(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-12
(54)【発明の名称】太陽電池アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0224 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
H01L31/04 262
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539318
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2022085154
(87)【国際公開番号】W WO2023126150
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523246639
【氏名又は名称】レック ソーラー プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スリダラ,シャンカー ガウリ
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ジョンフン
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA16
5F251FA06
5F251FA13
5F251FA15
5F251FA16
5F251FA17
5F251FA24
(57)【要約】
太陽電池アセンブリ(100)であって、太陽光発電素子及び導電性表面(111)を含む層状構造(102)と、長手方向に延在し、横方向に離隔して配置された複数の導電性素子(104a~104f)を含む電極アセンブリ(101)であって、複数の導電性素子が、第1の断面積を有する第1の導電性素子(104b)と、第1の断面積よりも大きい第2の断面積を有する第2の導電性素子(104a)と、を含み、電極アセンブリは、導電性素子が導電性表面とオーム接触するように層状構造の導電性表面上に配置されている、電極アセンブリ(101)と、を備える、太陽電池アセンブリ(100)。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池アセンブリであって、
太陽光発電素子及び導電性表面を有する層状構造と、
長手方向に延在し、横方向に離隔して配置された複数の導電性素子を有する、電極アセンブリであって、前記複数の導電性素子が、第1の断面積を有する第1の導電性素子と、前記第1の断面積よりも大きい第2の断面積を有する第2の導電性素子と、を有し、前記電極アセンブリは、前記導電性素子が前記導電性表面とオーム接触するように前記層状構造の前記導電性表面上に配置されている、前記電極アセンブリと、を備える、太陽電池アセンブリ。
【請求項2】
前記複数の導電性素子が、2つの最も外側の導電性素子と、前記2つの最も外側の導電性素子の間に配設された複数の中間導電性素子と、を含む、請求項1に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項3】
前記第2の導電性素子が、前記複数の導電性素子のうちの最も外側の導電性素子である、請求項2に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項4】
前記第1の導電性素子が、中間導電性素子である、請求項2又は3に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の断面積よりも大きい第3の断面積を有する第3の導電性素子を備える、請求項2~4のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項6】
前記第3の導電性素子が、前記複数の導電性素子のうちの最も外側の導電性素子である、請求項5に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項7】
前記2つの最も外側の導電性素子がそれぞれ、前記中間導電性素子のそれぞれの断面積よりも大きい断面積を有する、請求項2~6のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項8】
前記複数の導電性素子のうちの最も外側の導電性素子と、前記層状構造の隣接する端部と、の間の距離が、前記複数の導電性素子のうち2つの隣接する導電性素子の間の距離以上である、請求項2~7のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項9】
前記複数の導電性素子が均等に離隔して配置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の断面積が、0.03mm
2~0.07mm
2である、請求項1~9のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項11】
前記第2の断面積が、0.05mm
2~0.1mm
2である、請求項1~10のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項12】
前記第2の断面積が、前記第1の断面積よりも0.01mm
2~0.03mm
2大きい、請求項1~11のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項13】
各導電性素子が、円形の横方向断面形状を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項14】
前記電極アセンブリが、前記複数の導電性素子を前記層状構造の前記導電性表面上に保持するための絶縁性の光透過性フィルムを有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項15】
前記第2の導電性素子が、前記第1の導電性素子よりも大きい有効利用エリアを有し、有効利用エリアが、
第1のエリアの半分と第2のエリアの半分とを合計することによる中間導電性素子であって、前記第1のエリアが、前記中間導電性素子と第1の隣接する導電性素子との間のエリアとして定義され、前記第2のエリアが、前記中間導電性素子と第2の隣接する導電性素子との間のエリアとして定義される、中間導電性素子と、
第3のエリアの半分と第4のエリアとを合計することによる最も外側の導電性素子であって、前記第3のエリアが、前記最も外側の導電性素子と隣接する導電性素子との間のエリアとして定義され、前記第4のエリアが、前記最も外側の導電性素子と前記層状構造の隣接する端部との間のエリアとして定義される、最も外側の導電性素子と、について決定されている、請求項2に従属する場合の、請求項1~14のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項16】
太陽電池用の電極アセンブリであって、
絶縁性の光透過性フィルムと、
、長手方向に延在し、横方向に離隔して前記フィルムの表面上に配置された複数の導電性素子であって、前記複数の導電性素子が、第1の断面積を有する第1の導電性素子と、前記第1の断面積よりも大きい第2の断面積を有する第2の導電性素子と、を有する、前記導電性素子と、を備える、太陽電池用の電極アセンブリ。
【請求項17】
前記複数の導電性素子が、2つの最も外側の導電性素子と、前記2つの最も外側の導電性素子の間に配設された複数の中間導電性素子と、を含む、請求項16に記載の電極アセンブリ。
【請求項18】
前記第2の導電性素子が、最も外側の導電性素子である、請求項17に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項19】
前記第1の導電性素子が、中間導電性素子である、請求項17又は18に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項20】
前記複数の導電性素子のうちの最も外側の導電性素子と、前記フィルムの隣接する端部と、の間の距離が、前記複数の導電性素子の2つの隣接する導電性素子の間の距離以上である、請求項17~19のいずれか1項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項21】
前記導電性素子が均等に離隔して配置されている、請求項16~20のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項22】
前記第2の断面積が、前記第1の断面積よりも0.01mm
2~0.03mm
2大きい、請求項16~21のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項23】
各導電性素子が円形の横方向断面形状を有する、請求項16~22のいずれか一項に記載の太陽電池アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽電池用の電極アセンブリと、電極アセンブリを有する太陽電池と、に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光から電気エネルギーを提供するための太陽光モジュールは、典型的には、それぞれが半導体基板を有する太陽電池のアレイを備える。太陽電池は、旧来、各セルの前面及び後面上の複数のフィンガー電極を介して、セルの前側及び後ろ側に印刷された一連の幅広の垂直なバスバー電極に、電流が流れるように接続されている。バスバー電極から、電流は、各銅リボンがそれぞれのバスバー電極にはんだ付けされた一連の銅リボンに沿って、ジャンクションボックス(junction box)に流れる。
【0003】
太陽電池開発のための一般的な目的は、生産コストの削減に対する必要性とバランスのとれた高い変換効率を達成することである。これを達成するための努力は、太陽電池モジュールにおける太陽電池間の電極接続と、半導体基板の特性と、に焦点を当てている。
【0004】
例えば、膜(又は箔)上に配置された複数のワイヤによってバスバーが置き換えられている箔線(電極)アセンブリを有する構成が知られている。バスバーは、典型的には、断面が長方形である(太陽電池の前面に平行なより長い寸法を有する)。一方、箔線電極アセンブリのワイヤは、典型的には、断面が円形である。同じ断面積の場合、円形状は、長方形状ほどには光に対する遮りを呈さない。追加的に、円形の幾何学形状は、入射光が太陽電池から直接反射されることが少ないことを意味する。したがって、バスバーを複数のワイヤで置き換えることは、バスバーの存在によって引き起こされる遮光(shading)から生じる光学的損失を低減することができる。このことは、変換効率を増加させることができるが、太陽電池の効率を更に改善し、かつそれらの太陽電池の動作寿命にわたってその改善された効率を維持することが継続的して求められている。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様によれば、太陽電池アセンブリであって、
太陽光発電素子及び導電性表面(例えば、導電性外面)を有する層状構造と、
長手方向に延在し、横方向に離隔して配置された複数の導電性素子を有する、電極アセンブリであって、複数の導電性素子が、第1の断面積を有する第1の導電性素子と、第1の断面積よりも大きい第2の断面積を有する第2の導電性素子と、を含み、電極アセンブリは、導電性素子が導電性表面とオーム接触するように層状構造の導電性表面上に配置されている、電極アセンブリと、を備える、太陽電池アセンブリが提供される。
【0006】
導電性素子は、層状構造から集電する(例えば、層状構造上に配置されたフィンガー電極を介して)。概して、各導電性素子は、導電性素子の両側に沿って延在する導電性表面の領域から集電する。導電性素子によって引き出される電流は、この領域のサイズと、この領域が別の導電性素子によっても供給されるかどうかと、に依存する。したがって、例えば、2つの導電性素子の間に画定される領域では、電流のおよそ半分が各導電性素子によって引き出される。一方、導電性素子と導電性表面の端部とによって画定される領域では、電流の全てが、単一の最も外側の導電性素子によって引き出される。同じ理由で、導電性素子の間隔はまた、各導電性素子の必要とされる電流引き出しに影響する。例えば、導電性素子の間隔がより大きいと、各導電性素子がより大きいエリアを占め、各導電性素子によって引き出される必要がある電流の量を増加させることを意味する。
【0007】
異なる断面積の少なくとも2つの導電性素子を設けることにより、電流引き出しにおけるこれらの差に適応することができる。したがって、例えば、より大きい(第2の)導電性素子は、より多くの電流が引き出されることとなる場所に位置付けられてもよい。より小さい(第1の)導電性素子は、導電性素子によるより少ない電流の引き出しが必要とされる場所に位置付けられてもよい。このように(すなわち、導電性素子のサイズを電流引き出し要件にマッチさせるために)導電性素子を配置することによって、電力損失を最小限に抑えると同時に、導電性素子による遮光を最小限に抑えることができる。すなわち、異なる断面積の導電性素子を設けることにより、電極アセンブリの光電子特性を最適化するような導電性素子の配置が容易になる。
【0008】
不確かさを避けるために、「断面積」という用語は、その導電性素子の(長手方向の)延長線に垂直な平面内の導電性素子の断面の面積を表すために使用される。
【0009】
例えば「表面上で」というフレーズ中の、本明細書で使用される「上で」という用語は、例えば層、フィルム、又は領域などの、要素上の直接的及び間接的な配置の両方を包含することが意図されている。したがって、「表面上で」という用語は、1つ以上の介在する層が設けられるか、又は代替的に、介在する層が設けられない構成を包含する。対照的に、素子が別の素子の「直接上に」あるものとして言及される場合、介在する素子は、存在しない。したがって、第1の態様では、電極アセンブリは、導電性表面上に直接的に配置されても、間接的に配置されてもよい。
【0010】
「長手方向に」(導電性素子の方向によって定義される)及び「横方向に」という用語は、互いに実質的に垂直である方向を指す。
【0011】
本明細書で使用される「導電性の」及び「絶縁性の」という用語は、それぞれ、電気的に導電性である、及び電気的に絶縁性であることを意味することが明示的に意図されていることが理解される。これらの用語の意味は、本発明の技術的文脈、すなわち光起電力太陽電池デバイスの文脈を考慮すると、特に明らかである。
【0012】
次に、第1の態様の任意選択の機能について述べる。これらは、単独で、又は任意の態様との任意の組み合わせで適用可能である。
【0013】
上述したように、複数の導電性素子は、第2の導電性素子が層状構造の導電性表面から第1の導電性素子よりも多くの電流を引き出すように構成されてもよい。例えば、第2の導電性素子は、複数の導電性素子のうちの最も外側の導電性素子であってもよい。複数の導電性素子は、2つの最も外側の導電性素子と、2つの最も外側の導電性素子の間に配設された複数の中間導電性素子と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の導電性素子は、中間導電性素子であってもよい。
【0014】
上述したように、複数の導電性素子のうちの最も外側の導電性素子は、場合によっては、中間導電性素子よりも大きいエリアで機能し(すなわち、そこから電流を引き出し)てもよい(すなわち、最も外側の導電性素子が複数の導電性素子の間の間隔の半分よりも大きい距離だけ導電性表面の端部から離隔して配置されている場合)。これは、最も外側の導電性素子と導電性表面の隣接する端部との間の領域で引き出された電流の全てが最も外側の導電性素子を通過しなければならないからである(一方、2つの隣接する導電性素子の間の領域では、電流の半分のみが各導電性素子を通過する)。最も外側の導電性素子の断面積を増加させることは、最も外側の導電性素子がこのより大きい電流をより良好に収容することができることを意味し、このことは、(導電性素子のサイズが小さいことから結果として生じる)電力損失を最小限に抑えるのに役立つことができる。
【0015】
第2の導電性素子は、第1の導電性素子よりも大きい、有効利用エリア(effective served area)を有してもよい。中間導電性素子について、有効利用エリアは、第1のエリアの半分と第2のエリアの半分とを合計することによって決定されてもよい。第1のエリアは、中間導電性素子と第1の隣接する導電性素子との間のエリアとして定義されてもよく、第2のエリアは、中間導電性素子と第2の隣接する導電性素子との間のエリアとして定義されてもよい。最も外側の導電性素子について、有効利用エリアは、第3のエリアの半分と第4のエリアとを合計することによって決定されてもよい。第3のエリアは、最も外側の導電性素子と隣接する導電性素子との間のエリアとして定義されてもよく、第4のエリアは、最も外側の導電性素子と層状構造の隣接する端部との間のエリアとして定義されてもよい。
【0016】
不確かさを避けるために、第1、第2、第3、及び第4のエリアは、電極アセンブリが配置されている層状構造の表面(すなわち、導電性表面)のエリアである。更に、ワイヤ(例えば、2つのワイヤの間、又はワイヤと端部との間)によって少なくとも部分的に画定されるエリアへの言及は、ワイヤの中心軸まで延在するエリアへの言及である。
【0017】
不確かさを避けるために、本明細書で使用される場合、「隣接する」という用語は、「直接隣接する」又は「接触する」を意味しない。例えば、「隣接する導電性素子」という用語は、本明細書では、横方向において最も近い導電性素子(又は2つの最も近い導電性素子のうちの1つ)について説明するために使用される。同様に、「隣接する端部」という用語は、本明細書では、最も近い長手方向に延在する端部(すなわち、横方向において最も近い)について説明するために使用される。
【0018】
より大きい最も外側の導電性素子を設けることの更なる利点は、導電性素子を層状構造の端部(例えば、導電性表面の端部)からより大きい距離だけ離隔して配置できると同時に、(間隔の増加に起因して)導電性素子が機能するより大きい領域からの増加した集電に対応できることである。層状構造(例えば、導電性表面)の端部からのこの増加した間隔を設けることによって、層状構造(例えば、導電性表面)の端部に導電性素子がないより大きい領域が存在する。このより大きい導電性素子フリー領域は、例えばフィルム(存在する場合)と太陽電池との間を、より良好に接着することができる(この領域のサイズの増加は、フィルムと太陽電池との間の接触面積をより大きくするため)。したがって、存在する場合、フィルム(及び結果として、導電性素子)を、太陽電池上により堅固に保持することができる。
【0019】
より一般には、より大きい導電性素子を使用することにより(この導電性素子が最も外側のワイヤであるかどうかにかかわらず)、導電性素子と導電性表面との間の接触面積がより大きくなり、導電性素子と導電性表面との間の接触を改善(及び接着をより良好に)することができる。
【0020】
第1の導電性素子は、中間導電性素子であってもよい。代替的に、第1の導電性素子は、最も外側の導電性素子であってもよい。このことは、例えば、最も外側の導電性素子が、中間導電性素子よりも小さいエリアを利用に供するために、導電性表面の端部又は端部の近くに配設される場合に望ましいことがある。第1の導電性素子は、第2の導電性素子に隣接してもよい。
【0021】
複数の導電性素子は、第3の導電性素子を含んでもよく、第3の導電性素子は、第3の断面積を有してもよい。第3の断面積は、第1の断面積よりも大きくてもよい。第3の断面積は、第2の断面積と同じであってもよい。したがって、第2及び第3の導電性素子は、同じ断面積を有してもよい。第3の導電性素子は、複数の導電性素子のうちの最も外側の導電性素子であってもよい(すなわち、第2及び第3の導電性素子は、複数の導電性素子のうちの2つの最も外側の導電性素子を規定してもよい)。
【0022】
したがって、複数の導電性素子のうちの2つの最も外側の導電性素子(例えば、第2及び第3の導電性素子)はそれぞれ、少なくとも1つの中間導電性素子(例えば、第1の導電性素子)よりも大きい断面積を有してもよい。複数の導電性素子のうちの2つの最も外側の導電性素子はそれぞれ、複数の中間導電性素子よりも大きい断面積を有してもよい。いくつかの実施形態では、複数の導電性素子のうちの2つの最も外側の導電性素子はそれぞれ、中間導電性素子のそれぞれの断面積よりも大きい断面積を有してもよい(すなわち、最も外側の導電性素子は、中間導電性素子の全てよりも大きくてもよい)。
【0023】
いくつかの実施形態では、中間導電性素子の全て(又は実質的に全て)は、同じ断面積(例えば、第1の断面積)を有してもよい。
【0024】
複数の導電性素子は、均等に離隔して配置され(すなわち、等間隔で離隔して配置され)てもよい。すなわち、複数の導電性素子における導電性素子の各隣接する対の間に一定の間隔が存在してもよい。複数の導電性素子は、代替的に、不均等に離隔して配置されてもよい。すなわち、隣接する導電性素子の少なくとも1つの対の間の横方向の間隔は、隣接する導電性素子の別の対の間の横方向の間隔よりも大きくてもよい。導電性素子の第1の対が(複数の導電性素子のうちの)導電性素子の第2の対よりも導電性素子間の間隔が大きい場合、導電性素子の第1の対は、第2の導電性素子を含んでもよく、導電性素子の第2の対は、第1の導電性素子を含んでもよい。
【0025】
複数の導電性素子は、互いに実質的に平行であってもよい。
【0026】
導電性素子の形状(上記で説明したような断面積に加えて)は、電極アセンブリの光電子特性、すなわち、それらの集電特性及び遮光特性を最適化するように選択されてもよい。
【0027】
各導電性素子は、円形の断面形状、すなわち、導電性素子の軸方向の長さを横断する形状を有してもよい。代替的に、各導電性素子は、例えば、長方形又は三角形の形状を有する、異なる横方向断面形状を有してもよい。代替的に、各導電性素子は、楕円形、長円形(すなわち、レースコース(racecourse)形状)、又は不規則な横方向断面形状を有してもよい。
【0028】
各導電性素子は、導電性金属又は金属合金を含んでもよい。導電性素子のそれぞれは、低融点、すなわち導電性素子のコアを形成する導電性金属/金属合金の融点よりも低い融点を有する合金を含む、合金コーティングでコーティングされてもよい。各導電性素子は、合金コーティングに完全にコーティングされてもよいし、太陽電池の層状構造に面する1つ以上の側(層状構造上に配置された場合)で少なくとも部分的にコーティングされてもよい。
【0029】
各導電性素子は、導電性素子の長さに沿って実質的に一定の断面積を有してもよい。各導電性素子は、導電性素子の長さに沿って実質的に一定の断面形状を有してもよい。
【0030】
第1の導電性素子及び/又は各中間導電性素子は、第1の直径を有してもよい。第1の直径は、200μm~300μm、又は例えば225μm~275μm、又は約250μmであってもよい。第1の断面積は、0.03mm2~0.07mm2、又は例えば0.04mm2~0.06mm2、又は約0.05mm2であってもよい。
【0031】
第2の導電性素子及び/又は第3の導電性素子は、第2の直径を有してもよい。第2の直径は、250μm~350μm、又は例えば275μm~325μm、又は約300μmであってもよい。第2の断面積は、0.05mm2~0.10mm2、又は例えば0.06mm2~0.08mm2、又は約0.07mm2であってもよい。
【0032】
第2の直径は、第1の直径よりも30μm~70μm大きくてもよい。第2の直径は、第1の直径よりも約50μm大きくてもよい。
【0033】
第2の断面積は、第1の断面積よりも0.01mm2~0.03mm2大きくてもよい。第2の断面積は、第1の断面積よりも約0.02mm2大きくてもよい。
【0034】
第2の断面積は、第1の断面積よりも30%~60%大きくてもよい。第2の断面積は、第1の断面積よりも約45%大きくてもよい。
【0035】
第1の距離は、複数の導電性素子のうちの2つの隣接する導電性素子(例えば、第1の導電性素子及び隣接する導電性素子)の間で定義されてもよい。導電性素子が均等に離隔されている場合、第1の距離は、導電性素子のそれぞれの間の(均等な)間隔を表してもよい(すなわち、各導電性素子は、隣接する導電性素子から第1の距離だけ離隔されてもよい)。
【0036】
第1の距離は、8mm~10mm、又は8.5mm~10mm、又は9mm~9.5mm、又は約9.3mmであってもよい。
【0037】
不正確さを避けるために、本明細書における導電性素子及び/又は端部の間の距離及び/又は間隔への言及は、横方向の距離/間隔と解釈される(すなわち、導電性素子の軸方向の延長線に垂直な方向)と解釈されるものとする。更に、1つ以上の導電性素子を伴う(横方向の)距離は、導電性素子の中心軸から計測されるものとする。例として、2つの隣接する導電性素子の間の距離への言及は、一方の導電性素子の中心軸と、他方の隣接する導電性素子の中心軸と、の間の距離である。第2の例として、導電性素子と(フィルム又は層状構造の)端部との間の距離への言及は、導電性素子の中心軸と端部との間の横方向の距離への言及である。理解されるように、この第2の例では、導電性素子の中心軸は、端部が一部を形成する構成要素(例えば、フィルム又は層状構造)の表面から離隔されて(例えば、上方で)もよい。そのような場合、そのような距離への言及は、中心軸と端部との間の距離の横方向成分への言及であることを強調する(すなわち、距離は、表面に平行に測定されるものとする)。
【0038】
複数の導電性素子のうちの最も外側の導電性素子と、層状構造の隣接する端部(例えば、導電性表面の端部)と、の間の距離は、複数の導電性素子のうちの2つの隣接する導電性素子の間の距離以上であってもよい。換言すると、電極アセンブリは、複数の導電性素子のうちの最も外側の導電性素子(例えば、第2の導電性素子)と、電極アセンブリが配置されている層状構造の導電性表面の隣接する(長手方向の)端部と、の間で第2の(横方向の)距離が定義されるように、導電性表面上に配置されてもよい。第2の距離は、第1の距離以上であってもよい。すなわち、最も外側の導電性素子は、複数の導電性素子のうちの2つの隣接する導電性素子の間の距離よりも長い距離だけ、層状構造の隣接する端部から離隔されてもよい。
【0039】
第1の距離は、第2の距離を部分的に定義する最も外側の導電性素子(例えば、第2の導電性素子)と、この最も外側の導電性素子に隣接する導電性素子(例えば、第1の導電性素子)と、の間で定義されてもよい。
【0040】
すでに上述したように、太陽電池アセンブリの端部からの導電性素子の距離を最大化することは、導電性素子を太陽電池アセンブリに固定するための手段(フィルムなど)を接着するための導電性素子フリーのエリアがより大きくなるという点で有利である。より大きい最も外側の導電性素子は、そのような距離の確保から結果として生じるより大きいエリアから電荷を(最小限の電力損失で)引き出すのに十分な容量があることを保証することによって、そのような距離の確保を可能にすることができる。
【0041】
他の実施形態では、第2の距離は、第1の距離よりも小さくてもよい(例えば、第1の距離のおよそ半分であってもよい)。
【0042】
第3の(横方向の)距離は、2つの最も外側の導電性素子(例えば、第3の導電性素子)の他方と、層状構造の隣接する端部(例えば、導電性表面の隣接する端部)と、の間で定義されてもよい。第3の距離は、第2の距離と同じであってもよい。この点で、複数の導電性素子は、層状構造の対向する(長手方向に延在する)端部と、隣接する最も外側の導電性素子と、の間の間隔が導電性素子間の間隔自体よりも大きいように、層状構造上に配置されてもよい。
【0043】
第2及び/又は第3の距離は、10mm~13mm、又は11mm~12mm、又は11mm~11.5mm、又は約11.25mmであってもよい。
【0044】
電極アセンブリは、絶縁性の光透過性フィルムを有してもよい。フィルムは、導電性素子の上に積層(overlie)されてもよい(すなわち、導電性素子は、フィルムと導電性表面との間に設けられてもよい)。フィルム(箔とも称される)は、導電性表面上への取り付け中に導電性素子を導電性素子の離隔された配置に維持するための手段を提供してもよい。フィルムは、層状構造の表面上に電極アセンブリを保持する(それによって、導電性素子と導電性表面との間のオーム接触を維持する)ように構成されてもよい。電極アセンブリは、電極アセンブリがそのようなフィルムを有する場合(及び導電性素子がワイヤの形態である場合)、箔(又はフィルム)及びワイヤアセンブリと称することができる。
【0045】
複数の導電性素子のうちの最も外側の導電性素子と、フィルムの隣接する端部と、の間の距離は、複数の導電性素子のうちの2つの隣接する導電性素子の間の距離以上であってもよい。すなわち、複数の導電性素子は、第1の距離以上である第4の(横方向の)距離が、複数の導電性素子のうちの最も外側の導電性素子(例えば、第2の導電性素子)と、フィルムの隣接する(長手方向の)端部と、の間で定義されるように配置されてもよい。
【0046】
第1の距離以上である第5の(横方向の)距離は、2つの最も外側の導電性素子(例えば、第3の導電性素子)の他方と、フィルムの隣接する端部と、の間で定義されてもよい。第5の距離は、第4の距離と同じであってもよい。
【0047】
この点で、複数の導電性素子は、フィルムの対向する長手方向の端部と、隣接する最も外側の導電性素子と、の間の間隔が、導電性素子の間の間隔よりも大きいように配置されてもよい。
【0048】
第4及び/又は第5の距離は、10mm~13mm、又は11mm~12mm、又は11mm~11.5mm、又は約11.25mmであってもよい。
【0049】
第1、第2、第3、第4、及び第5の距離のそれぞれは、同じ横方向に延在する軸に沿って計測されてもよい。
【0050】
すでに上述したように、フィルムの端部から導電性素子までの距離を最大化することは、フィルムの端部と太陽電池との接着のためのより大きい導電性素子フリーエリアを提供するという点で有益である(このことは、導電性素子のサイズを変更することによって達成されてもよい)。
【0051】
上述のように、フィルムは、太陽電池の層状構造上に導電性素子を保持するように構成されてもよい。導電性素子は、フィルムに取り付けられ(例えば、接着され)てもよい。導電性素子は、各導電性素子の表面がフィルムの表面から突出するように、フィルムに部分的に埋め込まれてもよい。代替的に、導電性素子は、フィルムに完全に埋め込まれていてもよい。
【0052】
導電性素子のそれぞれは、ワイヤ又はワイヤ部分などの細長い形状を有してもよい(が、他の実施形態では、導電性素子は、例えばバスバーであってもよい)。各導電性素子は、連続的であってもよく(すなわち、途切れることなく)、フィルムの大部分を横切って(例えば、実質的に完全に横切って)延在してもよい。各導電性素子は、実質的に、途切れずにフィルムの一方の端部からフィルムの反対側の端部まで、延在してもよい。各導電性素子は、フィルムの端部のうちの少なくとも1つを超えて延在してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書における導電性素子への言及は、層状構造の表面上に配置されたそれらの導電性素子の部分のみへの言及である場合がある。
【0053】
フィルムは、長方形であってもよい。フィルムは、長い寸法及び短い寸法を有してもよい。導電性素子は、短い寸法の方向に延在してもよい(すなわち、長手方向が、短い寸法の方向であってもよい)。したがって、そのような実施形態では、横方向は、長い寸法の方向であってもよい。代替的に、導電性素子は、長い方向の方向に延在してもよく、横方向は、短い寸法の方向であってもよい。
【0054】
フィルムは、高い延性、良好な絶縁特性、光透過性及び熱安定性、収縮に対する耐性を有するポリマー材料を含んでもよい。例示的なポリマー材料としては、酢酸塩、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルホン、レーヨン、ポリオレフィン、プラスチレン、レイオネクスト(rayonext)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフッ化ビニルフィルム、及び変性エチレンテトラフルオロエチレンなどを挙げることができる。
【0055】
フィルムの表面(すなわち、導電性素子に面する)は、透明シール層(例えば、接着層)でコーティングされてもよい。シール層は、室温で非接着状態にあるように構成されてもよく、加熱されると(すなわち、室温を上回る温度に)接着状態に移行するように構成されてもよい。したがって、太陽電池の製造中に、フィルムは、シール層が軟化して、力の印加に起因して導電性素子へのフィルムの接着を可能にするように、加熱されてもよい。このようにして、導電性素子は、シール層に少なくとも部分的に埋め込まれてもよい。追加的又は代替的に、フィルム(例えば、太陽電池に接触するように構成されたフィルムの一部分又は表面)は、室温で非接着状態にあるように構成されてもよく、加熱されると(すなわち、室温を上回る温度に)接着状態に移行するように構成されてもよい。したがって、太陽電池の製造中に、フィルムは、加熱され、軟化して、力の印加に起因して導電性素子へのフィルムの接着を可能にしてもよい。このようにして、導電性素子は、フィルムに少なくとも部分的に埋め込まれてもよい。この実施形態では、シール層は、存在しなくてもよい。
【0056】
導電性表面は、複数のフィンガー電極(例えば、導電性素子/部材)を有してもよい。各フィンガー電極は、細長くてもよく、実質的に横方向に延在してもよい。(電極アセンブリの)導電性素子は、複数のフィンガー電極を横切って長手方向に延在してもよい。この点で、フィンガー電極は、導電性素子に実質的に垂直であってもよい。
【0057】
フィンガー電極は、印刷された導電性材料を含んでもよい。印刷された導電性材料は、層状構造の表面上への微細な(すなわち、狭い幅及び小さい深さ)フィンガー電極の形成を可能にしてもよい。
【0058】
フィンガー電極は、導電性表面全体にわたって実質的に均等に分布してもよい。したがって、例えば、最も外側の導電性素子と導電性表面の端部との間の領域は、2つの隣接する導電性素子の間の領域と同じ数のフィンガー電極を有してもよい。換言すると、導電性表面に、余剰ライン(導電性素子に平行である導電性表面の対向する長手方向の端部の一方又は両方から延在する)がなくてもよい。
【0059】
1つ以上のより大きい最も外側の導電性素子の存在により、そのような配置を容易に提供することができる。端部における領域がそれぞれ1つの導電性素子によって利用されるのみであるため、余剰ラインは、典型的には、発生する損失を低減するために、太陽電池の端部に設けられる。より低い抵抗を有する、最も外側の導電性素子をより大きくすることにより、場合によっては、太陽電池アセンブリの効率を損なうことなく余剰ラインを除去できる。これは、(余剰ラインによって引き起こされる遮光の低減から結果として生じる)より大きい最も外側の導電性素子のより低い電力損失と、最も外側の領域におけるより高い電流と、が、余剰ラインの除去のいかなる悪影響をも相殺できるからである。
【0060】
層状構造は、使用中に光が入射する前面(例えば、最前面)と、前面の反対側の後面(例えば、最後面)と、を有してもよい。
【0061】
導電性表面は、層状構造の前面(光入射面)であってもよい。したがって、電極アセンブリは、層状構造の前面上(すなわち、導電性表面のフィンガー電極上)に配置されてもよく、導電性素子は、層状構造の前面を横切って(すなわち、フィンガー電極を横切って)延在してもよい。そのような電極アセンブリは、前部電極アセンブリと称される場合がある。
【0062】
他の実施形態では、導電性表面は、層状構造の後面であってもよい。したがって、電極アセンブリは、層状構造の後面上に配置されてもよく、導電性素子は、層状構造の後面を横切って(すなわち、導電性表面のフィンガー電極上に)延在してもよい。そのような電極アセンブリは、後部電極アセンブリと称される場合がある。
【0063】
太陽電池アセンブリは、前部電極アセンブリ及び後部電極アセンブリの両方を備えてもよい(かつ層状構造は、前導電性表面及び後導電性表面の両方を有してもよい)。
【0064】
層状構造は、太陽光発電素子を有する複数の層を有してもよい。太陽光発電素子は、半導体材料を含んでもよい。したがって、太陽光発電素子は、半導体基板であってもよい。半導体基板は、結晶シリコン(例えば、単結晶シリコンウェハ)から形成されてもよい。基板は、第1の導電型(例えば、n型)で構成されてもよく、層状構造は、第1の導電型とは逆である第2の導電型(例えば、p型)で構成されており、したがって、基板とp-n接合を形成するコレクタ層を有してもよい。そのような構成によれば、コレクタ層は、太陽電池の少数電荷キャリアコレクタ層(例えば、正孔コレクタ層)を画定してもよい。
【0065】
太陽電池の動作中、複数の電子正孔対が、基板に入射する光によって生成される。基板がn型であり、かつ少数電荷キャリアコレクタ層がp型(例えば、正孔コレクタ層)である場合、分離された正孔及び電子は、それぞれ、p型正孔コレクタ層及びn型基板に移動する。したがって、正孔は、p型正孔コレクタ層内の多数電荷キャリアとして動作し、電子は、n型基板内の多数電荷キャリアとして動作する。
【0066】
代替的な構成によれば、基板は、p型であってもよく、少数電荷キャリアコレクタ層は、n型(例えば、電子コレクタ層)であってもよく、したがって、基板とp-n接合部を形成する。この事例では、分離された電子及び正孔は、それぞれ、n型電子コレクタ層及びp型基板に移動する。
【0067】
コレクタ層は、基板の導電型と同じである第1の導電型(例えば、n型)で構成された多数電荷キャリアコレクタ層を画定してもよい。例えば、基板及び多数電荷キャリアコレクタ層の両方は、n型であってもよく、これにより、多数電荷キャリアコレクタ層は、電子コレクタ層を画定する。したがって、多数電荷キャリアコレクタ層は、基板から電荷キャリアを選択的にスクリーニングするか、又は引き出すように構成されてもよい。したがって、太陽電池が使用されているとき、基板に入射する光によって生成された電子は、電子コレクタ層に集められ、これらの電子は、多数電荷キャリアとして動作する。
【0068】
コレクタ層は、基板の第1の表面上に配置されてもよい。太陽電池の層状構造は、第1の表面の反対側の基板の第2の表面上に配置された第2のコレクタ層(例えば、バックフィールド層)を更に有してもよい。第1及び第2の表面は、それぞれ、基板の前面及び背面(又は後面)を画定してもよい。太陽電池の層状構造は、基板とそれぞれの第1及び第2のコレクタ層との間に配置されたパッシベーション層を更に有してもよい。
【0069】
例示的な構成によれば、基板は、p型単結晶シリコンウェハと比較して、より長い寿命特性を呈するn型単結晶シリコンウェハから形成されてもよい。前部コレクタ層は、n型になるように少なくとも部分的にドープされた非晶質材料(例えば、非晶質シリコン)を含んでもよい。背部コレクタ層は、p型になるように少なくとも部分的にドープされた非晶質材料(例えば、非晶質シリコン)を含んでもよい。他の実施形態では、背部コレクタ層は、n型であるように少なくとも部分的にドープされてもよく、前部コレクタ層は、p型であるように少なくとも部分的にドープされてもよい。
【0070】
そのような構成は、ヘテロ接合技術(HJT)タイプの太陽電池の形成に寄与することができ、これは、2つの異なる材料を組み合わせて電荷分離p-n接合部(a charge separating p-n junction)を作成するためにそのように定義される。代替的に、太陽電池は、多接合(例えば、タンデム)太陽電池を有してもよく、これは、2つ以上の電荷分離接合部及び2つ以上の電荷生成光子吸収層を有するためにそのように定義される。もちろん、層状構造は、他の形態であってもよい(例えば、太陽電池アセンブリは、ヘテロ接合太陽電池でなくてもよい)。
【0071】
電極アセンブリは、コレクタ層が電極アセンブリと基板との間に介在するように配置されてもよい。
【0072】
コレクタ層が基板の背(例えば、最背)面上に配置されている場合、電極アセンブリは、層状構造の背面上に配置されて、太陽電池の背部電極を画定してもよい。コレクタ層が基板の前(例えば、最前)面上に配置されている場合、電極アセンブリは、層状構造の前面上に配置されて、太陽電池の前部電極を画定してもよい。太陽電池は、前部層状構造の前面上に配置された前部電極アセンブリと、背部層状構造の背面上に配置された背部電極アセンブリと、を有してもよい。
【0073】
半導体基板は、結晶シリコン(c-Si)を含んでもよい。半導体基板がn型半導体である場合、半導体材料は、リン(P)、ヒ素(As)、及びアンチモン(Sb)などのV族元素の不純物を含有するように構成されてもよい。半導体材料がp型半導体材料である場合、半導体材料は、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、及びインジウム(In)などのIII族元素の不純物を含有してもよい。代替的に、半導体材料は、シリコン以外の材料で形成されてもよい。
【0074】
層状構造の表面、例えば前面は、不均一な表面、又は不均一な特性を有する表面を形成するようにテクスチャ加工されてもよい。この場合、層状構造のテクスチャ加工された表面によって、層状構造に入射する光の量が増加し、したがって、太陽電池の効率を改善することができる。
【0075】
層状構造は、層状構造の前面及び/又は後面に配置された反射防止層又はコーティングを更に有してもよい。反射防止層は、単層構造又は多層構造を有してもよい。反射防止層は、窒化ケイ素(SiNx)及び/又は酸化ケイ素(SiOx)から形成されてもよい。代替的に、反射防止層は、反射防止表面を提供するようにテクスチャ加工されたインジウム酸化スズ(ITO)などの透明導電性酸化物(TCO)から形成されてもよい。反射防止層は、効果的に、太陽電池に入射する光の反射率を低下させ、所定の波長帯域の選択性を高め、それによって、太陽電池の効率を増加させることができる。
【0076】
第2の態様では、それぞれ第1の態様に従って、複数の太陽電池アセンブリを備える太陽光モジュールが提供される。太陽電池アセンブリは、互いに電気的に結合されてもよい。
【0077】
複数の太陽電池アセンブリは、第1及び第2の太陽電池アセンブリを含んでもよく、第1の太陽電池アセンブリの導電性ワイヤは、第2の太陽電池アセンブリの導電性素子に電気的に結合されている。したがって、複数の導電性素子は、太陽電池モジュール内の2つ以上の太陽電池アセンブリの間の電気的接続を形成してもよい。
【0078】
複数の導電性素子は、電気的に結合された導電性素子の対を含んでもよく、各対は、第1の太陽電池アセンブリの一部を形成する第1の導電性素子と、第2の太陽電池アセンブリの一部を形成する第2の導電性素子と、を有する。第1及び第2の導電性素子は、第3の導電性素子(例えば、銅リボン)によって互いに電気的に結合されて、第1及び第2の導電性素子の間に電流が流れることを可能にしてもよい。第3の導電性素子は、第1及び第2の導電性素子に実質的に平行又は実質的に垂直であってもよい。
【0079】
第1、第2、及び第3の導電性素子は、一体的に形成されて、単一の一体的に形成された要素(例えば、ワイヤ)を形成してもよい。このように導電性素子を構成することで、隣接する太陽電池間に別個の接続(銅リボンなど)を設ける必要がなくなり、それによって、太陽電池アセンブリを製作するために必要な製造ステップの数と複雑さが軽減される。
【0080】
代替的に、第1及び第2の導電性素子(及び存在する場合に、第3の導電性素子)は、別個に形成されているが、互いに電気的に結合されていてもよい。
【0081】
第1の導電性素子は、第1の太陽電池アセンブリの層状構造の導電性前面に接触してもよく、第2の導電性素子は、第2の太陽電池アセンブリの導電性後面に接触してもよい。したがって、存在する場合に、第3の導電性素子は、第1の太陽電池アセンブリの層状構造の前面から第2の太陽電池アセンブリの層状構造の後面まで延在してもよい。
【0082】
上述したように、各太陽電池アセンブリの電極アセンブリは、フィルムを備える。導電性素子は、これらのフィルムと、対応するソーラーアセンブリのそれぞれの導電性表面と、の間に受容されている。1つの太陽電池アセンブリのフィルムは、別の太陽電池アセンブリのフィルムから分離されてもよい。したがって、各第1の導電性素子は、第1のフィルムと、第1の太陽電池アセンブリの層状構造の前面と、の間に受容されてもよく、各第2の導電性素子は、第2のフィルムと、第2の太陽電池アセンブリの層状構造の後面と、の間に受容されてもよい。各第3の導電性素子は、第1のフィルムと第2のフィルムとの間に延在してもよい(すなわち、第1及び第2のフィルムのいずれにも取り付けられなくてもよい/受容されなくてもよい)。
【0083】
理解されるように、第2の太陽電池アセンブリは、同様の様態で第3の太陽電池アセンブリに結合されてもよい(すなわち、導電性素子は、第2の太陽電池アセンブリの層状構造の導電性前面から第3の太陽電池アセンブリの層状構造の導電性後面まで延在する)。このようにして、結合された太陽電池アセンブリの列又はストリングが形成されてもよい。
【0084】
第3の態様では、太陽電池用の電極アセンブリであって、電極アセンブリは、
絶縁性の光透過性フィルムと、
長手方向に延在し、横方向に離隔してフィルムの表面上に配置された複数の導電性素子であって、複数の導電性素子が、第1の断面積を有する第1の導電性素子と、第1の断面積よりも大きい第2の断面積を有する第2の導電性素子と、を含む、導電性素子と、を備える、太陽電池用の電極アセンブリが提供される。
【0085】
第3の態様の電極アセンブリは、第1の態様に関して上述した電極アセンブリと同じであってもよい(第1の態様の1つ以上の任意選択の機能のうちの1つ以上を有してもよい)。したがって、フィルムは、第1の態様に関して上述したものであってもよく、同様に、複数の導電性素子(それらの構成を含む)は、第1の態様に関して上述したものであってもよい。
【0086】
当業者は、相互に排他的な場合を除き、上記の態様のいずれか1つに関連して記載された特徴又はパラメータが任意の他の態様に適用できることを理解できる。更に、相互に排他的である場合を除き、本明細書に記載される任意の特徴又はパラメータは、任意の態様に適用でき、及び/又は本明細書に記載される任意の他の特徴又はパラメータと組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
次に、図面を参照しながら、実施形態を例としてのみ説明する。
【0088】
【
図2】
図1Aの太陽電池の層状構造を例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0089】
次に、本開示の態様及び実施形態を、添付図面を参照して説明する。更なる態様及び実施形態は、当業者には明らかである。
【0090】
図1A及び1Bは、太陽光発電素子(図示せず)及び導電性前面111及び導電性後面を有する層状構造102の前側及び後ろ側にそれぞれ配置された前部電極アセンブリ101及び後部電極アセンブリ101’を有する太陽電池アセンブリ100を示している。簡潔さのために、前部電極アセンブリ101のみが以下で説明されるが、説明が後部電極アセンブリ101’に等しく適用されることを理解されたい(その理由で、同様の参照番号を使用して、後部電極アセンブリ101’を標記している)。
【0091】
前部電極アセンブリ101は、電気絶縁性の光透過性フィルム103と、フィルム103の表面上にワイヤ104a~104fの形態で横方向に離隔して配置された複数の導電性素子と、を有する。以下に更に記載するように、電極アセンブリ101は、(太陽電池アセンブリ100に入射する光に応答して)層状構造102の太陽光発電素子によって生成された電流を引き出すために、太陽電池アセンブリ100の層状構造102の導電性前面111上に配置されるように構成されている。
【0092】
複数のワイヤ104a~104fのそれぞれは、円形断面形状を有する(
図1Bに示されるように)。複数のワイヤ104a~104fはまた、均等に離隔して配置され、互いに平行であり、長手方向(
図1における垂直方向)に延在する。6つのワイヤ104a~104fのみが示されているが、明確さのために、いくつかの(中間の)ワイヤが図から省略されていることを理解されたい。複数のワイヤ104a~104fのうちの第1のワイヤ104bは、第1の断面積を有し、複数のワイヤ104a~104fのうちの第2のワイヤ104aは、第1の断面積よりも大きい第2の断面積を有する(すなわち、第2のワイヤ104aは、第1のワイヤ104bよりも大きい直径を有する)。重ねて、このことは、
図1Bから特に明らかである。第1のワイヤ104bは、250μmの直径を有し、第2のワイヤ104aは、300μmの直径を有する。
【0093】
より大きい断面積を有する第2のワイヤ104aは、複数のワイヤ104a~104fのうちの2つの最も外側のワイヤのうちの一方(他方は、第3のワイヤ104fである)である。図示されていないが、これらのワイヤ104a~104fは、ワイヤ104a~104fに対して垂直に延在する、層状構造の導電性前面111の複数のフィンガー電極上に配置されている。フィンガー電極は、表面全体にわたって均等に分布し、ワイヤ104a~104fによる太陽電池アセンブリ100からの電流の引き出しのために、層状構造102からワイヤ104a~104fに電流を伝達する。一般に、複数のワイヤ104a~104fのうち特定のワイヤによって引き出される電流の量は、そのワイヤの、任意の隣接するワイヤ、及び/又は層状構造102の隣接する端部への近接度に依存する。
【0094】
したがって、図から明らかなように、第2のワイヤ104aは、第1のワイヤ104bよりも多くの電流を引き出すことが必要とされる。これは、第2のワイヤ104aが複数のワイヤ104a~104fのうちの最も外側のワイヤであるためであり、このことは、第2のワイヤ104aと、層状構造の隣接する長手方向端部105aと、の間の領域で生成された電流の全てが第2のワイヤ104aによってのみ引き出されることを意味する。このことは、2つの他の隣接するワイヤ(第2のワイヤ104a及び第4のワイヤ104c)の間にある第1のワイヤ104bとは対照的であり、第1のワイヤ104bのいずれの側の領域からの電流の引き出しも、隣接するワイヤ104a、104cと共有されるようになっている。
【0095】
特に、第2のワイヤ104aは、第1のワイヤ104bよりも大きい有効利用エリアを有する。第1のワイヤ104bの有効利用エリアは、第1のエリア117aの半分と第2のエリア117bの半分とを合計することによって決定される。第1のエリア117aは、第1のワイヤ104bと第2のワイヤ104aとの間に画定され、第2のエリア117bは、第1のワイヤ104bと第4のワイヤ104cとの間に画定される。第2のワイヤ104bの有効利用エリアは、第1のエリア117aの半分と第3のエリア117cとを合計することによって決定される。第3のエリア117cは、第2のワイヤ104aと、層状構造102の隣接する端部105aと、の間に画定される。例示の目的で、第1のエリア117a、第2のエリア117b、及び第3のエリア117cを示す破線は、ワイヤ/端部104a、104b、104cから挿入されているが、これらのエリア117a、117b、117cは、ワイヤ/端部104a、104b、105aの間の領域全体にわたって延在することを理解されたい。
【0096】
第2のワイヤ104aのより大きい断面積は、例えば、第2のワイヤが利用に供するエリアに対して第2のワイヤがサイズ不足である(例えば、第1のワイヤ104bと同じ断面積を有する)とする場合に生じるであろう電力損失を最小限に抑えるのに役立つ。
【0097】
上述したように、複数のワイヤ104a~104fはまた、複数のワイヤ104a~104fのうちの第2の最も外側のワイヤであり、第2のワイヤ104aとは複数のワイヤ104a~104fの反対側に配設されている第3のワイヤ104fを有する。第3のワイヤ104fは、第2のワイヤ104aと同じ直径(300μm)を有し、したがって同じ断面積を有する。
【0098】
複数のワイヤ104a~104fは、最も外側のワイヤ104a、104fの間に配設された複数の中間ワイヤ104b~104eを有する。第1のワイヤ104bは、これらの中間ワイヤ104b~104eのうちの1つである。
図1Bから明らかなように、中間ワイヤ104b~104eのそれぞれは、第1のワイヤ104bと同じ直径を有する(これにより、各中間ワイヤ104b~104eは、第1の断面積を有する)。中間ワイヤ104b~104eのそれぞれは、2つの最も外側のワイヤ104a、104fのそれぞれよりも(電流引き出しに関して)小さい面積を利用に供する。この点で、ワイヤ104a~104fの直径(したがって、断面積)は、これらのワイヤが利用に供することを必要とされるそれぞれのエリア(したがって、これらのワイヤが引き出すことを必要とされる電流の大きさ)に対応する。これにより、電力損失(ワイヤのサイズ不足に起因する)及び遮光(ワイヤのサイズ過大に起因する)の両方が最小限に抑えられることが確実になる。
【0099】
電力損失を最小限に抑えることに加えて、第2のワイヤ104a及び第3のワイヤ104fを大きくすることによりは、フィルム103と層状構造102の表面との間の接着を良好にすることができる。次に、このことについてより詳細に記載する。
【0100】
図から明らかなように、ワイヤ104a~104f間の間隔を表す第1の距離Aは、第2のワイヤ104aと、層状構造102の隣接する端部105aと、の間で定義される第2の距離Bよりも短い。同様に、第1の距離Aはまた、第3のワイヤ104f及び層状構造102の隣接する端部105bによって定義される第3の距離Cよりも短い。例示される実施形態では、フィルム103は、層状構造102と同じ幅及び長さの寸法を有する。したがって、第2の距離Bは、第2のワイヤ104aと、フィルム103の隣接する端部106aと、の間で定義される第4の距離Dと同じである。同様に、第3の距離Cは、第3のワイヤ104fと、フィルム103の隣接する端部106bと、の間で定義される第5の距離Eと同じである。
【0101】
第2のワイヤ104a及び第3のワイヤ104fの断面積がより大きいため(すなわち、これらのワイヤ104a、104fは、より大きい電流引き出しが可能であるため)、第2、第3、第4、及び第5の距離を第1の距離よりも長くすることができる。これらのより長い距離によって提供される利益は、第2のワイヤ104a及び第3のワイヤ104fと、層状構造102のこれらのワイヤのそれぞれの隣接する端部105a、105bと、の間の2つの空間が、ワイヤがない領域107a、107bを画定するという事実から生じる。これらのワイヤフリー領域は、内部でフィルム103が層状構造102の前面と直接接触する(すなわち、ワイヤの存在によって中断されない)領域を提供する。この直接接触を最大化することは、そうすることがフィルム103と層状構造102との間の接着を増加させることができる(したがって、ワイヤ104a~104fが層状構造102上に堅固に保持されることを確実にするのに役立つことができる)ため、望ましい。
【0102】
図2は、上述した太陽電池アセンブリ100の層状構造102の断面図である。この図では、層状構造102は、前部電極アセンブリ101及び後部電極アセンブリ101’から隔離されて示されている。層状構造102は、前部コレクタ層109と背部コレクタ層110との間に挟まれている半導体基板108の形態の太陽光発電素子を有する多層半導体アセンブリを有する。したがって、前部コレクタ層109と背部コレクタ層110とは、基板108の反対側に配置されている。
【0103】
前部コレクタ層109は、層状構造102の前面111に向かって配置されており、背部コレクタ層110は、背面112に向かって配置されている。組み立てられると、前部電極アセンブリ101は、前部コレクタ層109に電気的に接続されており、後部電極アセンブリ101’は、背部コレクタ層110に電気的に接続されている。そのような構成は、ヘテロ接合技術(HJT)タイプの太陽電池を規定する。他の実施形態では、層状構造は、他の形態をとってもよい(例えば、太陽電池アセンブリは、HJTタイプの太陽電池の形態でなくてもよい)。例えば、いくつかの他の実施形態では、層状構造102が入射する放射(例えば、光)から電気を生成する層状構造102の機能を実行し続けることができることを条件に、1つ以上の層が存在しなくてもよく、1つ以上の層が互いに結合されてもよく、及び/又は追加の層が追加されてもよい。
【0104】
基板108は、リン(P)、ヒ素(As)、及びアンチモン(Sb)などのV族元素の不純物で負ドープされた(すなわち、n型材料)結晶シリコン(c-Si)で形成されている。前部コレクタ層109及び背部コレクタ層110はそれぞれ、非晶質シリコン(a-Si:H)で形成されている。非晶質シリコンは、PECVDを使用してシリコンウェハの前面及び後面上に堆積される。
【0105】
背部コレクタ層110は、正ドープされた半導体材料(すなわち、p型材料)を含み、前部コレクタ層109は、n型材料を含む。p型材料は、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、及びインジウム(In)などのIII族元素の不純物を含有する。
【0106】
層状構造102のこの例示的な構成では、背部コレクタ層110は、基板108の導電型とは逆の導電型を有する層状構造102の不純物領域を画定し、したがって、基板108とともにp-n接合を形成する。
【0107】
多層半導体アセンブリは、第1の真性層113(intrinsic layer)及び第2の真性層114を更に備える。両方の真性層113、114は、真性ドープされた非晶質シリコンで形成されている。第1の真性層113は、前部コレクタ層109と基板108との間に配置されて、前側パッシベーション層を形成する。加えて、第2の真性層114は、基板108と背部コレクタ層110との間に配置されて、後ろ側パッシベーション層を形成する。
【0108】
最後に、層状構造102の前面111は、インジウムスズ酸化物(ITO)で形成されている透明導電コーティング115で覆われている。ITO層の上面は、反射防止特性を提供するようにテクスチャ加工されている。反射防止層は、効果的に、太陽電池アセンブリ100に入射する光の反射率を低下させ、所定の波長帯域の選択性を高め、それによって、太陽電池アセンブリ100の効率を増加させる。
【0109】
層状構造102の背面112はまた、インジウムスズ酸化物(ITO)で形成された透明導電コーティング116で覆われている。透明導電コーティング115、116は、層状構造102のそれぞれの表面上に配置されたフィンガー電極への横方向のキャリア移動を増加させるように構成されている。透明導電コーティング115、116は、不十分なキャリア移動度を呈する非晶質シリコンで形成された層を有するヘテロ接合型デバイスにおいて特に有利である。
【0110】
太陽電池アセンブリ100の動作中、光は、
図2の上部の矢印によって示されるように、層状構造102上に入射する。入射光子の吸収によって、複数の電子-正孔対が生成される。次いで、電子正孔対は、p-n接合に起因する内蔵電位差によって電子と正孔とに分離される。分離された電子は、基板108内のn型半導体に移動し、分離された正孔は、背部コレクタ層110内のp型半導体に移動する。したがって、電子は、基板108内の多数キャリアとなり、正孔は、背部コレクタ層110内の多数キャリアとなる。これらの多数のキャリアのそれぞれは、それぞれの電極アセンブリ101、101’によって層状構造102から引き出される。
【0111】
本発明は、上述した実施形態には限定されず、様々な修正及び改良が、本明細書に記載された概念から逸脱することなく行うことができることが理解できる。相互に排他的な場合を除いて、いかなる特徴も、任意の他の特徴とは別個に、又はそれらと組み合わせて用いることができ、本開示は、本明細書に記載された1つ以上の特徴の全ての組み合わせ、及び部分組み合わせに拡張され、これらを包含する。
【国際調査報告】