(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】フライホイールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16F 15/30 20060101AFI20241206BHJP
H02K 7/04 20060101ALI20241206BHJP
H02J 15/00 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
F16F15/30 Z
H02K7/04
H02J15/00 A
F16F15/30 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538685
(86)(22)【出願日】2022-12-26
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 IL2022051386
(87)【国際公開番号】W WO2023126923
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524239151
【氏名又は名称】ズーズ パワー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ベン デービッド,イラン
(72)【発明者】
【氏名】エゼル,ロテム
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607CC05
5H607EE38
5H607FF00
(57)【要約】
複数のスタックされたプレートであって、複数のプレートのうちの第1の端部プレートがロータの第1の端部を画定し、複数のプレートのうちの第2の端部プレートがロータの第2の端部を画定する、複数のスタックされたプレートと、一対のシャフトであって、それぞれがロータの回転軸に沿ってロータの第1の端部及び第2の端部のそれぞれから延びる、一対のシャフトとから構成され、第1及び第2の端部プレートのそれぞれの外周が、それぞれの複数の歯を示す、フライホイールアセンブリ。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスタックされたプレートであって、前記複数のプレートのうちの第1の端部プレートがロータの第1の端部を画定し、前記複数のプレートのうちの第2の端部プレートが前記ロータの第2の端部を画定する、複数のスタックされたプレートと、
一対のシャフトであって、それぞれが前記ロータの回転軸に沿って前記ロータの前記第1の端部及び前記第2の端部のそれぞれから延びる、一対のシャフトとを含み、
前記第1及び第2の端部プレートのそれぞれの外周が、それぞれの複数の歯を示す、フライホイールアセンブリ。
【請求項2】
前記第1及び第2の端部プレートのそれぞれについて、前記それぞれの複数の歯のそれぞれが、それぞれの穴を示す、請求項1に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項3】
前記第1及び第2の端部プレートのそれぞれが、外面と、前記外面の反対側の内面とを示し、前記第1の端部プレートの前記内面は、前記第2の端部プレートの前記内面に面し、
前記第1及び第2の端部プレートのそれぞれについて、前記それぞれの穴は、それぞれの外面から前記第1及び第2の端部プレートのそれぞれの中に延びる、請求項2に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項4】
一対の固定部材をさらに含み、前記一対の固定部材のそれぞれは、前記第1及び第2の端部プレートのそれぞれの前記外面に固定され、
前記一対のシャフトのそれぞれは、前記一対の固定部材のそれぞれに固定される、
請求項3に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項5】
前記第1及び第2の端部プレートのそれぞれについて、前記それぞれの穴の容積は、前記フライホイールアセンブリの質量中心が前記一対のシャフトを通って延びる前記回転軸上に位置するように定められる、請求項2~4のいずれか一項に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項6】
前記複数のスタックされたプレートが、端部プレートの第1のスタックと、端部プレートの第2のスタックと、端部プレートの前記第1のスタック及び第2のスタックの間にスタックされた中間プレートの複数のスタックとを含み、
端部プレートの前記第1のスタックが前記第1の端部プレートを含み、端部プレートの前記第2のスタックが前記第2の端部プレートを含み、
端部プレートの前記第1及び第2のスタックの各プレートの外周が、それぞれの複数の歯を含み、端部プレートの前記第1のスタックの各プレートの各歯が、端部プレートの前記第1のスタックのプレートの残りのそれぞれのそれぞれの歯と整列され、端部プレートの前記第2のスタックの各プレートの各歯が、端部プレートの前記第2のスタックのプレートの残りのそれぞれのそれぞれの歯と整列される、
請求項2~5のいずれか一項に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の端部プレートの前記穴の1つ又は複数が、端部プレートの前記第1のスタックの複数を貫通して延び、及び/又は前記第2の端部プレートの前記穴の1つ又は複数が、端部プレートの前記第2のスタックの複数を貫通して延びる、請求項6に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項8】
前記回転軸が対称軸である、請求項1~7のいずれか一項に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項9】
前記第1及び第2の端部プレートのそれぞれについて、前記それぞれの複数の歯のそれぞれが、前記複数のスタックされたプレートのそれぞれの円周を越えて延びない、請求項1~8のいずれか一項に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項10】
前記複数のスタックされたプレートのそれぞれが円形であり、
前記複数のスタックされたプレートの半径が互いに等しい、
請求項1~9のいずれか一項に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項11】
充填材をさらに含み、前記充填材のそれぞれの所定量が、前記複数のスタックされたプレートの各隣接対の間に堆積される、請求項1~10のいずれか一項に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項12】
前記充填材の各それぞれの所定量が、隣接するプレートのそれぞれの対が互いに平行になるように定められる、請求項11に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項13】
前記充填材が接着材料である、請求項11又は12に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項14】
複数のロッドをさらに含み、
前記ロータが複数のチャネルを含み、各チャネルは前記ロータの前記第1の端部から前記ロータの前記第2の端部まで前記複数のスタックされたプレートを貫通して延び、
前記複数のロッドのそれぞれが前記複数のチャネルのそれぞれの1つの中に挿入される、
請求項1~13のいずれか一項に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項15】
フライホイールアセンブリを製造するための方法であって、
プレートの複数のスタックのそれぞれについて、隣接するプレートの各対の間にそれぞれの所定量の接着性充填材を適用することと、
プレートの前記複数のスタックのそれぞれについて、2つの平行な基準プレートの間にプレートの前記それぞれのスタックを固定することと、
プレートの前記複数のスタックをスタックしてロータを画定することと、
プレートの前記スタックされたスタックを互いに固定することと、
一対のシャフトのそれぞれを前記ロータのそれぞれの端部に固定することと
を含む方法。
【請求項16】
プレートの前記複数のスタックが、端部プレートの第1のスタックと、端部プレートの第2のスタックと、端部プレートの前記第1のスタック及び第2のスタックの間にスタックされた複数の中間プレートのスタックとを備え、
端部プレートの前記第1のスタックのそれぞれが、その外周に複数の歯を含み、端部プレートの前記第1のスタックの各プレートの各歯は、端部プレートの前記第1のスタックのプレートの残りのそれぞれのそれぞれの歯と整列され、
端部プレートの前記第2のスタックのそれぞれが、その外周に複数の歯を含み、端部プレートの前記第2のスタックの各プレートの各歯は、端部プレートの前記第2のスタックのプレートの残りのそれぞれのそれぞれの歯と整列され、
端部プレートの前記第1のスタックの少なくとも1つの各歯が、その中にそれぞれの穴を含み、前記端部プレートの前記第2のスタックの少なくとも1つの各歯は、その中にそれぞれの穴を含み、
前記方法が、
前記フライホイールアセンブリの質量中心の位置を決定することと、
前記決定された位置に応答して、前記フライホイールアセンブリの前記質量中心が前記一対のシャフトを通って延びる回転軸上に位置するように、前記複数の穴の1つ又は複数を拡張することと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記充填材の固化後に、プレートの前記複数のスタックのそれぞれに複数のチャネルを形成することと、
プレートの前記複数のスタックの前記形成されたチャネルを通して複数のロッドを挿入することであって、プレートの前記スタックされたスタックを互いに固定することは、前記挿入されたロッドに応答する、挿入することと
をさらに含む、請求項15又は16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年12月27日に提出され、「FLYWHEEL ASSEMBLY」と題されたイスラエル国特許出願S/N 289441号からの優先権を主張する。
【0002】
本開示は、実質的にエネルギー貯蔵の分野に関し、より詳細にはフライホイールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
フライホイールは、エネルギーを機械的に貯蔵するために回転させることができ、その後、例えばフライホイールに結合された発電機で電力を生成することによって、所望されるときにエネルギーを放出することができる。適切に動作するために、フライホイールは均衡がとれている必要があり、そうでなければ高速回転によってフライホイールは破断する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の主たる目的は、複数のスタックされたプレートであって、複数のプレートのうちの第1の端部プレートがロータの第1の端部を画定し、複数のプレートのうちの第2の端部プレートがロータの第2の端部を画定する、複数のスタックされたプレートと;一対のシャフトであって、それぞれがロータの回転軸に沿ってロータの第1の端部及び第2の端部のそれぞれから延びる、一対のシャフトとを含むフライホイールアセンブリであって、第1及び第2の端部プレートのそれぞれの外周がそれぞれの複数の歯を示す、フライホイールアセンブリを提供することによって、従来技術のフライホイールアセンブリの欠点の少なくともいくつかを克服することである。
【0005】
いくつかの例において、第1及び第2の端部プレートのそれぞれについて、それぞれの複数の歯のそれぞれはそれぞれの穴を示す。いくつかの例において、第1及び第2の端部プレートのそれぞれは、外面と、外面の反対側の内面とを示し、第1の端部プレートの内面は、第2の端部プレートの内面に面し、第1及び第2の端部プレートのそれぞれについて、それぞれの穴は、それぞれの外面から第1及び第2の端部プレートのそれぞれの中に延びる。
【0006】
いくつかの例において、フライホイールアセンブリは、一対の固定部材をさらに含み、一対の固定部材のそれぞれは、第1及び第2の端部プレートのそれぞれの外面に固定され、一対のシャフトのそれぞれは、一対の固定部材のそれぞれに固定される。
【0007】
いくつかの例において、第1及び第2の端部プレートのそれぞれについて、それぞれの穴の容積は、フライホイールアセンブリの質量中心が一対のシャフトを通って延びる回転軸上に位置するように定められる。
【0008】
いくつかの例において、複数のスタックされたプレートは、端部プレートの第1のスタックと、端部プレートの第2のスタックと、端部プレートの第1のスタック及び第2のスタックの間にスタックされた中間プレートの複数のスタックとを含み、端部プレートの第1のスタックは第1の端部プレートを含み、端部プレートの第2のスタックは第2の端部プレートを含み、端部プレートの第1及び第2のスタックの各プレートの外周が、それぞれの複数の歯を含み、端部プレートの第1のスタックの各プレートの各歯が、端部プレートの第1のスタックのプレートの残りのそれぞれのそれぞれの歯と整列され、端部プレートの第2のスタックの各プレートの各歯が、端部プレートの第2のスタックのプレートの残りのそれぞれのそれぞれの歯と整列される。
【0009】
いくつかの例において、第1の端部プレートの穴の1つ又は複数が、端部プレートの第1のスタックの複数を貫通して延び、及び/又は第2の端部プレートの穴の1つ又は複数が、端部プレートの第2のスタックの複数を貫通して延びる。
【0010】
いくつかの例において、回転軸は対称軸である。いくつかの例において、第1及び第2の端部プレートのそれぞれについて、それぞれの複数の歯のそれぞれは、複数のスタックされたプレートのそれぞれの円周を越えて延びない。
【0011】
いくつかの例において、複数のスタックされたプレートのそれぞれは円形であり、複数のスタックされたプレートの半径は互いに等しい。いくつかの例において、フライホイールアセンブリは充填材をさらに含み、充填材のそれぞれの所定量が、複数のスタックされたプレートの各隣接対の間に堆積される。
【0012】
いくつかの例において、充填材の各それぞれの所定量は、隣接するプレートのそれぞれの対が互いに平行になるように定められる。いくつかの例において、充填材は接着材料である。
【0013】
いくつかの例において、フライホイールアセンブリは複数のロッドをさらに含み、ロータは複数のチャネルを含み、各チャネルはロータの第1の端部からロータの第2の端部まで複数のスタックされたプレートを貫通して延び、複数のロッドのそれぞれは複数のチャネルのそれぞれの1つの中に挿入される。
【0014】
1つの独立した例において、フライホイールアセンブリを製造するための方法が提供され、この方法は、プレートの複数のスタックのそれぞれについて、隣接するプレートの各対の間にそれぞれの所定量の接着性充填材を適用することと、プレートの複数のスタックのそれぞれについて、2つの平行な基準プレートの間にプレートのそれぞれのスタックを固定することと、プレートの複数のスタックをスタックしてロータを画定することと、プレートのスタックされたスタックを互いに固定することと、一対のシャフトのそれぞれをロータのそれぞれの端部に固定することとを含む。
【0015】
いくつかの例において、プレートの複数のスタックは、端部プレートの第1のスタックと、端部プレートの第2のスタックと、端部プレートの第1のスタック及び第2のスタックの間にスタックされた複数の中間プレートのスタックとを備え、端部プレートの第1のスタックのそれぞれは、その外周に複数の歯を含み、端部プレートの第1のスタックの各プレートの各歯は、端部プレートの第1のスタックのプレートの残りのそれぞれのそれぞれの歯と整列され、端部プレートの第2のスタックのそれぞれは、その外周に複数の歯を含み、端部プレートの第2のスタックの各プレートの各歯は、端部プレートの第2のスタックのプレートの残りのそれぞれのそれぞれの歯と整列され、端部プレートの第1のスタックの少なくとも1つの各歯は、その中にそれぞれの穴を含み、端部プレートの第2のスタックの少なくとも1つの各歯は、その中にそれぞれの穴を含み、方法は、さらに、フライホイールアセンブリの質量中心の位置を決定することと、決定された位置に応答して、フライホイールアセンブリの質量中心が一対のシャフトを通って延びる回転軸上に位置するように、複数の穴の1つ又は複数を拡張することと、を含む。
【0016】
いくつかの例において、方法は、充填材の固化後に、プレートの複数のスタックのそれぞれに複数のチャネルを形成することと、プレートの複数のスタックの形成されたチャネルを通して複数のロッドを挿入することと、をさらに含み、プレートのスタックされたスタックを互いに固定することは、挿入されたロッドに応答する。
【0017】
本発明の追加的な特徴及び利点は、以下の図面及び記載から明らかになるであろう。
【0018】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾がある場合、定義を含めて本特許明細書が優先する。本明細書で使用される際、冠詞「a」及び「an」は、文脈から明らかにそうでないことが指示されない限り、「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」を意味する。本明細書で使用される際、「及び/又は」は、「及び/又は」で結合されたリスト内の項目のいずれか1つ又は複数を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素のスタック{(x)、(y)、(x、y)}の任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」とは、「x、y、又はxとyの両方」を意味する。いくつかの例として、「x、y、及び/又はz」は、7つの要素のスタック{(x)、(y)、(z)、(x、y)、(x、z)、(y、z)、(x、y、z)}の任意の要素を意味する。
【0019】
さらに、反対のことが明示的に述べられない限り、「又は」は、包括的な又は、に言及し、排他的な又は、に言及しない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれかによって満たされる:Aは真(又は存在する)であり、Bは偽(又は存在しない)である、Aは偽(又は存在しない)であり、Bは真(又は存在する)である、及び、AとBの両方が真(又は存在する)である。
【0020】
さらに、「a」又は「an」の使用は、即席の発明概念の例の要素及び構成要素を記載するために採用される。これは、単に便宜上、及び本発明概念の一般的な意味を与えるために行われるものであり、「a」及び「an」は、他の意味であることが明らかでない限り、1つ又は少なくとも1つを含むことが意図され、単数形は複数形も含む。
【0021】
本明細書で使用される際、「約」という用語は、量、時間的持続時間等などの測定可能な値に言及する場合、開示される装置及び/又は方法を実行するためにそのような変動が適切であるように、指定された値から±10%、より好ましくは±5%、さらに好ましくは±1%、さらに好ましくは±0.1%の変動を包含することを意味する。
【0022】
以下の例及びその態様は、例示的及び説明的であることを意図するが、範囲を限定するものではないシステム、ツール、及び方法と関連して記載され、示される。様々な例において、上述した問題の1つ又は複数が低減又は解消されており、他の例は他の利点又は改良に向けられている。
【0023】
本発明をより良く理解するため、及び本発明がどのように実施され得るかを示すために、純粋に例として、全体を通して同様の数字が対応するセクション又は要素を示す添付の図面を参照する。
【0024】
次に、図面を具体的に詳細に参照すると、示された特定事項は例示のためであり、また本発明の好ましい例の説明的な考察を単に目的とし、本発明の原理及び概念的側面の最も有用で容易に理解されると考えられるものを提供するという大義名分のために提示されたものであることが強調される。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要な以上に詳細に本発明の構造的な詳細を示そうとする試みはなく、図面と共に読まれる記載は、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具体化され得るかを当業者に明らかにするものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1A-1C。いくつかの例による、フライホイールアセンブリの様々な部品の高レベル斜視図を示す。
【
図2】いくつかの例による、フライホイールアセンブリを製造する方法の高レベルフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の記載において、本開示の様々な態様について記載する。説明のために、本開示の異なる態様を十分に理解できるように、具体的な構成及び詳細が積み重ねられる。しかしながら、本開示は、具体的な詳細が本明細書に提示されることなく実施され得ることも、当業者には明らかであろう。さらに、本開示を不明瞭にしないために、周知の特徴は省略又は簡略化することがある。図において、同様の参照数字は、全体を通して同様の部品を指す。特定の図面上に参照番号及びリード線が多すぎることによる過度の混乱を避けるために、いくつかの構成要素は、1つ又は複数の図面を介して紹介され、その構成要素を含む後続のすべての図面において明示的に識別されない。
【0027】
図1Aは、フライホイールアセンブリ10の高レベル斜視図を示す。フライホイールアセンブリ10は、それぞれが外面21、内面22及び外周23を示す複数のスタックされたプレート20と、一対のシャフト30と含む。いくつかの例において、各プレート20は複数の穴25を含み、各穴25は外面21から内面22まで延びている。このような例では、各プレート20の穴25は、隣接する各プレート20の穴25と整列して複数のチャネル27を形成する。用語「チャネル」は、本明細書で使用される場合、通路を意味し、特定の形状及びサイズに限定されない。スタックされたプレート20は、第1の端部41から第2の端部42まで延びるロータ40を画定する。いくつかの例において、20Aと示される第1の端部プレート20がロータ40の第1の端部41を画定し、20Bと示される第2の端部プレート20がロータ40の第2の端部41を画定する。
【0028】
いくつかの例において、フライホイールアセンブリ10は、充填材45をさらに含む。それぞれの所定量の充填材45が、プレート20のそれぞれの隣接する対の間に堆積される。1つのさらなる例において、それぞれの所定量の充填材45は、隣接するプレート20のそれぞれの対が互いに平行になるように画定される。特に、プレート20の外面21及び内面22は、必ずしも完全に直線状ではなく、これはプレート20が互いに完全に平行でない原因となり得る。典型的に、各プレート20の厚さには一般に1~2%の偏差がある。これにより、フライホイールアセンブリ10に不均衡が生じることがある。例えば、厚さ3mmのプレート20の場合、各プレート20の外面21と隣接するプレート20の内面22との間に0.03~0.06mmの偏差が生じ得る。300mmのロータ高さを得るために、ロータ40が100枚のプレートを含む場合、均衡からの全体的な偏差エラーは、
e=SQRT(100)*0.06=0.6mm EQ.1
のように計算することができ、これは回転中に大きな不均衡を引き起こし得る重大な偏差エラーである。したがって、充填材45を使用することにより、その均衡を維持しながら、スタックされたプレート20からフライホイールアセンブリ10を構成することが可能になる。特に、プレート20を互いに平行に保つことで、回転軸35に沿ってシャフト30を整列させることができる。
【0029】
充填材45は、それぞれのプレート20を互いに平行になるように押し出す。さらに、非直線面のために、隣接するプレート20の間に空間が形成されることがあり、これがプレート20を移動させ、フライホイールアセンブリ10に不均衡を生じさせることがある。充填材45は、隣接するプレート20間のこれらの空間を埋める。いくつかの例では、充填材45は接着剤などの接着材料である。
【0030】
本明細書で使用される際、「外面」という用語は、ロータ40の中心点から離れる方を向くそれぞれのプレート20の面を意味し、中心点は、第1の端部41から第2の端部42まで測定されるロータ40の長さに沿って定義される。本明細書で使用される際「内面」という用語は、ロータ40の中心点の方を向くそれぞれのプレート20の面を意味する。
【0031】
いくつかの例において、各プレート20は円形状である。いくつかの例において、各プレート20の厚さ、すなわち外面21と内面22との間の距離は約3mmである。「外周」という用語は、本明細書で使用される際、それぞれのプレート20を取り囲み、それぞれのプレート20の中心から距離のあるそれぞれのプレート20のエリアを意味する。例えば、プレート20が円形状である場合、周囲は円の外輪である。1つのさらなる例において、プレート20の半径は互いに等しい。本明細書で使用される際「シャフト」という用語は、特定の構成及び形状に限定されることを意味しない。
【0032】
いくつかの例において、スタックされたプレート20は、スタックされたプレート20の複数のスタック50を含む。
図1Bは、スタックされたプレート20のスタック50の一例の高レベル斜視図を示し、
図1Cは、単一のプレート20の一例の高レベル斜視図を示す。
図1Cは穴25のないプレート20を示しているが、これはいかなる意味においても限定するものではない。このような例では、端部プレート20A及び端部プレート20Bはそれぞれ、端部プレートのそれぞれのスタック50の一端を画定する。
【0033】
いくつかの例において、フライホイールアセンブリ10は、一対の固定部材60をさらに含む。1つのさらなる例において、各固定部材60は複数の穴65を含む。そのような例では、各固定部材60の穴65は、それぞれの隣接するプレート20の穴25と整列している。いくつかの例において、各固定部材60は複数のアーム67を示し、各アーム67はそれぞれの穴25に向かって延び、各穴65はそれぞれのアーム67の端部に位置決めされる。いくつかの例において、フライホイールアセンブリ10は、複数のロッド70をさらに含む。本明細書で使用する際「ロッド」という用語は、任意の適切な細長い形状を含むことを意味する。
【0034】
各シャフト30は、第1のプレート20A及び第2のプレート20Bのそれぞれから延びている。いくつかの例において、各固定部材60は、第1のプレート20A及び第2のプレート20Bのそれぞれの外面21に面し、各シャフト30は、それぞれの固定部材60に固定され、そこから延びる。シャフト30は、ロータ40の回転軸35に沿って延びている。「回転軸」という用語は、本明細書で使用される際、ロータ40が回転する軸を意味する。いくつかの例において、ロータ40の回転軸35は対称軸である。「対称軸」という用語は、本明細書で使用される際、回転軸35がそれに沿って延びるロータ40の各断面が対称であることを意味し、回転軸35は、それぞれの断面の対称線である。
【0035】
いくつかの例において、各ロッド70は、プレート20の穴25を通って、ロータ40の第1の端部41から第2の端部42まで、すなわちチャネル27を通って、固定部材60の穴65を通って延びている。いくつかの例において、各ロッド70はそれぞれのねじ止め機構によってそれぞれの穴65内に固定される。
【0036】
いくつかの例において、第1のプレート20Aの外周23は、それぞれの複数の歯80を示す。同様に、いくつかの例において、第2のプレート20Bの外周23は、それぞれの複数の歯80を示す。「歯」という用語は、本明細書で使用される際、それぞれの外周23が複数の連続するセクションを示し、各セクションがそれぞれの空セクション及びそれぞれの歯80を示すことを意味する。いくつかの例において、歯80は、それに隣接するそれぞれのプレート20の周縁を越えて延びない。プレート20A及びプレート20Bがそれぞれ、端部プレート20のそれぞれのスタック50のそれぞれの端部を規定する例では、端部プレート20の各スタック50の各プレート20の外周23は、それぞれの複数の歯80を含む。端部プレート20の第1のスタック50の各プレート20の各歯80は、端部プレート20の第1のスタック50の残りのプレート20のそれぞれのそれぞれの歯80と整列される。「残り」という用語は、本明細書で使用される際、他の全てのプレート20を意味する。同様に、端部プレート20の第2のスタック50の各プレート20の各歯80は、端部プレート20の第2のスタック50の残りのプレート20のそれぞれのそれぞれの歯80と整列される。本明細書で使用される際「整列された」という用語は、整列された歯80が単一の歯を形成するように、一方が他方の上に位置決めされることを意味する。
【0037】
いくつかの例において、第1のプレート20A及び第2のプレート20Bの各歯80は、それぞれの外面21からそれぞれのプレート20内に延びるそれぞれの穴90を示す。いくつかの例において、歯80のいくつかはそれぞれの穴90を示さない。いくつかの例において、プレート20A及びプレート20Bが端部プレート20のスタック50のそれぞれの端部を規定する場合、1つ又は複数の穴90は複数の端部プレート20の歯80を通って延びる。いくつかの例において、各穴90の容積は、フライホイールアセンブリ10の質量中心が回転軸35上に位置するように、すなわち回転軸35と質量中心とが3次元空間の同じ点で交わるように定められる。したがって、穴90は、質量中心がその重心にない原因となるフライホイールアセンブリ10のあらゆる不規則性を補正するために利用される。各穴90の形状は均一でなくてもよく、異なる形状及び/又は直径の複数の断面を示してもよいことに留意されたい。
【0038】
動作中、シャフト30は、フライホイールアセンブリ10が回転軸35を中心に回転することを可能にするそれぞれの回転アセンブリ(図示せず)に固定される。有利なことに、フライホイールアセンブリ10は、スタックされたプレート20で形成されているため、プレート20に構造的損傷を引き起こす力が加わった場合でも、単一の回転可能なユニットで形成されたフライホイールアセンブリの場合のように、ロータ40全体が破断することはない。さらに有利なことに、フライホイールアセンブリ10は均衡がとれており、それにより効率的で安全な回転が得られる。
【0039】
図2は、いくつかの実施形態による、フライホイールアセンブリの製造方法の高レベルフローチャートを示す。いくつかの例において、
図2の方法はフライホイールアセンブリ10の製造のためのものであるが、これはいかなる意味においても限定するものではない。段階1000において、プレートのスタックが選択され、隣接するプレートの各対の間にそれぞれの所定量の接着性充填材が適用される。
【0040】
段階1010において、プレートの各スタックが、2枚の平行な基準プレートの間で治具に固定される。本明細書で使用する際「治具」という用語は、プレートのスタックを所定の位置に保持するように構成された任意の装置を意味する。平行な2枚のプレートは正確に測定されたプレートであり、互いに平行になるように正確に配置される。接着性充填材が固化することにより、スタックのプレート間の平行関係が維持される。
【0041】
任意選択の段階1020において、接着性充填材が固化した後、上述したように、スタックのプレートにチャネルを形成し、そこにロッドを挿入できるようにする。任意選択の段階1030において、端部プレートの一対のスタックが提供され、各端部プレートはその外周に複数の歯を示す。端部プレートの各スタックの少なくとも1つの端部プレートの各歯に穴が形成される。いくつかの例において、穴の容積は、最初は互いに概ね等しい。
【0042】
段階1040において、プレートの異なるスタックが互いにスタックされ、固定される。端部プレートの各スタックは、中間プレートのスタックが端部プレートの2つのスタックの間にスタックされてロータを画定するように、スタックされたプレートのスタックのそれぞれの端部に固定される。「中間プレート」という用語は、単に中間プレートが端部プレートのスタックの間にあるという事実を意味する。いくつかの例において、ステージ1040のスタッキングの間、スタッキングの精度を向上させるために何度も測定が行われる。
【0043】
さらに、それぞれのシャフトはロータのそれぞれの端部の中心に固定される。いくつかの例において、プレートのスタックは段階1020の作製された穴に挿入されるタイロッドによって固定される。いくつかの例において、プレートのスタックは、その間にそれぞれの所定量の接着性充填材を適用することにより、さらに互いに固定される。
【0044】
任意選択の段階1050において、段階1040の構築されたアセンブリの質量中心の位置が決定される。質量中心の位置は、当業者に知られているように、バランシングマシンを用いて決定される。決定された質量中心の位置が一対のシャフトを貫通して延びる回転軸上に位置しないことに応答して、質量中心の位置がシャフトの回転軸上に位置するまで質量中心の位置を調整するために、歯の穴の1つ又は複数が適宜拡大される。本明細書において使用される際、「拡大」という用語は、その容積を増大させることを意味する。穴の容積は、穴の深さ、すなわち穴がロータ内へ延びる距離を延ばすことによって、及び/又は穴の直径/幅を増加することによって増大させることができる。穴の直径/幅は、穴の長さの一部に沿ってのみ増加させることができることに留意されたい。
【0045】
以上、フライホイールアセンブリ10が穴90と、充填材45を間に有するスタックされたプレート20とを含む例において記載してきたが、これはいかなる意味においても限定するものではない。特に、いくつかの例において、フライホイールアセンブリ10は、そのプレート20間に充填材45なしで提供される。いくつかの例において、フライホイールアセンブリ10は、スタックされたプレート20から形成されず、むしろ単一の円筒形要素から形成される。いくつかの例において、穴90は設けられない。いくつかの例において、歯80を有する端部プレート20A及び20Bは設けられない。
【0046】
明確にするために、別々の例の文脈で記載されている本発明の特定の特徴は、単一の例において組み合わせて提供することもできることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の例の文脈で記載されている本発明の様々な特徴は別々に、又は任意の適切な下位組み合わせで提供することもできる。
【0047】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載の方法と同様又は同等の方法を本発明の実施又は試験に用いることができるが、好適な方法が本明細書に記載される。
【0048】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。矛盾がある場合は、定義を含めて、本特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び例は、例示に過ぎず、限定を意図するものではない。
【0049】
本発明は、本明細書において特に示され、記載されたものに限定されないことは、当業者には理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義され、本明細書に記載された様々な特徴の組合せ及び下位組合せの両方、ならびに前述の記載を読むことで当業者が思い浮かべるであろうそれらの変形及び修正を含む。
【国際調査報告】