(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】ネットワーク接続された梱包材およびその作動方法
(51)【国際特許分類】
B65D 79/02 20060101AFI20241206BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
B65D79/02
B65G61/00 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529202
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2022081939
(87)【国際公開番号】W WO2023084106
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523231071
【氏名又は名称】ウナビズ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】シャルボス,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ジェロヤン,クリストフ
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067BA05A
3E067BB02A
3E067BB14A
3E067BC06A
3E067EA24
3E067EB01
3E067EB11
3E067EE04
3E067EE31
3E067FC01
3E067GD10
(57)【要約】
本発明は、電子装置(160)を含むネットワーク接続された梱包材(100)に関する。ネットワーク接続された梱包材は、梱包材の折り曲げまたは開閉など、ネットワーク接続された梱包材の形状の変化を検知する少なくとも1つの装置(150)も含み、少なくとも1つの検知装置は、変化を検知すると電子装置のモードを切り替えるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置(160)を含むネットワーク接続された梱包材(100)であって、前記ネットワーク接続された梱包材の形状変化を検知する少なくとも1つの装置(150、170、180、190)も含み、少なくとも1つの検知装置は、前記形状変化を検知すると前記電子装置のモードを切り替えるように構成されることを特徴とする、ネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項2】
前記検知装置(150、170、180、190)は、補足の動作を待たずに、前記形状変化の検出と同時に前記電子装置のモード(160)のモードを切り替えるように構成される、請求項1に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項3】
前記電子装置(160)が2つのモードの間を切り替える時、前記検知装置(150、170、180、190)は、以下の動作:
-前記電子装置のオンまたはオフの状態を変更する;
-前記電子装置を電源または前記ネットワーク接続された梱包材に含まれている基板に接続する;
-前記電子装置を、前記装置に関連付けられた識別子を介して、遠隔操作されるコンピュータサービスとペアリングする;
-信号を再発信したり、ステートマシンをオンにしたりするなど、前記電子装置の即時動作または遅延動作を発動する;
-前記信号の発信周波数を前記電子装置によって設定したり変更したりする;
-前記信号によって送信される情報を決定したり変更したりする
のうち少なくとも1つを実行するように構成される、請求項1または2に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項4】
前記形状変化の検知装置(150、170、180、190)は、少なくとも1つの導電性インクループ(155、175、185、195)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項5】
少なくとも1つの導電性インクループ(155、175、185、195)は、前記ネットワーク接続された梱包材を折り曲げて形成される、請求項4に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項6】
前記検知装置(150、170、180、190)は、インピーダンスの変動を測定する手段を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項7】
前記形状変化の検知装置(150、170、180、190)は、可融性ワイヤを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項8】
前記電子装置(160)は、アンテナと、前記電子装置の状態を切り替えた後に前記アンテナによって発信される信号発信器とを含み、前記信号は、前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項9】
前記電子装置は、前記電子装置のモード(160)に応じて、かつ/または少なくとも1つのセンサの値に応じて、少なくとも1つの信号を発信するように構成される、請求項8に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項10】
少なくとも1つのセンサは、
-モーションセンサ;
-温度センサ;
-磁場センサ
の中から選択される、請求項9に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項11】
第1のいわゆる保管形態で全体的に平らになり、第2のいわゆる折り曲げ形態で容積のある容器を形成するように構成され、前記電子装置(160)は、前記保管形態ではスリープモードになり、前記折り曲げ形態では作動している、請求項1~10のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項12】
前記電子装置の全体または一部は、前記ネットワーク接続された梱包材の切り離し可能部分(136、191)に保持される、請求項1~11のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項13】
2つの外層が境界となる多層のボール紙で全体的に形成され、前記電子装置(160)の全体または一部は、前記ボール紙の前記2つの外層の間に含まれている、請求項1~12のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項14】
前記電子装置は、前記電子装置(160)に供給する電気エネルギーを貯蔵する装置(165)を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材(100)。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材(100)を作動させる方法(300)であって、
-前記ネットワーク接続された梱包材の形状変化を検知する工程(310);
-前記形状変化の検知に続いて前記ネットワーク接続された梱包材の前記電子装置のモードを切り替える工程(320)
を含むことを特徴とする、方法(300)。
【請求項16】
-前記ネットワーク接続された梱包材の前記電子装置によって、前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む信号を、前記ネットワーク接続された梱包材の近辺にある電気通信ネットワークの端末に送信する工程(330);
-前記ネットワーク接続された梱包材を、前記端末に接続されたコンピュータ処理ユニットによって操作されるコンピュータサービスとペアにする工程(340)
も含むことを特徴とする、請求項15に記載の作動方法(300)。
【請求項17】
前記ネットワーク接続された梱包材(100)の物理的識別を、コンピュータサービスの論理識別と紐付け、前記論理識別は、制御番号である可能性がある、請求項16に記載の作動方法(300)。
【請求項18】
前記ネットワーク接続された梱包材(100)を、仕分けセンターまたは電気通信ネットワークのカバー領域などの特定の環境で検知し、追跡する工程(390)も含む、請求項16または17に記載の作動方法(300)。
【請求項19】
前記ネットワーク接続された梱包材によって送信されたメッセージのデータに応じて、かつ/または前記ネットワークによって作成されたメタデータ、および/または前記ネットワーク接続された梱包材(100)の作動モード、および/または前記ネットワーク接続された梱包材(100)に関連付けられた論理識別子に応じて、ネットワーク側のステートマシンを作動させる工程(350)も含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の作動方法(300)。
【請求項20】
前記ネットワーク側のステートマシンが作動していることで、前記ネットワーク接続された梱包材(100)の前記電子装置(160)に、少なくとも1つのサービスに対する少なくとも1つのサブスクリプションを割り当てることが可能になる、請求項19に記載の作動方法(300)。
【請求項21】
ネットワークから送られたメッセージを受信した後に、ネットワーク接続された梱包材側のステートマシンを作動させる工程(360)も含む、請求項16~20のいずれか一項に記載の作動方法(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、ネットワーク接続された対象物の分野である。
【0002】
さらに詳細には、本発明は、ネットワーク接続された梱包材およびその作動方法に関する。
【0003】
特に、本発明は、梱包材またはその注文品を追跡するための物流に用途を見出すものである。
【背景技術】
【0004】
荷物などの対象物を追跡する技術が先行技術から知られている。
【0005】
一般に、このような追跡技術は、バーコードまたはQRタイプのコード(英語の用語「Quick Response」の頭字語)の形式で識別子が記載されたラベル、またはNFCタイプ(英語の用語「Near-Field Communication」の頭字語)またはRFIDタイプ(英語の用語「Radio Frequency Identification」の頭字語)のタグを介した荷物の識別に基づいている。これらは、3G、4G、または5Gタイプのセルラー電気通信ネットワーク、または低電力広域電気通信タイプのネットワーク(LPWAN、英語の用語「Low Power Wide Area Network」の頭字語)を介して通信する、ネットワーク接続されたタグで形態されていることもある。
【0006】
いずれの場合でも、このようなラベルが付いている荷物は、ラベルを一定間隔でスキャンするか、ネットワーク接続されたラベルから発信される信号を処理することによって追跡される。
【0007】
これらの先行技術の主な欠点は、一方では、荷物にラベルを付加することに関することであり、ラベルは、取り扱いの最中に隠れたり剥がれたりする可能性があることであり、他方では、荷物の準備から荷物を受取人に配達するまでの間、荷物を普通に追跡するだけにとどまっていることである。
【0008】
荷物を配達した後、荷物の梱包材は、一般に破棄するかリサイクルするために廃棄されるため、追跡は行われない。
【0009】
したがって、梱包材を最後までずっと追跡できるように、あるいは実際にリサイクルされたことを確認できるように、またはまだ状態が良い場合は再利用できるように、梱包材を改良する必要がある。
【0010】
そのために、例えば、何度か再利用できるように耐久性のある材料で作られた梱包材の新しい技術が構想されている。このような梱包材は、GPSタイプ(英語の「Global Positioning System」の頭字語)のチップを介して梱包材を追跡してその地理位置を特定できる電子装置を含んでいる。このような梱包材は、容易に変更できるラベルを付けるために電子インクタイプのスクリーンを含んでおり、梱包材と遠隔サーバとの間でデータを交換するために、例えば4Gタイプの無線通信手段を含んでいることがある。
【0011】
しかしながら、これらの新しい技術の主な欠点は、数多くの異なる多様な電子要素が集積されているため、依然として高価であり、リサイクルが一層複雑だという点である。さらに、これらの新しい梱包技術には、時々再充電する必要がある電池が組み込まれており、差出人と受取人との間で荷物の移動中に荷物が使用不可能になることを避けるために、電池の状態を定期的に監視する必要がある。
【0012】
現在のシステムでは、求められる必要性のすべてに同時に対処できるものはない。すなわち、長期の保管段階であっても優れた自律性を備えながら容易にリサイクルできる、ネットワーク接続された梱包技術を提案できるものはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記の先行技術の欠点のすべてまたは一部を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そのために、本発明は、電池で給電される電子装置を含むネットワーク接続された梱包材に関する。
【0015】
梱包材は、どのような種類および形状であってもよい。例えば、少なくとも1つの対象物を輸送することを意図した直方体の梱包材、または封筒のような全体的に平坦な梱包材からなるものとすることができる。
【0016】
梱包材は、例えばボール紙またはプラスチックで形成された可撓性タイプまたは剛性タイプのものであってよい。
【0017】
例えば、梱包材は、折り曲げられるタイプで、体積を抑えるために平らに保管され、使用できるように折り曲げる動作で再形成されるものであってよい。
【0018】
本発明によれば、ネットワーク接続された梱包材は、ネットワーク接続された梱包材の2つの要素間の結合に関わる変化を検知する装置も含み、検知装置は、前記変化を検知すると電子装置のモードを切り替えるように構成される。
【0019】
したがって、ネットワーク接続された梱包材の電力消費のより良好な管理は、例えばネットワーク接続された梱包材を折り曲げたりネットワーク接続された梱包材を開梱したりすることで電子装置のモードを調整することによって行うことができる。
【0020】
例えば、ネットワーク接続された梱包材の2つの要素間の結合は、側壁とフラップ、2つの側壁、または2つのフラップのように、ネットワーク接続された梱包材の2つの要素間の関節結合であってよい。よって検知される変化は、2つの要素間の角度の変化であってよく、2つの要素は、保管位置では同一線上にあり、使用位置では例えば90°の角度を形成する。
【0021】
ネットワーク接続された梱包材の2つの要素間の結合は、ネットワーク接続された梱包材の2つのフラップを固定している例えばタブなどの梱包材の一部を取り外して形成される、取り外し可能なタイプのものでもよい。よって検知される変化は、ネットワーク接続された梱包材を開梱するために2つのフラップを切り離せる切り離し可能部分の取り外しであってよい。
【0022】
例えば、電子装置のモードは、以下のモード:
-オフ;
-スタンバイまたはスリープ;
-作動;
-作動停止;
-配達待ち;
-返送待ち;
-開梱;
-閉梱
のいずれか1つであってよい。
【0023】
「オフ」または「スタンバイ」モード以外のモードは、組み合わせることができることに留意されたい。
【0024】
電子装置のモードの切り替えは、状態の切り替えと呼んでもよい。切り替えの結果、電子装置の動作が変化し、例えば送信される信号の種類、内容または周波数が変化することがある点に留意されたい。単純に時間の経過とともに変動する測定値を送信する電子装置は、本発明の意味でのモードの切り替えを行わないことに留意されたい。
【0025】
したがって、変化を検知して電子装置のモードの変更を可能にすることにより、ネットワーク接続された梱包材の変遷を、例えば注文中に正確に追跡することが可能である。ネットワーク接続された梱包材は一般に、最初は平らに保管され、その後、対象物を入れるために折り曲げられる。その後、ネットワーク接続された梱包材は、発送するために閉じられる。輸送過程で、ネットワーク接続された梱包材は、様々な倉庫および輸送手段を通過してから配達地点に到着し、そこで開梱される。その後、ネットワーク接続された梱包材は、再利用されるかリサイクルされるために返送される可能性がある。各工程は、電気通信ネットワーク、例えば3G、4G、5G、または好ましくはモノのインターネット(英語の「Internet of Things」すなわちIoT)タイプの用途に適している種類の少なくとも1つの端末に、信号を所定の間隔で送信するように、または送信しないように、電子装置を構成する個別のモードで区別してよい。
【0026】
一般に、通信ネットワークは、信号の範囲に適したメッシュを形成する、一般に基地局と呼ばれる端末を複数有している。モノのインターネット(IoT)タイプの用途向けの通信ネットワークの場合、信号の範囲は、標準の3G、4Gまたは5Gに応じた電気通信技術で一般に使用される信号の範囲よりも長く、数十キロメートルに達することがある。
【0027】
電子装置から発信された信号は、特に電子装置の地理位置を良好に特定できるようにするために、一般に電子装置の近辺にある複数の端末で受信されることに留意されたい。
【0028】
好ましくは、検知装置は、補足の動作を待たずに、結合に関する変化の検出と同時に電子装置のモードを切り替えるように構成される。
【0029】
換言すると、電子装置のモードの切り替えは、例えばネットワーク接続された梱包材を折り曲げるかネットワーク接続された梱包材を開いた時に、結合に関する変化を検知することのみによって調整される。これは、「透明な一体化」タイプ(英語では「seamless integration(継ぎ目のない一体化)」)の構成からなる。すなわち検知装置は、従来の梱包材に難なく追加される。電子装置を作動させるのに必要な補足動作はなく、作動は、例えばネットワーク接続された梱包材を折り曲げるか開くことで行われることに留意されたい。
【0030】
本発明の特定の実施形態では、電子装置が2つのモードの間を切り替える時、検知装置は、以下の動作:
-電子装置のオンまたはオフの状態を変更する;
-電子装置を電源またはネットワーク接続された梱包材に含まれている基板に接続する;
-電子装置を、識別子を介して、遠隔操作されるコンピュータサービスとペアリングする;
-信号を再発信したり、ステートマシンをオンにしたりするなど、電子装置の即時動作または遅延動作を発動する;
-信号の発信周波数を電子装置によって設定したり変更したりする;
-信号によって送信される情報を決定したり変更したりする
のうち少なくとも1つを実行するように構成される。
【0031】
換言すると、ネットワーク接続された梱包材は、ネットワーク接続された梱包材の結合部に関する変化を検知することによって作動する。
【0032】
さらに、コンピュータサービスは、例えば商業サービスの注文追跡に関するものなど、どのような種類のものであってもよいことに留意されたい。
【0033】
本発明の特定の実施形態では、結合部に関する変化を検知する装置は、前記結合部をまたぐ少なくとも1つの導電性インクループを含む。
【0034】
換言すると、導電性インクループは、前記ネットワーク接続された梱包材の開口部の少なくとも1つの折り目、接合部または縁をまたぐ。
【0035】
したがって、結合部の周りの2つの要素にまたがっている導電性インクループは、例えば結合部が変化したときに、例えば2つの要素間の接合部を折り曲げるか、導電性インクループをまたぐネットワーク接続された梱包材の切り離し可能部分をちぎり取ることによって破れる。導電性インクループに起こる変化は、ループのインピーダンスの変動という形で現れ、これは例えば無限大になり、これが結合部に関する変化を検知することになり、その結果、ネットワーク接続された梱包材の電子装置が作動する。
【0036】
導電性インクループは、例えば導電性インクループが弾性基板で支持され、結合部が変化する影響を受けて変形する場合には、必ずしも破れることなくインピーダンスを変動させることがある点に留意されたい。
【0037】
本発明の特定の実施形態では、少なくとも1つの導電性インクループは、前記ネットワーク接続された梱包材を折り曲げることで形成される。
【0038】
換言すると、このような導電性インクループは、ネットワーク接続された梱包材が平らに保管されている時は開いており、その後、ネットワーク接続された梱包材が折り曲げられた時に閉じられる。
【0039】
本発明の特定の実施形態では、検知装置は、インピーダンスの変動を測定する手段を含む。
【0040】
本発明の特定の実施形態では、結合部に関する変化を検知する装置は、前記結合部をまたぐ可融性ワイヤを含む。
【0041】
したがって、検知は、可融性ワイヤが切れた時に実行される。
【0042】
本発明の特定の実施形態では、電子装置は、アンテナと、前記電子装置の状態を切り替えた後に前記アンテナによって発信される信号発信器とを含み、信号は、前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む。
【0043】
本発明の特定の実施形態では、電子装置は、電子装置のモードに応じて、かつ/または少なくとも1つのセンサの値に応じて、少なくとも1つの信号を発信するように構成される。
【0044】
好ましくは、少なくとも1つのセンサは、
-モーションセンサ;
-温度センサ;
-磁場センサ
の中から選択される。
【0045】
本発明の特定の実施形態では、ネットワーク接続された梱包材は、第1のいわゆる保管形態で全体的に平らになり、第2のいわゆる折り曲げ形態で容積のある容器を形成するように構成され、電子装置は、保管形態ではスリープモードになり、折り曲げ形態では作動している。
【0046】
本発明の特定の実施形態では、電子装置の全体または一部は、前記ネットワーク接続された梱包材の切り離し可能部分に保持される。
【0047】
したがって、ネットワーク接続された梱包材は、容易にリサイクル可能である。
【0048】
好ましくは、切り離し可能部分は、ネットワーク接続された梱包材のフラップに沿って形成されたタブであり、切り離し可能部分を剥がした時にネットワーク接続された梱包材を開けられるようにフラップの1つの縁からもう1つの縁まで延在している。
【0049】
本発明の特定の実施形態では、ネットワーク接続された梱包材は、2つの外層が境界となる多層のボール紙で全体的に形成され、電子装置の全体または一部は、ボール紙の2つの外層の間に含まれている。
【0050】
換言すると、電子装置は、ボール紙の層の中に全体的または部分的に埋め込まれている。例えば、導電性インクループを保持している基板は、ネットワーク接続された梱包材の内層に該当する。
【0051】
本発明の特定の実施形態では、電子装置は、電子装置に供給する電気エネルギーを貯蔵する装置を含む。
【0052】
また、本発明は、前述の実施形態のいずれか1つに記載のネットワーク接続された梱包材を作動させる方法であって、
-ネットワーク接続された梱包材の形状の変化を検知する工程;
-形状変化の検知に続いてネットワーク接続された梱包材の電子装置のモードを切り替える工程
を含む、方法にも関する。
【0053】
本発明の特定の実施形態では、本作動方法は、
-ネットワーク接続された梱包材の電子装置によって、前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む信号を、ネットワーク接続された梱包材の近辺にある電気通信ネットワークの端末に送信する工程;
-前記ネットワーク接続された梱包材を、端末に接続されたコンピュータ処理ユニットによって操作されるコンピュータサービスとペアリングする工程
も含む。
【0054】
端末は、特に「基地局」という用語で知られている可能性があることに留意されたい。
【0055】
本発明の特定の実施形態では、ネットワーク接続された梱包材の物理的識別を、コンピュータサービスの論理識別と関連付け、論理識別は、制御番号である可能性がある。
【0056】
本発明の特定の実施形態では、作動方法は、前記ネットワーク接続された梱包材を、仕分けセンターまたは電気通信ネットワークのカバー領域などの特定の環境で検知し、追跡する工程も含む。
【0057】
例えば、電気通信ネットワークは、LPWANタイプまたはセルラータイプ(3G、4Gまたは5G)のものであってよい。
【0058】
本発明の特定の実施形態では、本作動方法は、ネットワーク接続された梱包材によって送信されたメッセージのデータに応じて、かつ/またはネットワークによって作成されたメタデータ、および/またはネットワーク接続された梱包材の作動モード、および/またはネットワーク接続された梱包材に関連付けられた論理識別子に応じて、ネットワーク側でステートマシンを作動させる工程も含む
【0059】
好ましくは、ネットワーク側のステートマシンが作動していることで、ネットワーク接続された梱包材の電子装置に、少なくとも1つのサービスに対する少なくとも1つのサブスクリプションを割り当てることが可能になる。
【0060】
本発明の特定の実施形態では、本作動方法は、ネットワークから送られたメッセージを受信した後に、ネットワーク接続された梱包材側のステートマシンを作動させる工程も含む。
【0061】
本発明のその他の特定の利点、目的および特徴は、本発明の装置および方法の少なくとも1つの特定の実施形態についての以下の非限定的な説明と添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】本発明によるネットワーク接続された梱包材がいわゆる保管形態にある一実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1のネットワーク接続された梱包材が開梱使用形態にある斜視図である。
【
図4】
図1~
図3に示したネットワーク接続された梱包材を作動させる方法の実施例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本説明は、非限定的な例として挙げるものであり、1つの実施形態の各々の特徴を他のどの実施形態の特徴とも有利に組み合わせることができる。
【0064】
ここで、図面は縮尺通りに描かれていないことに注意されたい。
【0065】
特定の一実施形態の例
図1、
図2および
図3は、本発明によるネットワーク接続された梱包材100の非限定的な一実施形態の図であり、それぞれ順に、保管形態、開梱使用形態、閉梱使用形態である。
【0066】
ネットワーク接続された梱包材100は、本発明のこの非限定的な一実施形態では、4つの面110と、この面110に対して関節結合され、ネットワーク接続された梱包材100の底部125を形成することを意図した4つのフラップ120と、ネットワーク接続された梱包材100の上面135を形成することを意図した4つのフラップ130とでこうせいされる。ネットワーク接続された梱包材の側壁110およびフラップ120と130は、一枚のボール紙から形成され、ボール紙の厚さにわたって形態される折り目140を軸として関節結合される。
【0067】
保管形態では、ネットワーク接続された梱包材100は、体積を抑えるために通常平坦であり、フラップ120および130は、それに対応する側壁110に対して同一線上にある。その後、ネットワーク接続された梱包材100は、折り目140を軸として側壁110を関節回転させて折り曲げられ、直方体型の内部空間101を形成する。内部空間は、フラップ120の関節回転によって下部が閉じられて底部125を形成する。一方、内部空間101を閉じるネットワーク接続された梱包材100の上面135は、フラップ130の関節回転によって形成される。
【0068】
底部125を強化するため、フラップ120は、例えば接着剤または粘着テープなどの接着手段によって一体に保持される。
【0069】
同じように、フラップ130も、特にネットワーク接続された梱包材100の取り扱いおよび輸送の段階で上面135が意図せず開くことを避けるために、例えば接着手段で一体に保持される。
【0070】
図3に示したような閉梱使用形態になると、ネットワーク接続された梱包材100は、例えば上面135を閉じるフラップ130
1に沿って構成されたタブ136などの切り離し可能部分を引っ張ることで開梱できる。一方の縁から反対側の縁まで延在しているタブ136は、ネットワーク接続された梱包材100を開けたい人が簡単に引き裂けるように、ネットワーク接続された梱包材100の外側からアクセスできる。
【0071】
最初は
図1に示した保管形態で保管されているネットワーク接続された梱包材100の使用状態を識別できるようにするために、本明細書のネットワーク接続された梱包材100は、ネットワーク接続された梱包材100の形状の変化を検知する装置150を備えていることが有利である。この場合、装置150に検知される形状変化は、2つの側壁110
1の間の折り目140
Aに関するものである。さらに詳細には、検知される変化は、本明細書のこの例では保管形態における同一線上の位置から使用形態における90°の角度の位置に切り替わる2つの側壁110
Aの間の角度の変化である。
【0072】
あるいは、検知する対象の折り目周りの2つの側壁110は重ねられる。
【0073】
このために、検知装置150は、例えば折り目1401をまたぐ導電性インクループ155を含み、そのインピーダンスは、折り目1401の角度によって変更される。実際、導電性インクループ155は、側壁110を折り曲げる時に切れてインピーダンスが変化してしまうおそれがあるが、特定の値から無限大の値に切り替わるため、これは容易に検知可能である。
【0074】
あるいは、導電性インクループ155は、側壁を折り曲げた時に弾性変形してもよく、それによってループ155のインピーダンス値が変更される。
【0075】
したがって、導電性インクループ155は、弾性または剛性の基板に支持されるか、ボール紙の表面に接着されるか、多層のボール紙の内部に埋め込まれてよい。
【0076】
検知装置150は、インピーダンスアナライザなどのインピーダンス変動を測定する手段を備えていてもよいし、インピーダンスの様々な成分を測定するためにRLCブリッジを使用してもよい。直流電流の場合、インピーダンスは、オーム計で測定できる抵抗に相当することに留意されたい。
【0077】
あるいは、検知装置150は、導電性インクループ155のインピーダンスの変動によって状態が変更される、トランジスタなどの電子装置を備えていてもよい。
【0078】
ネットワーク接続された梱包材100の形状の変化、ここでは特に折り目1401を軸として折り曲げることによる変化が検知された時、検知装置150は、ネットワーク接続された梱包材100に含まれている電子装置160のモードを切り替えるように構成される。このモードの切り替えは、ネットワーク接続された梱包材100を折り曲げる以外の補足行為を一切せずに行われることが有利であることに留意されたい。したがってこれは、「継ぎ目のない一体」型の構成からなる。
【0079】
電子装置160(本明細書では、同じくネットワーク接続された梱包材100に含まれている電池165で給電される)のモードの切り替えは、概ね電子装置100の作動に対応している。「電気装置の作動」とは、以下の行為:
-電子装置100のオンまたはオフの状態を変更すること;
-電子装置100の「スリープ」または「スタンバイ」状態を「作動」状態に変更すること。「スリープ」または「スタンバイ」状態は、電子装置100の最低消費に相当し、装置150が電池165で給電されている場合のみである;
-電子装置160を電池165に接続すること;
-電子装置160をネットワーク接続された梱包材100に含まれている電子基板に接続すること;
-電子装置160を、電子装置160に紐付けられた識別子を介して、一般に遠隔サーバ上で動作するコンピュータサービスに紐付けること;
-電子装置160のアンテナによって信号を、例えば「モノのインターネット」(loT)タイプの用途に適したセルラーネットワークに発信したり、ステートマシンをオンにしたりするなど、電子装置160の即時動作または遅延動作を発動すること
の少なくとも1つであると理解されたい。
【0080】
ただし、モードの切り替えは、電子装置による信号の発信構成、例えば周波数または信号によって送信されるデータの種類を変更することにも相当するとしてよい。
【0081】
電気エネルギーを貯蔵する装置である電池165は、ネットワーク接続された梱包材100に含まれていない可能性もあることに留意されたい。この場合、検知ループ150をテストするために電気エネルギーを供給し、例えばそのインピーダンスを測定して、ネットワーク接続された梱包材100の外部の要素、例えば誘導ループによって、または検知ループ150の状態を判断できる例えばRFIDタイプの読取り機を介して給電が行われる。
【0082】
補足として、信号の発信は、以下:
-加速度計またはジャイロスコープなどのモーションセンサ;
-温度センサ;
-磁場センサ
の中から選択した少なくとも1つのセンサの値を用いて調整してもよい。
【0083】
例えば、電子装置160が作動している時に、少なくとも1つのセンサの測定値を用いて発信を調整することで、特に電子装置160のエネルギー消費を抑えることが可能になる。実際、信号の発信は、例えばネットワーク接続された梱包材100の動きが検知された時、ネットワーク接続された梱包材100が温度の異なる倉庫に到着した時、またはネットワーク接続された梱包材100が倉庫の取り扱い領域を区別するのに用いられる磁気バリアを横切った時に実施されてよい。
【0084】
例えば、倉庫の温度が外気温と異なる時、または輸送中に測定された温度と異なる時の温度差を測定してよい。
【0085】
電子装置160の作動は、本発明のこの非限定的な例では、ネットワーク接続された梱包材100を使用するために折り曲げることによって実行される。
【0086】
この作動は、ネットワーク接続された梱包材100を閉じるまで、またはネットワーク接続された梱包材100に送信される信号を介してコマンドを受信するまで、時間の経過に応じて、例えば所定の時間内に限定されてよい。
【0087】
ネットワーク接続された梱包材100の閉梱は、ネットワーク接続された梱包材100の形状の別の種類の変化であり、第2の検知装置170で検知されてよく、第2の検査装置も本明細書では、2つの別個のフラップ130
2上の2つの部分175
A、175
Bに形成された導電性インクループ175を含んでいる。ループ175は、
図2に示したように2つのフラップ130
2が重なるか、2つのフラップ130の間が一続きになることによってネットワーク接続された梱包材100が閉じられた時に形成される。検知ループ175の2つの部分175
A、175
Bを確実に接続するために、フールプルーフ機能(
図2には示していない)を持たせることが有利である可能性がある。閉梱の検知は、接着手段を介して一つに保持できる2つのフラップ130
2のいずれか一方を元に戻すことに相当する。
【0088】
図3に示したようにネットワーク接続された梱包材100が閉じられて受取人に配達されたとき、ネットワーク接続された梱包材100の形状の別の種類の変化であるネットワーク接続された梱包材100の開梱も、第3の検知装置180によって検知されてよく、第3の検知装置も同じく、本明細書では、タブ136の少なくとも1つの縁をまたぐ導電性インクループ185を含んでいる。
【0089】
ネットワーク接続された梱包材100の返送を追跡できるようにするため、または確実にリサイクルするため、ネットワーク接続された梱包材100は、ネットワーク接続された梱包材100を開梱できるようにするタブ136とは異なる切り離し可能部分191の取り外しに関わる変化を検知する装置190も含んでいてよい。切り離し可能部分191には、ネットワーク接続された梱包材100の受取人のラベルを付けて、ネットワーク接続された梱包材100を返送するための別のラベル192が見えるようにしてよい。検知装置190が検知する切り離し可能部分191の少なくとも1つの縁をまたがる導電性インクループ195のインピーダンスの変動は、電子装置160のいわゆる「返送」状態の切り替えを引き起こす。さらに詳細には、本明細書では、切り離し可能部分191が取り外されると、ループ195は2つの部分195Aと195Bに分かれ、切り離し可能部分191を取り外すことによってネットワーク接続された梱包材100の形状の変化を反映する無限大のインピーダンスを示す。
【0090】
このように、ネットワーク接続された梱包材100の動作を構成する様々なモードを設定してよい。
【0091】
本発明のこの非限定的な例は、ネットワーク接続された梱包材100を使用する場合の必要性に応じて適合可能であることに留意されたい。例えば、ネットワーク接続された梱包材を閉じた時に電子装置160を作動させるか、ネットワーク接続された梱包材100を開けた時だけ電子装置160を作動させるかを選択してよい。
【0092】
さらに、検知装置の数および位置は、本明細書では参考として示したものであり、いくつかの検知装置を除去するか共用することか可能である。検知装置の構成と導電性インクループの構成は、ほぼ同じであってよい。
【0093】
本実施形態のいくつかの変形例では、少なくとも1つの検知装置は、前記検出装置の導電性インクループの代わりに、またはその補足として可融性ワイヤを含む。
【0094】
例えば2つの導電性インクループまたは1つの導電性インクループと1つ可融性ワイヤとを組み合わせることで、各検知装置に冗長な検知を行ってもよいことに留意されたい。
【0095】
図4は、例えば注文の配達などの処理作業に使用されるのを待っている保管形態で保管されている、ネットワーク接続された梱包材100を作動させる方法300の一実施例をブロック図の形式で示している。この保管形態では、電子装置160は、いわゆる「スリープ」モードであることが好ましく、このモードでは、エネルギー消費が最小である。
【0096】
作動方法300は、ネットワーク接続された梱包材100の検知装置150、170、180、190のうちの1つを介してネットワーク接続された梱包材100の形状の変化を検知する第1の工程310を含む。好ましくは、第1の工程で検知された形状の変化は、保管形態と使用形態との間のネットワーク接続された梱包材100の折り曲げに相当し、すなわち検知装置150が検知した形態に相当する。
【0097】
形状の変化を検知することで電子装置160のモードが変更され、最初の「スリープ」モードから「作動」モードに切り替わる。
【0098】
したがって、電子装置160の作動は、例えば電池165に接続することによって電子装置160がオンになることに相当するとしてよい。
【0099】
電子装置160の作動は、電子装置160を無線通信基板などの電子基板に接続することにも相当するとしてよい。
【0100】
電子装置160に紐付けた識別子を介した電子装置160のペアリングは、作動中に実施されてもよい。
【0101】
そのために、ネットワーク接続された梱包材100の電子装置160は、工程330で、アンテナ(図示せず)を介して、ネットワーク接続された梱包材100の識別子、例えばMACアドレス、または電子装置160のメモリに格納されている一意識別子などを含む信号を送信する。信号は、電気通信ネットワークに向けて発信され、ネットワーク接続された梱包材100の近辺にある少なくとも1つの端末210によって、好ましくは電気通信ネットワークの複数の端末によって受信される。
【0102】
その後、ネットワーク接続された梱包材のペアリングは、工程340で実施される。例えば、このペアリングは、注文管理サービスまたは配達管理サービスなどの遠隔操作されるコンピュータサービスを用いて実施される。そのため、ネットワーク接続された梱包材100を表す電子装置160の識別子は、注文の識別子および/または配達地点への取り扱いを実行する運送者の識別子などの論理識別子と紐付けられてよい。
【0103】
作動は、信号を発信する、またはステートマシンの特定のモードをオンにするなど、電子装置160の即時動作または遅延動作を引き起こすとしてもよい。
【0104】
ステートマシンは、電子装置160に含まれていてよく、例えば電子装置160に含まれているコンピュータプロセッサによって実行されることに留意されたい。ネットワーク接続された梱包材100のステートマシンは、構成パラメータを電子装置160に送信するように構成される。特に、構成パラメータは、電子装置160のモードによって異なり、例えば信号の送信周波数、信号が送信するメッセージの種類などの定義が可能となる。
【0105】
作動しているステートマシンは、ネットワーク側であってもよく、例えばコンピュータサービスを操作している遠隔サーバにあってもよい。
【0106】
したがって、ネットワーク側のステートマシンは、ネットワーク接続された梱包材の現在の状態(アクティブ、スリープ、開梱、閉梱など)に応じて、かつ/またはネットワークによって転送されたデータに応じて、かつ/またはネットワークに関連するメタデータに応じて、例えば1つ以上のサービスに対する1つ以上のサブスクリプションをネットワーク接続された梱包材100に割り当てるとしてよい。
【0107】
例えば、サービスは、
-近辺のWi-Fi端末(位置がわかっていることが有利)との識別子交換によって、特にネットワーク接続された梱包材100の電子装置160の位置を特定することを可能にするWi-Fi(登録商標)タイプのサービス;
-ネットワークの基地局および/またはネットワーク接続された梱包材100が受信した信号を、受信した信号の電力(RSSI、「Received Signal Strength Indicator」の英語の頭字語)および基地局の既知の位置を通して分析することによる通信ネットワークに基づく地理位置特定サービス;
-GPSタイプ(英語の用語「Global Positioning System」の頭字語)の衛星地理位置特定サービス;
-転送されたデータの一貫性、完全性、正確性を検証できるいわゆる「データ完全性」サービス;
-データ断片化サービス;
-データ暗号化および/または難読化サービス
であってよい。
【0108】
例えば、メタデータは、信号を受信する基地局の識別、受信信号の周波数、様々な局での受信時間、受信信号の電力など、ネットワーク側の既知のデータに相当する。特に、メタデータでは、特定の環境内でネットワーク接続された梱包材100の位置を推定することが可能となり得る。
【0109】
例えば、データは、ペイロード(通常は英語の用語「payload」と呼ぶ)で転送されるデータに相当するが、ネットワークまたはサービスで利用可能なデータにも相当し、このデータはペイロードを強化し得るものである。例えば、ネットワーク接続された梱包材100の開閉に続く作動メッセージは、対象物の物理的識別子を運んでよい。
【0110】
物理的な識別子、メタデータ(ネットワークの基地局の例えばナノタイプの識別子で、ネットワーク接続された梱包材100と通信している識別子、ネットワークに配置されている発信器の識別子、受信信号の電力の測定値(RSSI)、ネットワーク接続された梱包材100と基地局との間の距離の推定値で、一般に英語の用語「time of flight(飛行時間)」で知られている値など)を介して推定されたネットワーク接続された梱包材100の位置、および注文および/または配達を管理している情報システムに基づいて、ネットワーク接続された梱包材100の中身と関連付けられた論理識別子を取得することが可能である。
【0111】
ネットワーク接続された梱包材100の発信モードおよび/またはネットワーク接続された梱包材100が受け得るサービスに関する規則は、論理識別子に従って決定されてもよい。例えば、発信モードは、ネットワーク接続された梱包材100によって輸送された対象物に適したステートマシンを規定するために、一般に英語の用語「downlink(ダウンリンク)」で呼ばれる降下通信を介してメッセージを送信することによって調整されてよい。
【0112】
例えば、「GAME1」で始まる論理識別子を有する梱包材、すなわち価格が10ユーロ未満の玩具を輸送するという事実を反映している梱包材は、価格が90ユーロを超える玩具の輸送を意味する「GAME9」で始まる識別子を有する梱包材とは異なる形で処理されてよい。その結果、この2つの対象物に対する品質レベルおよびサービスが有利に異なるとすることができる。
【0113】
ネットワーク接続された梱包材100による信号の発信周波数は、ネットワーク接続された梱包材100が移動する距離、ネットワーク接続された梱包材100の作動時間などに応じて適合されてよい。
【0114】
したがって、作動方法300は、ネットワーク接続された梱包材が送信するメッセージのデータに応じて、かつ/またはネットワークが作成するメタデータに応じて、かつおよび/またはネットワーク接続された梱包材の作動モードに応じてネットワーク側のマシンを作動させる工程350を含んでいてよい。
【0115】
工程360では、ネットワーク接続された梱包材100側のステートマシンの作動は、例えばネットワーク接続された梱包材100の電子装置160が送信するデータの構成を変更するために、ネットワークが送信するメッセージを受信することによって調整されてもよい。
【0116】
作動方法300は、輸送または注文の状況で取り扱うための仕分けセンター、またはネットワーク接続された梱包材100をリサイクルするための仕分けセンター、またはさらに一般的にはLPWANタイプの電気通信ネットワークのカバー領域内などの環境でネットワーク接続された梱包材100を追跡する工程390も含んでいてよい。
【0117】
実際、ネットワーク接続された梱包材100の電子装置160は、本明細書ではボール紙で形成されている梱包材自体と、別の流れでリサイクルされる電子部分とを分けるために、ネットワーク接続された梱包材100から容易に取り外せることが有利である点に留意されたい。したがって、電子装置160は、ネットワーク接続された梱包材の切り離し可能部分に位置していてよい。換言すると、このような切り離し可能部分は、電子装置をリサイクルするためにネットワーク接続された梱包材から切り離される。
【0118】
したがって、ネットワーク接続された梱包材100を仕分けセンターに返送してリサイクルするために、電子装置160および場合によってある電池165をネットワーク接続された梱包材100の開梱タブ136が保有し、タブ136をネットワーク接続された梱包材100の内部に挿入することを想定できる。この場合、まだ作動している電子装置160は、検知装置180があることにより、タブ136が破れるとモードを変更することに留意されたい。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置を含むネットワーク接続された梱包材であって、前記ネットワーク接続された梱包材の形状変化を検知する少なくとも1つの装置も含み、少なくとも1つの検知装置は、前記形状変化を検知すると前記電子装置のモードを切り替えるように構成されることを特徴とする、ネットワーク接続された梱包材。
【請求項2】
前記検知装置は、補足の動作を待たずに、前記形状変化の検出と同時に前記電子装置のモードのモードを切り替えるように構成される、請求項1に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項3】
前記電子装置が2つのモードの間を切り替える時、前記検知装置は、以下の動作:
-前記電子装置のオンまたはオフの状態を変更する;
-前記電子装置を電源または前記ネットワーク接続された梱包材に含まれている基板に接続する;
-前記電子装置を、前記装置に関連付けられた識別子を介して、遠隔操作されるコンピュータサービスとペアリングする;
-信号を再発信したり、ステートマシンをオンにしたりするなど、前記電子装置の即時動作または遅延動作を発動する;
-前記信号の発信周波数を前記電子装置によって設定したり変更したりする;
-前記信号によって送信される情報を決定したり変更したりする
のうち少なくとも1つを実行するように構成される、請求項1に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項4】
前記形状変化の検知装置は、少なくとも1つの導電性インクループを含む、請求項1に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項5】
少なくとも1つの導電性インクループは、前記ネットワーク接続された梱包材を折り曲げて形成される、請求項4に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項6】
前記検知装置は、インピーダンスの変動を測定する手段を含む、請求項1に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項7】
前記形状変化の検知装置は、可融性ワイヤを含む、請求項1に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項8】
前記電子装置は、アンテナと、前記電子装置の状態を切り替えた後に前記アンテナによって発信される信号の発信器とを含み、前記信号は、前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む、請求項1に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項9】
前記電子装置は、前記電子装置のモードに応じて、かつ/または少なくとも1つのセンサの値に応じて、少なくとも1つの信号を発信するように構成される、請求項8に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項10】
少なくとも1つのセンサは、
-モーションセンサ;
-温度センサ;
-磁場センサ
の中から選択される、請求項9に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項11】
第1のいわゆる保管形態で全体的に平らになり、第2のいわゆる折り曲げ形態で容積のある容器を形成するように構成され、前記電子装置は、前記保管形態ではスリープモードになり、前記折り曲げ形態では作動している、請求項1に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項12】
前記電子装置の全体または一部は、前記ネットワーク接続された梱包材の切り離し可能部分に保持される、請求項11に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項13】
2つの外層が境界となる多層のボール紙で全体的に形成され、前記電子装置の全体または一部は、前記ボール紙の前記2つの外層の間に含まれている、請求項12に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項14】
前記電子装置は、前記電子装置に供給する電気エネルギーを貯蔵する装置を含む、請求項13に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項15】
請求項1に記載のネットワーク接続された梱包材を作動させる方法であって、
-前記ネットワーク接続された梱包材の形状変化を検知する工程;
-前記形状変化の検知に続いて前記ネットワーク接続された梱包材の前記電子装置のモードを切り替える工程
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項16】
-前記ネットワーク接続された梱包材の前記電子装置によって、前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む信号を、前記ネットワーク接続された梱包材の近辺にある電気通信ネットワークの端末に送信する工程;
-前記ネットワーク接続された梱包材を、前記端末に接続されたコンピュータ処理ユニットによって操作されるコンピュータサービスとペアにする工程
も含む、請求項15に記載の作動方法。
【請求項17】
前記ネットワーク接続された梱包材の物理的識別を、コンピュータサービスの論理識別と紐付け、前記論理識別は、制御番号である可能性がある、請求項16に記載の作動方法。
【請求項18】
前記ネットワーク接続された梱包材を、仕分けまたは電気通信ネットワークのカバー領域などの特定の環境で検知し、追跡する工程も含む、請求項16に記載の作動方法。
【請求項19】
前記ネットワーク接続された梱包材によって送信されたメッセージのデータに応じて、かつ/または前記ネットワークによって作成されたメタデータ、および/または前記ネットワーク接続された梱包材の作動モード、および/または前記ネットワーク接続された梱包材に関連付けられた論理識別子に応じて、ネットワーク側のステートマシンを作動させる工程も含む、請求項16に記載の作動方法。
【請求項20】
前記ネットワーク側のステートマシンが作動していることで、前記ネットワーク接続された梱包材の前記電子装置に、少なくとも1つのサービスに対する少なくとも1つのサブスクリプションを割り当てることが可能になる、請求項19に記載の作動方法。
【請求項21】
ネットワークから送られたメッセージを受信した後に、ネットワーク接続された梱包材側のステートマシンを作動させる工程も含む、請求項16に記載の作動方法。
【国際調査報告】