(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】送信方法、装置、通信機器、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20241210BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20241210BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W16/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527509
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2022131395
(87)【国際公開番号】W WO2023083307
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111333234.4
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518389015
【氏名又は名称】中国移動通信有限公司研究院
【氏名又は名称原語表記】China Mobile Communication Co., Ltd Research Institute
【住所又は居所原語表記】32 Xuanwumen West Street, Xicheng District, Beijing 100053, China
(71)【出願人】
【識別番号】518301095
【氏名又は名称】中国移動通信集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 晶晶
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
(57)【要約】
本出願の実施例において、送信方法、装置、通信機器、及び記憶媒体が開示されており、前記方法は、送信タイミングに関連した情報である第一情報を取得すること、又は、ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することを含み、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に適用される送信方法であって、
第一情報を取得することを含み、
前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である、送信方法。
【請求項2】
前記第一情報は、同期信号ブロックSSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信された疑似コロケーションQCLがSSB情報におけるSSBである場合、前記方法は、
前記端末が、前記送信タイミングの調整に第一調整を適用することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記SSB情報は、
SSBインデックス、SSBペアリング情報、SSBグループ情報、SSBグループペアリング情報の少なくとも一つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一情報は、SSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合、前記端末の前記送信タイミングは第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第一情報は、第一閾値を更に含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記方法は、
前記端末が、前記送信タイミングの調整に第一調整を適用することを更に含み、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第一情報は、第一閾値を含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記端末の前記送信タイミングは、第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含み、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記受信時間差は、
端末の受信ビームの変化による受信時間差、
ネットワークの送信ビームの変化による受信時間差、及び、
伝送経路の変化による受信時間差、の少なくとも一つを含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第一調整は、
端末が一回の調整で送信タイミングの調整を行うことを含む、
請求項2、4、5又は6に記載の方法。
【請求項9】
第一調整後の送信タイミングは、
タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二時間の少なくとも一つを含む、請求項1、2、4、5、6、8又は10に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
ネットワーク機器から送信された第一指示情報を受信することを更に含み、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
ネットワーク機器から送信された、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを受信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
ネットワーク機器に第二情報を送信することを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
端末に適用される送信方法であって、
ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することを含み、
前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む、送信方法。
【請求項15】
前記第三時間は、ビーム変換による時間差を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することは、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、伝送設定指示(TCI)状態変換シグナリングを受信すること、
又は、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、タイミングアドバンス命令を受信すること、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、
閾値情報を取得することを更に含み、前記端末の受信時間差が前記閾値情報の第i閾値を満たした場合に、前記第三時間の値は前記第i閾値に対応する第j値となる、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二タイミングアドバンス、の少なくとも一つを含み、
前記第二タイミングアドバンスは、前記第三時間を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、第二タイミングアドバンス、及び、前記第三時間、の少なくとも一つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、
ネットワーク機器に第三情報を送信することを更に含み、
前記第三情報は、
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
ネットワーク機器に適用される送信方法であって、
端末に第一情報又は第三時間を送信することを含み、
前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである、送信方法。
【請求項22】
前記端末に第三時間を送信することは、
前記端末に、前記第三時間が含まれる伝送設定指示(TCI)状態変換シグナリングを送信すること、又は、
前記端末に、前記第三時間が含まれるタイミングアドバンス命令を送信すること、を含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第三時間が、ビーム変換による時間差を含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、
前記端末からの第三情報を受信することを更に含み、
前記第三情報は
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第一情報は、SSB情報を含み、
前記SSB情報は、
SSBインデックスと、
SSBペアリング情報と、
SSBグループ情報と、
SSBグループペアリング情報との少なくとも一つを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、
端末に第一指示情報を送信することを更に含み、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記方法は、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを、端末に送信することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである、請求項21又は25に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、
前記端末からの第二情報を受信することを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
端末に適用される送信装置であって、
第一情報を取得するように構成される第一取得ユニットを含み、
前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である、送信装置。
【請求項31】
端末に適用される送信装置であって、
ネットワーク機器から送信された第三時間を受信するように構成される第一受信ユニットを含み、
前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む、送信装置。
【請求項32】
ネットワーク機器に適用される送信装置であって、
端末に第一情報又は第三時間を送信するように構成される第一送信ユニットを含み、
前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである、送信装置。
【請求項33】
プロセッサ及び、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリを含む通信機器であって、
前記プロセッサが、前記コンピュータプログラムを実行する際に、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように構成され、又は、
前記プロセッサが、前記コンピュータプログラムを実行する際に、請求項14~20のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように構成され、又は、
前記プロセッサが、前記コンピュータプログラムを実行する際に、請求項21~29のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように構成される、通信機器。
【請求項34】
コンピュータプログラムが記憶される記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法のステップを実行し、又は、
前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、請求項14~20のいずれか一項に記載の方法のステップを実行し、又は、
前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、請求項21~29のいずれか一項に記載の方法のステップを実行する、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年11月11日に中国で出願された中国特許出願第202111333234.4号に基づいて提出され、該中国特許出願の優先権を主張するものであり、該中国特許出願の内容の全ては、ここで、参照として本願に導入される。
本出願は、通信領域、特に、送信方法、装置、通信機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信、特に遠距離の無線通信にとっては、無線伝送の遅延問題に直面している。既存技術では、コード間干渉を避け、無線通信の異なる端末から基地局に到達する時間がいずれも循環プレフィックス(CP、Cyclic Prefix)の範囲内に収まるように確保するために、ユーザー機器(UE、User Equipment)はデータパケットを、相応の時間だけ予め送信する必要がある。
【0003】
UEが上り伝送を行う実際のタイミングは、下りタイミングとタイミングアドバンス(TA、timing advance)に依存する。いくつかの特定のシナリオにおいて、下りタイミングに急変が発生したり、時間差が大きかったりするため、UEが上りタイミングの調整を行っても実際のニーズを満たすことができず、上りタイミングが不正確になり、基地局の上り復調に影響を与え、システム性能を低下させることになってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の実施例には、関連した技術問題を解決するための送信方法、装置、通信機器、及び記憶媒体が提供されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施例の技術案は、以下の通りに実行される。
【0006】
本出願の実施例において、端末に適用される送信方法であって、
第一情報を取得することを含み、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である、送信方法が提供されている。
【0007】
好ましくは、前記第一情報は、同期信号ブロック(SSB,Synchronization Signal and PBCH block)情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信された疑似コロケーション(QCL,Quasi co-location)がSSB情報におけるSSBである場合、前記方法は、
前記端末が、前記送信タイミングの調整に第一調整を適用することを更に含む。
【0008】
好ましくは、前記SSB情報は、
SSBインデックス、SSBペアリング情報、SSBグループ情報、SSBグループペアリング情報の少なくとも一つを含む。
【0009】
好ましくは、前記第一情報は、SSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合、前記端末の前記送信タイミングは第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0010】
好ましくは、前記第一情報は、第一閾値を更に含み、第一時間が、第一閾値以上である場合、前記方法は、
前記端末が、前記送信タイミングの調整に第一調整を適用することを更に含み、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0011】
好ましくは、前記第一情報は、第一閾値を含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記端末の前記送信タイミングは、第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含み、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0012】
好ましくは、前記受信時間差は、
端末の受信ビームの変化による受信時間差、
ネットワークの送信ビームの変化による受信時間差、及び、
伝送経路の変化による受信時間差、の少なくとも一つを含む。
【0013】
好ましくは、前記第一調整は、端末が一回の調整で送信タイミングの調整を行うことを含む。
【0014】
好ましくは、第一調整後の送信タイミングは、
タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二時間の少なくとも一つを含む。
【0015】
好ましくは、前記方法は、
ネットワーク機器から送信された第一指示情報を受信することを更に含み、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0016】
好ましくは、前記方法は、
ネットワーク機器から送信された、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを受信することを更に含む。
【0017】
好ましくは、前記方法は、
ネットワーク機器に第二情報を送信することを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0018】
好ましくは、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0019】
本出願の実施例において、端末に適用される送信方法であって、
ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することを含み、
前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む、送信方法が更に提供されている。
【0020】
好ましくは、前記第三時間は、ビーム変換による時間差を含む。
【0021】
好ましくは、前記ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することは、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、伝送設定指示(TCI、Transmission Configuration Indicator)状態変換シグナリングを受信すること、
又は、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、タイミングアドバンス命令を受信すること、を含む。
【0022】
好ましくは、前記方法は、
閾値情報を取得することを更に含み、前記端末の受信時間差が前記閾値情報の第i閾値を満たした場合に、前記第三時間の値は前記第i閾値に対応する第j値となる。
【0023】
好ましくは、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二タイミングアドバンス、の少なくとも一つを含み、
前記第二タイミングアドバンスは、前記第三時間を含む。
【0024】
好ましくは、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、第二タイミングアドバンス、及び、前記第三時間、の少なくとも一つを含む。
【0025】
好ましくは、前記方法は、
ネットワーク機器に第三情報を送信することを更に含み、
前記第三情報は、
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0026】
本出願の実施例において、ネットワーク機器に適用される送信方法であって、
端末に第一情報又は第三時間を送信することを含み、
前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである、送信方法が提供されている。
【0027】
好ましくは、前記端末に第三時間を送信することは、
前記端末に、前記第三時間が含まれる伝送設定指示(TCI)状態変換シグナリングを送信すること、又は、
前記端末に、前記第三時間が含まれるタイミングアドバンス命令を送信すること、を含む。
【0028】
好ましくは、前記第三時間が、ビーム変換による時間差を含む。
【0029】
好ましくは、前記方法は、
前記端末からの第三情報を受信することを更に含み、
前記第三情報は
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0030】
好ましくは、前記第一情報は、SSB情報を含み、
前記SSB情報は、
SSBインデックスと、
SSBペアリング情報と、
SSBグループ情報と、
SSBグループペアリング情報との少なくとも一つを含む。
【0031】
好ましくは、前記方法は、
端末に第一指示情報を送信することを更に含み、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0032】
好ましくは、前記方法は、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを、端末に送信することを更に含む。
【0033】
好ましくは、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0034】
好ましくは、前記方法は、
前記端末からの第二情報を受信することを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0035】
本出願の実施例において、端末に適用される送信装置であって、
第一情報を取得するように構成される第一取得ユニットを含み、
前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である、送信装置が提供されている。
【0036】
好ましくは、前記第一情報は、SSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合、前記装置は、端末が前記送信タイミングの調整に第一調整を適用するように構成される第一調整ユニットを更に含む。
【0037】
好ましくは、前記SSB情報は、
SSBインデックス、SSBペアリング情報、SSBグループ情報、SSBグループペアリング情報の少なくとも一つを含む。
【0038】
好ましくは、前記第一情報は、SSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合、前記端末の前記送信タイミングは第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0039】
好ましくは、前記第一情報は、第一閾値を更に含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記第一調整ユニットは、
前記送信タイミングの調整に第一調整を適用するように構成され、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0040】
好ましくは、前記第一情報は、第一閾値を含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記端末の前記送信タイミングは、第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含み、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0041】
好ましくは、前記受信時間差は、
端末の受信ビームの変化による受信時間差、
ネットワークの送信ビームの変化による受信時間差、及び、
伝送経路の変化による受信時間差、の少なくとも一つを含む。
【0042】
いくつかの実施例において、前記第一調整は、
端末が一回の調整で送信タイミングの調整を行うことを含む。
【0043】
好ましくは、第一調整後の送信タイミングは、
タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二時間の少なくとも一つを含む。
【0044】
いくつかの実施例において、前記第二受信ユニットは、ネットワーク機器から送信された第一指示情報を受信するように構成され、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0045】
好ましくは、前記第二受信ユニットは、
ネットワーク機器から送信された、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを受信するように構成される。
【0046】
好ましくは、前記装置は、
ネットワーク機器に第二情報を送信するように構成される第二送信ユニットを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0047】
好ましくは、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0048】
本開示の実施例において、端末に適用される送信装置であって、ネットワーク機器から送信された第三時間を受信するように構成される第一受信ユニットを含み、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む、送信装置が提供されている。
【0049】
好ましくは、前記第三時間が、ビーム変換による時間差を含む。
【0050】
好ましくは、前記第一受信ユニットは、ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、TCI状態変換シグナリングを受信するか、
又は、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、タイミングアドバンス命令を受信するように構成される。
【0051】
好ましくは、前記装置は、閾値情報を取得するように構成される第二取得ユニットを更に含み、前記端末の受信時間差が前記閾値情報の第i閾値を満たした場合に、前記第三時間の値は前記第i閾値に対応する第j値となる。
【0052】
好ましくは、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二タイミングアドバンス、の少なくとも一つを含み、
前記第二タイミングアドバンスは、前記第三時間を含む。
【0053】
好ましくは、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、第二タイミングアドバンス、及び、前記第三時間、の少なくとも一つを含む。
【0054】
好ましくは、前記装置は、ネットワーク機器に第三情報を送信するように構成される第三送信ユニットを更に含み、
前記第三情報は、
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0055】
本出願の実施例において、ネットワーク機器に適用される送信装置であって、
端末に第一情報又は第三時間を送信するように構成される第一送信ユニットを含み、
前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである送信装置が提供されている。
【0056】
好ましくは、前記第一送信ユニットは、前記端末に、前記第三時間が含まれるTCI状態変換シグナリングを送信するか、又は、
前記端末に、前記第三時間が含まれるタイミングアドバンス命令を送信するように構成される。
【0057】
好ましくは、前記第三時間が、ビーム変換による時間差を含む。
【0058】
好ましくは、前記装置は、前記端末からの第三情報を受信するように構成される第三受信ユニットを更に含み、
前記第三情報は
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0059】
好ましくは、前記第一情報は、SSB情報を含み、
前記SSB情報は、
SSBインデックスと、
SSBペアリング情報と、
SSBグループ情報と、
SSBグループペアリング情報との少なくとも一つを含む。
【0060】
好ましくは、前記第一送信ユニットは、端末に第一指示情報を送信するように構成され、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0061】
好ましくは、前記第一送信ユニットは、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを、端末に送信するように構成される。
【0062】
好ましくは、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0063】
好ましくは、前記第三受信ユニットは、前記端末からの第二情報を受信するように構成され、前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0064】
本出願の実施例において、プロセッサ及び、プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリを含む通信機器が提供されており、
ここで、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、端末側により実行されるいずれか一項の前記方法のステップを実行するように構成され、又は、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、別の端末側により実行されるいずれか一項の前記方法のステップを実行ように構成され、又は、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、ネットワーク機器側により実行されるいずれか一項の前記方法のステップを実行ように構成さる。
【0065】
本出願の実施例において、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体が更に提供されており、前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、端末側により実行されるいずれか一項の前記方法のステップを実現し、又は、
前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、別の端末側により実行されるいずれか一項の前記方法のステップを実現し、又は、
前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、ネットワーク機器側により実行されるいずれか一項の前記方法のステップを実現する。
【発明の効果】
【0066】
本出願の実施例に係る送信方法、装置、通信機器、及び記憶媒体において、前記方法は、第一情報を取得することを含み、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である。このようにして、端末は、受信された第一情報に基づき、送信タイミングを決定できるようになる。
【0067】
本出願の実施例に係る送信方法、装置、通信機器、及び記憶媒体において、前記方法は、ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することを含み、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。このようにして、端末は、直接、受信された第三情報に基づき、送信タイミングを決定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図3】HST-DPSモードの応用を示す模式図である。
【
図4】本出願の実施例に係る送信方法のフローチャートである。
【
図5】本出願の実施例に係るSSB切り替えの模式図である。
【
図6】本出願の実施例に係る別の送信方法のフローチャートである。
【
図7】本出願の実施例に係る更なる送信方法のフローチャートである。
【
図8】本出願の実施例に係る送信装置の構造模式図である。
【
図9】本出願の実施例に係る別の送信装置の構造模式図である。
【
図10】本出願の実施例に係る更なる送信装置の構造模式図である。
【
図11】本出願の実施例に係る通信機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
実施例に合わせて本出願についての更なる詳細を説明する前に、まず関連技術について説明する。
【0070】
上述の通り、コード間干渉を避け、無線通信の異なる端末から基地局に到達する時間がいずれもCP内に収まるように確保するために、UEはデータパケットを、相応の時間だけ予め送信する必要がある。下りタイミングに基づいて、UEは通常、(NTA+NTA_offset)*Tcだけ予め上りデータを送信する。ここで、Tcは第五世代移動通信技術(5G,5th Generation Mobile Communication Technology)の基本時間単位であり、Tc=1/(480*10^3*4096)、約0.5×10^(-3)usであり、NTA_offsetは上りと下りの変換時間であり、その値が展開方式/共存シナリオに関連したものであり、「*」は掛け算を表し、NTAはタイミングアドバンス(TA、Timing Advance)の調整値であり、NTAはTA指令(command)に関連したものであり、プリアンブル(preamble)送信時には、NTA=0となり、UEの上り伝送の実際のタイミングは、下りタイミング及びタイミングアドバンスに依存する。
【0071】
ランダムアクセスプロセスのランダムアクセス応答(RAR,Random Access Response)にはTA指令が付帯され、TA指令にはTAインデックス値(TA)が付帯され。この時、上りの時間の必要な実際の調整値NTA=TA*16Ts= TA*16*64Tcとなる。接続状態では、端末はMAC CEからTA指令を取得する。UEは前回のTA調整値(NTA,oldとして)と新規受信したTA指令(TA)に基づいて、最新のTA調整値(NTA,new)を計算する。計算式は以下の通りである。
【0072】
NTA,new=NTA,old+(TA-31)×16Ts=NTA,old+(TA-31)×16×64Tc=NTA,old+(TA-31)×(16*64/2^u)
ここで、uはサブキャリア間隔(SCS)に関連したものであり、SCSが15KHzの場合、u=0、SCSが30KHzの場合、u=1、SCSが60KHzの場合、u=2、SCSが120KHzの場合、u=3、SCSが240KHzの場合、u=4となる。Tsは4Gの基本時間単位であり、Ts=1/(15*10^3)*2048、約32.55×10^(-9)sである。
【0073】
伝送経路の変化、水晶発振器のずれ、移動によるドップラー周波数シフトなどの影響で、UEは上りタイミングのタイミングアドバンスを継続的に更新する必要がある。新しいTA指令を受信するまで、UEは前回のTA指令に基づいて上り伝送タイミングを自動調整し、実際の伝送タイミング(下りタイミング1-(N
TA1+N
TA_offset)*Tc)の理想伝送タイミング(下りタイミング2-(N
TA1+N
TA_offset)*Tc))に対いての誤差が一定の精度要求Teを満たすように確保する。UEが自動上りタイミング調整を行う際、時間調整の最大幅度がTqを超えないような、標準に規定された調整規則を満たす必要がある。Te及びTqの具体的な要件は、
図1及び
図2を参照されたい。
【0074】
上述の既存技術によると、UEの上り伝送の実際のタイミングは下りタイミング及びタイミングアドバンスに依存する。いくつかの特定のシナリオにおいて、下りタイミングの急変が発生することで、上述のUEの自動上りタイミング調整が実際のニーズを満たせない恐があり、例えば、高速鉄道のシナリオにおいて、特に2~24.25GHzから52.6GHz(FR2)の周波数範囲を利用する動的ポイント選択(DPS)モードベースの高速鉄道では、実際の展開ニーズに基づいて、上述のUEの自動上りタイミング調整が実際のニーズをほとんど満たせず、齎された上りタイミングの不正確さが基地局の上り復調に影響を与え、システム性能を低下させてしまう。
【0075】
高速鉄道(HST、High Speed Train)のHST-DPSモードは、複数のセルのリモートラジオヘッド(RRH)が同一のセルIDを共有しているが、各時点で一つのRRHのみが端末にデータを送信する方式を指す。具体的には、
図3に示されるように、RRH#0~3が同一のセルIDを共有しているものの、各時点で一つのRRHのみが端末にデータを送信する。端末が移動するにつれて、伝送設定指示(TCI、Transmission Configuration Indicator)の変換を通じてRRH#0からRRH#1への変換が行われる。
【0076】
上述の通り、RRH#0からRRH#1への変換は、端末にとってはビームの変換であるが、元の下りビームの方向と目標下りビームの方向との大きな伝送遅延差を生じさせ、下りタイミングに変化が生じるため、元のTAが要求を満たせない。例えば、典型的な展開として、基地局間の距離が700mの場合、元の下りビームと目標下りビームが端末に到達するまでの伝送遅延差は最大で2.33usにも達し得、120KHzのSCSを例に取ると、2.33usの伝送遅延差はCP(0.57us)の4倍になる。しかし、UEが自動調整できる最大ステップ幅は2.5×64Tc=8×10^(-4)usのみであり、下り遅延の急変によるタイミングの急変を補うことができず、深刻なシステム問題を引き起こす。ここでは高速鉄道のシナリオを例に挙げて存在している問題を説明しているが、この問題は高速鉄道に限らず、ネットワークの下り送信ビームが変化したり、端末の受信ビームが変化したり、伝送経路が変化したりすることで、大きな端末の受信時間差が発した場合、又は端末の受信タイミングに急変が発生した場合にも、上述の問題が存在する。
【0077】
これに基づき、本出願の実施例に係る方法において、端末が第一情報を取得し、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である。又は、端末がネットワーク機器から送信された第三時間を受信し、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。
【0078】
以下では、本出願について更に詳しく説明する。
【0079】
図4は、本出願の実施例に係る送信方法のフローチャートである。
図4に示されるように、前記送信方法は携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、デジタル放送受信機、個人デジタルアシスタント(PDA)、タブレットPC(PAD)、携帯型マルチメディアプレイヤー(PMP)、ウェアラブル機器(例えば、スマートバンド、スマートウォッチなど)、ナビゲーション装置などの端末に適用され、前記方法は、ステップ401を含む。
【0080】
ステップ401、第一情報を取得することを含み、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である。
【0081】
ここで、前記送信タイミングは、上りタイミング(UL timing)としても記述されてもよい。
【0082】
実際の応用において、送信タイミングはプロトコルによって予めに定義されてもよければ、ネットワーク側から端末に通知されてもよい。
【0083】
これに基づき、いくつかの実施例において、第一情報を取得することは、
端末が、プロトコルによって予め定義されたものに従って、送信タイミングを決定することと、
ネットワーク情報(又はシグナリング)を受信し、前記ネットワーク情報(又はシグナリング)に基づいて送信タイミングを決定することと、の少なくとも一つを含み、ここで、前記ネットワーク情報(又はシグナリング)は、前記送信タイミングを付帯するか、又はそれを含む。
【0084】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、同期信号ブロック(SSB,Synchronization Signal and PBCH block)情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信された疑似コロケーションQCLがSSB情報におけるSSBである場合、前記方法は、
前記端末が、前記送信タイミングの調整に第一調整を適用することを更に含む。
【0085】
ここでは、前記受信されたビームは、ネットワーク機器から送信された情報のビームを指し、前記受信されたQCLは、ネットワーク機器から送信された情報のQCLを指す。前記ネットワーク機器から送信された情報は、送信タイミングに関連した情報、又は、送信タイミング決定用の情報であってもよい。
【0086】
ここで、受信されたビームが、SSB情報におけるSSBであることは、物理下り共有チャネル(PDSCH、Physical Downlink Shared Channel)、物理下り制御チャネル(PDCCH、Physical Downlink Control Channel))、参照信号(例えば、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS、channel state information reference signal)、定位参照信号(PRS、Positioning reference signal))と、SSB情報に示されているSSBとはQCL関係にあることを指す。該QCL関係は、TCI状態(state)によって指示され得る。
【0087】
ここでは、大きなタイミング誤差の(又は大きな1ステップでの調整が必要な)場合は、或るいくつかのSSB(例えば特定のSSB6から別の特定のSSB7への切り替え)でのみ発生し、例えば、SSB6からSSB7への切り替え、又は、SSB4からSSB5への切り替えは、いずれも、大きな時間誤差を引き起こさないため、第一調整を行わなくてもよい。しかし、SSB5からSSB6への切り替えの場合には、大きな時間誤差が存在するため、第一調整が必要になる。したがって、SSBの指示という方式によって端末に対し、第一調整をいつ行うかを暗黙的に通知してもよい。つまり、SSB情報は、第一調整を行うべきSSBを指示し、端末は、受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSであると決定した場合、又は受信されたQCLが、前記SSB情報におけるSSBであると決定した場合に、前記送信タイミングの調整に第一調整を適用する。
【0088】
上述の案は、高速鉄道や飛行機など、ルートが比較的固定されているシナリオに適用される。
【0089】
いくつかの実施例において、前記SSB情報は、
SSBインデックス、SSBペアリング情報、SSBグループ情報、SSBグループペアリング情報の少なくとも一つを含む。
【0090】
SSBインデックスには、例えば、ビーム切り替えの目標SSBビーム、又は、セル切り替えの目標SSBビームである目標SSBビームが含まれる。SSBインデックスには、一つ又は複数のSSBインデックスが含まれてもよい。目標SSBビームが、該SSB情報中で指示されているSSBインデックスに該当する場合、端末は第一調整を適用する。
【0091】
SSBペアリング情報には、SSBペアリングインデックス、及び/又は、SSBペアリングを構成するSSBインデックス、及び/又はSSBペアリングとSSBインデックスのマッピング/対応関係が含まれる。SSBペアリング情報には複数対のSSBペアリングの情報が含まれてもよい。ビーム切り替えの元ビームインデックスと目標ビームインデックスがSSBペアリング情報に該当する場合、端末は第一調整を適用する。
【0092】
SSBグループ情報にはSSBグループインデックス、及び/又はSSBグループ内のSSBインデックスが含まれる。SSBグループ情報には複数のSSBグループの情報が含まれてもよい。グループ内のSSBに対して、端末は第一調整を適用する。
【0093】
SSBグループペアリング情報にはSSBグループペアインデックス、及び/又はSSBグルーペアリングを構成するSSBグループインデックス、及び/又はSSBグループペアリングとSSBグループインデックスのマッピング/対応関係が含まれる。前記SSBグループペアリング情報には複数対のSSBグループペアリングの情報が含まれてもよい。ビーム切り替えの元ビームインデックスと目標ビームインデックスが、ペアになっている二つのSSBグループにそれぞれ該当する場合(つまり、ペアになっている二つのSSBグループ間でビーム切り替えが発生する場合)、端末は第一調整を適用する。
【0094】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、SSB情報を含み、受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合記端末の前記送信タイミングは第二時間を含む。
【0095】
ここでは、前記受信されたビームは、ネットワーク機器から送信された情報のビームを指し、前記受信されたQCLは、ネットワーク機器から送信された情報のQCLを指す。前記ネットワーク機器から送信された情報は、送信タイミングに関連した情報、又は、送信タイミング決定用の情報であってもよい。
【0096】
前記第二時間は、調整されるべきタイミング誤差(即ち、第一調整によって調整される時間誤差)を表す。
【0097】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、第一閾値を更に含み、第一時間が、第一閾値以上である場合、前記方法は、
端末が、送信タイミングの調整に第一調整を適用することを更に含む。
【0098】
ここでは、前記第一時間は、時間差を表す。
【0099】
即ち、端末は、時間差が予め設定された第一閾値を超えると決定した場合、大きなタイミング誤差が存在する(又は大きな1ステップでの調整が必要である)とみなして、端末は送信タイミングの調整に第一調整を適用することができ、これにより、上り伝送性能を確保する。
【0100】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、第一閾値を更に含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記端末の送信タイミングは、第二時間を含む。
【0101】
ここでは、前記第一時間は時間差を表し、前記第二時間は、調整されるべきタイミング誤差を表す(又は、第一調整によって調整される時間誤差とも理解され得る)。
【0102】
即ち、端末は、時間差が予め設定された第一閾値を超えると決定した場合、大きなタイミング誤差が存在する(又は大きな1ステップでの調整が必要である)とみなして、端末は、送信タイミングの調整に第一調整を適用して、調整後に確定される送信タイミングには、第二時間が含まれる。
【0103】
ここで、前記第一閾値は、ネットワーク機器が、第一シグナリングを通じて端末に指示するものであるか、又はプロトコルによって予め定義されたものである。
【0104】
前記第一閾値は、サブキャリア間隔に関連したものである。
【0105】
いくつかの実施例において、前記第二時間は、
端末のT1時点の受信タイミングとT2時点の受信タイミングの時間差が含まれる受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含み、
ここで、受信時間は、下りタイミング(DL timing)としても記述されてもよい。
【0106】
前記送信タイミング誤差には、参照タイミングに対する誤差が含まれる。
【0107】
前記参照タイミングは、理想的な値として理解でき、具体的には、端末の下りタイミングとタイミングアドバンス命令(Timing Advance command)には付帯されるタイミングアドバンスが、いずれも、誤差のない場合での、その両方の合計である。しかし実際には、端末による下りタイミングの推定に誤差が生じる可能性があるほか、伝送経路の変化、温度、水晶発振器のずれなどの影響が、タイミングアドバンスの変化を引き起こすため、これら二つの値が完璧な状態に達することができない。したがって、ここでの送信タイミング誤差には参照タイミングに対する誤差が含まれる必要がある。
【0108】
なお、第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間の差を2倍にする理由は、上りタイミングの調整が下りタイミングを参照にして行われるため、上りと下りの往復時間差を考慮する必要があるからである。
【0109】
いくつかの実施例において、前記第一時間は、
端末のT1時点の受信タイミングとT2時点の受信タイミングの時間差が含まれる受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
参照タイミングに対する誤差が含まれる送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0110】
ここで、前記受信時間差には、端末のT1時点の受信タイミングとT2時点の受信タイミングの時間差が含まれる。
【0111】
前記送信タイミング誤差には、参照タイミングに対する誤差が含まれる。
【0112】
いくつかの実施例において、前記受信時間差は、
端末の受信ビームの変化による受信時間差、
ネットワークの送信ビームの変化による受信時間差、及び、
伝送経路の変化による受信時間差、の少なくとも一つを含む。
【0113】
ここで、端末の受信ビームの変化による受信時間差には、ビーム時間差。例えば、受信ビームが受信ビームiから受信ビームjに変更された場合、前記端末の受信ビームの変化による受信時間差には、ビームiの受信時間とビームjの受信時間との時間差が含まれる。
【0114】
伝送経路の変化による受信時間差には、伝送経路の変化による、端末の受信時間の差(又は、端末の受信タイミングの差)が含まれる。
【0115】
伝送経路の変化による受信時間差には、伝送経路の変化による、端末の受信時間の差(又は、端末の受信タイミングの差)が含まれる。
【0116】
いくつかの実施例において、前記第一調整は、端末が一回の調整で送信タイミングの調整を行うことを含む。
【0117】
なお、関連技術では送信タイミングの調整が、複数回の微調整(複数回の小ステップ調整)で上りタイミングの調整が行われるものである。しかし、送信タイミングの誤差が大きい場合、既存技術では、誤差をタイムリーに調整することができず、システム性能の低下を招いている。本出願の実施例に係る第一調整は、端末が一回の調整でタイミング誤差の調整を完了することを指し、該一回の調整のステップを大きくして、大きな誤差に対してタイムリーに調整するニーズを満たすことが可能である。該大きなステップによる一回の調整が完了した後、もし残余の誤差があれば、引き続き既存技術の複数回の微調整方法を使用して調整を行うことができる。
【0118】
大きなステップによる一回の調整(又は1ステップ調整、即ち第一調整とも記述されてもよい)を行うかどうかについては、調整されるべき時間差の大きさに基づいて決定され得る(例えば、上述の第一時間のような場合)。調整されるべき時間差が大きい場合(例えば、第一時間が第一閾値以上の場合)、端末は第一調整(即ち、一回調整)に基づいて送信タイミングの調整を行う。調整されるべき時間差が小さい場合(例えば、第一時間が第一閾値以下の場合)、端末は既存技術に基づいて送信タイミングの調整を行う。
【0119】
いくつかの実施例において、第一調整後の送信タイミングは、
タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二時間の少なくとも一つを含む。
【0120】
具体的に、端末が1ステップの調整を行った後、送信タイミングは、[NTA+NTA_offset)*Tc+2×受信時間差]だけ予め上りデータを送信することであってもよい。更に、新しい下りタイミングを基準としてもよい。
【0121】
ここで、NTAは、前記タイミングアドバンスを示し、NTA_offsetは、前記上りと下りの変換時間、Tcは5Gの基本時間単位であり、約0.5×10^(-3)usである。
【0122】
前記第二時間は、2×受信時間差である。
【0123】
前記第二時間は、上述のように、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つであってもよい。
【0124】
実際の応用において、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するための明示的な方式が提供されてもよい。
【0125】
これに基づき、いくつかの実施例において、前記方法は、
ネットワーク機器から送信された第一指示情報を受信することを更に含み、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0126】
このように、ネットワーク機器が、端末が第一調整を開始するかどうかを第一指示情報で明確に知らせることができる。
【0127】
実際の応用において、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するための暗黙的な方式が提供されてもよい。
【0128】
これに基づき、いくつかの実施例において、前記方法は、
ネットワーク機器から送信された、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを受信することを更に含む。
【0129】
具体的には、高速鉄道シナリオでの第二指示情報には、FR2の高速鉄道シナリオ、FR1の高速鉄道シナリオが含まれる。上述の高速鉄道シナリオに関する説明の通り、高速鉄道シナリオの展開方式により、経路の変化に起因した端末の受信時間の急な変動により、上りタイミングの問題が生じる。ここでは、第一調整を開始することを端末に指示するための暗黙的な方式が提供される。具体的には、端末が現在高速鉄道シナリオにあるという第二指示情報を受信した場合、送信タイミングに問題が発生する可能性があると予測できるため、第一調整を開始することになれる。
【0130】
更に、高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報には、具体的な高速鉄道の展開モードも含まれてもよい。これには、HST動的ポイント選択(HST-DPS、HST-Dynamic Point Selection)、HST単一周波数ネットワーク(HST-SFN、HST-Single Frequency network)、一方向受信(uni-directional、異なるRRHの送信方向が同じ)、双方向受信(bi-directional、隣接するRRHの送信方向が反対、又は対向通信方式として記述され得る)が含まれる。異なる展開モードによって送信タイミングに与える影響が異なるため、端末は現在所在している展開モードに基づいて、第一調整を開始するかどうかを判断することができる。選択的に、各展開モードについて、第一調整を開始できるかどうかを更にネットワーク情報により指示する。又は、暗黙的な方式を採用して、どの展開モードについて、第一調整を開始できるかをプロトコルによって予め定義された場合、端末が現在所在している展開モードを知った後、第一調整を開始するかどうかを決定できるようになる。
【0131】
前記TCI変換情報には、異なるRRH間でのTCI変換を行うための情報が含まれる。該シナリオにおいて、経路の変化によって端末の受信時間に急な変動が発生して、上りタイミングの問題を引き起こすこともある。TCI変換情報に基づいて、暗黙的な方式により、第一調整を開始することを端末に指示することも実現できる。即ち、端末が該TCI変換情報を受信した場合、送信タイミングに問題が発生する可能性があると予測できるため、第一調整を開始することができるようになる。
【0132】
前記ネットワークユニットには、RRH、伝送と受信ポイント(TRP、Transmission and Reception Point)が含まれる。前記二つのネットワークユニット間に第一調整を開始するかどうかを示す第三指示情報は、端末が二つのネットワークユニットの中間位置にある場合に第一調整の開始をを許可するかどうかを指示するために用いられる。このように、第三指示情報を通じて、暗黙的な方式により、第一調整を開始することを端末に指示することも実現できる。ここでは、主に高速鉄道のシナリオを例とすると考慮して、端末が二つのRRHの中間位置にある場合、タイミングの問題が最も深刻になるため、該位置でのみ端末に第一調整の開始を許可し、その他の地理的位置では第一調整を開始してはいけない。更に、ネットワークはシグナリングを通じて端末が二つのRRHの中間位置にあるかどうかを指示することができる。更に、端末もドップラー周波数のずれなどを利用して自らが二つのRRHの中間位置にあるかどうかを自主的に判断することもできる。
【0133】
いくつかの実施例において、前記方法は、
ネットワーク機器に第二情報を送信することを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0134】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0135】
具体的には、既存技術で使用されるタイミングアドバンス命令(Timing Advance Command)に付帯されるタイミングアドバンスのインデックス範囲は0~3846である。本出願の実施例において、ビーム変換などによる受信時間差の急変を考慮し、既存技術で提供されるタイミングアドバンスが要求を満たせないため、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示する方法を提供する。具体的には、タイミングアドバンス命令に付帯されるタイミングアドバンスのインデックス範囲を拡張し、応用のニーズを満たすようにする。即ち、タイミングアドバンス指示情報が指示するタイミングアドバンスのインデックス範囲は0~3846を超えてもよい。
【0136】
更に、端末への追加的な影響を考慮して、ネットワーク機器は、タイミングアドバンス指示情報を通じて端末に対して、ネットワーク機器が使用しているのが既存技術のタイミングアドバンスのインデックス範囲(即ち0~3846)であるか、それとも範囲が拡張されたタイミングアドバンスのインデックス範囲(即ち0~3846を超えた範囲)であるかを指示することができ、これにより端末が異なるアルゴリズムを採用することが可能になる。
【0137】
いくつかの実施例において、前記第一情報を取得することは、
ネットワーク機器からのSSB情報を受信することと、
ネットワーク機器からのタイミングアドバンス指示情報を受信することと、
ネットワーク機器からの第一閾値を受信することと、の少なくとも一つを含む。
【0138】
いくつかの実施例において、前記第一情報を取得することは、第一時間を決定することを含む。
【0139】
即ち、受信時間差と、第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差と、送信タイミング誤差との少なくとも一つを決定する。
【0140】
上述の第一情報は、具体的には端末がネットワーク機器とのインタラクション情報(タイムスタンプを付帯)に基づき、決定されるものである。ここでは詳細な説明は省略する。
【0141】
図6は、本出願の実施例に係る別の送信方法のフローチャートである。
図6に示されるように、前記方法は携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、デジタル放送受信器、個人デジタルアシスタント(PDA)、タブレットPC(PAD)、携帯型マルチメディアプレイヤー(PMP)、ウェアラブル機器(例えば、スマートバンド、スマートウォッチなど)、ナビゲーションデバイスなどの端末に適用され、前記方法は、ステップ601を含む。
【0142】
ステップ601、ネットワーク機器から送信された第三時間を受信し、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。
【0143】
いくつかの実施例において、前記第三時間は、ビーム変換による時間差を含む。
【0144】
ここでは、ビーム変換による時間差は、
ネットワーク機器の送信ビームの切り替え又は変化による端末の受信時間差、及び/又は、端末の受信ビームの切り替え又は変化による端末の受信時間差を含む。
【0145】
いくつかの実施例において、前記ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することは、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、伝送設定指示(TCI)状態変換シグナリングを受信すること、
又は、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、タイミングアドバンス命令(Timing Advance Command)を受信すること、を含む。
【0146】
いくつかの実施例において、前記方法は、
閾値情報を取得することを更に含み、前記端末の受信時間差が前記閾値情報の第i閾値を満たした場合に、前記第三時間の値は前記第i閾値に対応する第j値となる。
【0147】
ここでは、前記閾値情報には、少なくとも一つの閾値と、前記閾値の各々に対応する第三時間の値、例えば、第i個目の閾値と、第i個目の閾値に対応する第j個目の値と、が含まれる。
【0148】
前記閾値情報は、ネットワーク機器がネットワークシグナリングを通じて端末に送信してもよい。
【0149】
端末が閾値情報を取得した後、端末の受信時間差が閾値情報の第i閾値を満たした場合、第三時間の値は第j値となる。応用時、ネットワーク機器は、ネットワークシグナリングを通じて送信タイミングに関連する第三時間の候補値を予め端末に送信しておいて、端末は実際の受信時間差に基づいて、対応する第三時間の値を選択する。
【0150】
例えば、受信時間差が第一閾値より大きく第二閾値より小さい場合に、第三時間は第一値となる。
受信時間差が第二閾値より大きく第三閾値より小さい場合に、第三時間は第二値となる。
受信時間差が第一閾値より大きく第二閾値より小さい場合に、第三時間は第一値となる。
受信時間差が第N-1閾値より大きく第N閾値より小さい場合に、第三時間は第N-1値となる。
受信時間差が第N閾値より大きい場合に、第三時間は第N値となる。
【0151】
いくつかの実施例において、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二タイミングアドバンス、の少なくとも一つを含む。
【0152】
ここで、前記第二タイミングアドバンスには第三時間が含まれる。即ち、受信時間差による影響、及び/又は移動、温度、水晶発振器などによる影響が含まれる(これは既存技術において考慮されるタイミングアドバンスの影響要因である)。
【0153】
応用時、端末は上りデータを[(NTA+NTA_offset)*Tc]だけ予め送信してもよい。ここで、NTA_offsetは上りと下りの変換時間を示し、Tcは約0.5×10^(-3)usであり、NTA=第一タイミングアドバンス+(第二タイミングアドバンス-31)×16Ts=第一タイミングアドバンス+(第二タイミングアドバンス-31)×16×64Tc。
【0154】
ここでは、前記第二タイミングアドバンスはネットワーク機器から配信され得(例えば、ネットワーク機器がTCI状態変換シグナリング、又はTiming Advance Commandを通じて配信する場合)、第二タイミングアドバンスの値には第三時間による影響が含まれる。即ち、ネットワーク機器は暗示的な方式で端末に第三時間を通知する。したがって、端末は送信タイミングを行う際に、直接第二タイミングアドバンスを使用してよい。
【0155】
いくつかの実施例において、前記端末の前記送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、第二タイミングアドバンス、及び、第三時間、の少なくとも一つを含む。
【0156】
該実施例において、ネットワーク機器は端末に、潜在的なビーム調整による端末の受信時間差を通知する。ネットワーク機器は明示的な方式で端末に第三時間を通知する。
【0157】
第一タイミングアドバンスは、以前のTiming Advance Commandによって取得され、前記第二タイミングアドバンスは現在のTiming Advance Commandによって取得される。
【0158】
応用時、端末は上りデータを[(NTA+NTA_offset)*Tc]だけ予め送信してもよい。
【0159】
ここで、NTA=第一タイミングアドバンス+(第二タイミングアドバンス+第三時間-31)×16Ts=第一タイミングアドバンス+(第二タイミングアドバンス量+第三時間-31)×16×64Tc。
【0160】
NTA_offsetは上りと下りの変換時間を示し、Tcは約0.5×10^(-3)usである。
【0161】
具体的には、端末がネットワーク機器から送信された第三時間(ビーム変換による時間差(又は、少なくとも一つの候補TA値として理解される)を含む)を取得した後、決定された受信時間差、閾値情報に基づいて第三時間に対応するTA値を決定し、該TA値に基づいて、上り送信タイミングを調整する。新しい下りタイミングを基準にして、上りデータを[(NTA+NTA_offset)*Tc]だけ予め送信する。
【0162】
ここで、NTA=NTA,old+(TA_ビーム変化-31)×16Ts=NTA,old+(TA_ビーム変化-31)×16×64Tc。
【0163】
前記NTA,oldは以前採用されたTA値(即ち、第一タイミングアドバンス)を指し、TA_ビーム変化はビームの変化によるTA値であり、第二タイミングアドバンス+第三時間を含む。
【0164】
いくつかの実施例において、前記方法は、
ネットワーク機器に第一情報を送信することを更に含み、
前記第一情報は、
TCI状態(state)スイッチ(switch)に付帯されるTA情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0165】
図4及び
図6に示される方法は、端末の受信時間差の急変又は受信時間差の大きくなることによって生じる問題を解決することができる。ここで、
図6に示される方法は、ネットワーク側の下り送信ビームのみが変化するシナリオ(例えば高速鉄道や航空のシナリオなど、ビームの切り替えが大まかに理解されているシナリオであって、第三時間が分かることができる場合)に適する。一方、端末の受信ビームに変化が発生するシナリオでは、ネットワーク側に関連情報がないため、
図4で説明される方法がより適する。応用時、実際の状況に応じて選択してよく、ここでは具体的な限定はされない。
【0166】
本出願の実施例に係る方法に適用される端末は、
端末が1ステップでの調整による上りタイミング調整をサポートする能力と、
端末がTCI状態(state)スイッチ(switch)に付帯されるTA情報の受信をサポートする能力と、
端末が受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートする能力と、の少なくとも一つを備える。
【0167】
図7は、本出願の実施例に係る更なる送信方法のフローチャートである。
図7に示されるように、前記方法はネットワーク機器、例えば基地局に適用される。基地局はGSM又はCDMAにおける基地局(Base Transceiver Station、略称「BTS」)であったり、WCDMA(登録商標)における基地局(NodeB、略称「NB」)であったり、LTEにおける進化型基地局(Evolutional Node B、略称「eNB又はe-NodeB」)であったりしてもよい。本出願では限定されないが、説明の便宜上、以下の実施例ではeNBを例に説明する。前記方法は、ステップ701を含む。
【0168】
ステップ701、端末に第一情報又は第三時間を送信し、前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである。
【0169】
いくつかの実施例において、前記端末に第三時間を送信することは、
前記端末に、前記第三時間が含まれるTCI状態変換シグナリングを送信すること、又は、
前記端末に、前記第三時間が含まれるタイミングアドバンス命令を送信すること、を含む。
【0170】
いくつかの実施例において、前記第三時間は、ビーム変換による時間差を含む。
【0171】
いくつかの実施例において、前記方法は、
前記端末からの第三情報を受信することを更に含み、
前記第三情報は
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0172】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、SSB情報を含み、
前記SSB情報は、
SSBインデックスと、
SSBペアリング情報と、
SSBグループ情報と、
SSBグループペアリング情報との少なくとも一つを含む。
【0173】
実際の応用において、ネットワーク機器が、第一調整を開始するかどうかを端末に明示的な方式で指示してもよい。
【0174】
これに基づき、いくつかの実施例において、前記方法は、
端末に第一指示情報を送信することを更に含み、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0175】
実際の応用において、ネットワーク機器が、第一調整を開始するかどうかを端末に暗黙的な方式で指示してもよい。
【0176】
これに基づき、いくつかの実施例において、前記方法は、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを、端末に送信することを更に含む。
【0177】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0178】
いくつかの実施例において、前記方法は、
端末からの第二情報を受信することを更に含んでもよく、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0179】
図8は、本出願の実施例に係る送信装置の構造模式図である。
図8に示されるように、端末に適用される前記送信装置は、
第一情報を取得するように構成される第一取得ユニットを含み、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である。
【0180】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、SSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合、前記装置は、端末が前記送信タイミングの調整に第一調整を適用するように構成される第一調整ユニットを更に含む。
【0181】
いくつかの実施例において、前記SSB情報は、
SSBインデックス、SSBペアリング情報、SSBグループ情報、SSBグループペアリング情報の少なくとも一つを含む。
【0182】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、SSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合、前記端末の前記送信タイミングは第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0183】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、第一閾値を更に含み、第一時間が、第一閾値以上である場合、前記第一調整ユニットは、
前記送信タイミングの調整に第一調整を適用するように構成され、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0184】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、第一閾値を含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記端末の前記送信タイミングは、第二時間を含み、
ここで、前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含み、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0185】
いくつかの実施例において、前記受信時間差は、
端末の受信ビームの変化による受信時間差、
ネットワークの送信ビームの変化による受信時間差、及び、
伝送経路の変化による受信時間差、の少なくとも一つを含む。
【0186】
いくつかの実施例において、前記第一調整は、
端末が一回の調整で送信タイミングの調整を行うことを含む。
【0187】
いくつかの実施例において、第一調整後の送信タイミングは、
タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二時間の少なくとも一つを含む。
【0188】
いくつかの実施例において、前記第二受信ユニットは、ネットワーク機器から送信された第一指示情報を受信するように構成され、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0189】
いくつかの実施例において、前記第二受信ユニットは、
ネットワーク機器から送信された、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを受信するように構成される。
【0190】
いくつかの実施例において、前記装置は、
ネットワーク機器に第二情報を送信するように構成される第二送信ユニットを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0191】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0192】
なお、上述の実施例に係る送信装置が、対応する送信方法を実行することは、上述の各プログラムモジュールの区分のみにより、例示的に説明されたが、実際の応用においては、ニーズに応じて上述の処理を異なるプログラムモジュールに割り当てて、それを行わせることができる。即ち、端末の内部構造を異なるプログラムモジュールに分けて、上述の全て又は一部の処理を完了させる。また、上述の実施例に係る装置と、対応する方法の実施例は同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0193】
図9は、本出願の実施例に係る別の送信装置の構造模式図である。
図9に示されるように、端末に適用される前記装置は、
ネットワーク機器から送信された第三時間を受信するように構成される第一受信ユニットを含み、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。
【0194】
いくつかの実施例において、前記第三時間が、ビーム変換による時間差を含む。
【0195】
いくつかの実施例において、前記第一受信ユニットは、ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、TCI状態変換シグナリングを受信するか、
又は、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、タイミングアドバンス命令を受信するように構成される。
【0196】
いくつかの実施例において、前記装置は、閾値情報を取得するように構成される第二取得ユニットを更に含み、前記端末の受信時間差が前記閾値情報の第i閾値を満たした場合に、前記第三時間の値は前記第i閾値に対応する第j値となる。
【0197】
いくつかの実施例において、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二タイミングアドバンス、の少なくとも一つを含み、
前記第二タイミングアドバンスは、前記第三時間を含む。
【0198】
いくつかの実施例において、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、第二タイミングアドバンス、及び、前記第三時間、の少なくとも一つを含む。
【0199】
いくつかの実施例において、前記装置は、ネットワーク機器に第三情報を送信するように構成される第三送信ユニットを更に含み、
前記第三情報は、
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0200】
なお、上述の実施例に係る送信装置が、対応する送信方法を実行することは、上述の各プログラムモジュールの区分のみにより、例示的に説明されたが、実際の応用においては、ニーズに応じて上述の処理を異なるプログラムモジュールに割り当てて、それを行わせることができる。即ち、端末の内部構造を異なるプログラムモジュールに分けて、上述の全て又は一部の処理を完了させる。また、上述の実施例に係る装置と、対応する方法の実施例は同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0201】
図10は、本出願の実施例に係る更なる送信装置の構造模式図である。
図10に示されるように、ネットワーク機器に適用される前記装置は、
端末に第一情報又は第三時間を送信するように構成される第一送信ユニットを含み、
前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである。
【0202】
いくつかの実施例において、前記第一送信ユニットは、
前記端末に、前記第三時間が含まれるTCI状態変換シグナリングを送信するか、又は、
前記端末に、前記第三時間が含まれるタイミングアドバンス命令を送信するように構成される。
【0203】
いくつかの実施例において、前記第三時間が、ビーム変換による時間差を含む。
【0204】
いくつかの実施例において、前記装置は、
前記端末からの第三情報を受信するように構成される第三受信ユニットを更に含み、
前記第三情報は
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0205】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、SSB情報を含み、
前記SSB情報は、
SSBインデックスと、
SSBペアリング情報と、
SSBグループ情報と、
SSBグループペアリング情報との少なくとも一つを含む。
【0206】
いくつかの実施例において、前記第一送信ユニットは、端末に第一指示情報を送信するように構成され、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0207】
いくつかの実施例において、前記第一送信ユニットは、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを、端末に送信するように構成される。
【0208】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0209】
いくつかの実施例において、前記第三受信ユニットは、前記端末からの第二情報を受信するように構成され、前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0210】
なお、上述の実施例に係る送信装置が、対応する送信方法を実行することは、上述の各プログラムモジュールの区分のみにより、例示的に説明されたが、実際の応用においては、ニーズに応じて上述の処理を異なるプログラムモジュールに割り当てて、それを行わせることができる。即ち、ネットワーク機器の内部構造を異なるプログラムモジュールに分けて、上述の全て又は一部の処理を完了させる。また、上述の実施例に係る装置と、対応する方法の実施例は同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0211】
図11は、本出願の実施例に係る通信機器の構造模式図である。
図11に示されるように、通信機器110は、プロセッサ1101及び、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリ1102を含む。
【0212】
端末に適用される通信機器に対応して、前記プロセッサ1101は、前記コンピュータプログラムを実行する際に、第一情報を取得することを実行するように構成され、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である。具体的に、前記端末は、
図4に示される方法を実行でき、
図4に示される方法実施例とは、同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0213】
端末に適用される通信機器に対応して、前記プロセッサ1101は、前記コンピュータプログラムを実行する際に、ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することを実行するように構成され、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。具体的に、前記端末は、
図6に示される方法を実行でき、
図6に示される方法実施例とは、同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0214】
ネットワーク機器に適用される通信機器に対応して、前記プロセッサ1101は、前記コンピュータプログラムを実行する際に、端末に第一情報又は第三時間を送信することを実行するように構成され、前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである。具体的に、前記ネットワーク機器は、
図7に示される方法を実行でき、
図7に示される方法実施例とは、同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0215】
実際の応用において、前記通信機器110には、少なくとも一つのネットワークインターフェース1103が含まれてもよい。前記通信機器110内の各部品はバスシステム1104を通じて互いに結合されている。理解されるように、バスシステム1104はこれらの部品間の接続通信を実現するために使用され得る。バスシステム1104にはデータバスの他に電力バス、制御バス、及び状態信号バスが含まれるが、説明の便宜上、
図11において、各々のバスを全てバスシステム1104として表示している。ここで、プロセッサ1101の個数は、少なくとも一つであってもよい。ネットワークインターフェース1103は、通信機器110が他の機器と、有線又は無線で通信するために使用される。
【0216】
本出願の実施例のメモリ1102は、通信装置110の操作を支援するために様々な種類のデータを記憶するために使用される。
【0217】
本出願の実施例により開示された方法は、プロセッサ1101内で適用され得るか、あるいはプロセッサ1101によって実現され得る。プロセッサ1101は集積回路チップであり、信号処理能力を有する。実現過程で、上記方法の各ステップはプロセッサ1101内のハードウェアの集積ロジック回路又はソフトウェア形式の命令によって完了することができる。上述のプロセッサ1101は、汎用プロセッサ、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP、DiGital Signal Processor)、その他のプログラマブルなロジックデバイス、離散ゲートやトランジスタロジックデバイス、離散ハードウェア部品などであってもよい。プロセッサ1101は、本出願の実施例により開示されている各方法、ステップ、及びロジック図を実行又は実現することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサやその他の一般的なプロセッサなどであってもよい。本実施例により開示されている方法のステップは、ハードウェアデコードプロセッサのみで実行されるか、又はデコードプロセッサ内のハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行することが可能である。ソフトウェアモジュールは記憶媒体に位置し得、該記憶媒体はメモリ1102に位置し、プロセッサ1101はメモリ1102から情報を読み取り、そのハードウェアに合わせて前述の方法のステップを完了する。
【0218】
例示的な実施例において、通信機器110は、前述した方法を実行するように、一つ又は複数のアプリケーション専用集積回路(ASIC,Application Specific Integrated Circuit)、DSP、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、複雑プログラマブルなロジックデバイス(CPLD、Complex Programmable Logic Device)、フィルドプログラマブルなゲートアレイ(FPGA、Field-Programmable Gate Array)、汎用プロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラユニット(MCU,Micro Controller Unit)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、その他の電子部品によって実現され得る。
【0219】
本出願の実施例において、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体が更に提供されている。
【0220】
端末に適用されるコンピュータプログラムに対応して、前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、第一情報を取得することを実行し、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である。具体的に、前記端末は、
図4に示される方法を実行でき、
図4に示される方法実施例とは、同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0221】
端末に適用されるコンピュータプログラムに対応して、前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することを実行し、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。具体的に、前記端末は、
図6に示される方法を実行でき、
図6に示される方法実施例とは、同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0222】
ネットワーク機器に適用されるコンピュータプログラムに対応して、前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、端末に第一情報又は第三時間を送信することを実行し、前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである。具体的に、前記ネットワーク機器は、
図7に示される方法を実行でき、
図7に示される方法実施例とは、同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0223】
本出願に係るいくつかの実施例において、開示されている装置や方法が他の方式で実現可能であるという点が、理解されるであろう。上述の機器の実施例は、単に示例的なものであり、たとえば、前記ユニットの区分は単なるロジック機能の区別であり、実際の実現においては、異なる区分方式が採用されることもある。例えば、複数のユニット又は部品が、結合されてもよいか、別のシステムに統合されてもよいか、又は、一部の特徴が無視されてもよく、もしくは実行されなくてもよい。また、表示されたり議論された各構成部品間の結合、直接的な結合、又は、通信接続は、いくつかのインタフェース、機器、又はユニットを介した間接的な結合や通信接続であり、電気的、機械的、又はその他の形式であってもよい。
【0224】
上述の分離部品として説明されたユニットは、物理的に分離されているものであってもよく、物理的に分離されているものでなくてもよい。ユニットとして表示された部品は、物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットでなくてもよい。つまり、一箇所に置かれてもよければ、複数のネットワークユニットに配置してもよい。実際のニーズに応じて、これらの一部又はすべてのユニットを選択して本実施例の目的を実現することができる。
【0225】
更に、本出願の各実施例における各機能ユニットは、すべてが一つの処理ユニット内に集積されたり、それぞれ別々に一つのユニットとして存在したり、二つ以上のユニットが一つのユニット内に集積されたりしてもよい。上述の集積されたユニットは、ハードウェアの形式で実現されてもよければ、ハードウェアプラスソフトウェア機能ユニットの形式で実現されてもよい。
【0226】
当業者であれば理解できるように、上述の方法の実施例を実現するためのすべて又は一部のステップは、プログラム命令に関連するハードウェアを通じて実行可能である。前述のプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得、実行時には、上述の方法の実施例を含むステップを実行する。前述の記憶媒体には、ポータブル記憶機器、読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、又は、光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種の媒体が含まれる。
【0227】
又は、本出願の上述の集積されたユニットが、ソフトウェア機能モジュールの形で実現され、独立した製品として販売又は使用される場合も、コンピュータ可読記憶媒体に記憶可能である。このような理解に基づいて、本出願の実施例の技術案は、本質的に又は既存技術への貢献の点で、ソフトウェア製品の形で具現化可能であり、そのコンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶されており、それには一台のコンピュータ機器(パソコン、サーバー、又はネットワーク機器などであってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法の全て又は一部を実行させるための複数の命令が含まれている。前述の記憶媒体には、ポータブル記憶機器、ROM、RAM、磁気ディスク、又は、光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種の媒体が含まれる。
【0228】
なお、「第一」、「第二」などは類似の対象を区別するために使用されるものであり、特定の順序や先後の順番を記述するものではない。
【0229】
また、本出願の実施例に記載の技術案は、互いに矛盾しない限り、任意に組み合わせることができる。
【0230】
以上が本発明の具体的な実施形態について述べたものであるが、本発明の保護範囲はこれに限らず、本発明が開示する技術範囲内で、当業者であれば、容易に考え得る変更又は代替も、本発明の保護範囲に含まれるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、記述された特許請求の範囲を基準として定められるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に適用される送信方法であって、
第一情報を取得することを含み、
前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である、送信方法。
【請求項2】
前記第一情報は、同期信号ブロックSSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信された疑似コロケーションQCLがSSB情報におけるSSBである場合、前記方法は、
前記端末が、前記送信タイミングの調整に第一調整を適用することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記SSB情報は、
SSBインデックス、SSBペアリング情報、SSBグループ情報、SSBグループペアリング情報の少なくとも一つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一情報は、SSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合、前記端末の前記送信タイミングは第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第一情報は、第一閾値
を含み、
第一時間が、第一閾値以上である場
合、前記端末が、前記送信タイミングの調整に第一調整を適
用し、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第一情報は、第一閾値を含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記端末の前記送信タイミングは、第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含み、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記受信時間差は、
端末の受信ビームの変化による受信時間差、
ネットワークの送信ビームの変化による受信時間差、及び、
伝送経路の変化による受信時間差、の少なくとも一つを含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項8】
前記第一調整は、
端末が一回の調整で送信タイミングの調整を行うことを含む、
請求項
2に記載の方法。
【請求項9】
第一調整後の送信タイミングは、
タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二時間の少なくとも一つを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
ネットワーク機器から送信された第一指示情報を受信することを更に含み、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
ネットワーク機器から送信された、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを受信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
ネットワーク機器に第二情報を送信することを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
端末に適用される送信方法であって、
ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することを含み、
前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む、送信方法。
【請求項15】
ネットワーク機器に適用される送信方法であって、
端末に第一情報又は第三時間を送信することを含み、
前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである、送信方法。
【請求項16】
プロセッサ及び、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリを含む通信機器であって、
前記プロセッサが、前記コンピュータプログラムを実行する際に、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように構成され、又は、
前記プロセッサが、前記コンピュータプログラムを実行する際に、請求項
14に記載の方法のステップを実行するように構成され、又は、
前記プロセッサが、前記コンピュータプログラムを実行する際に、請求項
15に記載の方法のステップを実行するように構成される、通信機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年11月11日に中国で出願された中国特許出願第202111333234.4号に基づいて提出され、該中国特許出願の優先権を主張するものであり、該中国特許出願の内容の全ては、ここで、参照として本願に導入される。
本出願は、通信領域、特に、送信方法、装置、通信機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信、特に遠距離の無線通信にとっては、無線伝送の遅延問題に直面している。既存技術では、コード間干渉を避け、無線通信の異なる端末から基地局に到達する時間がいずれも循環プレフィックス(CP、Cyclic Prefix)の範囲内に収まるように確保するために、ユーザー機器(UE、User Equipment)はデータパケットを、相応の時間だけ予め送信する必要がある。
【0003】
UEが上り伝送を行う実際のタイミングは、下りタイミングとタイミングアドバンス(TA、timing advance)に依存する。いくつかの特定のシナリオにおいて、下りタイミングに急変が発生したり、時間差が大きかったりするため、UEが上りタイミングの調整を行っても実際のニーズを満たすことができず、上りタイミングが不正確になり、基地局の上り復調に影響を与え、システム性能を低下させることになってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の実施例には、関連した技術問題を解決するための送信方法、装置、通信機器、及び記憶媒体が提供されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施例の技術案は、以下の通りに実行される。
【0006】
本出願の実施例において、端末に適用される送信方法であって、
第一情報を取得することを含み、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である、送信方法が提供されている。
【0007】
好ましくは、前記第一情報は、同期信号ブロック(SSB,Synchronization Signal and PBCH block)情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信された疑似コロケーション(QCL,Quasi co-location)がSSB情報におけるSSBである場合、前記方法は、
前記端末が、前記送信タイミングの調整に第一調整を適用することを更に含む。
【0008】
好ましくは、前記SSB情報は、
SSBインデックス、SSBペアリング情報、SSBグループ情報、SSBグループペアリング情報の少なくとも一つを含む。
【0009】
好ましくは、前記第一情報は、SSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合、前記端末の前記送信タイミングは第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0010】
好ましくは、前記第一情報は、第一閾値を含み、第一時間が、第一閾値以上である場合、前記端末が、前記送信タイミングの調整に第一調整を適用し、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0011】
好ましくは、前記第一情報は、第一閾値を含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記端末の前記送信タイミングは、第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含み、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0012】
好ましくは、前記受信時間差は、
端末の受信ビームの変化による受信時間差、
ネットワークの送信ビームの変化による受信時間差、及び、
伝送経路の変化による受信時間差、の少なくとも一つを含む。
【0013】
好ましくは、前記第一調整は、端末が一回の調整で送信タイミングの調整を行うことを含む。
【0014】
好ましくは、第一調整後の送信タイミングは、
タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二時間の少なくとも一つを含む。
【0015】
好ましくは、前記方法は、
ネットワーク機器から送信された第一指示情報を受信することを更に含み、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0016】
好ましくは、前記方法は、
ネットワーク機器から送信された、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを受信することを更に含む。
【0017】
好ましくは、前記方法は、
ネットワーク機器に第二情報を送信することを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0018】
好ましくは、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0019】
本出願の実施例において、端末に適用される送信方法であって、
ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することを含み、
前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む、送信方法が更に提供されている。
【0020】
好ましくは、前記第三時間は、ビーム変換による時間差を含む。
【0021】
好ましくは、前記ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することは、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、伝送設定指示(TCI、Transmission Configuration Indicator)状態変換シグナリングを受信すること、
又は、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、タイミングアドバンス命令を受信すること、を含む。
【0022】
好ましくは、前記方法は、
閾値情報を取得することを更に含み、前記端末の受信時間差が前記閾値情報の第i閾値を満たした場合に、前記第三時間の値は前記第i閾値に対応する第j値となる。
【0023】
好ましくは、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二タイミングアドバンス、の少なくとも一つを含み、
前記第二タイミングアドバンスは、前記第三時間を含む。
【0024】
好ましくは、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、第二タイミングアドバンス、及び、前記第三時間、の少なくとも一つを含む。
【0025】
好ましくは、前記方法は、
ネットワーク機器に第三情報を送信することを更に含み、
前記第三情報は、
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0026】
本出願の実施例において、ネットワーク機器に適用される送信方法であって、
端末に第一情報又は第三時間を送信することを含み、
前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである、送信方法が提供されている。
【0027】
好ましくは、前記端末に第三時間を送信することは、
前記端末に、前記第三時間が含まれる伝送設定指示(TCI)状態変換シグナリングを送信すること、又は、
前記端末に、前記第三時間が含まれるタイミングアドバンス命令を送信すること、を含む。
【0028】
好ましくは、前記第三時間が、ビーム変換による時間差を含む。
【0029】
好ましくは、前記方法は、
前記端末からの第三情報を受信することを更に含み、
前記第三情報は
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0030】
好ましくは、前記第一情報は、SSB情報を含み、
前記SSB情報は、
SSBインデックスと、
SSBペアリング情報と、
SSBグループ情報と、
SSBグループペアリング情報との少なくとも一つを含む。
【0031】
好ましくは、前記方法は、
端末に第一指示情報を送信することを更に含み、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0032】
好ましくは、前記方法は、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを、端末に送信することを更に含む。
【0033】
好ましくは、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0034】
好ましくは、前記方法は、
前記端末からの第二情報を受信することを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0035】
本出願の実施例において、端末に適用される送信装置であって、
第一情報を取得するように構成される第一取得ユニットを含み、
前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である、送信装置が提供されている。
【0036】
好ましくは、前記第一情報は、SSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合、前記装置は、端末が前記送信タイミングの調整に第一調整を適用するように構成される第一調整ユニットを更に含む。
【0037】
好ましくは、前記SSB情報は、
SSBインデックス、SSBペアリング情報、SSBグループ情報、SSBグループペアリング情報の少なくとも一つを含む。
【0038】
好ましくは、前記第一情報は、SSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合、前記端末の前記送信タイミングは第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0039】
好ましくは、前記第一情報は、第一閾値を含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記第一調整ユニットは、
前記送信タイミングの調整に第一調整を適用するように構成され、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0040】
好ましくは、前記第一情報は、第一閾値を含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記端末の前記送信タイミングは、第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含み、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0041】
好ましくは、前記受信時間差は、
端末の受信ビームの変化による受信時間差、
ネットワークの送信ビームの変化による受信時間差、及び、
伝送経路の変化による受信時間差、の少なくとも一つを含む。
【0042】
いくつかの実施例において、前記第一調整は、
端末が一回の調整で送信タイミングの調整を行うことを含む。
【0043】
好ましくは、第一調整後の送信タイミングは、
タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二時間の少なくとも一つを含む。
【0044】
いくつかの実施例において、前記第二受信ユニットは、ネットワーク機器から送信された第一指示情報を受信するように構成され、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0045】
好ましくは、前記第二受信ユニットは、
ネットワーク機器から送信された、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを受信するように構成される。
【0046】
好ましくは、前記装置は、
ネットワーク機器に第二情報を送信するように構成される第二送信ユニットを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0047】
好ましくは、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0048】
本開示の実施例において、端末に適用される送信装置であって、ネットワーク機器から送信された第三時間を受信するように構成される第一受信ユニットを含み、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む、送信装置が提供されている。
【0049】
好ましくは、前記第三時間が、ビーム変換による時間差を含む。
【0050】
好ましくは、前記第一受信ユニットは、ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、TCI状態変換シグナリングを受信するか、
又は、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、タイミングアドバンス命令を受信するように構成される。
【0051】
好ましくは、前記装置は、閾値情報を取得するように構成される第二取得ユニットを更に含み、前記端末の受信時間差が前記閾値情報の第i閾値を満たした場合に、前記第三時間の値は前記第i閾値に対応する第j値となる。
【0052】
好ましくは、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二タイミングアドバンス、の少なくとも一つを含み、
前記第二タイミングアドバンスは、前記第三時間を含む。
【0053】
好ましくは、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、第二タイミングアドバンス、及び、前記第三時間、の少なくとも一つを含む。
【0054】
好ましくは、前記装置は、ネットワーク機器に第三情報を送信するように構成される第三送信ユニットを更に含み、
前記第三情報は、
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0055】
本出願の実施例において、ネットワーク機器に適用される送信装置であって、
端末に第一情報又は第三時間を送信するように構成される第一送信ユニットを含み、
前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである送信装置が提供されている。
【0056】
好ましくは、前記第一送信ユニットは、前記端末に、前記第三時間が含まれるTCI状態変換シグナリングを送信するか、又は、
前記端末に、前記第三時間が含まれるタイミングアドバンス命令を送信するように構成される。
【0057】
好ましくは、前記第三時間が、ビーム変換による時間差を含む。
【0058】
好ましくは、前記装置は、前記端末からの第三情報を受信するように構成される第三受信ユニットを更に含み、
前記第三情報は
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0059】
好ましくは、前記第一情報は、SSB情報を含み、
前記SSB情報は、
SSBインデックスと、
SSBペアリング情報と、
SSBグループ情報と、
SSBグループペアリング情報との少なくとも一つを含む。
【0060】
好ましくは、前記第一送信ユニットは、端末に第一指示情報を送信するように構成され、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0061】
好ましくは、前記第一送信ユニットは、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを、端末に送信するように構成される。
【0062】
好ましくは、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0063】
好ましくは、前記第三受信ユニットは、前記端末からの第二情報を受信するように構成され、前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0064】
本出願の実施例において、プロセッサ及び、プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリを含む通信機器が提供されており、
ここで、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、端末側により実行されるいずれか一項の前記方法のステップを実行するように構成され、又は、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、別の端末側により実行されるいずれか一項の前記方法のステップを実行ように構成され、又は、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、ネットワーク機器側により実行されるいずれか一項の前記方法のステップを実行ように構成さる。
【0065】
本出願の実施例において、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体が更に提供されており、前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、端末側により実行されるいずれか一項の前記方法のステップを実現し、又は、
前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、別の端末側により実行されるいずれか一項の前記方法のステップを実現し、又は、
前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、ネットワーク機器側により実行されるいずれか一項の前記方法のステップを実現する。
【発明の効果】
【0066】
本出願の実施例に係る送信方法、装置、通信機器、及び記憶媒体において、前記方法は、第一情報を取得することを含み、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である。このようにして、端末は、受信された第一情報に基づき、送信タイミングを決定できるようになる。
【0067】
本出願の実施例に係る送信方法、装置、通信機器、及び記憶媒体において、前記方法は、ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することを含み、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。このようにして、端末は、直接、受信された第三情報に基づき、送信タイミングを決定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図3】HST-DPSモードの応用を示す模式図である。
【
図4】本出願の実施例に係る送信方法のフローチャートである。
【
図5】本出願の実施例に係るSSB切り替えの模式図である。
【
図6】本出願の実施例に係る別の送信方法のフローチャートである。
【
図7】本出願の実施例に係る更なる送信方法のフローチャートである。
【
図8】本出願の実施例に係る送信装置の構造模式図である。
【
図9】本出願の実施例に係る別の送信装置の構造模式図である。
【
図10】本出願の実施例に係る更なる送信装置の構造模式図である。
【
図11】本出願の実施例に係る通信機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
実施例に合わせて本出願についての更なる詳細を説明する前に、まず関連技術について説明する。
【0070】
上述の通り、コード間干渉を避け、無線通信の異なる端末から基地局に到達する時間がいずれもCP内に収まるように確保するために、UEはデータパケットを、相応の時間だけ予め送信する必要がある。下りタイミングに基づいて、UEは通常、(NTA+NTA_offset)*Tcだけ予め上りデータを送信する。ここで、Tcは第五世代移動通信技術(5G,5th Generation Mobile Communication Technology)の基本時間単位であり、Tc=1/(480*10^3*4096)、約0.5×10^(-3)usであり、NTA_offsetは上りと下りの変換時間であり、その値が展開方式/共存シナリオに関連したものであり、「*」は掛け算を表し、NTAはタイミングアドバンス(TA、Timing Advance)の調整値であり、NTAはTA指令(command)に関連したものであり、プリアンブル(preamble)送信時には、NTA=0となり、UEの上り伝送の実際のタイミングは、下りタイミング及びタイミングアドバンスに依存する。
【0071】
ランダムアクセスプロセスのランダムアクセス応答(RAR,Random Access Response)にはTA指令が付帯され、TA指令にはTAインデックス値(TA)が付帯され。この時、上りの時間の必要な実際の調整値NTA=TA*16Ts= TA*16*64Tcとなる。接続状態では、端末はMAC CEからTA指令を取得する。UEは前回のTA調整値(NTA,oldとして)と新規受信したTA指令(TA)に基づいて、最新のTA調整値(NTA,new)を計算する。計算式は以下の通りである。
【0072】
NTA,new=NTA,old+(TA-31)×16Ts=NTA,old+(TA-31)×16×64Tc=NTA,old+(TA-31)×(16*64/2^u)
ここで、uはサブキャリア間隔(SCS)に関連したものであり、SCSが15KHzの場合、u=0、SCSが30KHzの場合、u=1、SCSが60KHzの場合、u=2、SCSが120KHzの場合、u=3、SCSが240KHzの場合、u=4となる。Tsは4Gの基本時間単位であり、Ts=1/(15*10^3)*2048、約32.55×10^(-9)sである。
【0073】
伝送経路の変化、水晶発振器のずれ、移動によるドップラー周波数シフトなどの影響で、UEは上りタイミングのタイミングアドバンスを継続的に更新する必要がある。新しいTA指令を受信するまで、UEは前回のTA指令に基づいて上り伝送タイミングを自動調整し、実際の伝送タイミング(下りタイミング1-(N
TA1+N
TA_offset)*Tc)の理想伝送タイミング(下りタイミング2-(N
TA1+N
TA_offset)*Tc))に対いての誤差が一定の精度要求Teを満たすように確保する。UEが自動上りタイミング調整を行う際、時間調整の最大幅度がTqを超えないような、標準に規定された調整規則を満たす必要がある。Te及びTqの具体的な要件は、
図1及び
図2を参照されたい。
【0074】
上述の既存技術によると、UEの上り伝送の実際のタイミングは下りタイミング及びタイミングアドバンスに依存する。いくつかの特定のシナリオにおいて、下りタイミングの急変が発生することで、上述のUEの自動上りタイミング調整が実際のニーズを満たせない恐があり、例えば、高速鉄道のシナリオにおいて、特に2~24.25GHzから52.6GHz(FR2)の周波数範囲を利用する動的ポイント選択(DPS)モードベースの高速鉄道では、実際の展開ニーズに基づいて、上述のUEの自動上りタイミング調整が実際のニーズをほとんど満たせず、齎された上りタイミングの不正確さが基地局の上り復調に影響を与え、システム性能を低下させてしまう。
【0075】
高速鉄道(HST、High Speed Train)のHST-DPSモードは、複数のセルのリモートラジオヘッド(RRH)が同一のセルIDを共有しているが、各時点で一つのRRHのみが端末にデータを送信する方式を指す。具体的には、
図3に示されるように、RRH#0~3が同一のセルIDを共有しているものの、各時点で一つのRRHのみが端末にデータを送信する。端末が移動するにつれて、伝送設定指示(TCI、Transmission Configuration Indicator)の変換を通じてRRH#0からRRH#1への変換が行われる。
【0076】
上述の通り、RRH#0からRRH#1への変換は、端末にとってはビームの変換であるが、元の下りビームの方向と目標下りビームの方向との大きな伝送遅延差を生じさせ、下りタイミングに変化が生じるため、元のTAが要求を満たせない。例えば、典型的な展開として、基地局間の距離が700mの場合、元の下りビームと目標下りビームが端末に到達するまでの伝送遅延差は最大で2.33usにも達し得、120KHzのSCSを例に取ると、2.33usの伝送遅延差はCP(0.57us)の4倍になる。しかし、UEが自動調整できる最大ステップ幅は2.5×64Tc=8×10^(-4)usのみであり、下り遅延の急変によるタイミングの急変を補うことができず、深刻なシステム問題を引き起こす。ここでは高速鉄道のシナリオを例に挙げて存在している問題を説明しているが、この問題は高速鉄道に限らず、ネットワークの下り送信ビームが変化したり、端末の受信ビームが変化したり、伝送経路が変化したりすることで、大きな端末の受信時間差が発した場合、又は端末の受信タイミングに急変が発生した場合にも、上述の問題が存在する。
【0077】
これに基づき、本出願の実施例に係る方法において、端末が第一情報を取得し、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である。又は、端末がネットワーク機器から送信された第三時間を受信し、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。
【0078】
以下では、本出願について更に詳しく説明する。
【0079】
図4は、本出願の実施例に係る送信方法のフローチャートである。
図4に示されるように、前記送信方法は携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、デジタル放送受信機、個人デジタルアシスタント(PDA)、タブレットPC(PAD)、携帯型マルチメディアプレイヤー(PMP)、ウェアラブル機器(例えば、スマートバンド、スマートウォッチなど)、ナビゲーション装置などの端末に適用され、前記方法は、ステップ401を含む。
【0080】
ステップ401、第一情報を取得することを含み、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である。
【0081】
ここで、前記送信タイミングは、上りタイミング(UL timing)としても記述されてもよい。
【0082】
実際の応用において、送信タイミングはプロトコルによって予めに定義されてもよければ、ネットワーク側から端末に通知されてもよい。
【0083】
これに基づき、いくつかの実施例において、第一情報を取得することは、
端末が、プロトコルによって予め定義されたものに従って、送信タイミングを決定することと、
ネットワーク情報(又はシグナリング)を受信し、前記ネットワーク情報(又はシグナリング)に基づいて送信タイミングを決定することと、の少なくとも一つを含み、ここで、前記ネットワーク情報(又はシグナリング)は、前記送信タイミングを付帯するか、又はそれを含む。
【0084】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、同期信号ブロック(SSB,Synchronization Signal and PBCH block)情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信された疑似コロケーションQCLがSSB情報におけるSSBである場合、前記方法は、
前記端末が、前記送信タイミングの調整に第一調整を適用することを更に含む。
【0085】
ここでは、前記受信されたビームは、ネットワーク機器から送信された情報のビームを指し、前記受信されたQCLは、ネットワーク機器から送信された情報のQCLを指す。前記ネットワーク機器から送信された情報は、送信タイミングに関連した情報、又は、送信タイミング決定用の情報であってもよい。
【0086】
ここで、受信されたビームが、SSB情報におけるSSBであることは、物理下り共有チャネル(PDSCH、Physical Downlink Shared Channel)、物理下り制御チャネル(PDCCH、Physical Downlink Control Channel))、参照信号(例えば、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS、channel state information reference signal)、定位参照信号(PRS、Positioning reference signal))と、SSB情報に示されているSSBとはQCL関係にあることを指す。該QCL関係は、TCI状態(state)によって指示され得る。
【0087】
ここでは、大きなタイミング誤差の(又は大きな1ステップでの調整が必要な)場合は、或るいくつかのSSB(例えば特定のSSB6から別の特定のSSB7への切り替え)でのみ発生し、例えば、SSB6からSSB7への切り替え、又は、SSB4からSSB5への切り替えは、いずれも、大きな時間誤差を引き起こさないため、第一調整を行わなくてもよい。しかし、SSB5からSSB6への切り替えの場合には、大きな時間誤差が存在するため、第一調整が必要になる。したがって、SSBの指示という方式によって端末に対し、第一調整をいつ行うかを暗黙的に通知してもよい。つまり、SSB情報は、第一調整を行うべきSSBを指示し、端末は、受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSであると決定した場合、又は受信されたQCLが、前記SSB情報におけるSSBであると決定した場合に、前記送信タイミングの調整に第一調整を適用する。
【0088】
上述の案は、高速鉄道や飛行機など、ルートが比較的固定されているシナリオに適用される。
【0089】
いくつかの実施例において、前記SSB情報は、
SSBインデックス、SSBペアリング情報、SSBグループ情報、SSBグループペアリング情報の少なくとも一つを含む。
【0090】
SSBインデックスには、例えば、ビーム切り替えの目標SSBビーム、又は、セル切り替えの目標SSBビームである目標SSBビームが含まれる。SSBインデックスには、一つ又は複数のSSBインデックスが含まれてもよい。目標SSBビームが、該SSB情報中で指示されているSSBインデックスに該当する場合、端末は第一調整を適用する。
【0091】
SSBペアリング情報には、SSBペアリングインデックス、及び/又は、SSBペアリングを構成するSSBインデックス、及び/又はSSBペアリングとSSBインデックスのマッピング/対応関係が含まれる。SSBペアリング情報には複数対のSSBペアリングの情報が含まれてもよい。ビーム切り替えの元ビームインデックスと目標ビームインデックスがSSBペアリング情報に該当する場合、端末は第一調整を適用する。
【0092】
SSBグループ情報にはSSBグループインデックス、及び/又はSSBグループ内のSSBインデックスが含まれる。SSBグループ情報には複数のSSBグループの情報が含まれてもよい。グループ内のSSBに対して、端末は第一調整を適用する。
【0093】
SSBグループペアリング情報にはSSBグループペアインデックス、及び/又はSSBグルーペアリングを構成するSSBグループインデックス、及び/又はSSBグループペアリングとSSBグループインデックスのマッピング/対応関係が含まれる。前記SSBグループペアリング情報には複数対のSSBグループペアリングの情報が含まれてもよい。ビーム切り替えの元ビームインデックスと目標ビームインデックスが、ペアになっている二つのSSBグループにそれぞれ該当する場合(つまり、ペアになっている二つのSSBグループ間でビーム切り替えが発生する場合)、端末は第一調整を適用する。
【0094】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、SSB情報を含み、受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合記端末の前記送信タイミングは第二時間を含む。
【0095】
ここでは、前記受信されたビームは、ネットワーク機器から送信された情報のビームを指し、前記受信されたQCLは、ネットワーク機器から送信された情報のQCLを指す。前記ネットワーク機器から送信された情報は、送信タイミングに関連した情報、又は、送信タイミング決定用の情報であってもよい。
【0096】
前記第二時間は、調整されるべきタイミング誤差(即ち、第一調整によって調整される時間誤差)を表す。
【0097】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、第一閾値を含み、第一時間が、第一閾値以上である場合、端末が、送信タイミングの調整に第一調整を適用する。
【0098】
ここでは、前記第一時間は、時間差を表す。
【0099】
即ち、端末は、時間差が予め設定された第一閾値を超えると決定した場合、大きなタイミング誤差が存在する(又は大きな1ステップでの調整が必要である)とみなして、端末は送信タイミングの調整に第一調整を適用することができ、これにより、上り伝送性能を確保する。
【0100】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、第一閾値を含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記端末の送信タイミングは、第二時間を含む。
【0101】
ここでは、前記第一時間は時間差を表し、前記第二時間は、調整されるべきタイミング誤差を表す(又は、第一調整によって調整される時間誤差とも理解され得る)。
【0102】
即ち、端末は、時間差が予め設定された第一閾値を超えると決定した場合、大きなタイミング誤差が存在する(又は大きな1ステップでの調整が必要である)とみなして、端末は、送信タイミングの調整に第一調整を適用して、調整後に確定される送信タイミングには、第二時間が含まれる。
【0103】
ここで、前記第一閾値は、ネットワーク機器が、第一シグナリングを通じて端末に指示するものであるか、又はプロトコルによって予め定義されたものである。
【0104】
前記第一閾値は、サブキャリア間隔に関連したものである。
【0105】
いくつかの実施例において、前記第二時間は、
端末のT1時点の受信タイミングとT2時点の受信タイミングの時間差が含まれる受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含み、
ここで、受信時間は、下りタイミング(DL timing)としても記述されてもよい。
【0106】
前記送信タイミング誤差には、参照タイミングに対する誤差が含まれる。
【0107】
前記参照タイミングは、理想的な値として理解でき、具体的には、端末の下りタイミングとタイミングアドバンス命令(Timing Advance command)には付帯されるタイミングアドバンスが、いずれも、誤差のない場合での、その両方の合計である。しかし実際には、端末による下りタイミングの推定に誤差が生じる可能性があるほか、伝送経路の変化、温度、水晶発振器のずれなどの影響が、タイミングアドバンスの変化を引き起こすため、これら二つの値が完璧な状態に達することができない。したがって、ここでの送信タイミング誤差には参照タイミングに対する誤差が含まれる必要がある。
【0108】
なお、第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間の差を2倍にする理由は、上りタイミングの調整が下りタイミングを参照にして行われるため、上りと下りの往復時間差を考慮する必要があるからである。
【0109】
いくつかの実施例において、前記第一時間は、
端末のT1時点の受信タイミングとT2時点の受信タイミングの時間差が含まれる受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
参照タイミングに対する誤差が含まれる送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0110】
ここで、前記受信時間差には、端末のT1時点の受信タイミングとT2時点の受信タイミングの時間差が含まれる。
【0111】
前記送信タイミング誤差には、参照タイミングに対する誤差が含まれる。
【0112】
いくつかの実施例において、前記受信時間差は、
端末の受信ビームの変化による受信時間差、
ネットワークの送信ビームの変化による受信時間差、及び、
伝送経路の変化による受信時間差、の少なくとも一つを含む。
【0113】
ここで、端末の受信ビームの変化による受信時間差には、ビーム時間差。例えば、受信ビームが受信ビームiから受信ビームjに変更された場合、前記端末の受信ビームの変化による受信時間差には、ビームiの受信時間とビームjの受信時間との時間差が含まれる。
【0114】
伝送経路の変化による受信時間差には、伝送経路の変化による、端末の受信時間の差(又は、端末の受信タイミングの差)が含まれる。
【0115】
伝送経路の変化による受信時間差には、伝送経路の変化による、端末の受信時間の差(又は、端末の受信タイミングの差)が含まれる。
【0116】
いくつかの実施例において、前記第一調整は、端末が一回の調整で送信タイミングの調整を行うことを含む。
【0117】
なお、関連技術では送信タイミングの調整が、複数回の微調整(複数回の小ステップ調整)で上りタイミングの調整が行われるものである。しかし、送信タイミングの誤差が大きい場合、既存技術では、誤差をタイムリーに調整することができず、システム性能の低下を招いている。本出願の実施例に係る第一調整は、端末が一回の調整でタイミング誤差の調整を完了することを指し、該一回の調整のステップを大きくして、大きな誤差に対してタイムリーに調整するニーズを満たすことが可能である。該大きなステップによる一回の調整が完了した後、もし残余の誤差があれば、引き続き既存技術の複数回の微調整方法を使用して調整を行うことができる。
【0118】
大きなステップによる一回の調整(又は1ステップ調整、即ち第一調整とも記述されてもよい)を行うかどうかについては、調整されるべき時間差の大きさに基づいて決定され得る(例えば、上述の第一時間のような場合)。調整されるべき時間差が大きい場合(例えば、第一時間が第一閾値以上の場合)、端末は第一調整(即ち、一回調整)に基づいて送信タイミングの調整を行う。調整されるべき時間差が小さい場合(例えば、第一時間が第一閾値以下の場合)、端末は既存技術に基づいて送信タイミングの調整を行う。
【0119】
いくつかの実施例において、第一調整後の送信タイミングは、
タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二時間の少なくとも一つを含む。
【0120】
具体的に、端末が1ステップの調整を行った後、送信タイミングは、[NTA+NTA_offset)*Tc+2×受信時間差]だけ予め上りデータを送信することであってもよい。更に、新しい下りタイミングを基準としてもよい。
【0121】
ここで、NTAは、前記タイミングアドバンスを示し、NTA_offsetは、前記上りと下りの変換時間、Tcは5Gの基本時間単位であり、約0.5×10^(-3)usである。
【0122】
前記第二時間は、2×受信時間差である。
【0123】
前記第二時間は、上述のように、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つであってもよい。
【0124】
実際の応用において、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するための明示的な方式が提供されてもよい。
【0125】
これに基づき、いくつかの実施例において、前記方法は、
ネットワーク機器から送信された第一指示情報を受信することを更に含み、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0126】
このように、ネットワーク機器が、端末が第一調整を開始するかどうかを第一指示情報で明確に知らせることができる。
【0127】
実際の応用において、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するための暗黙的な方式が提供されてもよい。
【0128】
これに基づき、いくつかの実施例において、前記方法は、
ネットワーク機器から送信された、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを受信することを更に含む。
【0129】
具体的には、高速鉄道シナリオでの第二指示情報には、FR2の高速鉄道シナリオ、FR1の高速鉄道シナリオが含まれる。上述の高速鉄道シナリオに関する説明の通り、高速鉄道シナリオの展開方式により、経路の変化に起因した端末の受信時間の急な変動により、上りタイミングの問題が生じる。ここでは、第一調整を開始することを端末に指示するための暗黙的な方式が提供される。具体的には、端末が現在高速鉄道シナリオにあるという第二指示情報を受信した場合、送信タイミングに問題が発生する可能性があると予測できるため、第一調整を開始することになれる。
【0130】
更に、高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報には、具体的な高速鉄道の展開モードも含まれてもよい。これには、HST動的ポイント選択(HST-DPS、HST-Dynamic Point Selection)、HST単一周波数ネットワーク(HST-SFN、HST-Single Frequency network)、一方向受信(uni-directional、異なるRRHの送信方向が同じ)、双方向受信(bi-directional、隣接するRRHの送信方向が反対、又は対向通信方式として記述され得る)が含まれる。異なる展開モードによって送信タイミングに与える影響が異なるため、端末は現在所在している展開モードに基づいて、第一調整を開始するかどうかを判断することができる。選択的に、各展開モードについて、第一調整を開始できるかどうかを更にネットワーク情報により指示する。又は、暗黙的な方式を採用して、どの展開モードについて、第一調整を開始できるかをプロトコルによって予め定義された場合、端末が現在所在している展開モードを知った後、第一調整を開始するかどうかを決定できるようになる。
【0131】
前記TCI変換情報には、異なるRRH間でのTCI変換を行うための情報が含まれる。該シナリオにおいて、経路の変化によって端末の受信時間に急な変動が発生して、上りタイミングの問題を引き起こすこともある。TCI変換情報に基づいて、暗黙的な方式により、第一調整を開始することを端末に指示することも実現できる。即ち、端末が該TCI変換情報を受信した場合、送信タイミングに問題が発生する可能性があると予測できるため、第一調整を開始することができるようになる。
【0132】
前記ネットワークユニットには、RRH、伝送と受信ポイント(TRP、Transmission and Reception Point)が含まれる。前記二つのネットワークユニット間に第一調整を開始するかどうかを示す第三指示情報は、端末が二つのネットワークユニットの中間位置にある場合に第一調整の開始をを許可するかどうかを指示するために用いられる。このように、第三指示情報を通じて、暗黙的な方式により、第一調整を開始することを端末に指示することも実現できる。ここでは、主に高速鉄道のシナリオを例とすると考慮して、端末が二つのRRHの中間位置にある場合、タイミングの問題が最も深刻になるため、該位置でのみ端末に第一調整の開始を許可し、その他の地理的位置では第一調整を開始してはいけない。更に、ネットワークはシグナリングを通じて端末が二つのRRHの中間位置にあるかどうかを指示することができる。更に、端末もドップラー周波数のずれなどを利用して自らが二つのRRHの中間位置にあるかどうかを自主的に判断することもできる。
【0133】
いくつかの実施例において、前記方法は、
ネットワーク機器に第二情報を送信することを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0134】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0135】
具体的には、既存技術で使用されるタイミングアドバンス命令(Timing Advance Command)に付帯されるタイミングアドバンスのインデックス範囲は0~3846である。本出願の実施例において、ビーム変換などによる受信時間差の急変を考慮し、既存技術で提供されるタイミングアドバンスが要求を満たせないため、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示する方法を提供する。具体的には、タイミングアドバンス命令に付帯されるタイミングアドバンスのインデックス範囲を拡張し、応用のニーズを満たすようにする。即ち、タイミングアドバンス指示情報が指示するタイミングアドバンスのインデックス範囲は0~3846を超えてもよい。
【0136】
更に、端末への追加的な影響を考慮して、ネットワーク機器は、タイミングアドバンス指示情報を通じて端末に対して、ネットワーク機器が使用しているのが既存技術のタイミングアドバンスのインデックス範囲(即ち0~3846)であるか、それとも範囲が拡張されたタイミングアドバンスのインデックス範囲(即ち0~3846を超えた範囲)であるかを指示することができ、これにより端末が異なるアルゴリズムを採用することが可能になる。
【0137】
いくつかの実施例において、前記第一情報を取得することは、
ネットワーク機器からのSSB情報を受信することと、
ネットワーク機器からのタイミングアドバンス指示情報を受信することと、
ネットワーク機器からの第一閾値を受信することと、の少なくとも一つを含む。
【0138】
いくつかの実施例において、前記第一情報を取得することは、第一時間を決定することを含む。
【0139】
即ち、受信時間差と、第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差と、送信タイミング誤差との少なくとも一つを決定する。
【0140】
上述の第一情報は、具体的には端末がネットワーク機器とのインタラクション情報(タイムスタンプを付帯)に基づき、決定されるものである。ここでは詳細な説明は省略する。
【0141】
図6は、本出願の実施例に係る別の送信方法のフローチャートである。
図6に示されるように、前記方法は携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、デジタル放送受信器、個人デジタルアシスタント(PDA)、タブレットPC(PAD)、携帯型マルチメディアプレイヤー(PMP)、ウェアラブル機器(例えば、スマートバンド、スマートウォッチなど)、ナビゲーションデバイスなどの端末に適用され、前記方法は、ステップ601を含む。
【0142】
ステップ601、ネットワーク機器から送信された第三時間を受信し、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。
【0143】
いくつかの実施例において、前記第三時間は、ビーム変換による時間差を含む。
【0144】
ここでは、ビーム変換による時間差は、
ネットワーク機器の送信ビームの切り替え又は変化による端末の受信時間差、及び/又は、端末の受信ビームの切り替え又は変化による端末の受信時間差を含む。
【0145】
いくつかの実施例において、前記ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することは、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、伝送設定指示(TCI)状態変換シグナリングを受信すること、
又は、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、タイミングアドバンス命令(Timing Advance Command)を受信すること、を含む。
【0146】
いくつかの実施例において、前記方法は、
閾値情報を取得することを更に含み、前記端末の受信時間差が前記閾値情報の第i閾値を満たした場合に、前記第三時間の値は前記第i閾値に対応する第j値となる。
【0147】
ここでは、前記閾値情報には、少なくとも一つの閾値と、前記閾値の各々に対応する第三時間の値、例えば、第i個目の閾値と、第i個目の閾値に対応する第j個目の値と、が含まれる。
【0148】
前記閾値情報は、ネットワーク機器がネットワークシグナリングを通じて端末に送信してもよい。
【0149】
端末が閾値情報を取得した後、端末の受信時間差が閾値情報の第i閾値を満たした場合、第三時間の値は第j値となる。応用時、ネットワーク機器は、ネットワークシグナリングを通じて送信タイミングに関連する第三時間の候補値を予め端末に送信しておいて、端末は実際の受信時間差に基づいて、対応する第三時間の値を選択する。
【0150】
例えば、受信時間差が第一閾値より大きく第二閾値より小さい場合に、第三時間は第一値となる。
受信時間差が第二閾値より大きく第三閾値より小さい場合に、第三時間は第二値となる。
受信時間差が第一閾値より大きく第二閾値より小さい場合に、第三時間は第一値となる。
受信時間差が第N-1閾値より大きく第N閾値より小さい場合に、第三時間は第N-1値となる。
受信時間差が第N閾値より大きい場合に、第三時間は第N値となる。
【0151】
いくつかの実施例において、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二タイミングアドバンス、の少なくとも一つを含む。
【0152】
ここで、前記第二タイミングアドバンスには第三時間が含まれる。即ち、受信時間差による影響、及び/又は移動、温度、水晶発振器などによる影響が含まれる(これは既存技術において考慮されるタイミングアドバンスの影響要因である)。
【0153】
応用時、端末は上りデータを[(NTA+NTA_offset)*Tc]だけ予め送信してもよい。ここで、NTA_offsetは上りと下りの変換時間を示し、Tcは約0.5×10^(-3)usであり、NTA=第一タイミングアドバンス+(第二タイミングアドバンス-31)×16Ts=第一タイミングアドバンス+(第二タイミングアドバンス-31)×16×64Tc。
【0154】
ここでは、前記第二タイミングアドバンスはネットワーク機器から配信され得(例えば、ネットワーク機器がTCI状態変換シグナリング、又はTiming Advance Commandを通じて配信する場合)、第二タイミングアドバンスの値には第三時間による影響が含まれる。即ち、ネットワーク機器は暗示的な方式で端末に第三時間を通知する。したがって、端末は送信タイミングを行う際に、直接第二タイミングアドバンスを使用してよい。
【0155】
いくつかの実施例において、前記端末の前記送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、第二タイミングアドバンス、及び、第三時間、の少なくとも一つを含む。
【0156】
該実施例において、ネットワーク機器は端末に、潜在的なビーム調整による端末の受信時間差を通知する。ネットワーク機器は明示的な方式で端末に第三時間を通知する。
【0157】
第一タイミングアドバンスは、以前のTiming Advance Commandによって取得され、前記第二タイミングアドバンスは現在のTiming Advance Commandによって取得される。
【0158】
応用時、端末は上りデータを[(NTA+NTA_offset)*Tc]だけ予め送信してもよい。
【0159】
ここで、NTA=第一タイミングアドバンス+(第二タイミングアドバンス+第三時間-31)×16Ts=第一タイミングアドバンス+(第二タイミングアドバンス量+第三時間-31)×16×64Tc。
【0160】
NTA_offsetは上りと下りの変換時間を示し、Tcは約0.5×10^(-3)usである。
【0161】
具体的には、端末がネットワーク機器から送信された第三時間(ビーム変換による時間差(又は、少なくとも一つの候補TA値として理解される)を含む)を取得した後、決定された受信時間差、閾値情報に基づいて第三時間に対応するTA値を決定し、該TA値に基づいて、上り送信タイミングを調整する。新しい下りタイミングを基準にして、上りデータを[(NTA+NTA_offset)*Tc]だけ予め送信する。
【0162】
ここで、NTA=NTA,old+(TA_ビーム変化-31)×16Ts=NTA,old+(TA_ビーム変化-31)×16×64Tc。
【0163】
前記NTA,oldは以前採用されたTA値(即ち、第一タイミングアドバンス)を指し、TA_ビーム変化はビームの変化によるTA値であり、第二タイミングアドバンス+第三時間を含む。
【0164】
いくつかの実施例において、前記方法は、
ネットワーク機器に第一情報を送信することを更に含み、
前記第一情報は、
TCI状態(state)スイッチ(switch)に付帯されるTA情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0165】
図4及び
図6に示される方法は、端末の受信時間差の急変又は受信時間差の大きくなることによって生じる問題を解決することができる。ここで、
図6に示される方法は、ネットワーク側の下り送信ビームのみが変化するシナリオ(例えば高速鉄道や航空のシナリオなど、ビームの切り替えが大まかに理解されているシナリオであって、第三時間が分かることができる場合)に適する。一方、端末の受信ビームに変化が発生するシナリオでは、ネットワーク側に関連情報がないため、
図4で説明される方法がより適する。応用時、実際の状況に応じて選択してよく、ここでは具体的な限定はされない。
【0166】
本出願の実施例に係る方法に適用される端末は、
端末が1ステップでの調整による上りタイミング調整をサポートする能力と、
端末がTCI状態(state)スイッチ(switch)に付帯されるTA情報の受信をサポートする能力と、
端末が受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートする能力と、の少なくとも一つを備える。
【0167】
図7は、本出願の実施例に係る更なる送信方法のフローチャートである。
図7に示されるように、前記方法はネットワーク機器、例えば基地局に適用される。基地局はGSM又はCDMAにおける基地局(Base Transceiver Station、略称「BTS」)であったり、WCDMA(登録商標)における基地局(NodeB、略称「NB」)であったり、LTEにおける進化型基地局(Evolutional Node B、略称「eNB又はe-NodeB」)であったりしてもよい。本出願では限定されないが、説明の便宜上、以下の実施例ではeNBを例に説明する。前記方法は、ステップ701を含む。
【0168】
ステップ701、端末に第一情報又は第三時間を送信し、前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである。
【0169】
いくつかの実施例において、前記端末に第三時間を送信することは、
前記端末に、前記第三時間が含まれるTCI状態変換シグナリングを送信すること、又は、
前記端末に、前記第三時間が含まれるタイミングアドバンス命令を送信すること、を含む。
【0170】
いくつかの実施例において、前記第三時間は、ビーム変換による時間差を含む。
【0171】
いくつかの実施例において、前記方法は、
前記端末からの第三情報を受信することを更に含み、
前記第三情報は
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0172】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、SSB情報を含み、
前記SSB情報は、
SSBインデックスと、
SSBペアリング情報と、
SSBグループ情報と、
SSBグループペアリング情報との少なくとも一つを含む。
【0173】
実際の応用において、ネットワーク機器が、第一調整を開始するかどうかを端末に明示的な方式で指示してもよい。
【0174】
これに基づき、いくつかの実施例において、前記方法は、
端末に第一指示情報を送信することを更に含み、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0175】
実際の応用において、ネットワーク機器が、第一調整を開始するかどうかを端末に暗黙的な方式で指示してもよい。
【0176】
これに基づき、いくつかの実施例において、前記方法は、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを、端末に送信することを更に含む。
【0177】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0178】
いくつかの実施例において、前記方法は、
端末からの第二情報を受信することを更に含んでもよく、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0179】
図8は、本出願の実施例に係る送信装置の構造模式図である。
図8に示されるように、端末に適用される前記送信装置は、
第一情報を取得するように構成される第一取得ユニットを含み、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である。
【0180】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、SSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合、前記装置は、端末が前記送信タイミングの調整に第一調整を適用するように構成される第一調整ユニットを更に含む。
【0181】
いくつかの実施例において、前記SSB情報は、
SSBインデックス、SSBペアリング情報、SSBグループ情報、SSBグループペアリング情報の少なくとも一つを含む。
【0182】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、SSB情報を含み、
受信されたビームが、前記SSB情報におけるSSBであるか、又は、受信されたQCLが前記SSB情報におけるSSBである場合、前記端末の前記送信タイミングは第二時間を含み、
前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0183】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、第一閾値を含み、第一時間が、第一閾値以上である場合、前記第一調整ユニットは、
前記送信タイミングの調整に第一調整を適用するように構成され、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0184】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、第一閾値を含み、
第一時間が、第一閾値以上である場合、前記端末の前記送信タイミングは、第二時間を含み、
ここで、前記第二時間は、
受信時間差、
受信時間差の2倍、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差の2倍、
送信タイミング誤差の2倍、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含み、
前記第一時間は、
受信時間差、
第一調整前の受信時間と第一調整後の受信時間との差、及び、
送信タイミング誤差、の少なくとも一つを含む。
【0185】
いくつかの実施例において、前記受信時間差は、
端末の受信ビームの変化による受信時間差、
ネットワークの送信ビームの変化による受信時間差、及び、
伝送経路の変化による受信時間差、の少なくとも一つを含む。
【0186】
いくつかの実施例において、前記第一調整は、
端末が一回の調整で送信タイミングの調整を行うことを含む。
【0187】
いくつかの実施例において、第一調整後の送信タイミングは、
タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二時間の少なくとも一つを含む。
【0188】
いくつかの実施例において、前記第二受信ユニットは、ネットワーク機器から送信された第一指示情報を受信するように構成され、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0189】
いくつかの実施例において、前記第二受信ユニットは、
ネットワーク機器から送信された、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを受信するように構成される。
【0190】
いくつかの実施例において、前記装置は、
ネットワーク機器に第二情報を送信するように構成される第二送信ユニットを更に含み、
前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0191】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0192】
なお、上述の実施例に係る送信装置が、対応する送信方法を実行することは、上述の各プログラムモジュールの区分のみにより、例示的に説明されたが、実際の応用においては、ニーズに応じて上述の処理を異なるプログラムモジュールに割り当てて、それを行わせることができる。即ち、端末の内部構造を異なるプログラムモジュールに分けて、上述の全て又は一部の処理を完了させる。また、上述の実施例に係る装置と、対応する方法の実施例は同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0193】
図9は、本出願の実施例に係る別の送信装置の構造模式図である。
図9に示されるように、端末に適用される前記装置は、
ネットワーク機器から送信された第三時間を受信するように構成される第一受信ユニットを含み、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。
【0194】
いくつかの実施例において、前記第三時間が、ビーム変換による時間差を含む。
【0195】
いくつかの実施例において、前記第一受信ユニットは、ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、TCI状態変換シグナリングを受信するか、
又は、
ネットワーク機器から送信された、前記第三時間が含まれる、タイミングアドバンス命令を受信するように構成される。
【0196】
いくつかの実施例において、前記装置は、閾値情報を取得するように構成される第二取得ユニットを更に含み、前記端末の受信時間差が前記閾値情報の第i閾値を満たした場合に、前記第三時間の値は前記第i閾値に対応する第j値となる。
【0197】
いくつかの実施例において、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、及び、第二タイミングアドバンス、の少なくとも一つを含み、
前記第二タイミングアドバンスは、前記第三時間を含む。
【0198】
いくつかの実施例において、前記端末の送信タイミングは、
第一タイミングアドバンス、上りと下りの変換時間、第二タイミングアドバンス、及び、前記第三時間、の少なくとも一つを含む。
【0199】
いくつかの実施例において、前記装置は、ネットワーク機器に第三情報を送信するように構成される第三送信ユニットを更に含み、
前記第三情報は、
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0200】
なお、上述の実施例に係る送信装置が、対応する送信方法を実行することは、上述の各プログラムモジュールの区分のみにより、例示的に説明されたが、実際の応用においては、ニーズに応じて上述の処理を異なるプログラムモジュールに割り当てて、それを行わせることができる。即ち、端末の内部構造を異なるプログラムモジュールに分けて、上述の全て又は一部の処理を完了させる。また、上述の実施例に係る装置と、対応する方法の実施例は同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0201】
図10は、本出願の実施例に係る更なる送信装置の構造模式図である。
図10に示されるように、ネットワーク機器に適用される前記装置は、
端末に第一情報又は第三時間を送信するように構成される第一送信ユニットを含み、
前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである。
【0202】
いくつかの実施例において、前記第一送信ユニットは、
前記端末に、前記第三時間が含まれるTCI状態変換シグナリングを送信するか、又は、
前記端末に、前記第三時間が含まれるタイミングアドバンス命令を送信するように構成される。
【0203】
いくつかの実施例において、前記第三時間が、ビーム変換による時間差を含む。
【0204】
いくつかの実施例において、前記装置は、
前記端末からの第三情報を受信するように構成される第三受信ユニットを更に含み、
前記第三情報は
TCI状態スイッチに付帯されるタイミングアドバンス(TA)情報の受信をサポートするかどうかの情報と、
受信時間の急変による上りタイミングの変化への調整をサポートするかどうかの情報と、の少なくとも一つを含む。
【0205】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、SSB情報を含み、
前記SSB情報は、
SSBインデックスと、
SSBペアリング情報と、
SSBグループ情報と、
SSBグループペアリング情報との少なくとも一つを含む。
【0206】
いくつかの実施例において、前記第一送信ユニットは、端末に第一指示情報を送信するように構成され、前記第一指示情報は、第一調整を開始するかどうかを端末に指示するためのものである。
【0207】
いくつかの実施例において、前記第一送信ユニットは、
高速鉄道シナリオにあるかどうかの第二指示情報と、
TCI変換情報と、
二つのネットワークユニット間で第一調整を開始するかどうかの第三指示情報と、の少なくとも一つを、端末に送信するように構成される。
【0208】
いくつかの実施例において、前記第一情報は、タイミングアドバンス指示情報を更に含み、前記タイミングアドバンス指示情報は、タイミングアドバンスのインデックス範囲を指示するためのものである。
【0209】
いくつかの実施例において、前記第三受信ユニットは、前記端末からの第二情報を受信するように構成され、前記第二情報は、
第一調整を行ったかどうかの第四指示情報と、
予め設定された時間帯内に第一調整を実行した回数と、
第一調整を実行した時間のタイムスタンプ情報と、の少なくとも一つを含む。
【0210】
なお、上述の実施例に係る送信装置が、対応する送信方法を実行することは、上述の各プログラムモジュールの区分のみにより、例示的に説明されたが、実際の応用においては、ニーズに応じて上述の処理を異なるプログラムモジュールに割り当てて、それを行わせることができる。即ち、ネットワーク機器の内部構造を異なるプログラムモジュールに分けて、上述の全て又は一部の処理を完了させる。また、上述の実施例に係る装置と、対応する方法の実施例は同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0211】
図11は、本出願の実施例に係る通信機器の構造模式図である。
図11に示されるように、通信機器110は、プロセッサ1101及び、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリ1102を含む。
【0212】
端末に適用される通信機器に対応して、前記プロセッサ1101は、前記コンピュータプログラムを実行する際に、第一情報を取得することを実行するように構成され、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である。具体的に、前記端末は、
図4に示される方法を実行でき、
図4に示される方法実施例とは、同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0213】
端末に適用される通信機器に対応して、前記プロセッサ1101は、前記コンピュータプログラムを実行する際に、ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することを実行するように構成され、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。具体的に、前記端末は、
図6に示される方法を実行でき、
図6に示される方法実施例とは、同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0214】
ネットワーク機器に適用される通信機器に対応して、前記プロセッサ1101は、前記コンピュータプログラムを実行する際に、端末に第一情報又は第三時間を送信することを実行するように構成され、前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである。具体的に、前記ネットワーク機器は、
図7に示される方法を実行でき、
図7に示される方法実施例とは、同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0215】
実際の応用において、前記通信機器110には、少なくとも一つのネットワークインターフェース1103が含まれてもよい。前記通信機器110内の各部品はバスシステム1104を通じて互いに結合されている。理解されるように、バスシステム1104はこれらの部品間の接続通信を実現するために使用され得る。バスシステム1104にはデータバスの他に電力バス、制御バス、及び状態信号バスが含まれるが、説明の便宜上、
図11において、各々のバスを全てバスシステム1104として表示している。ここで、プロセッサ1101の個数は、少なくとも一つであってもよい。ネットワークインターフェース1103は、通信機器110が他の機器と、有線又は無線で通信するために使用される。
【0216】
本出願の実施例のメモリ1102は、通信装置110の操作を支援するために様々な種類のデータを記憶するために使用される。
【0217】
本出願の実施例により開示された方法は、プロセッサ1101内で適用され得るか、あるいはプロセッサ1101によって実現され得る。プロセッサ1101は集積回路チップであり、信号処理能力を有する。実現過程で、上記方法の各ステップはプロセッサ1101内のハードウェアの集積ロジック回路又はソフトウェア形式の命令によって完了することができる。上述のプロセッサ1101は、汎用プロセッサ、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP、DiGital Signal Processor)、その他のプログラマブルなロジックデバイス、離散ゲートやトランジスタロジックデバイス、離散ハードウェア部品などであってもよい。プロセッサ1101は、本出願の実施例により開示されている各方法、ステップ、及びロジック図を実行又は実現することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサやその他の一般的なプロセッサなどであってもよい。本実施例により開示されている方法のステップは、ハードウェアデコードプロセッサのみで実行されるか、又はデコードプロセッサ内のハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行することが可能である。ソフトウェアモジュールは記憶媒体に位置し得、該記憶媒体はメモリ1102に位置し、プロセッサ1101はメモリ1102から情報を読み取り、そのハードウェアに合わせて前述の方法のステップを完了する。
【0218】
例示的な実施例において、通信機器110は、前述した方法を実行するように、一つ又は複数のアプリケーション専用集積回路(ASIC,Application Specific Integrated Circuit)、DSP、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、複雑プログラマブルなロジックデバイス(CPLD、Complex Programmable Logic Device)、フィルドプログラマブルなゲートアレイ(FPGA、Field-Programmable Gate Array)、汎用プロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラユニット(MCU,Micro Controller Unit)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、その他の電子部品によって実現され得る。
【0219】
本出願の実施例において、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体が更に提供されている。
【0220】
端末に適用されるコンピュータプログラムに対応して、前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、第一情報を取得することを実行し、前記第一情報は、送信タイミングに関連した情報である。具体的に、前記端末は、
図4に示される方法を実行でき、
図4に示される方法実施例とは、同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0221】
端末に適用されるコンピュータプログラムに対応して、前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、ネットワーク機器から送信された第三時間を受信することを実行し、前記端末の送信タイミングは、前記第三時間を含む。具体的に、前記端末は、
図6に示される方法を実行でき、
図6に示される方法実施例とは、同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0222】
ネットワーク機器に適用されるコンピュータプログラムに対応して、前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行される際に、端末に第一情報又は第三時間を送信することを実行し、前記第一情報は、前記端末の送信タイミングに関連した情報であり、前記第三時間は、前記端末の送信タイミングに関連したものである。具体的に、前記ネットワーク機器は、
図7に示される方法を実行でき、
図7に示される方法実施例とは、同一の構想に属し、具体的な実現プロセスについては方法の実施例を詳しく参照してよく、ここでは重複して説明しない。
【0223】
本出願に係るいくつかの実施例において、開示されている装置や方法が他の方式で実現可能であるという点が、理解されるであろう。上述の機器の実施例は、単に示例的なものであり、たとえば、前記ユニットの区分は単なるロジック機能の区別であり、実際の実現においては、異なる区分方式が採用されることもある。例えば、複数のユニット又は部品が、結合されてもよいか、別のシステムに統合されてもよいか、又は、一部の特徴が無視されてもよく、もしくは実行されなくてもよい。また、表示されたり議論された各構成部品間の結合、直接的な結合、又は、通信接続は、いくつかのインタフェース、機器、又はユニットを介した間接的な結合や通信接続であり、電気的、機械的、又はその他の形式であってもよい。
【0224】
上述の分離部品として説明されたユニットは、物理的に分離されているものであってもよく、物理的に分離されているものでなくてもよい。ユニットとして表示された部品は、物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットでなくてもよい。つまり、一箇所に置かれてもよければ、複数のネットワークユニットに配置してもよい。実際のニーズに応じて、これらの一部又はすべてのユニットを選択して本実施例の目的を実現することができる。
【0225】
更に、本出願の各実施例における各機能ユニットは、すべてが一つの処理ユニット内に集積されたり、それぞれ別々に一つのユニットとして存在したり、二つ以上のユニットが一つのユニット内に集積されたりしてもよい。上述の集積されたユニットは、ハードウェアの形式で実現されてもよければ、ハードウェアプラスソフトウェア機能ユニットの形式で実現されてもよい。
【0226】
当業者であれば理解できるように、上述の方法の実施例を実現するためのすべて又は一部のステップは、プログラム命令に関連するハードウェアを通じて実行可能である。前述のプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得、実行時には、上述の方法の実施例を含むステップを実行する。前述の記憶媒体には、ポータブル記憶機器、読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、又は、光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種の媒体が含まれる。
【0227】
又は、本出願の上述の集積されたユニットが、ソフトウェア機能モジュールの形で実現され、独立した製品として販売又は使用される場合も、コンピュータ可読記憶媒体に記憶可能である。このような理解に基づいて、本出願の実施例の技術案は、本質的に又は既存技術への貢献の点で、ソフトウェア製品の形で具現化可能であり、そのコンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶されており、それには一台のコンピュータ機器(パソコン、サーバー、又はネットワーク機器などであってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法の全て又は一部を実行させるための複数の命令が含まれている。前述の記憶媒体には、ポータブル記憶機器、ROM、RAM、磁気ディスク、又は、光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種の媒体が含まれる。
【0228】
なお、「第一」、「第二」などは類似の対象を区別するために使用されるものであり、特定の順序や先後の順番を記述するものではない。
【0229】
また、本出願の実施例に記載の技術案は、互いに矛盾しない限り、任意に組み合わせることができる。
【0230】
以上が本発明の具体的な実施形態について述べたものであるが、本発明の保護範囲はこれに限らず、本発明が開示する技術範囲内で、当業者であれば、容易に考え得る変更又は代替も、本発明の保護範囲に含まれるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、記述された特許請求の範囲を基準として定められるべきである。
【国際調査報告】