(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】無線電気通信装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 24/10 20090101AFI20241206BHJP
【FI】
H04W24/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538341
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 EP2022082880
(87)【国際公開番号】W WO2023126108
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ユーシン
(72)【発明者】
【氏名】シャーマ ヴィベック
(72)【発明者】
【氏名】若林 秀治
(72)【発明者】
【氏名】アワッド ヤシン アデン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067EE02
5K067LL11
(57)【要約】
【課題】UEの測定性能(最適なサービングノードの決定を可能にし、それにより適切なリンク切り替え及び/又はセル再選択を通じてネットワークとのUEの接続性を維持するのに役立つ)とUEの消費電力(不要な測定が実行されない場合、UEの消費電力が低減される)との間で適切なバランスをUEが達成するのを支援する。
【解決手段】無線電気通信ネットワークで使用される無線電気通信装置は、第1のネットワークノードに無線信号を送信する又は前記第1のネットワークノードから無線信号を受信するように構成された通信回路であって、前記第1のネットワークノードはモバイルネットワークノードである、通信回路と、1又は複数の条件が満足されるか否かを判定し、前記1又は複数の条件が満足される場合、前記通信回路によって異なる第2のネットワークノードから受信された無線信号の特性を測定するように構成された制御回路とを具備する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電気通信ネットワークで使用される無線電気通信装置であって、
第1のネットワークノードに無線信号を送信する又は前記第1のネットワークノードから無線信号を受信するように構成された通信回路であって、前記第1のネットワークノードはモバイルネットワークノードである、通信回路と、
1又は複数の条件が満足されるか否かを判定し、前記1又は複数の条件が満足される場合、前記通信回路によって異なる第2のネットワークノードから受信された無線信号の特性を測定するように構成された制御回路と
を具備する無線電気通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線電気通信装置であって、
前記第1のネットワークノードが優先ネットワークノードリストに含まれ、
前記第2のネットワークノードが前記優先ネットワークノードリストに含まれず、
前記1又は複数の条件は、前記無線電気通信装置と前記優先ネットワークノードリスト内の少なくとも1つのネットワークノードとの間の通信リンク品質を示す測定値が通信リンク品質閾値未満であるという条件を含む
無線電気通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の無線電気通信装置であって、
前記通信回路は、前記優先ネットワークノードのリストと、前記優先ネットワークノードのリスト内の各ネットワークノードの通信リンク品質閾値との少なくとも一方を示す信号を前記ネットワークから受信するように構成される
無線電気通信装置。
【請求項4】
請求項1に記載の無線電気通信装置であって、
前記1又は複数の条件は、時刻が発生したこと、時刻がまだ発生していないこと、時間が経過したこと又は時間がまだ経過していないことという条件を含む
無線電気通信装置。
【請求項5】
請求項1に記載の無線電気通信装置であって、
前記1又は複数の条件は、前記無線電気通信装置の現在位置を含む
無線電気通信装置。
【請求項6】
請求項1に記載の無線電気通信装置であって、
前記制御回路は、
前記無線電気通信装置の現在位置を推定し、
前記無線電気通信装置の前記現在位置の推定値を前記無線電気通信ネットワークに送信し、
これに応答して、前記無線電気通信装置が前記通信回路によって受信される無線信号の特性を測定すべきことを示すアクティブ化コマンド又は前記無線電気通信装置が前記無線信号の特性の測定を停止すべきことを示す非アクティブ化コマンドを、前記無線電気通信ネットワークから受信するように構成される
無線電気通信装置。
【請求項7】
請求項1に記載の無線電気通信装置であって、
前記1又は複数の条件は、前記通信回路が前記ネットワークから所定の信号を受信するという条件を含む
無線電気通信装置。
【請求項8】
請求項7に記載の無線電気通信装置であって、
前記所定の信号は、前記異なる第2のネットワークノードから前記通信回路によって受信される無線信号の特性を、限られた回数及び/又は限られた時間測定すべきであることを示し、
前記通信回路が前記所定の信号を受信することに応答して、前記制御回路は、前記異なる第2のネットワークノードから前記通信回路によって受信される前記無線信号の前記特性を、前記限られた回数及び/又は前記限られた時間測定するように構成される
無線電気通信装置。
【請求項9】
請求項8に記載の無線電気通信装置であって、
前記制御回路は、前記通信回路が前記異なる第2のネットワークノードから受信した前記無線信号の前記特性の測定を、前記所定の信号を受信したときに開始される所定の時間の間又は終了時に開始するように構成される
無線電気通信装置。
【請求項10】
請求項7に記載の無線電気通信装置であって、
前記所定の信号は、前記異なる第2のネットワークノードから前記通信回路によって受信される無線信号の特性が測定されるべきであることを示すアクティブ化信号であり、
前記通信回路が前記所定の信号を受信することに応答して、前記制御回路は、前記通信回路によって前記異なる第2のネットワークノードから前記通信回路によって受信される無線信号の特性を、前記通信回路によって非アクティブ化信号がさらに受信されるまで測定するように構成される
無線電気通信装置。
【請求項11】
請求項1に記載の無線電気通信装置であって、
前記通信回路は、前記1又は複数の条件を示す信号を前記ネットワークから受信するように構成される
無線電気通信装置。
【請求項12】
請求項11に記載の無線電気通信装置であって、
前記制御回路は、前記通信回路が前記ネットワークから受信したアイドル又は非アクティブ測定設定信号に従って、前記無線電気通信装置がアイドル又は非アクティブモードにあるときに、前記通信回路によって受信される無線信号の特性の測定を実行するように前記無線電気通信装置を制御するように構成され、
前記1又は複数の条件は、前記アイドル又は非アクティブ測定設定信号によって示される
無線電気通信装置。
【請求項13】
請求項1に記載の無線電気通信装置であって、
前記制御回路は、前記1又は複数の条件が満足されたときに、前記第1のネットワークノードから前記通信回路によって受信される無線信号の特性を測定するように構成される
無線電気通信装置。
【請求項14】
無線電気通信ネットワークで使用される無線電気通信装置であって、
第2の無線電気通信装置に無線信号を送信する又は前記第2の無線電気通信装置から無線信号を受信し、前記第2の無線電気通信装置は、第1のネットワークノードに無線信号を送信し又は前記第1のネットワークノードから無線信号を受信するように構成され、前記第1のネットワークノードはモバイルネットワークノードであり、
1又は複数の条件が満足されるか否かを判定し、
前記1又は複数の条件が満足される場合、異なる第2のネットワークノードから通信回路によって受信される無線信号の特性を測定し、前記1又は複数の条件に関連付けられた情報を示す信号を前記第2の無線電気通信装置に送信する
ように構成された通信回路
を具備する無線電気通信装置。
【請求項15】
請求項14に記載の無線電気通信装置であって、
前記第1のネットワークノードは優先ネットワークノードリストに含まれ、
前記第2のネットワークノードは前記優先ネットワークノードリストに含まれず、
前記1又は複数の条件は、前記第2の無線電気通信装置と前記優先ネットワークノードリスト内の少なくとも1つのネットワークノードとの間の通信リンク品質を示す測定値が通信リンク品質閾値未満であるという条件を含み、
前記1又は複数の条件に関する情報を示す前記第2の無線電気通信装置に送信される信号は、前記優先ネットワークノードリストと、前記優先ネットワークノードリスト内の各ネットワークノードの通信リンク品質閾値との少なくとも一方を示す
無線電気通信装置。
【請求項16】
請求項14に記載の無線電気通信装置であって、
前記1又は複数の条件は、前記第2の無線電気通信装置が前記ネットワークから所定の信号を受信することを条件とし、
前記第2の無線電気通信装置に送信される前記1又は複数の条件に関する情報を示す信号は、前記所定の信号である
無線電気通信装置。
【請求項17】
請求項16に記載の無線電気通信装置であって、
前記所定の信号は、前記異なる第2のネットワークノードから前記第2の無線電気通信装置によって受信される無線信号の特性が、限られた回数及び/又は限られた時間測定されるべきであることを示す
無線電気通信装置。
【請求項18】
請求項16に記載の無線電気通信装置であって、
前記所定の信号は、前記異なる第2のネットワークノードから前記第2の無線電気通信装置によって受信される前記無線信号の前記特性が測定されるべきであることを示すアクティブ化信号であり、
前記通信回路は、前記異なる第2のネットワークノードから前記第2の無線電気通信装置によって受信される前記無線信号の前記特性がもはや測定されるべきではないことを示す非アクティブ化信号を前記第2の無線電気通信装置に送信するように構成される
無線電気通信装置。
【請求項19】
請求項17に記載の無線電気通信装置であって、
前記第2の無線電気通信装置に送信される前記1又は複数の条件に関する情報を示す信号は、前記1又は複数の条件を示す
無線電気通信装置。
【請求項20】
請求項19に記載の無線電気通信装置であって、
前記第2の無線電気通信装置に送信される前記1又は複数の条件を示す前記信号は、前記第2の無線電気通信装置がアイドルモード又は非アクティブモードのときに前記通信回路によって受信される無線信号の特性の測定を前記第2の無線電気通信装置が実行するように構成された、アイドル又は非アクティブ測定設定信号である
無線電気通信装置。
【請求項21】
請求項14に記載の無線電気通信装置であって、
前記1又は複数の条件は、前記第2の無線電気通信装置が前記第1のネットワークノードから受信した無線信号の特性を測定するか否かを、前記第2の無線電気通信装置に示す
無線電気通信装置。
【請求項22】
請求項1に記載の無線通信装置と、
請求項14に記載の無線通信装置と
を具備する無線通信システム。
【請求項23】
無線電気通信ネットワークで使用される無線電気通信装置を制御する方法であって、
第1のネットワークノードに無線信号を送信する又は前記第1のネットワークノードから無線信号を受信し、前記第1のネットワークノードはモバイルネットワークノードであり、
1又は複数の条件が満足されるか否かを判定し、
前記1又は複数の条件が満足される場合、通信回路によって異なる第2のネットワークノードから受信された無線信号の特性を測定する
ように前記無線電気通信装置を制御する
方法。
【請求項24】
無線電気通信ネットワークで使用される無線電気通信装置を制御する方法であって、
第2の無線電気通信装置に無線信号を送信する又は前記第2の無線電気通信装置から無線信号を受信し、前記第2の無線電気通信装置は、第1のネットワークノードに無線信号を送信し又は前記第1のネットワークノードから無線信号を受信するように構成され、前記第1のネットワークノードはモバイルネットワークノードであり、
1又は複数の条件が満足されるか否かを判定し、
前記1又は複数の条件が満足される場合、異なる第2のネットワークノードから通信回路によって受信される無線信号の特性を測定し、前記1又は複数の条件に関連付けられた情報を示す信号を前記第2の無線電気通信装置に送信する
ように前記無線電気通信装置を制御する
方法。
【請求項25】
請求項23又は24に記載の方法を実行するようにコンピュータを制御するプログラム。
【請求項26】
請求項25に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線電気通信装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
記載されている「背景」の説明は、本開示の文脈を一般的に示すことを目的としている。本発明者の業績は、背景のセクションに記載されている限りにおいて、また、出願時に先行技術として適格でない可能性がある本明細書の形態と同様に、本開示に対して先行技術として明示的又は黙示的に認められるものではない。
【0003】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標)(RTM))が定義したユニバーサル移動通信システム(UMTS)、ロングタームエボリューション(LTE)及び5G New Radio(NR)アーキテクチャに基づくものなどの最近の世代の移動通信システムは、前世代の移動通信システムによって提供される単純な音声及びメッセージングサービスよりも幅広いサービスをサポートすることができる。例えば、LTEとNRシステムによって提供される改良された無線インタフェースと強化されたデータレートにより、ユーザはモバイルビデオストリーミングやモバイルビデオ会議など、以前は固定回線のデータ接続でしか利用できなかったような高データレートのアプリケーションを体験することができる。
【0004】
このような種類の高度なサービスや装置をサポートすることに加えて、NRのような新世代の移動通信システムでも、新世代の移動通信システムで利用可能な高データレートに必ずしも依存する必要なく、新世代の移動通信システムの信頼性が高く広範囲をカバーすることを利用する、複雑でないサービスや装置をサポートすることが提案される。例えば、複雑でない装置とは、センサと小容量のバッテリーを備えた小さな装置のことである。このような複雑でない装置は、通常、低頻度で及び/又は低データレートでセンサデータを送信する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/030712号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Holma H. and Toskala A, 「LTE for UMTS OFDMA and SC-FDMA based radio access」, John Wiley and Sons, 2009.
【非特許文献2】3GPP TR 22.839 V2.0.0
【非特許文献3】3GPP TS 38.331 V16.5
【非特許文献4】3GPP TS 38.300 V16.5
【非特許文献5】3GPP TS 38.214
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、このようなネットワークを展開する需要は高く、これらのネットワークのカバーエリア、すなわちネットワークへのアクセスが可能な地理的位置は、これまで以上に急速に増加することが予想される。また、このようなネットワークのネットワーク速度、信頼性、効率性及び/又は柔軟性を向上させる一方で、これらのシステムにおける装置(特に、ユーザ装置)の消費電力を削減する必要性も引き続き存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、特許請求の範囲によって定義される。例示的な実施形態に係る無線電気通信装置(ユーザ装置(UE))は、無線電気通信ネットワークで使用される無線電気通信装置であって、
第1のネットワークノードに無線信号を送信する又は前記第1のネットワークノードから無線信号を受信するように構成された通信回路であって、前記第1のネットワークノードはモバイルネットワークノードである、通信回路と、
1又は複数の条件が満足されるか否かを判定し、前記1又は複数の条件が満足される場合、前記通信回路によって異なる第2のネットワークノードから受信された無線信号の特性を測定するように構成された制御回路と
を具備する。
【0009】
開示された例示的な実施形態によれば、UE測定の性能は、1又は複数の条件に依存し得る。1又は複数の条件は、例えば、時間、UEの位置及び1又は複数の特定のネットワークノードとのUEの接続特性に基づくことができる。したがって、UEは、潜在的にUEにサービスを提供できる全てのネットワークノードから送信される信号について常に測定を実行するわけではない。むしろ、1又は複数の条件の満足に基づいて必要な場合にのみ測定を実行する。これにより、UEの測定性能とUEの消費電力との間で適切なバランスが達成されるようにUEを支援することができる。これにより、最適なサービングノードが決定され、それによって適切なリンク切り替え及び/又はセル再選択を通じてネットワークとのUEの接続性が維持される。不要な測定が実行されないとUEの消費電力が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】LTEタイプの無線通信システムのいくつかの要素を概略的に示す。
【
図2】NRタイプの無線通信システムのいくつかの要素を概略的に示す。
【
図3】
図2に示した無線電気通信システムのいくつかの構成要素をより詳細に概略的に示す。
【
図4】NRタイプの無線通信システムのいくつかの要素を概略的に示す。
【
図5】車両搭載型中継(VMR)などのモバイルネットワークノードのユースケースを概略的に示す。
【
図6】無線電気通信装置を制御する第1の例の方法を示す。
【
図7】無線電気通信装置を制御する第2の例の方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の非限定的な実施形態及び利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照して説明される。
【0012】
同様の参照数字は、図面全体を通して同一又は対応する部分を示す。
【0013】
ロングタームエボリューション(LTE)無線通信システム
【0014】
図1は、一般にLTEの原理に従って動作する移動通信ネットワーク/システム6のいくつかの基本的な機能を示す概略図であるが、他の無線アクセス技術もサポートすることができ、本明細書で説明する本開示の実施形態を実装するように適合させることができる。
図1の様々な要素及びそれぞれの動作モードの特定の態様は、よく知られており、3GPP機関によって管理される関連規格で定義されており、また、このテーマに関する多くの書籍、例えば、非特許文献1にも記載される。本明細書で説明する電気通信ネットワークの動作態様のうち、特に記載されていないもの(例えば、異なる要素間で通信するための特定の通信プロトコル及び物理チャネルに関するもの)は、任意の既知の技術に従って、例えば、関連規格及び関連規格に対する既知の修正案及び追加案に従って実装され得ることが理解されるであろう。
【0015】
ネットワーク6は、コアネットワーク2に接続された複数の基地局1を含む。各基地局は、通信装置4との間でデータ通信が可能なカバーエリア3(すなわちセル)を提供する。
【0016】
各基地局1は、
図1では単一のエンティティとして示されているが、当業者であれば、基地局の複数の機能の一部は、複数のアンテナ、複数の遠隔無線ヘッド、複数の増幅器などの、独立し相互に接続された要素によって実行されてもよいことを理解するであろう。集合的に、1又は複数の基地局は無線アクセスネットワークを形成することができる。
【0017】
データは、無線ダウンリンクを介して、基地局1からそれぞれのカバーエリア3内の通信装置4に送信される。通信装置4から基地局1へは、無線アップリンクを介してデータが送信される。コアネットワーク2は、それぞれの基地局1を介して通信装置4との間でデータをルーティングし、認証、モビリティ管理、充電などの機能を提供する。通信装置は、移動局、ユーザ装置(UE)、ユーザ端末、移動無線、端末装置などとも呼ばれることがある。
【0018】
コアネットワーク2によって提供されるサービスには、インターネットへの接続性又は外部の電話サービスへの接続性が含まれる場合がある。ネットワークインフラストラクチャ装置の一例である基地局は、トランシーバ局、nodeB、e-nodeB、eNB、g-nodeB、gNBなどとも呼ばれることがある(g-nodeB及びgNBは5G New Radioに関することに留意されたい。下記参照)。この点で、広範に同等の機能を提供する要素について、異なる用語が異なる世代の無線通信システムに関連付けられることが多い。しかしながら、本開示の特定の実施形態は、異なる世代の無線通信システムにおいて同様に実装され得、簡略化のために、基礎となるネットワークアーキテクチャに関係なく、特定の用語が使用され得る。すなわち、特定の例示的な実施形態に関連して特定の用語を使用することは、これらの実施形態が、その特定の用語に最も関連し得る特定の世代のネットワークに限定されることを示すことを意図するものではない。
【0019】
本開示では、例示された無線電気通信ネットワーク/システムのいずれかにおいて無線電気通信信号を送信及び/又は受信する任意の装置(例えば、通信装置、インフラストラクチャ装置など)は、一般に無線電気通信装置と呼ばれ得る。
【0020】
5G New Radio(NR)無線通信システム
【0021】
NRについて提案された用語の一部を使用する無線通信ネットワークの構成例を
図2に示す。
図2では、複数の送受信ポイント(TRP)10が、分散制御ユニット(DU)41、42に、ライン16として表される接続インタフェースによって接続される。TRP10の各々は、無線通信ネットワークで利用可能な無線周波数帯域幅内で、無線アクセスインタフェースを介して信号を送受信するように配置される。したがって、無線アクセスインタフェースを介して無線通信を実行するための範囲内で、TRP10の各々は、円12で表されるように、無線通信ネットワークのセルを形成する。このように、セル12によって提供される無線通信範囲内にある無線通信装置14は、無線アクセスインタフェースを介してTRP10との間で信号を送受信することができる。分散ユニット41、42の各々は、インタフェース46を介して中央ユニット(CU)40(制御ノードと呼ばれることもある)に接続される。中央ユニット40は、次に、無線通信装置とコアネットワーク20との間のデータ通信に必要な他の全ての機能を含むことができるコアネットワーク20に接続される。コアネットワーク20は、他のネットワーク300に接続されていてもよい。
【0022】
図2に示された無線アクセスネットワークの要素は、
図1の例に関して説明されたLTEネットワークの対応する要素と同様に動作し得る。
図2に表される電気通信ネットワーク及び本開示の実施形態に従って本明細書で説明される他のネットワークの動作形態であって、具体的に説明されていないもの(例えば、異なる要素間で通信するための特定の通信プロトコル及び物理チャネルに関するもの)は、任意の既知の技術に従って、例えば、無線電気通信システムのそのような動作形態を実装するための現在使用されているアプローチに従って、例えば、関連する規格に従って実装されてもよいことが理解されるであろう。
【0023】
図2のTRP10は、部分的に、LTEネットワークの基地局又はeNodeBに対応する機能を有する場合がある。同様に、通信装置14は、LTEネットワークでの動作のために知られているUEデバイス4に対応する機能を有する場合がある。したがって、NRネットワークの動作形態(例えば、異なる要素間で通信するための特定の通信プロトコル及び物理チャネルに関する)は、LTE又は他の既知のモバイル通信規格から既知のものとは異なる場合があることが理解されよう。しかしながら、NRネットワークのコアネットワークコンポーネント、基地局及び通信装置の各々は、それぞれ、LTE無線通信ネットワークのコアネットワークコンポーネント、基地局及び通信装置と機能的に類似していることも理解されよう。
【0024】
大まかなトップレベルの機能性という点では、
図2に表されるNR電気通信システムに接続されるコアネットワーク20は、
図1に表されるコアネットワーク2に対応すると大まかに考えることができ、中央ユニット40及び関するDU41、42/TRP10は、
図1の基地局1に対応する機能性を提供すると大まかに考えることができる。ネットワークインフラストラクチャ装置/アクセスノードという用語は、これらの要素及び無線通信システムの従来の基地局タイプの要素を包含するために使用されることがある。それぞれの分散ユニットと通信装置との間の無線インタフェース上でスケジューリングされる送信のスケジューリング責任は、目下の用途に応じて、CU40、DU41、42及び/又はTRP10にある場合がある。通信装置14は、
図2において、それぞれの通信セル12のカバーエリア内に表される。したがって、これらの通信装置14は、それぞれの通信セル12に関連付けられたTRP10を介してCU40と信号を送受信することができる。
【0025】
さらに、
図2は、本明細書で説明される原則に従ったアプローチが採用され得るNRベースの電気通信システムの提案されるアーキテクチャの単なる一例を表しており、本明細書で開示される機能は、異なるアーキテクチャを有する無線電気通信システムに関しても適用され得ることが理解されよう。
【0026】
したがって、本明細書で説明される本開示の特定の実施形態は、
図1及び
図2に示される例示的なアーキテクチャなど、様々な異なるアーキテクチャに従って無線電気通信システム/ネットワークにおいて実装され得る。したがって、任意の所与の実装における特定の無線電気通信アーキテクチャは、本明細書で説明される原理にとって主要な意義ではないことが理解されよう。この点に関して、本開示の特定の実施形態は、ネットワークインフラストラクチャ装置/アクセスノードと通信装置との間の通信の文脈で一般的に説明されることがあり、ネットワークインフラストラクチャ装置/アクセスノードと通信装置の特定の性質は、目下の実装のネットワークインフラストラクチャに依存する。例えば、いくつかのシナリオでは、ネットワークインフラストラクチャ装置/アクセスノードは、本明細書で説明する原理に従って機能を提供するように適合された、
図1に示すようなLTEタイプの基地局1などの基地局から構成される場合があり、他の例では、ネットワークインフラストラクチャ装置は、説明する原理に従って機能を提供するように適合された、
図2に示す種類のCU40、DU41、42及びI又はTRP10から構成される場合がある。
【0027】
図2に示されたネットワークの構成要素のいくつかのより詳細な図は、
図3によって提供される。
図3において、
図2に示されるようなTRP10は、簡略化された表現として、無線送信機30と、無線受信機32と、送信機30及び受信機32を制御して、TRP10によって形成されるセル12内の1又は複数のUE14に無線信号を送信し、1又は複数のUE14から無線信号を受信するように構成されるコントローラ又は制御プロセッサ34とを備える。
図3に示されるように、例示的なUE14は、対応する無線送信機49と、無線受信機48と、送信機49を制御して、TRP10によって形成される無線アクセスインタフェースを介して無線通信ネットワークにアップリンクデータを示す信号を送信し、受信機48を制御して、送信機30によって送信される信号としてダウンリンクデータを受信するように構成されるコントローラ又は制御プロセッサ44とを含むように示される。
【0028】
送信機30、49及び受信機32、48(並びに本開示の例及び実施形態に関連して説明される他の送信機、受信機及びトランシーバ)は、例えば5G/NR規格に従って無線信号を送受信するために、無線周波数フィルタ及び増幅器並びに信号処理コンポーネント及び装置を含み得る。コントローラ34、44(並びに本開示の例及び実施形態に関連して説明される他のコントローラ)は、例えば、マイクロプロセッサ、CPU又は専用チップセットなどであってよく、不揮発性メモリなどのコンピュータ可読媒体に記憶される命令を実行するように構成される。本明細書で説明する処理ステップは、例えば、ランダムアクセスメモリと組み合わせたマイクロプロセッサが、コンピュータ可読媒体に格納された命令に従って動作することにより実行することができる。
【0029】
図3に示すように、TRP10は、物理インタフェース16を介してDU42に接続するネットワークインタフェース50も含む。したがって、ネットワークインタフェース50は、DU42及びCU40を介してTRP10からコアネットワーク20へのデータ及びシグナリングトラフィックのための通信リンクを提供する。
【0030】
DU42とCU40との間のインタフェース46は、物理インタフェース又は論理インタフェースであり得るF1インタフェースとして知られている。CUとDUの間のF1インタフェース46は、規格「3GPP TS 38.470」及び「3GPP TS 38.473」に従って動作することができ、例えば、光ファイバ又は他の有線高帯域幅接続で形成することができる。一例では、TRP10からDU42への接続16は光ファイバである。TRP10とコアネットワーク20との間の接続は、一般にバックホールと呼ぶことができ、TRP10のネットワークインタフェース50からDU42へのインタフェース16と、DU42からCU40へのF1インタフェース46とから構成される。
【0031】
本技術の配置例は、
図4に示すように、
図1又は
図2に示すものに対応する無線通信ネットワークから形成することができる。
図4は、無線通信ネットワークのセルが、Integrated Access and Backhaul(IAB)機能を備えるインフラストラクチャ装置から形成される例を提供する。無線通信ネットワーク100は、コアネットワーク20と、上述した通信装置4、14に大まかに対応する(特に、
図3のUE14と同じ電子部品から構成される)第1、第2、第3及び第4の通信装置(それぞれ101、102、103及び104)とから構成される。
【0032】
無線通信ネットワーク100は、第1のインフラストラクチャ装置110、第2のインフラストラクチャ装置111、第3のインフラストラクチャ装置112及び第4のインフラストラクチャ装置113からなる無線アクセスネットワークで構成される。各インフラストラクチャ装置は、通信装置101乃至104との間でデータが通信可能なカバレッジエリア(すなわちセル、
図4には図示せず)を提供する。例えば、第4のインフラストラクチャ装置113は、第3及び第4の通信装置103及び104がサービスを得ることができるセルを提供する。データは、第4のインフラストラクチャ装置113から、無線ダウンリンクを介して、それぞれのカバーエリア(図示せず)内の例えば第4の通信装置104に送信される。データは、例えば、第4の通信装置104から、無線アップリンクを介して第4のインフラストラクチャ装置113に送信される。
【0033】
図4のインフラストラクチャ装置110乃至113は、
図2及び
図3のTRP10に大まかに対応することができる(特に、
図3のTRP10と同じ電子部品で構成される)。
【0034】
図4の第1のインフラストラクチャ装置110は、1又は一連の物理的接続122によってコアネットワーク20に接続される。第1のインフラストラクチャ装置110は、F1インタフェース46によってCU40への物理的接続を有するDU42と組み合わせて、DU42への物理的接続16を有するTRP10から構成され得る。CU40は順に、物理的接続(例えば光ファイバ)によってコアネットワーク20に接続される。
【0035】
しかしながら、第2のインフラストラクチャ装置111、第3のインフラストラクチャ装置112及び第4のインフラストラクチャ装置113のいずれかとコアネットワーク20との間には直接的な物理的接続はない。そのため、通信装置から受信されたデータ(すなわち、アップリンクデータ)又は通信装置に送信するためのデータ(すなわち、ダウンリンクデータ)が、通信装置が現在第1のインフラストラクチャ装置110によってサービスを提供されておらず、例えば、無線通信装置104の場合、第4のインフラストラクチャ装置113によってサービスを提供されている場合であっても、コアネットワーク20に物理的に接続されている第1のインフラストラクチャ装置110などの他のインフラストラクチャ装置を経由してコアネットワーク20に送信されるか又はコアネットワーク20から送信されることが必要であるか又は適切であると判断される場合がある。
【0036】
図4の第2、第3及び第4のインフラストラクチャ装置111乃至113はそれぞれ、
図2のTRP10と機能的に大まかに類似したTRPを構成することができる。
【0037】
本技術のいくつかの配置では、
図4の第2乃至第4のインフラストラクチャ装置111乃至113のうちの1又は複数が、DU42をさらに含んでもよく、本技術のいくつかの配置では、第2乃至第4のインフラストラクチャ装置110乃至113のうちの1又は複数が、DU及びCUを含んでもよい。
【0038】
本技術のいくつかの配置では、第1のインフラストラクチャ装置110に関するCU40は、第1のインフラストラクチャ装置110に関してだけでなく、第2、第3及び第4のインフラストラクチャ装置111乃至113のうちの1又は複数に関してもCUの機能を実行することができる。
【0039】
通信装置とコアネットワークとの間でアップリンクデータ又はダウンリンクデータの伝送を提供するために、任意の適切な手段によって経路が決定され、経路の一端は、コアネットワークに物理的に接続され、アップリンクトラフィック及びダウンリンクトラフィックがコアネットワークへ又はコアネットワークからルーティングされるインフラストラクチャ装置である。
【0040】
以下では、「ノード」という用語は、アップリンクデータ又はダウンリンクデータの伝送経路の一部を形成するエンティティ又はインフラストラクチャ装置を指すために使用される。
【0041】
コアネットワークに物理的に接続され、他のインフラストラクチャ装置に通信リソースを提供し得る例示的な配置に従って動作するインフラストラクチャ装置は、「ドナーノード」と呼ばれる。中間ノードとして動作する(すなわち、経路の一部を形成するが、ドナーノードとして動作しない)インフラストラクチャ装置は、「中継ノード」と呼ばれる。このような中間ノードのインフラストラクチャ装置は、バックホールリンクの中継ノードとして機能するが、通信装置にサービスを提供することもあることに留意すべきである。通信装置がサービスを得ているセルを制御するインフラストラクチャ装置である経路の終端の中継ノードは、「終端ノード」と呼ばれる。
【0042】
したがって、以下の説明では、明確かつ簡潔にするために、第1のインフラストラクチャ装置110を「ドナーノード」と呼び、第2のインフラストラクチャ装置111を「第1ノード」と呼び、第3のインフラストラクチャ装置112を「第2ノード」と呼び、第4のインフラストラクチャ装置113を「第3ノード」と呼ぶ。
【0043】
本開示では、「上流ノード」という用語は、無線通信装置からコアネットワークへの経路を介したデータ伝送に使用される場合に、ネクストホップとなる経路において中継ノード又はドナーノードとして動作するノードを指すために使用される。すなわち、「上流ノード」は、コアネットワークへの送信のためにアップリンクデータが送信される中継ノード又はドナーノードを指すために使用される。同様に、「下流ノード」は、コアネットワークへの送信のためにアップリンクデータが受信される中継ノードを指すために使用される。例えば、アップリンクデータが(順に)第3ノード113、第1ノード111、ドナーノード110から構成される経路を介して伝送される場合、ドナーノード110は第1ノード111に対して上流ノードであり、第3ノード113は第1ノード111に対して下流ノードである。
【0044】
ある通信装置から/通信装置へのアップリンク/ダウンリンクデータの伝送には、複数の経路を使用することができる。これは「マルチコネクティビティ」と呼ばれる。例えば、無線通信装置104によって送信されるアップリンクデータは、第3ノード113及び第2ノード112を介してドナーノード110に送信されるか、又は第3ノード113及び第1ノード111を介してドナーノード110に送信される。
【0045】
ドナーノード110及び第1ノード乃至第3ノード111、112、113として機能する第2乃至第4のインフラストラクチャ装置は、1又は複数のノード間無線通信リンク(「無線バックホール通信リンク」とも呼ばれ得る)によって、1又は複数の他のノードと通信することができる。例えば、
図4は、4つのノード間無線通信リンク130、132、134、136を示す。
【0046】
ノード間無線通信リンク130、132、134、136の各々は、それぞれの無線アクセスインタフェースによって提供され得る。あるいは、ノード間無線通信リンク130、132、134、136の2以上は、共通の無線アクセスインタフェースによって提供されてもよく、特に、本技術のいくつかの配置では、ノード間無線通信リンク130、132、134、136の全てが、共有無線アクセスインタフェースによって提供される。
【0047】
ノード間無線通信リンクを提供する無線アクセスインタフェースは、インフラストラクチャ装置と、インフラストラクチャ装置によってサービスを提供される通信装置との間の通信にも使用され得る。例えば、第4の無線通信装置104は、第3ノード113と第2ノード112とを接続するノード間無線通信リンク134を提供する無線アクセスインタフェースを使用して、第3ノード113と通信することができる。
【0048】
ノード間無線通信リンク130、132、134、136を提供する無線アクセスインタフェースは、任意の適切な規格及び技術に従って動作することができる。
【0049】
無線アクセスインタフェース規格の例には、3GPP規格のGPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data rates for Global Evolution)(「2G」)、Wideband Code-Division Multiple Access(WCDMA(登録商標))/Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)及びHigh Speed Packet Access(HSPA)及びHSPA+などの関連規格(「3G」)、LTE及びLTE-Advanced(LTE-A)を含む関連規格(「4G」)並びにNR及びNR-Advancedを含む関連規格(「5G」)が含まれる。無線アクセスインタフェースを提供するために使用され得る技術には、時分割多重アクセス(TDMA)、周波数分割多重アクセス(FDMA)、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)、単一搬送波周波数分割多重アクセス(SC-FDMA)、符号分割多重アクセス(CDMA)のうちの1又は複数が含まれる。二重化(すなわち、無線リンクを介した2方向の伝送)は、周波数分割二重化(FDD)又は時分割二重化(TDD)、あるいはその両方の組み合わせによって行われる。
【0050】
本技術のいくつかの配置では、ノード間無線通信リンク130、132、134、136の2以上が通信リソースを共有することがある。これは、ノード間無線通信リンク130、132、134、136の2以上が単一の無線アクセスインタフェースによって提供されるため、又はノード間無線通信リンク130、132、134、136の2以上が共通の周波数範囲を使用して同時に動作するためである。ノード間無線通信リンク130、132、134、136の性質は、無線バックホール機能が達成されるアーキテクチャに依存し得る。
【0051】
説明される例では、「サービングノード」という用語は、UEがネットワークと通信するために無線アップリンク信号を直接送信するか又は無線ダウンリンク信号を直接受信するノードを指す。例えば、
図4では、ノード111がUE101及び102のサービングノードであり、ノード113がUE103及び104のサービングノードである。
【0052】
図5は、実施形態による
図4のネットワーク100に基づくネットワークのユースケースを示す。ここで、中継ノード111はモバイル中継ノードである。例えば、中継ノード111は、車両(例えば、バスや電車)に搭載された車両搭載型中継(VMR)であり、移動し、その場所に応じて異なる上流ノードに接続する。モバイル中継ノード111の移動性は、コアネットワーク20、CU(
図5には図示せず)、DU(
図5には図示せず)及び/又はモバイル中継ノード111がノード間無線通信リンクを介して接続可能なネットワークの他のノードによって管理される。
図5の時点では、モバイル中継ノード111はドナーノード110とノード間無線通信リンク130を確立している。ドナーノード110は、順次、1又は複数の物理接続122を介してコアネットワーク20に接続される。アップリンク及びダウンリンクデータは、UE101とモバイル中継ノード111との間に確立された無線通信経路500を介して、UE101とネットワークとの間で無線伝送される。
【0053】
VMRのようなモバイル中継ノードと関するユースケースは、例えば非特許文献2で説明される。VMRは、必要なときに必要な場所で、セルラーのカバレッジ及び/又は容量を臨機応変に向上させることができる。また、VMRが搭載された車両内のUEの接続性向上にも役立つ。非特許文献2では、VMRに関するいくつかのユースケースが、これらのユースケースをサポートするために必要となる潜在的な新しいネットワーク要件(特に、UEがモバイル中継ノードを介してネットワークとの接続性を維持できるようにすること)とともに説明される。ユースケースの例の1つは、車両の旅程に沿って車両内のUEにネットワークアクセスを提供するために、モバイル中継ノードの使用をサポートするネットワークである。別の例の使用例としては、モバイル中継ノードを介したネットワークアクセス及び接続性が一旦提供されると、車両内のUEがモバイル中継ノードを介した接続を維持することを保証する手段を提供するネットワークが挙げられる。
【0054】
接続性を維持するために、UEは通常、最も適したサービングノードを見つけるために、UEにサービスを提供できる可能性のある全てのネットワークノードの信号測定を定期的に実行する。しかし、これらの測定を実行するには電力が必要であるため、UEの消費電力が望ましくないほど増加する。
【0055】
この問題に対処するために、単一のモバイル中継ノード(例えば、UEを持つユーザが乗車しているバス又は電車に搭載された中継ノード)を介してネットワークアクセスがUEに提供される非特許文献2の使用例のような状況では、UEが定期的にそのような測定を実行する必要はないことが認識される。なぜなら、ユーザが車両で移動している間は、単一のモバイル中継ノードが最適なサービングノードとなるためである。これは、例えば、車両の旅程が事前に計画されている場合に特に当てはまる。そのため、定期的な測定が必要でないときには実行しないことで、消費電力を削減することができる。しかしその一方で、UEは、例えば車両から離れ、車両に搭載されたモバイル中継ノードに依存できなくなった場合に接続性が失われるのを防ぐために、適切な場合に定期的な測定の実行を再開できるようにする必要がある。そのため、異なるシナリオでUE側測定を実行するか否かを効果的に管理する必要がある。
【0056】
説明された例の中には、モバイルネットワークノードとしてモバイルIABノードを含むものがある。しかし、より一般的には、モバイルネットワークノードは、例えば、中継UEなどの任意の適切な中継装置であってもよい。また、説明した実施例は、中継ノードでないネットワークノード(例えば、ドナーノード110)によってサービスを提供されるUEによって実施されることもある。
【0057】
実施形態では、UE測定の性能は、1又は複数の条件に依存する。条件は、例えば、時間、UEの位置及び1又は複数の特定のネットワークノードとのUEの接続特性に基づく。したがって、UEは、潜在的にUEにサービスを提供できる全てのネットワークノードから送信される信号について、常に測定を実行するわけではない。むしろ、1以上の条件の満足に基づき、必要な場合にのみ測定を実行する。これは、UEの測定性能(最適なサービングノードを決定することを可能にし、それによって、適切なリンク切り替え及び/又はセル再選択を通じてネットワークとのUEの接続性を維持するのに役立つ)とUEの電力消費(不要な測定が実行されない場合、UEの電力消費が低減されるため)との間の適切なバランスを達成するのに役立つ。実施形態において、「完全なUE測定」という用語は、UEに潜在的にサービスを提供できる全てのネットワークノードから受信された信号に対するUEによる測定の上述の電力消費性能を示す。各信号に関する測定は、例えば、各ネットワークノードから送信された信号の基準信号受信電力(RSRP)又は基準信号受信品質(RSRQ)の測定であってもよい。「測定設定」という用語は、測定が実行されるネットワークノードを指す。例えば、測定設定は、完全なUE測定である場合もあれば、UEが1つのノード(例えば、サービングノード)又はUEに潜在的にサービスを提供できるノードの一部に対してのみ測定を実行する場合もある。
【0058】
一実施形態では、優先ノードのリスト及びリンク品質に基づく測定が、UE測定のタイプを決定するために使用される。
【0059】
例えば、ネットワーク中継(IAB、VMR)又はUE中継などの中継装置と接続されているUEには、優先測定リストが設定される。優先測定リストは、1又は複数のネットワークノード(例えば、UEに現在サービスを提供している中継装置及びオプションとして1又は複数の追加のネットワークノード)を識別する。優先測定リストは、例えば、コントローラ44の回路の一部として組み込まれた記憶媒体(図示せず)に格納される。
【0060】
UEは、優先測定リスト内の少なくとも1つのノード(例えば、構成に応じて、全てのノード又は一部のノードのみ)の無線リンク品質(例えば、RSRP又はRSRQによって測定される)が閾値を下回らない限り、(UEにサービスを提供する可能性のある全てのノードではなく)優先測定リスト内のノードに対してのみ測定を実行する。この閾値は事前設定され、優先測定リスト内の各ノードについて同じであっても異なっていてもよい。優先測定リスト内の少なくとも1つのノードについて無線リンク品質が閾値未満となった場合にのみ、UEは完全なUE測定の実行を開始する。
【0061】
優先測定リスト内の各ノードに対する優先測定リスト及び/又は閾値は、サービング中継装置から受信した信号において(例えば、UEが最初に接続したときに)UEに示されることがある。
【0062】
好ましい測定リスト及び/又は閾値は、新しいいわゆる「S-Measure」基準を形成することができる。非中継ネットワークノードに対する既存のS-Measure基準は、例えば非特許文献3で説明される。ここで、閾値は、NRSpセルRSRP測定のためのものであり、UEが非サービングセル上で測定を実行する必要がある場合に制御するものである。この閾値は、ssb-RSRP(同期信号(SS)/物理ブロードキャストチャネル(PBCH)ブロックに基づくセルRSRPに対応)又はcsi-RSRP(チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)に基づくセルRSRPに対応)に基づくことができる。この考え方は、中継ノードに関する要件により適した新しいS-Measure基準として、中継ネットワークノードに拡張することができる。
【0063】
例えば、新しいS-Measure基準のリンク品質閾値は、UEと固定IABノード間のUuインタフェース(既存のS-Measure基準が設定されている)と、UEとモバイルIABノード間のUuインタフェース又はリモートUEと中継UE間のPC5インタフェースなどの違いを反映するように選択できる。リンク品質閾値は、例えば、中継装置とのリンク品質がわずかに低下した場合、固定ネットワークノードよりも問題になる可能性があり(固定ネットワークノードとは異なり、中継装置がUEのユーザが降りたばかりの車両に搭載されている場合など、中継装置がサービスを提供しているUEから突然離れる可能性があるため)、完全なUE測定をより迅速に開始することが有益であるという事実を反映するために、より厳しく(すなわち、より高いリンク品質を示す)設定することもできる。
【0064】
新しいS-Measure基準は、例えば、無線リソース制御(RRC)メッセージ(例えば、IABノードから)又はPC5RRCメッセージ(例えば、中継UEから)でUEに通知されることがある。
【0065】
一実施形態では、タイミングは、UE測定のタイプを決定するために使用される。
【0066】
UEが測定設定で構成される場合、それに関する時間制約がある。例えば、時間制約は、以下のように構成される場合がある。
【0067】
1)開始時刻:UEは、開始時刻の後、測定設定に従って測定を開始する。
【0068】
2)停止時刻:UEは、停止時刻が経過すると、測定設定に従って測定の実行を停止する。
【0069】
3)開始時刻と停止時刻:UEは、開始時刻と停止時刻との間で、測定設定に従って測定を実行する。
【0070】
4)開始時刻+時間:UEは、開始時刻と開始時刻+時間との間で、測定設定に従って測定を実行する。
【0071】
開始時刻、停止時刻及び/又は時間は、例えば、測定設定の一部として定義することができる。測定設定(該当する場合、開始時刻、停止時刻及び/又は時間を含む)は、サービングノードによってUEに送信される場合がある。
【0072】
例えば、ユーザが車両に乗車し、その車両に搭載されたVMRによるサービスを開始すると、測定設定がUEに送信される場合がある。測定設定は、例えば、車両の開始時刻及び停止時刻に従って決定される時間、UEがVMR上でのみ(及び他のネットワークノードなしで)測定を実行することを示す場合がある。例えば、車両が第1の時刻に第1の停留所を出発し、第2の時刻に第2の停留所に到着するバス又は電車である場合、継続時間は、第1の時刻と第2の時刻との間であると定義することができ、第1の時刻及び第2の時刻は、VMRによってUEに通知される測定設定において、それぞれ開始時刻及び停止時刻として定義される。
【0073】
これは、UEが車両とともに移動しているときのUEの電力消費を低減するのに役立つ一方で(検出可能な全てのネットワークノードではなくVMRの測定のみを実行すればよいため)、UEが或る停留所で車両を離れる場合に接続性を確実に維持するのに役立つ(UEが或る停留所で車両を離れる時刻は、その停留所に関連付けられた停止時刻に対応するため、それによってUEは、VMR以外のネットワークノードの測定を開始することができる)。測定設定のさまざまな開始時刻及び停止時刻は、例えば、車両の既知の経路及び停止地点に基づいて事前に決定することができる。
【0074】
より一般的には、測定設定に含まれるタイミングは、測定設定に従った測定(例えば、完全なUE測定を実行する又は優先測定リスト上のUEについてのみ測定を実行する)を実行するために満足されなければならない1又は複数のタイミング関連条件を示す。タイミング関連条件は、時刻が発生したこと(例えば、車両が停留所に到着したことに関する停止時刻が発生したこと)、時刻がまだ発生していないこと(例えば、車両が停留所を出発したことに関する開始時刻がまだ発生していないこと)、時間が経過したこと(例えば、車両が第1の停留所を出てから第2の停留所に到着するまでの時間が経過したこと)又は時間が経過していないこと(例えば、車両が停留所に到着してから同じ停留所を出るまでの時間が経過していないこと)でよい。測定タイミングのいくつかの原則は、例えば特許文献1で説明される。
【0075】
本実施形態の上記の例のタイミングは、サービングノード以外のノードで実施される測定に適用されるが、このようなタイミングは、サービングノードで実施される測定にも適用できる。例えば、車両が移動していないとき又は期間にのみ、UEにVMRの測定を実行させる測定設定が考えられる。これは、車両が移動している場合、VMRが最も適切なサービングノードであると想定される(そのため、VMRの測定は必要ない)のに対し、車両が移動していない場合、使用できるより適切なサービングノードが存在する可能性がある(そのため、VMRの測定と隣接するノードの測定が必要である)ためである。
【0076】
一実施形態では、測定設定は事前設定され、UE測定のタイプを決定するためにアクティブ化又は非アクティブ化される。
【0077】
例えば、UEは、ネットワークからの信号(例えば、RRC信号)によって、1又は複数の測定設定(例えば、サービングノード上でのみ測定を実行する第1の測定設定、優先測定リスト内のノード上でのみ測定を実行する第2の測定設定など)が事前設定される。その後、UEは、ネットワークから(例えば現在のサービングノードから)アクティブ化信号を受信した場合にのみ、事前設定された測定設定の1つに従って測定の実行を開始する。一般に、事前設定された測定設定は、サービングノード及び/又は1又は複数の隣接ノードに関して測定を実行させる。
【0078】
一例では、事前設定された各測定設定は、それぞれの事前に定義されたインデックスに関連付けられており、アクティブ化信号は、起動される各測定設定のインデックスを示す。例えば、インデックス「1」を有する第1の測定設定(例えば、サービングノード上の測定のみを実行する)がアクティブ化される場合、アクティブ化信号はインデックス「1」を含む。同様に、インデックス「2」を持つ第2の測定設定(例えば、優先測定リスト内のノードに対してのみ測定を実行)をアクティブ化する場合、アクティブ化信号はインデックス「2」を含む。複数のインデックスを含むアクティブ化信号又は各々が異なるそれぞれのインデックスを有する複数のアクティブ化信号が送信されることによって、複数の事前設定された測定設定を同時に起動することができる(それらが相互に排他的でないという条件を含む)。
【0079】
一例では、UEは、後続の非アクティブ化信号がネットワークから(例えば現在のサービングノードから)受信されるまで、アクティブ化された測定設定に従って測定を実行し続ける。非アクティブ化信号は、非アクティブ化される各事前設定済みの測定設定のインデックスを示す。
【0080】
アクティブ化信号及び非アクティブ化信号は、任意の適切な形式をとることができる。例えば、RRC信号、媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(CE)信号又は適切なL1レイヤ信号(ダウンリンク制御情報(DCI)など)を介してシグナリングされるアクティブ化/非アクティブ化コマンドの形態をとることができる。
【0081】
ネットワークは、UEの1又は複数の特性に従って、アクティブ化信号又は非アクティブ化信号を送信することができる。
【0082】
例えば、アクティブ化コマンド又は非アクティブ化コマンドの送信は、以下のうちの1又は複数によってトリガされ得る。
【0083】
1)UEから受信した位置情報(例えば、ネットワークが、UEの位置の近傍にあるネットワークノードで測定を実行するための測定設定をアクティブ化できるようにする)。
【0084】
2)UEから受信されたアップリンク基準信号の強度又は品質(例えば、RSRP又はRSRQ)(例えば、UEのアップリンク基準信号の品質の強度が閾値未満である場合又は異なる事前設定された測定設定が適切であるUEの速度及び/又は場所を示す場合、ネットワークが、現在のサービングノード以外のネットワークノードで測定を実行するための測定設定をアクティブ化できるようにする)。
【0085】
3)UEが移動する際の既知の旅程又は経路(例えば、ネットワークは、UEの旅程又は経路に沿って異なる時間及び/又は場所でUEの異なる事前設定された測定設定をアクティブ化できるようにする)。
【0086】
一実施形態では、UEは、測定設定に従って、単一の測定又は一連の測定を実施することが要求される場合がある。これは、「ワンショット」測定設定と呼ばれる場合がある。この場合、例えば、ワンショット測定設定に従って測定を行う必要性が、ネットワーク(例えば、現在のサービングノード)から送信される所定の信号によってUEに示される。測定が完了すると(例えば、所定の時間経過後又は一定数の測定が行われた後)、UEは、ネットワークからそれ以上の信号(例えば、非アクティブ化信号)を受信することなく、所定の信号を受信する前の状態に戻る。ワンショット測定設定を開始するためにUEに送信される所定の信号は、(測定設定を定義する全ての必要なパラメータを含むなどして)ワンショット測定設定を示すことも、(RRC信号、MAC CE又はレイヤ1シグナリングを介するなどして)UEで事前設定されたワンショット測定設定をトリガすることもできる。
【0087】
例えば、ワンショット測定送信は、以下のうちの1又は複数によってトリガされ得る。
【0088】
1.ネットワークは、適切なロケーションベースサービスを提供できるように、UEの現在位置を知りたい。この場合、例えば、UEは、ネットワークからの所定の信号に応答して、限られた時間だけ完全なUE測定を実行し、その測定値をネットワークに報告することができる。測定値に基づいて、ネットワークはUEの位置を推定できる。あるいは、そうする能力があれば、UEはネットワークからの所定の信号の受信に応答して、ロケーションレポートを送信することもできる。
【0089】
2.ネットワークは、UEがビーム方向を調整できるように、UEの現在の無線リンク品質を知りたい。この場合、例えば、UEは、ネットワークからの所定の信号に応答して、ビーム方向が決定された現在のサービングノードに関する測定を実行し、測定値をネットワークに報告することができる。あるいは、所定の信号に応答して、UEがアップリンク基準信号を送信し、この基準信号を現在のサービングノードが測定して、現在の無線リンク品質を決定することもできる。測定値(UEから報告されるか又は受信したアップリンク基準信号に基づいて直接測定される)に基づいて、ネットワークは現在のビーム方向を調整する必要があるか否かを推定できる。
【0090】
3.ネットワークは、特定のエリアにおけるカバレッジ状況を確認したい。この場合、例えば、(例えば、そのエリアをカバーするセルを提供するネットワークノードによって)そのエリア内の全てのUEに所定の信号が送信される。これに応答して、各UEは、ネットワークからの所定の信号に応答して、限られた時間だけ完全なUE測定を実行し、その測定値をネットワークに報告する。この場合、例えば、UEは、ネットワークからの所定の信号に応答して、限られた時間だけ干渉信号の測定を実行し、その測定値をネットワークに報告することができる。これにより、ネットワークは、UEに干渉を引き起こす可能性のあるネットワークエンティティを判断し、適切な緩和措置を実行することができる。
【0091】
ワンショット測定設定をトリガする所定の信号は、任意の適切な形式をとることができる。例えば、RRC信号、MAC CE信号又は適切なL1レイヤ信号(DCIなど)を介してシグナリングされるワンショットトリガコマンドの形態をとることができる。一般に、ワンショット測定設定は、サービングノード及び/又は1又は複数の隣接ノードに関して測定を実行させる。
【0092】
UEは、予め定義された時間内にワンショット測定設定(例えば、上記の例示的な測定設定のうちの1つ)を実施するように構成され得る。すなわち、UEは、ネットワークからの所定の信号の受信に応答して実行する動作(例えば、測定の実行及び/又はアップリンク基準信号の送信)が、所定の信号が受信されたときに開始される所定の時間の間又はその終了時に発生するように構成されてもよい。所定の時間は、例えば、秒単位又は無線フレーム、サブフレーム若しくはスロット単位で測定することができる。これにより、ネットワークはいつアクションが実行されたかを知ることができる。これは、例えば、UEに干渉を引き起こしているネットワークエンティティを判断するのに役立つ(ネットワークは、UEによって干渉がいつ測定されたかを知っているため)。
【0093】
一実施形態では、UE測定のタイプを示す情報は、UEがネットワークから受信したアイドル又は非アクティブ測定設定信号で示される。アイドル又は非アクティブ測定設定信号の例は非特許文献4に開示されており、RRCアイドル又は非アクティブモードのときに特定の測定を実行するようにUEを構成する。このような信号は、例えば、RRCリリースメッセージに含まれている。
【0094】
一例では、RRCアイドルモードの場合、RRCアイドルモード中にUEが実行した測定の利用可能性は、後続のRRCセットアップ完了メッセージでネットワークに報告される。セキュリティのアクティブ化後(例えば、UEへのセキュリティモードコマンドの送信後で、UEからのセキュリティモード完了の受信前)、ネットワークは測定を要求することができる(その後、UEはこれらの測定結果をネットワークに提供する)。
【0095】
一例では、RRC非アクティブモードの場合、ネットワークはUEに対して、RRC非アクティブモード中にUEによって実行された測定をRRC再開メッセージで提供するように要求し、その後、UEは利用可能な測定結果をRRC再開完了メッセージに含めることができる。あるいは、UEはRRC再開完了メッセージの中で、測定結果が利用可能であることを示す表示をネットワークに提供し、ネットワークはUEにこれらの測定結果を提供するよう要求することもできる(その後、UEはこれらの測定結果をネットワークに提供する)。
【0096】
UE測定のタイプ(例えば、サービングノード上でのみ測定を実行する第1の測定設定、優先測定リスト内のノード上でのみ測定を実行する第2の測定設定など)は、アイドル又は非アクティブ測定設定信号の一部として(例えば、情報要素(IE)Meas Idle ConfigとしてRRCリリースメッセージ及び/又はシステム情報ブロック(SIB)11内で)提供することができる。UE測定のタイプは、実施されるアイドル又は非アクティブ測定に関するさらなる特性を定義することができる。例えば、その特性は、時間ベース(例えば、UEがアイドル測定又は非アクティブ測定を実行する時刻及び/又は時間を示す)、場所ベース(例えば、UEがアイドル測定又は非アクティブ測定を実行する場所/エリアを示す)又はUE速度やアイドルモード又は非アクティブモードに入る前にUEが接続されている特定のネットワークノードなどの他の特性である可能性がある。例えば、UEがアイドル又は非アクティブモードで遭遇する可能性のある潜在的な中継ノードを任意の優先測定リストに含めることができるように、中継ノード情報も(例えば有効エリアリストに)含めることができる。
【0097】
説明した実施形態のいくつかはL3レイヤの測定報告に関するものであるが、RSRP及びCSIの報告はL1レイヤでも可能であることに留意されたい(例えば、非特許文献5に記載されているように)。したがって、本技術は、時間、場所、特定のネットワークノードなどに基づいてUEに測定設定を提供できるように、L1レイヤに拡張されてもよい。UE測定のタイプは、例えば、RRC信号を介してL1レイヤに設定することができる。
【0098】
ネットワークの要件に応じて、さまざまな実施形態を組み合わせることができる。例えば、UEは、(優先リスト内の少なくとも1つのノードの無線リンク品質が関する閾値以上であることを条件として)優先ネットワークリスト内のノードに対する測定のみを、所定時間の前又は後、あるいは所定時間の満了の前又は後に実行するように構成することができる。別の例では、UEは、(やはり、優先リスト内の少なくとも1つのノードの無線リンク品質が関する閾値以上であることを条件として)優先ネットワークリスト内のノードの測定のみを実行するように構成される場合があるが、これは、例えば、完全なUE測定を示すアクティブ化信号又は所定の信号が受信された場合に上書きされる場合がある。説明した実施形態のいずれかを、ネットワークの要件に従って組み合わせることができることは理解されるであろう。
【0099】
したがって、本技術は、特にモバイルネットワークノードのコンテキストにおいて、UE接続性とUE消費電力との間の改善されたバランスを達成するために、1又は複数の条件に従ってUE測定を構成することを可能にする。
【0100】
図6は、一実施形態による無線電気通信装置(例えば、UE101)によって実行される方法を示す。この方法はステップ600から開始する。
【0101】
ステップ601において、通信回路(例えば、送信機49及び/又は受信機48)は、第1のネットワークノード(例えば、ノード111)に無線信号を送信する又は第1のネットワークノードから無線信号を受信し、第1のネットワークノードはモバイルネットワークノードである。
【0102】
ステップ602において、制御回路(例えば、コントローラ44)は、1又は複数の条件が満足されるか否かを判定する。1又は複数の条件が満足される場合、方法はステップ603に進む。そうでない場合、方法はステップ601に戻る。
【0103】
ステップ603において、制御回路は、異なる第2のネットワークノードから通信回路によって受信される無線信号の特性(例えば、RSRP又はRSRQ)を測定する。
【0104】
この方法はステップ604で終了する。
【0105】
ステップ602の1又は複数の条件について、様々な例が示される。様々な例には、無線電気通信装置と、優先ネットワークノードのリスト内の各ネットワークノードとの間の通信リンク品質を示す測定値が、通信リンク品質閾値未満であるという条件が含まれる(ここで、第1のネットワークノードは優先ネットワークノードのリスト内にあり、第2のネットワークノードは無い)。また、時刻が発生した(例えば、車両の停止時刻)、時刻がまだ発生していない(例えば、車両の開始時刻)、時間が経過した(例えば、車両の走行時間)又は時間がまだ経過していない(例えば、車両の停止時間)という条件も含まれる。例には、ネットワークから(例えばサービングノードから)所定の信号を受信するという条件も含まれる。所定信号は、例えば、ワンショット測定設定をトリガするアクティブ化信号又は所定信号であってもよい。
【0106】
1又は複数の条件に関する情報を示す信号が、ネットワークによって、
図6の方法を実行する無線電気通信装置に送信される場合がある。この情報は、1又は複数の条件自体(例えば、測定設定情報として、任意選択で、時刻又は時間等の情報が条件として含まれる場合、時刻又は時間などの情報を含む)又はこれらがUEで事前設定される場合の1又は複数の条件に関する情報(例えば、優先ネットワークノードのリスト及び通信リンク品質閾値又は特定の測定設定を示すインデックス)を示す場合がある。
【0107】
1又は複数の条件に関する情報を示す信号は、ネットワークの適切なノード(現在のサービングノードなど)によって送信される。このようなノードは無線電気通信装置(例えばノード111)の形態をとる。
図7は、実施形態による、そのような無線電気通信装置によって実行される方法を示す。この方法はステップ700から始まる。
【0108】
ステップ701において、通信回路(例えば、送信機30及び/又は受信機32)は、無線信号を第2の無線電気通信装置(例えば、
図6の方法を実行する無線電気通信装置、UE101など)に送信し又は第2の無線電気通信装置から無線信号を受信する。
【0109】
ステップ702において、通信回路は、1又は複数の条件に関する情報を示す信号を第2の無線電気通信装置に送信する。
【0110】
この方法はステップ703で終了する。
【0111】
本開示の実施形態は、以下の番号付けされた項によって定義される。
【0112】
(1)無線電気通信ネットワークで使用される無線電気通信装置であって、
第1のネットワークノードに無線信号を送信する又は前記第1のネットワークノードから無線信号を受信するように構成された通信回路であって、前記第1のネットワークノードはモバイルネットワークノードである、通信回路と、
1又は複数の条件が満足されるか否かを判定し、前記1又は複数の条件が満足される場合、前記通信回路によって異なる第2のネットワークノードから受信された無線信号の特性を測定するように構成された制御回路と
を具備する無線電気通信装置。
【0113】
(2)上記(1)に記載の無線電気通信装置であって、
前記第1のネットワークノードが優先ネットワークノードリストに含まれ、
前記第2のネットワークノードが前記優先ネットワークノードリストに含まれず、
前記1又は複数の条件は、前記無線電気通信装置と前記優先ネットワークノードリスト内の少なくとも1つのネットワークノードとの間の通信リンク品質を示す測定値が通信リンク品質閾値未満であるという条件を含む
無線電気通信装置。
【0114】
(3)上記(2)に記載の無線電気通信装置であって、
前記通信回路は、前記優先ネットワークノードのリストと、前記優先ネットワークノードのリスト内の各ネットワークノードの通信リンク品質閾値との少なくとも一方を示す信号を前記ネットワークから受信するように構成される
無線電気通信装置。
【0115】
(4)先行するいずれか一項に記載の無線電気通信装置であって、
前記1又は複数の条件は、時刻が発生したこと、時刻がまだ発生していないこと、時間が経過したこと又は時間がまだ経過していないことという条件を含む
無線電気通信装置。
【0116】
(5)先行するいずれか一項に記載の無線電気通信装置であって、
前記1又は複数の条件は、前記無線電気通信装置の現在位置を含む
無線電気通信装置。
【0117】
(6)上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の無線電気通信装置であって、
前記制御回路は、
前記無線電気通信装置の現在位置を推定し、
前記無線電気通信装置の前記現在位置の推定値を前記無線電気通信ネットワークに送信し、
これに応答して、前記無線電気通信装置が前記通信回路によって受信される無線信号の特性を測定すべきことを示すアクティブ化コマンド又は前記無線電気通信装置が前記無線信号の特性の測定を停止すべきことを示す非アクティブ化コマンドを、前記無線電気通信ネットワークから受信するように構成される
無線電気通信装置。
【0118】
(7)先行するいずれか一項に記載の無線電気通信装置であって、
前記1又は複数の条件は、前記通信回路が前記ネットワークから所定の信号を受信するという条件を含む
無線電気通信装置。
【0119】
(8)上記(7)に記載の無線電気通信装置であって、
前記所定の信号は、前記異なる第2のネットワークノードから前記通信回路によって受信される無線信号の特性を、限られた回数及び/又は限られた時間測定すべきであることを示し、
前記通信回路が前記所定の信号を受信することに応答して、前記制御回路は、前記異なる第2のネットワークノードから前記通信回路によって受信される前記無線信号の前記特性を、前記限られた回数及び/又は前記限られた時間測定するように構成される
無線電気通信装置。
【0120】
(9)上記(8)に記載の無線電気通信装置であって、
前記制御回路は、前記通信回路が前記異なる第2のネットワークノードから受信した前記無線信号の前記特性の測定を、前記所定の信号を受信したときに開始される所定の時間の間又は終了時に開始するように構成される
無線電気通信装置。
【0121】
(10)上記(7)に記載の無線電気通信装置であって、
前記所定の信号は、前記異なる第2のネットワークノードから前記通信回路によって受信される無線信号の特性が測定されるべきであることを示すアクティブ化信号であり、
前記通信回路が前記所定の信号を受信することに応答して、前記制御回路は、前記通信回路によって前記異なる第2のネットワークノードから前記通信回路によって受信される無線信号の特性を、前記通信回路によって非アクティブ化信号がさらに受信されるまで測定するように構成される
無線電気通信装置。
【0122】
(11)先行するいずれか一項に記載の無線電気通信装置であって、
前記通信回路は、前記1又は複数の条件を示す信号を前記ネットワークから受信するように構成される
無線電気通信装置。
【0123】
(12)上記(11)に記載の無線電気通信装置であって、
前記制御回路は、前記通信回路が前記ネットワークから受信したアイドル又は非アクティブ測定設定信号に従って、前記無線電気通信装置がアイドル又は非アクティブモードにあるときに、前記通信回路によって受信される無線信号の特性の測定を実行するように前記無線電気通信装置を制御するように構成され、
前記1又は複数の条件は、前記アイドル又は非アクティブ測定設定信号によって示される
無線電気通信装置。
【0124】
(13)先行するいずれか一項に記載の無線電気通信装置であって、
前記制御回路は、前記1又は複数の条件が満足されたときに、前記第1のネットワークノードから前記通信回路によって受信される無線信号の特性を測定するように構成される
無線電気通信装置。
【0125】
(14)無線電気通信ネットワークで使用される無線電気通信装置であって、
第2の無線電気通信装置に無線信号を送信する又は前記第2の無線電気通信装置から無線信号を受信し、前記第2の無線電気通信装置は、第1のネットワークノードに無線信号を送信し又は前記第1のネットワークノードから無線信号を受信するように構成され、前記第1のネットワークノードはモバイルネットワークノードであり、
1又は複数の条件が満足されるか否かを判定し、
前記1又は複数の条件が満足される場合、異なる第2のネットワークノードから通信回路によって受信される無線信号の特性を測定し、前記1又は複数の条件に関連付けられた情報を示す信号を前記第2の無線電気通信装置に送信する
ように構成された通信回路
を具備する無線電気通信装置。
【0126】
(15)上記(14)に記載の無線電気通信装置であって、
前記第1のネットワークノードは優先ネットワークノードリストに含まれ、
前記第2のネットワークノードは前記優先ネットワークノードリストに含まれず、
前記1又は複数の条件は、前記第2の無線電気通信装置と前記優先ネットワークノードリスト内の少なくとも1つのネットワークノードとの間の通信リンク品質を示す測定値が通信リンク品質閾値未満であるという条件を含み、
前記1又は複数の条件に関する情報を示す前記第2の無線電気通信装置に送信される信号は、前記優先ネットワークノードリストと、前記優先ネットワークノードリスト内の各ネットワークノードの通信リンク品質閾値との少なくとも一方を示す
無線電気通信装置。
【0127】
(16)上記(14)又は(15)に記載の無線電気通信装置であって、
前記1又は複数の条件は、前記第2の無線電気通信装置が前記ネットワークから所定の信号を受信することを条件とし、
前記第2の無線電気通信装置に送信される前記1又は複数の条件に関する情報を示す信号は、前記所定の信号である
無線電気通信装置。
【0128】
(17)上記(16)に記載の無線電気通信装置であって、
前記所定の信号は、前記異なる第2のネットワークノードから前記第2の無線電気通信装置によって受信される無線信号の特性が、限られた回数及び/又は限られた時間測定されるべきであることを示す
無線電気通信装置。
【0129】
(18)上記(16)に記載の無線電気通信装置であって、
前記所定の信号は、前記異なる第2のネットワークノードから前記第2の無線電気通信装置によって受信される前記無線信号の前記特性が測定されるべきであることを示すアクティブ化信号であり、
前記通信回路は、前記異なる第2のネットワークノードから前記第2の無線電気通信装置によって受信される前記無線信号の前記特性がもはや測定されるべきではないことを示す非アクティブ化信号を前記第2の無線電気通信装置に送信するように構成される
無線電気通信装置。
【0130】
(19)上記(17)又は(18)に記載の無線電気通信装置であって、
前記第2の無線電気通信装置に送信される前記1又は複数の条件に関する情報を示す信号は、前記1又は複数の条件を示す
無線電気通信装置。
【0131】
(20)上記(19)に記載の無線電気通信装置であって、
前記第2の無線電気通信装置に送信される前記1又は複数の条件を示す前記信号は、前記第2の無線電気通信装置がアイドルモード又は非アクティブモードのときに前記通信回路によって受信される無線信号の特性の測定を前記第2の無線電気通信装置が実行するように構成された、アイドル又は非アクティブ測定設定信号である
無線電気通信装置。
【0132】
(21)先行するいずれか一項に記載の無線電気通信装置であって、
前記1又は複数の条件は、前記第2の無線電気通信装置が前記第1のネットワークノードから受信した無線信号の特性を測定するか否かを、前記第2の無線電気通信装置に示す
無線電気通信装置。
【0133】
(22)上記(1)に記載の無線通信装置と、
(14)に記載の無線通信装置と
を具備する無線通信システム。
【0134】
(23)無線電気通信ネットワークで使用される無線電気通信装置を制御する方法であって、
第1のネットワークノードに無線信号を送信する又は前記第1のネットワークノードから無線信号を受信し、前記第1のネットワークノードはモバイルネットワークノードであり、
1又は複数の条件が満足されるか否かを判定し、
前記1又は複数の条件が満足される場合、通信回路によって異なる第2のネットワークノードから受信された無線信号の特性を測定する
ように前記無線電気通信装置を制御する
方法。
【0135】
(24)無線電気通信ネットワークで使用される無線電気通信装置を制御する方法であって、
第2の無線電気通信装置に無線信号を送信する又は前記第2の無線電気通信装置から無線信号を受信し、前記第2の無線電気通信装置は、第1のネットワークノードに無線信号を送信し又は前記第1のネットワークノードから無線信号を受信するように構成され、前記第1のネットワークノードはモバイルネットワークノードであり、
1又は複数の条件が満足されるか否かを判定し、
前記1又は複数の条件が満足される場合、異なる第2のネットワークノードから通信回路によって受信される無線信号の特性を測定し、前記1又は複数の条件に関連付けられた情報を示す信号を前記第2の無線電気通信装置に送信する
ように前記無線電気通信装置を制御する
方法。
【0136】
(25)上記(23)又は(24)に記載の方法を実行するようにコンピュータを制御するプログラム。
【0137】
(26)上記(25)に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【0138】
上記の教示に照らして、本開示の多数の修正及び変形が可能である。したがって、特許請求の範囲内において、本開示は、本明細書において具体的に記載される以外の方法で実施され得ることが理解される。
【0139】
本開示の実施形態が、少なくとも部分的に、1又は複数のソフトウェア制御情報処理装置によって実施されるものとして説明されてきた限りにおいて、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどのような、そのようなソフトウェアを保持する機械可読媒体(特に、非一過性の機械可読媒体)もまた、本開示の実施形態を示すと考えられることが理解されよう。特に、本開示は、開示された方法のいずれかをコンピュータに実行させるコード構成要素を含む非一過性の記憶媒体を含むと理解されるべきである。
【0140】
上記の説明では、明確にするために、異なる機能ユニット、回路及び/又はプロセッサを参照して実施形態を説明したことが理解されよう。しかしながら、異なる機能ユニット、回路及び/又はプロセッサ間の任意の適切な機能性の配分が、実施形態を損なうことなく使用され得ることは明らかであろう。
【0141】
記述される実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの任意の組合せを含む任意の適切な形態で実装され得る。記載される実施形態は、任意選択で、1又は複数のコンピュータプロセッサ(例えば、データプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ)上で実行されるコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実装されてもよい。任意の実施形態の要素及び構成要素は、物理的、機能的及び論理的に、任意の適切な方法で実装することができる。実際、機能は、単一のユニット、複数のユニット又は他の機能ユニットの一部として実装されてもよい。このように、開示された実施形態は、単一のユニットで実装されてもよいし、異なるユニット、回路及び/又はプロセッサ間で物理的及び機能的に分散されてもよい。
【0142】
本開示は、いくつかの実施形態に関連して説明されてきたが、これらの実施形態に限定されることを意図するものではない。さらに、ある特徴が特定の実施形態に関連して記載されているように見えるかもしれないが、当業者であれば、記載された実施形態の様々な特徴を、本開示を実施するのに適した任意の方法で組み合わせることができることを認識するであろう。
【国際調査報告】