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特表2024-545857再利用可能かつ／またはリサイクル可能なスマート梱包材
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】再利用可能かつ／またはリサイクル可能なスマート梱包材
(51)【国際特許分類】
B65D 79/02 20060101AFI20241206BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20241206BHJP
【ＦＩ】
B65D79/02
B65G61/00 524
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529203
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2022081937
(87)【国際公開番号】W WO2023084105
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】2112078
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523231071
【氏名又は名称】ウナビズ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】シャルボス，ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ジェロヤン，クリストフ
【テーマコード（参考）】
3E067
【Ｆターム（参考）】
3E067BA05A
3E067BB02A
3E067BC06A
3E067EA24
3E067EB01
3E067EB11
3E067EB22
3E067EE04
3E067EE31
3E067EE42
3E067FC01
3E067GD10
(57)【要約】
本発明は、内部空間を取り囲む壁を有し、その壁が電子装置（１６０）を内蔵しているネットワーク接続された梱包材（１００）に関する。再利用またはリサイクルするために、ネットワーク接続された梱包材は、ネットワーク接続された梱包材の壁の厚みの全体または一部にわたって形成された少なくとも１つの切り離し可能部分（１３６、１９１）、および切り離し可能部分とネットワーク接続された梱包材の残り部分との間の結合部の変化を検知する装置（１８０、１９０）も有し、検知装置は、この結合部の変化を検知すると電子装置のモードを切り替えるように構成される。
【選択図】図３
【選択図】図３
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間（１０１）を取り囲む壁を有し、前記壁が電子装置（１６０）を内蔵している、ネットワーク接続された梱包材（１００）であって、前記ネットワーク接続された梱包材の前記壁の厚みの全体または一部にわたって形成された少なくとも１つの切り離し可能部分（１３６、１９１）、および前記切り離し可能部分と前記ネットワーク接続された梱包材の残り部分との間の結合部の変化を検知する検知装置（１８０、１９０）も有し、前記検知装置は、前記結合部の変化を検知すると前記電子装置のモードを切り替えるように構成されることを特徴とする、ネットワーク接続された梱包材。
【請求項2】
前記検知装置は、前記切り離し可能部分の少なくとも１つの縁をまたぐ導電性インクループを含む、請求項１に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項3】
前記検知装置は、前記切り離し可能部分の少なくとも１つの縁をまたぐ可融性ワイヤを含み、前記導電性インクループは、切り離し可能部分および前記ネットワーク接続された梱包材の残り部分に接続される、請求項２に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項4】
前記電子装置に給電するための電池（１６５）も含む、請求項１～３のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項5】
前記切り離し可能部分は、前記電子装置および任意の電池を有する、請求項１～４のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項6】
前記切り離し可能部分は、前記ネットワーク接続された梱包材の１つの面に沿って構成され、前記面を少なくとも２つの部分に分割して前記ネットワーク接続された梱包材を開梱できるようにする、請求項１～５のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項7】
前記切り離し可能部分は、初めは前記ネットワーク接続された梱包材の残り部分と同化している、請求項１～６のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項8】
多層のボール紙から形成され、前記検知装置が前記ボール紙の２つの外層の間に部分的に埋め込まれる、請求項１～７のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項9】
前記検知装置は、インピーダンスの変動を測定する手段を含む、請求項１～８のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項10】
前記電子装置は、アンテナと、前記電子装置のモードを切り替えた後に前記アンテナによって発信される信号の発信器とを含み、前記信号は、前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む、請求項１～９のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項11】
前記ネットワーク接続された梱包材の表面に構成されるハウジングも有し、前記ハウジングは、前記切り離し可能部分の前記検知装置と協働するように構成される、請求項１～１０のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項12】
前記電子装置は、外部ネットワークから発信された信号の受信に応じて、または少なくとも１つのセンサの値に応じて作動するステートマシンを含む、請求項１～１１のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項13】
請求項１～１２のいずれか一項に記載のネットワーク接続された梱包材を追跡する方法（４００）であって、－前記切り離し可能部分と前記ネットワーク接続された梱包材の残り部分との間の結合部の変化を検知する工程（４１０）；
－前記結合部の変化を検知することで起こる、前記電子装置のモードを切り替える工程（４２０）
を含む、方法。
【請求項14】
前記電子装置のモードを切り替える結果、－前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む信号を、前記ネットワーク接続された梱包材の近辺にある電気通信ネットワークの端末に前記電子装置によって送信し（４３０）；かつ／または
－前記ネットワーク接続された梱包材側のステートマシンおよび／またはネットワーク側のステートマシンを作動させる（４４０）、
請求項１３に記載の追跡方法。
【請求項15】
前記検知した結合部の変化が、前記ネットワーク接続された梱包材を最初に使用する段階の後に前記ネットワーク接続された梱包材の前記切り離し可能部分を取り外すことによって起こる工程も含み、前記ネットワーク接続された梱包材の前記切り離し可能部分はその後、差出人に返送したりリサイクルセンターまで追跡したりする第２の段階で使用され、前記電子装置は、前記ネットワーク接続された梱包材の２つの使用段階の間でモードを変更している、請求項１４に記載の追跡方法。
【請求項16】
前記切り離し可能部分は、前記ネットワーク接続された梱包材の前記第２の段階に向けて、前記ネットワーク接続された梱包材の内部空間に挿入される、請求項１５に記載の追跡方法。
【請求項17】
新たな使用段階の開始をマークするために、前記電子装置を作動させる、請求項１３～１６のいずれか一項に記載の追跡方法。
【請求項18】
前記ネットワーク接続された梱包材の前記切り離し可能部分を、前記切り離し可能部分の前記検知装置と協働するように構成されたハウジングまたは受容部を有する別の梱包材で再利用する工程も含む、請求項１３～１７のいずれか一項に記載の追跡方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、ネットワーク接続された対象物の分野である。
【0002】
さらに詳細には、本発明は、再利用可能かつ／またはリサイクル可能なネットワーク接続された梱包材に関する。
【0003】
特に、本発明は、梱包材または関連する注文品を追跡して梱包材を再利用かつ／またはリサイクルする物流に用途を見出すものである。
【背景技術】
【0004】
荷物などの対象物を追跡する技術が先行技術から知られている。
【0005】
一般に、このような追跡技術は、バーコードまたはＱＲタイプのコード（英語の用語「Ｑｕｉｃｋ Ｒｅｓｐｏｎｓｅ」の頭字語）の形式で識別子が記載されたラベル、またはＮＦＣタイプ（英語の用語「Ｎｅａｒ－Ｆｉｅｌｄ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ」の頭字語）またはＲＦＩＤタイプ（英語の用語「Ｒａｄｉｏ Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ」の頭字語）のタグを介した荷物の識別に基づいている。これらは、３Ｇ、４Ｇ、または５Ｇタイプのセルラー電気通信ネットワーク、または低電力広域電気通信タイプのネットワーク（ＬＰＷＡＮ、英語の用語「Ｌｏｗ Ｐｏｗｅｒ Ｗｉｄｅ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ」の頭字語）を介して通信する、ネットワーク接続されたタグで形態されていることもある。
【0006】
いずれの場合でも、このようなラベルが付いている荷物は、ラベルを一定間隔でスキャンするか、ネットワーク接続されたラベルから発信される信号を処理することによって追跡される。
【0007】
これらの先行技術の主な欠点は、一方では、荷物にラベルを付加することに関することであり、ラベルは、取り扱いの最中に隠れたり剥がれたりする可能性があることであり、他方では、荷物の準備から荷物を受取人に配達するまでの間、荷物を普通に追跡するだけにとどまっていることである。
【0008】
荷物を配達した後、荷物の梱包材は、一般に破棄するかリサイクルするために廃棄されるため、追跡は行われない。
【0009】
したがって、梱包材を最後までずっと追跡できるように、あるいは実際にリサイクルされたことを確認できるように、またはまだ状態が良い場合は再利用できるように、梱包材を改良する必要がある。
【0010】
そのために、例えば、何度か再利用できるように耐久性のある材料で作られた梱包材の新しい技術が構想されている。このような梱包材は、ＧＰＳタイプ（英語の「Ｇｌｏｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ」の頭字語）のチップを介して梱包材を追跡してその地理位置を特定できる電子装置を含んでいる。このような梱包材は、容易に変更できるラベルを付けるために電子インクタイプのスクリーンを含んでおり、梱包材と遠隔サーバとの間でデータを交換するために、例えば４Ｇタイプの無線通信手段を含んでいることがある。
【0011】
しかしながら、これらの新しい技術の主な欠点は、数多くの異なる多様な電子要素が集積されているため、依然として高価であり、リサイクルが一層複雑だという点である。さらに、これらの新しい梱包技術には、時々再充電する必要がある電池が組み込まれており、差出人と受取人との間で荷物の移動中に荷物が使用不可能になることを避けるために、電池の状態を定期的に監視する必要がある。
【0012】
現在のシステムでは、求められる必要性のすべてに同時に対処できるものはない。すなわち、長期の保管段階であっても優れた自律性を備えながら容易にリサイクルできる、ネットワーク接続された梱包技術を提案できるものはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記の先行技術の欠点のすべてまたは一部を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そのために、本発明は、内部空間を取り囲む壁を有し、その壁が電子装置を内蔵しているネットワーク接続された梱包材に関する。
【0015】
梱包材は、どのような種類および形状であってもよい。例えば、少なくとも１つの対象物を輸送することを意図した直方体の梱包材、または封筒のような全体的に平坦な梱包材からなるものとすることができる。
【0016】
梱包材は、例えばボール紙またはプラスチックで形成された可撓性タイプまたは剛性タイプのものであってよい。
【0017】
例えば、梱包材は、折り曲げられるタイプで、体積を抑えるために平らに保管され、使用できるように折り曲げる動作で再形成されるものであってよい。
【0018】
本発明によれば、ネットワーク接続された梱包材は、ネットワーク接続された梱包材の壁の厚みの全体または一部にわたって形成された少なくとも１つの切り離し可能部分、および切り離し可能部分とネットワーク接続された梱包材の残り部分との間の結合部の変化を検知する装置も有し、検知装置は、前記結合部の変化を検知すると電子装置のモードを切り替えるように構成される。
【0019】
したがって、ネットワーク接続された梱包材の追跡は、１つ以上の切り離し可能部分が付着した状態／切り離された状態で電子装置の操作を調整することによって改善し得る。
【0020】
切り離し可能部分は、開口部を形成するため、または内部空間へアクセスするために、壁の厚み全体にわたって構成されてよい。
【0021】
切り離し可能部分は、壁の連続性を維持するために、壁の厚みの一部にわたって構成してもよい。この場合、この切り離し可能部分により、例えばラベルを剥がして別のラベルが見えるようにすることが可能になる。
【0022】
切り離し可能部分とネットワーク接続された梱包材の残り部分との間の結合は、最初は剛性タイプのものであってよく、切り離し可能部分は、ネットワーク接続された梱包材と全体的に同じ材料で、例えばボール紙で形成され、点線が、切り離し可能部分とネットワーク接続された梱包材の残り部分との境界である。
【0023】
切り離し可能部分とネットワーク接続された梱包材の残り部分との結合は、接着タイプのもの、または磁気タイプのものでもよく、切り離し可能部分は、ネットワーク接続された梱包材の残り部分とは異なる材料で作製されてもよい。
【0024】
検知される結合部の変化は、切り離し可能部分とネットワーク接続された梱包材の残り部分との付着または切り離しに相当する。
【0025】
例えば、電子装置のモードは、以下のモード：
－オフ；
－スタンバイまたはスリープ；
－作動；
－作動停止；
－配達待ち；
－返送待ち；
－開梱；
－閉梱
のいずれか１つであってよい。
－オフ；
－スタンバイまたはスリープ；
－作動；
－作動停止；
－配達待ち；
－返送待ち；
－開梱；
－閉梱
のいずれか１つであってよい。
【0026】
「オフ」または「スタンバイ」モード以外のモードは、組み合わせることができることに留意されたい。
【0027】
電子装置のモードの切り替えは、状態の切り替えと呼んでもよい。切り替えの結果、電子装置の動作が変化し、例えば送信される信号の種類、内容または周波数が変化することがある点に留意されたい。単純に時間の経過とともに変動する測定値を送信する電子装置は、本発明の意味でのモードの切り替えを行わないことに留意されたい。
【0028】
したがって、変化を検知して電子装置のモードの変更を可能にすることにより、ネットワーク接続された梱包材の変遷を、例えば注文中に正確に追跡することが可能である。ネットワーク接続された梱包材は一般に、最初は平らに保管され、その後、対象物を入れるために折り曲げられる。その後、ネットワーク接続された梱包材は、発送するために閉じられる。輸送過程で、ネットワーク接続された梱包材は、様々な倉庫および輸送手段を通過してから配達地点に到着し、そこで開梱される。その後、ネットワーク接続された梱包材は、再利用されるかリサイクルされるために返送される可能性がある。各工程は、電気通信ネットワーク、例えば３Ｇ、４Ｇ、５Ｇ、または好ましくはモノのインターネット（英語の「Ｉｎｔｅｒｎｅｔ ｏｆ Ｔｈｉｎｇｓ」すなわちＩｏＴ）タイプの用途に適している種類の少なくとも１つの端末に、信号を所定の間隔で送信するように、または送信しないように、電子装置を構成する個別のモードで区別してよい。
【0029】
一般に、通信ネットワークは、信号の範囲に適したメッシュを形成する、一般に基地局と呼ばれる端末を複数有している。モノのインターネット（ＩｏＴ）タイプの用途向けの通信ネットワークの場合、信号の範囲は、標準の３Ｇ、４Ｇまたは５Ｇに応じた電気通信技術で一般に使用される信号の範囲よりも長く、数十キロメートルに達することがある。
【0030】
電子装置から発信された信号は、特に電子装置の地理位置を良好に特定できるようにするために、一般に電子装置の近辺にある複数の端末で受信されることに留意されたい。
【0031】
本発明の特定の実施形態では、検知装置は、切り離し可能部分の少なくとも１つの縁をまたぐ導電性インクループを含み、導電性インクループは、切り離し可能部分およびネットワーク接続された梱包材の残り部分に接続されている。
【0032】
本発明の特定の実施形態では、検知装置は、切り離し可能部分の少なくとも１つの縁をまたぐ可融性ワイヤを含む。
【0033】
本発明の特定の実施形態では、ネットワーク接続された梱包材は、電子装置に給電するための電池も含む。
【0034】
本発明の特定の実施形態では、切り離し可能部分は、電子装置および場合によってある電池を有する。
【0035】
したがって、ネットワーク接続された梱包材のリサイクルが容易になる。
【0036】
本発明の特定の実施形態では、切り離し可能部分は、ネットワーク接続された梱包材の１つの面に沿って構成されて、前記面を少なくとも２つの部分に分割して前記ネットワーク接続された梱包材を開梱できるようにする。
【0037】
本発明の特定の実施形態では、切り離し可能部分は、最初はネットワーク接続された梱包材の残り部分と同化している。
【0038】
本発明の特定の実施形態では、ネットワーク接続された梱包材は、多層のボール紙から形成され、検知装置は、ボール紙の２つの外層の間に部分的に埋め込まれる。
【0039】
好ましくは、導電性インクループは、ボール紙の２つの外層の間に大部分が埋め込まれるか完全に埋め込まれる。
【0040】
本発明の特定の実施形態では、検知装置は、インピーダンスの変動を測定する手段を含む。
【0041】
本発明の特定の実施形態では、電子装置は、アンテナと、前記電子装置のモードを切り替えた後に前記アンテナによって発信される信号発信器とを含み、信号は、前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む。
【0042】
本発明の特定の実施形態では、ネットワーク接続された梱包材装置は、ネットワーク接続された梱包材の表面に構成されるハウジングまたは受容部も有し、ハウジングは、切り離し可能部分の検知装置と協働するように構成される。
【0043】
本発明の特定の実施形態では、電子装置は、外部ネットワークから発信された信号の受信に応じて、または少なくとも１つのセンサの値に応じて作動するステートマシンを含む。
【0044】
また、本発明は、前述の実施形態のいずれか１つに記載のネットワーク接続された梱包材を追跡する方法であって、
－切り離し可能部分とネットワーク接続された梱包材の残り部分との間の結合部の変化を検知する工程；
－結合部の変化を検知することで起こる、ネットワーク接続された梱包材の電子装置のモードを切り替える工程
を含む、方法にも関する。
－切り離し可能部分とネットワーク接続された梱包材の残り部分との間の結合部の変化を検知する工程；
－結合部の変化を検知することで起こる、ネットワーク接続された梱包材の電子装置のモードを切り替える工程
を含む、方法にも関する。
【0045】
本発明の特定の実施形態では、電子装置のモードを切り替える結果、
－ネットワーク接続された梱包材の電子装置によって、前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む信号を、ネットワーク接続された梱包材の近辺にある電気通信ネットワークの端末に送信し；かつ／または
－ネットワーク接続された梱包材側のステートマシンおよび／またはネットワーク側のステートマシンを作動させる。
－ネットワーク接続された梱包材の電子装置によって、前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む信号を、ネットワーク接続された梱包材の近辺にある電気通信ネットワークの端末に送信し；かつ／または
－ネットワーク接続された梱包材側のステートマシンおよび／またはネットワーク側のステートマシンを作動させる。
【0046】
本発明の特定の実施形態では、追跡方法は、前記ネットワーク接続された梱包材を、仕分けセンターなどの環境で検知して追跡する工程も含む。
【0047】
本発明の特定の実施形態では、本追跡方法は、検知した結合部の変化が、ネットワーク接続された梱包材を初めて使用した段階の後にネットワーク接続された梱包材の切り離し可能部分を取り除くことによって起こる工程も含み、ネットワーク接続された梱包材の切り離し可能部分はその後、差出人に返送したりリサイクルセンターまで追跡したりする第２の段階で使用され、電子装置は、ネットワーク接続された梱包材の２つの使用段階の間でモードを変更している。
【0048】
本発明の特定の実施形態では、切り離し可能部分は、ネットワーク接続された梱包材の第２の使用段階に向けて、ネットワーク接続された梱包材の内部空間に挿入される。
【0049】
本発明の特定の実施形態では、新たな使用段階の開始をマークするために電子装置のボタンを作動させる。
【0050】
本発明の特定の実施形態では、追跡方法は、ネットワーク接続された梱包材の切り離し可能部分を、切り離し可能部分の検知装置と協働するように構成されたハウジングまたは受容部を有する別の梱包材で再利用する工程も含む。
【0051】
本発明のその他の特定の利点、目的および特徴は、本発明の装置および方法の少なくとも１つの特定の実施形態についての以下の非限定的な説明と添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明によるネットワーク接続された梱包材がいわゆる保管形態にある一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本説明は、非限定的な例として挙げるものであり、１つの実施形態の各々の特徴を他のどの実施形態の特徴とも有利に組み合わせることができる。
【0054】
ここで、図面は縮尺通りに描かれていないことに注意されたい。
【0055】
【0056】
ネットワーク接続された梱包材１００は、本発明のこの非限定的な一実施形態では、４つの面１１０と、この面１１０に対して関節結合され、ネットワーク接続された梱包材１００の底部１２５を形成することを意図した４つのフラップ１２０と、ネットワーク接続された梱包材１００の上面１３５を形成することを意図した４つのフラップ１３０とで形成される。ネットワーク接続された梱包材１００の壁に相当する側壁１１０およびフラップ１２０と１３０は、一枚のボール紙から形成され、ボール紙の厚さにわたって形成される折り目１４０を軸として関節結合される。
【0057】
保管形態では、ネットワーク接続された梱包材１００は、体積を抑えるために通常平坦であり、フラップ１２０および１３０は、それに対応する側壁１１０に対して同一線上にある。その後、ネットワーク接続された梱包材１００は、折り目１４０を軸として側壁１１０を関節回転させて折り曲げられ、直方体型の内部空間１０１を形成する。内部空間は、フラップ１２０の関節回転によって下部が閉じられて底部１２５を形成する。一方、内部空間１０１を閉じるネットワーク接続された梱包材１００の上面１３５は、フラップ１３０の関節回転によって形成される。
【0058】
底部１２５を強化するため、フラップ１２０は、例えば接着剤または粘着テープなどの接着手段によって一体に保持される。
【0059】
同じように、フラップ１３０も、特にネットワーク接続された梱包材１００の取り扱いおよび輸送の段階で上面１３５が意図せず開くことを避けるために、例えば接着手段で一体に保持される。
【0060】
図３に示したような閉梱使用形態になると、ネットワーク接続された梱包材１００は、例えば上面１３５を閉じるフラップ１３０１に沿って構成されたタブ１３６などの切り離し可能部分を引っ張ることで開梱できる。一方の縁から反対側の縁まで延在しているタブ１３６は、ネットワーク接続された梱包材１００を開けたい人が簡単に引き裂けるように、ネットワーク接続された梱包材１００の外側からアクセスできる。
【0061】
初めは図１に示した保管形態で保管されているネットワーク接続された梱包材１００の使用状態を識別できるようにするために、本明細書のネットワーク接続された梱包材１００は、２つの側壁１１０１の間の折り目１４０Ａに関する変化を検知するための装置１５０を含んでいることが有利である。この場合、検知される変化は、この例では保管形態における同一線上の位置から使用形態における９０°の角度の位置に切り替わる２つの側壁１１０Ａの間の角度の変化である。
【0062】
あるいは、検知する対象の折り目周りの２つの側壁１１０は重ねられる。
【0063】
このために、検知装置１５０は、例えば折り目１４０１をまたぐ導電性インクループ１５５を含み、そのインピーダンスは、折り目１４０１の角度によって変更される。実際、導電性インクループ１５５は、側壁１１０を折り曲げる時に切れてインピーダンスが変化してしまうおそれがあるが、特定の値から無限大の値に切り替わるため、これは容易に検知可能である。
【0064】
あるいは、導電性インクループ１５５は、側壁を折り曲げた時に弾性変形してもよく、それによってループ１５５のインピーダンス値が変更される。
【0065】
したがって、導電性インクループ１５５は、弾性または剛性の基板に支持されるか、ボール紙の表面に接着されるか、多層のボール紙の内部に埋め込まれてよい。
【0066】
検知装置１５０は、インピーダンスアナライザなどのインピーダンス変動を測定する手段を備えていてもよいし、インピーダンスの様々な成分を測定するためにＲＬＣブリッジを使用してもよい。直流電流の場合、インピーダンスは、オーム計で測定できる抵抗に相当することに留意されたい。
【0067】
あるいは、検知装置１５０は、導電性インクループ１５５のインピーダンスの変動によって状態が変更される、トランジスタなどの電子装置を備えていてもよい。
【0068】
検知装置１５０は、監視されている結合部、ここでは折り目１４０１の変化が検知された時に、ネットワーク接続された梱包材１００に含まれている電子装置１６０のモードを切り替えるように構成される。このモードの切り替えは、ネットワーク接続された梱包材１００を折り曲げる以外の補足行為を一切せずに有利に行われることに留意されたい。
【0069】
電子装置１６０（本明細書では、同じくネットワーク接続された梱包材１００に含まれている電池１６５で給電される）のモードの切り替えは、概ね電子装置１００の作動に対応している。「電気装置の作動」とは、以下の行為：
－電子装置１００のオンまたはオフの状態を変更すること；
－電子装置１００の「スリープ」または「スタンバイ」状態を「作動」状態に変更すること。「スリープ」または「スタンバイ」状態は、電子装置１００の最低消費に相当し、装置１５０が電池１６５で給電されている場合のみである；
－電子装置１６０を電池１６５に接続すること；
－電子装置１６０をネットワーク接続された梱包材１００に含まれている電子基板に接続すること；
－電子装置１６０を、電子装置１６０に紐付けられた識別子を介して、一般に遠隔サーバ上で動作するコンピュータサービスに紐付けること；
－電子装置１６０のアンテナによって信号を、例えば「モノのインターネット」（ｌｏＴ）タイプの用途に適したセルラーネットワークに発信したり、ステートマシンをオンにしたりするなど、電子装置１６０の即時動作または遅延動作を発動すること
の少なくとも１つであると理解されたい。
－電子装置１００のオンまたはオフの状態を変更すること；
－電子装置１００の「スリープ」または「スタンバイ」状態を「作動」状態に変更すること。「スリープ」または「スタンバイ」状態は、電子装置１００の最低消費に相当し、装置１５０が電池１６５で給電されている場合のみである；
－電子装置１６０を電池１６５に接続すること；
－電子装置１６０をネットワーク接続された梱包材１００に含まれている電子基板に接続すること；
－電子装置１６０を、電子装置１６０に紐付けられた識別子を介して、一般に遠隔サーバ上で動作するコンピュータサービスに紐付けること；
－電子装置１６０のアンテナによって信号を、例えば「モノのインターネット」（ｌｏＴ）タイプの用途に適したセルラーネットワークに発信したり、ステートマシンをオンにしたりするなど、電子装置１６０の即時動作または遅延動作を発動すること
の少なくとも１つであると理解されたい。
【0070】
ただし、モードの切り替えは、電子装置による信号の発信構成、例えば周波数または信号によって送信されるデータの種類を変更することにも相当するとしてよい。
【0071】
電気エネルギーを貯蔵する装置である電池１６５は、ネットワーク接続された梱包材１００に含まれていない可能性もあることに留意されたい。この場合、検知ループ１５０をテストするために電気エネルギーを供給し、例えばそのインピーダンスを測定して、ネットワーク接続された梱包材１００の外部の要素、例えば誘導ループによって、または検知ループ１５０の状態を判断できる読取り機を介して給電が行われる。
【0072】
補足として、信号の発信は、以下：
－加速度計またはジャイロスコープなどのモーションセンサ；
－温度センサ；
－磁場センサ
の中から選択した少なくとも１つのセンサの値を用いて調整してもよい。
－加速度計またはジャイロスコープなどのモーションセンサ；
－温度センサ；
－磁場センサ
の中から選択した少なくとも１つのセンサの値を用いて調整してもよい。
【0073】
例えば、電子装置１６０が作動している時に、少なくとも１つのセンサの測定値を用いて発信を調整することで、特に電子装置１６０のエネルギー消費を抑えることが可能になる。実際、信号の発信は、例えばネットワーク接続された梱包材１００の動きが検知された時、ネットワーク接続された梱包材１００が温度の異なる倉庫に到着した時、またはネットワーク接続された梱包材１００が倉庫の取り扱い領域を区別するのに用いられる磁気バリアを横切った時に実施されてよい。
【0074】
例えば、倉庫の温度が外気温と異なる時、または輸送中に測定された温度と異なる時の温度差を測定してよい。
【0075】
電子装置１６０の作動は、本発明のこの非限定的な例では、ネットワーク接続された梱包材１００を使用するために折り曲げることによって実行される。
【0076】
この作動は、ネットワーク接続された梱包材１００を閉じるまで、またはネットワーク接続された梱包材１００に送信される信号を介してコマンドを受信するまで、時間の経過に応じて、例えば所定の時間内に限定されてよい。
【0077】
ネットワーク接続された梱包材１００の閉梱は、第２の検知装置１７０で検知されてよく、第２の検査装置も本明細書では、２つの別個のフラップ１３０２上の２つの部分１７５Ａ、１７５Ｂに形成された導電性インクループ１７５を含んでいる。ループ１７５は、図２に示したように２つのフラップ１３０２が重なるか、２つのフラップ１３０の間が一続きになることによってネットワーク接続された梱包材１００が閉じられた時に形成される。検知ループ１７５の２つの部分１７５Ａ、１７５Ｂを確実に接続するために、フールプルーフ機能（図２には示していない）を持たせることが有利である可能性がある。
【0078】
図３に示したように、ネットワーク接続された梱包材１００が閉じられて受取人に配達された時、ネットワーク接続された梱包材１００の開梱も、第３の検知装置１８０によって検知されてよく、第３の検知装置も同じく、本明細書では、タブ１３６の少なくとも１つの縁をまたぐ導電性インクループ１８５を含んでいる。
【0079】
ネットワーク接続された梱包材１００の返送を追跡できるようにするため、または確実にリサイクルするため、ネットワーク接続された梱包材１００は、ネットワーク接続された梱包材１００を開梱できるようにするタブ１３６とは異なる切り離し可能部分１９１の取り外しに関わる変化を検知する装置１９０も含んでいてよい。切り離し可能部分１９１には、ネットワーク接続された梱包材１００の受取人のラベルを付けて、ネットワーク接続された梱包材１００を返送するための別のラベル１９２が見えるようにしてよい。検知装置１９０が検知する切り離し可能部分１９１の少なくとも１つの縁をまたぐ導電性インクループ１９５のインピーダンスの変動は、電子装置１６０のいわゆる「返送」状態の切り替えを引き起こす。さらに詳細には、本明細書では、切り離し可能部分１９１が取り外されると、ループ１９５は２つの部分１９５Ａと１９５Ｂに分かれ、切り離し可能部分１９１とネットワーク接続された梱包材１００の残り部分との間の結合部の変化を反映する無限大のインピーダンスを示す。
【0080】
その代わりに、またはそれに補足して、顧客による返送または発送などの第２の使用段階が始まったと判断するために、電子装置１６０にあるボタン１６１を手動で作動させることができる。
【0081】
このように、ネットワーク接続された梱包材１００の動作を構成する様々なモードを設定してよい。
【0082】
本発明のこの非限定的な例は、ネットワーク接続された梱包材１００を使用する場合の必要性に応じて適合可能であることに留意されたい。例えば、ネットワーク接続された梱包材を閉じた時に電子装置１６０を作動させるか、ネットワーク接続された梱包材１００を開けた時だけ電子装置１６０を作動させるかを選択してよい。
【0083】
さらに、検知装置の数および位置は、本明細書では参考として示したものであり、いくつかの検知装置を除去するか共用することか可能である。検知装置の構成と導電性インクループの構成は、ほぼ同じであってよい。
【0084】
本実施形態のいくつかの変形例では、少なくとも１つの検知装置は、前記検出装置の導電性インクループの代わりに、またはその補足として可融性ワイヤを含む。
【0085】
例えば２つの導電性インクループまたは１つの導電性インクループと１つの可融性ワイヤとを組み合わせることで、各検知装置に冗長な検知を行ってもよいことに留意されたい。
【0086】
ネットワーク接続された梱包材１００を構成している様々な種類の材料をリサイクルするための分別を最適にするために、電子装置１６０および場合によってある電池１６５は、本発明のこの非限定的な例の切り離し可能部分１３６または１９１のうちの一方に埋め込まれていることが有利である。したがって、電子装置１６０および場合によってある電池１６５は、本明細書では基本的にボール紙で構成されているネットワーク接続された梱包材１００の残り部分とは別に、リサイクルすることができる。検知装置１５０、１７０、１８０および１９０の一部は、特に、場合によってある電子部品が検知装置１５０、１７０、１８０および１９０に埋め込まれている場合には、一方の切り離し可能部分に保持されてもよい。
【0087】
切り離し可能部分１３６、１９１は、取り外されると、例えば、ネットワーク接続された梱包材１００を差出人または仕分けセンターに返送するために内部空間１０１に挿入されてよい。有利には、返送先住所はラベル１９２に書いてよい。
【0088】
換言すると、切り離し可能部分１３６、１９１は、ネットワーク接続された梱包材１００の中に挿入できるように、または別の梱包材で再利用できるように、ネットワーク接続された梱包材１００から切り離される。
【0089】
図４は、ネットワーク接続された梱包材１００の切り離し可能部分１９１を受け入れるように意図したハウジング３１０を有する梱包材３００の概略図である。ハウジング３１０は、ネットワーク接続された梱包材１００の表面に構成される受容部であってよく、切り離し可能部分１９１がハウジング３１０の中に挿入された時に、残りのループ１９５の部分１９５Ａを梱包材３００に埋め込まれた導電性インクループの一片３２０と組み合わせることによって導電性インクループが形成されるように構成されてよい。有利には、切り離し可能部分１９１を適切に配向するために、フールプルーフ機能を備えてよい。
【0090】
切り離し可能部分１９１が電子装置１６０を含んでいる場合、梱包材３００は、ネットワーク接続された種類のものになることに留意されたい。ただし、梱包材３００は、部分１９５Ａと断片３２０との結合によってこのように形成される導電性インクループに紐付けられた検知装置３４０に接続している電子装置３３０を含んでいてもよい。
【0091】
図５は、ネットワーク接続された梱包材１００を追跡する方法４００の実施例をブロック図の形式で示している。
【0092】
追跡方法４００は、切り離し可能部分１３６または１９１とネットワーク接続された梱包材１００の残り部分との間の結合部の変化を、ネットワーク接続された梱包材１００の検知装置１８０、１９０のうちの１つを介して検知する第１の工程４１０を含む。この工程で検知する結合部の変化は、タブ１３６、または本明細書ではラベルが付いている切り離し可能部分１９１の付着または切り離しに相当する。
【0093】
結合部の変化を検知すると、工程４２０で電子装置１６０のモードの切り替えが起こる。例えば、電子装置１６０のモードは、「発送」モードから「返送」モードに切り替わる。
【0094】
モード切り替えの後、またはモード切り替えと同時に、方法４００は、ネットワーク接続された梱包材１００の識別子（電子装置１６０のメモリに格納されたＭＡＣアドレスまたは一意識別子など）を含む信号を、電子装置１６０を用いて電気通信ネットワークの局２１０に送信する工程４３０、および／またはネットワーク側および／またはネットワーク接続された梱包材側のステートマシンを作動させる工程４４０を含む。
【0095】
信号の送信またはステートマシンの作動は、補足の動作なしにモードの切り替えによって起こり、すなわち結合部の変化を検知した直後に起こることに留意されたい。
【0096】
さらに、ネットワーク接続された梱包材側のステートマシンの作動は、ネットワークの端末からネットワーク接続された梱包材１００の電子装置１６０に対して発信される信号を送信することによって引き起こされてもよく、これは、信号によって送信されるメッセージによるものか、受信した信号の電力（ＲＳＳＩ）によるものである。
【0097】
ネットワーク接続された梱包材側のステートマシンの作動は、ネットワーク接続された梱包材１００に埋め込まれたセンサが外部の動作に反応することによって引き起こされてもよい。例えば、センサは、圧力をかけるボタン、光の変化を検知する光学センサ、磁場を通過するものを検知する磁気センサなどであってよい。
【0098】
ネットワーク接続された梱包材側で作動するステートマシンは、電子装置１６０に含まれていてよく、例えば電子装置１６０に含まれているコンピュータプロセッサによって実行される。ネットワーク接続された梱包材１００のステートマシンは、構成パラメータを電子装置１６０に送信するように構成される。特に、構成パラメータは、電子装置１６０のモードによって異なり、例えば信号の送信周波数、信号が送信するメッセージの種類などの定義が可能となる。
【0099】
例えば、ネットワーク側のステートマシンは、コンピュータサービスを操作する遠隔サーバで作動してよい。ネットワーク側のステートマシンの作動は、ネットワーク接続された梱包材から送信されるメッセージのデータおよび／またはネットワークによって作成されるメタデータ（例えばネットワーク接続された梱包材に紐付けられた論理識別子など）および／またはネットワーク接続された梱包材のモードの作動によって調整されてよい。特に、論理識別子は、注文番号、納品書番号などであってよい。
【0100】
したがって、ネットワーク側のステートマシンは、ネットワーク接続された梱包材の現在の状態（開梱、閉梱、発送、返送など）に応じて、かつ／またはネットワークによって転送されたデータに応じて、かつ／またはネットワークに関連するメタデータに応じて、例えば１つ以上のサービスに対する１つ以上のサブスクリプションをネットワーク接続された梱包材１００に割り当てるとしてよい。
【0101】
例えば、サービスは、
－Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）タイプの無線通信サービス；
－ネットワークの基地局および／またはネットワーク接続された梱包材１００が受信した信号を、受信した信号の電力（ＲＳＳＩ、「Ｒｅｃｅｉｖｅｄ Ｓｉｇｎａｌ Ｓｔｒｅｎｇｔｈ Ｉｎｄｉｃａｔｏｒ」の英語の頭字語）および基地局の既知の位置を通して分析することによる通信ネットワークに基づく地理位置特定サービス；
－ＧＰＳタイプ（英語の用語「Ｇｌｏｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ」の頭字語）の衛星地理位置特定サービス；
－転送されたデータの一貫性、完全性、正確性を検証できるいわゆる「データ完全性」サービス；
－データ断片化サービス；
－データ暗号化および／または難読化サービス
であってよい。
－Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）タイプの無線通信サービス；
－ネットワークの基地局および／またはネットワーク接続された梱包材１００が受信した信号を、受信した信号の電力（ＲＳＳＩ、「Ｒｅｃｅｉｖｅｄ Ｓｉｇｎａｌ Ｓｔｒｅｎｇｔｈ Ｉｎｄｉｃａｔｏｒ」の英語の頭字語）および基地局の既知の位置を通して分析することによる通信ネットワークに基づく地理位置特定サービス；
－ＧＰＳタイプ（英語の用語「Ｇｌｏｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ」の頭字語）の衛星地理位置特定サービス；
－転送されたデータの一貫性、完全性、正確性を検証できるいわゆる「データ完全性」サービス；
－データ断片化サービス；
－データ暗号化および／または難読化サービス
であってよい。
【0102】
例えば、メタデータは、信号を受信する基地局の識別、受信信号の周波数、様々な局での受信時間、受信信号の電力など、ネットワーク側の既知のデータに相当する。特に、メタデータでは、特定の環境内でネットワーク接続された梱包材１００の位置を推定することが可能となり得る。
【0103】
例えば、データは、ペイロード（通常は英語の用語「ｐａｙｌｏａｄ」と呼ぶ）で転送されるデータに相当するが、ネットワークまたはサービスで利用可能なデータにも相当し、このデータはペイロードを強化し得るものである。例えば、ネットワーク接続された梱包材１００の開閉に続く作動メッセージは、対象物の物理的識別子を運んでよい。
【0104】
追跡方法４００は、電子装置１６０が発信し、電気通信ネットワークの端末２１０が受信する信号のタイムスタンプ、端末２１０の位置、または受信信号の電力に応じてネットワーク接続された梱包材１００の位置を推定する工程４５０も含んでいてよい。
【0105】
追跡方法４００は、輸送または注文の状況で取り扱うための仕分けセンター、またはネットワーク接続された梱包材１００をリサイクルするための仕分けセンター、またはさらに一般的にはＬＰＷＡＮタイプの電気通信ネットワークのカバー領域内などの環境でネットワーク接続された梱包材１００を追跡する工程４６０も含んでいてよい。
【0106】
実際、ネットワーク接続された梱包材１００の電子装置１６０は、本明細書ではボール紙で形成されている梱包材自体と、別の流れでリサイクルされる電子部分とを分けるために、ネットワーク接続された梱包材１００から容易に取り外せることが有利である点に留意されたい。したがって、電子装置１６０は、ネットワーク接続された梱包材の切り離し可能部分１３６、１９１に位置していてよい。
【0107】
したがって、ネットワーク接続された梱包材１００を仕分けセンターに返送してリサイクルするために、工程４７０で、電子装置１６０および場合によってある電池１６５をネットワーク接続された梱包材１００の開梱タブ１３６が保有し、タブ１３６をネットワーク接続された梱包材１００の内部に挿入することを想定できる。この場合、まだ作動している電子装置１６０は、検知装置１８０があることにより、タブ１３６が破れるとモードを変更することに留意されたい。
【0108】
ネットワーク接続された梱包材１００の返送は、タブ１３６の第２の使用段階に相当する。
【0109】
あるいは、返送は、例えば顧客が返品したり、またはネットワーク接続された梱包材１００を別の受取人に発送したりする場合など、ネットワーク接続された梱包材１００から差出人への返送であってもよい。
【0110】
結合部の変化の検知に補足して、またはこれに代えて、工程４８０で電子装置１６０のボタン１６１を作動させて、新たな使用段階の開始をマークしてもよい。
【0111】
切り離し可能部分１９１またはタブ１３６は、工程４９０で第２の梱包材３００に再利用されてもよい。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を取り囲む壁を有し、前記壁が電子装置を内蔵している、ネットワーク接続された梱包材であって、前記ネットワーク接続された梱包材の前記壁の厚みの全体または一部にわたって形成された少なくとも１つの切り離し可能部分、および前記切り離し可能部分と前記ネットワーク接続された梱包材の残り部分との間の結合部の変化を検知する検知装置も有し、前記検知装置は、前記結合部の変化を検知すると前記電子装置のモードを切り替えるように構成されることを特徴とする、ネットワーク接続された梱包材。
【請求項2】
前記検知装置は、前記切り離し可能部分の少なくとも１つの縁をまたぐ導電性インクループを含む、請求項１に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項3】
前記検知装置は、前記切り離し可能部分の少なくとも１つの縁をまたぐ可融性ワイヤを含み、前記導電性インクループは、切り離し可能部分および前記ネットワーク接続された梱包材の残り部分に接続される、請求項２に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項4】
前記電子装置に給電するための電池も含む、請求項１に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項5】
前記切り離し可能部分は、前記電子装置および任意の電池を有する、請求項１に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項6】
前記切り離し可能部分は、前記ネットワーク接続された梱包材の１つの面に沿って構成され、前記面を少なくとも２つの部分に分割して前記ネットワーク接続された梱包材を開梱できるようにする、請求項１に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項7】
前記切り離し可能部分は、初めは前記ネットワーク接続された梱包材の残り部分と同化している、請求項１に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項8】
多層のボール紙から形成され、前記検知装置が前記ボール紙の２つの外層の間に部分的に埋め込まれる、請求項１に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項9】
前記検知装置は、インピーダンスの変動を測定する手段を含む、請求項１に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項10】
前記電子装置は、アンテナと、前記電子装置のモードを切り替えた後に前記アンテナによって発信される信号の発信器とを含み、前記信号は、前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む、請求項１に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項11】
前記ネットワーク接続された梱包材の表面に構成されるハウジングも有し、前記ハウジングは、前記切り離し可能部分の前記検知装置と協働するように構成される、請求項１に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項12】
前記電子装置は、外部ネットワークから発信された信号の受信に応じて、または少なくとも１つのセンサの値に応じて作動するステートマシンを含む、請求項１に記載のネットワーク接続された梱包材。
【請求項13】
請求項１に記載のネットワーク接続された梱包材を追跡する方法であって、－前記切り離し可能部分と前記ネットワーク接続された梱包材の残り部分との間の結合部の変化を検知する工程；
－前記結合部の変化を検知することで起こる、前記電子装置のモードを切り替える工程
を含む、方法。
【請求項14】
前記電子装置のモードを切り替える結果、－前記ネットワーク接続された梱包材の識別子を含む信号を、前記ネットワーク接続された梱包材の近辺にある電気通信ネットワークの端末に前記電子装置によって送信し；かつ／または
－前記ネットワーク接続された梱包材側のステートマシンおよび／またはネットワーク側のステートマシンを作動させる、
請求項１３に記載の追跡方法。
【請求項15】
前記検知した結合部の変化が、前記ネットワーク接続された梱包材を最初に使用する段階の後に前記ネットワーク接続された梱包材の前記切り離し可能部分を取り外すことによって起こる工程も含み、前記ネットワーク接続された梱包材の前記切り離し可能部分はその後、差出人に返送したりリサイクルセンターまで追跡したりする第２の段階で使用され、前記電子装置は、前記ネットワーク接続された梱包材の２つの使用段階の間でモードを変更している、請求項１４に記載の追跡方法。
【請求項16】
前記切り離し可能部分は、前記ネットワーク接続された梱包材の前記第２の段階に向けて、前記ネットワーク接続された梱包材の内部空間に挿入される、請求項１５に記載の追跡方法。
【請求項17】
新たな使用段階の開始をマークするために、前記電子装置を作動させる、請求項１３に記載の追跡方法。
【請求項18】
前記ネットワーク接続された梱包材の前記切り離し可能部分を、前記切り離し可能部分の前記検知装置と協働するように構成されたハウジングまたは受容部を有する別の梱包材で再利用する工程も含む、請求項１３に記載の追跡方法。
【国際調査報告】