(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-16
(54)【発明の名称】発酵酢を用いたウォーターゼリーの製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 29/20 20160101AFI20241209BHJP
A23L 29/238 20160101ALI20241209BHJP
A23L 29/256 20160101ALI20241209BHJP
A23L 29/244 20160101ALI20241209BHJP
A23L 29/30 20160101ALI20241209BHJP
【FI】
A23L29/20
A23L29/238
A23L29/256
A23L29/244
A23L29/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539708
(86)(22)【出願日】2022-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 KR2022021495
(87)【国際公開番号】W WO2023128602
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0191541
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508139664
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CJ CHEILJEDANG CORPORATION
【住所又は居所原語表記】CJ Cheiljedang Center,330,Dongho-ro,Jung-gu,Seoul,Republic Of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ヒョン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ・ジン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】スク・ヨン・リ
(72)【発明者】
【氏名】ホン・ウク・パク
(72)【発明者】
【氏名】キ・ムン・カン
(57)【要約】
本発明は、ゲル化剤、糖類及び精製水を混合してゲル化物を製造するステップ;ゲル化物に第1酸度調節剤を添加するステップ;第1酸度調節剤が添加されたゲル化物に発酵酢を添加して発酵酢混合液を製造するステップ;及び発酵酢混合液に第2酸度調節剤を添加してゼリー製造液を製造するステップ;を含む、ウォーターゼリーの製造方法及びこの製造方法により製造されたウォーターゼリーに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲル化剤、糖類及び精製水を混合してゲル化物を製造するステップ;
前記ゲル化物に第1酸度調節剤を添加するステップ;
前記第1酸度調節剤が添加されたゲル化物に発酵酢を添加して発酵酢混合液を製造するステップ;及び
前記発酵酢混合液に第2酸度調節剤を添加してゼリー製造液を製造するステップ;を含む、ウォーターゼリーの製造方法。
【請求項2】
前記ゲル化剤は、カラギナン、コンニャク及びローカストビーンガムが混合されたものである、請求項1に記載のウォーターゼリーの製造方法。
【請求項3】
前記カラギナン、コンニャク及びローカストビーンガムが0.09~0.15:0.09~0.15:0.02~0.05の重量比で混合されたものである、請求項2に記載のウォーターゼリーの製造方法。
【請求項4】
前記糖類は、砂糖、ブドウ糖、果糖、水飴、マルトデキストリン、ステビア、オリゴ糖、蜂蜜、トレハロース、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ラムニトール、イノシトール、エリスリトール、及びクエルシトールよりなる群から選択されたいずれか1つ以上である、請求項1に記載のウォーターゼリーの製造方法。
【請求項5】
前記精製水は、60から90℃の温度となるように加熱したものである、請求項1に記載のウォーターゼリーの製造方法。
【請求項6】
前記第1酸度調節剤は、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム、乳酸マグネシウム、乳酸亜鉛、酒石酸カリウム、酒石酸カルシウム、DL-酒石酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、DL-リンゴ酸ナトリウム、L-アスパラギン酸ナトリウム、L-アスパラギン酸マグネシウム、アスコルビン酸カルシウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウムよりなる群から選択されるいずれか1つ以上である、請求項1に記載のウォーターゼリーの製造方法。
【請求項7】
前記第1酸度調節剤は、ウォーターゼリーの全重量に対し0.05から0.5重量%を添加するものである、請求項1に記載のウォーターゼリーの製造方法。
【請求項8】
前記ゲル化物に第1酸度調節剤を添加するステップ以前に、甘味料及び濃縮液よりなる群から選択されるいずれか1つ以上を添加するステップをさらに含む、請求項1に記載のウォーターゼリーの製造方法。
【請求項9】
前記ゲル化物に第1酸度調節剤を添加するステップ以後に香料を添加するステップをさらに含む、請求項1に記載のウォーターゼリーの製造方法。
【請求項10】
前記発酵酢混合液に第2酸度調節剤を添加するステップにおいて、ゼリー製造液の総酸含量が0.4から0.7w/v%となるように第2酸度調節剤の添加量を調節するものである、請求項1に記載のウォーターゼリーの製造方法。
【請求項11】
前記第2酸度調節剤の添加量の調節は、
基準発酵酢を用いるときゼリー製造液の総酸含量が0.4から0.7w/v%となるようにする第2酸度調節剤の添加量を先ず計算した後、
発酵酢が基準発酵酢の総酸含量より増加された総酸含量を有する場合、基準発酵酢を用いるとき計算された第2酸度調節剤の添加量より減少された量の第2酸度調節剤を添加するものであるか、
または、発酵酢が基準発酵酢の総酸含量より減少された総酸含量を有する場合、基準発酵酢を用いるとき計算された第2酸度調節剤の添加量より増加された量の第2酸度調節剤を添加するものである、請求項10に記載のウォーターゼリーの製造方法。
【請求項12】
前記第2酸度調節剤の添加量の調節は、
前記発酵酢が基準発酵酢の総酸含量を基準として14.3%から21.4%増加された総酸含量を有する場合、前記基準発酵酢の総酸含量であるとき添加するものとして計算された第2酸度調節剤の添加量に対し45%から55%の減少された量の第2酸度調節剤を添加するか、
前記発酵酢が基準発酵酢の総酸含量を基準として22%から28.5%増加された総酸含量を有する場合、前記基準発酵酢の総酸含量であるとき添加するものとして計算された第2酸度調節剤の添加量に対し5%から15%の減少された量の第2酸度調節剤を添加するものである、請求項11に記載のウォーターゼリーの製造方法。
【請求項13】
前記第2酸度調節剤は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、レモン汁及びビタミンCよりなる群から選択されるいずれか1つ以上である、請求項1に記載のウォーターゼリーの製造方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の製造方法で製造された、ウォーターゼリー。
【請求項15】
前記ウォーターゼリーは、硬度が0.5Nから3Nである、請求項14に記載のウォーターゼリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ウォーターゼリーの製造方法及びこれにより製造されたウォーターゼリーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ゼリーは、水に水和された増粘多糖類や高分子タンパク質に糖類を含んだ酸味料、濃縮液、香料などを配合して製造され、その種類としては、グミゼリー(gummy jelly)、ウォーターゼリー(water jelly)などがある。グミゼリーは、液状状態のゼリー混合物を固めて作る製剤であって高い弾性を有することを特徴とする一方、ウォーターゼリーは、グミゼリーと同一の増粘多糖類を添加して製造しても相対的に添加される水の量が多いため、物性が軟らかく、液状飲料とグミゼリーの中間形態であるといえる。ウォーターゼリーは、外部の物理的な衝撃によりゼリー組織が容易に崩れ得る特徴を有しており、ゲル強度を高めるために増粘多糖類の量を増やしたり相対的に物量を減らした場合、包装方法により摂取が不可能となり得るので、増粘多糖類の量が非常に重要な剤形であるといえる。
【0003】
一方、酢は、糖類や澱粉質が豊かな穀類、果実類及び酒類などを主原料として微生物で発酵させて製造したものであって、製造方法により発酵酢(醸造酢)及び合成酢に区分される。発酵酢は、果実、穀物酒粕、果実酒、果実搾汁液、穀物酒、穀物糖化液、酒精または糖類などを原料として酢酸発酵して得た発酵液と果実搾汁液または穀物糖化液を混合して熟成させて製造したものであり、合成酢は、氷酢酸または酢酸を水に希釈して製造したものである。発酵酢は、発酵に用いられる原料及び発酵方法などにより品質が変わるため、合成酢のように酸度を正確に合わせることができないので、総酸含量の規格範囲が合成酢より広い。また、発酵酢は、血中コレステロールの数値を下げて過酸化脂質を除去するため、肥満防止作用だけではなく、高血圧、動脈硬化、高脂血症などの症状を改善するという効果を有するので、これを直接摂取したり多様な食品に添加して摂取しようとする試みが活発に行われている。
【0004】
ところが、発酵酢は、総酸含量(酸度)範囲のばらつきが大きいため、総酸含量により物性が変わるゲル化食品の原料として用いるのが難しいという問題点があった。特に、ウォーターゼリーの場合、総酸含量の規格が一定でない発酵酢を添加する場合、総酸含量が変更され、持続的に加熱されてゲル組織が解けることがあるため、製造時間が長くなり、一定の品質を有するウォーターゼリーを製造するのに困難がある。したがって、発酵酢を用いて一定の品質を有するウォーターゼリーを効率的に製造する方法の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2018-0121807号公報(2018.11.09)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願は、発酵酢を添加してもゲル組織が解けず一定の品質を有するウォーターゼリーの製造方法及び前記製造方法に製造されたウォーターゼリーの提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本出願の一側面は、ゲル化剤、糖類及び精製水を混合してゲル化物を製造するステップ;前記ゲル化物に第1酸度調節剤を添加するステップ;前記第1酸度調節剤が添加されたゲル化物に発酵酢を添加して発酵酢混合液を製造するステップ;及び前記発酵酢混合液に第2酸度調節剤を添加してゼリー製造液を製造するステップ;を含むウォーターゼリーの製造方法を提供する。
【0008】
また、本出願の他の側面は、前記製造方法で製造したウォーターゼリーを提供する。
【0009】
以下、本出願を具体的に説明する。
【0010】
本出願の一側面は、ウォーターゼリーの製造方法を提供する。
【0011】
本出願の前記方法は、ゲル化剤、糖類及び精製水を混合してゲル化物を製造するステップを含む。
【0012】
前記ゲル化剤は、ゲルを形成する能力がある物質を意味し、流動性を固定して形を整えたり食感を改善するために食品の製造などに広く用いられる。前記ゲル化剤は、寒天、カラギナン、コンニャク、ジェランガム、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、タラガム、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸及びペクチンよりなる群から選択されるいずれか1つ以上であってよく、具体的には、カラギナン、コンニャク及びローカストビーンガムの混合物であってよいが、これに制限されるものではない。
【0013】
本出願の具体的な実施例では、ゲル化剤として、カラギナン、コンニャク及びローカストビーンガムの混合ゲル化剤を用いたときに、弾力性があり硬くないため、喉ごしが良いゲルが形成されることを確認した。
【0014】
前記カラギナン、コンニャク及びローカストビーンガムは、0.09~0.15:0.09~0.15:0.02~0.05の重量比で混合されたものであってよい。前記範囲でゲル化剤を混合して用いる場合、ゲルの形成能がよく、ウォーターゼリーに適した喉ごしが良いゲルが形成され得る。
【0015】
前記糖類は、食品に用いられるものであれば、その種類が制限されず、例えば、砂糖、果糖、麦芽糖、ブドウ糖、水飴、オリゴ糖、ハチミツ、トレハロース、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ラムニトール、イノシトール、エリスリトール、及びクエルシトールなどを用いることができる。
【0016】
前記ゲル化剤と糖類は、ゲル化剤の種類ごとにそれぞれ糖類を添加して溶解させたそれぞれの溶解物を精製水に混合して用いることができる。例えば、ゲル化剤として、カラギナン、コンニャク及びローカストビーンガムを用いる場合、カラギナンと糖類を混合し、コンニャクと糖類を混合し、ローカストビーンガムと糖類を混合して溶解させたそれぞれのゲル化剤と糖類の溶解物を精製水と混合することができる。これを介してゲル化剤同士互いに凝集して塊になることが防止され、精製水に投入後、早い時間内に溶解度を高めることができる。
【0017】
前記精製水は、60℃から90℃、70℃から85℃、75℃から85℃、または80℃から85℃の温度で加熱した精製水を用いることができる。前記温度範囲で精製水を加熱して用いる場合、ゲル化が急激に進められることを防止することにより、ゲル化剤と糖類が精製水と均一に混合されて完全に溶解され、ゲル化剤の溶解時間が短縮され得る。
【0018】
前記精製水に前記ゲル化剤と糖類の溶解物を混合してゲル化物を製造するとき、甘味を調節するために糖類を3~10重量%さらに添加することができる。
【0019】
本出願のウォーターゼリーの製造方法は、前記ゲル化物に第1酸度調節剤を添加するステップを含む。
【0020】
前記第1酸度調節剤は、前記ゲル化物の総酸含量(酸度)を高めるために用いられる。前記第1酸度調節剤は、有機酸塩、またはリン酸塩などであってよく、例えば、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム、乳酸マグネシウム、乳酸亜鉛、酒石酸カリウム、酒石酸カルシウム、DL-酒石酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、DL-リンゴ酸ナトリウム、L-アスパラギン酸ナトリウム、L-アスパラギン酸マグネシウム、アスコルビン酸カルシウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウムよりなる群から選択されるいずれか1つ以上であってよい。
【0021】
前記第1酸度調節剤を発酵酢の投入前に添加する場合、ゲル化物の総酸含量が高くなるため、その後、発酵酢などを添加するときにゲル組織が壊れず維持され得る。
【0022】
前記第1酸度調節剤の添加量は、ウォーターゼリーの全重量に対し0.05から0.5重量%、0.05から0.3重量%、0.05から0.2重量%、0.1から0.3重量%、0.1から0.2重量%、または0.1から0.15重量%であってよい。
【0023】
本出願のウォーターゼリーの製造方法は、前記ゲル化物に第1酸度調節剤を添加するステップ以前に、甘味料及び濃縮液よりなる群から選択されるいずれか1つ以上を添加するステップをさらに含むことができる。
【0024】
前記甘味料は、ウォーターゼリーに甘さを付与するために用い、例えば、マルトデキストリン、ステビア、スクラロース、トレハロース、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ラムニトール、イノシトール、エリスリトール及びクエルシトールよりなる群から選択された1つ以上で構成されてよい。前記甘味料の添加量は、ウォーターゼリーの全重量に対し0.05から20重量%であってよい。
【0025】
前記濃縮液は、ウォーターゼリーに多様な味を付与するために用いられ、リンゴ、レモン、ザクロ、パイナップル、カラマンシー、オレンジ、ミカン、マンゴー、グレープフルーツ、桃などの果物濃縮液を用いることができる。前記濃縮液は、ウォーターゼリーの全重量に対し0.1から10重量%、0.1から7重量%、1から5重量%、または2から3重量%を添加することができる。前記範囲で濃縮液を添加する場合、ウォーターゼリーの味が豊かになり、ゲル組織が崩れないことがある。
【0026】
本出願のウォーターゼリーの製造方法は、前記ゲル化物に第1酸度調節剤を添加するステップ以後に香料を添加するステップをさらに含むことができる。
【0027】
前記香料は、ウォーターゼリーの風味を増進させるために用いられる。前記香料は、天然香料、合成香料などを用いることができ、例えば、リンゴ、レモン、ザクロ、パイナップル、カラマンシー、オレンジ、ミカン、マンゴー、グレープフルーツ、桃などの果物の香りを用いることができる。
【0028】
前記香料は、ウォーターゼリーの全重量に対し0.05から0.5重量%、0.1から0.4重量%、0.25から0.35重量%で添加することができる。
【0029】
本出願のウォーターゼリーの製造方法は、前記第1酸度調節剤が添加されたゲル化物に発酵酢を添加して発酵酢混合液を製造するステップを含む。
【0030】
前記発酵酢は、ウォーターゼリーに機能性を付与するために用いられ、発酵酢には、一般の酢に比べて、リンゴ酸(malic acid)、1-ヘキサノール(1-hexanol)、リシン(lysine)、乳酸(lactic acid)などの多様な有機酸、アルコール、アミノ酸などが高含量で含まれている。
【0031】
前記発酵酢の総酸含量は、7w/v%~9w/v%であってよく、具体的には、7w/v%、7.1w/v%、7.2w/v%、7.3w/v%、7.4w/v%よりなる群から選択されるいずれか1つの下限;及び9w/v%、8.9w/v%、8.8w/v%、8.7w/v%、8.6w/v%、8.5w/v%、8.4w/v%、8.3w/v%、8.2w/v%、8.1w/v%、8w/v%、7.8w/v%、7.6w/v%、7.5w/v%よりなる群から選択されるいずれか1つの上限からなる総酸含量の範囲であってよく、より具体的には、7w/v%~9w/v%、7.1w/v%~8.9w/v%、7.2w/v%~8.8w/v%、7.3w/v%~8.7w/v%、7.4w/v%~8.7w/v%、または7.5w/v%~8.7w/v%であってよい。
【0032】
前記発酵酢のpHの範囲は、pH2~pH4であってよく、具体的には、pH2、pH2.1、pH2.2、pH2.3、pH2.4、及びpH2.5よりなる群から選択されるいずれか1つの下限;及びpH4、pH3.9、pH3.8、pH3.7、pH3.6、pH3.5、pH3.4、pH3.3、pH3.2、pH3.1、pH3、pH2.9、及びpH2.8よりなる群から選択されるいずれか1つの上限からなるpH範囲であってよく、より具体的には、pH2~pH4、pH2.1~pH3.9、pH2.2~pH3.8、pH2.3~pH3.7、pH2.4~pH3.6、pH2.4~pH3.5、pH2.4~pH3.4、pH2.4~pH3.3、またはpH2.4~pH3.2であってよい。
【0033】
本出願において、第1酸度調節剤、発酵酢、第2酸度調節剤、ゼリー製造液などを説明しながら用いられる用語「総酸」は、前記物質に含まれている酸性成分全てを称する意味として用いられ、前記総酸の含量は「総酸含量」または「酸度」と同一の意味で混用されてよく、前記総酸含量の単位は「w/v%」で表す。
【0034】
前記発酵酢は、通常、果実、穀物酒粕、果実酒、果実搾汁液、穀物酒、穀物糖化液、酒精または糖類などを酢酸(acetic acid)発酵して得た発酵液と果実搾汁液または穀物糖化液を混合して熟成させて製造した醸造酢を意味し、合成酢と異なり総酸含量を規格化し難いことを特徴とする。前記発酵酢は、例えば、リンゴ、レモン、ザクロ、パイナップル、カラマンシー、オレンジ、ミカン、マンゴー、グレープフルーツ、桃などの果物を発酵して得た果物発酵酢を用いることができる。
【0035】
前記発酵酢の添加量は、ウォーターゼリーの全重量に対し1から10重量%であってよい。具体的に、発酵酢の添加量の下限値は、1重量%、1.5重量%、2重量%、2.5重量%、3重量%、3.5重量%、または4重量%であってよく、発酵酢の添加量の上限値は、10重量%、9重量%、8.5重量%、8重量%、7.5重量%、7重量%、6.5重量%、6重量%、5.5重量%、または5重量%であってよい。また、発酵酢の添加量は、前記記載された含量の下限値から選択された1つと上限値から選択された1つの数値を組み合わせた範囲であってよく、例えば、1から10重量%、2から8重量%、3から6重量%、4から7重量%、または4から5.5重量%などであってよい。発酵酢を前記含量で添加することにより、製造の過程でゲル組織が崩れることを防止しながらウォーターゼリーに機能性を十分に付与することができる。
【0036】
本出願のウォーターゼリーの製造方法は、前記発酵酢混合液に第2酸度調節剤を添加してゼリー製造液を製造するステップを含む。
【0037】
前記第2酸度調節剤は、ウォーターゼリーにさっぱりした味を付与するだけでなく、前記発酵酢混合液の総酸含量(酸度)を調節するために用いられる。第2酸度調節剤は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、レモン汁及びビタミンCよりなる群から選択されるいずれか1つ以上を用いることができる。
【0038】
前記発酵酢混合液に第2酸度調節剤を添加するステップにおいて、ゼリー製造液の総酸含量(酸度)が0.4w/v%から0.7w/v%となるように第2酸度調節剤の添加量を調節することができる。
【0039】
前記ゼリー製造液の酸度が0.4w/v%から0.7w/v%であるとき、弾力性があり喉ごしが良いゼリーを形成することができる。
【0040】
一具現例において、前記ゼリー製造液の総酸含量(酸度)の調節は、次のような方式で行うことができる。
【0041】
先ず、基準発酵酢を用いるとき、ゼリー製造液の総酸含量が0.4w/v%から0.7w/v%となるようにする第2酸度調節剤の添加量を先ず計算した後、
用いる発酵酢が前記基準発酵酢の総酸含量より増加された総酸含量を有する場合、前記基準発酵酢を用いるとき計算された第2酸度調節剤の添加量より減少された量の第2酸度調節剤を添加することができ、
または、用いる発酵酢が前記基準発酵酢の総酸含量より減少された総酸含量を有する場合、前記基準発酵酢を用いるとき計算された第2酸度調節剤の添加量より増加された量の第2酸度調節剤を添加することができる。
【0042】
前記基準発酵酢は、特定の総酸含量を有する発酵酢であってよく、例えば、総酸含量が7.0w/v%である発酵酢であってよい。
【0043】
前記説明された、基準発酵酢を用いるとき計算された第2酸度調節剤の添加量より減少された、または増加された第2酸度調節剤の量は計算により算出されてよい。
【0044】
具体的には、総酸含量7.0w/v%である基準発酵酢を用いるとき、ゼリー製造液の総酸含量が0.4から0.7w/v%となるようにする第2酸度調節剤の添加量を先ず計算した後、用いる発酵酢が基準発酵酢の総酸含量より14.3%から21.4%増加された総酸含量を有する場合、前記基準発酵酢を用いるとき計算された第2酸度調節剤の添加量に対し45%から55%の減少された量の第2酸度調節剤を添加することができる。より具体的には、用いる発酵酢が基準発酵酢の総酸含量より15.7%から20%増加された総酸含量を有する場合、または17.1%から18.6%増加された総酸含量を有する場合、前記基準発酵酢を用いるとき計算された第2酸度調節剤の添加量に対しそれぞれ45%から55%の減少された量の第2酸度調節剤を添加することができる。
【0045】
また、総酸含量7.0w/v%である基準発酵酢を用いるとき、ゼリー製造液の総酸含量が0.4から0.7w/v%となるようにする第2酸度調節剤の添加量を先ず計算した後、用いる発酵酢が基準発酵酢の総酸含量より22%から28.5%増加された総酸含量を有する場合、前記基準発酵酢を用いるとき計算された第2酸度調節剤の添加量に対し5%から15%の減少された量の第2酸度調節剤を添加することができる。より具体的には、用いる発酵酢が基準発酵酢の総酸含量より22.8%から27.2%増加された総酸含量を有する場合、または24.2%から25.7%増加された総酸含量を有する場合、前記基準発酵酢を用いるとき計算された第2酸度調節剤の添加量に対しそれぞれ5%から15%の減少された量の第2酸度調節剤を添加することができる。
【0046】
本出願の具体的な一実施形態において、発酵酢の総酸含量が7.0w/v%であるとき、ゼリー製造液の総酸含量が0.4w/v%から0.7w/v%となるようにする第2酸度調節剤のクエン酸の好ましい添加量は、ゼリー製造液(ウォーターゼリー)に対し0.03重量%と計算された。その後、総酸含量8.4w/v%である発酵酢を用いてウォーターゼリーを製造し、このとき、0.03重量%の50%に該当する0.015重量%の減少された量のクエン酸を添加した結果、ゲルが形成されることを確認し、ウォーターゼリー製造直後から120分経過するときまで形成されたゲルが崩れずに維持されることを確認した(実施例2の表5及び表7参照)。
【0047】
前記第2酸度調節剤をウォーターゼリーの製造工程中の最後のステップに添加することにより、製造過程中にゲル組織が崩れることを防止することができ、一定の品質を有するウォーターゼリーを製造することができる。
【0048】
本出願のウォーターゼリーの製造方法は、第2酸度調節剤を添加して製造されたゼリー製造液でウォーターゼリーを製造した後、これを殺菌して包装材に充填した後に冷却するステップをさらに含むことができる。
【0049】
前記殺菌は、これに制限されるものではないが、100℃以下の温度で加熱する低温殺菌法を用いることができ、具体的には、90から100℃の温度で30秒以上熱処理して行うことができる。
【0050】
前記ウォーターゼリーは、包装材に充填後、微生物の安全性を確保するために70から95℃の熱水で約10分から30分間の後殺菌を行った後、10から20℃の冷却水で冷却して製造することができる。
【0051】
前記熱水と冷却水を供給する方式は、これに制限されるものではないが、シャワー(shower)方式で供給することであってよい。熱水と冷却水がシャワー方式で供給されると、ゼリーが液状内で分散された状態で固まり、スパウトパウチを介した摂取が容易となり得る。
【0052】
本出願の他の側面は、前述したウォーターゼリーの製造方法で製造されたウォーターゼリーを提供する。
【0053】
本出願のウォーターゼリーにおいて、前記ゲル化剤、糖類、第1酸度調節剤、発酵酢、第2酸度調節剤、ゼリー製造液などに関しては、前述した内容が同一に適用されてよい。
【0054】
前記ウォーターゼリーは、硬度が0.5から3N、0.5から2.5N、0.5から2N、または0.5から1.5Nであってよい。
【0055】
前記硬度(Hardness)は、噛むときの硬さを示すものであって、ウォーターゼリーの硬度が前記範囲である場合、咀嚼性と喉ごしが良い柔らかい食感を具現することができる。
【発明の効果】
【0056】
本出願のウォーターゼリーの製造方法によると、製造過程の間、ゲル組織が崩れないので工程の便宜性が提供され、総酸含量が一定しない発酵酢を用いたとしても最終ウォーターゼリーの品質を一定に維持することができ、酢臭は減少して喉ごしが良いウォーターゼリー製品を提供することができる。
【0057】
但し、本発明の効果は、前記で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。但し、下記実施例は、本発明を具体的に例示するものであり、本発明の内容が下記実施例により限定されない。
【0059】
[実施例1]:発酵酢を用いたウォーターゼリーの製造
1-1.発酵酢の準備
本出願の発酵酢は、発酵原料と工程により品質が異なる酢であって、下記[表1]及び[表2]に示したように、総酸含量が一定しないザクロ発酵酢(第一製糖、韓国)とリンゴ発酵酢(第一製糖、韓国)を実験に用いた。
【0060】
【0061】
【0062】
1-2.ウォーターゼリーの製造方法
カラギナン(CP KELCO、デンマーク)0.09~0.15重量%と砂糖(第一製糖、韓国)1~2重量%となるように重さを測定した後に混合し、コンニャク(Hubei yizhi、中国)0.09~0.15重量%と砂糖1~2重量%となるように重さを測定した後に混合し、ローカストビーンガム(TATE&LYLE ITALIA SPA、イタリア)0.02~0.05重量%と砂糖1~2重量%となるように重さを測定した後に混合した。前記3個のゲル化剤及び砂糖の混合物を約80~85℃で加熱した精製水に投入して撹拌した。ゲル化剤及び砂糖の混合物に砂糖3~10重量%をさらに投入し、15分以上撹拌して完全に溶解(水和)されたことを確認した。エリストール(ZIBO ZHONGSHI GREEN BIOTECH CO,LTD.中国)3~10重量%、難消化性マルトデキストリン(デサン株式会社、韓国)8~9重量%をさらに投入した後、ステビア抽出物(Shandong Haigen Biotechnology、中国)0.02~0.025重量%を水に溶かして投入した。果物濃縮液(Gan shumel food、イスラエル)2~3重量%を投入した。次に、第1酸度調節剤としてクエン酸三ナトリウム(Weifang、中国)0.10~0.15重量%を投入した。ここに果物香(MSC、韓国)0.25~0.35重量%を投入した後、果物発酵酢(第一製糖、韓国)4~5.5重量%を投入して発酵酢混合液を製造した。このとき、果物発酵酢を投入する前にその総酸含量を測定し、発酵酢の総酸含量による後続の第2酸度調節剤(クエン酸)の投入量を計算した。
【0063】
総酸含量(w/v%)の測定方法=[0.1N NaOH消費量(mL)×0.064]/[試料採取量(mL)]
前記方法で製造された発酵酢混合液の糖度及び総酸含量を測定して記録した。次いで、第2酸度調節剤としてクエン酸(RZBC、中国)の添加量は、前記測定された発酵酢の総酸含量を勘案してゼリー製造液(ウォーターゼリー完成品)の総酸含量の範囲を0.4~0.7w/v%に合わせる添加量を計算した後、計算された添加量の第2酸度調節剤クエン酸を発酵酢混合液に添加し、撹拌してウォーターゼリーを製造した。
【0064】
前記で製造されたウォーターゼリーを90~100℃で30秒以上、H.T.S.T殺菌を実施した後、スパウトパウチに充填した。充填後、90~95℃の熱水でウォーターゼリー製品を後殺菌した後、10~20℃の冷却水で冷却した。このとき、熱水と冷却水は、シャワーリング(showering)方式で吐出されるようにした。
【0065】
[比較例1]:発酵酢を用いたウォーターゼリーの製造
比較例1のウォーターゼリーは、発酵酢、酸度調節剤及び香の投入手順を下記[表3]のように異ならせたこと以外には、実施例1と同一の方法で製造した。
【0066】
【0067】
[比較例2-1から2-6]:発酵酢を用いたウォーターゼリーの製造
発酵酢を用いてもゲル化が解けず一定の品質を有するウォーターゼリーを開発するために、ゲル化剤の種類がウォーターゼリーの物性に及ぼす影響を判断するための実験を実施した。具体的には、カラギナン、コンニャク及びローカストビーンガムを単独で用いたり、多様に組み合わせてウォーターゼリーを製造した。
【0068】
【0069】
[実施例2]:第2酸度調節剤の添加量によるゲル形成可否の確認
総酸含量が一定しない発酵酢を用いて同一の品質のウォーターゼリーを製造するために、発酵酢の総酸含量に応じて酸度調節剤の添加量を異にしてゲル形成の可否を確認する実験を進めた。
【0070】
具体的には、発酵酢の広い総酸含量の範囲を区間に分け、当該区間の発酵酢を第1酸度調節剤が添加されたゲル化物に投与したときに製造されるゼリー完成品(ゼリー製造液)の総酸含量が0.4~0.7w/v%となるように第2酸度調節剤(クエン酸)の添加量を区間別に算出した(表5)。算出した第2酸度調節剤(クエン酸)の添加量の実効性を確認するために、区間別の総酸含量の範囲の発酵酢を添加してゼリー製造液を配合した後、待機時間の間、ゲル形成が持続されるのかを確認した。
【0071】
ゲル形成持続の確認方法は、次のとおりである。前記実施例1のウォーターゼリー製造方法でゼリー製造液を配合した後、ゼリー製造液の温度が62~70℃を維持するように加温しながら静置させる。静置後、30分経過、60分経過、90分経過、120分経過時のゼリー製造液を取って殺菌→充填→後殺菌→冷却の過程を経てウォーターゼリーに固める。クエン酸の添加量別、製造液の静置時間別にウォーターゼリーの物性を確認したときのゲル形成の可否を下記表6、表7、及び表8にそれぞれ示した。各発酵酢の総酸含量の範囲で表5での算出された第2酸度調節剤(クエン酸)の添加量の場合にのみ120分までゲル形成が持続されることを確認した。
【0072】
<基準>
【0073】
【0074】
<総酸含量8.9w/v%発酵酢使用時のゲル形成の可否>
【0075】
【0076】
<総酸含量8.4w/v%発酵酢使用時のゲル形成の可否>
【0077】
【0078】
<総酸含量7.9w/v%発酵酢使用時のゲル形成の可否>
【0079】
【0080】
[実験例1]:ウォーターゼリーの官能評価の結果
前記実施例1及び比較例1で製造したウォーターゼリーに対し5名のパネルが官能評価を介して物性、酢臭、嗜好度の評価を実施し、評価の指標は、非常に良い5点、普通3点、非常に悪い1点とした。
【0081】
具体的に、物性は、ウォーターゼリーの生産直後及び熟成後に試食して舌で感じられるものと喉ごしの程度を物性点数で表現した。本出願のウォーターゼリーの製造工程によると、1トンを生産するのに約2時間が所要されるので、2時間の間一定の品質が維持されなければならない。したがって、初品は生産直後から生産40分後までのウォーターゼリー製品、中品は生産後41分から80分までのウォーターゼリー製品、末品は生産後81分から120分までのウォーターゼリー製品に分けて評価した。酢臭は、ウォーターゼリーの製造直後及び熟成後に試食したとき、ツンとする酢特有の香味に対する嗜好度を測定した。全般的な嗜好度は、ウォーターゼリーの製造直後及び熟成後に試食したときの全般的な嗜好度に対して評価した。官能評価の結果を[表9]に示した。
【0082】
【0083】
前記表9によると、ゼリーの物性は全体的に生産時間が経つほど弱くなる傾向があった。しかし、実施例1は、初品、中品、末品の物性が比較的に一定に維持されたが、比較例1は、末品になるほどゲルの物性が急激に弱くなることを確認した。また、酢臭嗜好度、全般的な嗜好度は、実施例1がさらに良いものと確認された。これを介し、実施例1の製造工程の順序(香の投入->酢の投入->第2酸度調節剤の投入の順)とおりに製造したウォーターゼリーが、ゲルの品質が一定に維持され、酢特有の香味が改善され、全般的な嗜好度が高くなることが分かる。
【0084】
[実験例2]:ゲル化剤の種類と添加量によるウォーターゼリーの物性の確認
実施例1及び比較例2-1から2-6で製造したウォーターゼリーのゲル形成の可否は目視で観察し、物性は5名のパネルが官能評価を介して実施した。
【0085】
【0086】
その結果、[表10]に示されたように、ローカストビーンガムを単独で用いたり、コンニャクとローカストビーンガムを用いた場合にはゲルが形成されず、カラギナンとコンニャクを単独で用いたゼリーは、ゲルが形成されるが、形成されたゲルの弾力性が低いという評価があった。また、カラギナンとコンニャクを用いたゼリーは、硬いゲルが形成されて喉ごしが容易でなく、カラギナンとローカストビーンガムを用いたゼリーは、ゲルが形成されるが、ジューシー(juicy)な物性で弾力性のあるゲルが形成されなかった。一方、カラギナン、ローカストビーンガム及びコンニャクを用いて製造したゼリーは、ゲルが容易に形成され、コシが強い弾力性と喉ごしが容易なゲルが形成されることを確認した。
【0087】
[実験例3]:ウォーターゼリーの硬度の確認
3-1.カップ型ゼリーとの硬度の比較
前記実施例1で製造したウォーターゼリーと市中で販売するカップ型ゼリー(CJ第一製糖プチッチェル桃90g)をそれぞれ、上段直径80mm、下段直径80mm、高さ40mmの円型カップに充填及び冷却して準備した。果肉がない部位のゼリーのみを横(10mm)、縦(10mm)、高さ(10mm)の立方体に切断して検体として用い、Texture Analyzer(TA XT plus(Stable micro systems、イギリス))で硬度(Hardness)を測定した。検体1品目当たり3個の検体を準備し、下記[表11]のような条件で測定した。
【0088】
前記物性分析機は、人が口で初めに咀嚼する際にかかる力を真似て分析することができる。物性分析機のプローブ(cylinder metal probe)は、調節された距離から調節された速度で垂直に食品サンプルに降りて食品が崩れる瞬間の力を測定する。力を知覚する装置と変換器は、測定サンプルに適用された力を認知してそのデータ(力値、作動時間、プローブ移動距離)をコンピューターに送る。
【0089】
【0090】
【0091】
TA結果からも確認できるとおり、ウォーターゼリーの硬度は、カップ型ゼリーに比べて約3.7倍弱いので、スパウトパウチで容易に飲食することができる物性であることが分かる。
【0092】
3-2.グミ型ゼリーとの硬度の比較
前記実施例1で製造したウォーターゼリーと市中で販売するグミ型ゼリー(ロッテ製果ジェリーシャス青ブドウ)をそれぞれ同一の高さ(12mm)に切断して検体として用い、Texture Analyzer(TA XT plusテクスチャー分析機(Stable micro systems))で硬度(Hardness)を測定した。検体1品目当たり3個の検体を準備し、下記[表13]のような条件で測定した。
【0093】
【0094】
【0095】
グミ型ゼリーに比べてウォーターゼリーの硬度は非常に弱く、スパウトパウチで容易に飲食することができる物性であることが分かる。
【0096】
前記では、本発明の好ましい実施形態を例示的に説明したが、本発明の範囲は前記のような特定の製造例だけに限定されず、当該分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の特許請求の範囲に記載された範疇内で適宜変更が可能であろう。
【国際調査報告】