通過することができる。
【0026】
このようにして、バイパスダイオードは、電流が太陽光モジュールを通って流れることを可能にし、この結果、他の相互接続された太陽光モジュールによって生成された電流を、太陽光モジュール自体が電流を生成していなくても(例えば、遮光又は誤動作に起因して、太陽電池が抵抗の増加を引き起こす)収集することができる。
【0027】
第1のグループの太陽電池ストリングの正極は、太陽電池ストリングを横断する方向に、第2のグループの太陽電池ストリングの負極と実質的に位置整合してもよい。第1のグループの太陽電池ストリングの負極は、第2のグループの太陽電池ストリングの正極と横断方向に実質的に位置整合してもよい。
【0028】
太陽光モジュールは、6つの太陽電池ストリングを備えてもよい。第1のグループは、3つの太陽電池ストリングを含んでもよい。第2のグループは、3つの太陽電池ストリングを含んでもよい。第1のグループ及び第2のグループは、同じ数の太陽電池ストリングを含んでもよい。
【0029】
各太陽電池ストリングは、複数の太陽電池を含む。例えば、各太陽電池ストリングは、10~30個の太陽電池、例えば15~26個の太陽電池、を含んでもよい。
【0030】
各太陽電池ストリングの複数の太陽電池は、太陽電池ストリングの長手方向に互いに部分的にオーバーラップしてもよい。すなわち、複数の太陽電池は、屋根板態様で配置されてもよい。各ストリングの太陽電池は、直列に接続されてもよい。
【0031】
各太陽電池は、幅よりも長い長さを有する長方形であってもよい。各太陽電池は、太陽電池の幅が太陽電池ストリングの長手方向と位置整合するように配向されてもよい。
【0032】
各太陽電池は、ハーフカットされた太陽電池であってもよい(すなわち、2つの部分に分割された(すなわち、カットされた)正方形の太陽電池で形成されてもよい)。したがって、各太陽電池は、太陽電池の長さの2倍である幅を有してもよい。
【0033】
各太陽電池は、トリプルカットされたソーラーセル(すなわち、3つの部分に分割された正方形の太陽電池で形成された)であってもよい。したがって、各太陽電池は、太陽電池の長さの3倍である幅を有してもよい。各太陽電池は、(太陽電池の長さの4倍又は5倍の幅を有するように)4つ又は5つの部分に分割された太陽電池で別様に形成されてもよい。
【0034】
太陽電池を(例えば、半分、三分の一、四分の一、五分の一に)切断することにより、抵抗損失を低減することができる。抵抗損失は、各セルの面積(したがって、一定の幅の各セルの長さ)と二次の関係を有する。すなわち、抵抗損失は、セルの面積の二乗に比例し、したがって、長さを低減することにより、抵抗損失を減少させることができる。
【0035】
太陽電池を例えば、半分、三分の一、四分の一、五分の一などに切断することは、より多くのセルが所与のサイズのモジュール内に配置され得ることを意味する。
【0036】
各太陽電池は、任意のタイプの太陽電池構造を規定するように構成され得ることが理解されるであろう。例えば、各太陽電池は、ヘテロ接合(HJT)型太陽電池を規定してもよい。代替的に、各太陽電池は、タンデム接合太陽電池を規定してもよい。同様に、太陽電池ストリングの太陽電池を互いに電気的に結合するための任意の好適な手段が提供されてもよい。一例では、各太陽電池ストリングの太陽電池は、スマートワイヤ接続技術(SWCT(登録商標))などの箔及びワイヤ配置によって互いに接続されてもよい。すなわち、箔は、各セルの前面及び背面に設けられてもよく、ワイヤは、各セルの前面(箔と表面との間)から隣接するセルの背面(背面と箔との間にあるように)まで延在してもよい。別の例では、太陽電池は、リボン(例えば、銅リボン)などの1つ以上の導電性素子によって接続されてもよい。
【0037】
当業者は、相互に排他的な場合を除き、上記の態様のいずれか1つに関連して記載された特徴又はパラメータが任意の他の態様に適用され得ることを理解するであろう。更に、相互に排他的である場合を除き、本明細書に記載される任意の特徴又はパラメータは、任意の態様に適用され得、かつ/又は本明細書に記載される任意の他の特徴又はパラメータと組み合わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
次に、図面を参照しながら、実施形態を例としてのみ説明する。
【0039】
【
図2】
図1の太陽光モジュールの変形例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、本開示の態様及び実施形態を、添付図面を参照して考察する。更なる態様及び実施形態は、当業者には明らかであろう。図では、明確さのために、要素の寸法が誇張されている可能性がある。また、図に示される要素の相対寸法は、必ずしも全ての実施形態における要素の実際の相対厚さを表さない。
【0041】
図1は、太陽光モジュール100の対向する第1の端部102と第2の端部103との間に平行でありかつ延在するように横並びに配置された6つの太陽電池ストリング101a、101bを備える太陽光モジュール100を示す。具体的には、3つの太陽電池ストリング101a及び3つの太陽電池ストリング101bがある。図から明らかではないが、各太陽電池ストリング101a、101bは、直列に接続された複数の太陽電池で形成されている。太陽電池は、特に、ストリングの長手方向に部分的にオーバーラップするように(すなわち、屋根板態様で配置されるように)配置されてもよい。
【0042】
各ソーラーストリング101a、101bは、ソーラーストリング101a、101bの反対側の端部に正極及び負極(図中のプラス記号及びマイナス記号によって描かれるような)を含む。太陽電池ストリング101a、101bは、第1のグループ104の太陽電池ストリング101a、及び第2のグループ105の太陽電池ストリング101bに配置されている。第1のグループ104の太陽電池ストリング101aは、第2のグループ105の太陽電池ストリング101bとは異なっていてもよいし(例えば、異なるタイプ、サイズ、形状など)、それらが同じであってもよい。第1のグループ104及び第2のグループ105の各々は、3つの太陽電池ストリング101a、101bを含む。図から明らかであるように、第1のグループ104のソーラーストリング101aの正極は、太陽光モジュール100の第1の端部102に向かって配設されている。したがって、第1のグループ104の太陽電池ストリング101aの負極は、太陽光モジュール100の第2の端部103に向かって配設されている。
【0043】
第2のグループ105の太陽電池ストリング101bは、第1のグループ104の太陽電池ストリング101aに対して反転された配向を有する。したがって、第2のグループ105の各太陽電池ストリング101bは、太陽光モジュール100の第1の端部102に向かって配設された負極と、太陽光モジュール100の第2の端部103に向かって配設された正極と、を有する。
【0044】
第1のグループ104の太陽電池ストリング101aの負極は、第2のグループ105の太陽電池ストリング101bの正極に電気的に接続されている。特に、第1のグループ104の各太陽電池ストリング101aは、第2のグループ105の単一の太陽電池ストリング101bと直列に接続されて、太陽電池ストリング対を規定する。太陽電池ストリング101a、101bの各対は、相互接続バスバー106a、106b、106cの形態の中間導電性素子によって接続されている。太陽電池ストリング101a、101bの3つの対、したがって、3つの対応する中間相互接続バスバー106a、106b、106cがある。
【0045】
第1の中間相互接続バスバー106aは、最も内側の太陽電池ストリング101a、101bの対(すなわち、
図1に示されるような、太陽光モジュール100の垂直中心線に最も近いもの)を接続する。第2の中間相互接続バスバー106bは、太陽電池ストリング101a、101bの最も内側の対のすぐ外側の太陽電池ストリング101a、101bの対を接続する。第3の中間相互接続バスバー106cは、太陽電池ストリング101a、101bの最も外側の対を接続する。このようにして、中間バスバー106a、106b、106cは、オーバーラップしないように、同心で配置されている。各中間相互接続バスバー106a、106b、106cは、太陽電池ストリング101a、101bと平行に延在する脚部107の対と、脚部107を接続するクロスリンク108と、を含む。したがって、中間相互接続バスバー106a、106b、106cは各々、実質的にU字形状である。また、中間相互接続バスバー106a、106b、106cの各々について、関連付けられたクロスリンク108の長さは、関連付けられた各脚部107の長さよりも大きくてもよい。
【0046】
太陽光モジュール100は、第1の相互接続バスバー109の形態の第1の導電性素子を更に備え、第1の相互接続バスバー109は、第1のグループ104の太陽電池ストリング101aに接続された複数の脚部110と、脚部110を接続するように横断方向に延在するクロスリンク111と、を含む。第1の相互接続バスバー109は、第1のグループ104の太陽電池ストリング101aの正極を、太陽光モジュール100の正極コネクタ108に接続してもよい。この正極コネクタ108は、太陽光モジュール100を、更なる太陽光モジュール(図示せず)などの1つ以上の外部コンポーネントに接続してもよい。
【0047】
第2の相互接続バスバー112の形態の第2の導電性素子も提供され、第2の相互接続バスバー112は、第2のグループ105の太陽電池ストリング101bに接続された複数の脚部113と、脚部113を接続するように横断方向に延在するクロスリンク架橋114と、を含む。第2の相互接続バスバー112は、第2のグループ105の太陽電池ストリング101bの負極を太陽光モジュール100の負極コネクタ115に接続してもよい。この負極コネクタ115はまた、太陽光モジュール100を、更なる太陽光モジュール(図示せず)などの1つ以上の外部コンポーネントに接続してもよい。このようにして、接続された太陽電池ストリング101a、101bの各対は、太陽電池ストリング101a、101bの残りの他の対と並列に接続されている。
【0048】
図1から明らかであるに違いないが、太陽電池ストリング101a、101bの構成に起因して、第1の相互接続バスバー109及び第2の相互接続バスバー112は、オーバーラップしない。これにより、オーバーラップ領域が存在しないので、オーバーラップ領域で第1の相互接続バスバー及び第2の相互接続バスバー109、112を互いに絶縁する必要性が回避される。ひいては、オーバーラップ領域のための絶縁体が必要とされないので、これにより、太陽光モジュール100を製造するコスト及び複雑さが低減される。
【0049】
バイパスダイオード116は、太陽電池ストリング101a、101bと並列に接続されるように、第1の相互接続バスバー109と第2の相互接続バスバー112との間に接続されている。バイパスダイオード116は、太陽電池ストリング101a、101bが逆バイアスされているときに(例えば、太陽電池の遮光又は誤動作に起因して)導通するように構成されている。バイパスダイオード116は、それぞれ、コネクタ118及び119を介して第1の相互接続バスバー109及び第2の相互接続バスバー112に接続されている。
【0050】
図2に例示される太陽光モジュール100’は、上述した太陽光モジュールの変形例である。したがって、この太陽光モジュール100’の特徴の多くは、同じままであり、同じ参照番号が使用されている。
【0051】
この変形例の太陽光モジュール100’は、(
図1に示されるように、複数の中間相互接続バスバーとは対照的に)中間相互接続バスバー106’の形態の単一の中間導電性素子が提供されるという点でのみ異なる。中間相互接続バスバー106’は、複数の脚部107’と、脚部107’の全てを接続する単一のクロスリンク108’と、を含む。この変形例は、太陽光モジュール100’が
図1の太陽光モジュールよりもコンパクトであることを可能にすることができる(すなわち、
図1のU字形状のバスバー106a、106b、及び106cを離隔配置する必要性に起因して)。このことは、所与の太陽光モジュール表面積について、太陽光モジュール100と比較して、太陽光モジュール100’では、その領域のより高いパーセンテージに発電太陽電池を含むことができることを意味する。このようにして、太陽光モジュール100’は、同等のサイズの太陽光モジュール100よりも多くの電気を生成することができ、太陽光モジュール100’が、太陽光モジュール100と比較して、より高い電力及びより高い効率を有することを意味する。追加的に、太陽光モジュール100の複数の中間相互接続バスバーが、太陽光モジュール100’の単一の中間相互接続バスバーによって置き換えられていることから、製造のコスト及び複雑さは、太陽光モジュール100のものと比較してより低い。更に、太陽光モジュール100及び太陽光モジュール100’は、各々単一のバイパスダイオードのみを必要とする。
【0052】
本発明は、上述した実施形態には限定されず、様々な修正及び改良が、本明細書に記載された概念から逸脱することなく行うことができることが理解されるであろう。相互に排他的な場合を除いて、いかなる特徴も、任意の他の特徴とは別個に、又はそれらと組み合わせて用いることができ、本開示は、本明細書に記載された1つ以上の特徴の全ての組み合わせ、及び部分組み合わせに拡張され、これらを包含する。
【国際調査報告】