(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】液絡部のウェットアップのためのウィッキング部材を有するセンサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G01N 27/30 20060101AFI20241206BHJP
G01N 27/401 20060101ALI20241206BHJP
G01N 27/28 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G01N27/30 311Z
G01N27/401 313A
G01N27/28 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537052
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-07-25
(86)【国際出願番号】 US2022081408
(87)【国際公開番号】W WO2023122446
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ウォルフソン
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン・パダック
(57)【要約】
体液分析器用のセンサアセンブリは、参照電極を含む参照電極容器と;参照電極容器と流体連通可能な、または流体連通するように構成された膜と;参照電極容器と流体連通可能な、または流体連通するように構成されたウィッキング部材とを含む。ウィッキング部材は、膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されているときに、参照電極容器に含まれている参照流体を膜の方へ引き寄せるように構成されている。
【選択図】
図13B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液分析器用のセンサアセンブリであって:
参照電極を含み、参照流体を収容するように構成された参照電極容器と;
該参照電極容器と流体連通するように構成された膜と;
該参照電極容器と流体連通するように構成され、膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されているときに、参照流体を膜の方へ引き寄せるように構成されたウィッキング部材と
を含む、前記センサアセンブリ。
【請求項2】
ウィッキング部材は膜と接触している、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項3】
ウィッキング部材は親水性材料を含む、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項4】
参照電極容器内に位置し、閉位置から開位置まで動作可能な封止材をさらに含み、閉位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体から封止され、開位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体に曝露される、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項5】
封止材はプラグである、請求項4に記載のセンサアセンブリ。
【請求項6】
参照電極容器はポケットを有し、プラグは閉位置においてポケットと嵌合し、ウィッキング部材はポケット内でプラグと膜との間に位置する、請求項5に記載のセンサアセンブリ。
【請求項7】
封止材は、穿孔されるように構成された穿孔可能なバリアである、請求項4に記載のセンサアセンブリ。
【請求項8】
参照電極容器はポケットを有し、穿孔可能なバリアは閉位置においてポケットを被覆し、ウィッキング部材はポケット内で穿孔可能なバリアと膜との間に位置する、請求項7に記載のセンサアセンブリ。
【請求項9】
膜およびウィッキング部材は参照電極容器の内側に位置する、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項10】
膜およびウィッキング部材は参照電極容器の外側に位置する、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項11】
ウィッキング部材の第1の端部は参照電極容器の内側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は参照電極容器の外側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は膜と接触し、膜は参照電極容器の外側に位置する、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項12】
流体入口、流体出口、および該流体入口と該流体出口との間に延び、試料流体を輸送するように構成された流体流路を有し、参照電極容器、および膜によって参照電極容器から流体的に分離されたセンサ容器を含むハウジングをさらに含み、
膜の一方の面は参照電極容器に面し、膜の他方の面は流体流路に面する、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項13】
流体流路と流体連通するセンサ容器に位置する少なくとも1つの分析物センサをさらに含む、請求項12に記載のセンサアセンブリ。
【請求項14】
膜は少なくとも1つの細孔を含み、ウィッキング部材は、参照流体に曝露されたときに膜において液絡部を維持するように構成される、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項15】
流体分析器であって:
流体入口および流体出口を有する試料プローブを有する試料受容アセンブリと;
流体廃棄アセンブリと;
試料受容アセンブリおよび流体廃棄アセンブリと流体連通するセンサアセンブリとを含み、該センサアセンブリは、
参照電極を含み、参照流体を収容するように構成された参照電極容器と;
該参照電極容器と流体連通するように構成された膜と;
該参照電極容器と流体連通するように構成され、膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されているときに、参照流体を膜の方へ引き寄せるように構成されたウィッキング部材と
を含む、前記流体分析器。
【請求項16】
ウィッキング部材は膜と接触している、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項17】
ウィッキング部材は親水性材料を含む、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項18】
センサアセンブリは:
参照電極容器内に位置し、閉位置から開位置まで動作可能な封止材をさらに含み、閉位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体から封止され、開位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体に曝露される、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項19】
封止材はプラグである、請求項18に記載の流体分析器。
【請求項20】
参照電極容器はポケットを有し、プラグは閉位置においてポケットと嵌合し、ウィッキング部材はポケット内でプラグと膜との間に位置する、請求項19に記載の流体分析器。
【請求項21】
封止材は、穿孔されるように構成された穿孔可能なバリアである、請求項18に記載の流体分析器。
【請求項22】
参照電極容器はポケットを有し、穿孔可能なバリアは閉位置においてポケットを被覆し、ウィッキング部材はポケット内で穿孔可能なバリアと膜との間に位置する、請求項21に記載の流体分析器。
【請求項23】
膜およびウィッキング部材は参照電極容器の内側に位置する、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項24】
膜およびウィッキング部材は参照電極容器の外側に位置する、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項25】
ウィッキング部材の第1の端部は参照電極容器の内側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は参照電極容器の外側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は膜と接触し、膜は参照電極容器の外側に位置する、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項26】
センサアセンブリは;
流体入口、流体出口、および該流体入口と該流体出口との間に延び、試料流体を輸送するように構成された流体流路を有し、参照電極容器、および膜によって参照電極容器から流体的に分離されたセンサ容器を含むハウジングをさらに含み、
膜の一方の面は参照電極容器に面し、膜の他方の面は流体流路に面する、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項27】
センサアセンブリは、流体流路と流体連通するセンサ容器に位置する少なくとも1つの分析物センサをさらに含む、請求項25に記載の流体分析器。
【請求項28】
膜は少なくとも1つの細孔を含み、ウィッキング部材は、参照流体に曝露されたときに膜において液絡部を維持するように構成される、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項29】
体液分析器用のセンサアセンブリを形成する方法であって:
参照電極を含み、参照流体を含むように構成された参照電極容器と流体連通可能であるように膜を位置決めすることと;
膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されているときに、参照流体を膜の方へ引き寄せるようにウィッキング部材を位置決めすることと
を含む、前記方法。
【請求項30】
ウィッキング部材を位置決めする工程は、ウィッキング部材を膜と接触させることをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
参照流体を参照電極容器に位置決めする前に、膜およびウィッキング部材を参照流体から封止することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
封止する工程は、膜およびウィッキング部材を、閉位置から開位置へと動作可能なプラグにより封止することをさらに含み、閉位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体から封止され、開位置では、参照電極容器が参照流体を含んでいるときにウィッキング部材および膜が参照流体に曝露される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
膜およびウィッキング部材を位置決めする工程は、膜およびウィッキング部材を参照電極容器のポケットに位置決めすることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
封止する工程は、ウィッキング部材がポケット内でプラグと膜との間に位置するように、プラグをポケットと嵌合させることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
封止する工程は、膜およびウィッキング部材を、閉位置から開位置へと動作可能な穿孔可能なバリアにより封止することをさらに含み、閉位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体から封止され、開位置では、参照電極容器が参照流体を含んでいるときにウィッキング部材および膜が参照流体に曝露される、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
膜およびウィッキング部材を位置決めする工程は、膜およびウィッキング部材を参照電極容器のポケットに位置決めすることをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
封止する工程は、ウィッキング部材がポケット内で穿孔可能なバリアと膜との間に位置するように、ポケットを穿孔可能なバリアにより被覆することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
参照電極容器は、流体入口、流体出口、および該流体入口と該流体出口との間に延び、試料流体を輸送するように構成された流体流路を有し、膜によって参照電極容器から流体的に分離されたセンサ容器をさらに含むハウジングによって画成され、膜を参照電極容器に位置決めする工程は、膜の一方の面が参照電極容器に面し、膜の他方の面が流体流路に面するように膜を位置決めすることをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
膜およびウィッキング部材は参照電極容器の内側に位置する、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
膜およびウィッキング部材は参照電極容器の外側に位置する、請求項29に記載のセンサアセンブリ。
【請求項41】
ウィッキング部材の第1の端部は参照電極容器の内側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は参照電極容器の外側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は膜と接触し、膜は参照電極容器の外側に位置する、請求項29に記載のセンサアセンブリ。
【請求項42】
少なくとも1つの分析物センサを流体流路と流体連通するセンサ容器に位置決めすることをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項43】
膜を位置決めする工程は、少なくとも1つの細孔を含む膜をさらに含み、ウィッキング部材は、参照流体に曝露されたときに膜において液絡部を維持する、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照/参照による組み入れの記述
主題となる出願は、2021年12月20日に出願された米国仮出願第63/265,740号の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張する。上記で参照した特許出願の全内容を、参照によって明示的に本明細書に組み入れる。
【背景技術】
【0002】
現代の血液分析器は、少量の患者の血液を測定するために使用するように設計されている。そうするために、分析器は血液をサンプリングデバイスからセンサ、最終的には廃棄容器へと輸送する。しかし、従来の血液分析器で使用されているセンサは、センサ付近の気泡の存在または形成に起因する測定誤差の影響を受けやすい。
【0003】
これらの測定のために使用されるセンサは、イオン特有の電極またはイオン選択性電極(ISE)である。これらのセンサは、特定のイオンに反応する膜型電気化学トランスデューサである。バイオセンサは、従来の臨床検査室における分析器だけでなく、ポイントオブケア検査デバイスにも使用されている。バイオセンサは生化学信号を電気信号に変換する。
【0004】
電解質は、電気化学分析の一形態である電位差測定によって決定される。電位差測定では、溶液中の2つの電極間の電位または電圧を測定する。これらの電位は、金属およびその金属のイオンが溶液中に存在する場合にも発生する。イオンに対して半透過性膜を使用することによって、異なる濃度のイオンを分離することができる。これらのシステムでは、参照電極および測定電極を使用する。一定の電圧が参照電極に印加され;参照電極と測定電極との間の電圧の差を用いて溶液中のイオン濃度を計算する。
【0005】
溶液中のイオン含有量を測定するための典型的なデバイスとしては、参照電極、および別の電位差電極または「作用」電極が挙げられる。これらが、ある量の分析される溶液(すなわち試験溶液)中に浸漬されると、参照電極および作用電極は一緒に電気化学セルを構成する。参照電極は、作用電極が試験溶液から検出する電位に対して一定の電位を与える。セル間の電位差(すなわち電圧)(すなわち、作用電極と参照電極間の電位差)は、試験溶液中のイオンの活性に比例する。ひいては、この電位差は試験溶液中のイオン濃度に関係するため、濃度は参照電極と作用電極との間で測定された電圧の関数として直接決定される。
【0006】
電解質は、分析する溶液および電解質自体の流れを抑制しながらイオン輸送を可能にする膜の後ろの電解質リザーバに閉じ込められる。したがって、電解質は、流れ抑制液絡部で試験溶液と接触し、これにより拡散によるイオンの流れは許容するが、対流によるイオンの流れは許容しない。膜は流れ抑制液絡部の領域を画成する。先行技術の参照電極は、典型的には、電解質リザーバに含まれる濃塩化カリウム(または何らかの同等の製剤)の電解質溶液に浸漬した、塩化銀で被覆された銀ワイヤである。したがって、参照電極および電解質溶液は電解質リザーバに含まれている。
【0007】
典型的な作動配置では、作用電極および参照電極は、試験溶液(例えば、血液試料)および較正溶液に順次曝露される(較正溶液は血液試料の後でも、先行していてもよい)。較正溶液は、測定される既知濃度のイオンを含む。試料および試薬に応じた参照電極と作用電極との間の電位差の比較によって、血液試料中のイオン濃度について正確に較正された値が決定される。
【0008】
センサアセンブリの収納および輸送中に膜での塩の結晶化および沈殿を防ぐために、プラグ、キャップ、またはフィルムが採用され、収納中、膜が電解質から封止された状態を保つ。使用準備が完了すると、プラグを動かして膜を電解質溶液(例えば、塩溶液)に曝露することにより、その動作機能を果たすように電解質リザーバが「ウェットアップ」することができる。しかし、気泡が電解質溶液と膜との間に形成され、それにより膜が「ウェットアップ」するのを妨げることがある。さらに、膜が「ウェットアップ」された後、使用中に気泡が膜の上に形成され、その結果、参照溶液との連結に好ましくない変化または損失が生じ、膜を横切るイオンの流れに悪影響を及ぼし、その結果、測定誤差が生じる。膜または膜付近に付着した気泡は、電解質溶液が膜に適切に接触すること、または膜を完全に被覆することを妨げ、それによって膜領域における適切な液絡部の維持および/または作成に悪影響を及ぼし、その結果、抵抗が高くなり、電圧測定値が高くなる(誤差が生じる)。したがって、「ウェットアップ」中に膜または膜付近に形成される気泡は、センサアセンブリの測定誤差に不利な結果をもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、乾燥した状態で出荷することができ、したがって長い保管期間を提供するが、気泡を形成することなく使用するために「ウェットアップ」することができる参照電極構造を有するセンサアセンブリが必要とされている。特に、センサ膜の領域における気泡を回避および/または低減し、したがって、測定誤差をなくす、および/または低減する膜領域を横切る液絡部の維持および/または作成を改善するセンサアセンブリが必要とされている。本明細書に開示される発明概念は、このようなセンサアセンブリに関するものである。
【0010】
本明細書に開示された発明概念の製造および使用において関連技術分野における当業者を支援するために、添付の図面および図解を参照する。これらは、縮尺通りに描かれることを意図しておらず、一貫性のために、同じ参照数字は同一または類似の要素を指すことを意図している。明瞭さのために、すべての図面においてすべての構成要素が標識付けされているわけではない。図面の特定の構成および特定の視点は、明瞭さおよび簡潔さの点から、誇張して、縮尺通りではなく、または模式的に示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本明細書に開示された発明概念に従って構成されたセンサアセンブリを有する血液分析器の斜視図である。
【
図2】血液分析器から取り外されたセンサアセンブリを示す、
図1の血液分析器の分解斜視図である。
【
図4】
図3のセンサアセンブリの底面斜視図である。
【
図5】
図3のセンサアセンブリの底面平面図である。
【
図6】センサアセンブリのハウジングのベースの上面斜視図である。
【
図7】明瞭さのために一対のカバーが取り除かれた
図6のベースの底面平面図である。
【
図8】
図6の線8-8に沿ってとられた断面図である。
【
図9】
図6の線9-9に沿ってとられたベースの断面図である。
【
図11】一対のセンサアレイを示すためにカバーが取り除かれた、センサアセンブリの部分斜視図である。
【
図12】参照電極収容空間を示す、
図3の線12-12に沿ってとられた断面図である。
【
図13A】閉位置での封止材を示す、
図3の線13A-13Aに沿ってとられた断面図である。
【
図14A】閉位置における封止材を示す封止材の別の実施形態の断面図である。
【
図15A】本開示に従って構築された別の参照電極収容空間、封止材、ウィッキング部材、および膜アセンブリの別の実施形態の断面図である。
【
図15B】本開示に従って構築された別の参照電極収容空間、封止材、ウィッキング部材、および膜アセンブリのさらに別の実施形態の断面図である。
【
図15C】本開示に従って構築された別の参照電極収容空間、封止材、ウィッキング部材、および膜アセンブリのさらに別の実施形態の断面図である。
【
図15D】本開示に従って構築された別の参照電極収容空間、封止材、ウィッキング部材、および膜アセンブリのさらに別の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な図面、実験、結果、および検査室手順によって本発明概念の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明概念は、以下の説明に記載されるか、または図面、実験、および/もしくは結果に示される構成の詳細および構成要素の配置にその適用が限定されないことを理解されたい。本発明概念は、他の実施形態、または様々な方法で実践もしくは実施することが可能である。本明細書で使用される文言は、可能な限り広い範囲および意味を与えられることが意図され;実施形態は例示的だが網羅的なものではないことが意図される。また、本明細書で採用される言い回しおよび用語は、説明を目的とするものであり、限定的なものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0013】
別途定義しない限り、現在開示され特許請求されている発明概念に関連して使用される科学用語および技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈上特に必要とされない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。前述の技術および手順は、一般に、当技術分野で周知であり、本明細書を通じて引用され、論じられる様々な一般的でより具体的な文献に記載される従来の方法に従って実行される。本明細書に記載される分析化学、有機合成化学、および医薬化学に関連して利用される命名法、ならびにそれらの検査室手順および技術は、当技術分野において周知であり、一般的に使用されるものである。標準的な技術が化学合成および化学分析のために使用される。
【0014】
本明細書において開示され、特許請求されるすべての物品、組成物および/または方法は、本開示を考慮すれば、過度の実験を行うことなく製造および実行することができる。本発明概念の物品、組成物および方法は、特定の実施形態の観点から記載されているが、当業者には、本発明概念の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される、物品、組成物および/または方法、ならびに方法の工程もしくは工程のシーケンスに変形を適用することができることが明らかであろう。当業者に明らかなそのような類似の代替物および変更はすべて、添付の特許請求の範囲により定義される本発明概念の趣旨、範囲および概念の範囲内であるとみなされる。
【0015】
本開示の下で利用される場合、以下の用語は、別途示されない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする:
【0016】
特許請求の範囲および/または明細書において用語「~を含む」と併せて使用される場合、単語「a」または「an」の使用は、「1つ」を意味することができるが、「1つまたはそれ以上」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは2つ以上」の意味とも一致する。
【0017】
特許請求の範囲における用語「または」の使用は、代替物のみを指すように明示的に示されない限り、または代替物が相互に排他的でない限り、「および/または」を意味するように使用されるが、本開示は、代替物のみおよび「および/または」を指す定義を支持する。
【0018】
本出願を通じて、用語「約」は、値が、デバイス、値を決定するために採用される方法、または試験対象間に存在する変動の、誤差固有の変動を含むことを示すように使用される。
【0019】
用語「少なくとも1つ」の使用は、1つだけでなく、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、100などを含むがこれらに限定されない、任意の2つ以上の量を含むと理解されるであろう。用語「少なくとも1つ」は、それが付加される用語に応じて、100または1000またはそれ以上にまで及ぶことができ;加えて、100/1000の量は、より大きい限界値も満足のいく結果をもたらし得るため、限定的とみなすべきものではない。加えて、「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」という用語の使用は、Xのみ、Yのみ、およびZのみ、ならびにX、YおよびZの任意の組合せを含むと理解されるであろう。
【0020】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、「含む(comprising)」(ならびに「comprise」および「comprises」などの、含む(comprising)の任意の形態)、「有する(having)」(ならびに「have」および「has」などの、有する(having)の任意の形態)、「含む(including)」(ならびに「includes」および「include」などの、含む(including)の任意の形態)、または「含む(containing)」(ならびに「contains」および「contain」などの、含む(containing)の任意の形態)という語は、包括的またはオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素または方法工程を除外するものではない。
【0021】
本明細書で使用される場合、「またはそれらの組合せ」という用語は、その用語の前に列挙された項目のすべての順列および組合せを指す。例えば、「A、B、C、またはそれらの組合せ」は:A、B、C、AB、AC、BC、またはABC、また特定の文脈において順序が重要である場合は、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCAB、のうちの少なくとも1つを含むことが意図されている。引き続き例を挙げると、BB、AAA、MB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなど、1つまたはそれ以上の項目または用語の繰り返しを含む組合せが明示的に含まれる。当業者であれば、特に文脈から明らかな場合を除き、典型的には、どのような組合せにおいても項目または用語の数に制限はないことを理解するであろう。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「試料」およびその変形は、例えば、生物学的組織、生物学的流体、化学流体、化学物質、懸濁液、溶液、スラリー、混合物、凝集物、チンキ、スライド、粉末、または生物学的組織もしくは流体の他の調製物、生物学的組織もしくは流体の合成類似物、細菌細胞(原核細胞または真核細胞)、ウイルス、単細胞生物、溶解した生体細胞、固定した生体細胞、固定した生体組織、細胞培養物、組織培養物、遺伝子組み換えされた細胞および組織、遺伝子組み換えされた生物、ならびにそれらの組合せを含むことが意図される。
【0023】
本明細書で使用する場合、「ウェットアップ」という用語は、流体分析器にセンサを設置してから、安定した信号が較正試薬(例えば、参照流体)から得られる時点までの(例えば、膜の)水和プロセスを指すと理解されるであろう。安定した信号は、液絡部が形成され、維持されている場合に得られる。ウェットアップ中に膜またはその付近に形成される気泡は、液絡部の形成または維持を妨げることにより、信号の安定性に悪影響を及ぼすことがある。したがって、本明細書に記載されるウェットアップの改善には、安定した信号、したがって、気泡のない、または気泡が低減された膜に液絡部を得ること、および/または維持することが含まれる。
【0024】
本明細書で使用される場合、「流体連通可能な、または流体連通するように構成された」というフレーズは、2つの要素/区画間の流体の流れを可能にするそれらの間の直接的または間接的な流体連通を指す。加えて、「流体連通可能な、または流体連通するように構成された」というフレーズは、2つの要素/区画間の流動点が封止または他の方法で塞がれるが、2つの要素/区画は、その中またはその間に形成された封止材/プラグの穿刺、穿孔、または別様の除去によってその間に流体の流れを有することが可能である場合を含む。
【0025】
本発明概要の実施形態の以下の詳細な説明では、本発明概念のより完全な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本開示の範囲内の発明概念は、これらの具体的な詳細がなくても実践されることが当業者には明らかであろう。他の場合には、周知の構成は、本開示を不必要に複雑にすることを避けるために詳細には記載されていない。
【0026】
最後に、本明細書で使用する場合、「一実施形態」または「ある実施形態」へのいかなる言及も、実施形態に関連して記述される特定の要素、構成、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の種々の箇所における「一実施形態では」というフレーズの登場は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。
【0027】
本明細書で開示および/または特許請求される発明概念は、概して、体液分析器用のセンサアセンブリに関する。センサアセンブリは、参照電極を含む参照電極容器と;参照電極容器と流体連通可能な、または流体連通するように構成された膜と;参照電極容器と流体連通可能な、または流体連通するように構成されたウィッキング部材とを含む。ウィッキング部材は、膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されているとき(すなわち、膜およびウィッキング部材が参照電極容器と流体連通しているとき)、参照電極容器に含まれている参照流体を膜の方へ引き寄せるように構成されている。膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されていない(すなわち、参照流体から封止されている)とき、膜およびウィッキング部材は参照電極容器と流体連通していない。膜およびウィッキング部材は、参照電極容器内に位置することができ、または参照電極容器の外部に位置するが、参照電極容器と流体連通することができる。
【0028】
別の態様では、本明細書に開示され特許請求される発明概念は、概して、流体入口および流体出口を有する試料プローブを有する試料受容アセンブリと、流体廃棄アセンブリと;試料受容アセンブリおよび流体廃棄アセンブリと流体連通しているセンサアセンブリとを含む流体分析器に関する。センサアセンブリは、参照電極を含む参照電極容器と;参照電極容器と流体連通可能な、または流体連通するように構成された膜と;参照電極容器と流体連通可能な、または流体連通するように構成されたウィッキング部材とを含む。ウィッキング部材は、膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されているとき(すなわち、膜およびウィッキング部材が参照電極容器と流体連通しているとき)、参照電極容器に含まれている参照流体を膜の方へ引き寄せるように構成されている。膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されていない(すなわち、参照流体から封止されている)とき、膜およびウィッキング部材は参照電極容器と流体連通していない。膜およびウィッキング部材は、参照電極容器内に位置することができ、または参照電極容器の外部に位置するが、参照電極容器と流体連通することができる。
【0029】
別の態様では、本明細書で開示および特許請求される発明概念は、概して、体液分析器用のセンサアセンブリを形成する方法に関する。本方法は、参照電極を含み、参照流体を含むように構成され参照電極容器と流体連通可能となるように膜を位置決めすることと、膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されているときに、参照流体を膜の方へ引き寄せるようにウィッキング部材を位置決めすることとを含む。膜およびウィッキング部材は、参照電極容器の内側または外側に位置する。
【0030】
本明細書に記載され、添付の図面に示されるのは、流体試料分析器による分析のために流体試料から空気または他の気体の泡を除去するために、採取シリンジおよび液体試料分析器と関連して使用される、現在特許請求され、開示された発明概念の装置のいくつかの非限定的実施形態である。流体試料は一般に生物学的供給源由来のものである。「流体」とは、一定の形状を持たず、外圧に対して容易に降伏するあらゆる物質を意味する。
【0031】
ここで図面、より具体的には
図1および
図2を参照すると、1つまたはそれ以上の標的分析物についての1種またはそれ以上の試料を分析するための例示的な血液分析器10が図示されている。特定の実施形態では、血液分析器10は、ポイントオブケア分析器または当技術分野で知られている血液分析器である。例示的なポイントオブケア分析器は、Siemens Healthcare Diagnostics, Inc.から入手可能であり、RAPIDLab 1200、RapidLab 348EX、RAPIDPoint 500、RAPIDLab 248/348、RAPIDPoint 400/405、およびRAPIDPoint 340/350システムという商標の下で販売されている。その他の市販のポイントオブケア機器は、Roche Molecular Systems Inc.、Medica Corp.、Radiometer Medical(デンマーク)、およびNova Biomedical Corp.から入手可能である。
【0032】
血液分析器10は、複数の試料分析構成要素および/またはモジュールを収容し支持するための筐体12を含む。これらの構成要素は、試料受容アセンブリ14、流体チュービングアセンブリ16、センサアセンブリ18、および試薬アセンブリ20を含むことができる。筐体12は、検査の進行を示すための表示スクリーン22を支持することもできる。
【0033】
血液分析器10に導入される流体試料は、例えば、当技術分野で知られている適切な方法およびデバイスによって対象から採取された体液、病原菌、または膿瘍などの、対象から採取された任意の生物学的物質を含み得る。体液としては、尿、全血、血清、血漿、唾液、髄液、胸水、透析液、鼻咽頭スワブ、膣スワブ、涙、組織などが挙げられるが、これらに限定されない。試料としては、特定の試料に必要な、または所望される任意の適切な緩衝液、希釈剤などがさらに挙げられる。特定の実施形態では、試料は血液試料を含み、これは:血漿および全血細胞を含む全血試料;血漿試料;または血清試料であり得る。特定の実施形態では、試料は全血試料を含む。全血試料は、赤血球、血小板などを含んでいてもよい。他の実施形態では、血液試料は血漿試料を含む。血漿試料を得るために、試料は、遠心分離または市販の多孔質膜などの知られている方法および構成要素を用いて、複数の全血細胞を除去するように処理されている。
【0034】
試料受容アセンブリ14は、分析のために液体試料を輸送容器(図示せず)からセンサアセンブリ18に導入するように適合されている。試料受容アセンブリ14の例は、米国特許第10,928,409号に開示されており、参照により本明細書に明示的に組み入れる。一例では、試料受容アセンブリ14は、試料プローブ24が異なるタイプの試料輸送容器から流体試料を受け取ることができるように、選択された位置に回転可能であり得る試料プローブ24を含む。試料輸送容器の例としては、シリンジ、バキュテイナ、およびキャピラリーチューブ(図示せず)が挙げられる。試料プローブ24はまた、試薬アセンブリ20の流体出口26を封止するために、スタンバイモード(例えば、垂直方向)で配向され、これにより、試料受容アセンブリ14を使用して、試薬アセンブリ20からセンサアセンブリ18に流体を輸送する。
【0035】
試薬アセンブリ20は、検査に使用される複数の試薬流体を保持する。試薬は、封止された袋またはボトル(図示せず)などのリザーバに提供される。試薬アセンブリ20は、知られている組成を持つ処理液(当業者には既知である:QC1、QC2、QC3、CRL3(S1940)、CRL2(S1930)、RINSE/CAL1(S1920))が予め充填された1つまたはいくつかのリザーバを含むことができる。当業者であれば、所望される正確な試験に応じて、他の化学物質が提供されることを理解するであろう。
【0036】
試薬アセンブリ20は、例えば、試料受容アセンブリ14と封止係合されたときに、試薬アセンブリ20がセンサアセンブリ18と流体連通して、試薬アセンブリ20からセンサアセンブリ18に試薬流体が流れることを可能にするように、流体出口26を画成するゴム製乳首(図示せず)を含むことができる。試薬アセンブリ20は、血液分析器10の部材として一体化されるか、さもなければ取り外し可能/使い捨て可能に構成される。
【0037】
センサアセンブリ18は、流体試料に接触するために使用されるセンサを含む。センサアセンブリ18は、血液分析器10に一体化されるか、さもなければ、取り外し可能/使い捨て可能なモジュールユニットおもよい。センサアセンブリ18は、既知の方法に従ってセンサからの分析検査結果を収集、記憶、および分析することができるコンピューティングユニット(図示せず)と直接、または間接的に通信することができる。流体試料をセンサアセンブリ18に送達した後、血液分析器10は試薬アセンブリ20から流体を導入し、後続の流体試料の導入のために血液分析器10を準備することができる。
【0038】
【0039】
ハウジング30は、流体入口44、流体出口46、および流体入口44と流体出口46との間に延びる流体流路48を画成するように構成されている。ハウジング30は、互いから分離されたセンサ収容空間50(センサ容器50とも呼ばれる)および参照電極収容空間52(参照電極容器52とも呼ばれる)を有する。ハウジング30は、流体試料に対して化学的(例えば電気化学的)アッセイを実施するための様々な構成要素を支持する。
【0040】
図3に示すように、非限定的な一実施形態では、ハウジング30は、略矩形の形状であるように示されている。しかしながら、当業者であれば、ハウジング30は、円形、三角形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、または任意の多角形を含むが、これらに限定されない現在開示および/または特許請求されている発明概念を達成することができる任意の形状であり得ることを容易に理解できるはずである。さらに、ハウジング30は、合成ポリマーならびに/または天然に存在する、もしくは天然由来のポリマー(有機および/または無機の両方)、例えば単なる例として、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、および/または合成繊維、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、スチレンブタジエン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、アクリル、アクリル酸、およびアクリレートポリマー、ならびにそれらの組合せを含むが、これらに限定されない不透明および/または透明および/または半透明の材料を含む任意の適切な材料で構築される。
【0041】
ハウジング30は、互いに組み付けられたいくつかの異なる構成要素から構築される。現在開示および/または特許請求されている発明概念の非限定的な一実施形態では、ハウジング30は、ベース54と、カバー56と、プラグアセンブリ58とを含む(
図12)。ベース54は、電気化学システムを含み得る一体型分析物検出システム用の基板としての役割を果たす。非限定的な一実施形態では、
図5および
図6を参照すると、ベース54は、上面62および底面64を有する。上面62は、ベース54への追加の構成要素の固定を可能にし、かつ/または容易にする。ベース54は、ハウジング30の流体入口44を含み得る。流体入口44は、底面64から上面62までベース54を通って延び、流体試料の流体流路48(
図13A、
図13B)と交差する。
【0042】
非限定的な一実施形態では、ベース54は流体流路48の一部を画成することができる。より具体的には、流体入口44は、ベース54の上面62に沿って延びる溝66(
図6)の一端と交差することができる。溝66の他端では、ポート68(
図7)が上面62から底面64まで延びており、ポート68は、ベース54の底面64に形成された交差溝70(
図7)の一端と交差している。交差溝70は、基部54の底面64の一部に沿って延びている。交差溝70は、交差チャネルを画成するようにカバー72(
図5)で覆われている。ポート74(
図7)は、交差溝70の他端から、底面64から上面62まで延び、ポート74は、ベース54の上面62に沿って延びる溝76(
図6)の一端と交差する。溝76は溝66と平行な関係で延び得る。
【0043】
溝76の他端では、ポート78(
図7および
図8)が上面62から底面64まで延び、ポート78はベース54の底面64に形成された溝80の一端と交差している。溝80は底面64の一部に沿って延び、溝80の他端は底面64から上面62まで延びているポート82(
図7および
図8)と交差している。参照電極収容空間52内のベース54の上面62は、突起84(
図6および
図8)を含む。ポート82は突起84の遠位端まで延びている。突起84の遠位端はスロット86を有し、ポート82はスロット86の一端と交差する(
図6および
図7)。スロット86の他端は、上面62から底面64まで延びるポート88の一端と交差しているため、ポート82、スロット86、およびポート88は、略U字形の流路を画成する(
図8)。
【0044】
ポート88は、ベース54の底面64に形成された溝90(
図8)の一端と交差している。溝90は底面64の一部に沿って延びており、溝90の他端は底面64から上面62まで延びるポート92(
図9)と交差している。溝80および90は、一対のチャネルを画成するようにカバー94(
図5)で覆われている。
【0045】
ポート92は、上面62の一部に沿って延びる溝96(
図9)の一端と交差し、溝96の他端は、ベース54の上面62から底面64まで延びている流体出口46と交差している。
【0046】
ここで
図9~
図11を参照すると、非限定的な一実施形態では、少なくとも1つの分析物センサ32は、一対のセンサアレイ100aおよび100bの部材であってもよい。しかしながら、センサアセンブリ18は、任意の数の分析物センサアレイを含んでよいことが、当業者に理解されるべきである。センサアレイ100aおよび100bは、構成および実行される電気化学的アッセイ/測定の両方において、同じであっても異なっていてもよい。加えて、センサアレイ100aおよび100bは、
図9および
図11ではベース54の上面62にあるように示されているが、現在開示および/または特許請求されている発明概念を達成するために、同じ、または異なる面にあってもよい。例えば、センサアレイ100aはベース54の上面62にあってもよく、センサアレイ100bはベース54の底面64にあってもよく;あるいは、センサアレイ100aおよび100bの両方が底面64にあってもよい。
【0047】
適切なセンサアレイの一例は、国際公開第2020/05692号および国際公開第2020/005697号に開示されており、これら両方を、参照により本明細書に明示的に組み入れる。センサアレイ100aおよび100bは、上側表面および下側表面を有するセンサパネル102を含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたはそれ以上の分析物センサ108がセンサパネル102に位置する。センサパネル102は、セラミック、プラスチック、および/または同等のものを含むが、これらに限定されない材料から作製することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、センサアレイ100aおよび100bは、上側表面112および下側表面114を有する接着剤層110を含むことができる。一対のスロット116は、接着剤層110の長さに及び得る。接着剤層110の上側表面112は、センサパネル102の下側表面106に接着して固定される。接着剤層110の下側表面114は、スロット116が溝66および76と位置合わせされた状態で、ベース54の上面62に固定される。いくつかの実施形態では、接着剤層110は任意選択であってもよい。
【0049】
センサアレイ100aおよび100bは、それぞれ溝66および76の上に固定され、流体流路48の一部を画成する。流体流路48は、1つまたはそれ以上の分析物センサ108と接触するために検査試料または流体試料が溝66および76に沿って通るように構成される。
【0050】
ここで
図3、
図10、および
図12~
図14を参照すると、ハウジング30のカバー56は、センサアレイ100aおよび100bを間に挟んだ状態でベース54に固定されている。カバー56は、第1の端部130と、第2の端部132と、第1の側面134と、第2の側面136と、底面138とを有する。底面138は、センサアレイ100aおよび100bがその間に位置する状態でベース54の上面62に連結されるように構成されているため、カバー56は、カバー56の第1の端部130に隣接したセンサ収容空間50を画成する。カバー56の底面138は、電気ピン(図示せず)が分析物センサ108に接触することを可能にするために、分析物センサ108に対応する複数の開口部140を有することができる。
【0051】
ハウジング30の参照電極収容空間52は、複数の側壁142a~142dによってカバー56の第2の端部132に隣接して画成される。側壁142dは、センサ収容空間50を参照電極収容空間52から仕切っている。参照電極収容空間52は、キャップ144により密閉される。キャップ144は、参照電極34が参照電極収容空間52内に延びるように、参照電極34を支持することができる(
図12)。参照電極34は、例えば、塩化銀でコーティングされた銀線であり得る。参照流体36は、参照流体36が参照電極34に接触するように、参照電極収容空間52内に配置される。参照流体36は、塩化カリウム水溶液(または同等の製剤)などの電解質溶液であってもよい。
【0052】
参照流体36は、膜、フィルム、バリア、狭窄部、または境界領域などの流動制限領域において、流体流路48の流体試料と接触する(例えば、イオン的および/または電気的な接続を形成する)。参照流体36は、流量制限領域またはその付近で流体試料との液絡部38を形成する。液絡部とは、組成が異なる2つの電解質溶液(例えば、参照流体36と流体試料)の間の境界であり、そこで液絡部電位と呼ばれる電位差が生じる。流量制限領域は、拡散によるイオンの流れを許容するが、制限された拡散タイプの液絡部を画成するように流体流れを制限する多孔質領域(1つまたはそれ以上の細孔または穴を有する)であってもよい。非限定的な一実施形態では、流量制限領域は、参照電極収容空間52と流体流路48との間に位置し、液絡部38の領域を画成する膜150(
図13A~
図13Bおよび
図14A~
図14B)を含む。したがって、膜150は、参照電極収容空間52をセンサ収容空間50から流体的に分離する(すなわち、流体の流れを制限または防止するが、イオンの流れは許容する)。膜150は、スロット86を覆うようにベース54の突起84の周囲に位置している。突起84は、ベース54にあるカバー56の底面138を通って設けられた開口部を通って上に延びている。膜150は円盤状であってもよく、Oリング152などの固定部材により突起84の周囲に固定される。
【0053】
膜150は、例えばポリマー材料などの1種またはそれ以上の適切な材料で形成され、かつ/または処理(例えばコーティング)される。非限定的な一実施形態では、膜150の全部または一部は、親水性材料であってもよい。さらに別の実施形態では、膜150の全部または一部は親水性材料で処理(例えば、コーティング)される。親水性材料で形成された、または親水性材料を含む膜は、有利には、膜150がその動作機能を果たすように「ウェットアップ」するように強化し、気泡形成を防止する助けとなるため、膜150における液絡部の安定性を維持する助けとなる。膜150または膜コーティングの適切な非排他的な材料の例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、および変性ポリ塩化ビニル、ならびに当業者に知られている任意の類似の水和性ポリマー膜が挙げられる。他の適切な非排他的な材料の例としては、酢酸セルロース、または多孔質ガラス、またはセラミックなどであり得る。均質膜の代わりに、異種膜を使用することもできる。本明細書において異種膜という用語は、少なくとも2つの異なる材料から形成され、かつ/または少なくとも2つの異なる材料を用いて処理(例えば、コーティング)された膜を指す。例示的な一実施形態では、「ウェットアップ」を強化するために、膜150の流体流路48に面する面は、膜150の参照電極収容空間52に面する面よりも高い親水性を有し、膜150の参照電極収容空間52に面する面は、疎水性材料を含むか、または膜150の流体流路48に面する面と比較して低い親水性を有する材料を含むことができる。あるいは、別の実施形態では、膜150の参照電極収容空間52に面する面は、膜150の流体流路48に面する面よりも高い親水性を有する。
【0054】
参照電極収容空間52は、参照流体36を収容するように構成されている。センサアセンブリ18は、参照流体36が参照電極収容空間52に位置している状態で収納および出荷されてもされなくてもよいが、いずれの実施形態においても、膜150は、動作上所望されるまで、参照流体36との接触を防止するために封止される。
図12に示す一実施形態では、プラグアセンブリ58が膜150を封止するために設けられている。プラグアセンブリ58は、カバー56に枢動可能に連結されたレバー154(
図10)と、レバー154の一端に連結されたブラダー156(
図10)とを含むことができる。プラグ40(
図10~
図13B)はレバー154の他端に連結されている。プラグ40は、硬質または半硬質のキャップであってもよい。アクチュエータ(図示せず)によるブラダー156の作動により、レバー154は、プラグ40が液絡部38(例えば、膜150)を参照流体36から封止する閉位置(
図13A)から、参照流体36が流体流路48と流体連通して膜150またはその付近に液絡部38を形成する開位置(
図13B)へとプラグ40を動作する。
【0055】
非限定的な一実施形態では、カバー56の底面138は、イオン拡散を制御するために膜150が位置するウェルまたはポケット160を含む。プラグ40の一部はポケット160と嵌合し、膜150を参照流体36から封止することができる。センサアセンブリ18で使用される流体空間が小さいため、プラグ40を開位置に動かして膜150を参照流体36に曝露したときに、参照流体36と膜150との間に気泡が形成され、それによって膜150が「ウェットアップ」になるのを妨げ、センサアセンブリ18の測定誤差が生じる。
【0056】
ウィッキング部材42は、参照電極収容空間52と流体連通するように構成され(例えば、参照電極収容空間52に位置するが、これに限定されない)、膜150の表面に接触するように配置される。ウィッキング部材42は、プラグ40が閉位置にあるとき、参照流体36から封止されるように構成され、ウィッキング部材42は、プラグ40が開位置にあるとき、参照流体36を膜150と接触するように引き寄せるように構成される。開位置では、ウィッキング部材42は参照流体36と膜150との接触を維持するように構成され、したがって液絡部38を維持するように構成される。
【0057】
図13A~
図13Bおよび
図14A~
図14Bでは、ウィッキング部材42はポケット160に位置するストリップとして図示されており、ここではウィッキング部材42の一端または表面は膜150と接触している。しかし、ウィッキング部材42は様々な形状およびサイズで構築できることが理解されるであろう。また、一実施形態では、2つ以上のウィッキング部材42を採用することもできる。1つまたはそれ以上のウィッキング部材は、膜150の参照電極収容空間52に面する表面の少なくとも一部と接触するように配置される。ウィッキング部材42は参照流体36を吸収し、参照流体36を膜150の表面に引き寄せる。参照流体36を膜150に接触させることにより、ウィッキング部材42は気泡の形成を防止する助けとなり、したがって膜150における液絡部を維持および/または作成する助けとなり、それによって測定誤差を低減させる。一実施形態では、ウィッキング部材42は親水性材料であるか、または親水性材料でコーティングされる。あるいは、ウィッキング部材42は、疎水性材料と親水性材料の組合せで形成され、かつ/またはコーティングされ、親水性材料部分は、センサアセンブリ18の作動方法中に参照流体36に曝露される。本明細書で使用する場合、「ウィッキング部材」とは、オープンメッシュのようなオープン構造を有する任意の物質もしくは材料、マトリックス、混合物または複合材料を指す。例えば、ウィッキング部材は、フィラメント繊維から作られた織布および/もしくは不織布(押出成形)材料で形成されるか、または焼結材料(例えば、ポリマーもしくは金属ペレットのような複数のペレットから作られた非繊維材料)で形成される。他の非限定的な例示的材料としては、例えば、セルロース、ポリエステル、ナイロン、アラミド、ポリエチレン、および/またはガラス繊維が挙げられ、これらは多くの利用可能な繊維の中で用途に適したものとして利用し得る。ウィッキング部材42に適切な材料は、EMD Millipore Corporation、(マサチューセッツ州Billerica)から市販されているHi-Flow(商標)Plus MembraneおよびSureWick(登録商標)Pad Materialsである。
【0058】
閉位置にあるときにウィッキング部材42を封止するために、プラグ40は、
図13A~
図13Bに示すように、中空とすることができ、ウィッキング部材42がそこを通って位置する開口底部を有する。ウィッキング部材42は、適切な接着剤を用いて、または部材の干渉もしくは捕捉によって、膜150の表面に取り付けられるなど、ポケット160の内側に取り付けられる。
【0059】
図14Aおよび
図14Bに示す別の実施形態では、プラグ40またはプラグアセンブリ58の代わりに、封止材は、液絡部38(例えば、膜150)を参照流体36から封止するために、閉位置(
図14A)においてカバー56の底面138の上に位置するフィルムまたはコーティングなどの穿孔可能なバリア170であり得る。閉位置(すなわち、穿孔されていない、または破断されていない位置)において、穿孔可能なバリア170は、膜150およびウィッキング部材42を参照流体36から封止可能に分離するように構成される。一実施形態では、
図14Aに示すように、膜150およびウィッキング部材42を封止するために、穿孔可能なバリア170は、膜150およびウィッキング部材42を含むポケット160を横切って延びる。穿孔可能なバリア170は、ウィッキング部材42の表面と直接接触していても、していなくてもよい。一実施形態では、穿孔可能なバリア170は、穿孔可能なバリア170が閉位置にあるとき、参照流体36が膜150および/またはウィッキング部材42に接触するのを防止することをさらに促すために、疎水性材料であってもよい。
【0060】
センサアセンブリ18が起動されると、穿孔可能なバリア170(例えば、フィルムまたはコーティング)は、穿孔可能なバリア170が開位置にあるように、破断または穿孔される(
図14B)。穿孔可能なバリア170は、参照流体36が流体流路48と流体連通する液絡部38を形成するために、穿孔可能なバリア170を引き裂くまたは穿刺することによって破断または穿孔することができる。例示的な一実施形態において、穿孔可能なバリア170は、ハウジング30に取り付けられ、センサアセンブリ18が起動されるときに穿孔可能なバリア170に向かって(例えば、使用者またはアクチュエータによって)作動または移動されるように構成された穿孔要素または穿刺要素などの機械的穿孔機(図示せず)によって破断または穿孔される。あるいは、または加えて、穿孔可能なバリア170は、例えば、火花、衝撃、または振動(例えば、超音波)信号のような電気穿孔機によって破断または穿孔され、この電気穿孔機は、センサアセンブリ18が起動されたときに穿孔可能なバリア170を破断し、膜150を参照流体36に曝露させるように構成されている。したがって、引き裂き要素または穿刺要素(図示せず)による穿孔可能なバリア170の穿孔または破断は、ウィッキング部材42を参照流体36に曝露させ、その結果、「ウェットアップ」の強化、および気泡形成の低減のために参照流体36の膜150への引き寄せが促される。
【0061】
図13A~
図13Bおよび
図14A~
図14Bに示す実施形態では、ウィッキング部材42および膜150は、参照電極収容空間52の内側に位置する。しかしながら、重要なことは、ウィッキング部材42の一部が膜150の一部に接触するように配置されること、およびウィッキング部材42および膜150が、動作上所望されるまで、参照電極収容空間52に含まれる参照流体36との流体連通または接触を防止するための封止材(例えば、プラグまたは穿孔可能なバリア)によって封止されるように構成されていることである。したがって、
図15A~
図15Dに示されるように、ウィッキング部材および膜が、参照電極収容空間の内部に対して外側または外部に位置することは、本開示の範囲内である。1つの代替的実施形態では、
図15Aに示されるように、参照電極収容空間52aの壁180の一部(例えば、底壁180の一部)は、封止材184(例えば、プラグまたは穿孔可能なバリア)で覆われる隙間または開口部182を有する。ウィッキング部材42aの第1の端部186または表面は、隙間182に位置するか、またはそうでなければ隙間182を横切って延びる封止材184と接触するように構成される。ウィッキング部材42aは、参照電極収容空間52aから離れた(例えば、参照電極収容空間52aの底壁180から離れた)その第1の端部186から、第1の端部186の反対側にある、ウィッキング部材42aの第2の端部188または表面に向かって延びている。ウィッキング部材42aの第2の端部188は、膜150aの、参照電極収容空間52aに面する表面190の少なくとも一部と接触するように配置される。本実施形態において、封止材184(例えば、プラグまたは穿孔可能なバリア)は、
図13A~
図13Bおよび
図14A~
図14Bのプラグ40および穿孔可能なバリア170の封止材と類似していてもよいが、ただし、封止材184は、閉位置にあるとき、参照電極収容空間52aの壁180の一部(例えば、底壁180の一部)の隙間182または開口部を封止するように構成され、封止材184(例えば、プラグまたは穿孔可能なバリア)が開位置にあるとき、隙間182を露出させ、したがって内部に位置するウィッキング部材42aを露出させ、参照流体を膜150aに接触させるように構成されている。
【0062】
図15Aでは、ウィッキング部材42aは、ウィッキング部材42aの第1の端部186が参照電極収容空間52aの壁180の内面と実質的に同一平面上にあるように参照電極収容空間52aの壁180の隙間182内に延び、次いで、隙間182内のウィッキング部材42aは、参照電極収容空間52a内にある封止材184によって覆われる。しかしながら、本開示の範囲は、ウィッキング部材および封止材を、参照電極収容空間の内側、内部、外部、または外側の任意の位置に位置決めすることを含むことが理解されるであろう。
【0063】
参照電極収容空間の底壁の隙間を横切って延びる封止材に代えて、封止材は、動作上所望されるまで、隙間に連結されるか、または隙間を通って延びる嵌合部材を封止するように配置される。嵌合部材は、ウィッキング部材の少なくとも一部(例えば、第1の端部)がその中に位置し、封止材が嵌合部材(例えば、ウェルまたはポケットの上側表面)と嵌合して、封止材が開放されるまでウィッキング部材および膜を参照流体との流体的連通から封止することができるウェルまたはポケットであってもよい。嵌合部材は、
図13A~
図13Bおよび
図14A~
図14Bに記載されたウェルまたはポケット160と同様の設計および機能であってもよいが、ただし、嵌合部材の少なくとも一部が参照電極収容空間の外部に位置し、参照電極収容空間の壁の隙間と位置合わせされる。
【0064】
非限定的な一実施形態(
図15B)では、嵌合部材(例えば、ポケットのウェル(well of pocket))は、参照電極収容空間の外壁に連結され、参照電極収容空間の内部から離れるように延びることができ、ここで、封止材は、参照電極収容空間の外壁に沿って隙間を横切って延びるように構成される。
図15Bに見られるように、ウィッキング部材42bは、参照電極収容空間52bの外側および外部に位置する。封止材184bは、ウィッキング部材42bの第1の端部186bの上に配置され、参照電極収容空間52bの壁180bの隙間/開口部182bを覆う。嵌合部材192は、ウィッキング部材42bの少なくとも一部(すなわち、第1の端部186b)が嵌合部材192内(すなわち、嵌合部材192の側壁内)に位置するように、ウィッキング部材42bの第1の端部186bの側面から下方(すなわち、参照電極収容空間52bから離れる方向)に延び、その側面の少なくとも一部の周囲に延びる。封止材184bは、参照電極収容空間52bとウィッキング部材42bとの間の流体連通が所望されない場合に、ウィッキング部材42bの第1の端部186bと隙間/開口部182bとが閉位置で封止されるように、嵌合部材192の側壁を横切って延びるように配置される。
【0065】
別の非限定的実施形態(
図15C)では、嵌合部材(例えば、ポケットのウェル(well of pocket))は、参照電極収容空間の壁と同一平面に位置し、隙間から参照電極収容空間の外部に向かって延び、ここで、封止材は、参照電極収容空間の底壁の内部と同一平面であるか、または位置合わせされる。
図15Cでは、ウィッキング部材42cは、ウィッキング部材42cの第1の端部186cが壁180cの内部に配置されるように、隙間182cに配置される。加えて、封止材184cはウィッキング部材42cの第1の端部186cを覆い、嵌合部材192cは、参照電極収容空間52cの壁180cの隙間/開口部182cを塞ぐようにその側面まで延びている。
【0066】
さらに別の実施形態(
図15D)では、嵌合部材(例えば、ポケットのウェル(well of pocket))は、嵌合部材の第1の端部が参照電極収容空間の内側に位置し、嵌合部材の第2の端部が参照電極収容空間の外側に位置するように、隙間を通って延びるように位置する。この実施形態では、ウィッキング部材は、ウィッキング部材の第1の端部が参照電極収容空間の内側に配置され、封止材と接触可能である一方、ウィッキング部材の第2の端部が参照電極収容空間の外側に配置され、膜と接触するように、参照電極収容空間の内側と外側の両方に位置する。特に、
図15Dでは、ウィッキング部材42cは、参照電極収容空間52dの壁180dの隙間182dを通って、その内部に延びる。封止材184dはウィッキング部材42dの第1の端部186dを覆い、嵌合部材192dは参照電極収容空間52dの壁180dを通って延びるウィッキング部材42dの側面の少なくとも一部を覆う。
図15A~
図15Dのすべてにおいて、ウィッキング部材42a/42b/42c/42dの第2の端部188/188b/188c/188d、ならびに膜150a/150b/150c/150dは、参照電極収容空間52a/52b/52c/52dの外部にある。
【0067】
使用時、センサアセンブリ18は筐体12内に挿入され固定される。封止材(例えば、プラグ40、穿孔可能なバリア170、または封止材184)は、閉位置から開位置へと移動または作動し、ウィッキング部材42および膜150を参照流体36に曝露させることにより、膜は「ウェットアップ」される。ウィッキング部材42は、センサアセンブリ18の改善された作動方法のために、膜150の「ウェットアップ」を補助し、強化する。例えば、ウィッキング部材42は、ウィッキング部材42が参照流体36を膜150および/またはポケット160の方へ引き寄せるため、センサアセンブリ18の「ウェットアップ」サイクルを強化し、膜150上の気泡形成を低減または防止し、それにより、気泡形成を防止し、ならびに形成された気泡を膜150から押し退ける助けとなる膜150および/またはポケット160の周囲の領域の完全な流体被覆を向上させ、膜150の「ウェットアップ」を向上させる。ウィッキング部材42は参照流体36を膜150の方へ引き寄せるため、ウィッキング部材42は参照流体36と膜150との接触を有利に促進し、維持し、それにより開位置での液絡部38の作成および維持を改善する。ウィッキング部材42の存在は、ウィッキング部材42の材料の親水性により、センサアセンブリ18の試験サイクル中に膜150の上での気泡形成を低減または防止することができる。ウィッキング部材42はまた、膜150の上の対流流体運動の排除および/または低減により、気泡の形成を低減または防止することができ、ここで、対流流体運動は、試験サイクル中に参照流体36が(例えば、37℃まで)加熱されるにつれて、不利なことに気体(したがって気泡)を導入する可能性がある。参照流体36の加熱により気体溶解度が変化し(すなわち、低下し)、参照流体36からの気体(例えば、酸素および窒素)の発生につながる可能性があり、それによって不利なことに膜150またはその付近での気泡の形成を促す。流体試料の所定回数の試験後、センサアセンブリ18はモジュールユニットとして筐体12から取り外すことができる。
【実施例】
【0068】
以下の実施例は、現在開示され特許請求されている発明概念の特定の有用な実施形態および態様を説明する助けとなり、その範囲を限定するものとして解釈されるものではない。
【実施例1】
【0069】
ウィッキング部材のない4つのセンサカートリッジを試験した。センサアセンブリの各々はウェットアップ不良を示した。センサアセンブリの各々は、24時間以内に膜の上に気泡を形成した。電位差信号はドリフトし始め、最終的には基準の喪失を示す測定値を記録した。
【実施例2】
【0070】
それぞれがウィッキング部材を備える3つのセンサアセンブリを試験した。いずれのセンサアセンブリも初期ウェットアップ中には故障せず、1週間の運転期間中にいずれのセンサアセンブリも故障しなかった。本実施例では、ウィッキング部材としてセルロースウィッキング材料を使用した。しかし、上述のように、ウィッキング特性を有するいかなる材料もウィッキング部材として使用されることを理解すべきである。
【0071】
上記の説明から、本明細書に開示される発明概念は、本明細書に開示される発明概念に固有のものと同様に、本明細書に記載される目的を遂行し、その利点を得るために十分に適用されることが明らかである。本明細書に開示された発明概念の例示的実施形態が、本開示の目的のために記載されたが、当業者に容易に示唆されており、本明細書に開示され、添付の特許請求の範囲によって定義される発明概念の範囲から逸脱することなく達成される多数の変更がなされることが理解されるであろう。
【0072】
非限定的な例示的実施形態
以下は、本明細書に開示された発明概念の非限定的な例示的実施形態のリストである。
【0073】
体液分析器用の例示的センサアセンブリであって:参照電極を含み、参照流体を収容するように構成された参照電極容器と;参照電極容器と流体連通するように構成された膜と;参照電極容器と流体連通するように構成され、膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されているときに、参照流体を膜の方へ引き寄せるように構成されたウィッキング部材とを含む、例示的センサアセンブリ。
【0074】
ウィッキング部材は膜と接触している、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0075】
ウィッキング部材は親水性材料を含む、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0076】
参照電極容器内に位置し、閉位置から開位置まで動作可能な封止材をさらに含み、閉位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体から封止され、開位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体に曝露される、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0077】
封止材はプラグである、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0078】
参照電極容器はポケットを有し、プラグは閉位置においてポケットと嵌合し、ウィッキング部材はポケット内でプラグと膜との間に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0079】
封止材は、穿孔されるように構成された穿孔可能なバリアである、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0080】
参照電極容器はポケットを有し、穿孔可能なバリアは閉位置においてポケットを被覆し、ウィッキング部材はポケット内で穿孔可能なバリアと膜との間に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0081】
膜および/またはウィッキング部材は参照電極容器の内側に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0082】
膜および/またはウィッキング部材は参照電極容器の外側に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0083】
ウィッキング部材の第1の端部は参照電極容器の内側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は参照電極容器の外側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は膜と接触し、膜は参照電極容器の外側に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0084】
流体入口、流体出口、および流体入口と流体出口との間に延び、試料流体を輸送するように構成された流体流路を有し、参照電極容器、および膜によって参照電極容器から流体的に分離されたセンサ容器を含むハウジングをさらに含み、膜の一方の面は参照電極容器に面し、膜の他方の面は流体流路に面する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0085】
流体流路と流体連通するセンサ容器に位置する少なくとも1つの分析物センサをさらに含む、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0086】
膜は少なくとも1つの細孔を含み、ウィッキング部材は、参照流体に曝露されたときに膜において液絡部を維持するように構成される、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的センサアセンブリ。
【0087】
流体入口および流体出口を有する試料プローブを有する試料受容アセンブリと;流体廃棄アセンブリと;試料受容アセンブリおよび流体廃棄アセンブリと流体連通するセンサアセンブリとを含み、センサアセンブリは:参照電極を含み、参照流体を収容するように構成された参照電極容器と;参照電極容器と流体連通するように構成された膜と;参照電極容器と流体連通するように構成され、膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されているときに、参照流体を膜の方へ引き寄せるように構成されたウィッキング部材とを含む、例示的流体分析器。
【0088】
ウィッキング部材は膜と接触している、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0089】
ウィッキング部材は親水性材料を含む、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0090】
センサアセンブリは、参照電極容器内に位置し、閉位置から開位置まで動作可能な封止材をさらに含み、閉位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体から封止され、開位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体に曝露される、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0091】
封止材はプラグである、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0092】
参照電極容器はポケットを有し、プラグは閉位置においてポケットと嵌合し、ウィッキング部材はポケット内でプラグと膜との間に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0093】
封止材は、穿孔されるように構成された穿孔可能なバリアである、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0094】
参照電極容器はポケットを有し、穿孔可能なバリアは閉位置においてポケットを被覆し、ウィッキング部材はポケット内で穿孔可能なバリアと膜との間に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0095】
膜および/またはウィッキング部材は参照電極容器の内側に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0096】
膜および/またはウィッキング部材は参照電極容器の外側に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0097】
ウィッキング部材の第1の端部は参照電極容器の内側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は参照電極容器の外側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は膜と接触し、膜は参照電極容器の外側に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0098】
センサアセンブリは、流体入口、流体出口、および流体入口と流体出口との間に延び、試料流体を輸送するように構成された流体流路を有し、参照電極容器、および膜によって参照電極容器から流体的に分離されたセンサ容器を含むハウジングをさらに含み、膜の一方の面は参照電極容器に面し、膜の他方の面は流体流路に面する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0099】
センサアセンブリは、流体流路と流体連通するセンサ容器に位置する少なくとも1つの分析物センサをさらに含む、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0100】
膜は少なくとも1つの細孔を含み、ウィッキング部材は、参照流体に曝露されたときに膜において液絡部を維持するように構成される、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的流体分析器。
【0101】
体液分析器用のセンサアセンブリを形成する例示的方法であって、参照電極を含み、参照流体を含むように構成された参照電極容器と流体連通可能であるように膜を位置決めすることと;膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されているときに、参照流体を膜の方へ引き寄せるようにウィッキング部材を位置決めすることとを含む、例示的方法。
【0102】
ウィッキング部材を位置決めする工程は、ウィッキング部材を膜と接触させることをさらに含む、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0103】
参照流体を参照電極容器に位置決めする前に、膜およびウィッキング部材を参照流体から封止することをさらに含む、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0104】
封止する工程は、膜およびウィッキング部材を、閉位置から開位置へと動作可能なプラグにより封止することをさらに含み、閉位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体から封止され、開位置では、参照電極容器が参照流体を含んでいるときにウィッキング部材および膜が参照流体に曝露される、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0105】
膜およびウィッキング部材を位置決めする工程は、膜およびウィッキング部材を参照電極容器のポケットに位置決めすることをさらに含む、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0106】
封止する工程は、ウィッキング部材がポケット内でプラグと膜との間に位置するように、プラグをポケットと嵌合させることをさらに含む、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0107】
封止する工程は、膜およびウィッキング部材を、閉位置から開位置へと動作可能な穿孔可能なバリアにより封止することをさらに含み、閉位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体から封止され、開位置では、参照電極容器が参照流体を含んでいるときにウィッキング部材および膜が参照流体に曝露される、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0108】
膜およびウィッキング部材を位置決めする工程は、膜およびウィッキング部材を参照電極容器のポケットに位置決めすることをさらに含む、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0109】
封止する工程は、ウィッキング部材がポケット内で穿孔可能なバリアと膜との間に位置するように、ポケットを穿孔可能なバリアにより被覆することをさらに含む、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0110】
膜および/またはウィッキング部材は参照電極容器の内側に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0111】
膜および/またはウィッキング部材は参照電極容器の外側に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0112】
ウィッキング部材の第1の端部は参照電極容器の内側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は参照電極容器の外側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は膜と接触し、膜は参照電極容器の外側に位置する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0113】
参照電極容器は、流体入口、流体出口、および流体入口と流体出口との間に延び、試料流体を輸送するように構成された流体流路を有し、膜によって参照電極容器から流体的に分離されたセンサ容器をさらに含むハウジングによって画成され、膜を参照電極容器に位置決めする工程は、膜の一方の面が参照電極容器に面し、膜の他方の面が流体流路に面するように膜を位置決めすることをさらに含む、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0114】
少なくとも1つの分析物センサを流体流路と流体連通するセンサ容器に位置決めすることをさらに含む、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【0115】
膜を位置決めする工程は、少なくとも1つの細孔を含む膜をさらに含み、ウィッキング部材は、参照流体に曝露されたときに膜において液絡部を維持する、先行する例示的実施形態のうちのいずれか1つに記載の例示的方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液分析器用のセンサアセンブリであって:
参照電極を含み、参照流体を収容するように構成された参照電極容器と;
該参照電極容器と流体連通するように構成された膜と;
該参照電極容器と流体連通するように構成され、膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されているときに、参照流体を膜の方へ引き寄せるように構成されたウィッキング部材と
を含む、前記センサアセンブリ。
【請求項2】
ウィッキング部材は膜と接触している、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項3】
ウィッキング部材は親水性材料を含む、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項4】
参照電極容器内に位置し、閉位置から開位置まで動作可能な封止材をさらに含み、閉位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体から封止され、開位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体に曝露される、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項5】
封止材はプラグである、請求項4に記載のセンサアセンブリ。
【請求項6】
参照電極容器はポケットを有し、プラグは閉位置においてポケットと嵌合し、ウィッキング部材はポケット内でプラグと膜との間に位置する、請求項5に記載のセンサアセンブリ。
【請求項7】
封止材は、穿孔されるように構成された穿孔可能なバリアである、請求項4に記載のセンサアセンブリ。
【請求項8】
参照電極容器はポケットを有し、穿孔可能なバリアは閉位置においてポケットを被覆し、ウィッキング部材はポケット内で穿孔可能なバリアと膜との間に位置する、請求項7に記載のセンサアセンブリ。
【請求項9】
膜およびウィッキング部材は参照電極容器の内側に位置する、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項10】
膜およびウィッキング部材は参照電極容器の外側に位置する、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項11】
ウィッキング部材の第1の端部は参照電極容器の内側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は参照電極容器の外側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は膜と接触し、膜は参照電極容器の外側に位置する、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項12】
流体入口、流体出口、および該流体入口と該流体出口との間に延び、試料流体を輸送するように構成された流体流路を有し、参照電極容器、および膜によって参照電極容器から流体的に分離されたセンサ容器を含むハウジングをさらに含み、
膜の一方の面は参照電極容器に面し、膜の他方の面は流体流路に面する、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項13】
流体流路と流体連通するセンサ容器に位置する少なくとも1つの分析物センサをさらに含む、請求項12に記載のセンサアセンブリ。
【請求項14】
膜は少なくとも1つの細孔を含み、ウィッキング部材は、参照流体に曝露されたときに膜において液絡部を維持するように構成される、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項15】
流体分析器であって:
流体入口および流体出口を有する試料プローブを有する試料受容アセンブリと;
流体廃棄アセンブリと;
試料受容アセンブリおよび流体廃棄アセンブリと流体連通するセンサアセンブリとを含み、該センサアセンブリは、
参照電極を含み、参照流体を収容するように構成された参照電極容器と;
該参照電極容器と流体連通するように構成された膜と;
該参照電極容器と流体連通するように構成され、膜およびウィッキング部材が参照流体に曝露されているときに、参照流体を膜の方へ引き寄せるように構成されたウィッキング部材と
を含む、前記流体分析器。
【請求項16】
ウィッキング部材は膜と接触している、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項17】
ウィッキング部材は親水性材料を含む、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項18】
センサアセンブリは:
参照電極容器内に位置し、閉位置から開位置まで動作可能な封止材をさらに含み、閉位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体から封止され、開位置では、ウィッキング部材および膜が参照流体に曝露される、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項19】
封止材はプラグである、請求項18に記載の流体分析器。
【請求項20】
参照電極容器はポケットを有し、プラグは閉位置においてポケットと嵌合し、ウィッキング部材はポケット内でプラグと膜との間に位置する、請求項19に記載の流体分析器。
【請求項21】
封止材は、穿孔されるように構成された穿孔可能なバリアである、請求項18に記載の
流体分析器。
【請求項22】
参照電極容器はポケットを有し、穿孔可能なバリアは閉位置においてポケットを被覆し、ウィッキング部材はポケット内で穿孔可能なバリアと膜との間に位置する、請求項21に記載の流体分析器。
【請求項23】
膜およびウィッキング部材は参照電極容器の内側に位置する、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項24】
膜およびウィッキング部材は参照電極容器の外側に位置する、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項25】
ウィッキング部材の第1の端部は参照電極容器の内側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は参照電極容器の外側に位置し、ウィッキング部材の第2の端部は膜と接触し、膜は参照電極容器の外側に位置する、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項26】
センサアセンブリは;
流体入口、流体出口、および該流体入口と該流体出口との間に延び、試料流体を輸送するように構成された流体流路を有し、参照電極容器、および膜によって参照電極容器から流体的に分離されたセンサ容器を含むハウジングをさらに含み、
膜の一方の面は参照電極容器に面し、膜の他方の面は流体流路に面する、請求項15に記載の流体分析器。
【請求項27】
センサアセンブリは、流体流路と流体連通するセンサ容器に位置する少なくとも1つの分析物センサをさらに含む、請求項25に記載の流体分析器。
【請求項28】
膜は少なくとも1つの細孔を含み、ウィッキング部材は、参照流体に曝露されたときに膜において液絡部を維持するように構成される、請求項15に記載の流体分析器。
【国際調査報告】