(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】流れの下で生物学的研究を行うためのマニホールド、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
C12M 1/34 20060101AFI20241206BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
C12M1/34 A
C12M1/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518562
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 IB2022058885
(87)【国際公開番号】W WO2023047282
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597013711
【氏名又は名称】スリーディー システムズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】グリゴリアン,バグラット
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】アリカ,セレーネ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルバー,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ジヴァン,ファラス
(72)【発明者】
【氏名】ルイス,アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】スヌーク,ジェイコブ
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA08
4B029BB01
4B029DA10
4B029DB19
4B029DG10
4B029EA16
4B029GA03
4B029GB04
4B029GB07
4B029GB10
(57)【要約】
本開示のいくつかの実施形態は、マニホールド内に収容されるバイオ足場のアレイへの流体流分布の制御を提供するマニホールド、マイクロ流体システム、及び方法を開示する。いくつかの実施形態では、複数の灌流液が複数の入口を介してマニホールドに注入され得、マニホールドは、バイオ足場を配置した基材を有するバイオ・アセンブリを含む。次に、灌流液の生物学的研究を、バイオ足場の脈管構成要素及びチャンバ内で実施することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マニホールドであって、当該マニホールドは、
1つ又は複数の隔壁を有するプレートであって、該1つ又は複数の隔壁のうちの第1の隔壁が、
第1のバイオ・アセンブリ入口、第1のバイオ・アセンブリ出口、及び基材上に配置された第1のバイオ足場を有する第1のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第1の凹部、
前記第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通する前記第1のバイオ足場のバイオ足場入口、及び前記第1のバイオ・アセンブリ出口と流体連通する前記第1のバイオ足場のバイオ足場出口、及び
前記第1のバイオ・アセンブリを前記第1の隔壁内に位置付して前記第1のバイオ・アセンブリの前記基材を前記第1の隔壁に取り付けるときに、前記第1のバイオ・アセンブリの前記基材と接触し、接着剤を前記基材に塗布するために第1の隔壁内に位置付けされる接着界面を含む、前記1つ又は複数の隔壁を有するプレートと、
前記第1のバイオ・アセンブリを前記第1の隔壁内に位置付けするときに、前記第1のバイオ・アセンブリ入口及び前記第1のバイオ・アセンブリ出口それぞれと流体連通するマニホールド入口及びマニホールド出口とを含む、
マニホールド。
【請求項2】
前記1つ又は複数の隔壁のうちの第2の隔壁が、第2のバイオ・アセンブリ入口、第2のバイオ・アセンブリ出口、及び第2のバイオ足場を有する第2のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第2の凹部を含み、
前記マニホールド入口が、前記第1のバイオ・アセンブリ入口と前記第2のバイオ・アセンブリ入口との両方と第1の流体連通状態にあること、及び
前記マニホールド出口が、前記第1のバイオ・アセンブリ出口と前記第2のバイオ・アセンブリ出口との両方と第2の流体連通状態にあること、のいずれか又は両方である、
、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項3】
前記第1の流体連通及び/又は前記第2の流体連通は直列である、請求項2に記載のマニホールド。
【請求項4】
前記第1の流体連通及び/又は前記第2の流体連通は並列である、請求項2に記載のマニホールド。
【請求項5】
前記1つ又は複数の隔壁のうちの第3の隔壁が、第3のバイオ・アセンブリ入口、第3のバイオ・アセンブリ出口、及び第3のバイオ足場を有する第3のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第3の凹部を含み、
前記マニホールド入口は、前記第1のバイオ・アセンブリ入口、前記第2のバイオ・アセンブリ入口、及び前記第3のバイオ・アセンブリ入口と第3の流体連通状態にあり、
前記マニホールド出口は、前記第1のバイオ・アセンブリ出口、前記第2のバイオ・アセンブリ出口、及び前記第3のバイオ・アセンブリ出口と第4の流体連通状態にあり、
前記第3の流体連通及び/又は前記第4の流体連通は、直列及び並列の流体連通の組合せである、請求項2に記載のマニホールド。
【請求項6】
前記第2のバイオ・アセンブリの基材が、前記第1のバイオ・アセンブリの前記基材と同じである、請求項2に記載のマニホールド。
【請求項7】
前記第2のバイオ・アセンブリの基材が、前記第1のバイオ・アセンブリの前記基材とは異なる、請求項2に記載のマニホールド。
【請求項8】
前記マニホールド入口は第1のマニホールド入口及び第2のマニホールド入口を含み、それぞれが、第1の流体チャネル及び第2の流体チャネルそれぞれを介して前記第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通する、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項9】
前記第1の流体チャネル及び前記第2の流体チャネルは、前記第1のバイオ・アセンブリ入口に到達する前に共通の流体チャネルに接続される、請求項8に記載のマニホールド。
【請求項10】
前記共通の流体チャネルは、その中に位置付けされ、且つ前記第1の流体チャネルから前記共通の流体チャネルに流れる第1の流体と、前記第2の流体チャネルから前記共通の流体チャネルに流れる第2の流体とを混合するように構成されたミキサーを含む、請求項9に記載のマニホールド。
【請求項11】
前記ミキサーは、スタティックミキサー、磁性粒子ミキサー、音響流体ミキサー、又は電気泳動ミキサーである、請求項10に記載のマニホールド。
【請求項12】
前記スタティックミキサーは、逆平行フィン又は螺旋を含む、請求項11に記載のマニホールド。
【請求項13】
前記接着剤は液体接着剤であり、前記接着界面は、前記第1のバイオ・アセンブリを前記第1の隔壁内に位置付けするときに、前記液体接着剤を受け入れて前記第1のバイオ・アセンブリの前記基材に塗布するように構成された窪みである、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項14】
前記接着界面は、前記第1の隔壁からの流体の漏れを防止するように構成された溝部を含む、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項15】
前記溝部は、紫外線又は可視光硬化性樹脂、空気、シアノアクリレート接着剤、シリコーンガスケット、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項14に記載のマニホールド。
【請求項16】
内部に流体を運ぶように構成された、前記マニホールドの流体チャネルに沿って前記第1のバイオ足場の上流側に位置付けされた気泡出口をさらに含む、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項17】
前記気泡出口は、前記流体に同伴されたガスが前記流体チャネルから逃げるのを可能にするように構成された疎水性フィルタ膜を含む、請求項16に記載のマニホールド。
【請求項18】
前記第1の隔壁は、前記第1のバイオ・アセンブリの第2のバイオ・アセンブリ出口に結合され、且つ前記第2のバイオ・アセンブリ出口を介して前記第1のバイオ・アセンブリの内部と前記第1のバイオ・アセンブリの外部との間で流体を輸送するように構成されたバイオ足場アクセスチャネルをさらに含む、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項19】
前記第1のバイオ足場は、前記バイオ足場入口と前記バイオ足場出口との間に延びる流体チャネルを含む、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項20】
前記流体チャネルは、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部を含む、請求項19に記載のマニホールド。
【請求項21】
前記第1のバイオ足場は、その上に共有結合により光架橋された切断ラベルを有する表面を含み、該表面は、前記第1のバイオ・アセンブリを前記第1の隔壁内に位置付けし、前記第1のバイオ・アセンブリの前記基材を前記第1の隔壁に取り付けた後に、前記第1のバイオ・アセンブリからの前記第1のバイオ足場の除去を容易にするように構成される、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項22】
前記切断ラベルは、ミシン目、窪み、又は突起である、請求項21に記載のマニホールド。
【請求項23】
前記マニホールド入口は第1のチャネルを介して前記第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通しており、前記マニホールド出口は第2のチャネルを介して前記第1のバイオ・アセンブリ出口と流体連通しており、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルの一方又は両方は、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部を含む、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項24】
前記1つ又は複数の隔壁の数が約1~約1536の範囲である、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項25】
前記1つ又は複数の隔壁の数が約4~約96の範囲である、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項26】
前記マニホールド及び/又は前記第1のバイオ・アセンブリは、積層造形技術を使用して製造される、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項27】
前記第1のバイオ足場はハイドロゲルである、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項28】
前記基材はガラス基材である、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項29】
前記第1のバイオ足場は、ヘテロ二官能性化学架橋剤を介して前記基材に光架橋される、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項30】
前記ヘテロ二官能性化学架橋剤は、前記基材に結合するように構成されたトリクロロシランと、前記第1のバイオ足場に結合するように構成されたメタクリレートとを含む、請求項29に記載のマニホールド。
【請求項31】
方法であって、当該方法は、
マニホールドの第1のマニホールド入口を介して第1の流体を前記マニホールドの共通の流体チャネル内に注入するステップと、
前記マニホールドの第2のマニホールド入口を介して第2の流体を前記共通の流体チャネルに注入するステップと、を含み、
前記マニホールドは第1の隔壁を含み、該第1の隔壁は、第1のバイオ・アセンブリ入口、第1のバイオ・アセンブリ出口、及び基材上に配置された第1のバイオ足場を有する第1のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第1の凹部を有しており、
前記共通の流体チャネルは、前記第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通しており、且つ前記第1の流体と前記第2の流体との第1の混合物を前記第1のバイオ・アセンブリ入口に導くように構成される、
方法。
【請求項32】
前記第1の流体は生理活性化合物を含み、前記第2の流体は細胞培養培地を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記マニホールドは、第2のバイオ・アセンブリ入口及び第2のバイオ足場を有する第2のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第2の凹部を有する第2の隔壁を含み、
前記共通の流体チャネルは、前記第2のバイオ・アセンブリ入口と流体連通しており、且つ前記第1の流体と前記第2の流体との第2の混合物を前記第2のバイオ・アセンブリ入口に導くように構成されており、当該方法は、
前記第1の流体及び/又は前記第2の流体の特性を変化させて、前記第1の混合物中の前記第1の流体と前記第1の混合物中の前記第2の流体との第1の比率と、前記第2の混合物中の前記第1の流体と前記第2の混合物中の前記第2の流体との第2の比率との間の差を調整するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の流体及び/又は前記第2の流体の前記特性には、前記第1の流体の注入及び/又は前記第2の流体の注入の流量が含まれる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の流体及び/又は前記第2の流体の前記特性には、前記第1の流体及び/又は前記第2の流体の粘度が含まれる、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の流体及び/又は前記第2の流体の前記特性には、前記第1の流体及び/又は前記第2の流体中に存在する種の濃度が含まれる、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
ミキサーを介して、前記第1の流体と前記第2の流体とを混合して、前記第1の混合物を形成するステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記ミキサーは、スタティックミキサー、磁性粒子ミキサー、音響流体ミキサー、又は電気泳動ミキサーである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記スタティックミキサーは逆平行フィン又は螺旋を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第2のバイオ・アセンブリは基材に固定される、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
基材は第1の基材であり、前記第2のバイオ・アセンブリは、前記第1の基材とは異なる第2の基材に固定される、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の流体と前記第2の流体との相対濃度が、約1:1~約1:10,000の範囲である、請求項31に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の流体と前記第2の流体との相対濃度が、約1:1~約1:1,000の範囲である、請求項31に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の流体と前記第2の流体との相対濃度が、約1:1~約1:100の範囲である、請求項31に記載の方法。
【請求項45】
前記マニホールドは、前記第1のバイオ・アセンブリを前記第1の隔壁内に位置付けするときに、前記第1のバイオ・アセンブリの基材と接触し、接着剤を前記基材に塗布するために、前記第1の隔壁内に位置付けされた接着界面を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項46】
前記接着剤は液体接着剤であり、前記接着界面は、前記第1のバイオ・アセンブリを前記第1の隔壁内に位置付けするときに、前記液体接着剤を受け取り前記第1のバイオ・アセンブリの前記基材に塗布するように構成された窪みである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記接着界面は、前記第1の隔壁からの流体の漏れを防止するように構成された溝部を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記溝部は、紫外線又は可視光硬化性樹脂、空気、シアノアクリレート接着剤、シリコーンガスケット、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
内部に流体を運ぶように構成された、前記マニホールドの流体チャネルに沿って前記第1のバイオ足場の上流側に位置付けされた気泡出口をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項50】
前記気泡出口は、前記流体に同伴されたガスが前記流体チャネルから逃げるのを可能にするように構成された疎水性フィルタ膜を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第1の隔壁は、前記第1のバイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリ出口に結合され、且つ前記バイオ・アセンブリ出口を介して前記第1のバイオ・アセンブリの内部と前記第1のバイオ・アセンブリの外部との間で流体を輸送するように構成されたバイオ足場アクセスチャネルをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項52】
前記第1のバイオ足場は、バイオ足場入口とバイオ足場出口との間に延びる流体チャネルを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項53】
前記流体チャネルは、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記第1のバイオ足場は、その上に共有結合により光架橋された切断ラベルを有する表面を含み、該表面は、前記第1のバイオ・アセンブリを前記第1の隔壁内に位置付けし、前記第1のバイオ・アセンブリの基材を前記第1の隔壁に取り付けた後に、前記第1のバイオ・アセンブリからの前記第1のバイオ足場の除去を容易にするように構成される、請求項31に記載の方法。
【請求項55】
前記切断ラベルは、ミシン目、窪み、又は突起である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記マニホールド及び/又は前記第1のバイオ・アセンブリは、積層造形技術を使用して製造される、請求項31に記載の方法。
【請求項57】
前記第1のバイオ足場はハイドロゲルである、請求項31に記載の方法。
【請求項58】
基材は透明基材である、請求項31に記載の方法。
【請求項59】
前記第1のバイオ足場は、ヘテロ二官能性化学架橋剤を介して基材に光架橋される、請求項31に記載の方法。
【請求項60】
前記ヘテロ二官能性化学架橋剤は、前記基材に結合するように構成されたトリクロロシランと、前記第1のバイオ足場に結合するように構成されたメタクリレートとを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
マニホールドを生成する方法であって、当該方法は、
積層造形技術を使用して、1つ又は複数の隔壁を有するプレートを製造するステップであって、前記1つ又は複数の隔壁のうちの第1の隔壁が、第1のバイオ・アセンブリ入口、第1のバイオ・アセンブリ出口、及び第1のバイオ足場を有する第1のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第1の凹部を含む、ステップと、
第1のヘテロ二官能性化学架橋剤と接触させて第1のハイドロゲル前駆体を重合させることを含む前記積層造形技術によって、基材を前記第1のヘテロ二官能性化学架橋剤で化学的に官能化して、その上に製造された前記第1のバイオ足場に前記基材を固定するステップと、
前記第1のバイオ・アセンブリを前記第1の隔壁に位置付けして前記基材を前記第1の隔壁に固定するときに、前記第1の隔壁内に位置付けされた接着界面に接着剤を提供して、前記基材と接触し、前記接着剤を前記基材に塗布するステップと、
前記第1のバイオ・アセンブリを前記第1の隔壁内に位置付けするときに、前記積層造形技術を使用して、前記第1のバイオ・アセンブリ入口及び前記第1のバイオ・アセンブリ出口それぞれと流体連通するマニホールド入口及びマニホールド出口を製造するステップと、を含む、
方法。
【請求項62】
第1のヘテロ二官能性化学架橋剤には、トリクロロシラン及びメタクリレートが含まれ、
前記基材を化学的に官能化するステップは、前記トリクロロシランを前記基材に結合させ、前記メタクリレートを前記第1のバイオ足場に結合させるステップを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記1つ又は複数の隔壁のうちの第2の隔壁が、第2のバイオ・アセンブリ入口、第2のバイオ・アセンブリ出口、及び第2のバイオ足場を有する第2のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第2の凹部を含み、
前記マニホールド入口が、前記第1のバイオ・アセンブリ入口と前記第2のバイオ・アセンブリ入口との両方と第1の流体連通状態にあること、及び、
前記マニホールド出口が、前記第1のバイオ・アセンブリ出口と前記第2のバイオ・アセンブリ出口との両方と第2の流体連通状態にあること、のいずれか又は両方を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記第1の流体連通及び/又は前記第2の流体連通は直列である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記第1の流体連通及び/又は前記第2の流体連通は並列である、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記1つ又は複数の隔壁のうちの第3の隔壁が、第3のバイオ・アセンブリ入口及び第3のバイオ・アセンブリ出口を有する第3のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第3の凹部を含み、
前記マニホールド入口は、前記第1のバイオ・アセンブリ入口、前記第2のバイオ・アセンブリ入口、及び前記第3のバイオ・アセンブリ入口と第3の流体連通状態にあり、
前記マニホールド出口は、前記第1のバイオ・アセンブリ出口、前記第2のバイオ・アセンブリ出口、及び前記第3のバイオ・アセンブリ出口と第4の流体連通状態にあり、
前記第3の流体連通及び/又は前記第4の流体連通は、直列及び並列の流体連通の組合せである、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
前記第2のバイオ・アセンブリの基材が、前記第1のバイオ・アセンブリの前記基材と同じである、請求項63に記載の方法。
【請求項68】
前記第2のバイオ・アセンブリの基材が、前記第1のバイオ・アセンブリの前記基材とは異なる、請求項63に記載の方法。
【請求項69】
前記マニホールド入口は第1のマニホールド入口及び第2のマニホールド入口を含み、それぞれが、第1の流体チャネル及び第2の流体チャネルそれぞれを介して前記第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通する、請求項61に記載の方法。
【請求項70】
前記第1の流体チャネル及び前記第2の流体チャネルは、前記第1のバイオ・アセンブリ入口に到達する前に共通の流体チャネルに接続される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記共通の流体チャネルはその中に位置付けされたミキサーを含み、該ミキサーは、前記第1の流体チャネルから前記共通の流体チャネルに流れる第1の流体と、前記第2の流体チャネルから前記共通の流体チャネルに流れる第2の流体とを混合するように構成される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記ミキサーは、スタティックミキサー、磁性粒子ミキサー、音響流体ミキサー、又は電気泳動ミキサーである、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記スタティックミキサーは逆平行フィン又は螺旋を含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記接着剤は液体接着剤であり、前記接着界面は、前記第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けするときに、前記液体接着剤を受け入れて前記第1のバイオ・アセンブリの前記基材に塗布するように構成された窪みである、請求項61に記載の方法。
【請求項75】
前記接着界面は、前記第1の隔壁からの流体の漏れを防止するように構成された溝部を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項76】
溝部は、紫外線又は可視光硬化性樹脂、空気、シアノアクリレート接着剤、シリコーンガスケット、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項77】
内部に流体を運ぶように構成された、前記マニホールドの流体チャネルに沿って前記第1のバイオ足場の上流側に位置付けされた気泡出口をさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項78】
前記気泡出口は、前記流体に同伴されたガスが前記流体チャネルから逃げるのを可能にするように構成された疎水性フィルタ膜を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記第1の隔壁は、前記第1のバイオ・アセンブリの第2のバイオ・アセンブリ出口に結合され、且つ第前記2のバイオ・アセンブリ出口を介して前記第1のバイオ・アセンブリの内部と前記第1のバイオ・アセンブリの外部との間で流体を輸送するように構成されたバイオ足場アクセスチャネルをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項80】
前記第1のバイオ足場は、バイオ足場入口とバイオ足場出口との間に延びる流体チャネルを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項81】
前記流体チャネルは、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記第1のバイオ・アセンブリを前記第1の隔壁内に位置付けし、前記第1のバイオ・アセンブリの前記基材を前記第1の隔壁に取り付けた後に、前記基材の表面上で共有結合により光架橋され、前記第1のバイオ・アセンブリから前記第1のバイオ足場の除去を容易にするように構成された切断ラベルにおいて、前記第1のバイオ足場を前記基材から分離することによって、前記第1のバイオ・アセンブリから前記第1のバイオ足場を除去するステップをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項83】
前記切断ラベルは、ミシン目、窪み、又は突起である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記マニホールド入口は、第1のチャネルを介して前記第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通しており、前記マニホールド出口は、第2のチャネルを介して前記第1のバイオ・アセンブリ出口と流体連通しており、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルの一方又は両方が、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項85】
前記1つ又は複数の隔壁の数が約1~約1,536の範囲である、請求項61に記載の方法。
【請求項86】
前記1つ又は複数の隔壁の数が約12~約96の範囲である、請求項61に記載の方法。
【請求項87】
前記基材は透明なガラス基材である、請求項61に記載の方法。
【請求項88】
バイオ・アセンブリであって、当該バイオ・アセンブリは、
蓋と、
該蓋と接触するときに前記蓋に接着するように構成されたバリアと、
バイオ・アセンブリ入口及びバイオ・アセンブリ出口を含むハウジングと、
前記バリアと前記ハウジングとの間に位置付けされ、前記バリア又は前記蓋を前記ハウジングに固定するときに少なくとも実質的に気密シールを提供するように構成されるガスケットと、
前記ハウジングと接触するときに該ハウジングに接着するように構成される基材と、
該基材上に位置付けされた重合ハイドロゲル前駆体に対して積層造形技術を使用して製造されたバイオ足場であって、前記ハイドロゲル前駆体と接触するヘテロ二官能性化学架橋剤による前記基材の化学官能化を介して前記基材に固定されるバイオ足場と、を含む、
バイオ・アセンブリ。
【請求項89】
内部に流体を運ぶように構成された流体チャネルに沿って前記バイオ足場の上流側に位置付けされた気泡出口をさらに含む、請求項88に記載のバイオ・アセンブリ。
【請求項90】
前記気泡出口は、前記流体に同伴されたガスが前記流体チャネルから逃げるのを可能にするように構成された疎水性フィルタ膜を含む、請求項89に記載のバイオ・アセンブリ。
【請求項91】
前記バイオ・アセンブリ出口は第1のバイオ・アセンブリ出口であり、前記バイオ・アセンブリは、
第2のバイオ・アセンブリ出口と、
該第2のバイオ・アセンブリ出口に結合され、且つ前記第2のバイオ・アセンブリ出口を介して前記ハウジングの内部と前記バイオ・アセンブリの外部との間で流体を輸送するように構成されたバイオ足場アクセスチャネルと、をさらに含む、請求項88に記載のバイオ・アセンブリ。
【請求項92】
前記バイオ足場は、バイオ足場入口とバイオ足場出口との間に延びる流体チャネルを含む、請求項88に記載のバイオ・アセンブリ。
【請求項93】
前記流体チャネルは、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部を含む、請求項92に記載のバイオ・アセンブリ。
【請求項94】
前記バイオ足場は、その上に共有結合により光架橋された切断ラベルを有する表面を含み、該表面は、前記バイオ・アセンブリからの前記バイオ足場の除去を容易にするように構成される、請求項88に記載のバイオ・アセンブリ。
【請求項95】
前記切断ラベルは、ミシン目、窪み、又は突起である、請求項94に記載のバイオ・アセンブリ。
【請求項96】
前記ハウジングは積層造形技術を使用して製造される、請求項88に記載のバイオ・アセンブリ。
【請求項97】
前記ヘテロ二官能性化学架橋剤は、前記基材に結合するように構成されたトリクロロシランと、前記バイオ足場に結合するように構成されたメタクリレートとを含む、請求項88に記載のバイオ・アセンブリ。
【請求項98】
前記バイオ足場は前記基材に共有結合により固定される、請求項88に記載のバイオ・アセンブリ。
【請求項99】
前記基材は透明なガラス基材である、請求項88に記載のバイオ・アセンブリ。
【請求項100】
前記基材は、前記ハウジングと接触するときに、接着剤又は共有結合により前記ハウジングに接着するように構成される、請求項88に記載のバイオ・アセンブリ。
【請求項101】
システムであって、当該システムは、
1つ又は複数の隔壁を有するプレートであって、前記1つ又は複数の隔壁のうちの隔壁がバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた凹部を含む、プレート、及び
マニホールド入口及びマニホールド出口を含む、マニホールドと、
前記隔壁内に位置付けされ、バイオ・アセンブリ入口、バイオ・アセンブリ出口、及び基材上に配置されたバイオ足場を有するバイオ・アセンブリであって、前記バイオ・アセンブリ入口及び前記バイオ・アセンブリ出口は前記マニホールド入口及び前記マニホールド出口と流体連通している、バイオ・アセンブリと、
前記バイオ・アセンブリ入口と流体連通している前記バイオ足場のバイオ足場入口、及び前記バイオ・アセンブリ出口と流体連通している前記バイオ足場のバイオ足場出口と、
前記マニホールド入口と流体連通しており、前記マニホールド入口を介して前記マニホールドに供給すべき流体を貯蔵するように構成された入口リザーバと、
前記マニホールド入口を介して前記入口リザーバから前記マニホールドに前記流体を圧送するように構成される流体ポンプと、
前記マニホールド出口と流体連通しており、前記マニホールド出口を介して前記マニホールドによって放出された流体を受け入れて貯蔵するように構成される出口リザーバと、を含む、
システム。
【請求項102】
フィルタ膜は、テープ及び液体接着剤を含む接着剤を介して前記気泡出口の上部カバーに固定されるように構成される、請求項17に記載のマニホールド。
【請求項103】
前記第1のバイオ足場は、前記第1のバイオ・アセンブリに取り外し可能に取り付けられる、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項104】
前記バイオ足場は、光学ツール、温度変化、機械ツール、又は化学ツールによって前記第1のバイオ・アセンブリから取り外されるように構成される、請求項103に記載のマニホールド。
【請求項105】
前記基材はプラスチック基材である、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項106】
前記基材は、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、環状オレフィン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラス、石英、雲母、赤外線透過性の塩、又はそれらの組合せを含む第1の材料から製造される、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項107】
前記基材は、前記第1の材料と、薄膜を含む第2の材料との組合せから製造される、請求項106に記載のマニホールド。
【請求項108】
前記薄膜は、表面プラズモンに基づく測定を可能にするように構成された金属膜である、請求項107に記載のマニホールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2021年9月24日に出願した米国仮出願第62/248,404号の優先権及び利益を主張するものであり、その内容はその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、概して、流れの下で生物学的研究を行うためのマニホールド、マイクロ流体システム、及び方法に関し、より具体的には、マニホールド内に収容されるバイオ足場(bio-scaffolds)のアレイへの流体の流れの分布の制御を与えるマニホールド、マイクロ流体システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
前臨床研究及び薬剤開発は、一般に、生理学を理解し、人体における薬剤の性能を予測するために、平らなペトリ皿及びヒト疾患の動物モデルにおけるヒト細胞の挙動を試験することに依存している。しかしながら、研究環境は、実際に人体の中で起こっている複雑なネットワーク相互作用を適切に表現していない可能性がある。例えば、プラスチックプレート上の細胞環境は、典型的に、真の細胞微小環境を正確に反映できない。さらに、最適な薬剤濃度を特定するために様々な薬剤濃度をテストするプロセスが煩雑になる可能性がある。従って、より正確な細胞微小環境を正確に反映し、複数回の薬剤投与の有効性を特徴付ける薬剤研究中等、より効率的な検査プロセスを可能にする改良したツール及びプラットフォームが必要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示のいくつかの実施形態はマニホールドを開示する。このマニホールドは1つ又は複数の隔壁を有するプレートを含み、1つ又は複数の隔壁のうちの第1の隔壁が、第1のバイオ・アセンブリ入口、第1のバイオ・アセンブリ出口、及び基材上に配置された第1のバイオ足場を有する第1のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第1の凹部を含む。場合によっては、第1のバイオ足場のバイオ足場入口が第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通しており、第1のバイオ足場のバイオ足場出口が第1のバイオ・アセンブリ出口と流体連通している。場合によっては、第1の隔壁は、第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けして第1のバイオ・アセンブリの基材を第1の隔壁に固定するときに、第1のバイオ・アセンブリの基材と接触し、接着剤を塗布するために第1の隔壁内に位置付けされた接着界面をさらに含む。さらに、マニホールドは、第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けするときに、第1のバイオ・アセンブリ入口及び第1のバイオ・アセンブリ出口それぞれと流体連通するマニホールド入口及びマニホールド出口を含む。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態は方法を提供する。この方法は、マニホールドの第1のマニホールド入口を介して第1の流体をマニホールドの共通の流体チャネルに注入するステップと;マニホールドの第2のマニホールド入口を介して第2の流体を共通の流体チャネルに注入するステップと;を含む。場合によっては、マニホールドは第1の隔壁を含み、第1の隔壁は、第1のバイオ・アセンブリ入口、第1のバイオ・アセンブリ出口、及び基材上に配置された第1のバイオ足場を有する第1のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第1の凹部を有する。共通の流体チャネルは、第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通しており、且つ第1の流体と第2の流体との第1の混合物を第1のバイオ・アセンブリ入口に導くように構成される。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態は、マニホールドを生成する方法を開示する。この方法は、積層造形技術を使用して、1つ又は複数の隔壁を有するプレートを製造するステップを含み、1つ又は複数の隔壁のうちの第1の隔壁が、第1のバイオ・アセンブリ入口、第1のバイオ・アセンブリ出口、及び第1のバイオ足場を有する第1のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第1の凹部を含む。さらに、この方法は、第1のヘテロ二官能性化学架橋剤と接触させて第1のハイドロゲル前駆体を重合させることを含む積層造形技術によって、基材を第1のヘテロ二官能性化学架橋剤で化学的に官能化して、基材をその上に製造された第1のバイオ足場に固定するステップを含む。さらに、この方法は、第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁に位置付けして基材を第1の隔壁に取り付けるときに、第1の隔壁内に位置付けされた接着界面に接着剤を提供して、基材と接触し、接着剤を基材に塗布するステップを含む。この方法はまた、第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けするときに、積層造形技術を使用して、第1のバイオ・アセンブリ入口及び第1のバイオ・アセンブリ出口それぞれと流体連通するマニホールド入口及びマニホールド出口を製造するステップを含む。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、バイオ・アセンブリを開示する。このバイオ・アセンブリは、蓋と;蓋と接触するときに蓋に接着するように構成されたバリアと;バイオ・アセンブリ入口及びバイオ・アセンブリ出口を含むハウジングと;バリアとハウジングとの間に位置付けされ、バリア又は蓋をハウジングに固定するときに少なくとも実質的に気密シールを提供するように構成されるガスケットと;ハウジングと接触するときにハウジングに接着するように構成される基材と;基材上に位置付けされた重合ハイドロゲル前駆体に対して積層造形技術を使用して製造されたバイオ足場であって、ハイドロゲル前駆体と接触するヘテロ二官能性化学架橋剤による基材の化学官能化を介して基材に固定されるバイオ足場と;を含む。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態は、マニホールドを含むシステムを開示する。このマニホールドは、1つ又は複数の隔壁を有するプレートであって、1つ又は複数の隔壁のうちの隔壁がバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた凹部を含む、プレートと;マニホールド入口及びマニホールド出口と;を含む。このシステムはさらに、隔壁内に位置付けされ、バイオ・アセンブリ入口、バイオ・アセンブリ出口、及び基材上に配置されたバイオ足場を有するバイオ・アセンブリを含み、バイオ・アセンブリ入口及びバイオ・アセンブリ出口はマニホールド入口及びマニホールド出口と流体連通している。さらに、システムは、マニホールド入口と流体連通しており、マニホールド入口を介してマニホールドに供給される流体を貯蔵するように構成された入口リザーバを含む。このシステムはまた、マニホールド入口を介して入口リザーバからマニホールド内に流体を圧送するように構成された流体ポンプを含む。さらに、システムは、マニホールド出口と流体連通しており、マニホールド出口を介してマニホールドによって放出された流体を受け入れて貯蔵するように構成された出口リザーバを含む。
【0009】
これら及び他の態様及び実施態様については、以下で詳細に説明する。前述の情報及び以下の詳細な説明には、様々な態様及び実施態様の例示的な例が含まれており、特許請求の範囲に記載した態様及び実施態様の性質及び特徴を理解するための概要又は枠組みを提供する。図面は、様々な態様及び実施態様を例示し、さらに理解するためのものであり、本明細書に組み込まれ、その一部を構成するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面は、一定の縮尺で描くことを意図したものではない。様々な図面における同様の参照符号及び指定は、同様の要素を示す。明確にするために、全ての図面で全ての構成要素にラベルを付けているわけではない。
【
図1】様々な実施形態による、流れの下で生物学的研究を行うための例示的なマイクロ流体システムの概略図である。
【
図2A】様々な実施形態による、複数の隔壁とマニホールド入口及びマニホールド出口とを有するマニホールドの実施態様の例を示す図である。
【
図2B】様々な実施形態による、複数の隔壁とマニホールド入口及びマニホールド出口とを有するマニホールドの実施態様の例を示す図である。
【
図3】様々な実施形態による、マニホールド内に収容されるバイオ・アセンブリの複数のバイオ・アセンブリ入口及びバイオ・アセンブリ出口とそれぞれ流体連通するマニホールド入口及びマニホールド出口を有するマニホールドの概略図である。
【
図4】様々な実施形態による、互いに直列及び並列に流体連通したバイオ・アセンブリを有するマニホールドの概略図である。
【
図5】様々な実施形態による、バイオ足場を有するバイオ・アセンブリの分解図の概略図である。
【
図6】様々な実施形態による、バイオ足場アクセスチャネルを有するバイオ・アセンブリの斜視図の概略図である。
【
図7】様々な実施形態による、マニホールドの流体チャネル内を流れる流体からガス又は空気を除去するための気泡出口を示す概略図である。
【
図8】様々な実施形態による、流体チャネル内の流体の流れを調節するための狭窄部を含んだ流体チャネルを有するバイオ足場の概略図である。
【
図9】様々な実施形態による、バイオ・アセンブリからバイオ足場を除去するための切断ラベルが示されたバイオ足場の概略図である。
【
図10A】様々な実施形態による、液体接着剤界面/送達構造と、隔壁内に収容されるバイオ足場に流体を送達するための流体送達構造とを有するマニホールドの隔壁の底面図を示す概略図である。
【
図10B】様々な実施形態による、液体接着剤界面/送達構造と、隔壁内に収容されるバイオ足場に流体を送達するための流体送達構造とを有するマニホールドの隔壁の底面図を示す概略図である。
【
図11】様々な実施形態による、複数のマニホールド入口と、複数のマニホールド入口を介してマニホールド内に受容される流体を混合するための混合領域とを有するマニホールドの概略図である。
【
図12】様々な実施形態による、マニホールド内で複数の流体を混合する方法のフローチャートである。
【
図13】様々な実施形態による、マニホールドを生成する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
マウス等の小動物モデルは、ヒトを苦しめる様々な疾患に対する薬剤の安全性及び有効性を評価するために使用されてきた。しかしながら、マウスは人間の解剖学的構造又は生理学を完全には表現していないため、このようなモデルは人間の治療法の開発には理想的ではない可能性がある。例えば、マウスで有効性が示された化合物は、人間の臨床試験では失敗する。異なる小動物モデルからの試験結果同士の間に大きなばらつきがあるという報告もある。このような問題は、人間/動物の解剖学的構造及び生理学を模倣する特徴を含む生物活性足場(つまり、バイオ足場(bio-scaffolds:バイオ・スキャフォールド))を使用することで少なくとも部分的に対処でき、その結果、ヒトの治療における薬剤候補の安全性及び有効性の調査に使用するためのより密接なデータを提供する生体模倣組織モデルが得られる可能性がある。
【0012】
場合によっては、複数のバイオ足場を単一の設定で使用して、すなわち、複数のバイオ足場を含む又は収容する単一のマイクロ流体システム(例えば、マニホールド)を使用して、薬剤候補の調査等の生物学的研究を行うことが望ましい場合がある。このような構成により、研究者は生物学的研究の様々なパラメータを制御でき、その効率を大幅に向上させることができる。例えば、薬剤の安全性及び有効性の研究で様々な用量の候補薬剤の影響を調査するために、研究者は、制御した方法で、様々な用量の候補薬剤を含む流体を、同じマイクロ流体システム又はマニホールド内に収容される様々なバイオ足場に導くことを望む場合がある。さらに、その際、そのような生物学的研究に固有の漏れ及び複雑さを回避するために、研究者は、マニホールドを外部システムに接続する接続数を制限する(つまり、「外界とプレート(world-to-plate)」の接続数を制限する)ことを望む場合がある。
【0013】
本開示は、流れの下で生物学的研究を行うための、バイオ足場、バイオ足場を収容するバイオ・アセンブリ、及びバイオ・アセンブリを受け入れて収容するように構成されたマニホールドの実施形態を開示する。特に、マニホールド内に収容される複数のバイオ・アセンブリ及び複数のバイオ・アセンブリ内に収容される複数のバイオ足場への流体流量分布の制御を提供するマニホールド、マイクロ流体システム、及び方法の実施形態を開示する。すなわち、マニホールドは、1つ又は複数のマニホールド入口、1つ又は複数のマニホールド出口、及びそれらの間に延びる流体チャネルを含む流体配置を有し得、流体が、入口リザーバからバイオ・アセンブリ及びバイオ足場に到達してから1つ又は複数のマニホールド出口を介して出口リザーバに排出されるのを可能にする。流体がバイオ足場に到達し、最終的にマニホールドから出るために、1つ又は複数のマニホールド入口及び1つ又は複数のマニホールド出口は、バイオ・アセンブリの入口及びバイオ・アセンブリの出口それぞれと流体連通してもよく、これらは次に、バイオ足場の入口及びバイオ足場の出口とそれぞれ流体連通している。流れの下で生物学的研究を行うための技術、プラットフォーム、及び方法の様々な実施形態、構成、及び実施態様について、
図1~
図3に関してさらに詳細に説明する。
【0014】
図1は、様々な実施形態による、流れの下で生物学的研究を行うための例示的なマイクロ流体システム100の概略図を示す。いくつかの実施形態では、流れの下で生物学的研究を行うためのマイクロ流体システム100は、入口リザーバ110、マニホールド140、及び出口リザーバ180を含む。場合によっては、マイクロ流体システム100は流体ポンプ120も含み得る。マニホールド140は、とりわけ、生物活性足場(すなわち、バイオ足場)を収容する1つ又は複数のバイオ・アセンブリ160を受容又は収容するように構成された1つ又は複数の隔壁を有するプレート150を含み得る。マニホールド140はまた、入口リザーバ110と流体連通し、入口リザーバ110から流体(例えば、流体ポンプ120によって供給される流体)を受け取るように構成されたマニホールド入口130と、受け取った流体をマニホールド140全体に(例えば、そこに収容されるバイオ・アセンブリ160に)輸送する流体チャネルのネットワーク等の流体配置とを含み得る。場合によっては、マニホールド140は、出口リザーバ180と流体連通しており、バイオ・アセンブリ160から出る流体を受け取り、その流体を出口リザーバ180に排出するように構成されるマニホールド出口170を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、入口リザーバ110は、マニホールド140内に導かれる又は注入される流体(例えば、本明細書では代替的に「灌流可能媒体」又は「灌流液」と呼ばれる)を貯蔵するように構成された1つ又は複数のリザーバであるか、又はそのリザーバを含んでもよい。場合によっては、そのような流体は、マイクロ流体システム100を使用して実施される生物学的研究の一部であり得る気体、液体等であり得、その例には、薬剤、細胞培養培地、生理活性因子等が含まれるが、これらに限定されない。例えば、薬剤は、流体形態の化学療法薬、抗生物質(例えば、ドキシサイクリン)等であり得るか、又はそれらを含み得る。さらに、細胞培養培地は、グルコース溶液、血清、抗生物質、アミノ酸、無機塩、ビタミン等のうちの1つ又は複数であるか、又はそれらを含み得る。場合によっては、生物活性因子は、成長因子、細胞内シグナル伝達分子(例えば、受容体、キナーゼ、転写因子等)、合成又は天然化合物由来のシグナル伝達模倣物等であるか、又はそれらを含み得る。
【0016】
場合によっては、入口リザーバ110は2つ(例えば、2つ以上)の入口リザーバであってもよく、リザーバのうちの1つのリザーバが第1の流体を貯蔵し、リザーバのうちの別のリザーバが第2の流体を貯蔵してもよく、マイクロ流体システム100は、第1の流体が第2の流体に及ぼす影響、又はその逆の影響を調査するために使用される。例えば、調査は、ある種の癌を治療するための候補化学療法薬の安全性及び有効性を決定することであってもよく、第1の流体及び第2の流体は、それぞれ化学療法薬及び前述の細胞培養培地の1つ又は複数であり得る。このような場合に、
図11及び
図12を参照して以下に説明するように、第1の流体と第2の流体は両方ともマニホールドに向けて導かれ、そこで流体を混合することができる。別の例として、第1の流体は生物活性阻害剤/不可知物質であり得、第2の流体は生物活性についてスクリーニングされる溶液であり得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体システム100の流体ポンプ120は、入口リザーバ110に貯蔵された灌流可能な媒体を圧送して灌流可能な媒体をマニホールド140の1つ又は複数のマニホールド入口130に導くように構成されたシリンジポンプ、蠕動ポンプ、空気圧ポンプ、重力駆動流ポンプ等であり得る。場合によっては、流体ポンプ120は、流体又は灌流可能な媒体を圧送してマニホールド入口130に約1nL/分~約100mL/分、約10nL/分~約10mL/分、約100nL/分~約1mL/分、約1μL/分~約1mL/分、約1μL/分~約100μL/分、約10μL/分~約100μL/分、又は約1mL/分~約100μL/分の範囲(それらの間の値及び部分範囲を含む)の流量で流入させるように構成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、マニホールド140は1つ又は複数の隔壁を有するプレート150を含んでもよく、各隔壁がバイオ・アセンブリ160を受容するように構成される。例えば、隔壁は、バイオ・アセンブリ160を受容するようにサイズ及び形状決めされた凹部(例えば、壁によって囲まれた空隙又はチャンバ、場合によっては、床)を有してもよく、それによってバイオ・アセンブリ160の基材を隔壁の下部界面(interface:インターフェイス)に接触させるときに、バイオ・アセンブリ160の少なくとも実質的な部分が隔壁の壁内に位置付けされ得る。場合によっては、隔壁の断面は正方形、長方形等であってもよく、隔壁の横方向の寸法(例えば、隔壁の長さ、幅、深さ、半径等)は、約1mm~約100mm、約5mm~約80mm、約10mm~約60mm、約20mm~約50mm、約30mm~約40mmの範囲(それらの間の値及び部分範囲を含む)にすることができる。場合によっては、隔壁の下部界面は、バイオ・アセンブリ160が隔壁の凹部又はチャンバ内に受容されるときに、バイオ・アセンブリ160の基材と接触し、接着剤を基材に塗布するように構成された接着界面であるか、又は接着界面を含み得る。場合によっては、マニホールド内の隔壁の数は、約1~約5,000、約1~約1,536、約2~約768、約4~約384、約6~約192、約8~約96、約12~約48、約16~約32、約24の範囲(それらの間の値及び部分範囲を含む)であり得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、マニホールド140はまた、マニホールド入口130及びマニホールド出口170を含んでもよい。マニホールド入口130は、マニホールド140内に導かれる又は供給される流体又は灌流可能な媒体を受け入れるために、入口リザーバ110及び/又は流体ポンプ120と流体連通してもよい。さらに、マニホールド入口130は、マニホールド入口130によって受け取られた灌流可能な媒体がバイオ・アセンブリ160に輸送されるように、バイオ・アセンブリ160のバイオ・アセンブリ入口と流体連通してもよい。例えば、マニホールド140は複数の隔壁を含んでもよく、各隔壁がその中にバイオ・アセンブリ160を収容し、そのような場合に、マニホールド入口130は、受け取った灌流可能な媒体又は流体をマニホールド入口130から複数の隔壁内の複数のバイオ・アセンブリの入口に輸送する入口流体チャネルのネットワークと流体連通してもよい。
【0020】
場合によっては、マニホールド出口170は、バイオ・アセンブリ160のバイオ・アセンブリ出口と流体連通してもよく、それによってそれぞれのバイオ・アセンブリ出口を介してバイオ・アセンブリ160によって放出される、又はバイオ・アセンブリ160から出る灌流液が、マニホールド出口170を介してマニホールド140の外部に排出され得る。例えば、マニホールド出口170は、バイオ・アセンブリ出口から灌流液を収集し、灌流液をマニホールド出口170に導くように構成された出口流体チャネルのネットワーク、すなわち内部脈管構造と流体連通してもよい。場合によっては、マニホールド出口170はまた、出口リザーバ180と流体連通してもよく、灌流液を、灌流液を貯蔵するように構成され得る出口リザーバに導いてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、マニホールド入口130の数及び/又はマニホールド出口170の数は少なくてもよい(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)。場合によっては、マニホールド140の隔壁の数は、例えば数百、数千(例えば、約96~約1,536の範囲)等、かなり大きくなる可能性がある。そのため、実施形態は、少数の「外界とプレート(world-to-plate)のコネクタ」を有し、流体をマニホールド140の全て又は実質的に全てのバイオ・アセンブリ160に効率的な方法で送達するように構成された流体配置又は構造を提供するマニホールドを開示する。このようなマニホールド構造には、流れの下での生物学的研究で発生し得る漏れ及び他の合併症を回避又は制限する等、いくつかの利点があるが、これらに限定されない。さらに、それぞれがバイオ足場を収容するいくつかのバイオ・アセンブリを同時に使用できる(例えば、流体を各バイオ・アセンブリに同時に導くことができる)ため、開示するマニホールド構造は、流れの下で生物学的研究を行うためのマイクロ流体システム100の効率を大幅に改善することができる(例えば、複数回の用量の薬剤を単一のマイクロ流体設定で研究することができる)。
【0022】
いくつかの実施形態では、マニホールド入口130、プレート、及びマニホールド出口170を含むマニホールド140は、積層造形技術を使用して形成され得る。例えば、マニホールド140は、コンピュータ・アキシャル・リソグラフィ(CAL)技術、射出成形技術、急冷鋳造、及び/又は犠牲成形等を含むがこれらに限定されない3D印刷技術を使用して形成することができる。場合によっては、マニホールド入口130、プレート150、及びマニホールド出口170を含むマニホールド140は、3D印刷技術を使用してプラスチック材料から形成され得る。
【0023】
図2A及び
図2Bは、様々な実施形態による、複数の隔壁、マニホールド入口、及びマニホールド出口を有するマニホールドの実施態様の例を示す。いくつかの実施形態では、上記のように、マニホールドは複数の隔壁を有することができ、1つ又は複数の隔壁(例えば、場合によっては各隔壁)が、バイオ・アセンブリ入口及びバイオ・アセンブリ出口を有するバイオ・アセンブリを受容するように構成される。場合によっては、マニホールドは、単一のマニホールド入口及び単一のマニホールド出口のみを有してもよく、単一のマニホールド入口は、1つ又は複数のバイオ・アセンブリ(例えば、場合によってはバイオ・アセンブリのそれぞれ)のバイオ・アセンブリ入口と流体連通するように構成してもよく、単一のマニホールド出口は、1つ又は複数のバイオ・アセンブリ(例えば、場合によってはバイオ・アセンブリのそれぞれ)のバイオ・アセンブリ出口と流体連通するように構成してもよい。いくつかの実施形態では、用語「流体連通」は、流体が損失又は漏れが殆ど又は全くなく第1の構成要素と第2の構成要素との間で輸送され得るように、第1の構成要素と第2の構成要素との間に延びるチャネル、脈管構成要素、チューブ、パイプ、又はそれらのネットワーク等の機構を指し得る。場合によっては、流体連通は一方向又は双方向であってもよい。
【0024】
図2Aは、隔壁230内に受容され得るバイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリ入口及びバイオ・アセンブリ出口と流体連通するように構成された単一のマニホールド入口210及び単一のマニホールド入口220を有するマニホールド200の例示的な図を示す。場合によっては、入口流体チャネルネットワーク240の個々の分岐部260を介してマニホールド入口210をマニホールド200の各隔壁230に接続する入口流体チャネルネットワーク240が存在し得、それによって、バイオ・アセンブリが隔壁230内に受容されるときに、隔壁230内に受容されたバイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリ入口は、隔壁230に接続された入口流体チャネルネットワーク240の分岐部260を介してマニホールド入口210に結合され得る。そのため、同数又はそれ以下の隔壁230内の複数のバイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリ入口は、単一のマニホールド入口210を介してマニホールド200に注入される流体を受け取るように構成されるように、マニホールド200の単一のマニホールド入口210と流体連通することができる。
【0025】
場合によっては、出口流体チャネルネットワーク250が存在しており、出口流体チャネルネットワーク250の個々の分岐部を介してマニホールド出口220をマニホールド200の各隔壁230に接続することによって、バイオ・アセンブリが隔壁230内に受容されるときに、隔壁230内に受容されたバイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリ出口は、隔壁230に接続された出口流体チャネルネットワーク250の分岐部を介してマニホールド出口220に結合され得る。そのため、マニホールド200の単一のマニホールド出口220は、複数のバイオ・アセンブリから放出される又は出る流体を受け取るように構成されるように、同数又はそれ以下の隔壁230内の複数のバイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリ出口と流体連通してもよい。いくつかの実施形態では、入口流体チャネルネットワーク240及び/又は出口流体チャネルネットワーク250は、その中の流体の流れを調節するように構成された(例えば、形状及びサイズ決めされた)狭窄部を含んでもよい。例えば、入口流体チャネルネットワーク240は複数の分岐部を有し得、これら分岐部の一部又は全部は、複数の分岐部の間の流量又は流体抵抗を少なくとも実質的に均等にするように構成された狭窄部を有し得る。場合によっては、出口流体チャネルネットワーク250は複数の分岐部を有してもよく、これらの分岐部の一部又は全ては、これらの複数の分岐部の間の流量又は流体抵抗を少なくとも実質的に均等にするように構成された狭窄部を有してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、マニホールドは、複数のマニホールド入口及び/又は単一のマニホールド入口を有してもよい。このような場合に、複数のマニホールド入口及び/又は複数のマニホールド入口があるにもかかわらず、マニホールド内の隔壁の数は、マニホールド入口及び/又はマニホールド出口の数よりはるかに多くなる場合がある。そのため、複数の隔壁及びその中に収容されるバイオ・アセンブリは、同じマニホールド入口及び/又はマニホールド出口と流体連通するように構成され得る。例えば、
図2Bは、2つのマニホールド入口215a、215b、2つのマニホールド入口225a、225b、及び48個の隔壁235を有するマニホールド255を示す。
図2Bは非限定的な例示的な例であり、マニホールドは任意の数のマニホールド入口、マニホールド出口、及び隔壁を有してもよいことを理解されたい。
【0027】
2つ以上の入口215及び/又は2つ以上の出口225を有するマニホールドにおいて、いくつかの実施形態では、
図2Aを参照して上述したのと同様の方法で、マニホールド255の隔壁235は、1つ又は複数のマニホールド入口215及び/又は1つ又は複数のマニホールド出口225と流体連通することができる。例えば、入口流体チャネルネットワーク245は、マニホールド入口215a、215bのうちの1つ又は複数をマニホールド255の各隔壁235(例えば、その中に収容されるバイオ・アセンブリ)に接続することができ、それによって、バイオ・アセンブリが隔壁235内に受容されるときに、隔壁235内に受容されるバイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリ入口は、マニホールド入口215a、215bのうちの1つ又は複数に結合され、流体連通することができる。さらに、出口流体チャネルネットワーク265は、マニホールド出口225a、225bのうちの1つ又は複数をマニホールド200の各隔壁235に接続することができ、それによって、バイオ・アセンブリが隔壁235内に受容されるときに、隔壁235内に受容されるバイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリの出口は、マニホールド出口225a、225bのうちの1つ又は複数に結合され得る。上述したように、マニホールド200、255内の隔壁230、235の数は、マニホールド入口及び/又はマニホールド出口の数よりも大幅に多くなり得る。このような場合に、例えば
図2Bを参照すると、同数又はそれ以下の隔壁235内の複数のバイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリ入口は、マニホールド255の1つ又は複数のマニホールド入口215a、215bと流体連通してもよく、同数又はそれ以下の隔壁235内の複数のバイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリ出口は、マニホールド255の1つ又は複数のマニホールド出口225a、225bと流体連通してもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、複数のバイオ・アセンブリを受容するように構成された多数の隔壁を有するマニホールド内に限られた数のマニホールド入口及びマニホールド出口を有することは、いくつかの利点を有し得る。例えば、
図2Aを参照すると、
図2Aでは、複数の隔壁230を有するマニホールド200に対して単一のマニホールド入口210が存在しており、各隔壁230がバイオ・アセンブリを受容するように構成される。何故なら、隔壁230内の各バイオ・アセンブリは、同じ単一のマニホールド入口210と流体連通することができるため、同じ流体は、マニホールド入口210を介して複数の隔壁230の各バイオ・アセンブリに注入することができ、マニホールド200のユーザに、隔壁230の各バイオ・アセンブリ内を流れる流体及びその特性に関する向上した制御を提供する。例えば、各バイオ・アセンブリ内の流体は、限定しないが、体積/量、濃度(例えば、その中に存在する種の濃度)、粘度、温度、流量等、同じ又は少なくとも実質的に同じ流体特性又は物理特性を有することができ、ユーザが生物学的研究中にバイオ・アセンブリ内の流体の注目される特性を制御できるようになる。
【0029】
バイオ・アセンブリを受容するように構成された多数の隔壁を有するマニホールド内に限られた数のマニホールド入口及びマニホールド出口を有することの別の利点は、限定しないが、そのようなマニホールドが、いくつかの「外界とプレートの」コネクタを含んだマニホールドに関連する漏れ等、複雑化の影響を殆ど又は全く受けないことである。すなわち、本開示で開示するマニホールドは、内部脈管構造、すなわち、入口流体チャネル及び出口流体チャネルのネットワークを有しており、これは、限られた数のマニホールド入口及びマニホールド出口が、マニホールドの同じ数の隔壁内に収容される複数のバイオ・アセンブリそれぞれの生体組織に効率的に流体を効率的に出入りさせるのを可能にする。場合によっては、「限られた数」という用語は、絶対的な意味(例えば、1~10の範囲の数)で理解してもよく、又は比較的な意味(例えば、(多数の)隔壁と比較して少数のマニホールド入口及びマニホールド出口等)で理解してもよい。
【0030】
図3は、様々な実施形態による、前述の内部脈管構造、すなわち、入口流体チャネル330、380及び出口流体チャネル340、390のネットワークを有するマニホールド300の概略図であり、これによって、限られた数のマニホールド入口及びマニホールド出口(例えば、単一のマニホールド入口310及び単一のマニホールド出口320)により、マニホールドの隔壁305内に収容されるバイオ・アセンブリそれぞれに流体を効率的に出入りさせることができる。
図3の例示的な実施形態に示されるように、単一のマニホールド入口310は、入口流体チャネル330、380のネットワークを含む内部入口脈管構造を介して、隔壁305内に収容されるバイオ・アセンブリ350のバイオ・アセンブリ入口360と流体連通するように構成される。さらに、単一のマニホールド出口320も、出口流体チャネル340、390のネットワークを含む内部出口脈管構造を介してバイオ・アセンブリ350のバイオ・アセンブリ出口370と流体連通するように構成される。本明細書の議論では、マニホールド300の単一の隔壁305及びその中に受容される又は収容されるバイオ・アセンブリ350について言及するが、それは、マニホールド300の他の隔壁及びバイオ・アセンブリのいずれにも同様に適用される。
【0031】
上述したように、いくつかの実施形態では、入口流体チャネル及び出口流体チャネルのネットワークを含むマニホールド300の内部脈管構造は、その中に収容される多数の隔壁及びバイオ・アセンブリ(例えば、約1~約1536の範囲で)が、限られた数のマニホールド入口及びマニホールド出口(例えば、それぞれの場合に1つ)と流体連通するのを可能にする。このような流体構造又は配置は、限られた数のマニホールド入口を介してマニホールドに注入される流体が、入口流体チャネルのネットワークを通って流れ、それぞれのバイオ・アセンブリ入口を介してバイオ・アセンブリに入り、バイオ・アセンブリ出口を介してバイオ・アセンブリから出て、出口流体チャネルのネットワークに入り、最終的に限られた数のマニホールド出口を介してマニホールドから出るのを容易にすることができる。すなわち、マニホールド300の隔壁305を参照すると、マニホールド流体入口310に(例えば、入口流体リザーバから)注入された流体は、入口流体チャネル330を介して流れ、入口流体チャネル380に分岐部して、バイオ・アセンブリ入口360を介して隔壁305内に収容されたバイオ・アセンブリ350に入ることができる。次に、流体は、後述するように、バイオ・アセンブリ350を通って流れ、その後、バイオ・アセンブリ出口370を介してバイオ・アセンブリ350から出て、分岐部出口流体チャネル390及び出口流体チャネル340に入り、最後にマニホールド出口320を介してマニホールド300から流出することができる。上述したように、上記の議論は、マニホールド300の他の隔壁のいずれにも同様に同様に当てはまる。そのため、マニホールド300の内部脈管構造は、マニホールド300が多数の隔壁(例えば、マニホールド入口/出口の数をはるかに超える隔壁の数)を有する場合に、最小限の数のマニホールド300の入口及び出口を使用して、マニホールド300への流体の効率的な送達及びマニホールド300からの流体の排出を可能にする。
【0032】
図4は、様々な実施形態による、互いに直列及び並列に流体連通したバイオ・アセンブリを有するマニホールドの概略図である。いくつかの実施形態では、マニホールド400は、バイオ・アセンブリ430をその中に収容する隔壁と流体連通するマニホールド入口410を有することができ、次に、マニホールド出口420と流体連通することができる。上で議論したように、マニホールド400の隔壁内に受容される又は収容されるバイオ・アセンブリ430は、入口脈管構造440又は入口流体チャネルのネットワークを介してマニホールド入口410と流体連通するバイオ・アセンブリ入口と、出口脈管構造450又は出口流体チャネルのネットワークを介してマニホールド出口420と流体連通するバイオ・アセンブリ出口とを有してもよい。そのため、入口リザーバからマニホールド入口410を介して(例えば、流体ポンプによって)マニホールド400に注入された流体は、マニホールド入口410から入口脈管構造440を介してバイオ・アセンブリ430に流入し、バイオ・アセンブリ430から出て出口脈管構造450に入り、マニホールド出口420を介してマニホールド400から例えば出口リザーバ内に放出され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、マニホールド400の入口及び出口流体チャネルのネットワークは、バイオ・アセンブリ430の少なくとも一部が互いに直列に流体連通できるように配置され得る。いくつかの実施形態では、マニホールド400の入口及び出口流体チャネルのネットワークは、バイオ・アセンブリ430の少なくとも一部が互いに並列に流体連通できるように配置され得る。さらにいくつかの実施形態では、マニホールド400の入口及び出口流体チャネルのネットワークは、バイオ・アセンブリ430の少なくとも一部が互いに直列及び並列の流体連通の組合せとなり得るように配置され得る。例えば、
図4を参照すると、第1のバイオ・アセンブリ430aは、第2のバイオ・アセンブリ430bと直列に流体連通してもよく、第1のバイオ・アセンブリ430a(及び第2のバイオ・アセンブリ430b)は、第3のバイオ・アセンブリ430cと並列に流体連通してもよい。第1のバイオ・アセンブリ430a、第2のバイオ・アセンブリ430b、及び第3のバイオ・アセンブリ430cは、互いに直列及び並列の流体連通の組合せであってもよい。
【0034】
場合によっては、バイオ・アセンブリ430同士の間の直列及び/又は並列の流体連通を可能にする入口流体チャネル440及び出口流体チャネル450のネットワークの内部構造又は配置は、様々なバイオ・アセンブリ430への流体の流れの分布の制御を容易にすることができる。例えば、細胞培養物と薬剤潅流液との間の何らかの相互作用による流体副産物の研究を含む生物学的研究を行うために、場合によっては、細胞培養物潅流液をバイオ・アセンブリ430aの足場内に注入するか、又は別の方法でバイオ・アセンブリ430aの足場に配置することができ、薬剤灌流液は、バイオ・アセンブリ430aを通って流れるように導かれ(例えば、そのため、バイオ・アセンブリ430aのバイオ足場内の細胞と相互作用する)、流体副生成物としてバイオ・アセンブリ430aのバイオ・アセンブリ出口を介して出て、更なる研究及び分析のためにバイオ・アセンブリ430bに送られる。別の例として、生物学的研究に、2つの異なるサンプルに対する同じ流体の影響を決定するための研究が含まれる場合に、2つの異なるサンプルは、第1のバイオ・アセンブリ430a及び第3のバイオ・アセンブリ430cのバイオ足場に配置され得、流体は、マニホールド入口410を介してマニホールド400に注入され得る。そのような場合に、第1のバイオ・アセンブリ430a及び第3のバイオ・アセンブリ430cは互いに並列に流体連通しているため(例えば、流体チャネル分岐部460a及び460bは互いに実質的に同一である場合)、第1のバイオ・アセンブリ430a及び第3のバイオ・アセンブリ430cに到達する流体は、少なくとも実質的に類似しており、すなわち、限定するものではないが、濃度(例えば、その中に存在する種の濃度、例えば溶質、溶媒等であるがこれらに限定されない)、体積、流量、温度、粘度等、同一又は実質的に類似の物理的特性を有し得る。
【0035】
図5は、様々な実施形態による、バイオ・アセンブリの分解図の概略図である。いくつかの実施形態では、バイオ・アセンブリ500は、蓋510、バリア520、シール530、ハウジング560、バイオ足場570、及び基材580を含んでもよい。場合によっては、バリア520は、バイオ・アセンブリ500の蓋510に固定されるように構成された透明なバリアであってもよい。例えば、バリア520は、接着剤を介して蓋510に固定されるように構成された透明なプラスチック又はガラスのカバースリップであり得る。そのため、場合によっては、バリア520は、蓋510の上からバイオ・アセンブリ500の内部を見るのを可能にする窓としても機能することができる。場合によっては、バリア520は、バリア520を蓋510に取り付ける又は固定するように構成された他の取り付け技術、例えばインターロックラッチ等(であるがこれに限定されない)を使用して蓋510に固定してもよい。場合によっては、蓋510はプラスチック材料から製造してもよい。さらに、場合によっては、接着剤には、限定しないが、アクリルテープ接着剤(例えば、3M LSE9474)等のテープ、限定しないが、2液型エポキシ、光活性エポキシ、シアノアクリレート、紫外線(UV)硬化性材料、生体適合性、細胞適合性接着剤等の液体接着剤/接着剤が含まれ得る。
図1では、バイオ・アセンブリ500の2つの別個の構成要素として示されるが、場合によっては、蓋510及びバリア520は、単一の構成要素(例えば、一体の構成要素、又は蓋510及びバリア520に分離できる分離可能な構成要素)であってもよい。いくつかの実施形態では、バイオ・アセンブリ500の横方向の寸法(例えば、長さ、幅、深さ、半径等)は、約0.1μm~約5mm、約1μm~約1mm、約5μm~約0.1mm、約10μm~約50μm、約20μm~約25μmの範囲(それらの間の値及び部分範囲を含む)であり得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、シール530は、バリア520とハウジング560との間に気密、水/流体密、防塵等のシールを提供するように構成され得、その一例にはガスケット又はOリングが含まれる。例えば、シール530は、シール530がバリア520及び/又はハウジング560にそれぞれ接触するときに、バリア520及び/又はハウジング560に固定又は取り付けられるように構成され得る。例えば、シール530は、バリア520とハウジング560との間に位置付けされるときに、バリア520とハウジング560の両方に取り付けられる両面接着剤であってもよく、それによって、気密、水/流体密、防塵等のシール又は取り付け形態が形成され、空気、水/流体、塵等がバイオ・アセンブリ500に侵入することが防止される。
【0037】
いくつかの実施形態では、ハウジング560は、1つ又は複数のバイオ・アセンブリ入口540及び1つ又は複数のバイオ・アセンブリ出口550a、550b、並びに内部空間内に足場570を受容するように構成された(例えば、形状及びサイズ決めされた)内部チャンバ又は空隙を有する中空構成要素であってもよい。場合によっては、ハウジング560は、樹脂(例えば、生体適合性)、ポリカーボネート、アクリル、ガラス、プラスチック等の材料から製造してもよいが、これらに限定されない。場合によっては、ハウジング560は、バイオ・アセンブリ入口540と流体連通し、バイオ・アセンブリ500に流入する流体をアセンブリ入口540を介してバイオ・アセンブリ500内の所望の位置(バイオ足場入口575a等、これに限定されない)に導くように構成されたバイオ・アセンブリ入口流体チャネル(すなわち、バイオ・アセンブリ入口脈管構造)の内部ネットワークを有してもよい。すなわち、例えば、バイオ足場570がハウジング560の内部空間内に位置付けされ、流体がマニホールド入口(例えば、
図2のマニホールド入口210、
図3のマニホールド入口310等)からバイオ・アセンブリ入口540を介してバイオ・アセンブリ500に流入するときに、流体は、内部のバイオ・アセンブリ入口脈管構造を介してバイオ・アセンブリ500を通過して、バイオ足場入口575aに到達し、バイオ足場570に入ることができる。
【0038】
場合によっては、ハウジング560は、バイオ・アセンブリ出口550aと流体連通し、バイオ・アセンブリ出口550a(バイオ足場出口575b等、これに限定されない)から来る流体をバイオ・アセンブリ出口550aに導き、マニホールド出口(例えば、
図2のマニホールド入口220、
図3のマニホールド入口320等)に放出するように構成されたバイオ・アセンブリ出口流体チャネル(すなわち、バイオ・アセンブリ出口脈管構造)の内部ネットワークを有してもよい。すなわち、例えば、流体がバイオ足場入口575aを介してバイオ足場570に入った後に、流体は、バイオ足場流体チャネル又は脈管構成要素590を介してバイオ足場570を通過し、バイオ足場入口575bを介して出ることができる。このような場合に、バイオ足場出口575bと流体連通し得るバイオ・アセンブリ出口脈管構造は、バイオ足場入口575bから流体を受け取り、流体をバイオ・アセンブリ出口550aに輸送して、バイオ・アセンブリ出口550aを介してバイオ・アセンブリ500の外に放出することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、上述したように、バイオ・アセンブリ500は、2つ以上のバイオ・アセンブリ出口550a、550bを含み得る。場合によっては、これらのバイオ・アセンブリ出口のうちの1つ(例えば、バイオ・アセンブリ出口550b)は、バイオ・アセンブリの内部及び/又はバイオ・アセンブリ500が位置する隔壁と、バイオ・アセンブリ500の外部との間で流体を輸送するように構成されたバイオ足場アクセスチャネルに結合されるか、又は流体連通してもよい。
図6は、様々な実施形態による、バイオ足場アクセスチャネルを有するバイオ・アセンブリの斜視図の概略図を示す。いくつかの実施形態では、バイオ・アセンブリ600は、バイオ・アセンブリ入口620、第1のバイオ・アセンブリ出口630、及び第2のバイオ・アセンブリ出口640を有するハウジング610を含み得る。場合によっては、第1のバイオ・アセンブリ出口630は、バイオ・アセンブリ出口550aと類似又は同一であってもよく、
図5を参照したバイオ・アセンブリ出口550aに関する上記の議論は第1のバイオ・アセンブリ出口630にも当てはまり得る。第2のバイオ・アセンブリ出口640は、第2のバイオ・アセンブリ出口640を介してバイオ・アセンブリ600の内部とバイオ・アセンブリ600の外部との間で流体を輸送するように構成されたバイオ足場アクセスチャネル又は流体ライン650に結合され得る。
【0040】
例えば、各隔壁230、235が内部にバイオ・アセンブリ(
図6の600等)を有するマニホールド(
図2A~
図2Bに示される200又は255等)を使用して実施される生物学的研究は、バイオ・アセンブリ600のバイオ足場を通って流れる細胞培養培地流体又は灌流液を含み得る。場合によっては、例えば、追加の流体又は培地をバイオ・アセンブリ600の内部、例えばバイオ・アセンブリ600のバイオ足場に追加又は除去する必要がある場合がある。場合によっては、バイオ足場アクセスチャネル650は、バイオ足場、バイオ・アセンブリ600のバイオ・アセンブリ入口流体チャネルの内部ネットワーク、及び/又はバイオ・アセンブリ600のバイオ・アセンブリ出口流体チャネルの内部ネットワークに物理的に結合されるか、又は流体連通してもよい。このような場合に、第2のバイオ・アセンブリ出口640は、追加の流体又は媒体がバイオ足場に到達できるように、バイオ足場アクセスチャネル650を介して追加の流体をバイオ・アセンブリの内部に(例えば、バイオ足場に)導入するために使用され得る。例えば、バイオ・アセンブリ600のバイオ足場内の生物組織を保存するように構成された固定剤は、生物学的研究の終了時にバイオ・アセンブリ600に導入され、バイオ足場アクセスチャネル650を介してバイオ足場に送達され得る。
【0041】
場合によっては、第2のバイオ・アセンブリ出口640は、バイオ・アセンブリ及び/又はバイオ足場の内部からバイオ足場アクセスチャネル650を介してバイオ・アセンブリ600の外側に流体を抽出するためにも使用され得る。例えば、第2のバイオ・アセンブリ出口640と流体連通し、第2のバイオ・アセンブリ出口640の外に流体を圧送するように構成された流体ポンプは、ハウジング610の内部の流体(例えば、漏れ)に使用され得る。例えば、バイオ・アセンブリ600のバイオ足場内に位置する細胞培養培地の生物学的研究中に、研究者は、バイオ足場内の細胞培養培地のサンプルにアクセスして、細胞培養培地のアッセイに対する細胞応答を定量化したい場合がある。このような場合に、研究者は、バイオ足場アクセスチャネル650及び第2のバイオ・アセンブリ出口640を介してバイオ足場/バイオ・アセンブリ600からサンプルを抽出することができる。そのため、バイオ足場アクセスチャネル650は、バイオ足場、バイオ・アセンブリ600の入口流体チャネルの内部ネットワーク、及び/又はバイオ・アセンブリ600の出口流体チャネルの内部ネットワークへのアクセス流体を提供することができ、それによって、媒体/流体は、バイオ足場アクセスチャネル650及び第2のバイオ・アセンブリ出口640を使用して、バイオ・アセンブリ及び/又はバイオ足場の内部に導入され、これらから抽出され得る。場合によっては、バイオ足場アクセスチャネル650は、バイオ・アセンブリ600が位置付けされるマニホールドの出口流体チャネルの内部ネットワークと流体連通してもよく、それ自体、バイオ・アセンブリ600の内部から抽出された流体をこれらの出口流体チャネルに導き、流体がマニホールド出口を介してマニホールドの外部に放出されるようにすることができる。上記の例は非限定的であり、バイオ足場アクセスチャネル650は、バイオ・アセンブリの内部からの気泡等の除去等の他の目的に使用してもよいことを理解すべきである。
【0042】
いくつかの実施形態では、バイオ足場アクセスチャネル650は、マニホールド内のバイオ・アセンブリ又は隔壁同士の間の漏れを防止又は少なくとも低減するための重力バリアを含み得る。場合によっては、バイオ足場アクセスチャネル650は、媒体(例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS))がウェル又はハウジング610の内部に添加されるのを可能にするように構成され得、それによって、バイオ足場(例えば、ハイドロゲル)は時間が経っても乾燥しない(例えば、バイオ足場内の細胞も時間の経過とともにゆっくりと乾燥する可能性があるため、有害になる可能性がある)。場合によっては、バイオ足場又はハイドロゲルは、約35℃~約40℃(例えば、約37℃)の範囲の温度で、バイオ足場又はハイドロゲルが乾燥し、内部の細胞が時間の経過とともに乾燥するのを防ぐために培地(例えば、PBS等)をハウジング610のウェル又は内部に添加せずに、インキュベーター内に置かれてもよい。場合によっては、培地を定期的又は周期的に添加して、バイオ足場又はハイドロゲル又はその中の細胞の乾燥を防止又は少なくとも軽減することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、気泡は、マニホールドの入口流体チャネルのネットワークの流体ライン又はチャネルに対してバイオ・アセンブリの上流側に位置付けされた気泡出口を使用して、バイオ・アセンブリに到達する前に(そのため、バイオ足場に到達する前に)マニホールドから除去され得る。場合によっては、本明細書に開示するマニホールド等のマイクロ流体システムに混入した気泡は、マニホールドを使用して行われる生物学的研究中に、流体の流れの遮断、細胞培養培地又は流体中の細胞への損傷、及び/又は流体/媒体中のタンパク質等の変性等の問題を引き起こす可能性があるが、これらに限定されない。
図7の
図7A~
図7Bは、様々な実施形態による、マニホールドの流体チャネル内を流れる流体に同伴されるガス又は空気を除去するように構成された気泡出口の概略図を示す。いくつかの実施形態では、
図7Aは、細孔730を含んだ上部カバー715を有しており、マニホールドの流体チャネル720(例えば、
図3の入口流体チャネル330、380のネットワークの流体チャネル)に位置付けされた気泡トラップ又は出口710の斜視図を示す。場合によっては、気泡出口710は、流体チャネル720内を流れる流体の上方に少なくとも実質的に垂直に位置付けしてもよい。すなわち、マニホールドの流体チャネル又は流体ラインを通って流れる流体に同伴される気泡の除去を容易にするために、気泡出口710は、流体チャネル上で流体の垂直上方に配置され、同伴ガスが気泡出口710に向けて移動して流体及びマニホールドから除去され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、
図7Bは気泡出口710の断面図を示し、気泡出口710は、流体780(例えば、内部に気泡が混入した流体)を流体チャネル720から気泡出口710で受け取るか、又は気泡出口710に導くための入口流体ライン740aを含む。場合によっては、気泡出口710はまた、受け取った流体780がウェル750を通過できるように構成されたウェル750を含んでもよく、一方、通過する受け取った流体795に同伴された気泡は、気泡出口710の上面の細孔730に向けて移動し、気泡が殆ど又は全く含まれていない流体790が後に残る。さらに、気泡出口710は、流体790を(例えば、受け取った流体に同伴された気泡の少なくともかなりの部分を除去した後に)流体チャネル720に戻すか、又は導き、(例えば、バイオ・アセンブリの)バイオ・アセンブリ入口を介したバイオ・アセンブリへの送達を行うように構成された出口流体ライン740bを含んでもよい。
【0045】
場合によっては、気泡出口710は、ウェル750と上部カバー715の細孔730との間に位置付けされ、通過する受け取った流体795から離れる方向に移動する気泡を濾過するように構成されたフィルタ膜760を含んでもよい。場合によっては、フィルタ膜760は、通過する受け取った流体795中の液体をはじき、通過する受け取った流体795に同伴された気泡770が膜の細孔及び気泡出口710の上部カバー715の細孔730を介して逃げるのを可能にするように構成された微細孔を有する疎水性膜とすることができる。場合によっては、フィルタ膜760は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の疎水性膜であってもよいが、これらに限定されない。場合によっては、フィルタ膜760は、これらに限定しないが、テープ、液体接着剤/接着剤等の接着剤を介して上部カバー715に固定されるように構成される。場合によっては、微小孔は、約0.01μm~約100μm、約0.02μm~約10μm、約0.05μm~約1μm、約0.1μm~約0.5μm、約0.15μm~約0.35μm、約0.2μm~約0.4μm、約0.21μm~約0.25μmの範囲(その間の値及び部分範囲を含む)横方向の寸法(例えば、半径、直径等)を有してもよい。さらに、フィルタ膜760の表面積は、ウェル750内を通過する受け取った流体795からの気泡の脱出速度を向上又は最大化するように構成され得る。例えば、フィルタ膜760の表面積は、細孔730を含む上部カバー715の底面以上であり得、フィルタ膜760の微細孔及び上部カバー715の細孔730を通って逃げる気泡の量が増強又は最適化され得るようにする。
【0046】
図5に戻ると、いくつかの実施形態では、バイオ・アセンブリ500は、基材580に固定又は取り付けられるように構成されたバイオ足場570を含む。場合によっては、バイオ足場570は、任意の適切な結合技術(バイオ足場570を基材580の上面に共有結合により結合することを含むがこれに限定されない)を介して基材580に固定又は取り付けてもよい。例えば、2つの異なる反応性官能基を有するヘテロ二官能性化学基を使用して、バイオ足場570を基材580に結合させることができ、ここで、一方の官能基は基材580に結合するように構成され、他方の官能基はバイオ足場570に結合するように構成され、それによりバイオ足場570を基材580に効果的に固定する。例えば、基材580は、トリクロロシラン及びメタクリレートを含むヘテロ二官能性化学架橋剤を使用して化学的に官能化することができ、ヘテロ二官能性化学架橋剤がバイオ足場570及び基材580それぞれと接触すると、トリクロロシランは基材580に結合するように構成され、メタクリレートはバイオ足場570に結合するように構成される。
【0047】
場合によっては、共有結合技術の使用に加えて、又はその代わりに、バイオ足場570は、限定しないが、テープ、液体接着剤/接着剤等の接着剤を介して基材580に取り付けてもよい。場合によっては、バイオ足場570は、共有結合及び/又は接着剤を使用せずに基材580上に配置され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、バイオ足場570は、ゲル、ハイドロゲル、例えば水及び6kDa、20重量%を有するポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)を含む重合性ハイドロゲル、紫外光から可視光の波長範囲で吸収するアシルホスフィン酸リチウム(LAP)、メタクリル酸ゼラチン、或いはメタクリル酸コラーゲン、メタクリル酸シルク、メタクリル酸ヒアルロン酸、メタクリル酸コンドロイチン硫酸、メタクリル酸エラスチン、アクリル酸セルロース、デキストランメタクリレート、ヘパリンメタクリレート、NIPAAmメタクリレート、キトサンメタクリレート、ポリエチレングリコールノルボルネン、ポリエチレングリコールジチオール、チオール化ゼラチン、チオール化キトサン、チオール化シルク、PEGベースのペプチドコンジュゲート、又はそれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない他の適切なハイドロゲル材料であり得る。さらに、バイオ足場570は、上に挙げたものを含む、例えば射出成形技術、急冷鋳造又は犠牲成形を含む成形可能又は3D印刷可能である任意の材料を含むことができる。場合によっては、バイオ足場130は、機械的、化学的、及び/又は光誘起分解によって除去することができる針又は構造等のパターンの周りに鋳造することによって形成することができ、その後、1つ又は複数の部分をパターン化して、ピースを一緒に結合することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、バイオ足場570は、灌流可能なハイドロゲルであり得る。場合によっては、バイオ足場570は、例えば、タートラジン(黄色食品着色料FD&C Yellow 5、E102)、クルクミン(ターメリック由来)、又はアントシアニン(ブルーベリー由来)等の有機材料(これらはハイドロゲルをもたらすことができる)、並びに生体適合性及び光減衰特性のため、また例えば灌流可能なハイドロゲルを生成するための効果的な光吸収添加剤として作用する機能性のため、例えば約5nm~100nmの直径を有する無機金ナノ粒子を含むプレハイドロゲル水溶液を含むことができる。場合によっては、バイオ足場570は光吸収剤を含むことができる。場合によっては、光吸収剤は親水性であってもよい。例えば、親水性光吸収剤は、食用色素、タートラジン、サンセットイエローFCF(黄色6号)、ブリリアントブルーFCF(FD&C青色1号)、インジゴカルミン(FD&C青色2号)、ファストグリーンFCF(FD&C緑色3号)アントシアニン、アントシアニジン、エリスロシン(FD&C赤色3号)、アルーラレッドAC(FD&C赤色40号)、リボフラビン(ビタミンB2、E101、E101a、E106)、アスコルビン酸(ビタミンC)、キノリンイエローWS、カルモワシン(アゾルビン)、ポンソー4R(E124)、パテントブルーV(E131)、グリーンS(E142)、イエロー2G(E107)、オレンジGGN(E111)、レッド2G(E128)、カラメル色素、フェノールレッド、メチルオレンジ、4-ニトロフェノール、NADH二ナトリウム塩、又はそれらの任意の組合せのうちの1つであり得る。場合によっては、光吸収剤は疎水性であってもよい。例えば、疎水性光吸収剤は、クルクミン(E100)、ターメリック、アルファカロテン、ベータカロテン、カンタキサンチン(ケトカロテノイド)、コチニール抽出物、パプリカ、サフラン、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、シトラスレッド2、アナトー抽出物、リコピン、又はそれらの組合せのうちの1つであり得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、バイオ足場570は、シルク、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、合成ペプチド、ヒアルロン酸、アルギン酸塩を含むポリマー、ポリウレタン、ポリカプロラクトン(PCL)、エラストマー、メタクリル酸コラーゲン、コラーゲンメタクリルアミド、ゼラチンメタクリレート、ゼラチンメタクリルアミド、シルクメタクリレート、シルクメタクリルアミド、ヒアルロン酸メタクリレート、ヒアルロン酸メタクリルアミド、プルロニック(登録商標)ジアクリレート、プルロニックメタクリルアミド、コンドロイチン硫酸メタクリレート、コンドロイチン硫酸メタクリルアミド、エラスチンアクリレート、エラスチンメタクリルアミド、セルロースアクリレート、セルロースメタクリルアミド、デキストランメタクリレート、デキストランメタクリルアミド、ヘパリンメタクリレート、ヘパリンメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)、キトサンメタクリレート、キトサンメタクリルアミド、ポリエチレングリコールノルボルネン、ポリエチレングリコールジチオール、チオール化ゼラチン、チオール化キトサン、チオール化ヒアルロン酸、チオール化シルク、PEGベースのペプチド複合体、任意の組織/器官の脱細胞化ECM、プラスチック、金属(ガリウム又はインジウム、又はフィールド金属、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、ガリウム-インジウム-スズ等の合金)、過冷却液体金属、又はそれらの任意の組合せを含む生体材料であるか、又はこれらを含むことができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、バイオ足場570は、バイオ足場入口575a、バイオ足場出口575b、及びそれらの間に延びる1つ又は複数の流体チャネル又は脈管構成要素590を含み得、流体がバイオ足場入口757aを介してバイオ足場570に流入し、バイオ足場570を通過し、その後バイオ足場出口575bを介して出るように構成される。場合によっては、1つ又は複数の脈管構成要素590は、バイオ足場570内で樹状構造として分岐し得る1つ又は複数のチャネルを含み得る。例えば、1つ又は複数のチャネルは、例えばトーラス結び目として形成することができる分岐部を含んでもよく、チャネルはバイオ足場570内の別の点で再収束する。別の例として、1つ又は複数の脈管構成要素590は、バイオ足場570の様々な部分から延び、バイオ足場570の他の部分で終端することができる分岐部構造を含み得る。場合によっては、1つ又は複数の脈管構成要素590は、人体の臓器と同様の分岐部及びテーパを有するマルチスケールの脈管構造を有することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の脈管構成要素590は、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部をその上に有してもよい。
図8は、様々な実施形態による、流体チャネル内の流体の流れを調節するための狭窄部を含んだ流体チャネルを有するバイオ足場の概略図を示す。いくつかの実施形態では、バイオ足場810は、バイオ足場入口820、バイオ足場出口830、及びそれらの間に延びる流体チャネル840を有し得る。場合によっては、流体チャネル840は、流体チャネル840内の流体の流れを調節するように構成された1つ又は複数の狭窄部850a、850bを有してもよい。例えば、狭窄部850a、850bは、流体チャネル840内の流体の流量を調節するように構成され得る。場合によっては、狭窄部850aは、バイオ足場入口820を介してバイオ足場810に流れ込み、流体チャネル840を介してバイオ足場出口830に向けて輸送される流体の流量、体積等を調節するような形状及びサイズであってもよい。別の例として、狭窄部850bは、バイオ足場出口830を介してバイオ足場810から出て流体チャネル840内を流れる流体の流量、体積等を調節するような形状及びサイズであってもよい。場合によっては、流体チャネル840内の狭窄部850a、850bは、互いに異なる形状、サイズ等を有してもよい(例えば、それによって、狭窄部を流れる流体の流量、体積等は均一になる)。場合によっては、バイオ足場810は複数の流体チャネル840を有することができ、各流体チャネル840内の狭窄部850a、850bは、複数の流体チャネル840の間の流体抵抗又は流体の流量を少なくとも実質的に等しくするように構成(例えば、形状及びサイズ決め)することができる。場合によっては、同じ流体チャネル840内の狭窄部850a、850bは、その中を流れる流体の速度又は流量を増加させるように構成され得る。
【0053】
図5に戻ると、場合によっては、バイオ足場570の1つ又は複数の脈管構成要素590は、バイオ足場入口575a及び/又はバイオ足場出口575bの断面積と比較して、バイオ足場570の内部でより広い断面積を有してもよい。すなわち、例えば、1つ又は複数の脈管構成要素590の断面積は、バイオ足場570の内部からバイオ足場出口575bに向けて徐々に狭くなり得る。別の例として、バイオ足場入口575aから始まり、1つ又は複数の脈管構成要素590の断面積は、バイオ足場590の内部に向けて徐々に広がってもよい。場合によっては、バイオ足場570の内部の1つ又は複数の脈管構成要素590は、流体(例えば、細胞の流動性懸濁液)が収集され得るバイオ・アセンブリ570内のチャンバ又は区画を含み得、その中で生物学的研究が実施され得る。例えば、バイオ・アセンブリ入口540を介してバイオ・アセンブリ500に注入された流体は、バイオ足場入口575aを介してバイオ足場570に入ることができる。次に、流体は、1つ又は複数の脈管構成要素590を通って流れ、生物学的研究のためにチャンバ内に収集され得る。場合によっては、次に、流体は、バイオ足場出口575b及びバイオ・アセンブリ出口550aを介してバイオ・アセンブリ500の外に放出され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の脈管構成要素590は、任意の断面形状及び約10μm~約1mm、約100μm~約800μm、約200μm~約600μm、約300μm~約700μm、約400μm~約600μm、約450μm~約550μmの範囲(それらの間の値及び部分範囲を含む)の横寸法(例えば、断面の横寸法は円形の場合は半径又は直径である)を有し得る。場合によっては、1つ又は複数の脈管構成要素590は灌流可能である。場合によっては、1つ又は複数の脈管構成要素590は、1つ又は複数の脈管構成要素590内の圧力、機械的、電気的、及び/又は化学的刺激の変化(例えば、増加又は減少)に応じて、その形状及びサイズを変化(例えば、拡張、収縮等)することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、バイオ足場570は、バイオ・アセンブリ500からのバイオ足場570の除去を容易にするように構成された切断(sectioning)ラベルをその上に有してもよい。
図9は、様々な実施形態による、バイオ・アセンブリ(例えば、500等)からバイオ足場を除去するための切断ラベル又は特徴が示されたバイオ足場(例えば、570又は800等)の一部の概略図を示す。いくつかの実施形態では、バイオ・アセンブリのバイオ足場910は、バイオ・アセンブリの他の構成要素(例えば、基材)からバイオ足場910を切断でき、例えばバイオ・アセンブリからのバイオ足場910の除去を容易にするように構成された切断ラベル920を有してもよい。場合によっては、切断ラベル920は、バイオ足場910上に配置(例えば、光架橋、共有結合、取り付け、又は取り付けせずに隣接して配置)してもよく、また、バイオ・アセンブリからバイオ足場910を除去できるように構成される特徴の存在を示し得るインジケータとして機能するか、又はインジケータを含み得る。このような切断ラベル又は特徴920の例としては、ミシン目、窪み、突起等が挙げられるが、これらに限定されない。そのような特徴により、基材、入口及び出口流体チャネルのネットワーク等に固定されたバイオ足場をバイオ・アセンブリの他の構成要素から切り離す、切断する、係合解除する、又は別の方法で分離することが可能になり得、バイオ足場をバイオ・アセンブリから非侵襲的に除去できるようになる。
【0056】
例示的な説明として、上で議論したような切断ラベル(例えば、ミシン目、窪み、突起等)を含んだバイオ足場を有するバイオ・アセンブリは、生物学的研究に使用することができ、研究者は、更なる研究/分析のために、バイオ足場(その中に収容される培地、液体、組織等を含む)を除去したいと考える場合がある。このような場合に、切断ラベル又は特徴は、研究者がバイオ足場をバイオ・アセンブリから除去するために、バイオ・アセンブリからバイオ足場及びその構成要素を分離することができるバイオ足場上の位置を研究者に示すラベルとして機能し得る。例えば、
図5を参照すると、バイオ足場570の切断ラベルは、バイオ・アセンブリ500の上から見えるように構成され得、そのため、研究者は、ハウジング560の上部開口部を介してバイオ足場570に便利にアクセスすることができる(例えば、蓋510及びバリア520を含むバイオ・アセンブリの上部カバーを取り外した後に)。さらに、切断ラベルは、バイオ・アセンブリ500からのバイオ足場570の除去を容易にすることができる。何故なら、切断ラベル又は特徴、すなわち、ミシン目、窪み、突起等によって、バイオ足場570をバイオ・アセンブリ500の他の構成要素(その足場が接続される)からの破断又は係合解除し、バイオ・アセンブリ500からバイオ足場570を除去するのが容易になるからである。
【0057】
いくつかの実施形態では、バイオ足場570は、様々な方法を使用してバイオ・アセンブリ500から除去することができる。このようなバイオ足場切取り機の例には、光学ツール、機械ツール、化学ツール等のツールが含まれるが、これらに限定されない。例えば、レーザ等の光学ツールを使用して、バイオ足場570の切断ラベルに光を導いて、バイオ足場570を、バイオ・アセンブリ500の他の構成要素(例えば、基材)(その足場が接続され、そこから取り外される)から係合解除することができる。例えば、光は、切断ラベル又は特徴においてバイオ足場570を切り離し、バイオ足場570を他の構成要素から分離することができる。バイオ・アセンブリ500から除去するために、バイオ足場570の切断ラベルのところでバイオ・アセンブリ500からバイオ足場570を切り離すために使用できるバイオ足場切取り機の他の例には、塩基(例えば、水酸化ナトリウム)、酸(塩酸等)、プロテイナーゼ(コラゲナーゼ等)等の化学物質、又は(その上に塗布されたときに切断ラベルのところでバイオ足場570を切り離し、バイオ・アセンブリ500からバイオ足場570を結合解除するように構成された)競合化学反応(例えば、解離を引き起こすために化学基/結合と競合するために外部化学物質が導入されるチオエステル交換)の関与が含まれる。さらに他の例には、これに限定しないが、切断ラベルに力を加えるために使用する場合に、切断ラベルのところでバイオ・アセンブリ500からバイオ足場を分離するようにも構成されたスクーパ(scooper)等の機械ツールが含まれる。さらに、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、pNIPAAm等の熱応答性材料を使用してバイオ足場をバイオ・アセンブリに接着する場合に、温度変化によってバイオ足場を除去することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、バイオ・アセンブリ500の基材580は透明基材であり得る。場合によっては、基材580は、ガラス基材、プラスチック基材、及び/又はポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、環状オレフィン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラス、石英、雲母、臭化カルシウム、臭化カリウム等の赤外線透過性の塩、又は表面プラズモンに基づく測定を可能にする他の材料の薄膜又は金属薄膜と組合せたこれらの材料のいずれか、或いはそれらの組合せ等の適切な材料を含む基材であってもよいが、これらに限定されない。
【0059】
場合によっては、基材580は、バイオ足場570が取り付けられた基材580がハウジング560に接触すると、基材580のエッジがハウジング560の底エッジに取り付けられ、気密、水/流体密、防塵等のシールを形成することができるように、ハウジング560の底エッジに嵌合するように構成され得る。場合によっては、取り付けは、限定しないが、テープ、液体接着剤/接着剤、UV硬化性材料又は樹脂、シアノアクリレート接着剤、プラズマ接着等の接着剤を介して容易にされ得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、バイオ・アセンブリ(例えば、500)を受容するように構成されたマニホールドの隔壁(例えば、
図3の隔壁305)は、マニホールド内及び/又はその底エッジ又は表面に位置付けされた界面を含み得る。場合によっては、界面は、バイオ・アセンブリを隔壁内に位置付けしてバイオ・アセンブリの基材を隔壁に取り付けるときに、バイオ・アセンブリの基材と接触し、接着剤を基材に塗布するように構成された接着界面であってもよい。
図10Aは、様々な実施形態による、バイオ・アセンブリを受容するように構成され、接着剤送達構造を有するマニホールドの隔壁の底面図の概略図を示す。いくつかの実施形態では、マニホールドの隔壁は、バイオ足場1040、バイオ足場1040のバイオ足場入口1050と流体連通するバイオ・アセンブリ入口1010、及び/又はバイオ足場1040のバイオ足場出口1060と流体連通する1つ又は複数のバイオ・アセンブリ出口1020a、1020bを有するバイオ・アセンブリ1000を受容するように構成される。
図10Bに示されるように、場合によっては、バイオ・アセンブリ入口1015を介してバイオ・アセンブリ1000に流入する流体は、入口流体チャネル1035を介してバイオ足場入口1055に到達し、その足場入口を通って流体は(例えば、生物学的研究的のために)バイオ足場に入る。次に、生物学的研究から生じる流体は、出口流体チャネル1075を介してバイオ・アセンブリ出口1025aと流体連通するバイオ足場出口1065を介してバイオ足場から放出され得、結果として生じる流体は、出口流体チャネル1075を通過して、バイオ・アセンブリ出口1025aを通ってバイオ・アセンブリ1000から出ることができる。場合によっては、バイオ・アセンブリ出口1025bは、
図6のバイオ足場アクセスチャネル650と同様のバイオ足場アクセスチャネル1085と流体連通してもよい(例えば、バイオ足場アクセスチャネル650に関する上記の議論は、バイオ足場アクセスチャネル1085にも同様に当てはまる)。
【0061】
場合によっては、バイオ・アセンブリ1000は、基材1070も含むことができる。場合によっては、バイオ・アセンブリ1000が位置付けされる隔壁は、その底エッジ又は表面に界面1030を有してもよく、界面1030は、基材1070を含むバイオ・アセンブリ1000が隔壁内に位置付けされ、隔壁と接触するときに、接着剤を基材に塗布するように構成され得る。いくつかの実施形態では、界面1030は、マニホールドの接着剤送出構造1080から接着剤(例えば、液体接着剤)を受け取るように構成された隔壁内の窪み又は溝部(moat)であり得る。すなわち、隔壁を有するマニホールドは、液体接着剤を隔壁の界面1030に送達するように構成された接着剤送達構造1080を有してもよく、それによって、基材1070を有するバイオ・アセンブリ1000を隔壁内に位置付けするときに、界面1030は基材1070(及びそのようなバイオ・アセンブリ1000)を隔壁に固定する。例えば、液体接着剤は、界面1030に送達されると、その場で硬化し、それ自体で基材1070を隔壁(すなわち、マニホールド)に固定するか、又は接合することができる。接着剤送達構造1080によって界面1030に送達され得る接着剤の例としては、紫外線又は可視光硬化性樹脂、空気、シアノアクリレート接着剤、シリコーンガスケット、ポリカルボキシレートセメント、ニトロセルロース、又はそれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、界面1030は、バイオ・アセンブリ内の漏れを収集するための緩衝領域として機能するように構成することもできる。すなわち、例えば、界面1030は、バイオ足場1040及び/又はその足場140に接続された入口又は出口流体チャネルのネットワークから漏れる流体を捕捉するように構成された溝部であり得る。
【0062】
ここで
図5に戻ると、いくつかの実施形態では、マニホールドの隔壁(例えば、
図2のマニホールド200の隔壁230又はマニホールド255の隔壁235)内に配置又は位置付けするように構成されたバイオ・アセンブリ500は、積層造形技術(本明細書では「3D印刷」技術とも呼ばれる)を使用して形成され得、この技術、例えば射出成形技術、急冷鋳造、犠牲成形等であるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、バイオ・アセンブリ500を製造するために、基材580(例えば、透明なガラス)を積層造形機械(すなわち、「3Dプリンタ」)上に配置することができ、基材580は、単一のバイオ・アセンブリ500(例えば、バイオ・アセンブリ500を受容するように構成された単一の隔壁)と関連付けることができ、又は基材は複数のバイオ・アセンブリと関連付けることができ、各バイオ・アセンブリがそれぞれの隔壁内に受容又は位置付けされるように構成される。すなわち、場合によっては、基材580は、単一のバイオ・アセンブリ500のみに対する基材として機能し得る。他の場合には、基材580は、マニホールドの複数のバイオ・アセンブリに対する基材として機能し得る。例えば、
図2Aを参照すると、前者の場合に(すなわち、基材が単一の隔壁に関連付けられる)、隔壁230内に位置付けされるように構成された各バイオ・アセンブリは、独自の基材(例えば、マニホールド200の他の隔壁に位置付けされるように構成される他のバイオ・アセンブリと共有されない)を有し得る。しかしながら、後者の場合に(基材が複数のバイオ・アセンブリと関連付けられる)、マニホールド200の複数のそれぞれの隔壁230内に位置付けされるように構成された複数のバイオ・アセンブリは、同じ基材を共有することができる。例えば、マニホールド230のそれぞれの12個の隔壁230内に位置付けされるように構成された12個のバイオ・アセンブリ用の単一の基材があってもよい。いずれの場合でも、バイオ・アセンブリの積層造形又は3D印刷に関する本明細書の議論は、独自の基材を有するバイオ・アセンブリと、1つ又は複数の基材をそれらの間で共有するバイオ・アセンブリとの両方に等しく適用される。
【0063】
いくつかの実施形態では、基材580は、クリーンな基材580を所望の化学蒸着又は蒸着に浸漬することによって化学的に官能化され得る。例えば、場合によっては、2つの異なる反応性官能基を有するヘテロ二官能性化学架橋剤を使用して基材580を化学的に官能化することができ、ヘテロ二官能性化学架橋剤の第1の官能基は基材に結合するように構成され、ヘテロ二官能性化学架橋剤の第2の官能基は、バイオ足場(例えば、又はそのハイドロゲル前駆体)が基材580に接触するときに、結合を提供するように構成される。例えば、第1の官能基及び第2の官能基は、それぞれトリクロロシラン及びメタクリレートを含み得、ここで、前者(トリクロロシラン)は基材に結合するように構成され、後者(メタクリレート)はバイオ足場に結合するように構成され得る。ヘテロ二官能性化学架橋剤の他の例には、3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3-(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、アリルトリメトキシシラン、3-(トリメトキシシリル)-1-プロパンチオール、(3-メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、及び/又は(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン等を含むが、これらに限定されない。
【0064】
場合によっては、ヘテロ二官能性化学架橋剤による基材580の化学的官能化の後に、重合性ハイドロゲル前駆体を、接着剤をバイオ足場570に提供するように構成されるヘテロ二官能性化学架橋剤(例えば、メタクリレート)の第2の官能基と接触させて配置することができる。次に、重合性ハイドロゲル前駆体を重合(例えば、可視光又はUV光を使用して光重合)して、重合性ハイドロゲル前駆体中で重合反応を開始させ、その結果、基材580上に配置されるハイドロゲルの形成をもたらすことができる。場合によっては、次に、積層造形又は3D印刷技術をハイドロゲルに適用して、バイオ足場570を形成することができる。場合によっては、ハイドロゲルを基材580に光架橋、共有結合、取り付け、又は取り付けずに隣接して配置させることができるという点で、ハイドロゲルを基材上に配置することができる。
【0065】
場合によっては、バイオ足場570を形成するためのハイドロゲルの積層造形は、バイオ足場入口575a、バイオ足場出口575b、及びそれらの間に延びるバイオ足場流体チャネル又は脈管構成要素590を有するバイオ足場570を生成するために、ハイドロゲルを3D印刷することを含む。例えば、ハイドロゲルの3D印刷は、
図8に示されるバイオ足場800と少なくとも実質的に同じバイオ足場570を生成し得る。例えば、ハイドロゲルは、印刷したバイオ足場570のバイオ足場流体チャネル又は脈管構成要素590が、その中の流体又は灌流液の流れを調節するように構成された1つ又は複数の狭窄部を含み得るように、3D印刷することができる。さらに、ハイドロゲルの3D印刷はまた、印刷したバイオ足場570に、それが位置するバイオ・アセンブリからのバイオ足場570の除去を容易にするように構成された切断ラベル又は特徴(例えば、ミシン目、窪み、突起等)を備えてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、バイオ足場570の形成時に、バイオ・アセンブリ入口540及びバイオ・アセンブリ出口550a、550bを含むハウジング560も、3D成形可能材料を使用して積層造形され得る。例えば、ハウジング560は、プラスチック、樹脂(例えば、生体適合性)、ポリカーボネート、アクリル、及び/又はガラス等を使用して3D印刷することができる。場合によっては、ハウジング560の3D印刷はまた、バイオ・アセンブリ500の入口流体チャネルのネットワーク及び出口流体チャネルのネットワークの3D印刷を含み、前者(入口流体チャネルのネットワーク)がバイオ・アセンブリ入口540とバイオ足場入口575aとの両方と流体連通しており、後者(出口流体チャネルのネットワーク)がバイオ・アセンブリ出口550aとバイオ足場出口575bとの両方と流体連通している。さらに、ハウジングの3D印刷は、バイオ足場アクセスチャネル(例えば、
図6のバイオ足場アクセスチャネル650と同様)の3D印刷を含むこともでき、このバイオ足場アクセスチャネルは、バイオ・アセンブリ入口及び出口流体チャネルのネットワーク、及び/又はハウジング560内に位置付けされたバイオ足場570を含む、バイオ・アセンブリ500又はハウジング560の内部と結合されるか、又は流体連通するように構成され得る。
【0067】
場合によっては、ハウジング560の3D印刷は、ハウジング560と基材580(例えば、3D印刷されたバイオ足場がその上に固定されたもの)との嵌合を含むことができ、それによって、バイオ・アセンブリの入口流体チャネルのネットワークはバイオ足場入口575aに結合し、バイオ・アセンブリの出口流体チャネルのネットワークはバイオ足場出口575bに結合する。場合によっては、ハウジング560が基材580と嵌合するときに、接着剤は、接着剤送達構造(例えば、
図10の接着剤送達構造1080)を介してハウジング560と基材580との間に提供され得、それによってハウジング560及び基材580は、ハウジング560と基材580との間に気密、水密/流体密、防塵等のシールを取り付けて形成する。
【0068】
いくつかの実施形態では、ハウジング560の3D印刷は、バイオ足場570を基材580に固定した後に行うことができる。しかしながら、これらの実施形態は非限定的であり、バイオ・アセンブリ500を形成する際に、バイオ・アセンブリ500の様々な構成要素は、任意の順序で製造又は形成することができる。例えば、最初にバイオ足場570を基材580に固定し、次にハウジング560を3D印刷する代わりに、いくつかの実施形態では、上で議論したように、ハウジング560を3D印刷し、次に、基材580に嵌合してもよい(例えば、バイオ足場570を先験的にそこに固定することなしに)。このような場合に、3D印刷ハウジング560が基材580と嵌合して接着されると、コンピュータ・アキシャル・リソグラフィ(CAL)技術を使用してバイオ足場570を形成することができる。例えば、基材580はヘテロ二官能性化学架橋剤で化学的に官能化することができ、上で議論したように、重合性ハイドロゲル前駆体をヘテロ二官能性化学架橋剤の官能基と接触させて配置することができる。次に、バイオ足場の一連の2D断面画像をハイドロゲル前駆体上に投影することを含むCAL技術をハイドロゲル前駆体に非侵襲的に適用して、ハイドロゲル前駆体からバイオ足場570を形成することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、蓋510及びシール530も積層造形することができる。場合によっては、両面接着シールであってもよいシール530は、ハウジング560の上面とバリア520の下面の両方に接着してもよく、蓋510はバリア520の上面に固定してもよく、その結果、バイオ・アセンブリ500の上部の気密、水/流体密、防塵カバーとして機能することができる、組み合わされた蓋-バリア-シール構成要素が得られる。
【0070】
いくつかの実施形態では、上で議論したように3D積層造形された複数のバイオ・アセンブリ500は、マニホールド入口及びマニホールド出口がそれぞれ(
図3を参照して上で議論したように)バイオ・アセンブリ500の入口及び出口と(例えば、内部脈管構造又は入口/出口流体チャネルのネットワークを介して)流体連通するマニホールドを製造ように、マニホールドのプレートのそれぞれの隔壁(例えば、マニホールド200の隔壁230)内に受容され又は位置付けされ得る。内部に収容されるバイオ足場を含むこのようなマニホールドは、人間/動物の解剖学及び生理学を模倣する細胞環境を提供することができ、2020年5月5日に出願した出願人の仮特許出願63/020,407号、“Microcosm Bio-Scaffold and Application Thereof”で説明するように、生物学的研究を行うための生体模倣人間/動物組織モデルとして使用することができ、この出願は、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
いくつかの実施形態では、マニホールドのプレートは、複数のマニホールド入口及び/又は複数のマニホールド出口を有してもよく、前者(マニホールド入口)は、プレートの隔壁内に収容されるバイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリ入口と(例えば、内部入口脈管構造又は入口流体チャネルのネットワークを介して)流体連通してもよく、後者(マニホールド出口)は、バイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリ出口と(例えば、内部出口脈管構造又は出口流体チャネルのネットワークを介して)流体連通してもよい。このようなマニホールドは、薬剤の安全性及び有効性の研究を行うのに特に適した細胞環境を提供することができ、細胞培養培地又は灌流液及び異なる量又は用量の候補薬剤流体を、複数のマニホールド入口を使用してマイクロ流体マニホールドの異なるバイオ足場/バイオ・アセンブリに制御した方法で導くことができる。
図11は、様々な実施形態による、複数のマニホールド入口と、複数のマニホールド入口を介してマニホールド内に受容される流体を混合するための混合領域とを有するマニホールドの概略図を示す。
【0072】
いくつかの実施形態では、マニホールド1100は、2つのマニホールド入口1110、1120と、1つのマニホールド出口1180とを含み得る。
図11は、非限定的な例示的な例であり、マニホールド1100は、任意の複数の数のマニホールド入口(例えば、3、4、5等)及び任意の数のマニホールド出口(例えば、2、3、4、5等)を含むことができ、2つのマニホールド入口1110、1120及び単一のマニホールド出口1180に関する本明細書の説明は、任意の複数のマニホールド入口及び任意の数のマニホールド出口に等しく当てはまることを理解されたい。場合によっては、マニホールド1100はまた、複数のバイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nを含んでもよく、それぞれがマニホールド1100のそれぞれの隔壁内に受容されるか、又は隔壁内に位置付けされる。場合によっては、複数のバイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nのそれぞれのアセンブリ入口は、両方のマニホールド入口1110、1120と流体連通してもよい。さらに、複数のバイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nのそれぞれのバイオ・アセンブリ出口は、マニホールド出口1180と流体連通してもよい。
図11は、それぞれバイオ・アセンブリを含む隔壁の規則的な長方形の配置を示すが、バイオ・アセンブリがマニホールドの入口及び出口と流体連通している限り、マニホールド1100は任意の内部マイクロ流体構造を有することができることを理解されたい。
【0073】
いくつかの実施形態では、隔壁配置及び複数のマニホールド入口を含むマニホールド1100のマイクロ流体構造は、マニホールド1100のバイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170n全体に亘る流体(例えば、細胞培養培地、薬剤等)の制御した分布を容易にするように構成され得る。例えば、
図11は、4行6列に配置された24個のバイオ・アセンブリの長方形配置を示し、行のバイオ・アセンブリは互いに直列に流体連通しており、列のバイオ・アセンブリは互いに並列に流体連通している。このような場合に、同じ又は異なる流体が、2つのマニホールド入口1110、1120を介してマニホールド1100内に注入されて、バイオ・アセンブリの行及び/又は列に亘る同じ又は異なる流体濃度の所望の勾配を達成することができる。(例えば、同じ列内の全てのバイオ・アセンブリは、入口のうちの1つの入口を介して注入される流体の流体濃度が同じである可能性があるが、異なる列は異なる流体濃度を有する可能性がある)。すなわち、バイオ・アセンブリのマイクロ流体配置及び/又はマニホールド入口の数は、マニホールド1100に注入される一方又は両方の流体の濃度の所望の分布又は勾配が、マニホールド1100内のバイオ・アセンブリの一部又は全てで達成され得るようなものであり得る。上記の例は非限定的な例示的な例であり、マニホールド1100は任意の数のマニホールド入口を有することができ、また、バイオ・アセンブリは任意の方法で配置され得ること(例えば、直列の流体連通、並列の流体連通、又はそれらの組合せ)により、マニホールド1100に注入される流体の濃度の所望の差分分布が可能になることを理解すべきである。場合によっては、流体濃度は、流体内に存在する種の濃度を指してもよく、これには、溶質、溶媒等が含まれる。
【0074】
場合によっては、バイオ・アセンブリ内の流体の濃度、従ってマニホールド1100全体に亘る流体濃度の分布又は勾配は、同じ又は異なる流体を2つのマニホールド入口1110、1120を介してマニホールド1110内に注入する流量を変えることによって変更又は制御することができる。例えば、第1のマニホールド入口1110を介して注入される第1の流体の第1の流量と、第2のマニホールド入口1120を介して注入される第2の流体の第2の流量とを選択して、マニホールド1100のバイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nにおける第1の流体対第2の流体の比率の所望の分布を達成することができる。例えば、第1の流量及び/又は第2の流量は、バイオ・アセンブリ1140a~1140nの第1の行に到達する流体における第1の流体対第2の流体の比が第1の比率(例えば、1:1000)となる一方、バイオ・アセンブリ1150a~1150nの第2の列の比率は、第1の比率とは異なる第2の比率(例えば、1:100)等とすることができるように選択してもよい。上記の例は非限定的な例示的な例であり、注入される流体の流量が、マニホールド1100のバイオ・アセンブリに到達する流体濃度又は流体の比率の所望の分布を制御及び達成するために変更してもよいことを理解すべきである。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1の流量及び/又は第2の流量は、第1の流体及び/又は第2の流体の流体特性、例えば、これらに限定しないが、(注入される流体の溶媒、溶質等の)温度、粘度、濃度等に基づいて選択又は決定することができる。場合によっては、上述したように、マニホールド1100のマニホールド入口に結合されるか、又はマニホールド入口と流体連通する1つ又は複数の流体ポンプが存在してもよく、1つ又は複数の流体ポンプは、流体の前述の流体特性に基づいて、マニホールド1100に注入される流体の所望の流量を提供するように制御され得る。例えば、第1の流体の第1の溶質の濃度が非常に高く、第2の流体の第2の溶質の濃度が非常に低い場合に、第1の流体の流量と第2の流体の流量は、第1の流体及び第2の流体の溶質の相対的な濃度に基づいて選択され得る。上記の例は非限定的な例示的な例であり、注入される流体の流量は、流体の温度、粘度等に基づいて変化させて、マニホールド1100のバイオ・アセンブリ全体に亘る流体の濃度の所望の差分分布を制御及び達成することもできることを理解されたい。
【0076】
例えば、場合によっては、注入流体の温度を調節するためにヒータ(例えば、シリコーンヒータ等)をマニホールド1100に含めることができ、これが因子の放出に影響を与える可能性がある。例えば、考えられるシリコーンヒータをマニホールド1100のマニホールド入口、マニホールド出口、流体チャネル等に配置して、そこに位置する膜、バルブ、流体等を局所的に加熱して、(例えば、膜、バルブ、流体等から)マニホールド1100内に因子を内部に放出させることができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、複数のマニホールド入口を介して注入される流体は、バイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nの上流側に位置付けされたミキサーを介して混合され得る。例えば、ミキサーは、バイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nの上流側にあり、複数のマニホールド入口と流体連通する共通の流体チャネルに位置付けされ得る。場合によっては、そのようなミキサーは、それが位置付け又は配置される共通の流体チャネルの軸方向長さに亘って流体を効率的に混合するように構成され得る。例えば、
図11を参照すると、ミキサーは、バイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nの上流側にある共通の流体チャネル1190内に配置され得、共通の流体チャネル1190の混合領域1130内2つのマニホールド入口1110、1120を介して注入された流体を混合し得、混合した流体は、次に、マニホールド1100の入口流体チャネルのネットワークを介して複数のバイオ・アセンブリに分配され得る。場合によっては、ミキサーは可動部分を有してもよい。ミキサーの例としては、スタティックミキサー、磁性粒子ミキサー、音響流体ミキサー、及び/又は電気泳動ミキサー等が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、スタティックミキサーは、可動部品を有さないミキサーであり得る。つまり、場合によっては、ミキサーに可動部分がない場合もある。また、場合によっては、ミキサーに可動部品が含まれる場合もある。場合によっては、スタティックミキサーは、ミキサーを通って流れる流体を混合するように構成してもよく、その例としては、逆平行フィン、螺旋、流線状の流体の流れを分断するように構成された固定表面形状又はトポロジー等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
候補薬剤の生物学的研究のためのマニホールド1100の使用の例示的な非限定的な例として、いくつかの実施形態では、第2のマニホールド入口1120は、薬剤リザーバと流体連通してもよく、そのようにして候補薬剤をリザーバからマニホールド1100内に受け取るように構成することができ、その薬剤の例としては、化学療法薬、及び/又は抗生物質(例えば、ドキシサイクリン等)等が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、第1のマニホールド入口1110は、細胞培養培地リザーバと流体連通してもよく、そのようにしてリザーバからマニホールド1100内に細胞培養培地を受け取るように構成することができ、その培地の例には、組織又は細胞灌流液、血清等が含まれるが、これらに限定されない。生物学的研究には、候補薬剤(例えば、異なる用量の候補薬剤)に曝露された細胞の挙動を決定することを目的とした研究が含まれる場合がある。例えば、異なる用量の候補薬剤を細胞培養培地と組み合わせ、バイオ足場(例えば、ハイドロゲル)に灌流して、細胞がバイオ足場内で候補薬剤に曝露されたときの細胞の挙動を調査することができる。そのようにして、異なる用量の候補薬剤を細胞培養培地と組合せることができるように構成されたマニホールド1100を使用して、そのような研究を行うことができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、マニホールド1100は、細胞培養培地の複数のサンプルがマニホールド1100のバイオ・アセンブリのバイオ足場内で制御した方法で異なる用量の候補薬剤に曝露されるような生物学的研究のための機構を提供することができる。例えば、マニホールドは、研究される候補薬剤の投与量の数と少なくとも同じ数の隔壁(すなわち、同じ数のバイオ・アセンブリ又はバイオ足場)を有することができ、生物学的研究は、マニホールド1100の複数の隔壁内に収容される複数のバイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nへの異なる量又は比率の細胞培養培地及び候補薬剤灌流液を差動的に分配することを含み得、ここで異なる量又は比率の細胞培養培地及び候補薬剤灌流液は、研究される候補薬剤の投与量に対応する。換言すれば、マニホールド1100を使用して、細胞培養培地と候補薬剤灌流液とを混合し、細胞培養培地と薬剤との異なる比率又は濃度を有する混合流体を、生物学的研究を行うための複数のバイオ・アセンブリ又はバイオ足場に送達して、細胞培養培地と薬剤の異なる比率/濃度に対応する薬剤投与量が細胞培養サンプルに及ぼす影響を決定することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、薬剤リザーバ及び細胞培養培地リザーバと流体連通する1つ又は複数の流体ポンプを使用して、候補薬剤及び細胞培養培地灌流液を第2のマニホールド入口1120及び第1のマニホールド入口1100それぞれを介してマニホールド1100に供給することができる。場合によっては、候補薬剤の流量及び細胞培養培地の流量は、候補薬剤及び細胞培養培地灌流液の流体特性、及び/又はマニホールド1100のマイクロ流体構造又はバイオ・アセンブリ配置に基づいて決定又は選択され、マニホールド1100の複数のバイオ・アセンブリ又はバイオ足場において所望の細胞培養培地対薬剤の比率又は濃度を得ることができる。
【0081】
例えば、
図11を参照すると、上述したように、マニホールド1100のマイクロ流体構造又はバイオ・アセンブリ配置は、行及び列に配置されたバイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nのグリッドを含み、行内のバイオ・アセンブリは互いに直列に流体連通しており、列内のバイオ・アセンブリは互いに並列に流体連通している。このような場合に、候補薬の有効性について生物学的研究を行う場合に、研究者は、非限定的な説明例として、複数のバイオ・アセンブリの異なる列が異なる細胞培養培地対薬剤の比率又は濃度を有することを望む場合がある。次に、研究者は、細胞培養培地及び/又は候補薬剤の流体特性(例えば、温度、粘度、溶質の濃度等)及びバイオ・アセンブリのグリッドマイクロ流体構造を条件として、候補薬剤及び細胞培養培地灌流液の流量を決定又は選択して、マニホールド1100の複数のバイオ・アセンブリ又はバイオ足場の異なる列において異なる細胞培養培地対薬剤の比率又は濃度を達成することができる。例えば、候補薬剤及び細胞培養培地灌流液は、共通の流体チャネル1190に沿って組み合わされた候補及び細胞培養培地灌流液が、マニホールド1100の複数のバイオ・アセンブリの異なる行に対応する、共通の流体チャネルの軸方向の長さに沿って異なる細胞培養培地対薬剤の比率又は濃度を有し得るような流量でマニホールドに注入され得る。場合によっては、候補薬剤及び/又は細胞培養培地灌流液の流量は、候補薬剤及び細胞培養培地灌流液を混合するために使用されるミキサーのタイプ、候補薬剤及び/又は細胞培養培地灌流液の濃度及び/又は分子量等に基づいて決定又は計算され得る。
【0082】
例えば、組合せ流体は、バイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nの異なる行に隣接する、共通の流体チャネル1190の部分に異なる細胞培養培地対薬剤の比率又は濃度を有することができる。すなわち、例えば、バイオ・アセンブリ1140a~1140nの行に隣接し、その中を流れるように構成された候補及び細胞培養培地灌流液を組合せた部分は、バイオ・アセンブリ(例えば、1150a~1150n)の他の行に隣接し、その中を流れるように構成された候補及び細胞培養培地灌流液を組合せた部分とは異なっていてもよい。複数のバイオ・アセンブリ又はバイオ足場の異なる行において異なる細胞培養培地対薬剤の比率又は濃度を達成するための流量の決定又は選択は、非限定的な例示的な例であり、注入される流体の量は、マニホールド1100の複数のバイオ・アセンブリ又はバイオ足場に亘って細胞培養培地対薬剤の比率又は濃度の任意の所望の差分分布を有するように決定又は選択され得ることを理解されたい。
【0083】
いくつかの実施形態では、共通の流体チャネル1190内の組み合わされた候補薬剤と細胞培養培地灌流液は、次に、前述のミキサーを介して混合物に混合され得る。例えば、バイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nの上流側の共通の流体チャネル1190内に位置付けされたミキサーは、混合領域1130において、マニホールド入口1110、1120を介してマニホールド1100に注入される候補薬剤及び細胞培養培地灌流液を混合し、これらは共通の流体チャネル1190内で組み合わされて、組み合わされた候補及び細胞培養培地灌流液とすることができる。場合によっては、組み合わせた候補薬剤及び細胞培養培地灌流液の混合は、細胞培養培地対薬剤の比率又はその濃度を実質的に変化させない可能性がある。そのため、混合後に、バイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nの異なる列に隣接する共通の流体チャネル1190内の混合流体は、異なる細胞培養培地対薬剤の比率又は濃度を有し得、バイオ・アセンブリの異なる行に流入することができ、その結果、異なる行のバイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170n(例えば、少なくとも実質的に同様の細胞培養培地対薬剤の比率又は濃度を有する流体を受け取る同じ列のバイオ・アセンブリ)のバイオ足場が異なる細胞培地対薬剤の比率又は濃度を有する流体を受け取ることになる。いくつかの実施形態では、候補薬剤の有効性に関する生物学的研究がマニホールド1100のバイオ・アセンブリ1140a~1140n、1150a~1150n、1160a~1160n、1170a~1170nのバイオ足場内で実行された後に、得られた流体は、マニホールド出口1180及びマニホールド1100の内部出口脈管構造又は出口流体チャネルのネットワークを介して、マニホールド1100から放出され出口リザーバ内に入り得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、出口リザーバに収集された結果として得られる流体は、別のマニホールド(例えば、マニホールド1100と同様)と連通し、結果として得られる流体は別のタイプの細胞培養培地(すなわち、細胞)上でさらに調査され得る。例えば、第1の細胞培養培地(すなわち、細胞)を、第1の細胞の挙動を調査するために第1のマニホールドのバイオ足場内で異なる用量の第1の化合物(例えば、第1の候補薬剤)と混合した後に、第1の細胞は、異なる用量の第1の化合物に曝露され、出口リザーバに排出された結果として得られる流体は、第2の細胞培養培地が第2のマニホールドのバイオ足場内の結果として得られた流体と混合されたときの第2の細胞培養培地の挙動を調査するために第2のマニホールドに送られる可能性がある。例えば、ヒューマン・オン・チップのセットアップでは、第1の細胞は肝細胞又は組織であり得、肝細胞又は組織は、肝細胞又は組織による異なる用量の第1の薬剤の代謝を調査するために、第1のマニホールドのバイオ足場内で異なる用量の第1の薬剤と組み合わされ得る。このような場合に、出口リザーバに排出された結果として生じる流体又は副産物は、第2のマニホールドに導かれ、そこで結果として生じる流体が異なる種類の細胞/組織(例えば、腎臓組織)と混合されて、腎臓組織が結果として生じる液体に暴露された(つまり、候補薬に対する人体のより総合的な反応を調査するため)ときの腎臓組織の挙動を調査することができる。
【0085】
図12は、様々な実施形態による、マニホールド内で複数の流体を混合する方法のフローチャートである。方法1200の態様は、マイクロ流体システム100又はステップを実行するための他の適切な手段によって実行することができる。図示されるように、方法1200は、多数の列挙したステップを含むが、方法1200の態様は、列挙したステップの前、後、及びその間に追加のステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、列挙したステップのうちの1つ又は複数を省略するか、又は異なる順序で実行してもよい。
【0086】
ブロック1210において、第1の流体は、マニホールドの第1のマニホールド入口を介してマニホールドの共通の流体チャネル内に注入され得る。場合によっては、マニホールドは、第1のバイオ・アセンブリ入口、第1のバイオ・アセンブリ出口、及び基材上に配置された(例えば、光架橋された、共有結合された、取り付けられた、取り付けずに隣接して配置される等)第1のバイオ足場を有する第1のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第1の凹部を有する第1の隔壁を含む。
【0087】
ブロック1220において、第2の流体が、マニホールドの第2のマニホールド入口を介して共通の流体チャネルに注入され得る。場合によっては、共通の流体チャネルは、第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通し、第1の流体と第2の流体との第1の混合物を第1のバイオ・アセンブリ入口に導くように構成される。
【0088】
図13は、様々な実施形態による、マニホールドを生成する方法のフローチャートである。方法1200の態様は、積層造形技術を使用する3Dプリンタ等の製造装置又は機械によって少なくとも部分的に実行することができる。図示されるように、方法1300は、多数の列挙したステップを含むが、方法1300の態様は、列挙したステップの前、後、及びその間に追加のステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、列挙したステップのうちの1つ又は複数を省略するか、又は異なる順序で実行してもよい。
【0089】
ブロック1310において、積層造形技術を使用して、1つ又は複数の隔壁を有するプレートを製造することができる。場合によっては、1つ又は複数の隔壁のうちの第1の隔壁は、第1のバイオ・アセンブリ入口、第1のバイオ・アセンブリ出口、及び第1のバイオ足場を有する第1のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第1の凹部を含むことができる。
【0090】
ブロック1320において、基材を第1のヘテロ二官能性化学架橋剤で化学的に官能化することができる。場合によっては、基材は、基材をその上に生成される第1のバイオ足場に固定するために化学的に官能化される。場合によっては、第1のバイオ足場は、第1のヘテロ二官能性化学架橋剤と接触した第1のハイドロゲル前駆体を重合(例えば、光重合)することを含む積層造形技術によって基材上に生成される。
【0091】
ブロック1330において、第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けするときに、接着剤界面が基材と接触し、接着剤を基材に塗布するように、接着剤を第1の隔壁内に位置付けされた接着界面に提供してもよい。場合によっては、接着剤は、第1の隔壁への基材の取り付けを容易にすることができる。
【0092】
ブロック1340において、積層造形技術を使用してマニホールド入口及びマニホールド出口を製造することができる。場合によっては、第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けするときに、マニホールド入口及びマニホールド出口は、第1のバイオ・アセンブリ入口及び第1のバイオ・アセンブリ出口それぞれと流体連通することができる。
【0093】
本開示の様々な実施形態の記載
実施形態1:マニホールドであって、このマニホールドは、1つ又は複数の隔壁を有するプレートであって、1つ又は複数の隔壁のうちの第1の隔壁が、第1のバイオ・アセンブリ入口、第1のバイオ・アセンブリ出口、及び基材上に配置された第1のバイオ足場(bio-scaffold)を有する第1のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第1の凹部を含む、プレートと;第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けして第1のバイオ・アセンブリの基材を第1の隔壁に固定するときに、第1の隔壁内に位置付けされ、第1のバイオ・アセンブリの基材と接触し、接着剤を基材に塗布する接着界面と;第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けするときに、第1のバイオ・アセンブリ入口及び第1のバイオ・アセンブリ出口それぞれと流体連通するマニホールド入口及びマニホールド出口と;を含む。
【0094】
実施形態2:1つ又は複数の隔壁のうちの第2の隔壁が、第2のバイオ・アセンブリ入口、第2のバイオ・アセンブリ入口、及び第2のバイオ足場を有する第2のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第2の凹部を含み:(i)マニホールド入口が、第1のバイオ・アセンブリ入口と第2のバイオ・アセンブリ入口との両方と第1の流体連通状態にあること、及び(ii)マニホールド出口が、第1のバイオ・アセンブリ出口と第2のバイオ・アセンブリ出口との両方と第2の流体連通状態にあること、のいずれか又は両方である、実施形態1に記載のマニホールド。
【0095】
実施形態3:第1の流体連通及び/又は第2の流体連通は直列である、実施形態2に記載のマニホールド。
【0096】
実施形態4:第1の流体連通及び/又は第2の流体連通は並列である、実施形態2に記載のマニホールド。
【0097】
実施形態5:1つ又は複数の隔壁のうちの第3の隔壁が、第3のバイオ・アセンブリ入口及び第3のバイオ・アセンブリ出口を有する第3のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第3の凹部を含み;マニホールド入口は、第1のバイオ・アセンブリ入口、第2のバイオ・アセンブリ入口、及び第3のバイオ・アセンブリ入口と第3の流体連通状態にあり;マニホールド出口は、第1のバイオ・アセンブリ出口、第2のバイオ・アセンブリ出口、及び第3のバイオ・アセンブリ出口と第4の流体連通状態にあり;第3の流体連通及び/又は第4の流体連通は、直列及び並列の流体連通の組合せである、実施形態2に記載のマニホールド。
【0098】
実施形態6:第2のバイオ・アセンブリの基材が第1のバイオ・アセンブリの基材と同じである、実施形態2~5のいずれかに記載のマニホールド。
【0099】
実施形態7:第2のバイオ・アセンブリの基材が第1のバイオ・アセンブリの基材とは異なる、実施形態2~5のいずれかに記載のマニホールド。
【0100】
実施形態8:マニホールド入口は第1のマニホールド入口及び第2のマニホールド入口を含み、それぞれが第1の流体チャネル及び第2の流体チャネルそれぞれを介して第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通する、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0101】
実施形態9:第1の流体チャネル及び第2の流体チャネルは、第1のバイオ・アセンブリ入口に到達する前に共通の流体チャネルに接続される、実施形態8に記載のマニホールド。
【0102】
実施形態10:共通の流体チャネルは、その中に位置付けされ、且つ第1の流体チャネルから共通の流体チャネルに流れる第1の流体と、第2の流体チャネルから共通の流体チャネルに流れる第2の流体とを混合するように構成されたミキサーを含む、実施形態9に記載のマニホールド。
【0103】
実施形態11:ミキサーは、静的(static)ミキサー、磁性粒子ミキサー、音響流体ミキサー、又は電気泳動ミキサーである、実施形態10に記載のマニホールド。
【0104】
実施形態12:スタティックミキサーは、逆平行フィン又は螺旋を含む、実施形態11に記載のマニホールド。
【0105】
実施形態13:接着剤は液体接着剤であり、接着界面は、第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けするときに、液体接着剤を受け入れて第1のバイオ・アセンブリの基材に塗布するように構成された窪み(indentation)である、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0106】
実施形態14:接着界面は、第1の隔壁からの流体の漏れを防止するように構成された溝部(moat)を含む、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0107】
実施形態15:溝部は、紫外線又は可視光線硬化性樹脂、空気、シアノアクリレート接着剤、シリコーンガスケット、又はそれらの任意の組合せを含む、実施形態14に記載のマニホールド。
【0108】
実施形態16:内部に流体を運ぶように構成された、マニホールドの流体チャネルに沿って第1のバイオ足場の上流側に位置付けされた気泡出口をさらに含む、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0109】
実施形態17:気泡出口は、流体に同伴されたガスが流体チャネルから逃げるのを可能にするように構成された疎水性フィルタ膜を含む、実施形態16に記載のマニホールド。
【0110】
実施形態18:第1の隔壁は、第1のバイオ・アセンブリの第2のバイオ・アセンブリ出口に結合され、且つ第2のバイオ・アセンブリ出口を介して第1のバイオ・アセンブリの内部と第1のバイオ・アセンブリの外部との間で流体を輸送するように構成されたバイオ足場アクセスチャネルをさらに含む、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0111】
実施形態19:第1のバイオ足場は、バイオ足場入口とバイオ足場出口との間に延びる流体チャネルを含む、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0112】
実施形態20:流体チャネルは、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部(constriction)を含む、実施形態19に記載のマニホールド。
【0113】
実施形態21:第1のバイオ足場は、その上に共有結合により光架橋された切断ラベルを有する表面を含み、この表面は、第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けし、第1のバイオ・アセンブリの基材を第1の隔壁に取り付けた後に、第1のバイオ・アセンブリからの第1のバイオ足場の除去を容易にするように構成される、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0114】
実施形態22:切断ラベルは、ミシン目(perforation)、窪み、又は突起である、実施形態21に記載のマニホールド。
【0115】
実施形態23:マニホールド入口は第1のチャネルを介して第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通しており、マニホールド出口は第2のチャネルを介して第1のバイオ・アセンブリ出口と流体連通しており、第1のチャネル及び第2のチャネルの一方又は両方は、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部を含む、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0116】
実施形態24:1つ又は複数の隔壁の数が約1~約1,536の範囲である、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0117】
実施形態25:1つ又は複数の隔壁の数が約12~約96の範囲である、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0118】
実施形態26:マニホールド及び/又は第1のバイオ・アセンブリは、積層造形技術を使用して製造される、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0119】
実施形態27:第1のバイオ足場はハイドロゲルである、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0120】
実施形態28:基材はガラス基材である、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0121】
実施形態29:第1のバイオ足場は、ヘテロ二官能性化学架橋剤を介して基材に架橋される、前述の実施形態のいずれかに記載のマニホールド。
【0122】
実施形態30:ヘテロ二官能性化学架橋剤は、基材に結合するように構成されたトリクロロシランと、第1のバイオ足場に結合するように構成されたメタクリレートとを含む、実施形態29に記載のマニホールド。
【0123】
実施形態31:方法であって、この方法は、マニホールドの第1のマニホールド入口を介して第1の流体をマニホールドの共通の流体チャネルに注入するステップと;マニホールドの第2のマニホールド入口を介して第2の流体を共通の流体チャネルに注入するステップと;を含み、マニホールドは第1の凹部を有する第1の隔壁を含み、第1の凹部は、第1のバイオ・アセンブリ入口、第1のバイオ・アセンブリ出口、及び基材上に配置された第1のバイオ足場を有する第1のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされ、共通の流体チャネルは、第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通しており、且つ第1の流体と第2の流体との第1の混合物を第1のバイオ・アセンブリ入口に導くように構成される。
【0124】
実施形態32:第1の流体は生物活性化合物を含み、第2の流体は細胞培養培地を含む、実施形態31に記載の方法。
【0125】
実施形態33:マニホールドは第2の凹部を有する第2の隔壁を含み、第2の凹部は、第2のバイオ・アセンブリ入口及び第2のバイオ足場を有する第2のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされ;共通の流体チャネルは、第2のバイオ・アセンブリ入口と流体連通しており、且つ第1の流体と第2の流体との第2の混合物を第2のバイオ・アセンブリ入口に導くように構成されており、この方法は、第1の流体及び/又は第2の流体の特性(property)を変化させて、第1の混合物中の第1の流体と第1の混合物中の第2の流体との第1の比率と、第2の混合物中の第1の流体と第2の混合物中の第2の流体との第2の比率との間の差を調整するステップをさらに含む、実施形態31又は32に記載の方法。
【0126】
実施形態34:第1の流体及び/又は第2の流体の特性には、第1の流体の注入及び/又は第2の流体の注入の流量が含まれる、実施形態33に記載の方法。
【0127】
実施形態35:第1の流体及び/又は第2の流体の特性には、第1の流体及び/又は第2の流体の粘度が含まれる、実施形態33又は34に記載の方法。
【0128】
実施形態36:第1の流体及び/又は第2の流体の特性には、第1の流体及び/又は第2の流体内に存在する種の濃度が含まれる、実施形態33~35のいずれかに記載の方法。
【0129】
実施形態37:ミキサーを介して、第1の流体と第2の流体とを混合して、第1の混合物を形成するステップをさらに含む、実施形態33~36のいずれかに記載の方法。
【0130】
実施形態38:ミキサーは、スタティックミキサー、磁性粒子ミキサー、音響流体ミキサー、又は電気泳動ミキサーである、実施形態37に記載の方法。
【0131】
実施形態39:スタティックミキサーは逆平行フィン又は螺旋を含む、実施形態38に記載の方法。
【0132】
実施形態40:第2のバイオ・アセンブリは基材に固定される、実施形態33~39のいずれかに記載の方法。
【0133】
実施形態41:基材は第1の基材であり、第2のバイオ・アセンブリは、第1の基材とは異なる第2の基材に固定される、実施形態33~40のいずれかに記載の方法。
【0134】
実施形態42:第1の流体と第2の流体との相対濃度が、約1:1~約1:10,000の範囲である、実施形態31~41のいずれかに記載の方法。
【0135】
実施形態43:第1の流体と第2の流体との相対濃度が、約1:1~約1:1,000の範囲である、実施形態31~42のいずれかに記載の方法。
【0136】
実施形態44:第1の流体と第2の流体との相対濃度が、約1:1~約1:100の範囲である、実施形態31~43のいずれかに記載の方法。
【0137】
実施形態45:マニホールドは、第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けするときに、第1のバイオ・アセンブリの基材と接触し、接着剤を基材に塗布するために、第1の隔壁内に位置付けされた接着界面を含む、実施形態31~44のいずれかに記載の方法。
【0138】
実施形態46:接着剤は液体接着剤であり、接着界面は、第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けするときに、液体接着剤を受け取り第1のバイオ・アセンブリの基材に塗布するように構成された窪みである、実施形態45に記載の方法。
【0139】
実施形態47:接着界面は、第1の隔壁からの流体の漏れを防止するように構成された溝部を含む、実施形態45又は46に記載の方法。
【0140】
実施形態48:溝部は、紫外線又は可視光線硬化性樹脂、空気、シアノアクリレート接着剤、シリコーンガスケット、又はそれらの任意の組合せを含む、実施形態47に記載の方法。
【0141】
実施形態49:内部に流体を運ぶように構成された、マニホールドの流体チャネルに沿って第1のバイオ足場の上流側に位置付けされた気泡出口をさらに含む、実施形態31~48のいずれかに記載の方法。
【0142】
実施形態50:気泡出口は、流体に同伴されたガスが流体チャネルから逃げるのを可能にするように構成された疎水性フィルタ膜を含む、実施形態49に記載の方法。
【0143】
実施形態51:第1の隔壁は、第1のバイオ・アセンブリのバイオ・アセンブリ出口に結合され、且つバイオ・アセンブリ出口を介して第1のバイオ・アセンブリの内部と第1のバイオ・アセンブリの外部との間で流体を輸送するように構成されたバイオ足場アクセスチャネルをさらに含む、実施形態31~50のいずれかに記載の方法。
【0144】
実施形態52:第1のバイオ足場は、バイオ足場入口とバイオ足場出口との間に延びる流体チャネルを含む、実施形態31~51のいずれかに記載の方法。
【0145】
実施形態53:流体チャネルは、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部を含む、実施形態52に記載の方法。
【0146】
実施形態54:第1のバイオ足場は、その上に共有結合により光架橋された切断ラベルを有する表面を含み、この表面は、第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けし、第1のバイオ・アセンブリの基材を第1の隔壁に取り付けた後に、第1のバイオ・アセンブリからの第1のバイオ足場の除去を容易にするように構成される、実施形態31~53のいずれかに記載の方法。
【0147】
実施形態55:切断ラベルが、ミシン目、窪み、又は突起である、実施形態54に記載の方法。
【0148】
実施形態56:マニホールド及び/又は第1のバイオ・アセンブリは、積層造形技術を使用して製造される、実施形態31~55のいずれかに記載の方法。
【0149】
実施形態57:第1のバイオ足場はハイドロゲルである、実施形態31~56のいずれかに記載の方法。
【0150】
実施形態58:基材は透明基材である、実施形態31~57のいずれかに記載の方法。
【0151】
実施形態59:第1のバイオ足場は、ヘテロ二官能性化学架橋剤を介して基材に光架橋される、実施形態31~58のいずれかに記載の方法。
【0152】
実施形態60:ヘテロ二官能性化学架橋剤は、基材に結合するように構成されたトリクロロシランと、第1のバイオ足場に結合するように構成されたメタクリレートとを含む、実施形態59に記載の方法。
【0153】
実施形態61:マニホールドを生成する方法であって、この方法は、積層造形技術を使用して、1つ又は複数の隔壁を有するプレートを製造するステップであって、1つ又は複数の隔壁のうちの第1の隔壁が、第1のバイオ・アセンブリ入口、第1のバイオ・アセンブリ出口、及び第1のバイオ足場を有する第1のバイオ・アセンブリを受け取るように形状及びサイズ決めされた第1の凹部を含む、ステップと;第1のヘテロ二官能性化学架橋剤と接触させて第1のハイドロゲル前駆体を重合させることを含む積層造形技術によって、基材を第1のヘテロ二官能性化学架橋剤で化学的に官能化して、基材をその上に製造される第1のバイオ足場に固定するステップと;第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁に位置付けして基材を第1の隔壁に固定するときに、第1の隔壁内に位置付けされた接着界面に接着剤を提供して、基材と接触し、接着剤を基材に塗布するステップと;第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けするときに、積層造形技術を使用して、第1のバイオ・アセンブリ入口及び第1のバイオ・アセンブリ出口それぞれと流体連通するマニホールド入口及びマニホールド出口を製造するステップと;を含む。
【0154】
実施形態62:第1のヘテロ二官能性化学架橋剤には、トリクロロシラン及びメタクリレートが含まれ、基材を化学的に官能化するステップは、トリクロロシランを基材に結合させ、メタクリレートを第1のバイオ足場に結合させるステップを含む、実施形態61に記載の方法。
【0155】
実施形態63:1つ又は複数の隔壁のうちの第2の隔壁が、第2のバイオ・アセンブリ入口、第2のバイオ・アセンブリ入口、及び第2のバイオ足場を有する第2のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第2の凹部を含み、(i)マニホールド入口が、第1のバイオ・アセンブリ入口と第2のバイオ・アセンブリ入口との両方と第1の流体連通状態にあること、及び(ii)マニホールド出口が、第1のバイオ・アセンブリ出口と第2のバイオ・アセンブリ出口との両方と第2の流体連通状態にあること、のいずれか又は両方を含む。
【0156】
実施形態64:第1の流体連通及び/又は第2の流体連通は直列である、実施形態63の方法。
【0157】
実施形態65:第1の流体連通及び/又は第2の流体連通は並列である、実施形態63の方法。
【0158】
実施形態66:1つ又は複数の隔壁のうちの第3の隔壁が、第3のバイオ・アセンブリ入口及び第3のバイオ・アセンブリ出口を有する第3のバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた第3の凹部を含み、マニホールド入口は、第1のバイオ・アセンブリ入口、第2のバイオ・アセンブリ入口、及び第3のバイオ・アセンブリ入口と第3の流体連通状態にあり、マニホールド出口は、第1のバイオ・アセンブリ出口、第2のバイオ・アセンブリ出口、及び第3のバイオ・アセンブリ出口と第4の流体連通状態にあり、第3の流体連通及び/又は第4の流体連通は、直列及び並列の流体連通の組合せである、実施形態63に記載の方法。
【0159】
実施形態67:第2のバイオ・アセンブリの基材が、第1のバイオ・アセンブリの基材と同じである、実施形態63~66のいずれかに記載の方法。
【0160】
実施形態68:第2のバイオ・アセンブリの基材が、第1のバイオ・アセンブリの基材とは異なる、実施形態63~66のいずれかに記載の方法。
【0161】
実施形態69:マニホールド入口は第1のマニホールド入口及び第2のマニホールド入口を含み、それぞれが、第1の流体チャネル及び第2の流体チャンネルそれぞれを介して第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通する、実施形態61~68のいずれかに記載の方法。
【0162】
実施形態70:第1の流体チャネル及び第2の流体チャネルは、第1のバイオ・アセンブリ入口に到達する前に共通の流体チャネルに接続される、実施形態69に記載の方法。
【0163】
実施形態71:共通の流体チャネルはその中に位置付けされたミキサーを含み、ミキサーは、第1の流体チャネルから共通の流体チャネルに流れる第1の流体と、第2の流体チャネルから共通の流体チャネルに流れる第2の流体とを混合するように構成される、実施形態70に記載の方法。
【0164】
実施形態72:ミキサーは、スタティックミキサー、磁性粒子ミキサー、音響流体ミキサー、又は電気泳動ミキサーである、実施形態71に記載の方法。
【0165】
実施形態73:スタティックミキサーは逆平行フィン又は螺旋を含む、実施形態72に記載の方法。
【0166】
実施形態74:接着剤は液体接着剤であり、接着界面は、第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けするときに、液体接着剤を受け入れて第1のバイオ・アセンブリの基材に塗布するように構成された窪みである、実施形態61~73のいずれかに記載の方法。
【0167】
実施形態75:接着界面は、第1の隔壁からの流体の漏れを防止するように構成された溝部を含む、実施形態61~74のいずれかに記載の方法。
【0168】
実施形態76:溝部は、紫外線又は可視光線硬化性樹脂、空気、シアノアクリレート接着剤、シリコーンガスケット、又はそれらの任意の組合せを含む、実施形態75に記載の方法。
【0169】
実施形態77:内部に流体を運ぶように構成された、マニホールドの流体チャネルに沿って第1のバイオ足場の上流側に位置付けされた気泡出口をさらに含む、実施形態61~76のいずれかに記載の方法。
【0170】
実施形態78:気泡出口は、流体に同伴されたガスが流体チャネルから逃げるのを可能にするように構成された疎水性フィルタ膜を含む、実施形態77に記載の方法。
【0171】
実施形態79:第1の隔壁は、第1のバイオ・アセンブリの第2のバイオ・アセンブリ出口に結合され、且つ第2のバイオ・アセンブリ出口を介して第1のバイオ・アセンブリの内部と第1のバイオ・アセンブリの外部との間で流体を輸送するように構成されたバイオ足場アクセスチャネルをさらに含む、実施形態61~78のいずれかに記載の方法。
【0172】
実施形態80:第1のバイオ足場は、バイオ足場入口とバイオ足場出口との間に延びる流体チャネルを含む、実施形態61~79のいずれかに記載の方法。
【0173】
実施形態81:流体チャネルは、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部を含む、実施形態80に記載の方法。
【0174】
実施形態82:第1のバイオ・アセンブリを第1の隔壁内に位置付けし、第1のバイオ・アセンブリの基材を第1の隔壁に取り付けた後に、基材の表面上で共有結合により光架橋され、第1のバイオ・アセンブリからの第1のバイオ足場の除去を容易にするように構成された切断ラベルにおいて、第1のバイオ足場を基材から分離することによって、第1のバイオ・アセンブリから第1のバイオ足場を除去するステップをさらに含む、実施形態61~81のいずれかに記載の方法。
【0175】
実施形態83:切断ラベルは、ミシン目、窪み、又は突起である、実施形態82に記載の方法。
【0176】
実施形態84:マニホールド入口は、第1のチャネルを介して第1のバイオ・アセンブリ入口と流体連通しており、マニホールド出口は、第2のチャネルを介して第1のバイオ・アセンブリ出口と流体連通しており、第1のチャネル及び第2のチャネルの一方又は両方が、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部を含む、実施形態61~83のいずれかに記載の方法。
【0177】
実施形態85:1つ又は複数の隔壁の数が約1~約1,536の範囲である、実施形態61~84のいずれかに記載の方法。
【0178】
実施形態86:1つ又は複数の隔壁の数が約12~約96の範囲である、実施形態61~85のいずれかに記載の方法。
【0179】
実施形態87:基材は透明なガラス基材である、実施形態61~86のいずれかに記載の方法。
【0180】
実施形態88:バイオ・アセンブリであって、バイオ・アセンブリは、蓋と;蓋と接触するときに蓋に接着するように構成されたバリアと;バイオ・アセンブリ入口及びバイオ・アセンブリ出口を含むハウジングと;バリアとハウジングとの間に位置付けされ、バリア又は蓋をハウジングに固定するときに少なくとも実質的に気密シールを提供するように構成されるガスケットと;ハウジングと接触するときにハウジングに接着するように構成された基材と;基材上に位置付けされた重合ハイドロゲル前駆体に対して積層造形技術を使用して製造されたバイオ足場であって、ハイドロゲル前駆体と接触するヘテロ二官能性化学架橋剤による基材の化学官能化を介して基材に固定されるバイオ足場と;を含む。
【0181】
実施形態89:内部に流体を運ぶように構成された流体チャネルに沿ってバイオ足場の上流側に位置付けされた気泡出口をさらに含む、実施形態88に記載のバイオ・アセンブリ。
【0182】
実施形態90:気泡出口は、流体に同伴されたガスが流体チャネルから逃げるのを可能にするように構成された疎水性フィルタ膜を含む、実施形態89に記載のバイオ・アセンブリ。
【0183】
実施形態91:バイオ・アセンブリ出口は第1のバイオ・アセンブリ出口であり、バイオ・アセンブリは、第2のバイオ・アセンブリ出口と;第2のバイオ・アセンブリ出口に結合され、第2のバイオ・アセンブリ出口を介してハウジングの内部とバイオ・アセンブリの外部との間で流体を輸送するように構成されたバイオ足場アクセスチャネルと;をさらに含む、実施形態88~90のいずれかに記載のバイオ・アセンブリ。
【0184】
実施形態92:バイオ足場は、バイオ足場入口とバイオ足場出口との間に延びる流体チャネルを含む、実施形態88~91のいずれかに記載のバイオ・アセンブリ。
【0185】
実施形態93:流体チャネルは、その中の流体の流れを調節するように構成された狭窄部を含む、実施形態92に記載のバイオ・アセンブリ。
【0186】
実施形態94:バイオ足場は、その上に共有結合により光架橋された切断ラベルを有しする表面を含み、この表面は、バイオ・アセンブリからのバイオ足場の除去を容易にするように構成される、実施形態88~93のいずれかに記載のバイオ・アセンブリ。
【0187】
実施形態95:切断ラベルは、ミシン目、窪み、又は突起である、実施形態94に記載のバイオ・アセンブリ。
【0188】
実施形態96:ハウジングは積層造形技術を使用して製造される、実施形態88~95のいずれかに記載のバイオ・アセンブリ。
【0189】
実施形態97:ヘテロ二官能性化学架橋剤は、基材に結合するように構成されたトリクロロシランと、バイオ足場に結合するように構成されたメタクリレートとを含む、実施形態88~96のいずれかに記載のバイオ・アセンブリ。
【0190】
実施形態98:バイオ足場は基材に共有結合により固定される、実施形態88~97のいずれかに記載のバイオ・アセンブリ。
【0191】
実施形態99:基材は透明なガラス基材である、実施形態88~98のいずれかに記載のバイオ・アセンブリ。
【0192】
実施形態100:基材が、ハウジングと接触するときに、接着剤又は共有結合によりハウジングに接着するように構成される、実施形態88~99のいずれかに記載のバイオ・アセンブリ。
【0193】
実施形態101:マニホールドを含むシステムであって、マニホールドは、1つ又は複数の隔壁を有するプレートであって、1つ又は複数の隔壁のうちの隔壁がバイオ・アセンブリを受容するように形状及びサイズ決めされた凹部を含む、プレートと;マニホールド入口及びマニホールド出口を含と;隔壁内に位置付けされ、バイオ・アセンブリ入口、バイオ・アセンブリ出口、及び基材上に配置されたバイオ足場を有するバイオ・アセンブリであって、バイオ・アセンブリ入口及びバイオ・アセンブリ出口はマニホールド入口及びマニホールド出口と流体連通している、バイオ・アセンブリと;マニホールド入口と流体連通しており、マニホールド入口を介してマニホールドに供給される流体を貯蔵するように構成された入口リザーバと;マニホールド入口を介して入口リザーバからマニホールドに流体を圧送するように構成される流体ポンプと;マニホールド出口と流体連通しており、マニホールド出口を介してマニホールドによって放出された流体を受け入れて貯蔵するように構成される出口リザーバと;を含む。
【0194】
実施形態102:フィルタ膜は、テープ及び液体接着剤(adhesive)/接着剤(glue)を含む接着剤を介して気泡出口の上部カバーに固定されるように構成される、実施形態17に記載のマニホールド。
【0195】
実施形態103:フィルタ膜は、テープ及び液体接着剤(adhesive)/接着剤(glue)を含む接着剤を介して気泡出口の上部カバーに固定されるように構成される、実施形態50に記載の方法。
【0196】
実施形態104:フィルタ膜は、テープ及び液体接着剤(adhesive)/接着剤(glue)を含む接着剤を介して気泡出口の上部カバーに固定されるように構成される、実施形態77に記載のマニホールド。
【0197】
実施形態105:フィルタ膜は、テープ及び液体接着剤(adhesive)/接着剤(glue)を含む接着剤を介して気泡出口の上部カバーに固定されるように構成される、実施形態90に記載のバイオ・アセンブリ。
【0198】
実施形態106:マニホールド入口は3つ以上のマニホールド入口を含み、それぞれが、3つ以上のマニホールド入口に流入する流体を混合するように構成された共通の流体チャネル連通する、実施形態1~30のいずれかに記載のマニホールド。
【0199】
実施形態107:基材はプラスチック基材である、実施形態1に記載のマニホールド。
【0200】
実施形態108:基材は、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、環状オレフィン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラス、石英、雲母、赤外線透過性の塩、又はそれらの組合せを含む第1の材料から製造される、実施形態1に記載のマニホールド。
【0201】
実施形態109:基材は、第1の材料と、薄膜を含む第2の材料との組合せから製造される、実施形態108に記載のマニホールド。
【0202】
実施形態110:薄膜は、表面プラズモンに基づく測定を可能にするように構成された金属膜である、実施形態109に記載のマニホールド。
【0203】
本明細書には多くの特定の実施態様の詳細が含まれるが、これらは、任意の発明の範囲又は特許請求の範囲に説明する内容の限定として解釈すべきではなく、むしろ、特定の発明の特定の実施態様に特有の特徴の説明として解釈すべきである。本明細書で個別の実施態様のコンテキストで説明する特定の特徴は、組合せて単一の実施態様で実装することもできる。逆に、単一の実施態様のコンテキストで説明する様々な特徴は、複数の実施態様で個別に、又は適切なサブ組合せで実装することもできる。さらに、特徴が特定の組合せで作用するものとして上で説明し、最初にそのように特許請求の範囲に説明する場合もあるが、場合によっては、特許請求の範囲に記載された組合せからの1つ又は複数の特徴が、組合せから削除され、特許請求の範囲に記載した組合せがサブ組合せ又はサブ組合せのバリエーションを対象とする場合がある。
【0204】
同様に、動作が特定の順序で図面に示されるが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序又は連続した順序で実行されること、又は図示した全ての動作が実行されることを必要とするものとして理解すべきではない。特定の状況では、マルチタスク及び並列処理が有利な場合がある。さらに、上で説明した実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実施態様でそのような分離が必要であると理解すべきではなく、説明したプログラム構成要素及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合されるか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化してもよいことを理解されたい。
【0205】
「又は」への言及は、「又は」を使用して説明する任意の用語が、説明する用語の単一、複数、及び全てのいずれかを示すことができるように、包括的であると解釈され得る。「第1」、「第2」、「第3」等のラベルは、必ずしも順序を示すことを意味するものではなく、一般に、単に同様又は類似の項目又は要素を区別するために使用される。
【0206】
単数形での要素への言及は、特に明記しない限り、「1つだけ」を意味するものではなく、むしろ「1つ又は複数」を意味するものとする。本明細書で使用する場合に、数値、或いは数値として表現できるパラメータ又は特性に関して使用する用語「約」は、数値の10パーセント以内を意味する。例えば、「約50」は、45~55までの範囲(境界を含む)の値を意味する。
【0207】
本開示で説明する実施態様に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で規定する一般原理は、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく他の実施態様に適用され得る。こうして、特許請求の範囲は、本明細書に示される実施態様に限定されることを意図するものではなく、本開示、本明細書に開示する原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【国際調査報告】