(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】ポリマー組成物およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08L 77/00 20060101AFI20241210BHJP
C08L 83/04 20060101ALI20241210BHJP
C08L 75/04 20060101ALI20241210BHJP
C08L 71/00 20060101ALI20241210BHJP
C08L 67/00 20060101ALI20241210BHJP
C09K 3/10 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
C08L77/00
C08L83/04
C08L75/04
C08L71/00 Z
C08L67/00
C09K3/10 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527471
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 CN2022129239
(87)【国際公開番号】W WO2023083070
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/129775
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1-11, 45128 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】チェンユー イェ
(72)【発明者】
【氏名】カトリン サルヴィチェク
(72)【発明者】
【氏名】カトリン レーマン
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ヒュルスマン
(72)【発明者】
【氏名】ウルス ヴェルツ-ビアマン
【テーマコード(参考)】
4H017
4J002
【Fターム(参考)】
4H017AA04
4H017AB03
4H017AB15
4J002BJ00Y
4J002CF18Y
4J002CF19Y
4J002CH02Y
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4J002CK02X
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4J002CL07W
4J002CM01Y
4J002CP09Y
4J002CP17Y
4J002GC00
4J002GJ02
4J002GN00
(57)【要約】
本開示は、ポリマー組成物およびその製造方法に関する。ポリマー組成物は、ポリエーテルブロックアミドおよび熱可塑性ポリウレタンを含む混合物93重量%~99重量%;および相容化剤1重量%~7重量%を含み、相容化剤は、1つ以上の変性シロキサン;または少なくとも1つのアミノ官能性ポリマーと少なくとも1つのポリエステルとの1つ以上の縮合生成物;からの少なくとも1つを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー組成物であって、前記ポリマー組成物の総重量に対して、
ポリエーテルブロックアミドおよび熱可塑性ポリウレタンを含む混合物93重量%~99重量%;および
相容化剤1重量%~7重量%
を含むポリマー組成物において、前記相容化剤が、
1つ以上の変性シロキサン;または
少なくとも1つのアミノ官能性ポリマーと少なくとも1つのポリエステルと少なくとも1つのポリエーテルとの1つ以上の縮合生成物;
からの少なくとも1つを含む、ポリマー組成物。
【請求項2】
前記混合物が、前記混合物の総重量に対して、ポリエーテルブロックアミド5重量%~95重量%および熱可塑性ポリウレタン95重量%~5重量%を含む、請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項3】
前記変性シロキサンが、ポリエステル変性ポリシロキサンを含む、請求項1または2記載のポリマー組成物。
【請求項4】
前記ポリエステル変性シロキサンが、1つ以上の末端エステル部分を有するポリシロキサンである、請求項3記載のポリマー組成物。
【請求項5】
前記アミノ官能性ポリマーが、アミノ官能性ポリアミノ酸、アミノ官能性シリコーン、ポリアミドアミン、ポリアリルアミン、およびポリ(N-アルキル)アリルアミン、ポリビニルアミン、およびポリアルキレンイミンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1から4までのいずれか1項記載のポリマー組成物。
【請求項6】
前記アミノ官能性ポリマーが、エポキシ基を含まない、請求項1から5までのいずれか1項記載のポリマー組成物。
【請求項7】
前記アミノ官能性ポリマーが、400g/mol~600,000g/molの数平均分子量を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載のポリマー組成物。
【請求項8】
前記ポリエステルが、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、3,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン、δ-バレロラクトン、γ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、γ-カプロラクトン、4-メチルカプロラクトン、2-メチルカプロラクトン、5-ヒドロキシドデカノラクトン、12-ヒドロキシドデカノラクトン、12-ヒドロキシ-9-オクタデセン酸、12-ヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される1つ以上のラクトンの開環重合によって得られる、請求項1から7までのいずれか1項記載のポリマー組成物。
【請求項9】
前記ポリエステルが、100~5,000g/molの平均分子量Mnを有する、請求項1から8までのいずれか1項記載のポリマー組成物。
【請求項10】
前記ポリエーテルが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ドデセンオキシド、テトラデセンオキシド、2,3-ジメチルオキシラン、シクロペンテンオキシド、1,2-エポキシペンタン、2-イソプロピルオキシラン、グリシジルメチルエステル、グリシジルイソプロピルエステル、エピクロロヒドリン、3-メトキシ-2,2-ジメチルオキシラン、8-オキサビシクロ[5.1.0]オクタン、2-ペンチルオキシラン、2-メチル-3-フェニルオキシラン、2,3-エポキシプロピルベンゼン、2-(4-フルオロフェニル)オキシラン、またさらにはそれらの純粋なエナンチオマー対またはエナンチオマー混合物からなる群から選択される基を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載のポリマー組成物。
【請求項11】
前記熱可塑性ポリウレタンが、熱可塑性ポリエステル-ポリウレタンまたは熱可塑性ポリカーボネート-ポリウレタンである、請求項1から10までのいずれか1項記載のポリマー組成物。
【請求項12】
前記熱可塑性ポリウレタンが、熱可塑性ポリエーテル-ポリウレタンである、請求項1から11までのいずれか1項記載のポリマー組成物。
【請求項13】
前記ポリエーテルブロックアミドが、6~14個の炭素原子を有する少なくとも1つのラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から構成されるサブユニット1と、エーテル酸素1つ当たり少なくとも2個の炭素原子および少なくとも2個の第一級アミノを有するか、またはエーテル酸素1つ当たり少なくとも2個の炭素原子および鎖末端の少なくとも2個のヒドロキシ基を有する少なくとも1つのアミノ末端またはヒドロキシ末端のポリエーテルから構成されるサブユニット2とをベースとする、請求項1から12までのいずれか1項記載のポリマー組成物。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載のポリマー組成物から製造された、物品。
【請求項15】
前記物品が、衣類要素、スポーツ要素、シーリング部品、輸送要素、または構造要素から選択される、請求項14記載の物品。
【請求項16】
前記物品が、靴底である、請求項15記載の物品。
【請求項17】
ポリマー組成物の製造方法であって、前記方法は、
ポリエーテルブロックアミドおよび熱可塑性ポリウレタンを含む混合物93重量%~99重量%、および相容化剤1重量%~7重量%を提供する工程と;
前記ポリエーテルブロックアミド、前記熱可塑性ポリウレタン、および前記相容化剤をコンパウンディングして、ブレンドを形成する工程と;
前記ブレンドを回転下で均質化させる工程と;
ポリマー組成物を得る工程と
を含み、前記相容化剤が、
1つ以上の変性シロキサン;または
少なくとも1つのアミノ官能性ポリマーと少なくとも1つのポリエステルとの1つ以上の縮合生成物
を含む、方法。
【請求項18】
前記ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性ポリウレタン、および相容化剤をコンパウンディングする工程を、二軸押出機を使用して実施する、請求項17記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野
本開示は、ポリマー組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
背景
ポリアミドエラストマーは、その低密度、優れた耐疲労性能、透明性、良好な柔軟性などの固有の性能ゆえに、スポーツ産業において広く使用されてきた。
【0003】
ポリエーテルまたはポリエステルのいずれかをベースとする熱可塑性ポリウレタンもまた、その耐摩耗性などの特性ゆえに広く利用されてきた。熱可塑性ポリウレタンをスポーツ用具に使用する際の制限の1つが、その密度および剛性に関する欠点である。
【0004】
ポリアミドと熱可塑性ポリウレタンとのブレンドが、これら2つの成分の欠点を回避しつつ、これら2つの成分の利点の組み合わせを達成することができれば、非常に有益である。それを達成するには、ポリアミドエラストマーとTPUとの良好な相容性が必要である。しかし、熱可塑性ポリウレタンとポリアミドエラストマーとは、非相容性であることが広く知られている。
【0005】
本開示の概要
本開示の1つの目的は、高い機械的弾性率や高い破断伸度といった所望の性能を維持し得る、均質に混合されたポリエーテルブロックアミド-熱可塑性ポリウレタンブレンドを提供することである。
【0006】
このような目的は、ポリマー組成物であって、該ポリマー組成物の総重量に対して、ポリエーテルブロックアミドおよび熱可塑性ポリウレタンを含む混合物93重量%~99重量%;および相容化剤1重量%~7重量%を含むポリマー組成物において、相容化剤が、1つ以上の変性シロキサン;または少なくとも1つのアミノ官能性ポリマーと少なくとも1つのポリエステルとの1つ以上の縮合生成物;からの少なくとも1つを含む、ポリマー組成物によって達成される。
【0007】
本発明による混合物は、ポリエーテルブロックアミドおよび熱可塑性ポリウレタンを含むブレンドである。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、混合物は、混合物の総重量に対して、ポリエーテルブロックアミド5重量%~95重量%および熱可塑性ポリウレタン95重量%~50重量%、好ましくはポリエーテルブロックアミド10重量%~90重量%および熱可塑性ポリウレタン90重量%~10重量%、より好ましくはポリエーテルブロックアミド55重量%~90重量%および熱可塑性ポリウレタン45重量%~10重量%、さらにより好ましくはポリエーテルブロックアミド60重量%~90重量%および熱可塑性ポリウレタン40重量%~10重量%を含む。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、変性シロキサンは、ポリエステル変性ポリシロキサンを含む。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、ポリエステル変性シロキサンは、1つ以上の末端エステル部分を有するポリシロキサンである。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、アミノ官能性ポリマーは、アミノ官能性ポリアミノ酸、アミノ官能性シリコーン、ポリアミドアミン、ポリアリルアミン、およびポリ(N-アルキル)アリルアミン、ポリビニルアミン、およびポリアルキレンイミンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である。アミノ官能性ポリマーがエポキシ基を含まないことが好ましい。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、アミノ官能性ポリマーは、400g/mol~600,000g/molの数平均分子量を有する。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、ポリエステルは、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、3,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン、δ-バレロラクトン、γ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、γ-カプロラクトン、4-メチルカプロラクトン、2-メチルカプロラクトン、5-ヒドロキシドデカノラクトン、12-ヒドロキシドデカノラクトン、12-ヒドロキシ-9-オクタデセン酸、12-ヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される1つ以上のラクトンの開環重合によって得られる。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、ポリエステルは、100~5,000g/molの平均分子量Mnを有する。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、ポリエーテルは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ドデセンオキシド、テトラデセンオキシド、2,3-ジメチルオキシラン、シクロペンテンオキシド、1,2-エポキシペンタン、2-イソプロピルオキシラン、グリシジルメチルエステル、グリシジルイソプロピルエステル、エピクロロヒドリン、3-メトキシ-2,2-ジメチルオキシラン、8-オキサビシクロ[5.1.0]オクタン、2-ペンチルオキシラン、2-メチル-3-フェニルオキシラン、2,3-エポキシプロピルベンゼン、2-(4-フルオロフェニル)オキシラン、またさらにはそれらの純粋なエナンチオマー対またはエナンチオマー混合物からなる群から選択される基を含む。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、熱可塑性ポリウレタンは、熱可塑性ポリエステル-ポリウレタンまたは熱可塑性ポリカーボネート-ポリウレタンである。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、熱可塑性ポリウレタンは、熱可塑性ポリエーテル-ポリウレタンである。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、ポリエーテルブロックアミドは、6~14個の炭素原子を有する少なくとも1つのラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から構成されるサブユニット1と、エーテル酸素1つ当たり少なくとも2個の炭素原子および少なくとも2個の第一級アミノを有するか、またはエーテル酸素1つ当たり少なくとも2個の炭素原子および鎖末端の少なくとも2個のヒドロキシ基を有する少なくとも1つのアミノ末端またはヒドロキシ末端のポリエーテルから構成されるサブユニット2とをベースとする。
【0019】
本開示の別の観点は、先行する請求項のいずれかに記載のポリマー組成物から製造された物品を提供することである。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、物品は、衣類要素、スポーツ要素、シーリング部品、輸送要素、または構造要素から選択される。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、物品は、靴底である。
【0022】
本開示の別の観点は、ポリマー組成物の製造方法であって、該方法は、ポリエーテルブロックアミドおよび熱可塑性ポリウレタンを含む混合物93重量%~99重量%、および相容化剤1重量%~7重量%を提供する工程と;ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性ポリウレタン、および相容化剤をコンパウンディングして、ブレンドを形成する工程と;ブレンドを回転下で均質化させる工程と;ポリマー組成物を得る工程とを含み、相容化剤が、1つ以上の変性シロキサン;または少なくとも1つのアミノ官能性ポリマーと少なくとも1つのポリエステルとの1つ以上の縮合生成物を含む、方法を提供することである。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性ポリウレタン、および相容化剤をコンパウンディングする工程は、二軸押出機を使用して実施される。
【0024】
詳細な説明
ポリエーテルブロックアミド(PEBA)は、(オリゴ)ポリアミド、特に酸制御ポリアミドとアルコール末端またはアミノ末端ポリエーテルとの重縮合によって得られるブロックコポリマーである。酸制御ポリアミドは、カルボン酸末端基を過剰に有する。当業者は、ポリアミドブロックをハードブロックと呼び、ポリエーテルブロックをソフトブロックと呼ぶ。その製造は原理的に知られている。西独国特許出願公開第2712987号明細書(米国特許第4207410号明細書)には、10~12個の炭素原子を有するラクタムと、ジカルボン酸と、ポリエーテルジオールとから構成されるこのタイプのポリアミドエラストマーが記載されている。この文献に従って得られる生成物は、低温でも長期にわたる柔軟性および延性を示す点が顕著であるが、中程度の層厚の成形品ではすでに濁っているかまたは不透明であり、室温で長期保存すると、カビのような外観を有する表面堆積物のために目立つ。同様に、6~20個の炭素原子を含むジアミン、脂肪族または芳香族ジカルボン酸およびポリエーテルジオールから構成される構造化ポリアミドエラストマーが欧州特許第0095893号明細書から知られている。特徴的な特性は、耐熱歪み性および柔軟性の向上である。この文献からは、成形品の透光性や堆積物の形成に関するデータは得られない。
【0025】
ポリエーテルブロックアミドおよび熱可塑性ポリウレタンのコンパウンディングにより、ブレンドが形成される。コンパウンディング方法では、強いせん断力を有するミキサーを使用することができる。好ましいミキサーとしては、二軸押出機が挙げられる。
【0026】
[ポリマー組成物から製造された物品]
コンパウンディングされたPEBA-TPU組成物を、当業者に公知の成形プロセスに供することができ、これらのプロセスとしては、圧縮成形法、押出成形法、共押出成形法、ブロー成形法、3Dブロー成形法、共押出ブロー成形法、共押出3Dブロー成形法、共押出吸引ブロー成形法、射出成形法、プレス成形法、圧延成形法、シート成形法、または付加製造法、例えば、光造形法、デジタル光造形法、連続液界面製造法、選択的レーザー焼結法、複合フィラメント製造法、シート積層法、選択的加熱焼結法、溶融フィラメント製造法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
本開示によるポリマー組成物から様々な物品を製造することができる。これらに限定されるものではないが、物品は、衣類要素、スポーツ要素、シーリング部品、輸送要素、または構造要素であり得る。物品は、衣料品、フットウェア、スポーツ用品、シーリングリング、自動車内装、ブレーキ、航空機、保護具、ストラップ、およびそれらの部品の物品の形態で適用することができる。
【0028】
特に好ましくは、ポリマー組成物が高い破断伸度および高い機械的弾性率を有するため、物品は、靴底であってよい。
【0029】
[PEBA]
本明細書で使用されるPEBAは、好ましくは、6~14個の炭素原子を有する少なくとも1つのラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から構成されるサブユニット1と、エーテル酸素1つ当たり少なくとも2個の炭素原子および少なくとも2個の第一級アミノを有するか、またはエーテル酸素1つ当たり少なくとも2個の炭素原子および鎖末端の少なくとも2個のヒドロキシ基を有する少なくとも1つのアミノ末端またはヒドロキシ末端のポリエーテルから構成されるサブユニット2とをベースとする。
【0030】
PEBAは当該技術分野で知られており、反応性末端を有するポリアミドブロックと反応性末端を有するポリエーテルブロックとの重縮合から生じる。ジカルボン酸鎖末端を有するポリアミドブロックからPEBAを得ることが好ましい。サブユニット1は、ジカルボン酸、好ましくは直鎖脂肪族ジカルボン酸の存在下での、1つ以上のα,ω-アミノカルボン酸または1つ以上のラクタムの縮合から生じ得る。ジカルボン酸は、4~36個の炭素原子、好ましくは6~12個の炭素原子を含むことができる。ジカルボン酸の例としては、1,4-シクロヘキシルジカルボン酸、ブタン二酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸が挙げられるが、二量化脂肪酸も挙げられる。PEBAおよびその製造方法は、例えば米国特許出願公開第2006/0189784号明細書に記載されている。
【0031】
成形組成物用のPEBAは、製造したものを使用することも、市場から入手することもできる。
【0032】
[熱可塑性ポリウレタン]
本明細書で使用される熱可塑性ポリウレタンは、脂肪族または芳香族ポリイソシアネート、ポリエーテル、ポリエステルまたはポリカーボネートの結合をベースとするポリオール、および場合によっては短鎖ジオール(「鎖延長剤」と称される)から製造される種々のポリウレタンであってよい。一般に、熱可塑性ポリウレタンは、熱可塑性ポリエステル-ポリウレタン、熱可塑性ポリカーボネート-ポリウレタン、および熱可塑性ポリエーテル-ポリウレタンに分類される。
【0033】
熱可塑性ポリウレタンの脂肪族ポリイソシアネートは、任意の脂肪族ポリイソシアネートであってよい。例示的な脂肪族ポリイソシアネートとしては、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(HMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートが挙げられる。芳香族ポリイソシアネートは、芳香環に結合した少なくとも2つのイソシアネート基を有するポリイソシアネートであってよい。例示的な芳香族ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、メチレンジ(フェニルイソシアネート)(MDI)、およびナフタレンジイソシアネートの異性体が挙げられる。
【0034】
ポリエーテルポリオールは、エチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどのジオールと反応させることによって製造することができる。例示的なポリエーテルジオールには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸と過剰のジオールとの縮合、ジオールとポリエステル、例えばポリラクチドとの反応、またはジオールによるラクトンの開環によって製造することができる。例示的なポリエステルジオールには、ポリ(1,4-ブチレンアジペート)ジオール、ポリラクチドジオール、ポリカプロラクトンジオールが挙げられる。ポリカーボネートポリオールは、脂肪族カーボネートと1つ以上のジオールとの反応によって製造することができる。例示的なポリカーボネートジオールには、ポリ(プロピレンカーボネート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール、またはポリ(ポリテトラメチレンカーボネート)ジオールが挙げられる。
【0035】
熱可塑性ポリウレタンは、様々な製造業者、例えば、BASF SE、Lubrizol Corporation、およびCovestro AGから商業的に購入することができる。
【0036】
本開示は、以下の例によって説明される。
【0037】
[相容化剤]
ポリマー組成物中の各成分が相容性を示すようにするために、「相容化剤」と総称される1つ以上の添加剤を添加することができる。本開示によれば、相容化剤には、変性ポリシロキサンおよび/または少なくとも1つのアミノ官能性ポリマーと少なくとも1つのポリエステルとの縮合生成物が挙げられる。場合によっては、変性ポリシロキサンおよび縮合生成物を混合して、一緒に添加することができる。
【0038】
変性ポリシロキサンは、アルキル変性ポリシロキサンまたはポリエステル変性ポリシロキサンであってよい。好ましくは、変性ポリシロキサンは、ポリエステル変性ポリシロキサンである。好ましくは、ポリエステル変性ポリシロキサンは、1つ以上の末端エステル部分を有するポリシロキサンである。ポリエステル変性ポリシロキサンは、ポリエステルポリシロキサンブロックコポリマー、ポリエステルポリシロキサングラフトコポリマーであってよい。市販品としては、Evonik Specialty Chemicals (Shanghai) Co., Ltd.製Tegomer(登録商標)H-Si 6440PおよびTegomer(登録商標)H-Si 6441Pが挙げられる。
【0039】
本開示によれば、アミノ官能性ポリマーとポリエステルとの縮合生成物は、ポリエステル中の末端カルボキシル基とアミノ官能性ポリマー中のアミノ基との部分的または完全な反応によって得ることができる。市販品としては、Evonik Specialty Chemicals (Shanghai) Co., Ltd.製Tegomer(登録商標) DA626が挙げられる。
【0040】
縮合生成物は、
A)少なくとも4個のアミノ基を有する1つ以上のアミノ官能性ポリマーと、
B)一般式(I)または(Ia)
T-C(O)-[O-A-C(O)]x-OH (I)
T-O-[C(O)-A-O-]y-Z (Ia)
の1つ以上のポリエステルと、
C)一般式(II)または(IIa)
T-C(O)-B-Z (II)
T-O-B-Z (IIa)
の1つ以上のポリエーテルと
の部分的または完全な反応によって得ることができ、ここで、
Tは、水素基および/または1~24個の炭素原子を有する任意に置換された直鎖状または分岐状のアリール、アリールアルキル、アルキルまたはアルケニル基であり、
Aは、直鎖状、分岐状、環状および芳香族炭化水素からなる群から選択される少なくとも1つの2価の基であり、
Zは、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、リン酸、カルボン酸、イソシアネート、エポキシド、特にリン酸および(メタ)アクリル酸からなる群から選択される少なくとも1つの基であり、
Bは、一般式(III)
-(ClH2lO)a-(CmH2mO)b-(CnH2nO)c-(SO)d- (III)
の基であり、ここで、
SO=-CH2-CH(Ph)-O-であり、ここで、Ph=フェニル基であり、
a、bおよびcは、それぞれ互いに独立して、0~100であり、
dは、≧0、好ましくは1~5であるが、
ただし、a+b+cの合計≧0であり、好ましくは5~35、特に10~20であるが、ただし、a+b+c+dの合計>0であり、
l、m、nは、それぞれ互いに独立して、≧2、好ましくは2~4であり、
xおよびyは、それぞれ互いに独立して、≧2である。
【0041】
反応生成物は、アミドおよび/または対応する塩の形態で存在することができる。例えば、ポリエーテル、および末端OH基が(メタ)アクリル酸のような不飽和酸でエステル化されたアルコール開始ポリエステルで起こり得るように分子部分「Z」が多重結合を有する場合、結合は、二重結合へのNH官能基のマイケル付加により行われる。
【0042】
アミノ官能性ポリマーの例としては、Aldrich Chemical Co.製ポリリジンなどのアミノ官能性ポリアミノ酸;Evonik Operations GmbHからTegomer(登録商標)ASi 2122の商品名で入手可能なアミノ官能性シリコーン;Aldrich Chemical Co.製デンドリマーとしてのPolypox(登録商標)、Aradur(登録商標)または「Starburst(登録商標)」の商品名で入手可能なポリアミドアミン;日東紡績株式会社からPAAの商品名で入手可能なポリアリルアミンおよびポリ(N-アルキル)アリルアミン;BASF AGからLupamin(登録商標)の商品名で入手可能なポリビニルアミン;ポリアルキレンイミン、例えばEpomin(登録商標)(株式会社日本触媒)、Lupasol(BASF AG)の商品名で入手可能なポリエチレンイミン;DSM AGからAstramol(登録商標)の商品名で入手可能なポリプロピレンイミンが挙げられる。アミノ官能性ポリマーのさらなる例は、アミン反応性基で架橋された上記の系である。この架橋反応は、例えば、多官能性イソシアネート、カルボン酸、(メタ)アクリレート、エポキシドによって行われる。さらなる例としては、モノマーとしてジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド(Evonik Operations GmbH)またはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート(Evonik Operations GmbH)を含むポリ(メタ)アクリレートポリマーが挙げられる。
【0043】
使用されるアミノ官能性ポリマーは、典型的には、400g/mol~600000g/molの数平均分子量を有するものである。
【0044】
基Tの例としては、1~24個の炭素原子を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ヘキシル、イソヘキシル、オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシルおよびオクタデシル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。最大24個の炭素原子を有する非置換または置換アリールまたはアリールアルキル基の例としては、フェニル、ベンジル、トリルまたはフェネチル基が挙げられる。
【0045】
ポリエステル基-[O-A-C(O)]x-および-[C(O)-A-O-]y-は、平均して2つを超えるエステル基を含み、100~5000g/molの平均分子量Mnを有する。特に好ましいのは、Mn=200~2000g/molの値である。
【0046】
本発明の特に好ましい一実施形態において、ポリエステルは、T-CH2-OHまたはT-COOHのようなスターター分子と、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、3,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン、δ-バレロラクトン、γ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、γ-カプロラクトン、4-メチルカプロラクトン、2-メチルカプロラクトン、5-ヒドロキシドデカノラクトン、12-ヒドロキシドデカノラクトン、12-ヒドロキシ-9-オクタデセン酸、12-ヒドロキシオクタデカン酸のような1つ以上のラクトンとの開環重合による常法によって得られる。
【0047】
T-COOH、およびさらにはそれから製造可能な脂肪アルコールT-CH2-OHのようなスターター分子は、好ましくは、この分野で慣用的で公知である一塩基性脂肪酸であって、6~24個の炭素原子、特に12~18個の炭素原子を有する天然の植物または動物の油脂をベースとするもの、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ペトロセリン酸、エライジン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ガドレイン酸、菜種油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、トール油脂肪酸などであり、これらは、そのグリセリド、メチルもしくはエチルエステルの形で、または遊離酸として、単独でまたは混合物として、さらには加圧開裂の過程で得られたテクニカルグレード混合物として使用することができる。原理的に適しているのは、類似の鎖分布を有するすべての脂肪酸である。
【0048】
これらの脂肪酸または脂肪酸エステルの不飽和含量は、必要に応じて、公知の接触水素化法によって所望のヨウ素価に調整されるか、または完全に水素化された脂肪成分と水素化されていない脂肪成分とのブレンドによって達成される。
【0049】
脂肪酸の平均飽和度の指標としてのヨウ素価は、二重結合を飽和させる際に100gの化合物が吸収するヨウ素の量である。
【0050】
脂肪酸だけでなく、得られたアルコールも、アルキレンオキシド、特にエチレンオキシドおよび/またはスチレンオキシドとの付加反応によって修飾することができる。
【0051】
Bのポリエーテル基の例は、アルキレンオキシドであり、これには、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、ドデセンオキシド、テトラデセンオキシド、2,3-ジメチルオキシラン、シクロペンテンオキシド、1,2-エポキシペンタン、2-イソプロピルオキシラン、グリシジルメチルエステル、グリシジルイソプロピルエステル、エピクロロヒドリン、3-メトキシ-2,2-ジメチルオキシラン、8-オキサビシクロ[5.1.0]オクタン、2-ペンチルオキシラン、2-メチル-3-フェニルオキシラン、2,3-エポキシプロピルベンゼン、2-(4-フルオロフェニル)オキシラン、テトラヒドロフラン、またさらにはそれらの純粋なエナンチオマー対またはエナンチオマー混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
基Zは、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸などの無水カルボン酸を含むがこれらに限定されない付加物から構成することができる。
【0053】
組成物中のポリエステルとポリエーテルとの重量比は、50:1~1:9、好ましくは40:1~1:5、より好ましくは30:1~1:1である。
【0054】
実施例
実施例および比較例では、以下の材料を使用した:
Evonik Operations GmbH製Vestamid(登録商標)E55-S3は、低密度のポリエーテルブロックアミド(PEBA)ブロックポリマーであり、PA 12およびポリエーテルのセグメントを含む。Vestamid(登録商標)E55-S3のショアD硬さは55である。
【0055】
BASF Polyurethanes GmbH製Elastollan(登録商標)1195A10は、メチレンジフェニルジイソシアネートと、数平均分子量(Mn)約1,000g/molのポリテトラメチレングリコールと、鎖延長剤としての1,4-ブタンジオールとをベースとする透明な熱可塑性ポリエーテルポリウレタンである。そのショアA硬さは95である。
【0056】
Covestro AG製Covestro TPU Desmopan(登録商標)3695 AUは、透明な熱可塑性ポリエステル-ポリウレタンである。そのショアA硬さは95である。
【0057】
Evonik Operations GmbH製Tegomer(登録商標)H-Si 6441Pは、熱可塑性樹脂への相容性に優れたペレット状のポリエステル変性シロキサンである。
【0058】
Evonik Operations GmbH製Tegopren(登録商標)6846は、アルキル変性シロキサンである。
【0059】
Evonik Operations GmbH製Tegomer(登録商標)DA 626は、主にポリマー分散剤として使用されるポリエステルとアミノ官能性ポリマーとの縮合生成物である。実施例では、50重量%のTegomer(登録商標)DA 626と50重量%のポリアミド12とを含むマスターバッチ(以下では、「マスターバッチT」という)を使用した。
【0060】
引張弾性率、引張破断応力および破断伸度を、ISO 527に準拠して、Zwick Z020材料試験システムにより、温度(23±2)℃、相対湿度(50±10)%で、ISO引張試験片、タイプ1A、170mm×10mm×4mmについて測定した。
【0061】
ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)および相容化剤を、Coperion ZSK-26cm共回転二軸押出機を用いて混合し、排出し、ペレット化して、コンパウンディングされたPEBA-TPUペレットを得た。温度を220℃に設定し、スクリュー回転速度を毎分250回転(RPM)に設定した。コンパウンディングを、20kg/hの処理量で行った。比投入エネルギーは、0.154~0.163kWh/kgであった。トルクは、57~62%であった。マスターバッチT(重量%)は、Tegomer(登録商標)DA 626の濃度が50重量%のマスターバッチであるため、その計量供給量は、他の2つの相容化剤と同等になるように2倍にした。したがって、実施例5、10~11、18~19および20~29では、相容化剤の実際の重量パーセンテージは、マスターバッチTの重量パーセンテージの半分である。
【0062】
ペレット状のコンパウンディングされたPEBA-TPU組成物を、射出成形機Engel VC 650/200(溶融温度:220℃、成形温度:35℃)で処理して、試験用試料を製造した。射出圧力は400bar、保持圧力は600barであった。
【0063】
コンパウンディングされたPEBA-TPU組成物から製造された試料の機械的試験結果を表1~表5に示す。C1~C2、C10、C12、C13~C14、C22、およびC24は比較例であり、それ以外は実施例である。
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
コンパウンディングされたPEBA-TPU組成物の破断伸度は、実施例に示したように、相容化剤を少量添加した場合に増加する。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、この改善は、相容性が改善された結果であると考えられる。マスターバッチTの量が10重量%に達すると、伸度が低下する。
【0069】
様々な態様および実施形態が可能である。本明細書に記載されたものは、それらの態様および実施形態の一部である。本明細書を読めば、当業者は、それらの態様および実施形態は例示に過ぎず、本開示の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー組成物であって、前記ポリマー組成物の総重量に対して、
ポリエーテルブロックアミドおよび熱可塑性ポリウレタンを含む混合物93重量%~99重量%;および
相容化剤1重量%~7重量%
を含むポリマー組成物において、前記相容化剤が、
1つ以上の変性シロキサン;または
少なくとも1つのアミノ官能性ポリマーと少なくとも1つのポリエステルと少なくとも1つのポリエーテルとの1つ以上の縮合生成物;
からの少なくとも1つを含む、ポリマー組成物。
【請求項2】
前記混合物が、前記混合物の総重量に対して、ポリエーテルブロックアミド5重量%~95重量%および熱可塑性ポリウレタン95重量%~5重量%を含む、請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項3】
前記変性シロキサンが、ポリエステル変性ポリシロキサンを含む、請求項1または2記載のポリマー組成物。
【請求項4】
前記ポリエステル変性シロキサンが、1つ以上の末端エステル部分を有するポリシロキサンである、請求項3記載のポリマー組成物。
【請求項5】
前記アミノ官能性ポリマーが、アミノ官能性ポリアミノ酸、アミノ官能性シリコーン、ポリアミドアミン、ポリアリルアミン、およびポリ(N-アルキル)アリルアミン、ポリビニルアミン、およびポリアルキレンイミンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1
または2記載のポリマー組成物。
【請求項6】
前記アミノ官能性ポリマーが、エポキシ基を含まない、請求項1
または2記載のポリマー組成物。
【請求項7】
前記アミノ官能性ポリマーが、400g/mol~600,000g/molの数平均分子量を有する、請求項1
または2記載のポリマー組成物。
【請求項8】
前記ポリエステルが、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、3,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン、δ-バレロラクトン、γ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、γ-カプロラクトン、4-メチルカプロラクトン、2-メチルカプロラクトン、5-ヒドロキシドデカノラクトン、12-ヒドロキシドデカノラクトン、12-ヒドロキシ-9-オクタデセン酸、12-ヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される1つ以上のラクトンの開環重合によって得られる、請求項1
または2記載のポリマー組成物。
【請求項9】
前記ポリエステルが、100~5,000g/molの平均分子量Mnを有する、請求項1
または2記載のポリマー組成物。
【請求項10】
前記ポリエーテルが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ドデセンオキシド、テトラデセンオキシド、2,3-ジメチルオキシラン、シクロペンテンオキシド、1,2-エポキシペンタン、2-イソプロピルオキシラン、グリシジルメチルエステル、グリシジルイソプロピルエステル、エピクロロヒドリン、3-メトキシ-2,2-ジメチルオキシラン、8-オキサビシクロ[5.1.0]オクタン、2-ペンチルオキシラン、2-メチル-3-フェニルオキシラン、2,3-エポキシプロピルベンゼン、2-(4-フルオロフェニル)オキシラン、またさらにはそれらの純粋なエナンチオマー対またはエナンチオマー混合物からなる群から選択される基を含む、請求項1
または2記載のポリマー組成物。
【請求項11】
前記熱可塑性ポリウレタンが、熱可塑性ポリエステル-ポリウレタンまたは熱可塑性ポリカーボネート-ポリウレタンである、請求項1
または2記載のポリマー組成物。
【請求項12】
前記熱可塑性ポリウレタンが、熱可塑性ポリエーテル-ポリウレタンである、請求項1
または2記載のポリマー組成物。
【請求項13】
前記ポリエーテルブロックアミドが、6~14個の炭素原子を有する少なくとも1つのラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から構成されるサブユニット1と、エーテル酸素1つ当たり少なくとも2個の炭素原子および少なくとも2個の第一級アミノを有するか、またはエーテル酸素1つ当たり少なくとも2個の炭素原子および鎖末端の少なくとも2個のヒドロキシ基を有する少なくとも1つのアミノ末端またはヒドロキシ末端のポリエーテルから構成されるサブユニット2とをベースとする、請求項1
または2記載のポリマー組成物。
【請求項14】
請求項1
または2記載のポリマー組成物から製造された、物品。
【請求項15】
前記物品が、衣類要素、スポーツ要素、シーリング部品、輸送要素、または構造要素から選択される、請求項14記載の物品。
【請求項16】
前記物品が、靴底である、請求項15記載の物品。
【請求項17】
ポリマー組成物の製造方法であって、前記方法は、
ポリエーテルブロックアミドおよび熱可塑性ポリウレタンを含む混合物93重量%~99重量%、および相容化剤1重量%~7重量%を提供する工程と;
前記ポリエーテルブロックアミド、前記熱可塑性ポリウレタン、および前記相容化剤をコンパウンディングして、ブレンドを形成する工程と;
前記ブレンドを回転下で均質化させる工程と;
ポリマー組成物を得る工程と
を含み、前記相容化剤が、
1つ以上の変性シロキサン;または
少なくとも1つのアミノ官能性ポリマーと少なくとも1つのポリエステルとの1つ以上の縮合生成物
を含む、方法。
【請求項18】
前記ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性ポリウレタン、および相容化剤をコンパウンディングする工程を、二軸押出機を使用して実施する、請求項17記載の方法。
【国際調査報告】