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特表2024-545964電極タブ溶接装置、電極タブ溶接方法、および電極組立体
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  • 特表-電極タブ溶接装置、電極タブ溶接方法、および電極組立体 図1
  • 特表-電極タブ溶接装置、電極タブ溶接方法、および電極組立体 図2a
  • 特表-電極タブ溶接装置、電極タブ溶接方法、および電極組立体 図2b
  • 特表-電極タブ溶接装置、電極タブ溶接方法、および電極組立体 図2c
  • 特表-電極タブ溶接装置、電極タブ溶接方法、および電極組立体 図2d
  • 特表-電極タブ溶接装置、電極タブ溶接方法、および電極組立体 図3
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  • 特表-電極タブ溶接装置、電極タブ溶接方法、および電極組立体 図6
  • 特表-電極タブ溶接装置、電極タブ溶接方法、および電極組立体 図7
  • 特表-電極タブ溶接装置、電極タブ溶接方法、および電極組立体 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-16
(54)【発明の名称】電極タブ溶接装置、電極タブ溶接方法、および電極組立体
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/536 20210101AFI20241209BHJP
   H01M 50/54 20210101ALI20241209BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20241209BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20241209BHJP
【FI】
H01M50/536
H01M50/54
H01M10/04 Z
H01M10/0585
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537554
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 KR2022021189
(87)【国際公開番号】W WO2023121392
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0186535
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・ニョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・テ・キム
(72)【発明者】
【氏名】イン・クク・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ハン・ジュ・ジョ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ボム・ジョン
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028BB04
5H028BB05
5H028CC02
5H028HH05
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AL01
5H029AM01
5H029BJ04
5H029CJ03
5H029CJ05
5H029DJ05
5H029HJ04
5H029HJ12
5H043AA19
5H043BA11
5H043BA17
5H043CA08
5H043DA02
5H043EA07
5H043EA60
5H043HA17E
5H043HA18E
5H043JA01E
5H043JA06E
5H043LA02E
5H043LA21E
(57)【要約】
本発明の実施形態に係る電極タブ溶接装置は、電極組立体の複数の電極タブを溶接することができる。前記電極タブ溶接装置は、前記複数の電極タブを集めるための1対のタブガイドと、前記1対のタブガイドにより集められた前記複数の電極タブを加圧し、最外側電極タブが前記電極組立体の方へ押される方向に回転する1対の整列ローラと、前記1対の整列ローラにより整列された前記複数の電極タブを溶接させる溶接部と、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体の複数の電極タブを溶接する電極タブ溶接装置であって、
前記複数の電極タブを集めるための1対のタブガイドと、
前記1対のタブガイドにより集められた前記複数の電極タブを加圧し、最外側電極タブが前記電極組立体の方へ押される方向に回転する1対の整列ローラと、
前記1対の整列ローラにより整列された前記複数の電極タブを溶接させる溶接部と、
を含む、電極タブ溶接装置。
【請求項2】
前記電極組立体を基準に、前記1対の整列ローラが前記複数の電極タブを加圧する地点は、前記1対のタブガイドが前記複数の電極タブを加圧する地点よりも遠い、請求項1に記載の電極タブ溶接装置。
【請求項3】
前記1対の整列ローラは、
前記1対のタブガイドが第1間隔をなす際に前記複数の電極タブを加圧した状態で回転し、
前記1対のタブガイドが前記第1間隔よりも小さい第2間隔をなす際に前記複数の電極タブから離隔する、請求項1に記載の電極タブ溶接装置。
【請求項4】
前記溶接部は、
前記1対のタブガイドが前記第2間隔をなす際に前記複数の電極タブを溶接する、請求項3に記載の電極タブ溶接装置。
【請求項5】
前記1対の整列ローラは、エラストマ材質を含む、請求項1に記載の電極タブ溶接装置。
【請求項6】
前記1対の整列ローラは、
前記電極組立体の高さ方向に対して前記複数の電極タブを間に置いて互いに対向するように配置され、互いの距離が調節されるように構成されている、請求項1に記載の電極タブ溶接装置。
【請求項7】
電極組立体の複数の電極タブを溶接する電極タブ溶接方法であって、
1対のタブガイドが互いに接近して前記複数の電極タブを集めるステップと、
1対の整列ローラが前記1対のタブガイドにより集められた前記複数の電極タブを加圧した状態で回転し、前記複数の電極タブのうち最外側電極タブを前記電極組立体の方へ押すステップと、
溶接部が前記1対の整列ローラにより整列された前記複数の電極タブを互いに溶接するステップと、
を含む、電極タブ溶接方法。
【請求項8】
前記1対の整列ローラが回転する際に、前記1対のタブガイドは、第1間隔をなし、
前記溶接部が前記複数の電極タブを溶接する際に、前記1対のタブガイドは、前記第1間隔よりも狭い第2間隔をなす、請求項7に記載の電極タブ溶接方法。
【請求項9】
前記1対の整列ローラが回転する際に、前記複数の電極タブの外側端部間に段差を発生させる、請求項7に記載の電極タブ溶接方法。
【請求項10】
前記溶接部が前記複数の電極タブを溶接する際に、前記1対の整列ローラは、前記複数の電極タブから離隔する、請求項7に記載の電極タブ溶接方法。
【請求項11】
セパレータを間に置いて積層された複数の電極と、
前記複数の電極に連結され、互いに溶接されて被溶接部を形成する複数の電極タブと、
を含み、
前記複数の電極タブのうち両方の最外側電極タブは、外側に凸状に曲がり、
前記最外側電極タブは、
前記電極から延びた第1区間と、
前記第1区間から延び、前記第1区間よりも急勾配の傾斜を有する第2区間と、を含み、
前記第1区間は、
前記電極と連結され、平らに形成されたフラット部と、
前記フラット部と前記第2区間を連結し、曲がって形成された曲がり部と、を含む、電極組立体。
【請求項12】
前記複数の電極タブに対して、外側に位置した電極タブほど、より大きく曲がる、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項13】
前記最外側電極タブの外側端部は、他の電極タブの外側端部に対して内側に段差を有する、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項14】
前記最外側電極タブは、
前記第2区間から前記被溶接部まで延び、前記第2区間よりも緩やかな傾斜を有する第3区間をさらに含む、請求項11に記載の電極組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月23日付けの韓国特許出願第10-2021-0186535号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、複数の電極タブを溶接する電極タブ溶接装置および電極タブ溶接方法、並びに前記電極タブ溶接装置または電極タブ溶接方法により溶接された複数の電極タブを含む電極組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、二次電池は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充放電が可能な電池を意味し、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダなどの電子機器または電気自動車などに広く用いられている。特に、リチウム二次電池は、ニッケル-カドミウム電池またはニッケル-水素電池よりも大きい容量を有し、エネルギー密度が高いため、その活用程度が急速に増加している傾向にある。
【0004】
二次電池は、電池ケースの形状に応じて、電極組立体が円筒形または角形の金属缶に内蔵されている円筒型電池および角型電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ形のケースに内蔵されているパウチ型電池などに分類することができる。
【0005】
図1は、パウチ型二次電池の一例を示す図である。パウチ型二次電池1は、電極とセパレータが交互に積層されて形成される電極組立体10と、電極組立体10が内部に収容されるパウチ20と、を含む。電極組立体10の電極には、電極タブ15が連結されることができる。電極タブ15は、所定領域で互いに溶接された後に電極リード17に連結されることができる。パウチ20は、電極組立体10を収容するために凹状のカップ部21を含む。パウチ20のカップ部21は、1個または2個形成されることができる。図1には、左側カップ部および右側カップ部を含むパウチ20が例示されている。カップ部21の周縁には、シールのための周辺部(テラス)23が形成される。
【0006】
ところが、パウチ20の周辺部23の変形により電極タブ15に引っ張られる力が加えられると、電極タブ15が次第に引っ張られて断線し得る。またはパウチ20の膨張により電極タブ15に引っ張られる力が加えられても、電極タブ15が次第に引っ張られて断線し得る。このような断線は、火災発生の主原因とされている。近年、パウチ型二次電池の場合、高容量化および高性能化の要求に応じてエネルギー密度を高めるために周辺部23の長さを減らしているが、これは、電極タブ15の「電極組立体10から電極タブ15の溶接地点までの長さ」を減少させることにつながり、断線の危険をさらに増加させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする一課題は、電極タブの断線を防止する電極タブ溶接装置および電極タブ溶接方法を提供することにある。
本発明が解決しようとする他の課題は、電極タブの断線が防止された電極組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る電極タブ溶接装置は、電極組立体の複数の電極タブを溶接することができる。前記電極タブ溶接装置は、前記複数の電極タブを集めるための1対のタブガイドと、前記1対のタブガイドにより集められた前記複数の電極タブを加圧し、最外側電極タブが前記電極組立体の方へ押される方向に回転する1対の整列ローラと、前記1対の整列ローラにより整列された前記複数の電極タブを溶接させる溶接部と、を含むことができる。
【0009】
前記電極組立体を基準に、前記1対の整列ローラが前記複数の電極タブを加圧する地点は、前記1対のタブガイドが前記複数の電極タブを加圧する地点よりも遠くてもよい。
【0010】
前記1対の整列ローラは、前記1対のタブガイドが第1間隔をなす際に前記複数の電極タブを加圧した状態で回転し、前記1対のタブガイドが前記第1間隔よりも小さい第2間隔をなす際に前記複数の電極タブから離隔することができる。
【0011】
前記溶接部は、前記1対のタブガイドが前記第2間隔をなす際に前記複数の電極タブを溶接することができる。
前記1対の整列ローラは、エラストマ材質を含むことができる。
【0012】
前記1対の整列ローラは、前記電極組立体の高さ方向に対して前記複数の電極タブを間に置いて互いに対向するように配置され、互いの距離が調節されるように構成されることができる。
【0013】
本発明の実施形態に係る電極タブ溶接方法は、電極組立体の複数の電極タブを溶接することができる。前記電極タブ溶接方法は、1対のタブガイドが互いに接近して前記複数の電極タブを集めるステップと、1対の整列ローラが前記1対のタブガイドにより集められた前記複数の電極タブを加圧した状態で回転し、前記複数の電極タブのうち最外側電極タブを前記電極組立体の方へ押すステップと、溶接部が前記1対の整列ローラにより整列された前記複数の電極タブを互いに溶接するステップと、を含むことができる。
【0014】
前記1対の整列ローラが回転する際に、前記1対のタブガイドは、第1間隔をなし、前記溶接部が前記複数の電極タブを溶接する際に、前記1対のタブガイドは、前記第1間隔よりも狭い第2間隔をなすことができる。
【0015】
前記1対の整列ローラが回転する際に、前記複数の電極タブの外側端部間に段差を発生させることができる。
前記溶接部が前記複数の電極タブを溶接する際に、前記1対の整列ローラは、前記複数の電極タブから離隔することができる。
【0016】
本発明の実施形態に係る電極組立体は、セパレータを間に置いて積層された複数の電極と、前記複数の電極に連結され、互いに溶接されて被溶接部を形成する複数の電極タブと、を含むことができる。前記複数の電極タブのうち両方の最外側電極タブは、外側に凸状に曲がることができる。前記最外側電極タブは、前記電極から延びた第1区間と、前記第1区間から延び、前記第1区間よりも急勾配の傾斜を有する第2区間と、を含むことができる。前記第1区間は、前記電極と連結され、平らに形成されたフラット部と、前記フラット部と前記第2区間を連結し、曲がって形成された曲がり部と、を含むことができる。
【0017】
前記複数の電極タブに対して、外側に位置した電極タブほど、より大きく曲がることができる。
前記最外側電極タブの外側端部は、他の電極タブの外側端部に対して内側に段差を有することができる。
前記最外側電極タブは、前記第2区間から前記被溶接部まで延び、前記第2区間よりも緩やかな傾斜を有する第3区間をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の好ましい実施形態によると、複数の電極タブが整列ローラにより電極組立体側に押された状態で、溶接部が複数の電極タブを溶接するため、各電極タブ、特に最外側電極タブに対して、電極から被溶接部までの長さを長くすることができる。これにより、電極リードが曲がるなどのような変形など、外力により電極タブ、特に最外側電極タブが破断および断線するのを防止することができ、電極組立体の安全性および信頼性を向上させることができる。
この他に、本発明の好ましい実施形態に係る構成から当業者が容易に予測可能な効果を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は、その図面に記載された事項のみに限定して解釈してはならない。
【0020】
図1】パウチ型二次電池の一例を示す図である。
図2a】パウチ型二次電池の電極タブを溶接する際に適用可能な過程の一例を説明するための図である。
図2b】パウチ型二次電池の電極タブを溶接する際に適用可能な過程の一例を説明するための図である。
図2c】パウチ型二次電池の電極タブを溶接する際に適用可能な過程の一例を説明するための図である。
図2d】パウチ型二次電池の電極タブを溶接する際に適用可能な過程の一例を説明するための図である。
図3】複数のパウチ型電池がケースに収容されて備えられる電池モジュールの一部を示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電極タブ溶接装置の構成および作用を説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態に係る電極タブ溶接装置の構成および作用を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態に係る電極タブ溶接装置の構成および作用を説明するための図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る電極タブ溶接方法のフローチャートである。
図8】本発明のまた他の実施形態に係る電極組立体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、種々の異なる形態で実現されてもよく、以下の実施形態により制限または限定されるものではない。
【0022】
本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分または本発明の要旨を不要に濁す恐れがある関連の公知技術に関する詳細な説明は省略する。本明細書において、各図面の構成要素に参照符号を付するに際し、明細書の全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては、同一または類似の参照符号を付するようにする。
【0023】
また、本明細書および特許請求の範囲で用いられている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自らの発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈すべきである。
【0024】
図2a~図2dは、パウチ型二次電池の電極タブを溶接する際に適用可能な過程の一例を説明するための図であり、図3は、複数のパウチ型電池がケースに収容されて備えられる電池モジュールの一部を示す断面図である。
【0025】
先ず、図2aのように、複数の電極11および複数のセパレータ13が交互に積層された電極組立体10を準備することができる。複数の電極11は、正極および負極を含むことができ、各電極11には、電極タブ15が連結されることができる。説明の便宜上、図面には負極に連結された負極タブのみが示されているが、当業者であれば、正極に連結された正極タブも電極組立体10に備えられ、負極タブと同様の方式で溶接可能であることを容易に理解することができる。
【0026】
次に、図2bのように、1対のタブガイド30が複数の電極タブ15を加圧して複数の電極タブ15を集めることができる。1対のタブガイド30は、電極組立体10の高さ方向に対して複数の電極タブ15を間に置いて互いに対向することができ、互いの距離が調節されることができる。
【0027】
次に、図2cのように、溶接部50を介して複数の電極タブ15を溶接することができる。より詳細には、溶接部50は、複数の電極タブ15を溶接して被溶接部16を形成することができる。電極組立体10を基準に、複数の電極タブ15に形成された被溶接部16は、複数の電極タブ15が1対のタブガイド30により加圧される地点よりも遠くてもよい。
【0028】
このような過程を経て、被溶接部16に互いに溶接された複数の電極タブ15が備えられた電極組立体10が製造されることができる。互いに溶接された複数の電極タブ15に電極リード17(図1参照)を連結した後、電極組立体10をパウチ20(図1参照)に収容させることでパウチ型電池1が製造されることができる。
【0029】
図3に示されたように、複数のパウチ型電池1は、ケースCに収容されることで電池モジュールへと製造されることができる。ところが、電池モジュールの製造中にパウチ20の周辺部23が曲がり得る。周辺部23の変形が電極リード17の曲がりを誘発することで、電極リード17に連結された電極タブ15に引っ張られる力をもたらし得る。この力は、電極タブ15を強く引っ張ることで電極タブ15の断線をもたらし得るが、特に最外側電極タブ15aにさらに大きく現れ得る。パウチ型電池1の膨張時にも上記のような断線の問題をもたらし得る。
【0030】
以下に詳しく説明する本発明は、上記のような断線の問題を解決するためのものである。
図4図6は、本発明の一実施形態に係る電極タブ溶接装置の構成および作用を説明するための図である。
【0031】
本発明の一実施形態に係る電極タブ溶接装置は、電極組立体10の複数の電極タブ15を溶接することができる。より詳細には、前記電極タブ溶接装置は、複数の電極タブ15を集める1対のタブガイド30と、1対のタブガイド30により集められた複数の電極タブ15を加圧し、電極タブ15が電極組立体10に向かって押される方向に回転する1対の整列ローラ40と、1対の整列ローラ40により整列された複数の電極タブ15を溶接させる溶接部50と、を含むことができる。
【0032】
1対のタブガイド30は、電極組立体10の高さ方向に対して複数の電極タブ15を間に置いて互いに対向することができる。1対のタブガイド30は、互いの距離が調節されるように構成されることができる。より詳細には、1対のタブガイド30のうち少なくとも1つは、電極組立体10の高さ方向に対して昇降可能に構成されることができる。
【0033】
図4に示されたように、1対のタブガイド30は、互いに近づくように接近して複数の電極タブ15を集めることができる。この過程で、1対のタブガイド30は、複数の電極タブ15のうち1対の最外側電極タブ15aと接触することができる。
1対のタブガイド30間の間隔が狭いほど、1対のタブガイド30は、複数の電極タブ15を強く加圧することができる。
【0034】
1対の整列ローラ40は、電極組立体10の高さ方向に対して複数の電極タブ15を間に置いて互いに対向することができる。1対の整列ローラ40は、互いの距離が調節されるように構成されることができる。より詳細には、1対の整列ローラ40のうち少なくとも1つは、電極組立体10の高さ方向に対して昇降可能に構成されることができる。
【0035】
図4に示されたように、1対の整列ローラ40は、1対のタブガイド30により集められた複数の電極タブ15を加圧した状態で回転することができる。より詳細には、1対の整列ローラ40は、1対の最外側電極タブ15aと接触することができ、1対の最外側電極タブ15aが電極組立体10に向かって押される方向に回転することができる。
【0036】
複数の電極タブ15は、互いの摩擦力により電極組立体10に向かって押されることができ、外側に位置した電極タブ15ほど、電極組立体10に向かってさらに多く押されることができる。このため、複数の電極タブ15の外側端部間の段差s(図8参照)を発生させることができる。すなわち、1対の整列ローラ40は、複数の電極タブ15の外側端部間の段差が発生するように複数の電極タブ15を整列させることができる。
【0037】
整列ローラ40は、表面摩擦係数が高く、弾性の材質を有することができる。より詳細には、整列ローラ40は、ゴムなどのエラストマ(Elastomer)材質を含むことができる。これにより、整列ローラ40と最外側電極タブ15aとの間の摩擦力が高く維持されるため、整列ローラ40が最外側電極タブ15aに対して滑らずに回転することができる。また、整列ローラ40が最外側電極タブ15aを加圧して弾性変形されることができるため、最外側電極タブ15aに損傷が発生するのを防止することができる。
【0038】
電極組立体10を基準に、1対の整列ローラ40は、1対のタブガイド30よりも遠く位置することができる。より詳細には、電極組立体10を基準に、1対の整列ローラ40が複数の電極タブ15を加圧する地点は、1対のタブガイド30が複数の電極タブ15を加圧する地点よりも遠くてもよい。
【0039】
図5に示されたように、複数の電極タブ15が整列された後、1対のタブガイド30は、複数の電極タブ15をさらに強く加圧して固定させることができる。
【0040】
より詳細には、1対の整列ローラ40は、1対のタブガイド30が第1間隔g1をなす際に複数の電極タブ15を加圧した状態で回転することができ、1対のタブガイド30が前記第1間隔g1よりも小さい第2間隔g2をなす際に複数の電極タブ15から離隔することができる。
【0041】
1対の整列ローラ40は、1対のタブガイド30が第1間隔g1をなす際に複数の電極タブ15を整列させることができ、複数の電極タブ15の整列が完了すると、1対のタブガイド30は、互いにさらに接近して前記第1間隔g1よりも小さい第2間隔g2をなすことができる。
【0042】
1対のタブガイド30が第1間隔g1をなすとき、複数の電極タブ15は、1対のタブガイド30の間に完全に固定されず、長さ方向に対して移動可能である。したがって、1対の整列ローラ40が回転すると、複数の電極タブ15は、1対のタブガイド30間の内側に押されることができる。
【0043】
1対のタブガイド30が第2間隔g2をなすとき、複数の電極タブ15は、1対のタブガイド30の間に固定されることができる。これにより、複数の電極タブ15が整列された状態で1対のタブガイド30の間に固定されることができる。
【0044】
複数の電極タブ15が1対のタブガイド30の間に固定されると、1対の整列ローラ40は、互いに遠ざかるように移動して複数の電極タブ15から離隔することができる。
【0045】
図6に示されたように、溶接部50は、1対の整列ローラ40により整列された複数の電極タブ15を溶接して被溶接部16を形成することができる。被溶接部16は、複数の電極タブ15が互いに溶接された部分であってもよい。
【0046】
溶接部50は、複数の電極タブ15が1対のタブガイド30により固定された状態で溶接を行うことができる。より詳細には、溶接部50は、1対のタブガイド30が前記第2間隔g2をなす際に複数の電極タブ15を溶接させることができる。
【0047】
例えば、溶接部50は、複数の電極タブ15を超音波溶接することができる。この場合、溶接部50は、複数の電極タブ15の一側(例えば、下側)に位置したアンビル(Anvil)と、複数の電極タブ15の他側(例えば、上側)に位置したホーン(Horn)と、を含むことができる。溶接部50は、アンビルとホーンとの間の距離が調節されるように構成されることができる。複数の電極タブ15がアンビルとホーンとの間で押された状態で、ホーンが高周波振動することができ、これにより、複数の電極タブ15が互いに溶接されることができる。
【0048】
電極組立体10を基準に、溶接部50は、1対のタブガイド30よりも遠く位置することができる。より詳細には、電極組立体10を基準に、被溶接部16は、1対のタブガイド30が複数の電極タブ15を加圧する地点よりも遠くてもよい。
【0049】
以下、本実施形態に係る溶接装置の作用について説明する。
図4に示されたように、1対のタブガイド30は、互いに接近して最外側電極タブ15aを押して複数の電極タブ15を集めることができる。この際、1対のタブガイド30は、複数の電極タブ15が完全に固定されないように相対的に弱く加圧することができる。
【0050】
その後、1対の整列ローラ40は、互いに接近して最外側電極タブ15aを押すことができ、最外側電極タブ15aが電極組立体10側に押されるように回転することができる。これにより、複数の電極タブ15は、1対のタブガイド30の間を通して電極組立体10側に押されて整列されることができる。外側に位置した電極タブ15ほど、より多く押されるため、複数の電極タブ15は、外側端部に互いに段差を発生させることができる。
【0051】
その後、図5に示されたように、1対のタブガイド30は、互いにさらに接近して複数の電極タブ15を完全に固定させることができ、1対の整列ローラ40は、最外側電極タブ15aから離隔して互いに遠ざかるように移動することができる。
【0052】
その後、図6に示されたように、溶接部50は、複数の電極タブ15を溶接して被溶接部16を形成することができる。
タブガイド30が整列された複数の電極タブ15を固定した状態で、溶接部50が複数の電極タブ15を溶接するため、電極タブ15、特に最外側電極タブ15aに対して、電極組立体10から被溶接部16までの長さL(図8参照)を長くすることができる。すなわち、電極タブ15、特に最外側電極タブ15aの長さがマージンを有することができる。
【0053】
これにより、電極組立体10の膨張や電極タブ15に加えられる外力などにより電極タブ15、特に最外側電極タブ15aが破断および断線するのを防止することができる。
【0054】
図7は、本発明の他の実施形態に係る電極タブ溶接方法のフローチャートである。
以下、前述した電極タブ溶接装置を用いた電極タブ溶接方法を本発明の他の実施形態として説明する。
【0055】
本実施形態に係る電極タブ溶接方法は、電極組立体10の複数の電極タブ15を溶接することができる。前記電極タブ溶接方法は、1対のタブガイド30が互いに接近して複数の電極タブ15を集めるステップ(S10)と、1対の整列ローラ40が1対のタブガイド30により集められた複数の電極タブ15を加圧した状態で回転し、最外側電極タブ15aを電極組立体10側に押すステップ(S20)と、溶接部50が1対の整列ローラ40により整列された複数の電極タブ15を互いに溶接させるステップ(S30)と、を含むことができる。
【0056】
複数の電極タブ15を集めるステップ(S10)時、1対のタブガイド30は、互いに接近して最外側電極タブ15aを押して複数の電極タブ15を集めることができる。
【0057】
最外側電極タブ15aを電極組立体10側に押すステップ(S20)時、1対の整列ローラ40は、互いに接近して最外側電極タブ15aを押すことができ、最外側電極タブ15aが電極組立体10側に押されるように回転することができる。
【0058】
1対の整列ローラ40が回転する際に、1対のタブガイド30は、第1間隔g1をなすことができる。第1間隔g1をなす1対のタブガイド30は、複数の電極タブ15が完全に固定されないように相対的に弱く加圧することができる。
【0059】
これにより、複数の電極タブ15は、互いの摩擦力により、1対のタブガイド30の間を通して電極組立体10側に押されて整列されることができる。外側に位置した電極タブ15ほど、より多く押されるため、複数の電極タブ15は、外側端部に互いに段差を発生させることができる。
【0060】
複数の電極タブ15を互いに溶接させるステップ(S30)時、溶接部50は、複数の電極タブ15を溶接して被溶接部16を形成することができる。
溶接部50が複数の電極タブ15を溶接する際に、1対のタブガイド30は、第1間隔g1よりも狭い第2間隔g2をなすことができる。第2間隔g2をなす1対のタブガイド30は、複数の電極タブ15を完全に固定させることができる。これにより、複数の電極タブ15は、整列が維持された状態で溶接部50により溶接されることができる。
【0061】
また、溶接部50が複数の電極タブ15を溶接する際に、1対の整列ローラ40は、複数の電極タブ15から離隔することができる。例えば、電極組立体10は、整列ローラ40が位置した第1工程位置から、溶接部50が位置した第2工程位置に移送されることができる。これにより、溶接部15は、整列ローラ40の位置に関係なく、複数の電極タブ15を溶接することができる。
【0062】
図8は、本発明のまた他の実施形態に係る電極組立体を示す図である。
以下、前述した電極タブ溶接装置または電極タブ溶接方法により溶接された複数の電極タブ15を含む電極組立体10を本発明のまた他の実施形態として説明する。
【0063】
本実施形態に係る電極組立体10は、複数のセパレータ13を間に置いて積層された複数の電極11と、前記複数の電極11に連結され、互いに溶接されて被溶接部16を形成する複数の電極タブ15と、を含むことができる。そして、複数の電極タブ15のうち両最外側電極タブ15aは、外側に凸状に曲がることができる。
【0064】
複数の電極タブ15のうち少なくとも一部は、外側に凸状に曲がって形成されることができ、外側に位置した電極タブ15ほど、より大きく曲がることができる。したがって、最外側電極タブ15aは、最も大きく曲がることができる。
【0065】
最外側電極タブ15aに対して電極11から被溶接部16までの長さLは、最外側電極タブ15aが曲げられずに引っ張られて形成された場合よりもさらに長くなることができる。これにより、電極組立体10の膨張や電極タブ15に加えられる外力などにより最外側電極タブ15aが破断および断線するのを防止することができる。
【0066】
より詳細には、最外側電極タブ15aは、電極11から延びた第1区間151と、前記第1区間151から延び、第1区間151よりも急勾配の傾斜を有する第2区間152と、を含むことができる。最外側電極タブ15aは、前記第2区間152から被溶接部16まで延び、前記第2区間152よりも緩やかな傾斜を有する第3区間153をさらに含むことができる。このような最外側電極タブ15aの構成は、最外側電極タブ15aが整列ローラ40により電極組立体10側に押されて整列された状態で溶接されることで得られる特徴である。
【0067】
第1区間151は、電極11と連結され、平らに形成されたフラット部151aと、フラット部151aと第2区間152を連結し、曲がって形成された曲がり部151bと、を含むことができる。すなわち、最外側電極タブ15aが曲がり始める地点は、フラット部151aを間に置いて電極11から所定の間隔だけ離隔することができる。これにより、最外側電極タブ15aに過度な応力集中が発生するのを防止するという利点がある。
【0068】
最外側電極タブ15aの外側端部は、他の電極タブ15の外側端部に対して内側に段差を有することができる。例えば、最外側電極タブ15の外側端部と中央電極タブの外側端部とは、所定の段差Sをなすことができる。
【0069】
ただし、複数の電極タブ15の外側端部を一致させるための切断加工などが行われてもよい。この場合、最外側電極タブ15aの外側端部と他の電極タブ15aの外側端部との間に段差が形成されなくてもよい。
【0070】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものにすぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能である。
【0071】
したがって、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。
【0072】
本発明の保護範囲は後述の特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0073】
10:電極組立体
11:電極
13:セパレータ
15:電極タブ
15a:最外側電極タブ
151:第1区間
151a:フラット部
151b:曲がり部
152:第2区間
153:第3区間
16:被溶接部
30:タブガイド
40:整列ローラ
50:溶接部
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】