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特表2024-545840オキシム類及びGBA関連疾患の治療におけるそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】オキシム類及びGBA関連疾患の治療におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 211/28 20060101AFI20241206BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20241206BHJP
   C07D 295/13 20060101ALI20241206BHJP
   C07D 295/088 20060101ALI20241206BHJP
   C07D 213/61 20060101ALI20241206BHJP
   C07D 237/08 20060101ALI20241206BHJP
   C07D 261/08 20060101ALI20241206BHJP
   C07D 401/06 20060101ALI20241206BHJP
   C07D 211/38 20060101ALI20241206BHJP
   C07D 213/89 20060101ALI20241206BHJP
   C07D 277/28 20060101ALI20241206BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20241206BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20241206BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20241206BHJP
   A61K 31/4453 20060101ALI20241206BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20241206BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20241206BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20241206BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241206BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
C07D211/28
C07D401/04 CSP
C07D295/13
C07D295/088
C07D213/61
C07D237/08
C07D261/08
C07D401/06
C07D211/38
C07D213/89
C07D277/28
C07D401/12
A61K31/4545
A61K31/454
A61K31/4453
A61K31/501
A61K31/496
A61K31/497
A61P43/00 111
A61P25/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518638
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2022059203
(87)【国際公開番号】W WO2023053008
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】21199458.7
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523186818
【氏名又は名称】ゼブラ デンマーク エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ニーヴ,セーレン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ウィリアム ダルビー
(72)【発明者】
【氏名】サーストラップ,ケネス
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC21
4C086BC41
4C086BC48
4C086BC50
4C086BC67
4C086BC82
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA10
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZC19
(57)【要約】
本発明は、オキシム類、それらの合成、ならびにGBA活性及び/またはレベルの増加及びパーキンソン病などのGBA関連疾患の治療のためのそれらの使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化1】
または医薬的に許容されるその塩(式中、
は、H、C1-6アルキル、及びハロゲンからなる群から選択され;
Yは、OH、及びC1-6アルコキシからなる群から選択され;
Xは、塩素及び臭素からなる群から選択され;
Jは、少なくとも1個の窒素原子を含む脂肪族環であり、ここで、前記脂肪族環は任意選択で置換されており;
Aは、以下:
【化2】
からなる群から選択され、
式中、各々のkは、1、2、3、または4であり;
及びRは互いに独立に、C1-6アルキル、C1-6アシル、及びCO-C1-6アルキルからなる群から選択され;
n1、n2、u1、及びu2は互いに独立に、1、2、または3からなる群から選択され;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
は、H、及びC1-4アルキルからなる群から選択され;
Gは、-CH-、-CH(R)-、-C(R-、-NH-、及び-N(R)-からなる群から選択され;
式中、各々のRは独立に、水素、ハロゲン、C1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
HetArは、任意選択で1個以上のR10によって置換されているヘテロアリールであり、ここで、各々のR10は独立に、水素、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、アミノ、アミド、及びC1-6アシルからなる群から選択され;
Tは、以下:
【化3】
または任意のそれらの互変異性体からなる群から選択され、
式中、aは、0、1、2、または3であり;
、X、X、X、及びXは独立に、C、CH、及びNからなる群から選択され;
各々の1個、2個、及び3個の置換基は独立に、水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アミド、アシル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記アルキルの各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
但し、Xが塩素の場合、Aは、
【化4】
でも
【化5】
でもない)。
【請求項2】
Jが式(J1)のものである、請求項1に記載の化合物:
【化6】
(式中、n3及びn4は独立に、1、2、または3であり;
各々のR11は独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のR12は独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のR13は独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のR14は独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
Qは、結合、-CH-、-CH(R15)-、-C(R15-、-NH-、及び-N(R15)-からなる群から選択され;式中、各々のR15は独立に、水素、ハロゲン、C1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
11とR13との対は、任意選択で互いに連結して環を形成している)。
【請求項3】
Qが、結合、-CH-、-CHF-、-N(Me)-、及び-NH-からなる群から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Jが、以下:
【化7】
からなる群から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
YがOHである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Aが式(Ia)のものである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物;
【化8】
(kは2であり、RはC1-3アルキルであり、RはC1-3アルキルまたはCOtBuである)。
【請求項7】
Aが式(Ib)のものである、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物;
【化9】
(式中、n1及びn2は各々2であり;R、R、R、及びRは各々水素であり、Rは水素またはC1-3アルキルであり;Tは式(T3)のものであり;
【化10】
式中、aは0または1であり;X、X、及び/またはXはNであり、X~Xの残りは独立にCまたはCHであり;1個、2個、または3個の置換基は各々独立に、水素、C1-4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、及びC1-4アシルからなる群から選択される)。
【請求項8】
1個のみの置換基が存在し、それが:
a)メチル;または
b)塩素である、
先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
Aが式(Ib)のものである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物;
【化11】
(式中、n1及びn2は各々2であり;R、R、R、及びRは各々水素であり;Rは水素またはC1-3アルキルであり;Tは式(T1)のものであり;
【化12】
式中、aは0であり、置換基はC1-6アルキルであり、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられている)。
【請求項10】
Aが式(Ic)のものである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物;
【化13】
(式中、kは1、2、または3であり;u1及びu2は各々1または2であり;R、R、R、及びRは各々水素であり;Gは、結合、-CH-、-NH-、及び-N(C1-3アルキル)-からなる群から選択される)。
【請求項11】
Aが式(Id)のものである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物;
【化14】
(式中、HetArは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個以上の環ヘテロ原子を含むC13ヘテロアリールであり、これは、単環式、二環式、または三環式である)。
【請求項12】
Aが、以下:
【化15】
からなる群から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が、以下:
【化16】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
GBA誘導剤であり、グルコセレブロシダーゼ(GBA)酵素レベル及び/またはGBA酵素活性を増加させる、先行請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
パーキンソン病(PD)の治療に使用するための、請求項1~14のいずれか一項に規定の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキシム類、それらの合成、ならびにGBA活性及び/またはレベルの増加及びパーキンソン病などのGBA関連疾患の治療のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
リソソームは、タンパク質及び脂肪物質、例えばスフィンゴ糖脂質をそれらの基本構成要素に分解し、次いで再利用する、ヒト細胞における極めて重要な再処理センターとして機能する。リソソーム蓄積症(LSD)と呼ばれる一連の稀な遺伝性疾患は、様々なリソソーム酵素をコードする特定の遺伝子の両方のコピーに明確な変異を保有するために生じる。最も一般的なリソソーム蓄積症であるゴーシェ病は、グルコセレブロシダーゼ(GCase)酵素をコードするGBA1遺伝子の両方のコピーにおける変異のために生じる。GBA1遺伝子の両方のコピーにおけるそのようなホモ接合変異は、GCase活性の最大95%の深刻な喪失を引き起こす。この酵素活性の重大な喪失の結果として、ゴーシェ病患者では特定のスフィンゴ糖脂質の代謝が著しく損なわれ、GCase酵素の基質であるグルコシルセラミド(GluCer)の蓄積をもたらす。この蓄積によって、深刻な健康上の問題及び臓器病理に至る。
【0003】
これらのGBA変異の多くは、パーキンソン病(PD)を有する患者にも見出される。GBA変異の保因者に見出されるようなヘテロ接合変異(1つの変異GBA遺伝子を有する)は、パーキンソン病の発症の素因になることが見出されている(Gan-Or et al.,Neurology,2015)。GBAの変異は現在、パーキンソン病の主要な遺伝的危険因子の1つと考えられている。パーキンソン病を有する患者の少なくとも8%が、L444Pヘテロ接合体を含めたGBA遺伝子に変異(軽度及び重度の両方のGBA変異)を有すると推定されている。GBA活性の二次的な欠損もまた、パーキンソン病に関連している可能性がある。
【0004】
現状技術の化合物、アンブロキソール及びLTI-291は、GBA活性を増加させることが示されており、これはGBA介在性障害の治療における重要な効果である。GBA介在性障害の治療という医学的ニーズを満たすために、より多くの、より良好な化合物が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは、現状技術の化合物アンブロキソール及びLTI-291と比較して完全に異なる構造化学型を有するGBA誘導剤として効果的に作用する一連の化合物を開発した。これにより、本開示の化合物は、GBA介在性障害の治療の有望な候補となる。
【0006】
第1の態様では、式(I)の化合物、
【化1】
または医薬的に許容されるその塩が提供される(式中、
は、H、C1-6アルキル、及びハロゲンからなる群から選択され;
Yは、OH、及びC1-6アルコキシからなる群から選択され;
Xは、塩素及び臭素からなる群から選択され;
Jは、少なくとも1個の窒素原子を含む脂肪族環であり、ここで、この脂肪族環は任意選択で置換されており;
Aは、以下:
【化2】
からなる群から選択され、
式中、各々のkは、1、2、3、または4であり;
及びRは互いに独立に、C1-6アルキル、C1-6アシル、及びCO-C1-6アルキルからなる群から選択され;
n1、n2、u1、及びu2は互いに独立に、1、2、または3からなる群から選択され;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
は、H、及びC1-4アルキルからなる群から選択され;
Gは、-CH-、-CH(R)-、-C(R-、-NH-、及び-N(R)-からなる群から選択され;
式中、各々のRは独立に、水素、ハロゲン、C1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
HetArは、任意選択で1個以上のR10によって置換されているヘテロアリールであり、ここで、各々のR10は独立に、水素、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、アミノ、アミド、及びC1-6アシルからなる群から選択され;
Tは、以下:
【化3】
または任意のそれらの互変異性体からなる群から選択され、
式中、aは、0、1、2、または3であり;
、X、X、X、及びXは独立に、C、CH、及びNからなる群から選択され;
各々の1個、2個、及び3個の置換基は独立に、水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アミド、アシル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、このアルキルの各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
但し、Xが塩素の場合、Aは、
【化4】
でも
【化5】
でもない)。
【0007】
第2の態様では、本明細書に規定の化合物と、1つ以上の医薬的に許容されるアジュバント、賦形剤、担体、緩衝剤、及び/または希釈剤とを含む、医薬組成物が提供される。
【0008】
第3の態様では、本明細書に規定の化合物を投与することを含む、対象における疾患を治療するための方法であって、該疾患が低減されたGBAレベル及び/または活性に関連する、方法が提供される。
【0009】
第4の態様では、本明細書に規定の化合物を投与することを含む、対象における疾患を治療するための方法であって、該疾患が低減されたGBAレベル及び/または活性に関連する方法が提供される。
【0010】
第5の態様では、GBA活性及び/またはレベルを増加させる方法であって、GBAを本明細書に規定の化合物と接触させることを含む方法が提供される。
【0011】
第6の態様では、パーキンソン病(PD)の治療用の医薬品を製造するための、本明細書に規定の化合物の使用が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義
置換基に関して、「独立に」という用語は、2個以上の置換基が可能な場合、置換基が互いに同じであっても異なっていてもよい状況を指す。
【0013】
本明細書で言及される効力「EC1.5」は、化合物の用量反応効果に基づいて、GCase活性の1.5倍の誘導に相当する「GCase活性の割合(パーセント)」=150%となる濃度として決定される。
【0014】
本明細書で使用される場合、「医薬的に許容される塩」という用語は、医薬分野で典型的に使用される塩を指す。医薬的に許容される塩の例として、ナトリウム塩、塩酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、トリフルオロ酢酸塩、及びカリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる例示的な塩として、限定するものではないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩(olcate)、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩(malcate)、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩が挙げられる。
【0015】
「アルキル」という用語は、炭素原子及び水素原子からなる直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖基を指し、直鎖であっても分枝鎖であっても、置換されていても置換されていなくてもよい。いくつかの好ましい実施形態では、アルキル基は、1~12個の炭素原子、例えば、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子など、12個までの(12個を含む)炭素原子からなってもよい。例示的なアルキル基として、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル イソブチル、第三ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、セプチル、オクチル、ノニル、及びデシルが挙げられる。アルキル部分は、例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(Pr)、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、及び3-メチルヘキシルなどの単結合によって、分子の残りの部分に結合されていてもよい。本明細書において特に別段の記載がない限り、アルキル基は、任意選択で任意の適切な置換基の1個以上によって置換されていてもよい。アルキル基は、原子価要件を満たすために必要に応じて、一価、二価、三価、または四価であり得る。
【0016】
「脂肪族環」という用語は、本明細書で使用される場合、完全に飽和しているか、または1つ以上の不飽和単位を含有するが非芳香族である炭化水素環を意味する。別段の指定のない限り、脂肪族環は1~20個の脂肪族炭素原子を含有し、いくつかの実施形態では、脂肪族環は1~10個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族環は1~8個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、脂肪族環は1~6個の脂肪族炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、脂肪族環は1~4個の脂肪族炭素原子を含有する。
【0017】
一般に、本明細書に開示される置換基に適した置換基として独立に、限定するものではないが、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)、-N(R)S(O)、-S(O)OR、-S(O)OR、-S(O)N(R、-S(O)N(R、またはPO(Rが挙げられ、ここで、各々のRは独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである。
【0018】
「シクロアルキル」という用語は、炭素及び水素を含有する単環式または多環式基を指し、飽和であっても部分的に不飽和であってもよい。いくつかの好ましい実施形態では、シクロアルキル基には、3~12個の環原子を有する基(すなわち、(C12)シクロアルキルまたはC(12)シクロアルキル)が含まれる。本明細書で表されるときはいつでも、(C12)シクロアルキルまたはC(12)シクロアルキルにおける「3~12」などの数値範囲は、所与の範囲内の各整数を指す。例えば、「3~12個の炭素原子」とは、シクロアルキル基が、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子など、12個までの(12個を含む)炭素原子からなってもよいことを意味する。シクロアルキル基の実例として、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロセプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、ノルボルニルなどが挙げられる。
【0019】
「アルコキシ」という用語は、-O-アルキル基を指す。いくつかの好ましい実施形態では、アルコキシ基は、酸素を通して親構造に結合されている、直鎖、分枝鎖、環状構成及びそれらの組み合わせの1~12個の炭素原子を含有する。アルコキシの例として、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、及びシクロヘキシルオキシが挙げられる。
【0020】
「アシル」という用語は、R-(C=O)-を指し、ここで、Rとして、限定するものではないが、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールが挙げられる。アシルは、カルボニル官能基を通して親構造に結合されている。
【0021】
「アミノ」または「アミン」という用語は、-N(R基を指し、ここで、別段の記載のない限り、各々のRは独立に、水素、アルキル、(ハロ)アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである。-N(R基が水素以外の2つのR置換基を有する場合、それらは窒素原子と合わさって4、5、6、または7員環を形成することができる。例えば、-N(Rには、限定するものではないが、1-ピロリジニル、1-ピペラジニル、及び4-モルホリニルが含まれることが意図される。
【0022】
「アミド(amide)」または「アミド(amido)」という用語は、式-(C=O)N(Rまたは-NH(C=O)Rを有する化学部分を指し、ここで、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。アミドの-N(RのRは、任意選択で、それが結合している窒素と一緒になって、4、5、6または7員環を形成してもよい。本明細書において特に別段の記載がない限り、アミド基は、任意選択で独立に、本明細書において適切な置換基として記載される通りの置換基の1個以上によって置換されていてもよい。
【0023】
「ハロアルキル」という用語は、1個以上のハロゲン原子によって置換されている、上に規定のアルキル基を指す。よって、「アルキル」という用語には「ハロアルキル」が含まれる。ハロアルキル基の例として、限定するものではないが、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチルなどが挙げられる。
【0024】
「ハロ」、「ハロゲン化物」、または代替的に「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味することが意図される。
【0025】
「芳香族」という用語は、4n+2π電子を有する非局在化共役π系を有する不飽和、環状、及び平面状の炭化水素基を意味し、ここで、nは、0、1、2、3などの値を有する整数である。いくつかの実施形態では、芳香族基は、「アリール」(Arと略記される)であり、これは、6~10個の環原子を有する芳香族基(例えば、(C10)芳香族または(C10)アリール)であって、炭素環式である共役π電子系を有する少なくとも1個の環を有するもの(例えば、フェニル、フルオレニル、及びナフチル)を指す。
【0026】
「アラルキル」または「アリールアルキル」という用語は、(アリール)アルキル基を指し、ここで、アリール及びアルキルは、本明細書に開示される通りである。
【0027】
「ヘテロアリール」または「複素環式芳香族」という用語は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個以上の環ヘテロ原子を含む5~18員の芳香族基(例えば、(C13)ヘテロアリール)を指し、これは、単環式、二環式、三環式、または四環式環系であってもよい。ヘテロアリールの例として、限定するものではないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2-d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3]-d]ピリミジニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラザニル、フラノニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、5,8-メタノ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6-ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2-d]ピリミジニル、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,5-c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアピラニル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニル、及びチオフェニル(すなわち、チエニル)が挙げられる。
【0028】
「互変異性体」という用語は、互変異性化によって相互変換する構造的に異なる異性体を指す。「互変異性化」は異性化の一形態であり、それには、酸塩基化学のサブセットと考えられるプロトトロピック互変異性化またはプロトンシフト互変異性化が含まれる。「プロトトロピック互変異性化」または「プロトンシフト互変異性化」は、結合次数の変化、多くの場合単結合と隣接する二重結合との交換を伴う、プロトンの移動を含む。
【0029】
結合に対して垂直に表示される記号
【化6】
は、表示された部分が分子の残部に結合されている点を示す。
【0030】
化合物
一実施形態では、式(I)の化合物、
【化7】
または医薬的に許容されるその塩が提供される(式中、
は、H、C1-6アルキル、及びハロゲンからなる群から選択され;
Yは、OH、及びC1-6アルコキシからなる群から選択され;
Xは、塩素及び臭素からなる群から選択され;
Jは、少なくとも1個の窒素原子を含む脂肪族環であり、ここで、この脂肪族環は任意選択で置換されており;
Aは、以下:
【化8】
からなる群から選択され、
式中、各々のkは、1、2、3、または4であり;
及びRは互いに独立に、C1-6アルキル、C1-6アシル、及びCO-C1-6アルキルからなる群から選択され;
n1、n2、u1、及びu2は互いに独立に、1、2、または3からなる群から選択され;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
は、H、及びC1-4アルキルからなる群から選択され;
Gは、-CH-、-CH(R)-、-C(R-、-NH-、及び-N(R)-からなる群から選択され;
式中、各々のRは独立に、水素、ハロゲン、C1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
HetArは、任意選択で1個以上のR10によって置換されているヘテロアリールであり、ここで、各々のR10は独立に、水素、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、アミノ、アミド、及びC1-6アシルからなる群から選択され;
Tは、以下:
【化9】
または任意のそれらの互変異性体からなる群から選択され、
式中、aは、0、1、2、または3であり;
、X、X、X、及びXは独立に、C、CH、及びNからなる群から選択され;
各々の1個、2個、及び3個の置換基は独立に、水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アミド、アシル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、このアルキルの各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
但し、Xが塩素の場合、Aは、
【化10】
でも
【化11】
でもない)。
【0031】
一実施形態では、Jが式(J1)のものである、本明細書に規定の化合物が提供される:
【化12】
(式中、n3及びn4は独立に、1、2、または3であり;
各々のR11は独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のR12は独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のR13は独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のR14は独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
Qは、結合、-CH-、-CH(R15)-、-C(R15-、-NH-、及び-N(R15)-からなる群から選択され;式中、各々のR15は独立に、水素、ハロゲン、C1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
11とR13との対は、任意選択で互いに連結して環を形成している)。
【0032】
一実施形態では、Qが、結合、-CH-、-CHF-、-N(Me)-、及び-NH-からなる群から選択される化合物が提供される。一実施形態では、R11、R12、R13、及びR14はすべて水素である。
【0033】
一実施形態では、n3及びn4は各々2である。
【0034】
一実施形態では、Jが、以下:
【化13】
からなる群から選択される化合物が提供される。
【0035】
一実施形態では、YがOHである化合物が提供される。
【0036】
一実施形態では、Rが水素またはメチルである化合物が提供される。
【0037】
一実施形態では、Aが式(Ia)のものである化合物が提供される;
【化14】
(kは2であり、RはC1-3アルキルであり、RはC1-3アルキルまたはCOtBuである)。
【0038】
一実施形態では、Aが式(Ib)のものである化合物が提供される;
【化15】
(式中、n1及びn2は各々2であり;R、R、R、及びRは各々水素であり、Rは水素またはC1-3アルキルであり;Tは式(T3)のものであり;
【化16】
式中、aは0または1であり;X、X、及び/またはXはNであり、X~Xの残りは独立にCまたはCHであり;1個、2個、または3個の置換基は各々独立に、水素、C1-4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、及びC1-4アシルからなる群から選択される)。
【0039】
一実施形態では、1個のみの置換基が存在し、それはメチルである。一実施形態では、1個のみの置換基が存在し、それは塩素である。一実施形態では、すべての置換基は各々水素である。
【0040】
一実施形態では、Aが式(Ib)のものである化合物が提供される;
【化17】
(式中、n1及びn2は各々2であり;R、R、R、及びRは各々水素であり;Rは水素またはC1-3アルキルであり;Tは式(T1)のものであり;
【化18】
式中、aは0であり、置換基はC1-6アルキルであり、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられている)。
【0041】
一実施形態では、Aが式(Ic)のものである化合物が提供される;
【化19】
(式中、kは1、2、または3であり;u1及びu2は各々1または2であり;R、R、R、及びRは各々水素であり;Gは、結合、-CH-、-NH-、及び-N(C1-3アルキル)-からなる群から選択される)。
【0042】
一実施形態では、Aが式(Id)のものである化合物が提供される;
【化20】
(式中、HetArは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個以上の環ヘテロ原子を含むC13ヘテロアリールであり、これは、単環式、二環式、または三環式である)。
【0043】
一実施形態では、Aが、以下:
【化21】
からなる群から選択される化合物が提供される。
【0044】
一実施形態では、化合物は、以下:
【化22】
からなる群から選択される。
【0045】
GBA誘導剤
本開示の化合物は、グルコセレブロシダーゼ(GBA)酵素活性及び/またはGBAレベルを誘導することができる。したがって、本開示の化合物はGBA誘導剤であり、すなわち、増加されたGBA酵素レベル及び/または活性を誘導することができる。一実施形態では、提供される化合物はGBA誘導剤である。
【0046】
一実施形態では、本化合物は、GBAレベル及び/または活性を増加させる方法に使用するために提供される。この効果は、実施例2に提供されるアッセイを使用して容易に決定することができる。
【0047】
一実施形態では、前記GBA活性を少なくとも1.5倍、例えば少なくとも2倍、例えば少なくとも2.5倍、例えば少なくとも3倍増加させることができる化合物が提供される。一実施形態では、この方法によって、GBA活性が、少なくとも1.5倍、例えば少なくとも2倍、例えば少なくとも2.5倍、例えば少なくとも3倍増加する。
【0048】
一実施形態では、GBA活性は、仮説上の野生型レベルの50%以上、例えば仮説上の野生型レベルの50~60%、例えば60~70%、例えば70~80%、例えば80~90%、例えば90~100%、例えば100~110%、例えば110~120%、例えば120~130%、例えば130~140%、例えば140~150%に増加する。
【0049】
一実施形態では、化合物のEC1.5は、150μM以下、例えば140μM以下、例えば130μM以下、例えば120μM以下、例えば110μM以下、例えば100μM以下、例えば、90μM以下、例えば80μM以下、例えば70μM以下、例えば60μM以下であり、好ましくは、EC1.5は50μM以下、例えば40μM以下、例えば30μM以下、例えば20μM以下、例えば10μM以下である。
【0050】
一実施形態では、化合物のEmax%は、80%以上、例えば100%以上、例えば120%以上、例えば140%以上、例えば160%以上、例えば180%以上、例えば200%以上、例えば220%以上、例えば240%以上、例えば260%以上、例えば280%以上、例えば300%以上である。
【0051】
医薬組成物
一実施形態では、本明細書に規定の化合物と、1つ以上の医薬的に許容されるアジュバント、賦形剤、担体、緩衝剤、及び/または希釈剤とを含む、医薬組成物が提供される。
【0052】
療法
本開示の化合物は、療法での使用に重要である。一実施形態では、本明細書に規定の化合物を投与することを含む、対象における疾患を治療するための方法であって、該疾患が低減されたGBAレベル及び/または活性に関連する、方法が提供される。
【0053】
一実施形態では、治療される疾患がパーキンソン病(PD)である方法が提供される。一実施形態では、本明細書に規定の化合物は、パーキンソン病の治療に使用するために提供される。
【0054】
一実施形態では、パーキンソン病(PD)の治療用の医薬品を製造するための、本明細書に規定の化合物の使用が提供される。
【0055】
条項
1. 式(I)の化合物、
【化23】
または医薬的に許容されるその塩(式中、
は、H、C1-6アルキル、及びハロゲンからなる群から選択され;
Yは、OH、及びC1-6アルコキシからなる群から選択され;
Xは、塩素及び臭素からなる群から選択され;
Jは、少なくとも1個の窒素原子を含む脂肪族環であり、ここで、前記脂肪族環は任意選択で置換されており;
Aは、以下:
【化24】
からなる群から選択され、
式中、各々のkは、1、2、3、または4であり;
及びRは互いに独立に、C1-6アルキル、C1-6アシル、及びCO-C1-6アルキルからなる群から選択され;
n1、n2、u1、及びu2は互いに独立に、1、2、または3からなる群から選択され;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のRは独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
は、H、及びC1-4アルキルからなる群から選択され;
Gは、-CH-、-CH(R)-、-C(R-、-NH-、及び-N(R)-からなる群から選択され;
式中、各々のRは独立に、水素、ハロゲン、C1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
HetArは、任意選択で1個以上のR10によって置換されているヘテロアリールであり、ここで、各々のR10は独立に、水素、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、アミノ、アミド、及びC1-6アシルからなる群から選択され;
Tは、以下:
【化25】
または任意のそれらの互変異性体からなる群から選択され、
式中、aは、0、1、2、または3であり;
、X、X、X、及びXは独立に、C、CH、及びNからなる群から選択され;
各々の1個、2個、及び3個の置換基は独立に、水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アミド、アシル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記アルキルの各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
但し、Xが塩素の場合、Aは、
【化26】
でも
【化27】
でもない)。
【0056】
2. Jが式(J1)のものである、先行条項のいずれか一項に記載の化合物:
【化28】
(式中、n3及びn4は独立に、1、2、または3であり;
各々のR11は独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のR12は独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のR13は独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
各々のR14は独立に、H、ハロゲン、及びC1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
Qは、結合、-CH-、-CH(R15)-、-C(R15-、-NH-、及び-N(R15)-からなる群から選択され;式中、各々のR15は独立に、水素、ハロゲン、C1-4アルキルからなる群から選択され、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられており;
11とR13との対は、任意選択で互いに連結して環を形成している)。
【0057】
3. Qが、結合、-CH-、-CHF-、-N(Me)-、及び-NH-からなる群から選択される、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0058】
4. R11、R12、R13、及びR14がすべて水素である、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0059】
5. n3及びn4が各々2である、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0060】
6. Jが、以下:
【化29】
からなる群から選択される、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0061】
7. YがOHである、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0062】
8. Rが水素またはメチルである、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0063】
9. Aが式(Ia)のものである、先行条項のいずれか一項に記載の化合物;
【化30】
(kは2であり、RはC1-3アルキルであり、RはC1-3アルキルまたはCOtBuである)。
【0064】
10. Aが式(Ib)のものである、先行条項のいずれか一項に記載の化合物;
【化31】
(式中、n1及びn2は各々2であり;R、R、R、及びRは各々水素であり、Rは水素またはC1-3アルキルであり;Tは式(T3)のものであり;
【化32】
式中、aは0または1であり;X、X、及び/またはXはNであり、X~Xの残りは独立にCまたはCHであり;1個、2個、または3個の置換基は各々独立に、水素、C1-4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、及びC1-4アシルからなる群から選択される)。
【0065】
11. 1個のみの置換基が存在し、それがメチルである、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0066】
12. 1個のみの置換基が存在し、それが塩素である、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0067】
13. すべての置換基が各々水素である、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0068】
14. Aが式(Ib)のものである、先行条項のいずれか一項に記載の化合物;
【化33】
(式中、n1及びn2は各々2であり;R、R、R、及びRは各々水素であり;Rは水素またはC1-3アルキルであり;Tは式(T1)のものであり;
【化34】
式中、aは0であり、置換基はC1-6アルキルであり、ここで、各々のメチレン基は、任意選択で-O-によって置き換えられている)。
【0069】
15. Aが式(Ic)のものである、先行条項のいずれか一項に記載の化合物;
【化35】
(式中、kは1、2、または3であり;u1及びu2は各々1または2であり;R、R、R、及びRは各々水素であり;Gは、結合、-CH-、-NH-、及び-N(C1-3アルキル)-からなる群から選択される)。
【0070】
16. Aが式(Id)のものである、先行条項のいずれか一項に記載の化合物;
【化36】
(式中、HetArは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個以上の環ヘテロ原子を含むC13ヘテロアリールであり、これは、単環式、二環式、または三環式である)。
【0071】
17. Aが、以下:
【化37】
からなる群から選択される、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0072】
18. 前記化合物が、以下:
【化38】
からなる群から選択される、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0073】
19. グルコセレブロシダーゼ(GBA)酵素レベル及び/またはGBA酵素活性を増加させる、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0074】
20. GBA誘導剤である、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0075】
21. GBAレベル及び/または活性を増加させる方法に使用するための、先行条項のいずれか一項に記載の化合物。
【0076】
22. 前記GBA活性が、少なくとも1.5倍、例えば少なくとも2倍、例えば少なくとも2.5倍、例えば少なくとも3倍増加する、先行条項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【0077】
23. 前記GBA活性が、仮説上の野生型レベルの50%以上、例えば仮説上の野生型レベルの50~60%、例えば60~70%、例えば70~80%、例えば80~90%、例えば90~100%、例えば100~110%、例えば110~120%、例えば120~130%、例えば130~140%、例えば140~150%に増加する、先行条項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【0078】
24. EC1.5が、150μM以下、例えば140μM以下、例えば130μM以下、例えば120μM以下、例えば110μM以下、例えば100μM以下、例えば、90μM以下、例えば80μM以下、例えば70μM以下、例えば60μM以下であり、好ましくは、前記EC1.5が、50μM以下、例えば40μM以下、例えば30μM以下、例えば20μM以下、例えば10μM以下である、先行条項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【0079】
25. Emax%が、80%以上、例えば100%以上、例えば120%以上、例えば140%以上、例えば160%以上、例えば180%以上、例えば200%以上、例えば220%以上、例えば240%以上、例えば260%以上、例えば280%以上、例えば300%以上である、先行条項のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【0080】
26. 先行条項のいずれか一項に規定の化合物と、1つ以上の医薬的に許容されるアジュバント、賦形剤、担体、緩衝剤、及び/または希釈剤とを含む、医薬組成物。
【0081】
27. 先行条項のいずれか一項に規定の化合物を投与することを含む、対象における疾患を治療するための方法であって、前記疾患が低減されたGBAレベル及び/または活性に関連する、前記方法。
【0082】
28. 前記疾患がパーキンソン病(PD)である、先行条項のいずれか一項に記載の方法。
【0083】
29. 前記GBA活性及び/またはレベルを増加させる方法であって、GBAを先行条項のいずれか一項に規定の化合物と接触させることを含む、前記方法。
【0084】
30. パーキンソン病(PD)の治療用の医薬品を製造するための、先行条項のいずれか一項に規定の化合物の使用。
【実施例
【0085】
実施例1:オキシム類の合成
材料及び略語
使用される略語:


【表1】
【0086】
以降のスキーム及び構造におけるキラル中心に向かう直線は、その材料がラセミ体であることを示している。他に何も記載がなければ、その構造はラセミ体である。
【0087】
塩の化学量論は、通常の酸塩基反応の考慮に基づいた仮定である。正確な塩の含有量は完全には決定されていない。
【0088】
使用した分析及び分取機器。単離された材料の組成を分析するプロセスにおいて、以下の機器のうちの1つ以上を使用した。
【0089】
LC/MS
機器の仕様:
DAD\ELSD Alltech 2000ES、及びAgilent LC\MSD VL(G1956B)、SL(G1956B)質量分析計を備えた、Agilent 1100 Series LC/MSDシステム。
DAD\ELSD Alltech 3300、及びAgilent LC\MSD G6130A、G6120B質量分析計を備えた、Agilent 1200 Series LC/MSDシステム。
DAD\ELSD Alltech 3300及びAgilent LC\MSD G6120B質量分析計を備えた、Agilent Technologies 1260 Infinity LC/MSDシステム。
DAD\ELSD G7102A 1290 Infinity II及びAgilent LC\MSD G6120B質量分析計を備えた、Agilent Technologies 1260 Infinity II LC/MSDシステム。
DAD\ELSD及びAgilent LC\MSD(G6120B)質量分析計を備えた、Agilent 1200 Series LC/MSDシステム。
DAD\ELSD及びAgilent LC\MSD(G6125B)質量分析計を備えた、UHPLC Agilent 1290 Series LC/MSDシステム。
すべてのLC/MSデータは、ポジティブ/ネガティブモード切り替えを使用して得た。
【0090】
H-NMR
Bruker AVANCE III 400
Varian UNITY INOVA 400
【0091】
キラル分析または分離には、以下の機器を使用した。
【0092】
分析分離:
カラム:Chiralpak IA(250×4.6mm、5mkm)
HPLC機器:
DAD Detector(G1315B)を備えた、Agilent Technologies HPLC Systems 1200 Series。
【0093】
分取:
カラム:Chiralpak IA(250×20mm、5mkm)
HPLC機器:
DAD Detector (G7115B)を備えた、Agilent Technologies HPLC Preparative Systems 1260 Infinity II Series。
【0094】
構成要素の一般的な合成
2-メチル-4-アゾニアスピロ[3.5]ノナン-2-オールクロリドの合成
【化39】
200mlのメタノール中の8.5gのピペリジンの溶液に、10.64gの2-(クロロメチル)-2-メチル-オキシランを添加した。混合物を25℃で24時間撹拌し、次いで蒸発乾固した。残留物をエーテルで3回粉砕し、次いで真空中で乾燥させて、16.5gの粗表題化合物を得て、それをそのまま使用した。
【0095】
1.第四級塩を使用する一般的な合成
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジヒドロクロリド、ID336の合成
一般的スキーム
【化40】
【0096】
1.1 tert-ブチル4-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレートの合成
【化41】
tert-ブチル4-シアノ-4-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(29.0g、122.83mmol)をIPA(200ml)に溶解させ、その後、得られた溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(12.80g、184.24mmol、1.5当量)を添加し、続いて炭酸水素ナトリウム(15.48g、184.24mmol、1.5当量)添加した。次いで反応混合物を撹拌しながら60℃で一晩放置した。24時間後に反応混合物を水(500ml)で希釈した。形成された固体を濾過によって収集し、水(100ml)で洗浄し、風乾して、表題生成物(25g、75%)を白色固体として得た。LCMS [M - t-Bu H] 202.0。得られた生成物をさらに精製することなくそのまま使用した。
【0097】
1.2 tert-ブチル4-(N’-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)カルバムイミドイル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレートの合成
【化42】
tert-ブチル4-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(1.5g、5.54mmol、1当量)をIPA(50ml)に溶解させ、続いて水酸化ナトリウム(0.222g、5.54mmol、1当量)、及び4-アゾニアスピロ[3.5]ノナン-2-オールクロリド(0.98g、5.54mmol、1当量)を溶解させた。次いで反応混合物を50℃で24時間撹拌し、その後、無機沈殿物を濾過によって除去し、収集した濾液を減圧下で濃縮して、表題生成物(3g、95.15%)を黄色油状物として得た。LCMS [M + 1] 399.2。
【0098】
1.3 N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジヒドロクロリドの合成
【化43】
前の実験で得られたtert-ブチル4-(N’-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)カルバムイミドイル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(3.0g、5.27mmol、1当量)を、酢酸(5ml)と塩酸水溶液(4N、5ml)との混合物に0℃で溶解させた。得られた溶液に亜硝酸ナトリウム(727mg、10.54mmol、2当量)を、温度間隔を0~5℃に維持して冷却しながら少量ずつ添加した。添加が完了した後、塩酸水溶液(4N、5ml)を反応混合物に0℃で添加し、それを撹拌しながら0℃で1時間放置した。冷却浴を除去し、反応混合物をそのまま室温まで戻し、次いで撹拌しながら一晩放置した。12時間後、混合物を、*減圧下で濃縮して粗半固体生成物(3.1g)を得、これをHCl添加での分取HPLC精製に供して、386mg(17.8%)の表題のN-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジヒドロクロリドを黄色油状物として得た(方法A)。*代替の後処理及び精製手順では、混合物を減圧下で濃縮して粗半固体残留物を得、これを30%炭酸カリウム水溶液で希釈してpH10に調整し、次いでDCM(3×5ml)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。収集した濾液を減圧下で濃縮して粗油状物を得、これをトリフルオロ酢酸添加での分取HPLCに供した(方法B LCMS [M - ・Cl 282.2。H NMR (重水, 400 MHz): δ (ppm) 4.32 - 4.23 (m, 1H), 4.19 - 4.03 (m, 2H), 3.53 - 3.35 (m, 2H), 3.24 - 3.12 (m, 3H), 3.10 - 2.88 (m, 4H), 2.82 (t, J=12.1, 12.1 Hz, 1H), 2.23 (d, J=14.2 Hz, 2H), 1.88 - 1.74 (m, 2H), 1.75 - 1.57 (m, 5H), 1.44 - 1.30 (m, 1H), 1.17 (s, 3H)。
【0099】
実施例2
4-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200409の合成
【化44】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販のtert-ブチル4-シアノ-4-エチルピペリジン-1-カルボキシレートから、4-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2-トリフルオロアセテート(254mg、29.6%)を黄色油状物として作製した。H NMR (重水, 500 MHz): δ (ppm) 4.34 - 4.25 (m, 1H), 4.23 - 4.09 (m, 2H), 3.46 (dd, J=31.0, 11.7 Hz, 2H), 3.27 - 3.06 (m, 4H), 3.05 - 2.92 (m, 3H), 2.83 (t, J=12.1, 12.1 Hz, 1H), 2.27 (d, J=14.6 Hz, 2H), 1.88 - 1.77 (m, 2H), 1.72 - 1.61 (m, 5H), 1.60 - 1.49 (m, 2H), 1.46 - 1.34 (m, 1H), 0.67 (t, J=7.4, 7.4 Hz, 3H)。
【0100】
実施例3
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200415の合成
【化45】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販のtert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートから、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート(115mg、12.46%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M - ・Cl 345.0。H NMR (重水, 400 MHz): δ (ppm) 8.59 (d, J=4.9 Hz, 1H), 8.38 (t, J=8.4, 8.4 Hz, 1H), 7.95 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.81 (t, 1H), 4.35 - 4.24 (m, 2H), 4.16 (dd, 1H), 3.55 - 3.14 (m, 7H), 3.15 - 3.01 (m, 2H), 2.93 - 2.86 (m, 1H), 2.82 - 2.76 (m, 2H), 2.42 - 2.31 (m, 2H), 1.85 - 1.71 (m, 2H), 1.70 - 1.51 (m, 3H), 1.44 - 1.27 (m, 1H)。
【0101】
実施例4
ニトリル前駆体の一般的なスキームの調製
【化46】
【0102】
1.4 tert-ブチル4-シアノ-4-(3-ピリジルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの合成
【化47】
丸底フラスコ中、窒素雰囲気下で、tert-ブチル4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート(1.5g、7.13mmol)の溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アザニド(THF/エチルベンゾール中1.0M、21.4ml、21.4mmol)を-76℃でゆっくり添加した。混合物を-76℃で2時間撹拌した後、3-(ブロモメチル)ピリジンヒドロブロミド(1.98g、10.46mmol)を系に添加した。反応混合物をさらに30分間撹拌し、次いで室温まで温め、一晩撹拌した。混合物を50mlの飽和NHCl水溶液で反応停止し、さらに水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、標的化合物(2.6g、33%)を得、これをそのまま使用した。LCMS: [M + H] 302
【0103】
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200419の合成
【化48】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3、及び1.4にそれぞれ記載の合成に沿って、tert-ブチル4-シアノピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル4-シアノ-4-(3-ピリジルメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート(720mg、33.19%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 396.2。H NMR (クロロホルム-d, 400 MHz): δ (ppm) 8.48 (d, J=4.5 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.23 - 7.17 (m, 1H), 4.46 - 4.31 (m, 1H), 4.05 (d, J=13.2 Hz, 1H), 3.68 (dd, J=11.6, 5.7 Hz, 1H), 3.38 - 3.22 (m, 2H), 3.16 - 2.98 (m, 2H), 2.88 - 2.74 (m, 2H), 2.66 - 2.24 (m, 6H), 2.27 - 2.15 (m, 2H), 1.91 (t, J=14.4, 14.4 Hz, 2H), 1.64 - 1.51 (m, 4H), 1.46 - 1.34 (m, 2H)。
【0104】
実施例5
3-(ジメチルアミノ)-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)プロパンイミドイルクロリド、NME200446の合成
【化49】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販の3-(ジメチルアミノ)プロパンニトリルから、3-(ジメチルアミノ)-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)プロパンイミドイルクロリド(445.2mg、41.56%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 292.2。H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 4.67 - 4.58 (m, 1H), 4.08 - 4.00 (m, 1H), 3.99 - 3.92 (m, 1H), 3.88 - 3.75 (m, 1H), 2.64 - 2.56 (m, 2H), 2.49 - 2.45 (m, 2H), 2.42 - 2.31 (m, 4H), 2.29 - 2.21 (m, 2H), 2.13 (s, 6H), 1.52 - 1.42 (m, 4H), 1.39 - 1.28 (m, 2H)。
【0105】
実施例6
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200448の合成
【化50】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販のtert-ブチル4-シアノ-4-(2-メトキシエチル)ピペリジン-1-カルボキシレートから、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2-トリフルオロアセテート(26.5mg、6.63%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M - ・Cl 326.2。H NMR (メタノール-d, 400 MHz): δ (ppm) 4.38 - 4.28 (m, 1H), 4.22 (d, J=4.9 Hz, 2H), 3.64 - 3.51 (m, 2H), 3.40 (t, J=6.1, 6.1 Hz, 2H), 3.34 - 3.21 (m, 8H), 3.19 - 2.96 (m, 4H), 2.39 (d, J=14.5 Hz, 2H), 2.00 - 1.67 (m, 8H), 1.62 - 1.47 (m, 1H)。
【0106】
実施例7
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)ピリダジン-4-カルビミドイルブロミド、NME200452の合成
【化51】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順1.3において塩酸の代わりに臭化水素酸を使用すること以外は1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販のピリダジン-4-カルボニトリルから、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)ピリダジン-4-カルビミドイルブロミド(159.9mg、12.36%)を褐色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 345.2。H NMR (クロロホルム-d, 400 MHz): δ (ppm) 9.57 (s, 1H), 9.24 (d, J=5.3 Hz, 1H), 7.78 (d, J=7.7 Hz, 1H), 4.39 (d, J=5.0 Hz, 2H), 4.12 - 4.02 (m, 1H), 3.53 (s, 1H), 2.65 - 2.55 (m, 2H), 2.46 - 2.40 (m, 2H), 2.38 - 2.28 (m, 2H), 1.63 - 1.50 (m, 4H), 1.47 - 1.38 (m, 2H)。
【0107】
実施例8
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-2-メチルチアゾール-5-カルビミドイルクロリド、NME200453の合成
【化52】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販の2-メチル-1,3-チアゾール-5-カルボニトリルから、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-2-メチルチアゾール-5-カルビミドイルクロリド(136mg、21.28%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 318.2。H NMR (クロロホルム-d, 400 MHz): δ (ppm) 7.93 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 4.29 - 4.16 (m, 2H), 4.07 - 3.99 (m, 1H), 2.68 (s, 3H), 2.62 - 2.51 (m, 2H), 2.42 - 2.27 (m, 4H), 1.63 - 1.51 (m, 4H), 1.47 - 1.38 (m, 2H)。
【0108】
実施例9
6-クロロ-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)ニコチンイミドイルクロリド、NME200466の合成
【化53】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販の6-クロロニコチノニトリルから、6-クロロ-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)ニコチンイミドイルクロリド(239mg、23.82%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 332.2。H NMR (クロロホルム-d, 400 MHz): δ (ppm) 8.80 (d, J=2.3 Hz, 1H), 8.05 (dd, J=8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.34 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.31 - 4.25 (m, 2H), 4.08 - 4.01 (m, 1H), 3.47 (s, 1H), 2.66 - 2.57 (m, 2H), 2.40 - 2.29 (m, 4H), 1.60 - 1.53 (m, 4H), 1.44 - 1.39 (m, 2H)。
【0109】
実施例10
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-3-メチルイソキサゾール-5-カルビミドイルクロリド、NME200475の合成
【化54】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販の3-メチルイソキサゾール-5-カルボニトリルから、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-3-メチルイソキサゾール-5-カルビミドイルクロリド(360mg、24.46%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 302.2。H NMR (クロロホルム-d, 400 MHz): δ (ppm) 6.50 (s, 1H), 4.31 (d, J=5.0 Hz, 2H), 4.09 - 4.01 (m, 1H), 3.76 (s, 1H), 2.65 - 2.54 (m, 2H), 2.42 - 2.25 (m, 7H), 1.64 - 1.48 (m, 4H), 1.47 - 1.36 (m, 2H)。
【0110】
実施例11
6-クロロ-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-メチルニコチンイミドイルクロリド、NME200501の合成
【化55】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販の6-クロロ-4-メチルニコチノニトリルから、6-クロロ-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-メチルニコチンイミドイルクロリド(66.3mg、2.48%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 346.2。H NMR (クロロホルム-d, 400 MHz): δ (ppm) 8.44 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 4.26 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.08 - 4.00 (m, 1H), 3.76 (s, 1H), 2.62 - 2.55 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.41 - 2.29 (m, 4H), 1.62 - 1.52 (m, 4H), 1.46 - 1.38 (m, 2H)。
【0111】
実施例12
6-クロロ-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)ニコチンイミドイルブロミド、NME200504の合成
【化56】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順1.3において塩酸の代わりに臭化水素酸を使用すること以外は1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販の6-クロロニコチノニトリルから、6-クロロ-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)ニコチンイミドイルブロミド(421.8mg、18.49%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 376.2。H NMR (クロロホルム-d, 500 MHz): δ (ppm) 8.82 (s, 1H), 8.07 (d, J=10.6 Hz, 1H), 7.36 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.48 - 4.27 (m, 2H), 4.13 - 4.04 (m, 1H), 2.74 - 2.54 (m, 2H), 2.51 - 2.24 (m, 4H), 1.64 - 1.52 (m, 4H), 1.49 - 1.36 (m, 2H)。
【0112】
実施例13
3-(ジメチルアミノ)-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)プロパンイミドイルブロミド、NME200532の合成
【化57】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順1.3において塩酸の代わりに臭化水素酸を使用すること以外は1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販の3-(ジメチルアミノ)プロパンニトリルから、3-(ジメチルアミノ)-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)プロパンイミドイルブロミド(123.6mg、16.69%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 337.8。H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 4.64 (s, 1H), 4.15 - 4.04 (m, 1H), 4.03 - 3.93 (m, 1H), 3.89 - 3.79 (m, 1H), 2.69 (t, J=6.7, 6.7 Hz, 2H), 2.49 - 2.43 (m, 2H), 2.40 - 2.20 (m, 6H), 2.14 (s, 6H), 1.54 - 1.42 (m, 4H), 1.40 - 1.30 (m, 2H)。
【0113】
実施例14
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200492の合成
【化58】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販のtert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートから、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート(116.4mg、17.22%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M - ・Cl 345.4。H NMR (メタノール-d, 400 MHz): δ (ppm) 8.82 (s, 1H), 8.72 (d, J=4.2 Hz, 1H), 8.32 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7.82 (dd, J=8.0, 5.3 Hz, 1H), 4.40 - 4.28 (m, 2H), 3.64 - 3.52 (m, 2H), 3.43 - 3.26 (m, 8H), 3.25 - 3.13 (m, 2H), 3.07 - 2.93 (m, 2H), 2.85 (d, J=14.9 Hz, 2H), 2.42 (t, J=12.8, 12.8 Hz, 2H), 1.96 - 1.87 (m, 2H), 1.85 - 1.75 (m, 2H), 1.59 - 1.47 (m, 1H)。
【0114】
実施例15
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-((6-メチルピリジン-3-イル)メチル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200493の合成
【化59】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順1.4において3-(ブロモメチル)-ピリジンヒドロブロミドの代わりに5-(ブロモメチル)-2-メチルピリジンヒドロブロミドを使用すること以外は3.1~3.3に記載の合成に沿って、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-((6-メチルピリジン-3-イル)メチル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート(108.2mg、27.64%)を淡褐色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 410.2。H NMR (重水, 400 MHz): δ (ppm) 8.26 (s, 1H), 8.06 (d, J=9.6 Hz, 1H), 7.68 (d, J=8.3 Hz, 1H), 4.18 - 4.06 (m, 1H), 4.02 - 3.86 (m, 2H), 3.40 (t, J=11.0, 11.0 Hz, 2H), 3.24 (d, J=13.2 Hz, 2H), 3.10 - 2.83 (m, 7H), 2.79 (t, J=12.0, 12.0 Hz, 1H), 2.60 (s, 3H), 2.22 (d, J=14.5 Hz, 2H), 1.91 - 1.70 (m, 4H), 1.73 - 1.58 (m, 3H), 1.41 - 1.29 (m, 1H)。
【0115】
実施例16
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-((6-メトキシ-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200524の合成
【化60】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順1.4において3-(ブロモメチル)-ピリジンヒドロブロミドの代わりに3-(クロロメチル)-6-メトキシ-2-メチルピリジンを使用すること以外は1.1~1.3に記載の合成に沿って、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-((6-メトキシ-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート(102.5mg、18.89%)を淡褐色油状物として作製した。LCMS [M - ・Cl 403.2。H NMR(重水, 400 MHz): δ (ppm) 7.95 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.13 (d, J=9.0 Hz, 1H), 4.20 - 4.12 (m, 1H), 4.07 - 3.90 (m, 5H), 3.40 (t, J=11.3, 11.3 Hz, 2H), 3.23 (d, J=13.0 Hz, 2H), 3.10 - 2.98 (m, 2H), 2.96 - 2.74 (m, 6H), 2.42 (s, 3H), 2.27 (d, J=14.7 Hz, 2H), 1.85 - 1.73 (m, 4H), 1.70 - 1.58 (m, 3H), 1.39 - 1.26 (m, 1H)。
【0116】
実施例17
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-((6-メトキシ-4-メチルピリジン-3-イル)メチル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリド、NME200525の合成
【化61】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順1.4において3-(ブロモメチル)-ピリジンヒドロブロミドの代わりに5-(クロロメチル)-2-メトキシ-4-メチルピリジンを使用すること以外は1.1~1.3に記載の合成に沿って、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-((6-メトキシ-4-メチルピリジン-3-イル)メチル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリド(62.6mg、11.42%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 439.2。H NMR (重水, 400 MHz): δ (ppm) 7.77 (s, 1H), 7.22 (s, 1H), 4.23 - 3.92 (m, 7H), 3.41 (t, J=12.8, 12.8 Hz, 2H), 3.27 - 3.20 (m, 2H), 3.10 - 3.01 (m, 2H), 2.94 - 2.86 (m, 4H), 2.83 - 2.76 (m, 1H), 2.38 (s, 3H), 2.29 (d, J=14.4 Hz, 2H), 1.89 - 1.75 (m, 4H), 1.71 - 1.56 (m, 3H), 1.42 - 1.28 (m, 1H)。
【0117】
実施例18
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200534の合成
【化62】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販のtert-ブチル4-シアノ-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートから、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-(ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート(115mg、12.46%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M - ・Cl 345.2。H NMR (重水, 400 MHz): δ (ppm) 8.59 (d, J=4.9 Hz, 1H), 8.38 (t, J=8.4, 8.4 Hz, 1H), 7.95 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.86 - 7.78 (m, 1H), 4.34 - 4.22 (m, 2H), 4.19 - 4.11 (m, 1H), 3.47 - 3.21 (m, 6H), 3.15 - 2.98 (m, 2H), 2.96 - 2.86 (m, 1H), 2.85 - 2.75 (m, 3H), 2.36 (t, J=14.8, 14.8 Hz, 2H), 1.86 - 1.71 (m, 2H), 1.69 - 1.54 (m, 3H), 1.42 - 1.29 (m, 1H)。
【0118】
実施例19
4-(3-クロロピリジン-4-イル)-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200535の合成
【化63】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、出発物質tert-ブチル4-(3-クロロピリジン-4-イル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレートから、4-(3-クロロピリジン-4-イル)-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート(65mg、13.72%)を黄色油状物として作製した。出発物質の合成は上述した。LCMS [M + 1] 416.0。H NMR (重水, 400 MHz): δ (ppm) 8.59 (s, 1H), 8.52 (d, J=5.3 Hz, 1H), 7.72 (d, 1H), 4.33 - 4.19 (m, 3H), 3.51 - 3.26 (m, 6H), 3.20 - 3.02 (m, 2H), 2.95 - 2.76 (m, 4H), 2.41 - 2.25 (m, 2H), 1.87 - 1.75 (m, 2H), 1.72 - 1.56 (m, 3H), 1.46 - 1.30 (m, 1H)。
【0119】
実施例20
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-3-(ピロリジン-1-イル)プロパンイミドイルクロリド、NME200562の合成
【化64】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販の3-(ピロリジン-1-イル)プロパンニトリルから、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-3-(ピロリジン-1-イル)プロパンイミドイルクロリド(168.1mg、31.57%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 318.2。H NMR (メタノール-d, 400 MHz): δ (ppm) 4.07 - 4.01 (m, 2H), 3.32 - 3.25 (m, 3H), 2.84 - 2.65 (m, 4H), 2.61 - 2.56 (m, 3H), 2.53 - 2.41 (m, 5H), 1.92 - 1.71 (m, 4H), 1.64 - 1.55 (m, 4H), 1.50 - 1.41 (m, 2H)。
【0120】
実施例21
N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-3-(ピペリジン-1-イル)プロパンイミドイルクロリド、NME200563の合成
【化65】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販の3-(ピペリジン-1-イル)プロパンニトリルから、N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-3-(ピペリジン-1-イル)プロパンイミドイルクロリド(119.3mg、23.71%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 332.2。H NMR (メタノール-d, 400 MHz): δ (ppm) 4.14 - 3.95 (m, 3H), 3.30 (s, 2H), 2.75 - 2.60 (m, 4H), 2.51 - 2.37 (m, 8H), 1.68 - 1.52 (m, 8H), 1.50 - 1.36 (m, 4H)。
【0121】
実施例22
6-クロロ-N-(2-ヒドロキシ-2-メチル-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)ニコチンイミドイルクロリド、NME200502の合成
【化66】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順1.2において2-ヒドロキシ-4-アザスピロ[3.5]ノナン-4-イウムクロリドの代わりに上述の2-ヒドロキシ-2-メチル-4-アザスピロ[3.5]ノナン-4-イウムクロリドを使用する以外は1.1~1.3に記載の合成に沿って、市販の6-クロロニコチノニトリルから、6-クロロ-N-(2-ヒドロキシ-2-メチル-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)ニコチンイミドイルクロリド(433.3mg、38.85%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 346.2。H NMR (クロロホルム-d, 400 MHz): δ (ppm) 8.80 (s, 1H), 8.05 (d, 1H), 7.33 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.20 - 4.11 (m, 2H), 3.75 (s, 1H), 2.61 - 2.47 (m, 5H), 2.24 (d, J=13.9 Hz, 1H), 1.58 - 1.50 (m, 4H), 1.45 - 1.35 (m, 2H), 1.20 (s, 3H)。
【0122】
実施例23
tert-ブチル(3-クロロ-3-((2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)イミノ)プロピル)(メチル)カルバメート、NME200599の合成
一般的スキーム
【化67】
【0123】
3.4 tert-ブチル(3-クロロ-3-((2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)イミノ)プロピル)(メチル)カルバメートの合成
【化68】
重大な変更を行わずに概ね同様に、1.1~1.2に記載の合成に沿って、市販のtert-ブチル(2-シアノエチル)(メチル)カルバメートから得られたtert-ブチルN-[3-アミノ-3-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジル)プロポキシ]イミノ-プロピル]-N-メチル-カルバメート(2g、3.12mmol、1当量)を、アセトニトリル(50ml)に溶解させ、その後、得られた溶液に亜硝酸tert-ブチル(0.97g、9.37mmol、3当量)を添加し、続いてCuCl(1.26g、9.37mmol、3当量)を添加した。反応混合物を撹拌しながら室温で2日間暗所に放置した。48時間後、反応混合物を減圧下で濃縮し、4.0M炭酸ナトリウム水溶液(50ml)で希釈し、酢酸エチル(2×30ml)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。収集した濾液を減圧下で濃縮して粗黄色油状物(1g)を得、これを分取HPLC精製に供して、表題生成物(95mg、7.6%)を桃色油状物として得た。LCMS [M + 1] 378.4。H NMR (クロロホルム-d, 400 MHz): δ (ppm) 4.20 - 4.02 (m, 2H), 4.01 - 3.88 (m, 1H), 3.58 - 3.31 (m, 2H), 2.84 (s, 3H), 2.74 - 2.47 (m, 4H), 2.43 - 2.27 (m, 4H), 1.71 - 1.45 (m, 6H), 1.43 (s, 9H)。
【0124】
1. ノシルエポキシドの使用による手法
実施例1
N-(3-(4-フルオロピペリジン-1-イル)-2-ヒドロキシプロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200399の合成
一般的スキーム
【化69】
【0125】
1.1 tert-ブチル4-(N’-(3-(4-フルオロピペリジン-1-イル)-2-ヒドロキシプロポキシ)カルバムイミドイル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレートの合成
【化70】
乾燥DMF(5ml)中のtert-ブチル4-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(2g、7.77mmol、1当量)の懸濁液を0℃に冷却した。鉱油中60%水素化ナトリウム(0.311g、7.77mmol、1当量)を添加し、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、乾燥DMF(5ml)に溶解させたオキシラン-2-イルメチル3-ニトロベンゼンスルホネート(2.015g、7.77mmol、1当量)を添加し、混合物をそのまま室温まで戻し、さらに2時間撹拌した。乾燥DMF(5ml)中の4-フルオロピペリジンヒドロクロリド(1.085g、7.77mmol、1当量)及びN,N-ジエチルエタンアミン(0.787g、7.77mmol、1当量)を反応混合物に滴加した。反応物を60℃に加熱し、撹拌しながら48時間放置し、その後減圧下で濃縮し、蒸留水(20ml)で希釈し、DCM(3×15ml)で抽出した。有機層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(水溶液、2×15ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。収集したものを減圧下で濃縮して、褐色油状物(3.5g)を得た。得られた材料をフラッシュクロマトグラフィー精製(Companion combiflash、SiO80g、メタノールが0~25%であるアセトニトリル/メタノール、流速=60mL/分)に供して、表題生成物(1.515g、44.5%)を淡褐色油状物として良好に得た。LCMS [M + 1] 417.2。
【0126】
1.2 N-(3-(4-フルオロピペリジン-1-イル)-2-ヒドロキシプロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2-トリフルオロアセテートの合成
【化71】
tert-ブチル4-[N’-[3-(4-フルオロ-1-ピペリジル)-2-ヒドロキシ-プロポキシ]カルバムイミドイル]-4-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(500mg、1.14mmol、1当量)を蒸留水(2ml)及び酢酸(1ml)に溶解させた。得られた溶液を0℃に冷却し、30%塩酸水溶液(0.603ml、692.97mg、5.7mmol、5当量)を反応混合物に滴加し、続いて蒸留水(1ml)中の亜硝酸ナトリウム(157.37mg、2.28mmol、2当量)溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を撹拌しながら0℃で2時間放置し、次いでそのまま室温まで戻した。30%塩酸水溶液(0.603ml、692.97mg、5.7mmol、5当量)を6時間後に反応混合物に添加し、次いで撹拌しながら室温で一晩放置し、容積を低減させ、分取HPLCに供して、表題生成物(290.7mg、42.95%)を黄色油状物として得た。LCMS [M - ・Cl301.0。H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 9.54 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 5.13 - 4.68 (m, 1H), 4.31 - 4.17 (m, 1H), 4.16 - 4.04 (m, 2H), 3.61 - 3.34 (m, 2H), 3.34 - 3.01 (m, 7H), 3.01 - 2.87 (m, 2H), 2.22 - 1.90 (m, 6H), 1.75 (t, J=13.3, 13.3 Hz, 2H), 1.24 (s, 3H)。
【0127】
実施例2
N-(2-ヒドロキシ-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200402の合成
【化72】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順4.1において4-フルオロピペリジンヒドロクロリドの代わりに1-メチルピペラジンを使用することを除いて4.1~4.2に記載の合成に沿って、市販のtert-ブチル4-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレートから、N-(2-ヒドロキシ-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドトリ-2,2,2-トリフルオロアセテート(420mg、51.47%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M - ・Cl 298.0。H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 8.80 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 4.25 - 4.01 (m, 3H), 3.69 - 3.34 (m, 5H), 3.29 - 3.12 (m, 4H), 3.13 - 3.06 (m, 1H), 3.06 - 2.84 (m, 4H), 2.55 - 2.49 (m, 6H), 2.22 - 2.07 (m, 2H), 1.83 - 1.62 (m, 2H), 1.24 (s, 3H)。
【0128】
実施例3
N-(3-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-2-ヒドロキシプロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200403の合成
【化73】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順2.1において4-フルオロピペリジンヒドロクロリドの代わりに3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンヒドロクロリドを使用することを除いて2.1~2.2に記載の合成に沿って、市販のtert-ブチル4-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレートから、N-(3-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-2-ヒドロキシプロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2-トリフルオロアセテート(89.5mg、15.50%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M - ・Cl 280.0。H NMR(DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 9.59 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 4.19 - 3.84 (m, 4H), 3.65 - 3.55 (m, 2H), 3.44 - 3.32 (m, 2H), 3.27 - 3.21 (m, 1H), 3.05 - 2.84 (m, 3H), 2.15 - 2.02 (m, 2H), 1.90 - 1.67 (m, 5H), 1.24 (s, 4H), 0.88 - 0.77 (m, 1H), 0.72 - 0.59 (m, 1H)。
【0129】
実施例4
N-(3-(2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)-2-ヒドロキシプロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200410の合成
【化74】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順2.1において4-フルオロピペリジンヒドロクロリドの代わりに2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンヒドロクロリドを使用することを除いて2.1~2.2に記載の合成に沿って、市販のtert-ブチル4-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレートから、N-(3-(2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)-2-ヒドロキシプロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2-トリフルオロアセテート(104mg、19.97%)を淡褐色油状物として作製した。LCMS [M - ・Cl 294.4。H NMR (メタノール-d, 400 MHz): δ (ppm) 4.32 - 4.09 (m, 4H), 3.59 - 3.23 (m, 7H), 3.21 - 2.97 (m, 4H), 2.88 - 2.72 (m, 1H), 2.34 (d, J=14.4 Hz, 2H), 2.05 - 1.97 (m, 1H), 1.86 - 1.68 (m, 5H), 1.62 - 1.49 (m, 1H), 1.31 (s, 3H)。
【0130】
実施例5
(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200384の合成
【化75】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順4.1において4-フルオロピペリジンヒドロクロリドの代わりにピペリジンを使用し、オキシラン-2-イルメチル3-ニトロベンゼンスルホネートの代わりに[(2S)-オキシラン-2-イル]メチル3-ニトロベンゼンスルホネートを使用することを除いて2.1~2.2に記載の合成に沿って、市販のtert-ブチル4-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレートから、(S)-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2トリフルオロアセテート(93mg、20.57%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M - ・Cl 282.0。H NMR (重水, 400 MHz): δ (ppm) 4.32 - 4.23 (m, 1H), 4.17 - 4.03 (m, 2H), 3.51 - 3.37 (m, 2H), 3.22 - 3.11 (m, 3H), 3.09 - 2.97 (m, 3H), 2.95 - 2.86 (m, 1H), 2.82 (t, J=12.7, 12.7 Hz, 1H), 2.23 (d, J=15.2 Hz, 2H), 1.86 - 1.74 (m, 2H), 1.74 - 1.55 (m, 5H), 1.43 - 1.28 (m, 1H), 1.18 (s, 3H)
【0131】
実施例6
(R)-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200387の合成
【化76】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順2.1において4-フルオロピペリジンヒドロクロリドの代わりにピペリジンを使用し、オキシラン-2-イルメチル3-ニトロベンゼンスルホネートの代わりに[(2R)-オキシラン-2-イル]メチル3-ニトロベンゼンスルホネートを使用することを除いて2.1~2.2に記載の合成に沿って、市販のtert-ブチル4-(N’-ヒドロキシカルバムイミドイル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシレートから、(R)-N-(2-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)-4-メチルピペリジン-4-カルビミドイルクロリドジ-2,2,2トリフルオロアセテート(450mg、82.13%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M - ・Cl 282.0。H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 9.35 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 4.26 - 4.19 (m, 1H), 4.16 - 4.05 (m, 2H), 3.47 - 3.38 (m, 2H), 3.26 - 2.73 (m, 9H), 2.11 (d, J=15.0 Hz, 2H), 1.80 - 1.58 (m, 7H), 1.43 - 1.34 (m, 1H), 1.23 (s, 3H)
【0132】
実施例7
N-(2-ヒドロキシ-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロポキシ)-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドテトラ-2,2,2-トリフルオロアセテート、NME200513の合成
【化77】
重大な変更を行わずに概ね同様に、実験手順1.4において3-(ブロモメチル)-5-フルオロ-ピリジンヒドロブロミドの代わりに3-(ブロモメチル)ピリジンヒドロブロミドを使用し、実験手順2.1において4-フルオロピペリジンヒドロクロリドの代わりに1-メチルピペラジンを使用することを除いて1.4、1.1、2.1~2.2に記載の合成に沿って、市販のtert-ブチル4-シアノピペリジン-1-カルボキシレートから、N-(2-ヒドロキシ-3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロポキシ)-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-4-カルビミドイルクロリドテトラ-2,2,2-トリフルオロアセテート(344mg、23.14%)を黄色油状物として作製した。LCMS [M + 1] 410.2。H NMR (重水, 400 MHz): δ (ppm) 8.57 (d, J=5.5 Hz, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.23 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.87 (t, 1H), 4.23 - 4.13 (m, 1H), 3.99 - 3.93 (m, 1H), 3.92 - 3.87 (m, 1H), 3.83 - 3.57 (m, 4H), 3.54 - 3.29 (m, 4H), 3.26 - 3.18 (m, 4H), 3.08 (s, 2H), 2.95 - 2.86 (m, 5H), 2.22 (d, J=14.2 Hz, 2H), 1.81 (t, J=13.7, 13.7 Hz, 2H)。
【0133】
実施例2:GCaseアッセイを使用したオキシム類の効力及び有効性の決定
材料
L444P GBA変異を有するヒト線維芽細胞株GM10915は、Coriell Biorepositoriesから得た。すべての化学物質(氷酢酸、グリシン、4-メチルウンベリフェリルb-D-グルコピラノシド(4-MUG)、酢酸ナトリウム三水和物、水酸化ナトリウム、クリスタルバイオレット、SDS、水酸化アンモニウム)は、Sigma-Aldrich(Denmark)から得た。GCase活性について試験した化合物は、HOまたはDMSOに溶解させた。
【0134】
方法
GM10915細胞株は、非必須アミノ酸(NEAA)、1%Pen-Strep、及び12%FCSを補充した完全DMEM培地中で、標準的な細胞培養条件(37℃及び5%CO)下で培養した。細胞は、100μLの完全培地中に10細胞/ウェルの密度で、グルコシルセラミダーゼ(GCase)活性測定用に1枚の黒色の96ウェルプレート中に、細胞密度を補正するためのクリスタルバイオレット染色用に1枚の透明な96ウェルプレート中に播種した。クリスタルバイオレット染色は、マルチウェルプレートに付着する細胞の相対密度に関する定量的情報を得るために実施する。
【0135】
GCase活性のアッセイ
このアッセイはSawkar et al(2002)から適合させたものであり、以下に簡単に説明する。細胞を播種した翌日に、培地を、試験しようとする化合物を含有する新鮮な培地と交換した。用量反応を得るために、化合物を8点希釈用量範囲で二重に試験した。細胞を化合物に5日間曝露した。新鮮な化合物を2~3日ごとに添加した。GCase活性の基礎レベルを定めるためにPBSを含めた。
【0136】
細胞をウェル当たり200μLのPBSで3回洗浄し、50μLの2.5mM 4-MUG緩衝液(pH4.0の0.2M酢酸緩衝液に溶解させた4-MUG)を添加し、細胞を37℃、5%COで23時間インキュベートした。150μLの0.2Mグリシン緩衝液(pH10.8)を添加することによって反応を停止させた。Varioskan(登録商標)Flashリーダー(Thermo Scientific)を用いて、励起/発光設定365/445nmで蛍光を測定した。
【0137】
クリスタルバイオレット染色
GCase活性を試験するためのセットアップと同一の並行セットアップで、細胞を化合物で処理した。化合物処理の最後に、細胞をウェル当たり200μLのPBSで1回洗浄し、50μLの0.1%w/vクリスタルバイオレット(HO中)を添加した。10分のインキュベーション後、クリスタルバイオレット溶液を除去し、細胞を200μLのPBSで3回洗浄し、100μLの1%SDSを添加して染色を可溶化した。プレートをオービタルシェーカー上で10~30分間撹拌した。吸光度(A)は、Varioskan(登録商標)Flashリーダー(Thermo Scientific)を使用して570nMで測定する。
【0138】
計算
GCase測定から導出された蛍光シグナル(F)を、クリスタルバイオレット染色から導出された吸光度シグナル(A)に対して正規化する。化合物処理によって生じたGCase活性の割合(パーセント)を、未処理の細胞から得られた基礎活性に対して計算する。
【数1】
【0139】
効力、EC1.5は、化合物の用量反応効果に基づいて、GCase活性の1.5倍の誘導に相当する「GCase活性の割合(パーセント)」=150%となる濃度として決定される。化合物の最大効果(Emax)は、用量反応効果から、試験した用量範囲で達成される最大の「GCase活性の割合(パーセント)」として決定される。
【0140】
結果
GBA効力及びEmaxを本実施例で上述したように決定し、その結果を以下の表1に示す。


【表2】
【0141】
結論
この実施例は、本開示のオキシム類が、アンブロキソール及びLTI-291のような現状技術のGBA誘導剤と比較して非常に強力かつ有効であることを実証している。これらの効果によって、本開示のオキシム類は、GBA介在性障害の治療の有望な候補となる。

【国際調査報告】