(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-16
(54)【発明の名称】3次元発光画像化
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20241209BHJP
G06T 5/10 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
G06T5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531303
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 US2022050536
(87)【国際公開番号】W WO2023096846
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524195857
【氏名又は名称】レヴィティ・ヘルス・サイエンシズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・ケンプナー
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・リポール
【テーマコード(参考)】
2G043
5B057
【Fターム(参考)】
2G043AA03
2G043BA16
2G043EA01
2G043JA03
2G043LA03
2G043NA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CB08
5B057CB12
5B057CE06
5B057CE08
5B057CH09
5B057DB02
5B057DB09
5B057DC02
5B057DC34
(57)【要約】
好ましい光学ペアを識別し、好ましい光学ペアを使用してスキャンされた画像を最適化することによって、3D発光画像化するためのシステム、装置、および方法が説明される。最適なフィルタのペアは、2つ以上の光学フィルタのリストから選択され得る。情報の許容可能なしきい値は、2つ以上の光学フィルタのリストのサブセット(たとえば、最適なフィルタのペア)を使用して取得され得る。画像化デバイスは、対象サンプルの発光画像のペアを生成するために、最適なフィルタのペアを用いて構成され得る。さらに、発光画像の従来の処理技法にかかる時間コストを削減するために、発光画像が前処理され得る。1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、発光画像のペアに基づいて初期の事前データを生成し得る。出力は、初期の事前データから改良および/または最適化された1つまたは複数の出力発光源を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスによって、光学フィルタのリストと、発光源および生物学的物質を示すデータとを受信するステップと、
フィルタリングされた信号を生成するステップであって、前記生成が、光学フィルタの前記リスト、前記発光源、および前記生物学的物質に基づく、ステップと、
前記フィルタリングされた信号に基づいて、1つまたは複数の光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定するステップであって、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアの各々が、光学フィルタの前記リストのうちの光学フィルタのペアを含む、ステップと、
前記重みに基づいて、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのリストをランク付けするステップと、
前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのランク付けされた前記リストから最高ランクの光学フィルタのペアを選択するステップと、
選択された前記最高ランクの光学フィルタのペアを介してフィルタリングされた信号を受信するようにユーザデバイスを構成するステップと
を有する、方法。
【請求項2】
前記重みの各々が数値に対応し、前記最高ランクの光学フィルタのペアが、決定された前記重みの最大の数値に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
光学フィルタのペアが第1の光学フィルタと第2の光学フィルタとを含み、
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定する前記ステップが、前記第1の光学フィルタと前記第2の光学フィルタとの間の相関を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定する前記ステップが、第1の光学フィルタに関連付けられる前記フィルタリングされた信号のうちの第1の信号と第2の光学フィルタに関連付けられる前記フィルタリングされた信号のうちの第2の信号との比を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定する前記ステップが、第1の光学フィルタに関連付けられる前記フィルタリングされた信号のうちの第1の信号をあらかじめ定められたしきい値と比較し、第2の光学フィルタに関連付けられる前記フィルタリングされた信号のうちの第2の信号を前記あらかじめ定められたしきい値と比較するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定する前記ステップが、第1の光学フィルタに関連付けられる前記フィルタリングされた信号のうちの第1の信号と第2の光学フィルタに関連付けられる前記フィルタリングされた信号のうちの第2の信号との積を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定する前記ステップが、第1の光学フィルタに関連付けられる前記フィルタリングされた信号のうちの第1の信号と第2の光学フィルタに関連付けられる前記フィルタリングされた信号のうちの第2の信号との間の線形関係を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定する前記ステップが、第1の列と第2の列とを備える行列のランクを決定するステップであって、前記第1の列が、第1の光学フィルタに関連付けられる前記フィルタリングされた信号のうちの第1の信号を含み、前記第2の列が、第2の光学フィルタに関連付けられる前記フィルタリングされた信号のうちの第2の信号を含む、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
フィルタリングされた信号を生成する前記ステップが、複数の距離についてフィルタリングされた信号を計算するステップであって、前記複数の距離の各々が、前記発光源の一部と前記生物学的物質の表面境界との間の距離に対応する、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
フィルタリングされた信号を生成する前記ステップが、前記コンピューティングデバイスによって、ソースモデルに基づいて、前記フィルタリングされた信号を生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
フィルタリングされた信号を生成する前記ステップが、前記生物学的物質の体積を生成するステップであって、前記体積が1つまたは複数のボクセルを含み、前記1つまたは複数のボクセルの各々に前記発光源の放射強度に対応する数値が割り当てられる、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記コンピューティングデバイスによって、第2の発光源および第2の生物学的物質を示すデータを受信するステップと、
光学フィルタの前記リスト、前記第2の発光源、および前記第2の生物学的物質に基づいて、追加のフィルタリングされた信号を生成するステップと、
前記追加のフィルタリングされた信号に基づいて、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアに関連付けられる追加の重みを決定するステップと、
前記追加の重みに基づいて、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアの第2のリストをランク付けするステップと、
前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのランク付けされた前記第2のリストから最高ランクの光学フィルタのペアを選択するステップと
をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
命令を記憶した1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、実行されると、
コンピューティングデバイスによって、光学フィルタのリストと、発光源および生物学的物質を示すデータとを受信することと、
フィルタリングされた信号を生成することであって、前記生成が、光学フィルタの前記リスト、前記発光源、および前記生物学的物質に基づく、ことと、
前記フィルタリングされた信号に基づいて、1つまたは複数の光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することであって、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアの各々が、光学フィルタの前記リストのうちの光学フィルタのペアを含む、ことと、
前記重みに基づいて、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのリストをランク付けすることと、
前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのランク付けされた前記リストから最高ランクの光学フィルタのペアを選択することと、
選択された前記最高ランクの光学フィルタのペアを介してフィルタリングされた信号を受信するようにユーザデバイスを構成することと
を行わせる、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記重みの各々が数値に対応し、前記最高ランクの光学フィルタのペアが、決定された前記重みの最大の数値に対応する、請求項13に記載の1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
光学フィルタのペアが第1の光学フィルタと第2の光学フィルタとを含み、
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することが、前記第1の光学フィルタと前記第2の光学フィルタとの間の相関を決定することを含む、請求項13に記載の1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
フィルタリングされた信号を生成することが、前記コンピューティングデバイスによって、ソースモデルに基づいて、前記フィルタリングされた信号を生成することを含む、請求項13に記載の1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記命令は、実行されると、
前記コンピューティングデバイスによって、第2の発光源および第2の生物学的物質を示すデータを受信することと、
光学フィルタの前記リスト、前記第2の発光源、および前記第2の生物学的物質に基づいて、追加のフィルタリングされた信号を生成することと、
前記追加のフィルタリングされた信号に基づいて、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアに関連付けられる追加の重みを決定することと、
前記追加の重みに基づいて、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアの第2のリストをランク付けすることと、
前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのランク付けされた前記第2のリストから最高ランクの光学フィルタのペアを選択することと、
をさらに行わせる、請求項13に記載の1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
1つまたは複数のプロセッサと、
命令を記憶するメモリと
を備え、
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、システムに、
光学フィルタのリストと、発光源および生物学的物質を示すデータとを受信することと、
フィルタリングされた信号を生成することであって、前記生成が、光学フィルタの前記リスト、前記発光源、および前記生物学的物質に基づく、ことと、
前記フィルタリングされた信号に基づいて、1つまたは複数の光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することであって、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアの各々が、光学フィルタの前記リストのうちの光学フィルタのペアを含む、ことと、
前記重みに基づいて、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのリストをランク付けすることと、
前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのランク付けされた前記リストから最高ランクの光学フィルタのペアを選択することと、
選択された前記最高ランクの光学フィルタのペアを介してフィルタリングされた信号を受信するようにユーザデバイスを構成することと
を行わせる、システム。
【請求項19】
フィルタリングされた信号を生成することが、前記生物学的物質の体積を生成することであって、前記体積が1つまたは複数のボクセルを含み、前記1つまたは複数のボクセルの各々に前記発光源の放射強度に対応する数値が割り当てられる、ことを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
光学フィルタのペアが第1の光学フィルタと第2の光学フィルタとを含み、
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することが、第1の信号および第2の信号について、
前記第1の信号と前記第2の信号とに関連付けられる比を決定すること、
前記第1の信号をあらかじめ定められたしきい値と比較し、前記第2の信号を前記あらかじめ定められたしきい値と比較すること、
前記第1の信号と前記第2の信号とに関連付けられる積を決定すること、
前記第1の信号と前記第2の信号との間の線形関係を決定すること、または
前記第1の信号と前記第2の信号とに関連付けられる数値を含む行列のランクを決定すること
のうちの1つまたは複数を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
生物学的物質における発光源を画像化するための光学フィルタのペアであって、前記光学フィルタのペアが、
コンピューティングデバイスによって、利用可能な光学フィルタのリストと、前記発光源および前記生物学的物質を示すデータとを受信することと、
フィルタリングされた信号を生成することであって、前記生成が、利用可能な光学フィルタの前記リスト、前記発光源、および前記生物学的物質に基づく、ことと、
前記フィルタリングされた信号に基づいて、1つまたは複数の光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することであって、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアの各々が、利用可能な光学フィルタの前記リストのうちの光学フィルタのペアを含む、ことと、
前記重みに基づいて、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのリストをランク付けすることと、
前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのランク付けされた前記リストから最高ランクの光学フィルタのペアを選択することと
に基づいて、利用可能な光学フィルタの前記リストから選択される、光学フィルタのペア。
【請求項22】
光学フィルタのペアが第1の光学フィルタと第2の光学フィルタとを含み、
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することが、前記第1の光学フィルタと前記第2の光学フィルタとの間の相関を決定することを含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【請求項23】
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することが、第1の光学フィルタに関連付けられる前記フィルタリングされた信号のうちの第1の信号と第2の光学フィルタに関連付けられる前記フィルタリングされた信号のうちの第2の信号との比を決定することを含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【請求項24】
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することが、第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号をあらかじめ定められたしきい値と比較し、第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号を前記あらかじめ定められたしきい値と比較することを含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【請求項25】
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することが、第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号と第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号との積を決定することを含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【請求項26】
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することが、第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号と第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号との間の線形関係を決定することを含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【請求項27】
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することが、第1の列と第2の列とを備える行列のランクを決定することであって、前記第1の列が、第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号を含み、前記第2の列が、第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号を含む、ことを含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【請求項28】
フィルタリングされた信号を生成することが、複数の距離についてフィルタリングされた信号を計算することであって、前記複数の距離の各々が、前記発光源の一部と前記生物学的物質の体積の表面境界との間の距離に対応する、ことを含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【請求項29】
フィルタリングされた信号を生成することが、前記コンピューティングデバイスによって、ソースモデルに基づいて、前記フィルタリングされた信号を生成することを含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【請求項30】
フィルタリングされた信号を生成することが、前記生物学的物質の体積を生成することであって、前記体積が1つまたは複数のボクセルを含み、前記1つまたは複数のボクセルの各々に前記発光源の放射強度に対応する数値が割り当てられる、ことを含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月23日に出願された「Three-Dimensional Luminescence Imaging」と題する仮出願でない米国出願第17/534,166号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示の態様は、一般に発光画像化技法に関し、より具体的には、光学フィルタのペアと1つまたは複数の発光源との間の好ましい関係を識別することに関する。
【背景技術】
【0003】
対象サンプルの3次元(「3D」)発光画像化は、3つ以上の光学フィルタを必要とする、スループットが低く、時間がかかる従来の処理方法に依存し得る。さらに、これらの従来の処理方法は、再構築されたソースが最適ではない可能性があり、また、処理するために1サンプルあたり約20~30分の長い時間を要するため、限られた時間内に画像化することができるサンプル数が過度に制限される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
3D生物発光画像化などの発光画像化用のシステム、装置、および方法が説明される。以下では、本明細書で説明されている様々な態様の簡略化された概要を提示する。この概要は、広範な概要ではなく、主要な要素または重要な要素を識別したり、特許請求の範囲を詳述したりすることを意図するものではない。以下の概要は、以下に提供されるより詳細な説明の序論として、いくつかの概念を簡略化した形式で単に提示するものである。対応する装置、システム、およびコンピュータ可読媒体も、本開示の範囲内である。
【0005】
一態様によれば、本開示は、3D発光画像化のための方法に関する。本方法は、コンピューティングデバイスによって、光学フィルタのリストと、発光源および生物学的物質などの散乱媒体を示すデータとを受信するステップを含み得る。受信された、光学フィルタのリストおよびデータに基づいてフィルタリングされた信号が生成され得、1つまたは複数の光学フィルタのペアに関連付けられる重みが決定され得る。1つまたは複数の光学フィルタのペアの各々は、光学フィルタのリストの、光学フィルタのペアであり得る。1つまたは複数の光学フィルタのペアのリストは、重みに基づいてランク付けされ得る。ユーザデバイスは、ランク付けされたリストの最高ランクの光学フィルタのペアを介してフィルタリングされた信号を受信するように構成され得る。
【0006】
いくつかの実装形態では、重みの各々は数値に対応し得、最高ランクの光学フィルタのペアは重みの最大の数値に対応し得る。光学フィルタのペアは、第1の光学フィルタと第2の光学フィルタとを含み得る。光学フィルタのペアに関連付けられる重みは、部分的には、第1の光学フィルタと第2の光学フィルタとの間の相関、たとえば、第1の光学フィルタに関連付けられるフィルタリングされた信号のうちの第1のフィルタリングされた信号と第2の光学フィルタに関連付けられるフィルタリングされた信号のうちの第2のフィルタリングされた信号との間の相関を決定することによって決定され得る。いくつかの実装形態では、重みは、部分的には、第1のフィルタリングされた信号と第2のフィルタリングされた信号の比を決定することによって決定され得る。いくつかの実装形態では、重みは、部分的には、第1のフィルタリングされた信号と第2のフィルタリングされた信号の各々をあらかじめ定められたしきい値と比較することによって決定され得る。いくつかの実装形態では、重みは、部分的には、第1のフィルタリングされた信号と第2のフィルタリングされた信号の積を決定することによって決定され得る。いくつかの実装形態では、光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することは、第1のフィルタリングされた信号と第2のフィルタリングされた信号との間の線形関係を決定することを含み得る。いくつかの実装形態では、光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することは、少なくとも第1のフィルリングされた信号を含む第1の列と第2の信号を含む第2の列とを有する行列のランクを決定することを含み得る。
【0007】
いくつかの実装形態では、フィルタリングされた信号を生成することは、複数の距離についてフィルタリングされた信号を計算することを含み得る。複数の距離の各々は、発光源の一部と散乱媒体の表面境界との間の距離に対応し得る。いくつかの実装形態では、フィルタリングされた信号を生成することは、ソースモデルに基づき得る。いくつかの実装形態では、フィルタリングされた信号を生成することは、生物学的物質の体積を生成することを含み得る。体積は1つまたは複数のボクセルを含み得、ボクセルの各々に発光源の放射強度に対応する数値が割り当てられ得る。
【0008】
いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイスは、第2の発光源および第2の生物学的物質を示すデータを受信し得る。追加のフィルタリングされた信号は、光学フィルタのリスト、第2の発光源、および第2の生物学的物質に基づいて生成され得る。1つまたは複数の光学フィルタのペアに関連付けられる追加の重みは、追加のフィルタリングされた信号に基づいて決定され得る。1つまたは複数の光学フィルタの第2のリストは、追加の重みに基づいてランク付けされ得る。最高ランクの光学フィルタのペアは、1つまたは複数の光学フィルタのペアのランク付けされた第2のリストから選択され得る。
【0009】
本開示のさらに別の態様によれば、生物学的物質の体積内の発光源を画像化するための光学フィルタのペアが提供される。光学フィルタのペアは、本明細書に開示された方法のうちのいずれかに従って、利用可能な光学フィルタのリストから選択され得る。
【0010】
本開示の別の態様は、スキャンされた画像を最適化する方法である。本方法は、ユーザデバイスから、1つまたは複数の光学フィルタおよび生物学的物質の体積内に位置する生物発光源に関連付けられる1つまたは複数の画像を受信するステップを含み得る。1つまたは複数の画像に基づいて画像データセットが生成され得、画像データセットに基づいて1つまたは複数の画像セグメントが決定され得る。1つまたは複数の画像セグメントに関連付けられる1つまたは複数の体積サブ領域が生成され得る。1つまたは複数の体積サブ領域の各々はボクセルを含み、ボクセルの各々に、生物発光源、生物学的物質の体積、および1つまたは複数の光学フィルタに基づいて決定される1つまたは複数の放射線値が割り当てられ得る。出力ボクセルを含む出力体積は、1つまたは複数の体積サブ領域に基づいて決定され得る。1つまたは複数の出力放射線値が、出力ボクセルの各々に割り当てられ得る。出力体積領域は、追加の処理のためにコンピューティングデバイスに送信され得る。いくつかの実装形態では、出力体積領域はストレージデバイスに送信され得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数の光学フィルタは、第1の光学フィルタと第2の光学フィルタを含み、光学フィルタのペアに対応する。
【0011】
いくつかの実装形態では、画像データセットは複数のピクセルを含み得、画像データセットの1つまたは複数の画像セグメントは、ピクセルの数値をしきい値と比較することによって決定され得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数の画像セグメントの数量は、画像セグメントのあらかじめ定められた数量よりも少なくてよい。いくつかの実装形態では、体積サブ領域に関連付けられるボクセルと生物学的物質の体積の表面境界との間の距離が、体積サブ領域に対して決定され得る。いくつかの実装形態では、出力体積領域は、1つまたは複数の体積サブ領域の1つまたは複数のボクセルについて、1つまたは複数のボクセルに割り当てられた放射線値の平均を実行することに基づいて決定され得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイスは3次元生物発光画像化デバイスである。
【0012】
いくつかの実装形態では、画像セグメントは、1つまたは複数の体積テスト領域を生成することによって決定される体積サブ領域に対応し得、体積テスト領域の各々は、1つまたは複数の放射線テスト値が割り当てられた1つまたは複数のボクセルを含む。1つまたは複数の放射線テスト値は、生物発光源、生物学的物質、および1つまたは複数の光学フィルタに基づいて決定され得る。1つまたは複数のボクセルに割り当てられた1つまたは複数の放射線テスト値と、1つまたは複数の光学フィルタに基づいて、1つまたは複数のテスト画像が生成され得る。1つまたは複数のテスト画像に基づいて、画像テストセグメントが生成され得る。画像テストセグメントと画像セグメントとの間の相関は画像テストセグメントごとに決定され得、画像テストセグメントの最高相関値の決定に基づいて、体積テスト領域が体積サブ領域として選択され得る。
【0013】
いくつかの実装形態では、1つまたは複数の追加の画像がユーザデバイスから受信され得、1つまたは複数の追加の画像は、1つまたは複数の追加の光学フィルタおよび生物学的物質の体積内に位置する生物発光源に関連付けられている。1つまたは複数の追加の画像に基づいて第2の画像データセットが生成され得、第2の画像データセットに基づいて1つまたは複数の追加の画像セグメントが決定され得る。1つまたは複数の追加の画像セグメントに関連付けられる1つまたは複数の追加の体積サブ領域が生成され得る。1つまたは複数の追加の体積サブ領域の各々はボクセルを含み、ボクセルの各々に、生物発光源、生物学的物質の体積、および1つまたは複数の追加の光学フィルタに基づいて決定される1つまたは複数の放射線値が割り当てられ得る。追加の出力ボクセルを含む第2の出力体積領域は、1つまたは複数の追加の体積サブ領域に基づいて生成され得る。1つまたは複数の出力放射線値に、追加の出力ボクセルの各々が割り当てられ得る。第2の出力体積領域は、追加の処理のためにコンピューティングデバイスに送信され得る。
【0014】
本開示の別の態様によれば、実行されると、本明細書に開示された方法のうちの1つまたは複数が実行される命令を記憶した1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。本開示の別の態様によれば、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、システムに、本明細書に開示された方法のうちの1つまたは複数を実行させる命令を記憶するメモリとを含むシステムが提供される。
【0015】
追加の態様、構成、実施形態、および例については、以下でさらに詳細に説明する。
【0016】
添付の図面において、限定ではなく例としていくつかの特徴が示されている。図面において、同様の数字は同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】例示的な光学フィルタのペアの選択プロセスを示す図である。
【
図2A】光学フィルタのペアを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図2B】光学フィルタのペアを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図2C】光学フィルタのペアを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図3】例示的な3D発光画像化プロセスを示す図である。
【
図4】初期の事前データを生成するための例示的なプロセスを示す図である。
【
図5A】初期の事前データを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図5B】初期の事前データを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図5C】初期の事前データを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明者らは、生物発光画像化および化学発光画像化などの発光画像化は、時間がかかり、遅く、サンプルを処理する際のスループットが低下する可能性があることを認識および理解した。特に、3D発光画像化は、複数のフィルタ、通常は3つ以上、さらに一般的には6つ以上のフィルタを使用して、複数の画像を撮影することを必要とする場合がある。同時に、発光画像化は、たとえば、生物学的サンプルの場合における麻酔の時間的制約および発光源の運動などにより、時間に敏感になり得る。そのため、科学者および実験技術者は、彼らの様々な最終目標を達成するために他の方法を選択することがよくある。その結果、本明細書で説明する態様は、精度または品質を大幅に損なわずに発光画像化を実行するために必要な時間を短縮する新しい方法およびシステムを提供し、それによって、より広範囲のアプリケーションのための発光画像化の使用を増やすための道を切り開く。
【0019】
いくつかの実施形態では、発光画像化を実行するために使用される光学フィルタの数を、画像および測定の精度または品質を大幅に損なわずに、3つ以上から2つの光学フィルタのみに減らすことができる。画像データの獲得に使用されるフィルタの数を減らすことにより、必要なデータ獲得時間が短縮される。たとえば、単一の光学フィルタを用いたデータ獲得に2~5分かかる場合、従来は6つの光学フィルタを使用してデータを獲得すると約30分かかる。一方、いくつかの実施形態では、2つの光学フィルタのみを使用すると、データ獲得時間を5~10分に短縮することができる。十分な信号対雑音比を用いて補完的な情報を提供する2つの光学フィルタを使用すると、画像および測定の精度または品質を損なわずに、データ獲得のための時間を短縮し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、利用可能な光学フィルタのリストから特定の目的のために使用する最適なフィルタのペアを決定することによって、使用される光学フィルタの数をフィルタの単一のペアに減らすことができる。最適なフィルタのペアは、最初に発光画像化を実行したり、画像化されるサンプル上のフィルタのペアの任意の物理的な最適化を実行したりすることなく決定され得る。最適なフィルタのペアは、2つ以上の光学フィルタのリストから選択され得る。たとえば、1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、1つまたは複数の電磁気シミュレーションの実行に基づいて、発光源の測定されたスペクトル情報の量を情報の許容可能なしきい値未満に減らさずに、光学フィルタのリストの1つまたは複数の光学フィルタが破棄され得ることを決定し得る。情報の許容可能なしきい値は、2つ以上の光学フィルタのリストのサブセット(たとえば、最適なフィルタのペア)を使用して取得され得る。対象サンプルの発光画像のペアを生成するために、最適なフィルタのペアを用いて画像化デバイスを構成し得る。
【0021】
発明者らはまた、獲得した発光画像化データからの画像再構築が時間のかかる反復的なプロセスであることを認識および理解した。従来の画像再構築技法は、再構築プロセスを開始するために、初期の事前データとして「インテリジェントでない」初期推測を使用する。発明者らはまた、初期の事前データを生成するために高速で単純な推定プロセスを使用すると、最終的な画像再構築を生成するために必要な反復回数がわずかであるため、従来の再構築技法の速度を大幅に向上できることを認識および理解した。したがって、いくつかの実施形態では、従来の方法の単一段階再構築とは異なり、画像再構築は2段階再構築を使用して実行される。2段階再構築では、いくつかの実施形態は前処理を実行し、これは、第1段階の間に1つまたは複数の発光源の大まかな推定を行うことを含み得る。たとえば、1つまたは複数のコンピューティングデバイスが、発光画像のペアに基づいて初期の事前データを生成し得る。初期の事前データは、1つまたは複数の発光源を示すデータを含み得る。次いで、この1つまたは複数の発光源の大まかな推定は、より従来型の画像再構築技法における初期の事前データとして使用され得る。画像再構築技法の出力は、初期の事前データから改良および/または最適化された1つまたは複数の出力発光源であり得る。これらおよび他の機能と利点については、以下でより詳細に説明する。
【0022】
図1は、利用可能な光学フィルタ110のリストから光学フィルタのペアを選択するための例示的な方法100を示している。たとえば、コンピューティングデバイス101は、
図2A~
図2Cに関連して以下で説明する方法を実行することによって、最適なフィルタのペアを決定し得る。最適なフィルタのペアは、発光画像化システムにおいて対象サンプルを画像化するために使用され得る。
【0023】
コンピューティングデバイス101は、1つまたは複数のプロセッサ103を備え得、プロセッサは、本明細書で説明されている機能のうちのいずれかを実行するためにコンピュータプログラムの命令を実行し得る。命令は、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体105(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM))に記憶され得る。コンピューティングデバイス101は、1つまたは複数のデータインターフェース(USBポート、CD/DVDドライブ、1つまたは複数のネットワークポート、モデムなど)、1つまたは複数の出力デバイス(たとえば、ディスプレイデバイス、スピーカなど)、ならびに/あるいは1つまたは複数のユーザ入力デバイス(たとえば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクなど)をさらに備え得る。
【0024】
利用可能な光学フィルタ110のリストは、光をスペクトル的にフィルタリングすることができる光学フィルタを備え得る。たとえば、利用可能な光学フィルタ110のリストは、吸収型光学フィルタ、二色性光学フィルタ、単色光学フィルタ、赤外線フィルタ、紫外線フィルタ、干渉フィルタ、薄膜フィルタ、ロングパス光学フィルタ、バンドパス光学フィルタ、ショートパス光学フィルタ、またはマシンビジョンフィルタのうちの少なくとも1つまたは複数を備え得る。さらに、利用可能な光学フィルタ110のリストは、光学ガラス(たとえば、CaF2、溶融シリカ、S-FSL5、N-BK7、他の種類の光学ガラス)および/または吸収コーティング(たとえば、反射防止コーティング、誘電体ミラーコーティング、短波通過フィルタコーティング、長波通過フィルタコーティング、バンドパスフィルタコーティング、二色性フィルタコーティング、ノッチフィルタコーティングなど)などの光学物質を備える光学フィルタを備え得る。さらに、光学フィルタは、円、円筒形のディスク、正方形、直方体、または他の2次元または3次元の形状などの幾何学的形状に対応し得る。
【0025】
コンピューティングデバイス101は、利用可能な光学フィルタ110のリストと追加データを備える光学フィルタデータを、1つまたは複数のそのデータインターフェースを介して受信し得る。たとえば、光学フィルタデータおよび追加データは、キーボード入力、CD-ROM、USBフラッシュドライブ、またはデータ転送に適した任意の他のデバイスを介して受信され得る。
図2A~
図2Cに関連して以下で説明するように、コンピューティングデバイス101は、光学フィルタデータから、
図1に示される最適なフィルタのペア112などの光学フィルタのペアを決定し得る。最適なフィルタのペア112は、コンピューティングデバイス101によって利用可能な光学フィルタ110のリストから選択された光学フィルタのペア(たとえば、
図1に示される光学フィルタ110-jと光学フィルタ110-k)を備え得る。利用可能な光学フィルタ110のリストから選択された光学フィルタのペアのランク付けされたリストに基づいて、光学フィルタのペア(たとえば、
図1に示される光学フィルタ110-jと光学フィルタ110-k)が最適なフィルタのペア112として選択され得る。最適なフィルタのペアは、ランク付けされたリストの最高ランクの光学フィルタのペアであり得る。選択された最適なフィルタのペア112は、コンピューティングデバイス101の出力デバイスに送信され得る。たとえば、選択された最適なフィルタのペア112を示す情報がコンピュータモニタに表示され得る。また、あるいは代替的に、選択された最適なフィルタのペア112を示す情報は、1人または複数のユーザによってアクセスされるように、コンピューティングデバイス101に関連付けられるストレージデバイス(たとえば、USBフラッシュドライブ、ハードドライブなど)に記憶され得る。さらに、発光画像化デバイス(図示せず)は、最適なフィルタのペア112を使用して1つまたは複数の対象(たとえば、組織サンプル、小動物、げっ歯類、他の生物学的物質など)を画像化するように構成され得る。たとえば、発光画像化デバイスは、発光画像のペア(たとえば、最適なフィルタのペア112の光学フィルタごとに生成された発光画像)を生成するために、最適なフィルタのペア112を用いて構成され得る。
図3および
図4A~
図4Cに関連して以下で説明するように、コンピューティングデバイス(たとえば、コンピューティングデバイス101または別のコンピューティングデバイス)は、発光画像の前処理を実行し、追加の画像処理の入力として初期の事前データを生成し得る。
【0026】
図2A~
図2Cは、最適なフィルタのペアを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
図2A~
図2Cの例示的方法のうちの1つ、一部、またはすべてのステップは、コンピューティングデバイス101によって実行され得、便宜上、
図2A~
図2Cは、コンピューティングデバイス101に関連して以下で説明される。また、あるいは代替的に、
図2A~
図2Cの例示的方法のうちの1つ、一部、またはすべてのステップは、1つまたは複数の他のコンピューティングデバイスによって実行され得る。
図2A~
図2Cの例示的方法の1つまたは複数のステップは、再配置(たとえば、異なる順序で実行)、省略、および/または他の修正が行われてもよく、ならびに/あるいは他のステップが追加されてもよい。
【0027】
ステップ201において、利用可能な光学フィルタのリスト(たとえば、利用可能な光学フィルタ110のリスト)を備える光学フィルタデータが(たとえば、コンピューティングデバイス101によって)受信される。さらに、追加データが受信され得、追加データは、利用可能な光学フィルタのリスト、発光源、および/または散乱媒体に関連付けられる追加情報を備える。たとえば、追加情報は、最適なフィルタのペアを用いて使用するための発光源の種類(たとえば、ホタルルシフェラーゼ、レニラルシフェラーゼ、細菌ルシフェラーゼ、渦鞭毛藻ルシフェラーゼ、メトリディアルシフェラーゼなどの生物発光源、または任意の他の発光光源)を示し得る。さらに、追加情報は、発光源の放射特性(たとえば、パワースペクトル密度、運動スペクトル発光プロファイル、または発光源から放出される放射の他のスペクトル特性)および光学フィルタのリストの光学フィルタの各々の特性(たとえば、光学フィルタの種類、スペクトル特性など)を備え得る。追加情報は、散乱媒体(たとえば、生物学的物質)の光学特性(たとえば、誘電率、比誘電率(dielectric constant)、屈折率など)をさらに備え得る。コンピューティングデバイス101は、利用可能な光学フィルタのリストを受信すると、ステップ203に進むように構成され得る。あるいは、コンピューティングデバイス101は、ステップ203に進む前に、命令(たとえば、ユーザ入力を介して受信された命令)を待機するように構成され得る。
【0028】
ステップ203において、利用可能な光学フィルタ110のリストから光学フィルタが選択され得る。選択された光学フィルタおよびステップ201において受信された追加情報に基づいて、フィルタリングされた信号が(たとえば、コンピューティングデバイス101によって)生成され得る。たとえば、コンピューティングデバイス101は、選択された光学フィルタ、発光源、および散乱媒体に基づいてフィルタリングされた信号を生成し得る。フィルタリングされた信号は、発光源から放出され、散乱媒体において散乱および/または減衰され、選択された光学フィルタによってフィルタリングされた光学信号に基づいて、1つまたは複数の電磁信号伝播モデルおよび/あるいは1つまたは複数の信号処理技法を介して生成され得る。さらに、フィルタリングされた信号のスペクトル特性は、
図1および
図2A~
図2Cに関連して以下で説明する追加のステップにおいて取得および使用するために、出力デバイス(たとえば、ディスプレイデバイスおよび/またはストレージデバイス)に送信される。ステップ203の追加の詳細は、
図2Bに関連して以下で説明する。
【0029】
ステップ205において、コンピューティングデバイス101は、利用可能な光学フィルタ110のリストから選択のために利用可能な追加の光学フィルタがあるかどうかを決定し得る。コンピューティングデバイス101が選択のための追加の光学フィルタがあると決定した場合、コンピューティングデバイス101は、ステップ203において使用する別の光学フィルタを選択し得、ステップ203が実行され得る。それ以外の場合、ステップ207が実行され得る。
【0030】
ステップ207において、光学フィルタのペアのランク付けされたリストが決定され得る。たとえば、コンピューティングデバイス101は、光学フィルタ110の利用可能なリストから選択された光学フィルタのペアを備える光学フィルタのペアについて、たとえばステップ203において、2つの選択された光学フィルタに対して生成されたフィルタリングされた信号に基づいてランキングを決定し得る。ランキングは、光学フィルタのペアに対して決定された重み係数に基づいて割り当てられる値であり得る。たとえば、高い重み係数を有する光学フィルタのペアには高いランクが割り当てられ得、低い重み係数を有する別の光学フィルタのペアには低いランクが割り当てられ得る。重み係数は、光学フィルタのペアに対応するフィルタリングされた光学信号に1つまたは複数の重み付け基準を適用することに基づいて決定され得る。ステップ207の追加の詳細は、
図2Cに関連して以下で説明する。
【0031】
ステップ209において、光学フィルタのペアのランク付けされたリストから、最高ランクの光学フィルタのペアが選択され得る。最高ランクの光学フィルタのペアは、最適なフィルタのペアであると決定され得る。最適なフィルタのペアの指示は、(たとえば、コンピューティングデバイス101の)出力デバイス、ディスプレイデバイス、および/またはストレージデバイスの少なくとも1つに送信され得る。ユーザデバイス(たとえば、発光画像化デバイス)は、最適なフィルタのペアに従って構成され得る。たとえば、ユーザは、最適なフィルタのペアに基づいて1つまたは複数の対象を画像化するようにユーザデバイスを構成し得る。
【0032】
図2Bは、破線ボックスによって示されるように、
図2Aのステップ203の追加の詳細を示している。特に、
図2Bは、利用可能な光学フィルタ110のリスト内の光学フィルタの各々に対してフィルタリングされた光学信号を生成するために実行され得る例示的なステップ203.1~203.6を示している。ステップ203.1において、ステップ201において受信された追加データに基づいて散乱媒体が生成され得る。たとえば、ステップ201において受信された追加データは、組織サンプルの1つまたは複数の光学特性(たとえば、組織の誘電率、組織の比誘電率、組織の散乱および/または吸収特性)を備え得る。1つまたは複数の光学特性は、実験的に測定されたデータを介して導出可能であり得る。たとえば、光学特性は、光学フィルタのペアに関連付けられる1つまたは複数のスペクトル成分について実験的に測定された光学誘電率値を備え得る。また、あるいは代替的に、1つまたは複数の光学特性は、理論モデルを介して導出可能であり得る。たとえば、光学特性は、減衰係数および/または電子緩和時間を備え得る。コンピューティングデバイス101は、たとえば、減衰係数と誘電率モデル(たとえば、束縛電子振動子モデル、デバイ緩和モデルなど)に基づいて、散乱媒体の光学誘電率値を生成し得る。散乱媒体は、1つまたは複数の表面境界によって囲まれた体積を満たすように生成され得る。
【0033】
ステップ203.2において、散乱媒体内の複数のボクセルを備える体積領域は、たとえばユーザ入力によって選択されてもよく、または、たとえばコンピュータシミュレーションによって生成されてもよい。複数のボクセルの各々に、発光源および散乱媒体に対応する1つまたは複数の放射線値が割り当てられ得る。たとえば、コンピューティングデバイス101は、散乱媒体内に位置する発光源と同様のスペクトル特性を有するボクセルに放射強度を割り当て得る。体積領域の形状は、球形、楕円形領域、または任意の他の連続した空間領域であり得る。
【0034】
体積領域の中心は、体積領域と、散乱媒体と、空気または自由空間などの異なる媒体と一致する光学特性を有する隣接領域とを分離する表面境界との間の表面距離を定義するために使用され得る。体積領域の中心は、球形領域の中心、楕円形領域の対称中心、質量中心、または体積領域の任意の他の部分であり得る。体積領域の表面距離は、体積領域の中心と散乱媒体の表面境界の最も近い部分との間の距離であり得る。表面境界近くの体積領域(たとえば、表面距離があらかじめ定められたしきい値を下回る)は、たとえば、コンピューティングデバイス101によって楕円形状を用いて生成され得る。表面境界から遠い体積領域(たとえば、表面距離がしきい値を超えている)は、球形を用いて生成され得る。また、あるいは代替的に、体積領域は、任意の表面距離において任意の形状として生成され得る。さらに、発光源の体積領域は、ステップ201において受信された追加情報の放射特性に応じて光学的放射を放出するように構成され得る。たとえば、体積領域は複数のボクセルを備え得る。各ボクセルに、追加情報において受信された放射特性に基づいて、放射線値(たとえば、放射強度、放射電界強度)が割り当てられ得る。
【0035】
ステップ203.3において、光学フィルタのペアに関連付けられる1つまたは複数のスペクトル成分を備える光学信号は、電磁気モデル(たとえば、マクスウェル方程式から導出可能なモデル)および/あるいは1つまたは複数の電磁気数値ソルバ技法(たとえば、有限差分時間領域法、有限要素法、モーメント法など)を使用して生成され得る。たとえば、コンピューティングデバイス101は、散乱媒体内の発光源からの光学信号の放出をシミュレートし得る。さらに、放出される光学信号は、散乱媒体の光学特性(たとえば、ステップ203.1において決定されたもの)に基づいて減衰および/または分散され得る。コンピューティングデバイス101は、散乱媒体の表面境界における光学信号の屈折(たとえば、スネルの法則に基づく)をシミュレートし得る。
【0036】
ステップ203.4において、光学信号は、表面境界を介して散乱媒体から出た後、選択された光学フィルタによってフィルタリングされ得る。たとえば、コンピューティングデバイス101は、光学フィルタを通じて、屈折した光学信号の少なくとも一部の伝播をシミュレートし得る。フィルタリングされた信号は、信号処理技法(たとえば、フーリエ変換、畳み込みなど)を使用することに基づいて決定され得る。フィルタリングされた信号は、光学信号の1つまたは複数のスペクトル成分の各々に対する数値を備え得る。たとえば、数値は、受信された屈折力(optical power)(たとえば、放射照度、光束密度、屈折力、および/またはスペクトル放射照度)に対応し得る。
【0037】
ステップ203.5において、コンピューティングデバイス101は、選択された光学フィルタを使用して追加のフィルタリングされた光学信号を生成する必要があるかどうかを決定し得る。たとえば、ステップ201において受信された追加情報は、発光源の体積領域と散乱媒体の表面境界との間の1つまたは複数の表面距離に対してフィルタリングされた光学信号を生成する必要があるという指示を備え得る。コンピューティングデバイス101が、選択された光学フィルタを使用して追加の光学信号を生成する必要があると決定した場合、ステップ203.2が実行され得る。それ以外の場合、コンピューティングデバイス101が、選択された光学フィルタを使用して追加の光学信号を生成する必要がないと決定した場合、ステップ203.6が実行され得る。
【0038】
ステップ203.6において、ステップ203.2~203.5において生成されたフィルタリングされた信号に基づいて、出力されたフィルタリングされた信号が生成され得る。たとえば、出力されたフィルタリングされた信号は、フィルタリングされた信号の平均を実行することに基づいて生成され得る。また、あるいは代替的に、出力されたフィルタリングされた信号は、フィルタリングされた光学信号の加重合計を実行することに基づいて生成され得る。たとえば、散乱媒体の境界面近くの発光源に対して生成されたフィルタリングされた光学信号は、境界面から遠い発光源に対して生成されたフィルタリングされた光学信号よりも高い重みが与えられ得る。あるいは、散乱媒体の境界面から遠い発光源に対して生成されたフィルタリングされた信号は、境界面近くの発光源に対して生成されたフィルタリングされた光学信号よりも高い重みが与えられ得る。あるいは、発光源に対して生成されたフィルタリングされた信号は、散乱媒体の境界面からの光源距離に関係なく、等しい重みが与えられ得る。選択された光学フィルタの出力されたフィルタリングされた信号は、コンピューティングデバイス101のディスプレイデバイス、ストレージデバイス、または他の出力デバイスのうちの1つまたは複数に送信され得る。
【0039】
図2Cは、破線ボックスによって示されるように、
図2Aのステップ207の追加の詳細を示している。特に、
図2Cは、ステップ203において光学フィルタの各々に対して生成された、出力されたフィルタリングされた信号に基づいて光学フィルタのペアのランク付けされたリストを生成するために実行され得る例示的なステップ207.1~207.6を示している。ステップ207.1において、ステップ203において生成された、記憶された出力されたフィルタリングされた信号に対する1つまたは複数の重み付け基準が取得され得る(たとえば、ステップ201において受信された追加情報を介して)。1つまたは複数の重み付け基準は、利用可能な光学フィルタ110のリストから2つの光学フィルタ(すなわち、光学フィルタのペア)間のパフォーマンス関係を決定するための1つまたは複数の基準を備え得る。たとえば、1つまたは複数の重み付け基準は、光学フィルタのペアの2つの光学フィルタ間の相関を決定することに関連付けられ得る。また、あるいは代替的に、光学フィルタのペアに関連付けられる出力されたフィルタリングされた信号が、出力されたフィルリングされた信号ごとの最小の出力されたフィルタリングされた信号電力または最小の信号対雑音比を満たすなどの追加基準を満たすことを決定するために、1つまたは複数の重み付け基準が使用され得る。
【0040】
ステップ207.2において、コンピューティングデバイス101は、1つまたは複数の重み付け基準のうちの1つに基づいて、光学フィルタのペア(たとえば、利用可能な光学フィルタ110のリストから選択された光学フィルタのペア)のサブ重みを決定し得る。サブ重みは、ステップ203において生成された、出力されたフィルタリングされた信号(たとえば、パワースペクトル密度、スペクトル強度など)を重み付け基準への入力として使用することに基づいて決定され得る。たとえば、重み付け基準は、第1の出力されたフィルタリングされた信号I1の合計と第2の出力されたフィルタリングされた信号I2の合計との比を計算することを備え得る。第1の出力されたフィルタリングされた信号I1は、選択された光学フィルタのペアの第1の光学フィルタに関連付けられ得る。第2の出力されたフィルタリングされた信号I2は、選択された光学フィルタのペアの第2の光学フィルタに関連付けられ得る。重み付け基準は計算上、wratio=ΣiI1,i/ΣjI2,jとして表され得、上式で、合計はI1とI2の各スペクトル成分に対して実行される。
【0041】
また、あるいは代替的に、重み付け基準は、しきい値を超える第1および第2の出力されたフィルタリングされた信号の値の合計数を決定することを備え得る。たとえば、第1の出力されたフィルタリングされた信号I1はN1個のスペクトル成分を備え得、N1は整数である。コンピューティングデバイス101は、スペクトル成分の整数n1がしきい値を超えていることを決定し得、ここで、n1≦N1である。同様に、第2の出力されたフィルタリングされた信号I2はN2個のスペクトル成分を備え得、N2は整数である。コンピューティングデバイス101は、スペクトル成分の整数n2がしきい値を超えていることを決定し得、ここで、n2≦N2である。重み付け基準は計算上、wn=(n1+n2)/(N1+N2)として表され得る。
【0042】
また、あるいは代替的に、重み付け基準は、第1の出力されたフィルタリングされた信号I1と第2の出力されたフィルタリングされた信号I2との積、または正規化された積を決定することを備え得る。重み付け基準は計算上、wproduct=2ΣiI1,iΣjI2,j/((ΣiI1,i)2+(ΣjI1,j)2)として表され得、上式で、合計はI1とI2の各スペクトル成分に対して実行される。
【0043】
また、あるいは代替的に、重み付け基準は、第1の出力されたフィルタリングされた信号I1と第2の出力されたフィルタリングされた信号I2との間の線形関係を決定することを備え得る。たとえば、数値関係fは、I2=f(I1)と定義され得る。適合度値Rは、数値関係fに基づいて決定され得、ここで0≦R≦1である。適合度値Rは、数値関係fと線形関数との相関を示し得る。重み付け基準は計算上、wR=1-Rとして表され得る。
【0044】
また、あるいは代替的に、重み付け基準は、第1の列に第1の出力されたフィルタリングされた信号I
1を備え、第2の列に第2の出力されたフィルタリングされた信号I
2を備える行列のランクを決定することを備え得る。たとえば、行列
【数1】
のランクが決定され得、上式で
【数2】
は、第1の出力されたフィルタリングされた信号I
1と第2の出力されたフィルタリングされた信号I
2に対応するベクトルである。ベクトル
【数3】
のベクトル要素は、それぞれI
1とI
2のスペクトル成分に対応し得る。
【数4】
が線形独立である場合、rank(M)=2である。
【数5】
が線形従属である場合、rank(M)=1である。一般に、行列Mのランクは1または2であり得る。重み付け基準は計算上、
【数6】
として表され得る。
【0045】
ステップ207.3において、コンピューティングデバイスは、第1および第2の出力されたフィルタリングされた信号に追加の重み付け基準を適用するかどうかを決定し得る。追加の重み付け基準を適用すると決定された場合、ステップ207.2が実行され得る。それ以外の場合、ステップ207.4が実行され得る。
【0046】
ステップ207.4において、選択された光学フィルタのペアの出力重みは、ステップ207.2において計算された1つまたは複数のサブ重みに基づいて生成され得る。たとえば、コンピューティングデバイス101は、1つまたは複数のサブ重みの積(たとえば、wfinal=wratio×wn×wproduct×wR×wrank)を取ることによって出力重みを計算し得る。あるいは、コンピューティングデバイス101は、1つまたは複数のサブ重みの加重合計を取ることによって出力重みを計算し得る。たとえば、出力重みは計算上、wfinal=ρratiowratio+ρnwn+ρproductwproduct+ρRwR+ρrankwrankと表され得、上式で、重み係数は実数であり、ρratio+ρn+ρproduct+ρR+ρrank=1の関係に従う。あるいは、コンピューティングデバイス101は、サブ重みを、ステップ201において受信された追加情報によって示される任意の他のアルゴリズムおよび/または数学的関係への入力として使用することに基づいて、出力重みを計算し得る。
【0047】
ステップ207.5において、コンピューティングデバイス101は、追加の光学フィルタのペアの出力重みを計算するかどうかを決定し得る。ステップ201において受信される情報は、使用可能な光学フィルタ110のリスト内の光学フィルタのすべての可能なペアリングについて出力重みを計算するための命令を備え得る。たとえば、コンピューティングデバイス101は、利用可能な光学フィルタ110のリストから、すべての可能な光学フィルタのペアリングを備える光学フィルタのペアのリストを決定し得る。コンピューティングデバイス101は、光学フィルタのペアのリストから光学フィルタのペアごとの出力重みを計算し得る。追加の光学フィルタのペアの出力重みを計算すると決定された場合、ステップ207.1が実行され得る。それ以外の場合、ステップ207.6が実行され得る。
【0048】
ステップ207.6において、光学フィルタのペアのランク付けされたリストが生成され得る。たとえば、コンピューティングデバイスは、出力重みに基づいて光学フィルタのペアのリストを並べ替え得る。出力重み値が高いと、ランクの高い光学フィルタのペアに対応し得、出力重み値が低いと、ランクの低い光学フィルタのペアに対応し得る。
【0049】
図3は、例示的な3D発光画像化プロセスを示している。画像化デバイス301(たとえば、IVIS Spectrumシリーズ画像化デバイス、または任意の他の3D発光画像化デバイス)は、最適なフィルタのペア(たとえば、
図3に示される光学フィルタ110-jおよび110-k)および光検出器302を用いて構成され得る。光学フィルタのペアは、光学フィルタのペアのランク付けされたリスト(たとえば、
図2Aのステップ201~209の実行に基づいて決定された光学フィルタのペアのランク付けされたリストなど)から選択された最高ランクの光学フィルタのペアに対応し得る。光検出器302は、最適なフィルタのペアのうちの1つの光学フィルタを通じてフィルタリングされた光学信号を受信し得る。
【0050】
たとえば、画像化デバイス301は、発光源311によって放出される光学信号に基づいて画像を生成するように構成され得る。発光源311は、散乱媒体310(たとえば、生物組織サンプル)内に光学信号(たとえば、400~700nmの波長に対応する可視光)を放出し得る。放出される光学信号は散乱媒体を通じて伝播し、散乱媒体から出て、第1の光学フィルタ(たとえば、光学フィルタ110-jまたは110-k)を通過し、第1の光学フィルタを通じてフィルタリングされ得る。フィルタリングされた光学信号は、光検出器302によって受信され、第1の画像を生成するために画像化デバイス301によって使用され得る。
【0051】
第1の光学フィルタに基づいて第1の画像を生成した後、画像化デバイス301はまた、第2の光学フィルタ(たとえば、初期画像を生成するために使用されなかった光学フィルタ110-kまたは110-jのいずれか)に基づいて発光源311を画像化するように構成され得る。発光源311は別の光学信号を放出し得、この光学信号は散乱媒体を通じて伝播し、散乱媒体から出て、第2の光学フィルタを通過し得る。第2の光学フィルタから出ると、フィルタリングされた光学的放射は、光検出器によって受信され、第2の画像を生成するために画像化デバイス301によって使用され得る。
【0052】
第1の光学フィルタおよび第2の光学フィルタに基づいて発光源311を画像化した後、画像化デバイス301は、第1の光学フィルタ(たとえば、光学フィルタ110-j)に基づいて第1の画像を出力し、第2の光学フィルタ(たとえば、光学フィルタ110-k)に基づいて第2の画像を出力し得る。第1の画像および第2の画像は、画像の前処理および初期の事前データ330(たとえば、従来の発光画像化処理方法への入力として使用され得る初期ソース推定など)の生成のために、コンピューティングデバイス(たとえば、画像化デバイス301、コンピューティングデバイス101、またはコンピューティングデバイス303)に入力され得る。たとえば、
図5A~
図5Cに関連して以下で説明するように、コンピューティングデバイス303は、第1の画像および第2の画像を受信すると、発光源311の初期表現を生成し得る。発光源311の初期表現は、発光源311の第1の「パス」計算再構築に対応し得、後続の従来の再構築技法への初期入力として機能し得る。たとえば、発光源311の初期表現は、散乱媒体310の1つまたは複数の体積領域に対して、1つまたは複数の発光体積サブソースを備え得る。初期の事前データは、追加の処理340(たとえば、発光画像の従来の再構築技法)のために、コンピューティングデバイス303または別のコンピューティングデバイス(たとえば、コンピューティングデバイス101、画像化デバイス301など)への入力として使用され得る。
【0053】
図4は、初期の事前データを生成するための例示的なプロセス400を示している。たとえば、しきい値基準(
図5Bに関連して以下でさらに説明する)は、発光画像のペア(たとえば、画像411および412)に適用され得る。しきい値基準の適用に基づいて生成された画像データ(たとえば、画像データ421および422)は、単一の画像データセットに結合され得る。単一の画像データセットは、さらに処理されて、1つまたは複数の画像セグメント430に分割され得る(
図5Bに関連して以下の説明を参照)。画像セグメントは、散乱媒体内に位置する再構築されたソースとして1つまたは複数の体積サブ領域441および442を生成するために、さらに処理され得る。たとえば、ステップ201において追加情報から受信される表面データ445は、散乱媒体の表面境界を示し得る。出力された初期の事前データ440は、1つまたは複数の体積サブ領域441および442と、表面データ445とを備え得る。
図4に示される例示的なプロセスを実装するための例示的な方法について、
図5A~
図5Cを参照して以下で説明する。
【0054】
図5A~
図5Cは、初期の事前データを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
図5A~
図5Cの例示的方法のうちの1つ、一部、またはすべてのステップは、1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって実行され得、便宜上、
図5A~
図5Cは、コンピューティングデバイス303に関連して以下で説明される。また、あるいは代替的に、
図5A~
図5Cの例示的方法のうちの1つ、一部、またはすべてのステップは、1つまたは複数の他のコンピューティングデバイス(たとえば、コンピューティングデバイス101、コンピューティングデバイス303、画像化デバイス301など)によって実行され得る。
図5A~
図5Cの例示的方法の1つまたは複数のステップは、再配置(たとえば、異なる順序で実行、送信、または受信)、省略、および/または他の修正が行われてもよく、ならびに/あるいは他のステップおよび/または通信が追加されてもよい。
【0055】
ステップ501において、コンピューティング303は、画像化デバイス301から発光画像を受信し得る。たとえば、発光画像は、第1の光学フィルタ(たとえば、光学フィルタのペアの2つの光学フィルタのうちの1つ)に基づく第1の発光画像と、第2の光学フィルタ(たとえば、光学フィルタのペアの2つの光学フィルタのうちのもう1つ)に基づく第2の発光画像とを備え得る。発光画像は、
図3に関連して上で説明した発光画像化プロセスに基づいて生成されたものであり得る。さらに、第1の光学フィルタおよび第2の光学フィルタは、
図1および
図2A~
図2Cに関連して上で説明した光学フィルタのペア選択プロセスに基づいて選択されたものであり得る。
【0056】
ステップ503において、発光画像に対して1つまたは複数の画像セグメントが生成され得る。たとえば、発光画像の合計、平均、または加重合計のうちの1つまたは複数を実行することに基づいて、画像データセットが生成され得る。コンピューティングデバイス303は、画像データセットの1つまたは複数の部分が1つまたは複数の画像セグメントに分割され得ることを決定し得る。画像セグメントの境界は、発光画像に関連付けられる任意の幾何学的形状および/または多角形形状を備え得る。1つまたは複数の画像セグメントは、連続していてもよく、連続していなくてもよい。また、あるいは代替的に、1つまたは複数の画像セグメントのうちの1つまたは複数が、相互に完全に重複していてもよく、部分的に重複していてもよい。また、あるいは代替的に、1つまたは複数の画像セグメントは、発光画像に関連付けられる3D表面の部分に対応し得る。発光画像のペアの発光画像の各々に対して、1つまたは複数の画像セグメントが決定され得る。ステップ503の追加の詳細は、
図5Bに関連して以下で説明する。
【0057】
ステップ505において、ステップ503において決定された1つまたは複数の画像セグメントに基づいて、1つまたは複数の体積サブ領域が生成され得る。体積サブ領域は、1つまたは複数のボクセルを備え得る。体積サブ領域のボクセルの各々に、発光源と1つまたは複数の光学フィルタ(たとえば、光学フィルタのペア)に基づいて放射線値が割り当てられ得る。1つまたは複数の体積サブ領域は、互いに連続していてもよく、連続していなくてもよい。また、あるいは代替的に、体積サブ領域は、1つまたは複数の他の体積サブ領域と完全に重複していてもよく、部分的に重複していてもよい。ステップ505の追加の詳細は、
図5Cに関連して以下で説明する。
【0058】
ステップ507において、コンピューティングデバイス303は、処理する追加の画像セグメントがあるかどうかを決定し得る。追加の画像セグメントは、発光画像のペアの2つの発光画像のいずれかに関連付けられ得る。コンピューティングデバイス303が、処理する追加のセグメントがあると決定した場合、ステップ505が実行され得る。それ以外の場合、ステップ509が実行され得る。
【0059】
ステップ509において、初期の事前データは、1つまたは複数の体積サブ領域に基づいて生成され得る。初期の事前データは、発光源の再構築を備え得る。発光源の再構築は、複数のボクセルを備える体積領域を備え得る。複数のボクセルの各々に、1つまたは複数の放射線値(たとえば、強度または電界)が割り当てられ得る。たとえば、再構築された発光源は、1つまたは複数の体積サブ領域について、各ボクセル上の放射線値の平均を実行することに基づいて生成され得る。また、あるいは代替的に、再構築された発光源は、ボクセルごとに、1つまたは複数の体積サブ領域の放射線値を追加することに基づいて生成され得る。また、あるいは代替的に、再構築された発光源は、ボクセルごとに、1つまたは複数の体積サブ領域の放射線値の加重合計を実行することに基づいて生成され得る。
【0060】
図5Bは、破線ボックスによって示されるように、
図5Aのステップ503の追加の詳細を示している。特に、
図5Bは、発光画像から1つまたは複数の画像セグメントを生成するために実行され得る例示的なステップ503.1~503.4を示している。ステップ503.1において、発光画像(たとえば、ステップ501において受信した発光画像のうちの1つ)が選択され得る。1つまたは複数のしきい値基準が発光画像に適用され得る。たとえば、1つまたは複数のしきい値基準を適用することは、発光画像の各ピクセルに関連付けられる数値を決定することを備え得る。画像セグメントは、しきい値を超える数値を備えるピクセルに基づいて生成され得る。また、あるいは代替的に、基準は、発光画像の各ピクセルに関連付けられる数値のヒストグラムにガウス関数を当てはめることを備え得る。ガウス関数のしきい値を超える(たとえば、ガウス分布の中心に半値全幅を加えたものを超える)数値は画像セグメントに関連付けられ得、しきい値を下回る数値は背景に関連付けられ得る。混合ガウスモデルも使用され得る。
【0061】
ステップ503.2において、ステップ503.1の適用された1つまたは複数のしきい値基準に基づいて、フィルタリングされた画像が生成され得る。たとえば、背景と画像セグメントピクセルとを備えるフィルタリングされた画像が生成され得る。フィルタリングされた画像のピクセルは、発光画像の兄弟ピクセルにマッピングされ得る。したがって、発光画像の兄弟ピクセルがしきい値基準のうちの1つまたは複数を満たさなかった場合、フィルタリングされた画像のピクセルに背景の数値(たとえば、0)が割り当てられ得る。さらに、発光画像の兄弟ピクセルがしきい値基準のうちの1つまたは複数を満たした場合、フィルタリングされた画像のピクセルに画像セグメント数値(たとえば、255)が割り当てられ得る。また、あるいは代替的に、フィルタリングされた画像の背景と画像セグメントピクセルは、画像セグメントに関連付けられるピクセルと背景に関連付けられるピクセルを区別するために使用され得る任意の他の2つの数値を備え得る。
【0062】
ステップ503.3において、フィルタリングされた画像から1つまたは複数の画像セグメントが生成され得る。たとえば、コンピューティングデバイス303は、フィルタリングされた画像の1つまたは複数の画像セグメントピクセルが単一の閉じた多角形または他の幾何学的形状内に囲まれることが可能であることを決定し得る。閉じた多角形または他の幾何学的形状は、画像セグメントの境界領域を示し得る。また、あるいは代替的に、コンピューティングデバイス303は、フィルタリングされた画像の1つまたは複数の画像セグメントピクセルの一部が第1の閉じた多角形形状に囲まれ得、フィルタリングされた画像の1つまたは複数の画像セグメントピクセルの第2の部分が第2の閉じた多角形形状に囲まれ得ることを決定し得る。第1および第2の閉じた多角形形状は、第1および第2の画像セグメントの境界領域に対応し得る。また、あるいは代替的に、コンピューティングデバイス303は、フィルタリングされた画像の1つまたは複数の画像セグメントピクセルの複数の部分が、複数の閉じた多角形形状に囲まれ得ると決定し得る。複数の閉じた多角形形状は、複数の画像セグメントの境界領域に対応し得る。
【0063】
ステップ503.4において、コンピューティングデバイス303は、追加の発光画像が画像分割に利用可能かどうかを決定し得る。追加の発光画像が画像分割に利用可能である場合、ステップ503.1が実行され得る。それ以外の場合、
図5Aのステップ505が実行され得る。
【0064】
図5Cは、破線ボックスによって示されるように、
図5Aのステップ505の追加の詳細を示している。特に、
図5Cは、画像セグメントに基づいて発光サブソースを生成するために実行され得る例示的なステップ505.1~505.7を示している。ステップ505.1において、コンピューティングデバイス303によって、画像セグメントが散乱媒体の表面境界上に投影され得る。たとえば、散乱媒体は複数のボクセルを備え得る。複数のボクセルの一部は散乱媒体の表面境界に対応する表面ボクセルを備え得る。コンピューティングデバイス303は、表面ボクセルのうちの1つまたは複数を画像セグメントに関連付け得る。
【0065】
ステップ505.2において、体積サブ領域が生成され得る。たとえば、体積サブ領域は、1つまたは複数のボクセルを備え得る。1つまたは複数のボクセルは、連続していてもよく、連続していなくてもよい。さらに、1つまたは複数のボクセルの各々の位置は、コンピューティングデバイス303によって疑似ランダム生成器を使用して生成され得、体積サブ領域は疑似ランダムに生成された3D形状に対応し得る。あるいは、1つまたは複数のボクセルは、1つまたは複数のあらかじめ定められた体積サブ領域の形状(たとえば、球形または楕円形の空間領域)に基づいて生成され得る。たとえば、体積サブ領域は、散乱媒体の表面境界からあらかじめ定められた表面距離内に位置していることに基づいて、楕円形の形状であり得る。あるいは、体積サブ領域は、表面境界からあらかじめ定められた表面距離の外側に位置することに基づいて球形であり得る。また、あるいは代替的に、体積サブ領域は、散乱媒体の表面境界からの表面距離に関係なく楕円形の形状であり得る。また、あるいは代替的に、体積サブ領域は、散乱媒体の表面境界からの表面距離に関係なく、球形の形状であり得る。
【0066】
さらに、体積サブ領域の1つまたは複数のボクセルの各々に、1つまたは複数のスペクトル値(たとえば、560nmと620nm、あるいは1つまたは複数の光学フィルタに関連付けられる他の任意の光学波長)に対する放射線値(たとえば、放射強度または放射電界強度)が割り当てられ得る。また、あるいは代替的に、体積サブ領域の1つまたは複数のボクセルの各々に、放射の種類(たとえば、電気単極子、電気双極子、方向性平面波、円筒波、球面波など)が割り当てられ得る。
【0067】
ステップ505.3において、フィルタリングされた信号は、体積サブ領域の1つまたは複数のボクセルの割り当てられた放射線値に基づいて生成され得る。たとえば、コンピューティングデバイス303は、体積領域のボクセルの各々に割り当てられた放射線値に基づいて、電磁放射の送信をシミュレートし得る。1つまたは複数のボクセルは、電気単極子として放射するように構成され得る。また、あるいは代替的に、1つまたは複数のボクセルは、電気双極子として放射するように構成され得る。また、あるいは代替的に、ボクセルから放出される放射線は、平面波、球面波、円筒波、または任意の他の種類の電磁波であり得る。フィルタリングされた信号は、1つまたは複数のボクセルの各々によって放出される電界の複合合計を備え得る。あるいは、フィルタリングされた信号は、1つまたは複数のボクセルの各々によって放出される放射強度の複合合計を備え得る。フィルタリングされた信号は散乱媒体によって散乱および/または吸収され得、したがって、散乱媒体を通じて伝播する際に減衰され得る。散乱媒体から出ると、コンピューティングデバイス303は、光学信号に光学フィルタ(たとえば、最適なフィルタのペアの1つの光学フィルタ)を適用し得る。たとえば、光学信号のスペクトル成分のうちの1つまたは複数は、光学フィルタを適用することに基づいて変更され得る。
【0068】
ステップ505.4において、フィルタリングされた信号は、測定されたデータ(たとえば、発光画像または画像データセット)と比較され得る。たとえば、コンピューティングデバイスは、フィルタリングされた信号に基づいて画像データセットの再構築(「再構築された画像」)を生成し得る。所与のスペクトル成分について、再構築された画像と画像データセットとの間の相関が決定され得る。たとえば、再構築された画像と画像データセットとの間の二乗平均平方根偏差が決定され得る。あらかじめ定められた偏差しきい値を下回る二乗平均平方根偏差値は、再構築された画像と画像データセットとの間の高い相関に対応し得る。フィルタリングされた信号と測定されたデータとの間の出力相関は、再構築された画像と画像データセットとの間の決定された相関に基づいて決定され得る。たとえば、出力相関は、相関の平均化、相関の合計、相関の積の取得、または相関の加重合計の実行のうち少なくとも1つまたは複数に基づいて決定され得る。
【0069】
ステップ505.5において、コンピューティングデバイス303は、別の体積サブ領域を生成するかどうかを決定し得る。たとえば、コンピューティングデバイス303は、あらかじめ定められた数の体積サブ領域を生成し得る(たとえば、散乱媒体の表面を下回るあらかじめ定められた数の距離の体積サブ領域を生成する)。また、あるいは代替的に、コンピューティングデバイス303は、ステップ505.4の信号適合におけるさらなる改善が検出されなくなるまで、体積サブ領域の生成を継続し得る。コンピューティングデバイス303が別の体積サブ領域を生成する必要があると決定した場合、ステップ505.2が実行され得る。それ以外の場合、ステップ505.6が実行され得る。
【0070】
ステップ505.6において、最も適合する体積サブ領域が選択され得る。たとえば、コンピューティングデバイス303は、最高値の出力相関(たとえば、ステップ505.4において計算された)に関連付けられる体積サブ領域を選択し得る。ステップ505.7において、選択された体積サブ領域が、コンピューティングデバイス303に関連付けられるメモリまたはストレージデバイスに送信され得る。
【0071】
いくつかの実施形態は、コンピューティングデバイス(たとえば、画像化デバイス301、コンピューティングデバイス101、またはコンピューティングデバイス303)のプロセッサ(たとえば、プロセッサ103または305)によって実行されると、本明細書で説明する方法を実行する命令を記憶する1つまたは複数の非一時なコンピュータ可読媒体(たとえば、コンピュータ可読媒体105または307)を含み得る。
【0072】
様々な実施形態の上記の説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照し、添付の図面において、本開示の態様が実施され得る様々な実施形態が例示として示されている。他の実施形態が利用されてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく構造的および機能的な修正が行われてもよいことを理解されたい。本開示の態様は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行することができる。また、本明細書で使用されている語句および用語は説明目的であり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。むしろ、ここで使用されている語句および用語には、最も広い解釈および意味が与えられるべきである。
【0073】
請求項において請求項の要素を修飾するために「第1の」、「第2の」、「第3の」などの序数詞を使用することは、それ自体ではある請求項の要素が他の請求項の要素に対して優先権、先行権、または順序を有することを意味するものではなく、請求項の要素を区別するために、特定の名前を有するある請求項の要素を、同じ名前(序数詞の使用を除く)を有する別の要素と区別するためのラベルとしてのみ使用される。
【0074】
本明細書および特許請求の範囲において使用される不定冠詞「a」および「an」は、明確に反対のことが示されていない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されるべきである。
【0075】
本明細書および特許請求の範囲において使用されている「および/または」という語句は、そのように結合された要素、すなわち、場合によっては結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味するものと理解されるべきである。
【0076】
上記では例について説明したが、それらの例の特徴および/またはステップは、任意の所望の方法で組合せ、分割、省略、再配置、改訂、および/または拡張され得る。当業者であれば、様々な変更、修正、および改良が容易に思いつくであろう。そのような変更、修正、および改良は、本明細書に明示的に記載されてはいないが、本明細書の一部となることが意図されており、本開示の趣旨および範囲内であることが意図されている。したがって、前述の説明は単なる例示であり、限定するものではない。
【符号の説明】
【0077】
100 方法
101 コンピューティングデバイス
103 プロセッサ
105 非一時的コンピュータ可読媒体
110 光学フィルタ
110-j 光学フィルタ
110-k 光学フィルタ
112 最適なフィルタのペア
301 画像化デバイス
302 光検出器
303 コンピューティングデバイス
305 プロセッサ
307 非一時的コンピュータ可読媒体
310 散乱媒体
311 発光源
330 初期の事前データ
340 追加の処理
400 プロセス
411 画像
412 画像
421 画像データ
422 画像データ
430 画像セグメント
440 初期の事前データ
441 体積サブ領域
442 体積サブ領域
445 表面データ
【手続補正書】
【提出日】2024-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスによって、光学フィルタのリストと、発光源および生物学的物質を示すデータとを受信するステップと、
フィルタリングされた信号を生成するステップであって、前記生成が、光学フィルタの前記リスト、前記発光源、および前記生物学的物質に基づく、ステップと、
前記フィルタリングされた信号に基づいて、1つまたは複数の光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定するステップであって、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアの各々が、光学フィルタの前記リストのうちの光学フィルタのペアを含む、ステップと、
前記重みに基づいて、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのリストをランク付けするステップと、
前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのランク付けされた前記リストから最高ランクの光学フィルタのペアを選択するステップと、
選択された前記最高ランクの光学フィルタのペアを介してフィルタリングされた信号を受信するようにユーザデバイスを構成するステップと
を有する、方法。
【請求項2】
前記重みの各々が数値に対応し、前記最高ランクの光学フィルタのペアが、決定された前記重みの最大の数値に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
光学フィルタのペアが第1の光学フィルタと第2の光学フィルタとを含み、
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定する前記ステップが、
前記第1の光学フィルタと前記第2の光学フィルタとの間の相関を決定するステップ
と、
前記フィルタリングされた信号のうちの、前記第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号と前記フィルタリングされた信号のうちの、前記第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号との比を決定するステップと、
前記フィルタリングされた信号のうちの、前記第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号をあらかじめ定められたしきい値と比較し、前記フィルタリングされた信号のうちの、前記第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号を前記あらかじめ定められたしきい値と比較するステップと、
前記フィルタリングされた信号のうちの、前記第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号と前記フィルタリングされた信号のうちの、前記第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号との積を決定するステップと、
前記フィルタリングされた信号のうちの、前記第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号と前記フィルタリングされた信号のうちの、前記第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号との間の線形関係を決定するステップと、
第1の列と第2の列とを備える行列のランクを決定するステップであって、前記第1の列が、前記フィルタリングされた信号のうちの、前記第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号を含み、前記第2の列が、前記フィルタリングされた信号のうちの、前記第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号を含む、ステップと
のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
フィルタリングされた信号を生成する前記ステップが、複数の距離についてフィルタリングされた信号を計算するステップであって、前記複数の距離の各々が、前記発光源の一部と前記生物学的物質の表面境界との間の距離に対応する、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
フィルタリングされた信号を生成する前記ステップが、前記コンピューティングデバイスによって、ソースモデルに基づいて、前記フィルタリングされた信号を生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
フィルタリングされた信号を生成する前記ステップが、前記生物学的物質の体積を生成するステップであって、前記体積が1つまたは複数のボクセルを含み、前記1つまたは複数のボクセルの各々に前記発光源の放射強度に対応する数値が割り当てられる、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記コンピューティングデバイスによって、第2の発光源および第2の生物学的物質を示すデータを受信するステップと、
光学フィルタの前記リスト、前記第2の発光源、および前記第2の生物学的物質に基づいて、追加のフィルタリングされた信号を生成するステップと、
前記追加のフィルタリングされた信号に基づいて、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアに関連付けられる追加の重みを決定するステップと、
前記追加の重みに基づいて、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアの第2のリストをランク付けするステップと、
前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのランク付けされた前記第2のリストから最高ランクの光学フィルタのペアを選択するステップと
をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザデバイスから、選択された前記最高ランクの光学フィルタのペアおよび生物学的物質の体積内に位置する生物発光源に関連付けられる1つまたは複数の画像を受信するステップと、
前記1つまたは複数の画像に基づいて、画像データセットを生成するステップと、
前記画像データセットに基づいて、1つまたは複数の画像セグメントを決定するステップと、
前記1つまたは複数の画像セグメントに関連付けられる1つまたは複数の体積サブ領域を生成するステップであって、前記1つまたは複数の体積サブ領域の各々がボクセルを含み、前記生物発光源、前記生物学的物質の体積、および前記1つまたは複数の光学フィルタに基づいて決定される1つまたは複数の放射線値が前記ボクセルの各々に割り当てられる、ステップと、
前記1つまたは複数の体積サブ領域に基づいて、出力ボクセルを含む出力体積領域を決定するステップであって、1つまたは複数の出力放射線値が前記出力ボクセルの各々に割り当てられる、ステップと、
前記出力体積領域を、追加の処理のためにコンピューティングデバイスに送信するステップと
をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記画像データセットが複数のピクセルを含み、
前記画像データセットに基づいて、1つまたは複数の画像セグメントを決定する前記ステップが、前記ピクセルの数値をしきい値と比較するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つまたは複数の画像セグメントの数量が、画像セグメントのあらかじめ定められた数量よりも少ない、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記出力体積領域をストレージデバイスに送信するステップをさらに有する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
体積サブ領域に対して、前記体積サブ領域に関連付けられるボクセルと前記生物学的物質の体積の表面境界との間の距離を決定するステップをさらに有する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記出力体積領域が、前記1つまたは複数の体積サブ領域の1つまたは複数のボクセルについて、前記1つまたは複数のボクセルに割り当てられた前記放射線値の平均を実行することに基づいて決定される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザデバイスが3次元生物発光画像化デバイスに対応する、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
体積サブ領域が画像セグメントに対応し、
体積サブ領域を生成する前記ステップが、
1つまたは複数の体積テスト領域を生成するステップであって、前記1つまたは複数の体積テスト領域の各々が、1つまたは複数の放射線テスト値が割り当てられた1つまたは複数のボクセルを含み、前記1つまたは複数の放射線テスト値が、前記生物発光源、前記生物学的物質の体積、および前記1つまたは複数の光学フィルタに基づいて決定される、ステップと、
前記1つまたは複数のボクセルに割り当てられた前記1つまたは複数の放射線テスト値および前記1つまたは複数の光学フィルタに基づいて、1つまたは複数のテスト画像を生成するステップと、
前記1つまたは複数のテスト画像に基づいて、画像テストセグメントを生成するステップと、
前記画像テストセグメントと前記画像セグメントとの間の相関を画像テストセグメントごとに決定するステップと、
画像テストセグメントの最高相関値の決定に基づいて、体積テスト領域を前記体積サブ領域として選択するステップと
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記1つまたは複数の光学フィルタが第1の光学フィルタと第2の光学フィルタとを含み、前記第1の光学フィルタおよび前記第2の光学フィルタが利用可能な光学フィルタのリストから選択される光学フィルタのペアに対応する、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記ユーザデバイスから、1つまたは複数の追加の光学フィルタおよび前記生物学的物質の体積内に位置する前記生物発光源に関連付けられる1つまたは複数の追加の画像を受信するステップと、
前記1つまたは複数の追加の画像に基づいて、第2の画像データセットを生成するステップと、
前記第2の画像データセットに基づいて、1つまたは複数の追加の画像セグメントを決定するステップと、
前記1つまたは複数の追加の画像セグメントに関連付けられる1つまたは複数の追加の体積サブ領域を生成するステップであって、前記1つまたは複数の追加の体積サブ領域の各々がボクセルを含み、前記生物発光源、前記生物学的物質の体積、および前記1つまたは複数の追加の光学フィルタに基づいて決定される1つまたは複数の放射線値が前記ボクセルの各々に割り当てられる、ステップと、
前記1つまたは複数の追加の体積サブ領域に基づいて、追加の出力ボクセルを含む第2の出力体積領域を決定するステップであって、1つまたは複数の出力放射線値が前記追加の出力ボクセルの各々に割り当てられる、ステップと、
前記第2の出力体積領域を、追加の処理のために前記コンピューティングデバイスに送信するステップと
をさらに有する、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
命令を記憶した1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体であって
、前記命令は、実行されると、
請求項1から17のいずれか一項に記載の方法を行わせる、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
1つまたは複数のプロセッサと、
命令を記憶するメモリ
であって、前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、
装置に、
請求項1から17のいずれか一項に記載の方法を行わせる、
メモリと
を備える、装置。
【請求項20】
1つまたは複数のプロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、装置に、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を行わせる、メモリと
を備える装置と、
選択された前記最高ランクの光学フィルタのペアを介してフィルタリングされた前記信号を受信するように構成可能なユーザデバイスと
を備える、システム。
【請求項21】
生物学的物質における発光源を画像化するための光学フィルタのペアであって、前記光学フィルタのペアが、
コンピューティングデバイスによって、利用可能な光学フィルタのリストと、前記発光源および前記生物学的物質を示すデータとを受信することと、
フィルタリングされた信号を生成することであって、前記生成が、利用可能な光学フィルタの前記リスト、前記発光源、および前記生物学的物質に基づく、ことと、
前記フィルタリングされた信号に基づいて、1つまたは複数の光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することであって、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアの各々が、利用可能な光学フィルタの前記リストのうちの光学フィルタのペアを含む、ことと、
前記重みに基づいて、前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのリストをランク付けすることと、
前記1つまたは複数の光学フィルタのペアのランク付けされた前記リストから最高ランクの光学フィルタのペアを選択することと
に基づいて、利用可能な光学フィルタの前記リストから選択される、光学フィルタのペア。
【請求項22】
光学フィルタのペアが第1の光学フィルタと第2の光学フィルタとを含み、
光学フィルタのペアに関連付けられる重みを決定することが、
前記第1の光学フィルタと前記第2の光学フィルタとの間の相関を決定すること
と、
前記フィルタリングされた信号のうちの、前記第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号と前記フィルタリングされた信号のうちの、前記第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号との比を決定することと、
前記第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号をあらかじめ定められたしきい値と比較し、前記第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号を前記あらかじめ定められたしきい値と比較することと、
前記第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号と前記第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号との積を決定することと、
前記第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号と前記第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号との間の線形関係を決定することと、
第1の列と第2の列とを備える行列のランクを決定することであって、前記第1の列が、前記第1の光学フィルタに関連付けられる第1の信号を含み、前記第2の列が、前記第2の光学フィルタに関連付けられる第2の信号を含む、ことと
のうちの1つまたは複数を含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【請求項23】
フィルタリングされた信号を生成することが、複数の距離についてフィルタリングされた信号を計算することであって、前記複数の距離の各々が、前記発光源の一部と前記生物学的物質の体積の表面境界との間の距離に対応する、ことを含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【請求項24】
フィルタリングされた信号を生成することが、前記コンピューティングデバイスによって、ソースモデルに基づいて、前記フィルタリングされた信号を生成することを含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【請求項25】
フィルタリングされた信号を生成することが、前記生物学的物質の体積を生成することであって、前記体積が1つまたは複数のボクセルを含み、前記1つまたは複数のボクセルの各々に前記発光源の放射強度に対応する数値が割り当てられる、ことを含む、請求項21に記載の光学フィルタのペア。
【国際調査報告】