(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】マルチモード環境発電装置
(51)【国際特許分類】
H02S 10/10 20140101AFI20241210BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20241210BHJP
H02S 40/38 20140101ALI20241210BHJP
H02S 40/44 20140101ALI20241210BHJP
H02N 11/00 20060101ALI20241210BHJP
H02N 2/18 20060101ALI20241210BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20241210BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241210BHJP
H10N 10/10 20230101ALI20241210BHJP
【FI】
H02S10/10
G06K7/10 160
H02S40/38
H02S40/44
H02N11/00 Z
H02N2/18
H02N11/00 A
H02J50/20
H02J7/00 301D
H10N10/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525097
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 US2022043986
(87)【国際公開番号】W WO2023075951
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516326438
【氏名又は名称】エックス デベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ラール,アミット
(72)【発明者】
【氏名】カワグチ,ディーン
(72)【発明者】
【氏名】コプロウスキー,ブリオン
【テーマコード(参考)】
5F251
5G503
5H681
【Fターム(参考)】
5F251JA28
5F251JA29
5F251JA30
5G503AA06
5G503AA08
5G503BB01
5G503BB03
5G503GB09
5H681BB08
5H681DD23
5H681DD95
5H681FF08
(57)【要約】
【課題】 高周波(radiofrequency、RF)環境を強化することである。
【解決手段】 環境発電テープ(400)は、複数の可撓性層を備える。複数の可撓性層は、太陽エネルギーを捕捉するように構成された太陽電池層(420)と、熱エネルギーを捕捉するように構成された熱電層(428)と、機械エネルギーを捕捉するように構成された1つ以上の圧電層(424)と、高周波エネルギーを捕捉し、高周波信号を送信するように構成された電極層(424)と、を含む。環境発電テープはまた、複数の可撓性層のうちの少なくとも1つの上にある1つ以上の処理ユニット(432)を含む。1つ以上の処理ユニットは、複数の可撓性層からの捕捉されたエネルギーを使用して、高周波信号を送信するように構成されている。環境発電テープは、長さと、幅と、厚さと、を有し、長さは、幅よりも大きく、幅は、厚さよりも大きい。
【選択図】
図4B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境発電テープであって、
複数の可撓性層であって、
太陽エネルギーを捕捉するように構成された太陽電池層と、
熱エネルギーを捕捉するように構成された熱電層と、
機械エネルギーを捕捉するように構成された1つ以上の圧電層と、
高周波エネルギーを捕捉し、高周波信号を送信するように構成された電極層と、を含む、複数の可撓性層と、
前記複数の可撓性層のうちの少なくとも1つの上にある1つ以上の処理ユニットであって、前記1つ以上の処理ユニットは、前記複数の可撓性層からの前記捕捉されたエネルギーを使用して、前記高周波信号を送信するように構成されている、1つ以上の処理ユニットと、を備え、
前記環境発電テープは、長さと、幅と、厚さと、を有し、前記長さは、前記幅よりも大きく、前記幅は、前記厚さよりも大きい、環境発電テープ。
【請求項2】
エネルギー貯蔵装置を更に備える、請求項1に記載の環境発電テープ。
【請求項3】
前記エネルギー貯蔵装置は、前記環境発電テープの第1の端部に取り付けられている、請求項2に記載の環境発電テープ。
【請求項4】
前記エネルギー貯蔵装置は、前記複数の可撓性層のうちの1つの上に含まれる、請求項2に記載の環境発電テープ。
【請求項5】
前記エネルギー貯蔵装置は、再充電可能な印刷電池を含む、請求項2に記載の環境発電テープ。
【請求項6】
前記複数の可撓性層と前記エネルギー貯蔵装置との間に整流回路を更に備える、請求項2に記載の環境発電テープ。
【請求項7】
前記電極層は、アンテナを含む、請求項1に記載の環境発電テープ。
【請求項8】
前記電極層とエネルギー貯蔵装置との間の第1の電極対と、前記電極層と前記アンテナとの間の第2の電極対と、を更に備える、請求項7に記載の環境発電テープ。
【請求項9】
第1の端部の縁部、及び前記第1の端部の反対側の第2の端部の縁部上に取り付け手段を更に備え、前記取り付け手段は、表面に結合するように構成されている、請求項1に記載の環境発電テープ。
【請求項10】
前記環境発電テープは、前記取り付け手段が前記表面に結合されたときに振動するように構成されている、請求項9に記載の環境発電テープ。
【請求項11】
前記電極層は、マルチバンド高周波エネルギーを捕捉するように構成されている、請求項1に記載の環境発電テープ。
【請求項12】
送信された前記高周波信号は、マルチバンド高周波信号である、請求項1に記載の環境発電テープ。
【請求項13】
前記1つ以上の処理ユニットは、識別用受動型タグのセットに電力を供給することができる前記高周波信号を送信するように構成されている、請求項1に記載の環境発電テープ。
【請求項14】
前記環境発電テープは、ロール状に保管されるように構成されている、請求項1に記載の環境発電テープ。
【請求項15】
前記複数の可撓性層は、互いの上に直接組み立てられている、請求項1に記載の環境発電テープ。
【請求項16】
前記複数の可撓性層の間に1つ以上の接着剤層を更に備える、請求項1に記載の環境発電テープ。
【請求項17】
キットであって、
請求項1に記載の環境発電テープと、
複数の識別用受動型タグと、
前記複数の識別用受動型タグによって放出された信号を検出するように構成されている、1つ以上の計算装置を含むリーダと、を含む、キット。
【請求項18】
環境発電テープを製造する方法であって、前記方法は、
1つ以上のロールツーロール処理技法を使用して、可撓性テープ片のための複数の環境発電層を構築することであって、前記複数の環境発電層は、
太陽エネルギーを捕捉するように構成された太陽電池層と、
熱エネルギーを捕捉するように構成された熱電層と、
機械エネルギー又は高周波エネルギーを捕捉し、高周波信号を送信するように構成された1つ以上の圧電層と、を含む、前記複数の環境発電層を構築することと、
前記複数の環境発電層を互いの上に直接組み立てて、長さ、幅、及び厚さを有する前記環境発電テープを形成することであって、前記長さは、前記幅よりも大きく、前記幅は、前記厚さよりも大きい、前記環境発電テープを形成することと、を含む、製造方法。
【請求項19】
前記1つ以上の圧電層を構築することは、第1の圧電層上に1つ以上の処理ユニットを取り付けることを更に含む、請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
捕捉のための目標周波数に基づいて、前記環境発電テープの前記長さを決定することを更に含む、請求項18に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月29日に出願された米国特許出願第17/514,230号の出願日の優先権及びその利益を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
モノのインターネット(Internet of Things、IoT)とは、ネットワーク接続のための電子的構成要素が埋め込まれた、製品、パッケージ、車両、建物などの物理的対象のネットワーク間接続である。埋め込まれた構成要素は、対象物が他の対象物を検出すること、他の対象物によって検出されること、データを収集すること、及び/又はデータを送信することを可能にする。いくつかの例では、埋め込まれた構成要素は、物理的対象に取り付けられたタグ又はラベルを含んでもよい。これらのタグ又はラベルは、受動型又は能動型であってもよい。ネットワーク間接続機能は、物理的対象の位置を追跡するために活用されてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、環境発電テープを提供する。環境発電テープは、複数の可撓性層と、複数の可撓性層のうちの少なくとも1つの上にある1つ以上の処理ユニットと、を含む。複数の可撓性層は、太陽エネルギーを捕捉するように構成された太陽電池層と、熱エネルギーを捕捉するように構成された熱電層と、機械エネルギーを捕捉するように構成された1つ以上の圧電層と、高周波エネルギーを捕捉し、高周波信号を送信するように構成された電極層と、を含む。1つ以上の処理ユニットは、複数の可撓性層からの捕捉されたエネルギーを使用して、高周波信号を送信するように構成されている。環境発電テープは、長さと、幅と、厚さと、を有し、長さは、幅よりも大きく、幅は、厚さよりも大きい。
【0004】
一実施例では、環境発電テープはまた、エネルギー貯蔵装置を含む。この例では、エネルギー貯蔵装置は、任意選択で、環境発電テープの第1の端部に取り付けられている。また、この例では、エネルギー貯蔵装置は、任意選択で、複数の可撓性層のうちの1つの上に含まれる。更に、この例では、エネルギー貯蔵装置は、任意選択で、再充電可能な印刷電池を含む。また更にこの例では、環境発電テープはまた、複数の可撓性層とエネルギー貯蔵装置との間に整流回路を含む。
【0005】
別の例では、電極層は、アンテナを含む。この例では、環境発電テープはまた、任意選択で、電極層とエネルギー貯蔵装置との間の第1の電極対と、電極層とアンテナとの間の第2の電極対と、を含む。更なる例では、環境発電テープはまた、第1の端部の縁部、及び第1の端部の反対側の第2の端部の縁部上に取り付け手段を含み、この取り付け手段は、表面に結合するように構成されている。この例では、環境発電テープは、任意選択で、取り付け手段が表面に結合されたときに振動するように構成されている。更に別の例では、電極層は、マルチバンド高周波エネルギーを捕捉するように構成されている。
【0006】
また更なる例では、送信された高周波信号は、マルチバンド高周波信号である。別の例では、1つ以上の処理ユニットは、識別用受動型タグのセットに電力を供給することができる高周波信号を送信するように構成されている。更なる例では、環境発電テープは、ロールで保管されるように構成されている。更に別の例では、複数の可撓性層は、互いの上に直接組み立てられている。また更なる例では、環境発電テープはまた、複数の可撓性層の間に1つ以上の接着剤層を含む。
【0007】
本開示の他の態様は、キットを提供する。キットは、上述した環境発電テープと、複数の識別用受動型タグと、複数の識別用受動型タグによって放出された信号を検出するように構成された1つ以上の計算装置を含むリーダと、を含む。
【0008】
本開示の更なる態様は、環境発電テープを製造する方法を提供する。本方法は、1つ以上のロールツーロール処理技法を使用して、可撓性テープ片のための複数の環境発電層を構築することであって、この複数の環境発電層は、太陽エネルギーを捕捉するように構成された太陽電池層と、熱エネルギーを捕捉するように構成された熱電層と、機械エネルギー又は高周波エネルギーを捕捉し、高周波信号を送信するように構成された1つ以上の圧電層と、を含む、構築することと、複数の環境発電層を互いの上に直接組み立てて、長さと、幅と、厚さと、を有する環境発電テープを形成することであって、長さは、幅よりも大きく、幅は、厚さよりも大きい、形成することと、を含む。
【0009】
一実施例では、1つ以上の圧電層を構築することは、第1の圧電層上に1つ以上の処理ユニットを取り付けることを更に含む。別の例では、本方法はまた、捕捉のための目標周波数に基づいて、環境発電テープの長さを決定することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の態様による、マルチモード環境発電装置を備える例示的なシステムの機能図である。
【
図1B】本開示の態様による、例示的なシステムが展開されている様々な環境の絵図である。
【
図2】本開示の態様による、例示的なネットワークの絵図である。
【
図3】本開示の態様による、
図2の例示的なネットワークの機能図である。
【
図4A】本開示の態様による、マルチモード環境発電装置の斜視図である。
【
図4B】本開示の態様による、マルチモード環境発電装置の側面図である。
【
図4C】本開示の態様による、マルチモード環境発電装置の別の側面図である。
【
図5】本開示の態様による、例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概要
本技術は、あらゆる形態のエネルギーを収穫し、高周波(radiofrequency、RF)環境を強化するように設計されたマルチモード環境発電テープに関する。このテープは、テープによって出力される高周波信号を使用して受動的に電力が供給される識別子又は他の追跡装置を含む追跡システムにおいて使用されてもよい。追跡システムにおいてテープを使用することは、受動型識別子又は追跡装置の環境発電モジュールが簡略化されてもよく、あるいは形態に関してより多くの柔軟性を有していてもよいことを意味する。識別子又は追跡装置のサイズ及びコストもまた、低減されてもよい。
【0012】
追跡システムは、1つ以上のテープ片、複数の受動型タグ、及びリーダを含んでもよい。各受動型タグは、荷物のような追跡される品物に取り付けられてもよい。1つ以上のテープ片は、配送トラック又は倉庫の内壁など、品物のための環境に取り付けられてもよい。いくつかの実装形態では、追跡システムは、中央サーバと、1つ以上のクライアント装置上にインストールされてもよく、中央サーバにアクセスしてもよいアプリケーションと、を更に含んでもよい。リーダは、受動型タグを追跡し、ネットワークを通じて中央サーバにデータを送信してもよく、クライアント装置は、ネットワークを通じて中央サーバにアクセスしてもよい。
【0013】
各テープ片は、テープの厚さを画定する複数の層を有していてもよい。複数の層は、太陽エネルギーを捕捉するように構成された太陽電池層、温度勾配を通して熱エネルギーを捕捉する熱電層、機械エネルギー(振動)を捕捉する1つ以上の圧電層、及び/又は高周波エネルギーを捕捉する1つ以上の電極層を含んでもよい。1つ以上の電極層は、1つ以上の電極、高周波相補型金属酸化膜半導体(radiofrequency complementary metal-oxide-semiconductor、RF CMOS)、ダイオード、及び/又は圧電構成要素を含んでもよい。いくつかの実装形態では、1つ以上の電極層は、1つ以上の集積回路層を含んでもよい。場合によっては、所与のテープ片は、2つ以上のタイプの層(太陽電池、熱電、圧電、又は電極)として構成された単一層を有していてもよい。捕捉された高周波エネルギーは、マルチバンド高周波エネルギーであってもよい。複数の層のうちの少なくとも1つはまた、1つ以上のコンデンサ又は再充電可能な印刷電池などのエネルギー貯蔵装置を含んでもよい。前述の層のうちの1つはまた、1つ以上のアンテナと、複数の層によって捕捉されたエネルギーを受け取り、エネルギーを整流し、エネルギーを貯蔵し、かつ/又はRF信号を出力するように構成された1つ以上の処理ユニットと、を含んでもよい。マルチバンド高周波エネルギーを捕捉するために、アンテナは、1つ以上のマルチバンドアンテナを含んでもよい。いくつかの実装形態では、アンテナ及び1つ以上の処理ユニットを含む層はまた、電極層のうちの1つであってもよい。他の実装形態では、アンテナ及び1つ以上の処理ユニットを含む層はまた、太陽光発電層、熱電層、又は圧電層のうちの1つであってもよい。
【0014】
これらの層のうちの1つ以上は、ロールツーロール(roll-to-roll、R2R)処理からの1つ以上の技法を使用して製造されてもよい。各層の製造プロセスは、絶縁材料、導電材料、圧電材料、及び/又は熱電材料の堆積、インプリント、及びエッチングに関連するステップを実施することを含んでもよい。これらの層は、テープ片を形成するために、1つの層が別の層の上に直接重なるように、接着剤などを用いて互いに組み立てられてもよい。テープ片を設置することは、テープの第1の端部及び第2の端部を、配送トラックの側面又は倉庫の壁などの表面に接着させることを含んでもよい。
【0015】
本明細書に記載されるマルチモード環境発電テープは、受動型追跡装置の有用性を高める。受動型識別子の環境発電機能のいくつかを除去することができるので、受動型識別子の形態及び機能は、より柔軟になる。2つ以上の種類のエネルギーを収集することによって、テープは、高周波環境を強化して、より一貫した電力を受動型識別子に提供することができ、これにより、検出可能性が増加し、追跡が改善される。
【0016】
例示的なシステム
図1A及び
図1Bは、様々な環境で採用されている追跡システム100の機能図及び絵図である。追跡システム100は、1つ以上のテープ片などの1つ以上のマルチモード環境発電装置102と、複数の受動型タグ104(識別子チップなど)と、リーダ106と、を含んでもよい。各受動型タグは、荷物のような追跡される品物に取り付けられてもよい。1つ以上のマルチモード環境発電装置102は、それらの環境における供給源からエネルギーを捕捉又は収穫するように構成されていてもよい。例えば、供給源は、とりわけ、光エネルギー源108、振動エネルギー源110、又は熱エネルギー源112を含んでもよい。
【0017】
1つ以上のマルチモード環境発電装置102は、受動型タグを有する品物が追跡されるエリアに設置されてもよい。例えば、テープ片102は、建物120の内壁、建物内の輸送車両122の表面、配送トラック124の内部、パレット126の表面、又は荷物128の外面に設置されてもよい。
図1Bに示すように、テープ片102a、102bは、倉庫120aに設置されてもよく、倉庫120aは、光源130を含み、フォークリフト122aを有する。テープ片102aは、フォークリフト122aに取り付けられてもよく、テープ片102bは、倉庫120aの内壁に取り付けられてもよい。テープ片102aは、フォークリフト122a上にあるため、光源130からの光がテープ片102aに到達したときに光エネルギーを受け取るとともに、フォークリフト122aの動きから振動エネルギーを受け取ることができる。テープ片102bは、壁上にあるため、光源130から光エネルギーを受け取ることができ、テープ片102aよりも直接的に光エネルギーを受け取ることができる。テープ片102cは、配送トラック124の内壁に設置されてもよい。テープ片102cは、配送トラックの内部から、配送トラック124の動きにより振動エネルギーを受け取ることができる。テープ片102d、102eは、パレット126上に設置されてもよい。パレット126が、フォークリフト122a又は配送トラック124上などで動いているとき、テープ片102d、102eは、振動エネルギーを受け取ることができる。パレット126が空港の駐機場などの屋外に配設されているとき、テープ片102d、102eは、太陽132又は他の近くの光源からの光エネルギー、並びに太陽132によって引き起こされる温度勾配からの熱エネルギーを受け取ることができる。テープ片102f、102gは、病院120bに設置されてもよく、病院は、荷物128、光源130、車椅子122bを含む。テープ片102fは、車椅子122bに取り付けられてもよく、テープ片102gは、病院120bの内壁に取り付けられてもよい。テープ片102fは、車椅子122b上にあるため、光源130からの光がテープ片102fに到達したときに光エネルギーを受け取るとともに、車椅子122bの動きから振動エネルギーを受け取ることができる。テープ片102gは、壁上にあるため、光源130から光エネルギーを受け取ることができ、テープ片102fよりも直接的に光エネルギーを受け取ることができる。いくつかの例では、テープ片102b、102gは、熱エネルギーを捕捉することを可能にするために、テープ片102b、102g上に温度勾配を形成する暖房ベント又は冷却ベントの近くの壁上に配設されてもよい。
【0018】
これらの環境からエネルギーを捕捉した後、1つ以上のマルチモード環境発電装置102は、複数の受動型タグ104のためにRF信号を環境に送信してもよい。信号は、複数の受動型タグ104に電力を供給することができる特定の帯域であってもよく、結果として、環境における複数の受動型タグ104に利用可能な電力を追加してもよい。電力が供給されると、複数の受動型タグ104は、それぞれの位置を示す信号を発してもよい。リーダ106は、複数の受動型タグ104が発した信号を検出し、次いで、検出されたタグの位置に関連するデータを記憶し、かつ/又は送信するように構成された計算装置であってもよい。リーダ106は、1つ以上のプロセッサ114、メモリ116、及び汎用計算装置に典型的に存在する他の構成要素を含んでもよい。
【0019】
1つ以上のプロセッサ114は、市販のCPUなどの任意の従来のプロセッサであってもよい。代替的に、1つ以上のプロセッサは、ASICなどの専用装置又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)などの他のハードウェアベースのプロセッサであってもよい。
図1は、プロセッサ(複数可)、メモリ、及びリーダ106の他の要素を同じブロック内にあるものとして機能的に示しているが、プロセッサ、計算装置、又はメモリは、実際には、同じ物理的な筐体内に格納されていてもいなくてもよい複数のプロセッサ、計算装置、又はメモリを含み得ることは、当業者により、理解されるであろう。例えば、メモリは、ハードドライブ、又はリーダ106の筐体とは異なる筐体内に位置する他の記憶媒体であってもよい。したがって、プロセッサ又は計算装置への言及は、並行に動作する場合があるか、若しくは動作しない場合があるプロセッサ又は計算装置又はメモリの集合体への言及を含むことが理解されよう。
【0020】
メモリ116は、1つ以上のプロセッサ114によってアクセス可能である情報を記憶し、その情報には、プロセッサ(複数可)114によって実行又は別様に使用され得るデータ117及び命令118が含まれる。メモリ116は、プロセッサ(複数可)によってアクセス可能である情報を記憶することができる任意のタイプのメモリであってもよく、それらには、計算装置可読媒体、又はハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、若しくは他の光ディスク、並びに他の書き込み可能及び読み取り専用メモリなどの電子装置を使って読み取ることができるデータを記憶する他の媒体が含まれる。システム及び方法は、前述の異なる組み合わせを含んでもよく、それによって、命令及びデータの異なる部分が、異なるタイプの媒体に記憶される。
【0021】
データ117は、命令118に従ってプロセッサ(複数可)114によって取り出され、記憶され、又は変更されてもよい。例えば、特許請求の範囲の主題は、いかなる特定のデータ構造にも限定されないが、データは、計算装置のレジスタ内、複数の異なるフィールド及びレコードを有する表としての関係データベース内、XMLドキュメント、又はフラットファイルに記憶されてもよい。このデータは、任意の計算装置可読形式でフォーマットされてもよい。
【0022】
命令118は、プロセッサによって直接的に(マシンコードなど)又は間接的に(スクリプトなど)実行される、任意のセットの命令であってもよい。例えば、命令は、計算装置可読媒体上に計算装置コードとして記憶されてもよい。この点に関して、用語「命令」及び「プログラム」は、本明細書では交換可能に使用され得る。命令は、プロセッサによる直接処理のための対象物コード形式で、又は要求に応じて解釈されるか、若しくは予めコンパイルされるスクリプト若しくは独立したソースコードモジュールの集合を含む、任意の他の計算装置言語で記憶されてもよい。命令の機能、方法、及びルーチンについては、以下でより詳細に説明される。
【0023】
図2及び
図3は、それぞれ、ネットワーク260を介して接続された複数の計算装置210、220、230、240及び記憶システム250を含む例示的なシステム200の絵図及び機能図である。システム200はまた、受動型タグ104a、104b及びリーダ106を含む。簡潔にするため、いくつかのタグ及び計算装置のみを図示しているが、典型的なシステムは、これよりもはるかに多くのものを含むことができる。
【0024】
いくつかの実装形態では、追跡システム100は、1つ以上のサーバ計算装置210などの中央サーバと、1つ以上のクライアント計算装置220、230、240上にインストールされ得、中央サーバ210にアクセスし得るアプリケーションと、を更に含んでもよい。受動型タグ104の位置を検出した後、リーダ106は、ネットワーク260を通じて中央サーバ210に位置データを送信することができる。クライアント計算装置220、230、240は、ネットワーク260を通じて中央サーバ210上の位置データにアクセスすることができる。
【0025】
クライアント計算装置を使用して、ユーザ222、232、242などのユーザは、計算装置220、230、240のディスプレイ224、234、244などのディスプレイ上で位置データを見ることができる。
図3に示すように、各クライアント計算装置220、230、240は、ユーザ222、232、242が使用することを意図したパーソナル計算装置であってもよく、1つ以上のプロセッサ(例えば、中央処理装置(central processing unit、CPU))、データ及び命令を記憶するメモリ(例えば、RAM及び内部ハードドライブ)、ディスプレイ224、234、244(例えば、画面を有するモニタ、タッチスクリーン、プロジェクタ、テレビ、又は情報を表示するために操作可能な他の装置)、及びユーザ入力装置226、236、246(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、又はマイクロフォン)を含むパーソナル計算装置に関連して通常使用される全ての構成要素を有していてもよい。クライアント計算装置はまた、スピーカ、ネットワークインターフェース装置、及びこれらの要素を互いに接続するために使用される全ての構成要素を含んでもよい。
【0026】
クライアント計算装置220、230、及び240は各々、フルサイズのパーソナル計算装置を含んでもよいが、代替的に、インターネットなどのネットワークを介してサーバとデータを無線で交換することができるモバイル計算装置を含んでもよい。例示に過ぎないが、クライアント計算装置220は、携帯電話、又は無線対応PDA、タブレットPC、ウェアラブル計算装置若しくはシステム、あるいはインターネット若しくは他のネットワークを介して情報を取得することができるネットブックなどの装置であってもよい。別の例では、クライアント計算装置230は、
図2に腕時計として示されるウェアラブル計算システムであってもよい。一実施例として、ユーザは、小型キーボード、キーパッド、マイクロフォンを使用して、カメラを用いる視覚信号、又はタッチスクリーンを使用して、情報を入力してもよい。
【0027】
1つ以上のマルチモード環境発電装置102については、1つ以上のテープ片が含まれていてもよく、
図4A~
図4Cに示され、本明細書で考察されるように構成されていてもよい。
図4Aに示すように、各テープ片400は、第1の端部402と、第2の端部404と、第1の端部と第2の端部との間の長さ406と、幅408と、厚さ410と、を有していてもよい。テープ片の長さ406は、幅408よりも長い。テープ片の長さ406は、捕捉対象の周波数帯域に基づいて決定されてもよい。例えば、周波数帯域は、誘導結合のために60Hzを含んでもよく、又は高周波捕捉のために高周波範囲内であってもよい。いくつかの実装形態では、長さ406は、電流を生成するために光に露光される半導体の目標領域サイズに基づいて決定されてもよい。テープの厚さ410は、長さ406及び幅408よりも小さい。例えば、長さ406は、100cmであってもよく、幅408は、15cmであってもよく、厚さ410は、1mm又は約1mmであってもよい。他の例では、厚さ410は、1mmより大きくても小さくてもよい。加えて、所与のテープ片の所与の長さに対して、所与のテープ片内の圧電材料の厚さは、所与のテープ片を目標共振周波数で振動させる曲げ剛性を提供するように選択されてもよい。テープ片400は、従来の矩形形状であってもよいし、異なるタイプの形状であってもよい。テープ片の材料は、可撓性で薄くてもよい。他のテープ片は、異なる寸法、形状、又は材料を有していてもよい。
【0028】
各テープ片400は、テープの厚さ410を画定する複数の層を有していてもよい。複数の層の各々は、500マイクロメートル未満であってもよい。複数の層は、高周波波長、赤外線波長、光学(可視)波長、紫外線波長、X線波長、又はガンマ波長を含むなど、多種多様な電磁放射を捕捉するように構成されていてもよい。異なる層は、電磁放射の異なる範囲を捕捉するように構成されていてもよい。例えば、1つの層は、高周波波長の1つ以上の帯域を捕捉してもよく、別の層は、可視波長を捕捉してもよく、更に別の層は、ガンマ波長を捕捉してもよい。また、単一層は、電磁放射の2つ以上のカテゴリ内の波長を捕捉するように構成されていてもよい。
【0029】
図4Bに示すように、複数の層は、太陽エネルギーを捕捉する太陽電池層として構成されている第1の層420と、機械エネルギー(振動)を捕捉する圧電層及び/又は高周波エネルギーを捕捉する電極層の両方として構成されている第2の層424と、熱エネルギーを捕捉する熱電層として構成されている第3の層428と、を含んでもよい。
図4Bに示す層の各々は、およそ100マイクロメートル~およそ200マイクロメートルであり得る。他の層と同じ又は異なるタイプのエネルギーであり得るより多くのエネルギーを捕捉するために、1つ以上の追加の層が含まれていてもよい。代替例では、圧電層及び電極層のために別個の層があってもよい。エネルギー捕捉層の間に接着剤層があってもよい。例えば、接着剤層422は、太陽電池層420と圧電層/電極層424との間にあってもよく、接着剤層426は、圧電層/電極層424と熱電層428との間にあってもよい。
図4Aに示すように、太陽電池層420などの前述の層のうちの1つは、アンテナ430と、高周波信号を出力するための1つ以上の処理ユニット432と、を含んでもよい。代替例では、アンテナ430及び/又は1つ以上の処理ユニット432は、圧電層/電極層424又は熱電層428に含まれていてもよい。
【0030】
複数の層のうちの少なくとも1つは、1つ以上のコンデンサ又は再充電可能な印刷電池などのエネルギー貯蔵装置に取り付けられてもよい。いくつかの例では、エネルギー貯蔵装置は、電極を介するなどして、第1の端部及び/又は第2の端部の近くの複数の層に取り付けられてもよい。エネルギー貯蔵装置と層のうちの1つ以上との間の接続には、入力信号を整流するための整流回路が含まれていてもよい。整流素子は、所与の層上に半導体/金属又は半導体/金属接合を印刷することによって製作されてもよく、あるいはシリコンチップ上に実装された整流チップレットを所与の層に取り付けてもよい。整流回路は、異なる層又は各層上の異なる供給源から来る電気エネルギーのインピーダンスを互いに遮蔽するように構成されていてもよく、これにより、電荷がエネルギー貯蔵装置に向かってのみ流れることを可能にする。遮蔽機能は、異なるインピーダンスを伴う異なる供給源からのエネルギーを収集/貯蔵するための効率を向上させてもよい。例えば、太陽エネルギーの場合、PNダイオードなどのダイオードは、典型的には、照明下で順方向バイアスされ、低出力インピーダンスを有する。対照的に、圧電振動発電機は、高出力インピーダンスを有する。代替的に、アクティブスイッチは、異なる供給源をエネルギー貯蔵装置に接続することを切り替えるために、1つ以上の処理ユニット432などによって制御されてもよく、エネルギー貯蔵装置は、一度に1つの供給源からエネルギーを受け取るように構成されていてもよい。
【0031】
1つ以上のエネルギー貯蔵装置は、電極を通してなど、複数の層においてアンテナに電気的に取り付けられてもよい。
図4Bに示すように、エネルギー貯蔵装置440a、440bは、それぞれ、第1の端部402及び第2の端部404において、又はその近くに取り付けられてもよい。エネルギー貯蔵装置440の各々は、電極対442、444を介して太陽電池層420に電気的に取り付けられていてもよく、電極対のうちの1つは、太陽電池層内のアンテナ430に接続されていてもよい。加えて、エネルギー貯蔵装置440の各々は、電極対446を介して圧電層/電極層424に電気的に取り付けられていてもよく、電極対448を介して熱電層428に電気的に取り付けられていてもよい。代替的に、エネルギー貯蔵装置は、複数の層のうちの少なくとも1つに含まれていてもよい。エネルギー貯蔵装置は、コンデンサ又は電池を含んでもよい。
【0032】
集積回路などの1つ以上の処理ユニット432は、複数の層からエネルギーを受け取るように構成されていてもよく、これには、必要に応じてエネルギーを整流することを含む。例えば、集積回路は、各電極対442、444、446、448によって生成された電気エネルギーを受け取り、受け取ったエネルギーをエネルギー貯蔵装置を使用して貯蔵してもよい。1つ以上の処理ユニット432は、テープ片の他の構成要素に接続する複数の導電性トレースを含んでもよく、これには、層を通過するビアに接続することを含んでもよい。導電性トレースは、エネルギーを1つ以上の処理ユニット432に、かつエネルギー貯蔵装置に向けて指向してもよく、また、信号を送信するために、エネルギーをアンテナ430に向けて指向してもよい。
【0033】
圧電層/電極層424など、生成されたエネルギーが整流を必要とする層では、電極対446を整流回路に接続して、貯蔵前にエネルギーを整流することができる。代替的に、1つ以上の処理ユニット432は、1つ以上のスイッチを制御して、異なる供給源からのエネルギーをエネルギー貯蔵装置に向けて指向してもよい。1つ以上の処理ユニット432は、層で受け取ったエネルギーレベル、又は層のタイプに関連するエネルギー源から検出された環境条件など、検出された条件に基づいて、1つ以上のスイッチを制御してもよい。
【0034】
また、複数の層からエネルギーを受け取ることは、異なる電力(エネルギー)モードを合計することを含んでもよい。異なる電力モードを合計する方法は、信号を送信するために貯蔵されたエネルギーを利用する前に、受け取った異なるエネルギーをエネルギー貯蔵装置440a、440b又は別の別個の装置などのエネルギー貯蔵装置において貯蔵することを含んでもよい。異なる電力モードを合計するための構成により、第1の層から貯蔵されたエネルギーが第2の層に漏出することを防止することができる。
【0035】
生成された電気エネルギーを使用して、1つ以上の処理ユニット432は、アンテナ430を使用して、900MHzなどの受動型タグ104と関連付けられた特定の帯域上で信号を送信することができる。1つ以上の処理ユニット432は、エネルギー貯蔵装置440に接続された電極対442又は444を使用してアンテナを起動することができる。代替的に、1つ以上の処理ユニットは、個別の回路構成要素を含んでもよい。1つ以上の処理ユニット432は、しきい値量のエネルギーが受け取られるか、又は貯蔵されるなど、条件のセットが満たされた後に信号の送信を開始することができる。場合によっては、1つ以上の処理ユニット432は、追跡装置のための目標帯域、ユーザ入力、又は検出された環境条件に基づいて、信号のための特定の帯域を選択することができる。
【0036】
各テープ片は、任意選択で、接着剤、又はテープ片を表面上に取り付けるための別の取り付け手段を含んでもよい。接着剤は、テープ片の外面に加えられてもよく、又は別個の接着剤層であってもよい。例えば、接着剤は、接着剤層426の反対側のテープ片400の熱電層428の利用可能な表面上にあってもよい。このタイプの接着剤配置では、テープ片400は、
図4Cの構成460に示すように、壁、車両、パレット、又は荷物などの表面450上に、底面全体が表面に接着された状態で設置することができる。代替的に、取り付け手段は、各テープ片の第1の端部の縁部及び第2の端部の縁部上にあってもよい。例えば、クリップ又はフックなどの取り付け手段は、テープ片400の第1の端部402及び第2の端部404上に位置付けられていてもよい。このタイプの取り付け手段配置では、テープ片400は、
図4Cの構成470に示すように、第1の端部402及び第2の端部404が表面450に取り付けられ、テープ片400の長さの残りの部分が取り付けられておらず、自由に移動又は振動するような状態で、表面450上に設置することができる。この例では、表面450は、テープ片400上の取り付け手段と結合するように構成された取り付け手段472、474を有することができる。取り付け手段は、可撓性であってもよく、又はそうでなければ、テープ片400が所望の範囲で屈曲若しくは振動することを可能にしてもよい。
【0037】
方法の例
次に、上述した、かつ図に示した動作に加えて、様々な動作について説明する。以下の動作は、以下に説明するとおりの順序で実施される必要がないことを理解されたい。
【0038】
図5は、上述した態様のいくつかによる、テープ片を製造するための方法を含む例示的なフロー
図500である。本方法は、本方法のステップのためにカスタマイズされた機械を制御する1つ以上の計算装置によって実施されてもよい。
図5は特定の順序でブロックを示しているが、順序は変更されてもよく、複数の動作が同時に実施されてもよい。また、動作が追加又は省略されてもよい。
【0039】
テープ片の層のうちの1つ以上は、可撓性電子機器を製作するロールツーロール(R2R)処理からの1つ以上の技法を使用して製造されてもよい。ブロック502において、複数の層の各環境発電層は、R2R処理からの技法を使用して、上述した機能を含むように構築され得る。具体的には、各環境発電層の製造は、R2R処理の堆積、インプリント、及びエッチングステップを実施することを含み得る。各環境発電層は、テープ片の所定の長さに基づいて、同じ又は同様の長さを有するように製造され得る。いくつかの実装形態では、テープ片の所定の長さは、エネルギー捕捉のための目標周波数を示す入力に基づいて製造を実施する1つ以上の計算装置によって決定され得る。他の実装形態では、テープ片の所定の長さは、追加的又は代替的に、太陽エネルギーを収穫するために半導体が光に曝露される目標最小面積を示す入力、又は太陽エネルギーからの目標電流量を示す入力に基づいて、1つ以上の計算装置によって決定され得る。更なる実装形態では、テープ片のための圧電材料の厚さは、目標共振周波数及びテープ片の選択又は決定された長さに基づいて、1つ以上の計算装置によって決定され得る。目標共振周波数又は周波数帯域は、1つ以上の計算装置への入力として受信されてもよく、又は目標屈曲剛性を示す入力に基づいて1つ以上の計算装置によって決定されてもよい。ブロック504において、環境発電層は、接着剤層を使用して1つの層が別の層の上に直接重なるように互いに組み立てられてもよい。例えば、太陽電池層420は、接着剤層422を使用して圧電層/電極層424の上に直接組み立てられてもよく、圧電層/電極層424は、接着剤層426を使用して熱電層428の上に直接組み立てられてもよい。組立体の寸法及び材料は、ブロック502に記載された決定に基づいてもよい。接着剤層は、スプレーコーティングされていてもよい。いくつかのテープ片については、ブロック502において全ての層が構築される前に、所与の層に接着剤が塗布されてもよい。ブロック506において、1つ以上のエネルギー貯蔵装置が環境発電層に接続され得る。1つ以上のエネルギー貯蔵装置は、1つ以上のコンデンサ又は再充電可能な印刷電池を含んでもよい。いくつかのテープ片について、1つ以上のエネルギー貯蔵装置は、ブロック502におけるR2R処理の一部として構築されてもよい。
【0040】
いくつかの実装形態では、2つ以上のテープ片の長さを1回の工程で製造することができる。これらの実装形態では、本方法は、ブロック508において、製造工程を複数のテープ片に分割することを更に含んでもよい。いくつかの更なる実装形態は、ブロック510において、複数のテープ片を、端と端をつないで配置するか、又は少なくともわずかに重なるように配置するなど、ロール状に保管することを含んでもよい。
【0041】
テープ片を設置することには、以下の特徴のうちの1つ以上が含まれる場合がある。テープ片の第1の端部及び第2の端部は、配送トラックの側面又は倉庫の壁などの表面に接着されてもよい。
図4Cの構成460に示すように、より安定させるために、テープの全長を表面に接着してもよい。代替的に、テープ片の第1の端部と第2の端部との間の長さは、
図4Cの構成470に示すように、表面に接着されなくてもよいが、テープ片が振動することを可能にするようにピンと張っていてもよい。このようにして、振動エネルギーは、テープ片の圧電層によって捕捉され得る。テープ片は、地面又は容器若しくは建物の床に対して垂直又は平行などの特定の向きで設置されてもよい。場合によっては、テープ片の第1の端部は、熱源により近接するなど、より暖かい場所に位置付けられてもよく、第2の端部は、より寒い場所に位置付けられてもよい。異なるテープ片が異なる向きで設置されてもよい。
【0042】
いくつかの代替実装形態では、複数の層は、異なる構成で配置されてもよい。したがって、代替実装形態は、非テープ形態で層を位置付けることを含んでもよい。例えば、層は、箱又は異なる容器の表面上に位置付けられてもよい。層は、代替的に、異なるタイプのエネルギーが利用可能な場所に基づいて、互いに独立して位置付けられてもよい。形態にかかわらず、層は、捕捉されたエネルギーを受け取り、貯蔵し、整流し、かつ/又は送信するように構成されている1つ以上の処理ユニットに、電気的又は別様に動作可能に結合されていてもよい。
【0043】
本明細書に記載されるマルチモード環境発電テープは、受動型追跡装置の有用性を高める。受動型識別子の環境発電機能のいくつかを除去することができるので、受動型識別子の形態及び機能は、より柔軟になる。2つ以上の種類のエネルギーを収集することによって、テープは、高周波環境を強化して、より一貫した電力を受動型識別子に提供することができ、これにより、検出可能性が増加し、追跡が改善される。例えば、テープは、太陽エネルギーが利用可能ではないが、振動エネルギーが利用可能であるときに、光が透過できないが、輸送又は他の動き中に振動が依然として感じられ得る包装された箱又はパレットの内部などに有用であり得る。
【0044】
特に明記しない限り、前述の代替例は、相互に排他的ではなく、独自の利点を達成するために様々な組み合わせで実施されてもよい。上で考察した特徴のこれら及び他の変形及び組み合わせは、特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱することなく利用でき、実施形態の前述の説明は、特許請求の範囲によって定義される主題の限定としてではなく、例示として解釈されるべきである。加えて、本明細書に記載される実施例の提供、並びに「など」、「含む」などの表現は、特許請求の範囲の主題を特定の実施例に限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施例は、多くの可能な実施形態のうちの1つのみを説明することを意図している。更に、異なる図面の同じ参照符号は、同じ又は同様の要素を特定することができる。
【国際調査報告】