(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】パッケージ密封用キャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 41/58 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
B65D41/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538691
(86)(22)【出願日】2022-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2022087971
(87)【国際公開番号】W WO2023126452
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ジェネマルム、ビョルン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA05
3E084AA12
3E084AA34
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB01
3E084DB12
3E084DC05
3E084EA04
3E084EC05
3E084FB01
3E084GA04
3E084GB04
3E084GB08
3E084HA03
3E084HB01
3E084HC03
3E084HD04
3E084KA13
3E084KB01
3E084LD01
(57)【要約】
パッケージのネック(200)上にキャップ(102)を適用してパッケージを密封するためのキャップ(102)であって、キャップ(102)は、キャップ(102)の内側側壁面(216)上に配置された内側ねじ山(218)と、キャップ(102)の内側上面(207)から延びる内側円筒体(300)とを備え、内側円筒体(300)は、内側円筒体(300)をネック(200)内に導くように配置された周端部(306)と、内側円筒体(300)から内側側壁面(216)に向かって半径方向外側に延びる環状シール突出部(304)と、環状シール突出部(304)と周端部との間に位置する凹状形状の移行部(308)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ(100)のネック(200)に適用することによって前記パッケージ(100)を密封するためのキャップ(102)であって、前記キャップ(102)は、
外側上面(206)と内側上面(207)を有する頂部(205)と、
外側側壁面(208)及び内側側壁面(216)を有する円筒状側壁部(209)と、
前記パッケージ(100)の前記ネック(200)の外側ねじ山(214)と相互作用するように配置され、前記内側側壁面(216)上に配置された内側ねじ山(218)と、
前記内側上面(207)から延びる内側円筒体(300)と、
を備え、
前記内側円筒体(300)は、
前記内側円筒体(300)を前記パッケージ(100)の前記ネック(200)内に導くように配置され、前記内側円筒体(300)が前記ネック(200)の半径方向内側にあり、前記内側ねじ山(218)が前記ネック(200)の半径方向外側にある状態で前記キャップ(102)を位置決めする周端部(306)と、
前記内側円筒体(300)から前記内側側壁面(216)に向かって前記半径方向外側に延在する環状シール突出部(304)と、
前記環状シール突出部(304)と前記周端部(306)との間に位置し、凹状に形成されている移行部(308)と、
を備える、
キャップ(102)。
【請求項2】
前記移行部(308)は、第1の傾斜角度(a)を有する第1の移行サブ部(400)と、第2の傾斜角度(b)を有する第2の移行サブ部(402)とを備え、前記第1の傾斜角度(a)及び前記第2の傾斜角度(b)は、前記キャップ(102)の軸方向(A)に対して測定され、前記第1の移行サブ部(400)は、前記周端部(306)に隣接し、前記第2の移行サブ部(402)は、前記シール突出部(304)に隣接し、前記第2の傾斜角度(b)は、前記第1の傾斜角度(a)よりも大きい、
請求項1に記載のキャップ(102)。
【請求項3】
前記第1の傾斜角度(a)が45°未満であり、第2の傾斜角度(b)が45°より大きい、
請求項2に記載のキャップ(102)。
【請求項4】
前記第1の傾斜角度(a)は、10~20°の範囲内である、
請求項2又は3に記載のキャップ(102)。
【請求項5】
前記第2の傾斜角度(b)は、55~65°の範囲内である、
請求項2~4のいずれか一項に記載のキャップ(102)。
【請求項6】
前記移行部(308)の高さ(h1)は、前記キャップ(102)の軸方向(A)から見て、前記環状シール突出部(304)の高さ(h2)の80~120%の範囲内にある、
請求項1~5のいずれか一項に記載のキャップ(102)。
【請求項7】
前記移行部(308)の平均幅(w1)は、前記キャップ(102)の半径方向(R)から見て、前記環状シール突出部(304)の最大幅(w2)の30~70%の範囲内にある、
請求項1~6のいずれか一項に記載のキャップ(102)。
【請求項8】
前記移行部(308)は、180°より大きい、又は200°より大きい内角(e)を有する凹形状である、
請求項1~7のいずれか一項に記載のキャップ(102)。
【請求項9】
前記移行部(308)は、深さ(d2)を有する凹形状であり、前記深さ(d2)は、前記周端部(306)から前記環状シール突出部(304)の最も広い部分までの距離(l)の5~50%の範囲内の大きさを有する、
請求項1~8のいずれか一項に記載のキャップ(102)。
【請求項10】
前記キャップ(100)が、前記キャップ(102)の前記内側上面(207)に位置し、略接するように配置されたリム突出アンビル面(412)を有するリム突出アンビル(410)を備え、
前記外側上面(408)の傾斜角度(d)と前記リム突出アンビル面(412)の傾斜角度(e)との差(d-e)は、5~20°である、
請求項1~9のいずれか一項に記載のキャップ(102)。
【請求項11】
パッケージ(100)を密封するための構成であって、
請求項1~10のいずれか一項に記載のキャップ(102)と、
前記キャップ(100)の内側ねじ山(218)と相互作用するように配置された外側ねじ山(214)を有するネック(200)と、備え、前記キャップ(102)が前記ネック(200)に適用されたときに、シール突出部(304)が前記ネック(200)の内側ネック表面(212)に当接する、
構成。
【請求項12】
前記キャップ(100)の前記内側円筒体(300)の第2の移行サブ部(402)の第2の傾斜角度(b)が、前記ネック(200)の上面(406)の傾斜角度(c)と実質的に一致するように配置されている、
請求項11に記載の構成。
【請求項13】
食品(110)を保持するためのパッケージ(100)であって、前記パッケージは、
請求項11又は12に記載の密封するための構成を備え、
カートンベースの本体(106)に前記密封するための構成が接続される、
パッケージ(100)。
【請求項14】
請求項1~10のいずれか一項に記載のキャップ(102)を、キャップ(102)の内側スレッド(218)と相互作用するように配置された外側スレッド(214)を有するネック(200)上に装着するための方法(500)であって、前記方法は、
前記キャップ(102)の内側円筒体(300)を、前記内側円筒体(300)の周端部(306)を用いて前記ネック(200)に導くステップ(502)と、
前記キャップ(102)の内側ねじ山(218)及び前記ネック(200)の外側ねじ山(214)を使用して、前記キャップ(102)を前記ネック(200)に把持するステップ(504)と、
前記内側円筒体(300)のシール突起(304)が前記ネック(200)の表面(212)に向かって押圧されるように、前記キャップ(102)を前記ネック(200)に対して相対的に回転させることによって、前記パッケージ(100)をシール(506)するステップと、
を備える、方法(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品パッケージの分野に関する。より詳細には、パッケージを密封するためのキャップ、キャップとパッケージのネックとを含む構成、パッケージ、及びキャップをパッケージに適用する方法に関する。キャップは、キャップの内側上面から延びる内側円筒体を有し、円筒体の周端部は、内側円筒体をパッケージのネック内に導くように配置される。
【背景技術】
【0002】
今日、多くの消費者は、キャップ付きのパッケージを好む。その理由の一つとして、パッケージを便利かつ確実に再閉鎖することができ、パッケージが横たわった状態、すなわち直立しない状態であっても、食品内容物の残ったパッケージを例えば冷蔵庫に安全に保管できるからである。キャップのもう一つの利点は、タンパーリングとも呼ばれるタンパーバンドを備え得ることである。キャップの一部を形成するタンパーバンドを備えることで、消費者はパッケージが開封されたかどうかを容易に検知できる。キャップをパッケージから外すと、タンパーバンドはキャップの他の部分から切り離される。
【0003】
キャップ付きパッケージには、製造の観点から多くの課題がある。第1に、環境フードプリントとコストを低レベルに抑えるために、キャップと、キャップと相互作用するように作られたパッケージのネックは、合理的なコストで信頼性の高い機能を提供できる材料で作られるべきである。また、キャップとネックの製造に使用する材料の量は、可能な限り少なくする必要がある。キャップの製造に使用される材料の量を減らすために、キャップはその機能性が損なわれないように賢く成形されるべきである。
【0004】
食品充填機におけるキャップの装着は、非常に高速で行われる。キャップの装着に失敗すると、充填機のダウンタイムや食品廃棄物の増加など、望ましくない二次的影響が生じる可能性が高いため、キャップは、充填機(包装機と呼ばれる)が確実にキャップをパッケージに装着できるような形状にする必要がある。
【0005】
現在販売されているパッケージやキャップは、消費者のための開閉機能と、食品製造業者のためのキャップ装着機能という点で高い信頼性を提供しているが、さらに優れた機能性を実現するためにキャップの形状を改善するとともに、キャップの製造に必要な材料の量を減らす必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の従来技術で特定された制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。特に、消費者に適切な閉鎖機能を提供するとともに、充填機において信頼性の高いキャップ適用を提供するキャップを提供することが目的である。
【0007】
第1の態様によれば、キャップをパッケージのネックに適用することによってパッケージを密封するためのキャップが提供される。キャップは、外側上面及び内側上面を有する頂部と、外側側壁面及び内側側壁面を有する円筒状側壁部と、内側ねじ山がパッケージのネックの外側ねじ山と相互作用するように配置され、内側側壁面上に配置された内側ねじ山と、内側上面から延びる内側円筒体と、を備える。内側円筒体は、内側円筒体をパッケージのネック内に導くように配置された周端部であって、内側円筒体がネックの半径方向内側にあり、内側ねじ山がネックの半径方向外側にある状態でキャップを位置決めするための周端部と、内側円筒体から内側側壁面に向かって半径方向外側に延びる環状シール突出部と、環状シール突出部と周端部との間に位置し、凹状に形成されている移行部と、を備える。
【0008】
移行部を凹形状、すなわち内側に湾曲した形状にすることの利点は、キャップのねじ山がネックのねじ山に係合する前に、ネックに円筒体を位置決めするための空間を与えることである。これにより、キャップを回転させてネックにねじ込む前に、ネックに対するキャップの位置合わせを効率的に行うことができる。これにより、例えば既存のキャップにテザーバンドを取り付ける場合に必要となり得る、キャップをよりコンパクトにできる。
【0009】
移行部は、第1の傾斜角度を有する第1の移行サブ部と、第2の傾斜角度を有する第2の移行サブ部とを備えてもよく、第1及び第2の傾斜角度は、キャップの軸方向に対して測定され、第1の移行サブ部は周端部に隣接し、第2の移行サブ部はシール突出部に隣接し、第2の傾斜角度は第1の傾斜角度よりも大きい。
【0010】
第1の傾斜角度は45°未満であってもよく、第2の傾斜角度は45°より大きくてもよい。第1の傾斜角度は10~20°の範囲内であってもよい。第2の傾斜角度は、55~60°の範囲内であってもよい。
【0011】
移行部の高さは、キャップの軸方向から見て、環状シール突出部の高さの80~120%の範囲内であってもよい。
【0012】
移行部の平均幅は、キャップの半径方向から見て、環状シール突出部の最大幅の30~70%の範囲内であってもよい。
【0013】
移行部は、180°より大きい、又は200°より大きい内角を有する凹形状であってもよい。内角は270°より小さくてもよい。
【0014】
移行部は、深さを有する凹形状であってもよく、深さは、周辺端部から環状シール突出部の最も広い部分までの距離の5~50%の範囲内の大きさを有する。環状シール突出部の最も幅の広い部分とは、キャップの半径方向で見て最も幅の広い部分である。
【0015】
環状シール突出部は、半径方向又はキャップに平行な面から見て、非対称であってもよい。
【0016】
キャップは、キャップの内側上面に配置され、キャップがパッケージのネック上に適用されたときに、ネックの外側上面に突き当たるように配置されたリム突出アンビル面を有するリム突出アンビルを備えてもよい。外側上面の傾斜角度とリム突出アンビル面の傾斜角度の差は、5~20°であってもよい。
【0017】
この利点は、リム突起アンビルとネックとの間の相互作用と、環状シール突起とネックとの間の相互作用の両方を介して、周囲の空気がパッケージの内部に侵入するのを2段階で阻止できることである。その効果として、不要な微生物がパッケージ内部に侵入する危険性が減少する。
【0018】
第2の態様によれば、第1の態様によるキャップと、キャップの内側ねじ山と相互作用するように配置された外側ねじ山を有するネックとを含むパッケージを密封するための構成であって、キャップがネックに適用されたときに、シール突出部がネックの内側ネック表面に当接する構成が提供される。
【0019】
キャップは、タンパー及び/又はテザーバンドをさらに含んでもよく、タンパー及び/又はテザーバンドを含まないキャップの高さとネックの高さの比は、70%未満であってもよい。
【0020】
キャップの内側円筒体の第2の移行サブ部の第2の傾斜角度は、ネックの上面の傾斜角度と実質的に一致するように配置してもよい。実質的に一致するとは、傾斜角度が互いに5°を超えてずれないことを意味する。
【0021】
第3の態様によれば、食品を保持するためのパッケージが提供され、このパッケージは、第2の態様による密封用構成と、密封用構成が接続されるカートンベースの本体部とを備える。
【0022】
第4の態様によれば、第1の態様によるキャップを、キャップの内側ねじ山と相互作用するように配置された外側ねじ山を有するネックに適用する方法が提供される。この方法は、内側円筒体の周端部を用いてキャップの内側円筒体をネックに導くこと、キャップの内側ネジ山とネックの外側ネジ山を用いてキャップをネックに把持すること、内側円筒体のシール突起がネックの表面に向かって押圧されるようにキャップをネックに対して回転させることによってパッケージをシールすること、とを含む。この第4の態様は、第1の態様と同じ利点を有する。
【0023】
導くステップは、キャップの内側円筒体の移行部の第2の移行サブ部をネックのリム突出部上面に沿って摺動させるサブステップをさらに含んでもよい。
【0024】
密封するステップは、ネックのリム突出部側面をキャップの内側上面に配置されたリム突出部アンビルのリム突出部アンビル面に向かって押圧することにより、周囲の空気が通過するのを阻止するサブステップをさらに含んでもよい。
【0025】
第5の態様によれば、食品を充填したパッケージを製造する方法が提供される。この方法は、充填機のスリーブ形成ステーションで、上端が開放され下端が開放されたカートンベースの本体を形成すること、成形ステーションで、ショルダーがカートンベースの本体の開放された上端と接続され、開放された上端が閉じられるように、パッケージのショルダー及びネックを成形すること、第4の態様に従って、ネックにキャップを被せること、充填機の充填ステーションで、カートンベースの本体の開放された底部を介してパッケージに食品を充填すること、充填機の底部形成ステーションで、開放された底部を閉じること、を含む。
【0026】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2A】
図1のパッケージのキャップとショルダーを示す図である。
【
図2B】
図1のパッケージのキャップとショルダーを示す図である。
【
図3A】密封前の状態のキャップとネックの断面図である。
【
図3B】密閉状態のキャップとネックの断面図である。
【
図4A】
図3Aに示された断面図の一部をさらに詳細に示す図である。
【
図4B】
図3Aに示された断面図の一部をさらに詳細に示す図である。
【
図5】キャップをパッケージに装着する方法を示すフローチャートである。
【
図6】パッケージの製造方法を示すフローチャートである。
【
図7】パッケージを製造するための充填機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、パッケージ100、特に、いわゆるカートン・ボトル・パッケージを例示している。
【0030】
パッケージ100はキャップ102を備えている。キャップ102はポリプロピレン(PP)製であってもよいが、他の材料も可能である。キャップ102は、
図2A及び
図2Bに示されるように、ネック200に接続することができ、ネック200はショルダー104に接続することができる。パッケージ100を製造する際、ネックとショルダー104は同時に成形してもよく、1つの同じ要素を構成する。別の方法として、ネックを事前に作成し、ショルダー104のみを充填機で成形してもよい。ネックとショルダー104を成形する場合、又はネックが予め作成されている場合、又はショルダーのみを成形する場合、ショルダーをカートンベースの本体106に接続することができる。本体106は、折り畳まれて長手方向に密封された包装材料のシートから形成してもよい。パッケージ100の内部108には、食品110を保持することができる。
【0031】
図2A及び
図2Bは、キャップ102及びショルダー104をさらに詳細に示しており、互いに分離している。
図2Aは上方からの斜視図であり、
図2Bは下方からの斜視図である。
【0032】
ネック200は、図示のとおり、接続リム202を介してショルダー104に接続される。
図2A及び
図2Bのネック及びショルダー104に示されるように、ネック200及びショルダー104が一体成形されている場合、接続リム202は、ネック200からキャップ102をねじ込んだり外したりする際の剛性を保証する厚くなった部分であってもよい。さらに、キャップ102は、キャップ102の下部に配置された、タンパーバンド204及び/又はテザーバンド204、すなわち、リングを備えてもよく、これは、キャップが最初に螺合されると、ネック200とともに残る。
図2A及び
図2Bに示される例では、キャップ102は、パッケージ100に適用される、すなわち最初にパッケージ100にねじ込まれるものであり、このためタンパー及び/又はテザーバンド204は、キャップ102に取り付けられている。
【0033】
一例として図示したキャップ102は、キャップ102が適用されたときに外側を向く外側上面206と、キャップ102が適用されたときに内側を向く内側上面207とを有する上面部205を備える。キャップ102は、外側側壁面208と内側側壁面216とを有する円筒状側壁部209を有する。外側側壁面208には、図示されているように、消費者の把持力を向上させるための縦溝を設けてもよい。
【0034】
ネック200は、ショルダー104に連なる円筒状の側壁部217を有し、ネック外面210とネック内面212を備える。
【0035】
キャップ102とネック200が互いに相互作用できるようにするため、ネック200には半径方向Rの外側に向いた外側ねじ山214が設けられ、キャップ102の内側側壁面216には半径方向Rの内側に向いた内側ねじ山218が設けられている。
【0036】
図3A及び
図3Bは、それぞれ、密封前の状態及び密封された状態のキャップ102、ネック200及びショルダー104の断面図を示している。
図3Aは、キャップ102がネック200に被せられているが、完全には装着されていない、すなわちネック200にねじ込まれていない状態を示しており、
図3Bは、キャップ102がネック200に完全に装着されている状態を示している。
【0037】
図3A及び
図3B、ならびに
図2Bに示されるように、キャップ102は、キャップ102の内側上面207から延在する内側円筒体300を備える。内側円筒体300の周端部306は、充填機でのキャップ装着中に、キャップ102をネック200に対して正しく導く、又は方向付けるために使用される。以下により詳細に説明するように、周辺端部306は、キャップ装着中に信頼性の高い導きを提供するために、テーパー状であり得る。
【0038】
充填機におけるキャップ装着工程で、又は消費者によって再装着される際に、キャップ102がネック200に装着されるときにパッケージ100が適切に密封されることを提供するために、環状シール突出部304を設けてもよい。図示のとおり、環状シール突出部304は、内側円筒体300から半径方向R外側に延在し得る。周端部306と環状シール突出部304との間には、移行部308が設けられている。キャップ102は一体成形されてもよく、移行部308は、周端部306から環状シール突出部304への連続的な移行部を構成してもよい。このような連続的な移行部を有すること、すなわち鋭利なエッジを有しないことは、食品残渣が付着する危険性を低減できる点で有利であり、ひいては食品の安全性を向上させる。
【0039】
タンパー及び/又はテザーバンド204、すなわち、パッケージが改ざんされていないことを保証するためのリング、及び/又はリングをパッケージ100に繋留するためのリングは、タンパー及び/又はテザーバンド204を備えたキャップ102をネック200に装着することができるが、消費者によってパッケージ100が初めて開封されると、タンパー及び/又はテザーバンド204が、バネ要素312とネック200の突出部との間の相互作用により、ネック200と共に残ることを提供するバネ要素312を備えてもよい。タンパー及び/又はテザーバンド204がキャップ102から全体的又は部分的に分離できるようにするために、キャップ102にミシン目を設けてもよい。
【0040】
環状シール突出部304を有することは、パッケージ100の内部108に周囲の空気が流入する危険性を低減できる点で有利である。食品110を劣化させる危険性のある胞子や細菌などの微生物が周囲の空気中に存在する可能性があるので、周囲の空気の流入を低減することは有利である。また、パッケージからの漏れも防止できる。
図3Aに示されるように、環状シール突出部304を有することにより、キャップ102が完全に適用されていなくても、環状シール突出部304がそのような流入を減少させることができる。
図3Bに示されるように、キャップ102が完全に装着されると、環状シール突出部304は、ネック200がキャップ102の内側上面207に当接することと組み合わせて、内側ネック表面212に当接し、2つの閉鎖が達成される。一般に、2つの閉鎖を提供するキャップとネックを有することは、1つの閉鎖のみを提供するキャップとネックと比較して、パッケージ100のより信頼性の高い密封を提供する。
【0041】
図示されているように、ネック200の高さHNECKは、キャップ102の高さHCAPよりも大きくてもよい。さらに、タンパー及び/又はテザーバンド204が除去されたキャップ102の高さHCAPは、タンパー及び/又はテザーバンド204を有するキャップ102の高さHCAPよりも小さい。
【0042】
図4A及び
図4Bは、
図3Aに示された封止前の状態をさらに詳細に示している。図示のとおり、移行部308は、周端部306に隣接して位置する第1の移行サブ部400と、環状シール突出部304に隣接して位置する第2の移行サブ部402とに分割され得る。第1の移行サブ部400は、キャップ102の軸方向Aに対して測定された45°未満、より詳細には10°~20°の範囲内の第1の傾斜角度aで傾斜してもよい。第2の移行サブ部402は、45°より大きい第2の傾斜角度bで傾斜してもよく、より詳細には、同じく軸方向Aに対して測定された55°~60°の範囲であってもよい。第1の傾斜角度aを第2の傾斜角度bより大きくすることにより、充填機でのキャップ装着時に、内側円筒体300の最下部がより容易にネック200に装着し得るが、依然として環状シール突出部304によって周囲の空気を効率的に遮断する可能性を有するという点で有利である。
【0043】
外側ネック面210にはリム突出部404を設けてもよい。この突出部は、半径方向内側に傾斜したリム突出部上面406と、半径方向外側に傾斜したリム突出部側面408とを有する。より具体的には、リム突出部上面406は、軸方向Aに対して55°~60°の範囲内である第3の傾斜角度cだけ傾斜してもよい。第2及び第3の傾斜角度b、cがほぼ同じであること、すなわち、第2の移行サブ部402の表面がリム突出部上面406と平行であることは、キャップ102がネック200により容易に装着されるという点で有益である。リム突出部側面408は、軸方向Aに対して140°~150°の範囲内である第4傾斜角度dだけ傾斜してもよい。
【0044】
キャップ102の内側上面207には、リム突出アンビル410が設けられる。このアンビル410は、軸方向Aに対して130°~140°の範囲となる第5傾斜角度eだけ傾斜してもよい。第4傾斜角度と第5傾斜角度との差d-eは、5°~20°であってもよい。キャップ102がネック200にねじ込まれると、アンビル410とリム突出部側面408との間の密着が達成される。
【0045】
図示のとおり、移行部308の高さh1は、軸方向Aから見て、環状シール突出部304の高さh2の100~150%であってもよい。さらに、移行部308の平均幅w1は、環状シール突出部304の平均幅w2の30%~60%であってもよい。
【0046】
移行部308は凹形状であってもよく、言い換えれば凹状であってもよい。移行部分308を凹状にすることにより、深さd2が生じる。深さd2は、周端部306から環状シール突出部304の最も広い部分までの距離lの5~50%の範囲内であってもよい。移行部308は、180°より大きい、又は200°より大きい内角eを有する凹形状であってもよい。
【0047】
移行部308を凹状にすることの利点は、キャップ112の高さをよりコンパクトにできることである。これは、タンパー及び/又はテザーバンド204により多くの空間を提供できる点で有利である。例えば、これは、キャップ102がタンパーバンドだけでなく、高さ方向により多くの空間を必要とするタンパーとテザーリングとを組み合わせたものを含むように再設計された場合でも、ネック200が同じであることを提供し得る。キャップの高さがよりコンパクトになることに関連する別の利点は、キャップ102の製造に必要な材料の量を削減できることであり、これはコスト面でも環境面でも有益である。
【0048】
図5は、キャップ102をパッケージ100に装着する方法500のステップを示すフローチャートである。第1のステップ502では、内側円筒体300の周端部306を利用して、内側円筒体300をネック200内に導く。第2のステップ504では、キャップ102の内ねじ218とネック200の外ねじ214を利用して、キャップ102をネック200に把持する。第3のステップ506では、キャップをネックにねじ込むことによってパッケージ100をシールし、その結果、内側円筒体300の密封用突起304をネック200に向けて押し付ける。オプションとして、第4のステップ508で、キャップ102の内側円筒体300の移行部308の第2の移行サブ部402をネック200のリム突出部上面406に沿ってスライドさせる。オプションとして、第6のステップ510において、ネック200のリム突出部側面408を、キャップ102の内側上面207に配置されたリム突出部アンビル410のリム突出部アンビル面412に向かって押圧することにより、周囲の空気が通過するのを阻止する。
【0049】
図6は、食品110が充填されたパッケージ100を製造するための方法600のステップを示すフローチャートである。第1のステップ602では、
図7をさらに参照すると、スリーブ形成ステーション702において、上端が開放され下端が開放されたカートンベースの本体106が充填機700で形成される。第2のステップ604において、パッケージ100のショルダー104及びネック200は、ショルダー104がカートンベース本体106の開放された上端に接続され、開放された上端が閉じられるように、成形ステーション704において成形される。第3のステップ606では、
図5に示した方法に従って、キャップ102をネック200に装着する。第4のステップ608では、充填機700の充填ステーション706において、カートンベース本体106の開放底部を介してパッケージ100に食品110が充填される。第5のステップ610では、充填機700の底部形成ステーション708において、開放された底部が閉じられる。
【0050】
図7は、上述した充填機700を概略的に示している。図示のとおり、スリーブ形成ステーション702は、カートンベースの本体106を形成するために設けられてもよい。成形ステーション704は、プラスチック射出成形ステーションであってもよく、ネック200及びショルダー104を形成するために使用されてもよく、ショルダー104上にキャップ102を装着するためのキャップアプリケータを含んでもよい。充填ステーション706では、食品110をパッケージ100に充填してもよい。最後に、底部形成ステーション708において、カートンベースの本体106の開いた底部を閉じてもよい。充填機は、任意の適切な従来の充填機であってもよい。キャップ自体は、ネックに装着される前に予め製造されてもよい。キャップの製造は、それ自体、プラスチック成形及び/又は射出成形の従来の技術を使用することによって達成することができる。
【0051】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化してもよい。
【国際調査報告】