(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-12
(54)【発明の名称】導体接続端子
(51)【国際特許分類】
H01R 4/48 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
H01R4/48 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536449
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 EP2022085583
(87)【国際公開番号】W WO2023117581
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021133884.0
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511051753
【氏名又は名称】ヴァーゴ・フェアヴァルトゥングスゲゼルシャフト・エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】シュペイ,ギュンター
(57)【要約】
本発明は、クランプバネ(3)および送電レール(4)を有するスプリングクランプ接続部(2)を備えており、これに関し導電体が、前記クランプバネ(3)のクランプ脚部(5)により前記送電レール(4)の導体接続側にバネ力でしっかりとクランプ可能である、導体接続端子(1)に関する。導体接続端子(1)は、送電レール(4)の導体接続側とは反対の側に当接するための支持区域(7)をもつ支持要素(6)を有する。その機能性および外形寸法に関してさらに改善されたコンパクトで多面的な導体接続端子(1)を提供するために、支持要素(6)がバネ舌部(9)を有し、このバネ舌部(9)により、電気コンタクト要素(15)が送電レール(4)にバネ力でしっかりとクランプ可能であることが提案される。これにより、追加的な独立した接続部品なしで、導体接続端子(1)の外形寸法が増大することなく、さらなる接続可能性が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプバネ(3)および送電レール(4)を有するスプリングクランプ接続部(2)であって、導電体が、前記クランプバネ(3)のクランプ脚部(5)により前記送電レール(4)の導体接続側(L)にバネ力でクランプされるように構成される、スプリングクランプ接続部と、前記送電レール(4)の前記導体接続側(L)とは反対の側(S)に当接するための支持区域(7)を有する支持要素(6)とを備えている導体接続端子(1)であって、前記支持要素(6)がバネ舌部(9)を有し、前記バネ舌部(9)により、電気コンタクト要素(15)が前記送電レール(4)にバネ力でクランプされるように構成されていることを特徴とする、導体接続端子(1)。
【請求項2】
前記バネ舌部(9)がバネアーチ部(10)を有し、前記バネアーチ部(10)から、前記コンタクト要素(15)をクランプするためのクランプアーム(11)が突出していることを特徴とする、請求項1に記載の導体接続端子(1)。
【請求項3】
前記バネ舌部(9)が、少なくとも一部の区間でS字形に曲がっていることを特徴とする、請求項1または2に記載の導体接続端子(1)。
【請求項4】
前記電気コンタクト要素(15)が、前記導体接続側(L)とは反対のコンタクト接続側(K)で前記送電レール(4)にクランプされるように構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項5】
前記バネ舌部(9)が、前記支持要素(6)から、前記送電レール(4)にクランプされるべき前記電気コンタクト要素(15)の差込方向(ER
K)とは実質的に反対の方向に延びていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項6】
前記送電レール(4)にクランプされるように構成される導電体の差込平面(EE
L)が、前記送電レール(4)にクランプされるように構成されるコンタクト要素(15)の差込平面(EE
K)に対して実質的に平行に延びていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項7】
前記バネ舌部(9)が前記支持要素(6)と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項8】
前記バネ舌部(9)が、前記バネ舌部(9)を前記支持要素(6)の側部区域(8)に当接させるための当接区域(12)を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項9】
前記当接区域(12)が、前記電気コンタクト要素(15)の差込み深さを制限するためのストッパを形成していることを特徴とする、請求項8に記載の導体接続端子(1)。
【請求項10】
前記送電レール(4)が、前記送電レール(4)の端部区域(14)内で前記バネ舌部(9)の方向に曲げられていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項11】
前記クランプバネ(3)の当接脚部(19)が端部セグメント(20)により、前記送電レール(4)の開口部(21)の中にまたは前記開口部(21)を貫通して突出していることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項12】
前記導体接続端子(1)が、少なくとも2つの互いに向かい合う導体挿入口(26)、ならびに少なくとも2つのクランプバネ(3)、少なくとも1つの送電レール(4)、および少なくとも1つの支持要素(6)を備えた2極または多極端子として形成されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項13】
前記導体接続端子(1)が、少なくとも2つの互いに隣り合って配置された導体挿入口(26)、ならびに少なくとも1つのクランプバネ(3)、少なくとも1つの送電レール(4)、および少なくとも1つの支持要素(6)を備えた二列または多列端子として形成されていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項14】
前記バネ舌部(9)が前記送電レール(4)と共に、ジャンパ接続部を形成していることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項15】
前記導体接続端子(1)が、複数の部分から成る絶縁体ハウジング(23)を有し、前記複数の部分から成る絶縁体ハウジング(23)の蓋部分(24)が、前記支持要素(6)のための収容部(25)を有することを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランプバネおよび送電レールを有するスプリングクランプ接続部であって、導電体が、クランプバネのクランプ脚部により送電レールの導体接続側にバネ力でクランプされるように構成された、スプリングクランプ接続部と、送電レールの導体接続側とは反対の側に当接するための支持区域を有する支持要素とを備えている導体接続端子に関する。
【背景技術】
【0002】
送電レールに導電体をしっかりとクランプするためのクランプバネを有するスプリングクランプ接続部を備えた導体接続端子は、先行技術に属している。導体接続端子は、外形寸法および生産費用を減らすために絶え間なく発展し続けている。外形寸法が小さい導体接続端子の安定性を改善するため、過去には、支持要素が送電レールに取り付けられているかまたは送電レールが支持要素に当接することで、送電レールを機械的に安定させるという技術的解決策が紹介された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この先行技術を出発点として、本発明の基礎となる課題は、導体接続端子をその機能性および外形寸法に関してさらに最適化すること、ならびにコンパクトで用途の広い導体接続端子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1に基づく導体接続端子によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項、発明の説明、および図において開示されている。
当該分野の概念に基づくこの導体接続端子では、支持要素がバネ舌部を有することが提案され、このバネ舌部により、電気コンタクト要素が送電レールにバネ力でしっかりとクランプ可能である。
【0005】
これにより、導体接続端子の外形寸法が増大することなく、さらなる接続可能性が提供される。加えて、さらなる接続可能性のために追加的な独立した部品は必要なく、かつ要求される空間距離および沿面距離は減らされない。導体接続端子の機能拡張は、既存の一般的な構成要素、具体的には支持要素によって可能にされる。これによりこの導体接続端子は、その機能性および外形寸法に関してさらに最適化されており、かつ特にコンパクトで多目的である。
【0006】
支持要素は、支持区域が送電レールに隣接するように配置され得る。支持要素は、送電レールに少なくとも一部の区間で面接触し得る。送電レールに作用するクランプバネのバネ力をより良く吸収できるように、送電レールが支持要素の支持区域に支持されることが考えられる。
【0007】
バネ舌部は、例えば支持要素から突き出ることができる。バネ舌部は、支持区域に接続して支持区域から突き出ることができる。クランプバネと送電レールとの間に形成されるクランプ箇所に加えて、バネ舌部は送電レールと共に、さらなるクランプ箇所を形成し得る。さらなるクランプ箇所では、電気コンタクト要素を支持要素のバネ舌部により送電レールにバネ力でしっかりとクランプ可能である。
【0008】
送電レールの導体接続側とは、送電レールの、例えば梁状に形成された側であって、クランプバネに面しており、かつクランプバネのクランプ脚部が差し向けられている側であり得る。送電レールの導体接続側とは反対の側は、送電レールの導体接続側とは反対の裏側(本願では以下に下側とも言う)であることができ、この裏側にはクランプバネのクランプ脚部は存在していない。したがって支持要素は、送電レールのクランプバネとは反対の側で、送電レールに隣接することができる。
【0009】
バネ舌部とは、弾性可動でフラップ状のバネ要素のことであり、このバネ要素は、例えば1つまたは複数の湾曲部または角部を有し、かつ導体接続端子に挿入されてバネ舌部によって接触されるコンタクト要素に対し、送電レールの方向にバネ力を掛け得る。バネ舌部は、例えば一方の端部で支持要素と連結することができ、かつ端部領域をもつ自由端を有し得る。
【0010】
電気コンタクト要素は、例えばコンタクトピン、絶縁材を取り除いた導線、またはさらにジャンパの差込舌部であり得る。
バネ舌部はバネアーチ部(換言すれば、弾性曲げ部)を有してもよく、このバネアーチ部から、電気コンタクト要素をしっかりとクランプするためのクランプアームが突き出ている。
【0011】
バネアーチ部は、例えばある角度または半径でのバネ舌部の角部または曲げ部であることができ、よってバネ舌部は、例えば支持要素からバネ舌部の自由端の方向へのその軌道において、バネ舌部の主要伸長方向を変化させている。これに関しバネ舌部のバネアーチ部と自由端との間のバネ舌部の区間が、バネ舌部のクランプアームを形成していることができ、このクランプアームが、送電レールにクランプされるべきまたはクランプされたコンタクト要素にバネ力を掛ける。バネ舌部はこのバネアーチ部により、バネ舌部のクランプアームが送電レールへと方向づけられるように調整され得る。
【0012】
バネ舌部のバネアーチ部から突き出ているクランプアームにより、クランプされるべきまたはクランプされたコンタクト要素に掛かるバネ舌部のクランプ力を高めることができ、かつ曲げによりバネ舌部の所要空間が減少するので、使える設置空間がより良好に活用され得る。
【0013】
バネ舌部は、少なくとも一部の区間でS字形に曲がっていてよい。
例えば、上で論じたバネアーチ部がS字カーブの一部を描き得る。バネ舌部のさらなる屈曲または湾曲が、バネ舌部と支持要素との連結領域に直接接続することができ、したがってバネ舌部は、支持要素からある角度または半径で突き出ている。その代わりにまたはそれに加えて、さらなる屈曲または湾曲がバネ舌部のクランプアームに存在することができ、これにより、バネ舌部のクランプ箇所に角度または半径がもたらされることで、接続されるコンタクト要素へのクランプ力が高まる。バネ舌部の端部領域に屈曲または湾曲が存在することができ、この丸みによってコンタクト要素の差込みが容易になる。バネ舌部に複数の湾曲または屈曲が存在してもよく、バネ舌部は、例えば交互に凸状および凹状の軌道を有し得る。少なくとも一部の区間のS字形の湾曲により、および任意選択でさらなる湾曲または屈曲により、バネ舌部の領域での、導体接続端子内の設置空間活用が最適化され得る。
【0014】
電気コンタクト要素は、コンタクト接続側で送電レールにしっかりとクランプ可能であり得る。
コンタクト接続側は、例えば、送電レールの導体接続側とは反対の側に配置され得る。こうすることで、送電レールが2つの異なる互いに向かい合う側から利用され、利用可能な設置空間が最適に活用される。
【0015】
ただし、コンタクト接続側が送電レールの別の側に、例えば導体接続側に、またはさらに送電レールの端面のような別の側に配置されていることも考えられる。このためには、バネ舌部は、バネ舌部が、導体接続クランプ箇所に加えて送電レールの所望の側にコンタクト要素用の別のクランプ箇所を形成し得るように、相応に形成される。
【0016】
送電レールの特定の「側」は、送電レールの各表面を1つの側に割り当てることを必ずしも意味していない。送電レールの1つの特定の表面が、部分的に送電レールの1つの側、例えば導体接続側に、および部分的に送電レールの別の側、例えば導体接続側とは反対の側に延びていることが考えられる。例えば、送電レールは、送電レールの1つの表面が、送電レールの1つの側から別の側へと方向転換されるように、送電レールは湾曲または屈曲することができる。したがって、クランプバネによってクランプされた導電体およびバネ舌部でクランプされた電気コンタクト要素が、送電レールの異なる側ではあるが同じクランプ表面でクランプ可能であることが考えられる。送電レールのうち、電気コンタクト要素がクランプ可能なまたはクランプされている側は、コンタクト接続側と言う。
【0017】
バネ舌部は、実質的に、支持要素から、送電レールにしっかりとクランプされるべき電気コンタクト要素の差込方向とは逆に延びていてよい。
これに関し、バネ舌部が、差し込まれてしっかりとクランプされた導電体に対して実質的に平行に延びていることが考えられる。バネ舌部は支持要素から、最初は一部の区間で電気コンタクト要素の差込方向に対して横方向に延びることができ、その後、バネアーチ部を経て、差し込まれるべきコンタクト要素とは逆方向の伸長部に移行し得る。バネ舌部が少なくとも一部の区間で、送電レールに対して実質的に平行に、または送電レールに対して傾斜して延びていてもよい。
【0018】
送電レールにクランプ可能な導電体の差込平面は、送電レールにクランプ可能なコンタクト要素の差込平面に対して実質的に平行に延在し得る。
したがってコンタクト要素と導電体とは、実質的に平行な平面内で、導体接続端子に挿入可能であり得る。これにより、導体接続端子に導体およびコンタクト要素を簡単で快適に接続することができ、かつ存在している設置空間が効率的に活用される。差し込まれるべき導体および差し込まれるべきコンタクト要素の差込方向は同じ向きであり得る。
【0019】
バネ舌部は支持要素と一体的に(換言すれば、一部品として)形成することができ、これにより、バネ舌部と支持要素との相互に統合された形態が提供される。
基本的には、バネ舌部が、嵌合、圧力、もしくは材料結合または独立した連結手段を介して支持要素と連結されていることも考えられる。支持要素は、剛性の基体を有してもよいか、または例えば支持要素の支持区域から曲げられた側部区域を有してもよく、この側部区域は、材料を節約した方法で支持要素を安定させる。
【0020】
支持要素は、1つまたは複数の打ち抜き・曲げ加工されたバネ舌部を備えた、打ち抜き及び曲げ工程で加工された金属板であり得る。その代わりにまたはそれに加えて、打ち抜き及び曲げ工程で加工された支持要素を形成している金属板が、1つまたは複数の打ち抜き・曲げ加工された側部区域を有し得る。バネ舌部と支持要素との一体的な形成により、導体接続端子の製造および組立が容易になり、同時に、導体接続端子の構成要素の高い安定性および長寿命が可能にされる。
【0021】
バネ舌部は、バネ舌部を支持要素の側部区域に当接させるための当接区域を有し得る。
その代わりにまたはそれに加えて、バネ舌部は、支持要素の基体にバネ舌部を当接させるための当接区域を有し得る。支持要素にバネ舌部が当接することにより、導体接続端子の安定性の改善およびバネ舌部のより高いバネ力が達成され得る。
【0022】
これに関し、バネ舌部の当接区域は、バネ舌部のバネアーチ部の一部であるかまたはバネアーチ部に移行することができる。バネ舌部の当接区域が、支持要素との連結箇所と、バネ舌部のバネアーチ部との間のバネ舌部の一区域であることも考えられる。
【0023】
バネ舌部は当接区域により、例えば支持要素の側部区域の縁部にまたは基体の側面に当接し得る。当接区域は、導体接続端子の状態に応じて、側部区域または基体に継続的に接触しなくてよい。したがって、恒久的な当接は必須でない。
【0024】
幾つかの実施形態では、バネ舌部は、単に、電気コンタクト要素の差込み時に支持要素の基体に当接してよい。バネ舌部がその当接区域で、支持要素の側部区域または基体に対して支持され得ることで、より良い力の吸収が行われる。これに加え、例えば当接区域に隣接するバネアーチ部により、送電レールへのバネ舌部の好適な角度が、結果的により大きなバネ力を伴って達成され得る。
【0025】
幾つかの例示的実施形態では、支持要素の領域が、内側から外側へ以下の順番で相次いで配置され得る。すなわち支持要素の支持区域を出発点として、バネ舌部が連結箇所において支持区域から突き出ている。この連結箇所には、(場合によっては移行区域を介して)当接区域が隣接し、当接区域ではバネ舌部が、支持区域の下に配置された支持要素の側部区域に当接し得るかまたはこの側部区域に当接させられ得る。
【0026】
バネ舌部の当接区域はバネアーチ部に移行することができ、このバネアーチ部からクランプアームが送電レールの方へ突き出ている。クランプアームは、例えば送電レールとのクランプ箇所で、差込みを容易にするための曲がった舌部端に移行し得る。
【0027】
当接区域は、電気コンタクト要素の差込み深さを制限するためのストッパを形成していてもよい。
この場合、コンタクト要素は、例えば差込み時にコンタクト要素先端で当接区域にぶつかり、支持要素の側部区域または基体の方向にさらには挿入され得ない。バネ舌部は、電気コンタクト要素のための収容空間または収容ポケットを形成し得る。このストッパまたは収容空間により、電気コンタクト要素の制御された確実な挿入プロセスが保証される。
【0028】
送電レールは、端部区域内でバネ舌部の方向に曲げられていてもよい。
幾つかの実施形態では、送電レールが、90°~270°または120°~240°または150°~210°の曲げを有し得る。これにより送電レールは端部区域内に送電レールアーチ部(換言すれば、曲げ部)を有する。
【0029】
送電レールアーチ部はバネ舌部と共に、電気コンタクト要素用のクランプ箇所を形成し得る。幾つかの実施形態では、電気コンタクト要素用のバネ舌部のクランプ箇所が、送電レールのうち、導電体用のクランプバネのクランプ箇所と同じクランプ表面に形成され得る。送電レールアーチ部により、バネ舌部と送電レールとを互いの近くに配置するための、構造的に単純で材料を節約した解決策が提供され、これによりクランプ箇所でのバネ舌部のバネ力は、曲げられていない送電レールの場合より大きい。
【0030】
送電レールは、実質的に梁状に成形され得る。送電レールは側板を有してもよく、この側板は、例えば送電レールから離れるように曲げられている。
送電レールが、とりわけ2つの互いに向かい合う側板を有することが考えられる。これらの側板の間にクランプバネの取付脚部が延びていてもよい。
【0031】
送電レールが、クランプバネの当接脚部を部分的に収容するための案内部を有してもよく、この案内部が、送電レールの曲げられた側板内に存在している。
送電レールは、クランプバネで導電体をしっかりとクランプするために設けられたクランプ箇所の領域内に傾斜区域を有してもよく、この傾斜区域は、例えば部分的に送電レールから突出しているかまたは補強されて(換言すれば、より厚くなって)いる。この傾斜により、クランプバネによってクランプされる導電体の挿入および接触が改善される。
【0032】
送電レールは一体的に形成され得る。送電レールは例えば、打ち抜き・曲げ加工された側板および/または送電レールアーチ部を備えた、打ち抜き及び曲げ工程で加工された金属部材である。
【0033】
クランプバネの取付脚部は端部セグメントにより、送電レール内の開口部の中にまたは開口部を貫通して突き出ていてもよい。
取付脚部は端部セグメントにより、さらに支持要素の凹部(換言すれば、穴)内に突き出ることができる。これらの実施形態では、送電レールの開口部および場合によっては支持要素の凹部内に突き出ている、特に延長されたクランプバネの取付脚部が、導体接続端子の構成要素のセンタリング、固定、および安定化に利用される。凹部は、支持要素内のT字形の切り抜き部であり得る。これにより、支持要素内での取付脚部の係止が達成され得る。
【0034】
この導体接続端子は、少なくとも2つの互いに向かい合う導体挿入口、ならびに少なくとも2つのクランプバネ、少なくとも1つの送電レール、および少なくとも1つの支持要素を備えた2極または多極端子として形成されていてもよい。
【0035】
導体は、2つの互いに向かい合う導体挿入口を通って、導体接続端子の2つの向かい合う側から、互いに対向している差込方向で導体接続端子に挿入され得る。この導体接続端子は、2つの導電体を相互に接続するための接続端子であり得る。これに関し、少なくとも2つのクランプバネが互いに向かい合って配置され得る。それぞれ、クランプバネの1つの取付脚部が第2のクランプバネの1つの取付脚部に当接し得ることにより、取付脚部が相互に支持し合う。
【0036】
この2極または多極端子は鏡面対称的な構造を有してもよく、この構造の対称軸は、互いに向かい合うクランプバネの間を延びており、例えばクランプバネの互いに当接している取付脚部またはその端部セグメントの間を延びている。
【0037】
これらのクランプバネのために連続する共通の送電レールが設けられ得る。しかし各クランプバネのために、互いに別々の送電レールが設けられていることも考えられる。
1つまたは複数の送電レールに対して1つの共通の支持要素が1つの共通の支持区域をもって設けられ得る。しかしその代わりに、1つまたは複数の送電レールに対して複数の支持要素がそれぞれ別々の支持区域をもって設けられていることも考えられる。1つの共通の支持要素の場合、支持要素の互いに向かい合う側でバネ舌部が突き出ることができ、これらのバネ舌部により、それぞれ1つの電気コンタクト要素が送電レールにバネ力でしっかりとクランプ可能である。この導体接続端子は、互いに向かい合うコンタクト要素挿入口を有し得る。
【0038】
導体接続端子が2極または多極端子として形成される場合、導体接続端子の構成要素、例えば送電レールまたは支持要素は、導電体および電気コンタクト要素の複数の接続のために利用でき、これにより、このスプリング接続端子の機能性および設置空間活用が改善される。
【0039】
この導体接続端子は、少なくとも2つの隣接して配置された導体挿入口、ならびに少なくとも1つのクランプバネ、少なくとも1つの送電レール、および少なくとも1つの支持要素を備えた二列または多列端子として形成されていてもよい。
【0040】
これにより、2つ以上の互いに隣接して配置されたスプリングクランプ接続部が提供され、したがって、空間活用の改善と同時に導体接続端子の機能性が向上する。横並びに配置されたスプリングクランプ接続部は、1つの共通のクランプバネ、1つの共通の送電レール、および1つの共通の支持要素を有し得る。しかし各スプリングクランプ接続部のためにそれぞれ専用のクランプバネ、送電レール、または支持要素が設けられていることも考えられる。1つの共通の支持要素の場合、この支持要素から2つ以上の隣接して配置されたバネ舌部が突き出ることができる。この導体接続端子は、横並びに配置されたコンタクト要素挿入口を有し得る。
【0041】
バネ舌部が送電レールと共に、ジャンパ接続部を形成していてもよい。
これにより、導体接続端子にさらなる種類の接続部を組み込むことができ、導体接続端子の用途範囲が拡張され得る。例えば、2つ以上の差込舌部を備えたジャンパが、コンタクト要素挿入口を有する2つ以上の互いに1列に並んだ導体接続端子に差し込まれ得る。
【0042】
この導体接続端子は、複数の部分から成る絶縁体ハウジングを有してもよく、この複数の部分から成る絶縁体ハウジングの蓋部分は、支持要素のための収容部を有する。
これに加えて絶縁体ハウジングの蓋部分は、支持要素のバネ舌部のための収容部を有し得る。絶縁体ハウジングは、例えばベースハウジングおよび蓋部分を有してもよく、このベースハウジングの開口部が蓋部分によって閉じられ得る。支持要素およびバネ舌部のための収容部は、例えば適切な材料凹部、収容空間、またはポケットによって形成されており、これに関しては、蓋部分内に、支持要素およびバネ舌部の輪郭に対応したネガティブ輪郭をもつ凹部を形成していてもよい。
【0043】
絶縁体ハウジングの複数の部分から成る構造により、例えば、最初に導体接続端子の内側の構成要素、例えばクランプバネ、送電レール、および支持要素が絶縁体ハウジングの一部分に挿入されて、続いて絶縁体ハウジングが蓋部分で閉じられることにより、導体接続端子の組立が簡略化され得る。同時に、支持要素およびバネ舌部のための組み込まれた収容部は、絶縁体ハウジング内での材料を節減する。
【0044】
絶縁体ハウジングは導体挿入口を有してもよく、この導体挿入口に、送電レールにしっかりとクランプされるべき導電体を挿入するための導体挿入路が隣接する。さらに、絶縁体ハウジングはコンタクト要素挿入口を有してもよく、このコンタクト要素挿入口に、送電レールにしっかりとクランプされるべき電気コンタクト要素を挿入するためのコンタクト要素挿入路が隣接する。導体挿入口とコンタクト要素挿入口とは、例えば重なり合って(換言すれば、上下に)配置されている。導体接続端子の通常の使用向き、例えば、送電レールのうち支持要素に面した下側が、送電レールのうちクランプバネに面した上側の下にある向きに対し、コンタクト要素挿入口は導体挿入口の下に配置され得る。
【0045】
導体挿入路とコンタクト要素挿入路とは重なり合って(換言すれば、上下に)配置され得る。導体接続端子の通常の使用向き、例えば、送電レールのうち支持要素に面した下側が、送電レールのうちクランプバネに面した上側の下にある向きに対し、コンタクト要素挿入路は導体挿入路の下に配置され得る。
【0046】
一般論として、本出願との関連では単語「ein/eine(1つ)」は、明確にほかに定義されない限り、数詞としてではなく「少なくとも1つ」の語義をもつ不定冠詞として理解されるべきである。
【0047】
以下では、例示的実施形態に基づいて、添付の図面を用い、本発明をより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本発明による導体接続端子の概略的な側断面図である。
【
図3】導体接続端子の支持要素の概略的な斜視図である。
【
図4】絶縁体ハウジングなしで片側に接続されたコンタクト要素を備えた導体接続端子の概略的な側方斜視図である。
【
図5a】
図5aは
図4からの絶縁体ハウジングなしで片側に接続されたコンタクト要素を備えた導体接続端子の概略的な、
図4とは逆からの側方斜視図である。
【
図5b】
図5bは
図5aからの導体接続端子の概略的な上方斜視図である。
【
図6a】
図6aは絶縁体ハウジングなしの導体接続端子を、導体接続端子に挿入されるべきコンタクト要素と共に示す概略的な側面図である。
【
図6b】
図6bは
図6aからの導体接続端子を、導体接続端子に挿入されたコンタクト要素と共に示す概略的な側面図である。
【
図7】導体接続端子の別の一実施形態の概略的な側断面図である。
【
図8a】
図8aは
図7からの導体接続端子の支持要素の一実施形態の概略的な斜視図である。
【
図8b】
図8bは
図7からの導体接続端子の送電レールの一実施形態の概略的な斜視図である。
【
図8c】
図8cは
図8aからの支持要素および
図8bからの送電レールから構成された接続要素の概略的な斜視図である。
【
図9a】支持要素のさらなる一実施形態の概略的な斜視図である。
【
図9b】送電レールのさらなる一実施形態の概略的な斜視図である。
【
図9c】
図9aからの支持要素および
図9bからの送電レールから構成された接続要素の概略的な斜視図である。
【
図9d】
図9cからの接続要素の概略的な側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、2つの互いに向かい合って配置されたスプリングクランプ接続部2を備えた本発明による導体接続端子1を示している。これらのスプリングクランプ接続部2は、それぞれ1つのクランプバネ3および共通の送電レール4を有する。クランプバネ3のクランプ脚部5により、各スプリングクランプ接続部2において、図には示していない導電体が、クランプ脚部5のバネ力で送電レール4にしっかりとクランプされ得る。導体接続端子1は、支持区域7をもつ支持要素6を有し、支持要素6は送電レール4に隣り合って配置されている。送電レール4は、送電レール4の導体接続側L(
図6aを参照)とは反対の側S(
図6aを参照)で支持要素6の支持区域7に当接し得る。
【0050】
送電レール4のうちスプリングクランプ接続部2に割り当てられた側は、本願では、送電レール4の上側と言うこともでき、送電レール4のうち支持要素6に割り当てられた側は、送電レール4の下側と言うこともできる。
【0051】
支持要素6は両側に、支持区域7から突き出ているバネ舌部9を有し、このバネ舌部9により、図では例示的にジャンパ33の舌状差込部として形成された電気コンタクト要素15が、バネ力で送電レール4にしっかりとクランプ可能である。したがってバネ舌部9は、図に示した例示的実施形態によれば、ジャンパ接続部を形成し得る。
【0052】
図3では、支持要素6を斜視図で示している。支持要素6の支持区域7および支持区域7から突き出ている支持要素6のバネ舌部9が認識できる。バネ舌部9は、弾性可動でフラップ状のバネ要素である。これに関し、各バネ舌部9は、支持区域7から湾曲しながら突き出て、当接区域12に移行し、この当接区域12によりバネ舌部9は、支持区域7から曲げられた側部区域8の当接面13に向かって当接し得るかまたは支持され得る。これに関し、支持要素7は、バネ舌部9の対称的な当接を可能にし得る目的で、2つの互いに向かい合っていて、支持区域7から曲げられている側部区域8も有し得る。当接区域12は、例えば
図1から見て取れるように、差し込まれるコンタクト要素15のためのストッパを形成している。バネ舌部9の当接区域12は、バネ舌部9のバネアーチ部10に移行し、このバネアーチ部10によりバネ舌部9は、その主要伸長方向を変化させ、これで送電レール4の方に傾斜し、かつ
図1に示したコンタクト要素15の差込方向ER
Kとは反対の方向に延びている。バネアーチ部10は、バネアーチ部10のうち当接区域12とは反対の側でクランプアーム11に移行し、このクランプアーム11により、コンタクト要素15がクランプアーム11のバネ力で送電レール4に向かって押され得る。クランプアーム11の端部領域32では、導体接続端子1へのコンタクト要素15の挿入を容易にするため、バネ舌部9が再び送電レール4から離れるように曲がっている。バネ舌部9は、支持要素6の支持区域7との連結箇所を出発点として、最初は凸状に、次に凹状に、最後に再び凸状に曲がっている。よってバネ舌部9は、2つの連続するS字形の湾曲を有し、これに関してはそれぞれのS字カーブがバネアーチ部10によって形成される。
【0053】
図3で認識できるように、支持要素6は一体的に形成されており、支持区域7から曲げられた側部区域8と、バネ舌部9とを有する。これに加えて支持要素6は支持区域7内に凹部22を有し、この凹部22内で、クランプバネ3の当接脚部19の端部セグメント20が収容され得る。凹部22は、クランプバネの当接脚部19の端部セグメント20の係止をもたらすように、T字形を有し得る。例えば、端部セグメント20は、まず、送電レール4内の開口部21および支持要素6の凹部22を通ってT字形のより広い横線領域に到達し得る。支持要素6が導体差込方向EE
Lに移動することにより、端部セグメント20を、T字形のより狭い縦線領域または幹領域内へと案内でき、これにより、端部セグメント20が、凹部22のT字形内で画定される(換言すれば、固定される)。これに関しては、より簡単に案内するため、凹部22の高さに、端部セグメント20の対応する先細り部が設けられ得る。
【0054】
なかでも
図1で認識できるように、送電レール4は一体的であり、梁状に形成されており、かつ送電レール4の端部区域14にそれぞれ送電レールアーチ部16を有し、この送電レールアーチ部16により送電レール4は約180°曲げられている。これによりコンタクト要素15は、示した例示的実施形態では送電レール4の導体接続側Lとは反対の側Sで送電レール4にクランプされるが、送電レール4のうち、送電レール4にクランプされるべき導電体と同じクランプ表面31でクランプされる。これに加えて送電レールアーチ部16により、バネ舌部9と送電レール4との間隔が小さくなっている。
【0055】
送電レール4はさらに、クランプバネ3のクランプ脚部5とのクランプ箇所の領域内で、以下に送電レール傾斜部17と言う傾斜した区域を有する。送電レール傾斜部17は、一方の側では送電レールアーチ部16に移行し、かつ送電レールアーチ部16とは反対の側では送電レール傾斜部17は部分的に送電レール4の平面を越えて突出しているかまたは補強されている。この突出した縁部により、送電レール4に導電体用のクランプ箇所が形成される。送電レール4は開口部21を有し、この開口部21をクランプバネ3の当接脚部19が端部セグメント20により突出し、支持要素6の凹部22に入り込んでいる。これによりクランプバネ3の当接脚部19は、導体接続端子1の構成要素のセンタリング、固定、および安定化に利用され得る。
【0056】
図1に示した導体接続端子1は絶縁体ハウジング23を有し、この絶縁体ハウジング23により、スプリングクランプ接続部2と、コンタクト要素15をしっかりとクランプするための接続部とが、環境の及ぼす影響および接触から保護されている。絶縁体ハウジング23は複数の部分から構成されており、かつ蓋部分24を有し、この蓋部分24により絶縁体ハウジング23は、絶縁体ハウジング23内でのクランプバネ3、送電レール4、および支持要素6の組立および配置の後、閉じられ得る。蓋部分24は、支持要素6のための収容部25を有する。
【0057】
絶縁体ハウジング23は導体挿入口26を有し、導体挿入口26は導体挿入路27に移行している。導電体は、導体差込方向ERLで導体挿入路27に挿入されて、スプリングクランプ接続部2へと案内され得ることにより、クランプバネ3のクランプ脚部5で送電レール4にしっかりとクランプされる。
【0058】
絶縁体ハウジング23はさらにコンタクト要素挿入口28を有し、コンタクト要素挿入口28はコンタクト要素挿入路29に移行している。電気コンタクト要素15は、コンタクト要素差込方向ERKでコンタクト要素挿入路29に挿入されて、支持要素6のバネ舌部9へと案内され得ることにより、バネ舌部9で送電レール4にしっかりとクランプされる。
【0059】
図1に示したように、送電レール4にしっかりとクランプされるべき導電体の差込平面EE
Lは、送電レール4にしっかりとクランプされるべきコンタクト要素15の差込平面EE
Kに対して実質的に平行に延びている。これにより、コンタクト要素15および導電体は、実質的に平行な平面EE
L、EE
K内で導体接続端子1に挿入され得る。差し込まれるべき導体の差込方向ER
Lと差し込まれるべきコンタクト要素15の差込方向ER
Kとは、スプリングクランプ接続部2およびスプリングクランプ接続部2の下に配置されたバネ舌部9に対して同じ向きである。
【0060】
絶縁体ハウジング23内にはさらに、2つの作動レバー30が配置されており、これらの作動レバー30はそれぞれスプリングクランプ接続部2に割り当てられており、スプリングクランプ接続部2の作動を容易にする。
【0061】
図1に示した導体接続端子1は、2つの互いに向かい合う導体挿入口26および2つの互いに向かい合うコンタクト要素挿入口28を有する2極端子として形成されている。これにより導体接続端子1に、導電体が2つの向かい合う側から互いに対向する差込方向ER
Lで、および電気コンタクト要素15が2つの向かい合う側から互いに対向する差込方向ER
Kで挿入され得る。
図1での表示に基づく導体接続端子1は、実質的に対称的に構成されており、割り当てられた対称軸は、クランプバネ3の当接脚部19の端部セグメント20の間を延びている。
【0062】
図2では、絶縁体ハウジング23を備えた導体接続端子1を斜視図で示している。導体接続端子1の2つの向かい合う作動レバー30から導き出せるように、導体接続端子1が2極端子として形成されていることが認識できる。これに加え、2つの同等に形成された導体接続端子1が1列に互いに隣り合って配置されている。導体接続端子1の
図2で見えている側では、これらの導体接続端子1がそれぞれ導体挿入口26およびコンタクト要素挿入口28を有しており、コンタクト要素挿入口28にはそれぞれ、ジャンパ33の
図2では見えていない差込舌部が差し込まれている。
図2での表示に基づき、コンタクト要素挿入口28は、導体挿入口26の下に配置されている。
【0063】
図4、
図5a、および
図5bでは、絶縁体ハウジングなしの導体接続端子1を示している。これらの図では、送電レール4が、曲げられた側板18を有することが認識でき、これらの側板18の間にそれぞれクランプバネ3の当接脚部19が案内されており、これにより導体接続端子1の安定性が向上している。さらに、ジャンパ33の差込舌部として形成されたコンタクト要素15が、どのようにバネ舌部9のバネ力により送電レール4に向かってクランプされているかが認識できる。
【0064】
図6aおよび
図6bでは、導体接続端子1に挿入する前および後の電気コンタクト要素15を示している。
図6aでの表示に基づき、送電レール4のうち、導電体を接続するためのクランプバネ3に面した側を導体接続側Lと言う。送電レール4の導体接続側Lとは反対の側Sには支持要素6が配置されている。
図6bでの表示に基づき、コンタクト要素15は送電レール4のコンタクト接続側Kでしっかりとクランプされ、このコンタクト接続側Kは、これらの図に示した例示的実施形態では、送電レール4の導体接続側Lとは反対の側Sと一致している。基本的には、バネ舌部9の形態に応じて、コンタクト接続側Kが、送電レール4の別の側に、例えば送電レール4の導体接続側Lまたは端面側にある実施形態も考えられる。導体接続側Lは、導体接続端子1の通常の使用向きに依拠して、送電レール4の上側と言うこともでき、その一方で送電レールの導体接続側Lとは反対の側Sは、送電レール4の下側と言うこともできる。
【0065】
本発明による導体接続端子1により、特に用途が広くコンパクトで、導体接続端子1の機能性に関して改善された導体接続端子が提供される。導体接続端子1は、別個の接続部品を必要とすることなく、または導体接続端子1の設置空間が拡大されることなく、電気コンタクト要素15のための追加の接続可能性を有している。
【0066】
図7は、
図1からの導体接続端子1の別の一実施形態を示している。ここでも、2つの互いに向かい合って配置されたスプリングクランプ接続部2が、それぞれクランプバネ3および共通の送電レール4を備えて存在している。クランプバネ3のクランプ脚部5により、各スプリングクランプ接続部2において、図には示していない導電体が、クランプ脚部5のバネ力で送電レール4にしっかりとクランプされ得る。導体接続端子1、とりわけ作動レバー30を備えた絶縁体ハウジング23の構造については、
図1についての説明を参照されたい。
【0067】
この導体接続端子1は、第1の実施形態に比べて改変された、支持区域7をもつ支持要素6を有し、この支持要素6は同様に改変された送電レール4に隣り合って配置されている。支持要素6は送電レール4と一緒に接続要素を形成している。
【0068】
支持要素6はその支持区域7で、送電レール4の下側に当接している。クランプバネ3の当接脚部19の端部セグメント20を収容するため、支持区域7には凹部22が、および送電レール4にはそれと整列した開口部21が存在している。
【0069】
送電レール4はその端部に、支持区域7のための支持平面から、クランプバネ3からは離れていく方向に曲げられた端壁34を有する。曲げは、面取り(換言すれば、角度付けされた部分)によっても実現され得る。支持要素6は、互いに向かい合っていてS字形に曲げられているバネ舌部9を有し、これらのバネ舌部9はそれらの端部領域32でそれぞれ送電レール4の端壁34の下縁に当接している。この場合、コンタクト要素挿入路29に差し込まれるコンタクト要素15は、支持要素6のバネ舌部9の、バネ弾性をもつ端部領域32により、端部領域32と、端壁34内の凹部35の内面との間でクランプされる。
【0070】
図8aは、
図7からの導体接続端子1の支持要素6の斜視図を示している。支持要素6が、例えば支持区域7の中心に凹部22を有することが認識できる。支持区域7から、当接区域12が正反対の方向に突き出ている。これらの当接区域12は、支持区域7の平面から隣接する端部領域32に向かって曲げられている材料舌部の形態で、形成され得る。これらの当接区域12により支持要素6は、送電レール4の、端壁34によって画定された収容空間内にクランプされ得る。当接区域12はこの目的のために、端壁34の向かい合う内面に隣接している。当接区域12のバネ弾性により、両側で向かい合う端壁34に作用するクランプ力が掛けられ、これらのクランプ力が支持要素6を送電レール4に押し付ける。
【0071】
それぞれ当接区域12が支持区域7から自由になっている根本領域では、2つの互いに離隔したバーを備えたバネ舌部9が曲げられている。バネ舌部9のバーの間に当接区域12が位置決めされている。バネ舌部は、支持要素6の端部領域32で終端するS字形のバネアーチ部10を有する。
【0072】
図8bは、送電レール4の一実施形態を斜視図で示している。この送電レール4が上の平面で、両側に互いから離れる方に面している送電レール傾斜部17を有することが認識できる。これらの送電レール傾斜部17は、導電体をクランプ箇所に案内することに役立つ。この部分的に自由にされた送電レール傾斜部17の領域では、それぞれ端壁34が突き出ており、端壁34は下端で、2つの互いに離隔した支柱36によって画定されている凹部35を有する。凹部35と送電レール傾斜部17との間に、支柱36を連結している横架材37が存在し得る。送電レール傾斜部17と横架材37との間に凹部が形成されており、この凹部内に、支持要素6の当接区域12が、クランプ固定の代わりに掛けられてもよい。
【0073】
図8cは、支持要素6および送電レール4から形成された接続要素を示している。横架材37の下の端面が、コンタクト要素15(不図示)をクランプするための送電レール4のクランプ表面31を形成していることが認識できる。バネ舌部9の端部領域32は、端部領域32とクランプ表面31との間でのコンタクト要素15のクランプに役立つ。加えて端部領域32はその縁領域により、端壁34内の凹部35を画定している支柱36または縁部バーの下の端面で支持されている。
【0074】
図9aは、支持要素6の別の一変形形態を示しており、支持要素6はここでも支持区域7を有している。支持区域7から両側で逆方向に材料舌部38が突き出ており、これらの材料舌部38は、送電レール傾斜部17の下に当接している。それぞれの材料舌部38の横では、2つの互いに離隔した縁部バーを備えたバネ舌部9が曲げられている。材料舌部38は、バネ舌部9の縁部バーの間に位置決めされている。バネ舌部9および材料舌部38は、共通の根本領域内で支持区域7と連結している。
【0075】
バネ舌部9はバネアーチ部10により、支持区域7の平面から出てU字形に曲げられている。端部領域32が当接区域12を形成している。この当接区域12は先細りし得る。
図9bは、送電レール傾斜部17をもつ平面から曲げられた端壁34を有する送電レール4の一変形形態を示している。端壁34はそれぞれ、コンタクト要素15を差し込むための凹部35を有する。この凹部35は、上の横架材37および下の横架材39によって画定されている。上の横架材37のうち送電レール傾斜部17に面している上の端面は、支持要素6の端部領域32にある当接区域12のための当接面13を形成している。下の横架材39の上の端面は、送電レール4のクランプ表面31を形成しており、このクランプ表面とバネアーチ部10の下側との間で、クランプ要素15(不図示)をクランプする。
【0076】
図9cは、支持要素6および送電レール4から形成された接続要素を斜視図で、および
図9dは側断面図で示している。
支持要素6が、バネ弾性をもつ材料舌部38およびバネ舌部9の当接区域12により送電レール4内でクランプ固定されることが認識できる。当接区域12はここでも、送電レール傾斜部17と上の横架材37との間に形成された凹部内に掛けられ得る。
【符号の説明】
【0077】
1 導体接続端子
2 スプリングクランプ接続部
3 クランプバネ
4 送電レール
5 クランプ脚部
6 支持要素
7 支持区域
8 側部区域
9 バネ舌部
10 バネアーチ部
11 クランプアーム
12 当接区域
13 当接面
14 端部区域
15 コンタクト要素
16 送電レールアーチ部
17 送電レール傾斜部
18 側板
19 当接脚部
20 端部セグメント
21 開口部
22 凹部
23 絶縁体ハウジング
24 蓋部分
25 収容部
26 導体挿入口
27 導体挿入路
28 コンタクト要素挿入口
29 コンタクト要素挿入路
30 作動レバー
31 送電レールのクランプ表面
32 端部領域
33 ジャンパ
34 端壁
35 凹部
36 支柱
37 上の横架材
38 材料舌部
39 下の横架材
L 導体接続側
S Lとは反対の側
K コンタクト接続側
ERL 導体の差込方向
ERK コンタクト要素の差込方向
EEL 導体の差込平面
EEK コンタクト要素の差込平面
【国際調査報告】