(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】電池パックおよびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/367 20210101AFI20241210BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20241210BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20241210BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20241210BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20241210BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20241210BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20241210BHJP
【FI】
H01M50/367
H01M50/342 101
H01M50/35 201
H01M50/211
H01M50/209
H01M50/213
H01M50/204 401H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529239
(86)(22)【出願日】2023-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 KR2023009910
(87)【国際公開番号】W WO2024019405
(87)【国際公開日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0089869
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0090045
(32)【優先日】2023-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ミュンウー・イ
(72)【発明者】
【氏名】ウーヨン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ホ・ジュネ・チ
(72)【発明者】
【氏名】スン・ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】セユン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】インス・キム
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012BB01
5H012CC09
5H012DD07
5H012FF01
5H040AA03
5H040AS01
5H040AS05
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY04
(57)【要約】
本発明の一態様による電池パックは、複数の電池セルユニットが積層された電池セルアセンブリーと、前記電池セルアセンブリーが装着されるパックトレイと、前記パックトレイ上で前記電池セルアセンブリーの一側面に位置し、内部にガス通路が設けられたパッククロスビームと、前記電池セルアセンブリーの上部に位置するベンティングユニットと、を含む。前記電池セルユニットは、少なくとも一つの電池セルと、少なくとも一つの前記電池セルを部分的に囲むセルカバーと、を含み、前記セルカバーには、少なくとも一つのベンティング部が形成される。前記ベンティングユニットは、前記ベンティング部で噴出されるガスを前記ガス通路まで誘導する複数のベンティングチャンネルを含み、前記ベンティングチャンネルのそれぞれは、前記電池セルユニットのそれぞれと対応するように位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルユニットが積層された電池セルアセンブリーと、
前記電池セルアセンブリーが装着されるパックトレイと、
前記パックトレイ上で前記電池セルアセンブリーの一側面に位置し、内部にガス通路が設けられたパッククロスビームと、
前記電池セルアセンブリーの上部に位置するベンティングユニットと、
を含み、
前記電池セルユニットは、少なくとも一つの電池セル、および少なくとも一つの前記電池セルを部分的に囲むセルカバーを含み、
前記セルカバーには少なくとも一つのベンティング部が形成され、
前記ベンティングユニットは、前記ベンティング部で噴出されるガスを前記ガス通路まで誘導する複数のベンティングチャンネルを含み、
前記ベンティングチャンネルのそれぞれは、前記電池セルユニットのそれぞれと対応するように位置する電池パック。
【請求項2】
前記ベンティングチャンネルのそれぞれは、相互に共有されない独立したベンティング空間を有する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記ベンティングチャンネルは、前記ベンティングユニット内部の隔壁部により区画されている、請求項1に記載の電池パック。
【請求項4】
前記ベンティングチャンネルは、前記電池セルユニットが積層される方向と垂直な方向である前記電池セルユニットの長さ方向に沿ってつながっている、請求項1に記載の電池パック。
【請求項5】
前記ベンティングチャンネルのそれぞれは、前記電池セルユニットのそれぞれと一対一に連通する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記セルカバーは下側が開放された形態である、請求項1に記載の電池パック。
【請求項7】
前記セルカバーは、上面部および側面部を含み、
少なくとも一つの前記ベンティング部が前記上面部に形成されている、請求項1に記載の電池パック。
【請求項8】
前記ベンティング部は、前記セルカバーの一部分が貫通しているホール形態である、請求項1に記載の電池パック。
【請求項9】
前記ベンティング部は、前記セルカバーの一部分が隣接部分に比べて剛性が弱くて一定の圧力以上の力および/または熱が加えられると破裂する部分である、請求項1に記載の電池パック。
【請求項10】
前記ベンティングユニットは、前記ベンティング部と連通するインレットを含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項11】
前記インレットにメッシュ構造が備えられる、請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記ベンティングユニットおよび前記パッククロスビームのうちのいずれか一つに接続部が形成され、他の一つに前記接続部と結合する接続ホールが形成され、
前記接続部のそれぞれは、前記ベンティングチャンネルのそれぞれと一対一に連通する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項13】
前記接続部は、対応する前記接続ホールに一対一に嵌められて結合する、請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
前記接続部または前記接続ホールのうちの少なくとも一つの内部に一定の圧力以上で破裂する構造の破裂ディスクが備えられる、請求項12に記載の電池パック。
【請求項15】
前記ベンティングチャンネルは、前記接続部および前記接続ホールを通じて、前記パッククロスビームの前記ガス通路と連通する、請求項12に記載の電池パック。
【請求項16】
前記パッククロスビームは、前記ガス通路を区画する複数のメッシュ部を含み、
前記メッシュ部は、前記パッククロスビームの長さ方向に沿って前記接続部の間の地点毎に位置する、請求項15に記載の電池パック。
【請求項17】
請求項1に記載の電池パックを含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2022年7月20日付韓国特許出願第10-2022-0089869号および2023年7月11日付韓国特許出願第10-2023-0090045号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池パックおよびこれを含むデバイスに関し、より具体的にはセル・トゥ・パック(CTP:Cell-to-Pack)タイプの電池パックにおいて、熱的イベントが発生した場合、ベンティングガスが特定経路に沿って電池パックの外部に排出されるようにして電池パック内部に熱暴走の転移を最小化し、構造的崩壊を防止することができる電池パックおよびこれを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
現在の二次電池は、多機能小型製品であるワイヤレスモバイル機器(wireless mobile device)またはウェアラブル機器(wearable device)のエネルギー源として使用されているだけでなく、既存のガソリン車両およびディーゼル車両に対する代案として提示される電気自動車とハイブリッド電気自動車などのエネルギー源や電力貯蔵装置(ESS)としても広範囲に使用されている。
【0004】
一般に二次電池は1個当たり作動電圧が約2.5V~4.5V程度である。したがって、大容量および高出力が要求される電気自動車や電力貯蔵装置の場合、多数の二次電池を直列および/または並列に連結した電池モジュールと、前記電池モジュールを直列および/または並列に連結した電池パックをエネルギー源として使用している。つまり、従来の電池パックはその下位概念として電池モジュールを含み、電池モジュールはその下位概念として電池セルを含む。そして電池モジュールに搭載される電池セルの個数または電池パックに搭載される電池モジュールの個数は電気自動車に要求される電池パックの出力や容量により多様に決定され得る。
【0005】
一方、従来の電池パックの場合、エネルギー密度の側面において不利なこともある。代表的に、多数の電池セルをモジュールケース内部に収納してモジュール化させる過程で、モジュールケースまたは積層用フレームなどの多くの構成要素により電池パックの体積と重量が不必要に増加したり、電池セルが占める空間が減少したりすることがある。また、モジュールケースや積層用フレームなどの構成要素自体が占める空間はもちろん、このような構成要素に対する組立公差を確保するために電池セルの収納空間が減少することがある。したがって、従来の電池パックの場合、エネルギー密度を高めるには限界があり得る。
【0006】
また、従来の電池パックの場合、代表的に重要な問題の一つが安全性である。特に、電池パックに含まれている多数の電池セルのうち、いずれか一つの電池セルで熱的イベントが発生した場合、このようなイベントが他の電池セルに伝播(propagation)されることを遮断する必要がある。
【0007】
もし、電池セル間の熱的伝播が良好に抑制されなければ、これは電池パックに含まれている他の電池セルの熱的イベントにつながり、電池パックの発火や爆発など、より大きな問題を招くことがある。また、電池パックで発生した発火や爆発は、周辺の人命や財産上の大きな被害をもたらすことがある。したがって、このような電池パックの場合、前述した熱的イベントを適切に制御することができる構成が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする一の課題は、電池モジュールの構成を省略し、電池セル単位で組み立てられたCTPタイプの電池パックを提供することにより、電池パックの組立工程とエネルギー密度を向上することにある。
【0009】
また、本発明が解決しようとする一の課題は、CTPタイプの電池パックにおいて、熱的イベントの発生に備えて、ベンティングガスが予め意図した特定経路に沿って移動して電池パックの外部に排出されるように誘導することにある。これにより、電池パック内部に電池セル間の熱暴走の転移を最小化し、電池パックの構造的崩壊を防止することができる。
【0010】
しかしながら、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様による電池パックは、複数の電池セルユニットが積層された電池セルアセンブリーと、前記電池セルアセンブリーが装着されるパックトレイと、前記パックトレイ上で前記電池セルアセンブリーの一側面に位置し、内部にガス通路が設けられたパッククロスビームと、前記電池セルアセンブリーの上部に位置するベンティングユニットと、を含む。前記電池セルユニットは、少なくとも一つの電池セルと、少なくとも一つの前記電池セルを部分的に囲むセルカバーと、を含み、前記セルカバーには少なくとも一つのベンティング部が形成される。前記ベンティングユニットは、前記ベンティング部で噴出されるガスを前記ガス通路まで誘導する複数のベンティングチャンネルを含み、前記ベンティングチャンネルのそれぞれは、前記電池セルユニットのそれぞれと対応するように位置する。
【0012】
前記ベンティングチャンネルのそれぞれは、相互に共有されない独立したベンティング空間を有することができる。
【0013】
前記ベンティングチャンネルは、前記ベンティングユニット内部の隔壁部により区画され得る。
【0014】
前記ベンティングチャンネルは、前記電池セルユニットが積層される方向と垂直な方向である前記電池セルユニットの長さ方向に沿ってつながり得る。
【0015】
前記ベンティングチャンネルのそれぞれは、前記電池セルユニットのそれぞれと一対一に連通することができる。
【0016】
前記セルカバーは下側が開放された形態であり得る。
【0017】
前記セルカバーは、上面部および側面部を含むことができ、少なくとも一つの前記ベンティング部が前記上面部に形成され得る。
【0018】
前記ベンティング部は、前記セルカバーの一部分が貫通しているホール形態であり得る。
【0019】
前記ベンティング部は、前記セルカバーの一部分が隣接部分に比べて剛性が弱くて一定の圧力以上の力および/または熱が加えられると破裂する部分であり得る。
【0020】
前記ベンティングユニットは、前記ベンティング部と連通するインレットを含むことができる。
【0021】
前記インレットには、メッシュ構造が備えられ得る。
【0022】
前記ベンティングユニットおよび前記パッククロスビームのうちのいずれか一つに接続部が形成され、他の一つに前記接続部と結合する接続ホールが形成され得る。前記接続部のそれぞれは、前記ベンティングチャンネルのそれぞれと一対一に連通することができる。
【0023】
前記接続部は、対応する前記接続ホールに一対一に嵌めて結合することができる。
【0024】
前記接続部または前記接続ホールのうちの少なくとも一つの内部には、一定の圧力以上で破裂する構造の破裂ディスクが備えられ得る。
【0025】
前記ベンティングチャンネルは、前記接続部および前記接続ホールを通じて、前記パッククロスビームの前記ガス通路と連通することができる。
【0026】
前記パッククロスビームは、前記ガス通路を区画する複数のメッシュ部を含むことができ、前記メッシュ部は、前記パッククロスビームの長さ方向に沿って前記接続部の間の地点毎に位置することができる。
【0027】
本発明の一態様によるデバイスは、前記電池パックを含む。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一態様によれば、電池セルを空間効率的にパックトレイに収納することができ、従来の電池パックに比べてエネルギー密度が高く、組立工程が簡素化された電池パックが提供され得る。
【0029】
また、電池セルに熱的イベントが発生した時、当該電池セルで噴出される高温のベンティングガスや火炎が予め意図した特定経路に沿って移動して電池パックの外部に排出される。これにより、電池パック内部に電池セル間の熱暴走の転移が最小化され、電池パックの構造的崩壊が防止され得る。
【0030】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施形態による電池パックの一部分を示す斜視図である。
【
図2】
図1の電池パックにおいて、ベンティングユニットを除去した様子を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による電池セルアセンブリーとベンティングユニットを示す斜視図である。
【
図4】
図3の電池セルアセンブリーの分解斜視図である。
【
図5】
図3および
図4の電池セルアセンブリーに含まれている電池セルユニットのうちの一つを示す斜視図である。
【
図6】
図5の電池セルユニットの分解斜視図である。
【
図7】
図6の電池セルユニットに含まれている電池セルを示す図面である。
【
図8】
図6の電池セルユニットに含まれているセルカバーを示す斜視図である。
【
図9】
図9(a)と
図9(b)はそれぞれ
図8の切断線C-C’による断面であって、本発明の実施形態を示す断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるベンティングユニットを示す斜視図である。
【
図11】
図1の切断線A-A’による断面の一部を示す断面図である。
【
図12】
図1の切断線B-B’による断面の一部を示す断面図である。
【
図13】
図5および
図6の電池セルユニットに含まれている電池セルとバスバーモジュールを拡大して示す分解斜視図である。
【
図14】
図5および
図6のバスバーモジュールに含まれているバスバーを示す斜視図である。
【
図15】
図5および
図6のバスバーモジュールに含まれているバスバーフレームを示す斜視図である。
【
図16】
図5の電池セルユニットでバスバーモジュールが装着された部分を拡大して示す部分図面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態により限定されない。
【0033】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0034】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも図示されたものに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0035】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0036】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0037】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0038】
図1は本発明の一実施形態による電池パックの一部分を示す斜視図である。
図2は
図1の電池パックにおいて、ベンティングユニットを除去した様子を示す斜視図である。
図3は本発明の一実施形態による電池セルアセンブリーとベンティングユニットを示す斜視図である。
図4は
図3の電池セルアセンブリーの分解斜視図である。
【0039】
図1~
図4を参照すれば、本発明の一実施形態による電池パック1000は、複数の電池セルユニット100が積層された電池セルアセンブリー100Aと、電池セルアセンブリー100Aが装着されるパックトレイ1100と、パックトレイ1100上で電池セルアセンブリー100Aの一側面に位置し、内部にガス通路が設けられたパッククロスビーム1200と、電池セルアセンブリー100Aの上部に位置するベンティングユニット400と、を含む。
【0040】
パックトレイ1100は電池セルアセンブリー100Aが載置される空間を備え、電池セルアセンブリー100Aはパックトレイ1100の載置空間に収容され得る。パックトレイ1100は上端が開放されたボックス形態であり得る。つまり、パックトレイ1100は、底部1100Fと、底部1100Fの一角部から垂直に延びる側壁部1100Sと、を含むことができ、電池セルアセンブリー100Aは、底部1100Fと側壁部1100Sが形成する載置空間に収容され得る。一方、具体的には示されていないが、本実施形態による電池パック1000は、パックトレイ1100の開放された上部を覆うパックカバーをさらに含むことができる。
【0041】
本実施形態による電池パック1000は、前述の載置空間を区画するパッククロスビーム1200を含むことができる。パッククロスビーム1200により載置空間に装着された電池セルアセンブリー100Aが離脱することが防止され得る。また、本実施形態による電池パック1000は、電池セルアセンブリー100Aの他の側面に配置されるパックサイドビーム1500を含むことができる。パッククロスビーム1200とパックサイドビーム1500により電池セルアセンブリー100Aの前後左右への移動が最小化されることによって、外部振動および衝撃による電池セルアセンブリー100Aの損傷が防止され得る。このようなパッククロスビーム1200の内部にはガス通路が設けられるが、これについては後述する。
【0042】
パッククロスビーム1200は、電池セルアセンブリー100A内で電池セルユニット100が積層される方向に沿って延びる形態であり、パックサイドビーム1500は、電池セルアセンブリー100A内で電池セルユニット100が積層される方向と垂直な方向に沿って延びる形態であり得る。例えば、
図2に示されたように、電池セルユニット100がY軸と平行な方向に沿って積層され得、パッククロスビーム1200はこのようなY軸と平行な方向に沿って延びることができ、パックサイドビーム1500はこのようなY軸と垂直なX軸と平行な方向に沿って延びることができる。この時、本明細書で電池セルユニット100が積層される方向と垂直な方向は電池セルユニット100の長さ方向に該当し、このような電池セルユニット100の長さ方向はX軸と平行な方向であり得る。
【0043】
パッククロスビーム1200とパックサイドビーム1500は、互いに離隔するように配置されたり交差するように配置されたりして前記複数の載置空間を形成することができる。具体的な例として、電池セルアセンブリー100Aはパックトレイ1100内部に2列に配置され得、パッククロスビーム1200は2列に配置される電池セルアセンブリー100Aを離隔させるようにパックトレイ1100の中央部分を横切って配置され得る。パックサイドビーム1500は各列に配置された電池セルアセンブリー100Aを離隔させるようにパッククロスビーム1200と垂直に配置され、一定の間隔を置いて複数個が配置され得る。しかしながら、これは電池パック1000の内部構造を例示したものであって、本実施形態の電池パック1000の構造が前述の例示に限定されない。
【0044】
一方、前述のように本実施形態の電池セルアセンブリー100Aは電池セルユニット100の外面を保護する別途のフレームが最小化された状態で提供され得る。つまり、本実施形態の電池セルアセンブリー100Aはモジュールレス(Module-less)構造を有することができる。ここで、モジュールレス構造とは、モジュールフレームなしに電池セル構造が電池パック構造に直接結合されるセル・トゥ・パック(Cell-to-Pack)構造を称するものであり得る。
【0045】
通常、従来の電池パック1000は、複数の電池セルおよびこれと連結された多くの部品を組み立てて電池モジュールを形成し、複数の電池モジュールが再び電池パック1000に収容される二重組立構造を有している。この時、電池モジュールはその外面を形成するモジュールフレームなどを含むため、従来の電池セルは電池モジュールのモジュールフレームおよび電池パック1000のパックトレイ1100により二重保護される。しかしながら、このような二重組立構造は電池パック1000の製造単価および製造工程を増加させるだけでなく、一部の電池セルで不良が発生する場合、再組立性が低下するという短所がある。また、冷却部材などが電池モジュールの外部に存在する場合、電池セルと冷却部材との間の熱伝達経路が多少複雑になるという問題がある。
【0046】
そこで、本実施形態において電池パック1000に装着される単位モジュールは、モジュールフレームが省略された「電池セルアセンブリー」の形態で提供され得る。これにより、電池パック1000の構造をより単純にすることができ、製造単価および製造工程上の利点を得ることができ、電池パック1000の軽量化が達成されるという効果を有することができる。
【0047】
本実施形態の場合、従来の電池モジュールや電池パックのようにモジュールケースや積層用フレーム、電池セルの積層状態を維持するためのボルトなどの締結部材などを追加に備える必要がない。つまり、本実施形態で当該構成要素が占める空間が除去されることによって、電池セルがさらに空間を占めることができるため、エネルギー密度がより向上することができ、全体体積や重量が減少し、製造工程が簡素化され得る。
【0048】
以下、本実施形態による電池セルアセンブリー、電池セルユニット、および電池セルについて詳しく説明する。
【0049】
図5は
図3および
図4の電池セルアセンブリーに含まれている電池セルユニットのうちの一つを示す斜視図である。
図6は、
図5の電池セルユニットの分解斜視図である。
図7は、
図6の電池セルユニットに含まれている電池セルを示す図面である。
【0050】
図4~
図7を共に参照すれば、本発明の一実施形態による電池セルアセンブリー100Aは、一方向に沿って積層される複数の電池セルユニット100を含む。本発明の一実施形態による電池セルユニット100は、少なくとも一つの電池セル110、および少なくとも一つの電池セル110を部分的に囲むセルカバー200を含む。
【0051】
本実施形態による電池セル110は、多様な形態の電池セルであり得、例えばパウチ型電池セル、角型電池セル、または円筒型電池セルであり得る。一例として、
図7に示されたように、本実施形態による電池セル110は、パウチ型電池セルであり得る。以下、パウチ型電池セルについて説明するが、本実施形態による電池セル110はこれに限定されず、多様な種類の電池セルが適用され得る。
【0052】
本実施形態による電池セル110は、一方向または両方向に突出している電極リード111を有する電極組立体がパウチケース114に収納された形態であり得る。このような電池セル110は長方形のシート形状であり得る。電池セル110は、樹脂層と金属層とを含むラミネートシートのパウチケース114に電極組立体を収納した後、前記パウチケース114の外周部を接着して形成され得る。一例として、電池セル110は二つの電極リード111が互いに対向してセル本体113の一端部114aと他の一端部114bからそれぞれ突出している構造を有することができる。他の実施形態として、電池セル110の電極リード111が共に一方向に突出している構造も可能である。電極リード111のうちの一つは正極リードであり、他の一つは負極リードである。
【0053】
電池セル110は、パウチケース114に電極組立体(図示せず)を収納した状態でパウチケース114の両端部114a、114bとこれらを連結する一側部114cを接着することによって製造され得る。言い換えると、本発明の一実施形態による電池セル110は合計3ヶ所のシーリング部114sを有し、シーリング部114sは融着などの方法でシーリングされる構造であり、残りの他の一側部はフォルディング部115からなることができる。つまり、本実施形態による電池セル110は、電極組立体がパウチケース114内部に収納され、パウチケース114の外周の辺がシーリングされてシーリング部114sが形成された形態のパウチ型二次電池であり得る。
図7でパウチケース114の両端部114a、114bにシーリング部114sが形成されたものだけが示されており、フォルディング部115と向き合う辺にはシーリング部が示されていないが、フォルディング部115と向き合う辺のシーリング部は、空間活用性のためにシーリングが完了した後に一側に折り畳まれた状態である。
【0054】
ラミネートシートのパウチケース114は、密封のための内側樹脂層、物質の貫通を防止する金属層、および最も外側の外側樹脂層を含むことができる。パウチケース114内部の電極組立体を基準に、内側樹脂層が最も内側に位置し、外側樹脂層が最も外側に位置し、金属層が内側樹脂層と外側樹脂層との間に位置することができる。
【0055】
外側樹脂層は外部から電極組立体を保護するために厚さに比べて優れた引張強度と耐候性を有し、電気的絶縁性を有することができる。このような外側樹脂層はポリエチレンテレフタレート(PET:PolyEthylene Terephthalate)樹脂またはナイロン(nylon)樹脂を含むことができる。金属層は空気、湿気などがパウチ型二次電池内部に流入することを防止することができる。このような金属層はアルミニウム(Al)を含むことができる。内側樹脂層は電極組立体を内蔵した状態で印加された熱および/または圧力により互いに熱融着され得る。このような内側樹脂層は無延伸ポリプロピレン(CPP:Casted PolyPropylene)またはポリプロピレン(PP:PolyPropylene)を含むことができる。
【0056】
パウチケース114が二つの部分に区分され、前記二つの部分のうちの少なくとも一つに電極組立体が載置され得る凹状の収納部が形成され得る。このような収納部の外周に沿って、パウチケース114の前記二つの部分の内側樹脂層同士で互いに接合されてシーリング部114sが設けられ得る。このような方式でパウチケースが密封されて、パウチ型二次電池である電池セル110が製造され得る。
【0057】
電池セルユニット100内で、電池セル110は1個または複数個で構成され得る。一例として
図6には電池セルユニット100が3個の電池セル110を含むものが示されている。複数の電池セル110は互いに電気的に連結されるように積層され得る。特に、複数の電池セル110が、セル本体113の一面同士で向き合うように直立したまま、y軸と平行な方向に沿って積層され得る。これにより、電極リード111は電池セル110が積層される方向と垂直な方向に突出することができる。電池セル110で一つの電極リード111はx軸方向に向かって突出することができ、他の電極リード111は-x軸方向に向かって突出することができる。電極リード111が一方向にのみ突出した電池セルである場合、電極リード111はx軸方向または-x軸方向に突出することができる。
【0058】
図8は
図6の電池セルユニットに含まれているセルカバーを示す斜視図である。
【0059】
図5~
図8を共に参照すれば、本実施形態によるセルカバー200は、前述したように、少なくとも一つの電池セル110を部分的に囲む。セルカバー200は、側面部210と、上面部220と、を含むことができる。側面部210は電池セル110の一側面を覆うことができ、上面部220は電池セル110の上部を覆うことができる。セルカバー200は、二つの側面部210と一つの上面部220を含むことができる。側面部210の一面と上面部220の一面とを垂直にすることができ、側面部210はそれぞれ上面部220の対向する両辺から下向きに延びることができる。本実施形態によるセルカバー200は下側が開放された形態であり得る。つまり、
図8でセルカバー200をyz平面に沿って切断する場合、セルカバー200は「n」形状を有することができる。セルカバー200は六面の電池セル110で電極リード111が形成された二面を除いた残りの四面のうちの三面の少なくとも一部を囲むように設けられ得る。
【0060】
セルカバー200は熱暴走現象を遅延させることができるだけでなく、電池セル110の剛性を補完することによって、電池セル110が直立状態を維持するようにすることができる。セルカバー200は電池セル110の少なくとも一部を覆うことによって電池セル110を支持することができ、一方向に直立して配置された電池セル110の積層状態が安定的に維持されるようにすることができる。より具体的には、セルカバー200の側面部210が電池セル110の側面を支持することによって電池セル110の直立状態が維持され得る。また、セルカバー200の下側縁がパックトレイ1100の底部1100F上のサーマルレジン層1300に載置され得、これによりセルカバー200が自立し、セルカバー200内部の電池セル110の起立状態が維持され得る。
【0061】
図9の(a)と
図9の(b)は、それぞれ
図8の切断線C-C’による断面であって、本発明の実施形態を示す断面図である。
【0062】
図8および
図9の(a)と
図9の(b)を参照すれば、本実施形態によるセルカバー200には少なくとも一つのベンティング部200Vが形成され得る。少なくとも一つのベンティング部200Vはセルカバー200の上面部220に形成され得る。
【0063】
セルカバー200内部で少なくとも一つの電池セル110に熱暴走(Thermal runaway)が発生して高温のガスと火炎が発生すると、セルカバー200に形成されたベンティング部200Vは、このような高温のガスと火炎を後述するベンティングユニット400に排出させるための通路として機能する。ガスと火炎の効率的な排出が可能であれば、一つのセルカバー200に設けられるベンティング部200Vの個数と面積に特別な制限はない。一例として
図8などに示されたように、セルカバー200の上面部220に3個のベンティング部200Vが形成され得、中央に形成されたベンティング部200Vの面積が他のベンティング部200Vの面積よりも多少大きくてもよい。
【0064】
従来は電池セル110に発火が発生した場合、ガスおよびスパークなどが電極リード111方向に移動することによって追加的な熱暴走現象が発生するという問題があった。しかしながら、本実施形態では、セルカバー200にベンティング部200Vが形成されることによって電極リード111が位置した方向へのガスおよびスパークの移動が最小化され得る。ベンティング部200Vによるガス排出経路が電極リード111と離隔することができ、電極リード111およびこれと連結される電装部材がガス、スパーク、または火炎などにより、損傷することが防止され得る。
【0065】
図9の(a)に示されたように、本発明の一実施形態によるベンティング部200Vaは、セルカバー200の上面部220で一部分が貫通しているホール形態であり得る。または
図9の(b)に示されたように、本発明の他の一実施形態によるベンティング部200Vbは、上面部220の一部分の剛性をその隣接部分よりも相対的に非常に弱くして、一定の圧力以上の力や熱が加えられると当該部分が破裂する部分であり得る。
【0066】
このような実施構成によれば、セルカバー200で囲まれた少なくとも一つの電池セル110で高温のガスや火炎が噴出すると、ベンティング部200Vを通じて高温のガスや火炎が排出され、後述するベンティングユニット400の内部に誘導され得る。
【0067】
以下、本実施形態によるベンティングユニット400について詳しく説明する。
【0068】
図10は本発明の一実施形態によるベンティングユニットを示す斜視図である。
【0069】
図2、
図3、
図5、
図6、
図8、および
図10を共に参照すると、本実施形態によるベンティングユニット400は、電池セルアセンブリー100Aの上部に位置する。また、ベンティングユニット400は、セルカバー200のベンティング部200Vで噴出されるガスを後述するパッククロスビーム1200のガス通路まで誘導する複数のベンティングチャンネル410を含み、ベンティングチャンネル410のそれぞれは、電池セルユニット100のそれぞれと対応するように位置する。ベンティングユニット400は、特定の電池セルユニット100に含まれている電池セル110で熱的イベントが発生して当該電池セルユニット100で高温のガスが噴出される状況にある時、当該電池セルユニット100のベンティング部200Vからパッククロスビーム1200の内部まで高温のガスが流れるように案内することができる。
【0070】
ベンティングユニット400は、内部にガスが移動することができる通路である複数のベンティングチャンネル410を含む。ベンティングチャンネル410のそれぞれは相互に共有されない独立したベンティング空間を有することができる。ベンティングユニット400は内部空間を区画する隔壁部420を含むことができ、ベンティングチャンネル410は、ベンティングユニット400内部の隔壁部420により区画され得る。
【0071】
ベンティングユニット400は、内部空間を有するボックス型構造物であり得、このような内部空間が隔壁部420により区画されてベンティングチャンネル410が設けられ得る。ベンティングチャンネル410は相互間に隔壁部420により完全に塞がれ、相互の空間が共有されず、独立したベンティング経路を有することができる。そのため、いずれか一つのベンティングチャンネル410を通過する高温のガスや火炎が隣接した他のベンティングチャンネル410に伝播されない。
【0072】
図11は
図1の切断線A-A’による断面の一部を示す断面図である。
図12は
図1の切断線B-B’による断面の一部を示す断面図である。
【0073】
図3、
図6、
図8、
図10、
図11、および
図12と共に参照すれば、本実施形態によるベンティングユニット400は、電池セルユニット100のベンティング部200Vと連通するインレット430を含むことができる。インレット430はベンティングユニット400の下面に形成され得、ベンティング部200Vを通じて排出される高温のガスと火炎がインレット430を経てベンティングチャンネル410の内部に流入され得る。
【0074】
ベンティングチャンネル410は、電池セルユニット100が積層される方向と垂直な方向である電池セルユニット100の長さ方向に沿ってつながり得る。また、ベンティングチャンネル410のそれぞれは、電池セルユニット100のそれぞれと一対一に連通することができる。つまり、ベンティングチャンネル410の個数は、電池セルアセンブリー100A内での電池セルユニット100の個数と一致させることができ、いずれか一つの電池セルユニット100は、その上部に位置したベンティングチャンネル410のみと連通し、他のベンティングチャンネル410とは連通しなくてもよい。
【0075】
いずれか一つの電池セルユニット100で発生した高温のガスと火炎は、それと連通するベンティングチャンネル410のみに排出され、他のベンティングチャンネル410には移動が制限される。本実施形態による電池セルアセンブリー100Aで、電池セル110は、セルカバー200に収納されて電池セルユニット100をなす。いずれか一つの電池セルユニット100で発生した熱暴走現象による高温のガスや火炎は、セルカバー200の側面部210に塞がれ、隣接した他の電池セルユニット100に伝播されない。セルカバー200は熱暴走現象でも溶融しないように高い溶融点を有する素材で製造され得る。また、セルカバー200は電池セル110を安定的に支持できるように機械的強度が所定の範囲以上である物質で製造され得、これにより外部の衝撃などから電池セル110を保護することができる。セルカバー200に使用される材料の例としては、スチール、ステンレススチール(SUS)などが挙げられる。
【0076】
また、高温のガスや火炎が当該電池セルユニット100の上部で一対一に対応するベンティングチャンネル410に排出される時、ベンティングチャンネル410のそれぞれは、相互に共有されない独立したベンティング空間を有するため、高温のガスや火炎が隣接した他のベンティングチャンネル410に流入しない。したがって、隣接した他のベンティングチャンネル410とその下に位置する他の電池セルユニット100に高温のガスや火炎が逆流する危険もない。ベンティングチャンネル410のベンティング空間が互いに共有される場合、熱暴走現象が発生した電池セルユニット100と隣接した他の電池セルユニット100は、内部圧力が相対的に低いため、発生した高温のガスや火炎がその内部に流入する危険がある。本実施形態では、電池セルユニット100別に独自のベンティング経路を具現することによって、電池セル110間の熱暴走の転移が最小化され、電池パックの構造的崩壊が防止され得るようにした。
【0077】
一方、本実施形態によるインレット430にはメッシュ構造が設けられ得る。メッシュ構造は、金属素材で形成され得る。高温のガスや火炎に含まれている金属パーティクルがインレット430を通過する時、前記メッシュ構造によりフィルタリングされ得、金属パーティクルがメッシュ構造に当たって温度が下げられて爆発の危険を減らすことができる。
【0078】
一方、本実施形態によれば、ベンティングユニット400とパッククロスビーム1200とが互いに連結され得る。具体的には、ベンティングユニット400とパッククロスビーム1200のうちのいずれか一つに接続部が形成され、他の一つに前記接続部と結合する接続ホールが形成され得る。例えば
図12に示されたように、ベンティングユニット400に接続部440が形成され、パッククロスビーム1200に接続部440が挿入される接続ホール1220が形成され得る。他の実施形態として、パッククロスビーム1200に接続部が形成され、ベンティングユニット400にパッククロスビーム1200の接続部が挿入される接続ホールが形成されることも、もちろん可能である。
【0079】
本実施形態による接続部440は、接続ホール1220に挿入されて結合され得るようにパイプ形態であり得る。接続部440が対応する接続ホール1220に一対一に嵌められて結合され得る。また、接続部440のそれぞれは、ベンティングチャンネル410のそれぞれと一対一に連通することができる。
【0080】
前述したように、パッククロスビーム1200の内部にはガス通路1210が設けられる。つまり、パッククロスビーム1200はベンティングガスを外部に排出させるための通路として機能するように中空構造で設けられ得る。接続部440と接続ホール1220との結合を通じて、ベンティングユニット400のベンティングチャンネル410とパッククロスビーム1200内部のガス通路1210とを連通することができる。つまり、ベンティングチャンネル410は接続部440および接続ホール1220を通じてパッククロスビーム1200のガス通路1210と連通することができる。
【0081】
これにより、ベンティングチャンネル410に沿って移動する高温のガスや火炎が接続部440および接続ホール1220を通じてパッククロスビーム1200のガス通路1210に移動し、最終的に電池パック1000の外部に排出され得る。本実施形態によるパッククロスビーム1200は、電池セルアセンブリー100Aの遊動や離脱を防止するだけでなく、電池セルユニット100の熱暴走現象により発生した高温のガスや火炎を電池パック1000の外部に排出するベンティング機能を果たすことができる。
【0082】
一方、本実施形態による接続部440または接続ホール1220のうちの少なくとも一つの内部に一定の圧力以上で破裂する構造の破裂ディスク450が備えられ得る。一定の圧力はこのような破裂ディスク450の厚さや材質などによって調節され得る。構造上、接続部440の内部に破裂ディスク450が備えられることがより好ましい。破裂ディスク450は一定の圧力以上で破裂する膜構造で構成され得る。
【0083】
ある電池セルユニット100で噴出したガスはこのような電池セルユニット100に対応するベンティングチャンネル410に沿って流れが案内され、前記ガスの圧力により当該ベンティングチャンネル410と対応する接続部440の破裂ディスク450を破裂させることによってパッククロスビーム1200のガス通路1210内部に吐出され得る。そして、パッククロスビーム1200のガス通路1210でのガスの流れは
図12のように、破裂ディスク450で塞がっている他の接続部440には逆流せず、パッククロスビーム1200に設けられた別途のガス排気口(図示せず)方向に誘導され得る。つまり、前記ガス排気口は外気と連通し、他の接続部440は破裂ディスク450で塞がっており、パッククロスビーム1200のガス通路1210でのガスの流れは前記ガス排気口方向に直ちに誘導され得る。パッククロスビーム1200内部でも電池セルユニット100毎の独自のベンティング経路がそのまま維持されることによって、電池セル110間の熱暴走の転移が防止され得る。
【0084】
また、パッククロスビーム1200は、ガス通路1210を区画する複数のメッシュ部1230を含むことができ、メッシュ部1230は、パッククロスビーム1200の長さ方向に沿って接続部440間の地点毎に位置することができる。ここで、パッククロスビーム1200の長さ方向は、パッククロスビーム1200が延びる方向であって、電池セルユニット100が積層される方向であり得る。
図12でパッククロスビーム1200の長さ方向は、Y軸と平行な方向である。メッシュ部1230は金属素材で形成され得る。
【0085】
メッシュ部1230が備えられたパッククロスビーム1200は、ガス通路1210を通過する火炎やパーティクルをもう一度フィルタリングすることができる。また、ガスはメッシュ部1230を通過しながら温度を下げる効果がある。
【0086】
一方、
図1、
図6、および
図11を再び参照すれば、パックトレイ1100の底部1100F上にはサーマルレジンが塗布されて形成されたサーマルレジン層1300が位置することができ、電池セルアセンブリー100Aはこのようなサーマルレジン層1300の上に配置され得る。前記サーマルレジンは熱伝導性接着物質を含むことができ、具体的にはシリコン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材、またはアクリル(Acrylic)素材のうちの少なくとも一つを含むことができる。前記サーマルレジンは、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化して電池セルアセンブリー100Aを固定する役割を果たすことができる。また、前記サーマルレジンは熱伝導特性に優れて電池セル110で発生した熱を迅速に電池パック1000の下側を通じて外部に排出することができる。
【0087】
前述したように、本実施形態によるセルカバー200は、側面部210と、上面部220と、を含むことができ、セルカバー200の内部に位置する電池セル110を基準として下側が開放され得る。このような構造の電池セルユニット100を含む電池セルアセンブリー100Aの場合、電池セル110はパックトレイ1100の底部1100Fと直接、対面することができる。また、電池セルアセンブリー100Aに含まれている電池セル110は、パックトレイ1100の底部1100F上に設けられたサーマルレジン層1300と直接、接触することができる。電池セル110が電池パック1000単位のサーマルレジン層1300と直接接触するため、電池パック1000の冷却性能をより向上させることができる。各電池セル110から発生した熱がパックトレイ1100の底部1100Fに直接伝達され、直ちに放出されて、冷却性能を向上させることができる。この場合、電池セル110とパックトレイ1100の底部1100Fとの間にはフレームなどの構造が介されずに熱伝達だけのためのサーマルレジン層1300があることから、熱伝達経路が単純化され、各層の間のエアーギャップを減らすことができるため、冷却効率や性能を向上させることができる。
【0088】
サーマルレジン層1300とパックトレイ1100の底部1100Fとの間にはヒートシンク1400が位置することができる。ヒートシンク1400の内部には冷媒(coolant)が流れる空間である冷却チャンネル1400Cが設けられ得る。各電池セル110から発生した熱はサーマルレジン層1300、ヒートシンク1400、およびパックトレイ1100の底部1100Fを経て外部に排出され得る。
【0089】
以下、本発明の一実施形態による電池セルユニット100のバスバーモジュール300について詳しく説明する。
【0090】
図13は、
図5および
図6の電池セルユニットに含まれている電池セルとバスバーモジュールとを拡大して示す分解斜視図である。
図14は
図5および
図6のバスバーモジュールに含まれているバスバーを示す斜視図である。
【0091】
図5、
図6、
図8、
図13、および
図14を参照すれば、本実施形態による電池セルユニット100は、電池セル110で電極リード111が配置された部分の少なくとも一部を覆う少なくとも一つのバスバーモジュール300を含むことができる。本実施形態によるセルカバー200に開放部200Pが形成され得る。セルカバー200において、電池セル110から電極リード111が突出している方向の両側に開放部200Pが形成され得る。このような開放部200Pにバスバーモジュール300が装着され得る。
【0092】
バスバーモジュール300は、電極リード111と連結されるバスバー310を含むことができる。本実施形態によるバスバー310は、電池セル110間の電気的連結のための部材であって、銅やアルミニウムのような金属素材を含むことができる。より具体的には、バスバー310は、電池セル110の電極リード111と結合するリード結合部311、およびリード結合部311から延在するターミナル部312を含むことができる。
【0093】
バスバー310を地面に対して起立させた場合、リード結合部311は、垂直に延びることができ、電池セル110の電極リード111と溶接などの方法で結合され得る。ターミナル部312はセルカバー200の外部に露出する部分であって、電池セルユニット100の電気的連結を案内するための部分である。このようなターミナル部312にはターミナル部312が外部バスバーと結合するために設けられたホール312Hが形成され得る。
【0094】
一方、本実施形態によるバスバー310は、リード結合部311とターミナル部312との間に位置する折れ部313をさらに含むことができる。このような折れ部313は、リード結合部311で所定の角度に傾斜して延びる部分であり得る。バスバー310のリード結合部311が電極リード111と結合する時、折れ部313が電極リード111よりセルカバー200の内部方向に向かうように配置され得る。
図3のようにセル本体113の両端部114a、144bのシーリング部114sの上部が切断され得る。このようなセル本体113の両端部114a、144bの形状に対応するように、バスバー310に所定の角度に傾斜して延びる折れ部313が設けられ得る。
【0095】
図8に示されたように、本実施形態によるセルカバー200には、バスバー310の一部が露出する切開形状200Nが形成され得る。セルカバー200は、切開形状200Nによりセルカバー200の端部で突出している形態を有するカバー部230を含む。
【0096】
セルカバー200の開放部200Pの上端で、側面部210の一部と上面部220の一部が切開されて切開形状200Nが設けられ得る。側面部210において、切開形状200Nに沿って湾入された部分とは異なり、切開されない部分は相対的に突出した形状を有するカバー部230に該当する。つまり、切開形状200Nおよびカバー部230は、開放部200Pに設けられ得る。
【0097】
バスバー310の一部は、切開形状200Nを通じて、セルカバー200の上部方向に露出することができる。より具体的には、ターミナル部312は、切開形状200Nを通じてセルカバー200の上部方向に露出することができる。また、切開形状200Nにより、カバー部230の上辺230Uとターミナル部312とは、離隔することができる。
【0098】
本実施形態によるバスバーモジュール300におけるバスバー310の位置と大きさにより、切開形状200Nが変更され得る。切開形状200Nは、セルカバー200とバスバー310との間の接触を防止して、バスバーモジュール300の電気絶縁性を確保することができる。切開形状200Nは、バスバーモジュール300の電気絶縁性が確保され得る範囲で設定され得る。例えば、バスバー310の全体的な位置、またはバスバー310でターミナル部312の位置が、下側に調節される場合、切開形状200Nは、下側方向にさらに切開され得る。特に、セルカバー200は内部に配置された少なくとも一つの電池セル110を支持し保護するために金属素材を含むことができる。この時、本実施形態によるセルカバー200に切開形状200Nが設けられているため、バスバー310、特にターミナル部312がセルカバー200と接触して短絡が発生することを防止し、バスバーモジュール300の電気絶縁性を確保することができる。
【0099】
一方、セルカバー200のカバー部230は、バスバーモジュール300の側面を覆うことができる。より具体的には、セルカバー部230は、バスバーモジュール300のバスバーフレーム320の側面を覆うことができる。そのために、カバー部230は、外部衝撃や振動などからバスバーモジュール300を保護することができ、バスバーモジュール300は、セルカバー200の開放部200Pに安定的に装着され得る。
【0100】
また、セルカバー200に設けられた切開形状200Nの分だけ、セルカバー200の重量を減らすことができる。これにより、電池セルユニット100およびこれを含む電池セルアセンブリー100Aのエネルギー密度をより向上させながらも重量を減らして製造費用を節減することができる。
【0101】
図15は、
図5および
図6のバスバーモジュールに含まれているバスバーフレームを示す斜視図である。
【0102】
図13~
図15を共に参照すれば、本実施形態によるバスバーモジュール300は、バスバー310が装着され、電気絶縁性素材を含むバスバーフレーム320をさらに含むことができる。
【0103】
電気絶縁性素材を含むバスバーフレーム320は、バスバー310の少なくとも一部を覆うことができる。そのために、バスバーフレーム320は、バスバー310が電極リード111以外に他の部分と接触して短絡が発生することを防止することができる。
【0104】
バスバーフレーム320は、ターミナル部312の周りを囲んでセルカバー200の切開形状200Nに装着されるペリメーター部321を含むことができる。ペリメーター部321には上部ホール321Hが形成され得、バスバー310は、上部ホール321Hを通じてバスバーフレーム320の内部空間に挿入され得る。バスバー310は、バスバーフレーム320の内部で多様な方式により固定され得るが、例えば、バスバーフレーム320の内部空間に設けられた突出部320PRがバスバー310に形成されたホール311Hに挿入される方式が適用され得る。
【0105】
一方、バスバーフレーム320にはスリット320Sが形成され得る。電池セル110の電極リード111がこのようなスリット320Sを通過した後に曲がってバスバー310のリード結合部311に結合され得る。電極リード111とリード結合部311との結合方式に特別な制限はないが、一例として溶接接合が適用され得る。バスバーフレーム320にはバスバー開放部320Pが形成され得、このようなバスバー開放部320Pを通じて電極リード111とリード結合部311との間の溶接作業が行われ得る。電極リード111とリード結合部311との間の結合が完了すると、バスバーカバー330と絶縁シート340とが、バスバー開放部を覆ってバスバーフレーム320に組立てられ得る。
【0106】
図16は
図5の電池セルユニットでバスバーモジュールが装着された部分を拡大して示す部分図面である。
【0107】
図13~
図16を共に参照すれば、本実施形態によりバスバー310のターミナル部312の周りを囲むペリメーター部321は、ターミナル部312とカバー部230との間に位置することができる。切開形状200Nによりカバー部230の上辺230Uとターミナル部312とは、離隔することができ、同時に、電気絶縁性素材のペリメーター部321がターミナル部312とカバー部230との間に介されることによって、バスバーモジュール300の電気絶縁性がさらに確保され得る。バスバーフレーム320のペリメーター部321がセルカバー200の切開形状200Nに組立てられると、バスバーモジュール300の構造的安定性と共に電気絶縁性を向上させることができる。
【0108】
以下、本発明の一実施形態による電池セルアセンブリー100Aの構造について説明する。
【0109】
図2~
図6を共に参照すれば、本実施形態の電池セルアセンブリー100Aは、複数の電池セルユニット100と、複数の電池セルユニット100のうち、最外側に位置した電池セルユニット100の一面を支持する支持プレート120と、複数の電池セルユニット100の前面および後面を覆うエンドカバー130と、複数の電池セルユニット100を互いに結合する固定ユニット140と、を含むことができる。また、本実施形態の電池セルアセンブリー100Aは、ハンドルユニット150をさらに含むこともできる。
【0110】
前述のように、本実施形態では、複数の電池セル110が別途のモジュールケースに収容されて電池パック1000のパックトレイ1100に装着されるのではなく、簡素化された構造のセルカバー200により部分的に覆われた状態でパックトレイ1100に直接装着され得る。このような電池セルユニット100構造を通じて電池パック1000全体の重量と体積が減少し、電池パック1000のエネルギー密度を向上させることができる。また、多数の電池セル110をケースに直接装着して使用する過程で発生する電池セル110の損傷が防止され、電池セルのスウェリング(swelling)制御とガスベンティング経路の設計が容易に行われ得る。
【0111】
一方、説明に先立ち、電池セルユニット100は、横(長さ)、縦(幅)、厚さを有する六面体の形状を有することができる。ここで、長さ方向はX軸、幅方向はZ軸、厚さ方向はY軸であり得る。複数の電池セルユニット100は厚さ方向(Y軸方向)に沿って連続して配置され得、厚さ方向(Y軸方向)は電池セルユニット100の積層方向と称され得る。
【0112】
ここで、電池セルユニット100の長さ方向(X軸方向)の向き合う二面は、前面および後面であり、電池セルユニット100の厚さ方向(Y軸方向)の向き合う二面は、側面であり、電池セルユニット100の幅方向(Z軸方向)の向き合う二面は、上面および下面と称され得る。
【0113】
電池セルユニット100は複数であり得、複数の電池セルユニット100は一方向に並んで配置され得る。電池セルユニット100は一方向に積層されてパックトレイ1100に収納され得る。電池セルユニット100はその側面と隣接した電池セルユニット100の側面とが平行になるように連続して配置され得る。
【0114】
電池セルユニット100は側面がパックトレイ1100と垂直になるようにZ軸方向に沿って直立して配置され得る。電池セルユニット100は下面がパックトレイ1100の底部1100Fと対応するように配置され得る。
【0115】
支持プレート120は積層された電池セルユニット100の全体的な形状を維持するためのものであり得る。支持プレート120は積層された電池セルユニット100を支持するためのものであり得る。電池パック1000で電池セルユニット100はその一面が電池パック1000の底部1100Fと垂直になるように配置され得、支持プレート120は電池セルユニット100の一面が直立状態を維持できるようにその一面を支持するものであり得る。支持プレート120は複数の電池セルユニット100が互いに離隔することを防止することができ、これにより、電池セルユニット100間の相対的な位置を固定することができる。支持プレート120は板状形部材であり得、モジュールフレームに代わって電池セルアセンブリー100Aの剛性を補完することができる。
【0116】
支持プレート120は、積層された電池セルユニット100のうち、最外側の電池セルユニット100の一面上に配置され得る。支持プレート120は、積層された電池セルユニット100のうち、最外側の電池セルユニット100の側面上に配置され得る。
【0117】
ここで、本実施形態の電池セルアセンブリー100Aに提供される支持プレート120は二つであり得る。支持プレート120は第1支持プレート120aおよび第2支持プレート120bを含むことができる。一対の支持プレート120は、積層された電池セルユニット100の積層方向の両端にそれぞれ提供され得る。第1支持プレート120aは積層された電池セルユニット100のうち、一側の最外側の電池セルユニット100と接触し、第2支持プレート120bは積層された電池セルユニット100のうち、他側の最外側の電池セルユニット100と接触することができる。
【0118】
支持プレート120は多様な素材で製造され得、多様な製造方法を通じて提供され得る。一例として、支持プレート120は金属素材で製造され得、金属素材の例としてはアルミニウムが挙げられる。他の例として、支持プレート120はインサートモールディング(insert molding)を通じてアルミニウムと高分子合成樹脂を組み合わせた素材で製造することもできる。しかしながら、支持プレート120の素材および製造方式は、前述の説明により限定されてはならず、言及していない多様な素材を含むか、または他の製造方式で製造することも可能である。
【0119】
支持プレート120は、電池セルユニット100を支持する支持部122と、エンドカバー130との結合のためのカバー結合部124と、ハンドルユニット150との結合のためのハンドル結合部126と、を含むことができる。
【0120】
支持部122は、支持プレート120のほとんどの面積に該当するものであり、電池セルユニット100を支持することができるように板状の形状を有することができる。支持部122は電池セルユニット100の側面形状と類似の形状を有することができる。板状の形状の支持部122は長さ方向(X軸方向)および幅方向(Z軸方向)の両側縁を含むことができる。
【0121】
一方、支持プレート120と複数の電池セルユニット100は、固定ユニット140により結合し、これにより相対的な位置移動が制限され得る。このために、支持部122には固定ユニット140が挿入されるプレート締結ホール123が形成され得る。後述するが、プレート締結ホール123は、電池セルユニット100に含まれているセルカバー200のセルユニット締結ホール115と対応する位置に形成され得る。プレート締結ホール123は、支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部に近く位置することができる。これは支持プレート120および電池セルユニット100に含まれているセルカバー200を貫通する固定ユニット140が電池セル110を損傷させることを防止するためのものであり得る。
【0122】
支持プレート120に形成されたプレート締結ホール123は一つであり得る。しかしながら、複数の電池セルユニット100および支持プレート120が安定的に結合するためには固定ユニット140が複数であることが好ましく、そのために支持プレート120にプレート締結ホール123が複数で形成され得る。具体的な例を挙げれば、電池セルアセンブリー100Aに提供される固定ユニット140は二つであり得、プレート締結ホール123は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の両端と近い部分にそれぞれ形成され得る。プレート締結ホール123が複数である場合には各セルカバー200に形成されたセルユニット締結ホール115も複数であり得、この時、複数のプレート締結ホール123と各セルカバー200に形成された複数のセルユニット締結ホール115はそれぞれ、対応することができる。
【0123】
カバー結合部124は支持プレート120とエンドカバー130の結合面を提供するものであり得る。カバー結合部124は支持部122の一縁から延びる形態を有することができる。
【0124】
カバー結合部124は支持部122の周縁のうち、エンドカバー130と対応する一縁に形成され得る。エンドカバー130は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と近く配置され得、カバー結合部124は支持部122の長さ方向(X軸方向)の縁に形成されてエンドカバー130との結合面を提供することができる。カバー結合部124は支持部122の長さ方向(X軸方向)の縁でエンドカバー130に向かって延びる形態を有することができる。カバー結合部124は支持部122の一面と平行に延びる形態を有することができる。この時、エンドカバー130はその長さ方向(Y軸方向)の端部が支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と対応するように配置され得る。
【0125】
一つの支持プレート120に形成されたカバー結合部124は二つであり得る。カバー結合部124は支持部122の互いに向き合う二つの縁にそれぞれ位置することができる。より具体的な例を挙げれば、エンドカバー130は二つであり得、二つのエンドカバー130は一つの支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部とそれぞれ対応するように配置され得る。カバー結合部124は支持部122の長さ方向(X軸方向)の両縁にそれぞれ形成され、二つのカバー結合部124は二つのエンドカバー130とそれぞれ対応することができる。支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の一端部に位置したカバー結合部124は一つのエンドカバー130と対応し、他端部に位置したカバー結合部124は他の一つのエンドカバー130と対応することができる。このように、カバー結合部124は支持部122に複数形成され得、それぞれのカバー結合部124はそれぞれのエンドカバー130に形成されたカバー延長部134と結合することができる。
【0126】
一方、電池セルアセンブリー100Aに提供される支持プレート120は二つであり得、一対の支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の一端部および他端部は一対のエンドカバー130の長さ方向(Y軸方向)の一端部および他端部とそれぞれ対応することができる。これにより一つのエンドカバー130の長さ方向(Y軸方向)の一端部には第1支持プレート120aに形成されたカバー結合部124が対応し、他端部には第2支持プレート120bに形成されたカバー結合部124が対応することができる。
【0127】
カバー結合部124にはエンドカバー130との結合のための第2プレート締結ホール125が形成され得る。第2プレート締結ホール125は一つであってもよく、二つ以上であってもよい。一例として、第2プレート締結ホール125は一つであり得る。このような場合、エンドカバー130の結合安定性はエンドカバー130の形状または他の部材の形状により補完され得る。また、第2プレート締結ホール125が一つである場合には、製造費用が節減され、製造工程が単純化される効果がある。また、他の例として、第2プレート締結ホール125は二つであり得る。このような場合、エンドカバー130の結合の信頼性を向上することができる。
【0128】
ハンドル結合部126は支持プレート120とハンドルユニット150の結合面を提供するものであり得る。ハンドル結合部126は少なくとも一つのハンドルユニット150と結合することができる。
【0129】
ここで、ハンドルユニット150は電池セルアセンブリー100Aをパックトレイ1100の内部に安定的に載置させるためのものであり得、使用者により把持可能なハンドルを含むことができる。ハンドルユニット150はその一端部が支持プレート120と分離可能に結合され得、電池セルアセンブリー100Aの装着が完了した後には支持プレート120から除去され得る。
【0130】
ハンドル結合部126は支持部122の一縁から延びる形態で形成され得る。ハンドル結合部126は支持部122の幅方向(Z軸方向)の一端部に位置することができる。より具体的には、電池セルアセンブリー100Aが装着された状態を基準として上側に位置することができる。これは電池セルアセンブリー100Aの装着が完了した後にハンドルユニット150の除去を容易にするためのものであり得る。
【0131】
エンドカバー130は複数の電池セルユニット100の前面または後面を保護するためのものであり得る。エンドカバー130は複数の電池セルユニット100の前面または後面を覆うことができる。エンドカバー130は積層された電池セルユニット100の長さ方向の端部に位置することができる。エンドカバー130は二つであり得、二つのエンドカバー130は積層された電池セルユニット100の長さ方向の両端部にそれぞれ提供され得る。
【0132】
エンドカバー130は複数の電池セルユニット100に含まれている電池セルの端子部分を一体に覆うことができる。エンドカバー130は、複数の電池セルユニット100に含まれている電池セル110の電極リード111の部分と対応するボディー部132、およびボディー部132の一縁から垂直に延び、支持プレート120と結合するカバー延長部134を含むことができる。
【0133】
ボディー部132は複数の電池セルユニット100の前面または後面を覆うことができる。ボディー部132は複数の電池セルユニット100の長さ方向の端部に位置することができる。ボディー部132は複数の電池セルユニット100の長さ方向の端部を覆うことができる。ボディー部132は複数の電池セルユニット100に含まれている電池セルの端子部分を覆うことができる。ここで、ボディー部132は「端子カバー部」とも称され得る。
【0134】
ボディー部132はその概略的な形状が板状形であり得る。板状の形状のボディー部132は長さ方向(Y軸方向)の両側縁および幅方向(Z軸方向)の両側縁を含むことができる。
【0135】
ボディー部132にはカバーベンティングホール133が形成され得る。カバーベンティングホール133は複数であり得、複数のカバーベンティングホール133はそれぞれの電池セルユニット100と対応することができる。しかしながら、それぞれのカバーベンティングホール133は必ずしも一つの電池セルユニット100と対応しなければならないのではなく、複数のカバーベンティングホール133は、一つの電池セルユニット100と対応したり、一つのカバーベンティングホール133に複数の電池セルユニット100が対応したりすることも可能である。カバーベンティングホール133によりエンドカバー130は電池セルユニット100を外部環境から保護しながらも、電池セル110から発生されるガスなどを外部に排出することができる。これにより、電池セルアセンブリー100Aの連鎖的な熱暴走現象が防止され得る。
【0136】
カバー延長部134はエンドカバー130と支持プレート120の結合のための結合面を提供するためのものであり得る。
【0137】
カバー延長部134はボディー部132の周縁のうち、支持プレート120と対応する一縁に形成され得る。支持プレート120はエンドカバー130の長さ方向(Y軸方向)の端部と近く配置され得、カバー延長部134はボディー部132の長さ方向(Y軸方向)の縁に形成されて支持プレート120との結合面を提供することができる。カバー延長部134はボディー部132の一縁から支持プレート120に向かって延びる形態を有することができる。カバー延長部134はボディー部132の一縁から支持プレート120に向かってボディー部132の一面と垂直に延びる形態を有することができる。この時、エンドカバー130は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部に位置することができる。エンドカバー130はその長さ方向(Y軸方向)の端部が支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と対応するように配置され得る。
【0138】
カバー延長部134は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と対応することができる。カバー延長部134は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と重なることができる。カバー延長部134は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部の外側に位置することができる。カバー延長部134は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と結合することができる。
【0139】
一つのエンドカバー130に形成されたカバー延長部134は二つであり得る。二つのカバー延長部134はボディー部132の互いに向き合う二つの縁にそれぞれ形成される第1カバー延長部134aおよび第2カバー延長部134bを含むことができる。第1カバー延長部134aおよび第2カバー延長部134bはボディー部132の長さ方向(Y軸方向)の両縁に形成され得る。
【0140】
より具体的には、第1支持プレート120aおよび第2支持プレート120bはエンドカバー130の長さ方向(Y軸方向)の両端部と対応するようにそれぞれ位置することができる。エンドカバー130の長さ方向(Y軸方向)の一端部に位置する第1カバー延長部134aは第1支持プレート120aと対応し、他端部に位置する第2カバー延長部134bは第2支持プレート120bと対応することができる。第1カバー延長部134aおよび第2カバー延長部134bは、第1支持プレート120aおよび第2支持プレート120bに向かって、ボディー部132の一面と垂直に延びる形態を有することができる。第1カバー延長部134aおよび第2カバー延長部134bは、第1支持プレート120aおよび第2支持プレート120bの端部とそれぞれ対応することができる。第1カバー延長部134aおよび第2カバー延長部134bは、第1支持プレート120aおよび第2支持プレート120bの端部とそれぞれ重なることができ、結合することができる。第1カバー延長部134aは第1支持プレート120aの外側に位置し、第2カバー延長部134bは第2支持プレート120bの外側に位置することができる。ここで、特定部材の外側とは、電池セルアセンブリー100Aの中心を基準として説明され得る。また、後述するように、第1カバー延長部134aおよび第2カバー延長部134bは、第1支持プレート120aおよび第2支持プレート120bに形成されたカバー結合部124とそれぞれ対応することができる。
【0141】
カバー延長部134は支持プレート120のカバー結合部124と対応することができる。カバー延長部134はカバー結合部124と重なることができる。カバー延長部134は支持プレート120のカバー結合部124と結合することができる。より具体的には、カバー延長部134はカバー結合部124の外側に位置することができ、カバー延長部134の内側面はカバー結合部124の外側面と接触することができる。
【0142】
カバー延長部134とカバー結合部124とが容易に重なるように、カバー結合部124の外側面は内側面に向かって窪み形状を有することができ、陥没した外側面にカバー延長部134が載置され得る。また、カバー延長部134の各角部は丸い形状を有することができ、これによりエンドカバー130が電池セルユニット100と支持プレート120との結合体に装着される時、支持プレート120とエンドカバー130との間の干渉が最小化され得る。
【0143】
一方、従来は電池セルを外部環境から保護するために積層された電池セルの上下左右面を覆うモジュールフレームと前後面を覆うエンドプレートが提供された。また、電池セルの外部でモジュールフレームとエンドプレートが主に溶接により結合された。しかしながら、本実施形態では、モジュールフレームが省略されることによって、エンドカバー130と支持プレート120とが結合し、エンドカバー130と支持プレート120とが締結部材により結合することによって溶接工程を追加しなくてもよい。そのために、製造工程をより容易かつ迅速に完了することができる。また、エンドカバー130にはカバー延長部134が形成され、支持プレート120にはこれと対応するカバー結合部124が形成されるため、これによりエンドカバー130と支持プレート120との間の結合が安定的かつ容易に行われ得る。
【0144】
カバー延長部134には支持プレート120との結合のためのカバー締結ホール135が形成され得る。カバー締結ホール135はカバー結合部124に形成された第2プレート締結ホール125と対応することができる。本実施形態の電池セルアセンブリー100Aの製造工程において、エンドカバー130は、カバー締結ホール135と第2プレート締結ホール125の同一軸上に位置するように配置され得、カバー締結ホール135と第2プレート締結ホール125には第2固定ユニットが挿入され得、これによりエンドカバー130と支持プレート120が結合され得る。ここで、第2固定ユニットは、ボルトまたはリベットのような締結部材であり得る。
【0145】
カバー締結ホール135の個数は、一つであってもよいが、二つ以上であってもよい。これについては第2プレート締結ホール125に関する説明を参照する。カバー締結ホール135が複数である場合には第2プレート締結ホール125も複数であり得、複数のカバー締結ホール135および第2プレート締結ホール125はそれぞれ対応することができる。
【0146】
一方、本実施形態の電池セルユニット100は、固定ユニット140により結合され得、固定ユニット140により電池セルユニット100の相対的な移動が制限され得る。固定ユニット140は支持プレート120および電池セルユニット100を結合することができる。固定ユニット140は第1支持プレート120aに形成されたプレート締結ホール123を通過した後、複数の電池セルユニット100に含まれているセルカバー200に形成されたセルユニット締結ホール115を通過することができ、第2支持プレート120bに形成されたプレート締結ホール123を通過することができる。これにより、支持プレート120および電池セルユニット100の相対的な移動が制限され、電池セルアセンブリー100Aはブロック化され得る。
【0147】
このように、固定ユニット140により複数の電池セルユニット100がブロック化され得、電池セルユニット100の相対的な位置が固定されることによって電池セルアセンブリー100Aの取り扱いがより容易になり得る。つまり、固定ユニット140により電池セル110の装着が容易になり得、電池セル110の装着に必要な構造が簡素化されることによって、軽量化および製造費用削減のような効果が達成され得る。
【0148】
固定ユニット140はロングボルト形状で提供され得る。固定ユニット140は電池セルアセンブリー100Aに含まれている複数の電池セルユニット100を全て貫通するのに十分な長さのロングボルトで提供され得る。
【0149】
一方、図面では、固定ユニット140は、電池セルアセンブリー100Aの下側部分を貫通するものとして示されたが、必ずしもその限りではなく、電池セル110および電極リード111を損傷させなければ、他の位置に提供することも可能である。例えば、固定ユニット140は電池セルアセンブリー100Aの上側部分を貫通するように提供され得、これにより固定ユニット140が通過するプレート締結ホール123およびセルユニット締結ホール115の位置は調整され得る。
【0150】
本実施形態では、前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されているが、このような用語は説明の便宜のためのものに過ぎず、対象となる事物の位置や観測者の位置などにより変わり得る。
【0151】
前述した本実施形態による一つまたはそれ以上の電池セルアセンブリーは、バッテリマネジメントシステム(BMS:Battery Management System)、バッテリ遮断ユニット(BDU:Battery Disconnect Unit)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0152】
前記電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段や電力貯蔵システム(ESS:Energy Storage System)に適用され得るが、これに制限されず、二次電池を使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0153】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0154】
100:電池セルユニット
100A:電池セルアセンブリー
110:電池セル
200:セルカバー
200V:ベンティング部
300:バスバーモジュール
400:ベンティングユニット
410:ベンティングチャンネル
1100:パックトレイ
1200:パッククロスビーム
1210:ガス通路
【国際調査報告】