(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】車両内の体の存在を検知するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20241206BHJP
G01S 13/534 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G06T7/00 650Z
G01S13/534
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527388
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 IB2022060820
(87)【国際公開番号】W WO2023084433
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522251102
【氏名又は名称】バヤー イメージング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オルロフスキー、ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】カッツ、シャハール
(72)【発明者】
【氏名】レジシ、シャハル
【テーマコード(参考)】
5J070
5L096
【Fターム(参考)】
5J070AC01
5J070AC02
5J070AC06
5J070AE09
5J070AF03
5J070BA01
5L096AA06
5L096BA04
5L096CA02
5L096CA18
5L096DA02
5L096FA69
(57)【要約】
車両内の生体を検知し、子供が検知された場合のみ警告を生成するためのシステム及び方法。レーダ検知システムは、車両振動モジュール、時間挙動分析モジュール、及び空間特性モジュールを使用して、画像データを時間及び空間にわたって分析し、レーダ画像内の現実の子供と他の類似のボクセル・クラスタとを区別することによって偽陽性を検知する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両客室内の体の存在を検知するためのシステムであって、
発振器に接続され、電磁波を前記車両客室に伝送するように構成された少なくとも1つのトランスミッタ・アンテナ、及び
前記車両客室内の物体によって反射された電磁波を受信するように構成され、未加工データを生成するように動作可能な少なくとも1つのレシーバ・アンテナ
を備える、レーダ・ユニットと、
前記レーダ・ユニットからのデータを受信するように構成され、前記データに基づいて警告命令を生成するように動作可能なプロセッサ・ユニットと、
子供存在検知(CPD)警告を生成するように構成された警告生成器と
を備え、
前記プロセッサが、
前記車両客室の振動を検知するように動作可能な車両振動検知モジュール、
動作の時間特性を分析すること及び呼吸の発振特性を識別することを行うように動作可能な時間挙動分析モジュール、
前記車両客室内で検知されたボクセルのクラスタの空間特徴を分析するように動作可能な空間特性分析モジュール
を備える、システム。
【請求項2】
子供存在検知警告を第三者に伝達するように構成され動作可能な伝達モジュールをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記伝達モジュールが、コンピュータ・ネットワークと通信状態にある、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記レーダ・ユニットから未加工データを受信するように構成され、モデル最適化のためのフィルタ処理済みポイント・クラウドを生み出すように動作可能なプリプロセッサをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
フレーム・データを格納するように構成され動作可能なフレーム・バッファ・メモリ・ユニットをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
車両客室内の体の存在を検知するための方法であって、
レーダ・モジュールを提供するステップと、
車両振動検知モジュールを提供するステップと、
時間挙動分析モジュールを提供するステップと、
空間特性分析モジュールを提供するステップと、
存在検知ユニットを提供するステップと、
少なくとも1つのトランスミッタ・アンテナが電磁波を前記車両客室内に伝送するステップと、
少なくとも1つのレシーバ・アンテナが前記車両客室内の物体によって反射された電磁波を受信するステップと、
レーダからのデータをプロセッサに移送するステップと、
前記車両振動検知モジュールが車両振動指標を生成するステップと、
前記時間挙動分析モジュールが時間移動指標を生成するステップと、
前記空間特性分析モジュールが空間特徴指標を生成するステップと、
特徴ベクトルを前記存在検知ユニットに移送するステップと、
前記存在検知ユニットが前記特徴ベクトルを処理するステップと、
体が検知された場合、警告を発するステップと
を含む、方法。
【請求項7】
前記車両振動検知モジュールが車両振動指標を生成する前記ステップが、
画像データの一連の3次元フレームを取得するステップと、
前記画像データから静的物体を除去するステップと、
2次元移動ターゲット指示行列を生成するステップと、
前記2次元移動ターゲット指示行列内のピクセルの最低強度値を合計するステップと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記画像データから静的物体を除去する前記ステップが、
フレーム・キャプチャ・レートを選択するステップと、
第1のフレームから未加工データを収集するステップと、
時間遅延を待つステップと、
第2のフレームから未加工データを収集するステップと、
前記第1のフレーム・データを前記第2のフレーム・データから減算するステップと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
2次元移動ターゲット指示行列を生成する前記ステップが、
最大強度ボクセル
【数1】
を角度座標
【数2】
のペア毎に識別するステップと、
前記識別された最大ボクセルの前記強度に等しい値I
maxが割り当てられた各ピクセル
【数3】
を有する2次元行列を構築するステップと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記時間挙動分析モジュールが前記時間移動指標を生成するステップが、
3次元画像データ内の高強度ボクセルのクラスタを識別するステップと、
クラスタ毎に、前記プロセッサ・ユニットがボクセル毎の一連の複素数値を照合するステップと、
ボクセル毎に、複素平面の中心点を決定するステップと、
各フレーム内のボクセル毎の位相値を決定するステップと、
各フレーム内のボクセル毎の経時的な位相変化を表す円滑波形を生成するステップと、
呼吸パターンを示すボクセルのサブセットを選択するステップと、
時間移動指標を計算するステップと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
時間移動指標を計算する前記ステップが、スペクトル・ピーク指標を計算するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
時間移動指標を計算する前記ステップが、毎分呼吸数(RPM)指標を計算するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
時間移動指標を計算する前記ステップが、円適合指標を計算するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記空間特性分析モジュールが空間特徴指標を生成する前記ステップが、
前記車両客室及び周囲を含む活動領域の画像データの一連の3次元フレームを取得するステップと、
前記活動領域内のボクセル・クラスタを識別するステップと、
前記ターゲット領域内の前記クラスタをカウントし、これによりクラスタ数指標を取得するステップと、
各クラスタ内のボクセルの数をカウントするステップと、
ボクセルの最大数を選択し、これにより最大クラスタ・サイズ指標を取得するステップと、
クラスタ深度指標を取得するステップと、
ターゲット最大ボクセル指標を取得するステップと、
活動領域最大ボクセル指標を取得するステップと、
最大ボクセル範囲指標を取得するステップと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
クラスタ深度指標を取得する前記ステップが、
各クラスタ内のボクセルの最大範囲と最小範囲との間の差を計算するステップと、
幼児基準値に最も近い値を選択するステップと
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ターゲット最大ボクセル指標を取得する前記ステップが、前記活動領域内の最高移動ターゲット指示値を選択するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記活動領域最大ボクセル指標を取得するステップが、前記活動領域内の最高MTI値を選択するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
最大ボクセル範囲指標を取得する前記ステップが、前記活動領域最大ボクセルの範囲を選択するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
子供とペットとを区別するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項20】
子供とペットとを区別する前記ステップが、
子供サイズのターゲットを識別するステップと、
人間にとって無意味なペット刺激信号を伝送するステップと、
増大した活動が前記子供サイズのターゲットにおいて検知された場合、前記子供サイズのターゲットをペットに関連付けるステップと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項21】
人間にとって無意味なペット刺激信号を伝送する前記ステップが、人間の耳に聞き取れない周波数でペット刺激信号を伝送するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月10日に提出された第63/277,673号からの優先権の利益を主張し、その内容が全体として参照により組み込まれる。
【0002】
本明細書における本開示は、車両内の生体の存在を検知するシステム及び方法に関する。詳細には、本発明は、客室内に誤って忘れられた幼児又は他の被扶養者の存在を第三者に警告することに関する。
【背景技術】
【0003】
子供存在検知は、幼児又は子供が車両に閉じ込められた状況で被害者に対するリスクを低減させることに向けられた評価プロトコルである。このようなプロトコルは、また、ペット又は他の被扶養者が、閉ざされた客室に置き去りにされた場合に警報を発することができる。
【0004】
警告及び警報を発する必要性は、生命が見捨てられたことから危険に晒されているあらゆる場合に必要であるが、このような警報の正確度は、過度の誤警報を阻止するために不可欠である。過度の誤警報率は、警告疲労につながるので、本物の生命の危険をもたらす。過度の警告を受けた人は、将来の警告を無視又はことによると無効にする可能性が高い。
【0005】
さらに、検知の正確度に高い確実性がある場合、リスクを軽減するために能動的介入が取られることもある。実例として、車両の窓が開けられること、空調機器が起動されること、などが行われることがある。
【0006】
したがって、真陽性検知率が高く偽陽性検知率が低い子供存在検知システムの必要性が残る。本明細書で説明される本発明は、上述の必要性に対処する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】PCT/IB2022/055109号(国際公開第WO2022/254347)と拡大先願の記載方法
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つの態様によれば、車両客室内の体の存在を検知するためのシステムが導入される。システムは、発振器に接続され、電磁波を車両客室に伝送するように構成された少なくとも1つのトランスミッタ・アンテナ、及び車両客室内の物体によって反射された電磁波を受信するように構成され、未加工データを生成するように動作可能な少なくとも1つのレシーバ・アンテナを備える、レーダ・ユニットを含む。
【0009】
システムは、レーダ・ユニットからのデータを受信するように構成され、データに基づいて警告命令を生成するように動作可能なプロセッサ・ユニットと、子供存在検知(CPD:child present detection)警告を生成するように構成された警告生成器とをさらに含む。
【0010】
プロセッサは、車両客室の振動を検知するように動作可能な車両振動検知モジュール、動作の時間特性を分析すること及び呼吸の発振特性を識別することを行うように動作可能な時間挙動分析モジュール、並びに車両客室内で検知されたボクセルのクラスタの空間特徴を分析するように動作可能な空間特性分析モジュールなどのモジュールを典型的に備える。
【0011】
システムは、場合によってはコンピュータ・ネットワークと通信状態にある、子供存在検知警告を第三者に伝達するように構成され動作可能な伝達モジュールをさらに含むことができる。
【0012】
適切であれば、システムは、レーダ・ユニットから未加工データを受信するように構成され、モデル最適化のためのフィルタ処理済みポイント・クラウドを生み出すように動作可能なプリプロセッサをさらに含むことができる。追加又は代替として、システムは、フレーム・データを格納するように構成され動作可能なフレーム・バッファ・メモリ・ユニットを含む。
【0013】
本発明の別の態様は、車両客室内の体の存在を検知するための方法を教示することである。方法は、レーダ・モジュールを提供することと、車両振動検知モジュールを提供することと、時間挙動分析モジュールを提供することと、空間特性分析モジュールを提供することと、存在検知ユニットを提供することとを行うステップを含むことができる。したがって、方法は、少なくとも1つのトランスミッタ・アンテナが電磁波を車両客室内に伝送することと、少なくとも1つのレシーバ・アンテナが車両客室内の物体によって反射された電磁波を受信することと、レーダからのデータをプロセッサに移送することと、車両振動検知モジュールが車両振動指標を生成することと、時間挙動分析モジュールが時間移動指標を生成することと、空間特性分析モジュールが空間特徴指標を生成することと、特徴ベクトルを存在検知ユニットに移送することと、存在検知ユニットが特徴ベクトルを処理することと、体が検知された場合、警告を発することとをさらに含むことができる。
【0014】
適切であれば、車両振動検知モジュールが車両振動指標を生成するステップは、画像データの一連の3次元フレームを取得することと、画像データから静的物体を除去することと、2次元移動ターゲット指示行列を生成することと、2次元移動ターゲット指示行列内のピクセルの最低強度値を合計することとを含むことができる。
【0015】
任意選択として、画像データから静的物体を除去するステップは、フレーム・キャプチャ・レートを選択することと、第1のフレームから未加工データを収集することと、時間遅延を待つことと、第2のフレームから未加工データを収集することと、第1のフレーム・データを第2のフレーム・データから減算することとを含むことができる。
【0016】
再び任意選択として、2次元移動ターゲット指示行列を生成するステップは、最大強度ボクセル
【数1】
を角度座標
【数2】
のペア毎に識別することと、識別された最大ボクセルの強度に等しい値Imaxが割り当てられた各ピクセル
【数3】
を有する2次元行列を構築することとを含むことができる。
【0017】
様々な実施例では、時間挙動分析モジュールが時間移動指標を生成するステップは、3次元画像データ内の高強度ボクセルのクラスタを識別することと、クラスタ毎に、プロセッサ・ユニットがボクセル毎の一連の複素数値を照合することと、ボクセル毎に、複素平面の中心点を決定することと、各フレーム内のボクセル毎の位相値を決定することと、各フレーム内のボクセル毎の経時的な位相変化を表す円滑波形を生成することと、呼吸パターンを示すボクセルのサブセットを選択することと、時間移動指標を計算することとを含む。
【0018】
任意選択として、時間移動指標を計算するステップは、スペクトル・ピーク指標、毎分呼吸数(RPM:respiration per minute)指標、又は円適合指標を計算することを含む。
【0019】
追加又は代替として、空間特性分析モジュールが空間特徴指標を生成するステップは、車両客室及び周囲を含む活動領域の画像データの一連の3次元フレームを取得することと、活動領域内のボクセル・クラスタを識別することと、ターゲット領域内のクラスタをカウントし、これによりクラスタ数指標を取得することと、各クラスタ内のボクセルの数をカウントすることと、ボクセルの最大数を選択し、これにより最大クラスタ・サイズ指標を取得することと、クラスタ深度指標を取得することと、ターゲット最大ボクセル指標を取得することと、活動領域最大ボクセル指標を取得することと、最大ボクセル範囲指標を取得することとを含む。
【0020】
様々に、クラスタ深度指標を取得するステップは、各クラスタ内のボクセルの最大範囲と最小範囲との間の差を計算することと、幼児基準値に最も近い値を選択することとを含んでもよい。ターゲット最大ボクセル指標を取得するステップは、活動領域内の最高移動ターゲット指示値を選択することを含んでもよい。活動領域最大ボクセル指標を取得するステップは、活動領域内の最高MTI値を選択することを含んでもよい。さらに、最大ボクセル範囲指標を取得するステップは、活動領域最大ボクセルの範囲を選択することを含んでもよい。
【0021】
本発明の他の実施例では、方法は、子供とペットとを区別することをさらに含んでもよい。実例として、方法は、子供サイズのターゲットを識別すること、人間にとって無意味なペット刺激信号を伝送すること、増大した活動が子供サイズのターゲットにおいて検知された場合、子供サイズのターゲットをペットに関連付けることを含んでもよい。したがって、適切であれば、人間にとって無意味なペット刺激信号を伝送するステップは、人間の耳に聞き取れない周波数でペット刺激信号を伝送することを含む。
【0022】
実施例をより良く理解するため、及び実施例がどのように実施される得るかを示すために、純粋に実例として添付の図面を参照する。
【0023】
ここで、図面を詳細に参照することに関して、示された事項は、単なる例並びに選択された実施例の説明に役立つ議論のみを目的とし、最も効果的かつ容易に理解される原理及び概念的側面の説明と考えられるものを提供するために、表示されていることを強調しておく。この点に関しては、構造的な詳細をより詳細に示すようなことはせず、基本的な理解に必要な事項を最優先とし、図面と一緒になされた説明により、選択された様々な実施形態をどのように実施するかということを、当業者に対して明確化する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】車両内の体の存在を検知するためのシステムの選択された構成要素を概略的に表したブロック図である。
【
図1B】存在を検知するためのシステムの構成要素と、車両内の体について警告するためのシステムの構成要素との間のデータ・フローを概略的に表したフローチャートである。
【
図1C】車両内の体の存在を検知するための方法における選択されるアクションを概略的に表したフローチャートである。
【
図2A】車両振動指標を生成するための可能な方法を概略的に表したフローチャートである。
【
図2B】画像データから静的物体を除去するための可能なステップを概略的に表したフローチャートである。
【
図2C】MTI行列を生成するための可能なステップを概略的に表したフローチャートである。
【
図3A】選択されたボクセルを示す3次元画像のセグメントの図である。
【
図3B】同じ角度座標を共有し、異なるr座標を有するボクセルのセットの図である。
【
図3D】静止環境における移動物体の典型的なMTIプロフィール特性を示す並べられたMTI強度プロフィールの実例の図である。
【
図3E】振動環境の典型的なMTIプロフィール特性を示す並べられたMTI強度プロフィールの実例の図である。
【
図4】時間移動指標を生成するための可能な方法を概略的に表したフローチャートである。
【
図5A】複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例の図である。
【
図5B】複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例の図である。
【
図5C】複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例の図である。
【
図5D】複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例の図である。
【
図5E】複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例の図である。
【
図5F】複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例の図である。
【
図6】空間特徴指標を生成するための可能な方法を概略的に表したフローチャートである。
【
図7A】ペット軽減のための可能な方法を概略的に表したフローチャートである。
【
図7B】ピクセルのクラスタによってカバーされる活動レベル(AL)又は境界ボリューム(BV)が、犬などのペットの存在を指示するためにどのように使用され得るかを概略的に表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の態様は、車両内の生体の存在を検知し、警告を生成するためのシステム及び方法に関する。詳細には、本発明は、真陽性検知率が高く偽陽性検知率が低い子供存在検知システムに関する。
【0026】
検知システムの誤警報は、乗客客室に置かれた物体、又は、現実の幼児若しくは子供が客室内にいないのに警告を生じるセンサのトリガ条件を満たす客室状態によって、しばしば引き起こされることがわかってきた。
【0027】
いくつかの誤警報トリガ条件が識別されてきており、実例として、風によって、手によって、又は任意の他の手段によって揺された車の客室内の水筒が、呼吸する子供に表面的に類似した発振信号を生成することがある。したがって、車両振動検知モジュールは、揺された車両が検知されることを可能にするために、本明細書で開示されるような様々な方法を適用することができる。このようにして、揺された車両タイプ誤警報トリガが避けられることがある。
【0028】
別の誤警報トリガは、非常に周期的な動作で典型的に特徴付けられる、振り子、ばね、時計、又は同様のものなどの、発振物体である場合もある。したがって、動作の時間特性を分析して、現実の呼吸の特性であるこれらの発振を識別するために、時間挙動分析モジュールが提供されてもよい。
【0029】
実例として子供であると疑われるサイズ及び形状に関する空間特徴といった、真の警報と誤警報とを区別するための、さらなる他の特性が使用されてもよい。したがって、現実の子供又は同様のものを指示可能なクラスタを識別するために、車両客室内で検知されたボクセルのクラスタの特徴を分析するための、空間特性分析モジュールが提供されてもよい。
【0030】
現実の生体が車両内で検知されたときでも、この生体が、犬、猫、又は同様のものなどのペットであり得ることがさらに指摘される。したがって、必要なときにペットを人間と区別するための、ペット軽減モジュールが提供されてもよい。
【0031】
必要に応じて、本発明の詳細な実施例が本明細書で開示されるが、開示の実施例は、様々な及び代替の形で具体化され得る本発明の実例にすぎないことを理解されたい。図は、必ずしも一定の比率ではなく、特定の構成要素の詳細を示すために、一部の特徴が誇張又は最小化されることがある。したがって、本明細書で開示される特定の構造的及び機能的詳細は、限定と解釈されるべきではなく、本発明を様々に採用するやり方を当業者に教示するための代表的な基礎としてのみ解釈されるべきである。
【0032】
必要に応じて、本開示の様々な実施例では、本明細書で説明されるような1つ又は複数のタスクは、複数の命令を実行するためのコンピューティング・プラットフォーム又は分散型コンピューティング・システムなどの、データ・プロセッサによって実施されてもよい。任意選択として、データ・プロセッサは、命令、データ、又は同様のものを格納するための揮発性メモリを含むかこれにアクセスする。追加又は代替として、データ・プロセッサは、命令及び/又はデータを格納するための、実例として、磁気ハードディスク、フラッシュ・ドライブ、取外し可能媒体、又は同様のものといった、不揮発性ストレージにアクセスしてもよい。
【0033】
本明細書における本開示のシステム及び方法は、その適用において、本説明で説明されるか図面及び実例で示される構成要素又は方法の構築の詳細及び配置に限定されなくてもよいことが特に指摘される。
本願で開示されたシステムおよび方法は、他の形態でも実施可能であり、あるいは、様々な手段及び技術を用いて実施可能であってもよい。
【0034】
本明細書で説明されるものに類似又は同等の代替方法及び材料が、本開示の実施例の実践又はテスト時に使用されてもよい。それでも、特定の方法及び材料が、例証のためだけに本明細書で説明される。材料、方法、及び実例は、必ずしも限定であることを意図するものではない。したがって、様々な実施例が、必要に応じて様々な手順又は構成要素を省略、代用、又は追加することもある。実例として、方法は、説明とは異なる順序で実施されてもよく、様々なステップが、追加、省略、又は組み合わされてもよい。さらに、特定の実施例に関して説明される態様及び構成要素が、様々な他の実施例において組み合わされてもよい。
【0035】
図1Aのブロック図への参照がここで行われ、
図1Aは、車両内の体の存在を検知するためのシステム100の選択された構成要素を概略的に表している。システム100は、レーダ・ユニット120及びプロセッサ140を含む。
【0036】
レーダ120は、無線周波数トランスミッタ・アンテナ122の少なくとも1つのアレイ、及び無線周波数レシーバ・アンテナ124の少なくとも1つのアレイを典型的に含む。無線周波数トランスミッタ・アンテナは、発振器126(無線周波数信号源)に接続され、ターゲット領域200に向けて電磁波を伝送するように構成され動作可能である。無線周波数レシーバ・アンテナ124は、ターゲット領域200内の物体210から反射して戻ってきた電磁波を受信するように構成される。
【0037】
したがって、トランスミッタは、車両客室又は同様のものなどの監視領域200に向けられた、マイクロ波放射線又は同様のものなどの電磁放射線のビームを生み出すように構成されてもよい。レシーバは、監視領域内の物体によって反射された電磁波を受信するように構成され動作可能な、少なくとも1つの受信アンテナ、又はレシーバ・アンテナのアレイを含むことができる。
【0038】
レシーバによって生成された未加工データは、典型的には、アレイの前の物体から散乱して戻ってきた波に対応する大きさ及び位相測定値を示す複素数値のセットである。ターゲット領域内の対象の3次元座標における振幅(散乱強度)を再現するために、空間再現処理が測定値に適用される。したがって、ターゲット領域内のボリュームの各3次元断面は、x座標、y座標、z座標、及び振幅値に対応する4つの値で定義されたボクセルで表されてもよい。
【0039】
典型的には、レシーバは、レシーバによって生成された未加工データの振幅行列を処理するように構成され動作可能な、及び、モデル最適化に適したフィルタ処理済みポイント・クラウドを生み出すことができる、前処理ユニット130に接続される。
【0040】
したがって、適切であれば、前処理ユニットは、要求される閾値を上回る振幅を有するボクセルを選択するように動作可能な振幅フィルタ、及び、実例としてデータをサンプリングすること、又は隣のボクセルをクラスタ化することによって、フィルタ処理済みデータ内のボクセルの数を低減させるように動作可能なボクセル・セレクタを含むことができる。このようにして、フィルタ処理済みポイント・クラウドは、プロセッサに出力されてもよい。フィルタ処理済みポイント・クラウドは、振幅が閾値を上回るとき1に、及び振幅が閾値を下回るときゼロに、各ボクセルの振幅値をセットすることによってさらに簡素化されてもよいことがさらに指摘される。
【0041】
プリプロセッサ・ユニットと通信状態にあるプロセッサ140は、車両振動検知モジュール142、時間挙動分析モジュール144、空間特性分析モジュール146、任意選択として、ペット軽減モジュール147、及び警告生成器148などのモジュールを含むことができ、警告生成器148は、分析モジュールによって生成された特徴指標の組合せを含む特徴ベクトルを受信するように構成され、受信されたデータに基づいて子供存在検知(CPD)警告を生成するように動作可能でもよい。
【0042】
伝達モジュール160は、子供存在検知警告を第三者に伝達するように構成され動作可能である。任意選択として、伝達モジュール160は、インターネットなどのコンピュータ・ネットワーク162と通信状態にあってもよく、コンピュータ・ネットワーク162を介して、伝達モジュール160は、実例として、電話、コンピュータ、ウェアラブル・デバイス、又は同様のものを介して、第三者に警告を伝達してもよい。
【0043】
さらなる他の実施例では、CPD警告は、リスクを軽減するために行われ得る能動的介入を開始してもよく、実例として、車両の窓が開けられること、空調機器が起動されること、又は同様のものが行われてもよい。
【0044】
図1Bのフローチャートをここで参照すると、
図1Bは、CPD警告を生成するために、システムの構成要素間でデータがどのように流れ得るかを指示している。レーダ・モジュール120は、特徴ベクトルを生成するプロセッサ140に渡される未加工データを生み出すことができる。特徴ベクトルは、存在検知ユニット150によって使用される。存在検知ユニット150は、子供が本当に存在するかどうかを決定し、適切であれば警告命令を警告生成器156に伝達するように動作可能である。存在検知ユニット150は、主成分分析のために多次元特徴ベクトルを変換するように動作可能な次元低減ユニット152、及び、特徴ベクトルを存在検知済又は非存在検知済に分類するように動作可能なサポートベクトルマシンなどの分類器154を含むことができる。
【0045】
図1Cのフローチャートへの参照がここで行われ、
図1Cは、車両内の体の存在を検知するための方法における選択されるアクションを概略的に表している。方法は、レーダ・モジュールを提供すること1001、車両振動検知モジュールを提供すること1002、時間挙動分析モジュールを提供すること1003、空間特性分析モジュールを提供すること1004、及び存在検知ユニット(PDU:presence detection unit)を提供すること1005を含む。
【0046】
したがって、警告は、レーダがターゲット領域をスキャンすること1006、及び未加工データをプロセッサに移送すること1007、車両振動検知モジュールが振動指標を生成すること1008、時間挙動分析モジュールが、スペクトル・ピーク指標、RPM指標、及び円適合指標、又は同様のものなどの時間移動指標を生成すること1009、並びに、空間特性分析モジュールが空間特徴指標を生成すること1010によって生成されてもよい。
【0047】
方法は、プロセッサが、これらの指標を含む特徴ベクトルを存在検知ユニットに移送すること1011、存在検知ユニットが特徴ベクトルを処理すること1012、及び生体が検知されたかどうかを判定すること1013を続けることができる。
【0048】
体が検知されなかった場合1014、レーダがターゲット領域をスキャンすること1006を続ける。体が検知された場合、警告が生成され1015、前のようにさらにレーダがターゲット領域をスキャンすること1006を続ける。
【0049】
必要であれば、人間と動物の体を区別するために、ペット軽減を適用すること1016を行う追加のステップが含まれてもよい。
【0050】
図2Aをここで参照すると、上述のような車両振動指標を生成するための可能な方法2008を概略的に表したフローチャートが提示されている。任意選択として、車両振動検知モジュールは、ターゲット領域のキャプチャされたレーダ画像を表す一連の3次元フレームを取得し2028、画像データから静的物体を除去し2048、これにより適宜2次元移動ターゲット指示(MTI:Moving Target Indication)行列を生成し2068、MTI行列内の、たとえば最低5パーセント値といった、ピクセルの最低強度値が合計され2088、これによりターゲット領域の背景動作の指示を提供してもよい。
【0051】
図3DのMTI強度プロフィールに指示されているように、静止した車両内の最低強度ピクセル302は非常に低いはずであると予想される。それでも、
図3EのMTI強度プロフィールに指示されているように、揺れる車両内の最低強度ピクセルは、ずっと高くなり得る304ことが予想される。
【0052】
MTI行列の最低強度ピクセルの合計は、有効車両振動指標としての役割を果たすことができる。
【0053】
画像データから静的物体を除去すること2048を行うための可能な方式が、
図2Bのフローチャートに表されている。フレーム・キャプチャ・レートを選択すること2481、第1のフレームから未加工データを収集すること2482、フレーム・キャプチャ・レートによっておそらく決定された時間遅延を待つこと2483、第2のフレームから未加工データを収集すること2484、及び、第1のフレーム・データを第2のフレーム・データから減算すること2485を行うために、時間フィルタが適用されてもよい。このようにして、静的な背景が除去され、移動ターゲット・データだけが残った、フィルタ処理済み画像が生み出されてもよい。
【0054】
フレーム・バッファ・メモリ・ユニット内に複数のフレームを格納することによって、時間フィルタは、全体として本明細書に組み込まれる出願人の同時係属国際特許出願第PCT/IB2022/055109号に記載のような移動ターゲット指示(MTI)フィルタを適用することによって、さらに改善されてもよい。
【0055】
データ信号が画像再現ブロックに、又は直接的に画像データに移送される前に、MTIがデータ信号に適用されてもよい。MTIは、実例として無限インパルス応答(IIR:infinite impulse response)ローパス・フィルタ(LPF:low-pass filter)を使用して、背景データを推定することができる。この背景データは、移動物体からの反射を分離するために画像データから減算される。このようなプロセスは、現在のフレームからいくつかの以前のフレームの平均値を減算することによって達成され得ることが指摘される。任意選択として、平均は、上述のLPF実装形態などの、IIR又はFIRローパス・フィルタによって計算されてもよい。
【0056】
MTI IIRフィルタ時定数、又はIIR応答によって平均が取られる持続時間は、要件に最も適する、すなわち動的なターゲットにより良く適合するには短く、あるいは静止若しくは低速ターゲットに適合するには長くなるよう一般的に固定される。
【0057】
したがって、MTI方法は、フィルタ時定数を選択すること、選択された時定数の持続時間にわたってIIRフィルタを適用すること、ローパス・フィルタを適用すること、及び未加工データから背景を除去することなどのステップを含むことができる。
【0058】
MTIは、物体が背景から突然除去されたときに幻影などのアーチファクトを生成し得ることがわかってきた。実例として、椅子が移動されたとき、人が睡眠状態に移ったとき、壁が少しの間閉じられたとき、又は同様な事が起こったとき、その後の背景減算によって、このようなイベントが、以前に占有されていたロケーションにおける画像内に影を残すことがある。信号は複素数なので、現実の物体とその暗い影とを区別することは可能ではない。
【0059】
同様に、背景内の不明瞭な静止物体は、前景内の移動物体で覆われていないときに物体が突然現れたとき、動的であるように見えることがある。
【0060】
さらに、対象となる低速変化が抑制されることがあり、実例として、座っているか横たわって動かない人々からの反射は、経時的にほとんど変化しないこともあり、したがって、その効果は背景減算によって減衰されることがある。
【0061】
したがって、3次元MTI配列が生成されてもよく、3次元MTI配列から、実例として
図2Cで説明されるように、2次元MTI行列が生成されてもよい。2次元行列は、実例として、最大強度ボクセル
【数4】
を角度座標
【数5】
のペア毎に識別すること2682、及び、識別された最大ボクセルの値Imaxが割り当てられた各ピクセル
【数6】
で2次元行列を構築すること2684によって、生成されてもよい。
【0062】
図3Aに示されたように、3次元MTI配列は、ボクセルの3次元アレイを含むことができ、各ボクセルは、球面座標
【数7】
のセット、及びこれらの極座標から反射されたエネルギーの振幅の関連付けられた値によって特徴付けられる。例証のために、各ボクセルのMTI強度値が関数
【数8】
によって与えられると仮定し、ここで、rは、レーダからボクセルへの半径方向距離rであり、θは、ボクセルの方への極角であり、
【数9】
は、ボクセルの方への方位角である。
【0063】
ターゲット領域の3次元MTI配列は、ピクセルの2次元配列を含む行列を構築することによって、2次元MTI行列に低減される。したがって、一意のMTI値
【数10】
が、角度座標
【数11】
のペアによって特徴付けられたピクセル毎に選択される。
【0064】
球面座標系が本明細書で説明されているが、同等の方法が、円筒座標、デカルト座標、又は同様のものなどの、他の3次元座標系を使用してもよいことが指摘される。
【0065】
図3Bは、同じ角度座標を共有し、異なるr座標を有するボクセルのセットを示している。rの値に関わらず角度座標
【数12】
の関連付けられたペアの最高MTI値を伴うボクセルのMTI値が選択されてもよい。
【0066】
このような2次元MTI行列の実例が
図3Cに提供されている。2次元MTI行列を構築して、最高MTI強度を有するピクセルで始まり、どんどん低くなるMTI強度を伴うピクセルに進めて、ピクセルを並べることによって、MTI強度分散プロフィールが生成されてもよい。
【0067】
図3Dは、静止環境における移動物体の典型的なMTIプロフィール特性を示す並べられたMTI強度プロフィールの実例を示している。ピクセルのほとんどが、移動が全くないことを示し、移動物体を指示するピクセルだけが高いMTI値を有していることが指摘される。
【0068】
対照的に、
図3Eは、振動が全ての方向で一様に検知される、振動環境の典型的なMTIプロフィール特性を示す並べられたMTI強度プロフィールの実例を示している。全てのピクセルがここでは、MTIプロフィールの相対均一性で指示されるような、移動を指示することが指摘される。このプロフィールは、揺れる車両において予想されるはずである。
【0069】
図4のフローチャートへの参照がここで行われ、
図4は、存在検知ユニットによって使用される時間移動指標を時間挙動分析モジュールが生成するための可能な方法400を指示している。
【0070】
方法は、ターゲット領域の3次元画像データ内の高強度ボクセルのクラスタを識別すること401、クラスタ毎に、プロセッサ・ユニットが、複数のフレーム内の関連付けられたボクセルの、反射された放射線を表すボクセル毎の一連の複素数値を照合すること402、ボクセル毎に複素平面の中心点を決定すること403、各フレーム内のボクセル毎の位相値を決定すること404、ボクセル毎の経時的な位相変化を表す円滑波形を生成すること405、呼吸パターンを指示可能なボクセルのサブセットを選択すること406、並びに、スペクトル・ピーク指標407、毎分呼吸数(RPM)指標408、及び円適合指標409などの時間移動指標を計算することを含む。
【0071】
時間移動指標の様々な値が選択されてもよい。実例として、アンラップされた位相の最大高速フーリエ変換と中間高速フーリエ変換との比
【数13】
を取ることによって、スペクトル・ピーク指標が計算されてもよい。
【0072】
RPM指標の実例は、以下の値を計算することによって与えられてもよい。
【数14】
【0073】
再び実例として、複素数値が複素平面内の円にどれだけ近接して適合するかを指示し得る円適合指標が、最大規模に対する複素数ベクトルの規模の比の標準偏差
【数15】
(STD)によって与えられてもよい。
【0074】
任意選択として、プロセッサは一連のフレームを生成してもよく、各フレームは、所与の時間セグメント中にターゲット領域の各ボクセルから反射された放射線を表す複素数値の配列を含む。
【0075】
1つの実施例では、本発明の方法は、並行して複数のボクセルを1つの期間にわたって監視する。レシーバによって受信された信号は、以下によって与えられてもよく、
【数16】
ここで、vは、ボクセルの指標であり、nは、時間指標であり、A
vは、漏出及び静的物体によるボクセルのDC部分であり、R
vは、ボクセルvの位相変動部分の振幅(又は半径)であり、φ
vは、ボクセルvのニューサンス位相オフセットであり、λは、波長であり、B
vは、ボクセルvの有効変位規模であり、ν
v[n]は、付加ノイズであり、w[n]は、時間nにおける波形である。
【0076】
モニタされるボクセル毎に、基準中心点
【数17】
が計算される。例証として、中心は、円中心の線形平均2乗誤差推定量に応じて決定されてもよい。実例として、推定は、受信された信号の実数及び虚数部分のモーメントに基づいてもよい。モーメントは、無限インパルス応答(IIR)フィルタで平均化されてもよい。IIRフィルタの忘却因子は、環境の変化(実例として対象者の移動)と同時に新しい値に素早く収束する必要性と、推定の一貫性を維持する必要性との間でバランスを取る適応的制御を行う。
【0077】
各フレーム内のボクセル毎の位相値は、プロセッサが、複数のフレーム内の関連付けられたボクセルの、反射された放射線を表すボクセル毎の一連の複素数値を照合すること、ボクセル毎に複素平面の中心点を決定すること、及び、フレーム値と中心点との間の差の虚数成分と実数成分との比のアークタンジェントを計算することによって決定されてもよい。
【0078】
したがって、基準中心点を考慮に入れると、所与の瞬間nにおけるボクセルvの位相は、以下のように計算されてもよい。
【数18】
【0079】
経時的な位相変化を表す円滑波形を作り出すために、位相値は丸められてもよい。位相は、以下の公式に従って、不連続性がπより大きくない円滑波形を生成するためにアンラップされてもよい。
【数19】
【0080】
別の実施例では、位相アンラッピングは、いくつかの前の位相に基づく次の位相の予測に基づいてもよい。このような予測は、フレーム・レートを低くするため、及び/又はサイクル・スリップを回避しつつノイズに対する復元力を改善するために使用されてもよい。実例として、以下の予測因子は、位相運動量をよく説明し、
【数20】
ここで、0<α≦1は、安定性(ゼロ次ホールド)に対する運動量(位相の線形進行)の重み付けを制御するパラメータである。
【0081】
図5A及び
図5Dは、複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例を示している。複素数値は、単一の点を中心とする複素平面内のおよその円を形成することが指摘される。周期性は、複数のフレームにわたって、
図5A及び
図5Bのプロットの(時間の代理としてフレーム数を使用して)経時的な位相の変動をそれぞれ表す、
図5B及び
図5Eに示されたような、特性発振関数を生じるように見えることがある。
図5C及び
図5Fは、周波数空間における対応する変動を示している。このような発振関数は、実例として、呼吸又は脈拍数を示す場合もある。
【0082】
呼吸特性及び脈拍特性を指示するボクセルは、実例として、これらのボクセルの適合性を評価するメトリックを使用することなど、選択ルールに適合するボクセルのサブセットを選択することによって、見つけられてもよい。このようなメトリックは、円の弧のモデルに適合させること、強い周期性を伴う所定のパターンの脈拍波形に適合させることなど、及びボクセルの空間ロケーションを含むことができる。
【0083】
多くの場合に、呼吸追跡に最も良く適合するボクセルは、呼吸している人の胸郭及び胃の近くにある。他の場合には、最も適切な選択は、壁若しくは天井からの反射のような他のボクセル、又は、呼吸による他の物体の移動である。
【0084】
各ボクセルに関連付けられた位相値に対して逆適合メトリックが計算されてもよく、選択されたボクセルは、所定の閾値を上回る逆適合メトリックを有するものとなるだろう。実例として、メトリックは、本明細書で説明されるモデルにデータを適合させる正確度を評価してもよい。受信された信号と、推定される基準中心点との間の距離から、相対的安定性が測定されてもよい。
【数21】
【0085】
メトリックは、実例として以下のように計算されてもよい。
【数22】
【0086】
追加又は代替として、各ボクセルに関連付けられた位相値のために時間依存関数が計算されてもよく、心臓収縮の持続時間、心臓拡張の持続時間、脈拍数など、及び、その組合せなどの、脈拍を示す周期特性を有するボクセルが選択されてもよい。
【0087】
このようなメトリックは、アンラップされた位相
【数23】
の適合性を、きれいな脈拍波形として評価することができる。この信号のフーリエ変換が計算されてもよく、呼吸が予想される妥当な周期の範囲内の、又は正常な脈拍の、周波数においてピーク値が達成されていること、及び、このピークのエネルギーが他の周波数における平均エネルギーで除算されることがチェックされてもよい。
【0088】
実例として、呼吸を示す周期特性は、たとえば1:1から1:6までの吸気対呼気比、たとえば1秒から10秒までの呼吸速度を含むことができる。また、実例として、安静時の対象者の脈拍を示す周期特性は、たとえば毎分45拍から150拍までの脈拍又は心拍数、及び約2:1の心臓拡張対心臓収縮の比を含むことができる。
【0089】
上記の2つのメトリックは平滑化され、次いで、脈拍の抽出のための各ボクセルの適合性を表す単一のメトリックに組み合わされてもよい。
【0090】
本発明の1つの可能な実施例では、ボクセル間の頻繁な跳躍を回避するための履歴現象を伴う、上記のメトリックに基づいた脈拍決定のために、単一のボクセルが選択される。
【0091】
別の実施例では、高いメトリック値を伴う複数のボクセルが選ばれ、その波形が、適合性メトリックによる重み付け後にSVD(PCA)を使用することによって平均化される。
【0092】
呼吸を示す位相信号のより低い周波数発振は、心拍数を示す高い位相発振を残すために、位相プロフィール信号からフィルタ処理されてもよい。
【0093】
さらなる他の実施例では、ボクセル選択は、このボクセルから抽出された信号が、実用的であるのに十分良い信号を有するはずであることを確認するための信号品質(SNR)、及び、観察される信号が現実の呼吸信号に一致していることを確認するための呼吸検知などの、さらなるメトリックを使用してもよい。これら2つのメトリックは、ボクセルが選択に適していることを決定するために、組み合わされてもよい。
【0094】
図6のフローチャートをここで参照すると、空間特徴指標を生成するための可能な方法600が提示されている。方法は、ターゲット領域及びその周囲を含む活動領域の3次元画像データを取得すること601、ターゲット領域内のボクセル・クラスタを識別すること602、ターゲット領域内のクラスタをカウントし、これによりクラスタ数指標を取得すること603、各クラスタ内のボクセルの数をカウントして最大数を選択し、これにより最大クラスタ・サイズ指標を取得すること604、各クラスタ内のボクセルの最大範囲と最小範囲との間の差を計算すること606、及び幼児基準値に最も近い値を選択すること607、これによりクラスタ深度指標を取得すること605、ターゲット領域内の最高移動ターゲット指示(MTI)値を選択し、これによりターゲット最大ボクセル指標を取得すること608、活動領域内の最高MTI値を選択し、これにより活動領域最大ボクセル指標を取得すること609、活動領域最大ボクセルの範囲を選択し、これにより最大ボクセル範囲指標を取得すること610を含む。
【0095】
上述のように、必要であれば、犬などのペットを子供と区別するために、ペット軽減モジュールが提供されてもよい。したがって、車両内で体が検知されたとき、ペット軽減が適用されてもよく、その結果によって、警告が生成されるかどうか又はこのような警告の性質を決定することができる。
【0096】
一部のペットのレーダ画像は子供と類似のサイズ及び形状になり得るので、ペット軽減は、これらを区別するために高解像度画像化を要求することがある。その上、カメラなどの高解像度画像化デバイスを使用したとしても、処理時間が長くなりすぎることがあり、自動認識が、多種多様な異なるペット及びその挙動により、さらに複雑になることもある。
【0097】
1つのシステムによる
図1Aを参照し直すと、ペット軽減モジュール147は、ペットが人間とは異なって典型的に反応することになる信号を生成するように構成された、ペット刺激信号発生器149と通信状態でもよい。実例として、イヌの耳には聞こえるが人間の耳には聞こえない超音波信号が、レーダ120によって検知されることが可能な、犬からの物理的な反応を誘引することができ、その一方で、人体は相変わらず影響を受けないはずである。代替ソリューションは、予測可能な様式でペットが人間とは異なって反応し得る高さ又は音色を含んでもよい。このような挙動のソリューションは堅牢であり、ペットのサイズ、ロケーション、姿勢などについての多くのオプションを包含可能なはずである。
【0098】
図7をここで参照すると、ペット軽減を適用するための可能な方法700が提示されている。ターゲットが識別され701、生体として識別される702。ペット刺激信号が生成され、車両客室に伝送されてもよい703。ペット刺激信号は、ペットだけが信号に反応するように選択される。したがって、シートと足元の空間又は同様のものとの間の大きな移動などの、ターゲットの増大した活動が検知された場合704、この活動は、実例として、抑制された子供ではなく、車両客室内の抑制されていないペットを示す。実例として、ピクセル・クラスタの周りに境界ボックスを構築すること、及び、境界ボックスの重心の位置を経時的に追跡することによって、ターゲットの移動が追跡され得ることが理解されよう。実例として
図8に示されたような、当業者が思いつくような、他の可能な活動追跡方法が使用されてもよい。
【0099】
技術注記
本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本開示が関係する当業者によって一般に理解されるような同じ意味を有するはずである。それでも、本出願から満期になる特許の存続期間中、多くの関連システム及び方法が開発されることが予想される。したがって、コンピューティング・ユニット、ネットワーク、ディスプレイ、メモリ、サーバなどの用語の範囲は、全てのこのような新しい技術を演繹的に含むことを意図するものである。
【0100】
本明細書で使用されるように、用語「約」は、少なくとも±10%を指す。
【0101】
用語「備える」、「備えること」、「含む」、「含むこと」、「有すること」、及びその同根語は、「含むがこれらに限定されない」を意味し、挙げられた構成要素が含まれるが、全体的に他の構成要素の排他ではないこと指示する。このような用語は、用語「から成る」及び「から本質的に成る」を含む。
【0102】
句「から本質的に成る」は、構成物又は方法が、追加の要素及び/又はステップを含み得るが、追加の要素及び/又はステップが、特許請求される構成物又は方法の基本的及び斬新な特性を実質的に変えない場合だけであることを意味する。
【0103】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別途文脈が明らかに指示しない限り、複数形の言及を含むことができる。実例として、用語「化合物」又は「少なくとも1つの化合物」は、複数の化合物の混合を含む、複数の化合物を含むことができる。
【0104】
単語「例示的」は、「実例、事例、又は例証としての役割を果たすこと」を意味するために本明細書で使用される。「例示的」として説明される任意の実施例は、必ずしも、他の実施例より好ましい若しくは有利であるという意味にとられるべきではなく、又は他の実施例からの特徴の組込みを除外するべきではない。
【0105】
単語「任意選択として」は、「いくつかの実施例では提供され、他の実施例では提供されない」を意味するために本明細書で使用される。本開示の任意の特定の実施例は、複数の「任意選択の」特徴が対立しない限り、複数の「任意選択の」特徴を含むことができる。
【0106】
数値範囲が本明細書で指示されるときはいつでも、指示の範囲内の任意の引用される数字(小数又は整数)を含むことが意味される。第1の指示する数字と第2の指示する数字「との間に及ぶ(ranging)/及ぶ(ranges)」という句、及び第1の指示する数字「から」第2の指示する数字「に及ぶ(ranging)/及ぶ(ranges)」という句は、本明細書では区別なく使用され、第1及び第2の指示される数字、並びにその間の小数及び整数全てを含むことが意味される。したがって、範囲フォーマットの記述は便利さ及び簡潔さのためのものにすぎず、本開示の範囲に対する柔軟性のない限定としての意味にとられるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記述は、可能な部分的範囲及びこの範囲内の個々の数値全てを具体的に開示したとみなされるべきである。実例として、1から6までのなどの範囲の記述は、1から3まで、1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から6まで、3から6までなどの部分的範囲と、実例として1、2、3、4、5、及び6、並びに非整数の中間値といった、この範囲内の個々の数字とを、具体的に開示したとみなされるべきである。これは、範囲の広さに関わらず適用される。
【0107】
明瞭さのために別個の実施例のコンテキストで説明された本開示の特定の特徴は、同様に、単一の実施例において組み合せて提供され得ることが理解されている。逆に、簡潔さのために単一の実施例のコンテキストで説明された本開示の様々な特徴は、同様に、別々に、又は任意の適切な部分的組合せで、又は、本開示の任意の他の説明された実施例において適切であるものとして、提供されてもよい。様々な実施例のコンテキストで説明された特定の特徴は、これらの要素がないと実施例が動作不能でない限り、これらの実施例の不可欠な特徴であるとみなされるべきではない。
【0108】
本開示は、その固有の実施例と共に説明されてきたが、多くの代替形態、変更形態、及び変形形態が、当業者には明らかであることが明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び広い範囲内に含まれる、全てのこのような代替形態、変更形態、及び変形形態を包含することが意図される。
【0109】
本明細書で言及される全ての公報、特許、及び特許出願は、各個々の公報、特許、又は特許出願が参照により本明細書に組み込まれることが具体的且つ個別に指示された場合と同じ程度まで、本明細書に参照により全体として本明細書において組み込まれる。さらに、本出願における任意の参照の引用又は識別は、このような参照が本開示に対する従来技術として利用可能であるという認定としての意味にとられるべきではない。セクションの見出しが使用される範囲内において、これらは、必然的に限定するような意味にとられるべきではない。
【0110】
開示の主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義され、前述の記述を読み取ると同時に当業者が思いつくはずの、上述の様々な特徴、並びにその変形形態及び変更形態の組合せ及び部分的組合せの両方を含む。
【図】
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
【
図1A】車両内の体の存在を検知するためのシステムの選択された構成要素を概略的に表したブロック図である。
【
図1B】存在を検知するためのシステムの構成要素と、車両内の体について警告するためのシステムの構成要素との間のデータ・フローを概略的に表したフローチャートである。
【
図1C】車両内の体の存在を検知するための方法における選択されるアクションを概略的に表したフローチャートである。
【
図2A】車両振動指標を生成するための可能な方法を概略的に表したフローチャートである。
【
図2B】画像データから静的物体を除去するための可能なステップを概略的に表したフローチャートである。
【
図2C】MTI行列を生成するための可能なステップを概略的に表したフローチャートである。
【
図3A】選択されたボクセルを示す3次元画像のセグメントの図である。
【
図3B】同じ角度座標を共有し、異なるr座標を有するボクセルのセットの図である。
【
図3D】静止環境における移動物体の典型的なMTIプロフィール特性を示す並べられたMTI強度プロフィールの実例の図である。
【
図3E】振動環境の典型的なMTIプロフィール特性を示す並べられたMTI強度プロフィールの実例の図である。
【
図4】時間移動指標を生成するための可能な方法を概略的に表したフローチャートである。
【
図5A】複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例の図である。
【
図5B】複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例の図である。
【
図5C】複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例の図である。
【
図5D】複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例の図である。
【
図5E】複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例の図である。
【
図5F】複数のフレームにわたるターゲット領域内の単一のボクセルにおける反射された放射線を表す一連の複素数値のプロットの実例の図である。
【
図6】空間特徴指標を生成するための可能な方法を概略的に表したフローチャートである。
【
図7】ペット軽減のための可能な方法を概略的に表したフローチャートである。
【
図8】ピクセルのクラスタによってカバーされる活動レベル(AL)又は境界ボリューム(BV)が、犬などのペットの存在を指示するためにどのように使用され得るかを概略的に表したフローチャートである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両客室内の体の存在を検知するための方法であって、
レーダ・モジュールを提供するステップと、
車両振動検知モジュールを提供するステップと、
時間挙動分析モジュールを提供するステップと、
空間特性分析モジュールを提供するステップと、
存在検知ユニットを提供するステップと、
少なくとも1つのトランスミッタ・アンテナが電磁波を前記車両客室内に伝送するステップと、
少なくとも1つのレシーバ・アンテナが前記車両客室内の物体によって反射された電磁波を受信するステップと、
レーダからのデータをプロセッサに移送するステップと、
前記車両振動検知モジュールが車両振動指標を生成するステップと、
前記時間挙動分析モジュールが時間移動指標を生成するステップと、
前記空間特性分析モジュールが空間特徴指標を生成するステップと、
特徴ベクトルを前記存在検知ユニットに移送するステップと、
前記存在検知ユニットが前記特徴ベクトルを処理するステップと、
体が検知された場合、警告を発するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記車両振動検知モジュールが車両振動指標を生成する前記ステップが、
画像データの一連の3次元フレームを取得するステップと、
前記画像データから静的物体を除去するステップと、
2次元移動ターゲット指示行列を生成するステップと、
前記2次元移動ターゲット指示行列内のピクセルの最低強度値を合計するステップと
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像データから静的物体を除去する前記ステップが、
フレーム・キャプチャ・レートを選択するステップと、
第1のフレームから未加工データを収集するステップと、
時間遅延を待つステップと、
第2のフレームから未加工データを収集するステップと、
前記第1のフレーム・データを前記第2のフレーム・データから減算するステップと
を含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
2次元移動ターゲット指示行列を生成する前記ステップが、
最大強度ボクセル
【数1】
を角度座標
【数2】
のペア毎に識別するステップと、
前記識別された最大ボクセルの前記強度に等しい値I
maxが割り当てられた各ピクセル
【数3】
を有する2次元行列を構築するステップと
を含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項5】
前記時間挙動分析モジュールが前記時間移動指標を生成するステップが、
3次元画像データ内の高強度ボクセルのクラスタを識別するステップと、
クラスタ毎に、前記プロセッサがボクセル毎の一連の複素数値を照合するステップと、
ボクセル毎に、複素平面の中心点を決定するステップと、
各フレーム内のボクセル毎の位相値を決定するステップと、
各フレーム内のボクセル毎の経時的な位相変化を表す円滑波形を生成するステップと、
呼吸パターンを示すボクセルのサブセットを選択するステップと、
時間移動指標を計算するステップと
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
時間移動指標を計算する前記ステップが、スペクトル・ピーク指標を計算するステップを含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
時間移動指標を計算する前記ステップが、毎分呼吸数(RPM)指標を計算するステップを含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
時間移動指標を計算する前記ステップが、円適合指標を計算するステップを含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項9】
前記空間特性分析モジュールが空間特徴指標を生成する前記ステップが、
前記車両客室及び周囲を含む活動領域の画像データの一連の3次元フレームを取得するステップと、
前記活動領域内のボクセル・クラスタを識別するステップと、
前記ターゲット領域内の前記クラスタをカウントし、これによりクラスタ数指標を取得するステップと、
各クラスタ内のボクセルの数をカウントするステップと、
ボクセルの最大数を選択し、これにより最大クラスタ・サイズ指標を取得するステップと、
クラスタ深度指標を取得するステップと、
ターゲット最大ボクセル指標を取得するステップと、
活動領域最大ボクセル指標を取得するステップと、
最大ボクセル範囲指標を取得するステップと
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
クラスタ深度指標を取得する前記ステップが、
各クラスタ内のボクセルの最大範囲と最小範囲との間の差を計算するステップと、
幼児基準値に最も近い値を選択するステップと
を含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
ターゲット最大ボクセル指標を取得する前記ステップが、前記活動領域内の最高移動ターゲット指示値を選択するステップを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
活動領域最大ボクセル指標を取得する前記ステップが、前記活動領域内の最高MTI値を選択するステップを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項13】
最大ボクセル範囲指標を取得する前記ステップが、前記活動領域最大ボクセルの範囲を選択するステップを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
子供とペットとを区別するステップをさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項15】
子供とペットとを区別する前記ステップが、
子供サイズのターゲットを識別するステップと、
人間にとって無意味なペット刺激信号を伝送するステップと、
増大した活動が前記子供サイズのターゲットにおいて検知された場合、前記子供サイズのターゲットをペットに関連付けるステップと
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項16】
人間にとって無意味なペット刺激信号を伝送する前記ステップが、人間の耳に聞き取れない周波数でペット刺激信号を伝送するステップを含む、請求項
1に記載の方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2024-11-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正4
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正5
【補正方法】削除
【補正の内容】
【国際調査報告】