(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】ヒト腫瘍壊死因子アルファ抗体
(51)【国際特許分類】
C07K 16/24 20060101AFI20241210BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20241210BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20241210BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20241210BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20241210BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20241210BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20241210BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20241210BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20241210BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20241210BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241210BHJP
A61P 37/00 20060101ALI20241210BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20241210BHJP
【FI】
C07K16/24 ZNA
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N5/10
C12P21/08
A61K39/395 N
A61K48/00
A61P1/04
A61P17/06
A61P19/02
A61P29/00
A61P29/00 101
A61P37/00
A61K47/68
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527667
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 US2022079616
(87)【国際公開番号】W WO2023086871
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,グレイス
(72)【発明者】
【氏名】フェン,イーチン
(72)【発明者】
【氏名】レオン,ドンミエンヌ ドエン ムン
(72)【発明者】
【氏名】ナ,ソンチン
(72)【発明者】
【氏名】ラマムルティ,バラティ
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ジアンホワイ
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA90X
4B065AB01
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4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4C076AA95
4C076CC04
4C076CC07
4C076CC16
4C076CC18
4C076EE41
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4C084ZA661
4C084ZA662
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZA961
4C084ZA962
4C084ZB071
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4C084ZB112
4C084ZB151
4C084ZB152
4C085AA14
4C085BB11
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4C085EE01
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA09
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、ヒトTNFαの可溶性形態及び膜形態に特異的に結合する抗体、そのようなTNFα抗体を含む組成物、並びにそのようなTNFα抗体及び組成物を使用する方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)と、を含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号1を含み、
前記HCDR2が、配列番号2を含み、
前記HCDR3が、配列番号3を含み、
前記LCDR1が、配列番号4を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号6を含む、抗体。
【請求項2】
前記VHが、配列番号7を含み、前記VLが、配列番号8を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記抗体が、重鎖(HC)と、軽鎖(LC)と、を含み、前記HCが、配列番号9を含み、前記LCが、配列番号10を含む、請求項1又は2に記載の抗体。
【請求項4】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号1を含み、
前記HCDR2が、配列番号2を含み、
前記HCDR3が、配列番号13を含み、
前記LCDR1が、配列番号14を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号15を含む、抗体。
【請求項5】
前記VHが、配列番号16を含み、前記VLが、配列番号17を含む、請求項4に記載の抗体。
【請求項6】
前記抗体が、重鎖(HC)と、軽鎖(LC)とを含み、前記HCが、配列番号18を含み、前記LCが、配列番号19を含む、請求項4又は5に記載の抗体。
【請求項7】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号22を含み、
前記HCDR2が、配列番号23を含み、
前記HCDR3が、配列番号13を含み、
前記LCDR1が、配列番号4を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号6を含む、抗体。
【請求項8】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号22を含み、
前記HCDR2が、配列番号23を含み、
前記HCDR3が、配列番号13を含み、
前記LCDR1が、配列番号14を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号15を含む、抗体。
【請求項9】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号22を含み、
前記HCDR2が、配列番号23を含み、
前記HCDR3が、配列番号13を含み、
前記LCDR1が、配列番号14を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号6を含む、抗体。
【請求項10】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号22を含み、
前記HCDR2が、配列番号23を含み、
前記HCDR3が、配列番号13を含み、
前記LCDR1が、配列番号46を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号6を含む、抗体。
【請求項11】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号22を含み、
前記HCDR2が、配列番号23を含み、
前記HCDR3が、配列番号13を含み、
前記LCDR1が、配列番号14を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号47を含む、抗体。
【請求項12】
前記VHが、配列番号24を含み、前記VLが、配列番号8、17、又は27を含む、請求項7~11のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項13】
前記抗体が、重鎖(HC)と、軽鎖(LC)とを含み、前記HCが、配列番号25を含み、前記LCが、配列番号10、19、又は28を含む、請求項7~12のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項14】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号1を含み、
前記HCDR2が、配列番号2を含み、
前記HCDR3が、配列番号30を含み、
前記LCDR1が、配列番号31を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号32を含む、抗体。
【請求項15】
前記VHが、配列番号33を含み、前記VLが、配列番号34を含む、請求項14に記載の抗体。
【請求項16】
前記抗体が、重鎖(HC)と、軽鎖(LC)とを含み、前記HCが、配列番号35を含み、前記LCが、配列番号36を含む、請求項14又は15に記載の抗体。
【請求項17】
重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含む抗体であって、前記HCが、配列番号9、18、25、又は35を含み、前記LCが、配列番号10、19、28、又は36を含む、抗体。
【請求項18】
前記抗体が、軽鎖と、重鎖とを含み、前記重鎖が、
アミノ酸残基124(EU番号付け)におけるシステイン、
アミノ酸残基378(EU番号付け)におけるシステイン、又は
アミノ酸残基124(EU番号付け)におけるシステイン及びアミノ酸残基378(EU番号付け)におけるシステインを含む、請求項1又は2、4又は5、7~12、14又は15のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項19】
前記抗体が、重鎖(HC)と、軽鎖(LC)とを含み、前記HCが、ヒトIgG1アイソタイプである、請求項1又は2、4又は5、7~12、14又は15のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項20】
配列番号9、10、18、19、25、28、35、又は36をコードする配列を含む、核酸。
【請求項21】
請求項20に記載の核酸を含む、ベクター。
【請求項22】
前記ベクターが、配列番号9、18、25、又は35をコードする第1の核酸配列と、配列番号10、19、28、又は36をコードする第2の核酸配列とを含む、請求項21に記載のベクター。
【請求項23】
配列番号9、18、25、又は35をコードする核酸配列を含む第1のベクターと、配列番号10、19、28、又は36をコードする核酸配列を含む第2のベクターとを含む、組成物。
【請求項24】
請求項21又は22に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項25】
前記細胞が、哺乳動物細胞である、請求項24に記載の細胞。
【請求項26】
抗体を生成する方法であって、前記抗体が発現される条件下において、請求項24又は25に記載の細胞を培養し、次いで前記発現された抗体を培養培地から回収することを含む、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法によって生成される、抗体。
【請求項28】
請求項1~19又は27のいずれか一項に記載される抗体を含む抗体薬物コンジュゲート。
【請求項29】
請求項1~19又は27のいずれか一項に記載の抗体と、医薬的に許容される賦形剤、希釈剤、又は担体とを含む、医薬組成物。
【請求項30】
TNFα関連障害の治療を必要とする対象において、TNFα関連障害を治療する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項1~19若しくは27のいずれか一項に記載の抗体又は請求項29に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項31】
前記TNFα関連障害が、慢性自己炎症性免疫障害である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記慢性自己炎症性免疫障害が、リウマチ性関節炎(RA)、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎(PsA)、強直性脊椎炎(AS)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬(PS)、化膿性汗腺炎、ブドウ膜炎、非感染性中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、汎ブドウ膜炎、又はベーチェット病から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記治療有効量の前記抗体を投与されている前記対象が、他の抗TNFα治療薬の前治療を受けており、前記対象が、前記他の抗TNFα治療薬に対する抗薬物抗体を生成している、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記他の抗TNFα治療薬が、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトから選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記抗体が、アダリムマブに対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
療法に使用するための、請求項1~19又は27のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項37】
TNFα関連障害の治療における使用のための、請求項1~19若しくは27のいずれか一項に記載の抗体、又は請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記TNFα関連障害が、慢性自己炎症性免疫障害である、請求項37に記載の使用のための抗体又は医薬組成物。
【請求項39】
前記慢性自己炎症性免疫障害が、リウマチ性関節炎(RA)、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎(PsA)、強直性脊椎炎(AS)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬(PS)、化膿性汗腺炎、ブドウ膜炎、非感染性中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、汎ブドウ膜炎、又はベーチェット病から選択される、請求項38に記載の使用のための抗体又は医薬組成物。
【請求項40】
TNFα関連障害の治療のための薬物の製造における、請求項1~19又は27のいずれか一項に記載の抗体の使用。
【請求項41】
前記TNFα関連障害が、慢性自己炎症性免疫障害である、請求項40に記載の使用。
【請求項42】
前記慢性自己炎症性障害が、リウマチ性関節炎(RA)、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎(PsA)、強直性脊椎炎(AS)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬(PS)、化膿性汗腺炎、ブドウ膜炎、非感染性中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、汎ブドウ膜炎、又はベーチェット病から選択される、請求項41に記載の使用。
【請求項43】
前記抗体が、ヒトTNFαを中和する、請求項1~19又は27のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項44】
前記抗体が、内在化抗体である、請求項1~19又は27のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項45】
前記抗体が、低い免疫原性を有する、請求項1~19又は27のいずれか1項に記載の抗体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表ファイル
本出願は、ST.26XML形式の配列表と共に提出されている。配列表は、2022年9月20日に作成された「X30122_SequenceListing」というタイトルのファイルとして提供され、57キロバイトのサイズである。ST.26XML形式の配列表情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、医学の分野に属する。特に、本開示は、ヒト腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)の可溶性形態及び膜形態に結合する抗体、そのようなTNFα抗体を含む組成物、並びにそのようなTNFα抗体及び組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
慢性自己炎症性免疫障害は、身体がそれ自身の組織に対する免疫応答を生成することから生じる。インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-1(IL-1)、及びインターフェロンガンマ(IFN-γ)などの他のメディエータと共に、Tリンパ球及びBリンパ球などの免疫細胞の過剰かつ長期の活性化、並びに炎症促進性サイトカインTNFαの過剰発現は、自己炎症性免疫応答の病因において中心的な役割を果たす。
【0004】
腫瘍壊死因子アルファ(TNFα、腫瘍壊死因子、TNF、カケクチンとしても知られる)は、活性化マクロファージ、単球、CD4+及びCD8+Tリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、B細胞、好中球、及び内皮細胞によって分泌されることが報告されている多面的ホモ三量体サイトカインである。TNFαは、可溶性形態及び膜形態の両方で発現される(膜結合前駆体形態は、メタロプロテイナーゼTNFα変換酵素(TACE)によって可溶性ホモ三量体にタンパク質分解的に切断され得る)。可溶性TNFα(sTNFα)は、1型受容体(TNFR1、TNFRSF1A、CD120a、及びp55としても知られる)及び2型受容体(TNFR2、TNFRSF1B、CD120b、及びp75としても知られる)を介して様々な生物学的活性を促進する。TNFαは、その受容体、主にTNFR1及びTNFR2に結合し、炎症及び細胞死などの生物学的機能のための分子シグナルを伝達する。TNFRは、sTNFα及び膜貫通TNFα(tmTNFα)の両方によって活性化される。TNFαは、免疫細胞の調節において役割を果たし、慢性炎症、特に急性期炎症反応に関連する。過剰量のTNFαは、種々の慢性自己炎症性免疫障害に関連している。
【0005】
慢性自己炎症性免疫障害を標的とする抗TNFα治療薬は公知であり、承認されているか、又は臨床開発中のいずれかである。このような治療薬としては、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、及びエタネルセプトが挙げられる。(Jang,D-i.,Int.J.Mol.Sci.,2021,22(5):2719)。しかしながら、それらの使用の主な欠点は、抗TNFα治療薬を受けている一部の患者における抗薬物抗体の生成である。このような抗薬物抗体は、TNFαと同時に抗TNFα治療薬に結合する非中和抗体であり得るか、又はそれらは、血清中の抗TNFα治療薬の有効濃度を低下させ、かつ/若しくは抗原結合部位(パラトープ)についてTNFαと競合し、したがって抗TNFα治療薬の作用機序を阻害する中和抗体であり得る。(Schie KA,et al,Annals of the Rheumatic Diseases,2015,74:311-314)。例えば、研究により、抗TNFα薬物抗体の90パーセント超が中和性であり、他の抗TNFα抗体治療薬と交差反応性であり得ることが示されている。(Schie KA,et al,2015)。したがって、場合によっては、抗TNFα治療薬に対する抗薬物抗体を生成している患者は、これらの治療薬に対する臨床応答の低下、及び/又は薬物投与後の最初の日の間若しくはその日のうちの発熱、掻痒、気管支痙攣、若しくは心臓血管虚脱などの症状を特徴とする注入関連の反応などの有害事象を有することが報告されている(Atiqi,S.,Front Immunol.,2020,26(11):312)。したがって、抗薬物抗体応答は、患者に限定された処置選択肢を与え得る。
【0006】
したがって、所望の親和性で可溶性及び膜TNFαを中和し、持続的な作用期間を提供し、慢性自己炎症性免疫障害を治療することができる代替的な抗TNFα治療薬が依然として必要とされている。特に、抗薬物抗体応答を誘発するリスクが低減され、かつ/又は他の抗TNFα抗体治療薬に対する抗薬物抗体に有意に結合しない抗ヒトTNFα抗体が依然として必要とされている。更に、慢性自己炎症性免疫障害を治療することができ、他のTNFα治療薬による治療に対して抗薬物抗体応答を生じた患者における慢性自己炎症性免疫障害を治療することができる抗ヒトTNFα抗体が依然として必要とされている。そのような抗ヒトTNFα抗体はまた、好ましくは、低い免疫原性リスク、並びに/又は開発、製造、及び製剤化を容易にするための良好な物理化学的特性などの良好な開発性プロファイルを有する。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、ヒトTNFαに結合して中和し、TNF受容体媒介性応答(例えば、NFkB活性化、サイトカイン生成)を阻害する抗ヒトTNFα抗体を提供する。本開示は、そのような抗ヒトTNFα抗体を含む組成物、並びにそのような抗ヒトTNFα抗体及びその組成物を使用する方法を更に提供する。特に、本開示は、望ましい結合親和性を有し、可溶性及び膜ヒトTNFαに結合して中和し、膜TNFαへの結合時に内在化し、及び/又は他の抗TNFα治療薬に対する抗薬物抗体への結合が低いか又は全くなく、抗TNFα治療薬、例えばアダリムマブによる以前の治療に対して抗薬物抗体を発達させた慢性自己炎症性免疫障害を有する患者の治療における使用の可能性を有する抗ヒトTNFα抗体を提供する。このような慢性自己炎症性免疫障害としては、リウマチ性関節炎(RA)、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎(PsA)、強直性脊椎炎(AS)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎(UC)、尋常性乾癬(PS)、化膿性汗腺炎(HS)、ブドウ膜炎、非感染性中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎若しくは汎ブドウ膜炎、又はベーチェット病が挙げられる。本明細書に開示された抗ヒトTNFα抗体はまた、好ましくは、低い免疫原性リスク、並びに/又は開発、製造、及び製剤化を容易にするための良好な物理化学的特性(例えば、粘度、凝集、安定性)などの良好な開発性プロファイルを更に提示する。したがって、本明細書で提供される抗ヒトTNFα抗体は、以下の特性のうちの1つ以上を有する。1)所望の結合親和性を有するヒトTNFαに結合する、2)所望の結合親和性を有するアカゲザルサル及び/又はイヌTNFαに結合する、3)TNFR媒介シグナル伝達を阻害する(例えば、NFkB)、4)インビボでサイトカイン生成を阻害する(例えば、CXCL1)、5)他の抗TNFα治療薬、例えば、アダリムマブに対する抗薬物抗体への結合が低いか又は全くない、6)膜TNFαに結合した場合に内在化する、7)免疫原性リスクが低い、並びに/又は8)開発、製造、及び製剤化を容易にするために許容される粘度及び/若しくは凝集プロファイルを有するなどの良好な開発性プロファイルを有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab6が、アダリムマブで過免疫されたカニクイザルにおいて形成されたアダリムマブに対する抗薬物抗体への結合か低いか、又は結合しないことを示す。
【
図2】例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab6が、アダリムマブで治療されたヒト患者において形成されたアダリムマブに対する抗薬物抗体への結合か低いか、又は結合しないことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒトTNFαに結合し、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)と、を含む抗体を提供し、VHは重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、VLは軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、HCDR1は配列番号1を含み、HCDR2は配列番号2を含み、HCDR3は配列番号3を含み、LCDR1は配列番号4を含み、LCDR2は配列番号5を含み、LCDR3は配列番号6を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号7を含むVHと、配列番号8を含むVLと、を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号9を含む重鎖(HC)と、配列番号10を含む軽鎖(LC)と、を含む。
【0010】
一部の実施形態では、本開示は、ヒトTNFαに結合する抗体を提供し、抗体は、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)と、を含み、VHは、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、VLは、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
a.HCDR1が、配列番号22を含み、
HCDR2が、配列番号23を含み、
HCDR3が、配列番号13を含み、
LCDR1が、配列番号4、14、又は46を含み、
LCDR2が、配列番号5を含み、
LCDR3が、配列番号6を含み、
b.HCDR1が、配列番号22を含み、
HCDR2が、配列番号23を含み、
HCDR3が、配列番号13を含み、
LCDR1が、配列番号14を含み、
LCDR2が、配列番号5を含み、
LCDR3が、配列番号15又は47を含み、
c.HCDR1が、配列番号1を含み、
HCDR2が、配列番号2を含み、
HCDR3が、配列番号30を含み、
LCDR1が、配列番号31を含み、
LCDR2が、配列番号5を含み、
LCDR3が、配列番号32を含み、又は
d.HCDR1が、配列番号1を含み、
HCDR2が、配列番号2を含み、
HCDR3が、配列番号13を含み、
LCDR1が、配列番号14を含み、
LCDR2が、配列番号5を含み、
LCDR3が、配列番号15を含む。
【0011】
一部の実施形態では、本開示は、ヒトTNFαに結合する抗体を提供し、抗体は、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)と、を含み、VHは、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、VLは、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1は、配列番号1を含み、HCDR2は、配列番号2を含み、HCDR3は、配列番号13を含み、LCDR1は、配列番号14を含み、LCDR2は、配列番号5を含み、LCDR3は、配列番号15を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号16を含むVHと、配列番号17を含むVLと、を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号18を含むHCと、配列番号19を含むLCと、を含む。
【0012】
一部の実施形態では、本開示は、ヒトTNFαに結合する抗体を提供し、抗体は、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)と、を含み、VHは、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、VLは、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1は、配列番号22を含み、HCDR2は、配列番号23を含み、HCDR3は、配列番号13を含み、LCDR1は、配列番号4を含み、LCDR2は、配列番号5を含み、LCDR3は、配列番号6を含む。一部の実施形態では、ヒトTNFα抗体は、配列番号24を含むVH及び配列番号8を含むVLを含む。一部の実施形態では、ヒトTNFαに結合する抗体は、配列番号25を含む重鎖(HC)と、配列番号10を含む軽鎖(LC)と、を含む。
【0013】
一部の実施形態では、本開示は、ヒトTNFαに結合する抗体を提供し、抗体は、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)と、を含み、VHは、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、VLは、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1は、配列番号22を含み、HCDR2は、配列番号23を含み、HCDR3は、配列番号13を含み、LCDR1は、配列番号14を含み、LCDR2は、配列番号5を含み、LCDR3は、配列番号15を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号24を含むVHと、配列番号17を含むVLと、を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号25を含む重鎖(HC)と、配列番号19を含む軽鎖(LC)と、を含む。
【0014】
一部の実施形態では、本開示は、ヒトTNFαに結合する抗体を提供し、抗体は、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)と、を含み、VHは、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、VLは、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1は、配列番号22を含み、HCDR2は、配列番号23を含み、HCDR3は、配列番号13を含み、LCDR1は、配列番号14を含み、LCDR2は、配列番号5を含み、LCDR3は、配列番号6を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号24を含むVHと、配列番号27を含むVLと、を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号25を含む重鎖(HC)と、配列番号28を含む軽鎖(LC)と、を含む。
【0015】
一部の実施形態では、本開示は、ヒトTNFαに結合する抗体を提供し、抗体は、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)と、を含み、VHは、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、VLは、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1は、配列番号22を含み、HCDR2は、配列番号23を含み、HCDR3は、配列番号13を含み、LCDR1は、配列番号46を含み、LCDR2は、配列番号5を含み、LCDR3は、配列番号6を含む。一部の実施形態では、配列番号46は、アミノ酸残基QASQGIXaa7NYLNを含み、配列番号46のXaa7は、セリン又はアルギニンである。一部の実施形態では、抗体は、配列番号24を含むVHと、配列番号8を含むVLと、を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号24を含むVHと、配列番号27を含むVLと、を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号25を含む重鎖(HC)と、配列番号10を含む軽鎖(LC)と、を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号25を含む重鎖(HC)と、配列番号28を含む軽鎖(LC)と、を含む。
【0016】
一部の実施形態では、本開示は、ヒトTNFαに結合する抗体を提供し、抗体は、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)と、を含み、VHは、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、VLは、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1は、配列番号22を含み、HCDR2は、配列番号23を含み、HCDR3は、配列番号13を含み、LCDR1は、配列番号14を含み、LCDR2は、配列番号5を含み、LCDR3は、配列番号47を含む。一部の実施形態では、配列番号47は、アミノ酸残基QQYDXaa5LPLTを含み、配列番号47のXaa5は、アスパラギン又はリジンである。一部の実施形態では、抗体は、配列番号24を含むVHと、配列番号17を含むVLと、を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号24を含むVHと、配列番号27を含むVLと、を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号25を含む重鎖(HC)と、配列番号19を含む軽鎖(LC)と、を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号25を含む重鎖(HC)と、配列番号28を含む軽鎖(LC)と、を含む。
【0017】
一部の実施形態では、本開示は、ヒトTNFαに結合する抗体を提供し、抗体は、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)と、を含み、VHは、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、VLは、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1は、配列番号1を含み、HCDR2は、配列番号2を含み、HCDR3は、配列番号30を含み、LCDR1は、配列番号31を含み、LCDR2は、配列番号5を含み、LCDR3は、配列番号32を含む。一部の実施形態では、抗体は、配列番号33を含むVHと、配列番号34を含むVLと、を含む。一部の実施形態では、ヒトTNFαに結合する抗体は、配列番号35を含む重鎖(HC)と、配列番号36を含む軽鎖(LC)と、を含む。
【0018】
本開示の一部の実施形態では、抗ヒトTNFα抗体は、完全ヒト抗体である。本開示の一部の実施形態では、抗ヒトTNFα抗体は、ヒトIgG1アイソタイプを有する。
【0019】
本開示の一部の実施形態では、抗ヒトTNFα抗体は、修飾ヒトIgG1を有する。一部の実施形態では、修飾は、重鎖可変領域(VH)にある。一部の実施形態では、修飾は、軽鎖可変領域(VL)にある。一部の実施形態では、修飾は、VH及びVLにある。更なる実施形態では、修飾ヒトIgG1 VH及び/又はVLは、本開示の抗ヒトTNFα抗体に、望ましい粘度プロファイル及び/又は免疫原性リスクプロファイルを提供する。
【0020】
本開示の更なる実施形態では、抗ヒトTNFα抗体は、抗体コンジュゲート化合物(バイオコンジュゲートとも称される)の生成において使用するための操作されたシステイン残基を含む修飾ヒトIgG1定常ドメインを有する(国際公開第2018/232088(A1)号を参照されたい)。より詳細には、本開示のそのような実施形態では、抗ヒトTNFα抗体は、アミノ酸残基124(EU番号付け)にシステイン、又はアミノ酸残基378(EU番号付け)にシステイン、又はアミノ酸残基124(EU番号付け)にシステイン及びアミノ酸残基378(EU番号付け)にシステインを含む。本明細書に開示される抗ヒトTNFα抗体を含む抗体薬物コンジュゲートも本明細書に提供される。
【0021】
本開示の一部の実施形態では、抗ヒトTNFα抗体は、可溶性及び膜TNFαに結合し、ヒトTNF受容体(TNFR)へのTNFαの結合を阻害する。本開示の一部の実施形態では、抗ヒトTNFα抗体は、可溶性及び膜ヒトTNFαに結合し、ヒトTNFαのヒトTNF受容体への結合を阻害し、TNFR媒介性応答を阻害する。一部の実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、ヒトTNFαのヒトTNFRへの結合を阻害し、したがって、ヒトTNFR活性化、NFkBリン酸化、サイトカイン生成、並びに/又は可溶性及び膜TNFα誘導性細胞死滅などのTNFR媒介性応答を阻害する。一部の実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、ヒトTNFαに結合し、TNFR発現細胞上のTNFR媒介性NFkBリン酸化及びシグナル伝達を約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約100%阻害する。更なる実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、ヒトTNFαに結合し、TNFα誘導性サイトカイン生成(例えば、CXCL1)を約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約100%阻害する。また更なる実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、ヒトTNFαに結合し、TNFα誘導性サイトカイン生成(例えば、CXCL1)を約45%~約95%阻害する。更なる実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、可溶性ヒトTNFαに結合し、TNFα誘導性細胞死滅を約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約100%阻害する。更に他の実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、膜TNFαに結合し、膜TNFα誘導性細胞死滅を約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約100%阻害する。
【0022】
一部の実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、膜ヒトTNFαに結合し、膜TNFα発現細胞に内在化される。そのような実施形態では、本開示の抗体は、膜ヒトTNFαに結合し、膜TNFα発現細胞に約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約100%内在化される。
【0023】
一部の実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、他の抗TNFα治療薬(例えば、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプト)に対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。特定の実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブに対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。そのような実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、本明細書で定義されるような他の抗TNFα治療薬(例えば、アダリムマブ)による前治療に対する抗薬物抗体を生成している患者を治療するために使用し得る。更なる実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、他の抗TNFα治療薬による前治療からそのような他の抗TNFα治療薬に対する抗薬物抗体を生成しており、ひいては他の抗TNFα治療薬に対する臨床応答又は有害反応が低下している患者を治療するために使用し得る。そのような実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、それらが他の抗TNFα治療薬に対する抗薬物抗体に対して結合が低いか、結合しないように、十分に異なるアミノ酸配列及び核酸配列を有する。特定の実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、それが他の抗TNFα治療薬に対する抗薬物抗体に対して結合が低いか、結合しないように、十分に異なるCDRアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、他の抗TNFα治療薬は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトである。
【0024】
一部の実施形態では、本開示は、ヒトTNFαに結合する新規の抗体のHC若しくはLC、又はVH若しくはVLをコードする核酸、又はそのような核酸を含むベクターを提供する。
【0025】
一部の実施形態では、本開示は、配列番号11、12、20、21、26、29、37、又は38の配列を含む核酸を提供する。
【0026】
一部の実施形態では、ヒトTNFαに結合する抗体の重鎖又は軽鎖をコードする核酸が提供される。一部の実施形態では、配列番号9、10、18、19、25、28、35、又は36をコードする配列を含む核酸が提供される。一部の実施形態では、配列番号9、18、25、又は35を含む抗体重鎖をコードする配列を含む核酸が提供される。例えば、核酸は、配列番号11、20、26、又は37から選択される配列を含むことができる。一部の実施形態では、配列番号10、19、28、又は36を含む抗体軽鎖をコードする配列を含む核酸が提供される。例えば、核酸は、配列番号12、21、又は29、又は38から選択される配列を含むことができる。
【0027】
本開示の一部の実施形態では、ヒトTNFαに結合する抗体のVH又はVLをコードする核酸が提供される。一部の実施形態では、配列番号7、8、16、17、24、27、33、又は34をコードする配列を含む核酸が提供される。一部の実施形態では、配列番号7、16、24、又は33を含む抗体VHをコードする配列を含む核酸が提供される。一部の実施形態では、配列番号8、17、27、又は34を含む抗体VLをコードする配列を含む核酸が提供される。
【0028】
本開示のいくつかの実施形態において、抗体重鎖又は軽鎖をコードする核酸配列を含むベクターが提供される。例えば、そのようなベクターは、配列番号9、18、25、又は35をコードする核酸配列を含むことができる。一部の実施形態では、ベクターは、配列番号10、19、28、又は36をコードする核酸配列を含む。
【0029】
本明細書では、抗体VH又はVLをコードする核酸配列を含むベクターも提供される。例えば、そのようなベクターは、配列番号7、16、24、又は33をコードする核酸配列を含むことができる。一部の実施形態では、ベクターは、配列番号8、17、27、又は34をコードする核酸配列を含む。
【0030】
抗体重鎖をコードする第1の核酸配列と、抗体軽鎖をコードする第2の核酸配列と、を含むベクターも本明細書に提供される。一部の実施形態では、ベクターは、配列番号9、18、25、又は35をコードする第1の核酸配列と、配列番号10、19、28又は36をコードする第2の核酸配列と、を含む。
【0031】
一部の実施形態では、ベクターは、配列番号9をコードする第1の核酸配列と、配列番号10をコードする第2の核酸配列と、を含む。一部の実施形態では、ベクターは、配列番号18をコードする第1の核酸配列と、配列番号19をコードする第2の核酸配列と、を含む。一部の実施形態では、ベクターは、配列番号25をコードする第1の核酸配列と、配列番号10をコードする第2の核酸配列と、を含む。一部の実施形態では、ベクターは、配列番号25をコードする第1の核酸配列と、配列番号19をコードする第2の核酸配列と、を含む。一部の実施形態では、ベクターは、配列番号25をコードする第1の核酸配列と、配列番号28をコードする第2の核酸配列と、を含む。一部の実施形態では、ベクターは、配列番号35をコードする第1の核酸配列と、配列番号36をコードする第2の核酸配列と、を含む。
【0032】
また、本明細書では、抗体重鎖をコードする核酸配列を含む第1のベクターと、抗体軽鎖をコードする核酸配列を含む第2のベクターと、を含む組成物も提供される。一部の実施形態では、組成物は、配列番号9、18、25、又は35をコードする核酸配列と、配列番号10、19、28、又は36をコードする第2の核酸配列と、を含む第1のベクターを含む。
【0033】
一部の実施形態では、組成物は、配列番号9をコードする核酸配列を含む第1のベクターと、配列番号10をコードする核酸配列を含む第2のベクターと、を含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号18をコードする核酸配列を含む第1のベクターと、配列番号19をコードする核酸配列を含む第2のベクターと、を含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号25をコードする核酸配列を含む第1のベクターと、配列番号10をコードする核酸配列を含む第2のベクターと、を含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号25をコードする核酸配列を含む第1のベクターと、配列番号19をコードする核酸配列を含む第2のベクターと、を含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号25をコードする核酸配列を含む第1のベクターと、配列番号28をコードする核酸配列を含む第2のベクターと、を含む。一部の実施形態では、組成物は、配列番号35をコードする核酸配列を含む第1のベクターと、配列番号36をコードする核酸配列を含む第2のベクターと、を含む。
【0034】
本開示の核酸は、例えば、核酸が発現制御配列に作動可能に連結された後に、宿主細胞において発現され得る。作動可能に連結された核酸の発現が可能な発現制御配列は、当該技術分野において周知である。発現ベクターは、宿主細胞からのポリペプチドの分泌を促進する1つ以上のシグナルペプチドをコードする配列を含み得る。目的の核酸(例えば、抗体の重鎖又は軽鎖をコードする核酸)を含む発現ベクターは、周知の方法、例えば、安定的又は一過性のトランスフェクション、形質転換、形質導入又は感染によって宿主細胞に移植され得る。追加的に、発現ベクターは、所望の核酸配列で形質転換された宿主細胞の検出を助けるために、例えばテトラサイクリン、ネオマイシン、及びジヒドロ葉酸レダクターゼ等の1つ以上の選択マーカーを含み得る。
【0035】
別の態様において、本明細書に記載の核酸、ベクター、又は核酸組成物を含む細胞、例えば宿主細胞が本明細書に提供される。宿主細胞は、本明細書に記載の抗体の全部又は一部分を発現する1つ以上の発現ベクターで安定的に又は一過性にトランスフェクト、形質転換、形質導入又は感染された細胞であり得る。一部の実施形態では、宿主細胞は、本開示の抗体のHC及びLCポリペプチドを発現する発現ベクターで、安定的に又は一過性にトランスフェクト、形質転換、形質導入又は感染され得る。一部の実施形態では、宿主細胞は、本明細書に記載の抗体のHCポリペプチドを発現する第1のベクター及びLCポリペプチドを発現する第2のベクターで安定的に又は一過性にトランスフェクト、形質転換、形質導入又は感染され得る。そのような宿主細胞、例えば哺乳動物宿主細胞は、本明細書に記載されるようなヒトTNFαに結合する抗体を発現することができる。抗体を発現することができることが知られている哺乳動物宿主細胞には、CHO細胞、HEK293細胞、COS細胞、及びNS0細胞が含まれる。
【0036】
一部の実施形態では、細胞、例えば宿主細胞は、配列番号9、18、25、又は35をコードする第1の核酸配列と、配列番号10、19、28、又は36をコードする第2の核酸配列と、を含む、ベクターを含む。
【0037】
一部の実施形態では、細胞、例えば宿主細胞は、配列番号9、18、25、又は35をコードする核酸配列を含む第1のベクターと、配列番号10、19、28、又は36をコードする核酸配列を含む第2のベクターと、を含む。
【0038】
本開示は、上記の宿主細胞、例えば哺乳動物宿主細胞を、抗体が発現する条件下において培養し、発現した抗体を培養培地から回収することによって、本明細書に記載のヒトTNFαに結合する抗体を生成するための方法を更に提供する。抗体が分泌された培地は、従来の技術によって精製され得る。タンパク質精製の様々な方法が採用され得、そのような方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、Deutscher,Methods in Enzymology 182:83-89(1990)、及びScopes,Protein Purification:Principles and Practice,3rd Edition,Springer,NY(1994)に記載される。
【0039】
本開示は更に、本明細書に記載の方法のいずれかによって生成される抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0040】
別の態様において、本明細書に記載の抗体、核酸、又はベクターを含む医薬組成物が本明細書に提供される。そのような医薬組成物はまた、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤、希釈剤、又は担体を含み得る。医薬組成物は、当技術分野で周知の方法(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd ed.(2012),A.Loyd et al.,Pharmaceutical Press)によって調製することができる。
【0041】
本明細書中に記載されるヒトTNFαに結合する抗体、核酸、ベクター、又は医薬組成物は、TNFα関連障害(例えば、慢性自己炎症性免疫障害、例えば、限定されないが、リウマチ性関節炎(RA)、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎(PsA)、強直性脊椎炎(AS)、クローン病(CD)、潰瘍性結腸炎、尋常性乾癬(PS)、化膿性汗腺炎、ブドウ膜炎、非感染性中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、汎ブドウ膜炎、又はベーチェット病を含む)を治療するために使用され得る。
【0042】
一部の実施形態では、TNFα関連障害、例えば、慢性自己炎症性免疫障害を、それを必要とする対象(例えば、ヒト患者)において、ヒトTNFαに結合する抗体、ヒトTNFαに結合するそのような抗体をコードする核酸、そのような核酸を含むベクター、又は本明細書に記載のヒトTNFαに結合するそのような抗体、核酸若しくはベクターを含む医薬組成物の治療有効量を対象に投与することを含む、治療する方法が本明細書で提供される。本明細書に記載の抗体、核酸、ベクター、又は医薬組成物は、非経口経路(例えば、皮下及び静脈内)によって投与することができる。実施形態では、TNFα関連障害は、慢性自己炎症性免疫障害である。このような慢性自己炎症性免疫障害としては、リウマチ性関節炎(RA)、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎(PsA)、強直性脊椎炎(AS)、クローン病(CD)、潰瘍性結腸炎、尋常性乾癬(PS)、化膿性汗腺炎、ブドウ膜炎、非感染性中間型ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、汎ブドウ膜炎又はベーチェット病が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、治療有効量のヒトTNFαに結合する抗体を投与されている対象は、他の抗TNFα治療薬による前治療を受けており、対象は、他の抗TNFα治療薬に対する抗薬物抗体を生成している。そのような実施形態では、他の抗TNFα治療薬は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトから選択される。また更なる実施形態では、本明細書に開示されるような抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトからなる群から選択される他の抗TNFα治療薬のうちの少なくとも4つ以上に対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。また更なる実施形態では、本明細書に開示されるような抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトからなる群から選択される他の抗TNFα治療薬のうちの少なくとも3つ以上に対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。また更なる実施形態では、本明細書に開示されるような抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトからなる群から選択される他の抗TNFα治療薬のうちの少なくとも2つ以上に対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。更に他の実施形態では、本明細書に開示される抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブに対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。
【0043】
治療における使用のための、本明細書に記載されるヒトTNFαに結合する抗体、核酸、ベクター、又は医薬組成物も本明細書において提供される。更に、本開示はまた、TNFα関連障害、例えば、慢性自己炎症性免疫障害の治療における使用のための、本明細書に記載されるヒトTNFαに結合する抗体、核酸、ベクター、又は医薬組成物を提供する。このような慢性自己炎症性免疫障害としては、リウマチ性関節炎(RA)、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎(PsA)、強直性脊椎炎(AS)、クローン病(CD)、潰瘍性結腸炎、尋常性乾癬(PS)、化膿性汗腺炎、ブドウ膜炎、非感染性中間型ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、汎ブドウ膜炎又はベ及びベーチェット病が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の抗体、核酸、ベクター、又は医薬組成物は、非経口経路(例えば、皮下及び静脈内)によって投与することができる。本開示の一部の実施形態では、治療有効量のヒトTNFαに結合する抗体を投与されている対象は、他の抗TNFα治療薬による前治療を受けており、対象は、他の抗TNFα治療薬に対する抗薬物抗体を生成している。そのような実施形態では、他の抗TNFα治療薬は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトから選択される。また更なる実施形態では、本明細書に開示されるような抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトからなる群から選択される他の抗TNFα治療薬のうちの少なくとも4つ以上に対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。また更なる実施形態では、本明細書に開示されるような抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトからなる群から選択される他の抗TNFα治療薬のうちの少なくとも3つ以上に対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。また更なる実施形態では、本明細書に開示されるような抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトからなる群から選択される他の抗TNFα治療薬のうちの少なくとも2つ以上に対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。更に他の実施形態では、本明細書に開示される抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブに対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。
【0044】
TNFα関連障害、例えば、慢性自己炎症性免疫障害の治療のための薬物の製造における、本明細書に記載されるヒトTNFαに結合する抗体、核酸、ベクター、又は医薬組成物の使用が本明細書において提供される。このような慢性自己炎症性免疫障害としては、リウマチ性関節炎(RA)、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎(PsA)、強直性脊椎炎(AS)、クローン病(CD)、潰瘍性結腸炎、尋常性乾癬(PS)、化膿性汗腺炎、ブドウ膜炎、非感染性中間型ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、汎ブドウ膜炎又はベ及びベーチェット病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
一部の実施形態では、本開示の抗体は、ヒトTNFαに結合し、他の抗TNFα治療薬に対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。そのような実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、ヒトTNFαに結合し、可溶性及び膜ヒトTNFαを中和し、TNF受容体媒介性応答を阻害する。一部の実施形態では、他の抗TNFα治療薬は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトから選択される。一部の実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトからなる他の抗TNFα治療薬の少なくとも4つ以上に対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。他の実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトからなる他の抗TNFα治療薬の少なくとも3つ以上に対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。他の実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はエタネルセプトからなる他の抗TNFα治療薬の少なくとも2つ以上に対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。他の実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、アダリムマブに対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合しない。そのような実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体はIgG1である。更なる実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、ヒトTNFαに結合し、他の抗TNFα治療薬に対する抗薬物抗体への結合が低いか、又は結合せず、抗ヒトTNFα抗体は、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含み、HCは、配列番号9、18、25、又は35を含み、LCは、配列番号10、19、28、又は36を含む。そのような実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、ヒトTNFαを中和し、TNF受容体媒介性応答を阻害する。更なる実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、内在化抗体である。また更なる実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体は、低い免疫原性を有する。
【0046】
本明細書で使用される「TNFα」という用語は、別段の記載がない限り、可溶性及び膜TNFα、並びに細胞内のTNFα前駆体タンパク質のプロセシングから生じる任意の天然の成熟TNFαを指す。この用語は、別段の指示がない限り、イヌ、霊長類(例えば、ヒト及びカニクイザル又はアカゲザル)、及び齧歯類(例えば、マウス及びラット)などの哺乳動物を含む任意の脊椎動物源からのTNFαを含む。この用語には、TNFαの天然に存在するバリアント、例えばスプライスバリアント又は対立遺伝子バリアントも含まれる。ヒトTNFαの一例のアミノ酸配列は、当該技術分野で知られており、例えば、NCBIアクセッション番号NP_000585(配列番号39)である。カニクイザルTNFαの一例のアミノ酸配列も、当該技術分野で知られており、例えば、UniProt参照配列P79337(配列番号45)である。アカゲザルTNFαの一例のアミノ酸配列も、当該技術分野で知られており、例えば、UniProt参照配列P48094(配列番号40)である。イヌTNFα一例のアミノ酸配列も、当該技術分野で知られており、例えば、GenBankアクセッション番号CAA64403(配列番号44)である。ヒト「TNFα」という用語は、全ての既知のヒトTNFαアイソフォーム及び多形形態を集合的に指すために本明細書で使用される。本明細書で使用される配列番号付けは、シグナルペプチドを含まない成熟タンパク質に基づく。
【0047】
本明細書で使用される「TNFR」又は「TNF受容体」という用語は、別段の記載がない限り、任意の天然の成熟TNFR、例えば、TNFR1(p55若しくはp60としても知られる)又はTNFR2(p75若しくはp80としても知られる)を指す。この用語は、別段の指示がない限り、イヌ、霊長類(例えば、ヒト及びカニクイザル又はアカゲザル)、及び齧歯類(例えば、マウス及びラット)などの哺乳動物を含む任意の脊椎動物源からのTNFRを含む。この用語には、TNFRの天然に存在するバリアント、例えばスプライスバリアント又は対立遺伝子バリアントも含まれる。ヒトTNFR1の一例のアミノ酸配列は、当該技術分野で知られており、例えば、GenBankアクセッション番号:AAA61201(配列番号48)である。ヒトTNFR2の一例のアミノ酸配列は、当該技術分野で知られており、例えば、NCBIアクセッション番号:NP_001057(配列番号49)である。「TNFR」という用語は、全ての既知のヒトTNFRアイソフォーム及び多形形態を集合的に指すために本明細書で使用される。
【0048】
本明細書で使用される「TNFα関連障害」という用語は、TNFα誘導性TNFR1及び/又はTNFR2シグナル伝達の調節不全に関連する障害などの、TNFα誘導性TNF受容体媒介シグナル伝達の調節不全に関連する障害を指す。このようなTNFα媒介障害としては、例えば、本明細書中に開示されるような慢性自己炎症性免疫障害が挙げられ得る。
【0049】
本明細書で使用される「抗薬物抗体」又は「anti-drug antibody、ADA」という用語は、哺乳動物に投与された治療薬に対する免疫応答から、哺乳動物において形成された抗体を指す。本開示の一部の実施形態では、治療薬に対して形成された抗薬物抗体は、その治療薬の効果を中和し得、したがって、治療薬の薬物動態(pharmacokinetic、PK)及び/又は薬力学的(pharmacodynamic、PD)特性を変化させ、治療薬の効果に干渉し、並びに/又は有効性を低減し、並びに/又は治療薬に対する臨床応答を低下させる。治療薬に対する抗薬物抗体はまた、患者において有害な免疫反応を導き得、その結果、患者は、その治療薬での更なる治療のための候補でなくなる可能性がある。有害な免疫反応の例としては、これらに限定されないが、薬物投与後1日目の発熱、掻痒、気管支痙攣、又は心臓血管虚脱などの症状を特徴とする注入関連の反応が挙げられる(Atiqi,S.,Front Immunol.,2020,26(11):312)。
【0050】
本明細書で使用される、抗薬物抗体への「結合が低いか、又は結合しない」という用語は、他の抗TNFα治療薬に対する抗薬物抗体への、本開示の抗ヒトTNFα抗体の結合を指し、そのような結合は、結合を測定するために使用されるアッセイのカットオフ点未満であると決定されるか、又はアッセイの所定の変動範囲内である。そのような方法において、カットオフ点は、抗薬物抗体への陽性結合を識別するために使用される所定の閾値である。一部の実施形態では、アッセイの所定の変動性は、アッセイのカットオフ点を約20%未満上回る。そのような実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体の、他の治療薬(例えば、アダリムマブ)に対する抗薬物抗体への結合であって、アッセイのカットオフ点を約20%未満上回る結合は、低結合とみなされる。一部の実施形態では、本開示の抗ヒトTNFα抗体の、他の治療薬(例えば、アダリムマブ)に対する抗薬物抗体への結合であって、アッセイのカットオフ点以下である結合は、結合なしとみなされる。
【0051】
「他の抗TNFα治療薬」という用語は、TNFαに結合し、TNF受容体媒介性応答を阻害する薬剤を指し、本明細書に記載の抗ヒトTNFα抗体を含まない。そのような薬剤は、これらに限定されないが、例えばFc領域又はIgG重鎖定常領域に融合し得る、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、scFv、scFab、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、Fd断片、又は線状抗体などの、抗原と相互作用する能力を保持する抗体の少なくとも一部分を含む、抗体、抗体断片又は抗原結合断片を含む。一部の実施形態では、他の抗TNFα治療薬は、例えば、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、及びセルトリズマブ、及び/又はエタネルセプトであってもよい。
【0052】
本明細書で使用される「抗体」という用語は、抗原に結合する免疫グロブリン分子を指す。抗体の実施形態には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、二重特異性若しくは多重特異性抗体、又はコンジュゲート抗体が含まれる。抗体は、任意のクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA)、及び任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)であってもよい。本開示の実施形態はまた、抗体断片又は抗原結合断片を含み、「抗体断片又は抗原結合断片」という用語は、例えばFc領域又はIgG重鎖定常領域に融合してもよい、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、scFv、scFab、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、Fd断片及び線状抗体などの、抗原と相互作用する能力を保持する抗体の少なくとも一部分を含む。
【0053】
例示的な抗体は、4つのポリペプチド鎖:鎖間ジスルフィド結合を介して架橋される2つの重鎖(HC)及び2つの軽鎖(LC)から構成された免疫グロブリンG(immunoglobulin G、IgG)型抗体である。4つのポリペプチド鎖の各々のアミノ末端部分は、抗原認識に主に関与する約100~125個以上のアミノ酸の可変領域を含む。4つのポリペプチド鎖の各々のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に主に関与する定常領域を含有する。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)及び重鎖定常領域から構成される。重鎖定常領域は、抗体重鎖のFc領域及びCH1ドメインを含む、抗体の領域を指す。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域から構成される。IgGアイソタイプは、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4)に更に分割され得る。定常領域中のアミノ酸残基の番号付けは、KabatにおけるようなEUインデックスに基づく。Kabat et al,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th edition,Bethesda,MD:U.S.Dept.of Health and Human Services,Public Health Service,National Institutes of Health(1991).EUインデックス番号付け又はEU番号付けという用語は、本明細書では交換可能に使用される。
【0054】
VH及びVL領域は、フレームワーク領域(framework region、FR)と呼ばれる、より保存されている領域が散在する、相補性決定領域(complementarity determining region、CDR)と呼ばれる、超可変領域に更に細分され得る。CDRはタンパク質の表面上に露出しており、抗原結合特異性のための抗体の重要な領域である。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRから構成されており、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序でアミノ末端からカルボキシ末端へと配置される。本明細書では、重鎖の3つのCDRを「HCDR1、HCDR2、及びHCDR3」と称し、軽鎖の3つのCDRを「LCDR1、LCDR2、及びLCDR3」と称する。CDRは、抗原との特異的相互作用を形成する残基の大部分を含有する。アミノ酸残基のCDRへの割り当ては、Kabat(Kabat et al.,「Sequences of Proteins of Immunological Interest,」National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))、Chothia(Chothia et al.,「Canonical structures for the hypervariable regions of immunoglobulins」,Journal of Molecular Biology,196,901-917(1987)、Al-Lazikani et al.,「Standard conformations for the canonical structures of immunoglobulins」,Journal of Molecular Biology,273,927-948(1997))、North(North et al.,「A New Clustering of Antibody CDR Loop Conformations」,Journal of Molecular Biology,406,228-256(2011))、又はIMGT(the international ImMunoGeneTics database、www.imgt.orgで利用可能、Lefranc et al.,Nucleic Acids Res.1999;27:209-212)に記載されるものを含む、周知のスキームに従って行うことができる。IMGTとNorth CDR定義との組み合わせを、本明細書に記載されるような例示的な抗ヒトTNFα抗体に使用した。
【0055】
本明細書で使用される「Fc領域」という用語は、抗体重鎖のCH2及びCH3ドメインを含む抗体の領域を指す。任意選択で、Fc領域は、抗体重鎖のヒンジ領域の一部分又はヒンジ領域全体を含み得る。エフェクター機能などの生物活性は、抗体のアイソタイプによって異なるFc領域に起因する。抗体エフェクター機能の例としては、Fc受容体結合、抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞介在性食作用(ADCP)、C1q結合、補体依存性細胞傷害性(CDC)、食作用、細胞表面受容体の下方制御(例えばB細胞受容体)、及びB細胞の活性化が挙げられる。及びB細胞活性化が挙げられる。
【0056】
本明細書で使用される「エピトープ」という用語は、抗体によって結合される抗原のアミノ酸残基を指す。エピトープは、直鎖状エピトープ、立体構造エピトープ、又はハイブリッドエピトープであり得る。「エピトープ」という用語は、構造的エピトープに関して使用され得る。構造的エピトープは、一部の実施形態によれば、抗体によってカバーされる抗原の領域(例えば、抗原に結合したときの抗体のフットプリント)を説明するために使用され得る。一部の実施形態では、構造的エピトープは、抗体のアミノ酸残基の特定の近接内(例えば、特定のオングストローム数内)にある抗原のアミノ酸残基を説明し得る。「エピトープ」という用語はまた、機能的エピトープに関して使用され得る。機能的エピトープは、一部の実施形態によれば、抗原と抗体との間の結合エネルギーに寄与する様式で抗体のアミノ酸残基と相互作用する抗原のアミノ酸残基を説明するために使用され得る。エピトープは、「エピトープマッピング技術」とも呼ばれる異なる実験技術に従って決定することができる。エピトープの決定は、使用される異なるエピトープマッピング技術に基づいて変動し得、例えば、特定の実験条件によって誘導される抗原の立体構造変化又は切断に起因して、使用される異なる実験条件によっても変動し得ることが理解される。エピトープマッピング技術は、当該技術分野において公知であり(例えば、Rockberg and Nilvebrant,Epitope Mapping Protocols:Methods in Molecular Biology,Humana Press,3rd ed.2018;Holst et al.,Molecular Pharmacology 1998,53(1):166-175)、例えば、X線結晶学、核磁気共鳴(NMR)分光法、部位特異的突然変異誘発、種交換突然変異誘発、アラニン走査突然変異誘発、立体障害突然変異誘発、水素-重水素交換(HDX)、及び交差ブロッキングアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
本明細書で使用される「結合する」という用語は、別段の定めがない限り、化学結合又は別のタンパク質若しくは分子との引力相互作用を形成するタンパク質又は分子の能力を意味することを意図しており、当該分野において既知である一般的な方法によって決定されるように、2つのタンパク質又は分子の近接をもたらす。
【0058】
本明細書で使用される「核酸」という用語は、天然ヌクレオチド、改変ヌクレオチド、及び/又はヌクレオチドの類似体を組み込んだDNA、cDNA、並びにRNA分子などの一本鎖及び/又は二本鎖ヌクレオチド含有分子を含むヌクレオチドのポリマーを指す。本開示のポリヌクレオチドはまた、例えば、DNA若しくはRNAポリメラーゼ又は合成反応によってその中に組み込まれた基質を含んでもよい。
【0059】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、限定されるものではないが、ヒト、チンパンジー、類人猿、サル、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウサギ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、モルモットなどを含む哺乳動物を指す。好ましくは、対象はヒトである。
【0060】
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、対象の所望の生物学的又は医学的応答、例えば、タンパク質の活性の低下又は阻害を誘発する、あるいは症状を改善する、状態を緩和する、疾患の進行を減速若しくは遅延する、又は疾患などを予防する、タンパク質あるいは核酸あるいはベクターあるいは組成物の量を指す。1つの非限定的な実施形態では、「治療有効量」という用語は、対象に投与されたときに、所望の治療結果を達成するために、状態、又は障害又は疾病を少なくとも部分的に緩和、阻害、予防及び/又は改善するために有効である、タンパク質又は核酸又はベクター又は組成物の必要な量(投与量及び期間及び投与の手段)を指す。タンパク質又は核酸又はベクター又は組成物の治療有効量は、個体の病状、年齢、性別、及び体重、並びに個体における所望の応答を誘発するタンパク質又は核酸又はベクター又は組成物の能力などの因子に応じて変動し得る。治療有効量はまた、本開示のタンパク質又は核酸又はベクター又は組成物の任意の毒性効果又は有害効果よりも治療的に有益な効果が上回る量である。
【0061】
本明細書で使用される「阻害する」という用語は、例えば、生物学的応答又は活性の低下、低下、減速、減少、停止、破壊、排除、拮抗、又は遮断を指すが、必ずしも生物学的反応の完全な排除を示すわけではない。
【0062】
本明細書で使用される場合、「治療」又は「治療すること」は、本明細書に開示の障害又は疾患症状の進行を減速、制御、遅延、又は停止し得る全てのプロセスを指すが、必ずしも全ての障害又は疾患症状の完全な消失を示すわけではない。治療は、患者、特に、ヒトにおける疾患又は状態の治療のためのタンパク質又は核酸又はベクター又は組成物の投与を含む。
【0063】
用語「中和する」は、本明細書で使用される場合、抗体、抗体断片、又は結合分子が、抗原の少なくとも1つの活性又は機能に対抗する、又は不活性化又は無効化させる能力を指す。
【0064】
本明細書で使用される「約」という用語は、10%以内を意味する。
【0065】
本明細書で使用される場合、本開示の文脈で(特に特許請求の範囲の文脈で)使用される「a」、「an」、「the」という用語及び同様の用語は、本明細書で別段の定めがない限り、又は文脈によって明らかに矛盾していない限り、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。
【0066】
図面の簡単な説明
図1は、例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab6が、アダリムマブで過免疫されたカニクイザルにおいて形成されたアダリムマブに対する抗薬物抗体への結合か低いか、又は結合しないことを示す。
図2は、例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab6が、アダリムマブで治療されたヒト患者において形成されたアダリムマブに対する抗薬物抗体への結合か低いか、又は結合しないことを示す。
【実施例】
【0067】
以下の実施例は、特許請求された本発明を説明するために提供され、これを限定するものではない。
【0068】
実施例1:抗ヒトTNFα抗体の生成及び操作
抗体生成:ヒトTNFαに特異的な抗体を生成させるために、ヒト免疫グロブリン可変領域を有するトランスジェニックマウスを、組換えヒトTNFαで免疫化した。ヒトTNFαを用いてスクリーニングを行い、他のTNFα種による交差反応性を試験した。カニクイザルTNFαに交差反応性である抗体をクローニングし、発現させ、標準的な手順によって精製し、TNFα誘導性細胞傷害性アッセイにおいて中和について試験した。抗体を選択し、そのCDR、可変ドメインフレームワーク領域、及びIgGアイソタイプを操作して、結合親和性、並びに安定性、溶解性、粘度、疎水性、及び凝集などの開発性特性を改善した。
【0069】
ヒトTNFαのアミノ酸配列は、配列番号39として提供され、カニクイザルTNFαのアミノ酸配列は、配列番号45として提供される。
【0070】
TNFα抗体は、周知の方法によって合成及び精製することができる。適切な宿主細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)は、2つのベクターが使用される場合、所定のHC:LCベクター比を用いる抗体、又は重鎖及び軽鎖の両方をコードする単一ベクター系を用いる抗体を分泌するための、発現系で一時的に又は安定的にトランスフェクトされることができる。抗体が分泌された清澄化培地は、一般的に使用される技術を用いて精製することができる。
【0071】
粘度を改善するための抗体操作:親TNFα抗体系統は、濃縮時に高い粘度を有することが見出された。粘度は、自己注射器による治療用抗体の送達の実現可能性を評価するための重要な開発性基準である。抗体の変異誘発分析は、免疫原性リスクを増加させることなく、生物物理学的特性を改善することと、望ましい親和性及び効力を保持することとの微妙なバランスをとることを必要とした。親抗体のインシリコモデリングを使用して、6つの相補性決定領域(CDR)からなる表面における電荷不均衡の領域を識別した。変異誘発から生成された抗体をTNFα結合についてスクリーニングし、親mAbと比較して標的結合を保持又は改善し(ELISAによって決定される)、かつ望ましい粘度及び他の開発性特性を有するそれらの抗体を、更なる開発のために選択した。
【0072】
免疫原性のリスクを低下させるための抗体操作:例示的な抗ヒトTNFα抗体を、MHC関連ペプチドプロテオミクス(MHC-associated peptide proteomics、MAPPS)アッセイにおいて更に試験して、免疫原性リスクを決定した。簡潔には、主要組織適合性複合体(major histocompatibility complex、MHC)結合ペプチドを、特異的CDR配列を有する抗体について識別した。免疫原性を低下させる可能性があると識別された変異を有するCDRライブラリを構築し、TNFα結合についてスクリーニングした。抗体をスクリーニング及び選択して、TNFαに対する望ましい結合親和性と、他の望ましい開発性特性を維持することとのバランスをとりながら、低い免疫原性リスクについて操作によって最適化した。
【0073】
表1及び2は、ヒトTNFαへの望ましい結合親和性を保持しながら、低粘度、低免疫原性リスク、及び他の望ましい開発性特性についてバランスをとるために操作された例示的な抗ヒトTNFα抗体配列を示す。
【0074】
【0075】
【0076】
実施例2.例示的な抗ヒトTNFα抗体の結合親和性
結合親和性、方法1:ヒト、アカゲザル、マウス、ラット、ウサギ、及びイヌTNFαタンパクに対する抗体の結合親和性を、antigen-down ELISAフォーマットで試験した。簡単に説明すると、384ウェル高結合プレート(Greiner Bio-one#781061)を、炭酸塩緩衝液pH9.3(0.015MのNa2CO3及び0.035MのNaHCO3)で希釈した1μg/mLのヒトTNFα(Syngene)、2μg/mLのアカゲザルTNFα(R&D Systems、カタログ番号1070-RM)、2μg/mLのマウスTNFα(R&D Systems、カタログ番号410-MT/CF)、又は2μg/mLのラットTNFα(R&D Systems、カタログ番号510-RT-CF)、2μg/mLのウサギTNFα(R&D Systems、カタログ番号5670-TG/CF)、又は2μg/mLのイヌTNFα(R&D Systems、カタログ番号1507-CT/CF)20μL/ウェルでコーティングし、4℃で一晩保存した。翌日、プレートを80μLのカゼイン(Thermo Fisher Pierce、カタログ番号37528)で、室温で1時間ブロッキングし、ブロッキング緩衝液を除去し、CHO細胞で発現させた20μLの滴定精製抗体(20μg/mLでの開始濃度をカゼインで希釈し、3倍に滴定、8ポイントダウン)をプレートに添加した。プレートを37℃で90分間インキュベートし、次いでPBS/0.1%Tween中で3回洗浄した。1:1500希釈の二次抗体試薬ヤギ抗ヒトカッパ-AP(Southern Biotech、カタログ番号2060-04)20μLをプレートに添加し、37℃で45分間インキュベートした。プレートをPBS/0.1%Tween中で3回洗浄し、分子グレードの水で1:35に希釈した20μLのアルカリホスファターゼ基質溶液を各ウェルに添加した。発色したら(約15~30分)、Molecular Device Spectramaxプレートリーダーで、560nM ODでプレートを読み取り、Softmax Pro 4.7ソフトウェアを使用してデータを取得した。データ分析をGraphPad Prismで行った。
【0077】
表3に示されている結果は、例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、及びAb6が、所望の親和性でヒト、アカゲザル、及びイヌTNFαと結合することを示す。
【0078】
【0079】
結合親和性、方法2:MSD Sector S 600機器(Meso Scale Discovery,Rockville,MD)を、MSDプレートを読み取るために使用した。ヒト及びカニクイザルTNFαを、Thermo-Fisherビオチン化キットを使用してビオチン化した。MSDアッセイプレートを以下のように調製した:マルチアレイストレプトアビジンコーティング96ウェルプレート(Meso Scale Discovery、カタログ番号L15SA-1)を、PBS中のビオチン化ヒトTNFα又はビオチン化カニクイザルTNFαのいずれかの1μg/mL溶液40μL/ウェルで、室温(約25℃)で1時間コーティングした。コーティング後、プレートをPBS+0.1%Tween(PBST)中で3回洗浄し、次いで、PBS中の1%ウシ血清アルブミン(BSA)を用いて室温で1時間ブロッキングした。次いで、サンプル溶液を添加する前に、プレートをPBSで3回洗浄した。溶液平衡滴定(SET)試料を1%BSA中で調製した。抗ヒトTNFα抗体Ab1を10pMに希釈し、TNFαを連続希釈して合計12回希釈した。TNFα滴定及び固定抗体溶液を、1:1で合わせて、SET溶液を調製した。SET溶液を、37℃で約72時間インキュベートして、結合を平衡に到達させた。40μlのSET溶液を、調製したMSDプレートの三連の列に移し、室温で2.5分間インキュベートして、プレートを手動で軽くタッピングすることにより撹拌して遊離抗体を捕捉する。インキュベートの後、プレートをPBSTで3回洗浄した。次いで、1%BSA中の40μLの、1μg/mLのSULFO-Tag抗ヒト/NHPカッパ抗体(Meso Discovery Scale、カタログ番号D20TF-6)を全てのウェルに添加した。これを静的に室温で1時間インキュベートした。次いで、プレートをPBSTで3回洗浄し、次いで、150μLのMSD GOLD Read Buffer A(Meso Scale Discovery、カタログ番号R92TG-2)を添加した後、プレートを読み取った。希釈系列を各個々の実験において三連で調製し、3つの独立した反復実験を行った。KDは、MSD-SETデータからXLfitにおける二次反応速度モデルを使用して決定した。複製KD値を、ヒト及びカニクイザルTNFαの両方についてGraphPad Prismに入力して、標準偏差統計を決定した。
【0080】
このアッセイの結果は、例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab1が、8.5±1.6pMのKDでヒトTNFαに結合し、21.2±7.4pMのKDでカニクイザルTNFαに結合することを示す。
【0081】
実施例3:抗ヒトTNFα抗体の機能的活性
膜結合の内在化TNFα抗体:膜発現TNFαへの結合時の例示的な抗ヒトTNFα抗体の内在化を、膜ヒトTNFα(非切断性TNFα)を発現するように安定にトランスフェクトされたCHO細胞株でインビトロで試験した。簡潔には、F(ab’)2断片ヤギ抗ヒトIgG(Jackson#109-006-098)を、製造業者のプロトコルを使用してpHrodo pH感受性色素(Fisher P36014)にコンジュゲートした。例示的な抗ヒトTNFα抗体を、等モル量のF(ab’)2ヤギ抗hIgG-pHrodoと共に、CHO増殖培地中、室温で30分間インキュベートした。抗体-色素混合物を、CHOヒトTNFαトランスフェクト細胞に添加し、次いで、5%CO2シェーカーインキュベーター中、37℃で3、6及び24時間の時点でインキュベートした。例示的なTNFα抗体の最終濃度は、10μg/mL及び3.3μg/mLであった。細胞を示された時点で洗浄し、BD Fortessaフローサイトメーターで分析した。
【0082】
表4に示される結果は、試験された抗ヒトTNFα抗体が、3.33μg/mL及び10μg/mLでCHO細胞上に発現された膜ヒトTNFαに結合すると、CHO細胞内に内在化されたことを示す。結果は更に、抗ヒトTNFα抗体が、リソソーム上に発現された膜TNFαに結合すると、リソソーム内に内在化されることを示した(データは示さず)。
【0083】
【0084】
可溶性及び膜TNFα誘導性細胞死滅の阻害:例示的な抗ヒトTNFα抗体による可溶性及び膜TNFα誘導性細胞死滅の阻害を、TNF受容体を天然に発現するL929マウス線維肉腫細胞を使用して、インビトロ細胞ベースのアッセイにおいて評価した。アクチノマイシン-Dと組み合わせた場合、TNFαは、これらの細胞において古典的なアポトーシスを誘導し、TNFα中和によってレスキューされ得る反応性酸素中間体の過剰な形成に起因する迅速な細胞死をもたらす。生存細胞の量は、MTS-テトラゾリウム細胞毒性アッセイを使用して測定することができ、このアッセイでは、代謝的に活性な細胞中のミトコンドリアデヒドロゲナーゼ酵素が、MTS-テトラゾリウムを、マイクロプレートリーダー(Biotek Cytation 5 Imaging Multi-Mode Reader)で検出することができる着色ホルマザン生成物に還元する。
【0085】
可溶性TNFα誘導性細胞死滅の阻害:可溶性TNFα誘導性細胞死滅を阻害する例示的な抗ヒトTNFα抗体の能力を評価するために、L929細胞をヒトTNFα又はカニクイザルTNFαのいずれかで別々に処理した。アッセイ培地(1×DMEM培地、10%FBS、1%Pen-Strep、1%MEM必須アミノ酸、1%L-グルタミン、1%ピルビン酸ナトリウム)中に10,000細胞/100μLで再懸濁したL929細胞を96ウェルプレートに添加し、組織培養インキュベーターに一晩置いた。翌日、例示的な抗体を15μg/mL~0.0005μg/mLの範囲の濃度で希釈し(3倍希釈)、100μLの各濃度の例示的な抗ヒトTNFα抗体を、以下の2つの条件:200pg/mL組換えヒトTNFα又は750pg/mL組換えカニクイザルTNFαのうちの1つを含有するウェルに2連で添加し、プレートを室温で30分間インキュベートした。ヒトIgG1アイソタイプ対照抗体を陰性対照として使用した。次いで、抗体/TNFα/アクチノマイシン-D混合物を、L929接着細胞を含む96ウェルプレートに移し、組織培養インキュベーター中で18時間インキュベートした。アッセイ培地を除去し、100μLのMTS-テトラゾリウム基質混合物をウェルに添加し、プレートを組織培養インキュベーター中で2時間インキュベートした。細胞死を決定するために、プレートをマイクロプレートリーダー(Biotek Cytation 5 Imaging Multi-Mode Reader)で490nmで読み取った。結果は、例示的な抗ヒトTNFα抗体によってTNFα誘導性細胞傷害性の50%が阻害される濃度(IC50、2つの独立した実験の平均±SEM)として表され、データの3パラメータシグモイドフィット(GraphPad Prism9)を使用して計算した。IC50値を表5aに示す。
【0086】
膜TNFα誘導性細胞死滅の阻害:例示的な抗ヒトTNFα抗体が膜TNFα誘導性細胞死滅を阻害する能力を評価するために、切断不可能なTNFα構築物を、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に安定にトランスフェクトして、CHO細胞を発現する細胞表面(膜)TNFαを生成した。切断不可能なTNFα構築物は、TNFα切断の非存在下で、細胞表面上の生物活性TNFαの発現を可能にするTNFαの切断部位における既知の変異を用いて生成した(Mueller et.al.1999)。切断不可能なヒトTNFαを発現するCHO細胞とのL929細胞のインキュベーションは、迅速なL929細胞死をもたらした。例示的な抗ヒトTNFα抗体が観察された細胞死滅を中和することができるかどうかを決定するために、15μg/mL~0.0005μg/mL(3倍希釈)の用量範囲を、例示的な抗体のそれぞれについて評価した。各濃度の例示的な抗ヒトTNFα抗体(100μL/ウェル)を、500個のCHO TNFαトランスフェクタント細胞/ウェル+6.25μg/mLのアクチノマイシンDを含有するプレートに、2連で添加した。抗体+CHO細胞混合物を室温で30分間インキュベートし、次いでL929細胞プレートに添加した。ヒトIgG1アイソタイプ対照抗体を陰性対照として使用し、抗ヒトTNFα抗体と同様の用量範囲で試験した。L929細胞死は、本質的に可溶性TNFα誘導性細胞死滅アッセイについて記載したように決定した。IC50値を表5bに示す。
【0087】
結果は、表5a及び5bに示されるように、例示的な抗ヒトTNFα抗体が、可溶性ヒトTNFα又は可溶性カニクイザルTNFα誘導性L929細胞死滅、及びヒト膜TNFα誘導性L929細胞死滅を阻害することを示した。細胞死滅応答の用量依存的阻害が観察された。具体的には、試験した例示的な抗ヒトTNFα抗体による可溶性ヒトTNFα誘導性細胞死滅の阻害についてのIC
50(
図5a)は、約0.13μg/mL~約0.22μg/mLの範囲であり、可溶性カニクイザルTNFα誘導性細胞死滅の阻害については約0.02μg/mL~約0.3μg/mLの範囲であった。試験した例示的な抗ヒトTNFα抗体によるヒト膜TNFα誘導性細胞死滅の阻害についてのIC
50(
図5b)は、約0.13μg/mL~約0.12μg/mLの範囲であった。陰性対照hIgG1アイソタイプは、予想どおり、TNFα誘導性細胞死滅を阻害しなかった。
【0088】
【0089】
【0090】
実施例4:アダリムマブに対する抗薬物抗体に結合する例示的な抗ヒトTNFα抗体の特徴付け
アダリムマブに対するカニクイザル抗薬物抗体への結合:アダリムマブで高度免疫したカニクイザルからのアフィニティ精製高度免疫サル血清(affinity purified hyperimmune monkey serum、AP-HIMS)から得たアダリムマブに対する抗薬物抗体(抗アダリムマブ抗体)への、例示的な抗ヒトTNFα抗体の結合を評価した。アダリムマブ-AffiGel10を使用して、アダリムマブ高度免疫カニクイザルからの抗アダリムマブ抗体を精製した。抗アダリムマブ抗体は、ACE-BridgeアッセイにおいてAP-HIMSの滴定を使用して検出した。アッセイは、免疫原性試験に関するFDAガイダンスに従って開発された。簡単に説明すると、ストレプトアビジン被覆96ウェルプレート(Pierce、15500)を1×TBST(Boston BioProducts、IBB-181X)で洗浄し、室温で1時間、TBST/0.1%ウシ血清アルブミン(BSA;Sigma、A7888)中100μL/ウェルで、30nMのビオチン化アダリムマブで被覆した。プレートをTBSTで3回洗浄し、アフィニティ精製抗アダリムマブ抗体をTBS(Fisher、BP2471-1)で1:10に希釈し、被覆したプレートに100μL/ウェルで添加し、4℃で一晩インキュベートした。翌日、プレートをTBSTで3回洗浄し、捕捉された抗アダリムマブ抗体を、65μL/ウェルの300mM酢酸(Fisher Scientific、A38-500)を使用して室温で5分間酸溶出した。次いで、ポリプロピレン96ウェルプレート(Corning、3359)に、中和緩衝液(0.375MのTris、300mMのNaCl、pH9)中の各1μg/mLのビオチン化アダリムマブ及びルテニウム標識アダリムマブ50μLを装填した。次に、50μLの酸溶出試料を、中和緩衝液中の混合物及びADAを含有するポリプロピレンプレートに添加し、室温で1時間、標識抗体に架橋させた。MSD Gold96ウェルストレプトアビジンプレート(Mesoscale、L15SA-1)を洗浄し、TBS+1%BSAを用いて室温で1時間ブロッキングし、次いで洗浄し、80μLの架橋試料をプレートに1時間添加した。プレートをTBSTで3回洗浄し、150μL/ウェルの2×MSD緩衝液(Mesoscale、R92TC-2)をプレートに添加した。プレートをMSD SQ120リーダーで読み取って、電気化学発光単位(electro chemiluminescent unit、ECLU)として表されるTier1シグナルを得た。
【0091】
同じAP-HIMSをACE-Bridgeアッセイにおいても試験して、アダリムマブについて上で概説したのと本質的に同じ方法に従って、ただしビオチン及びルテニウム標識Ab6を使用して、例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab6に対する抗体を検出した。次いで、得られたECLUシグナルを、試験したAP-HIMSの濃度の関数としてプロットした。
【0092】
図1に示されている結果は、アダリムマブ自体の抗薬物抗体(最大ECLUシグナル40000)へのアダリムマブの結合と比較した場合、例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab6が、アダリムマブで高度免疫されたカニクイザルからの血清から精製されたアダリムマブに対する抗薬物抗体(最大ECLUシグナル4000)への結合が低いか、結合しなかったことを示す。具体的には、結果は、例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab6がカニクイザルによって生成されたアダリムマブに対する抗薬物抗体の約10%のみを認識することを示し、この結合が、抗体定常領域などのCDR領域から離れて位置する共有配列に起因する可能性が高いことを示唆した。
【0093】
アダリムマブに対するヒト患者抗薬物抗体への結合:試験RA-BEAMに登録されたアダリムマブ治療患者から得られた21個の患者血清試料中のアダリムマブに対する抗薬物抗体(抗アダリムマブ抗体)への、例示的な抗ヒトTNFα抗体の結合を評価した。21個の血清試料をベースライン後に収集し、本質的にカニクイザルADA評価について記載したような方法を使用することによって、アダリムマブに対して高いADA力価を有することを確認した。次いで、21個の血清試料を、本質的にカニクイザルADA評価について記載したような方法を使用して、例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab6への結合について評価した。
【0094】
図2に示されている結果は、例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab6が、試験した21個の患者試料のうち16個においてアダリムマブに対する抗薬物抗体への結合が低いか、結合しなかったことを示す(ECLUシグナルは、アッセイのカットオフ点(102ECLU)未満であった)。免疫原性の決定において、カットオフ点は、「推定陽性」又は抗薬物抗体含有試料を識別するために使用される閾値である。
図2に示されるように、21個の試料のうち5個が、カットオフ点を超えるECLUシグナルを有したが、全てがカットオフ点を20%未満超えており、したがって、アッセイの変動性の範囲内であると決定された。アダリムマブで治療されたヒト患者におけるアダリムマブに対する抗薬物抗体への抗ヒトTNFα抗体Ab6の有意に低い結合、又は結合がないことは、Ab6及びアダリムマブ抗体配列が十分に異なり、その結果、アダリムマブ中に存在するエピトープに特異的である、試験されたヒト対象によってアダリムマブに対して生成されたADAが、Ab6によって共有されず、したがってAb6によってあまり認識されないことを示した。これらの結果は、アダリムマブなどの他のTNFα治療薬に対する抗薬物抗体に対する臨床応答又は有害反応の低下を生じている患者の治療のための、例示的な抗ヒトTNFα抗体の潜在的な使用を示す。
【0095】
実施例5:免疫原性評価
LCDR1及びHCDR3ペプチドクラスターに対するDC内在化アッセイ、MAPPSアッセイ、及びT細胞増殖アッセイを実施して、例示的なTNFα抗体の免疫原性リスクを評価した。
【0096】
樹状細胞内在化アッセイ:樹状細胞(DC)に由来するヒトCD14+単球が、例示的な抗ヒトTNFα抗体を内在化する能力を評価した。CD14+単球を末梢血単核細胞(periphery blood mononuclear cell、PBMC)から単離し、培養し、未成熟樹状細胞に分化させ(IL-4及びGM-CSFを用いて)、全て標準的なプロトコルを使用した。成熟DCを得るために、細胞を1μg/mLのLPSで4時間処理した。
【0097】
例示的な抗ヒトTNFα抗体を、完全RPMI培地中で、8μg/mLで希釈し、完全RPMI培地中で5.33μg/mLに希釈した検出プローブFab-TAMRA-QSY7と等体積で混合し、更に、複合体形成のために暗所で、4℃で30分間インキュベートし、次いで未成熟及び成熟DC培養物に添加し、CO2インキュベーター中で、37℃で24時間インキュベートした。細胞を2%FBS PBSで洗浄し、Cytox Greenの生/死色素を含む100μLの2%FBS PBSに再懸濁した。BD LSR Fortessa X-20でデータを収集し、FlowJoで分析した。生単一細胞をゲーティングし、TAMRA蛍光陽性細胞の割合を読み出しとして記録した。異なるドナーから生成されたデータを有する分子の比較を可能にするために、正規化された内在化指数を使用した。内在化シグナルは、式1を使用して、IgG1アイソタイプ(正規化された内在化指数=0)及び内部陽性対照PC(正規化された内在化指数=100)に対して正規化し、
【0098】
【数1】
式中、X
TAMRA、IgG1アイソタイプ
TAMRA、及びPC
TAMRAは、それぞれ、試験分子X、IgG1アイソタイプ、及びPCのTAMRA陽性集団の割合であった。
【0099】
表6に示される結果は、試験された抗ヒトTNFα抗体が、未成熟樹状細胞及び成熟樹状細胞上のTNFαに結合すると細胞内に内在化されたことを示す。
【0100】
【0101】
MHC関連ペプチドプロテオミクス(MAPP)アッセイ:MAPPは、例示的な抗ヒトTNFα抗体で予め処理したヒト樹状細胞上のMHC-II提示ペプチドをプロファイリングする。CD14+単球を末梢血単核細胞(PBMC)から単離し、培養し、標準的なプロトコルを使用して未成熟樹状細胞(IL-4及びGM-CSFを含む)に分化させた。4日目に例示的な抗体を未成熟樹状細胞に添加し、細胞を成熟樹状細胞に形質転換するための、LPSを含有する新鮮な培地を5時間のインキュベーション後に交換した。翌日、成熟樹状細胞をプロテアーゼ阻害剤及びDNAseを含むRIPA中で溶解した。MHC-II複合体の免疫沈降を、ストレプトアビジンビーズに結合したビオチン化抗MHC-II抗体を使用して行った。結合した複合体を溶出させ、濾過した。単離されたMHC-IIペプチドを、質量分析計によって分析した。ペプチド識別は、データベースに付加された試験配列を含むウシ/ヒトデータベースに対する、酵素検索パラメータを伴わない検索アルゴリズムを使用して、内部プロテオミクスパイプラインによって生成した。例示的な抗体から識別されたペプチドを、親配列に対して整列させた。
【0102】
表7に示されている結果は、例示的な抗ヒトTNFα抗体が、MAPPによる様々な程度の提示を有したことを示した。Ab1は、試験した10人のドナーのうち3人において、1つの非生殖系列クラスターを有する最も低いMAPP提示を実証した。
【0103】
【0104】
T細胞増殖アッセイ:例示的な抗ヒトTNFα抗体MAPP由来ペプチドクラスターが細胞増殖を誘導することによってCD4+T細胞を活性化する能力を評価した。CD8+T細胞を、10人の健常ドナーからの凍結保存PBMCから枯渇させ、1μMのカルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル(Carboxyfluorescein Diacetate Succinimidyl Ester、CFSE)で標識した。CD8+T細胞枯渇PBMCを、5%CTS(商標)Immune Cell SR(Gibco、カタログ番号A2596101)を含むAIM-V培地(Life Technologies、カタログ番号12055-083)に4×106個の細胞/mL/ウェルで播種し、以下の異なる分子を含有する2.0mLで、3連で試験した:DMSO対照、培地対照、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH;陽性対照)、PADRE-Xペプチド(合成ワクチンヘルパーペプチド、陽性ペプチド対照)、又はそれぞれの抗ヒトTNFα抗体MAPP由来ペプチドクラスター(各ペプチド10μM)。細胞を培養し、5%CO2と共に37℃で7日間インキュベートした。7日目に、ハイスループットサンプラー(High Throughput Sampler、HTS)を装備したBD LSRFortessa(商標)を使用したフローサイトメトリによる生存率検出のために、試料を以下の細胞表面マーカーで染色した:抗CD3、抗CD4、抗CD14、抗CD19、及びDAPI。FlowJo(登録商標)ソフトウェア(FlowJo、LLC、TreeStar)を使用してデータを分析し、細胞分裂指数(Cellular Division Index、CDI)を計算した。簡潔に述べると、各MAPP由来ペプチドクラスターについてのCDIは、ペプチド刺激されたウェルからの増殖しているCFSEdimCD4+T細胞の割合を、刺激されていないウェルにおける増殖しているCFSEdimCD4+T細胞の割合で割ることによって計算した。2.5以上のCDIは、陽性応答を表すとみなした。全てのドナーにわたるドナー頻度の割合を評価した。
【0105】
表8a及び8bに示されている結果は、Ab2についてのLCDR1(表8a)及びHCDR3(表8b)ペプチドが、それぞれ、約22.0%及び25%のドナーにおいてT細胞応答頻度を誘導したことを示し、陽性対照と比較した場合、Ab2についての有意に低減された免疫原性リスクを示す。KLH陽性対照は、ドナーの100%においてT細胞応答を誘導し、PADRE-X(合成ワクチンヘルパーペプチド)陽性対照は、2つの研究においてそれぞれ、ドナーの67%及び62.5%においてT細胞応答を誘導した。これは、このアッセイの予想範囲内である(48.1%+24.4の陽性ドナー頻度)。
【0106】
【0107】
【0108】
実施例6.例示的な抗ヒトTNFα抗体の生物物理学的特性
例示的な抗ヒトTNFα抗体の生物物理学的特性を、開発性について評価した。
【0109】
粘度:例示的な抗ヒトTNFα抗体試料を、pH6の一般的な製剤緩衝液マトリックス中で約125mg/mLに濃縮した。各抗体の粘度を、9回の反復測定の平均を使用して15℃でVROC(登録商標)initium(RheoSense)を使用して測定した。表9に示されるように、結果は、例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab1(9.7cP)、Ab2(9.2cP)、Ab3(11.4cP)、及びAb4(10.6cP)が、開発性について良好な粘度プロファイルを有することを示した。
【0110】
熱安定性:示差走査熱量測定(DSC)を使用して、例示的な抗体の熱変性に対する安定性を評価した。未分解時のデータフィッティングによって得られた、PBS、pH7.2緩衝液中の抗体の熱融解温度を表9に列挙する(Tonset、TM1、TM2、及びTM3)。各ドメインについての熱転移は、全て十分に分解されたわけではなかったが、表9に示されるデータは、例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab1、Ab2、Ab3、及びAb4が、開発性について良好な熱安定性プロファイルを有したことを示す。
【0111】
温度ストレスによる凝集:例示的な抗体の経時的な溶液安定性を、約100mg/mLで評価した。試料を5℃及び35℃で28週間の期間にわたってインキュベートした。インキュベーション後、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)を用いて高分子量(%HMW)種の割合について試料を分析した。表9に示される結果は、例示的な抗ヒトTNFα抗体Ab1、Ab2、Ab3、及びAb4が、開発性について良好な凝集プロファイルを有したことを示す。
【0112】
【0113】
実施例7:抗ヒトTNFα抗体のインビボ特徴付け
インビボでのヒトTNFα誘導性CXCL1サイトカイン生成の阻害:例示的な抗ヒトTNFα抗体によるTNFα誘導性CXCL1の中和をインビボで評価した。C57/B6マウスへのヒトTNFαの投与は、マウス血漿CXCL1レベルの急速かつ一過性の増加を誘導する。これにより、例示的な抗ヒトTNFα抗体のインビボでの中和能力の調査が可能となる。
【0114】
簡潔に述べると、C57/B6マウス(N=8/群)に、0.3mg/kg若しくは3mg/kgの例示的な抗体又は3mg/kgの非結合アイソタイプ対照を皮下投与した。抗体投与の24時間後、マウスを、3μg/マウスの用量での、ヒトTNFαの腹腔内注射によってチャレンジした。ヒトTNFαチャレンジの2時間後、マウスを屠殺し、血液を収集し、遠心分離によって血漿に清澄化した。マウスCXCL1濃度について、血漿を、市販のMSDアッセイ(MesoScale Discovery、P/N.番号K152QTG-1)を使用して、製造者の使用説明書に従って分析した。
【0115】
表10に示される結果は、例示的な抗ヒトTNFα抗体が、アイソタイプ対照処置マウス(p<0.05、ANOVA、続いてTurkeyの多重比較検定)と比較して、用量依存的様式でヒトTNFα誘導性血漿CXCL1生成をインビボで有意に阻害したことを示す。詳細には、例示的な抗ヒトTNFα抗体は、TNFα誘導性インビボ血漿CXCL1生成を、3mg/kgで約82%~約93%、及び0.3mg/kgで約46.5%~約64.5%阻害した。したがって、例示的な抗ヒトTNFα抗体が、ヒトTNFαによって誘導される生物学的効果をインビボで中和したことを示している。
【0116】
【0117】
配列表
Ab1
配列番号1 Ab1、Ab2、及びAb6に対するHCDR1
GYTFTGYYIH
配列番号2 Ab1、Ab2、及びAb6に対するHCDR2
WINPYTGGTNYAQKFQG
配列番号3 Ab1に対するHCDR3
DLYGSSNYGGDV
配列番号4 Ab1及びAb3に対するLCDR1
QASQGISNYLN
配列番号5 Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、及びAb6に対するLCDR2
DASNLET
配列番号6 Ab1、Ab3、及びAb5に対するLCDR3
QQYDKLPLT
配列番号7 Ab1に対するVH
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYIHWVRQAPGQGLEWMGWINPYTGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDLYGSSNYGGDVWGQGTTVTVSS
配列番号8 Ab1及びAb3に対するVL
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQGISNYLNWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYDKLPLTFGGGTKVEIK
配列番号9 Ab1に対するHC
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYIHWVRQAPGQGLEWMGWINPYTGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDLYGSSNYGGDVWGQGTTVTVSSASTKGPCVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDICVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号10 Ab1及びAb3に対するLC
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQGISNYLNWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYDKLPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号11 Ab1に対するHC DNA
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCGGCTACTATATACACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATGGATCAACCCTTACACCGGTGGCACAAACTATGCACAGAAGTTTCAGGGCAGGGTCACCATGACCAGGGACACGTCCATCAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGGCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGATCTCTATGGTTCGAGTAATTACGGTGGCGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCTAGCACCAAGGGCCCATGTGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTATGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAAGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAAGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCTGCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATTCCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGCAAA
配列番号12 Ab1及びAb3に対するLC DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCAGGCGAGTCAGGGCATTAGCAACTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTACGATGCATCCAATTTGGAAACAGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGAAGTGGATCTGGGACAGATTTTACTTTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATATTGCAACATATTACTGTCAACAGTATGATAAGCTCCCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGGACCGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
Ab2
配列番号1 Ab1、Ab2、及びAb6に対するHCDR1
GYTFTGYYIH
配列番号2 Ab1、Ab2、及びAb6に対するHCDR2
WINPYTGGTNYAQKFQG
配列番号13 Ab2、Ab3、Ab4、及びAb5に対するHCDR3
DLYGSSNYGMDV
配列番号14 Ab2、Ab4、及びAb5に対するLCDR1
QASQGIRNYLN
配列番号5 Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、及びAb6に対するLCDR2
DASNLET
配列番号15 Ab2及びAb4に対するLCDR3
QQYDNLPLT
配列番号16 Ab2に対するVH
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYIHWVRQAPGQGLEWMGWINPYTGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDLYGSSNYGMDVWGQGTTVTVSS
配列番号17 Ab2及びAb4に対するVL
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQGIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYDNLPLTFGGGTKVEIK
配列番号18 Ab2に対するHC
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYIHWVRQAPGQGLEWMGWINPYTGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDLYGSSNYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPCVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDICVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号19 Ab2及びAb4に対するLC
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQGIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYDNLPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号20 Ab2に対するHC DNA
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCGGCTACTATATACACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATGGATCAACCCTTACACCGGTGGCACAAACTATGCACAGAAGTTTCAGGGCAGGGTCACCATGACCAGGGACACGTCCATCAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGGCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGATCTCTATGGTTCGAGTAATTACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCTAGCACCAAGGGCCCATGCGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTATGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAAGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAAGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCTGCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATTCCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGCAAA
配列番号21 Ab2及びAb4に対するLC DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCAGGCGAGTCAGGGCATTCGCAACTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTACGATGCATCCAATTTGGAAACAGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGAAGTGGATCTGGGACAGATTTTACTTTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATATTGCAACATATTACTGTCAACAGTATGATAACCTCCCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGGACCGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
Ab3
配列番号22 Ab3、Ab4、及びAb5に対するHCDR1
GYTFTGYYMH
配列番号23 Ab3、Ab4、及びAb5に対するHCDR2
WINPYTGGTKYAQKFQG
配列番号13 Ab2、Ab3、Ab4、及びAb5に対するHCDR3
DLYGSSNYGMDV
配列番号4 Ab2、Ab4、及びAb5に対するLCDR1
QASQGISNYLN
配列番号5 Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、及びAb6に対するLCDR2
DASNLET
配列番号6 Ab1、Ab3、及びAb5に対するLCDR3
QQYDKLPLT
配列番号24 Ab3、Ab4及びAb5に対するVH
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPYTGGTKYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDLYGSSNYGMDVWGQGTTVTVSS
配列番号8 Ab1及びAb3に対するVL
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQGISNYLNWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYDKLPLTFGGGTKVEIK
配列番号25 Ab3、Ab4及びAb5に対するHC
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPYTGGTKYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDLYGSSNYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPCVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDICVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号10 Ab1及びAb3に対するLC
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQGISNYLNWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYDKLPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号26 Ab3、Ab4、及びAb5に対するHC DNA
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCGGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATGGATCAACCCTTACACCGGTGGCACAAAGTATGCACAGAAGTTTCAGGGCAGGGTCACCATGACCAGGGACACGTCCATCAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGGCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGATCTCTATGGTTCGAGTAATTACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCTAGCACCAAGGGCCCATGCGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTATGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAAGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAAGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCTGCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATTCCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGCAAA
配列番号12 Ab1及びAb3に対するLC DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCAGGCGAGTCAGGGCATTAGCAACTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTACGATGCATCCAATTTGGAAACAGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGAAGTGGATCTGGGACAGATTTTACTTTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATATTGCAACATATTACTGTCAACAGTATGATAAGCTCCCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGGACCGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
Ab4
配列番号22 Ab3、Ab4、及びAb5に対するHCDR1
GYTFTGYYMH
配列番号23 Ab3、Ab4、及びAb5に対するHCDR2
WINPYTGGTKYAQKFQG
配列番号13 Ab2、Ab3、Ab4、及びAb5に対するHCDR3
DLYGSSNYGMDV
配列番号14 Ab2、Ab4、及びAb5に対するLCDR1
QASQGIRNYLN
配列番号5 Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、及びAb6に対するLCDR2
DASNLET
配列番号15 Ab2及びAb4に対するLCDR3
QQYDNLPLT
配列番号24 Ab3、Ab4及びAb5に対するVH
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPYTGGTKYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDLYGSSNYGMDVWGQGTTVTVSS
配列番号17 Ab2及びAb4に対するVL
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQGIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYDNLPLTFGGGTKVEIK
配列番号25 Ab3、Ab4及びAb5に対するHC
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPYTGGTKYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDLYGSSNYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPCVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDICVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号19 Ab2及びAb4に対するLC
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQGIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYDNLPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号26 Ab3、Ab4、及びAb5に対するHC DNA
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCGGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATGGATCAACCCTTACACCGGTGGCACAAAGTATGCACAGAAGTTTCAGGGCAGGGTCACCATGACCAGGGACACGTCCATCAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGGCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGATCTCTATGGTTCGAGTAATTACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCTAGCACCAAGGGCCCATGCGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTATGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAAGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAAGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCTGCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATTCCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGCAAA
配列番号21 Ab2及びAb4に対するLC DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCAGGCGAGTCAGGGCATTCGCAACTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTACGATGCATCCAATTTGGAAACAGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGAAGTGGATCTGGGACAGATTTTACTTTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATATTGCAACATATTACTGTCAACAGTATGATAACCTCCCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGGACCGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
Ab5
配列番号22 Ab3、Ab4、及びAb5に対するHCDR1
GYTFTGYYMH
配列番号23 Ab3、Ab4、及びAb5に対するHCDR2
WINPYTGGTKYAQKFQG
配列番号13 Ab2、Ab3、Ab4、及びAb5に対するHCDR3
DLYGSSNYGMDV
配列番号14 Ab2、Ab4、及びAb5に対するLCDR1
QASQGIRNYLN
配列番号5 Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、及びAb6に対するLCDR2
DASNLET
配列番号6 Ab1、Ab3、及びAb5に対するLCDR3
QQYDKLPLT
配列番号24 Ab3、Ab4及びAb5に対するVH
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPYTGGTKYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDLYGSSNYGMDVWGQGTTVTVSS
配列番号27 Ab5に対するVL
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQGIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYDKLPLTFGGGTKVEIK
配列番号25 Ab3、Ab4及びAb5に対するHC
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPYTGGTKYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDLYGSSNYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPCVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDICVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号28 Ab5に対するLC
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQGIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYDKLPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号26 Ab3、Ab4、及びAb5に対するHC DNA
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCGGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATGGATCAACCCTTACACCGGTGGCACAAAGTATGCACAGAAGTTTCAGGGCAGGGTCACCATGACCAGGGACACGTCCATCAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGGCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGATCTCTATGGTTCGAGTAATTACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCTAGCACCAAGGGCCCATGCGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTATGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAAGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAAGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCTGCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATTCCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGCAAA
配列番号29 Ab5に対するLC DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCAGGCGAGTCAGGGCATTCGCAACTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTACGATGCATCCAATTTGGAAACAGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGAAGTGGATCTGGGACAGATTTTACTTTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATATTGCAACATATTACTGTCAACAGTATGATAAGCTCCCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGGACCGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
Ab6
配列番号1 Ab1、Ab2、及びAb6に対するHCDR1
GYTFTGYYIH
配列番号2 Ab1、Ab2、及びAb6に対するHCDR2
WINPYTGGTNYAQKFQG
配列番号30 Ab6に対するHCDR3
DIYGSSNYGGDV
配列番号31 Ab6に対するLCDR1
QASQDISNYLN
配列番号5 Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、及びAb6に対するLCDR2
DASNLET
配列番号32 Ab6に対するLCDR3
QQYDTLPLT
配列番号33 Ab6に対するVH
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYIHWVRQAPGQGLEWMGWINPYTGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDIYGSSNYGGDVWGQGTTVTVSS
配列番号34 Ab6に対するVL
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQDISNYLNWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYDTLPLTFGGGTKVEIK
配列番号35 Ab6に対するHC
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYIHWVRQAPGQGLEWMGWINPYTGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDIYGSSNYGGDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号36 Ab6に対するLC
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQDISNYLNWYQQKPGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQYDTLPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号37 Ab6に対するHC DNA
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCGGCTACTATATACACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATGGATCAACCCTTACACCGGTGGCACAAACTATGCACAGAAGTTTCAGGGCAGGGTCACCATGACCAGGGACACGTCCATCAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGGCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGATATCTATGGTTCGAGTAATTACGGTGGCGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCTAGCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTATGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAAGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAAGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATTCCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGCAAA
配列番号38 Ab6に対するLC DNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCAGGCGAGTCAGGACATTAGCAACTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTACGATGCATCCAATTTGGAAACAGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGAAGTGGATCTGGGACAGATTTTACTTTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATATTGCAACATATTACTGTCAACAGTATGATACCCTCCCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGGACCGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
配列番号39 ヒトTNFαタンパク質
MSTESMIRDVELAEEALPKKTGGPQGSRRCLFLSLFSFLIVAGATTLFCLLHFGVIGPQREEFPRDLSLISPLAQAVRSSSRTPSDKPVAHVVANPQAEGQLQWLNRRANALLANGVELRDNQLVVPSEGLYLIYSQVLFKGQGCPSTHVLLTHTISRIAVSYQTKVNLLSAIKSPCQRETPEGAEAKPWYEPIYLGGVFQLEKGDRLSAEINRPDYLDFAESGQVYFGIIAL
配列番号:40 アカゲザルTNFαタンパク質
MSTESMIRDVELAEEALPRKTAGPQGSRRCWFLSLFSFLLVAGATTLFCLLHFGVIGPQREEFPKDPSLISPLAQAVRSSSRTPSDKPVAHVVANPQAEGQLQWLNRRANALLANGVELTDNQLVVPSEGLYLIYSQVLFKGQGCPSNHVLLTHTISRIAVSYQTKVNLLSAIKSPCQRETPEGAEAKPWYEPIYLGGVFQLEKGDRLSAEINLPDYLDFAESGQVYFGIIAL
配列番号41 マウスTNFαタンパク質
MSTESMIRDVELAEEALPQKMGGFQNSRRCLCLSLFSFLLVAGATTLFCLLNFGVIGPQRDEKFPNGLPLISSMAQTLTLRSSSQNSSDKPVAHVVANHQVEEQLEWLSQRANALLANGMDLKDNQLVVPADGLYLVYSQVLFKGQGCPDYVLLTHTVSRFAISYQEKVNLLSAVKSPCPKDTPEGAELKPWYEPIYLGGVFQLEKGDQLSAEVNLPKYLDFAESGQVYFGVIAL
配列番号42 ラットTNFαタンパク質
MSTESMIRDVELAEEALPKKMGGLQNSRRCLCLSLFSFLLVAGATTLFCLLNFGVIGPNKEEKFPNGLPLISSMAQTLTLRSSSQNSSDKPVAHVVANHQAEEQLEWLSQRANALLANGMDLKDNQLVVPADGLYLIYSQVLFKGQGCPDYVLLTHTVSRFAISYQEKVSLLSAIKSPCPKDTPEGAELKPWYEPMYLGGVFQLEKGDLLSAEVNLPKYLDITESGQVYFGVIAL
配列番号43 ウサギTNFαタンパク質
MSTESMIRDVELAEGPLPKKAGGPQGSKRCLCLSLFSFLLVAGATTLFCLLHFRVIGPQEEESPNNLHLVNPVAQMVTLRSASRALSDKPLAHVVANPQVEGQLQWLSQRANALLANGMKLTDNQLVVPADGLYLIYSQVLFSGQGCRSYVLLTHTVSRFAVSYPNKVNLLSAIKSPCHRETPEEAEPMAWYEPIYLGGVFQLEKGDRLSTEVNQPEYLDLAESGQVYFGIIAL
配列番号44 イヌTNFαタンパク質
MSTESMIRDVELAEEPLPKKAGGPPGSRRCFCLSLFSFLLVAGATTLFCLLHFGVIGPQREELPNGLQLISPLAQTVKSSSRTPSDKPVAHVVANPEAEGQLQWLSRRANALLANGVELTDNQLIVPSDGLYLIYSQVLFKGQGCPSTHVLLTHTISRFAVSYQTKVNLLSAIKSPCQRETPEGTEAKPWYEPIYLGGVFQLEKGDRLSAEINLPNYLDFAESGQVYFGIIAL
配列番号45 カニクイザルTNFαタンパク質
MSTESMIQDVELAEEALPRKTAGPQGSRRCWFLSLFSFLLVAGAATLFCLLHFGVIGPQREEFPKDPSLISPLAQAVRSSSRTPSDKPVAHVVANPQAEGQLQWLNRRANALVANGVELTDNQLVVPSEGLYLIYSQVLFKGQGCPSNHVLLTHTISRIAVSYQTKVNLLSAIKSPCQRETPEGAEAKPWYEPIYLGGVFQLEKGDRLSAEINLPDYLDFAESGQVYFGIIAL
配列番号46 LCDR1コンセンサス配列
QASQGIXaa7NYLN
式中、Xaa7は、セリン又はアルギニンである
配列番号47 LCDR3コンセンサス配列
QQYDXaa5LPLT
式中、Xaa5は、アスパラギン又はリジンである
配列番号48 ヒトTNFR1
MGLSTVPDLLLPLVLLELLVGIYPSGVIGLVPHLGDREKRDSVCPQGKYIHPQNNSICCTKCHKGTYLYNDCPGPGQDTDCRECESGSFTASENHLRHCLSCSKCRKEMGQVEISSCTVDRDTVCGCRKNQYRHYWSENLFQCFNCSLCLNGTVHLSCQEKQNTVCTCHAGFFLRENECVSCSNCKKSLECTKLCLPQIENVKGTEDSGTTVLLPLVIFFGLCLLSLLFIGLMYRYQRWKSKLYSIVCGKSTPEKEGELEGTTTKPLAPNPSFSPTPGFTPTLGFSPVPSSTFTSSSTYTPGDCPNFAAPRREVAPPYQGADPILATALASDPIPNPLQKWEDSAHKPQSLDTDDPATLYAVVENVPPLRWKEFVRRLGLSDHEIDRLELQNGRCLREAQYSMLATWRRRTPRREATLELLGRVLRDMDLLGCLEDIEEALCGPAALPPAPSLLR
配列番号49 ヒトTNFR2
MAPVAVWAALAVGLELWAAAHALPAQVAFTPYAPEPGSTCRLREYYDQTAQMCCSKCSPGQHAKVFCTKTSDTVCDSCEDSTYTQLWNWVPECLSCGSRCSSDQVETQACTREQNRICTCRPGWYCALSKQEGCRLCAPLRKCRPGFGVARPGTETSDVVCKPCAPGTFSNTTSSTDICRPHQICNVVAIPGNASMDAVCTSTSPTRSMAPGAVHLPQPVSTRSQHTQPTPEPSTAPSTSFLLPMGPSPPAEGSTGDFALPVGLIVGVTALGLLIIGVVNCVIMTQVKKKPLCLQREAKVPHLPADKARGTQGPEQQHLLITAPSSSSSSLESSASALDRRAPTRNQPQAPGVEASGAGEARASTGSSDSSPGGHGTQVNVTCIVNVCSSSDHSSQCSSQASSTMGDTDSSPSESPKDEQVPFSKEECAFRSQLETPETLLGSTEEKPLPLGVPDAGMKPS
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号1を含み、
前記HCDR2が、配列番号2を含み、
前記HCDR3が、配列番号3を含み、
前記LCDR1が、配列番号4を含み、
前記LCDR2が配列番号5を含み、前記LCDR3が配列番号6を含む、抗体。
【請求項2】
前記VHが、配列番号7を含み、前記VLが、配列番号8を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記抗体が、重鎖(HC)と、軽鎖(LC)とを含み、前記HCが、配列番号9を含み、前記LCが、配列番号10を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号1を含み、
前記HCDR2が、配列番号2を含み、
前記HCDR3が、配列番号13を含み、
前記LCDR1が、配列番号14を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号15を含む、抗体。
【請求項5】
前記VHが、配列番号16を含み、前記VLが、配列番号17を含む、請求項4に記載の抗体。
【請求項6】
前記抗体が、重鎖(HC)と、軽鎖(LC)とを含み、前記HCが、配列番号18を含み、前記LCが、配列番号19を含む、請求項4に記載の抗体。
【請求項7】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号22を含み、
前記HCDR2が、配列番号23を含み、
前記HCDR3が、配列番号13を含み、
前記LCDR1が、配列番号4を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号6を含む、抗体。
【請求項8】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号22を含み、
前記HCDR2が、配列番号23を含み、
前記HCDR3が、配列番号13を含み、
前記LCDR1が、配列番号14を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号15を含む、抗体。
【請求項9】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号22を含み、
前記HCDR2が、配列番号23を含み、
前記HCDR3が、配列番号13を含み、
前記LCDR1が、配列番号14を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号6を含む、抗体。
【請求項10】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号22を含み、
前記HCDR2が、配列番号23を含み、
前記HCDR3が、配列番号13を含み、
前記LCDR1が、配列番号46を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号6を含む、抗体。
【請求項11】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号22を含み、
前記HCDR2が、配列番号23を含み、
前記HCDR3が、配列番号13を含み、
前記LCDR1が、配列番号14を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号47を含む、抗体。
【請求項12】
前記VHが、配列番号24を含み、前記VLが、配列番号8、17、又は27を含む、請求項7に記載の抗体。
【請求項13】
前記抗体が、重鎖(HC)と、軽鎖(LC)とを含み、前記HCが、配列番号25を含み、前記LCが、配列番号10、19、又は28を含む、請求項7に記載の抗体。
【請求項14】
ヒトTNFαに結合する抗体であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)と、軽鎖可変領域(VL)とを含み、前記VHが、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記VLが、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、
前記HCDR1が、配列番号1を含み、
前記HCDR2が、配列番号2を含み、
前記HCDR3が、配列番号30を含み、
前記LCDR1が、配列番号31を含み、
前記LCDR2が、配列番号5を含み、
前記LCDR3が、配列番号32を含む、抗体。
【請求項15】
前記VHが、配列番号33を含み、前記VLが、配列番号34を含む、請求項14に記載の抗体。
【請求項16】
前記抗体が、重鎖(HC)と、軽鎖(LC)とを含み、前記HCが、配列番号35を含み、前記LCが、配列番号36を含む、請求項14に記載の抗体。
【請求項17】
重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含む抗体であって、前記HCが、配列番号9、18、25、又は35を含み、前記LCが、配列番号10、19、28、又は36を含む、抗体。
【請求項18】
前記抗体が、軽鎖と、重鎖とを含み、前記重鎖が、
アミノ酸残基124(EU番号付け)におけるシステイン、
アミノ酸残基378(EU番号付け)におけるシステイン、又は
アミノ酸残基124(EU番号付け)におけるシステイン及びアミノ酸残基378(EU番号付け)におけるシステインを含む、請求項1又は2、4又は5、7~12、14又は15のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項19】
前記抗体が、重鎖(HC)と、軽鎖(LC)とを含み、前記HCが、ヒトIgG1アイソタイプである、請求項1又は2、4又は5、7~12、14又は15のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項20】
配列番号9、10、18、19、25、28、35、又は36をコードする配列を含む、核酸。
【請求項21】
請求項20に記載の核酸を含む、ベクター。
【請求項22】
前記ベクターが、配列番号9、18、25、又は35をコードする第1の核酸配列と、配列番号10、19、28、又は36をコードする第2の核酸配列とを含む、請求項21に記載のベクター。
【請求項23】
配列番号9、18、25、又は35をコードする核酸配列を含む第1のベクターと、配列番号10、19、28、又は36をコードする核酸配列を含む第2のベクターとを含む、組成物。
【請求項24】
請求項21に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項25】
前記細胞が、哺乳動物細胞である、請求項24に記載の細胞。
【請求項26】
抗体を生成する方法であって、前記抗体が発現される条件下において、請求項24に記載の細胞を培養し、次いで前記発現された抗体を培養培地から回収することを含む、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法によって生成される、抗体。
【請求項28】
請求項1~17又は27のいずれか一項に記載される抗体を含む、抗体薬物コンジュゲート。
【請求項29】
請求項1~17又は27のいずれか一項に記載の抗体と、医薬的に許容される賦形剤、希釈剤、又は担体とを含む、医薬組成物。
【請求項30】
療法に使用するための、請求項1~17又は27のいずれか一項に記載の抗体を含む医薬組成物。
【請求項31】
TNFα関連障害の治療における使用のための、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記TNFα関連障害が、慢性自己炎症性免疫障害である、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記慢性自己炎症性免疫障害が、リウマチ性関節炎(RA)、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎(PsA)、強直性脊椎炎(AS)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬(PS)、化膿性汗腺炎、ブドウ膜炎、非感染性中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、汎ブドウ膜炎、又はベーチェット病から選択される、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
TNFα関連障害の治療のための薬物の製造における、請求項1~17又は27のいずれか一項に記載の抗体の使用。
【請求項35】
前記TNFα関連障害が、慢性自己炎症性免疫障害である、請求項34に記載の使用。
【請求項36】
前記慢性自己炎症性障害が、リウマチ性関節炎(RA)、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎(PsA)、強直性脊椎炎(AS)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬(PS)、化膿性汗腺炎、ブドウ膜炎、非感染性中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、汎ブドウ膜炎、又はベーチェット病から選択される、請求項35に記載の使用。
【国際調査報告】