(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】電極アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20241206BHJP
【FI】
H01L31/04 570
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539519
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-07-23
(86)【国際出願番号】 EP2022085155
(87)【国際公開番号】W WO2023126151
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523246639
【氏名又は名称】レック ソーラー プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スブラマニ,ティヤグ
(72)【発明者】
【氏名】ディエスタ,ノエル ゴンザレス
(72)【発明者】
【氏名】スリダラ,シャンカー ガウリ
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA16
5F251EA02
5F251EA19
5F251FA14
(57)【要約】
第1の太陽電池の前面を第2の太陽電池の裏面に接続するための電極アセンブリであって、電極アセンブリが、複数の導電性素子を備え、導電性素子のうちの少なくとも1つが、第1の太陽電池の前面に接触するための第1の表面と、第2の太陽電池の裏面に接触するための第2の表面と、を備え、第2の表面が、第1の表面の反対側に配置され、第1の表面及び第2の表面のそれぞれの少なくとも一部が、少なくとも1つの導電性素子のそれぞれの表面を太陽電池の表面に接続するためのコーティングを備え、第2の表面が、第1の表面によって画定された接触面積よりも実質的に小さい接触面積を画定するように構成されている、電極アセンブリ。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の太陽電池の前面を第2の太陽電池の裏面に接続するための電極アセンブリであって、
複数の導電性素子を備え、前記導電性素子のうちの少なくとも1つが、
前記第1の太陽電池の前記前面に接触するための第1の表面と、
前記第2の太陽電池の前記裏面に接触するための第2の表面であって、前記第1の表面の反対側に配置されている、第2の表面と、を備え、
前記第1の表面及び第2の表面のそれぞれの少なくとも一部が、前記少なくとも1つの導電性素子の前記表面のそれぞれを前記太陽電池の表面に接続するためのコーティングを備え、
前記第2の表面が、前記第1の表面によって画定された接触面積よりも実質的に小さい接触面積を画定するように構成されている、電極アセンブリ。
【請求項2】
前記第2の表面が実質的に湾曲している、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記第2の表面が前記導電性素子から外向きに湾曲している、請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの導電性素子が、楕円形セグメントとして成形された断面を有する、請求項3に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記第2の表面が実質的に平坦である、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の表面が実質的に平坦である、請求項1~5のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記第1の表面が前記第2の表面に実質的に平行である、請求項6に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの導電性素子が、前記第1の表面と前記第2の表面との間に配置された第3の表面を備え、前記第3の表面が、前記第1の表面を前記第2の表面から離隔するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記第3の表面が実質的に平坦である、請求項8に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記第3の表面が実質的に湾曲している、請求項8に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
前記第3の表面が前記導電性素子から外向きに湾曲している、請求項10に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
前記コーティングが、前記第1の表面及び前記第2の表面を実質的に覆うように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項13】
前記コーティングが、前記導電性素子の表面のそれぞれを実質的に覆うように構成されている、請求項12に記載の電極アセンブリ。
【請求項14】
前記導電性素子の少なくとも一部が、絶縁性の光学的に透明なフィルムの中又は上に配置され、前記少なくとも1つの導電性素子の前記第1の表面及び前記第2の表面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部が、前記フィルムから露出して、前記第1の太陽電池及び前記第2の太陽電池の前記前面及び裏面それぞれとのオーム接触を形成する、請求項1~13のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項15】
第1の太陽電池、第2の太陽電池、及び請求項1~14のいずれか一項に記載の電極アセンブリを備え、前記複数の導電性素子が、前記第1の太陽電池の前面を前記第2の太陽電池の裏面と電気的に接続するように構成されている、太陽電池アセンブリ。
【請求項16】
請求項15に記載の太陽電池アセンブリを製造する方法であって、
前記第2の太陽電池を、その裏面が実質的に上方向を向くように配置することと、
前記少なくとも1つの導電性素子の前記第2の表面が前記裏面に接触して配置されるように、前記電極アセンブリの第1のセクションを前記第2の太陽電池の裏面上に重ねることと、
前記少なくとも1つの導電性素子の前記第2の表面を前記第2の太陽電池の前記裏面上に接続することと、
前記少なくとも1つの導電性素子の前記第1の表面が前記前面に接触して配置されるように、前記第1の太陽電池の前記前面を前記電極アセンブリの第2のセクション上に重ねることと、
前記少なくとも1つの導電性素子の前記第1の表面を前記第1の太陽電池の前記前面上に接続することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽電池アセンブリのための電極アセンブリ、太陽電池アセンブリ、及び太陽電池アセンブリを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光から電気エネルギーを提供するための太陽モジュールは、電池のアレイを備え、電池はそれぞれ、光起電力素子又は基板を備える。太陽電池は、典型的には、電流が、電気コネクタを介して、1つの太陽電池の前面から第2の太陽電池の裏面に、又はその逆に流れるように接続される。電気コネクタのそれぞれは、太陽電池のそれぞれの前面及び裏面上に配置された電極と電気接続を形成する複数の導電性素子(例えば、相互接続ワイヤ)を備える。
【0003】
太陽電池開発のための一般的な目的は、生産コストの削減に対する必要性とバランスのとれた高い変換効率を達成することである。これを達成するための努力は、太陽電池間の電気接続に焦点を当てている。
【0004】
1つのアプローチは、各太陽電池の表面上に配置されたフィンガー電極に直接接続する箔ワイヤ電極を設けることであった。箔ワイヤ電極は、太陽電池モジュールの性能に対する電池損傷の影響を最小化することによって、電気損失を低減する。更に、箔ワイヤ電極の使用はまた、従来の印刷されたバスバー電極を用いて太陽電池の表面を構成することによって引き起こされる光遮蔽から生じるモジュール生産コスト及び光学損失の大幅な低減につながる可能性がある。
【0005】
しかしながら、これらの開発にもかかわらず、太陽電池の電力変換効率を増加させるために、なおそれらの電極間の接触を改善する必要ある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、第1の太陽電池の前面を第2の太陽電池の裏面に接続するための電極アセンブリが提供される。電極アセンブリは、複数の導電性素子を備える。導電性素子のうちの少なくとも1つは、第1の太陽電池の前面に接触するための第1の表面と、第2の太陽電池の裏面に接触するための第2の表面と、を備える。第2の表面は、第1の表面の反対側に配置される。第1の表面及び第2の表面のそれぞれの少なくとも一部は、少なくとも1つの導電性素子のそれぞれの表面を太陽電池の表面(例えば、前面及び裏面の太陽電池表面)に接続するためのコーティングを備える。第2の表面は、第1の表面によって画定された接触面積(例えば、第1の太陽電池の前面との接触面積)よりも実質的に小さい接触面積(例えば、第2の太陽電池の裏面との接触面積)を画定するように構成される。
【0007】
電極アセンブリが使用されているとき、少なくとも1つの導電性素子の第1の表面は、第1の太陽電池の前面に接触し、第2の太陽の裏面から離れる方を向くように配置されてもよい。したがって、第2の表面は、第2の太陽電池の裏面に接触し、第1の太陽電池の前面から離れる方を向くように配置されてもよい。第1の表面によって画定されたより大きい接触面積は、コーティングと第1の太陽電池の前面との間の接続を改善する。これにより、電極アセンブリの太陽電池への接続性が改善し、それによって太陽電池アセンブリのフィルファクター(Fill Factor)が増加する。
【0008】
コーティングは、太陽電池の表面との電気的及び/又は物理的(例えば、機械的)接続を形成するように構成されてもよい。コーティングは、はんだ付け可能なコーティング、すなわち、太陽電池の表面に導電性素子をはんだ付けするように構成されたコーティングであってもよい。
【0009】
より小さい接触面積を画定する第2の表面は、第1の太陽電池の前面に入射する光の散乱を増加させるように構成される。より小さい寸法はまた、第1の太陽電池によってより多くの光を吸収できるように、前面の遮蔽を低減する。
【0010】
電極アセンブリは、効果的に、導電性素子の第1の表面が第2の太陽電池の裏面から離れる方を向くように構成される。この配置は、太陽電池の裏面に入射する光の遮蔽を増加させる可能性がある(例えば、導電性素子の第1の表面が、第2の表面に対してより大きい表面積を有するため)。しかしながら、太陽電池の裏面における光遮蔽のいずれの可能性のある増加も、太陽電池の全体的な光吸収特性に限定的な影響しか及ぼさない(例えば、光が主に電池の前面に入射するため)ため、太陽電池の性能に有意な影響を及ぼさない。
【0011】
太陽電池アセンブリの構築中に、電極アセンブリは、第1の太陽電池及び第2の太陽電池のそれぞれの前面及び裏面上に接続(例えば、積層)されてもよい。第1の太陽電池及び第2の太陽電池のうちの少なくとも1つは、それらの前面が、実質的に下方向(例えば、実質的に垂直下方向)に向くように配置され、それらの裏面が、実質的に上方向(例えば、実質的に垂直上方向)に向くように配置されるように、反転されてもよい。この状況において、本発明による電極アセンブリは、効果的に、第1の太陽電池及び第2の太陽電池のそれぞれの接触面との堅牢で導電性の電気的接続を形成するように構成される。
【0012】
特に、導電性素子の第1の表面は、第1の太陽電池の下方に向いた前面に接続可能である。接続は、第1の表面上のコーティングに熱及び圧力を印加して、太陽電池の表面との機械的及び電気的接続を形成することによって形成されてもよい。導電性素子の第1の表面(例えば、導電性素子の頂部に配置された太陽電池及び/又は太陽電池アセンブリの他の構成要素)の上に垂直に位置付けられた材料の重量は、コーティングが第1の太陽電池との接触界面から離れる方に流れるのを防止するのに役立つ可能性がある。加えて、導電性素子の第1の表面の接触面積が相対的に大きいことにより、重力に起因して、コーティングが接触界面から離れる方に流れることが防止される可能性がある。このようにして、第1の表面のより大きい接触面積は、太陽電池との界面にコーティングを保持することができ、それによって、良好な電気接続を確実に形成することができる。
【0013】
また、導電性素子の第2の表面は、第2の太陽電池の上方に向いた裏面に接続可能である。この場合、導電性素子の第2の表面の接触面積が相対的に小さいことにより、重力に起因して、コーティングが導電性素子の第2の表面と第2の太陽電池の裏面との間の界面に向かって流れるようになる。これにより、第2の太陽電池の裏面との界面におけるコーティングを蓄積又は貯留し、それによって良好な電気接続を確実に形成することができる。このようにして、導電性素子の第1の表面及び第2の表面のそれぞれの接触面積間の差は、太陽電池の前面及び裏面とのそれぞれの界面に向かってコーティングを優先的に誘導する物理的勾配を形成する。この効果は、コーティングが(例えば、箔ワイヤ接続技術における)太陽電池アセンブリ構成要素の積層中に溶融する(コーティングの下の導電性素子と比較して)相対的に低い融点を有する材料(例えば、金属合金)を含む実施形態において特に有利である。
【0014】
概して、少なくとも1つの導電性素子は、第1の太陽電池と第2の太陽電池との間の電気経路を改善すると同時に、第1の太陽電池の前面における光散乱及び吸収条件を強化するように構成される。したがって、導電性素子は、電極アセンブリの接触抵抗率を低下させ、それによって太陽電池アセンブリのフィルファクターを増加させる。換言すれば、導電性素子は、電極アセンブリと太陽電池のそれぞれの接触面との間の接触界面が悪いために生じる抵抗損失を低減するように構成される。結果として、電極アセンブリは、太陽電池アセンブリ(したがって、太陽モジュール)の出力を増加させることができる。また、電極アセンブリと太陽電池との間の電気的接続を改善することによって、太陽電池アセンブリの信頼性を増加させ、これにより、太陽モジュールの動作寿命を延ばし、関連するメンテナンスコストを削減する。
【0015】
次に任意選択の機能について説明する。これらは、単独で、又は任意の態様との任意の組み合わせで適用可能である。
【0016】
太陽電池の前面は、太陽電池アセンブリが使用されているときに光が入射する太陽電池の表面(例えば、太陽電池の最前面)を画定してもよい。太陽電池の裏面は、前面の反対側にある太陽電池の表面(例えば、太陽電池の最裏面)を画定する。太陽電池の裏面は、使用中に入射光に直接曝されない場合がある。太陽電池アセンブリは、太陽電池を通って前から裏に透過する(例えば、吸収されない)光が、次いで、太陽電池の裏面に向かって反射されるように構成されてもよく、これにより、光が吸収される更なる機会を提供する。
【0017】
導電性素子は、太陽電池の導電性表面(例えば、表面の導電性部分)とオーム接触を形成するように構成されてもよい。太陽電池のそれぞれは、当業者によって理解されるように、光起電力素子を含む層状構造を備えてもよい。導電性表面は、太陽電池の前面及び裏面に配置され(例えば、印刷され)、層状構造によって生成される電荷キャリアを伝導する1つ以上のフィンガー電極を備えてもよい。
【0018】
本明細書で使用される「導電性」及び「絶縁性」という用語は、それぞれ、電気伝導性及び電気的な絶縁性を意味することが明示的に意図されることが理解される。これらの用語の意味は、本開示の技術的文脈、すなわち光起電力太陽電池デバイスの文脈を考慮すると、特に明らかである。「オーム接触」という用語は、非整流電気接合部(すなわち、実質的に線形の電流電圧(I-V)特性を示す2つの導体間の接合部)を意味することが意図されることも理解される。
【0019】
導電性素子のそれぞれは、ワイヤ又はワイヤの部分などの細長い形態を有してもよい。少なくとも1つ、又は各導電性素子は、単一の一体的に形成された素子(例えば、ワイヤ)を備えてもよい。このように導電性素子を構成することで、隣接する太陽電池間に別個の接続(銅リボンなど)を設ける必要性がなくなり、それによって、太陽電池アセンブリを製作するために必要な製造ステップの数と複雑さが軽減される。
【0020】
本明細書に記載される導電性素子は、太陽電池の表面上に配置される前に、導電性素子が箔(例えば、透明絶縁フィルム)によって最初に保持される「箔線」電極アセンブリの一部を形成してもよい(例えば、箔ワイヤ接続技術)。そのような実施形態では、コーティングは、導電性素子を箔に取り付ける前に、導電性素子の第1の表面及び/又は第2の表面上に配置されてもよい(例えば、固体コーティングを画定するように)。コーティングは、太陽電池上への電極アセンブリの積層中にコーティングが溶融するように、基礎となる導電性素子と比較してより低い融点を有する材料を含んでもよい。
【0021】
代替的に、導電性素子は、マルチバスバー電極アセンブリの一部を形成してもよく、この場合、導電性素子は、所定の位置にはんだ付けされる前に(例えば、マルチバスバー接続技術を定義するために)、太陽電池の表面上に配置される(例えば、太陽電池の表面に対して個別に載置され、保持される)。マルチバスバー電極アセンブリで使用される場合、導電性素子の第1の表面及び/又は第2の表面上のコーティングは、導電性素子を太陽電池表面に機械的及び電気的に接続するはんだ(例えば、電気伝導性はんだ材料)を画定してもよい。実施形態では、導電性素子は、単一の導電性素子を形成するために電気的に接続される2つ以上の別個の構成要素(例えば、2つ以上のワイヤ部分)を画定してもよい。例えば、導電性素子は、第1の太陽電池の前面に接触するための第1の導電性素子部分と、第2の太陽電池の裏面に接触するための第2の導電性素子部分と、を備えてもよい。第1及び第2の導電性素子部分のそれぞれは、上述したように、第1及び第2の表面を備えてもよい。第1及び第2の導電性素子部分は、第3の導電性素子部分(例えば、銅リボン)によって電気的に接続されて、第1及び第2の導電性素子部分の間に電流が流れることを可能にできる。第3の導電性素子部分は、第1及び第2の導電性素子部分に実質的に平行又は実質的に垂直であってもよい。
【0022】
導電性素子は、Ag、Al、Au、及びCuのうちの少なくとも1つを含み得る金属又は金属合金材料などの導電性材料から形成されてもよい。
【0023】
第1の表面及び第2の表面は、導電性素子の上面又は下面を画定してもよい。第1の表面及び第2の表面のうちの少なくとも1つ又はそれぞれは、導電性素子の長さに沿って長手方向に延在してもよい。第1の表面は、導電性素子の第2の表面と正反対の側に配置されてもよい。
【0024】
第1の表面の接触面積は、太陽電池の前面と接触して、又は接触に近い状態で載置される第1の表面の幅によって少なくとも部分的に画定されてもよい。同様に、第2の表面の接触面積は、太陽電池の裏面と接触して、又は接触に近い状態で載置される第2の表面の幅によって少なくとも部分的に画定されてもよい。このようにして、第1の表面は、第2の表面の接触幅より大きい接触幅を有するように構成されてもよい。
【0025】
第1の表面及び第2の表面はそれぞれ、導電性素子の表面(例えば、平面又は曲面)を画定することが理解される。そのような表面は、2つの隣接する表面の間に形成できる導電性素子の端部を明確に形成する。例えば、三角形(例えば、三角形状)の断面を有するワイヤの場合、三角形の底辺は、表面を画定するとみなすことができる。しかしながら、三角形の断面の頂点は、2つの角度の付いた表面の間の接合を画定する端部を画定するとみなすことができる。このように、三角形断面ワイヤは、本発明に従って定義されるように、第1及び第2の対向面を有しない。したがって、少なくとも1つの導電性素子は、三角形(例えば、三角形状)の断面を備えない場合がある。
【0026】
実施形態では、それぞれの第1の接触面積及び第2の接触面積はまた、少なくとも部分的に、使用中に、第1の太陽電池及び第2の太陽電池のそれぞれの前面及び裏面に重なるように構成される導電性素子の長さによって画定されてもよい。電極アセンブリは、第1の太陽電池の前面に重なる導電性素子の長さが、第2の太陽電池の裏面に重なる導電性素子の長さと実質的に等しくなるように構成されてもよい。この状況では、接触面積は、第1の表面及び第2の表面のそれぞれの幅によって実質的に画定されてもよい。
【0027】
導電性素子は、導電性素子の中央側方平面(すなわち、導電性素子の長手方向軸を通る幅方向、又は水平方向に延在する平面)に関して非対称である断面形状を有するように構成されてもよい。導電性素子又は各導電性素子は、導電性素子の中央垂直面(すなわち、導電性素子の長手方向軸を通る深さ方向、又は垂直方向に延在する平面)に関して対称である断面形状を有するように構成されてもよい。
【0028】
導電性素子のうちの少なくとも1つ又はそれぞれは、その長さに沿って実質的に一定の断面を有してもよい。
【0029】
各導電性素子は、素子が第1の太陽電池と第2の太陽電池との間で接続されるときに、第1の表面及び第2の表面が導電性素子上のそれぞれの位置を維持するように配置されてもよい。換言すれば、各導電性素子は、その長さに沿ってあらゆる軸方向のねじれ又はひねりを含まないように構成されてもよい。
【0030】
導電性素子のうちの少なくとも1つ又はそれぞれは、実質的に平坦な第1の表面を有してもよい。このようにして、第1の表面は、第1の太陽電池の前面に向く実質的に平面の表面を画定してもよい。実施形態では、第1の表面は、第1の太陽電池の前面に実質的に平行であるように構成されてもよい。平坦な第1の表面は、太陽電池表面との界面でコーティングを保持することができ、それによってより良い電気的接触を形成する平面接触面積を提供することができる。
【0031】
平坦な第1の表面は、上述したように、太陽電池が電極アセンブリへの接続中に反転される状況において特に有利である。そのような状況では、導電性素子の第1の表面は、実質的に上方向(例えば、垂直に上方)に向くように配置される。したがって、導電性素子に熱及び/又は圧力が印加されて、太陽電池表面との接続が形成されると、コーティングは、平坦な表面上に支持され、それによって、重力に起因して太陽電池表面との接触界面から離れる方に流れることが防止される。上記の有利な配置は、実質的に非凸状の第1の表面(例えば、導電性素子の本体に対して実質的に平坦又は実質的に凹状の表面を含む)で達成できることが理解される。
【0032】
少なくとも1つの又はそれぞれの導電性素子の第2の表面は、実質的に湾曲してもよい。第2の表面は、導電性素子から外向きに湾曲してもよい(例えば、表面は、導電性素子の長手方向軸から離れて湾曲する)。第2の表面は、実質的に凸状(例えば、導電性素子の本体に対して凸状)であってもよい。外向きに湾曲した第2の表面の形状は、導電性素子の断面から見たときに円弧を画定してもよい。外向きに湾曲した形状は、第1の表面で終端するように構成されてもよい。実施形態では、少なくとも1つの導電性素子は、円形セグメント(例えば、長円又は短円)などの楕円形セグメント(例えば、長円又は短円)として成形された断面を備えてもよい。実施形態では、少なくとも1つの導電性素子は、半円形断面などの半楕円形断面を有してもよい。
【0033】
実施形態では、第2の表面は、実質的に平坦であってもよい。第1の表面は、第2の表面に実質的に平行であってもよい。第2の表面は、第2の太陽電池の裏面に実質的に平行であるように構成されてもよい。
【0034】
少なくとも1つの導電性素子は、第1の表面と第2の表面との間に配置された第3の表面を備えてもよい。第3の表面は、第1の表面を第2の表面から離隔するように構成されてもよい。導電性素子は、第3の表面の反対側に配置された第4の表面を備えてもよい。第3の表面及び第4の表面のうちの少なくとも1つは、導電性素子の深さを画定してもよい。
【0035】
第3の表面及び第4の表面のうちの少なくとも1つは、実質的に平坦であってもよい。実施形態では、導電性素子のうちの少なくとも1つ又はそれぞれは、切頭三角形を画定する断面形状を有してもよい。
【0036】
第3の表面及び第4の表面のうちの少なくとも1つは、実質的に湾曲してもよい。第3の表面及び第4の表面のうちの少なくとも1つは、導電性素子から外向きに湾曲する(例えば、実質的に凸状)ように構成されてもよい。実施形態では、導電性素子のうちの少なくとも1つ又はそれぞれは、切頭楕円形セグメント(例えば、切頭長楕円形又は短楕円形セグメント)を画定する断面形状を有してもよい。実施形態では、断面形状は、切頭半円を画定してもよい。
【0037】
「湾曲した」という表現は、各部分が直線であるものの、鎖(chain)の全体的な形態は湾曲するように、互いに角度を付けて配置された直線部分の鎖を含むことを理解されたい。
【0038】
コーティング(すなわち、はんだ付け可能なコーティング)は、導電性素子の融点よりも低い融点を有する導電性材料を含んでもよい。コーティングは、少なくとも2つ以上の成分から形成された金属合金を含んでもよい。コーティング合金は、鉛ベース、スズベース、及びビスマスベースの合金のうちの少なくとも1つであってもよい。コーティングは、2相、3相、又はより複雑な金属合金を含んでもよい。コーティングは、Sn、Ag、Bi、Cd、Ga、In、Pb、Sn、Tiなどのうちの少なくとも1つを含む金属合金で形成されてもよい。コーティングはまた、有機マトリックス内に埋め込まれた金属又は合金粒子から形成される導電性材料を含んでもよい。
【0039】
コーティングは、少なくとも1つの導電性素子の第1の表面及び第2の表面のうちの少なくとも1つ、又はそれぞれを実質的に覆うように構成されてもよい。コーティングは、各導電性素子の第1の表面及び第2の表面を実質的に覆うように構成されてもよい。例えば、導電性素子が第1の表面及び第2の表面を分離する第3の表面及び/又は第4の表面を備える実施形態では、第3の表面及び/又は第4の表面のうちの少なくとも1つ、又はそれぞれは、コーティングによって少なくとも部分的にコーティングされてもよい。各導電性素子は、コーティングによって完全にコーティングされてもよい。実施形態では、コーティングは、第1の表面及び/又は第2の表面の一部に存在しない場合がある。実施形態では、コーティングは、第3の表面及び/又は第4の表面の少なくとも一部に存在しない場合がある。
【0040】
第1の太陽電池の前面に接触する電極アセンブリの第1の部分は、電極アセンブリの前接続部分又は前コネクタを画定してもよい。第2の太陽電池の裏面に接触する電極アセンブリの第2の部分は、電極アセンブリの裏接続部分又は裏コネクタを画定してもよい。
【0041】
複数の導電性素子のそれぞれの第1の部分は、電極アセンブリの前コネクタを画定してもよい。複数の導電性素子のそれぞれの第2の部分は、電極アセンブリの裏コネクタを画定してもよい。したがって、複数の導電性素子のうちの少なくとも1つ又はそれぞれは、電極アセンブリの前コネクタから裏コネクタに延在してもよい。
【0042】
導電性素子は、電極アセンブリが第1の太陽電池及び第2の太陽電池のそれぞれの前面と裏面との間に結合されることを可能にするように(すなわち、導電性素子が前コネクタと裏コネクタとの間を電気的に接続させることを可能にするように)、導電性素子の軸方向に沿って曲がるように構成されてもよい。
【0043】
裏コネクタの導電性素子の第1の表面は、電極アセンブリの裏面(すなわち、最裏面)を画定するように配置されてもよい。前コネクタの導電性素子の第2の表面は、電極アセンブリの前面(すなわち、最前面)を画定するように配置されてもよい。
【0044】
導電性素子のそれぞれは、幅、軸方向長さ、及び深さを有してもよい。導電性素子のそれぞれは、その軸方向長さが、その幅及び/又は深さよりも実質的に大きくなるように構成されてもよい。導電性素子の幅及び軸方向長さは、導電性素子が配置されている太陽電池の表面の平面(例えば、太陽電池の前面又は裏面)と整合した垂直方向で測定することができる。深さは、太陽電池の同じ平面に垂直な方向で測定することができる。
【0045】
実施形態では、少なくとも1つの導電性素子は、その幅が、その最も広い点で0.2mm~0.4mmであるように構成されてもよい。少なくとも1つ又はそれぞれの導電性素子の長さは、太陽電池の長さに依存してもよい。例示的な形態では、導電性素子は、太陽電池の長さの少なくとも2倍、任意選択的に+/-10mmであってもよい。少なくとも1つ又はそれぞれの導電性素子の深さ(すなわち、厚さ)は、0.2mm~0.4mmであってもよい。実施形態では、導電性素子の深さは、0.2mm~0.4mmであってもよい。
【0046】
複数の導電性素子のうちの少なくとも1つ又はそれぞれは、フィルム(例えば、フィルム部分)内及び/又はフィルム上に配置されてもよい。フィルムは、絶縁性及び/又は光学的に透明に構成されてもよい。フィルムは、導電性素子が太陽電池上で正しく離隔されるように、太陽電池と導電性素子との間を接着するように構成されてもよい。このようにして、フィルムは、導電性素子を太陽電池と正しく位置合わせさせることを可能にする。フィルムは、導電性素子と太陽電池との間を機械的に接続してもよい。例示的な形態では、フィルムは、太陽電池のそれぞれの前面及び/又は裏面を全て覆わない場合がある。
【0047】
フィルムは、少なくとも1つの導電性素子の第1の表面及び第2の表面のうちの少なくとも一方の少なくとも一部がフィルムから露出して、第1の太陽電池及び第2の太陽電池のそれぞれの前面及び裏面とのオーム接触を形成するように構成されてもよい。例えば、導電性素子の第1の表面の少なくとも一部は、フィルムから露出してもよく、及び/又は導電性素子の第2の表面の少なくとも一部は、フィルムから露出してもよい。実施形態では、フィルムは、少なくとも1つの導電性素子よりも薄くてもよい。例えば、導電性素子は、少なくとも0.2mm~最大で0.4mmの厚さ(すなわち、深さ)を有してもよいが、フィルムは、少なくとも0.07mm~最大で0.12mmの厚さを有してもよい。
【0048】
上述したように、前コネクタ及び裏コネクタの導電性素子は、それぞれ、複数の導電性素子の第1の部分及び第2の部分を画定してもよい。複数の導電性素子の第1の部分は、第1のフィルム(例えば、絶縁性及び/又は光学的に透明なフィルム)内又はフィルム上に配置されてもよい。複数の導電性素子の第2の部分は、第2のフィルム(例えば、絶縁性及び/又は光学的に透明なフィルム)内又はその上に配置されてもよい。したがって、第1の表面は、第1のフィルムから露出して、第1の太陽電池の前面とオーム接触を形成してもよく、及び/又は第2の表面は、第2のフィルムから露出して、第2の太陽電池の裏面とオーム接触を形成してもよい。
【0049】
複数の導電性素子の第3の部分は、複数の導電性素子の第1の部分と第2の部分との間に配置されてもよい。第3の部分は、電極アセンブリがそれらの間に接続されたときに、第1の太陽電池と第2の太陽電池との間に配置されるように構成されてもよい。第3の部分は、この部分の導電性素子がフィルム内に配置されないように構成されてもよい(すなわち、第1及び第2の部分とは対照的に)。
【0050】
導電性素子のうちの少なくとも1つ、又はそれぞれは、それぞれの第1及び第2のフィルムの表面上に配設されてもよい。代替的に、又は追加的に、導電性素子のうちの少なくとも1つは、フィルム内に少なくとも部分的に配置されてもよい。このようにして、少なくとも1つの導電性素子は、導電性素子の表面がフィルムの表面から突出するように、フィルム内に埋め込まれてもよい。
【0051】
使用さ時に、前コネクタの第1のフィルムは、電極アセンブリの前フィルムを画定してもよい。同様に、裏コネクタの第2のフィルムは、電極アセンブリの裏フィルムを画定してもよい。前フィルムは、前コネクタの導電性素子の第1の表面の少なくとも一部が露出するように構成されてもよい。裏フィルムは、裏コネクタの導電性素子の第2の表面の少なくとも一部が露出するように構成されてもよい。
【0052】
フィルム(例えば、前フィルム及び/又は裏フィルム)は、高い延性、良好な絶縁特性、光学的透明性及び熱安定性、収縮に対する耐性を有するポリマー材料から形成されてもよい。例示的なポリマー材料は、アセテート、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルホン、レーヨン、ポリオレフィン、プラスチレン、レーヨネクスト(rayonext)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフッ化ビニルフィルム、及び変性エチレンテトラフルオロエチレンなどを含んでもよい。一実施形態では、第1及び第2のフィルムのうちの少なくとも一方は、単一の材料層からなるが、いくつかの他の実施形態では、第1及び第2のフィルムのうちの少なくとも一方は、2つ以上の層を有し、これらの層のうちの2つ以上は、異なる材料及び/又は材料特性を含んでもよい。
【0053】
導電性素子を向いたフィルムの表面は、透明接着剤でコーティングされてもよい。太陽電池アセンブリの製作中に、接着剤、力を印加することで導電性素子へのフィルムの接着を可能にするために、軟化するようにフィルムに熱及び/又は圧力が印加されてもよい。このようにして、ワイヤは、接着剤に少なくとも部分的に埋め込まれてもよい。実施形態では、導電性素子は、接着剤内に部分的に埋め込まれてもよいが、実際にはフィルムに接触しない。第1及び/又は第2のフィルムは、複数の導電性素子が取り扱われているときに、太陽電池上に配置される前に、導電性素子を構造的に支持するように構成されてもよい。
【0054】
前コネクタ及び裏コネクタがそれらのそれぞれの第1の太陽電池及び第2の太陽電池と組み立てられるとき、関連するフィルムは、フィルムと太陽電池との間に挟まれた導電性素子の形状に適合するように変形してもよい。言い換えれば、フィルムの表面は、非ワイヤ領域において実質的に平面であってもよく、ワイヤ領域において導電性素子の上に隆起/突起を形成してもよい。このようにして、フィルムの各(例えば、長手方向)導電性素子接触領域は、非平面(例えば、横断)プロファイルを有してもよい。
【0055】
前コネクタのフィルムは、裏面(すなわち、太陽電池の方を向いている)と、裏面の反対側の前面(すなわち、太陽電池から離れる方を向いている)と、を有してもよい。複数の導電性素子のうちの第1の部分の少なくとも1つの導電性素子は、前フィルムの裏面上に配設されてもよい。
【0056】
裏コネクタのフィルムは、前面(すなわち、太陽電池の方を向いている)と、前面の反対側の裏面(すなわち、太陽電池から離れる方を向いている)と、を有してもよい。複数の導電性素子の第2の部分の少なくとも1つの導電性素子は、裏フィルムの前面上に配設されてもよい。
【0057】
本発明の第2の態様によれば、第1の太陽電池、第2の太陽電池、及び先行する記述のいずれか1つに記載の電極アセンブリを備える太陽電池アセンブリが提供される。複数の導電性素子は、第1の太陽電池の前面を第2の太陽電池の裏面と電気的に接続するように構成されてもよい。
【0058】
第1の太陽電池及び第2の太陽電池のそれぞれは、長さ、幅、及び深さを有してもよい。太陽電池の長さはその幅よりも小さくてもよく、深さは幅及び長さの両方よりも小さくてもよい。太陽電池の前面及び裏面にわたる長手方向及び横方向は、それぞれ、太陽電池の長さ方向及び幅方向と平行であってもよい。したがって、複数の導電性素子は、太陽電池の長さにわたって延在し、その幅に沿って離隔するように構成されてもよい。
【0059】
導電性素子のそれぞれは、それが重ねられている太陽電池の表面に対して長手方向に、縦方向に延在するように構成されてもよい。導電性素子は、導電性素子の間に長手方向に延在する空間を画定するために、太陽電池表面に対して横方向に離隔されてもよい。導電性素子は、互いに平行であってもよく、又は実質的に平行であってもよい。導電性素子は、横方向に等しく又は実質的に等間隔に離隔されてもよい。したがって、複数の導電性素子は、平行な横方向に離隔された(例えば、等間隔に離隔された)導電性素子のアレイを形成してもよい。
【0060】
電極アセンブリは、第1の太陽電池及び第2の太陽電池の導電性表面(又は表面の導電性部分)との電気的な接続を形成するように構成されてもよい。上述したように、電極アセンブリの導電性素子は、前コネクタ及び/又は裏コネクタの光電子特性、例えば、それらの電流収集及び太陽電池遮光特性を最適化するように構成される。
【0061】
太陽電池の導電性表面のそれぞれは、それぞれの太陽電池表面にわたって延在する複数のフィンガー電極を備えてもよい。フィンガー電極は、それらが太陽電池の表面上に容易に堆積できる印刷材料を使用して形成されてもよい。
【0062】
複数の前フィンガー及び/又は裏フィンガー電極の各フィンガー電極は、その幅よりも実質的に大きい軸方向長さを有するように構成されてもよい。フィンガー電極の幅及び軸方向長さの両方は、太陽電池のそれぞれの表面の平面内で垂直方向に測定することができる。フィンガー電極は、太陽電池の幅方向と平行な横方向に延在してもよい。
【0063】
複数の前フィンガー電極及び/又は裏フィンガー電極のそれぞれ内のフィンガー電極は、それぞれの表面にわたって離隔されて、フィンガー電極間の横方向に延在する空間を画定してもよい。フィンガー電極は、太陽電池の長さ方向と実質的に平行である長手方向に離隔されてもよい。各複数のフィンガー電極は、互いに実質的に平行であってもよい。
【0064】
複数の裏フィンガー電極のうちの少なくとも1つのフィンガー電極の軸方向長さは、その上に重ねられている電極アセンブリの導電性素子のうちの少なくとも1つの軸方向長さと実質的に整合されていない場合がある(例えば、実質的に非平行又は実質的に垂直であってもよい)。したがって、電極アセンブリの導電性素子は、太陽電池の表面にわたって延在し、複数のフィンガー電極のそれぞれとオーム接触を形成するように構成されてもよい。
【0065】
フィンガー電極の軸方向の長さは、重ねられた導電性素子の軸方向の長さに対して実質的に垂直に配置されてもよい。このようにして、導電性素子を容易に配置して、太陽電池の表面からの電荷収集を最適化することができる。フィンガー電極が重ねられた導電性素子と軸方向にずれている場合、関連するフィンガー電極の軸方向の長さは、同じずれ角度で導電性素子のそれぞれと軸方向にずれていてもよく、その逆もまた同様であってもよい。
【0066】
太陽電池アセンブリの太陽電池は、光起電力素子を含む複数の層、又は素子を備えてもよく、複数の層のうちの少なくとも1つは、半導体材料から形成される。光起電力素子(又は層)は、結晶性シリコンウェハから形成されてもよい。
【0067】
太陽電池は、任意のタイプの太陽電池構造を画定するように構成されてもよいことが理解される。例えば、太陽電池は、ヘテロ接合型太陽電池を画定してもよい。代替的に、太陽電池は、タンデム接合太陽電池を画定してもよい。
【0068】
太陽電池の表面は、不均一な表面に対応するか、又は不均一な特性を有する、テクスチャ加工された表面を形成するようにテクスチャ加工されてもよい。この場合、太陽電池のテクスチャ加工された表面によって、太陽電池に入射する光の量が増加するため、太陽電池の効率が改善される。
【0069】
太陽電池は、太陽電池の前面及び/又は裏面に配置された反射防止層又はコーティングを更に備えてもよい。反射防止層又は各反射防止層は、単層構造又は多層構造を有してもよい。反射防止層は、窒化ケイ素(SiNx)及び/又は酸化ケイ素(SiOx)から形成されてもよい。代替的に、反射防止層は、反射防止表面を有するようにテクスチャ加工されたインジウム酸化スズ(ITO)などの透明導電性酸化物(TCO)から形成されてもよい。反射防止層は、効果的に、太陽電池に入射する光の反射率を低下させ、所定の波長帯域の選択性を高め、それによって太陽電池の効率を増加させる。
【0070】
太陽電池は、太陽電池の前面及び/又は裏面に配置された透明の導電性酸化物コーティングを備えてもよい。透明な導電性酸化物コーティングは、太陽電池のそれぞれの表面上に配置されたフィンガー電極への側方のキャリア移動を増加させるように構成されてもよい。
【0071】
例示的な形態によれば、導電性素子は、太陽電池アセンブリを画定するために第1の太陽電池及び第2の太陽電池に適用される電極アセンブリを少なくとも部分的に形成してもよい。更に、本発明に係る1つ以上の太陽電池アセンブリは、電気的に接続され、太陽モジュールを画定するためにハウジング内に配置されてもよい。
【0072】
例示的な形態によれば、第2の電極アセンブリは、第2の太陽電池の前面を第3の太陽電池の裏面に結合するために設けられてもよい。第2の電極アセンブリ内の導電性素子は、第1の電極アセンブリについて上述したようなものであってもよい。この状況では、第2及び第3の太陽電池は、第2の電極アセンブリと組み合わされて、第2の太陽電池アセンブリを画定してもよい。第1の電極アセンブリの裏コネクタの導電性素子は、第2の電極アセンブリの前コネクタの導電性素子と整合されてもよく、それらの間に第2の太陽電池が介在する。
【0073】
太陽モジュールは、複数の太陽電池アセンブリを収容するためのフレームを備えてもよい。フレームは、それぞれ、複数の太陽電池アセンブリの前面及び裏面に配置される前板及び裏板を備えてもよい。前板及び裏板のうちの少なくとも1つ又はそれぞれは、ガラス(例えば、ガラスシート)から形成されてもよい。太陽モジュールは、前板及び裏板と複数の太陽電池アセンブリとの間を接着するように構成された封入剤を備えてもよい。このようにして、封入剤は、太陽モジュールのガラスシートと、複数の太陽電池アセンブリのうちの1つの絶縁性の光学的に透明なフィルムとの間に配置されてもよい。また、封入剤は、太陽モジュールの裏シートと、複数の太陽電池アセンブリのうちの1つの絶縁性の光学的に透明なフィルムとの間に配置されてもよい。封入剤は、太陽モジュールへの水分の侵入を防止するように構成されてもよい。したがって、封入剤は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、又は任意の他の好適に耐湿性の材料から形成されてもよい。
【0074】
本発明の第3の態様によれば、先行する記述のいずれか1つに記載の太陽電池アセンブリを製造する方法が提供される。方法は、その裏面が実質的に上方向を向くように、第2の太陽電池を配置することを含んでもよい。方法は、少なくとも1つの導電性素子の第2の表面が裏面に接触して配置されるように、電極アセンブリの第1のセクションを第2の太陽電池の裏面上に重ねることを更に含んでもよい。方法は、少なくとも1つの導電性素子の第2の表面を第2の太陽電池の裏面上に(例えば、電気的及び/又は機械的に)接続することを更に含んでもよい。方法は、少なくとも1つの導電性素子の第1の表面が前面と接触して配置されるように、電極アセンブリの第2の部分上に、第1の太陽電池の前面を重ねることを含んでもよい。方法は、少なくとも1つの導電性素子の第1の表面を第1の太陽電池の前面上に接続する(例えば、電気的及び/又は機械的に)ことを更に含んでもよい。
【0075】
上述したように、本発明は、太陽電池アセンブリを製造するプロセス中(すなわち、電極アセンブリを第1の太陽電池及び第2の太陽電池に結合するとき)に特に有益である。これは、接続ステップ中に太陽電池が反転するとき、第2の表面の接触面積がより小さいことにより、重力に起因してコーティングが第2の太陽電池の接触面(すなわち、裏面)に向かって流れるからである。更に、第1の表面によって画定されるより大きい接触面積は、反転されているにもかかわらず、第1の太陽電池の接触面(すなわち、前面)にコーティングを保持することができる。
【0076】
上述したように、太陽電池はそれぞれ、裏面(例えば、最裏面)及び裏面の反対側にある前面(例えば、最前面)を備える。したがって、方法は、裏コネクタを画定するように、第2の太陽電池の裏面上に電極アセンブリの一部を配置することを含んでもよい。方法は、前コネクタを画定するように、第1の太陽電池の前面上に電極アセンブリの別の部分を配置することを更に含んでもよい。
【0077】
方法は、導電性素子の第1の部分(すなわち、前コネクタの)に熱及び/又は圧力を印加して(例えば、はんだ付けして)、コーティングの少なくとも一部を溶融させることを含んでもよい。導電性素子の第1の表面(すなわち、第1の太陽電池の前面を向いた表面)に配置される溶融コーティングの部分は、導電性素子が重ねられる第1の太陽電池の導電性表面(例えば、フィンガー電極)とオーム接触を形成するように構成されてもよい。
【0078】
方法は、導電性素子の第2の部分(すなわち、裏コネクタの)に熱及び/又は圧力(例えば、はんだ付け)を印加して、コーティングの少なくとも一部を溶融させることを含んでもよい。導電性素子の第2の表面(すなわち、第2の太陽電池の裏面を向いた表面)に配置される溶融コーティングの部分は、導電性素子が重ねられる第2の太陽電池の導電性表面(例えば、フィンガー電極)とオーム接触を形成するように構成されてもよい。
【0079】
導電性素子のコーティングは、導電性素子が形成される材料よりも低い融点を有する材料からなってもよい。前コネクタ及び裏コネクタの導電性素子のコーティングは、第1の太陽電池及び第2の太陽電池のそれぞれの表面に別々に、又は同じプロセス中に接続されてもよい。
【0080】
方法は、最初に前コネクタ及び裏コネクタのうちの一方をそれぞれの第1の太陽電池及び第2の太陽電池に取り付け、次に前コネクタ及び裏コネクタのうちの他方をそれぞれの第1の太陽電池及び第2の太陽電池の他方に取り付けることを含んでもよい。
【0081】
電極アセンブリがフィルム(例えば、絶縁性及び/又は光学的に透明なフィルム)を備える状況では、方法は、フィルムを導電性素子に取り付けること(例えば、例示的な形態に従って電極アセンブリを形成すること)を更に含んでもよい。方法は、導電性素子を太陽電池に重ねる、及び/又は取り付ける前に、導電性素子にフィルムを取り付けることを含んでもよい。方法は、フィルムを導電性素子に接着させるために、フィルムに加熱及び/又は圧力を印加する(例えば、積層する)ことを含んでもよい。
【0082】
フィルムを導電性素子に取り付ける方法は、関連する導電性素子を太陽電池の表面に結合する方法の間に実行されてもよい。このようにして、フィルムを導電性素子に取り付ける(例えば、フィルムに熱及び/又は圧力を印加する)方法はまた、フィルムを太陽電池の関連する表面に取り付けることを含んでもよい。
【0083】
複数の導電性素子の第1の部分が第1のフィルム部分(例えば第1のコネクタ)に配置され、及び/又は複数の導電性素子の第2の部分が第2のフィルム部分(例えば第2のコネクタ)に配置される状況では、第1及び/又は第2のフィルム部分は、導電性素子のそれぞれの第1及び/又は第2の部分に取り付けられてもよい。
【0084】
方法は、第1の太陽電池及び第2の太陽電池の前面及び裏面のうちの少なくとも1つ又はそれぞれに、複数のフィンガー電極を配置(例えば、堆積)することを更に含んでもよい。フィンガー電極を配置する方法は、電極アセンブリを太陽電池に接続する前に実行されてもよいことが理解される。フィンガー電極は、それが太陽電池の表面上に容易に堆積できる印刷材料を使用して形成されてもよい。印刷材料は、溶媒中に懸濁させた金属粉末(例えば、Ag、Al、Au粉末)とガラスフリットとの混合物を含むことができる導電性ペーストなどの印刷可能な前駆体を使用して形成されてもよい。印刷可能な前駆体/導電性ペーストは、印刷されたフィンガー電極を形成するために焼成又は硬化されてもよい。代替的に、フィンガー電極は、蒸着、めっき、印刷などを含む様々な他の方法によって堆積されてもよい。前フィンガー電極及び裏フィンガー電極は、同時に(すなわち、単一の堆積プロセスを使用して)堆積されてもよいか、又はそれらは別々に堆積されてもよい。
【0085】
当業者は、相互に排他的な場合を除き、上記の態様のいずれか1つに関連して記載された特徴又はパラメータが任意の他の態様に適用できることを理解することができる。更に、相互に排他的である場合を除き、本明細書に記載される任意の特徴又はパラメータは、任意の態様に適用することができ、及び/又は本明細書に記載される任意の他の特徴又はパラメータと組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
次に、図面を参照しながら、実施形態を例としてのみ説明する。
【0087】
【
図1】太陽電池アセンブリを有する太陽モジュールの拡大側断面図であり、太陽電池アセンブリは、電極アセンブリによって第2の太陽電池に結合された第1の太陽電池を備える。
【
図2A】
図1に示される第1の太陽電池頂面(前面)及び底面(裏面)の平面図である。
【
図2B】
図2Aに示され第1の太陽電池の横方向断面図である。
【
図2C】
図1に示される第2の太陽電池の頂面(前面)及び底面(裏面)の平面図である。
【
図2D】
図2Cに示される第2の太陽電池の横方向断面図である。
【
図4】
図1に示される電極アセンブリでの使用に適した代替的な導電性素子の断面図である。
【
図5】
図1に示される電極アセンブリでの使用に適した代替的な導電性素子の断面図である。
【
図6】
図1に示される電極アセンブリでの使用に適した代替的な導電性素子の断面図である。
【
図7】
図1に示される電極アセンブリでの使用に適した代替的な導電性素子の断面図である。
【
図8】
図1に示される電極アセンブリでの使用に適した代替的な導電性素子の断面図である。
【
図9】
図1に示される電極アセンブリでの使用に適した代替的な導電性素子の断面図である。
【
図10A】アセンブリを製造する方法の異なる段階を示す、太陽電池アセンブリの側面図である。
【
図10B】製造方法の異なる段階を示す、
図10Aに示される太陽電池アセンブリの太陽電池の断面図である。
【
図11A】アセンブリを製造する方法の異なる段階を示す、太陽電池アセンブリの側面図である。
【
図11B】製造方法の異なる段階を示す、
図11Aに示される太陽電池アセンブリの太陽電池の断面図である。
【
図12A】アセンブリを製造する方法の異なる段階を示す、太陽電池アセンブリの側面図である。
【
図12B】製造方法の異なる段階を示す、
図12Aに示される太陽電池アセンブリの太陽電池の断面図である。
【
図13A】アセンブリを製造する方法の異なる段階を示す、太陽電池アセンブリの側面図である。
【
図13B】製造方法の異なる段階を示す、
図13Aに示される太陽電池アセンブリの太陽電池の断面図である。
【
図14A】アセンブリを製造する方法の異なる段階を示す、太陽電池アセンブリの側面図である。
【
図14B】製造方法の異なる段階を示す、
図14Aに示される太陽電池アセンブリの太陽電池の断面図である。
【
図15A】アセンブリを製造する方法の異なる段階を示す、太陽電池アセンブリの側面図である。
【
図15B】製造方法の異なる段階を示す、
図15Aに示される太陽電池アセンブリの太陽電池の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0088】
次に、本開示の態様及び実施形態を添付図面を参照して説明する。更なる態様及び実施形態は、当業者には明らかである。
【0089】
図面において、層、フィルム、素子などの厚さは、明瞭にするために誇張されている。更に、層、フィルム、領域、又は基板などの素子が別の素子の「上に」あるものとして言及される場合、それは他の素子の上に直接存在してもよいか、又は介在する素子もまた存在してもよいことが理解される。対照的に、素子が別の素子の「直接上に」あるものとして言及される場合、介在する素子は存在しない。
【0090】
図1は、本発明に係る太陽電池アセンブリ10を示しており、太陽電池アセンブリ10は、太陽モジュール100(例えば、太陽パネル)の支持アセンブリ102内に配置されている。太陽電池アセンブリ10は、第1の太陽電池20と、第2の太陽電池30と、第1の太陽電池20の前面22を第2の太陽電池30の裏面34に電気的に接続するように配置された電極アセンブリ12と、を有する。
【0091】
また、電極アセンブリ12は、複数の導電性素子を備え、これらは、第1の太陽電池20と第2の太陽電池30との間に改善された電気経路を提供すると同時に、第1の太陽電池20の前面22における光散乱及び吸収条件を強化するように構成される。
【0092】
電極アセンブリ12の第1の部分は、第1の太陽電池20の前面22に接触して、電極アセンブリ12の前接続部分又は前コネクタ12aを画定するように配置される。電極アセンブリ12の第2の部分は、第2の太陽電池30の裏面34に接触して、電極アセンブリ12の裏接続部分又は裏コネクタ12bを画定する。第1のコネクタ12a及び第2のコネクタ12bは、太陽電池アセンブリ10の隣接して位置付けられた太陽電池20、30のそれぞれの上面22と下面34との間で曲がる第3の相互接続部分12cによって、電気的に接続される。
【0093】
太陽電池アセンブリ10は、支持アセンブリ102内に配置される複数の太陽電池アセンブリのうちの1つである。例えば、第2の太陽電池30の前面32は、第2の電極アセンブリ14によって、第3の太陽電池(図示せず)の裏面に電気的に接続される。また、第3の電極アセンブリ16は、第1の太陽電池20の裏面24を第4の太陽電池(図示せず)の前面に結合するために設けられる。
【0094】
例えば、この配置の第2及び第3の太陽電池は、第2の電極アセンブリ14によって電気的に接続されて、第2の太陽電池アセンブリを画定することが理解される。それによって、複数の太陽電池20、30は、単一のストリングを画定するために、電極アセンブリ12、14、16によって接続される。
【0095】
支持アセンブリ102の前板104は、太陽電池アセンブリ10が載置されている中央チャンバ106に光が通過できるように構成される透明(例えば、ガラス)シートを備える。
図1の上部の矢印は、太陽電池アセンブリ10に入射する太陽放射の方向を示す。
【0096】
支持アセンブリ102の裏板108は、太陽電池アセンブリ10を中央チャンバ106内に囲むように配置される。裏板108は、その上面に入射するあらゆる光を太陽電池アセンブリ10に向かって反射するように構成される反射シートを備える。中央チャンバ106は、外部の液体が侵入するか又は気体が入るのを防止する封入材料(
図1に示される網掛けエリア)で満たされる。
【0097】
図2A及び
図2Cは、それぞれ、太陽電池アセンブリ10の第1の太陽電池20及び第2の太陽電池30の頂面(前面)及び底面(裏面)図を示す。
図2B及び
図2Dは、
図2A及び
図2Cに示されるように、それぞれ、破線A-A及びB-Bに沿った第1の太陽電池20及び第2の太陽電池30の横方向断面図を示す。
【0098】
太陽電池20、30のそれぞれは、
図2A及び
図2Cの垂直寸法である長さ、及び
図2A及び
図2Cの水平寸法である幅を有する。第1の太陽電池20及び第2の太陽電池30は、それらの幅方向及び長さ方向の寸法が互いに平行になるように、共通の横断面(
図1に示すように)に配置される。それぞれの太陽電池の前面22、32のそれぞれは、太陽電池アセンブリ10が使用されているときに光が入射する表面を画定する。裏面24、34はそれぞれ、
図2B、
図2Dに示されるように、それぞれの前面22、32とは反対側にある表面を画定する。
【0099】
各太陽電池20、30は、そのそれぞれの前面と裏面との間に配置された層状構造(図示せず)を有する。層状構造は、入射放射の吸収から電荷キャリアを生成するように構成される光起電力素子(又は層)を含む多層半導体アセンブリである。前フィンガー電極及び裏フィンガー電極26、36、28、38はそれぞれ、それぞれの太陽電池20、30によって生成された電荷キャリアを伝導するように構成される。
【0100】
第1の太陽電池20は、その前面22に配置された第1の複数のフィンガー電極26(すなわち、前フィンガー電極)と、その裏面24に配置された第2の複数のフィンガー電極28(すなわち、裏フィンガー電極)と、を含む。同様の、第2の太陽電池30は、その前面32上に配置された第1の複数のフィンガー電極36と、その裏面34上に配置された第2の複数のフィンガー電極38と、を含む。
【0101】
電極アセンブリ12は、
図2A~
図2Dに示されるように、複数の導電性素子18を備える。導電性素子は、それぞれ、第1の太陽電池及び第2の太陽電池の前面22及び裏面34上に配置されたフィンガー電極26、38とオーム接触を形成するように構成される。導電性素子18はそれぞれ、導電性材料から形成されるワイヤなどの一体的な細長い形態を有する。例えば、導電性素子18は、Ag、Al、Au、及びCuのうちの少なくとも1つを含む金属合金材料を含む。導電性素子18はそれぞれ、
図2B及び
図2Dに最も明確に示されるように、光学的に透明な絶縁フィルム40内に配置される。
【0102】
複数の導電性素子18の第1の部分18aは、電極アセンブリ12の前コネクタ12aを画定する。複数の導電性素子18の第2の部分18bは、電極アセンブリ12の裏コネクタ12bを画定する。したがって、複数の導電性素子18のそれぞれは、前コネクタ12aから電極アセンブリ12の裏コネクタ12bまで延在する。複数の導電性素子18の第3の部分18cは、それぞれの第1の部分12a及び第2の部分12bを電気的に接続するように構成される。
【0103】
導電性素子18は、第3の部分18aにおいて、電極アセンブリ12が前コネクタ12aと裏コネクタ12bとの間に電気的接続を形成することを可能にするように、導電性素子18の軸方向に沿って曲がるように構成される。
【0104】
上述したように、導電性素子32は、導電性素子18と、第1の太陽電池20及び第2の太陽電池30の前面22及び裏面34上のフィンガー電極26、38との間に電荷キャリアが流れることが可能なように構成されるように、導電性材料から形成される。このようにして、導電性素子18のそれぞれは、電極アセンブリ12の集電体を画定する。更に、導電性素子18は、第1の太陽電池20の前フィンガー電極26から電荷キャリアを収集し、第2の太陽電池30の裏フィンガー電極38に移動させ、又はその逆も同様に構成される。
【0105】
導電性素子18のそれぞれは、幅、長さ、及び深さを有する。各導電性素子18の長さは、その幅及び深さよりも実質的に大きい軸方向の長さを画定する。導電性素子18は、非対称断面で構成され、これは、以下でより詳細に説明されるように、導電性素子18と太陽電池の表面上のフィンガー電極26、38との間の電気的接続を改善する。
【0106】
次に、
図2A~
図2Dを参照して、複数のフィンガー電極26、28、36、38及び導電性素子18のそれぞれの配置をより詳細に説明する。
【0107】
複数の前フィンガー電極及び裏フィンガー電極26、28、36、38は、太陽電池20、30を横方向(
図2A、
図2Cの水平方向)にわたって延在するように配置され、長手方向(
図2A、
図2Cの垂直方向)に等間隔で離隔される。
【0108】
各フィンガー電極26、28、36、38の寸法は、他の全てのフィンガー電極26、28、36、38の寸法と実質的に同じである。例えば、フィンガー電極は、各電極が太陽電池の表面から同じ量だけ突出するように配置されるように、共通の長さ、幅、及び深さを有する。更に、フィンガー電極のそれぞれは、長方形の断面を有する(これは、電極の長さに垂直に測定される)。
【0109】
太陽電池20、30の前面26、36及び裏面28、38のそれぞれ上に配置されたフィンガー電極は、互いに、及び太陽電池の反対側に、対応するフィンガー電極と平行に整列している。例えば、第1の太陽電池20の前面22上に配置されたフィンガー電極26のうちの各1つは、複数の裏面フィンガー電極28からの対応するフィンガー電極28と長手方向に整列されている。
図2A及び
図2Cに示されるように、複数の前フィンガー電極及び裏フィンガー電極26、28、36、38のそれぞれは、12個のフィンガー電極を備える。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、本発明の範囲から逸脱することなく、前フィンガー電極及び裏フィンガー電極26、28、36、38の数が異なる場合があることを理解されたい。
【0110】
電極アセンブリ12の導電性素子18の数は、4~20個である。本明細書に記載する実施形態によれば、第1の電極アセンブリ12は、14個~18個の導電性素子18、例えば、
図2A~
図2Dに示されるように16個の導電性素子18を有する。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる数の導電性素子が存在してもよいことが理解される。
【0111】
複数の導電性素子18の第1の部分18a及び第2の部分18bは、長手方向(
図2Aの垂直方向)に、太陽電池の前面22及び裏面34に対して平行であり、長手方向に延在している。導電性素子18はまた、導電性素子18の間に長手方向に延在する空間を画定するように、前面22及び裏面34(
図2Aの水平方向)に対して横方向に等間隔に離隔される。したがって、第1の部分18a及び第2の部分18bのうちの各1つは、平行で横方向に離隔された導電性素子18のアレイを画定する。
【0112】
複数の導電性素子18の第1の部分18aのそれぞれは、同じ電極アセンブリ12の導電性素子18の対応する第2の部分18bと軸方向に整列している。また、第1の電極アセンブリ12の導電性素子18の第2の部分18bは、第2の電極アセンブリ14の導電性素子18の第1の部分18aと軸方向に整列しており、その間に第2の太陽電池30が介在する。
【0113】
上述した配置によれば、
図2A及び
図2Cに示されるように、複数の前フィンガー電極26及び裏フィンガー電極38は、複数の導電性素子18の第1の部分18a及び第2の部分18bに垂直に配置されることが理解されるであろう。
【0114】
フィンガー電極26、28、36、38は、導電性材料から形成され、導電性材料は、Agを含む金属合金から形成される。導電性材料は、フィンガー電極を太陽電池のそれぞれの表面上に容易に堆積できる印刷材料である。印刷材料は、導電性ペーストなどの印刷可能な前駆体を使用して形成され、導電性ペーストは、溶媒中に懸濁された銀金属粉末とガラスフリットとの混合物を含む。導電性ペーストは、フィンガー電極を形成するために焼成又は硬化されてもよい。
【0115】
上述したように、電極アセンブリ12は、導電性素子18が配置された絶縁性の光学的に透明なフィルム40を備える。複数の導電性素子18の第1の部分18a及び第2の部分18bはそれぞれ、それぞれの太陽電池の前面22及び裏面34上に配置された別個のフィルム部分に配置される。例えば、前コネクタ12aは、前フィルム部分42を画定する第1のフィルム部分を含み、裏コネクタ12bは、裏フィルム部分44を画定する第2のフィルム部分を含む。しかしながら、第3の部分18cの導電性素子18は、いずれのフィルムにも覆われていないことに留意されたい。
【0116】
太陽電池アセンブリ10の例示的な形態によれば、導電性素子18の第1の部分18a及び第2の部分18bのそれぞれは、太陽電池を向いたそのそれぞれのフィルム42、44の表面に取り付けられる。各フィルム42、44のこの「太陽電池を向いた」表面は、導電性素子をそれぞれのフィルム42、44に接着する接着剤でコーティングされる。
【0117】
図2B及び
図2Dを参照すると、前コネクタ12aの場合、フィルム42は、導電性素子18と前フィンガー電極26との間のエリアにおいて、太陽電池の前面22に接触するように配置される。裏フィルム部分44は、裏コネクタ12bについても同じ方式で構成される。
【0118】
太陽電池アセンブリ10の例示的な形態において、フィルム42、44のそれぞれは、
図2B及び
図2Dに示されるように、それぞれの導電性素子18及びそれぞれのフィンガー電極26、38を、少なくとも部分的に(例えば、完全に)包囲する、又は取り囲むように構成される。
【0119】
前フィルム部分42及び裏フィルム部分44は、導電性素子が太陽電池上に正しく配置される(すなわち、フィンガー電極と位置合わせされる)ように、太陽電池と導電性素子18との間を接着するように配置される。例示的な実施形態では、前フィルム部分42及び裏フィルム部分44は、太陽電池のそれぞれの表面を完全に覆わない場合がある。
【0120】
一方、図面に示される前フィルム部分42及び裏フィルム部分44は、それぞれ、実質的に平坦な底面及び頂面を備える。フィルムは、太陽電池及び/又は導電性素子の構造的構成要素に適合するように構成されてもよいことが理解される。例えば、裏コネクタ12bのフィルム40は、太陽電池30の裏面34に配置されるフィンガー電極38及び導電性素子18に適合してもよい。この例示的な形態によれば、フィルム40は、裏面34の導電性素子間の領域において太陽電池に向かって凹んだ細長いチャネルからなってもよく、構造電極(例えば、フィンガー電極及び導電性素子)が存在する場合には、それらの上に隆起/突起を形成してもよい。
【0121】
前フィルム部分42及び裏フィルム部分44は、フィルムがフィンガー電極及びその上に配置された導電性素子に適合するように、太陽電池のそれぞれの表面上に熱及び圧力で適用される。
【0122】
代替の例示的な形態によれば、フィルム40は、それらのそれぞれの太陽電池に面する表面に配置されたチャネルを有してもよい。チャネルは、対応する導電性素子及びフィンガー電極の周りを緊密にフィットさせるように構成されてもよい。
【0123】
前フィルム部分42及び裏フィルム部分44は、導電性素子18よりも薄くてもよい。例えば、導電性素子18は、少なくとも200μm~最大で400μm(例えば、0.2mm~0.4mm)の厚さ(すなわち、深さ)を有してもよいが、フィルムは、少なくとも70μm~最大で120μm(例えば、0.07mm~0.12mm)の厚さを有してもよい。
【0124】
前フィルム部分42及び裏フィルム部分44はそれぞれ、高い延性、良好な絶縁特性、光学的透明性、及び熱安定性、収縮に対する耐性を有するポリマー材料から形成される。例示的なポリマー材料は、変性エチレンテトラフルオロエチレンからなる。
【0125】
次に、
図3A、
図3B、及び
図4~
図9を参照して、導電性素子18の構成をより詳細に説明する。例示的な形態では、導電性素子18はそれぞれ、
図3A、
図3B、
図4、及び
図7に示されるように、円形の横断面形状(すなわち、導電性素子18の軸方向長さに対して横方向)を有する。しかしながら、導電性素子18は、本発明の範囲から逸脱することなく、
図5、
図6、
図8、及び
図9に示されるように、異なる断面形状を有するように構成されてもよい。
【0126】
導電性素子18のそれぞれは、
図3Aに示されるように、第1の太陽電池20の前面22に電気的に接触するように構成された第1の表面50を備える。各導電性素子18はまた、
図3Bに示されるように、第2の太陽電池30の裏面34に電気的に接触するように構成された第2の表面54を備える。
【0127】
第1の表面50及び第2の表面52のそれぞれの少なくとも一部は、使用中に、それぞれの第1の表面50及び第2の表面52を、それらが重ねられている太陽電池20、30の表面にはんだ付けするように構成されるコーティング60を備える。
【0128】
図3Aは、第1の太陽電池20の前面22上の導電性素子18の第1の部分18a(すなわち、電極アセンブリ12の前コネクタ12a)を示し、一方、
図3Bは、第2の太陽電池30の裏面34上の同じ導電性素子18の第2の部分18b(すなわち、電極アセンブリ12の裏コネクタ12b)を示すことが理解される。
【0129】
第1の表面50及び第2の表面52は、導電性素子18の2つの異なる長手方向表面(すなわち、導電性素子の長手方向に延在する表面)を画定する。特に、第1の表面50及び第2の表面52は、導電性素子18の上面又は下面を画定する。このように、第1の表面50は、導電性素子18の第2の表面52とは反対側に配置される。
【0130】
導電性素子18はそれぞれ、実質的に平坦な第1の表面50を備える。導電性素子部分18aの第1の表面50は、
図3Aに示されるように、第1の太陽電池20の前面22を向き、第1の太陽電池20の前面22に平行に位置する平面を有するように構成される。平坦な第1の表面50は、太陽電池が電極アセンブリ12へのそれらの接続中に反転する状況において特に有利である。そのような状況では、導電性素子18の第1の表面50は、以下でより詳細に説明するように、実質的に上方向(例えば、垂直に上方)に向くように配置される。導電性素子18に熱及び/又は圧力が印加されて(例えば、積層)、太陽電池前面22との接続が形成されると、コーティング60は、平坦な表面上に支持され、それによって、重力に起因して太陽電池表面との接触界面から離れる方に流れることが防止される。
【0131】
第1の表面50とは対照的に、導電性素子の第2の表面52は、
図3Bに示されるように、実質的に湾曲している。第2の表面52の凸状形状は、その端部が第1の表面50の端部で終端する断面円弧を画定する。このようにして、導電性素子18はそれぞれ、
図3A及び
図3Bに示されるように、半楕円形断面を備える。
【0132】
第1の表面50の接触面積は、第1の太陽電池20の前面22(例えば、前フィンガー電極36)との電気的接触を形成する第1の表面50の幅によって画定される。したがって、第1の表面50の接触面積は、
図3Aに示されるように、太陽電池の第1の表面50と前面22との間に形成されるコーティング60の幅によって実質的に画定される。
【0133】
第2の表面52の接触面積は、第2の太陽電池30の裏面34(例えば、裏フィンガー電極38)と電気的接触を形成する第2の表面52の幅によって画定される。特に、第2の表面52の接触面積は、
図3Bに示されるように、太陽電池の第2の表面52と裏面34との間に形成されるコーティング60の幅によって画定される。したがって、第1の表面50は、第2の表面52よりも広い断面幅(すなわち、接触幅)を有するので、第1の表面50の接触幅も、第2の表面52によって画定される接触面積よりも大きい。
【0134】
第2の表面52の湾曲構成は、コーティング60を第2の表面52の上部中心点に向かって流れるようにする。第2の表面52のこの配置はまた、コーティング60を第2の太陽電池30の裏面34上に濡らし、導電性素子18と第2の太陽電池30との間の接触面積の幅を狭くする。前コネクタ12aを考慮すると、湾曲した第2の表面52はまた、
図3Aの破線矢印によって示されるように、第1の太陽電池20の前面22上に光散乱表面を有する。
【0135】
第1及び第2の接触面積はまた、少なくとも部分的に、第1の太陽電池20及び第2の太陽電池30のそれぞれの前面22及び裏面34に重なるように構成される各導電性素子18の長さ(すなわち、それぞれ、前コネクタ12a及び裏コネクタ12bに関連付けられた第1の導電性素子部分18a及び第2の導電性素子部分18bの長さ)によって画定されることが理解される。
【0136】
電極アセンブリ12は、第1の太陽電池20の前面22に重なる導電性素子18の部分18aの長さが、第2の太陽電池30の裏面34に重なる導電性素子部分18bの長さと等しくなるように構成される。したがって、それぞれの接触面積の差は、導電性素子18のそれぞれの第1の表面50及び第2の表面52の接触幅によって画定される。
【0137】
例示的な形態によれば、導電性素子18は、
図5、
図6、
図8、及び
図9に示されるように、第1の表面50と第2の表面52との間に配置された第3の表面54及び第4の表面56を備えてもよい。第4の表面56は、第3の表面54の反対側に配置され、それらはそれぞれ、第1の表面50を第2の表面52から離隔して、導電性素子18の深さを画定する。
【0138】
これらの例示的な形態のそれぞれによれば、第2の表面52は、実質的に平坦に構成される。平坦な第2の表面52は、第1の表面50、並びに第1の太陽電池20及び第2の太陽電池30のそれぞれの前面22及び裏面34に平行に配置される。湾曲した第2の表面と比較して、平坦な第2の表面52は、第1の太陽電池20の前面に配置されたときに、依然としていくらか光を散乱させながら、第2の太陽電池30とより堅牢に電気的接触させる。
【0139】
第3の表面54及び第4の表面56は、
図5及び
図7に示されるように、凸状曲面を有するように構成されてもよい。これらの配置では、導電性素子18は、切頭半円を画定する断面形状を備える。代替的に、
図6及び
図9に示されるように、第3の表面54及び第4の表面56は、導電性素子の断面が切頭三角形を画定するように、実質的に平坦であってもよい。
【0140】
導電性素子18は、
図4~
図6の破線状の水平線によって示されるように、導電性素子18の中央側方平面CLに関して非対称な断面形状をそれぞれ有するように構成される。中央側方平面CLは、導電性素子18の長手方向軸を通って幅方向又は水平方向に延在する平面を画定する。導電性素子18はまた、導電性素子18の中央垂直平面CVに関して対称な断面形状を有するように構成される。中央垂直平面CVは、
図4~
図6の垂直破線によって示されるように、導電性素子18の長手方向軸を通って深さ方向又は垂直方向に延在する平面を画定する。
【0141】
図4~
図9に示される例示的な形態のそれぞれでは、コーティング60は、第1の表面50及び第2の表面52を実質的に覆うように構成される。
図4に示されるように、コーティング60は、太陽電池表面(例えば、第2の太陽電池30の裏面34)と接触するように構成される第2の表面52の部分のみを覆うように配置される。導電性素子18が第3の表面54及び第4の表面56を有する例示的な形態では、
図5及び
図6に示されるように、コーティング60は、第1の表面50及び第2の表面52上にのみ配置される。代替的に、
図7~
図9に示されるように、導電性素子の表面のそれぞれは、コーティング60においてコーティングされてもよい。
【0142】
コーティング60は、導電性素子18の融点よりも低い融点を有する導電性材料である。コーティング60は、鉛系、スズ系、及びビスマス系合金などの少なくとも2つ以上の成分から形成された金属合金を含む。代替的に、コーティング60は、当業者によって理解されるように、2相、3相、又はより複雑な金属合金を含んでもよい。
【0143】
図3A、
図3B、及び
図4~
図9に示される例示的な形態では、各導電性素子18は、その長さに沿って一定の断面を有するように構成される。各導電性素子18は、素子が延在し、第1の太陽電池20と第2の太陽電池30との間を接続するとき、第1の表面50及び第2の表面52が導電性素子18上のそれぞれの位置を維持するように配置される。このようにして、各導電性素子18は、その長さに沿ってあらゆる軸方向のねじれ又はひねりを含まないように構成される。
【0144】
導電性素子18のそれぞれは、単一のワイヤ部分から形成される(すなわち、各導電性素子18の第1の部分18a及び第2の部分18bは、互いに一体的に形成される)。このようにして、導電性素子18は、第1の太陽電池20と第2の太陽電池30との間を直接電気的に接続させ、それらの間の電流の流れを増加させる。このように導電性素子を構成することで、隣接する太陽電池間に別個の接続(銅リボンなど)を設ける必要性がなくなり、それによって、太陽電池アセンブリ10を製作するために必要な製造ステップの数と複雑さが軽減される。
【0145】
次に、太陽電池アセンブリ10を製造する例示的な方法を、製造方法のステップを示す
図10A~
図15Bを参照して説明する。対応する方法ステップのフローチャートを示す
図16も参照する。
【0146】
方法は、上述したように、第1の太陽電池20、第2の太陽電池30、及び電極アセンブリ12が提供される第1のステップ202から開始する。第1のステップ202の前に、太陽電池は、当業者によって理解されるように、従来の様式で製造される。特に、方法は、太陽電池のそれぞれの前面及び裏面上に導電性表面(又は導電性部分)を有する太陽電池のそれぞれを構成することを含む。例えば、これは、それぞれ、複数の前フィンガー電極36及び裏フィンガー電極38を形成するために、第1の太陽電池20及び第2の太陽電池30の前面22及び裏面34上への導電性材料の堆積を通じて達成することができる。
【0147】
例示的な方法によれば、フィンガー電極36、38は、スクリーン印刷プロセスを使用して、それらのそれぞれの表面上に堆積される。スクリーン印刷プロセスは、スクリーン又はマスクを通じて層状構造表面上に印刷可能な前駆体を塗布することを含む。印刷可能な前駆体は、好適な溶媒の存在下で金属粉末をガラスフリットと混合することによって得られる金属ペーストを含む。マスクの開口部は、印刷された特徴部(すなわち、フィンガー電極)のそれぞれの配置及び寸法を決定する。印刷可能な前駆体が太陽電池表面上に設けられると、次いで、それが炉内で発射されて、対応するフィンガー電極を形成する。
【0148】
電極アセンブリ12は、電極アセンブリ12の前コネクタ12a及び裏コネクタ12bを画定するために、フィルム42、44のそれぞれの第1及び第2の部分と複数の導電性素子18を配置することによって形成されてもよい。
【0149】
複数のフィンガー電極36、38が、第1の太陽電池20及び第2の太陽電池30の表面上に堆積されると、電極アセンブリ12は、太陽電池20、30に接続されて、本発明に係る太陽アセンブリ10を画定することができる。
【0150】
ステップ204では、第2の太陽電池30は、例えば、
図10A及び
図10Bに示されるように、その裏面34が上方を向くように配置される。第2の太陽電池30が反転すると、次いで、ステップ206において、電極アセンブリ12の裏コネクタ12bは、第2の太陽電池30の裏面34上に重ねられる。したがって、
図11Bに示されるように、導電性素子18は、それらがフィンガー電極38に垂直に位置するように、裏面34上に重ねられる。方法ステップ206の結果として、導電性素子18の第2の表面52が、太陽電池の裏フィンガー電極34と接触するようになる。
【0151】
ステップ208では、複数の導電性素子18の第2の表面52が、第2の太陽電池30の裏面34に接続される。この方法ステップでは、
図11Bに示されるように、第2のコネクタ12b内の導電性素子18を加熱する及び/又はそれに圧力を印加して、コーティング60を圧縮力の下で第2の太陽電池の裏面34に接合することを含む。
【0152】
熱及び圧力を印加することで、導電性素子18の第2の表面52上のコーティング60が、第2の太陽電池30の裏面34に向かって、重力に起因して流れるようになる。コーティング60は、太陽電池表面に対して濡れる。また、導電性素子の第2の表面52の曲率は、コーティング60を太陽電池と導電性素子との間の界面に蓄積又は貯留させる。
【0153】
コーティングが冷却され固化すると、
図12Bに示されるように、その下にある裏フィンガー電極38とオーム接触を形成する。熱及び圧力の適用はまた、太陽電池30の裏面34上に裏フィルム44を積層する。
【0154】
方法は、
図10A及び
図10Bに示されるように、第1の太陽電池20が反転され、前コネクタ12a上に重ねられるステップ210に移行する。そうすることで、導電性素子の前部分18aの第1の表面50は、第1の太陽電池20の前面22と接触させられる。
【0155】
ステップ212では、複数の導電性素子18の第1の表面50は、次いで、第1の太陽電池20の前面22に接続される。ステップ208と同様に、方法は、
図14Bに示されるように、前コネクタ12aの導電性素子18を加熱する及び/又はそれに圧力を印加して、それらを圧縮力の下で第1の太陽電池の前面22に物理的に接合することを含む。熱及び圧力の印加は、導電性素子の第1の表面50上のコーティング60を溶融させ、次いで第1の太陽電池の前面22に対して濡らす。平面の第1の表面50は、コーティング60が冷却及び凝固してそれらの間にオーム接触を形成しながら、太陽電池20との界面で溶融コーティング60を所定の位置に保持するように構成される。熱及び圧力の印加はまた、
図15Bに示されるように、第1の太陽電池の前面22上に前フィルム42を積層する。
【0156】
実施形態では、太陽モジュール100の前板104は、ガラスで形成されており、裏板108は、より軽いポリマーシートで形成されている。この場合、太陽電池アセンブリ10を反転された太陽電池20、30と組み立てることの更なる利点は、太陽アセンブリ10をより重い前板104上に構築し、それからそれをより軽い裏板108で覆うことがより容易であることである。これは、より重いガラス前板104を事前に組み立てられた太陽アセンブリ10の頂部の所定の位置に配置しなければならないことと比較して、太陽モジュール100を損傷するリスクを低減する。
【0157】
上記の方法ステップのうちの少なくともいくつかは、同時に又は任意の順序で行うことができることが理解される。例えば、第1の太陽電池20及び第2の太陽電池30を電極アセンブリ12に対して反転して配置することを含む方法ステップは、実質的に同時に行うことができる。同様に、前コネクタ12a及び裏コネクタ12bはまた、第1の太陽電池20及び第2の太陽電池30のそれぞれの前面22及び裏面34に同時に接続されてもよい。
【0158】
上述の方法の結果として、電極アセンブリ12の前コネクタ12a及び裏コネクタ12bは、両方ともそれぞれの第1の太陽電池20及び第2の太陽電池30に機械的及び電気的に接続されて、本発明による太陽電池アセンブリ10を形成する。
【0159】
本発明は、上述した実施形態には限定されず、様々な修正及び改良が、本明細書に記載された概念から逸脱することなく行うことができることが理解される。相互に排他的な場合を除いて、いかなる特徴も、任意の他の特徴とは別個に、又はそれらと組み合わせて用いることができ、本開示は、本明細書に記載された1つ以上の特徴の全ての組み合わせ、及び部分組み合わせに拡張され、これらを包含する。
【0160】
機能リスト
太陽電池アセンブリ10
電極アセンブリ12、14、16
前コネクタ12a
裏コネクタ12b
相互接続部分12c
導電性素子18
導電性素子18aの第1の部分
導電性素子18bの第2の部分
導電性素子18cの第3の部分
第1の太陽電池20
前面22
裏面24
前フィンガー電極26
裏フィンガー電極28
第2の太陽電池30
前面32
裏面34
前フィンガー電極36
裏フィンガー電極38
フィルム40
前フィルム部分42
裏フィルム部分44
導電性素子-第1の表面50
導電性素子-第2の表面52
導電性素子-第3の表面54
導電性素子-第4の表面56
コーティング60
太陽モジュール100
支持アセンブリ102
前板104
中央チャンバ106
裏板108
方法ステップ200~212
【国際調査報告】