IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 恵科股▲分▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-電圧安定化回路及び表示パネル 図1
  • 特表-電圧安定化回路及び表示パネル 図2
  • 特表-電圧安定化回路及び表示パネル 図3
  • 特表-電圧安定化回路及び表示パネル 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】電圧安定化回路及び表示パネル
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/34 20200101AFI20241206BHJP
   H05B 45/50 20220101ALI20241206BHJP
   H05B 45/40 20200101ALI20241206BHJP
【FI】
H05B45/34
H05B45/50
H05B45/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539787
(86)(22)【出願日】2022-12-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2022142430
(87)【国際公開番号】W WO2024045443
(87)【国際公開日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】202211050613.7
(32)【優先日】2022-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521141718
【氏名又は名称】恵科股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HKC Corporation Limited
【住所又は居所原語表記】1F-3F, 5F-7F of Factory Building 1, 7F of Factory Building 6, Huike Industrial Park, No.1 Industrial 2nd Road, Shilong Community, Shiyan Street, Baoan District, Shenzhen, China
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】周 仁杰
(72)【発明者】
【氏名】康 報虹
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA05
3K273BA03
3K273BA20
3K273CA02
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA24
3K273EA25
3K273EA36
3K273EA44
3K273FA06
3K273FA14
3K273FA28
3K273FA33
(57)【要約】
本願は、電圧安定化回路及び表示パネルを開示し、表示の技術分野に属する。本願により提供される電圧安定化回路は、発光モジュール(10)と、駆動モジュール(20)と、比較モジュール(30)と、選択モジュール(40)と、第1のスイッチングモジュール(50)と、第2のスイッチングモジュール(60)とを含む。駆動モジュール(20)は、発光モジュール(10)に駆動電圧(Vdd)を供給する。比較モジュール(30)は、駆動電圧(Vdd)と基準電圧(Vref)の大きさを比較して出力信号を生成する。選択モジュール(40)は、順方向高電圧(VGH)又は逆方向低電圧(VGL)を出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧安定化回路であって、
発光モジュール(10)と、
走査信号(Scan)と駆動電圧(Vdd)とが入力され、前記走査信号(Scan)による制御において前記発光モジュール(10)に前記駆動電圧(Vdd)を供給するのに用いられる駆動モジュール(20)と、
前記駆動モジュール(20)に接続され、前記駆動電圧(Vdd)と基準電圧(Vref)とが入力され、前記駆動電圧(Vdd)と前記基準電圧(Vref)の大きさを比較して出力信号を生成するのに用いられる比較モジュール(30)と、
前記比較モジュール(30)に接続され、順方向高電圧(VGH)と逆方向低電圧(VGL)とが入力され、前記出力信号による制御において前記順方向高電圧(VGH)又は前記逆方向低電圧(VGL)を出力するのに用いられる選択モジュール(40)と、
前記発光モジュール(10)と、前記駆動モジュール(20)と、前記選択モジュール(40)とに接続され、前記順方向高電圧(VGH)の制御により前記駆動モジュール(20)と前記発光モジュール(10)との間の回路接続をオンにし、又は、前記逆方向低電圧(VGL)の制御により前記駆動モジュール(20)と前記発光モジュール(10)との間の回路接続をオフにするのに用いられる第1のスイッチングモジュール(50)と、
前記駆動モジュール(20)と、前記第1のスイッチングモジュール(50)と、前記選択モジュール(40)とに接続され、データ電圧(Vdata)が入力され、前記順方向高電圧(VGH)の制御により前記データ電圧(Vdata)を前記駆動モジュール(20)に出力し、又は、前記逆方向低電圧(VGL)の制御により前記データ電圧(Vdata)が前記駆動モジュール(20)に入るのを阻止するのに用いられる第2のスイッチングモジュール(60)と、
を含む電圧安定化回路。
【請求項2】
前記発光モジュール(10)は、
アノード端子が前記第1のスイッチングモジュール(50)に接続され、カソード端子がコモン接地端子(Vss)に電気的に接続された発光素子(MICRO LED)
を含む請求項1に記載の電圧安定化回路。
【請求項3】
前記駆動モジュール(20)は、
ゲートに前記走査信号(Scan)が入力され、ソースが前記第2のスイッチングモジュール(60)に接続された第1のトランジスタ(T1)と、
ゲート(G)が前記第1のトランジスタ(T1)のドレインに接続され、ソース(S)が前記第1のスイッチングモジュール(50)に接続され、ドレイン(D)に前記駆動電圧(Vdd)が入力される第2のトランジスタ(T2)と、
一端が前記第1のトランジスタ(T1)のドレイン及び前記第2のトランジスタ(T2)のゲート(G)に接続され、他端が前記第2のトランジスタ(T2)のソース(S)及び前記スイッチングモジュールに接続されたコンデンサ(C1)と、
を含む請求項2に記載の電圧安定化回路。
【請求項4】
前記比較モジュール(30)は、
非反転入力端子に前記駆動電圧(Vdd)が入力され、反転入力端子に前記基準電圧(Vref)が入力され、出力端子が前記選択モジュール(40)に接続された電圧コンパレータ(U1)
を含む請求項3に記載の電圧安定化回路。
【請求項5】
前記比較モジュール(30)は、
反転入力端子に前記駆動電圧(Vdd)が入力され、非反転入力端子に前記基準電圧(Vref)が入力され、出力端子が前記選択モジュール(40)に接続された電圧コンパレータ(U1)
を含む請求項3に記載の電圧安定化回路。
【請求項6】
前記選択モジュール(40)は、
ゲートが前記電圧コンパレータ(U1)の出力端子に接続され、ソースに前記逆方向低電圧(VGL)が入力され、ドレインが前記第1のスイッチングモジュール(50)及び前記第2のスイッチングモジュール(60)に接続された第3のトランジスタ(T3)と、
ゲートが前記電圧コンパレータ(U1)の出力端子に接続され、ソースに前記順方向高電圧(VGH)が入力され、ドレインが前記第1のスイッチングモジュール(50)及び前記第2のスイッチングモジュール(60)に接続された第4のトランジスタ(T4)と、
を含む請求項4に記載の電圧安定化回路。
【請求項7】
前記第3のトランジスタ(T3)のゲートと前記第4のトランジスタ(T4)のゲートとが共同して前記選択モジュール(40)の入力端子を構成し、前記第3のトランジスタ(T3)のドレインと前記第4のトランジスタ(T4)のドレインとが共同して前記選択モジュール(40)の出力端子を構成する
請求項6に記載の電圧安定化回路。
【請求項8】
前記第1のスイッチングモジュール(50)は、
ゲートが前記第3のトランジスタ(T3)のドレイン及び前記第4のトランジスタ(T4)のドレインに接続され、ソースが前記第2のトランジスタ(T2)のソース(S)及び前記コンデンサ(C1)の他端に接続され、ドレインが前記発光素子(MICRO LED)のアノード端子に接続された第5のトランジスタ(T5)
を含む請求項6に記載の電圧安定化回路。
【請求項9】
前記第2のスイッチングモジュール(60)は、
ゲートが前記第3のトランジスタ(T3)のドレイン、前記第4のトランジスタ(T4)のドレイン及び前記第5のトランジスタ(T5)のゲートに接続され、ソースに前記データ電圧(Vdata)が入力され、ドレインが前記第1のトランジスタ(T1)のソースに接続された第6のトランジスタ(T6)
を含む請求項8に記載の電圧安定化回路。
【請求項10】
前記走査信号(Scan)がハイレベルである場合、前記第1のトランジスタ(T1)がオンし、前記駆動電圧(Vdd)が前記基準電圧(Vref)よりも小さいとき、前記電圧コンパレータ(U1)がローレベルを出力し、前記第3のトランジスタ(T3)がオンし、前記第4のトランジスタ(T4)がオフし、前記選択モジュール(40)が逆方向低電圧(VGL)を出力し、前記第5のトランジスタ(T5)がオフし、前記第6のトランジスタ(T6)がオフし、前記第2のトランジスタ(T2)がオフし、前記発光素子(MICRO LED)がオフして発光しない
請求項9に記載の電圧安定化回路。
【請求項11】
前記走査信号(Scan)がハイレベルである場合、前記第1のトランジスタ(T1)がオンし、前記駆動電圧(Vdd)が前記基準電圧(Vref)よりも大きいとき、前記電圧コンパレータ(U1)がハイレベルを出力し、前記第3のトランジスタ(T3)がオフし、前記第4のトランジスタ(T4)がオンし、前記選択モジュール(40)が順方向高電圧(VGH)を出力し、前記第5のトランジスタ(T5)がオンし、前記第6のトランジスタ(T6)がオンし、前記第2のトランジスタ(T2)がオンし、前記発光素子(MICRO LED)がオンして発光する
請求項10に記載の電圧安定化回路。
【請求項12】
電圧安定化回路を含む表示パネルであって、
前記電圧安定化回路は、
発光モジュール(10)と、
走査信号(Scan)と駆動電圧(Vdd)とが入力され、前記走査信号(Scan)による制御において前記発光モジュール(10)に前記駆動電圧(Vdd)を供給するのに用いられる駆動モジュール(20)と、
前記駆動モジュール(20)に接続され、前記駆動電圧(Vdd)と基準電圧(Vref)とが入力され、前記駆動電圧(Vdd)と前記基準電圧(Vref)の大きさを比較して出力信号を生成するのに用いられる比較モジュール(30)と、
前記比較モジュール(30)に接続され、順方向高電圧(VGH)と逆方向低電圧(VGL)とが入力され、前記出力信号による制御において前記順方向高電圧(VGH)又は前記逆方向低電圧(VGL)を出力するのに用いられる選択モジュール(40)と、
前記発光モジュール(10)と、前記駆動モジュール(20)と、前記選択モジュール(40)とに接続され、前記順方向高電圧(VGH)の制御により前記駆動モジュール(20)と前記発光モジュール(10)との間の回路接続をオンにし、又は、前記逆方向低電圧(VGL)の制御により前記駆動モジュール(20)と前記発光モジュール(10)との間の回路接続をオフにするのに用いられる第1のスイッチングモジュール(50)と、
前記駆動モジュール(20)と、前記第1のスイッチングモジュール(50)と、前記選択モジュール(40)とに接続され、データ電圧(Vdata)が入力され、前記順方向高電圧(VGH)の制御により前記データ電圧(Vdata)を前記駆動モジュール(20)に出力し、又は、前記逆方向低電圧(VGL)の制御により前記データ電圧(Vdata)が前記駆動モジュール(20)に入るのを阻止するのに用いられる第2のスイッチングモジュール(60)と、
を含む表示パネル。
【請求項13】
プロセッサと、通信バスと、ユーザインターフェースと、ネットワークインターフェースと、メモリと
をさらに含む請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記メモリは、オペレーティングシステムと、データ記憶モジュールと、ネットワーク通信モジュールと、ユーザインターフェースモジュールと、コンピュータプログラムとを含む
請求項13に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記表示パネルは、前記プロセッサにより前記メモリ内の前記コンピュータプログラムを呼び出して、前記電圧安定化回路を制御する
請求項14に記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は2022年8月29日に出願された、出願番号が202211050613.7である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容を引用により本願に組み入れる。
【0002】
本願は表示の技術分野に関するものであり、特に、電圧安定化回路及び表示パネルに関するものである。
【背景技術】
【0003】
ここで述べるものは本願に関連する背景情報を提供するだけであって、必然的に先行技術を構成するものではない。
【0004】
従来技術では、データ線から表示パネルの近端と遠端までの距離が異なるため、micro led(light-emitting diode:マイクロ発光ダイオード)の駆動電圧Vddが表示パネルの近端と遠端とでは上昇する速度に差があり、さらには、表示パネルの近端と遠端のmicro ledのパフォーマンスが一様ではない可能性がある。例えば、電源投入時に、パネル内部のVdd上昇が不安定なために、画面がちらつく可能性がある。また、シャットダウン時に、パネル内部のVdd低下が不安定なために、画面がちらつく可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の主な目的は、如何にして表示パネルの近端と遠端のmicro ledのパフォーマンスを一様にし、表示パネルでの画面のちらつきを回避するかという技術的問題を解決することを目的とする電圧安定化回路及び表示パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本願は電圧安定化回路を提供し、前記電圧安定化回路は、
発光モジュールと、
走査信号と駆動電圧とが入力され、前記走査信号による制御において前記発光モジュールに前記駆動電圧を提供するのに用いられる駆動モジュールと、
前記駆動モジュールに接続され、前記駆動電圧と基準電圧とが入力され、前記駆動電圧と前記基準電圧の大きさを比較して出力信号を生成するのに用いられる比較モジュールと、
前記比較モジュールに接続され、順方向高電圧と逆方向低電圧とが入力され、前記出力信号による制御において前記順方向高電圧又は前記逆方向低電圧を出力するのに用いられる選択モジュールと、
前記発光モジュールと、前記駆動モジュールと、前記選択モジュールとに接続され、前記順方向高電圧の制御により前記駆動モジュールと前記発光モジュールとの間の回路接続をオンにし、又は、前記逆方向低電圧の制御により前記駆動モジュールと前記発光モジュールとの間の回路接続をオフにするのに用いられる第1のスイッチングモジュールと、
前記駆動モジュールと、前記第1のスイッチングモジュールと、前記選択モジュールとに接続され、データ電圧が入力され、前記順方向高電圧の制御により前記データ電圧を前記駆動モジュールに出力し、又は、前記逆方向低電圧の制御により前記データ電圧が前記駆動モジュールに入るのを阻止するのに用いられる第2のスイッチングモジュールと、を含む。
【0007】
さらに、上記目的を達成するために、本願は、上記のような電圧安定化回路を含む表示パネルをさらに提供する。
有益な効果
【0008】
本願は、電圧安定化回路及び表示パネルを提案する。本願によれば、micro ledの駆動回路に対して最適化を行い、発光モジュールと、駆動モジュールと、比較モジュールと、選択モジュールと、第1のスイッチングモジュールと、第2のスイッチングモジュールとを含む電圧安定化回路を得た。表示パネル内の各micro led間の点滅の遅延時間は肉眼では感知しにくいため、本願によれば、上記各モジュールを組み合わせ、駆動電圧の判断閾値として基準電圧を設定することにより、表示パネル全体のmicro ledのオン・オフのタイミングを変更して、遠端の駆動電圧の上昇又は下降にさらに時間的余裕を与え、駆動電圧が条件に合致するようになってはじめてmicro ledを導通、発光させる。これにより、駆動電圧の振幅が十分でないままmicro ledが微発光から徐々に明るくなる状況を回避し、電源入切時に画面がちらつく問題を効果的に回避することができる。
【0009】
また、この電圧安定化回路に基づいて、一部の入力パラメータを微調整するだけで、過電圧保護の機能を実現することもでき、1つの発光ダイオードの電圧異常時に該発光ダイオードをオフにし、その電圧が正常に回復ししてから再びそれをオンにすることができ、単一の発光ダイオードに対する精密な制御を実現し、表示パネルの動作中に柔軟に保護するように機能し、従来の過電圧保護のために表示パネル全体を停止する必要があるという技術的欠陥を回避する。
【0010】
本願の実施例及び従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例或いは従来技術の説明に必要とされる添付図面を簡単に紹介する。下記説明における添付図面は本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、これらの添付図面が示す構造により他の添付図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本願の電圧安定化回路の一実施例の機能モジュール模式図である。
図2】本願の電圧安定化回路の一実施例の回路構成模式図である。
図3】本願の電圧安定化回路の別の実施例の回路構成模式図である。
図4】本願の実施例の案にかかる表示パネルの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本願目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
【0013】
ここで説明する具体的な実施例は本願を解釈するためだけに使われるものであって、本願を限定するために使われるものではないことは、理解しておくべきである。
【0014】
本願の実施例は電圧安定化回路を提供し、図1を参照し、図1は、本願の電圧安定化回路の一実施例の機能モジュール模式図である。
【0015】
本実施例において、前記電圧安定化回路は、
発光モジュール10と、
走査信号Scanと駆動電圧Vddとが入力され、前記走査信号Scanによる制御において前記発光モジュール10に前記駆動電圧Vddを供給するのに用いられる駆動モジュール20と、
前記駆動モジュール20に接続され、前記駆動電圧Vddと基準電圧Vrefとが入力され、前記駆動電圧Vddと前記基準電圧Vrefの大きさを比較して出力信号を生成するのに用いられる比較モジュール30と、
前記比較モジュール30に接続され、順方向高電圧VGHと逆方向低電圧VGLとが入力され、前記出力信号による制御において前記順方向高電圧VGH又は前記逆方向低電圧VGLを出力するのに用いられる選択モジュール40と、
前記発光モジュール10と、前記駆動モジュール20と、前記選択モジュール40とに接続され、前記順方向高電圧VGHの制御により前記駆動モジュール20と前記発光モジュール10との間の回路接続をオンにし、又は、前記逆方向低電圧VGLの制御により前記駆動モジュール20と前記発光モジュール10との間の回路接続をオフにするのに用いられる第1のスイッチングモジュール50と、
前記駆動モジュール20と、前記第1のスイッチングモジュール50と、前記選択モジュール40とに接続され、データ電圧Vdataが入力され、前記順方向高電圧VGHの制御により前記データ電圧Vdataを前記駆動モジュール20に出力し、又は、前記逆方向低電圧VGLの制御により前記データ電圧Vdataが前記駆動モジュール20に入るのを阻止するのに用いられる第2のスイッチングモジュール60と、を含む。
【0016】
なお、本実施例で提供される電圧安定化回路は、表示パネル内のmicro ledの数に基づいて設置されるのである。すなわち、各micro ledにその対応する電圧安定化回路が存在する。ここで、この電圧安定化回路は、近端のmicro ledには設置しなくてもよいが、遠端のmicro ledには設置しなければならない。データ電圧Vdataはデータ線から、基準電圧Vrefは制御チップのレジスタから、走査信号Scan、順方向高電圧VGH及び逆方向低電圧VGLは走査線から供給されてもよい。
【0017】
さらに、図2を参照し、図2は本願の電圧安定化回路の一実施例の回路構成模式図である。
【0018】
図2に示すように、いくつかの可能な実施例において、前記発光モジュール10は、
アノード端子が前記第1のスイッチングモジュール50に接続され、カソード端子がコモン接地端子Vssに電気的に接続された発光素子MICRO LEDを含み、前記発光素子MICRO LEDはマイクロ発光ダイオードであってもよい。
【0019】
さらに、いくつかの可能な実施例において、前記駆動モジュール20は、
ゲートに前記走査信号Scanが入力され、ソースが前記第2のスイッチングモジュール60に接続された第1のトランジスタT1と、
ゲートが前記第1のトランジスタT1のドレインに接続され、ソースが前記第1のスイッチングモジュール50に接続され、ドレインに前記駆動電圧Vddが入力される第2のトランジスタT2と、
一端が前記第1のトランジスタT1のドレイン及び前記第2のトランジスタT2のゲートに接続され、他端が前記第2のトランジスタT2のソース及び前記スイッチングモジュールに接続されたコンデンサC1と、を含む。
【0020】
さらに、いくつかの可能な実施例において、前記比較モジュール30は、
非反転入力端子に前記駆動電圧Vddが入力され、反転入力端子に前記基準電圧Vrefが入力され、出力端子が前記選択モジュール40に接続された電圧コンパレータU1を含む。
【0021】
さらに、いくつかの可能な実施例において、前記選択モジュール40は、
ゲートが前記電圧コンパレータU1の出力端子に接続され、ソースに前記逆方向低電圧VGLが入力され、ドレインが前記第1のスイッチングモジュール50及び前記第2のスイッチングモジュール60に接続された第3のトランジスタT3と、
ゲートが前記電圧コンパレータU1の出力端子に接続され、ソースに前記順方向高電圧VGHが入力され、ドレインが前記第1のスイッチングモジュール50及び前記第2のスイッチングモジュール60に接続された第4のトランジスタT4と、を含む。
【0022】
なお、前記第3のトランジスタT3のゲートと前記第4のトランジスタT4のゲートとが共同して前記選択モジュール40の入力端子を構成し、前記第3のトランジスタT3のドレインと前記第4のトランジスタT4のドレインとが共同して前記選択モジュール40の出力端子を構成する。
【0023】
なお、電圧コンパレータU1の非反転入力端子と反転入力端子の入力電圧を入れ替えるとともに、T3及びT4それぞれのソースの入力電圧を入れ替えることによる回路は、本実施例により提供される回路と等価であり、同様に、本実施例の保護範囲に属する。
【0024】
さらに、いくつかの可能な実施例において、前記第1のスイッチングモジュール50は、
ゲートが前記第3のトランジスタT3のドレイン及び前記第4のトランジスタT4のドレインに接続され、ソースが前記第2のトランジスタT2のソース及び前記コンデンサC1の他端に接続され、ドレインが前記発光素子MICRO LEDのアノード端子に接続された第5のトランジスタT5を含む。
【0025】
さらに、いくつかの可能な実施例において、前記第2のスイッチングモジュール60は、
ゲートが前記第3のトランジスタT3のドレイン、前記第4のトランジスタT4のドレイン及び前記第5のトランジスタT5のゲートに接続され、ソースに前記データ電圧Vdataが入力され、ドレインが前記第1のトランジスタT1のソースに接続された第6のトランジスタT6を含む。
【0026】
なお、本明細書の全ての実施例において採用されるトランジスタは、TFT(Thin Film Transistor、薄膜トランジスタ)、電界効果トランジスタ、又は他の同じ特性を有する素子であってもよく、本明細書で使用されるトランジスタは、ソースとドレインとが対称であるため、そのソースとドレインを入れ替えてもよい。本願の実施例において、トランジスタのゲート以外の両極を区別するために、一方の極をソースと称し、他方の極をドレインと称する。本実施例において、第2のトランジスタT2は増幅領域で動作し、他のトランジスタは全て遮断領域又は飽和領域で動作する。図2において、図中のG、D、Sの符号から第2のトランジスタT2の各ポート特性を特定することができ、GはT2のゲート、SはT2のソース、DはT2のドレインである。残りの各トランジスタは、図2における形態により、各トランジスタの中間端子がゲート、信号入力端子がソース、信号出力端がドレインであるように規定されてもよい。
【0027】
また、本願の実施例に採用されるトランジスタは、ゲートがローレベルである場合にオンし、ゲートがハイレベルである場合にオフするP型トランジスタと、ゲートがハイレベルである場合にオンし、ゲートがローレベルである場合にオフするN型トランジスタとの2種類を含んでもよい。
【0028】
さらに、いくつかの可能な実施例において、第1のトランジスタT1、第2のトランジスタT2、第3のトランジスタT3、第4のトランジスタT4、第5のトランジスタT5及び第6のトランジスタT6は、低温ポリシリコン薄膜トランジスタ、酸化物半導体薄膜トランジスタ、又はアモルファスシリコン薄膜トランジスタであってもよい。本願の実施例で提供される駆動回路内のトランジスタを同一材質のトランジスタとすることにより、異なる材質のトランジスタ間の差異が駆動回路に影響するのを回避することができる。
【0029】
さらに、いくつかの可能な実施形態では、前記走査信号Scanがハイレベルである場合、前記第1のトランジスタT1がオンし、前記駆動電圧Vddが前記基準電圧Vrefよりも小さいとき、前記電圧コンパレータU1がローレベルを出力し、前記第3のトランジスタT3がオンし、前記第4のトランジスタT4がオフし、前記選択モジュール40が逆方向低電圧VGLを出力し、前記第5のトランジスタT5がオフし、前記第6のトランジスタT6がオフし、前記第2のトランジスタT2がオフし、前記発光素子MICRO LEDがオフして、発光しない。
【0030】
さらに、いくつかの可能な実施形態では、前記走査信号Scanがハイレベルである場合、前記第1のトランジスタT1がオンし、前記駆動電圧Vddが前記基準電圧Vrefよりも大きいとき、前記電圧コンパレータU1がハイレベルを出力し、前記第3のトランジスタT3がオフし、前記第4のトランジスタT4がオンし、前記選択モジュール40が順方向高電圧VGHを出力し、前記第5のトランジスタT5がオンし、前記第6のトランジスタT6がオンし、前記第2のトランジスタT2がオンし、前記発光素子MICRO LEDがオンして、発光する。
【0031】
なお、本実施例において、VrefがVddより小さく且つVddに近く、VddがVrefに達した時点で電圧は基本的に安定しており、電源投入時には、VddがVrefより大きくなった時点でのみU1電圧コンパレータがハイレベルを出力する。電源投入時、VddがVrefより小さいとき、U1はローレベルを出力し、このとき、T3がオンし、T4がオフし、選択モジュール40はVGLを出力して、T5がオフし、T6がオフするように制御する。この段階でVddにより発生する電流はmicro ledには到達することができず、同時に、駆動電圧VdataもT2には到達しない。VddがVrefより大きいときのみ、Vdd電流がMICRO LEDに到達してオフ・発光させる可能性があるため、電源投入時に発生する画面のちらつきの問題を回避する。シャットダウン時に、VddがVrefより小さくなると、U1がローレベルを出力し、T3をオンさせ、T4をオフさせ、さらに選択モジュール40がVGLを出力して、T5がオフし、T6がオフするように制御すると、発光ダイオードmicro ledはVddから完全に隔離される。このとき、Vddの波形がどのように変化しても、micro ledの発光状態に影響することがないため、シャットダウン段階で発生する画面のちらつき問題が回避される。
【0032】
本実施例は、電圧安定化回路を提案する。本実施例によれば、micro ledの駆動回路に対して最適化を行い、発光モジュールと、駆動モジュールと、比較モジュールと、選択モジュールと、第1のスイッチングモジュールと、第2のスイッチングモジュールとを含む電圧安定化回路を得た。表示パネル内の各micro led間の点滅の遅延時間は肉眼では感知しにくいため、本実施例によれば、上記各モジュールを組み合わせ、駆動電圧の判断閾値として基準電圧を設定することにより、表示パネル全体のmicro ledのオン・オフのタイミングを変更して、遠端の駆動電圧の上昇又は下降にさらに時間的余裕を与え、駆動電圧が条件に合致するようになってはじめてmicro ledを導通、発光させる。これにより、駆動電圧の振幅が十分でないままmicro ledが微発光から徐々に明るくなる状況を回避し、電源入切時に画面がちらつく問題を効果的に回避することができる。
【0033】
また、図3を参照し、図3は、本願の電圧安定化回路の別の実施例の回路構成模式図である。
【0034】
なお、図3図2の違いは、VGHとVGLの入力位置が入れ替わっているだけである。本実施例において、駆動電圧Vddよりも大きな基準電圧Vrefを設定し、駆動電圧Vddに過電圧が発生したとき、T3がオフし、T4がオンする。このとき、選択モジュール40がVGLを出力し、T5とT6とがオフするように制御することで、発光ダイオードに電流が流れないように保証する。一方、各発光ダイオード1つのこのような回路を設置すると、1つの発光ダイオードに過電圧が発生したとき、1つの発光ダイオードのみがオフする。視覚的に見て、もしオフする発光ダイオードの数が少なければ、肉眼では気づくことができず、電圧が正常に回復した時、発光ダイオードはまた正常に動作するように回復できる。このような過電圧保護方式によれば、表示パネル全体が消灯に至ることなく、柔軟に保護するように機能する。
【0035】
本実施例は、電圧安定化回路を提供し、該電圧安定化回路は、micro ledに過電圧保護機能を提供し、1つの発光ダイオードの電圧異常時に該発光ダイオードをオフにし、その電圧が正常に回復ししてから再びそれをオンにすることができ、単一の発光ダイオードに対する精密な制御を実現し、表示パネルの動作中に柔軟に保護するように機能し、従来の過電圧保護のために表示パネル全体を停止する必要があるという技術的欠陥を回避する。
【0036】
さらに、本願の実施例は、上記のような電圧安定化回路を含む表示パネルをさらに提案する。図4は本願の実施例の案にかかる表示パネルの構造模式図である。
【0037】
図4に示すように、前記表示パネルは、プロセッサ1001、例えば中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)と、通信バス1002と、ユーザインターフェース1003と、ネットワークインターフェース1004と、メモリ1005とを含んでもよい。通信バス1002はこれらの部品間の接続や通信を実現するためのものである。ユーザインターフェース1003はディスプレイ(Display)、入力手段(例えばキーボード(Keyboard))を含んでもよく、好ましくは、ユーザインターフェース1003はさらに標準の有線インターフェース、無線インターフェースを含んでもよい。或いは、ネットワークインターフェース1004は、標準の有線インターフェース、無線インターフェース(例えばワイヤレスフィデリティ(Wi-FI:Wireless-Fidelity)インターフェース)を含んでもよい。メモリ1005としては高速ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)であってもよく、安定した不揮発性のメモリ(NVM:Non-Volatile Memory)、例えば磁気ディスクメモリであってもよい。また、メモリ1005は前記プロセッサ1001とは独立した記憶機器であってもよい。
【0038】
図4に示す構造は表示パネルに対する限定を構成せず、図示より多い或いは少ない部品を含んでもよく、或いは一部の部品を組み合わせたり、異なる部品配置としたりしてもよいことは、当業者であれば理解できるはずである。
【0039】
図4に示すように、一種の記憶媒体としてのメモリ1005の中には、オペレーティングシステム、データ記憶モジュール、ネットワーク通信モジュール、ユーザインターフェースモジュール及びコンピュータプログラムが含まれてもよい。
【0040】
図4に示す表示パネルにおいて、ネットワークインターフェース1004は主に、他の機器とデータ通信を行い、ユーザインターフェース1003は主に、ユーザとデータのやりとりを行い、本実施例におけるプロセッサ1001、メモリ1005は、表示パネル内に設置されてもよく、前記表示パネルはプロセッサ1001によりメモリ1005に記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して、上記の電圧安定化回路を制御する。
【0041】
本表示パネルの各実施例は、本願の電圧安定化回路の各実施例を参照することができ、ここでは説明を省く。
【0042】
本文において、「含む」、「含める」といった術語或いは何れの他のバリエーションは非排他的な包含を意味することで、一連の要素の過程、方法、物品或いはシステムがそれらの要素だけでなく、明確に列挙されていない他の要素を含み、或いはこの種の過程、方法、物品或いはシステムに固有の要素を含むようにする。それ以上の制限がない状況で、「一つの…を含む」という文により限定される要素は、当該要素を含む過程、方法、物品或いはシステムの中に他の同じ要素がさらに存在することを除外しない。
【0043】
上記本願の実施例の番号は説明のためのものだけであって、実施例の優劣を表すものではない。
【0044】
以上の実施態様の説明を通して、当業者は、上記の実施例の方法はソフトウェアに必要な汎用ハードウェアプラットフォームを加える方法(勿論ハードウェアによることも可能であるが、多くの場合では前者がより良い実施方法)で実現できることを明確に理解できる。このような理解に基づいて、本願の技術案は、本質としては、或いは先行技術に対し貢献する部分は、ソフトウェア製品の形式で体現できる。当該計算機ソフトウェア製品は上記のような記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)の中に記憶でき、一台の端末機器(携帯電話、計算機、サーバ、エアコン、或いはネットワーク機器等でもよい)に本願の各実施例で説明する方法を実行させる幾つかの命令を含む。
【0045】
以上は本願の一部の実施例にすぎず、それにより本願の保護範囲を限定するわけではない。本願の明細書及び図面の内容を利用してなされた均等構造或いは均等流れ変換、或いは直接又は間接的な他の関連する技術分野への応用は、同じ理由で本願の特許の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】