(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/858 20230101AFI20241210BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20241210BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20241210BHJP
H10K 59/95 20230101ALI20241210BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241210BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H10K50/858
H10K59/35
H10K59/122
H10K59/95
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09F9/302 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570270
(86)(22)【出願日】2023-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 CN2023103910
(87)【国際公開番号】W WO2024103761
(87)【国際公開日】2024-05-23
(31)【優先権主張番号】202211425569.3
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 佳佳
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC37
3K107DD89
3K107EE29
3K107FF15
5C094AA12
5C094BA29
5C094CA20
5C094ED01
5C094FA01
5C094JA08
5C094JA09
(57)【要約】
積層配置された発光層と光学機能層とを備え、光学機能層が、第1マイクロレンズ構造と第2マイクロレンズ構造とを含み、発光層が、第1発光サブ画素と第2発光サブ画素とを含み、第1マイクロレンズ構造と第1発光サブ画素の中心点が第1方向において第1間隔を有し、第2マイクロレンズ構造と第2発光サブ画素の中心点が第2方向において第2間隔を有し、第1方向と第2方向とが異なる、表示パネル及び表示装置を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の一方側に設けられており、複数の発光サブ画素を含む発光層と、
前記発光層の前記基板から離れた側に設けられており、前記発光サブ画素と1対1で対応して設けられた複数のマイクロレンズ構造を含む光学機能層と、を備え、
複数の前記マイクロレンズ構造が、第1マイクロレンズ構造と第2マイクロレンズ構造とからなる、周期的に配列された複数の繰り返しユニットを含み、複数の前記発光サブ画素が、前記第1マイクロレンズ構造に対応する第1発光サブ画素と、前記第2マイクロレンズ構造に対応する第2発光サブ画素とを含み、
前記第1マイクロレンズ構造の中心点と前記第1発光サブ画素の中心点とが第1方向において第1間隔を有し、前記第2マイクロレンズ構造の中心点と前記第2発光サブ画素の中心点とが第2方向において第2間隔を有し、前記第1方向と前記第2方向とが異なる、
表示パネル。
【請求項2】
前記第1方向と前記第2方向とは反対の方向であり、
前記第1間隔と前記第2間隔とは同じである、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記繰り返しユニットは、第3マイクロレンズ構造をさらに含み、複数の前記発光サブ画素は、前記第3マイクロレンズ構造に対応する第3発光サブ画素をさらに含み、
前記第3マイクロレンズ構造の中心点と前記第3発光サブ画素の中心点とは第3方向において第3間隔を有し、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向は、いずれも異なる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向は、この順で120°ごとに設けられており、
前記第1間隔、前記第2間隔、前記第3間隔は、いずれも同じである、請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記繰り返しユニットは、第4マイクロレンズ構造をさらに含み、複数の前記発光サブ画素は、前記第4マイクロレンズ構造に対応する第4発光サブ画素をさらに含み、
前記第4マイクロレンズ構造の中心点と前記第4発光サブ画素の中心点とは第4方向において第4間隔を有し、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向、前記第4方向は、いずれも異なる、請求項3に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向、前記第4方向は、この順で90°ごとに設けられており、
前記第1間隔、前記第2間隔、前記第3間隔、前記第4間隔は、いずれも同じである、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記マイクロレンズ構造の形状と、対応する前記発光サブ画素の形状とは同じであり、前記マイクロレンズ構造のサイズと、対応する前記発光サブ画素のサイズとは同じである、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1間隔、前記第2間隔は、5μm以下である、請求項7に記載の表示パネル。
【請求項9】
複数の前記発光サブ画素は、複数の赤色発光サブ画素、複数の緑色発光サブ画素、及び、複数の青色発光サブ画素を含み、前記赤色発光サブ画素に対応する前記第1間隔、前記緑色発光サブ画素に対応する前記第1間隔、前記青色発光サブ画素に対応する前記第1間隔は、いずれも等しい、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
複数の前記発光サブ画素は、赤色発光サブ画素、緑色発光サブ画素、及び、青色発光サブ画素を含み、前記赤色発光サブ画素に対応する前記第1間隔は、前記緑色発光サブ画素に対応する前記第1間隔よりも小さく、前記青色発光サブ画素に対応する前記第1間隔よりも大きい、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記赤色発光サブ画素に対応する前記第1間隔は、1μmよりも大きく3μm以下であり、前記青色発光サブ画素に対応する前記第1間隔は、0μmよりも大きく2μm以下であり、前記緑色発光サブ画素に対応する前記第1間隔は、2μmよりも大きく5μm以下である、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記マイクロレンズ構造の形状と、対応する前記発光サブ画素の形状とは同じであり、前記マイクロレンズ構造のサイズは、対応する前記発光サブ画素のサイズよりも大きい、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記基板と前記発光層との間に設けられており、前記発光サブ画素に対応する複数の第1開口を含む画素定義層をさらに備え、
前記光学機能層は、前記発光層の前記基板から離れた側に設けられている第1屈折率層と、前記第1屈折率層の前記基板から離れた側に設けられている第2屈折率層とを含み、前記第1屈折率層は、前記マイクロレンズ構造に対応する複数の第2開口を含み、前記第2屈折率層よりも屈折率が小さい、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項14】
請求項1に記載の表示パネルを備える、表示装置。
【請求項15】
前記第1方向と前記第2方向とは反対の方向であり、
前記第1間隔と前記第2間隔とは同じである、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記繰り返しユニットは、第3マイクロレンズ構造をさらに含み、複数の前記発光サブ画素は、前記第3マイクロレンズ構造に対応する第3発光サブ画素をさらに含み、
前記第3マイクロレンズ構造の中心点と前記第3発光サブ画素の中心点とは第3方向において第3間隔を有し、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向は、いずれも異なる、請求項14に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向は、この順で120°ごとに設けられており、
前記第1間隔、前記第2間隔、前記第3間隔は、いずれも同じである、請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記繰り返しユニットは、第4マイクロレンズ構造をさらに含み、複数の前記発光サブ画素は、前記第4マイクロレンズ構造に対応する第4発光サブ画素をさらに含み、
前記第4マイクロレンズ構造の中心点と前記第4発光サブ画素の中心点とは第4方向において第4間隔を有し、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向、前記第4方向は、いずれも異なる、請求項16に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向、前記第4方向は、この順で90°ごとに設けられており、
前記第1間隔、前記第2間隔、前記第3間隔、前記第4間隔は、いずれも同じである、請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記マイクロレンズ構造の形状と、対応する前記発光サブ画素の形状とは同じであり、前記マイクロレンズ構造のサイズと、対応する前記発光サブ画素のサイズとは同じである、請求項14に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示の分野に関し、特に、表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OLED(Organic Light-Emitting Diode,有機発光ダイオード)表示デバイスは、軽さや、広い視野角、短い応答時間、低温耐性、高い発光効率等の利点により、次世代の新型表示技術として注目されてきた。
【0003】
本分野の開発者は、OLED表示パネルの消費電力を低下させるために、幾何光学の原理に基づいて、OLEDスクリーン本体内にMLP(Micro Lens Pattern,マイクロレンズパターン)を設け、OLEDスクリーン本体から分散して出射された光をスクリーン本体の真上に集中されることにより、OLEDスクリーン本体の効率を向上させ、OLEDパネルの消費電力を低下させる技術手段を提案した。しかし、該技術手段では、MLP構造と画素を1対1で対応させる必要があり、アラインメント誤差により、OLED表示パネルに視野角の対称性が悪くなる問題が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来のOLED表示パネルの視野角の対称性を向上させるための表示パネル及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1側面において、本願は、
基板と、
前記基板の一方側に設けられており、複数の発光サブ画素を含む発光層と、
前記発光層の前記基板から離れた側に設けられており、前記発光サブ画素と1対1で対応して設けられた複数のマイクロレンズ構造を含む光学機能層と、を備え、
複数の前記マイクロレンズ構造が、第1マイクロレンズ構造と第2マイクロレンズ構造とからなる、周期的に配列された複数の繰り返しユニットを含み、複数の前記発光サブ画素が、前記第1マイクロレンズ構造に対応する第1発光サブ画素と、前記第2マイクロレンズ構造に対応する第2発光サブ画素とを含み、
前記第1マイクロレンズ構造の中心点と前記第1発光サブ画素の中心点とが第1方向において第1間隔を有し、前記第2マイクロレンズ構造の中心点と前記第2発光サブ画素の中心点とが第2方向において第2間隔を有し、前記第1方向と前記第2方向とが異なる、
表示パネルを提供する。
【0006】
本願により提供される表示パネルにおいて、前記第1方向と前記第2方向とは反対の方向であり、
前記第1間隔と前記第2間隔とは同じである。
【0007】
本願により提供される表示パネルにおいて、前記繰り返しユニットは、第3マイクロレンズ構造をさらに含み、複数の前記発光サブ画素は、前記第3マイクロレンズ構造に対応する第3発光サブ画素をさらに含み、
前記第3マイクロレンズ構造の中心点と前記第3発光サブ画素の中心点とは第3方向において第3間隔を有し、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向は、いずれも異なる。
【0008】
本願により提供される表示パネルにおいて、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向は、この順で120°ごとに設けられており、
前記第1間隔、前記第2間隔、前記第3間隔は、いずれも同じである。
【0009】
本願により提供される表示パネルにおいて、前記繰り返しユニットは、第4マイクロレンズ構造をさらに含み、複数の前記発光サブ画素は、前記第4マイクロレンズ構造に対応する第4発光サブ画素をさらに含み、
前記第4マイクロレンズ構造の中心点と前記第4発光サブ画素の中心点とは第4方向において第4間隔を有し、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向、前記第4方向は、いずれも異なる。
【0010】
本願により提供される表示パネルにおいて、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向、前記第4方向は、この順で90°ごとに設けられており、
前記第1間隔、前記第2間隔、前記第3間隔、前記第4間隔は、いずれも同じである。
【0011】
本願により提供される表示パネルにおいて、前記マイクロレンズ構造の形状と、対応する前記発光サブ画素の形状とは同じであり、前記マイクロレンズ構造のサイズと、対応する前記発光サブ画素のサイズとは同じである。
本願により提供される表示パネルにおいて、前記第1間隔、前記第2間隔は、5μm以下である。
【0012】
本願により提供される表示パネルにおいて、複数の前記発光サブ画素は、複数の赤色発光サブ画素、複数の緑色発光サブ画素、及び、複数の青色発光サブ画素を含み、前記赤色発光サブ画素に対応する前記第1間隔、前記緑色発光サブ画素に対応する前記第1間隔、前記青色発光サブ画素に対応する前記第1間隔は、いずれも等しい。
【0013】
本願により提供される表示パネルにおいて、複数の前記発光サブ画素は、赤色発光サブ画素、緑色発光サブ画素、及び、青色発光サブ画素を含み、前記赤色発光サブ画素に対応する前記第1間隔は、前記緑色発光サブ画素に対応する前記第1間隔よりも小さく、前記青色発光サブ画素に対応する前記第1間隔よりも大きい。
【0014】
本願により提供される表示パネルにおいて、前記赤色発光サブ画素に対応する前記第1間隔は、1μmよりも大きく3μm以下であり、前記青色発光サブ画素に対応する前記第1間隔は、0μmよりも大きく2μm以下であり、前記緑色発光サブ画素に対応する前記第1間隔は、2μmよりも大きく5μm以下である。
【0015】
本願により提供される表示パネルにおいて、前記マイクロレンズ構造の形状と、対応する前記発光サブ画素の形状とは同じであり、前記マイクロレンズ構造のサイズは、対応する前記発光サブ画素のサイズよりも大きい。
【0016】
本願により提供される表示パネルにおいて、前記表示パネルは、
前記基板と前記発光層との間に設けられており、前記発光サブ画素に対応する複数の第1開口を含む画素定義層をさらに備え、
前記光学機能層は、前記発光層の前記基板から離れた側に設けられている第1屈折率層と、前記第1屈折率層の前記基板から離れた側に設けられている第2屈折率層とを含み、前記第1屈折率層は、前記マイクロレンズ構造に対応する複数の第2開口を含み、前記第2屈折率層よりも屈折率が小さい。
【0017】
第2側面において、本願は、基板と、前記基板の一方側に設けられており、複数の発光サブ画素を含む発光層と、前記発光層の前記基板から離れた側に設けられており、前記発光サブ画素と1対1で対応して設けられた複数のマイクロレンズ構造を含む光学機能層と、を備え、複数の前記マイクロレンズ構造が、第1マイクロレンズ構造と第2マイクロレンズ構造とからなる、周期的に配列された複数の繰り返しユニットを含み、複数の前記発光サブ画素が、前記第1マイクロレンズ構造に対応する第1発光サブ画素と、前記第2マイクロレンズ構造に対応する第2発光サブ画素とを含み、前記第1マイクロレンズ構造の中心点と前記第1発光サブ画素の中心点とが第1方向において第1間隔を有し、前記第2マイクロレンズ構造の中心点と前記第2発光サブ画素の中心点とが第2方向において第2間隔を有し、前記第1方向と前記第2方向とが異なる、
表示パネルを備える、表示装置をさらに提供する。
【0018】
本願により提供される表示装置において、前記第1方向と前記第2方向とは反対の方向であり、
前記第1間隔と前記第2間隔とは同じである。
【0019】
本願により提供される表示装置において、前記繰り返しユニットは、第3マイクロレンズ構造をさらに含み、複数の前記発光サブ画素は、前記第3マイクロレンズ構造に対応する第3発光サブ画素をさらに含み、
前記第3マイクロレンズ構造の中心点と前記第3発光サブ画素の中心点とは第3方向において第3間隔を有し、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向は、いずれも異なる。
【0020】
本願により提供される表示装置において、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向は、この順で120°ごとに設けられており、
前記第1間隔、前記第2間隔、前記第3間隔は、いずれも同じである。
【0021】
本願により提供される表示装置において、前記繰り返しユニットは、第4マイクロレンズ構造をさらに含み、複数の前記発光サブ画素は、前記第4マイクロレンズ構造に対応する第4発光サブ画素をさらに含み、
前記第4マイクロレンズ構造の中心点と前記第4発光サブ画素の中心点とは第4方向において第4間隔を有し、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向、前記第4方向は、いずれも異なる。
【0022】
本願により提供される表示装置において、前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向、前記第4方向は、この順で90°ごとに設けられており、
前記第1間隔、前記第2間隔、前記第3間隔、前記第4間隔は、いずれも同じである。
【0023】
本願により提供される表示装置において、前記マイクロレンズ構造の形状と、対応する前記発光サブ画素の形状とは同じであり、前記マイクロレンズ構造のサイズと、対応する前記発光サブ画素のサイズとは同じである。
【発明の効果】
【0024】
従来技術に比べ、本願では、表示パネル内の第1マイクロレンズ構造が、対応する第1発光サブ画素の中心に対してずれるように設けられ、第2マイクロレンズ構造が、対応する第2子発光画素の中心に対してずれるように設けあれ、2つのずれ方向が異なることにより、従来の表示パネルにおける、全てのマイクロレンズ構造が対応する発光サブ画素に対して同一の方向へずれる問題をある程度解決し、これにより、表示パネルの視野角の対称性の問題を緩和する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】理想的な状態での表示パネルの同じ色の発光サブ画素と、対応するマイクロレンズ構造の平面視構造模式図である。
【
図2】
図1におけるAA’方向の断面視構造模式図である。
【
図3】従来技術により提供される表示パネルの同じ色の発光サブ画素と、対応するマイクロレンズ構造の平面視構造模式図である。
【
図4】
図3におけるBB’方向の断面視構造模式図である。
【
図5】従来技術により提供される表示パネルの視野角の対称性の結果グラフである。
【
図6】本願の実施例により提供される表示パネルの同じ色の発光サブ画素と、対応するマイクロレンズ構造の第1の積層の平面視模式図である。
【
図7】
図6におけるマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が発生した場合の積層の平面視模式図である。
【
図8】本願の実施例により提供される表示パネルの同じ色の発光サブ画素と、対応するマイクロレンズ構造の第2の積層の平面視模式図である。
【
図9】
図8におけるマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が発生した場合の積層の平面視模式図である。
【
図10】本願の実施例により提供される表示パネルの同じ色の発光サブ画素と、対応するマイクロレンズ構造の第3の積層の平面視模式図である。
【
図11】
図10におけるマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が発生した場合の積層の平面視模式図である。
【
図12】本願の実施例により提供される表示パネルの断面視構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本願の具体的な実施形態を参照しながら、本願の実施形態及び/又は実施例における技術手段を明確に、全体的に説明するが、もちろん、次に説明される実施形態及び/又は実施例は、本願の一部の実施形態及び/又は実施例に過ぎず、全ての実施形態及び/又は実施例ではない。本分野の技術者が本願における実施形態及び/又は実施例に基づいて、創造的な労働をせずに得られるあらゆる他の実施形態及び/又は実施例は、いずれも本願の保護範囲に含まれる。
【0027】
本願において、例えば、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「内」、「外」、「側」等の方向の用語は、単に添付図面を参照した方向である。したがって、用いられる方向の用語は、本願を制限するためのものではなく、本願の説明及び理解のためのものである。「第1」、「第2」等の用語は、単に説明のためのものであり、それらにより相対的な重要性が指定又は示唆され、或いは、技術的特徴の数が示唆されると理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」等で限定される特徴は、1つ以上の該特徴を明確又は潜在的に含んでもよい。
【0028】
図1を参照する。
図1は、理想的な状態での表示パネルの同じ色の発光サブ画素と、対応するマイクロレンズ構造の平面視構造模式図であり、具体的に、画素のダイアモンド配列における、同じ色のサブ画素と、対応するマイクロレンズ構造の平面視構造模式図である。
図2は、
図1におけるAA’方向の断面視構造模式図である。理想的な状態で、前記表示パネルは、主に、積層配置された基板1と、発光層2と、画素定義層3と、パッケージ層4と、光学機能層5と、カバープレート6とをこの順に備える。基板1は、フィルムトランジスタ回路を含む。発光層2は、複数の発光サブ画素11を含む。画素定義層3は、前記基板1と前記発光層2との間に設けられており、前記発光サブ画素11に対応する複数の第1開口31を含む。光学機能層5は、下から、積層配置されたタッチ層51と、第1屈折率層52と、第2屈折率層53と、偏光子54とをこの順で含む。前記第1屈折率層52は、前記第2屈折率層53よりも屈折率が小さい。前記第1屈折率層52には、発光サブ画素11と1対1で対応する第2開口55が設けられている。第2開口55の基板1への正投影と発光サブ画素11の基板1への投影とは重なる。第2開口55での第1屈折率層52と第2屈折率層53とにより、マイクロレンズ構造12が構成される。発光サブ画素11から出射される光線が、マイクロレンズ構造12に集中することによって、表示パネルの正視野角での光取出し量を向上させ、表示パネルの光取出し効率を高める。
【0029】
しかし、第1屈折率層52は、製造中に、ある程度のアラインメント誤差が不可避であるため、マイクロレンズ構造12と発光サブ画素との間にずれが生じる。
図3と
図4を参照し、
図3は、従来技術により提供される表示パネルの同じ色の発光サブ画素と、対応するマイクロレンズ構造の平面視構造模式図であり、具体的に、
図3の(a)はマイクロレンズ構造の製造中にアラインメント誤差が上向きに発生した場合の平面視構造模式図であり、
図3の(b)はマイクロレンズ構造の製造中にアラインメント誤差が下向きに発生した場合の平面視構造模式図であり、
図3の(c)はマイクロレンズ構造の製造中にアラインメント誤差が左向きに発生した場合の平面視構造模式図であり、
図3の(d)はマイクロレンズ構造の製造中にアラインメント誤差が右向きに発生した場合の平面視構造模式図である。
図4は
図3におけるBB’方向の断面視構造模式図である。
図3から分かるように、第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が発生すると、その方向に関わらず、全てのマイクロレンズ構造12が発光サブ画素11に対して同一の方向へずれてしまう。この場合、表示パネルの視野角の対称性が悪化する。
図5を参照し、
図5は従来技術により提供される表示パネルの視野角の対称性の結果グラフである。
図5から分かるように、従来の表示パネルは、対称な視覚角度での観測でも表示パネルの輝度が異なり、視野角の対称性の問題が存在する。
【0030】
本願は、従来に存在する上記問題を解決又は緩和できる表示パネルを提供する。
【0031】
本願は、基板と、前記基板の一方側に設けられており、複数の発光サブ画素を含む発光層と、前記発光層の前記基板から離れた側に設けられており、前記発光サブ画素と1対1で対応して設けられた複数のマイクロレンズ構造を含む光学機能層と、を備え、複数の前記マイクロレンズ構造が、第1マイクロレンズ構造と第2マイクロレンズ構造とからなる、周期的に配列された複数の繰り返しユニットを含み、複数の前記発光サブ画素が、前記第1マイクロレンズ構造に対応する第1発光サブ画素と、前記第2マイクロレンズ構造に対応する第2発光サブ画素とを含み、前記第1マイクロレンズ構造の中心点と前記第1発光サブ画素の中心点とが第1方向において第1間隔を有し、前記第2マイクロレンズ構造の中心点と前記第2発光サブ画素の中心点とが第2方向において第2間隔を有し、前記第1方向と前記第2方向とが異なる、
表示パネルを提供する。
【0032】
本願の実施例によれば、第1マイクロレンズ構造が、対応する第1発光サブ画素の中心に対してずれるように設けられ、第2マイクロレンズ構造が、対応する第2子発光画素の中心に対してずれるように設けられ、2つのずれ方向が異なることにより、従来の表示パネルにおける、全てのマイクロレンズ構造が対応する発光サブ画素に対して同一の方向へずれる問題をある程度解決し、これにより、表示パネルの視野角の対称性の問題を緩和する。
【0033】
次に、具体的な実施例を参照しながら、本願により提供される表示パネルを詳しく説明する。具体的に、前記表示パネルのマイクロレンズ構造を詳しく説明する。前記表示パネルにおいて、発光サブ画素は、一般的に、赤色発光サブ画素、緑色発光サブ画素、及び、青色発光サブ画素を含み、前記マイクロレンズ構造の配置は、対応する発光サブ画素の色に関わらずに同じであるため、以下、説明を明白にするために、同じ色の発光サブ画素(青色発光サブ画素)を例として、前記レンズ構造を説明する。
【実施例1】
【0034】
図6を参照し、
図6は本願の実施例により提供される表示パネルの同じ色の発光サブ画素と、対応するマイクロレンズ構造の第1の積層の平面視模式図である。本願の実施例において、前記マイクロレンズ構造12の形状と、対応する前記発光サブ画素11の形状とは同じであり、前記マイクロレンズ構造12のサイズと、対応する前記発光サブ画素11のサイズとは同じである。
【0035】
1つの繰り返しユニット10は、第1マイクロレンズ構造121と第2マイクロレンズ構造122との2つの前記マイクロレンズ構造12からなる。複数の前記発光サブ画素11は、前記第1マイクロレンズ構造121に対応する第1発光サブ画素111と、前記第2マイクロレンズ構造122に対応する第2発光サブ画素112とを含む。
【0036】
前記第1マイクロレンズ構造121の中心点O21と前記第1発光サブ画素111の中心点O11は、第1方向O21O11において第1間隔d1を有し、前記第2マイクロレンズ構造122の中心点O22と前記第2発光サブ画素112の中心点O12は、第2方向O22O12において第2間隔d2を有し、前記第1方向O21O11と前記第2方向O22O12とは反対の方向であり、前記第1間隔d1と前記第2間隔d2とは等しい。
【0037】
図6に示される前記第1方向O
21O
11は右上方向であり、前記第2方向O
22O
12は左下方向である。本願の他の実施例において、例えば、第1方向を右下方向とし、第2方向を左上方向としてもよい。ここで限定しない。
【0038】
このように、前記第1マイクロレンズ構造121が前記第1発光サブ画素111に対して前記第1方向O21O11において、前記第1間隔d1だけずれたことになる。前記第1マイクロレンズ構造121による前記第1発光サブ画素111からの光線に対する集中作用は、前記第1方向O21O11において強くなり、前記第2方向O22O12において弱くなる。また、前記第2マイクロレンズ構造122が前記第2発光サブ画素112に対して前記第2方向O22O12において、前記第2間隔d2だけずれたことになる。前記第2マイクロレンズ構造122による前記第2発光サブ画素112からの光線に対する集中作用は、前記第2方向O22O12において強くなり、前記第1方向O21O11において弱くなる。
【0039】
前記第1間隔d1と前記第2間隔d2とが等しいため、前記第1マイクロレンズ構造121による前記第1発光サブ画素111からの光線に対する集中作用が前記第1方向O21O11において強くなる効果と、前記第2マイクロレンズ構造122による前記第2発光サブ画素112からの光線に対する集中作用が前記第2方向O22O12において強くなる効果とは同じである。また、前記第2マイクロレンズ構造122による前記第2発光サブ画素112からの光線に対する集中作用が前記第1方向O21O11において弱くなる効果と、前記第1マイクロレンズ構造121による前記第1発光サブ画素111からの光線に対する集中作用が前記第2方向O22O12において弱くなる効果とは同じである。最終的に、表示パネルの前記第1方向O21O11と前記第2方向O22O12における視覚効果は全体的に同じになり、即ち、視覚的に対称となる。他の方向において、前記第1マイクロレンズ構造121と前記第1発光サブ画素111とが重なり、前記第2マイクロレンズ構造122と前記第2発光サブ画素112とが重なるため、前記表示パネルは視覚的に対称となる。
【0040】
前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が発生した場合について、
図7を参照する。
図7は
図6におけるマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が発生した場合の積層の平面視模式図である。具体的に、
図7の(a)はマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が上向きに発生した場合の積層の平面視模式図であり、
図7の(b)はマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が下向きに発生した場合の積層の平面視模式図であり、
図7の(c)はマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が左向きに発生した場合の積層の平面視模式図であり、
図7の(d)はマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が右向きに発生した場合の積層の平面視模式図である。
【0041】
図7の(a)に示すように、前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が上向きに発生した場合、1つの前記繰り返しユニット10において、前記マイクロレンズ構造12が1つ存在し、その中心点と、対応する前記発光サブ画素11の中心点とが同一の水平線上にあり、即ち、前記マイクロレンズ構造12による前記発光サブ画素11からの光線に対する集中作用は、上下方向において互いに対称となり、これにより、前記表示パネルの上下方向における視野角の対称性は、50%程度改善された。
【0042】
図7の(b)に示すように、前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が下向きに発生した場合、1つの前記繰り返しユニット10において、前記マイクロレンズ構造12が1つ存在し、その中心点と、対応する前記発光サブ画素11の中心点とが同一の水平線上にあり、即ち、前記マイクロレンズ構造12による前記発光サブ画素11からの光線に対する集中作用は、上下方向において互いに対称となり、これにより、前記表示パネルの上下方向における視野角の対称性は、50%程度改善された。
【0043】
図7の(c)に示すように、前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が左向きに発生した場合、1つの前記繰り返しユニット10において、前記マイクロレンズ構造12が1つ存在し、その中心点と、対応する前記発光サブ画素11の中心点とが同一の垂直線上にあり、即ち、前記マイクロレンズ構造12による前記発光サブ画素11からの光線に対する集中作用は、左右方向において互いに対称となり、これにより、前記表示パネルの左右方向における視野角の対称性は、50%程度改善された。
【0044】
図7の(d)に示すように、前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が右向きに発生した場合、1つの前記繰り返しユニット10において、前記マイクロレンズ構造12が1つ存在し、その中心点と、対応する前記発光サブ画素11の中心点とが同一の垂直線上にあり、即ち、前記マイクロレンズ構造12による前記発光サブ画素11からの光線に対する集中作用は、左右方向において互いに対称となり、これにより、前記表示パネルの左右方向における視野角の対称性は、50%程度改善された。
【0045】
前記表示パネルの発光サブ画素は、赤色発光サブ画素、緑色発光サブ画素、及び青色発光サブ画素を含むが、前記発光サブ画素は、白色発光サブ画素をさらに含んでもよい。前記赤色発光サブ画素、前記緑色発光サブ画素、及び前記青色発光サブ画素に対応するマイクロレンズ構造は、それぞれ上記マイクロレンズ構造12と同様に配置されている。
【0046】
一実施形態において、前記赤色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔、前記緑色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔、前記青色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、いずれも等しい。また、前記第1間隔は、4μm以下である。アラインメント誤差が発生した場合、ずれた後の前記第1間隔、前記第2間隔は、5μm以下である。
【0047】
別の実施形態において、前記赤色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、前記緑色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔よりも大きく、前記青色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔よりも小さい。具体的に、前記赤色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、1μmよりも大きく2μm以下であり、前記緑色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、1μm以下であり、前記青色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、2μmよりも大きく4μm以下である。アラインメント誤差が発生した場合、ずれた後の前記赤色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、0よりも大きく3μm以下であり、前記緑色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、2μm以下であり、前記青色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、1μmよりも大きく5μm以下である。
【0048】
本実施例に基づいて、前記繰り返しユニットは、1又は複数の第3マイクロレンズ構造をさらに含んでもよい。前記発光サブ画素は、前記第3マイクロレンズ構造に対応する第3発光サブ画素を含み、前記第3マイクロレンズ構造の中心点と前記第3発光サブ画素の中心点とは重なる。
【実施例2】
【0049】
図8を参照し、
図8は、本願の実施例により提供される表示パネルの同じ色の発光サブ画素と、対応するマイクロレンズ構造の第2の積層の平面視模式図である。本実施例の実施例1と同様な部分については、実施例1を参照し、繰り返して述べない。本実施例は、実施例1に対して、次の点において異なる。1つの繰り返しユニット10は、第1マイクロレンズ構造121と、第2マイクロレンズ構造122と、第3マイクロレンズ構造123との3つの前記マイクロレンズ構造12からなる。複数の前記発光サブ画素11は、前記第1マイクロレンズ構造121に対応する第1発光サブ画素111と、前記第2マイクロレンズ構造122に対応する第2発光サブ画素112と、前記第3マイクロレンズ構造123に対応する第3発光サブ画素113とを含む。
【0050】
前記第1マイクロレンズ構造121の中心点O21と前記第1発光サブ画素111の中心点O11とは、第1方向O21O11において第1間隔d1を有し、前記第2マイクロレンズ構造122の中心点O22と前記第2発光サブ画素112の中心点O12とは、第2方向O22O12において第2間隔d2を有し、前記第3マイクロレンズ構造123の中心点O23と前記第3発光サブ画素113の中心点O13とは、第3方向O23O13において第3間隔d3を有する。前記第1方向O21O11、前記第2方向O22O12、前記第3方向O23O13は、この順で120°で離れている。前記第1間隔d1、前記第2間隔d2、前記第3間隔d3はいずれも等しい。
【0051】
図8に示される前記第1方向O
21O
11は真上方向であり、前記第2方向O
22O
12は右下方向であり、前記第3方向O
23O
13は左下方向である。本願の他の実施例において、他の方向としてもよいが、ここで限定しない。
【0052】
同様に、前記第1方向O21O11、前記第2方向O22O12、前記第3方向O23O13は、この順で120°で離れているため、前記第1間隔d1、前記第2間隔d2、前記第3間隔d3はいずれも等しく、1つの前記繰り返しユニット10における前記3つのマイクロレンズ構造12による、対応する3つの前記発光サブ画素11に対する協働作用により、任意2つの反対の方向において、前記表示パネルの視覚効果は互いに対称となり、具体的な原理は実施例1を参照する。
【0053】
前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が発生した場合、
図9を参照し、
図9は
図8におけるマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が発生した場合の積層の平面視模式図である。
【0054】
図9の(a)に示すように、
図9の(a)はマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が上向きに発生した場合の積層の平面視模式図である。前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が上向きに発生した場合、1つの前記繰り返しユニット10において、前記マイクロレンズ構造12が2つ存在し、その中心点と、対応する前記発光サブ画素11の中心点とが同一の水平線上にあり、即ち、前記マイクロレンズ構造12による前記発光サブ画素11からの光線に対する集中作用は、上下方向において互いに対称となり、これにより、前記表示パネルの上下方向における視野角の対称性は、67%程度改善された。
【0055】
図9の(b)に示すように、
図9の(b)はマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が下向きに発生した場合の積層の平面視模式図である。前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が下向きに発生した場合、1つの前記繰り返しユニット10において、前記マイクロレンズ構造12が1つ存在し、その中心点と、対応する前記発光サブ画素11の中心点とが重なり、即ち、前記マイクロレンズ構造12による前記発光サブ画素11からの光線に対する集中作用は、上下方向において互いに対称となり、これにより、前記表示パネルの上下方向における視野角の対称性は、33%程度改善された。
【0056】
図9の(c)に示すように、
図9の(c)はマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が左向きに発生した場合の積層の平面視模式図である。前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が左向きに発生した場合、1つの前記繰り返しユニット10において、前記マイクロレンズ構造12が1つ存在し、その中心点と、対応する前記発光サブ画素11の中心点とが同一の垂直線上にあり、即ち、前記マイクロレンズ構造12による前記発光サブ画素11からの光線に対する集中作用は、左右方向において互いに対称となり、これにより、前記表示パネルの左右方向における視野角の対称性は、33%程度改善された。
【0057】
図9の(d)に示すように、
図9の(d)はマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が右向きに発生した場合の積層の平面視模式図である。前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が右向きに発生した場合、1つの前記繰り返しユニット10において、前記マイクロレンズ構造12が1つ存在し、その中心点と、対応する前記発光サブ画素11の中心点とが同一の垂直線上にあり、即ち、前記マイクロレンズ構造12による前記発光サブ画素11からの光線に対する集中作用は、左右方向において互いに対称となり、これにより、前記表示パネルの左右方向における視野角の対称性は、33%程度改善された。
【実施例3】
【0058】
図10を参照し、
図10は本願の実施例により提供される表示パネルの同じ色の発光サブ画素と、対応するマイクロレンズ構造の第3の積層の平面視模式図である。本実施例の実施例1と同様な部分については、実施例1を参照し、繰り返して述べない。本実施例は、実施例1に対して、次の点において異なる。1つの繰り返しユニット10は、第1マイクロレンズ構造121と、第2マイクロレンズ構造122と、第3マイクロレンズ構造123と、第4マイクロレンズ構造との4つの前記マイクロレンズ構造12からなる。複数の前記発光サブ画素11は、前記第1マイクロレンズ構造121に対応する第1発光サブ画素111と、前記第2マイクロレンズ構造122に対応する第2発光サブ画素112と、前記第3マイクロレンズ構造123に対応する第3発光サブ画素113と、前記第4マイクロレンズ構造124に対応する第4発光サブ画素114とを含む。
【0059】
前記第1マイクロレンズ構造121の中心点O21と前記第1発光サブ画素111の中心点O11とは、第1方向O21O11において第1間隔d1を有し、前記第2マイクロレンズ構造122の中心点O22と前記第2発光サブ画素112の中心点O12とは、第2方向O22O12において第2間隔d2を有し、前記第3マイクロレンズ構造123の中心点O23と前記第3発光サブ画素113の中心点O13とは、第3方向O23O13において第3間隔d3を有し、前記第4マイクロレンズ構造124の中心点O24と前記第4発光サブ画素114の中心点O14とは、第4方向O24O14において第4間隔d4を有する。前記第1方向O21O11、前記第2方向O22O12、前記第3方向O23O13、前記第4方向O24O14は、この順で90°離れている。前記第1間隔d1、前記第2間隔d2、前記第3間隔d3、前記第4間隔d4はいずれも等しい。
【0060】
図10に示される前記第1方向O
21O
11は左上方向であり、前記第2方向O
22O
12は右上方向であり、前記第3方向O
23O
13は右下方向であり、前記第4方向O
24O
14は左下方向である。本願の他の実施例において、他の方向としてもよいが、ここで限定しない。
【0061】
同様に、前記第1方向O21O11、前記第2方向O22O12、前記第3方向O23O13、前記第4方向O24O14は、この順で90°離れているため、前記第1間隔d1、前記第2間隔d2、前記第4間隔d4はいずれも等しい。1つの前記繰り返しユニット10における前記4つのマイクロレンズ構造12による、対応する4つの前記発光サブ画素11に対する協働作用により、任意2つの反対の方向において、前記表示パネルの視覚効果は互いに対称となり、具体的な原理は実施例1を参照する。
【0062】
前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が発生した場合、
図11を参照し、
図11は
図10におけるマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が発生した場合の積層の平面視模式図である。
【0063】
図11の(a)に示すように、
図11の(a)はマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が上向きに発生した場合の積層の平面視模式図である。前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が上向きに発生した場合、1つの前記繰り返しユニット10において、前記マイクロレンズ構造12が2つ存在し、その中心点と、対応する前記発光サブ画素11の中心点とが同一の水平線上にあり、即ち、前記マイクロレンズ構造12による前記発光サブ画素11からの光線に対する集中作用は、上下方向において互いに対称となり、これにより、前記表示パネルの上下方向における視野角の対称性は、50%程度改善された。
【0064】
図11の(b)に示すように、
図11の(b)はマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が下向きに発生した場合の積層の平面視模式図である。前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が下向きに発生した場合、1つの前記繰り返しユニット10において、前記マイクロレンズ構造12が2つ存在し、その中心点と、対応する前記発光サブ画素11の中心点とが同一の水平線上にあり、即ち、前記マイクロレンズ構造12による前記発光サブ画素11からの光線に対する集中作用は、上下方向において互いに対称となり、これにより、前記表示パネルの上下方向における視野角の対称性は、50%程度改善された。
【0065】
図11の(c)に示すように、
図11の(c)はマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が左向きに発生した場合の積層の平面視模式図である。前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が左向きに発生した場合、1つの前記繰り返しユニット10において、前記マイクロレンズ構造12が2つ存在し、その中心点と、対応する前記発光サブ画素11の中心点とが同一の垂直線上にあり、即ち、前記マイクロレンズ構造12による前記発光サブ画素11からの光線に対する集中作用は、左右方向において互いに対称となり、これにより、前記表示パネルの左右方向における視野角の対称性は、50%程度改善された。
【0066】
図11の(d)に示すように、
図11の(d)はマイクロレンズ構造にアラインメント誤差が右向きに発生した場合の積層の平面視模式図である。前記第1屈折率層52の製造中にアラインメント誤差が右向きに発生した場合、1つの前記繰り返しユニット10において、前記マイクロレンズ構造12が2つ存在し、その中心点と、対応する前記発光サブ画素11の中心点とが同一の垂直線上にあり、即ち、前記マイクロレンズ構造12による前記発光サブ画素11からの光線に対する集中作用は、左右方向において互いに対称となり、これにより、前記表示パネルの左右方向における視野角の対称性は、50%程度改善された。
【0067】
実施例1~実施例3に基づいて、他の実施例においても同様に、前記繰り返しユニット10は5つ以上の前記マイクロレンズ構造12を含んでもよい。且つ、任意2つの隣接する前記マイクロレンズ構造12の中心点の、対応する前記発光サブ画素11の中心点に対するずれ方向の間隔は等しく、中心点の間の間隔距離は等しい。
【実施例4】
【0068】
図12を参照し、
図12は本願の実施例により提供される表示パネルの同じ色の発光サブ画素と、対応するマイクロレンズ構造の第4の積層の平面視模式図である。本願の実施例において、前記マイクロレンズ構造12の形状と、対応する前記発光サブ画素11の形状とは同じであり、前記マイクロレンズ構造12のサイズは、対応する前記発光サブ画素11のサイズよりも大きく、前記マイクロレンズ構造12の前記基板1への正投影は、対応する前記発光サブ画素11の前記基板1への正投影を覆う。
【0069】
1つの繰り返しユニット10は、第1マイクロレンズ構造121と第2マイクロレンズ構造122との2つの前記マイクロレンズ構造12からなる。複数の前記発光サブ画素11は、前記第1マイクロレンズ構造121に対応する第1発光サブ画素111と、前記第2マイクロレンズ構造122に対応する第2発光サブ画素112とを含む。
【0070】
前記第1マイクロレンズ構造121の中心点O21と前記第1発光サブ画素111の中心点O11とは、第1方向O21O11において第1間隔d1を有し、前記第1マイクロレンズ構造121は、他の方向におけるサイズが前記第1発光サブ画素111のサイズと同じであり、前記第1方向O21O11におけるサイズが一方側へ延長する。前記第2マイクロレンズ構造122の中心点O22と前記第2発光サブ画素112の中心点O12とは、第2方向O22O12において第2間隔d2を有し、前記第2マイクロレンズ構造122は、他の方向におけるサイズが前記第2発光サブ画素112のサイズと同じであり、前記第2方向O22O12におけるサイズが一方側へ延長する。前記第1方向O21O11と前記第2方向O22O12とは反対の方向であり、前記第1間隔d1と前記第2間隔d2とは等しい。
【0071】
同様に、前記第1方向O21O11と前記第2方向O22O12とは反対の方向であり、前記第1間隔d1と前記第2間隔d2とは等しいため、1つの前記繰り返しユニット10における前記2つのマイクロレンズ構造12による、対応する2つの前記発光サブ画素11に対する協働作用により、任意2つの反対の方向において、前記表示パネルの視覚効果は互いに対称となり、具体的な原理は実施例1を参照する。
【0072】
一実施形態において、前記赤色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔、前記緑色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔、前記青色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、いずれも等しく、前記第1間隔は、4μm以下である。
【0073】
別の実施形態において、前記赤色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、前記緑色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔よりも大きく、前記青色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔よりも小さい。具体的に、前記赤色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、1μmよりも大きく2μm以下であり、前記緑色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、1μm以下であり、前記青色発光サブ画素と、対応する前記マイクロレンズ構造との間の前記第1間隔は、2μmよりも大きく4μm以下である。
【0074】
他の実施例において、前記繰り返しユニット10は、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の数の前記マイクロレンズ構造12を含んでもよい。且つ、任意2つの隣接する前記マイクロレンズ構造12の中心点の、対応する前記発光サブ画素11の中心点に対するずれ方向の間隔は等しく、中心点の間の間隔距離は等しい。他の実施例において、前記マイクロレンズ構造12は、対応する発光サブ画素11に対して一方側へ延長してもよいし、両側又はそれ以上の方向へ延長してもい。
【0075】
対応的に、本願の実施例は、表示パネルを提供する。
図12を参照し、
図12は本願により提供される表示パネルの断面視構造模式図であり、具体的に、
図11におけるCC’方向の断面視構造模式図である。積層配置された基板1と、発光層2と、画素定義層3と、パッケージ層4と、光学機能層5と、カバープレート6とをこの順で備える。発光層2は、複数の発光サブ画素11を含む。画素定義層3は、前記基板1と前記発光層2との間に設けられており、前記発光サブ画素11に対応する複数の第1開口31を含む。光学機能層5は、下から、積層配置されたタッチ層51と、第1屈折率層52と、第2屈折率層53と、偏光子54とをこの順で含む。前記第1屈折率層52は、前記第2屈折率層53よりも屈折率が小さい。前記第1屈折率層52には、発光サブ画素11と1対1で対応する第2開口55が設けられている。第2開口55の基板1への正投影と第1開口31の基板1への正投影とは部分的に重なる。第2開口55での第1屈折率層52と第2屈折率層53とにより、マイクロレンズ構造12が構成される。
【0076】
本願の実施例は、本願のいずれかの実施例に記載の表示パネルを備える、表示装置をさらに提供する。
【0077】
上記をまとめ、本願の実施例は、表示パネル及び表示装置を提供する。表示パネルの第1マイクロレンズ構造が、対応する第1発光サブ画素の中心に対してずれるように設けられ、第2マイクロレンズ構造が、対応する第2子発光画素の中心に対してずれるように設けられ、2つのずれ方向が異なることにより、従来の表示パネルにおける、全てのマイクロレンズ構造が対応する発光サブ画素に対して同一の方向へずれる問題をある程度解決し、これにより、表示パネルの視野角の対称性の問題を緩和する。
【0078】
以上、本願の実施例により提供される表示パネル及び表示装置を詳しく説明した。本明細書において、具体的な例によって本願の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は、本願の方法及びその主旨を理解させるためのものに過ぎない。また、本分野の技術者にとって、本願の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲はいずれも変更可能である。つまり、本明細書の内容は、本願に対する制限として理解してはならない。
【符号の説明】
【0079】
1 基板
2 発光層
3 画素定義層
4 パッケージ層
5 光学機能層
6 カバープレート
10 繰り返しユニット
11 発光サブ画素
12 マイクロレンズ構造
31 第1開口
51 タッチ層
52 第1屈折率層
53 第2屈折率層
54 偏光子
55 第2開口
111 第1発光サブ画素
112 第2発光サブ画素
113 第3発光サブ画素
114 第4発光サブ画素
121 第1マイクロレンズ構造
122 第2マイクロレンズ構造
123 第3マイクロレンズ構造
124 第4マイクロレンズ構造
【国際調査報告】