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特表2024-545901フィッシャー・トロプシュ合成の開始
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  • 特表-フィッシャー・トロプシュ合成の開始 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】フィッシャー・トロプシュ合成の開始
(51)【国際特許分類】
   C10G 2/00 20060101AFI20241206BHJP
   B01J 23/889 20060101ALI20241206BHJP
   C07C 1/04 20060101ALI20241206BHJP
   C07C 9/04 20060101ALI20241206BHJP
   C07C 9/14 20060101ALI20241206BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20241206BHJP
【FI】
C10G2/00
B01J23/889 M
C07C1/04
C07C9/04
C07C9/14
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538308
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 IB2022062702
(87)【国際公開番号】W WO2023119234
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】21217615.0
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397035070
【氏名又は名称】ビーピー ピー・エル・シー・
(71)【出願人】
【識別番号】518329767
【氏名又は名称】ジョンソン マッセイ デイヴィー テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】パタースン,アレクサンダー,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】クラークスン,ジェイ サイモン
(72)【発明者】
【氏名】コー,アンドリュー ジェームス
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
4H129
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA15
4G169BA01A
4G169BA02A
4G169BA04A
4G169BA04B
4G169BB04A
4G169BB05A
4G169BC35A
4G169BC43A
4G169BC62A
4G169BC62B
4G169BC67A
4G169BC67B
4G169CC23
4G169DA06
4G169FC08
4H006AA02
4H006AC29
4H006BA10
4H006BA16
4H006BA20
4H006BA30
4H006BA55
4H006BC10
4H006BC11
4H006BC13
4H006BC31
4H006BD33
4H006BD52
4H006BE20
4H006BE40
4H039CA19
4H039CL35
4H129AA01
4H129BA12
4H129BB07
4H129BC44
4H129KC02X
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4H129KC05Y
4H129KC07X
4H129KD17X
4H129KD17Y
4H129KD22X
4H129KD22Y
4H129NA37
4H129NA39
4H129NA45
(57)【要約】
【課題】 本開示は、一般に、フィッシャー・トロプシュ合成を開始するための方法に関する。
【解決手段】 特に、本出願は、フィッシャー・トロプシュ合成の開始方法であって、(i)140℃以下の温度を有する反応ゾーンを提供すること;次いで(ii)2 barg~10 bargの範囲の圧力でN2を含むパージガスで反応ゾーンをパージすること;次いで(iii)20 barg以下の圧力および140℃以下の温度で、反応ゾーン中の触媒を、1:1~3:1の比でH2およびCOを含むガス状反応混合物と接触させること;次いで(iv)反応ゾーンを少なくとも200℃の温度に加熱すること;および(v)反応ゾーンを30 barg~45 bargの範囲の圧力に加圧することを含む方法に関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒がその中に配置された反応ゾーンにおけるフィッシャー・トロプシュ合成の開始方法であって、前記触媒が還元形態であり、前記方法が
(i) 前記反応ゾーンに160℃以下の温度を提供することと、次いで
(ii) 前記反応ゾーンを、160℃以下の温度で、N2を含むパージガスを用いて、2 barg~15 bargの範囲の圧力でパージすることと、次いで
(iii) 前記反応ゾーン内の前記触媒を、45 barg以下の圧力及び160℃以下の温度で、1:1~3:1の範囲の比でH2及びCOを含むガス状反応混合物と接触させることと、次いで、前記ガス状反応混合物と接触している間に
(iv) 前記反応ゾーンを少なくとも200℃の温度に加熱することと
(v) 前記反応ゾーンを25 barg~45 bargの範囲の圧力に加圧することと
【請求項2】
工程(i)における反応ゾーンが100℃~140℃の範囲の温度である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パージガスが5%以下のH2を含む、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
H2及びCOが、10体積%~80体積%の範囲(例えば、20体積%~70体積%の範囲、または30体積%~70体積%の範囲)の量で前記ガス状反応混合物中に一緒に存在する請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
H2およびCOが、1:1~2.5:1、または1:1~2:1、または1.5:1~3:1、または1.5:1~2.5:1、または1.5:1~2:1、または2:1~3:1、または2:1~3:1の範囲のH2:CO比で前記ガス状反応混合物中に存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ガス状反応混合物中の反応種(H2、CO、オレフィン)の総量が、少なくとも20体積%、例えば、少なくとも30体積%、または少なくとも35体積%、または少なくとも40体積%である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
ステップ(iii)が、前記反応ゾーンから合成ガスを含むリサイクル流を取り出すことと、前記リサイクル流の少なくとも一部を前記反応ゾーンにリサイクルすることとをさらに含む請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
工程(iv)の加熱が
(a) 160℃未満の温度に対して10℃/時間~60℃/時間の範囲の速度で加熱することと
(b) 160℃~180℃の範囲の温度に対して2℃/時間~30℃/時間の範囲の速度で加熱することと、
(c) 180℃~220℃の範囲の温度に対して0.5℃/時間~7℃/時間の範囲の速度で加熱することととからなる請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
工程(iv)および(v)の後に
(vi) 少なくとも200℃の温度及び30~45 bargの範囲の圧力でフィッシャー・トロプシュ合成を実施し、前記反応ゾーンから炭化水素生成物組成物を取り出すことであって、前記炭化水素組成物が、メタン、C5+炭化水素、及び酸素化物のうちの1つ以上を含み、取り出すことを含む請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記触媒が、担体上に配置されたコバルトを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記担体が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素および酸化亜鉛の少なくとも1つを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記担体が酸化チタン担体である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記触媒が、コバルト(0)として計算して5~35重量%のコバルトを含む請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記触媒が、マンガン(0)として計算して、0.1~15重量%のマンガン、例えば、0.1~15重量%、例えば、0.5~12重量%、または0.5~10重量%を含む請求項10~13のいずれ一項かに記載の方法。
【請求項15】
少なくとも一部の炭化水素生成物が反応器の出口流から除去され、気相生成物および未反応合成ガスの一部が反応器の入口に再循環される請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。本開示は、フィッシャー・トロプシュ法に関し、具体的には、フィッシャー・トロプシュ法を開始するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
フィッシャー・トロプシュ法による合成ガス(すなわち、シンガスとしても知られる一酸化炭素と水素の混合物)の炭化水素への転化は、数十年にわたって知られているが、歴史的に、他の炭化水素合成技術と比較して性能が遅れている。代替エネルギー源の重要性が高まるにつれて、高品質の燃料および原料化学物質への直接的かつ環境的に許容される経路が可能になるので、フィッシャー・トロプシュ(FT)プロセスへの関心が再び高まっている。
【0003】
FTプロセスは、燃料に使用するための直鎖炭化水素、並びに燃料に有用であり、また貴重な供給原料化学物質としても役立つことができる酸素化物を製造することが知られている。FTプロセスから誘導される炭化水素燃料は、FT誘導燃料が、典型的には、SO2、NOx、および微粒子などの強力な汚染物質の排出に寄与する硫黄、窒素、および芳香族化合物の含有量がより低いので、従来の製油所で製造される燃料と比較して、ますます厳しくなる環境規制をより良好に満たすことができる。FTプロセスから誘導されるアルコールは、しばしば、炭化水素よりも高いオクタン価を有し、従って、より完全に燃焼し、それによって、このような燃料の環境への影響を減少させる。得られたアルコール及び他の酸素化物は、他のプロセス、例えば潤滑剤の合成における試薬としても使用できる。
【0004】
種々の遷移金属が、合成ガスの炭化水素およびその酸素化誘導体への転化において触媒的に活性であることが確認されている。特に、コバルト、ニッケル、および鉄が、しばしば担体材料と組み合わせて研究されており、その最も一般的なものは、アルミナ、シリカ、および炭素である。
【0005】
担持コバルト含有FT合成触媒の典型的な調製において、固体担体材料は、硝酸コバルトなどの可溶性コバルト化合物の溶液と接触される。含浸された担体は、その後、焼成および/または酸化されて、酸化コバルト、典型的にはCoO、Co2O3、またはCo3O4の1つ以上を形成する。しかしながら、そのような酸化物は、典型的には、FT触媒活性が低く、コバルト金属の好ましい触媒活性種を形成するために還元されなければならない。
【0006】
始動中、還元された触媒は、所望の定常状態運転が達成されるまで、FT反応器中で高温および/または高圧で合成ガスと接触させられる。始動中、反応効率は望ましくないほど低くなることがあり、生成物混合物は、一般に、定常状態運転からのものとは異なることがある。始動後、すなわち、所望の定常状態運転が達成された後、反応器は、長期間にわたって定常状態条件で連続的に運転される。始動条件は定常状態条件から著しく変化し得るので、反応器の制御が不十分であると、エネルギーの使用が非効率的になり、生成物の分配が不十分になり、反応器または触媒に損傷さえも生じ得る。
【0007】
したがって、フィッシャー・トロプシュ合成反応器の始動のための改善されたプロトコルを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、圧力及び温度などの反応器条件の優れた制御を可能にするフィッシャー・トロプシュ合成を開始する方法を見出した。これは、始動中のプロセス効率の増加をもたらし、合成ガスと新しい触媒との発熱接触による危険な熱暴走の発生を防止する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、一態様において、本開示は、触媒がその中に配置された反応ゾーンにおけるフィッシャー・トロプシュ合成の開始のためのプロセスを提供し、触媒は還元形態であり、プロセスは
(i) 前記反応ゾーンに160℃以下の温度を提供することと、次いで
(ii) 前記反応ゾーンを、160℃以下の温度で、N2を含むパージガスを用いて、2 barg~15 bargの範囲の圧力でパージすることと、次いで
(iii) 前記反応ゾーン内の前記触媒を、45 barg以下の圧力及び160℃以下の温度で、1:1~3:1の範囲の比でH2及びCOを含むガス状反応混合物と接触させることと、次いで、前記ガス状反応混合物と接触している間に
(iv) 前記反応ゾーンを少なくとも200℃の温度に加熱することと
(v) 前記反応ゾーンを25 barg~45 bargの範囲の圧力に加圧することとからなる。
【0010】
本開示のプロセスの様々な実施形態において、ステップ(iv)の加熱は、複数の異なる加熱速度で行われ
(a) 160℃未満の温度で10℃/時間~60℃/時間の範囲の速度で加熱することと
(b) 160℃~180℃の範囲の温度で2℃/時間~30℃/時間の範囲の速度で加熱することと
(c) 180℃~220℃の範囲の温度で、0.5℃/時間~7℃/時間の範囲の速度で加熱することと。
【0011】
本開示の他の態様は、以下の説明を考慮すれば当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書に記載されるプロセスでの使用に好適な反応器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
反応器110には触媒120が充填される。ガス(例えば、CO、H2、不活性ガス)は、入口101を通して導入され、任意選択的に、貫流構成として流れ、104でシステムを出て、炭化水素生成物は、さらなる処理のために出口104を通して除去される。未反応ガスは、任意選択的に、再循環出口102を通って分離器130を介して除去され、任意選択的に、再循環供給物103を通って入口101に再循環される。
【0014】
本開示は、水素と一酸化炭素の混合物を炭化水素に転化するフィッシャー・トロプシュ合成プロセスを開始するための技術に関する。典型的なフィッシャー・トロプシュ法では、担持された酸化コバルト触媒前駆体を高温(典型的には300℃超)で水素により還元する。還元が現場外で行われる場合、触媒は不活性条件下で反応器に移される。現場還元を行う場合、触媒をフィッシャー・トロプシュ合成反応温度まで冷却し、次いで触媒を合成ガスと接触させる。合成ガス(典型的には、H2とCOとの混合物、任意にCO2と希釈剤としての窒素との混合物)の流れが反応器に供給されて、反応プロセスを開始する。始動時には、温度及び圧力を上昇させて最終的に所望の反応条件を提供し、これは典型的にはプロセス全体を通して維持される。
【0015】
本発明者らは、新たに還元されたフィッシャー・トロプシュ触媒を合成ガスと接触させると、一酸化炭素及び水素が発熱的に炭化水素に転化されるので、危険な発熱をもたらす可能性があることを見出した。時間が経つにつれて、触媒は、典型的には、新たに還元された触媒に関連する活性を失い、プロセスは、反応速度がより遅く、より少ない熱が発生する定常状態レジームに入る。緩和されない限り、始動中の発熱は、フィッシャー・トロプシュ反応器内の温度の危険な上昇をもたらし、反応器及び触媒への潜在的な損傷、並びに望ましくないエネルギーの浪費をもたらす可能性がある。
【0016】
この発熱を抑制する1つの方法は、N2ガスなどの不活性ガスをかなりの割合で有する合成ガスを導入することである。合成ガスの割合は、最初は低く、次いで、触媒が活性を失い、始動運転レジームから定常状態運転レジームに移行するにつれて、ゆっくりと増加させることができる。合成ガス濃度を傾斜させるこのアプローチは、小さな実験規模の反応器には妥当である。しかしながら、フルスケールの工業用フィッシャー・トロプシュプラントでは、この解決策は、あまり実用的ではない。大規模では、10 bargを超える圧力で5000 Nm3/m3.hを超える圧力を処理することができる圧縮機が利用される。絶対項に換算すると、1000本の反応管の典型的な反応器では20m3を超える触媒が使用される。このような極端な条件で動作する圧縮機は、動作圧力、体積流量、発生ヘッド(差圧)、および動作流体組成に関して、設計ウィンドウが狭いことが重要である。触媒上のGHSVは、再循環圧縮機を通して達成される体積流量に関連する。さらに、典型的な大規模反応器は、軽質炭化水素および未反応合成ガスを反応器供給物に再導入することを可能にするリサイクル機構を有する。低い割合の合成ガスの使用は、非常に低い再循環スループットをもたらし、圧縮機性能の低下をもたらす可能性がある。したがって、本発明者らは、暴走を回避するために始動するときに安定した動作および熱除去を確実にするために、一定の反応器供給ガス組成ならびに不活性レベルおよび流量を用いて始動および定常状態レジーム全体を通して一定の合成ガス比率を維持することが一般に好ましいことを見出した。
【0017】
したがって、本発明者らは、合成ガス供給の実質的な変更を回避することができ、また危険な発熱の発生を回避することができる、フィッシャー・トロプシュ合成を開始するための代替の始動手順を探求した。
【0018】
したがって、一態様において、本開示は、その中に配置された還元触媒を有する反応ゾーンにおけるフィッシャー・トロプシュ合成の開始のためのプロセスを提供し、このプロセスは

(i) 前記反応ゾーンに160℃以下の温度を提供することと、次いで
(ii) 前記反応ゾーンを、160℃以下の温度で、N2を含むパージガスを用いて、2 barg~15 bargの範囲の圧力でパージすることと、次いで
(iii) 前記反応ゾーン内の前記触媒を、45 barg以下の圧力及び160℃以下の温度で、1:1~3:1の範囲の比でH2及びCOを含むガス状反応混合物と接触させることと、次いで、前記ガス状反応混合物と接触している間に
(iv) 前記反応ゾーンを少なくとも200℃の温度に加熱することと
(v) 前記反応ゾーンを25 barg~45 bargの範囲の圧力に加圧することと
【0019】
以下により詳細に記載されるように、種々の反応系が、本明細書中に記載されるプロセスを実施する際に使用され得、そして当業者は、必要に応じて従来の系を適合させる。当業者に知られているように、活性化および始動の間に反応器温度を制御するための適切な手段を使用することができ、これには、電気加熱、蒸気による反応器管の直接加熱、または反応器管の周りの循環水回路を加熱するためのエダクターもしくはジェットポンプ配置を介した蒸気による間接加熱が含まれる。本開示のプロセスを実施する際に使用するための反応系の例を、図1の概略図に示す。反応器110に還元触媒120を充填する。合成ガスは入口101を通して導入され、炭化水素生成物は出口104を通して除去され、さらに処理される。未反応の合成ガス、および任意に軽質炭化水素は、再循環出口102を通して除去され、再循環供給物103を通して入口101に再循環される。
【0020】
したがって、反応ゾーン(例えば、上述の反応器110を含む)は、その中に配置された還元触媒(例えば、上述の還元触媒120)を有する。当業者は、当該技術分野における従来の方法を用いて、例えば、酸化物触媒前駆体を水素で還元することによって、還元触媒を提供することができる。このような還元は、現場で、すなわち、その後のフィッシャー・トロプシュ合成が行われる反応器内で行うことができ、又は現場外で、すなわち、別の反応器内で行い、望ましくは不活性条件下でFT反応器に装填することができる。
【0021】
上述のように、還元触媒が配置された反応ゾーンは、140℃以下の温度を備える。触媒がex situで還元される場合、触媒は、反応ゾーンに導入されるときに、しばしば140℃以下の温度である。しかしながら、還元された触媒をその中に有する反応ゾーンが140℃を超える場合、例えば、触媒がその場で還元されるとき、反応ゾーンは、140℃以下の温度まで冷却され得る。例えば、本明細書に別途記載される様々な実施形態において、反応ゾーンを提供することは、反応ゾーンを少なくとも150℃の温度から140℃以下の温度に冷却することを含む。本明細書に別途記載される種々の実施形態では、ステップ(i)における反応ゾーンは、少なくとも160℃(例えば、少なくとも170℃、または少なくとも180℃、または少なくとも190℃、または少なくとも200℃)の温度から冷却される。
【0022】
工程(i)において冷却がある場合、それは、任意の望ましい様式で、例えば、種々のガスを使用して実施され得る。本明細書に別途記載される様々な実施形態において、冷却は、H2及びN2を含むガス状混合物の存在下で起こる。本明細書に別途記載される特定の実施形態では、ガス状混合物は、少なくとも5%のH2を含む。例えば、ガス混合物は、少なくとも10%のH2、又は少なくとも15%のH2、又は少なくとも25%のH2を含み得る。ある実施形態において、冷却工程における気体混合物は、5%未満のCO、例えば1%未満のCOもしくは0.1%未満のCOを含むか、または実質的にCOを含まない。
【0023】
工程(i)における反応ゾーンは、140℃以下の様々な温度で提供され得る。例えば、本明細書に別途記載される様々な実施形態において、ステップ(i)における反応ゾーンの温度は、130℃以下、例えば、120℃以下である。本明細書に別途記載される種々の実施形態では、ステップ(i)における反応ゾーンは、80℃~140℃の範囲の温度である。例えば、様々な特定のこのような実施形態において、ステップ(i)における反応ゾーンは、80℃~130℃、または80℃~120℃の範囲の温度である。様々な特定のこのような実施形態において、ステップ(i)における反応ゾーンは、100℃~140℃、例えば100℃~130℃、または100℃~120℃の範囲の温度である。様々な特定のこのような実施形態において、ステップ(i)における反応ゾーンは、80℃~160℃、例えば110℃~130℃の範囲の温度である。
【0024】
次いで、反応ゾーンを、2 barg~15 bargの範囲の圧力で、N2を含むパージガスでパージする。パージガスは、還元触媒が合成ガスと接触する前に、還元触媒から水素及び任意の揮発性還元生成物又は水を除去するように作用する。本明細書に別途記載される様々な実施形態では、パージガスは、少なくとも90%のN2、例えば、少なくとも95%のN2、又は少なくとも99%のN2を含み、或いは実質的に純粋なN2である。本明細書に別途記載される様々な実施形態では、パージガスは、5体積%以下のH2(例えば、1体積%以下のH2、又は0.1体積%以下のH2、又は0.01体積%以下のH2、又は実質的にH2を含まない)を含む。パージは、望ましくない反応物を実質的に除去するのに十分な時間にわたって行われる。例えば、本明細書に別途記載される様々な実施形態において、パージは、0.1時間~24時間の範囲、例えば、0.5時間~24時間、または1時間~24時間、または1時間~12時間、または1時間~6時間の範囲の時間にわたって実施され得る。
【0025】
パージ工程は、望ましくない化学種を効率的に追い出すために、周囲圧力より高い圧力で操作される。パージ工程はまた、合成ガスとの接触に備えて触媒の初期加圧工程としても機能する。したがって、パージ工程(ii)は、2 barg~15 bargの範囲(例えば、2 barg~12 barg、または2 barg~10 barg、または3 barg~12 barg、または3 barg~10 barg、または4 barg~12 barg、または4 barg~10 bargの範囲)の圧力で操作される。
【0026】
パージ工程(ii)の後、触媒は、反応ゾーンにおいて、H2及びCOの両方を1:1~3:1の範囲のH2:CO体積比で含むガス状反応混合物と接触させられる。当業者は、特に、定常状態での最終的なFT合成プロセスでの使用に望ましいH2:CO体積比に基づいて、所望のガス状反応混合物源を選択するであろう。例えば、本明細書に別途記載される様々な実施形態において、ガス状反応混合物は、1:1~2.5:1、または1:1~2:1、または1.5:1~3:1、または1.5:1~2.5:1、または1.5:1~2:1、または2:1~3:1、または2:1~3:1の範囲のH2:CO体積比でH2およびCOを含む。本明細書に別途記載される様々な実施形態において、ガス状反応混合物は、1.5:1~2.5:1の範囲のH2:CO体積比でH2及びCOを含む。
【0027】
ガス状反応混合物はまた、他のガスを含んでもよい。例えば、ガス状反応混合物は、20%以下、例えば、10%以下、または5%以下の量の二酸化炭素を含み得る。
【0028】
有利には、本明細書に記載される方法は、始動時にガス状反応供給物中の比較的高い割合のH2およびCOの利用を可能にする。本明細書に別途記載される様々な実施形態において、ガス状反応混合物は、少なくとも20体積%のH2及びCOを含む(すなわち、H2及びCOの合計の割合は、少なくとも20体積%である)。例えば、本明細書に別途記載される様々な実施形態において、ガス状反応混合物は、少なくとも30体積%のH2及びCO(例えば、少なくとも35体積%のH2及びCO)を含む。本明細書に別途記載される様々な実施形態において、ガス状反応混合物は、少なくとも40体積%のH2及びCO(例えば、少なくとも45%のH2及びCO)を含む。
【0029】
窒素ガスは、ガス状反応混合物中の不活性ガスとして使用することができる。本明細書に別途記載される特定の実施形態では、ガス状反応混合物は、最大80体積%、例えば、最大70体積%、または最大60体積%、または最大50体積%の量のN2をさらに含む。例えば、特定の実施形態において、ガス状反応混合物は、20体積%~80体積%、例えば、20体積%~70体積%、または20体積%~60体積%、または30体積%~80体積%、または30体積%~70体積%、または30体積%~60体積%、または40体積%~80体積%、または40体積%~70体積%、または40体積%~60体積%の範囲の量でN2を含む。
【0030】
本明細書に別途記載されるプロセスのガス状反応混合物中のH2、CO及びN2の総量は、望ましくは高く、例えば、少なくとも80体積%、または少なくとも90体積%、または少なくとも95体積%、または少なくとも99体積%である。
【0031】
有利には、本明細書に記載されるプロセスは、ガス状反応混合物内のCOおよびH2の濃度をゆっくりと上昇させる必要性を回避することができる。したがって、本明細書に別途記載される特定の実施形態では、ガス状反応混合物中のH2とCOとの合わせた割合は、プロセス全体を通してあまり変化しない。例えば、本明細書に別途記載される様々な実施形態では、H2とCOとの合計割合は、ステップ(iii)~(v)を通して30%超、例えば20%超、または10%超変化しない。
【0032】
ガス状反応混合物は、他のガス状成分、例えば水、メタン及び他の飽和及び/又は不飽和軽質炭化水素を含んでいてもよく、好ましくは30体積%未満の合計濃度で存在する。
【0033】
未反応の合成ガスおよび/または不完全に反応した生成物、例えば軽質炭化水素を反応器に再循環させることによって反応器効率を高めることが有用であることが多い。この技術は、本明細書に記載されるようなプロセスに特に有用であり、特定の実施形態において、有意なフィッシャー・トロプシュ反応が起こる温度より低い温度で触媒をH2及びCOと接触させることを含む。したがって、本明細書に別途記載される様々な実施形態において、ステップ(iii)は、反応ゾーンからリサイクル流を取り出すこと、およびリサイクル流の少なくとも一部を反応ゾーンにリサイクルすることをさらに含む。
【0034】
本明細書に別に記載されるような工程(iii)の接触は、定常状態のフィッシャー・トロプシュ操作と比較して比較的低い圧力で行われる。したがって、本明細書に別途記載される様々な実施形態において、ステップ(iii)の接触は、5 barg~20 bargの範囲の圧力で行われる。例えば、様々なそのような実施形態において、接触は、5 barg~15 barg、または5 barg~12 barg、または5 barg~10 barg、または10 barg~20 barg、または10 barg~15 barg、または12 barg~20 barg、または15 barg~20 bargの範囲の圧力で行われる。
【0035】
本明細書に記載されるプロセスは、高いスループットで実施することができる。例えば、本明細書に別途記載される様々な実施形態において、ステップ(iii)の接触は、2000 hr-1~12,000 hr-1の範囲のGHSVで行われる。例えば、様々なこのような実施形態において、接触は、4000 hr-1~12,000 hr-1、または6000 hr-1~12,000 hr-1、または8000 hr-1~12,000 hr-1、または2000 hr-1~10,000 hr-1、または4000 hr-1~10,000 hr-1、または6000 hr-1~10,000 hr-1、または2000 hr-1~8,000 hr-1、または4000 hr-1~8,000 hr-1、または2000 hr-1~6000 hr-1の範囲のGHSVで行われる。
【0036】
本明細書に別途記載されるステップ(iii)の接触は、140℃以下、例えば、130℃以下または120℃以下の比較的低い温度で行われる。本明細書に別途記載される様々な実施形態において、ステップ(iii)の接触は、80℃~140℃の範囲の温度で行われる。例えば、様々な特定のこのような実施形態において、工程(iii)の接触は、80℃~130℃、または80℃~120℃の範囲の温度で行われる。様々な特定のこのような実施形態において、工程(iii)の接触は、100℃~140℃、例えば100℃~130℃、または100℃~120℃の範囲の温度で行われる。様々な特定のこのような実施形態において、工程(iii)の接触は、80℃~160℃、例えば110℃~130℃の範囲の温度で行われる。工程(iii)の接触は、典型的には、工程(i)の温度に近い温度、例えば、10℃以内のそのような温度で行われる。
【0037】
ガス状反応混合物と接触している間、反応ゾーンは、次いで、少なくとも200℃の温度に加熱され、25 barg~45 bargの範囲の圧力に加圧される。これらの条件下で、定常状態のフィッシャー・トロプシュ合成を達成することができる。工程(iv)の加熱および工程(v)の加圧は、同時を含む任意の時間順序で実施することができる。温度および圧力は、実施される定常状態FTプロセスの温度および圧力であるように選択することができる。
【0038】
理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、H2及びCOを含む合成ガス並びに新たに還元された触媒の存在下で反応ゾーンを加熱することにより、温度が上昇するにつれてフィッシャー・トロプシュ合成活性を増大させることができると判断した。次に、合成速度の増加は、発熱フィッシャー・トロプシュ合成反応から発生する熱の増加をもたらし、危険な熱暴走を防ぐために温度を注意深く上昇させなければならない。したがって、本明細書に別途記載される様々な実施形態において、加熱工程(iv)は、複数の異なる加熱速度で行われ
(a) 160℃未満の温度に対して10℃/時間~60℃/時間の範囲の速度で加熱することと
(b) 160℃~180℃の範囲の温度に対して2℃/時間~30℃/時間の範囲の速度で加熱することと
(c) 180℃~220℃の範囲の温度に対して0.5℃/時間~7℃/時間の範囲の速度で加熱することと
【0039】
本明細書に別途記載される様々な実施形態において、加熱速度条件(a)10℃/時~45℃/時、または10℃/時~30℃/時、または20℃/時~60℃/時、または20℃/時~45℃/時の範囲の速度で加熱することを含む、請求項1に記載の方法。本明細書に別途記載される様々な実施形態において、加熱速度条件(b)は、2℃/時間~20℃/時間、または2℃/時間~15℃/時間、または4℃/時間~30℃/時間、または4℃/時間~20℃/時間、または4℃/時間~15℃/時間の範囲の速度で加熱することを含む。本明細書に別途記載される様々な実施形態において、加熱速度条件(c)は、0.5℃/時間~5℃/時間、または0.5℃/時間~4℃/時間、または1℃/時間~7℃/時間、または1℃/時間~5℃/時間、または1℃/時間~4℃/時間、または2℃/時間~7℃/時間、または2℃/時間~5℃/時間、または2℃/時間~4℃/時間の範囲の速度で加熱することを含む。
【0040】
フィッシャー・トロプシュ反応が始まる温度(典型的には約150~180℃)に達すると、炭化水素生成物組成物が反応ゾーン内に形成され始める。そして、フィッシャー・トロプシュがその定常状態運転に達すると(例えば、工程(iv)及び(v)の条件下で)、炭化水素生成物組成物が形成され続け、所望の生成物を有利に提供する。したがって、本明細書に別途記載される様々な実施形態において、本方法は、ステップ(iv)及び(v)の後に
(vi)フィッシャー・トロプシュ合成を実施し、反応ゾーンから炭化水素生成物組成物を取り出すことであって、炭化水素組成物が、メタン、C5+炭化水素、及び酸素化物のうちの1つ以上を含む、取り出すことと、を含む、方法。
【0041】
工程(iii)または工程(iv)における温度傾斜の様々な実施形態は、触媒安定化、触媒コンディショニングまたは触媒細孔中のワックス/炭化水素蓄積を可能にするために、傾斜温度での滞留または保持を含んでもよい。
【0042】
本明細書に記載された制限を条件として、当業者は、従来のフィッシャー・トロプシュ法を適合させて、本開示の方法に到達することができる。例えば、フィッシャー・トロプシュ合成の温度は、好適には、200~400℃、例えば200~300℃、または210~400℃、または210~300℃、または220~400℃、または220~300℃の範囲であり得る。本明細書に別途記載される種々の実施形態では、フィッシャー・トロプシュ合成の温度は、200~250℃、例えば、または200~240℃、または200~230℃、または200~220℃、または210~250℃、または210~240℃、または210~230℃、または220~250℃、または220~240℃、または230~250℃の範囲である。反応の圧力は、好適には、25~45 barg、例えば、30~40 barg、または30~35 barg、または35~45 barg、または35~40 barg、または40~45 bargの範囲であってもよい。
【0043】
フィッシャ・トロプシュ合成反応は、任意の適切なタイプの反応装置で実施することができ、例えば、固定床反応装置、スラリー床反応装置、またはCANSTM反応装置で実施することができる。特にCANS反応器に関して、本明細書に記載される不動態化触媒材料は、CANS反応器の反応器管での使用に好適なモジュール式触媒容器に包装され得る(例えば、現場外で、次いで反応器現場に輸送される)。
【0044】
炭化水素組成は、当技術分野で知られているようなプロセス条件の変化に基づいて変化し得る。ある実施形態において、炭化水素組成物は、炭化水素(例えば、直鎖炭化水素、分岐炭化水素、飽和または不飽和炭化水素)およびその酸素化誘導体を含む。その酸素化誘導体の例としては、アルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、及びこれらの組み合わせの1つ以上の官能基を有する炭化水素が挙げられる。本明細書に別途記載される特定の実施形態では、炭化水素組成物は、アルカン、アルケン、及びアルコールのうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
当業者は、本明細書に記載されるプロセスで使用するために好適な触媒材料を適合させるであろう。本明細書に記載されるプロセスの様々な望ましい実施形態において、触媒は、担体上に配置されたコバルトおよび任意選択的に1つ以上の他の金属または反応調整剤を含む。担持されたコバルト系材料は、当該技術分野において周知であり、一般に、本明細書に記載されるプロセス及び材料における使用に適合させることができる。
【0046】
本明細書に別途記載される様々な実施形態において、本明細書に記載される触媒材料は、コバルト(0)として計算して、5重量%~35重量%の範囲のコバルトを含む。例えば、本明細書に別途記載される特定の実施形態では、コバルトは、7~35重量%、または10~35重量%、または5~25重量%、または7~25重量%、または10~25重量%、または5~20重量%、または7~20重量%、または10~20重量%の範囲で存在し得る。
【0047】
本明細書に記載される触媒材料は、例えば促進剤として、他の金属種を含むことができる。例えば、本明細書に別途記載される特定の実施形態では、触媒材料は、マンガン(0)として計算して、例えば、15重量%以下、例えば、12重量%以下、または10重量%以下、または7重量%以下の範囲の量でマンガンを含む。ある特定のそのような実施形態では、触媒材料は、0.1~15重量%、例えば、0.5~12重量%、または0.5~10重量%の範囲の量でマンガンを含む。当然ながら、他の実施形態では、マンガンは実質的に存在しない(例えば、0.1重量%未満または0.5重量%未満のマンガンが存在する)。
【0048】
種々の支持体材料が当該技術分野で知られており、FT反応器の正確な要件又は他の化学的、機械的若しくは経済的要件に基づいて選択することができる。本明細書に別途記載される特定の実施形態では、担体は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び酸化亜鉛のうちの少なくとも1つを含む。特定の実施形態において、担体は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素および酸化亜鉛のうちの1つを正確に含む。
【0049】
触媒は、当該技術分野において従来の方法を用いて調製することができる。ある実施形態において、コバルトは、可溶性コバルト塩(例えば、硝酸コバルト)を含有する溶液を担体に導入することによって担体上に導入され、その組み合わせは、焼成および/または酸化されて、担体上に不溶性コバルト粒子(例えば、酸化コバルトとして)を与える。ある実施態様では、第1の触媒材料は、担体に付着した焼成金属(例えば、焼成コバルトを含む)の組み合わせを含む。特定の実施形態では、第1の触媒材料のコバルト(すなわち、コバルトの少なくとも一部、コバルトの全体まで、例えば、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%)は、酸化コバルトおよび水酸化コバルトのうちの少なくとも1つの形態である。例えば、コバルトは、酸化コバルト(例えば、CoO、Co3O4、もしくはCo2O3、またはそれらの組み合わせ)、または水酸化コバルト(例えば、Co(OH)2もしくはCo(OH)3、またはそれらの組み合わせ)、または酸化コバルトと水酸化コバルトとの組み合わせであってもよい。
【0050】
ある実施形態において、触媒は、還元された触媒材料を生成するために実質的に還元されなければならない。このプロセスは、コバルトの少なくとも一部がコバルト金属に変換されることをもたらす。望ましくは、還元は、コバルトの少なくとも50%がコバルト(0)として提供される、例えば、コバルトの少なくとも75%、または少なくとも90%がコバルト(0)として提供されることをもたらす。当業者は、コバルト触媒材料(例えば、酸化コバルトまたは水酸化コバルト系材料)を金属形態に還元するために従来の方法を使用することができる。本明細書に別途記載される特定の実施形態では、第1の還元剤は水素ガス、H2である。水素ガスは、不活性キャリアガスなどの他のガスと混合されてもよい。そのような不活性キャリアガスの例としては、窒素、二酸化炭素、アルゴン、またはヘリウムが挙げられる。水素ガスは、1つ以上の追加のキャリアガスと共に、またはそれなしで、一酸化炭素と混合されてもよい。ある実施形態において、還元は、第1の触媒材料を第1の還元ガスと接触させることによって達成され、第1の還元ガスは、第1の還元剤を含み、第1の還元ガスは、少なくとも50体積%のH2(例えば、少なくとも60体積%、または少なくとも70体積%、または少なくとも80体積%、または少なくとも90体積%、または少なくとも95体積%、または本質的に100体積%のH2)を含む。
【0051】
還元された触媒材料を提供するための触媒材料の還元は、第1の温度で行われる。本明細書に別途記載される特定の実施形態では、第1の温度は、200℃~400℃の範囲である。例えば、ある実施形態において、第1の温度は、250℃~350℃の範囲、または260℃~340℃の範囲、または270℃~330℃の範囲、または280℃~320℃の範囲、または290℃~310℃の範囲である。ある実施形態では、第1の温度は、約300℃である。第1の触媒材料の還元触媒材料への還元は、第1の圧力で起こる。本明細書に別途記載される特定の実施形態では、第1の圧力は、0.5 bara~5 bara、例えば、0.7 bara~3 baraの範囲である。還元は、ある時間(例えば、48時間まで、例えば、2~48時間または8~30時間)、上記のような所望の程度の還元を提供するのに十分な条件下で実施され得る。
【0052】
本明細書に記載されるように、第1の還元剤による第1の触媒材料の処理は、コバルト金属としてコバルトを含む還元触媒材料を生成する(例えば、上述のように、コバルトの少なくとも50%、例えば、少なくとも75%、または少なくとも90%の量で)。
【0053】
本明細書に記載されるように、触媒性能は、COx転化率、C5+選択性、CH4選択性、及びC5+生産性などの性能パラメータを通して監視される。これらは、パス当たりの転化率並びに全炭素転化率に基づいて計算される。転化率は、適用温度(蒸気ドラムの圧力レベルから)を調節することによって維持され、触媒の寿命にわたって転化率を維持するために徐々に増加される。
(実施例)
【0054】
以下の実施例は、本開示の方法の特定の実施形態およびその様々な使用を例示する。それらは、説明の目的のためだけに記載され、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
(実施例1)
【0055】
フィッシャー・トロプシュ反応器に、TiO2上に10%Co及び1%Mnを含む触媒を充填した。触媒を、2000 hr-1のGHSVを有するN2下、7 barg及び165℃で乾燥させた。次に、触媒を10℃/時で250℃に加熱し、6700時-1のGHSVでN2中50%H2を用いて26 bargで24時間活性化して、還元触媒を生成した。
【0056】
次いで、還元された触媒をH2(H)2 Oの混合物下で冷却した。およびN2を、始動手順の準備として130℃の温度に加熱することによって、実施した。続いて、51%のN2と混合された1.8:1の比のH2およびCOを含むガス状反応混合物を8795 hr-1のGHSVで導入した。反応器を50℃/時で150℃まで加熱し、次いで25℃/時で150℃から160℃まで加熱し、次いで5℃/時で160℃から180℃まで加熱し、最後に2℃/時で180℃から205℃まで加熱した。次いで、圧力を30 bargに上昇させた。
【0057】
次いで、温度を205℃で200時間維持した。
【0058】
【表1】
【0059】
その後、温度を212℃に上げ、フィッシャー・トロプシュ合成を280時間継続して、実験目標への転化率を増加させた。
【0060】
【表2】

(比較例1)
【0061】
この比較例では、触媒を実施例1と同様に還元したが、その後、180℃までしか冷却しなかった。次いで、95%のN2と混合された1.8:1の比のH2およびCOを含むガス状反応混合物を導入した。なぜなら、より少ないN2の包含は、この温度で危険な発熱反応をもたらすからである。
【0062】
本開示の様々な例示的な実施形態は、以下に列挙される特許請求の範囲の列挙された実施形態を含むが、これらに限定されず、これらは、技術的または論理的に矛盾しない任意の数および任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0063】
(実施形態1)
触媒がその中に配置された反応ゾーンにおけるフィッシャー・トロプシュ合成の開始方法であって、前記触媒が還元形態であり、前記方法が
(i) 前記反応ゾーンに160℃以下の温度を提供することと、次いで
(ii) 前記反応ゾーンを、160℃以下の温度で、N2を含むパージガスを用いて、2 barg~15 bargの範囲の圧力でパージすることと、次いで
(iii) 前記反応ゾーン内の前記触媒を、45 barg以下の圧力及び160℃以下の温度で、1:1~3:1の範囲の比でH2及びCOを含むガス状反応混合物と接触させることと、次いで、前記ガス状反応混合物と接触している間に
(iv) 前記反応ゾーンを少なくとも200℃の温度に加熱することと
(v) 前記反応ゾーンを25 barg~45 bargの範囲の圧力に加圧することと
-(実施形態2)
工程(i)における反応ゾーンが100℃~140℃の範囲の温度である、実施形態1の方法。
【0064】
(実施形態3)
実施形態3:前記パージガスが、少なくとも80体積%のN2、例えば、少なくとも90体積%のN2、又は少なくとも95体積%のN2を含む、実施形態1又は2に記載の方法。
【0065】
(実施形態4)
実施形態4:前記パージガスが、5%以下のH2を含む、実施形態1から3までのいずれかに記載の方法。
【0066】
(実施形態5)
実施形態5.パージガスが、1%以下のH2、例えば、0.1%以下のH2、又は0.01%以下のH2を含むか、又は実質的にH2を含まない、実施形態1~4のいずれかのプロセス。
【0067】
(実施形態6)
パージ工程(ii)が0.1時間~24時間の範囲の時間にわたって行われる、実施形態1~5のいずれかの方法。
【0068】
(実施形態7)
H2及びCOが、10体積%~80体積%の範囲(例えば、20体積%~70体積%の範囲、又は30体積%~70体積%の範囲)の量でガス状反応混合物中に一緒に存在する、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
(実施形態8)
8.H2及びCOが、1:1~2.5:1、又は1:1~2:1、又は1.5:1~3:1、又は1.5:1~2.5:1、又は1.5:1~2:1、又は2:1~3:1、又は2:1~3:1の範囲のH2:CO比でガス状反応混合物中に存在する、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
(実施形態9)
H2およびCOが、1.5:1~2.5:1の範囲のH2:CO比でガス状反応混合物中に存在する、実施形態1から8までのいずれか1つに記載の方法。
【0071】
(実施形態10)
10.ガス状反応混合物が、少なくとも20体積%のH2及びCOを含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
(実施形態11)
実施形態11:ガス状反応混合物が、少なくとも30体積%のH2及びCO(例えば、少なくとも35体積%、または少なくとも40体積%、または少なくとも45体積%)を含む、実施形態1~10のいずれかに記載のプロセス。
【0073】
(実施形態12)
実施形態12.ガス状反応混合物が、80体積%まで、例えば、70体積%まで、または60体積%まで、または50体積%までの量の不活性種をさらに含む、実施形態1~11のいずれかに記載のプロセス。
【0074】
(実施形態13)
実施形態13.ガス状反応混合物が、20体積%~80体積%、例えば、20体積%~70体積%、または20体積%~60体積%、または30体積%~80体積%、または30体積%~70体積%、または30体積%~60%、または40体積%~80体積%、または40体積%~75体積%、または40体積%~70体積%の範囲の量でN2を含む、実施形態1~12のいずれかのプロセス。
【0075】
(実施形態14)
14.ガス状反応混合物中の反応種(H2、CO、オレフィン)の総量が、少なくとも20体積%、例えば、少なくとも30体積%、または少なくとも35体積%、または少なくとも40体積%である、実施形態1~13のいずれかの方法。
【0076】
(実施形態15)
H2とCOの合計割合が、工程(iii)~(v)を通して30%を超えて、例えば20%を超えて、又は10%を超えて変化しない、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
(実施形態16)
実施形態16.ステップ(iii)が、合成ガスを含むリサイクル流を反応ゾーンから取り出すことと、リサイクル流の少なくとも一部を反応ゾーンにリサイクルすることとをさらに含む、実施形態1~15のいずれかのプロセス。
【0078】
(実施形態17)
実施形態17.ステップ(iii)が、5 barg~20 barg、例えば、5 barg~15 barg、または5 barg~12 barg、または5 barg~10 barg、または10 barg~20 barg、または10 barg~15 barg、または12 barg~20 barg、または15 barg~20 bargの範囲の圧力で行われる、実施形態1~16のいずれかの方法。
【0079】
(実施形態18)
実施形態18.ガス状反応混合物が、2000 hr-1~12,000 hr-1の範囲、例えば、4000 hr-1~12,000 hr-1、または6000 hr-1~12,000 hr-1、または8000 hr-1~12,000 hr-1、または2000 hr-1~10,000 hr-1、または4000 hr-1~10,000 hr-1、または6000 hr-1~10,000 hr-1、または2000 hr-1~8,000 hr-1、または4000 hr-1~8,000 hr-1、または2000 hr-1~6000 hr-1の範囲のGHSVで接触される、実施形態1~17のいずれかの方法。
【0080】
(実施形態19)
実施形態19:ステップ(iv)の加熱が、以下を含む複数の加熱速度条件で行われる、実施形態1~18のいずれかのプロセス:
(a) 160℃未満の温度に対して10℃/時間~60℃/時間の範囲の速度で加熱することと
(b) 160℃~180℃の範囲の温度に対して2℃/時間~30℃/時間の範囲の速度で加熱することと
(c) 180℃~220℃の範囲の温度に対して0.5℃/時間~7℃/時間の範囲の速度で加熱することと
【0081】
実施形態20。 加熱速度条件(a)が、10℃/時間~45℃/時間、または10℃/時間~30℃/時間、または20℃/時間~60℃/時間、または20℃/時間~45℃/時間の範囲の速度で加熱することを含む、実施形態1~19のいずれかの方法。
【0082】
(実施形態21)
実施形態21.加熱速度条件(a)が、2℃/時間~20℃/時間、または2℃/時間~15℃/時間、または4℃/時間~30℃/時間、または4℃/時間~20℃/時間、または4℃/時間~15℃/時間の範囲の速度で加熱することを含む、実施形態1~20のいずれかのプロセス。
【0083】
(実施形態22)
加熱速度条件(a)が、0.5℃/時間~5℃/時間、または0.5℃/時間~4℃/時間、または1℃/時間~7℃/時間、または1℃/時間~5℃/時間、または1℃/時間~4℃/時間、または2℃/時間~7℃/時間、または2℃/時間~5℃/時間、または2℃/時間~4℃/時間の範囲の速度で加熱することを含む、実施形態1~21のいずれかの方法。
【0084】
(実施形態23)実施形態1~22のいずれかの方法であって、
(vi) 少なくとも200℃の温度及び30~45 bargの範囲の圧力でフィッシャー・トロプシュ合成を実施し、前記反応ゾーンから炭化水素生成物組成物を取り出すことであって、前記炭化水素組成物が、メタン、C5+炭化水素、及び酸素化物のうちの1つ以上を含む、取り出すことと、を含む、方法。
【0085】
(実施形態24)
実施形態24:前記フィッシャー・トロプシュ合成が、200~250℃、例えば、または200~240℃、または200~230℃、または200~220℃、または210~250℃、または210~240℃、または210~230℃、または220~250℃、または220~240℃、または230~250℃の範囲の温度で行われる、実施形態23に記載の方法。
【0086】
(実施形態25)
実施形態25.フィッシャー・トロプシュ合成が、30~45 barg、例えば、30~40 barg、または30~35 barg、または35~45 barg、または35~40 barg、または40~45 bargの範囲の圧力で行われる、実施形態23または実施形態24の方法。
【0087】
(実施形態26)
実施形態25:前記触媒が、担体上に配置されたコバルトを含む、実施形態1から25までのいずれかに記載の方法。
【0088】
(実施形態27)
担体が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素および酸化亜鉛の少なくとも1つを含む、実施形態26の方法。
【0089】
(実施形態28)
担体が酸化チタン担体である、実施形態27の方法。
【0090】
(実施形態29)
実施形態29.触媒が、コバルト(0)として計算して5~35重量%のコバルトを含む、実施形態26~28のいずれかの方法。
【0091】
(実施形態30)
実施形態30.触媒が、コバルト(0)として計算して、7~35重量%、または10~35重量%、または5~25重量%、または7~25重量%、または10~25重量%、または5~20重量%、または7~20重量%、または10~20重量%の範囲の量でコバルトを含む、実施形態26~29のいずれかの方法。
【0092】
(実施形態31)
実施形態31.触媒が、マンガン(0)として計算して、0.1~15重量%のマンガン、例えば、0.1~15重量%、例えば、0.5~12重量%、または0.5~10重量%を含む、実施形態26~30のいずれかの方法。
【0093】
(実施形態32)
少なくとも一部の炭化水素生成物が反応器の出口流から除去され、気相生成物及び未反応合成ガスの一部が反応器の入口に再循環される、前述のいずれかの実施形態に記載の方法。
【0094】
本明細書に示される詳細は、例として、本開示の特定の実施形態の例示的な議論の目的のためだけであり、本開示の様々な実施形態の原理および概念的態様の最も有用で容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示される。この点に関して、本明細書に記載される方法の基本的な理解に必要であるよりも詳細に、本開示の方法に関連する詳細を示す試みはなされず、実施例と共になされる説明は、本開示の方法のいくつかの形態がどのように実際に具現化され得るかを当業者に明らかにする。したがって、開示されるプロセスおよびデバイスが説明される前に、本明細書に説明される側面は、具体的実施形態、装置、または構成に限定されず、したがって、当然ながら、変動し得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的とし、本明細書で具体的に定義されない限り、限定することを意図しないことも理解されたい。
【0095】
本開示の方法を記載する文脈において(特に、以下の実施形態および特許請求の範囲の文脈において)使用される用語「a」、「an」、「the」および類似の指示対象は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。
【0096】
本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切なステップの順序で実施することができる。本明細書に提供される任意のおよび全ての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本開示の方法をより良く明らかにすることを意図しており、本開示の範囲に限定を課すものではない。本明細書中のいかなる言語も、本開示の方法の実施に必須の任意の特許請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0097】
文脈上明らかに他の意味に解釈すべき場合を除き、本明細書および特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などの語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味で、すなわち、「含むが、それに限定されない」という意味で解釈されるべきである。単数または複数を使用する単語は、それぞれ複数および単数も含む。さらに、「本明細書において」、「上記」、および「下記」という単語、ならびに同様の意味の単語は、本出願において使用される場合、本出願全体を指すものとし、本出願の任意の特定の部分を指すものではない。
【0098】
当業者に理解されるように、本明細書に開示される各実施形態は、その特定の記載された要素、ステップ、成分または構成要素を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなることができる。本明細書で使用される場合、移行句「含む(comprise)」または「含む(comprises)」は、限定されないが、含むことを意味し、大量であっても、特定されていない要素、ステップ、成分、または構成要素の包含を可能にする。移行句「からなる」は、特定されていない任意の要素、ステップ、成分または構成要素を除外する。移行句「から本質的になる」は、実施形態の範囲を、特定の要素、ステップ、成分または構成要素、および実施形態に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。
【0099】
本明細書における全ての百分率、比率および割合は、特に指定のない限り、重量による。
【0100】
当業界で知られているように、「barg」は、ゲージ圧、すなわち、バール単位での大気圧より高いまたは低い圧力を意味し、一方、「bara」は、バール単位での絶対圧力を表す。
【0101】
本開示の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるが、特定の実施例に示される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差から必然的に生じるある特定の誤差を本質的に含有する。
【0102】
本開示の代替的な要素または実施形態のグループ分けは、限定として解釈されるべきではない。各グループのメンバーは、個別に、またはグループの他のメンバーもしくは本明細書に見出される他の要素との任意の組み合わせで言及され、特許請求され得る。グループの1つ以上のメンバーが、便宜上および/または特許性の理由で、グループに含まれ得るか、またはグループから削除され得ることが予期される。任意のそのような包含または削除が生じる場合、本明細書は、修正されたグループを含み、したがって、添付の特許請求の範囲において使用されるすべてのマーカッシュグループの記載された説明を満たすと見なされる。
【0103】
本明細書に記載される方法を実施するための、本発明者らに知られている最良の形態を含む、本開示の様々な態様のいくつかの実施形態が本明細書に記載される。当然ながら、これらの記載された実施形態の変形は、前述の説明を読めば当業者には明らかになるであろう。当業者は、必要に応じてそのような変形を使用し、したがって、本開示の方法は、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施することができる。したがって、本開示の範囲は、適用可能な法律によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載された主題のすべての修正形態および均等物を含む。さらに、その全ての可能な変形における上記要素の任意の組み合わせは、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、本開示によって包含される。
【0104】
本明細書で使用される「少なくとも一部」という語句は、少なくとも、可能な量全体までの、部分的な量が必要であることを意味するために使用される。
【0105】
最後に、本明細書の様々な実施形態は、本開示の方法を例示するものであることを理解されたい。採用され得る他の修正は、本開示の範囲内である。したがって、限定ではなく例として、方法の代替構成が、本明細書の教示に従って利用され得る。したがって、本開示の方法は、示され、記載されたものに正確に限定されない。
図1
【国際調査報告】