(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-12
(54)【発明の名称】集積回路のための熱相互接続
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
H01L23/12 J
H01L23/12 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534106
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 SE2021051306
(87)【国際公開番号】W WO2023121524
(87)【国際公開日】2023-06-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナイランダー, エミル
(72)【発明者】
【氏名】インゲルハグ, ぺール
(72)【発明者】
【氏名】グスタフソン, ベニー
(72)【発明者】
【氏名】ルジャンブロ, アグネタ
(57)【要約】
プリント回路基板(PCB)(100)を有する電子デバイス(10)が提供され、PCB(100)は熱伝導性材料(120)で充填された1つまたは複数のサーマルビア(110)を有し、電子デバイス(10)はパッケージ(200)をさらに有し、パッケージ(200)は、基板(210)と、ダイ(220)とを有し、ダイ(220)は、集積回路を有する能動面側(230)と、熱除去面側(250)とを有し、ダイ(220)の熱除去面側(250)は、はんだボール(300)を介して1つまたは複数のサーマルビア(110)と熱伝導性接続している。本開示はまた、関連するデバイスおよび方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板(PCB)(100)を有する電子デバイス(10)であって、前記PCB(100)は、熱伝導性材料(120)で充填された1つ以上のサーマルビア(110)を有し、前記電子デバイス(10)は、さらに、パッケージ(200)を有し、前記パッケージ(200)は、基板(210)と、ダイ(220)とを有し、前記ダイ(220)は、集積回路を具備する能動面側(230)と、熱除去面側(250)とを有し、前記ダイ(220)の前記熱除去面側(250)は、はんだボール(300)を介して前記1つ以上のサーマルビア(110)に対して熱伝導性接続している、電子デバイス。
【請求項2】
電子デバイス(10)用のパッケージ(200)であって、前記パッケージは、基板(210)とダイ(220)とを有し、前記ダイ(220)は、集積回路を有する能動面側(230)と、熱除去面側(250)と、を有し、前記熱除去面側は、はんだボール(300)を通じた熱伝導性接続を介して、プリント回路基板(PCB)(100)の1つ以上のサーマルビア(110)に接続可能となるように適合している、パッケージ。
【請求項3】
熱伝導性材料(120)で充填された1つ以上のサーマルビア(110)を有するプリント回路基板(PCB)(100)にパッケージをはんだ付けする方法であって、前記パッケージは、基板(210)と、集積回路を有する能動面側(230)と熱除去面側(250)とを有するダイ(220)とを有し、前記方法は、前記ダイ(220)の前記熱除去面側(250)と前記1つ以上のサーマルビア(110)との熱伝導性接続を提供するためにはんだボール(300)をはんだ付けすることを有する、方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のデバイスまたは方法であって、前記ダイ(220)の前記熱除去面側(250)が金属層を含む、デバイスまたは方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載のデバイスまたは方法であって、前記はんだボールが、前記ダイ(220)の前記熱除去面側(250)の金属層に直接接触し、および/または前記ダイ(220)の半導体材料に直接接触する、デバイスまたは方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のデバイスまたは方法であって、前記電子デバイスは、アンテナ回路の役割を果たす、および/または有する、デバイスまたは方法。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のデバイスまたは方法であって、前記電子デバイスは、プロセッサ装置の役割を果たす、および/または有する、デバイスまたは方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載のデバイスまたは方法であって、前記電子デバイスが、前記ダイ(220)の前記能動面側に対応する側で、第2のパッケージ、特にメモリを有する、および/または接続もしくは接続可能である、デバイスまたは方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載のデバイスを備えるアンテナ回路。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか一項に記載のデバイスを備える無線通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特に高周波通信のための電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現代のエレクトロニクスは、ますます強力になっているが、ますます緊密な統合を必要とする。高度に集積された電子機器は、たとえば、接続のための、公差およびコンパクトさ(たとえば、大きさまたは小面積)に関するより強い要求を伴う。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、電子デバイスのための改善された接続を可能にする、特に、ダイを含む集積回路の能動面または能動面側からの熱の移動を可能にする接続のための手法を提供することである。
【0004】
プリント回路基板(PCB)を含む電子デバイスが開示される。PCBは、熱伝導性材料で充填された1つまたは複数のサーマルビアを備える。電子デバイスは、基板とダイとを備えるパッケージをさらに備える。ダイは、集積回路を有する能動面側と、熱除去面側とを有する。ダイの熱除去面側は、はんだボールを介して1つ以上のサーマルビアと熱伝導接続状態にある。
【0005】
さらに、電子デバイスのためのパッケージが記載される。パッケージは、基板およびダイを備える。ダイは、集積回路を有する能動面側と、熱除去面側とを有する。熱除去面側は、はんだボールを通じた熱伝導性接続を介して、プリント基板(PCB)の1つまたは複数のサーマルビアに接続または接続可能であるように適合される。
【0006】
パッケージをプリント基板にはんだ付けする方法が考慮される。プリント回路基板は、熱伝導性材料で充填された1つまたは複数のサーマルビアを備える。パッケージは、基板とダイとを備え、ダイは、集積回路を有する能動面側と、熱除去面側とを有する。本方法は、はんだボールをはんだ付けして、ダイの熱除去面側の熱伝導性接続を1つ以上のサーマルビアで提供することを含む。
【0007】
本明細書に記載のアプローチは、良好な熱除去特性を有する電子部品のコンパクトな配置を可能にする。これは、たとえば、多数のアンテナおよび/またはアンテナのサブアレイを有するアンテナアレイのような、多素子構成に特に有用である。熱は、ダイの能動面側および/または材料から、はんだボールを介して、サーマルビアを通って伝達可能であると考えることができる。
【0008】
ダイは、半導体材料のブロックまたは集団を有する、および/またはそれから構成される、および/またはそれとして実装される、および/またはそれによる役割を果すものとして考えられてもよく、たとえば、Siおよび/またはGeおよび/またはGaおよび/またはAsおよび/またはSおよび/またはそれらの組み合わせ、に基づき、および/またはそれを有し、および/またはそれから構成され、適用可能であれば、特にGaNまたはSiGeまたはGaAsであり、および/またはこれは1つまたは複数のドープゾーンを有してもよく、および/または、(たとえば、1つの機能および/または機能のグループの役割を果たすこと、たとえば、1つまたは複数のアンテナ、からのおよび/またはそれへの信号などの信号を、たとえば、処理すること、および/または1つまたは複数のアンテナを制御する)機能的電子回路のような集積回路を有してもよい。集積回路および/または能動面側は、たとえば、電力に接続され、および/または電力が供給されたときに、動作中に熱を生成することができる。能動面側で生成された熱は、熱除去面側のダイから伝導されてもよい。一般に、熱除去面側は、能動面側の反対側に位置することができる。能動面側および/または熱除去面側は、互いに平行であってもよい。能動面側および/または熱除去面側は、ダイの最大外面を表し、場合によっては、能動面側および熱除去面側は、同じ面積サイズを有し得ることが考えられ得る。一般に、ダイは、複数の表面を有することができ、例えば、そのうちの1つは、能動面側に関連付けられ、および/または能動面側によって役割を果たされてもよく、および/またはそのうちの1つは、熱除去面側に関連付けられ、および/または熱除去面側によって役割を果たしてもよい。ダイの表面の数は、いくつかの例では、6(またはそれ以上、たとえば、角度の付いた表面に切断された面側を有する)であり得る。ダイは、基板を備える、および/または基板に埋め込まれる、および/または埋め込まれることができる。基板は、一般に、たとえば、ラミネートおよび/またはモールド(またはモールドコンパウンド)、および/またはガラス、または同様の材料を含み、および/または表してもよく、異なる基板または基板層は、同じまたは異なる材料であってもよい。ダイの熱除去面側は、基板を含まなくてもよく、および/または能動面側は、基板と接触してもよく、および/または基板と接触するように意図されてもよい。場合によっては、ダイは、基板上に組み立てられたフリップチップダイであってもよい。パッケージは、基板に組み立てられ、および/または基板に埋め込まれ、および/またはダイの熱除去面側上にマスクを含み、マスクは、はんだボールのための被覆されていない接続ポイントを画定し、および/または提供し、および/または残しているダイを含むことができる。
【0009】
ダイの熱除去面側は金属層を含むと考えることができる。金属層は、熱伝導接続の可能性を提供することができる。金属層は、直接的に接触可能であり、および/または、たとえば、ダイに熱伝導性接続を提供するために、熱伝導性接続の可能性を提供することができる。はんだボールは、金属層に接続および/または接続可能および/またははんだ付けおよび/またははんだ付け可能であると考えることができる。金属層は、特に熱除去面側において、ダイの外面を画定すると考えることができる。はんだボールは、一般に、ダイの熱除去面側に、および/または接触するように、および/または、ダイの熱除去面側に配置または配置することができる。一般に、熱除去面側は、少なくとも部分的に、または完全に、はんだボールにアクセス可能および/または接触可能であってもよい。
【0010】
一般に、金属材料または金属層は、1つ以上の金属、および/または金属合金を含み、および/またはそれらからなり得る。金属材料および/または層は、銅および/またはアルミニウムおよび/または金および/または銀(熱伝導性の材料および/または金属と考えることができる)を含み、および/またはそれらからなり得る。接続は、概して、たとえば、力嵌めおよび/または摩擦係止、および/または形状嵌め、および/または一体接合(たとえば、はんだ付けおよび/または溶接および/または溶融および/または積層)を含む、物理的に接続する可能性を備えるおよび/または提供することができる。熱伝導接続は、接続された層および/または装置および/または構成要素間の接続であってもよく、伝導を介した熱伝達を可能にし、たとえば、伝導が熱伝達の主要な(少なくとも10倍、または100倍)態様であるようにする。場合によっては、熱伝導接続は、間接的に、たとえば、直接物理的に接していない構成要素および/または要素の間に提供されてもよく、そのような場合、熱伝導接続は、中間介在要素および/または構成要素の間の熱伝導接続のシリーズ(直列配置)および/またはレイヤによって提供および/または促進されてもよい。熱伝導性接続は、導電性であってもよく、および/または金属材料によって、および/または金属材料の間に提供されてもよい。はんだボールは、熱伝導性材料および/または金属材料、たとえばはんだ合金であってもよく、および/または接触および/またははんだ付けされる金属層または材料よりも低い融点を有してもよいはんだ材料であってもよい。はんだボールは、はんだバンプおよび/またはマイクロバンプとして実装され、および/またはによって役割を果たしもよく、および/または意図され、および/またはコイニングまたは平坦化されてもよい。一般に、はんだボールおよび/またははんだボールは、アンダーフィル材料に囲まれ、および/または埋め込まれてもよく、アンダーフィル材料は、非導電性であってもよい。アンダーフィル材料は、はんだボールがダイおよび/またはPCBにはんだ付けされた後、はんだボールを囲むように配置されてもよい。
【0011】
プリント回路基板(PCB)は、1つまたは複数の層(レイヤ)を備えることができる。ビアは、1つまたは複数のレイヤを貫通するスルーホールと考えることができ、例えば、個々にまたはグループでレイヤを穿孔することによって、または(例えば、それらを組み合わせる前および/または積層する前に)個々のレイヤに孔を設けることによって、または、基本PCBを形成するためにレイヤを組み合わせおよび/または積層した後にビア/スルーホールをドリルで穿孔することによって、または、ラミネートプロセス中に形成することによって、設けることができる。熱ビアは、熱伝導性熱伝達を提供することを意図することができ、熱伝導性材料、たとえば、熱伝導性金属材料で充填可能または充填することができる。サーマルビアは、壁コーティング、たとえば金属層を含むことができ、これは、たとえば、熱伝導性材料がPCB材料中に浸出するのを防ぐことができ、および/または熱伝導性材料の接触および/または固着力を改善することができる。ビアは、はんだボールまたは熱界面物質のための接続領域を提供する金属層(または、たとえばビアの両端上の多数の金属層)を含み、および/またはそれによって覆われてもよい。一般に、PCBは、異なる材料であってもよい複数のレイヤを含んでもよく、レイヤは、例えば、ラミネート処理および/またははんだ付けおよび/または接着に基づいて、接続および/または結合および/または積層されてもよい。これらの層(レイヤ)のうちの少なくとも1つは、非熱伝導性であってもよく、および/または難燃性であってもよく、および/または基材層の役割を果たしてもよい。一般に、PCBは、1つ以上の銅層および/または基板層および/または難燃性層および/またはソルダーマスク層および/またはスクリーン層を含むことができる。層は、銅および/またはガラス繊維および/またはエポキシおよび/またはフェノールまたは他の材料を含んでもよい。サーマルビアは、少なくとも1つの非熱伝導層、たとえば、基板層および/またはガラス繊維層および/または難燃性層を通過することができる。熱ビアは、熱伝導性接触で充填されるデータが熱伝導性接触である場合に、熱伝導性接触であると考えることができる。サーマルビアは、ヒートシンク(放熱板)に接続および/または接続可能であり、および/または接続を意図することができ、放熱板は、PCB、たとえば、クーリングボディ(冷却体)に取り付けされまたは取り付け可能である。
【0012】
はんだボールは、ダイの熱除去面側の金属層に直接接触してもよく、および/またはダイの半導体材料に直接接触してもよいと考えてもよい。これは、熱伝導性材料を介してダイから良好な熱除去を容易にする。
【0013】
電子デバイスは、アンテナ回路の役を果たす、および/または備えることができると考えられ得る。アンテナ回路は、1つまたは複数のアンテナ素子、たとえば、4つ以上、または8つ以上、または16つ以上のアンテナ素子を制御および/または動作させるように接続または接続可能、および/または適合され得る。アンテナ素子を制御および/または動作させることは、たとえば、アンテナアレイおよび/またはサブアレイとして集合的に行うことができ、および/または、シグナリングを送信および/または受信すること、および/または、電力を提供すること、および/または、シグナリングを処理することを含むことができる。たとえば、高周波通信(たとえば、5GHz以上のキャリア周波数、または10GHz以上、または28GHz以上、または60GHz以上、特に100GHz以上)のために、たとえば、狭いエリア内に複数のアンテナ回路を有する、高密度アンテナ構成のためのコンパクトな構成が提供され得る。
【0014】
場合によっては、電子デバイスは、プロセッサアレンジメント(装置)の役を果たすおよび/または備えることができる。プロセッサ装置は、処理回路、たとえば、1つまたは複数のプロセッサおよび/またはコントローラ(たとえば、マイクロコントローラおよび/またはDSP、デジタル信号プロセッサ)および/またはプロセッサコアおよび/またはASIC(特定用途向け集積回路)および/またはメモリ、たとえば、RAMおよび/またはEPROMおよび/またはEEPROMを備えてもよい。特に、メモリは、ダイの能動面側に、および/またはその上に、および/またはその上方に配置されてもよく、ダイは、能動面側にプロセッシング(処理)回路を備えてもよい。熱は、はんだボールを介して運び去ることができ、メモリ装置への熱負荷を制限する。
【0015】
電子デバイスは、ダイの能動面側に対応する側に、第2のパッケージ、特にメモリを備えてもよく、および/またはそれに接続または接続可能であってもよいと考えられてもよい。能動面側は、情報および/またはデータを記憶および/または検索するために、(たとえば、第2のダイ上の)第2のパッケージのメモリおよび/または集積回路に接続または接続可能であり得る、処理回路を備えてもよいし、および/または提供し得る。第2のパッケージは、メモリおよび/または処理回路および/またはアンテナ回路および/または電力回路(たとえば、一つまたは複数の電力増幅器)および/または無線回路および/または通信回路の役を果たす、および/または備えることができる。
【0016】
本明細書に記載のデバイスを備えるアンテナ回路が考えられ得る。アンテナ回路は、制御および/または動作のために適合されてもよく、および/または、アンテナ回路によって共同で制御可能な1つ以上のアンテナ素子に接続または接続可能であってもよい。アンテナ回路は、1つまたは複数の電力増幅器および/または1つまたは複数のアナログ-デジタル変換器(ADC)、および/またはDAC(デジタル-アナログ変換器)を備えてもよく、それらは、同じ(たとえば、複数の)アンテナ素子に接続され得るか、または接続可能であり得る。アンテナ回路は、複数のアンテナ素子を備えてもよい。
【0017】
本明細書で説明されるような1つまたは複数のデバイス、たとえば、電子デバイスおよび/またはアンテナ回路を備える無線通信装置も説明される。無線通信装置は、端末および/またはユーザ機器、または基地局またはネットワークノードまたはアクセスポイントまたは送受信ポイント(TRP)などであり得る。本明細書で説明されるようなプロセッサ装置および/またはアンテナ回路を備える無線通信のための無線通信デバイスまたは端末が考えられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図面は、本明細書に記載される概念およびアプローチを示すために提供され、それらの範囲を限定することを意図するものではない。図面は以下の図を含む。
【0019】
【
図2】は、別の例示的な電子デバイスを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書に記載のアプローチは、シリコン(またはダイの他の半導体材料)の裏面(熱除去面側)からの回路の冷却を容易にする。熱除去面側(たとえば、Siの裏面)にめっき(たとえば、金属層)があってもよい。はんだボールは、熱除去面側でダイ材料、たとえばシリコンに接続されてもよい。はんだボールは、PCBを介してサーマルビア(たとえば、積み重ねられたビア)に接続され得、たとえば、PCB上のめっきされた領域に終わり、たとえば、サーマルインターフェース(熱界面)材料を用いてヒートシンクに熱的に接続され得る。この技術を使用することによって、(たとえば、mmW製品のためにAiPを用いてより大きなアンテナアレイを構築するときに必要とされ得る)厳しい公差が維持され得、小さな領域において熱的相互接続と電気的相互接続の両方を可能にする。サーマルビアとPCB内の電気的接続との間の距離は、PCB技術によって許容される最小の距離に保つことができ、これは、コイニング(圧印)タイプの解決策と比較して有利である。パッケージ・オン・パッケージ・ソリューション(たとえば、一緒に配置されたプロセッサおよびメモリ、特にアプリケーション・プロセッサの上に接続されたメモリ)では、メモリが熱に敏感であり得るので、放熱が問題となり得る。アプローチは、ダイの裏面からプロセッサから熱を除去することを容易にする。
【0021】
図1は、PCB100を含む電子デバイス10を概略的に示す。PCBは、熱伝導性材料120で充填されたサーマルビア110を備えることができる。ビア110は、PCBの複数レイヤ(層)130を貫通するように積層されたビアであってもよい。電子デバイスはまた、基板210およびダイ220を有するパッケージ200を備え得る。ダイ220は、プロセッシング(処理)回路および/またはアンテナ回路のような集積回路を有する能動面側230を備え得る。ダイ220はまた、能動面側とは反対側に熱除去面側250を有してもよい。熱除去面側250は、金属層によって覆われてもよい。非熱伝導性および/または非電気伝導性であり得るマスク260が提供され得る。アンダーフィル270材料は、たとえば、はんだ接合の信頼性を高めるために使用されてもよい。マスクは、熱除去面側250および/または金属層を覆うことができるが、はんだボール300がダイ220の金属層および/または半導体材料に接触するための開放接触点を残すことができる。はんだボール300は、ビア110の金属層140に接触し、ビアは、PCBの反対側(パッケージ200から離れる方向)の共通金属層140に通じ、ヒートシンク400に接続することができる熱界面材料150に接触する。能動側230の回路が動作すると、熱が発生する。このアプローチは、ダイ220の半導体物質に接続するはんだボールを利用して、裏面(熱除去面側)を介して熱を除去することを可能にする。
【0022】
図2は、(処理回路を有する)プロセッサ装置を備える別の例示的な電子デバイスを概略的に示す。PCB100およびヒートシンク構成は、
図1に示されるものと同様であり得る。パッケージ500は、
図1に示されるようなパッケージを表し得、この場合、基板510およびダイ520を伴い、能動側の回路は、処理回路、たとえば、プロセッサもしくはコントローラもしくはASIC、または他の発熱回路、たとえば、無線回路および/もしくは電源回路を表し得る。PCB100とダイ520との間(たとえば、基板510にも)の熱伝導接続は、はんだボール530によって提供される。たとえばメモリを表す第2のパッケージ600が、第1のパッケージ500の上部に配置される。第2のパッケージ600は、基板610およびダイ620を備えてもよく、基板610上のはんだボール630と、第1のパッケージ500の基板510と接続され得る。ダイ620は、基板610に完全に埋め込まれてもよく、および/または上面および底面から埋め込まれてもよく、および/またははんだボールおよび/または第1のパッケージに直接接続または接続可能でなくてもよい。ダイ520の処理回路によって生成される熱は、ダイ520の熱除去面側に直接接続するはんだボール530を介して効率的に除去することができるので、第2のパッケージに対する熱の影響は制限される。
図2のアレンジメントは、小型および/またはモバイル端末、たとえば、端末またはユーザ装置などのワイヤレス通信のための無線デバイス、および/またはIoTデバイス(Internet-of-Things)に特に適している。
【0023】
ワイヤレス通信は、100MHz以上、または1GHz以上、または10GHz以上、または50GHz以上、または75GHz以上、または100GHz以上のキャリア周波数範囲を使用する無線通信に関係し得る。通信のための帯域幅は、キャリア周波数の少なくとも5%、またはキャリア周波数の少なくとも8%であり得る。10GHz以上、または30GHz以上の周波数は、mmW(mm波長)と考えることができる。
【0024】
回路は、集積回路を備えてもよい。処理回路は、1つまたは複数のプロセッサおよび/またはコントローラ(たとえば、マイクロコントローラ)、および/またはASIC(特定用途向け集積回路)および/またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などを備え得る。処理回路は、1つまたは複数のメモリまたはメモリアレンジメントを備える、および/または(動作可能に)接続または接続可能であると考えることができる。メモリアレンジメントは、1つまたは複数のメモリを備え得る。メモリは、デジタル情報を記憶するように適合され得る。メモリの例は、揮発性および不揮発性メモリ、および/またはランダムアクセスメモリ(RAM)、および/またはリードオンリーメモリ(ROM)、および/または磁気および/または光学メモリ、および/またはフラッシュメモリ、および/またはハードディスクメモリ、および/またはEPROMまたはEEPROM(消去可能プログラマブルROMまたは電気的消去可能プログラマブルROM)を含む。
【0025】
無線通信デバイス(無線デバイスとも呼ばれる)は、概して、データシグナリングおよび/または制御シグナリングおよび/または基準シグナリングのようなシグナリングを処理(たとえば、トリガおよび/またはスケジューリング)および/または送信および/または受信し、ならびに/あるいはビームスイッチングを実行するために、処理回路および/または無線回路、特に送信機および/またはトランシーバおよび/または受信機を備え、および/または利用するように適合され得る。無線デバイスは、端末またはUEとして実装され得るが、場合によっては、ネットワークノード、特に、基地局または中継ノードまたはIABノードとして実装され得、特に、そのようなためにMT(モバイルターミネーション)機能を提供する。概して、無線デバイスは、送信または受信ダイバーシティを備え得、および/またはそれに接続可能であり得、および/または接続可能であり得、および/またはアンテナ回路、および/または2つ以上の独立して動作可能または制御可能なアンテナアレイまたはアレンジメント、および/または送信機回路および/またはアンテナ回路を備え得、および/または複数のアンテナポートを(たとえば、同時に)使用するように、たとえば、アンテナアレイ/を使用して送信または受信を制御するように、および/またはそれに接続可能または接続可能であり得るか、またはそれが備え得る2つ以上の送信源を利用および/または動作および/または制御するように、および/またはそれを備え得る。無線デバイスは、複数の構成要素および/または送信機および/または送信源および/またはTRPを備え(および/またはそれに接続または接続可能であり)、および/またはそれからの送信および/または受信を制御するように適合され得る。
【0026】
本開示では、限定ではなく説明の目的で、本明細書で提示される技法の完全な理解を与えるために、(特定のネットワーク機能、プロセス、およびシグナリングステップなどの)具体的な詳細が記載される。本概念および態様は、これらの具体的な詳細から逸脱する他の変形形態および変形形態で実施され得ることが当業者には明らかであろう。
【0027】
たとえば、概念および変形例は、ロングタームエボリューション(LTE)またはLTEアドバンスト(LTE-A)またはニューレディオ(新無線)モバイルまたはワイヤレス通信技術の文脈において、または6G技術の文脈において部分的に説明されるが、これは、IEEE802.11adまたはIEEE802.11ayとしてのモバイルコミュニケーションのためのグローバルシステム(GSM(登録商標))またはIEEE規格などの追加または代替のモバイル通信技術と関連した本概念および態様の使用を除外しない。説明される変形例は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))の特定の技術仕様(TS)に関係し得るが、本手法、概念、および態様は、様々な性能管理(PM)仕様と関連して実現され得ることが理解されよう。
【0028】
さらに、本明細書で説明されるサービス、機能、およびステップは、プログラムされたマイクロプロセッサとともに機能するソフトウェアを使用して、または特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または汎用コンピュータを使用して実装され得ることを、当業者は諒解されよう。本明細書に記載された変形例は、方法およびデバイスの文脈において説明されているが、本明細書に提示された概念および態様は、制御回路、例えば、コンピュータプロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを備えるシステムと同様に、プログラム製品においても具現化され得、メモリは、本明細書に開示されたサービス、機能およびステップを実行する1つまたは複数のプログラムまたはプログラム製品で符号化されることも理解されよう。
【0029】
本明細書に提示される態様および変形形態の利点は、前述の説明から十分に理解されると考えられ、本明細書に記載される概念および態様の範囲から逸脱することなく、またはその有利な効果のすべてを犠牲にすることなく、その例示的な態様の形態、構成、および配置において様々な変更が行われ得ることが明らかであろう。本明細書に提示される態様は、多くの方法で変更することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板(PCB)(100)を有する電子デバイス(10)であって、前記PCB(100)は、熱伝導性材料(120)で充填された1つ以上のサーマルビア(110)を有し、前記電子デバイス(10)は、さらに、パッケージ(200)を有し、前記パッケージ(200)は、基板(210)と、ダイ(220)とを有し、前記ダイ(220)は、集積回路を具備する能動面側(230)と、熱除去面側(250)とを有し、前記ダイ(220)の前記熱除去面側(250)は、はんだボール(300)を介して前記1つ以上のサーマルビア(110)に対して熱伝導性接続している、電子デバイス。
【請求項2】
請求項1
に記載の
電子デバイス
であって、前記ダイ(220)の前記熱除去面側(250)が金属層を含む、
電子デバイス
。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の
電子デバイス
であって、前記はんだボールが、前記ダイ(220)の前記熱除去面側(250)の金属層に直接接触し、および/または前記ダイ(220)の半導体材料に直接接触する、
電子デバイス
。
【請求項4】
請求項1ないし
3のいずれか一項に記載の
電子デバイス
であって、前記電子デバイスは、アンテナ回路の役割を果たす、および/または有する、
電子デバイス
。
【請求項5】
請求項1ないし
3のいずれか一項に記載の
電子デバイス
であって、前記電子デバイスは、プロセッサ装置の役割を果たす、および/または有する、
電子デバイス
。
【請求項6】
請求項1ないし
5のいずれか一項に記載の
電子デバイス
であって、前記電子デバイスが、前記ダイ(220)の前記能動面側に対応する側で、
メモリを含む第2のパッケージを有する、
および/または接続もしくは接続可能である、
電子デバイス
。
【請求項7】
請求項1ないし
6のいずれか一項に記載の
電子デバイスを備えるアンテナ回路。
【請求項8】
請求項1ないし
6のいずれか一項に記載の
電子デバイスを備える無線通信デバイス。
【請求項9】
電子デバイス(10)用のパッケージ(200)であって、前記パッケージは、基板(210)とダイ(220)とを有し、前記ダイ(220)は、集積回路を有する能動面側(230)と、熱除去面側(250)と、を有し、前記熱除去面側は、はんだボール(300)を通じた熱伝導性接続を介して、プリント回路基板(PCB)(100)の1つ以上のサーマルビア(110)に接続可能となるように適合している、パッケージ。
【請求項10】
請求項9に記載のパッケージであって、前記ダイ(220)の前記熱除去面側(250)が金属層を含む、パッケージ。
【請求項11】
請求項9または10に記載のパッケージであって、前記はんだボールが、前記ダイ(220)の前記熱除去面側(250)の金属層に直接接触し、および/または前記ダイ(220)の半導体材料に直接接触する、パッケージ。
【請求項12】
請求項9ないし11のいずれか一項に記載のパッケージであって、前記電子デバイスは、アンテナ回路の役割を果たす、および/または有する、パッケージ。
【請求項13】
請求項9ないし11のいずれか一項に記載のパッケージであって、前記電子デバイスは、プロセッサ装置の役割を果たす、および/または有する、パッケージ。
【請求項14】
請求項9ないし13のいずれか一項に記載のパッケージであって、前記電子デバイスが、前記ダイ(220)の前記能動面側に対応する側で、メモリを含む第2のパッケージを有する、および/または接続もしくは接続可能である、パッケージ。
【請求項15】
請求項9ないし14のいずれか一項に記載のパッケージを備えるアンテナ回路。
【請求項16】
請求項9ないし14のいずれか一項に記載のパッケージを備える無線通信デバイス。
【請求項17】
熱伝導性材料(120)で充填された1つ以上のサーマルビア(110)を有するプリント回路基板(PCB)(100)にパッケージをはんだ付けする方法であって、前記パッケージは、基板(210)と、集積回路を有する能動面側(230)と熱除去面側(250)とを有するダイ(220)とを有し、前記方法は、前記ダイ(220)の前記熱除去面側(250)と前記1つ以上のサーマルビア(110)との熱伝導性接続を提供するためにはんだボール(300)をはんだ付けすることを有する、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記ダイ(220)の前記熱除去面側(250)が金属層を含む、方法。
【請求項19】
請求項17または18に記載の方法であって、前記はんだボールが、前記ダイ(220)の前記熱除去面側(250)の金属層に直接接触し、および/または前記ダイ(220)の半導体材料に直接接触する、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】