(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】大面積測定が可能なモニタリング機器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/67 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
H01L21/68 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519864
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 KR2022015134
(87)【国際公開番号】W WO2023063657
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0134695
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0055983
(32)【優先日】2022-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524120309
【氏名又は名称】ウィット コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】514153366
【氏名又は名称】ファイン セミテック コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジェ ファン
(72)【発明者】
【氏名】オ, ジェ ウォン
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131AA33
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA23
5F131CA06
5F131CA36
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB82
5F131KA12
5F131KA22
5F131KA23
5F131KA27
5F131KA57
5F131KB45
5F131KB55
5F131KB56
5F131KB60
(57)【要約】
【課題】半導体工程又はディスプレイ工程において装置の性能を容易に診断できる大面積測定が可能なモニタリング機器を提供する。
【解決手段】又は前記モニタリング機器は、保護層、前記保護層内部の空間に配列される基板及び前記基板上に配列される少なくとも1つの電子素子を含む。ここで、前記電子素子は、少なくとも1つのセンサを有し、前記モニタリング機器は、前記センサを利用して前記モニタリング機器外部に位置する被診断体の温度、傾き、光、振動、電圧、電流、電力、圧力及び前記被診断体と他の素子との間の距離のうち少なくとも1つを測定して前記被診断体を診断し、前記基板に陰刻構造物又は陽刻構造物が形成され、前記陰刻構造物内に前記基板と異なる特性を有する物質で充填されるか、又は前記陽刻構造物が前記基板と異なる特性を有する物質で形成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタリング機器において、
保護層と、
前記保護層内部の空間に配列される基板と、
前記基板上に配列される少なくとも1つの電子素子とを含み、
前記電子素子は、少なくとも1つのセンサを有し、前記モニタリング機器は、前記センサを利用して前記モニタリング機器外部に位置する被診断体の温度、傾き、光、振動、電圧、電流、電力、圧力及び前記被診断体と他の素子との間の距離のうち少なくとも1つを測定して前記被診断体を診断し、
前記基板に陰刻構造物又は陽刻構造物が形成され、前記陰刻構造物内に前記基板と異なる特性を有する物質で充填されるか、又は前記陽刻構造物が前記基板と異なる特性を有する物質で形成されることを特徴とするモニタリング機器。
【請求項2】
前記基板はプリント回路基板であり、
前記陰刻構造物内に前記基板の引張力又は圧縮力を補償できる物質が充填されるか、又は前記陽刻構造物が前記基板の引張力又は圧縮力を補償できる物質で形成され、
前記引張力又は前記圧縮力を補償することによって前記基板の平坦度が向上されることを特徴とする請求項1に記載のモニタリング機器。
【請求項3】
前記異なる特性は、熱膨張係数であることを特徴とする請求項1に記載のモニタリング機器。
【請求項4】
前記陰刻構造物内に充填される物質は、前記基板より熱膨張係数の高い物質であって、熱硬化性樹脂、エンジニアリングプラスチック、シリコン、銅、アルミニウム、金又は銀であり、
前記陽刻構造物の物質は、前記基板より熱膨張係数の高い物質であって、熱硬化性樹脂、エンジニアリングプラスチック、シリコン、銅、アルミニウム、金又は銀であることを特徴とする請求項3に記載のモニタリング機器。
【請求項5】
前記基板と前記電子素子を囲んで外部から流入される電磁波を遮断する電磁波遮断層をさらに含み、
前記電子素子は、前記センサに加えて、マイクロプロセッサ、無線通信装置及び無線充電装置をさらに含み、
前記マイクロプロセッサは、前記センサによって測定されたデータを収集し、前記無線通信装置を介して外部装置に転送し、前記無線充電装置は、前記基板内のバッテリーを充電させることを特徴とする請求項1に記載のモニタリング機器。
【請求項6】
前記保護層は、シリコン、酸化物、セラミック又は炭素で形成されることを特徴とする請求項1に記載のモニタリング機器。
【請求項7】
前記保護層外部に配列される部材をさらに含み、
前記部材は、前記保護層と温度特性又は熱伝導率特性の異なる物質で形成され、温度測定精度を向上させるか、又は熱に弱い電子素子を保護することを特徴とする請求項1に記載のモニタリング機器。
【請求項8】
前記部材にポケットが形成され、前記ポケットに前記部材と異なる熱伝導率を有する物質が充填されるか、又は前記ポケットの内部に弾性体が配列されることを特徴とする請求項7に記載のモニタリング機器。
【請求項9】
前記被診断体は、静電チャックであって、前記センサは、前記静電チャックの温度、傾き、電圧、電流又は振動の程度を測定することを特徴とする請求項1に記載のモニタリング機器。
【請求項10】
前記基板は、プリント回路基板であって、
前記基板において配線及び前記電子素子のフットプリントを除く領域は、接地面として使用されることを特徴とする請求項1に記載のモニタリング機器。
【請求項11】
前記基板上には無線通信素子、受光センサ又は電気的センサが配列され、
前記保護層のうち前記無線通信素子、前記受光センサ又は前記電気的センサに対応する部分にホールが形成されることを特徴とする請求項1に記載のモニタリング機器。
【請求項12】
モニタリング機器において、
保護層と、
前記保護層内部の空間に配列される基板と、
前記基板上に配列される少なくとも1つの電子素子とを含み、
前記電子素子は、少なくとも1つのセンサを有し、前記モニタリング機器は、前記センサを利用して前記モニタリング機器外部に位置する被診断体の温度、傾き、光、振動、電圧、電流、電力、圧力及び前記被診断体と他の素子との間の距離のうち少なくとも1つを測定して前記被診断体を診断し、
前記保護層に陰刻構造物又は陽刻構造物が形成され、前記陰刻構造物内に前記保護層と異なる特性を有する物質で充填されるか、又は前記陽刻構造物が前記保護層と異なる特性を有する物質で形成されることを特徴とするモニタリング機器。
【請求項13】
前記基板は、プリント回路基板であって、
前記陰刻構造物内に前記保護層の引張力又は圧縮力を補償できる物質が充填されるか、又は前記陽刻構造物が前記保護層の引張力又は圧縮力を補償できる物質で形成され、
前記引張力又は前記圧縮力を補償することによって前記保護層の平坦度が向上されることを特徴とする請求項12に記載のモニタリング機器。
【請求項14】
前記陰刻構造物内に充填されるか、又は前記陽刻構造物を形成する物質は、前記保護層と応力特性が反対の物質であって、窒化物、炭素素材又はシリコンであることを特徴とする請求項12に記載のモニタリング機器。
【請求項15】
前記保護層外部に配列される部材をさらに含み、
前記部材は、前記保護層と温度特性又は熱伝導率特性の異なる物質で形成され、温度測定精度を向上させるか、又は熱に弱い電子素子を保護することを特徴とする請求項12に記載のモニタリング機器。
【請求項16】
モニタリング機器において、
保護層と、
前記保護層内部の空間に配列される基板と、
前記基板上に配列される少なくとも1つの電子素子と、
前記保護層外部に配列されて前記保護層と共に前記電子素子を二重に保護する部材とを含み、
前記電子素子は、少なくとも1つのセンサを有し、前記モニタリング機器は、前記センサを利用して前記モニタリング機器外部に位置する被診断体の温度、傾き、光、振動、電圧、電流、電力、圧力及び前記被診断体と他の素子との間の距離のうち少なくとも1つを測定して前記被診断体を診断することを特徴とするモニタリング機器。
【請求項17】
前記部材には、縦横に加えられるストレスを補償するために陰刻又は陽刻のパターンが形成されることを特徴とする請求項16に記載のモニタリング機器。
【請求項18】
前記パターンは、前記部材の熱膨張係数を補償するために熱硬化性樹脂、エンジニアリングプラスチック、セラミック、シリコン又はマイクロワイヤで形成されることを特徴とする請求項17に記載のモニタリング機器。
【請求項19】
前記部材にポケットが形成され、
前記ポケットに前記部材と異なる熱伝導率を有する物質が充填されるか、又は前記ポケット内部に弾性体が配列されることを特徴とする請求項16に記載のモニタリング機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大面積測定が可能なモニタリング機器に係り、より詳しくは、半導体工程又はディスプレイ工程において装置の性能を容易に診断できる大面積測定が可能なモニタリング機器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体及びディスプレイは、大口径化の傾向に沿って開発が行われている。半導体及びディスプレイの製造時に半導体装置内の工程均一性を維持することが不良を低減できる核心の要素である。前記半導体装置又はディスプレイ装置は、工程ごとに同一水準の工程均一性を確保しなければならないが、温度の昇降、RF電力の開閉、圧力の昇降などを無数に繰り返し、時間が経過することによって性能が変化され得る。
前記半導体装置又はディスプレイ装置において生じる工程の変化は、ウェハ又はガラス基板の不良を引き起こす。しかしながら、現在までこのような工程条件の変化を正確にモニタリングできる技術はない状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、半導体工程又はディスプレイ工程において装置の性能を容易に診断できる大面積測定が可能なモニタリング機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した目的を達成するために、本発明のモニタリング機器は、保護層と、前記保護層内部の空間に配列される基板と、前記基板上に配列される少なくとも1つの電子素子とを含む。ここで、前記電子素子は、少なくとも1つのセンサを有し、前記モニタリング機器は、前記センサを利用して前記モニタリング機器外部に位置する被診断体の温度、傾き、光、振動、電圧、電流、電力、圧力及び前記被診断体と他の素子との間の距離のうち少なくとも1つを測定して前記被診断体を診断し、前記基板に陰刻構造物又は陽刻構造物が形成され、前記陰刻構造物内に前記基板と異なる特性を有する物質で充填されるか、又は前記陽刻構造物が前記基板と異なる特性を有する物質で形成される。
【0005】
本発明のモニタリング機器は、保護層と、前記保護層内部の空間に配列される基板と、前記基板上に配列される少なくとも1つの電子素子とを含む。ここで、前記電子素子は、少なくとも1つのセンサを有し、前記モニタリング機器は、前記センサを利用して前記モニタリング機器外部に位置する被診断体の温度、傾き、光、振動、電圧、電流、電力、圧力及び前記被診断体と他の素子との間の距離のうち少なくとも1つを測定して前記被診断体を診断し、前記保護層に陰刻構造物又は陽刻構造物が形成され、前記陰刻構造物内に前記保護層と異なる特性を有する物質で充填されるか、又は前記陽刻構造物が前記保護層と異なる特性を有する物質で形成される。
【0006】
本発明のモニタリング機器は、保護層と、前記保護層内部の空間に配列される基板と、前記基板上に配列される少なくとも1つの電子素子と、前記保護層外部に配列されて前記保護層と共に前記電子素子を二重に保護する部材とを含む。ここで、前記電子素子は、少なくとも1つのセンサを有し、前記モニタリング機器は、前記センサを利用して前記モニタリング機器外部に位置する被診断体の温度、傾き、光、振動、電圧、電流、電力、圧力及び前記被診断体と他の素子との間の距離のうち少なくとも1つを測定して前記被診断体を診断する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるモニタリング機器は、プリント回路基板又は保護層に陰刻構造物又は陽刻構造物を形成して前記モニタリング機器の平坦度を向上させることができる。その結果、前記プリント回路基板上に配列される温度センサが被診断体と密着されることができ、前記プリント基板上に配列される振動センサと変位センサの水平を補償して測定精度を向上させることができ、前記プリント回路基板上に配列されるRFセンサの被診断体と軸方向がずれることを防止することができ、前記プリント回路基板に配列される光学センサの光量受信感度を向上させることができ、前記プリント回路基板上に配列される無線通信装置の送受信 感度を向上させることができる。
また、前記モニタリング機器を自動的に搬送させるロボット装置から軸ずれを防止して、前記モニタリング機器又は前記半導体装置の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のチャンバーに投入されたモニタリング機器を図示した図面である。
【
図2】本発明の静電チャック上に配列されたモニタリング機器を図示した図面である。
【
図3】本発明のモニタリング機器を図示した図面である。
【
図4】本発明モニタリング機器を図示した図面である。
【
図5】本発明のモニタリング機器を図示した図面である。
【
図6】本発明のモニタリング機器を図示した図面である。
【
図7】本発明のモニタリング機器を図示した図面である。
【
図8】本発明のモニタリング機器を図示した図面である。
【
図9】本発明のモニタリング機器を図示した図面である。
【
図10】大面積測定システムの構造において発生可能な問題点を図示した図面である。
【
図11】引張応力及び圧縮応力の低減のための陰刻又は陽刻体構造を図示した図面である。
【
図12】大面積測定装置において発生可能な引張応力又は圧縮応力を図示した図面である。
【
図13】ロボット運送時のストレスによるエラー発生例を図示した図面である。
【
図14】引張応力による測定精度の低下を図示した図面である。
【
図15】引張応力による測定精度の低下を図示した図面である。
【
図16】引張応力による測定精度の低下を図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において使用される単数の表現は、文脈上明らかに異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「構成される」又は「含む」などの用語は、明細書上に記載された複数の構成要素、又は複数のステップを必ずしもすべて含むものと解釈されてはならず、その中の一部構成要素又は一部ステップは含まれないこともでき、又は追加的な構成要素又はステップをさらに含むことができるものと解釈されるべきである。また、明細書に記載された「...部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェア又はソフトウェアで具現されたり、ハードウェアとソフトウェアの結合で具現されたりすることができる。
【0010】
本発明は、大面積形態の被診断体を効果的に診断するためのモニタリング機器に関するものであって、例えば、半導体工程又はディスプレイ工程において使用する静電チャックの異常状態を判別することができる。
例えば、前記モニタリング機器は、静電チャックの温度、静電力、又は傾きの程度を測定することができる。
他の例として、前記モニタリング機器は、前記半導体又はディスプレイ装置内部の振動状態又はシャワーヘッドと静電チャックとの間の距離を測定することができる。例えば、前記モニタリング機器は、カセットを利用したウェハ移送時のウェハの振動状態を測定することができる。
さらに他の例として、前記モニタリング機器は、前記半導体又はディスプレイチャンバー内に印加される電圧、電流又は電力を測定することもでき、前記半導体又はディスプレイチャンバー内のプラズマの光量を測定することもできる。
このようなモニタリング機器は、大面積を効果的に測定するための構造を有し、具体的には、陰刻又は陽刻の構造体を配列して引張応力及び圧縮応力又は熱応力を補償することができ、プリント回路基板上にマイクロプロセッサ、無線通信装置、無線充電装置、センサなどを配列することができる。その結果、無線通信装置などの電子素子を効果的に保護することができ、装置の汚染を最小限に抑えることができる。
【0011】
以下では、図面を参照し本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明のチャンバーに投入されたモニタリング機器を図示した図面であり、
図2は、本発明の静電チャック上に配列されたモニタリング機器を図示した図面である。
図3は、本発明のモニタリング機器を図示した図面であり、
図4~
図9は、本発明のモニタリング機器を図示した図面である。
図10は、大面積測定システムの構造において発生可能な問題点を図示した図面であり、
図11は、引張応力及び圧縮応力の低減のための陰刻又は陽刻体構造を図示した図面であり、
図12は、大面積測定装置において発生可能な引張応力又は圧縮応力を図示した図面である。
図13は、ロボット運送時のストレスによるエラー発生例を図示した図面であり、
図14~
図16は、引張応力による測定精度の低下を図示した図面である。
【0012】
図1に示す通り、プラズマ工程を遂行するチャンバー110の内部下端に静電チャック112が形成され、静電チャック112の上面上にモニタリング機器100が配列されることが分かる。
モニタリング機器100は、半導体工程又はディスプレイ工程において工程が開始される前に静電チャック112の異常の有無を判断し、静電チャック112に異常がないと判断されればモニタリング機器100は除去され、実際の工程が遂行されることができる。例えば、モニタリング機器100が除去された後、蒸着工程、エッチング工程、インプラント工程、フォト工程のためのウェハが静電チャック112上に置かれることができる。
モニタリング機器100は静電チャック112とシャワーヘッド113との間の距離を測定することができる。
モニタリング機器100はチャンバー110内のRF電圧、電流又は電力を測定することができる。
また、モニタリング機器100はチャンバー内の振動状態を測定することができ、チャンバー内のプラズマの特性を光学的に測定することができる。
【0013】
以下では、このようなモニタリング機器100によって大面積の被診断体を測定する場合の問題点及び解決方案を詳察する。
図12に図示したように、モニタリング機器の材料的特性に応じて、圧縮応力401及び引張応力402の影響によってモニタリング機器の基板が曲がることができる。このような基板の曲がり現象は
図10に図示したように、前記モニタリング機器のセンサ214が所望の整列方向からずれるようにしてセンサ214の測定精度を低下させ、無線通信装置211の通信性能を低下させ、電源装置213を充電するための無線充電装置212の充電性能を低下させることができる。
また、
図14に図示したように、前記基板の曲がり現象によってセンサ214が静電チャック112に密着されず、その結果、温度の測定精度が低下することができる。
さらに、静電チャック112とシャワーヘッド113との間の距離を測定する時にセンサ214の軸がねじれて測定精度が低下することができる。
さらに、
図15に図示したように、RF電力の放射方向とセンサ214の受信方向とがねじれてRF電圧、電流又は電力の測定精度が低下することができる。
また、
図13に図示したように、前記モニタリング機器をロボット310を利用して運送する間にモニタリング機器の曲がりが発生することができ、その結果、前記モニタリング機器の誤動作が発生したり、前記モニタリング機器が破損したりすることができる。
【0014】
このような問題点を解決するために、モニタリング機器100は基板の曲がりを防止できる構造を有することができる。
具体的には、本実施形態のモニタリング機器100は、プリント回路基板205及びプリント回路基板205上に配列される少なくとも1つのマイクロプロセッサ210、無線通信装置211、無線充電装置212、電源装置213及び少なくとも1つのセンサ214を含むことができる。すなわち、複数の電子素子がプリント回路基板205上に配列されることができる。
プリント回路基板205及び前記電子素子は保護層201内に配列されることができ、保護層201内においてプリント回路基板205及び前記電子素子が電磁波遮蔽層204によって覆われることができる。その結果、電磁波遮蔽層204が、前記電子素子が配列されたプリント回路基板205の上部又は下部に形成されることができる。
保護層201は、モニタリング機器100から放出される汚染物質を遮断したり、熱や水分など外部因子によるモニタリング機器100の性能及び品質低下を防止したりすることができ、機構的に剛性を強化して衝撃及びスクラッチを防止することができる。
また、保護層201は、測定環境に応じて、機械加工又は化学的研磨を介して表面の平坦度と粗さを調節し、モニタリング機器100の測定精度を補償することができる。
このようなモニタリング機器100に曲がりを防止するため又は平坦度を改善するための構造が具現されることができる。
【0015】
図3に示す通り、プリント回路基板205に陰刻構造物202を形成し、陰刻構造物202に反対の応力を示す物質で充填した後、ストレスを補償して基板の平坦度を改善することができる。例えば、プリント回路基板205は、温度が上昇するほど引張強度が低下するので、引張強度を向上させることができる物質を陰刻構造物202に充填してプリント回路基板205の平坦度を改善することができる。
プリント回路基板205よりも高い熱伝導率を有する銅、アルミニウム、銀、金などの金属材料、シリコン、シリコンカーバイド、酸化物などの物質を陰刻構造物202に充填して引張強度を向上させることができる。
【0016】
図4に図示したように、プリント回路基板205に熱伝達係数の異なる物質からなる陽刻構造物203を形成して引張強度を向上させて基板の平坦度を改善することができる。
さらに
図5に図示したように、保護層201に陰刻構造物206を形成し、陰刻構造物206に保護層201と反対の応力特性を有する材料を充填して平坦度を改善することができる。例えば、保護層201を酸化物で形成すると、前記酸化物の特性上引張強度が弱いため、引張強度を向上させることができる窒化物で陰刻構造物206を充填して応力を補完することができる。
また、
図6に図示したように、保護層201に熱伝達係数の異なる物質からなる陽刻構造物207を形成してアスペクト比ストレスを改善することができる。
【0017】
さらに
図7及び
図8に図示したように、保護層201の少なくとも一部上に外部環境から前記電子素子を保護する部材208を配列することができる。その結果、モニタリング機器100内部の電子素子が外部環境から二重に保護されることができる。例えば、半導体装置又はディスプレイ装置内に流入される工程ガス及びプラズマからモニタリング機器100を保護することができる。
例えば、シリコンと熱伝導率が類似する物質で部材208を形成して温度の測定精度を向上させることができる。
他の例として、高温環境で測定する場合、熱伝導率の低い物質で部材208を形成して熱に弱い電子素子を保護することができる。
さらに、
図9に図示したように、部材208にポケット209を配列して特定の環境に弱い電子素子を保護することができる。
例えば、高温環境で測定する時にポケット209内に熱伝導率の低い物質を充填して高温に弱い電子素子を保護することができる。
また、ポケット209内に弾性の性質を有する材料を配列して振動に弱い電子素子を保護することができる。
【0018】
保護層201内の電子素子への電磁波の浸透を防止するために、電磁波遮蔽層204が前記電子素子を囲むことができる。位置的に電磁波遮蔽層204は、プリント回路基板205の上部と下部に少なくとも1つ以上位置することができる。
電磁波遮蔽層204は、プラズマから発生する電磁波から内部電子素子を保護するスパッタリングされた金属材料(ニッケル、銀、金など)又は液体金属又は金属スプレー工法、電磁波遮蔽フィルム、メッシュ(Mesh)形態の電磁波遮蔽フィルムで形成される。
また、多層のプリント回路基板を使用して最上部層と最下部層の面積全体を配線に使用する材料(例えば、銅、銀、金など)で形成して、電磁波遮蔽層204として使用することができる。
さらに、電磁波遮蔽層204は、銅、ニッケル、アルミニウム、金、銀などの金属材料又は複数の合金材料で構成されることができ、前記材料で構成されたスプレーコーティングで構成されることができ、前記材料で構成されたフィルムテープで構成されることができ、前記材料で構成された液体金属で構成されることができ、前記材料をスパッタリング半導体工程で具現することができ、前記材料で構成されたシート紙で構成されることができ、前記シート紙は全面を遮断する形態、メッシュ形態で構成されることができる。
【0019】
電磁波遮蔽層204のうち無線通信装置211に対応する部分が一定部分開放されることができ、これは無線通信を円滑に遂行するためである。また、電磁波遮蔽層204のうち電気的センサ部分に対応する部分もまた開放されることができる。
モニタリング機器の表面層になり得る保護層201及び部材208は、チャンバー内に投入可能な物質、例えば、シリコン系物質、酸化物系物質、セラミック系物質、エンジニアリングプラスチック、テフロン(登録商標)などで形成されることができる。
マイクロプロセッサ210は、プリント回路基板205の上又は下に形成され、無線通信装置211、無線充電装置212又は少なくとも1つのセンサ214の動作を制御することができる。
マイクロプロセッサ210は、各種のセンサ214によって感知されたデータを収集し、前記収集されたデータを無線通信装置211を介して外部装置(図示せず)に転送することができる。
また、マイクロプロセッサ210は、ユーザーによって設定されたユーザー設定値を無線通信装置211を介して受信し、前記受信されたユーザー設定値に従って内部電子素子を制御することができる。
【0020】
プリント回路基板205において配線、素子のフットプリントを除いたすべての面積を接地面として使用することができ、その結果、ノイズ除去に優れることができる。また、この接地面は、電磁波遮蔽層204として使用することができる。
無線通信装置211は、前記外部装置と無線で通信する連結通路であり、プリント回路基板205上に配列されることができる。このような無線通信装置211は、センサ214によって感知された温度情報、傾き情報、振動情報、電気的情報などを有するセンシングデータを前記外部装置に転送することができる。この時、前記外部装置は、前記転送されたセンシングデータを分析して静電チャック112の異常の有無を判別することができる。
無線充電装置212は、プリント回路基板205に内蔵された電源装置213を無線で充電させることができる。
【0021】
センサ214は、プリント回路基板205上に形成され、静電チャック112の温度、傾き、振動、プラズマから発生される電圧と電流、プラズマの光学波長、半導体装置の上部電極と下部電極との間の距離又は静電力のDC電圧と電流を測定することができる。センサ214としては、温度測定のために温度センサが使用されることができ、傾き測定のためにジャイロスコープが使用されることができ、振動を測定するために振動センサが使用されることができる。また、センサ214で電圧と電流を測定するためにキャパシタ及びインダクタなどが使用されることができ、電気的測定のために電気的センサが使用されることができ、プラズマの光学波長を測定するための光学センサが使用されることができ、電極間距離の測定のために変位センサが使用されることができる。
【0022】
まとめると、本発明のモニタリング機器100は、静電チャック112上に配列され、静電チャック112の温度、傾き、振動、電圧又は電流、電極間距離などを測定して静電チャック112の異常状態を診断することができる。また、モニタリング機器100は、半導体又はディスプレイチャンバー100に印加されるRF電圧、電流、電力及びチャンバーに印加されるプラズマ光学波長の異常状態を診断することができる。
静電チャック112及びチャンバー110が異常状態であると判定された場合には適切な措置を取ることによって大きな被害を防止することができる。特に、静電チャック112は、ウェハを固定させる部品であって工程結果に直結するので、設計されたパラメータを維持しないと工程が遂行されたすべてのウェハは廃棄されなければならない。チャンバー110は、ウェハ工程を遂行する空間であって工程結果に直結するので、設計されたパラメータを維持しないと工程が遂行されたすべてのウェハは廃棄されなければならない。このような問題を事前に診断して大きな被害を防止することができる。
また、モニタリング機器100は、引張強度及び圧縮強度を制御して改善された平坦度を有するので、チャンバー110を開放せずにチャンバー110内部にロボットを投入してモニタリング機器100を静電チャック112上に置いて工程診断を行うことができる。もし、モニタリング機器100の平坦度が低いと、
図13に図示されたように、ロボットでモニタリング機器100を移動させる時にモニタリング機器100がずれて投入口を通過できない可能性があり、モニタリング機器100を静電チャック112上に正しく配列できなくなる問題が発生する可能性がある。
ただし、モニタリング機器100の平坦度は、測定要素、測定方法、測定環境に応じて自由に制御することができる。
【0023】
一方、上述した内容においては静電チャック及び半導体チャンバー又はディスプレイチャンバーの異常状態を判別したが、モニタリング機器100は、フォト工程においてのベーキングチャックの温度、傾き又は振動の程度、インプラント装置において遂行されるチャックの温度、傾き、電圧又は振動の程度、蒸着工程において遂行される高温チャックの温度などを診断するために使用されることもできる。前記高温チャックの温度測定時に遠距離から測定されることができる。
また、モニタリング機器100は、露光工程において使用されるフォトマスクの温度、振動又は傾きを測定するために使用されることもできる。この時、モニタリング機器100は、上述した構造と同じ構造を有することができる。
また、モニタリング機器100は、静電チャック112と物理的に接触しないこともできる。モニタリング機器100は、蒸着工程において高温チャックを診断するためにチャックのリフトピン上で非接触で高温チャックの温度をモニタリングすることができる。
さらに、モニタリング機器100は、光を感知する光センサ又は電気的成分を測定する電気的センサで被診断体を診断するのに使用されることもできる。この時、前記光センサを搭載するためには上述した構造のモニタリング機器100を使用するが、光を受光するための受光センサを含み、光が通過できるホールがモニタリング機器100に形成されることができる。
【0024】
また、前記電気的センサを搭載するためにはモニタリング機器100の内部に電気的センサが内蔵され、電気的成分が通過できるホールがモニタリング機器100に形成されることもできる。
すなわち、モニタリング機器100がポケットの形成されたウェハを使用し、ポケット内にセンサなどの多様な素子が実装される限り、半導体工程又はディスプレイ工程の多様なステップで使用されることができる。
さらに、プリント回路基板205と部材208を付着させるために接着層が構成されることができる。この時、保護層201が前記接着層の役割を遂行することもできる。
また、部材208に縦横に加えられるストレスを補償するために陰刻パターン又は陽刻パターンが形成されることができる。ここで、前記パターンは、熱硬化性樹脂、エンジニアリングプラスチック、セラミック、シリコン、マイクロワイヤなどの熱膨張係数を補償できる物質で形成されることができる。
【0025】
一方、上述した実施形態の構成要素は、プロセス的な観点から容易に把握されることができる。すなわち、各構成要素はそれぞれのプロセスで把握されることができる。また、上述した実施形態のプロセスは、装置の構成要素の観点から容易に把握されることができる。
上述した本発明の実施形態は例示の目的のために開示されたものであり、本発明についての通常の知識を有する当業者であれば、本発明の思想と範囲内で種々の修正、変更、付加が可能であり、このような修正、変更及び付加は下記の特許請求の範囲に属するものとみなすべきである。
【符号の説明】
【0026】
100 モニタリング機器
110 チャンバー
112 静電チャック
113 シャワーヘッド
201 保護層
202 陰刻構造物
204 電磁波遮蔽層
205 プリント回路基板
206 陰刻構造物
208 部材
209 ポケット
210 マイクロプロセッサ
211 無線通信装置
213 電源装置
214 センサ
310 ロボット
401 圧縮応力
402 引張応力
【国際調査報告】