(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー及びシリコーン添加剤を含む織物処理用エマルジョン配合物
(51)【国際特許分類】
D06M 15/263 20060101AFI20241210BHJP
D06M 15/643 20060101ALI20241210BHJP
D06M 13/513 20060101ALI20241210BHJP
C08F 230/08 20060101ALI20241210BHJP
C08F 222/10 20060101ALI20241210BHJP
C08L 33/14 20060101ALI20241210BHJP
C08L 83/04 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
D06M15/263
D06M15/643
D06M13/513
C08F230/08
C08F222/10
C08L33/14
C08L83/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525876
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 US2022075435
(87)【国際公開番号】W WO2023086692
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】サンダーランド、トラビス
(72)【発明者】
【氏名】ジェレティック、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ハッソ、ダグラス
【テーマコード(参考)】
4J002
4J100
4L033
【Fターム(参考)】
4J002BG021
4J002CH013
4J002CH023
4J002CH053
4J002CP032
4J002CP034
4J002CP035
4J002CP062
4J002CP092
4J002CP095
4J002EA017
4J002EC048
4J002EN016
4J002EN136
4J002EP016
4J002FD107
4J002FD137
4J002FD148
4J002FD187
4J002FD205
4J002FD207
4J002FD313
4J002FD316
4J002GK02
4J002HA07
4J100AB02S
4J100AC03S
4J100AL03S
4J100AL04S
4J100AL05P
4J100AL05S
4J100AL08Q
4J100AL08R
4J100AL08S
4J100AL09R
4J100BA03R
4J100BA11R
4J100BA14R
4J100BA15R
4J100BA80Q
4J100BA81Q
4J100BC04S
4J100BC07S
4J100BC43S
4J100BC49S
4J100BC73R
4J100CA03
4J100CA05
4J100FA03
4J100FA04
4J100FA06
4J100FA20
4J100JA11
4L033AB05
4L033AC02
4L033AC03
4L033BA96
4L033CA18
4L033CA59
(57)【要約】
エマルジョン配合物は、シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー及びシリコーン添加剤を含む。エマルジョン配合物は、織物にコーティングされ、乾燥させて、耐久撥水性及び柔軟性の両方を織物に付与することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物であって、前記エマルジョン配合物は、
織物に撥水性を付与するのに十分な量の、単位式
【化1】
(式中、各R
1は、独立して選択された16~24個の炭素原子のアルキル基であり、各R
2は、独立して、H及びメチルからなる群から選択され、各D
2は、2~12個の炭素原子の二価炭化水素基であり、各R
3は、式OSi(R
4)
3の基であり、式中、各R
4は、独立して、R及びDSi(R
5)
3からなる群から選択され、各Rは、独立して選択された1~12個の炭素原子の一価炭化水素基であり、各Dは、独立して、酸素原子、1~12単位の(ポリ)アルキレンオキシド基、及び2~4個の炭素原子の二価炭化水素基からなる群から選択され、各R
5は、独立して、R及びDSi(R
6)
3からなる群から選択され、各R
6は、独立して、R及びDSiR
3からなる群から選択され、但し、R
4、R
5、及びR
6が、下付き文字wを有するシリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー単位が少なくとも6個のケイ素原子を有するように選択され、各R
7は、独立して、酸素原子及びNHからなる群から選択され、D
3は、1~12個の炭素原子の二価炭化水素基であり、D
4は、2~4個の炭素原子のアルキレン基又は二価のアルキルアリーレン基であり、下付き文字vは、式(OD
4)の単位の数を表し、下付き文字vは、0~12の値を有し、各R
8は、架橋性基であり、各R
9は、1~14個の炭素原子の一価炭化水素基であり、各R
10は、独立して、ハロゲン、アセテート基、又は1~14個の炭素原子の一価炭化水素基からなる群から選択され、下付き文字w、x、y、z1、及びz2は、コポリマー中の各単位の相対重量を表し、下付き文字xは、0.25~15の値を有し、下付き文字wは、80~98.75の値を有し、下付き文字yは、1~5の値を有し、下付き文字z1は、0~18.75の値を有し、下付き文字z2は、0~18.75の値を有し、量(w+x+y+z1+z2)=100であり、但し、前記コポリマーは、末端部分を更に含む)を含む、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーと、
撥水性を著しく低下させることなく、織物に柔軟性を付与するのに十分な量の、
式
【化2】
の(II-1)アルキルポリシロキサン(式中、各R
19は、1~18個の炭素原子を有する独立して選択された一価飽和炭化水素基であり、下付き文字aは、20~300の平均値を有する)、又は
(II-2)組み合わせであって、
(II-2)中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、前記組み合わせの60~70重量%の(II-1)前記アルキルポリシロキサンと、
(II-2)中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、前記組み合わせの29~39重量%の、JIS K6249:2003によるタイプAデュロメータで測定した硬度が20以上である(II-2-1)シリコーン樹脂と、
(II-2)中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、前記組み合わせの0~2重量%の、窒素原子1モル当たりのアミノ官能性ポリオルガノシロキサンの分子量を意味する官能基当量が100~20,000g/molであり、JIS K2283:2000の方法で測定した25℃における動粘度が10~100,000mm
2/秒である(II-2-2)前記アミノ官能性ポリオルガノシロキサンと、を含む、(II-2)組み合わせからなる群から選択される(II)添加物と、
出発原料(I)及び(II)を架橋するのに十分な量の(III)水分散性架橋剤と、
(IV)界面活性剤と、
(V)水と、を含む、エマルジョン配合物。
【請求項2】
R
1はステアリル基であり、下付き文字w=95であり、D
2は-(CH
2)
3-であり、各R
3は-OSi(CH
3)
2(CH
2)
2Si(OSi(CH
3)
3)であり、下付き文字x=3であり、R
7はOであり、下付き文字v=0であり、R
8はOHであり、下付き文字y=2であり、下付き文字z1=0であり、下付き文字z2=0である、請求項1に記載のエマルジョン配合物。
【請求項3】
(VI)追加の界面活性剤、(VII)ワックス、(VIII)殺生物剤、(IX)難燃剤、(X)しわ低減剤、(XI)帯電防止剤、及び(XII)浸透剤からなる群から選択される1つ以上の追加の出発原料を更に含む、請求項1又は請求項2に記載のエマルジョン配合物。
【請求項4】
(II)前記添加物は(II-2)であり、前記エマルジョン配合物は(XII)前記浸透剤を更に含む、請求項3に記載のエマルジョン配合物。
【請求項5】
(III)前記水分散性架橋剤は、ブロック化イソシアネートを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエマルジョン配合物。
【請求項6】
(I)前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーは、布地に対して0.25~7.5重量%を提供するのに十分な量で存在し、(II)前記添加物は、布地に対して0.01~0.5重量%を提供するのに十分な量で存在し、(III)前記水分散性架橋剤は、布地に対して0.05~0.5重量%を提供するのに十分な量で存在し、但し、前記添加物が(II-2)前記組み合わせである場合、(I)前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの量及び(II-2)前記組み合わせの量は、(I):(II-2)の重量比が2:1~200未満:1となるのに十分であることを条件とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のエマルジョン配合物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のエマルジョン配合物を調製するプロセスであって、前記プロセスは、
1)出発原料(I)である前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを、
(A)80重量%~98.75重量%の、式
【化3】
の結晶性モノマー(式中、R
1及びR
2は、上記の通りである)と、
(B)0.25重量%~15重量%の、式
【化4】
のシリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー(式中、R
2、D
2、及びR
3は、上記の通りである)と、
(C)1重量%~5重量%の、式
【化5】
の架橋性(メタ)アクリレートモノマー(式中、R
7、D
3、D
4、下付き文字v、及びR
8は、上記の通りである)と、
(D)界面活性剤と、
(E)水と、
(F)開始剤と、を含む、出発原料の乳化重合を介して、調製し、それによって、(I)前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを含む第1の水性エマルジョンを形成することと、
2)(II)前記添加物である(D’)界面活性剤及び(E’)水を含む、第2の水性エマルジョンを提供することと、
3)ステップ1)で調製された前記第1の水性エマルジョン、ステップ2)からの前記第2の水性エマルジョン、(III)前記水分散性架橋剤、並びに任意選択で、追加の界面活性剤、ワックス、殺生物剤、追加の水、難燃剤、しわ減少剤、帯電防止剤、及び浸透剤からなる群から選択される1種以上の追加の出発原料を含む、原料を混合することと、を含む、プロセス。
【請求項8】
出発原料(A)は、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート及びベヘニルアクリレートからなる群から選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
出発原料(B)は、式
【化6】
を有する、請求項7又は請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
出発原料(B)は、
3-(5-((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-1,1,1,3,7,9,9,9-オクタメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)ペンタシロキサン-5-イル)プロピルメタクリレート、
3-(1,5-ビス(2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)-3-(((2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)ジメチルシリル)オキシ)-1,1,5,5-テトラメチルトリシロキサン-3-イル)プロピルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る、請求項7~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
出発原料(C)において、各R
8は、独立して、ヒドロキシ、アミノ、エポキシ、ウレイド、及びアセトキシからなる群から選択される、請求項7~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
出発原料(C)は、2-ヒドロキシエチルメタクリレートである、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
出発原料(D)及び出発原料(D’)は、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項7~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム化合物を含むか、又は、前記非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコール、アルコールエトキシレート、若しくはこれらの組み合わせを含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
ステップ1)において、(H)連鎖移動剤、(J)追加のモノマー、(K)阻害剤、又は(H)、(J)、及び(K)のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される追加の出発原料を添加することを更に含む、請求項7~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
織物を処理するためのプロセスであって、前記プロセスは、
I)請求項1~6のいずれか一項に記載のエマルジョン配合物又は請求項7~15のいずれか一項に記載のプロセスによって調製された前記エマルジョン配合物で、前記織物をコーティングすることと、
II)前記織物を加熱することと、を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2021年11月10日に出願された米国仮特許出願63/277671号の利益を主張するものである。米国特許仮出願第63/277671号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー(コポリマー)及び乳化重合を介してそれを調製する方法が提供される。コポリマーの水性エマルジョンは、シリコーン添加剤の水性エマルジョンと組み合わせて、織物に耐久撥水性及び柔軟性を付与するために織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物を形成することができる。
【背景技術】
【0003】
序論
撥水性織物処理用途において、フルオロカーボン材料は、優れた耐久撥水性を提供するそれらの能力のために市場を支配してきた。しかしながら、規制及び顧客の圧力が、非フルオロカーボン系織物処理剤に対する産業上の必要性に寄与している。以前に開示されたフルオロカーボンを含まない織物処理剤は、それで処理された織物の撥水性が複数回の洗浄後に著しく低下する、乏しい耐久性を提供するという欠点を有する。
【発明の概要】
【0004】
織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物は、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー、(II)添加物、(III)水分散性架橋剤、(IV)界面活性剤、及び(V)水を含む。織物は、織物をエマルジョン配合物でコーティングし、織物を加熱することによって処理することができる。
【発明を実施するための形態】
【0005】
織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物を形成するためのプロセスは、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを含む第1の水性エマルジョンと、(II)添加物、(III)水分散性架橋剤、及び任意選択で以下に記載される1つ以上の追加の出発原料を含む第2の水性エマルジョンと、を組み合わせることを含む。あるいは、上記のエマルジョン配合物を調製するプロセスは、
1)出発原料(I)であるシリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを、
(A)80重量%~98.75重量%の、式
【0006】
【化1】
の結晶性モノマー(式中、R
1及びR
2が、上記の通りである)と、
(B)0.25重量%~15重量%の、式
【0007】
【化2】
のシリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー(式中、R
2、D
2、及びR
3が、上記の通りである)と、
(C)1重量%~5重量%の、式
【0008】
【化3】
の架橋性(メタ)アクリレートモノマー(式中、R
7、D
3、D
4、下付き文字v、及びR
8が、上記の通りである)と、
(D)界面活性剤と、
(E)水と、
(F)開始剤と、を含む、出発原料の乳化重合を介して、調製し、
それによって、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを含む第1の水性エマルジョンを形成することと、
2)(II)添加物である(D’)界面活性剤、及び(E’)水を含む、第2の水性エマルジョンを提供することと、
3)ステップ1)で調製された第1の水性エマルジョン、ステップ2)からの第2の水性エマルジョン、(III)水分散性架橋剤、並びに任意選択で、追加の界面活性剤、ワックス、殺生物剤、追加の水、難燃剤、しわ減少剤、帯電防止剤、及び浸透剤からなる群から選択される1種以上の追加の出発原料を含む、原料を混合することと、を含み得る。
【0009】
(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー
シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー(コポリマー)は、以下の単位式を含み、
【0010】
【化4】
式中、各R
1は、独立して選択された16~24個の炭素原子のアルキル基であり、各R
2は、独立して、H及びメチルからなる群から選択され、各D
2は、2~12個の炭素原子の二価炭化水素基であり、各R
3は、式OSi(R
4)
3の基であり、式中、各R
4は、独立して、R及びDSi(R
5)
3からなる群から選択され、各Rは、独立して選択された1~12個の炭素原子の一価炭化水素基であり、各Dは、独立して、酸素原子、1~12単位の(ポリ)アルキレンオキシド基、及び2~4個の炭素原子の二価炭化水素基からなる群から選択され、各R
5は、独立して、R及びDSi(R
6)
3からなる群から選択され、各R
6は、独立して、R及びDSiR
3からなる群から選択され、但し、R
4、R
5、及びR
6が、下付き文字wを有するシリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー単位が少なくとも6個のケイ素原子を有するように選択され、各R
7は、独立して、酸素原子及びNHからなる群から選択され、D
3は、1~12個の炭素原子の二価炭化水素基であり、D
4は、2~4個の炭素原子のアルキレン基又は二価のアルキルアリーレン基であり、下付き文字vは、下付き文字yを有する単位中の式(OD
4)の単位の数を表し、下付き文字vは、0~12の値を有し、各R
8は、架橋性基であり、各R
9は、1~14個の炭素原子の一価炭化水素基であり、各R
10は、独立して、ハロゲン(例えば、塩素)、アセテート基、又は1~14個の炭素原子の一価炭化水素基からなる群から選択され、下付き文字w、x、y、z1、及びz2は、コポリマー中の各単位の相対重量を表し、下付き文字xは、0.25~15の値を有し、下付き文字wは、80~98.75の値を有し、下付き文字yは、1~5の値を有し、下付き文字z1は、0~18.75の値を有し、下付き文字z2は、0~18.75の値を有し、量(w+x+y+z1+z2)=100である。コポリマーは、末端部分を更に含む。
【0011】
上記の単位式において、R1は、16~24個の炭素原子を有する。あるいは、R1は、16~22個の炭素原子、あるいは18~24個の炭素原子、あるいは18~22個の炭素原子を有してもよい。R1は、ステアリル、アイコシル、及びベヘニルからなる群から選択され得る。あるいは、R1は、ステアリルであり得る。
【0012】
上記の単位式において、各R3は、式OSi(R4)3の基であり、式中、各R4は、独立して、R及びDSi(R5)3からなる群から選択され、各Rは、独立して選択された1~12個の炭素原子の一価炭化水素基であり、各Dは、独立して、酸素原子、1~12単位の(ポリ)アルキレンオキシド基、及び2~4個の炭素原子の二価炭化水素基からなる群から選択され、各R5は、独立して、R及びDSi(R6)3からなる群から選択され、各R6は、独立して、R及びDSiR3からなる群から選択され、但し、R4、R5、及びR6は、下付き文字wを有するシリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー単位が少なくとも6個のケイ素原子を有するように選択される。あるいは、R4、R5、及びR6は、単位が単位当たり少なくとも6個のケイ素原子、あるいは6~20個のケイ素原子、あるいは7~19個のケイ素原子、あるいは8~18個のケイ素原子、あるいは9~17個のケイ素原子、あるいは10~16個のケイ素原子を有するように選択される。
【0013】
シリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー単位において、各Rは、1~12個の炭素原子の一価炭化水素基である。Rの一価炭化水素基は、アルキル基、例えば1~6個の炭素原子のアルキル基であり得る。あるいは、アルキル基は、1~3個の炭素原子、あるいは1~2個の炭素原子を有し得る。あるいは、各R基は、メチルであり得る。
【0014】
各Dは、独立して、酸素原子、1~12単位の(ポリ)アルキレンオキシド基、及び2~4個の炭素原子の二価炭化水素基からなる群から選択される。各D2は、2~12個の炭素原子の二価炭化水素基である。あるいは、D2は、2~10個、あるいは3~5個、あるいは3個の炭素原子を有し得る。各D3は、1~12個の炭素原子の二価炭化水素基である。あるいは、各D3は、アルキレン基、あるいはエチレンであり得る。D4は、2~4個の炭素原子のアルキレン基又は二価のアルキルアリーレン基である。
【0015】
D4の二価炭化水素基は、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのアルキレン基、フェニレンなどのアリーレン基、又は
【0016】
【化5】
などのアルキルアリーレン基によって例示されることができ、式中、各下付き文字uは独立して、1~6、あるいは1~2である。あるいは、二価炭化水素基は、アルキレンであってもよく、あるいは二価炭化水素基はエチレンであってもよい。D
2及びD
3の二価炭化水素基としては、上記と同様のものが挙げられてもよく、あるいはメチレンであってもよい。Dの二価炭化水素基は、エチレン、プロピレン、ブチレン等のアルキレンであってもよい。あるいは、各Dは、エチレンであってもよい。
【0017】
Dについての(ポリ)アルキレンオキシド基は、単位当たり2~4個の炭素原子を有してもよく、例えば、式D5(OD6)v’-ORを有し、式中、D5は2~4個の炭素原子のアルキレン基であり、D6は2~4個の炭素原子のアルキレン基であり、Rは上記の通りであり、下付き文字v’は0~12である。あるいは、下付き文字v’は、0又は1であり得る。あるいは、下付き文字v’は、0であり得る。(ポリ)アルキレンオキシド基の例としては、エチレンオキシド-プロピレンオキシドが挙げられる。
【0018】
あるいは、各Dは、酸素原子及び二価の炭化水素基から選択されてもよい。あるいは、Dの各二価炭化水素基は、エチレンなどのアルキレン基であってもよい。あるいは、各Dは、酸素であってもよい。あるいは、同じ単位において、Dのいくつかの例は酸素であってもよく、Dの他の例はアルキレンであってもよい。
【0019】
上記の単位式において、各R7は、独立して、酸素原子及びNHからなる群から選択される。あるいは、各R7は、酸素であってもよい。
【0020】
上記の単位式において、各R8は、架橋性基である。各R8は、独立して、ヒドロキシ、アミノ、エポキシ、ウレイド、及びアセトキシからなる群から選択され得る。あるいは、各R8は、独立して、ヒドロキシ及びウレイドからなる群から選択されてもよく、あるいは各R8はヒドロキシであってもよい。
【0021】
上記の単位式において、各R9は、一価炭化水素基であり、脂肪族不飽和を含まず、直鎖、分岐状、若しくは環状(すなわち、単環式若しくは多環式)、又はこれらの組み合わせであってもよい。R9は、アルキル基又はアリール基であってもよく、単環式であっても多環式であってもよく、任意選択で、直鎖状又は分岐状の基を有していてもよい。R9に好適なアルキル基の例としては、メチル、t-アミル、ブチル(t-ブチルを含む)、シクロヘキシル、イソデシル、イソボルニル、及び2-エチルヘキシルを挙げることができる。好適なアリール基の例としては、フェニル、ナフチル、アントラシル、及びベンジルが挙げられる。
【0022】
上記の単位式において、R10は、R9について上述したように、ハロゲン化物、アセテート、又は一価炭化水素基であってもよい。ハロゲン化物は、臭化物(Br)、塩化物(Cl)、フッ化物(F)又はヨウ化物(I)であってもよく、あるいはBr、Cl又はFであり、あるいはCl又はBrであり、あるいはClであってもよい。
【0023】
上記の単位式において、下付き文字w、x、y、及びzは、各単位の相対重量であり、量(w+x+y+z)は合計100であり得る。下付き文字wは、80~98.75の値を有する。あるいは、下付き文字wは、少なくとも80、あるいは少なくとも81、あるいは少なくとも82、あるいは少なくとも83、あるいは少なくとも84、あるいは少なくとも85であってもよい。同時に、下付き文字wは、最大98.75、あるいは最大98、あるいは最大97、あるいは最大96、あるいは最大97、あるいは最大96、あるいは最大95、あるいは最大94、あるいは最大93、あるいは最大92、あるいは最大91、あるいは最大90であってもよい。あるいは、下付き文字wは、80~98、あるいは81~97、あるいは82~96、あるいは82~95、あるいは85~90であってもよい。
【0024】
下付き文字xは、0.25~15の値を有する。あるいは、下付き文字xは、少なくとも0.25、あるいは少なくとも0.5、あるいは少なくとも0.75、あるいは少なくとも1、あるいは少なくとも2、あるいは少なくとも3、あるいは少なくとも4、あるいは少なくとも5である。同時に、下付き文字xは、最大15、あるいは最大14、あるいは最大13、あるいは最大12、あるいは最大11、あるいは最大で10であってもよい。あるいは、下付き文字xは、1~14、あるいは2~13、あるいは3~12、あるいは4~11、あるいは5~10、あるいは5~15、あるいは10であってもよい。
【0025】
下付き文字yは、1~5の値を有する。あるいは、下付き文字yは、少なくとも1、あるいは少なくとも1.25、あるいは少なくとも1.5、あるいは少なくとも2、あるいは少なくとも1.75であってもよい。同時に、下付き文字yは、最大5、あるいは最大4、あるいは最大3、あるいは最大2.75、あるいは最大2.5、あるいは最大2.25であってもよい。あるいは、下付き文字yは、1~3、あるいは1~2、あるいは1.5~2.5、あるいは1.75~2.25、あるいは2であってもよい。
【0026】
下付き文字z1は、0であってもよい。あるいは、下付き文字z1は、少なくとも0.5、あるいは少なくとも1、あるいは少なくとも2であってもよく、同時に、下付き文字z1は、最大18.75、あるいは最大15、あるいは最大10、あるいは最大8、あるいは最大5であってもよい。あるいは、下付き文字z1は、0~18.75、あるいは0超~18.75、あるいは0.5~7、あるいは1~6、あるいは2~5であってもよい。
【0027】
下付き文字z2は、0であってもよい。あるいは、下付き文字z2は、少なくとも0.5、あるいは少なくとも1、あるいは少なくとも2であってもよく、同時に、下付き文字z2は、最大8、あるいは最大7、あるいは最大6、あるいは最大5、あるいは最大4であってもよい。あるいは、下付き文字z2は、0~8、あるいは 0超~8、あるいは0.5~7、あるいは1~6、あるいは2~5であってもよい。
【0028】
コポリマーの1分子当たりの単位の総数は特に制限されない。しかし、コポリマーは、100,000g/mol~4,000,000g/mol、好ましくは、200,000g/mol~3,000,000g/molの数平均分子量を有し得る。上に示した単位は任意の順序であってよく、例えば、コポリマーはランダムコポリマー又はブロックコポリマーであってもよい。
【0029】
当業者は、コポリマーが以下に記載されるようなプロセスを介してラジカル重合によって調製され得ること、及びこのプロセスがコポリマーのための末端部分を形成することを認識する。コポリマーは、例えば、Odian,George(2004).Principles of Polymerization(4th ed.).New York:Wiley-Interscience.ISBN978-0-471-27400-1に記載されているように、開始剤、連鎖移動剤、又はその両方から誘導され得る末端部分を更に含む。
【0030】
コポリマーは、
1)
(A)80重量%~98.75重量%の、式
【0031】
【化6】
の結晶化可能なモノマー(式中、R
1は上記のような16~24個の炭素原子のアルキル基であり、R
2は上記のようなH及びメチルからなる群から選択される)と、
(B)0.25重量%~15重量%の、式
【0032】
【化7】
のシリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー(式中、各R
3は、式OSi(R
4)
3の基であり、各R
4は、独立して、R及びDSi(R
5)
3からなる群から選択され(式中、各Rは、独立して選択された1~12個の炭素原子の一価炭化水素基であり、各Dは、独立して、酸素原子、1~12単位の(ポリ)アルキレンオキシド基、2~4個の炭素原子の二価炭化水素基からなる群から選択され、各R
5は、独立して、R及びDSi(R
6)
3からなる群から選択され、各R
6は、独立して、R及びDSiR
3からなる群から選択され、但し、R
4、R
5及びR
6は、上記のようにマクロモノマーが1分子当たり少なくとも6個のケイ素原子を有するように選択される)と、
(C)1重量%~5重量%の、式
【0033】
【化8】
の架橋性(メタ)アクリレートモノマー(式中、R
7は、独立して、酸素及びNHから選択され、D
3は、1~12個の炭素の二価炭化水素基であり、D
4は、2~4個の炭素原子の二価基であり、下付き文字vは、0~12であり、R
8は、架橋性基であり、それぞれ上記の通りである)と、
(D)界面活性剤と、
(E)水と、
(F)開始剤と、を含む、出発原料を共重合し、
それによって、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー、(D)界面活性剤、及び(E)水を含む水性エマルジョンを形成することを含む、プロセス、を介して調製され得る。
【0034】
織物を調製するのに好適なエマルジョン配合物を調製するためのプロセスは、上記のステップ1)を実施し、それによって第1の水性エマルジョンを形成することと、2)ステップ1)において調製された第1の水性エマルジョンと、(II)(上で紹介され、以下で詳細に説明されるような)添加物、(III)(上で紹介され、以下で詳細に説明されるような)水分散性架橋剤、及び任意選択で1種以上の追加の出発原料を含む第2の水性エマルジョンと、を組み合わせることと、を含んでもよい。
【0035】
あるいは、1種以上の追加の出発原料は、コポリマーを製造するためにステップ1)において添加してもよい。例えば、(H)連鎖移動剤、(J)(A)、(B)及び(C)のそれぞれとは異なる追加の結晶化可能でないモノマー、(K)開始剤、及び(H)、(J)、及び(K)のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される出発原料は、ステップ1)において添加してもよい。
【0036】
上記のプロセスのステップ(1)は、出発原料(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、及び(F)(並びに任意選択で(H)、(J)、及び/又は(K))を含むエマルジョンを形成することを含んでいてもよい。出発原料(A)が室温で固体である場合、出発原料は、出発原料(A)を融解するのに十分な温度及び時間、例えば、5分間~15分間にわたって、30℃~50℃で加熱され得る。得られた出発原料を剪断下で混合して、水性エマルジョンを形成することができる。剪断下での混合は、水性エマルジョンを形成するための任意の好都合な手段(例えば、超音波処理及びその後のマイクロ流動化)によって行われ得る。剪断下で混合するための装置(例えば、超音波処理器、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、及びスピードミキサー)は、当該分野で公知であり、市販されている。理論に束縛されるものではないが、剪断下での混合を使用して、エマルジョン中でサブミクロンの粒径を得ることができると考えられる。ステップ1)において、(A)、(B)、(C)、及び(F)(並びに存在する場合には(H)及び(J))を含む出発原料は共重合して、水性エマルジョン中で、出発原料(D)及び(E)(並びに存在する場合には(K))と共に、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを形成する。
【0037】
エマルジョン配合物を製造するための上記のプロセスのステップ2)は、撹拌機を備えたジャケット付き容器内で混合するなど、任意の好都合な手段によって実行され得る。ステップ1)及びステップ2)は、同じ容器中で連続して実行され得る。あるいは、ステップ1)及びステップ2)は、異なる装置内で実行され得る。ステップ1)及び/又はステップ2)は、室温又は例えば、最大100℃、あるいは40℃~80℃の高温で実行され得る。あるいは、加熱はステップ1)で実行されてもよく、ステップ2)は室温で実行されてもよい。あるいは、ステップ1)及びステップ2)の一方又は両方は、より低い温度及び最大5気圧などの高められた圧力で実行されてもよい。
【0038】
あるいは、上記のコポリマーは、出発原料のうちの1つ以上を有機溶媒(例えば、一価アルコール)に溶解し、出発原料(A)、(B)、(C)、(F)、及び存在する場合には、(H)及び/又は(J)を、Iimuraらの米国特許第10,047,199号に開示されるようなプロセスにおいて、適切な出発原料及びそれらの量を変化させることによって共重合することを含む方法によって、調製され得る。得られるコポリマーは溶媒性であってもよい。溶媒の全部又は一部は、ストリッピング又は熱及び任意選択で減圧を用いた蒸留などの任意の好都合な手段によって除去することができる。コポリマーは、(D)界面活性剤及び(E)水を用いて乳化されてもよい。コポリマーを製造するための出発原料、及びコポリマーを含むエマルジョン配合物を以下に更に記載する。
【0039】
出発原料(A)は、式(A-1):
【0040】
【化9】
の結晶化可能なモノマー(式中、R
1及びR
2は上記の通りである)である。出発原料(A)のための結晶性モノマーの例としては、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。あるいは、R
2が水素である場合、出発原料(A)は、ステアリルアクリレート、エイコシルアクリレート、ベヘニルアクリレート、及びこれらの組み合わせから選択されるアクリレートであってもよい。出発原料(A)に好適な結晶性モノマーは、例えば、Millipore Sigma(St.Louis,Missouri,USA)及びBASF SE(Ludwigshafen,Germany)から市販されている。「結晶化可能な」とは、出発モノマーが≧25℃±5℃の融点を有することを意味する。
【0041】
出発原料(A)は、出発原料(A)、(B)、及び(C)、並びに存在する場合には、(J)を組み合わせた重量を基準として、80%~98.75%の量で使用される。出発原料(A)の量は、同じ基準で、少なくとも80%、あるいは少なくとも81%、あるいは少なくとも82%、あるいは少なくとも83%、あるいは少なくとも84%、あるいは少なくとも85%であってもよい。同時に、出発原料(A)の量は、同じ基準で、最大98.75%、あるいは最大98%、あるいは最大97%、あるいは最大96%、あるいは最大97%、あるいは最大96%、あるいは最大95%、あるいは最大94%、あるいは最大93%、あるいは最大92%、あるいは最大91%、あるいは最大90%であってもよい。あるいは、出発原料(A)の量は、同じ基準で、80%~98%、あるいは81%~97%、あるいは82%~96%、あるいは82%~95%、あるいは85%~90%であってもよい。
【0042】
出発原料(B)は、式(B-1):
【0043】
【化10】
のシリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー(式中、R
2、D
2、及びR
3は上記の通りである)である。
【0044】
あるいは、出発原料(B)は、式(B-2):
【0045】
【化11】
(式中、R
2、R
4、及びR
5は、上記の通りである)を含み得る。
【0046】
あるいは、出発原料(B)は、式(Si10):
【0047】
【化12】
の3-(5-((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-1,1,1,3,7,9,9,9-オクタメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)ペンタシロキサン-5-イル)プロピルメタクリレート、式(Si16):
【0048】
【化13】
の式を有する3-(1,5-ビス(2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)-3-(((2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)ジメチルシリル)オキシ)-1,1,5,5-テトラメチルトリシロキサン-3-イル)プロピルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマクロモノマーを含んでもよい。出発原料(B)は、国際公開第2020/142388号及び米国特許第6,420,504号に開示されているものなどの公知の方法によって調製され得る。
【0049】
出発原料(B)は、出発原料(A)、(B)、及び(C)、並びに存在する場合には、(J)を組み合わせた重量を基準として、0.25%~15%の量で使用される。あるいは、出発原料(B)は、同じ基準で、少なくとも0.25%、あるいは少なくとも0.5%、あるいは少なくとも0.75%、あるいは少なくとも1%、あるいは少なくとも2%、あるいは少なくとも3%、あるいは少なくとも4%、あるいは少なくとも5%の量で使用され得る。同時に、出発原料(B)は、同じ基準で、最大15%、あるいは最大14%、あるいは最大13%、あるいは最大12%、あるいは最大11%、あるいは最大10%の量で存在し得る。あるいは、出発原料(B)の量は、上記と同じ基準で、1%~14%、あるいは2%~13%、あるいは3%~12%、あるいは4%~11%、あるいは5%~10%、あるいは5%~15%、あるいは10%であってもよい。
【0050】
出発原料(C)架橋性(メタ)アクリレートモノマー
出発原料(C)は、式(C-1):
【0051】
【化14】
(式中、R
2、R
7、D
3、R
8、及び下付き文字vは、上記の通りである)の架橋性(メタ)アクリレートモノマーである。出発原料(C)に好適な架橋性(メタ)アクリレートの例としては、(2-アセトアセトキシ)エチルメタクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルカプロラクトン(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ウレイド(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート(GMA)、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート(PEGMA)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ウレイド(メタ)アクリレートモノマーは、式:
【0052】
【化15】
(式中、R
11は、酸素原子又はNH部分である)を有し得る。ウレイドモノマーの例は、当該技術分野において既知であり、例えば、Pressleyらの米国特許第9,212,292号に開示されている。他の架橋性(メタ)アクリレートモノマーは、当該技術分野において既知であり、例えば、BASF SEから市販されている。他の架橋性(メタ)アクリレートは、Sipomer WAM1及び2として市販されている。
【0053】
出発原料(C)は、出発原料(A)、(B)、及び(C)、並びに存在する場合には、(J)を組み合わせた重量を基準として、1%~5%の量で使用される。出発原料(C)の量は、同じ基準で、少なくとも1%、あるいは少なくとも1.25%、あるいは少なくとも1.5%、あるいは少なくとも2%、あるいは少なくとも1.75%であってもよい。同時に、出発原料(C)の量は、同じ基準で、最大5%、あるいは最大4%、あるいは最大3%、あるいは最大2.75%、あるいは最大2.5%、あるいは最大2.25%であってもよい。あるいは、出発原料(C)の量は、同じ基準で、1%~3%、あるいは1%~2%、あるいは1.5%~2.5%、あるいは1.75%~2.25%、あるいは2%であってもよい。
【0054】
出発原料(D)界面活性剤
出発原料(D)は界面活性剤である。界面活性剤は、(D-1)カチオン性界面活性剤、(D-2)非イオン性界面活性剤、並びに(D-3)カチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の両方の組み合わせからなる群から選択されてもよい。本明細書で有用なカチオン性界面活性剤としては、正に荷電した分子内に第四級アンモニウム親水性部分を含有する化合物、例えば式(D-1-1):R12R13R14R15N+X’-(式中、R12~R15は、1~30個の炭素原子を含有するアルキル基、又は獣脂、ヤシ油、若しくは大豆由来のアルキル基であり、X’はハロゲン、例えば塩素又は臭素である)により表され得る第四級アンモニウム塩が挙げられる。あるいは、第四級アンモニウム化合物は、各アルキル置換基に少なくとも8個の炭素原子を有する、アルキルトリメチルアンモニウム及びジアルキルジメチルアンモニウムハライド、又はアセテートであってよい。ジアルキルジメチルアンモニウム塩を使用することができ、式(D-1-2):R16R17N+(CH3)2X’-(式中、R16及びR17は、12~30個の炭素原子を含有するアルキル基、又は獣脂、ヤシ油、若しくは大豆由来のアルキル基であり、X’はハロゲンである)により表される。モノアルキルトリメチルアンモニウム塩を使用することができ、式(D-1-3):R18N+(CH3)3X”-(式中、R18は12~30個の炭素原子を含有するアルキル基、又は獣脂、ヤシ油、若しくは大豆由来のアルキル基であり、X”はハロゲン、アセテートである)により表される。
【0055】
例示的な第四級アンモニウムハライド塩は、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム/塩化ラウリルトリメチルアンモニウム(LTAC)、塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)、塩化ヘキサデクリルトリメチルアンモニウム、臭化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、臭化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化ジエイコシルジメチルアンモニウム、及び塩化ジドコシルジメチルアンモニウムである。これらの第四級アンモニウム塩は、ADOGEN(商標)、ARQUAD(商標)、TOMAH(商標)、及びVARIQUAT(商標)などの商標で市販されている。
【0056】
使用可能な他の好適なカチオン性界面活性剤としては、脂肪酸アミン及びアミド、並びにそれらの塩及び誘導体、例えば脂肪族脂肪アミン及びそれらの誘導体が挙げられる。市販されているこのようなカチオン性界面活性剤としては、Akzo Nobel Chemicals Inc.(Chicago,Illinois)により、商品名ARQUAD(商標)T27 W、ARQUAD(商標)16-29で販売されている組成物、及びStepan Company(Northfield,Illinois,USA)により商品名Ammonyx Cetac-30で販売されている組成物が挙げられる。
【0057】
(D-1)カチオン性界面活性剤の量は、水性エマルジョン中の出発原料(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの重量を基準として、0.1%~5%であってもよい。あるいは、カチオン性界面活性剤の量は、少なくとも0.1%、あるいは少なくとも0.2%、あるいは少なくとも0.3%、あるいは少なくとも0.4%、あるいは少なくとも0.5%であってもよく、同時に、カチオン性界面活性剤の量は、同じ基準で、最大5%、あるいは最大4%、あるいは最大3%、あるいは最大2%、あるいは最大1%であってもよい。あるいは、カチオン性界面活性剤の量は、同じ基準で、0.2%~4%、あるいは0.3%~3%、あるいは0.4%~2.5%、あるいは0.5%~2%であってもよい。
【0058】
出発原料(D-2)は非イオン性界面活性剤である。使用可能な、いくつかの好適な非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。市販されている非イオン性界面活性剤としては、(i)TERGITOL(商標)TMN-6及びTERGITOL(商標)TMN-10の商品名で販売されている2,6,8-トリメチル-4-ノニルポリオキシエチレンエーテル、(ii)Dow Chemical Company(Midland,Michigan,USA)により、商品名TERGITOL(商標)15-S-7、TERGITOL(商標)15-S-9、TERGITOL(商標)15-S-15、TERGITOL(商標)15-S-30、及びTERGITOL(商標)15-S-40で販売されているC11~15第二級アルキルポリオキシエチレンエーテル、Dow Chemical CompanyによりTRITON(商標)X405の商品名で販売されているオクチルフェニルポリオキシエチレン(40)エーテル、(iii)Stepan CompanyによってMAKON(商標)10の名称で販売されているノニルフェニルポリオキシエチレン(10)エーテル、(iv)Henkel Corp./Emery Group(Cincinnati,Ohio,USA)によってTrycol 5953の名称で販売されているエトキシ化アルコール、(v)Croda Inc.(Edison,New Jersey,USA)により商品名BRIJ(商標)L23及びBRIJ(商標)L4で販売されているエトキシ化アルコール、(vi)アルキルオキソアルコールポリグリコールエーテル(例えば、GENAPOL(商標)UD050、及びGENAPOL(商標)UD110)、(vii)C10ゲルベ(Guerbet)アルコール及びエチレンオキシドをベースにするアルキルポリエチレングリコールエーテル(例えばLUTENSOL(商標)XP79)などの組成物が挙げられる。
【0059】
好適な非イオン性界面活性剤はまた、ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)トリ-ブロックコポリマーを含む。ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)トリ-ブロックコポリマーは、一般にポロキサマーとしても知られている。これは、中央部の、ポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))である疎水性鎖と、その両側の、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))である2つの親水性鎖からなる非イオン性トリブロックコポリマーである。ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)トリ-ブロックコポリマーは、BASF(Florham Park,New Jersey,USA)から商業的に入手可能であり、PLURONIC(商標)L61、L62、L64、L81、P84などのPLURONIC(商標)の商標名で販売されている。
【0060】
他の好適な非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール(例えば、23個のエチレンオキシド単位を有するポリエチレングリコール)、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エトキシル化トリメチルノナノール、及びポリオキシアルキレングリコール修飾されたポリシロキサン界面活性剤が挙げられる。使用可能な市販の非イオン性界面活性剤としては、TERGITOL(商標)TMN-6及びTERGITOL(商標)TMN-10の商標で販売されている、2,6,8-トリメチル-4-ノニルオキシポリエチレンオキエタノール(6EO)及び(10EO);商標名TERGITOL(商標)15-S-7、TERGITOL(商標)15-S-9、TERGITOL(商標)15-S-15で販売されているアルキレンオキシポリエチレンオキシエタノール(C11~15二級アルコールエトキシレート7EO、9EO、及び15EO);TERGITOL(商標)15-S-12、15-S-20、15-S-30、15-S-40の商標で販売されている他のC11~15第二級アルコールエトキシレート;TRITON(商標)X-405の商標で販売されているオクチルフェノキシポリエトキシエタノール(40EO)、及びECOSURF(商標)EH-40などのECOSURF(商標)EHの商標を付したアルコールエトキシレート等の組成物が挙げられる。これらの界面活性剤の全ては、Dow Chemical Companyにより販売されている。
【0061】
商用の、他の有用な非イオン性界面活性剤は、Stepan CompanyによりMAKON(商標)10の商標で販売されているノニルフェノキシポリエトキシエタノール(10EO)、ICI Surfactants(Wilmington,Delaware,USA)によりBRIJ(商標)35Lの商標で市販されているポリオキシエチレン23ラウリルエーテル(Laureth-23)、及びICI Surfactantsにより更に販売されているポリオキシエチレンエーテルアルコール、RENEX(商標)30である。
【0062】
非イオン性界面活性剤はまたシリコーンポリエーテル(SPE)であってもよい。乳化剤としてのシリコーンポリエーテルは、ポリオキシエチレン又はポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー単位がシロキサン主鎖にグラフトされる熊手型構造を有し得、又はSPEは、Aがポリエーテル部分を表し、BがABA構造のシロキサン部分を表すABAブロックコポリマー構造を有し得る。好適なSPEとしては、Dow Silicones Corporation (Midland,Michigan,USA)製のDOWSIL(商標)OFX-5329 Fluidが挙げられる。代替的に、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシアルキレン置換シリコーン、シリコーンアルカノールアミド、シリコーンエステル、及びシリコーングリコシドから選択され得る。このようなシリコーンベースの界面活性剤を使用してこのような水性エマルジョンを形成することができ、これらは当該技術分野において既知であり、例えばGeeらの米国特許第4,122,029号、Rentschの同第5,387,417号、及びSchulzらの同第5,811,487号に記載されている。
【0063】
出発原料(D-2)非イオン性界面活性剤は、希釈で供給されてもよく、使用される量は、水性エマルジョン中の出発原料(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの重量を基準として、0.1%~6%の界面活性剤を提供するのに十分であってもよい。あるいは、非イオン性界面活性剤の量は、少なくとも0.1%、あるいは少なくとも0.2%、あるいは少なくとも0.3%、あるいは少なくとも0.4%、あるいは少なくとも0.5%であってもよく、他方で、同時に、非イオン性界面活性剤の量は、同じ基準で、最大5%、あるいは最大4%、あるいは最大3%、あるいは最大2%、あるいは最大1%であってもよい。あるいは、非イオン性界面活性剤の量は、同じ基準で、0.2%~4%、あるいは0.3%~3%、あるいは0.4~2.5%、あるいは0.5%~2%であってもよい。あるいは、出発原料(D-1)カチオン性界面活性剤及び(D-2)非イオン性界面活性剤は、水性エマルジョン中の出発原料(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの重量を基準として、組み合わせて10%以下の量で存在し得る。
【0064】
出発原料(E)水
出発原料(E)は、水である。水は、一般的に限定されず、例えば、水は、処理されていても処理されていなくてもよい。水を精製するために使用され得るプロセスの例としては、蒸留、濾過、脱イオン化、及びそれらの2つ以上の組み合わせが挙げられ、これによって、水が、脱イオン化、蒸留、及び/又は濾過され得る。あるいは、水は、未処理であり得る(例えば、水道水、すなわち、都市用水系によって提供されるか、又は更なる精製無しで使用される井戸水であり得る)。水の量は、上記のプロセスのステップ1)における乳化重合のための水性エマルジョンを形成するのに十分である。ステップ1)の後に追加の水を添加してもよい。例えば、上記のように調製された第1の水性エマルジョン及び/又は第2の水性エマルジョンは、エマルジョン配合物で織物を処理する前に、所望の量の出発原料を達成するために、更なる水で希釈され得る。ステップ1)では、水は、ステップ1)の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、20%~97%、あるいは30%~90%、あるいは40%~80%、あるいは50%~97%、あるいは50%~90%、あるいは60%~80%の量で添加され得る。あるいは、水は、少なくとも20%、あるいは少なくとも30%、あるいは少なくとも40%、あるいは少なくとも50%、及びあるいは少なくとも60%の量で添加されてもよく、同時に、この量は、同じ基準で、最大97%、あるいは最大96%、あるいは最大95%、あるいは最大80%であってもよい。
【0065】
理論に束縛されるものではないが、出発原料(A)、(B)、及び(C)、並びに存在する場合には、(J)は、共重合して、出発原料(I)として本明細書に記載される(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを形成すると考えられる。更に、出発原料(D)界面活性剤及び(E)水は共重合反応に関与しないと考えられるが、出発原料(D)及び(E)の一方又は両方を含むコポリマーは本明細書の範囲から除外されない。
【0066】
出発原料(I)シリコーン-(メタ)アクリレート共重合体
シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーは、上記の(A)、(B)、(C)及び(F)を含む出発原料の乳化共重合によって調製され得る。あるいは、シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーは、出発原料(A)、(B)、(C)、及び(F)(並びに存在する場合には、(H)連鎖移動剤及び/又は(J)追加のモノマー)から本質的になる出発原料の反応生成物であり得る。あるいは、シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーは、出発原料(A)、(B)、(C)、及び(F)(並びに存在する場合には、(H)及び/又は(J))からなる出発原料の反応生成物であり得る。理論に束縛されるものではないが、出発原料(D)及び(E)のいずれも出発原料(A)、(B)及び(C)と共重合せず、単に共重合のためのビヒクルとして働くと考えられる。しかしながら、出発原料(D)及び/又は(E)のうちの1つ以上の一部、又は本方法の過程で添加される任意の他の出発原料が、(A)、(B)、(C)及び(F)を含む出発原料の共重合反応に関与し得る可能性を、本明細書は排除するものではない。
【0067】
織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物において、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーは、水を除くエマルジョン配合物中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、57.2%~88.5%の量で存在してもよい。あるいは、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの量は、処理される布地の種類などの要因に応じて変化してもよい。例えば、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの量は、処理される織物がポリエステルである場合、同じ基準で、58.2%~88.5%であってもよい。あるいは、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの量は、処理される織物がナイロンなどのポリアミドである場合、同じ基準で、57.2%~79.3%であってもよい。
【0068】
出発原料(III)水分散性架橋剤
出発原料(III)は、例えば、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー及び(II)添加物の硬化を促進するために、織物を処理するためのエマルジョン配合物に添加され得る水分散性架橋剤(架橋剤)である。出発原料(III)は、ステップ1)で調製された第1の水性エマルジョンと組み合わされてもよい。あるいは、出発原料(III)は、織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物を調製するためのプロセスのステップ2)において第2の水性エマルジョンと組み合わされてもよい。あるいは、第1の水性エマルジョン及び第2の水性エマルジョンを組み合わせて、第3の水性エマルジョンを形成し、その後、(III)水分散性架橋剤をそれに添加してもよい。好適な水分散性架橋剤としては、ブロック化イソシアネート及びジオールが挙げられる。「ブロック化イソシアネート」という用語は、イソシアネート基がブロッキング剤と反応しており、加熱時にイソシアネート及びブロッキング剤を放出するモノ-、ジ-及びポリイソシアネートを包含する。好適なブロッキング剤は、アミン、アミド、活性水素原子を有する化合物、アルコール、又はオキシムなど、当技術分野で既知である。ブロック化イソシアネートは市販されており、例えば、Archroma(Reinach,Switzerland)製のARKOPHOB(商標)DAN及びARKOPHOB(商標)SR、Rudolf GmbH (Geretsreid,Bayern,Germany)製のRUCO-GUARD(商標)WEB、及びHuntsman Corporation(Woodlands,Texas,USA)製のPHOBOL(商標)XANがある。ジオールとしては、例えば、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、2-エチルヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、2,2,4-トリメチルペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールが挙げられる。好適な架橋剤の例は、当該技術分野において既知であり、例えば、Knaupの米国特許出願公開第2017/0204558号、Hamajimaらの米国特許第9,777,105号(第11欄第54行から始まる)に開示されており、これらは、好適な架橋剤を記載する目的のために、本明細書中で参考として援用される。架橋剤(III)の正確な量は、ステップ1)で形成される(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー及び処理される織物の種類及び量を含む様々な要因に依存するが、架橋剤(III)の重量は、同じ基準で、布地重量の0.25%~3.75%、あるいは0.25%~1%、あるいは0.25%~0.5%を提供するのに十分であってもよい。あるいは、架橋剤の量は、水を除く、織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、9.1%~30%であってもよい。あるいは、(III)架橋剤の量は、処理される布地の種類などの要因に応じて変化してもよい。例えば、(III)架橋剤の量は、処理される織物がポリエステルである場合、9.2%~20.1%であってもよい。あるいは、(III)架橋剤の量は、処理される織物がナイロンなどのポリアミドである場合、9.1%~30.7%であってもよい。
【0069】
出発原料(H)連鎖移動剤
上記プロセスのステップ1)において添加され得る追加の出発原料は、(H)連鎖移動剤を含む。好適な連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン、例えば、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン(ドデカンチオール)、及び/又は2,2-ジメチルデシルメルカプタンなどのメルカプタンが挙げられる。あるいは、連鎖移動剤は、メルカプト酢酸及び/又は2-メルカプトエタノールなどの水溶性であってもよい。好適な連鎖移動剤は当該技術分野において既知であり、例えば、Peter Nesvadbaによる「Radical Polymerization in Industry」,Performance Chemical Research,GASF Schweiz AG,Basel,Switzerland,Encyclopedia of Radicals in Chemistry,Biology and Materials,Online (著作権)2012 John Wiley&Sons, Ltd.に開示されている。
【0070】
出発原料(H)連鎖移動剤は任意であり、出発原料(A)、(B)、及び(C)(並びに存在する場合には(J))を組み合わせた重量を基準として、0~1%の量で添加されてもよい。あるいは、(H)連鎖移動剤は、同じ基準で0.5%~0.6%の量で使用されてもよい。
【0071】
出発原料(F)開始剤
開始剤である出発原料(F)もまた、上記のステップ1)において添加される。好適な開始剤としては、アゾ化合物及び過酸化物化合物が挙げられる。例えば、アゾ系化合物は、1-t-アミルアゾ-l-シアノシクロヘキサン、アゾ-ビス-イソブチロニトリル、1-t-ブチルアゾ-シアノシクロヘキサンなどの脂肪族アゾ系化合物、2,2’-アゾビス-(2-メチル)ブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス(シアノ吉草酸)、又はこれらの2つ以上の組み合わせであってもよい。アゾ化合物は、当該技術分野において既知であり、例えば、The Chemours Company(Wilmington,Delaware,USA)からVAZO(商標)WSPの商品名で市販されている。過酸化物化合物は、過酸化物又はヒドロペルオキシド、例えばt-ブチルペルオクトエート、t-ブチルペルベンゾエート、ジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ-t-アミルペルオキシド、及びそれらの2つ以上の組み合わせであってもよい。加えて、ジ-ペルオキシド開始剤は、単独で、又は他の開始剤と組み合わせて使用され得る。このようなジ-ペルオキシド開始剤としては、1,4-ビス-(t-ブチルペルオキシカルボ)シクロヘキサン、1,2-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、及び2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3-ヘキシンが挙げられるが、これらに限定されない。好適なペルオキシド化合物は、当技術分野において既知であり、Sigma-Aldrich,Inc.などの様々な供給業者から市販されている。あるいは、開始剤はイソアスコルビン酸を含んでもよい。
【0072】
開始剤は、出発原料(F)として単独で使用されてもよい。あるいは、出発原料(F)は、酸化成分としての開始剤と還元成分とを含むレドックス対であってもよい。あるいは、イソアスコルビン酸とt-アミルヒドロペルオキシド又はt-ブチルヒドロペルオキシド等の疎水性有機ヒドロペルオキシドとを含むレドックス対を、出発原料(F)として使用してもよい。出発原料(F)に好適な開始剤及び/又はレドックス対の例は、Bardmanらの米国特許第6,576,051号(第11欄、第16行から始まる)に開示されている。開始剤がどのように添加されるかは、開始剤が水溶性であるかどうか、及び開始剤のタイプ(例えば、熱開始剤又はレドックス対が使用されるかどうか)を含む様々な要因に依存する。典型的には、熱開始剤が使用される場合、全ての開始剤は、ステップ1)の開始時に一度に添加される。あるいは、レドックス対が使用される場合、それは経時的に計量供給され得る。開始剤(F)は、シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの重量を基準として、0.01%~3%、あるいは0.1%~1.5%を提供するのに十分な量で使用され得る。
【0073】
出発原料(J)追加のモノマー
出発原料(J)は、ステップ1)において添加され得る任意の追加のモノマーである。出発原料(J)は、上記の出発原料(A)、(B)及び(C)とは異なる結晶化可能でないモノマーである。追加のモノマーは、存在する場合には、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの重量を基準として、0超~18.75重量%の量で使用され得る。好適なモノマーとしては、(メタ)アクリレートモノマー、例えばメチルメタクリレート、t-アミルメタクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、例えばt-ブチルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ナフチルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせが挙げられる。あるいは、追加のモノマーは、スチレン又は塩化ビニルであってもよい。出発原料(J)に好適なモノマーは、当該技術分野において既知であり、例えば、Polysciences,Inc.から市販されている。あるいは、追加のモノマー(J)は、イソボルニルメタクリレート(IBMA)、イソボルニルアクリレート(IBA)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。追加のモノマーは任意であり、出発原料(A)、(B)、及び(C)、並びに存在する場合には、(J)を組み合わせた重量を基準として、0~18.75%の量で存在し得る。あるいは、(J)追加のモノマーは、少なくとも0.5%、あるいは少なくとも1%、あるいは少なくとも2%の量で存在し得る。同時に、追加のモノマーは、同じ基準で、最大18.75%、あるいは最大15%、あるいは最大10%、あるいは最大8%、あるいは最大5%の量で存在してよい。あるいは、(J)追加のモノマーの量は、同じ基準で、0超~18.75%、あるいは0.5%~7%、あるいは1%~6%、あるいは2%~5%であってもよい。
【0074】
出発原料(K)抑制剤
出発原料(K)は、上記のプロセスのステップ1)で任意選択で添加することができる抑制剤である。存在する場合には、出発原料(K)、阻害剤は、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの重量に基づいて、0超~0.01未満%、あるいは同じ基準で0超~2,000未満ppm、あるいは1ppm~1818ppm、あるいは10ppm~500ppmの量で使用され得る。出発原料(K)に好適な阻害剤は市販されており、例えば、ニトロベンゼン、ブチル化ヒドロキシルトルエン、ジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)、p-メトキシフェノール、2,4-ジ-t-ブチルカテコール、フェノチアジン、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンの塩、(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシダニル(TEMPO)、及び4-ヒドロキシ-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシダニル(4-ヒドロキシTEMPO)が挙げられる。
【0075】
織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物を調製するために、ステップ1)の後にかつ/又はステップ2)の後に追加の出発原料を任意選択で添加してもよい。出発原料は、(VI)(出発原料(D)について上述したような)追加の界面活性剤、(VII)ワックス、(VIII)殺生物剤、(IX)(出発原料(E)について上述したような)追加の水、(X)難燃剤、(XI)しわ減少剤、(XII)帯電防止剤、(XIII)浸透剤、又は追加の出発原料のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0076】
出発原料(VII)ワックス
出発原料(VII)はワックスであり、これはエマルジョン配合物が適用される織物に改善された撥水性又は柔軟性を提供するために任意選択で添加されてもよい。ワックスの量は、選択されたワックスのタイプ、所望の利益、及びエマルジョン配合物で処理される布地を含む要因に応じて変化する。しかしながら、ワックスの量は、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの重量に基づいて、0~75%、あるいは0~50%、あるいは25%~50%であってよい。あるいは、使用される場合、ワックスの量は、0超%、あるいは少なくとも10%、あるいは少なくとも25%であってもよく、同時に、ワックスの量は、同じ基準で最大75%、あるいは最大50%であってもよい。好適なワックスの例としては、パラフィンワックス(例えば、n-パラフィン、イソパラフィン、及び/又はシクロパラフィン)、シリコーンワックス、例えば、長鎖アルキル基を有するシリコーンワックス(例えば、アルキルメチルシリコーンワックス)及び/又はアミノ-シリコーンワックス、並びにこれらのうちの2つ以上の組み合わせが挙げられる。好適なワックスは、例えば、Knaupの米国特許出願公開第2017/0204558号及びProbstらの米国特許第10,844,151号に開示されている。例えば、Michelman (Cincinnati,Ohio,U.S.A.)製のMichelman wax 743及び他のものなどのワックスは、水系分散液として供給されてもよい。他のワックスも、例えば、Sasol Wax(Hamburg,Germany)から市販されており、DOWSIL(商標)AMS-C30などのシリコーンワックスは、Dow Silicones Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から入手可能である。
【0077】
出発原料(VIII)殺生物剤
出発原料(VIII)は、殺生物剤である。殺生物剤の量は、選択される殺生物剤のタイプ及び所望される効果などの要因に応じて変化する。しかしながら、使用される場合、殺生物剤の量は、エマルジョン配合物中の全ての出発原料の合計重量に基づいて、0超%~5%であり得る。出発原料(VIII)は、(M-1)殺真菌剤、(M-2)除草剤、(M-3)殺虫剤、(M-4)抗菌剤、又はそれらの組み合わせによって例示される。好適な殺生物剤は、例えば、米国特許第9,480,977号に開示されている。
【0078】
出発原料(XIII)浸透剤
出発原料(XIII)は、浸透剤である。好適な浸透剤は、The Dow Chemical Companyから市販されているグリコールエーテルによって例示され、DOWANOL(商標)DPM、TPM、PPh、EPh、Methyl CARBITOL(商標)、及びButyl CARBITOL(商標)が挙げられる。
【0079】
(II)添加物
織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物は、撥水性を著しく低下させることなく、織物に柔軟性を付与するのに十分な量の、(II-1)式
【0080】
【化16】
のアルキルポリシロキサン(式中、各R
19は、1~18個の炭素原子を有する独立して選択された一価飽和炭化水素基であり、下付き文字aは、20~300の平均値を有する)、又は(II-2)(II-2)中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、組み合わせの60~70重量%の(II-1)アルキルポリシロキサン、(II-2)中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、組み合わせの29~39重量%のJIS K6249:2003によるタイプAデュロメータで測定した硬度が20以上である(II-2-1)シリコーン樹脂、及び(II-2)中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、組み合わせの0~2重量%の、窒素原子1モル当たりのアミノ官能性ポリオルガノシロキサンの分子量を意味する官能基当量が100~20,000g/molであり、JIS K2283:2000の方法で測定した25℃における動粘度が10~100,000mm
2/秒である(II-2-2)アミノ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせから選択される、(II)添加物を更に含む。あるいは、(II-2-2)アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、同じ基準で1%~2%の量で存在してもよい。
【0081】
(II-1)アルキルポリシロキサンは式
【0082】
【化17】
を有し、式中、各R
19は、1~18個の炭素原子を有する独立して選択された一価飽和炭化水素基であり、下付き文字aは、20~300の平均値を有する。R
19の一価飽和炭化水素基は、アルキル基、あるいは1~6個の炭素原子のアルキル基であり得る。あるいは、アルキル基は、1~3個の炭素原子、あるいは1~2個の炭素原子を有し得る。あるいは、各R
19は、メチルであり得る。好適なアルキルポリシロキサン、例えば、ビス-トリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンは、当該技術分野において既知であり、例えば、DSCからXIAMETER(商標)200流体として市販されている。
【0083】
あるいは、(II)添加物は、(II-2)(II-2)中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、組み合わせの60~70重量%の上記の(II-1)アルキルポリシロキサン、(II-2)中の全ての出発原料を組み合わせ重量を基準として、組み合わせの29~39重量%のJIS K6249:2003によるタイプAデュロメータで測定した硬度が20以上である(II-2-1)シリコーン樹脂、及び(II-2)中の全ての出発原料を組み合わせ重量を基準として、組み合わせの1~2重量%の、窒素原子1モル当たりのアミノ官能性ポリオルガノシロキサンの分子量を意味する官能基当量が100~20000g/molであり、JIS K2283:2000の方法で測定した25℃での動粘度が10~100,000mm2/秒である(II-2-2)アミノ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせを含んでもよい。
【0084】
出発原料(II)添加物は、(II)添加物、(D’)界面活性剤(出発原料(D)について上述したものであってもよい)及び(E’)水(出発原料(E)について上述したものであってもよい)を含む、第2の水性エマルジョン中で送達されてもよい。第2の水性エマルジョンは、米国特許出願公開第2020/0332148号に記載されているような既知の方法によって、本明細書に記載の出発原料の種類及び量を変えることによって調製することができる。
【0085】
織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物において、(II)添加物は、水を除くエマルジョン配合物中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、0.4%~29.3%の量で存在してもよい。あるいは、(II)添加物の量は、選択される添加物の種類及び/又は処理される織物の種類に応じて変化してもよい。例えば、添加物が(II-1)アルキルポリシロキサンである場合、アルキルポリシロキサンは、0.7%~28.5%の量で存在し得る。あるいは、処理される織物がポリエステルである場合、アルキルポリシロキサンは0.7%~28.5%の量で存在してもよい。あるいは、処理される織物がナイロンなどのポリアミドである場合、アルキルポリシロキサンは1%~28.5%の量で存在してもよい。あるいは、添加物が(II-2)上記の組み合わせである場合、添加物は、水を除くエマルジョン配合物中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、0.4%~29.3%の量で存在し得る。あるいは、処理される織物がポリエステルである場合、組み合わせは0.4%~29.3%の量で存在してもよい。あるいは、処理される織物がナイロンなどのポリアミドである場合、組み合わせは0.8%~28.5%の量で存在してもよい。
【0086】
上記の第1の水性エマルジョン及び第2の水性エマルジョンに添加する出発原料、並びに織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物を選択する場合、本明細書に記載される特定の出発原料は2つ以上の機能を有する場合があるので、出発原料の種類間で重複があり得る。第1の水性エマルジョン、第2の水性エマルジョン及び/又はエマルジョン配合物に使用される出発原料は、互いに異なっていてもよい。
【0087】
織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物は、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー、(II)添加物、(III)水分散性架橋剤、(IV)界面活性剤(出発原料(D)として上に記載)、及び(V)水(出発原料(E)として上に記載)を含む。エマルジョン配合物は、任意選択で、(VII)ワックス、(VIII)殺生物剤、(IX)追加の水、(X)難燃剤、(XI)しわ減少剤、(XII)帯電防止剤、(XIII)浸透剤、並びに出発原料(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)及び(XIII)の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される追加の出発原料を更に含んでもよく、これらは、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを含む第1の水性エマルジョンの調製中に、又はその後、エマルジョン配合物を調製するためのプロセスにおいて添加されてもよい。これらの追加の出発原料及びそれらの量は、上記の通りである。更に、本明細書中に記載されるエマルジョン配合物は、フルオロカーボンを含まない出発原料を用いて配合され得る。例えば、エマルジョン配合物は、炭素原子に共有結合したフッ素原子を含有する出発原料を一切含まなくてもよい。
【0088】
織物の処理プロセス
上記のように調製されたエマルジョン配合物は、織物を処理するために使用することができる。例えば、織物を処理するための方法は、I)上記のエマルジョン配合物で織物をコーティングすることと、II)織物を加熱することと、を含む。ステップI)は、織物にエマルジョン配合物をパディング、浸漬、又は噴霧するなどの任意の好都合な方法によって実行されてもよい。しかし、方法は、いずれも織物の重量に基づいて、布地の重量の0.25重量%~7.5重量%の(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー、布地の重量の0.01重量%~0.5重量%の(II)添加物、及び布地の重量の0.05重量%~0.5重量%の(III)水分散性架橋剤を送達するのに十分でなければならない。(II)添加物が(II-2)の組み合わせである場合、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの量及び(II-2)の組み合わせの量は、2:1~200未満:1の(I):(II-2)の重量比を提供するのに十分である。
【0089】
ステップII)は、オーブン中に織物を配置するといった任意の好都合な方法により実行されてもよい。織物の加熱は、水の全て又は一部を除去するため、及び/又はエマルジョン配合物を硬化させるために実行されてもよい。正確な温度は、選択された織物のタイプの温度感受性及び所望の乾燥時間を含む様々な要因に依存する。しかしながら、加熱は、水を除去するために100℃超の温度で実行されてもよい。あるいは、温度は、水の全て又は一部を除去し、ブロック化イソシアネート架橋剤を脱ブロック化し、かつ/又は(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー及び(II)添加物を硬化するのに十分な時間にわたって、100℃超~200℃であってもよい。
【0090】
処理される織物は、特に限定されない。好適な織物としては、綿、絹、リネン、及び/又は羊毛の布地などの天然由来の織物、レーヨン、アセテート、ポリエステル、ポリアミド(ナイロンなど)、ポリアクリロニトリル、並びにポリエチレン及び/又はポリプロピレンなどのポリオレフィンなどの合成源に由来する織物、及びそれらのうちの2つ以上の組み合わせ(例えば、ポリエステル/綿ブレンドなどのブレンド)が挙げられる。織物の形態も特に限定されない。本明細書に記載されるエマルジョン配合物は、任意の形態の織物、例えば、織布、編布、絨毯又は不織布に使用するのに好適である。
【実施例】
【0091】
以下の実施例は、当業者に本発明を例示するために提供されるものであり、請求項に記載の本発明を制限するものとして解釈すべきではない。ここで使用した出発原料は以下の通りであった。処理される織物は、ナイロン(スタイル#01194)であり、これは、Burlingtonから購入され、98.61%のナイロン及び1.39%のスパンデックスを含有していた。重量は6.84 Oz/Lin Ydであり、平織りであった。処理される別の織物は、やはりBurlington製の、スタイル4774 075、坪量220g/m2のポリエステル又はPES織布(縮緬)であった。水分散性架橋剤(H-1)は、Huntsmanから購入したPHOBOL(商標)XAN増量剤(オキシムブロック化イソシアネートエマルジョン)であり、受け取ったまま使用した。結晶性モノマー(A-1)は、ステアリルアクリレート及び/又はラウリルメタクリレートであり、架橋性(メタ)アクリレートモノマー(C-1)は、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、非イオン性界面活性剤BRIJ(商標)L23-69(69%活性)、カチオン性界面活性剤ARQUAD(商標)16-29(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、29%活性)、及び2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)(AIBN)、EcoSurf(商標)EH-14非イオン性界面活性剤(90%活性)、EcoSurf(商標)EH-40非イオン性界面活性剤(75%活性)、Synperonic(商標)13/6共乳化剤及び湿潤剤、Synperonic(商標)13/12共乳化剤及び湿潤剤、アルキルポリシロキサン、シリコーン樹脂及びアミノ官能性ポリオルガノシロキサンを含む、米国特許出願公開第2020/0332148号に従って調製されたエマルジョン(エマルジョン1)であった。Nicca BG2浸透剤、t-ブチルヒドロペルオキシド、イソアスコルビン酸、ドデカンチオール、ジプロピレングリコール、XIAMETER(商標)PMX-200シリコーン流体(100cStビス-トリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン)、及びXIAMETER(商標)OHX-0750ポリマー(DP約200のビス-シラノール末端ポリジメチルシロキサン)は市販されており、商業的供給源から入手した。PCT公開第2021108068号に記載されているように、末端アミノシロキサン(TAS、DP約16のビス-アミノ-アルキル末端ポリジメチルシロキサン)を調製した。出発原料(B-1)は、米国特許第6,420,504号で記載されているように調製された、3-(1,5-ビス(2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)-3-(((2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)ジメチルシリル)オキシ)-1,1,5,5-テトラメチルトリシロキサン-3-イル)プロピルメタクリレート(Si16と省略される)であった。Fisherbrand(商標)Model 705音波ディスメンブレーターを音波処理に使用した。マイクロフルイダイザーは、Microfluidics Microfluidizer Model 110Yホモジナイザーであった。DT-樹脂-ALMAは、二官能性及び三官能性シロキサン単位を含むポリメチルシルセスキオキサン樹脂であり、上記樹脂は更にメタクリルオキシプロピル基を含んでいた。
【0092】
この参考例Aでは、シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーエマルジョンを以下のように調製した。開始剤溶液Aを以下のように調製した。0.702gの70%t-ブチルヒドロペルオキシドを45mLのDI水で希釈して原液を形成した。5gのこの原液を取り、5gのDI水と混合することによって、最終溶液を作製した。
【0093】
開始剤溶液Bを以下のように調製した。0.96gのイソアスコルビン酸を45mLのDI水に加え、原液を形成した。5gのこの原液を取り、5gのDI水と混合することによって、最終溶液を作製した。
【0094】
ステアリルアクリレート(47.5g)、Si16(1.5g)、HEMA(1g)、ドデカンチオール(0.05g)、Ecosurf(商標)EH-40非イオン性界面活性剤(1.67g)及び脱イオン水(200g)を、400mLのジャーに入れた。混合物を40℃の水浴中で10分間加熱して、ステアリルアクリレートを溶融させた。原料を、超音波処理器を用いて50ジュールの振幅で2分間超音波処理して、粗エマルジョンを作製した。次いで、粗エマルジョンを、40℃及び10~15kPSIで作動するマイクロフルイダイザーに通した。次いで、得られたエマルジョンを、還流冷却器、窒素注入口、オーバーヘッドスターラー(IKA RW20)、及び熱電対プローブを備えた1000mLの4つ口フラスコに移した。エマルジョンをテフロンブレードを用いて200RPMで撹拌し、60℃に加熱した。温度に達した後、レドックス開始剤を0.25mL/分で溶液に供給し(別々の供給物中の開始剤溶液A及び開始剤溶液B)、60℃で1時間後、次いで、得られたエマルジョン配合物をゆっくり撹拌しながら35℃未満に冷却した後、注ぎ出した。試料1~16及び23~34のシリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを、この参考例Aに従って、適切な出発原料の量を変化させることによって調製した。
【0095】
この参考例1において、アクリレートエマルジョン試料17、18、35及び36を以下のように調製した:ステアリルアクリレート(37.5g)、ラウリルメタクリレート(11.5g)、HEMA(1g)、ジプロピレングリコール(20g)、Brij L23-69(5g)、Arquad16-29(塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、3g)、及び脱イオン水(180g)を、400mLのジャーに入れた。混合物を40℃の水浴中で10分間加熱して、ステアリルアクリレートを溶融させた。原料を、超音波処理器を用いて50Jの振幅で2分間超音波処理して、エマルジョンを作製した。次いで、得られたエマルジョンを、還流冷却器、窒素注入口、オーバーヘッドスターラー(IKA RW20)、及び熱電対プローブを備えた1000mLの4つ口フラスコに移した。エマルジョンをテフロンブレードを用いて200RPMで撹拌し、0.3gの2-2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩開始剤を添加し、混合物を60℃に加熱した。反応混合物を、60℃で6時間保持した。次に、原料を撹拌しながら30~40℃に冷却した後、注ぎ出した。
【0096】
この参考例2では、アクリレートエマルジョン試料19、20、37及び38を、米国特許出願公開第2020/0332148号に記載されているように調製した。ステアリルアクリレート(49g)、HEMA(1g)、Brij L23-69(5g)、Arquad16-29(塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、3g)、及び脱イオン水(200g)を、400mLのジャーに入れた。混合物を40℃の水浴中で10分間加熱して、ステアリルアクリレートを溶融させた。原料を、超音波処理器を用いて50Jの振幅で2分間超音波処理して、エマルジョンを作製した。次いで、得られたエマルジョンを、還流冷却器、窒素注入口、オーバーヘッドスターラー(IKA RW20)、及び熱電対プローブを備えた1000mLの4つ口フラスコに移した。エマルジョンをテフロンブレードを用いて200RPMで撹拌し、0.3gの2-2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩開始剤を添加し、混合物を60℃に加熱した。反応混合物を、60℃で6時間保持した。次に、原料を撹拌しながら30~40℃に冷却した後、注ぎ出した。
【0097】
この参考例3では、35gのPMX-200流体及び1.5gのEcoSurf(商標)EH-14をプラスチックビーカーに入れ、18mmの分散ツールを備えたIKA Ultra Turrax T25を用いて10,000RPMで混合した。脱イオン水(15.5g)を混合物に滴下して加え、エマルジョンを作製した。
【0098】
この参考例4では、10gの比較ポリマー(OHX-0750ポリマー又は末端アミノシロキサンのいずれか)、0.5gのSynperonic13/6、0.5gのSynperonic13/12及び0.75gの脱イオン水をSpeedMixerカップに入れ、3500RPMで30秒間、2回混合した。得られたエマルジョンを、1.25g及び3.67gアリコートの脱イオン水を添加し、各アリコートの添加後に3500RPMで混合することによって希釈した。
【0099】
この参考例5では、水、浸透剤、乳化添加剤(PMX-200シリコーン流体、OHX-0750ポリマー、又はTAS、又はエマルジョン1)、シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーエマルジョン、及び水分散性架橋剤(PHOBOL(商標)XAN Extender)をプラスチックボトル内で組み合わせて、手で振って混合することによって、織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物を調製した。得られた配合物を以下の表Xに記載する。
【0100】
【0101】
【0102】
表X中の出発原料を記載する欄において、第1の値は出発原料のグラムを表し、(括弧)中の第2の値はエマルジョン配合物中の布地の重量を表す。コポリマーは、シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを指す。
【0103】
この参考例6では、撥水性及び洗浄耐久性の評価手順を以下のように行った。ナイロン/ポリエステルシートを、参考例5に従って調製したエマルジョン配合物で処理し、次いで、シートを90°Fの洗浄/低温すすぎサイクルを用いて洗濯し、約150°Fで乾燥させた。この方法を最大20回繰り返した。6ポンドのシートごとに、37gのTide洗剤(無臭)を使用した。AATCC-22噴霧試験は、最初の処理(0回の洗浄)後、10回の洗浄後、及び20回の洗浄後に行った。噴霧試験において、90未満の値を不合格とみなした。結果を表Yに示す。
【0104】
この参考例7では、柔軟性の評価手順を以下のように行った。ナイロン/ポリエステルシートを、約150°Fで乾燥させた後、剛性及び手触りの両方について評価した。剛性については、シートを1/2に折り畳み、剛性/ドレープを1~5の尺度でランク付けし、5が最良であった。手触りについては、布地の手触りを1~5の尺度でランク付けし、5が最良であった。4未満は不合格とみなした。結果を表Yに示す。
【0105】
【0106】
表Yにおいて、「*」は、試料が最初の処理後に噴霧試験に合格しなかったことを示し、したがって、洗浄追加噴霧試験は実施しなかった。「-」は試験しなかったことを示す。
【0107】
試料1~6は、1~2%のシリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー及び0.01~0.5%のエマルジョン1を提供するエマルジョン配合物でPES布地を処理することが、耐久撥水性(10回及び20回の洗浄後の噴霧試験に合格することによって示される)及び良好な柔軟性(ドレープ及び感触試験値が4以上によって示される)を提供することを示した。実施例7は、1~2%のシリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー及び0.01%のトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンを提供するエマルジョン配合物でPES布地を処理することが、耐久撥水性(10回及び20回の洗浄後の噴霧試験に合格することによって示される)及び良好な柔軟性(ドレープ及び感触試験値≧4によって示される)を提供することを示した。実施例10及び11は、1~2%のシリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを提供するが、本明細書に記載される出発原料(II)に対応する添加物を提供しないエマルジョン配合物でPES布地を処理することが、十分な柔軟性を提供しないことを示した。実施例13、14、15及び16は、試験した条件下で、本明細書で定義した出発原料(II)の代わりに本発明の範囲外の添加物を使用した場合、不十分な撥水性が達成されることを示した。実施例17、18、19及び20は、試験した条件下で、本明細書で定義した出発原料(I)の代わりに本発明の範囲外のコポリマーを使用した場合、不十分な撥水性が達成されることを示した。実施例21及び22は、試験した条件下で、本明細書で定義した出発原料(I)の非存在下では、不十分な撥水性が達成されることを示した。
【0108】
解決されるべき課題
シリコーン-(メタ)アクリレートハイブリッドコポリマーは、様々な織物に優れた長続きする耐水性を付与することができるが、それらは、剛性及び手触りの悪さといった負の審美性を付与するという欠点を有し得る。米国特許出願公開第2020/0332148号に開示されているものなどの、織物を処理するための既知の組成物は、十分な審美性を付与することができるが、いくつかの用途では耐久撥水性が不十分である。
【0109】
解決策
本発明は、織物を処理するために使用される場合、10~20回の洗浄後の噴霧試験において少なくとも90のスコアによって測定されるような良好な耐久撥水性と、上記の参考例7に記載される剛性及び手触り試験において少なくとも4のスコアによって測定されるような望ましい審美性と、の両方を付与するエマルジョン配合物を提供する。
【0110】
用語の定義及び使用
全ての量、比率、及び百分率は、別途指定されない限り、重量に基づく。「発明の概要」及び「要約書」は、参照により本明細書に組み込まれる。明細書の文脈により別途指定がない限り、冠詞「a」、「an」、及び「the」は各々、1つ以上を指す。「を含む(comprising)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「からなる(consisting of)」という移行句は、Manual of Patent Examining Procedure Ninth Edition,Revision 08.2017,Last Revised January 2018のセクション§2111.03 I.、II.、及びIIIに記載されているように使用される。実例を列記するための「例えば(for example)」「例えば(e.g.)」、「など(such as)」、及び「が挙げられる(including)」の使用は、列記されている例のみに限定しない。したがって、「例えば(for example)」又は「など(such as)」は、「例えば、それらに限定されないが(for example,but not limited to)」又は「~などであるが、それらに限定されない(such as,but not limited to)」を意味し、他の同様又は同等の例を包含する。本明細書で使用される略語は、表Zにおける定義を有する。
【0111】
【0112】
本発明は例示的な様式で記載されており、使用されている用語は、限定というよりむしろ説明の用語の性質であることが意図されることを理解されたい。本明細書で特定の特徴又は態様の記述が依拠している任意のマーカッシュ群に関して、異なる、特殊な、及び/又は不測の結果が、全ての他のマーカッシュ群の要素から独立して、それぞれのマーカッシュ群の各要素から得られる場合がある。マーカッシュ群の各要素は、個別に、及び/又は組み合わせて依拠されてよく、添付の特許請求の範囲内の具体的な実施形態のための十分なサポートを提供する。
【0113】
更に、本発明を説明する際に依拠される任意の範囲及び部分範囲は、独立して及び包括的に、添付の特許請求の範囲の範囲内に入り、本明細書にその中の全部及び/又は部分の値が明記されていなくても、その中の全部及び/又は部分の値を包含する全範囲を説明及び想到するものと理解される。当業者であれば、列挙された範囲及び部分範囲が、本発明の様々な実施形態を十分に説明し、可能にし、そのような範囲及び部分範囲は、更に関連性がある2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、及び範囲内に含まれる任意の他の部分範囲に更に線引きされ得ることを容易に認識する。単なる一例として、範囲「16~24」は、下位3分の1(すなわち、16~18)、中位3分の1(すなわち、19~21)、及び上位3分の1(すなわち、22~24)と更に区切ることができるか、あるいは範囲「16~24」は、サブ範囲「18~22」を含み、これらは個別的及び集合的に添付の特許請求の範囲の範囲内であり、添付の特許請求の範囲の範囲内の特定の実施形態に個別的及び/又は集合的に依拠する場合があり、それらに適切な根拠を提供し得る。加えて、範囲を定義する、又は修飾する言葉、例えば「少なくとも」、「超」、「未満」、「以下」などに関して、このような言葉は、部分範囲及び/又は上限若しくは下限を含むと理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物であって、前記エマルジョン配合物は、
織物に撥水性を付与するのに十分な量の、単位式
【化1】
(式中、各R
1は、独立して選択された16~24個の炭素原子のアルキル基であり、各R
2は、独立して、H及びメチルからなる群から選択され、各D
2は、2~12個の炭素原子の二価炭化水素基であり、各R
3は、式OSi(R
4)
3の基であり、式中、各R
4は、独立して、R及びDSi(R
5)
3からなる群から選択され、各Rは、独立して選択された1~12個の炭素原子の一価炭化水素基であり、各Dは、独立して、酸素原子、1~12単位の(ポリ)アルキレンオキシド基、及び2~4個の炭素原子の二価炭化水素基からなる群から選択され、各R
5は、独立して、R及びDSi(R
6)
3からなる群から選択され、各R
6は、独立して、R及びDSiR
3からなる群から選択され、但し、R
4、R
5、及びR
6が、下付き文字wを有するシリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー単位が少なくとも6個のケイ素原子を有するように選択され、各R
7は、独立して、酸素原子及びNHからなる群から選択され、D
3は、1~12個の炭素原子の二価炭化水素基であり、D
4は、2~4個の炭素原子のアルキレン基又は二価のアルキルアリーレン基であり、下付き文字vは、式(OD
4)の単位の数を表し、下付き文字vは、0~12の値を有し、各R
8は、架橋性基であり、各R
9は、1~14個の炭素原子の一価炭化水素基であり、各R
10は、独立して、ハロゲン、アセテート基、又は1~14個の炭素原子の一価炭化水素基からなる群から選択され、下付き文字w、x、y、z1、及びz2は、コポリマー中の各単位の相対重量を表し、下付き文字xは、0.25~15の値を有し、下付き文字wは、80~98.75の値を有し、下付き文字yは、1~5の値を有し、下付き文字z1は、0~18.75の値を有し、下付き文字z2は、0~18.75の値を有し、量(w+x+y+z1+z2)=100であり、但し、前記コポリマーは、末端部分を更に含む)を含む、(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーと、
撥水性を著しく低下させることなく、織物に柔軟性を付与するのに十分な量の、
式
【化2】
の(II-1)アルキルポリシロキサン(式中、各R
19は、1~18個の炭素原子を有する独立して選択された一価飽和炭化水素基であり、下付き文字aは、20~300の平均値を有する)、又は
(II-2)組み合わせであって、
(II-2)中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、前記組み合わせの60~70重量%の(II-1)前記アルキルポリシロキサンと、
(II-2)中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、前記組み合わせの29~39重量%の、JIS K6249:2003によるタイプAデュロメータで測定した硬度が20以上である(II-2-1)シリコーン樹脂と、
(II-2)中の全ての出発原料の組み合わせた重量を基準として、前記組み合わせの0~2重量%の、窒素原子1モル当たりのアミノ官能性ポリオルガノシロキサンの分子量を意味する官能基当量が100~20,000g/molであり、JIS K2283:2000の方法で測定した25℃における動粘度が10~100,000mm
2/秒である(II-2-2)前記アミノ官能性ポリオルガノシロキサンと、を含む、(II-2)組み合わせからなる群から選択される(II)添加物と、
出発原料(I)及び(II)を架橋するのに十分な量の(III)水分散性架橋剤と、
(IV)界面活性剤と、
(V)水と、を含む、エマルジョン配合物。
【請求項2】
R
1はステアリル基であり、下付き文字w=95であり、D
2は-(CH
2)
3-であり、各R
3は-OSi(CH
3)
2(CH
2)
2Si(OSi(CH
3)
3)であり、下付き文字x=3であり、R
7はOであり、下付き文字v=0であり、R
8はOHであり、下付き文字y=2であり、下付き文字z1=0であり、下付き文字z2=0である、請求項1に記載のエマルジョン配合物。
【請求項3】
(VI)追加の界面活性剤、(VII)ワックス、(VIII)殺生物剤、(IX)難燃剤、(X)しわ低減剤、(XI)帯電防止剤、及び(XII)浸透剤からなる群から選択される1つ以上の追加の出発原料を更に含む、請求項1に記載のエマルジョン配合物。
【請求項4】
(II)前記添加物は(II-2)であり、前記エマルジョン配合物は(XII)前記浸透剤を更に含む、請求項3に記載のエマルジョン配合物。
【請求項5】
(III)前記水分散性架橋剤は、ブロック化イソシアネートを含む、請求項1に記載のエマルジョン配合物。
【請求項6】
(I)前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーは、布地に対して0.25~7.5重量%を提供するのに十分な量で存在し、(II)前記添加物は、布地に対して0.01~0.5重量%を提供するのに十分な量で存在し、(III)前記水分散性架橋剤は、布地に対して0.05~0.5重量%を提供するのに十分な量で存在し、但し、前記添加物が(II-2)前記組み合わせである場合、(I)前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの量及び(II-2)前記組み合わせの量は、(I):(II-2)の重量比が2:1~200未満:1となるのに十分であることを条件とする、請求項1に記載のエマルジョン配合物。
【請求項7】
請求項1に記載のエマルジョン配合物を調製するプロセスであって、前記プロセスは、
1)出発原料(I)である前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを、
(A)80重量%~98.75重量%の、式
【化3】
の結晶性モノマー(式中、R
1及びR
2は、上記の通りである)と、
(B)0.25重量%~15重量%の、式
【化4】
のシリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー(式中、R
2、D
2、及びR
3は、上記の通りである)と、
(C)1重量%~5重量%の、式
【化5】
の架橋性(メタ)アクリレートモノマー(式中、R
7、D
3、D
4、下付き文字v、及びR
8は、上記の通りである)と、
(D)界面活性剤と、
(E)水と、
(F)開始剤と、を含む、出発原料の乳化重合を介して、調製し、それによって、(I)前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを含む第1の水性エマルジョンを形成することと、
2)(II)前記添加物である(D’)界面活性剤及び(E’)水を含む、第2の水性エマルジョンを提供することと、
3)ステップ1)で調製された前記第1の水性エマルジョン、ステップ2)からの前記第2の水性エマルジョン、(III)前記水分散性架橋剤、並びに任意選択で、追加の界面活性剤、ワックス、殺生物剤、追加の水、難燃剤、しわ減少剤、帯電防止剤、及び浸透剤からなる群から選択される1種以上の追加の出発原料を含む、原料を混合することと、を含む、プロセス。
【請求項8】
出発原料(A)は、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート及びベヘニルアクリレートからなる群から選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
出発原料(B)は、式
【化6】
を有する、請求項7に記載のプロセス。
【請求項10】
出発原料(B)は、
3-(5-((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-1,1,1,3,7,9,9,9-オクタメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)ペンタシロキサン-5-イル)プロピルメタクリレート、
3-(1,5-ビス(2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)-3-(((2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)ジメチルシリル)オキシ)-1,1,5,5-テトラメチルトリシロキサン-3-イル)プロピルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る、請求項7に記載のプロセス。
【請求項11】
出発原料(C)において、各R
8は、独立して、ヒドロキシ、アミノ、エポキシ、ウレイド、及びアセトキシからなる群から選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項12】
出発原料(C)は、2-ヒドロキシエチルメタクリレートである、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
出発原料(D)及び出発原料(D’)は、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項14】
前記カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム化合物を含むか、又は、前記非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコール、アルコールエトキシレート、若しくはこれらの組み合わせを含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
ステップ1)において、(H)連鎖移動剤、(J)追加のモノマー、(K)阻害剤、又は(H)、(J)、及び(K)のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される追加の出発原料を添加することを更に含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項16】
織物を処理するためのプロセスであって、前記プロセスは、
I)請求項1~6のいずれか一項に記載のエマルジョン配合物又は請求項7~15のいずれか一項に記載のプロセスによって調製された前記エマルジョン配合物で、前記織物をコーティングすることと、
II)前記織物を加熱することと、を含む、プロセス。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物を処理するのに好適なエマルジョン配合物であって、前記エマルジョン配合物は、
織物に撥水性を付与するのに十分な量の
(I)シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーと、ここで前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーは、単位式
【化1】
(式中、各R
1は、独立して選択された16~24個の炭素原子のアルキル基であり
;各R
2は、独立して、H及びメチルからなる群から選択され
;各D
2は、2~12個の炭素原子の二価炭化水素基であり
;各R
3は、式OSi(R
4)
3の基であり、式中、各R
4は、独立して、R及びDSi(R
5)
3からなる群から選択され、各Rは、独立して選択された1~12個の炭素原子の一価炭化水素基であり、各Dは、独立して、酸素原子、1~12単位の(ポリ)アルキレンオキシド基、及び2~4個の炭素原子の二価炭化水素基からなる群から選択され
;各R
5は、独立して、R及びDSi(R
6)
3からなる群から選択され
;各R
6は、独立して、R及びDSiR
3からなる群から選択され;但し、R
4、R
5、及びR
6が、下付き文字wを有するシリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー単位が少なくとも6個のケイ素原子を有するように選択され;各R
7は、独立して、酸素原子及びNHからなる群から選択され;D
3は、1~12個の炭素原子の二価炭化水素基であり;D
4は、2~4個の炭素原子のアルキレン基又は二価のアルキルアリーレン基であり;下付き文字vは、式(OD
4)の単位の数を表し、下付き文字vは、0~12の値を有し;各R
8は、架橋性基であり
;各R
9は、1~14個の炭素原子の一価炭化水素基であり;各R
10は、独立して、ハロゲン、アセテート基、又は1~14個の炭素原子の一価炭化水素基からなる群から選択され
;下付き文字w、x、y、z1、及びz2は、
前記コポリマー中の各単位の相対重量を表し
;下付き文字xは、0.25~15の値を有し
;下付き文字wは、80~98.75の値を有し
;下付き文字yは、1~5の値を有し
;下付き文字z1は、0~18.75の値を有し
;下付き文字z2は、0~18.75の値を有し、量(w+x+y+z1+z2)=100であり
;但し、前記コポリマーは、末端部分を更に含む
。)
を含み、
撥水性を著しく低下させることなく、織物に柔軟性を付与するのに十分な量の
(II)添加物と、ここで前記添加物は、
(II-1)式
【化2】
のアルキルポリシロキサン(式中、各R
19は、1~18個の炭素原子を有する独立して選択された一価飽和炭化水素基であり、下付き文字aは、20~300の平均値を有する)、又は、
(II-2)組み合わせであって、
(II-2)
前記組み合わせ中の全ての出発原料を組み合わせた重量を基準として60~70重量%の(II-1)前記アルキルポリシロキサンと、
(II-2)
前記組み合わせ中の全ての出発原料を組み合わせた重量を基準として29~39重量%の、JIS K6249:2003によるタイプAデュロメータで測定した硬度が20以上である(II-2-1)シリコーン樹脂と、
(II-2)
前記組み合わせ中の全ての出発原料を組み合わせた重量を基準として0~2重量%の、窒素原子1モル当たりのアミノ官能性ポリオルガノシロキサンの分子量を意味する官能基当量が100~20,000g/molであり、JIS K2283:2000の方法で測定した25℃における動粘度が10~100,000mm
2/秒である(II-2-2)前記アミノ官能性ポリオルガノシロキサンと
を含む(II-2)
前記組み合わせ
からなる群から選択され、
出発原料(I)及び(II)を架橋するのに十分な量の(III)水分散性架橋剤と、
(IV)界面活性剤と、
(V)水と
を含む、
前記エマルジョン配合物。
【請求項2】
R
1はステアリル基であり、下付き文字w=95であり、D
2は-(CH
2)
3-であり、各R
3は-OSi(CH
3)
2(CH
2)
2Si(OSi(CH
3)
3)であり、下付き文字x=3であり、R
7はOであり、下付き文字v=0であり、R
8はOHであり、下付き文字y=2であり、下付き文字z1=0であり、下付き文字z2=0である、請求項1に記載のエマルジョン配合物。
【請求項3】
(VI)追加の界面活性剤、(VII)ワックス、(VIII)殺生物剤、(IX)難燃剤、(X)しわ低減剤、(XI)帯電防止剤、及び(XII)浸透剤からなる群から選択される1つ以上の追加の出発原料を更に含む、請求項1に記載のエマルジョン配合物。
【請求項4】
(II)前記添加物は(II-2)であり、前記エマルジョン配合物は(XII)前記浸透剤を更に含む、請求項3に記載のエマルジョン配合物。
【請求項5】
(III)前記水分散性架橋剤は、ブロック化イソシアネートを含む、請求項1に記載のエマルジョン配合物。
【請求項6】
(I)前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーは、布地に対して0.25~7.5重量%を提供するのに十分な量で存在し、(II)前記添加物は、布地に対して0.01~0.5重量%を提供するのに十分な量で存在し、(III)前記水分散性架橋剤は、布地に対して0.05~0.5重量%を提供するのに十分な量で存在し、但し、前記添加物が(II-2)前記組み合わせである場合、(I)前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーの量及び(II-2)前記組み合わせの量は、(I):(II-2)の重量比が2:1~200未満:1となるのに十分であることを条件とする、請求項1に記載のエマルジョン配合物。
【請求項7】
請求項1に記載のエマルジョン配合物を調製するプロセスであって、前記プロセスは、
1)(A)80重量%~98.75重量%の、式
【化3】
の結晶性モノマー(式中、R
1及びR
2は、上記の通りである)と、
(B)0.25重量%~15重量%の、式
【化4】
のシリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー(式中、R
2、D
2、及びR
3は、上記の通りである)と、
(C)1重量%~5重量%の、式
【化5】
の架橋性(メタ)アクリレートモノマー(式中、R
7、D
3、D
4、下付き文字v、及びR
8は、上記の通りである)と、
(D)界面活性剤と、
(E)水と、
(F)開始剤と
を含む出発原料の乳化重合を介して、
出発原料である(I)前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを調製し、それによって、(I)前記シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーを含む第1の水性エマルジョンを形成する
ステップと、
2)(II)前記添加物
、(D’)界面活性剤
、及び(E’)水を含む第2の水性エマルジョンを提供する
ステップと、
3)ステップ1)で調製された前記第1の水性エマルジョン
と、ステップ2)からの前記第2の水性エマルジョン
と、(III)前記水分散性架橋剤
と、任意選択で、追加の界面活性剤、ワックス、殺生物剤、追加の水、難燃剤、しわ減少剤、帯電防止剤、及び浸透剤からなる群から選択される1種以上の追加の出発原料
とを含む原料を混合する
ステップと
を含む、
前記プロセス。
【請求項8】
出発原料(A)は、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート及びベヘニルアクリレートからなる群から選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
出発原料(B)は、式
【化6】
を有する、請求項7に記載のプロセス。
【請求項10】
出発原料(B)は、
3-(5-((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-1,1,1,3,7,9,9,9-オクタメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)ペンタシロキサン-5-イル)プロピルメタクリレート
;
3-(1,5-ビス(2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)-3-(((2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)ジメチルシリル)オキシ)-1,1,5,5-テトラメチルトリシロキサン-3-イル)プロピルメタクリレート
;及び
これらの組み合わせ
からなる群から選択され得る、請求項7に記載のプロセス。
【請求項11】
出発原料(C)において、各R
8は、独立して、ヒドロキシ、アミノ、エポキシ、ウレイド、及びアセトキシからなる群から選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項12】
出発原料(C)は、2-ヒドロキシエチルメタクリレートである、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
出発原料(D)及び出発原料(D’)は、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項14】
前記カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム化合物を含むか、又は、前記非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコール、アルコールエトキシレート、若しくはこれらの組み合わせを含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
ステップ1)において、(H)連鎖移動剤、(J)追加のモノマー、(K)阻害剤、又は(H)、(J)、及び(K)のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される追加の出発原料を添加することを更に含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項16】
織物を処理するためのプロセスであって、前記プロセスは、
I)請求項1~6のいずれか一項に記載のエマルジョン配合物又は請求項7~15のいずれか一項に記載のプロセスによって調製された前記エマルジョン配合物で、前記織物をコーティングする
ステップと、
II)前記織物を加熱する
ステップと
を含む、
前記プロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
【化4】
式中、各R
1は、独立して選択された16~24個の炭素原子のアルキル基であり;各R
2は、独立して、H及びメチルからなる群から選択され;各D
2は、2~12個の炭素原子の二価炭化水素基であり;各R
3は、式OSi(R
4)
3の基であり、式中、各R
4は、独立して、R及びDSi(R
5)
3からなる群から選択され、各Rは、独立して選択された1~12個の炭素原子の一価炭化水素基であり、各Dは、独立して、酸素原子、1~12単位の(ポリ)アルキレンオキシド基、及び2~4個の炭素原子の二価炭化水素基からなる群から選択され;各R
5は、独立して、R及びDSi(R
6)
3からなる群から選択され;各R
6は、独立して、R及びDSiR
3からなる群から選択され;但し、R
4、R
5、及びR
6が、下付き文字wを有するシリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー単位が少なくとも6個のケイ素原子を有するように選択され;各R
7は、独立して、酸素原子及びNHからなる群から選択され;D
3は、1~12個の炭素原子の二価炭化水素基であり;D
4は、2~4個の炭素原子のアルキレン基又は二価のアルキルアリーレン基であり;下付き文字vは、式(OD
4)の単位の数を表し、下付き文字vは、0~12の値を有し;各R
8は、架橋性基であり;各R
9は、1~14個の炭素原子の一価炭化水素基であり;各R
10は、独立して、ハロゲン、アセテート基、又は1~14個の炭素原子の一価炭化水素基からなる群から選択され;下付き文字w、x、y、z1、及びz2は、前記コポリマー中の各単位の相対重量を表し;下付き文字xは、0.25~15の値を有し;下付き文字wは、80~98.75の値を有し;下付き文字yは、1~5の値を有し;下付き文字z1は、0~18.75の値を有し;下付き文字z2は、0~18.75の値を有し、量(w+x+y+z1+z2)=100である。前記コポリマーは、末端部分を更に含む。
【国際調査報告】