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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】固定板、貯液器および空調システム
(51)【国際特許分類】
   F25B 43/00 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
F25B43/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525764
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 CN2022135465
(87)【国際公開番号】W WO2023124719
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202123387652.X
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】王 国棟
(72)【発明者】
【氏名】金 海竜
(72)【発明者】
【氏名】宇 汝巣
(72)【発明者】
【氏名】董 徳森
(72)【発明者】
【氏名】郭 世俊
(57)【要約】
固定板(30)、貯液器(100)および空調システム(200)である。本願が提供する固定板(30)は、貯液器(100)のハウジング内に設けられ、貯液器(100)が第1継ぎ管(20)を含み、固定板(30)は第1継ぎ管(20)を固定するために用いられ、固定板(30)に接続孔(31)が開設されており、接続孔(31)は第1継ぎ管(20)の貫通のために用いられ、接続孔(31)の孔口部にフラップ部(32)が設けられており、フラップ部(32)の内壁面には溶接リングを収容するための収容溝(321)が開設されており、収容溝(321)の溝壁には固定部(3211)が設けられており、固定部(3211)は溶接リングを位置規制するために用いられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯液器のハウジング内に設けられ、前記貯液器が第1継ぎ管を含み、前記第1継ぎ管を固定するために用いられる固定板であって、
前記固定板には、接続孔が開設され、前記接続孔は前記第1継ぎ管の貫通のために用いられ、前記接続孔の孔口部にフラップ部が設けられ、前記フラップ部の内壁面に溶接リングを収容するための収容溝が開設され、前記収容溝の溝壁に固定部が設けられ、前記固定部は前記溶接リングを位置規制するために用いられていることを特徴とする固定板。
【請求項2】
前記固定部は複数個設けられ、かつ、複数の前記固定部は、前記収容溝の溝壁の周方向に沿って離間して設けられている請求項1に記載の固定板。
【請求項3】
前記固定部は突起を含み、かつ、前記突起は環状であり、前記突起は前記収容溝の溝壁の周方向に沿って設けられている請求項1に記載の固定板。
【請求項4】
前記固定部は複数の突起を含み、かつ、前記突起は前記収容溝の溝壁の周方向に沿って離間して設けられている請求項1に記載の固定板。
【請求項5】
前記突起は、加圧加工によって前記フラップ部の外壁に形成されている請求項3または4に記載の固定板。
【請求項6】
前記固定部は段差を含み、前記段差は前記フラップ部の一端が口絞りされることによって形成されている請求項1に記載の固定板。
【請求項7】
前記固定部は、前記第1継ぎ管の一端に近接する前記収容溝の溝壁に設けられている、および/または、前記固定部は、前記第1継ぎ管の一端から離れた前記収容溝の溝壁に設けられている請求項1または6に記載の固定板。
【請求項8】
前記固定部は、前記接続孔に近接する前記収容溝の側壁に設けられている、および/または、前記固定部は、前記接続孔から離れた前記収容溝の側壁に設けられている請求項1または6に記載の固定板。
【請求項9】
前記固定板にはさらに複数のろ過孔が開設されており、かつ、複数の前記ろ過孔は前記固定板の周方向に沿って均等に分布している請求項1に記載の固定板。
【請求項10】
前記固定部は、前記フラップ部の外壁において、加圧加工または絞り加工の方式によって形成されている請求項1に記載の固定板。
【請求項11】
貯液器であって、ハウジングと、第1継ぎ管と、請求項1~10のいずれか一項に記載の固定板とを含み、前記固定板は前記ハウジング内に取り付けられ、前記第1継ぎ管の一端は前記接続孔を貫通し、他端は前記ハウジングの外側に延出していることを特徴とする貯液器。
【請求項12】
前記ハウジング内には密閉された収容室が形成されており、前記固定板は前記収容室に取り付けられ、前記ハウジングの一端には第1流通口が開設され、他端には第2流通口および第3流通口が離間して開設されており、前記第1流通口、前記第2流通口および前記第3流通口は、いずれも収容室を介して連通しており、
冷媒は、前記第1流通口を介して前記収容室内に流入し、その後、さらに前記第2流通口および前記第3流通口を介して前記収容室から流出する請求項11に記載の貯液器。
【請求項13】
第2継ぎ管をさらに含み、前記第2継ぎ管は、前記第1流通口を介して前記ハウジングに挿設され、かつ、前記ハウジングに溶接固定され、
前記第1継ぎ管は第1接続管と第2接続管とを含み、前記第1接続管と前記第2接続管とは、それぞれ前記第2流通口と前記第3流通口とを介して前記ハウジング内に挿入され、かつ、前記ハウジングと溶接固定される請求項12に記載の貯液器。
【請求項14】
前記第1継ぎ管と前記第2継ぎ管とは、いずれも銅から作られる請求項13に記載の貯液器。
【請求項15】
請求項11~14に記載の貯液器を含むことを特徴とする空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2021年12月29日に中国専利局に出願した、出願番号が202123387652.X、発明の名称が「固定板、貯液器および空調システム」の中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
【0002】
本願は液体貯蔵の技術分野に関し、特に固定板、貯液器および空調システムに関する。
【背景技術】
【0003】
貯液器は冷却システムにおいて重要なコンポネントであり、通常は蒸発器と圧縮機の間に設置され、冷媒貯蔵、気液分離、不純物のろ過などの機能を持つ。
【0004】
関連技術における貯液器の固定板は、通常、溶接リングを直接第1継ぎ管に嵌め、溶接リングが嵌合された第1継ぎ管を固定板に挿入して、固定板と第1継ぎ管とを溶接する。溶接リングは炉内に入れたときに水平に配置されるが、ろう付け炉が回転中に揺れると、溶接リングは加熱されて軟化し、固定板上の溶接部から離れた箇所に向かって摺動し、これによって固定板と第1継ぎ管との間にろう材が充填されず、第1継ぎ管と固定板とで異音が発生しやすくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の様々な実施例により、固定板、貯液器および空調システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、貯液器のハウジング内に設けられ、前記貯液器が第1継ぎ管を含み、前記第1継ぎ管を固定するために用いられる固定板を提供し、前記固定板には、接続孔が開設され、前記接続孔は前記第1継ぎ管の貫通のために用いられ、前記接続孔の孔口部にフラップ部が設けられ、前記フラップ部の内壁面に溶接リングを収容するための収容溝が開設され、前記収容溝の溝壁に固定部が設けられ、前記固定部は前記溶接リングを位置規制するために用いられている。
【0007】
本願は、前記収容溝の溝壁に前記固定部を設け、前記固定部によって前記溶接リングを固定して位置規制することで、前記溶接リングを入炉後にろう付け炉の揺れや溶接リングの置き方に影響されないようにし、前記収容溝内部から前記溶接リングが脱落して効果が失われることを回避し、溶接強度を高められることが理解できる。
【0008】
1つの実施例において、前記固定部は複数個設けられ、かつ、複数の前記固定部は、前記収容溝の溝壁の周方向に沿って離間して設けられている。
【0009】
1つの実施例において、前記固定部は突起を含み、かつ、前記突起は環状であり、前記突起は前記収容溝の溝壁の周方向に沿って設けられている。
【0010】
1つの実施例において、前記固定部は複数の突起を含み、かつ、前記突起は前記収容溝の溝壁の周方向に沿って離間して設けられている。
【0011】
1つの実施例において、前記突起は、加圧加工によって前記フラップ部の外壁に形成されている。
【0012】
加圧加工によって前記フラップの外壁に前記突起を形成することにより、前記収容溝の溝壁に前記突起を追加的に設ける必要がなくなり、材料の使用量が低減されるとともに、前記収容溝内に前記突起を溶接する必要もなくなり、工程が簡略化され得ることが理解できる。
【0013】
1つの実施例において、前記固定部は段差を含み、前記段差は前記フラップ部の一端が口絞りされることによって形成されている。
【0014】
前記フラップ部に口絞りによって前記段差を形成することで、前記溶接リングを前記段差に直接収容し、前記溶接リングを挟持するとともに、前記収容溝内に締め付けられることが理解できる。
【0015】
1つの実施例において、前記固定部は、前記第1継ぎ管の一端に近接する前記収容溝の溝壁に設けられている、および/または、前記固定部は、前記第1継ぎ管の一端から離れた前記収容溝の溝壁に設けられている。
【0016】
1つの実施例において、前記固定板には複数のろ過孔が開設されており、かつ、複数の前記ろ過孔は前記固定板の周方向に沿って均等に分布している。
【0017】
前記固定板に複数の前記ろ過孔を開設することで、前記ろ過孔を通して前記収容室に進入した液相冷媒を前記ハウジングの底部に落下させられることが理解できる。
【0018】
本願は、ハウジングと、第1継ぎ管と、固定板とを含む貯液器をさらに提供し、前記固定板は前記ハウジング内に取り付けられ、前記第1継ぎ管の一端は前記接続孔を貫通し、他端は前記ハウジングの外側に延出している。
【0019】
本願は、貯液器を含む空調システムをさらに提供する。
【0020】
本願は、関連技術と比較して、前記収容溝の溝壁に前記固定部を設け、前記固定部によって前記溶接リングを固定して位置規制することで、前記溶接リングを入炉後にろう付け炉の揺れや溶接リングの置き方に影響されないようにし、前記収容溝内部から前記溶接リングが脱落して効果が失われることを回避し、溶接強度を高められることが理解できる。
【0021】
本願の1つまたは複数の実施例の詳細は、以下の添付図面および説明において示される。本願の他の特徴、目的、および利点は、明細書、添付図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0022】
ここで開示される発明のこれらの実施例および/または例をより良く記載し、説明するために、添付図面の1つまたは複数が参照され得る。添付図面を説明するために使用される追加の詳細または例は、開示される発明、現在記載されている実施例および/または例ならびに現在理解されているこれらの発明の最良態様のいずれかの範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】1つまたは複数の実施例による貯液器の構成模式図である。
図2】1つまたは複数の実施例による固定板の構造を一方向から見た模式図である。
図3】1つまたは複数の実施例による固定板の構造を別の方向から見た模式図である。
図4】1つまたは複数の実施例による空調システムの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願の上記目的、特徴および利点をより明白かつ理解しやすくするために、以下に、本願の具体的な実施形態について、添付図面と併せて詳細に説明する。以下の説明において、本願を十分に理解できるように多くの具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本願は、本明細書に記載したものと異なる他の多くの形態で実施され得、当業者であれば、本願の意味合いに反することなく同様の改良を行うことができるため、本願は、以下に開示する具体的な実施形態によって限定されるものではない。
【0025】
なお、アセンブリが他のアセンブリに「固定される」または「設けられる」とされる場合、それは他のアセンブリ上に直接あってもよく、または介在するアセンブリが存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「接続される」とみなされる場合、それは他のアセンブリに直接接続されてもよく、または介在するアセンブリが同時に存在する可能性もある。本願の明細書に使用される「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」という用語および同様の表現は、説明することを目的としているに過ぎず、唯一の実施態様を意図しているものではない。
【0026】
また、「第1」、「第2」という用語は、説明することを目的としているに過ぎず、相対的な重要性を示すまたは暗示するものとして理解されるものではなく、示された技術的特徴の数を実質的に指定するものでもない。これによって、「第1」、「第2」で定義される特徴は、少なくとも1つのその特徴を明示的または暗示的に含むことができる。本願の説明において、「複数」とは、別途明示的かつ具体的に限定されない限り、少なくとも2つ、例えば、2つ、3つ等を意味する。
【0027】
本願において、別途明確に規定され限定されない限り、第1特徴が第2特徴の「上」、「下」にあるということは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触してもよく、または第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触してもよい。さらに、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」、「上面」にあるということは、第1特徴が第2特徴の真上または斜め上にあることでもよく、または単に第1特徴が第2特徴よりも水平方向に高いことを示していてもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」、「下面」にあるということは、第1特徴が第2特徴の真下または斜め下にあることでもよく、または単に第1特徴が第2特徴よりも水平方向に低いことを示していてもよい。
【0028】
特に定義しない限り、本願の明細書に使用される技術用語および科学用語の全ては、当業者が通常理解している意味と同じである。本願の明細書に使用される用語は、特定の実施形態を説明することだけを目的としており、本願を限定することを意図するものではない。本願の明細書に使用される「および/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つまたは複数の任意のおよび全ての組み合わせを含む。
【0029】
図1から図3を参照すると、本願は、貯液器100を提供し、該貯液器100は主に冷却システムにおいて使用され、一般的に空調の蒸発器と圧縮機の間に設置される。冷却システムの負荷が小さい場合、冷媒を貯液器100に戻すことで、システム内の冷媒循環量を調整し安定させることによって、冷却システムの正常な作動状態を維持させることができる。冷却システムの一部に故障が発生して分解修理が必要な場合、一定の操作で、冷却システム内の冷媒を貯液器100に回収し、大量の冷媒が流出して無駄になることを回避することができる。貯液器100は、冷媒を貯蔵することができるだけでなく、冷媒に対して気液分離を行うこともできる。
【0030】
関連技術における貯液器の固定板は、通常、溶接リングを直接第1継ぎ管に嵌め、溶接リングが嵌合された第1継ぎ管を固定板に挿入して、固定板と第1継ぎ管とを溶接する。溶接リングは炉内に入れたときに水平に配置されるが、ろう付け炉が回転中に揺れると、溶接リングは加熱されて軟化し、固定板上の溶接部から離れた箇所に向かって摺動し、これによって固定板と第1継ぎ管との間にろう材が充填されず、第1継ぎ管と固定板とで異音が発生しやすくなる。
【0031】
関連技術における貯液器の固定板と第1継ぎ管との溶接に存在する問題を解決するために、本願は、貯液器100のハウジング10内に設けられる固定板30を提供し、貯液器100が第1継ぎ管20を含み、固定板30は第1継ぎ管20の固定に用いられ、固定板30には、接続孔31が開設され、接続孔31は第1継ぎ管20の貫通のために用いられ、接続孔31の孔口部にフラップ部32が設けられ、フラップ部32の内壁面に溶接リングを収容するための収容溝321が開設され、収容溝321の溝壁に固定部3211が設けられ、固定部3211は溶接リングを位置規制する。
【0032】
本願は、収容溝321の溝壁に固定部3211を設け、固定部3211によって溶接リングを固定して位置規制することで、溶接リングを入炉後にろう付け炉の揺れや溶接リングの置き方に影響されないようにし、前記収容溝321内部から溶接リングが脱落して効果が失われることを回避し、溶接強度を高めることができる。
【0033】
図2図3に示すように、溶接リングを収容溝321に配置した後、収容溝321内での溶接リングの堅固さをさらに高めて、溶接リングが収容溝321内から脱落するのを防止するために、フラップ部32の外壁をプレス加工し、これにより、フラップ部32の内壁は、固定部3211となるよう、かつ、当該固定部3211が第1継ぎ管20の一端に近接する収容溝321の溝壁に位置するように、および/または、該固定部3211が第1継ぎ管20の一端から離れた収容溝321の溝壁に位置するようにプレス加工される。すなわち、固定部3211は、接続孔31に近接する上記収容溝321の側壁に設けられている、および/または、固定部3211は接続孔31から離れた収容溝321の側壁に設けられている。つまり、固定部3211は、収容溝321の溝壁の一側に設けられてもよく、収容溝321の溝壁の両側から溶接リングを押さえ付け、安定性を高めるようにしてもよい。固定部3211の機能は、収容溝321内の溶接リングを固定して位置規制する役割を果たすことであり、溶接リングが脱落するとき、固定部3211に当接するので、溶接リングの脱落を妨げる役割を果たす。
【0034】
ここで、加圧加工の方式は、プレス加工、押出加工、スピニング加工等のいくつかの方式であってもよく、もちろん、固定部3211も、加圧加工の方式によって形成されることに限定されず、収容溝321の溝壁に絞り加工を施す方式によって形成されてもよく、絞り加工の方式は、縮径絞りまたは拡径絞り等であってもよく、固定部3211の加工方式は、ここでは具体的に限定しない。
【0035】
1つの実施例において、固定部3211は突起3211aを含み、かつ、突起3211aは環状であり、突起3211aは収容溝321の溝壁の周方向に沿って設けられている。つまり、固定部3211は、収容溝321の溝壁の全周に渡って設けられている環状の凸筋であってもよく、これにより、溶接リングの各脱落方向を阻止することができる。
【0036】
1つの実施例において、固定部3211は複数の突起3211aを含み、かつ、突起3211aは収容溝321の溝壁の周方向に沿って離間して設けられている。つまり、固定部3211は収容溝321の溝壁に離間して分布している複数のバンプであってもよい。
【0037】
本実施例では、固定部3211の形状、設置形態、設置位置は、種々可能であり、収容溝321内の溶接リングの阻止を実現できるものであればよく、ここでは限定しない。
【0038】
さらに、固定部3211は段差3211bを含む。段差3211bは収容溝321内に位置し、かつ、フラップ部32の一端を口絞りすることによって形成されている。なお、固定部3211は、また、フラップ部32の外壁を口絞りし、収容溝321内の溶接リングを挟持するとともに、収容溝321内に締め付けることで固定部3211を形成してもよく、収容溝321内での溶接リングの堅固さをさらに高め、これにより、第1継ぎ管20をフラップ部32内に延ばし、固定板30の接続孔31を貫通させて溶接する際に、溶接リングが脱落することがないので、第1継ぎ管20と固定板30との溶接強度が確保される。
【0039】
さらに、固定板30には複数のろ過孔33が開設されており、かつ、複数のろ過孔33は固定板30の周方向に沿って均等に分布している。ろ過孔33は、気液混合冷媒が固定板30上に流入するとき、冷媒を通過させるために用いられ、液相の冷媒をろ過孔33に通してハウジング10の底部に流れるようにしている。
【0040】
注意すべきことは、収容溝321内は、溶接リングを収容することに限らず、半田など他の物質を収容してもよく、ここでは限定しない。
【0041】
本願は、ハウジング10と、第1継ぎ管20と、固定板30とを含む貯液器100をさらに提供する。ハウジング10内には密閉された収容室11が形成されており、固定板30は収容室11内に取り付けられ、第1継ぎ管20の一端は収容室11内に位置し、他端はハウジング10の外側に延出している。
【0042】
図1に示すように、ハウジング10は、全体として、両端が口絞りされた円筒状をなしているが、もちろん、他の実施例においては、ハウジング10は、直方体など他の形状にしてもよく、ここでは限定しない。
【0043】
さらに、ハウジング10の一端には、第1流通口12が開設され、他端には、第2流通口13と第3流通口14とが離間して開設されている。第1流通口12と、第2流通口13と、第3流通口14とは、いずれも収容室11に連通する。冷媒は、第1流通口12を介して収容室11内に流入し、その後、第2流通口13と第3流通口14とを介して収容室11から流出する。
【0044】
具体的には、第2継ぎ管21は第1流通口12を介してハウジング10に挿設され、かつ、ハウジング10に溶接固定され、第2継ぎ管21は、一端がハウジング10内に延び、他端はハウジング10から外部に延出して空調システム内の他の管路と接続し、第2継ぎ管21を介して他の管路の冷媒を収容室11内に導入するために用いられる。第1継ぎ管20は第1接続管201と第2接続管202とを含み、第1接続管201と第2接続管202とが、それぞれ第2流通口13と第3流通口14とを介してハウジング10内に挿入され、かつ、ハウジング10に溶接固定され、第1接続管201と第2接続管202とは、一端がハウジング10内に延び、他端がハウジング10から外部に延出して空調システム内の他の管路と接続し、第1接続管201と第2接続管202とを介して収容室11内の冷媒を導出するために用いられる。他の実施例においては、第1継ぎ管20は必要に応じて複数の接続管として設けてもよい。
【0045】
なお、第1継ぎ管20と第2継ぎ管21とは、いずれもハウジング10に溶接固定されており、これにより全体としての接続シール性および信頼性が高められる。また、ハウジング10の外面には、専用の粉体塗装が施されているため、厳しいレベルの中性塩水噴霧試験に合格し、良好な耐食性を有している。
【0046】
本実施例では、第1継ぎ管20と第2継ぎ管21とは、ユーザが空調システム内の他の管路と溶接するのを容易にするために、いずれも銅製とすることができるが、もちろん、他の実施例においては、第1継ぎ管20と第2継ぎ管21とは、ステンレス鋼などの他の材料で作られてもよく、ここでは限定しない。
【0047】
さらに、固定板30はハウジング10の内壁に固定的に接続されており、第2継ぎ管21に近接する第1継ぎ管20の一端は、接続孔31中に延びて固定板30と溶接されており、これによりハウジング10内での第1継ぎ管20の固定が実現される。任意選択により、固定板30はハウジング10と一体または別体に設けることができ、ここでは限定しない。
【0048】
さらに、第1継ぎ管20は、ハウジング10内に延びる直管部203と、ハウジング10の外側の曲管部204とを含み、直管部203は、曲管部204とは固定接続されるか、または一体に設けられる。
【0049】
本願が提供する固定板30は、収容溝321の溝壁に固定部3211を設けることにより、固定部3211が溶接リングを固定して位置規制するようにし、溶接リングを入炉後にろう付け炉の揺れや溶接リングの置き方に影響されされないようにし、前記収容溝321内から溶接リングが脱落して効果が失われることを回避し、溶接強度を高める。
【0050】
図4に示すように、本願は、貯液器100を含む空調システム200をさらに提供する。
【0051】
上述した実施例の各技術的特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために上記の実施形態における各技術的特徴の可能な組み合わせの全てについて説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書の記載範囲内であるとみなすべきである。
【0052】
上述した実施例は、本願のいくつかの実施形態を示したものに過ぎず、その説明は具体的かつ詳細であるが、出願の請求の範囲を制限するものとして理解するべきではない。なお、当業者にとって、本願の思想を逸脱しない範囲でさらにいくつかの変形および改良を行うことができるが、これらはいずれも本願の保護範囲に属する。よって、本願の保護範囲は添付の請求項に準ずるものとする。
【符号の説明】
【0053】
100 貯液器
10 ハウジング
11 収容室
12 第1流通口
13 第2流通口
14 第3流通口
20 第1継ぎ管
201 第1接続管
202 第2接続管
203 直管部
204 曲管部
21 第2継ぎ管
30 固定板
31 接続孔
32 フラップ部
321 収容溝
3211 固定部
3211a 突起
3211b 段差
33 ろ過孔
200 空調システム
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】