(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-12
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ及びエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20241205BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20241205BHJP
H05B 3/12 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
H05B3/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538083
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 CN2022141652
(87)【国際公開番号】W WO2023116924
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111609809.0
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111609823.0
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524235197
【氏名又は名称】重慶江陶科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHONGQING JIANG TAO TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 29, Hefeng Avenue, Fuling District, Chongqing (Fuling Industrial Park Standardized Plant Area B) C-type Plant Chongqing 408107 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王晨
(72)【発明者】
【氏名】徐中立
(72)【発明者】
【氏名】李永海
【テーマコード(参考)】
3K092
4B162
【Fターム(参考)】
3K092PP20
3K092QA01
3K092QA02
3K092QA05
3K092QB04
3K092QB24
3K092QB25
3K092QB31
3K092RA05
3K092RA06
3K092RB03
3K092VV31
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC22
(57)【要約】
エアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ(30a)及びエアロゾル発生装置であって、エアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ(30a)は、抵抗率が1×10
-4Ω・cm~1.3×10
-1Ω・cmにある導電セラミックを含む。導電セラミックを用いてエアロゾル発生製品(D)を加熱することによって、導電セラミック自体が加熱機能を有するため、セラミック表面に回路を印刷することを回避し、即ち、頻繁に使用して摩擦することによって回路が脱落するという問題を回避し、使用者の使用体験及びエアロゾル発生装置の耐用年数の向上に有利である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗率が1×10
-4Ω・cm~1.3×10
-1Ω・cmにある導電セラミックを含む、エアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項2】
前記導電セラミックの材料は本体成分及びドープ成分を含む、請求項1に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項3】
前記導電セラミックに前記本体成分が占める質量百分率は80%超98%以下である、請求項2に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項4】
前記導電セラミックに前記ドープ成分が占める質量百分率は0.5%超19%以下である、請求項3に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項5】
前記本体成分は第1金属酸化物を含み、前記ドープ成分は第2金属酸化物を含み、
前記第1金属酸化物中の金属の価数が前記第2金属酸化物中の金属の価数と異なる、請求項2に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項6】
前記第1金属酸化物中の金属の価数が前記第2金属酸化物中の金属の価数よりも小さい、請求項5に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項7】
前記本体成分は酸化亜鉛を含み、前記ドープ成分は、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン又は五酸化二ニオブのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項8】
前記導電セラミックに前記酸化亜鉛が占める質量百分率は94%~98%にあり、前記ドープ成分は酸化アルミニウムを含み、前記導電セラミックに前記酸化アルミニウムが占める質量百分率は0.5%~5%にある、請求項7に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項9】
前記導電セラミックの抵抗率が1×10
-3Ω・cm~6×10
-2Ω・cmにある、請求項7に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項10】
前記本体成分は二酸化チタンを含み、前記ドープ成分は少なくとも五酸化二ニオブを含む、請求項6に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項11】
前記導電セラミックに前記二酸化チタンが占める質量百分率は85%~95%にあり、前記導電セラミックに前記五酸化二ニオブが占める質量百分率は5%~20%にある、請求項10に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項12】
前記導電セラミックの抵抗率が8×10
-2Ω・cm未満である、請求項10に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項13】
前記第1金属酸化物中の金属の価数が前記第2金属酸化物中の金属の価数よりも大きい、請求項5に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項14】
前記本体成分は五酸化タンタルを含み、前記ドープ成分は二酸化チタン又は二酸化ジルコニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項15】
前記導電セラミックは、前記導電セラミックの抵抗率を目標範囲に制御するための導電性の抵抗率調整成分をさらに含む、請求項2~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項16】
前記導電性の抵抗率調整成分は導電性の金属炭化物、金属ホウ化物、トナー又は導電金属粉末のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項17】
前記導電セラミックに前記導電性の抵抗率調整成分が占める質量百分率は1%~19%にある、請求項15に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項18】
前記導電セラミックの抵抗率が2×10
-3Ω・cm~6×10
-2Ω・cmにある、請求項15に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項19】
前記導電セラミックの空隙率が0.01%~10%にある、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項20】
前記抵抗ヒータは細長いピン状や針状、ロッド状、棒状、又はシート状に構成され、あるいは、前記抵抗ヒータは管状に構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項21】
前記抵抗ヒータの抵抗が0.036Ω以上1.5Ω以下である、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項22】
前記導電セラミックは導電成分及び非導電成分を含み、前記導電成分は導電性の金属ホウ化物、金属窒化物又は金属炭化物のうちの少なくとも1つを含み、前記非導電成分は非導電性の金属酸化物又は金属窒化物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項23】
前記導電成分はホウ化チタン、窒化チタン又は炭化チタンのうちの少なくとも1つを含む、請求項22に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項24】
前記非導電成分は二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項22に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項25】
導電セラミックを含み、前記導電セラミックの材料は本体成分及びドープ成分を含み、前記導電セラミックに前記本体成分が占める質量百分率は80%超98%以下であり、
前記本体成分は第1金属酸化物を含み、前記ドープ成分は第2金属酸化物を含み、前記第1金属酸化物中の金属の価数が前記第2金属酸化物中の金属の価数と異なる、エアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ。
【請求項26】
エアロゾル発生製品を加熱して喫煙用のエアロゾルを発生させるように構成されるエアロゾル発生装置であって、
エアロゾル発生製品を受け入れるためのキャビティと、
前記キャビティ内に受け入れられるエアロゾル発生製品を加熱するように構成される、請求項1~25のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータである抵抗ヒータと、を含む、エアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年12月24日に提出した中国特許出願2021116098090及び2021年12月24日に提出した中国特許出願2021116098230の優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、霧化の技術分野に関し、特に、エアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ及びエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、抵抗ヒータは2種類に大別され、1つは表面に厚膜回路が印刷されてセラミック発熱シートが形成されたジルコニアセラミックシートでありであり、もう1つは表面に回路が印刷されたアルミナキャストシートで被覆され、セラミック発熱針が形成されたアルミナロッドコアである。つまり、従来の2種類のセラミック発熱体はいずれも、セラミックを担体とし、担体に導電ペーストを印刷して発熱体を形成しているものである。セラミック自体が絶縁し、抵抗回路を印刷した後、抵抗器が通電されて発熱し、熱がセラミックに伝導され、タバコが炙られて加熱及び霧化のプロセスが完了する。
【0004】
従来の抵抗ヒータはいずれもセラミックの表面に導電ペーストを印刷し、セラミックを焼結した後に、印刷ペーストを加工して再び焼結する必要があるため、コストが高くなる。また、抵抗ペーストはセラミックと熱膨張係数が異なり、頻繁に使用して摩擦すると、回路の脱落を引き起こしやすく、製品の使用体験と耐用年数に影響を与える。
【発明の概要】
【0005】
本出願で提供されるエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ及びエアロゾル発生装置は、従来技術において抵抗ヒータを頻繁に使用して摩擦すると、回路が脱落しやすいという技術的課題を解決する。
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本出願で提供される第1の技術的解決手段は、抵抗率が1×10-4Ω・cm~1.3×10-1Ω・cmにある導電セラミックを含む、エアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータを提供することである。
【0007】
一実施形態において、前記導電セラミックの材料は本体成分及びドープ成分を含む。
【0008】
一実施形態において、前記導電セラミックに前記本体成分が占める質量百分率は80%超98%以下である。
【0009】
一実施形態において、前記導電セラミックに前記ドープ成分が占める質量百分率は0.5%超19%以下である。
【0010】
一実施形態において、前記本体成分は第1金属酸化物を含み、前記ドープ成分は第2金属酸化物を含み、
前記第1金属酸化物中の金属の価数が前記第2金属酸化物中の金属の価数と異なる。
【0011】
一実施形態において、前記第1金属酸化物中の金属の価数が前記第2金属酸化物中の金属の価数よりも小さい。
【0012】
一実施形態において、前記本体成分は酸化亜鉛を含み、前記ドープ成分は、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン又は五酸化二ニオブのうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
一実施形態において、前記導電セラミックに前記酸化亜鉛が占める質量百分率は94%~98%にあり、前記ドープ成分は酸化アルミニウムを含み、前記導電セラミックに前記酸化アルミニウムが占める質量百分率は0.5%~5%にある。
【0014】
一実施形態において、前記導電セラミックの抵抗率が1×10-3Ω・cm~6×10-2Ω・cmにある。
【0015】
一実施形態において、前記本体成分は二酸化チタンを含み、前記ドープ成分は少なくとも五酸化二ニオブを含む。
【0016】
一実施形態において、前記導電セラミックに前記二酸化チタンが占める質量百分率は85%~95%にあり、前記導電セラミックに前記五酸化二ニオブが占める質量百分率は5%~20%にある。
【0017】
一実施形態において、前記導電セラミックの抵抗率が8×10-2Ω・cm未満である。
【0018】
一実施形態において、前記第1金属酸化物中の金属の価数が前記第2金属酸化物中の金属の価数よりも大きい。
【0019】
一実施形態において、前記本体成分は五酸化タンタルを含み、前記ドープ成分は二酸化チタン又は二酸化ジルコニウムのうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
一実施形態において、前記導電セラミックは、前記導電セラミックの抵抗率を目標範囲に制御するための導電性の抵抗率調整成分をさらに含む。
【0021】
一実施形態において、前記導電性の抵抗率調整成分は導電性の金属炭化物、金属ホウ化物、トナー又は導電金属粉末のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
一実施形態において、前記導電セラミックに前記導電性の抵抗率調整成分が占める質量百分率は1%~19%にある。
【0023】
一実施形態において、前記導電セラミックの抵抗率が2×10-3Ω・cm~6×10-2Ω・cmにある。
【0024】
一実施形態において、前記導電セラミックの空隙率が0.01%~10%にある。
【0025】
一実施形態において、前記抵抗ヒータは細長いピン状や針状、ロッド状、棒状、又はシート状に構成され、あるいは、前記抵抗ヒータは管状に構成される。
【0026】
一実施形態において、前記抵抗ヒータの抵抗が0.036Ω以上1.5Ω以下である。
【0027】
一実施形態において、前記導電セラミックは導電成分及び非導電成分を含み、前記導電成分は導電性の金属ホウ化物、金属窒化物又は金属炭化物のうちの少なくとも1つを含み、前記非導電成分は非導電性の金属酸化物又は金属窒化物のうちの少なくとも1つを含む。
【0028】
一実施形態において、前記導電成分はホウ化チタン、窒化チタン又は炭化チタンのうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
一実施形態において、前記非導電成分は二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウムのうちの少なくとも1つを含む。
【0030】
上記技術的課題を解決するために、本出願で提供される第2の技術的解決手段は、導電セラミックを含み、前記導電セラミックの材料は本体成分及びドープ成分を含み、前記導電セラミックに前記本体成分が占める質量百分率は80%超98%以下であり、
前記本体成分は第1金属酸化物を含み、前記ドープ成分は第2金属酸化物を含み、前記第1金属酸化物中の金属の価数が前記第2金属酸化物中の金属の価数と異なる、エアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータを提供することである。
【0031】
上記技術的課題を解決するために、本出願で提供される第3の技術的解決手段は、エアロゾル発生製品を加熱して喫煙用のエアロゾルを発生させるように構成されるエアロゾル発生装置であって、エアロゾル発生製品を受け入れるためのキャビティと、前記キャビティ内に受け入れられるエアロゾル発生製品を加熱するように構成される、上記いずれか一項に記載のエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータである抵抗ヒータと、を含む、エアロゾル発生装置を提供することである。
【0032】
本出願はエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ及びエアロゾル発生装置を提供し、エアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータは、抵抗率が1x10-4Ω・cm~1.3×10-1Ω・cmにある導電セラミックを含む。導電セラミックを用いてエアロゾル発生製品を加熱することによって、導電セラミック自体が加熱機能を有するため、セラミック表面に回路を印刷することを回避し、即ち、頻繁に使用して摩擦することによって回路が脱落するという問題を回避し、使用者の使用体験及びエアロゾル発生装置の耐用年数の向上に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本出願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例の記載に必要な図面について簡単に説明するが、当然ながら、以下に記載する図面は単に本出願のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本出願の一実施例で提供されるエアロゾル発生装置の構造模式図である。
【
図2】本出願の一実施例で提供されるエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータの構造模式図である。
【
図3】
図2に示す抵抗ヒータの一具体的構造の分解模式図である。
【
図4a】本出願の一実施例で提供される抵抗ヒータの縦方向断面図である。
【
図4b】本出願の別の実施例で提供される抵抗ヒータの縦方向断面図である。
【
図5】
図2に示すエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータのA箇所の構造模式図である。
【
図6】本出願で抵抗ヒータの抵抗を測定する模式図である。
【
図7】本出願の別の実施例で提供されるエアロゾル発生装置の構造模式図である。
【
図8】
図7で提供されるエアロゾル発生装置における抵抗ヒータの一実施例の構造模式図である。
【
図9】本出願の別の実施例で提供されるエアロゾル発生装置の構造模式図である。
【
図10】
図9で提供されるエアロゾル発生装置における霧化器の構造模式図である。
【
図11】
図10で提供される霧化器における加熱アセンブリの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に本出願の実施例における図面を参照し、本出願の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本出願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく、得られた他の全ての実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0035】
以下の説明では、限定ではなく説明を目的として、本出願を完全に理解させために特定のシステム構造、インタフェース、技術などの具体的な詳細を提供する。
【0036】
本出願における「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的特徴の数を暗黙的に示したりすると理解してはならない。従って、「第1」、「第2」、「第3」と限定される特徴は少なくとも1つの前記特徴を含むことを明示又は暗示することができる。本出願の説明では、明確に且つ具体的に限定しない限り、「複数」は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。本出願の実施例における全ての方向性指示(例えば、上、下、左、右、前、後......)は、ある特定の姿勢(図面に示す)での各部材間の相対的な位置関係、運動状況などを説明するためのものに過ぎず、前記特定の姿勢が変化すると、前記方向性指示もそれに応じて変化する。また、本出願の実施例における「含む」、「有する」という用語及びそれらのいかなる変形も、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、挙げられたステップ又はユニットに限定されるものではなく、選択的に、挙げられないステップ又はユニットをさらに含み、或いは、選択的に、これらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はアセンブリをさらに含む。
【0037】
本明細書で言及した「実施例」は、実施例を関連付けて説明された特定の特徴、構造又は特性が、本出願の少なくとも1つの実施例に含むことができることを意味する。明細書の各箇所で出現する前記用語は必ず同じ実施例を指すというわけでなく、他の実施例と排他的に独立した実施例又は代替的な実施例であるというわけでもない。当業者は、本明細書に記載された実施例が他の実施例と組み合わせることができることを明示的及び暗黙的に理解している。
【0038】
以下において、図面及び実施例を参照しながら本出願を詳細に説明する。
【0039】
図1は本出願の一実施例で提供されるエアロゾル発生装置の構造模式図であり、本実施例において、エアロゾル発生装置を提供し、該エアロゾル発生装置の構造はキャビティ、電源アセンブリ10、回路20及び抵抗ヒータ30aを含む。
【0040】
ここで、エアロゾル発生製品Dはキャビティ内に取り外し可能に受け入れられる。エアロゾル発生製品Dは、加熱時に基質から揮発化合物を放出するタバコ含有材料を採用することが好ましく、あるいは、加熱後に、電気加熱して煙を発生させるのに適した非タバコ材料であってもよい。エアロゾル発生製品Dは、固体基質を採用することが好ましく、バニラの葉、タバコ葉、均質化タバコ、膨張タバコのうちの1種又は複数種の粉末、顆粒、細長い破片、ストリップ又は薄片の1種又は複数種を含んでもよく、あるいは、固体基質は、基質の加熱時に放出されるように、付加のタバコ又は非タバコの揮発性香味化合物を含んでもよい。
【0041】
抵抗ヒータ30aの少なくとも一部がキャビティ内に延在し、また、エアロゾル発生製品Dがキャビティ内に受け入れられた際に、抵抗ヒータ30aがエアロゾル発生製品Dに挿入されて加熱し、エアロゾル発生製品Dに複数種の揮発性化合物を放出させ、これらの揮発性化合物は加熱処理のみによって形成される。具体的な実施例において、抵抗ヒータ30aは長さ方向に沿って対向する自由前端と末端を有し、以下に、エアロゾル発生製品Dに挿入される一端を自由前端として、他のアセンブリに固定する又は組み立てるための一端を末端として定義する。電源アセンブリ10は給電するために用いられ、回路20は電源アセンブリ10と抵抗ヒータ30aとの間で電流を導くために用いられる。
【0042】
抵抗ヒータ30aは導電セラミック材料で製造されてなり、従来技術に対して、導電セラミック自体が導電能力を有し、セラミック表面に回路を印刷することを回避し、即ち、頻繁に使用して摩擦することによって回路が脱落するという問題を回避し、使用者の使用体験及びエアロゾル発生装置の耐用年数の向上に有利である。抵抗ヒータ30aは、全体的に導電セラミック材料で製造されてもよいし、部分的に導電セラミック材料で製造されてもよく、具体的には、必要に応じて設計する。
【0043】
一実施形態において、抵抗ヒータ30aは細長いピン状や針状、ロッド状、棒状又はシート状に構成され、使用中にエアロゾル発生製品Dに挿入してエアロゾル発生製品Dを加熱することができる。別の実施形態において、抵抗ヒータ30aは管状に構成され、エアロゾル発生製品Dが該管状内に受け入れられることでエアロゾル発生製品Dを加熱する。抵抗ヒータ30aの形状、サイズは、必要に応じて設計され、エアロゾル発生製品Dを良好に霧化できればよい。
【0044】
本出願は抵抗ヒータ30aを提供し、具体的には、
図2~
図4bを参照し、そのうち、
図2は本出願の一実施例で提供される抵抗ヒータの構造模式図であり、
図3は
図2に示す抵抗ヒータの一具体的構造の分解模式図であり、
図4aは本出願の一実施例で提供される抵抗ヒータの縦方向断面図であり、
図4bは本出願の別の実施例で提供される抵抗ヒータの縦方向断面図である。一実施例において、抵抗ヒータ30aを提供し、該抵抗ヒータ30aは導電セラミック体31b、第1リード線32b、第2リード線33b及び基体34aを含む。
【0045】
ここで、導電セラミック体31bはエアロゾル発生製品Dに挿入して通電時にエアロゾル発生製品Dを加熱するために用いられ、
図3を参照し、導電セラミック体31bは、抵抗ヒータ30aの長さ方向に沿って延在し、且つ抵抗ヒータ30aの長さ方向に沿って対向する第1端Bと第2端Cを有するように構成され、エアロゾル発生製品Dに挿入する過程で、導電セラミック体31bの第1端Bはエアロゾル発生製品Dに最初に挿入する。具体的には、導電セラミック体31bの材質は導電セラミックであってもよく、導電セラミックとは、通電加熱することで高温を発生させることができ、又は高温状態で導電されても溶融や酸化しないセラミックであり、例えば、酸化スズ、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、ジルコニア、β-アルミナ等である。具体的な実施例において、導電セラミック体31bの設計仕様、形状、発熱性能等のニーズに応じて、材料配合を調整し、適切な成形プロセスを選択して所望の抵抗値を有する導電セラミック材料を取得することができる。
【0046】
具体的には、該実施例において、
図3に示すように、導電セラミック体31bは管状を呈する。導電セラミック体31bの内部に貫通孔310が形成され、該貫通孔310の孔径が0.5mm未満であり、U字型構造の導電セラミック体31bに比べて、導電セラミック体31bの強度が大幅に向上し、エアロゾル発生製品Dへの挿入を容易にするだけでなく、導電セラミック体31bの耐用年数を延ばす。同時に、導電セラミック体31bの孔径が小さいことに鑑みて、該貫通孔310を充填する必要がなく、プロセスの複雑さを効果的に低下させる。具体的には、導電セラミック体31bの径方向のサイズは長さ方向において同じである。
【0047】
ここで、導電セラミック体31bの管状構造は、金型成形及び焼結により製造されてもよいし、セラミック焼結後に機械加工、細孔放電等の方法により製造されてもよい。例えば、
図3は細孔放電により製造される管状構造である。
【0048】
図4a及び
図4bに示すように、基体34aは抵抗ヒータ30aの長さ方向に沿って延在し、導電セラミック体31bは具体的に基体34aの少なくとも一部を囲み、且つ導電セラミック体31bの少なくとも一部が基体34aにより支持される。具体的な実施例において、
図4a及び
図4bに示すように、基体34aは導体であり、第1リード線32bは、基体34aに接続することによって、導電セラミック体31bの第1端Bと導通を形成する。ここで、
図4a又は
図4bを参照し、B3は第1リード線32bと基体34aとの接続点、又は第2リード線33bと導電セラミック体31bとの接続点である。
【0049】
具体的には、
図3に示すように、基体34aは自立する柱状体であり、ピン状又は針状を呈する。具体的には、基体34aは、軸方向に接続される延在部341a及びテーパ部342aを含む。ここで、
図4aに示すように、延在部341aは導電セラミック体31bの貫通孔310を貫通して導電セラミック体31b内に嵌め込まれ、導電セラミック体31bは延在部342aを囲んで設けられ、且つ延在部341aと絶縁して設けられる。当然ながら、延在部341aと導電セラミック体31bは静水圧プレス成形法、ダイカスト成形法等を採用して一体的に成形することもできる。具体的な実施例において、耐温性、耐圧性及び絶縁時間等の技術的要件、並びに延在部341aの材質に応じて適切な絶縁方式を選択することができ、一実施形態において、延在部341aと導電セラミック体31bを絶縁して設けるように、延在部341aの外側壁に第1絶縁媒体層が設けられる。別の実施形態において、延在部341aと導電セラミック体31bを絶縁して設けるように、導電セラミック体31bの中空構造の内面に第2絶縁媒体層が設けられる。当然ながら、導電セラミック体31bと絶縁して設けるように、延在部341aと導電セラミック体31bの中空の内面とが間隔を置いて設けられてもよい。ここで、第1絶縁媒体層及び/又は第2絶縁媒体層は、ガラス釉、無機接着剤絶縁、クロム含有タングステンカーバイド、アルミナ、ケイ酸マグネシウム、マグネシアのコーティング/フィルム等であり得る。延在部341aの長さは、導電セラミック体31bの長さと同じであってもよいし、導電セラミック体31bの長さよりも短くてもよく、具体的には、エアロゾル発生製品Dのエネルギーのニーズに応じて高さを調整することができる。
【0050】
テーパ部342aは、延在部341aに向かう一端の径方向サイズが、延在部341aの径方向サイズよりも大きく、且つ導電セラミック体31bの内径よりも大きく、テーパ部342aは具体的に導電セラミック体31bの外部に露出し、テーパ部342aにより抵抗ヒータ30aの自由前端を画定し、テーパ部342aは自由前端に近い導電セラミック体3lbの端部に当接する。具体的な一実施例において、
図4a又は
図4bに示すように、テーパ部342aと導電セラミック体31bの第1端Bの端面との間に第1導電媒体43がさらに設けられ、テーパ部342aは具体的に第1導電媒体43を介して導電セラミック体31bの第1端Bに電気的に接続され、このように、テーパ部342aと導電セラミック体31bとの有効な接触を保証できるだけでなく、両者を緊密に固定することができる。ここで、第1導電媒体43は導電性接着剤、導電銀ペースト、スズはんだ又ははんだ等であり得、第1導電媒体43は、具体的には、テーパ部342aの導電セラミック体31bに向かう側の表面に塗布されてもよいし、導電セラミック体31bのテーパ部342aに向かう一端の端面に塗布されてもよい。
【0051】
当然ながら、テーパ部342aは、導電セラミック体31bの外部に設けて、導電セラミック体31bの第1端Bの側壁面に電気的に接続することもできる。具体的な実施例において、抵抗ヒータ30aのエアロゾル発生製品Dへの挿入を容易にし、順調且つ安全な挿入を保証し、製品残留物の付着を防止するために、テーパ部342aの径方向サイズを延在部341aから離れる方向に沿って徐々に小さくすることができる。具体的には、テーパ部342aは円錐形、又はスムーズに移行する形状を呈することができる。
【0052】
具体的には、延在部341a及び/又はテーパ部342aの材質はステンレス鋼、鉄アルミニウム合金、鉄ニッケル合金、銅、アルミニウム等の金属材料であり得る。延在部341aとテーパ部342aは一体的に成形することができる。
【0053】
図3を参照し、第1リード線32bは基体34aの延在部341aの、テーパ部342aから離れる一端に電気的に接続され、基体34aを介して導電セラミック体31bの第1端Bに接続される。具体的には、第1リード線32bは、延在部341aの中央位置又はエッジ位置に接続することができ、導電セラミック体31bと接触せず、干渉の発生を回避すればよい。
【0054】
第2リード線33bは導電セラミック体31bの第2端Cに電気的に接続される。具体的な実施例において、導電セラミック体31bの第2端Cの表面に第2導電媒体が形成され、第2リード線33bは、具体的に第2導電媒体に電気的に接続され、第2導電媒体を介して導電セラミック体31bの第2端Cに電気的に接続される。このように、第2リード線33bの脱落の問題の発生を効果的に低減することができるだけでなく、第2リード線33bと導電セラミック体31bとの接触抵抗を導電セラミック体31bの抵抗よりも遥かに小さくし、導電セラミック体31bの発熱点が第2リード線33bと導電セラミック体31bとの接続位置に集中することによって、導電セラミック体31b全体を発熱させる作用を果たせないことを回避することができる。ここで、第1導電媒体43及び/又は第2導電媒体は高導電率の導電性接着剤又はペーストであり得、両者は銀を焼結することによって形成される電極コーティングであり得る。
【0055】
ここで、第1リード線32bを負極リード線とし、第2リード線33bを正極リード線とし、それぞれ電源アセンブリ10の正極と負極に連通し、電流を導入し、加熱作業を行う。当然ながら、第1リード線32bを正極リード線とし、第2リード線33bを負極リード線としてもよい。第1リード線32b及び/又は第2リード線33bの材質は、一般的にニッケル、銀等の導電率が高い材料を選択するが、実際の設計方案に応じて他の材料を選択するか、又は表面処理を行ってもよい。第1リード線32b及び/又は第2リード線33bは、具体的には、溶接の方式で対応する部材に接続することができる。
【0056】
ここで、第1リード線32bを導電セラミック体31bの第1端Bに電気的に接続し、第2リード線33bを導電セラミック体31bの第2端Cに電気的に接続することによって、電流を導電セラミック体31bの一端から他端へ、例えば、第1端Bから第2端Cへ流すことができる。当業者であれば、U字型導電セラミック体は、導電セラミック体の中部のスロット位置が不合理であり、それによって、左右両側の導電セラミック体の幅サイズが異なるという問題があり、導電セラミック体上の電流の分布に重大な影響を与え、導電セラミック体の電流の分布が不均一になり、さらにエアロゾル発生装置から放出されるエアロゾルの一致性が悪く、口当たりに影響を与えることが理解可能である。それに対して、本出願の導電セラミック体31bの幅サイズ又は径方向サイズは長さ方向において不変に維持し、即ち、電流方向に沿って、導電セラミック体31bの幅サイズ又は径方向サイズは不変に維持し、導電セラミック体31bの発熱均一性を効果的に保証し、さらに霧化により形成されるエアロゾルの吸入の口当たりを効果的に向上させる。
【0057】
さらに、
図2、
図3及び
図4bに示すように、該抵抗ヒータ30aは電極キャップ35をさらに含む。電極キャップ35は溝構造を呈し、電極キャップ35の底壁に孔が開けられ、基体34aに接続される第1リード線32bは電極キャップ35の孔を通って導電セラミック体31bから外に延在する。
図7に示すように、電極キャップ35は導電セラミック体31bの第2端Cを覆い、且つ電極キャップ35はそれぞれ導電セラミック体31bの第2端Cの端面及び第2端Cの側壁面に接触され、第2端Cに電気的に接続される。該実施例において、第2リード線33bは、具体的には、電極キャップ35に電気的に接続され、接触抵抗をさらに低下させるとともに、第2リード線33bと電極キャップ35との接続安定性を向上させる。さらに、接触抵抗を低減するために、電極キャップ35の内面に高導電率の銀ペースト又は銀塗料を塗布することができる。ここで、電極キャップ35の材質は銅、銀のような金属又は合金である。
【0058】
さらに、一実施例において、該抵抗ヒータ30aは温度センサをさらに含み、温度センサは導電セラミック体31bに固定され、導電セラミック体31bの温度を検出するために用いられる。
【0059】
別の実施例において、
図2、及び
図2に示すエアロゾル発生装置に用いられる抵抗ヒータ30aのA箇所の構造模式図である
図5を参照し、第1リード線32bは第1熱電対ワイヤー37a及び第2熱電対ワイヤー37bを含み、第1熱電対ワイヤー37aと第2熱電対ワイヤー37bは異なる材質を有し、例えば、第1熱電対ワイヤー37aと第2熱電対ワイヤー37bの材質はそれぞれニッケルクロム、ニッケルシリコンであり、それによって、第1熱電対ワイヤー37aと第2熱電対ワイヤー37bとの間に温度を検知するための熱電対を形成する。具体的には、第1熱電対ワイヤー37a及び第2熱電対ワイヤー37bはそれぞれ電極キャップ35に電気的に接続され、熱電効果により導電セラミック体31bの温度を測定し、導電セラミック体31bの温度の制御を容易にする。当然ながら、基体34aと導電セラミック体31bとの間に熱伝導が存在するため、第1熱電対ワイヤー37a及び第2熱電対ワイヤー37bは基体34aに電気的に接続されてもよく、本出願はこれについて制限しない。
【0060】
本実施例で提供される抵抗ヒータ30aは、側壁を貫通しない軸方向貫通孔310を導電セラミック体31bに開け、且つ該貫通孔310の孔径を0.5mm未満にし、従来のU字型導電セラミック体31bに比べて、該貫通孔310の孔径はU字型導電セラミック体31bの溝幅よりも遥かに小さく、それによって、導電セラミック体31bの強度を大幅に向上させ、信頼性を向上させ、プロセスの難しさを低減する。同時に、基体34aの一端を導電セラミック体31bの第1端Bに接続し、且つ基体34aを導電セラミック体31bの長さ方向に沿って導電セラミック体31bの第2端Cに延在させ、そして第1リード線32bを基体34aの第2端Cに電気的に接続し、第2リード線33bを導電セラミック体31bの第2端Cに電気的に接続し、それによって、導電セラミック体31bは長さ方向に沿って電流回路を形成し、U字型構造の導電セラミック体31bに比べて、導電セラミック体31bの加熱均一性を効果的に向上させる。なお、第2リード線33bは第2導電媒体層を介して導電セラミック体31bに電気的に接続され、第2リード線33bの脱落の問題の発生を効果的に低減することができるだけでなく、第2リード線33bと導電セラミック体31bとの接触抵抗を導電セラミック体31bの抵抗よりも遥かに小さくし、導電セラミック体31bの発熱点が第2リード線33bと導電セラミック体31bとの接続位置に集中することによって、導電セラミック体31b全体を発熱させる作用を果たせないことを回避することができ、同時に、導電セラミック体31bの電流分布が不均一になり、エアロゾル発生装置から放出されるエアロゾルの一致性が悪く、口当たりに影響を与えることを回避することができる。また、本実施例で提供される抵抗ヒータ30aは簡単に組み立てられ、製品の安定的な量産化に寄与し、製品性能の一致性が保証される。
【0061】
以下において、導電セラミックの材料を詳細に紹介する。
【0062】
本出願で提供される導電セラミックの抵抗率は、1×10-4Ω・cm以上1.3×10-1Ω・cm以下であり、エアロゾル発生製品Dに複数種の揮発性化合物を放出させる要件を満たす。また、導電セラミック自体が加熱機能を有し、セラミック表面に回路を印刷することを回避し、即ち、頻繁に使用して摩擦することによって回路が脱落するという問題を回避し、使用者の使用体験及びエアロゾル発生装置の耐用年数の向上に有利である。
【0063】
選択的に、本出願で提供される導電セラミックで製造された抵抗ヒータ30aの抵抗は0.036Ω以上1.5Ω以下である。
【0064】
選択的に、本出願で提供される導電セラミックの空隙率が0.01%~10%にあり、導電セラミックの空隙率は必要に応じて設計することができ、即ち、材料の比率を適宜調整することによって所望の空隙率を得ることができることが理解可能である。
【0065】
一実施形態において、導電セラミックで製造された抵抗ヒータ30aは、形状が針状であり、直径が1.95mmであり、長さが16.31mmであり、先端部分の高さが0.5mmであり、抵抗が0.75Ωであり、抵抗率を計算して2.27x10-3Ω・cmとなる。
【0066】
ここで、抵抗ヒータ30aの抵抗の検出方法は、具体的には、本出願で抵抗ヒータの抵抗を測定する模式図である
図6を参照する。本出願では、「GB/T 5594.5-1985 電子部品構造セラミック材料の性能テスト方法 体積抵抗率テスト方法」に準じて導電セラミックの抵抗を測定する。
図6を参照し、LCRテスタ40に2本のリード線41が接続され、2本のリード線41の端部はそれぞれ測定クリップ42に接続される。測定クリップ42は挟持部421を含み、挟持部421は導電セラミック50を挟持するために用いられる。挟持部421は導電セラミック50の両端を挟持することが理解可能である。LCRテスタ40の測定により、導電セラミックの抵抗率を得る。LCRテスタ40は、種々の素子のパラメータを正確且つ安定的に測定することができ、主に、インダクタンス、キャパシタンス、抵抗を測定するテスタであり、ここで、「L」はインダクタンスを、「C」はキャパシタンスを、「R」は抵抗を表す。
【0067】
一実施形態において、導電セラミックで製造された抵抗ヒータ30aは、形状が針状であり、直径が1.95mmであり、長さが18mmであり、先端部分の高さが0.5mmであり、LCRテスタ40により測定された抵抗が0.75Ωであり、抵抗率を計算して2.27×10-3Ω・cmとなる。
【0068】
一実施形態において、導電セラミックで製造された抵抗ヒータ30aは、形状がシート状であり、長さが16mmであり、幅が4.5mmであり、厚さが0.45mmであり、LCRテスタ40により測定された抵抗が0.7Ωであり、抵抗率を計算して3.9×10-3Ω・cmとなる。
【0069】
一実施形態において、導電セラミックで製造された抵抗ヒータ30aは、形状が管状であり、長さが29mmであり、内径が7.2mmであり、外径が8.5mmであり、LCRテスタ40により測定された抵抗が1.5Ωであり、抵抗率を計算して8.98×10-2Ω・cmとなる。
【0070】
一実施形態において、導電セラミックで製造された抵抗ヒータ30aは、形状が管状であり、長さが29mmであり、内径が7.2mmであり、外径が9.2mmであり、LCRテスタ40により測定された抵抗が1.5Ωであり、抵抗率を計算して13×10-2Ω・cmとなる。
【0071】
一実施形態において、導電セラミックで製造された抵抗ヒータ30aは、形状が管状であり、長さが49mmであり、内径が5.5mmであり、外径が6.7mmであり、LCRテスタ40により測定された抵抗が1.5Ωであり、抵抗率を計算して3.52×10-2Ω・cmとなる。
【0072】
本出願で提供される導電セラミックの材料は本体成分及びドープ成分を含み、本体成分は第1金属酸化物を含み、ドープ成分は第2金属酸化物を含み、第1金属酸化物中の金属の価数が第2金属酸化物中の金属の価数と異なる。ここで、導電セラミックに本体成分が占める質量百分率は80%超98%以下である。さらに、導電セラミックにドープ成分が占める質量百分率は0.5%超19%以下である。該実施形態において、第2金属酸化物中の金属は第1金属酸化物の格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、ドナードープ作用を果たし、即ち、高温下でのイオン交換により、担体濃度を増加させ、セラミック導電を実現する。
【0073】
一実施形態において、第1金属酸化物中の金属の価数が第2金属酸化物中の金属の価数よりも小さい。選択的に、第2金属酸化物中の金属の価数が3価以上である。
【0074】
本体成分が酸化亜鉛を含み、ドープ成分が酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン又は五酸化二ニオブのうちの少なくとも1つを含む場合に、上記本体成分とドープ成分で得られた導電セラミックの抵抗率は1×10-3Ω・cm~6×10-2Ω・cmにある。ここで、導電セラミックに酸化亜鉛が占める質量百分率は94%~98%にあり、ドープ成分は酸化アルミニウムを含み、導電セラミックに酸化アルミニウムが占める質量百分率は0.5%~5%にある。
【0075】
選択的に、導電セラミック材料は、質量百分率94~98%の酸化亜鉛、0.8~5%の酸化アルミニウム、0~1%の二酸化チタン、及び0~0.5の二酸化ジルコニウムを含む。具体的な実施例は以下のとおりである。
【0076】
実施例1
酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)の粉末を質量比97:2:1で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1700℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは抵抗率が2.26×10-3Ω・cmであり、空隙率が5%であった。ここで、高温下で、Al3+、Ti4+はZnOの格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Zn2+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0077】
実施例1において、導電セラミックは、形状がシート状に近似し、長さが19.9mmであり、幅が5mmであり、厚さが2.5mmであった。LCRテスタ40により測定された該導電セラミックの抵抗が36mΩであった。
【0078】
実施例2
酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)の粉末を質量比94.5:3:0.5で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1700℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは抵抗率が9.6×10-3Ω・cmであり、空隙率が3%であった。ここで、高温下で、Al3+、Ti4+はZnOの格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Zn2+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0079】
実施例2において、導電セラミックは、形状がシート状に近似し、長さが19mmであり、幅が4mmであり、厚さが2mmであった。LCRテスタ40により測定された該導電セラミックの抵抗が0.23Ωであった。
【0080】
実施例3
酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)の粉末を質量比97:2:1で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1700℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは抵抗率が5.4×10-2Ω・cmであり、空隙率が5%であった。ここで、高温下で、Al3+、Ti4+はZnOの格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Zn2+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0081】
実施例3において、導電セラミックは、形状がシート状であり、長さが19mmであり、幅が4mmであり、厚さが2mmであった。LCRテスタ40により測定された該導電セラミックの抵抗が1.3Ωであった。
【0082】
実施例4
酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)の粉末を質量比94:5:0.8:0.2で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1700℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは抵抗率が2.436×10-3Ω・cmであり、空隙率が5%であった。ここで、高温下で、Al3+、Ti4+、Zr2+はZnOの格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Zn2+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0083】
実施例4において、導電セラミックは、形状がシート状に近似し、長さが19.5mmであり、幅が5mmであり、厚さが2.5mmであった。LCRテスタ40により測定された該導電セラミックの抵抗が38mΩであった。
【0084】
実施例5
酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)の粉末を質量比94.4:5:0.4:0.2で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1700℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは抵抗率が2.06×10-2Ω・cmであり、空隙率が0.3%であった。ここで、高温下で、Al3+、Ti4+、Zr2+はZnOの格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Zn2+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0085】
実施例5において、導電セラミックは、形状が針状であり、直径が2.5mmであり、長さが19mmであった。LCRテスタ40により測定された該導電セラミックの抵抗が0.8Ωであった。
【0086】
実施例6
酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)の粉末を質量比96.2:3:0.6:0.2で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1700℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは抵抗率が7.3x10-3Ω・cmであり、空隙率が1%であった。ここで、高温下で、Al3+、Ti4+、Zr2+はZnOの格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Zn2+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0087】
実施例6において、導電セラミックは、形状がシート状に近似し、長さが19mmであり、幅が5mmであり、厚さが2mmであった。LCRテスタ40により測定された該導電セラミックの抵抗が0.14Ωであった。
【0088】
実施例7
酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)の粉末を質量比96.7:3:0.2:0.1で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1700℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは抵抗率が6.3×10-3Ω・cmであり、空隙率が1%であった。ここで、高温下で、Al3+、Ti4+、Zr2+はZnOの格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Zn2+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0089】
実施例7において、導電セラミックは、形状がシート状に近似し、長さが19mmであり、幅が4mmであり、厚さが2mmであった。LCRテスタ40により測定された該導電セラミックの抵抗が0.15Ωであった。
【0090】
選択的に、本体成分は酸化亜鉛を含み、ドープ成分は五酸化二ニオブを含み、具体的な実施例は以下のとおりである。
【0091】
実施例8
酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、及び五酸化二ニオブ(Nb2O5)の粉末を質量比(90~99.9):(0.5~10):(0~5):(0~5)で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1700℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは空隙率が5%未満であり、抵抗率が5×10-2Ω・cm未満であった。ここで、高温下で、Al3+、Zr2+、Nb5+はZnOの格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Zn2+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0092】
本体成分が二酸化チタンを含み、ドープ成分が少なくとも五酸化二ニオブを含む場合に、上記本体成分とドープ成分で得られた導電セラミックの抵抗率は8×10-2Ω・cm未満である。ここで、導電セラミックに二酸化チタンが占める質量百分率は85%~95%にあり、導電セラミックに五酸化二ニオブが占める質量百分率は5%~20%にある。具体的な実施例は以下のとおりである。
【0093】
実施例9
二酸化チタン(TiO2)、五酸化二ニオブ(Nb2O5)の粉末を質量比(85~95):(5~20)で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1600℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは空隙率が3%未満であり、抵抗率が8×10-2Ω・cm未満であった。ここで、高温下で、Nb5+はTiO2の格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Ti4+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、同時に、TiO2は高温下で真性欠陥の酸素空孔の濃度が向上し、担体濃度がさらに増加し、セラミック導電性がさらに向上し、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0094】
別の実施形態において、第1金属酸化物中の金属の価数が第2金属酸化物中の金属の価数よりも大きい。
【0095】
本体成分が五酸化タンタルを含み、ドープ成分が二酸化チタン又は二酸化ジルコニウムのうちの少なくとも1つを含む場合に、上記本体成分とドープ成分で得られた導電セラミックの抵抗率が1×10-2Ω・cm~6×10-2Ω・cmにある。ここで、導電セラミックに五酸化タンタルが占める質量百分率は80%~98%にある。具体的な実施例は以下のとおりである。
【0096】
実施例10
五酸化タンタル(Ta2O5)、二酸化チタン(TiO2)の粉末を質量比92:8で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1700℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは空隙率が2%であり、抵抗率が3.28×10-2Ω・cmであった。ここで、高温下で、Ti4+はTa2O5の格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Ta5+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0097】
実施例11
五酸化タンタル(Ta2O5)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)の粉末を質量比82:18で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1700℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは空隙率が1%であり、抵抗率が4.1×10-2Ω・cmであった。ここで、高温下で、Zr4+はTa2O5の格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Ta5+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0098】
実施例12
五酸化タンタル(Ta2O5)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)の粉末を質量比97:2:1で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1700℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは空隙率が6%であり、抵抗率が3.1×10-2Ω・cmであった。ここで、高温下で、Ti4+、Zr4+はTa2O5の格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Ta5+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0099】
さらに、導電セラミックは、導電セラミックの抵抗率を目標範囲に制御するための導電性の抵抗率調整成分をさらに含む。本実施例において、導電性の抵抗率調整成分を添加した導電セラミックの抵抗率が2×10-3Ω・cm~6x10-2Ω・cmにある。つまり、抵抗率調整成分を添加することによって導電セラミックの抵抗率を2×10-3Ω・cm~6x10-2Ω・cmの間に制御し、目標範囲の抵抗率は必要に応じて設計することができる。ここで、導電セラミックに導電性の抵抗率調整成分が占める質量百分率は1%~19%にある。
【0100】
導電性の抵抗率調整成分は導電性の金属炭化物、金属ホウ化物、トナー又は導電金属粉末のうちの少なくとも1つを含む。選択的に、金属炭化物は炭化ケイ素を含む。選択的に、金属ホウ化物はホウ化チタンを含む。選択的に、導電金属粉末は金粉末、銀粉末又は銅粉末のうちの少なくとも1つを含む。具体的な実施例は以下のとおりである。
【0101】
実施例13
酸化亜鉛(ZnO)、ホウ化チタン(TiB2)、酸化アルミニウム(Al2O3)の粉末を質量比(80~90):(4~10):(1~15)で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~1600℃、常圧で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは空隙率が8%未満であり、抵抗率が2×10-2Ω・cm未満であった。ここで、Al3+は高温下でZnOの格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、Zn2+を置換し、過剰な自由電子を提供し、ドナードープ作用を果たし、セラミックが自己発熱できるようにし、TiB2自体が良好な導電性を有し、同時に、Ti4+は高温下でZnOの格子に入るのに十分なエネルギーを取得し、ドナードープ作用を果たすことができ、即ち、TiB2は導電性の抵抗率調整成分として、導電セラミックの抵抗率を2×10-2Ω・cm未満に制御する。
【0102】
本出願はさらに別の視点から導電セラミックの材料を詳細に紹介する。本出願で提供される導電セラミックの材料は導電成分及び非導電成分を含み、導電成分は導電性の金属ホウ化物、金属窒化物又は金属炭化物のうちの少なくとも1つを含み、ドープ成分は非導電性の金属酸化物又は金属窒化物のうちの少なくとも1つを含む。該実施形態において、導電成分が導電性を有することによって、自己発熱機能を有し、セラミック表面に回路を印刷することを回避し、即ち、頻繁に使用して摩擦することによって回路が脱落するという問題を回避し、使用者の使用体験及びエアロゾル発生装置の耐用年数の向上に有利である。
【0103】
一実施形態において、導電成分はホウ化チタン、窒化チタン、炭化チタン又は炭化ケイ素のうちの少なくとも1つを含む。一実施形態において、非導電成分は二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウムのうちの少なくとも1つを含む。ここで、導電セラミックに導電成分が占める質量百分率は20%~80%にあり、さらに、導電セラミックに非導電成分が占める質量百分率は20%~80%にある。具体的な実施例は以下のとおりである。
【0104】
実施例14
二酸化ジルコニウム(ZrO2)、ホウ化チタン(TiB2)、及びガラス粉末を質量比(30~60):(40~70):(0~5)で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1500℃~2200℃、保護ガス(例えばアルゴン、窒素)で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは空隙率が5%未満であり、抵抗率が6×10-3Ω・cm未満であった。ここで、TiB2自体の導電性が良好であり、それを二酸化ジルコニウムと混合すると、導電ネットワークの作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0105】
実施例14において、導電セラミック材料は添加剤をさらに含み、添加剤は少なくともガラス粉末を含む。添加剤は、導電セラミックの成形を容易にするための選択的な材料であることが理解可能である。
【0106】
実施例15
二酸化ジルコニウム(ZrO2)、ホウ化チタン(TiB2)、及び二酸化ケイ素(SiO2)を質量比(30~60):(40~70):(0.1~5)で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1500℃~2200℃、保護ガス(例えばアルゴン、窒素)で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは空隙率が2%未満であり、抵抗率が2.9×10-3Ω・cm未満であった。ここで、TiB2自体の導電性が良好であり、導電ネットワークの作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。
【0107】
さらに、導電セラミックは導電性の抵抗率調整成分をさらに含み、導電セラミックに導電性の抵抗率調整成分が占める質量百分率は0%~50%にある。本実施例において、導電性の抵抗率調整成分を添加した導電セラミックの抵抗率が1×10-4Ω・cm~1.3×10-1Ω・cmにある。つまり、抵抗率調整成分を添加することによって導電セラミックの抵抗率を1×10-4Ω・cm~1.3×10-1Ω・cmの間に制御し、抵抗率の制御範囲は必要に応じて設計することができる。
【0108】
導電性の抵抗率調整成分は導電性の金属炭化物、金属ホウ化物、トナー又は導電金属粉末のうちの少なくとも1つを含む。選択的に、金属炭化物は炭化ケイ素を含む。選択的に、金属ホウ化物はホウ化チタンを含む。選択的に、導電金属粉末は金粉末、銀粉末又は銅粉末のうちの少なくとも1つを含む。具体的な実施例は以下のとおりである。
【0109】
実施例16
炭化ケイ素(SiC)、ホウ化チタン(TiB2)、及びガラス粉末を質量比(20~50):(50~80):(0~2)で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1500℃~2200℃、保護ガス(例えばアルゴン、窒素)で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは空隙率が10%未満であり、抵抗率が1×10-3Ω・cm未満であった。ここで、TiB2自体の導電性が良好であり、セラミックが自己発熱できるようにし、SiCは導電性の抵抗率調整成分として、導電セラミックの抵抗率を1×10-3Ω・cm未満に制御する。
【0110】
実施例16において、導電セラミック材料は添加剤をさらに含み、添加剤は少なくともガラス粉末を含む。添加剤は、導電セラミックの成形を容易にするための選択的な材料であることが理解可能である。
【0111】
実施例17
炭化ケイ素(SiC)、ホウ化チタン(TiB2)、及び二酸化ケイ素(SiO2)を質量比(20~50):(50~80):(0.1~2)で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1500℃~2200℃、保護ガス(例えばアルゴン、窒素)で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは空隙率が1%未満であり、抵抗率が2.98×10-3Ω・cm未満であった。ここで、TiB2自体の導電性が良好であり、セラミックが自己発熱できるようにし、SiCは導電性の抵抗率調整成分として、導電セラミックの抵抗率を2.98×10-3Ω・cm未満に制御する。
【0112】
実施例18
二酸化ジルコニウム(ZrO2)、ホウ化チタン(TiB2)、及び銅粉末又は銀粉末又は金粉末を質量比(30~50):(20~50):(10~30)で秤量し、水溶液に加え、24h~48h湿式粉砕して均一に混合した後、乾燥させ、5000メッシュ~8000メッシュの篩にかけ、混合粉体を製造した。上記混合粉体をポリビニルアルコール成形剤(PVA)又はポリエチレングリコール成形剤(PEG)に添加し、湿式粉砕して混合し、乾燥させ、篩にかけた後、20MPa~40MPaの圧力で設計形状に圧縮成形し、100MPa~300MPaの圧力で静水圧プレス成形して素地を製造し、成形剤を除去した後、1100℃~2200℃、保護ガス(例えばアルゴン、窒素)で5h~12h焼結し、導電セラミックを製造した。該導電セラミックは空隙率が3%未満であり、抵抗率が5×10-3Ω・cm未満であった。ここで、TiB2及び銅粉末(又は銀粉末又は金粉末)自体の導電性が良好であり、それらをセラミック相にドープして、導電ネットワークの作用を果たし、セラミック導電性を向上させ、セラミックが自己発熱できるようにする。Cu粉末(又は銀粉末又は金粉末)は抵抗率調整成分として、導電セラミックの抵抗率を5×10-3Ω・cm未満に制御する。
【0113】
本出願の別の実施例で提供されるエアロゾル発生装置の構造模式図である
図7を参照する。
【0114】
本出願の別の実施例はエアロゾル発生装置をさらに提供し、その構造は、
図7に示すように、
固体エアロゾル発生製品Aを受け入れるためのキャビティと、
少なくとも一部がキャビティ内で延在し、エアロゾル発生製品Aを加熱して喫煙用のエアロゾルを発生させる抵抗ヒータ30bと、
給電するための電池セル10aと、
電池セル10aと抵抗ヒータ30bとの間で電流を導くコントローラ20aと、を含む。
【0115】
図7で提供されるエアロゾル発生装置における抵抗ヒータの一実施例の構造模式図である
図8を参照する。
【0116】
抵抗ヒータ30bの一実施例の構造は、
図8に示すように、電気絶縁基板31a及び抵抗加熱トラック32aを含む。
電気絶縁基板31aの材質は、例えばセラミック、剛性プラスチック、表面絶縁金属、ポリイミド等であり得、剛性のピン状又は薄いブレード状の形状が好ましく、使用中に、エアロゾル発生製品Aに挿入してエアロゾル発生製品Aを加熱することができ、あるいは、他の変形実施例において、電気絶縁基板31aは、キャビティ/エアロゾル発生製品Aを囲んだ管状の形状であってもよい。
抵抗加熱トラック32aは、印刷又は堆積等の方法で電気絶縁基板31aに結合され、ここで、該抵抗加熱トラック32aは上記で紹介された導電セラミック材料で形成され得、ここでは詳細な説明を省略する。
【0117】
本出願の別の実施例で提供されるエアロゾル発生装置の構造模式図である
図9を参照する。
【0118】
本出願の別の実施例はエアロゾル発生装置をさらに提供し、その構造は、
図9に示すように、液体基質が貯蔵され、それを気化させてエアロゾルを発生させる霧化器100と、霧化器100に給電する電源アセンブリ200とを含む。
【0119】
選択的な一実施例において、例えば、
図9に示すように、電源アセンブリ200は、長さ方向の一端に設けられ、霧化器100の少なくとも一部を受け入れて収容するための受け入れキャビティ270を含み、霧化器100の少なくとも一部が電源アセンブリ200内に受け入れられて収容される場合に、霧化器100との電気接続が形成され、霧化器100に給電する。同時に、霧化器100は、交換及び独立した保管のために、受け入れキャビティ270から取り外し可能である。
【0120】
図9で提供されるエアロゾル発生装置における霧化器の構造模式図である
図10を参照する。
【0121】
霧化器100は、
液体基質を貯蔵するための液体貯蔵キャビティ12と、液体基質を吸収し、加熱して気化させてエアロゾルを発生させる加熱アセンブリ30とを含む。
【0122】
さらに具体的には、
図10は
図9中の霧化器100の一実施例の構造模式図を示し、その構造は、メインハウジング10、吸引ノズルA、煙送り出し管11、液体貯蔵キャビティ12、加熱アセンブリ30、霧化キャビティ22、及び電気接点21を含む。
吸引ノズルAは、メインハウジング10の上端に形成され、使用者がエアロゾルを吸入するために用いられる。
煙送り出し管11は、メインハウジング10の縦方向に沿って延在し、吸引ノズルAへエアロゾルを送り出すために用いられる。
液体貯蔵キャビティ12は、煙送り出し管11及びメインハウジング10の内壁により画定され、液体基質を貯蔵するために用いられる。
加熱アセンブリ30は、霧化器100の縦方向の上側に沿って液体貯蔵キャビティ12に流体連通し、
図10中の矢印R1に示すように、液体貯蔵キャビティ12の液体基質が加熱アセンブリ30に流れて吸収され、加熱アセンブリ30は、液体貯蔵キャビティ12とは反対側の霧化面310を有し、該霧化面310は液体基質を加熱して発生したエアロゾルを放出するために用いられる。
霧化キャビティ22は、霧化面310により画定され、放出されるエアロゾルを収容するために用いられ、且つ該霧化キャビティ22は、煙送り出し管11に気流連通し、エアロゾルを煙送り出し管11に送り出す。
電気接点21は、加熱アセンブリ30に給電するために用いられる。
【0123】
図10で提供される霧化器における加熱アセンブリの構造模式図である
図11を参照する。
【0124】
加熱アセンブリ30の具体的な構造は、多孔質体31及び抵抗加熱トラック32を含む。
いくつかの実施形態において、多孔質体31は、多孔質セラミック、多孔質ガラスセラミック、多孔質ガラス等の硬質毛細管構造で製造され得、実施において、多孔質体31の液体貯蔵キャビティ12とは反対側の平坦面は霧化面310として構成される。
いくつかの実施例において、抵抗加熱トラック32は、導電性の原料粉末と印刷助剤を混合して抵抗ペーストとした後に印刷してから焼結する方式で霧化面310に形成され、これにより、その表面の全部又は大部分が霧化面320に緊密に結合される。
【0125】
他の変形実施例において、多孔質体31はさらに、平板状、液体貯蔵キャビティ12に向かう上面に凹部を有する凹状、又は液体貯蔵キャビティ12の片側にアーチ構造を有するアーチ状等であってもよい。
【0126】
他の好ましい実施例において、抵抗加熱トラック32はパターニングされたトラックである。
【0127】
他の好ましい実施例において、抵抗加熱トラック32はプリント又は印刷されてなる。
【0128】
他の好ましい実施例において、抵抗加熱トラック32は平面形状である。
【0129】
他の好ましい実施例において、抵抗加熱トラック32は蛇行や迂回等して延在するトラックである。
【0130】
他の好ましい実施例において、抵抗加熱トラック32は約60~100μmの厚さを有する。
【0131】
組み立て後に、電気接点21は抵抗加熱トラック32の両端に当接されて導電接続を形成することで、抵抗加熱トラック32に給電する。ここで、該抵抗加熱トラック32は上記で紹介された導電セラミック材料で形成され得、ここでは詳細な説明を省略する。
【0132】
以上は本出願の実施形態に過ぎず、それによって本出願の特許範囲を限定するわけではない。本出願の明細書及び図面の内容を利用してなした等価構造又は等価フロー変換、あるいは他の関連技術分野への直接又は間接的な応用は、同じ理由でいずれも本出願の特許の保護範囲に含まれるものとする。
【国際調査報告】