(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-11
(54)【発明の名称】一酸化窒素送達剤としてのジメチルトリプタミン類似体
(51)【国際特許分類】
C07D 209/16 20060101AFI20241204BHJP
A61K 31/4045 20060101ALI20241204BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
C07D209/16 CSP
A61K31/4045
A61P25/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539472
(86)(22)【出願日】2022-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 US2022082465
(87)【国際公開番号】W WO2023129956
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524197172
【氏名又は名称】アタイ セラピューティクス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】atai Therapeutics, Inc.
【住所又は居所原語表記】c/o Industrious NYC, 250 West 34th St New York, NY 10119, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ショート, グレン
(72)【発明者】
【氏名】ペルニ, ロバート ビー.
(72)【発明者】
【氏名】カーン, タンヴェア
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC13
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086NA15
4C086ZA02
4C086ZA39
(57)【要約】
式(I)、(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩がここで提供される。また、式(I)、(II)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物、および例えば、式(I)、(II)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を使用する方法もここで提供される。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(II)の化合物、
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
R
3、R
4、およびR
5は、独立に、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2であり、
R
1、およびR
6は、独立に、H、C
1~C
6アルキル、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2であり、
R
2は、HまたはC
1~C
6アルキルであり、また
R
7およびR
7’は、独立に、H、ハロゲン、またはC
1~C
6アルキルであり、
X、Y、およびZは、独立に、存在しない、O、S、NH、または-O-(P=O)OHO-であり、
mは、2、3、または4であり、また
各nは、独立に、1、2、3、4、または5であり、
式中、R
1、R
3、R
4、R
5、およびR
6のうちの少なくとも一つは、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、化合物。
【請求項2】
R
1は、C
1~C
6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
1は、メチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R
1は、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R
2は、C
1~C
6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R
2は、メチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R
2は、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R
3は、Hであり、またXは、存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R
3は、ハロゲンであり、またXは、存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R
3は、Hであり、またXは、Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
R
3は、C
1~C
6アルキルであり、またXは、Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
R
4は、Hであり、またYは、存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
R
4は、Hであり、またYは、Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
R
4は、ハロゲンであり、またYは、存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
R
4は、C
1~C
6アルキルであり、またYは、Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
R
5は、Hであり、またZは、存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
R
5は、Hであり、またZは、Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
R
5は、ハロゲンであり、またZは、存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
R
5は、C
1~C
6アルキルであり、またZは、存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
R
5は、C
1~C
6アルキルであり、またZは、Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
R
6は、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
R
6は、-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
R
6は、-(C=O)(CH
2)
n-ONO
2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
R
6は、-(C=O)(CH
2)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
R
6は、-(C=O)(CH
2)
3-ONO
2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
以下の化学式を有する、請求項1に記載の化合物。
【化2-1】
【化2-2】
【化2-3】
【請求項27】
以下の化学式を有する、請求項26に記載の化合物。
【化3】
【請求項28】
以下の化学式を有する、請求項26に記載の化合物。
【化4】
【請求項29】
請求項1に記載の化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項30】
精神衛生上の疾患または障害を治療する方法であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項31】
式(I)の化合物、
【化5】
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
R
1、R
3、R
4、およびR
5は、独立に、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2であり、
各R
2は、独立に、C
1~C
6アルキルであり、
X、Y、およびZは、独立に、存在しない、H、O、S、NH、および-O-(P=O)OHO-であり、
mは、2、3、または4であり、
各nは、独立に、1、2、3、4、または5であり、
A
-は、薬学的に許容可能なアニオンであり、
式中、R
1、R
3、R
4、およびR
5のうちの少なくとも一つは、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、化合物。
【請求項32】
R
1は、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2である、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
R
1は、-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、請求項31に記載の化合物。
【請求項34】
R
1は、-(C=O)(CH
2)
n-ONO
2である、請求項31に記載の化合物。
【請求項35】
R
1は、-(C=O)(CH
2)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、請求項31に記載の化合物。
【請求項36】
R
1は、-(C=O)(CH
2)
3-ONO
2である、請求項31に記載の化合物。
【請求項37】
R
1は、-(C=O)(CH
2)
2-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、請求項31に記載の化合物。
【請求項38】
R
2は、C
1~C
3アルキルである、請求項31に記載の化合物。
【請求項39】
R
3は、Hであり、またXは、存在しない、請求項31に記載の化合物。
【請求項40】
R
3は、ハロゲンであり、またXは、存在しない、請求項31に記載の化合物。
【請求項41】
R
3は、Hであり、またXは、Oである、請求項31に記載の化合物。
【請求項42】
R
3は、C
1~C
6アルキルであり、またXは、Oである、請求項31に記載の化合物。
【請求項43】
R
4は、Hであり、またYは、存在しない、請求項31に記載の化合物。
【請求項44】
R
4は、Hであり、またYは、Oである、請求項31に記載の化合物。
【請求項45】
R
4は、ハロゲンであり、またYは、存在しない、請求項31に記載の化合物。
【請求項46】
R
4は、C
1~C
6アルキルであり、またYは、Oである、請求項31に記載の化合物。
【請求項47】
R
5は、Hであり、またZは、存在しない、請求項31に記載の化合物。
【請求項48】
R
5は、Hであり、またZは、Oである、請求項31に記載の化合物。
【請求項49】
R
5は、ハロゲンであり、またZは、存在しない、請求項31に記載の化合物。
【請求項50】
R
5は、C
1~C
6アルキルであり、またZは、Oである、請求項31に記載の化合物。
【請求項51】
請求項31に記載の化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項52】
精神衛生上の疾患または障害を治療する方法であって、治療有効量の請求項31に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年12月30日に出願された米国仮特許出願第63/295,199号に対する優先権の利益を主張するものであり、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0002】
実施形態では、本開示は、生体内で一酸化窒素(NO)を放出するジメチルトリプタミン誘導体を提供する。
【0003】
実施形態では、本開示は、ジメチルトリプタミンのプロドラッグおよびその誘導体を提供する。
【0004】
実施形態では、本開示は、式(I)、式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0005】
実施形態では、本開示は、以下の式(I)の化合物、
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
1、R
3、R
4、およびR
5は、独立に、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2であり、
各R
2は、独立に、C
1~C
6アルキルであり、
X、Y、およびZは、独立に、存在しない、H、O、S、NH、および-O-(P=O)OHO-であり、
R
7およびR
7’は、独立に、H、ハロゲン、またはC
1~C
6アルキルであり、
mは、2、3、または4であり、
各nは、独立に、1、2、3、4、または5であり、
A
-は、薬学的に許容可能なアニオンであり、
式中、R
1、R
3、R
4、およびR
5のうちの少なくとも一つは、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である。
【0006】
実施形態では、本開示は、式(II)の化合物、
【化2】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
3、R
4、およびR
5は、独立に、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2であり、
R
1およびR
6は、独立に、H、C
1~C
6アルキル、-(C=O)(CH
2)
l-ONO
2、-(C=O)(CH
2)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2であり、
R
2は、HまたはC
1~C
6アルキルであり、
R
7およびR
7’は、独立に、H、ハロゲン、またはC
1~C
6アルキルであり、
X、Y、およびZは、独立に、存在しない、O、S、NH、および-O-(P=O)OHO-であり、
mは、2、3、または4であり、また
各nは、独立に、1、2、3、4、または5であり、
式中、R
1、R
3、R
4、R
5、およびR
6のうちの少なくとも一つは、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である。
【0007】
実施形態では、本開示は、本開示の化合物(例えば、式(I)、(II)または表1の化合物)および薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0008】
実施形態では、本開示は、本開示の一以上の化合物(例えば、式(I)、(II)、または表1の化合物)を、例えばNO送達剤として、使用する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示全体を通して、様々な特許、特許出願、および公開公報が参照される。これらの特許、特許出願、および公開公報の開示はその全体が、本開示の日の時点で当業者に公知の技術状態をより完全に説明するために、全ての目的のために参照により本開示に組み込まれる。引用された特許、特許出願、および公開公報と本開示との間に矛盾がある場合は、本開示が優先される。
【0010】
定義
便宜上、本明細書、実施例、および特許請求の範囲で用いられる特定の用語をここにまとめる。別途定義されない限り、本開示で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。
【0011】
本明細書で使用される場合の「投与する」、「投与すること」、または「投与」という用語は、化合物もしくは該化合物の薬学的に許容可能な塩、または化合物もしくは該化合物の薬学的に許容可能な塩を含む組成物もしくは製剤を患者に投与することを指す。
【0012】
患者または対象に関して本明細書で使用される場合の「治療すること」という用語は、患者または対象の障害の少なくとも一つの症状を改善することを指す。一部の実施形態では、治療することは、障害または障害の一つ以上の症状を、改善または少なくとも部分的に回復させることであり得る。
【0013】
用量または量に付加される「治療有効」という用語は、必要とする患者または対象への投与後に所望の臨床的利益をもたらすために十分である化合物または医薬製剤の量を指す。
【0014】
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、酸付加塩および塩基付加塩の両方を含む。薬学的に許容可能な塩には、塩基として機能する活性化合物を無機酸または有機酸と反応させて塩を形成することによって得られる塩が含まれ、例えば塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、ギ酸、臭化水素酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、サリチル酸、マンデル酸、炭酸などの塩である。こうした塩基性化合物の薬学的に許容可能な酸付加塩を調製するために使用され得る酸は、非毒性酸付加塩を形成するもの、すなわち、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、硝酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、フマル酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、およびp-トルエンスルホン酸塩を含むがこれらに限定されない、薬学的に許容可能なアニオンを含有する塩を形成する酸である。塩基付加塩には、エチレンジアミン、N-メチル-グルカミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、エフェナミン、デヒドロアビエチルアミン、N-エチルピペリジン、ベンジルアミン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、塩基性アミノ酸、例えばリジンおよびアルギニンジシクロヘキシルアミンなど、が含まれるが、これらに限定されない。金属塩の例には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などが含まれる。アンモニウム塩およびアルキル化アンモニウム塩の例には、アンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩などが含まれる。有機塩基の例には、リジン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン、コリンなどが含まれる。当業者であれば、酸付加塩は、いくつかの公知の方法のうちのいずれかを介した適切な無機酸または有機酸との化合物の反応によって調製され得ることを更に認識するであろう。
【0015】
値の範囲が列挙される場合、その範囲内の各値および下位の範囲を包含することが意図される。例えば、「C1~C6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1~6、C1~5、C1~4、C1~3、C1~2、C2~6、C2~5、C2~4、C2~3、C3~6、C3~5、C3~4、C4~6、C4~5、およびC5~6アルキルを包含することが意図される。
【0016】
「アルキル」または「アルキル基」とは、1~12個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残りの部分に結合している、完全に飽和した直鎖または分枝の炭化水素鎖を指す。1~12個の任意の数の炭素原子を含むアルキルが含まれる。最大12個の炭素原子を含むアルキルはC1~C12アルキルであり、最大10個の炭素原子を含むアルキルはC1~C10アルキルであり、最大6個の炭素原子を含むアルキルはC1~C6アルキルであり、最大5個の炭素原子を含むアルキルはC1~C5アルキルである。C1~C5アルキルは、C5アルキル、C4アルキル、C3アルキル、C2アルキル、およびC1アルキル(すなわち、メチル)を含む。C1~C6アルキルは、C1~C5アルキルについて上述した全ての部分を含むが、C6アルキルも含む。C1~C10アルキルは、C1~C5アルキルおよびC1~C6アルキルについて上述した全ての部分を含むが、C7、C8、C9、およびC10アルキルも含む。同様に、C1~C12アルキルは、前述の部分の全てを含むが、C11およびC12アルキルも含む。C1~C12アルキルの非限定的な例には、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、sec-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、t-アミル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、およびn-ドデシルが含まれる。本明細書に別段の記載がない限り、アルキル基は任意で置換され得る。
【0017】
本明細書で使用される「置換(された)」という用語は、本明細書に記載される基のいずれか(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、および/またはヘテロアリール)を意味し、式中、少なくとも一つの水素原子が、F、Cl、BrおよびIなどのハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基およびエステル基などの基内の酸素原子、チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基およびスルホキシド基などの基内の硫黄原子、アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N-オキシド、イミドおよびエナミンなどの基内の窒素原子、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基およびトリアリールシリル基などの基内のケイ素原子、ならびに様々な他の基内の他のヘテロ原子を含むがこれらに限定されない、水素でない原子への結合によって置換される。「置換(された)」はまた、一つ以上の水素原子が、オキソ基、カルボニル基、カルボキシル基、およびエステル基内の酸素、ならびにイミン、オキシム、ヒドラゾン、およびニトリルなどの基内の窒素などであるヘテロ原子への高次の結合(例えば、二重結合または三重結合)によって置換されている、上記の基のいずれかを意味する。例えば、「置換(された)」は、一つ以上の水素原子が、‐NRgRh、‐NRgC(=O)Rh、‐NRgC(=O)NRgRh、‐NRgC(=O)ORh、‐NRgSO2Rh、‐OC(=O)NRgRh、‐ORg、‐SRg、‐SORg、‐SO2Rg、‐OSO2Rg、‐SO2ORg、=NSO2Rg、および‐SO2NRgRhで置換されている、上記の基のいずれかを含む。「置換(された)」はまた、一つ以上の水素原子が-C(=O)Rg、-C(=O)ORg、-C(=O)NRgRh、-CH2SO2Rg、-CH2SO2NRgRhで置換されている、上記の基のいずれかを意味する。前述において、RgおよびRhは、同一または異なるものであり、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N-ヘテロアリール、および/またはヘテロアリールアルキルである。「置換(された)」はさらに、一つ以上の水素原子がアミノ、シアノ、ヒドロキシル、イミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N-ヘテロアリール、および/またはヘテロアリールアルキル基への結合によって置換されている、上記の基のいずれかを意味する。加えて、前述の置換基の各々はまた、上記の置換基のうちの一つ以上で置換されていてもよい。
【0018】
化合物
実施形態では、本開示は、生体内で一酸化窒素(NO)を放出するジメチルトリプタミン誘導体を提供する。実施形態では、本開示は、ジメチルトリプタミンのプロドラッグおよびその誘導体を提供する。実施形態では、本開示は、式(I)および(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0019】
実施形態では、本開示は、以下の式(I)の化合物、
【化3】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
1、R
3、R
4、およびR
5は、独立に、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2であり、
R
2は、独立に、C
1~C
6アルキルであり、
X、Y、およびZは、独立に、存在しない、H、O、S、NH、および-O-(P=O)OHO-であり、
mは、2、3、または4であり、
各nは、独立に、1、2、3、4、または5であり、
A
-は、薬学的に許容可能なアニオンであり、
式中、R
1、R
3、R
4、およびR
5のうちの少なくとも一つは、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である。
【0020】
式(I)の化合物の実施形態では、R1は、C1~C6アルキルである。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、メチル、エチルまたはプロピルである。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、メチルである。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、Hである。
【0021】
式(I)の化合物の実施形態では、R1は、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、H、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、H、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、H、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、ハロゲン、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0022】
式(I)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CH2)n-ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CH2)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CH2)3-ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CH2)2-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0023】
式(I)の化合物の実施形態では、R3は、Hである。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、ハロゲンである。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、C1~C6アルキルである。
【0024】
式(I)の化合物の実施形態では、R3は、H、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、H、ハロゲン、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、H、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、H、またはハロゲンである。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、H、またはC1~C6アルキルである。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。
【0025】
式(I)の化合物の実施形態では、R3は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0026】
式(I)の化合物の実施形態では、R4は、H、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、H、またはハロゲンである。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、H、またはC1~C6アルキルである。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。
【0027】
式(I)の化合物の実施形態では、R4は、ハロゲン、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、H、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、H、ハロゲン、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。
【0028】
式(I)の化合物の実施形態では、R4は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0029】
式(I)の化合物の実施形態では、R5は、Hである。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、ハロゲンである。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、C1~C6アルキルである。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、H、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、H、またはハロゲンである。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、H、またはC1~C6アルキルである。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。
【0030】
式(I)の化合物の実施形態では、R5は、ハロゲン、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、H、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、H、ハロゲン、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。
【0031】
式(I)の化合物の実施形態では、R5は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0032】
式(I)の化合物の実施形態では、R7およびR7’は、独立に、H、またはC1~C6アルキルである。式(I)の化合物の実施形態では、R7およびR7’は、独立に、H、またはC1~C3アルキルである。式(I)の化合物の実施形態では、R7およびR7’は、独立に、H、またはハロゲンアルキルである。式(I)の化合物の実施形態では、R7およびR7’は、独立に、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。式(I)の化合物の実施形態では、R7およびR7’は、独立に、ハロゲン、またはC1~C3アルキルである。
【0033】
式(I)の化合物の実施形態では、Xは、O、S、NH、および-O-(P=O)OHO-である。式(I)の化合物の実施形態では、Xは、存在しない、S、NH、および-O-(P=O)OHO-である。式(I)の化合物の実施形態では、Xは、存在しない、O、S、または-O-(P=O)OHO-である。式(I)の化合物の実施形態では、Xは、存在しない、O、S、またはNHである。式(I)の化合物の実施形態では、Xは、O、または-O-(P=O)OHO-である。
【0034】
式(I)の化合物の実施形態では、Xは、存在しない。式(I)の化合物の実施形態では、Xは、Oである。式(I)の化合物の実施形態では、Xは、Sである。式(I)の化合物の実施形態では、Xは、NHである。式(I)の化合物の実施形態では、Xは、-O-(P=O)OHO-である。
【0035】
式(I)の化合物の実施形態では、Yは、O、S、NH、および-O-(P=O)OHO-である。式(I)の化合物の実施形態では、Yは、存在しない、S、NH、および-O-(P=O)OHO-である。式(I)の化合物の実施形態では、Yは、存在しない、O、S、または-O-(P=O)OHO-である。式(I)の化合物の実施形態では、Yは、存在しない、O、S、またはNHである。式(I)の化合物の実施形態では、Yは、O、または-O-(P=O)OHO-である。
【0036】
式(I)の化合物の実施形態では、Yは、存在しない。式(I)の化合物の実施形態では、Yは、Oである。式(I)の化合物の実施形態では、Yは、Sである。式(I)の化合物の実施形態では、Yは、NHである。式(I)の化合物の実施形態では、Yは、-O-(P=O)OHO-である。
【0037】
式(I)の化合物の実施形態では、Zは、O、S、NH、および-O-(P=O)OHO-である。式(I)の化合物の実施形態では、Zは、存在しない、S、NH、および-O-(P=O)OHO-である。式(I)の化合物の実施形態では、Zは、存在しない、O、S、または-O-(P=O)OHO-である。式(I)の化合物の実施形態では、Zは、存在しない、O、S、またはNHである。式(I)の化合物の実施形態では、Zは、O、または-O-(P=O)OHO-である。
【0038】
式(I)の化合物の実施形態では、Zは、存在しない。式(I)の化合物の実施形態では、Zは、Oである。式(I)の化合物の実施形態では、Zは、Sである。式(I)の化合物の実施形態では、Zは、NHである。式(I)の化合物の実施形態では、Zは、-O-(P=O)OHO-である。
【0039】
式(I)の化合物の実施形態では、nは、1である。式(I)の化合物の実施形態では、nは、2である。式(I)の化合物の実施形態では、nは、3である。式(I)の化合物の実施形態では、nは、4である。式(I)の化合物の実施形態では、nは、5である。
【0040】
式(I)の化合物の実施形態では、mは、2である。式(I)の化合物の実施形態では、mは、3である。式(I)の化合物の実施形態では、mは、4である。式(I)の化合物の実施形態では、mは、5である。
【0041】
式(I)の化合物の実施形態では、R3は、Hであり、またXは、存在しない。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、ハロゲンであり、またXは、存在しない。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、Hであり、またXは、Oである。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、C1~C6アルキルであり、またXは、Oである。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、Cl、F、Br、またはIであり、またXは、存在しない。式(I)の化合物の実施形態では、R3は、Fであり、またXは、存在しない。
【0042】
式(I)の化合物の実施形態では、R4は、Hであり、またYは、存在しない。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、ハロゲンであり、またYは、存在しない。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、Hであり、またYは、Oである。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、C1~C6アルキルであり、またYは、Oである。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、Cl、F、Br、またはIであり、またYは、存在しない。式(I)の化合物の実施形態では、R4は、Fであり、またYは、存在しない。
【0043】
式(I)の化合物の実施形態では、R5は、Hであり、またZは、存在しない。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、ハロゲンであり、またZは、存在しない。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、Hであり、またZは、Oである。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、C1~C6アルキルであり、またZは、Oである。式(I)の化合物の実施形態では、R5は、Cl、F、Br、またはIであり、またZは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、Fであり、またZは、存在しない。
【0044】
式(II):
一部の実施形態では、本明細書においては、以下の式(II)の化合物、
【化4】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
3、R
4、およびR
5は、独立に、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2であり、
R
1、およびR
6は、独立に、H、C
1~C
6アルキル、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2であり、
R
2は、HまたはC
1~C
6アルキルであり、また
R
7およびR
7’は、独立に、H、ハロゲン、またはC
1~C
6アルキルであり、
X、Y、およびZは、独立に、存在しない、O、S、NH、および-O-(P=O)OHO-であり、
mは、2、3、または4であり、また
各nは、独立に、1、2、3、4、または5であり、
式中、R
1、R
3、R
4、R
5、およびR
6のうちの少なくとも一つは、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である。
【0045】
式(II)の化合物の実施形態では、R1は、C1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、メチル、エチルまたはプロピルである。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、メチルである。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、Hである。
【0046】
式(II)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。
【0047】
式(II)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CH2)n-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CH2)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CH2)3-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CH2)2-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0048】
式(II)の化合物の実施形態では、R1は、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、H、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、H、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、H、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R1は、C1~C6アルキルであるか、または-(C=O)(、ハロゲン、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0049】
式(II)の化合物の実施形態では、R3は、H、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、H、またはハロゲンである。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、H、またはC1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、Hである。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、ハロゲンである。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、C1~C6アルキルである。
【0050】
式(II)の化合物の実施形態では、R3は、H、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、H、ハロゲン、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0051】
式(II)の化合物の実施形態では、R3は、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0052】
式(II)の化合物の実施形態では、R4は、H、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、H、またはハロゲンである。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、H、またはC1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。
【0053】
式(II)の化合物の実施形態では、R4は、ハロゲン、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、H、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、H、ハロゲン、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0054】
式(II)の化合物の実施形態では、R5は、H、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、H、またはハロゲンである。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、H、またはC1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、Hである。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、ハロゲンである。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、C1~C6アルキルである。
【0055】
式(II)の化合物の実施形態では、R5は、ハロゲン、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、H、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、H、ハロゲン、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R5は、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0056】
式(II)の化合物の実施形態では、R6は、H、またはC1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、C1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、メチル、エチルまたはプロピルである。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、メチルである。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、Hである。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。
【0057】
式(II)の化合物の実施形態では、R6は、-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、-(C=O)(CH2)n-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、-(C=O)(CH2)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、-(C=O)(CH2)3-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、-(C=O)(CH2)2-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、C1~C6アルキル、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、H、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、H、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、H、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0058】
式(II)の化合物の実施形態では、R6は、C1~C6アルキル、または-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、H、または-(C=O)(CR7R7’)n-ONO2である。式(II)の化合物の実施形態では、R6は、H、または-(C=O)(CR7R7’)m-CH(NH2)CH2ONO2である。
【0059】
式(II)の化合物の実施形態では、R7およびR7’は、独立に、H、またはC1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R7およびR7’は、独立に、H、またはC1~C3アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R7およびR7’は、独立に、H、またはハロゲンアルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R7およびR7’は、独立に、ハロゲン、またはC1~C6アルキルである。式(II)の化合物の実施形態では、R7およびR7’は、独立に、ハロゲン、またはC1~C3アルキルである。
【0060】
式(II)の化合物の実施形態では、Xは、O、S、NH、および-O-(P=O)OHO-である。式(II)の化合物の実施形態では、Xは、存在しない、S、NH、および-O-(P=O)OHO-である。式(II)の化合物の実施形態では、Xは、存在しない、O、S、または-O-(P=O)OHO-である。式(II)の化合物の実施形態では、Xは、存在しない、O、S、またはNHである。式(II)の化合物の実施形態では、Xは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、Xは、Oである。式(II)の化合物の実施形態では、Xは、Sである。式(II)の化合物の実施形態では、Xは、NHである。式(II)の化合物の実施形態では、Xは、-O-(P=O)OHO-である。式(II)の化合物の実施形態では、Xは、O、または-O-(P=O)OHO-である。
【0061】
式(II)の化合物の実施形態では、Yは、O、S、NH、および-O-(P=O)OHO-である。式(II)の化合物の実施形態では、Yは、存在しない、S、NH、および-O-(P=O)OHO-である。式(II)の化合物の実施形態では、Yは、存在しない、O、S、または-O-(P=O)OHO-である。式(II)の化合物の実施形態では、Yは、存在しない、O、S、またはNHである。式(II)の化合物の実施形態では、Yは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、Yは、Oである。式(II)の化合物の実施形態では、Yは、Sである。式(II)の化合物の実施形態では、Yは、NHである。式(II)の化合物の実施形態では、Yは、-O-(P=O)OHO-である。式(II)の化合物の実施形態では、Yは、O、または-O-(P=O)OHO-である。
【0062】
式(II)の化合物の実施形態では、Zは、O、S、NH、および-O-(P=O)OHO-である。式(II)の化合物の実施形態では、Zは、存在しない、S、NH、および-O-(P=O)OHO-である。式(II)の化合物の実施形態では、Zは、存在しない、O、S、または-O-(P=O)OHO-である。式(II)の化合物の実施形態では、Zは、存在しない、O、S、またはNHである。式(II)の化合物の実施形態では、Zは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、Zは、Oである。式(II)の化合物の実施形態では、Zは、Sである。式(II)の化合物の実施形態では、Zは、NHである。式(II)の化合物の実施形態では、Zは、-O-(P=O)OHO-である。式(II)の化合物の実施形態では、Zは、O、または-O-(P=O)OHO-である。
【0063】
式(II)の化合物の実施形態では、nは、1である。式(II)の化合物の実施形態では、nは、2である。式(II)の化合物の実施形態では、nは、3である。式(II)の化合物の実施形態では、nは、4である。式(II)の化合物の実施形態では、nは、5である。
【0064】
式(II)の化合物の実施形態では、mは、2である。式(II)の化合物の実施形態では、mは、3である。式(II)の化合物の実施形態では、mは、4である。式(II)の化合物の実施形態では、mは、5である。
【0065】
式(II)の化合物の実施形態では、R3は、Hであり、またXは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、ハロゲンであり、またXは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、Hであり、またXは、Oである。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、C1~C6アルキルであり、またXは、Oである。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、Cl、F、Br、またはIであり、またXは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、R3は、Fであり、またXは、存在しない。
【0066】
式(II)の化合物の実施形態では、R4は、Hであり、またYは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、ハロゲンであり、またYは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、Hであり、またYは、Oである。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、C1~C6アルキルであり、またYは、Oである。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、Cl、F、Br、またはIであり、またYは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、R4は、Fであり、またYは、存在しない。
【0067】
式(II)の化合物の実施形態では、R
5は、Hであり、またZは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、R
5は、ハロゲンであり、またZは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、R
5は、Hであり、またZは、Oである。式(II)の化合物の実施形態では、R
5は、C
1~C
6アルキルであり、またZは、Oである。式(II)の化合物の実施形態では、R
5は、Cl、F、Br、またはIであり、またZは、存在しない。式(II)の化合物の実施形態では、R
5は、Fであり、またZは、存在しない。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0068】
組成物
実施形態では、本開示は、医薬組成物であって、治療有効量の本開示の一つ以上の化合物(例えば、式(I)、(II)または表1の化合物)またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。
【0069】
薬学的に許容可能な賦形剤およびアジュバントは、様々な目的のために組成物または製剤に添加される。一部の実施形態では、本明細書に開示される一つ以上の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む。一部の実施形態では、薬学的に許容可能な担体は、薬学的に許容可能な賦形剤、結合剤、および/または希釈剤を含む。一部の実施形態では、好適な薬学的に許容可能な担体には、不活性固体充填剤または希釈剤、および無菌水溶液または有機溶液が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、好適な薬学的に許容可能な賦形剤には、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0070】
本開示の目的のために、本開示の化合物は、薬学的に許容可能な担体、アジュバント、およびビヒクルを含有する製剤として、経口的、非経口的、吸入スプレーによる、局所的、または直腸的を含む様々な手段による投与のために製剤化され得る。本明細書で使用される場合、非経口という用語は、様々な注入技術を用いた皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、および動脈内注射を含む。本明細書で使用される場合、動脈内注射および静脈内注射は、カテーテルを通した投与を含む。
【0071】
治療方法
一態様では、本開示は、必要とする対象において疾患または障害を治療する方法を提供し、方法は、治療有効量の本明細書に開示される化合物(例えば、式(I)、(II)または表1の化合物)またはその薬学的に許容可能な塩を、対象に投与することを含む。
【0072】
実施形態では、疾患または障害は、精神衛生上の疾患または障害である。実施形態では、精神衛生上の疾患または障害は、大うつ病性障害、治療抵抗性うつ病、物質使用障害、および摂食障害からなる群から選択される。実施形態では、摂食障害には、神経性食欲不振、神経性過食症、および摂食に関連する他の障害(例えば、過食)などの疾患が含まれる。
【0073】
実施形態では、精神衛生上の疾患または障害は、摂食障害である。
【0074】
実施形態では、精神衛生上の疾患または障害は、強迫性障害、不安障害、ストレス障害、および反すう思考からなる群から選択される。
【0075】
実施形態では、精神衛生上の疾患または障害は、気分障害である。実施形態では、気分障害には、例えば大うつ病性障害または治療抵抗性うつ病などのうつ病性障害が含まれる。
実施形態では、精神衛生上の障害は、物質乱用障害である。実施形態では、物質使用関連障害は、物質使用の不適応パターンの障害であり、例えば再発性の物質使用関連問題、物質に対する耐性、使用中止時の離脱症状、物質の使用を削減または制御できないこと、および物質の使用を原因とした重要な社会的、職業的または娯楽的な活動の放棄などの基準を含む。例えば、精神障害の診断および統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)(DSM-5)を参照されたい。実施形態では、物質使用関連障害は、アルコール、カフェイン、大麻、幻覚薬(フェンシクリジンまたは同様に作用するアリールシクロヘキシルアミン、およびLSDなどの他の幻覚薬など)、吸入剤、オピオイド、鎮静剤、催眠剤または抗不安剤、覚醒剤(アンフェタミン型物質、コカイン、および他の覚醒剤を含む)、タバコ、および他の物質の使用の結果生じる障害である。
【0076】
実施形態では、本開示の化合物(例えば、式(I)、(II)、または表1の化合物)またはその薬学的に許容可能な塩を投与することにより、一酸化窒素(NO)が放出される(例えば、本開示の化合物は、NO送達薬剤である)。実施形態では、本開示の化合物は、生体内でNOを放出するのに有用である。
【0077】
番号付けした実施形態
上記の開示、以下の実施例、および添付の特許請求の範囲に加えて、本開示は、以下の番号付けした実施形態を記載する。
1.以下の式(II)の化合物、
【化5】
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
R
3、R
4、およびR
5は、独立に、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2であり、
R
1、およびR
6は、独立に、H、C
1~C
6アルキル、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2であり、
R
2は、HまたはC
1~C
6アルキルであり、また
R
7およびR
7’は、独立に、H、ハロゲン、またはC
1~C
6アルキルであり、
X、Y、およびZは、独立に、存在しない、O、S、NH、または-O-(P=O)OHO-であり、
mは、2、3、または4であり、また
各nは、独立に、1、2、3、4、または5であり、
式中、R
1、R
3、R
4、R
5、およびR
6のうちの少なくとも一つは、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、化合物。
2.R
1は、C
1~C
6アルキルである、実施形態1に記載の化合物。
3.R
1は、メチルである、実施形態1に記載の化合物。
4.R
1は、Hである、実施形態1に記載の化合物。
5.R
2は、C
1~C
6アルキルである、実施形態1~4のいずれか一つに記載の化合物。
6.R
2は、メチルである、実施形態1~4のいずれか一つに記載の化合物。
7.R
2は、Hである、実施形態1~4のいずれか一つに記載の化合物。
8.R
3は、Hであり、またXは、存在しない、実施形態1~7のいずれか一つに記載の化合物。
9.R
3は、ハロゲンであり、またXは、存在しない、実施形態1~7のいずれか一つに記載の化合物。
10.R
3は、Hであり、またXは、Oである、実施形態1~7のいずれか一つに記載の化合物。
11.R
3は、C
1~C
6アルキルであり、またXは、Oである、実施形態1~7のいずれか一つに記載の化合物。
12.R
4は、Hであり、またYは、存在しない、実施形態1~11のいずれか一つに記載の化合物。
13.R
4は、Hであり、またYは、Oである、実施形態1~11のいずれか一つに記載の化合物。
14.R
4は、ハロゲンであり、またYは、存在しない、実施形態1~11のいずれか一つに記載の化合物。
15.R
4は、C
1~C
6アルキルであり、またYは、Oである、実施形態1~11のいずれか一つに記載の化合物。
16.R
5は、Hであり、またZは、存在しない、実施形態1~15のいずれか一つに記載の化合物。
17.R
5は、Hであり、またZは、Oである、実施形態1~15のいずれか一つに記載の化合物。
18.R
5は、ハロゲンであり、またZは、存在しない、実施形態1~15のいずれか一つに記載の化合物。
19.R
5は、C
1~C
6アルキルであり、またZは、存在しない、実施形態1~15のいずれか一つに記載の化合物。
20.R
5は、C
1~C
6アルキルであり、またZは、Oである、実施形態1~15のいずれか一つに記載の化合物。
21.R
6は、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2である、実施形態1~20のいずれか一つに記載の化合物。
22.R
6は、-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、実施形態1~20のいずれか一つに記載の化合物。
23.R
6は、-(C=O)(CH
2)
n-ONO
2である、実施形態1~20のいずれか一つに記載の化合物。
24.R
6は、-(C=O)(CH
2)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、実施形態1~20のいずれか一つに記載の化合物。
25.R
6は、-(C=O)(CH
2)
3-ONO
2である、実施形態1~20のいずれか一つに記載の化合物。
26.以下の化学式を有する、実施形態1~25のいずれか一つに記載の化合物。
【化6-1】
【化6-2】
【化6-3】
27.以下の化学式を有する、実施形態26に記載の化合物。
【化7】
28.以下の化学式を有する、実施形態26に記載の化合物。
【化8】
29.実施形態1~28のいずれか一つに記載の化合物と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
30.精神衛生上の疾患または障害を治療する方法であって、治療有効量の実施形態1~28のいずれか一つに記載の化合物または実施形態29の医薬組成物を投与することを含む、方法。
31.式(I)の化合物、
【化9】
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
R
1、R
3、R
4、およびR
5は、独立に、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2、または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2であり、
R
2は、C
1~C
6アルキルであり、
X、Y、およびZは、独立に、存在しない、H、O、S、NH、および-O-(P=O)OHO-であり、
mは、2、3、または4であり、
各nは、独立に、1、2、3、4、または5であり、
A
-は、薬学的に許容可能なアニオンであり、
式中、R
1、R
3、R
4、およびR
5のうちの少なくとも一つは、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2または-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、化合物。
32.R
1は、-(C=O)(CR
7R
7’)
n-ONO
2である、実施形態31に記載の化合物。
33.R
1は、-(C=O)(CR
7R
7’)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、実施形態31に記載の化合物。
34.R
1は、-(C=O)(CH
2)
n-ONO
2である、実施形態31に記載の化合物。
35.R
1は、-(C=O)(CH
2)
m-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、実施形態31に記載の化合物。
36.R
1は、-(C=O)(CH
2)
3-ONO
2である、実施形態31に記載の化合物。
37.R
1は、-(C=O)(CH
2)
2-CH(NH
2)CH
2ONO
2である、実施形態31に記載の化合物。
38.R
2は、C
1~C
3アルキルである、実施形態31~37のいずれか一つに記載の化合物。
39.R
3は、Hであり、またXは、存在しない、実施形態31~38のいずれか一つに記載の化合物。
40.R
3は、ハロゲンであり、またXは、存在しない、実施形態31~38のいずれか一つに記載の化合物。
41.R
3は、Hであり、またXは、Oである、実施形態31~38のいずれか一つに記載の化合物。
42.R
3は、C
1~C
6アルキルであり、またXは、Oである、実施形態31~38のいずれか一つに記載の化合物。
43.R
4は、Hであり、またYは、存在しない、実施形態31~42のいずれか一つに記載の化合物。
44.R
4は、Hであり、またYは、Oである、実施形態31~42のいずれか一つに記載の化合物。
45.R
4は、ハロゲンであり、またYは、存在しない、実施形態31~42のいずれか一つに記載の化合物。
46.R
4は、C
1~C
6アルキルであり、またYは、Oである、実施形態31~42のいずれか一つに記載の化合物。
47.R
5は、Hであり、またZは、存在しない、実施形態31~46のいずれか一つに記載の化合物。
48.R
5は、Hであり、またZは、Oである、実施形態31~46のいずれか一つに記載の化合物。
49.R
5は、ハロゲンであり、またZは、存在しない、実施形態31~46のいずれか一つに記載の化合物。
50.R
5は、C
1~C
6アルキルであり、またZは、Oである、実施形態31~46のいずれか一つに記載の化合物。
51.実施形態31~50のいずれか一つに記載の化合物と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
52.精神衛生上の疾患または障害を治療する方法であって、治療有効量の実施形態31~50のいずれか一つに記載の化合物または実施形態51の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【実施例】
【0078】
実施例1:本開示の化合物を調製する方法
化合物2-1の合成
プロドラッグ2-1を、市販の中間体2-1-1および2-1-3から三工程で合成し、スキーム1に記載した。
【0079】
【0080】
中間体2-1-1の合成:
アセトニトリル中の4-ブロモブタン酸メチル、2-1-1(3g、16.5mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下、室温で少しずつAgNO3(7.0g、41.4mmol、2.5当量)を添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、80℃で一晩撹拌した。TLCによって新しいポットを検出することができた。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをアセトニトリル(3×50mL)で洗浄した。ろ液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(500mL)中に溶解させた。得られた混合物を2×500mLの水で洗浄し、次いで、得られた混合物を3×300mLのブラインで洗浄した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して、黄色油状物として4-(ニトロオキシ)ブタン酸メチル、2-1-2(2.3g、85.08%)を得た。粗生成物を、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0081】
中間体2-1-4および最終生成物1-(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-1-イル)-4-(ニトロオキシ)ブタノアート(2-1)の合成:
MeOH中のトリプタミン(200mg、1.2mmol、1.0当量)およびNaBH3CN(235.3mg、3.7mmol、3.0当量)、AcOH(0.2mL)の撹拌溶液に、ホルムアルデヒド溶液(187.4mg、6.24mmol、5.0当量)をアルゴン雰囲気下、0℃で滴下して添加した。得られた混合物を、アルゴン雰囲気下、室温で一晩撹拌した。所望の生成物をLCMSによって検出することができた。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧濃縮した。残渣を、PE/EA(1:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色固体として中間体を得た。THF中の中間体および4-(ニトロオキシ)ブタン酸メチル(610.8mg、3.7mmol、3.0当量)の撹拌溶液に、THF中のLiHMDS(313.3mg、1.8mmol、1.5当量)をアルゴン雰囲気下、0℃で滴下して加えた。得られた混合物を、アルゴン雰囲気下、0℃で1時間撹拌した。所望の生成物が、LCMSによって検出できた。反応物を、0℃でMeOHでクエンチした。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣を、カラムをC18シリカゲル、移動相をMeCN水溶液(0.1%FA)、40分で5%~80%勾配、検出器をUV254nmという条件とした逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として25mgの1-(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-1-イル)-4-(ニトロオキシ)ブタノアート(2-1)を得た。2-1のLCMS:[M+H]+320.10
HNMR-2-1:(400MHz,DMSO-d6)δ8.07(d,J=8.2Hz,1H),7.62(d,J=7.7Hz,1H),7.52(s,1H),7.36-7.25(m,2H),4.79(t,J=6.7Hz,2H),4.47(t,J=6.0Hz,2H),2.80(t,J=7.5Hz,2H),2.57-2.40(m,4H),2.22(s,6H)。
【国際調査報告】