(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-16
(54)【発明の名称】端子構造が改善された二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/553 20210101AFI20241209BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20241209BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20241209BHJP
H01M 50/591 20210101ALI20241209BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20241209BHJP
【FI】
H01M50/553
H01M50/55 101
H01M50/588
H01M50/591
H01M50/103
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539644
(86)(22)【出願日】2023-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 KR2023016618
(87)【国際公開番号】W WO2024090979
(87)【国際公開日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0141685
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボク、チェオン ヒー
(72)【発明者】
【氏名】スン、ジョー フワン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ダン ビ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、キョウン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ジ ス
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011DD01
5H043AA19
5H043BA11
5H043BA17
5H043CA04
5H043DA01
5H043DA08
5H043GA23
5H043GA25
5H043HA09D
5H043JA01D
5H043JA07D
5H043LA22D
(57)【要約】
開示される発明は、二次電池に関するものであって、六面体形状をなす電池ケースの上面に正極端子および負極端子が離隔配置された二次電池と、上記正極端子または負極端子が露出しないように包みながら、上記電池ケースの上面および上記上面に続く側面に結合する折曲形態の端子本体と、上記正極端子または負極端子と電気的に連結されて上記端子本体の側面に露出した延長端子とを備える端子構造体と、を含み、上記端子構造体の側面は、上記電池ケースの側面に形成された凹面内に載置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
六面体形状をなす電池ケースの上面に正極端子および負極端子が離隔配置された二次電池と、
前記正極端子または前記負極端子が露出しないように包みながら、前記電池ケースの上面および前記上面に続く側面に結合する折曲形態の端子本体と、前記正極端子または前記負極端子と電気的に連結されて前記端子本体の側面に露出した延長端子とを備える端子構造体と、を含み、
前記端子構造体の側面は、前記電池ケースの側面に形成された凹面内に載置される、二次電池。
【請求項2】
前記端子本体は絶縁性材質からなり、これにより、前記正極端子または前記負極端子は外部に対して電気的に隔離される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記凹面は、前記端子構造体の側面に対応する形状に形成され、
前記端子構造体の側面の角部は、前記凹面の段差の角部に接触して支持される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記端子構造体の側面の角部と前記凹面の角部は、ダブテール構造によって相互に結束する、請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記端子構造体の側面が前記凹面に対してスライディング結合して相互に結束する、請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記電池ケースの対向する前面と後面にはそれぞれ凹状のビーディング加工部が形成され、
前記端子構造体の上面角には、前記ビーディング加工部に挿入される突起が備えられる、請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記端子構造体の側面の角部が前記凹面の段差の角部に接触すると同時に、前記端子構造体の突起が前記ビーディング加工部に挿入され、
これにより、前記端子構造体が上記電池ケースに対して支持される、請求項6に記載の二次電池。
【請求項8】
前記端子構造体の突起が前記ビーディング加工部に対してスライディング結合して相互に結束する、請求項7に記載の二次電池。
【請求項9】
前記ビーディング加工部は、
前記電池ケースの内部に収納された電極組立体の表面を圧迫する、請求項6に記載の二次電池。
【請求項10】
前記ビーディング加工部は、
前記電池ケースの内部に収納された前記電極組立体の電極タブから離隔する位置に形成された、請求項9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記ビーディング加工部は、
前記電池ケースの内部に収納された前記電極組立体の上部を圧迫するようにキャッププレートに隣接して形成された、請求項10に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関するものであって、正極端子および/または負極端子の配置構造を容易かつ安定的に変更し得る端子構造が改善された角型二次電池に関するものである。
【0002】
本出願は、2022年10月28日付の韓国特許出願第10-2022-0141685号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池は一次電池とは異なって再充電が可能であり、また、小型および大容量化の可能性により近年多く研究開発されている。モバイル機器に対する技術開発と需要が増加し、また、環境保護の時代的要求に合わせて浮上する電気自動車とエネルギー貯蔵システムなどにより、エネルギー源としての二次電池の需要はさらに急激に増加している。
【0004】
二次電池は、電池ケースの形状に応じて、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、およびパウチ型電池に分類される。二次電池において電池ケースの内部に装着される電極組立体は、電極および分離膜の積層構造からなる充放電が可能な発電素子である。
【0005】
電極組立体は、活物質が塗布されたシート状の正極と負極との間に分離膜を介在して巻取したジェリーロール(Jellyroll)型、多数の正極と負極を分離膜が介在された状態で順次的に積層したスタック型、およびスタック型の単位セルを長い長さの分離フィルムで巻取したスタックアンドフォールディング(Stack&Folding)型に大まかに分類し得る。
【0006】
多様な種類の二次電池のうち、角型二次電池を見ると、角型二次電池は正極端子と負極端子が一面に共に配置されているか、または対向する両側面に1つずつ配置されることがほとんどである。このような正極端子と負極端子の配置は、角型二次電池を搭載する各種装置の設計仕様によって決定され、このような設計仕様に合わせて同じフォームファクターでも正極端子と負極端子の配置構造をその都度別々に設計しなければならないという手間がかかることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、角型二次電池に備えられる正極端子と負極端子の配置構造を別途の設計変更なしに容易に変更製造し得る新しい角型二次電池を提供することにその目的がある。
【0008】
また、本発明は、正極端子と負極端子の配置構造が変更された後にも安定的に変更された配置を維持し得る角型二次電池を提供することにもう一つの目的がある。
【0009】
ただし、本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に制限されず、言及されない別の課題は、下記に記載された発明の説明から通常の技術者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る二次電池は、一つの例において、六面体形状をなす電池ケースの上面に正極端子および負極端子が離隔配置された二次電池と、上記正極端子または負極端子が露出しないように包みながら、上記電池ケースの上面および上記上面に続く側面に結合する折曲形態の端子本体と、上記正極端子または負極端子と電気的に連結されて上記端子本体の側面に露出した延長端子とを備える端子構造体と、を含み、上記端子構造体の側面は、上記電池ケースの側面に形成された凹面内に載置される。
【0011】
本発明の一実施形態において、上記端子本体は絶縁性材質からなり、これにより、上記正極端子または負極端子は外部に対して電気的に隔離される。
【0012】
そして、上記凹面は、上記端子構造体の側面に対応する形状に形成され、上記端子構造体の側面の角部は、上記凹面の段差の角部に接触して支持される。
【0013】
また、上記端子構造体の側面の角部と上記凹面の角部は、ダブテール構造によって相互に結束し得る。
【0014】
これにより、上記端子構造体の側面が上記凹面に対してスライディング結合して相互に結束し得る。
【0015】
一方、本発明の他の実施形態によると、上記電池ケースの対向する前面と後面にはそれぞれ凹状のビーディング加工部が形成され、上記端子構造体の上面角には、上記ビーディング加工部に挿入される突起が備えられ得る。
【0016】
上記端子構造体の側面の角部が上記凹面の段差の角部に接触すると同時に、上記端子構造体の突起が上記ビーディング加工部に挿入され、これにより、上記端子構造体が上記電池ケースに対して支持される。
【0017】
そして、上記端子構造体の突起が上記ビーディング加工部に対してスライディング結合して相互に結束し得る。
【0018】
そして、上記ビーディング加工部は、上記電池ケースの内部に収納された電極組立体の表面を圧迫し得る。
【0019】
上記ビーディング加工部は、上記電池ケースの内部に収納された電極組立体の電極タブから離隔する位置に形成され得、例えば、上記電池ケースの内部に収納された電極組立体の上部を圧迫するようにキャッププレートに隣接して形成され得る。
【発明の効果】
【0020】
上記のような本発明の二次電池によると、簡単な構造の端子構造体を適用することにより、単方向二次電池を両方向二次電池として端子配置を容易に変更し得、また、端子構造体の支持構造が堅固になることにより、自動車運行時の振動によって電池ケースに接合された端子構造体が破損したり、溶接低下が発生したりするなどの問題が防止される。
【0021】
また、端子構造体の自由度を制限するために、電池ケースの前後面に凹状に形成されたビーディング加工部が内部に収納されている電極組立体の表面を圧迫して支持し得、これにより、電極組立体の支持構造も共に向上させることにより、二次電池の安全性を大幅に向上させ得る。
【0022】
ただし、本発明によって得ることができる技術的効果は上述した効果に制限されず、言及されない別の効果は、下記に記載された発明の説明から通常の技術者に明確に理解され得る。
【0023】
本明細書に添付される下記の図面は、本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、後述される発明の詳細な説明と共に本発明の技術思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明はそのような図面に記載された事項にのみ限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】本発明に係る二次電池と端子構造体の結合構造を示す斜視図である。
【
図3】電池ケースの凹面と端子構造体がダブテール構造により結束する実施形態を示す図面である。
【
図5】本発明の他の実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。
【
図6】
図5の実施形態に係る二次電池と端子構造体の結合構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施形態を有し得るので、特定の実施形態を以下で詳細に説明する。
【0026】
しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものとして理解され得る。
【0027】
本発明において、「含む」や「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解され得る。
【0028】
また、本発明において、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あると記載された場合、これは他の部分の「真上に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あると記載された場合、それは他の部分の「真下に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。また、本出願において「上に」配置されるということは、上部のみならず下部に配置される場合も含むものであり得る。
【0029】
本発明に係る二次電池は、六面体形状をなす電池ケースの上面に正極端子および負極端子が離隔配置された二次電池であって、上記正極端子または負極端子が露出しないように包みながら上記電池ケースの上面および上記上面に続く側面に結合する折曲形態の端子本体と、上記正極端子または負極端子と電気的に連結され、上記端子本体の側面に露出した延長端子とを備える端子構造体を含む。
【0030】
そして、上記端子構造体の側面は、上記電池ケースの側面に形成された凹面内に載置される。
【0031】
このように、端子構造体を含む本発明の二次電池は、電池ケースの上面に配置された正極端子と負極端子の位置を端子構造体を適用するのみで別途の設計変更なしに使用者の要求に合わせて自由に変更し得る。これにより、単方向二次電池を両方向二次電池に変更する設計をする必要がなくなることで、角型二次電池の生産コストを削減し得る。
【0032】
また、本発明の角型二次電池は、端子構造体が電池ケースに形成された凹面内に載置されて支持されることにより運動の自由度が制限され、これにより、自動車運行時の振動によって電池ケースに接合された端子構造体が破損したり溶接低下が発生したりするなどの問題が防止される。
【0033】
以下、添付の図面を参照して本発明の二次電池の具体的な実施形態について詳細に説明する。参考として、以下の説明で使用される相対的な位置を指定する前後や上下左右の方向は発明の理解を助けるためのものであり、特に定義がない限り図面に示された方向を基準とする。
【0034】
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る二次電池10を示す斜視図であり、
図2は、本発明に係る二次電池10と端子構造体300の結合構造を示す斜視図である。
【0035】
図1および
図2を参照すると、本発明は二次電池10、特に六面体形状をなす電池ケース100の上面に一対の端子、すなわち、正極端子122と負極端子124が離隔配置された単方向の角型二次電池10に関するものである。ここで、図面に示された角型二次電池10は一つの例示であり、横幅と縦幅、そして高さの割合は多様であり得、説明の便宜のために添付された図面を基準として前後と上下左右の方向を指すことにする。例えば、正極端子122と負極端子124が配置された電池ケース100の一面が上面であり、それに対向する反対面は底面と呼ぶ。
【0036】
本発明の二次電池10は端子構造体300を含む。端子構造体300は、電池ケース100の少なくとも一方の上面角に結合する直角に折り曲げられた折曲形状の構造物であって、端子本体310と延長端子320とを含む。
【0037】
端子本体310は、正極端子122または負極端子124が外部に露出しないように包みながら、電池ケース100の上面および上面から続く側面に結合する端子構造体300の本体を指す。図面には、正極端子122と負極端子124の両方にそれぞれ端子構造体300が結合する例が示されているが、実施形態によっては、正極端子122と負極端子124のうちいずれか一方にのみ選択的に端子構造体300が結合されることもできる。
【0038】
延長端子320は、正極端子122または負極端子124と電気的に連結されており、端子本体310の側面に延長された接続端子に該当する。すなわち、正極端子122または負極端子124は端子本体310に包まれて露出していないので、延長端子320は電池ケース100の上面ではなく側面に位置を移動した新しい正極端子または負極端子としての機能を果たすことになる。
【0039】
また、端子本体310は絶縁性材質、例えば、電気絶縁性の樹脂やゴム材質からなり、これにより、端子本体に覆われている正極端子122または負極端子124は、外部に対して電気的に隔離された非活性状態になる。すなわち、端子構造体300が接合された二次電池10は、既存の正極端子122や負極端子124はもはや接続端子としての機能を失うことになり、端子構造体300上の延長端子320が新しい正極端子または負極端子としての機能を果たすことになる。
【0040】
このように、本発明の二次電池10は、電池ケース100の上面に共に配置されている正極端子122と負極端子124の位置を端子構造体300を適用するのみで別途の設計変更なしに電極端子120の配置構造を自由に変更し得る。これにより、本発明は、同じフォームファクターの二次電池に対して端子構造体300を追加し、正極端子122および/または負極端子124の位置を容易に変更し得るので、これにより多種多様な角型二次電池の生産コストを削減し得るようになる。
【0041】
本発明の一実施形態において、正極端子122および/または負極端子124は、延長配線330を介して延長端子320と電気的に連結されるが、延長端子320につながる延長配線330は正極端子122および/または負極端子124に対して接合部340を形成しており、接合部340により延長配線330と電極端子120は機械的・電気的に堅固に連結される。例えば、接合部340は溶接で形成され得る。
【0042】
延長配線330は端子本体310の外部に露出しない。例えば、電気絶縁性樹脂材質の端子本体310内に延長配線330がインサートモールディングなどの製造技術により埋め込まれ得る。また、接合部340も外部に対して絶縁されている。接合部340に対する外部絶縁は、絶縁カバー、絶縁テープ、硬化性絶縁層のうち少なくともいずれか1つによってなされ得る。
【0043】
ここで硬化性絶縁層とは、流動性がある絶縁性樹脂が接合部340に塗布された後に硬化して形成される絶縁層を意味し、
図1および
図2には、接着層352を備えたフィルム状の絶縁テープ350が接合部340を絶縁処理する構成が示されている。
【0044】
基本的に端子構造体300は、溶接で形成される接合部340によって正極端子122と負極端子124に対して固定されるが、接合部340によって固定された端子構造体300は構造的に自由度が多いので、本発明の二次電池10に持続的に振動が加わると、端子構造体300に問題が生じ得る。例えば、本発明の二次電池10が電気自動車に適用され、持続的な振動が加わる環境に置かれることになると、電池ケース100に接合された端子構造体300が破損したり、接合部340に溶接低下が発生したりするなどの問題が発生し得る。
【0045】
本発明の二次電池10は、端子構造体300の支持構造を改善するために、電池ケース100の側面に凹面130を形成し、端子構造体300の側面が凹面130内に載置されるように構成される。
【0046】
具体的には、
図1および
図2を参照すると、電池ケース100の側面に形成された凹面130は、端子構造体300の側面に対応する形状を有している。これにより、端子構造体300の側面が凹面130内に載置されると、端子構造体300の側面の角部は凹面130の段差の角部に接触して支持される。
【0047】
このような凹面130による端子構造体300の追加的な支持構造は、図面を基準にしたときに、端子構造体300の前後方向の自由度を制限する。凹面130がない場合であれば、接合部340は端子構造体300に作用する全方向の揺動を負担しなければならないが、凹面130による自由度の制限により接合部340が負担しなければならない端子構造体300の自由度は減ることになる。これにより、接合部340に溶接低下などの問題が発生する可能性は大きく減り、電池ケース100に付着される端子構造体300の耐振動性が向上する。
【0048】
図3および
図4は、電池ケース100の凹面130と端子構造体300との間の支持構造の変形された実施形態を示している。図面を参照すると、端子構造体300の側面の角部と凹面130の角部は、ダブテール400構造によって相互に結束している。ダブテール400構造は、2つの部材の不等辺四角形の角が互いに係合し、特定の方向に抜けないように強く結束される構造を意味する。
【0049】
図3および
図4に示されたように、電池ケース100側面の凹面130は、凹面130の垂直方向断面上で底側の幅がより大きい傾斜面をなしており、それに対応して端子構造体300の側面は、相補する形状(凹面の傾斜方向と逆方向の傾斜面の形態)をなしている。これにより、端子構造体300の側面は、凹面130に対して電池ケース100の高さ方向に沿ってスライディング結合して相互に結束することになる。
【0050】
端子構造体300の側面の角部と凹面130の角部がダブテール400構造によって相互に結束することになると、端子構造体300の自由度はさらに制限される。すなわち、電池ケース100に対して端子構造体300は高さ方向の一方向にのみ自由度が制限される。これにより、接合部340が負担しなければならない荷重がさらに減少することで、端子構造体300の支持構造がさらに改善される。
【0051】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係る二次電池10を示す図面であり、図面を見ると、電池ケース100の対向する前面と後面にそれぞれ凹状のビーディング加工部140が形成されている。また、電池ケース100の前後面に形成されたビーディング加工部140に対応して、端子構造体300の上面角には、ビーディング加工部140に挿入される突起312が備えられている。
【0052】
このような第2実施形態によると、端子構造体300の側面の角部が凹面130の段差の角部に接触すると同時に、端子構造体300の上面角の突起312がビーディング加工部140に挿入される。これにより、端子構造体300が電池ケース100に対して二重に支持される。
【0053】
上述した第1実施形態のダブテール400構造と比較すると、端子構造体300の自由度が2方向に制限されるという点では共通点があり、違いはダブテール400構造とは端子構造体300の自由度を制限する方向が異なることにある。すなわち、第2実施形態では、
図6に示されたように端子構造体300の突起312がビーディング加工部140に対して電池ケース100の幅方向に沿ってスライディング結合して相互に結束することになる。これにより、ビーディング加工部140と突起312の結合によって、端子構造体300が電池ケース100の高さ方向に沿って動く自由度が制限される。その結果、第2実施形態も接合部340が負担しなければならない荷重はさらに減少し、これにより、端子構造体300の支持構造がより強固になるという点は同様である。
【0054】
ここで、電池ケース100の前後面にそれぞれ形成されたビーディング加工部140は、端子構造体300を支持する役割と共に、
図7に示されたように、電池ケース100の内部に収納された電極組立体200の表面を圧迫する手段としても機能し得る。
【0055】
ビーディング加工部140は細いライン状の凹面を形成し、電池ケース100の内側に向かって凹面をなすビーディング加工部140は、電池ケース100の内部に収納された電極組立体200の表面を圧迫する深さをなしている。
【0056】
ビーディング加工部140は細いライン状をなすので、電池ケース100の内側に凹面を形成しても角型二次電池10の容量に及ぼす影響は非常に少ない。すなわち、ビーディング加工部140は、電極組立体200および電解液などの電池ケース100の内部に収納される角型二次電池10の必須構成要素の容量または大きさなどに及ぼす影響が非常に制限的である。
【0057】
図7に示されたように、電池ケース100の前後面縁に沿って形成されたビーディング加工部140は、電極組立体200の表面に対向する両方向から圧迫する。すなわち、電池ケース100に対して隙間を有する電極組立体200は、対向する一対のビーディング加工部140によって両方向に押されて固定され、これにより、電極組立体200の支持構造が改善されることによって、使用中に電極組立体200が流動するスリップ現象が抑制される。
【0058】
その結果、電極組立体200の流動性がビーディング加工部140によって制限されることにより、スリップ現象により誘発される電気接触によるショートやタブが破れるなどの各種問題が防止され、これにより、角型二次電池10の安全性が大幅に向上する。
【0059】
そして、ビーディング加工部140は、電池ケース100の内部に収納された電極組立体200の負極210の表面を圧迫し得る。電極組立体200は、負極210が正極214よりさらに大きく形成され、負極210の表面が正極214の表面を覆っている。すなわち、負極210の表面が正極214の表面を覆って正極214を露出させない。
【0060】
電極組立体200において負極210を正極214よりさらに大きく形成することは、安全性の側面で有利である。これは、負極210と正極214の容量割合であるN/P比を考慮するものであって、黒鉛負極210を用いるリチウムイオン二次電池では、負極210の容量が正極214より大きくなければ、過充電時の負極210でのリチウム析出を防ぐことができない。
【0061】
このような点で、二次電池10の安全性を考慮して、N/P比は約1.12レベルを維持することが好ましいと言える。これにより、電極組立体200は、負極210が正極214よりさらに大きく形成され得る。また、正極活物質に比べて負極活物質の構造的安定性がより高いので、分離膜212を間に置いてビーディング加工部140によって直接圧迫される面は負極210であることが好ましいことも1つの理由である。
【0062】
図8は、角型二次電池10の前面を示した図面であり、電池ケース100の内部に収納された電極組立体200が隠線で表されている。ビーディング加工部140は負極210の表面を圧迫するが、ここで、ビーディング加工部140は、電極組立体200の電極タブ220(負極タブ222、正極タブ224)から離隔する位置に形成されている。
【0063】
ビーディング加工部140が電極組立体200の負極210の表面を圧迫するときに、負極活物質が塗布された有地部、または負極活物質が塗布されない無地部を支持し得る。もし、ビーディング加工部140が負極無地部を圧迫する場合であれば、負極無地部にノッチング加工を行って形成された負極タブ222からある程度距離を置いた下方領域を支持することが好ましい。すなわち、ビーディング加工部140が電極タブ220、特に負極タブ222を直接圧迫することにより電極タブ220に応力を作ることは、電極タブ220を傷つける恐れがあるからである。また、ビーディング加工部140は、電池ケース100の内部に収納された電極組立体200の上部を圧迫するように電池ケース100の上面をなすキャッププレート110に隣接して形成され得る。
【0064】
そして、ビーディング加工部140は、電池ケース100の前後左右縁のうち幅方向の長さが最も長い前面および後面に形成されているので、ビーディング加工部140は十分な長さを介して電極組立体200を堅固に支持し得る。また、ビーディング加工部140に対して端子構造体300の突起312が挿入されることにより端子構造体300も支持構造が改善されるので、本発明の第2実施形態はビーディング加工部140により、角型二次電池10の構造的安定性を大幅に向上させる。
【0065】
以上、図面と実施形態などによって本発明をより詳細に説明した。しかしながら、本明細書に記載された図面または実施形態などに記載された構成は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替し得る多様な均等物と変形例があり得る。
【符号の説明】
【0066】
10:二次電池
100:電池ケース
110:キャッププレート
120:電極端子
122:正極端子
124:負極端子
130:凹面
140:ビーディング加工部
200:電極組立体
210:負極
212:分離膜
214:正極
220:電極タブ
222:負極タブ
224:正極タブ
300:端子構造体
310:端子本体
312:突起
320:延長端子
330:延長配線
340:接合部
350:絶縁テープ
352:接着層
400:ダブテール
【国際調査報告】