(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】パウチフォーミング装置およびこれを利用したパウチフォーミング方法
(51)【国際特許分類】
B29C 51/42 20060101AFI20241210BHJP
B29C 51/08 20060101ALI20241210BHJP
B29C 33/02 20060101ALI20241210BHJP
B29C 51/30 20060101ALI20241210BHJP
B29C 43/36 20060101ALI20241210BHJP
H01M 50/105 20210101ALN20241210BHJP
【FI】
B29C51/42
B29C51/08
B29C33/02
B29C51/30
B29C43/36
H01M50/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532344
(86)(22)【出願日】2023-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 KR2023009078
(87)【国際公開番号】W WO2024005557
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0081405
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、イク ジョーン
(72)【発明者】
【氏名】リー、エウン ヒュン
【テーマコード(参考)】
4F202
4F208
5H011
【Fターム(参考)】
4F202AC03
4F202AG07
4F202AH42
4F202AH58
4F202AR06
4F202CA09
4F202CA17
4F202CB01
4F202CB12
4F202CK52
4F202CK90
4F202CN05
4F202CN30
4F202CS10
4F208AC03
4F208AG07
4F208AH42
4F208AH58
4F208AR06
4F208MA05
4F208MA06
4F208MB01
4F208MC03
4F208MC04
4F208MH09
4F208MH10
4F208MJ09
4F208MJ15
4F208MK11
4F208MK13
5H011AA09
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H011DD26
(57)【要約】
本発明はパウチフォーミング装置およびこれを利用したパウチフォーミング方法に関し、本発明の一実施例に関連したパウチフォーミング装置は、パウチシートを冷却させるための冷却ユニットおよび冷却ユニットを通過したパウチシートが供給され、パウチシートに電極組立体が収容される収容部を形成するためのフォーミングユニットを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチシートを冷却させるための冷却ユニット;および
前記冷却ユニットを通過した前記パウチシートが供給され、前記パウチシートに電極組立体が収容される収容部を形成するためのフォーミングユニットを含む、パウチフォーミング装置。
【請求項2】
前記冷却ユニットは、
前記パウチシートが通過する空間部を有する冷却チャンバおよび
前記冷却チャンバの空間部の温度を調節するための温度調節部を含む、請求項1に記載のパウチフォーミング装置。
【請求項3】
前記温度調節部は前記空間部内に圧縮空気を供給するように設けられた、請求項2に記載のパウチフォーミング装置。
【請求項4】
前記温度調節部は前記空間部の温度を常温より低く維持させるように設けられた、請求項2に記載のパウチフォーミング装置。
【請求項5】
前記温度調節部は前記空間部の温度を5℃~10℃に維持させる、請求項4に記載のパウチフォーミング装置。
【請求項6】
前記フォーミングユニットは、前記冷却ユニットから供給された前記パウチシートが装着される装着面および前記装着面に形成されたフォーミング溝を有するダイ;
前記収容部を形成するために前記パウチシートの一部の領域を前記フォーミング溝の内部に圧入するためのパンチ;および
前記ダイ上に装着された前記パウチシートの縁領域を加圧するためのストリッパを含む、請求項1に記載のパウチフォーミング装置。
【請求項7】
前記ダイは前記装着面が前記パンチと近づいたり前記パンチから遠ざかるように移動可能に設けられた、請求項6に記載のパウチフォーミング装置。
【請求項8】
前記パンチと近づく方向に前記ダイが移動する時、前記パンチは前記フォーミング溝の内部に挿入される、請求項7に記載のパウチフォーミング装置。
【請求項9】
前記パンチが前記フォーミング溝の内部に挿入される時、前記ダイの装着面と前記ストリッパは接触状態を維持する、請求項8に記載のパウチフォーミング装置。
【請求項10】
前記ダイは、前記フォーミング溝と流体移動可能に連結された一つ以上の排出通路を含む、請求項6に記載のパウチフォーミング装置。
【請求項11】
前記排出通路は前記パンチが前記フォーミング溝の内部に挿入される時、前記フォーミング溝内の空気を前記ダイの外部に排出させるように設けられた、請求項10に記載のパウチフォーミング装置。
【請求項12】
前記冷却ユニットおよび前記フォーミングユニットを制御する制御部をさらに含み、
前記制御部は前記冷却ユニットの冷却温度に基づいて前記フォーミングユニットを制御する、請求項1に記載のパウチフォーミング装置。
【請求項13】
請求項1~請求項12のいずれか一項に記載のパウチフォーミング装置を利用したパウチフォーミング方法であって、
冷却ユニットを通過する過程でパウチシートを冷却させる段階;および
前記冷却ユニットを通過した前記パウチシートに電極組立体が収容される収容部を形成する段階を含む、パウチフォーミング方法。
【請求項14】
前記冷却ユニットの温度を常温より低く維持させる、請求項13に記載のパウチフォーミング方法。
【請求項15】
前記冷却ユニットの温度を5℃~10℃に維持させる、請求項14に記載のパウチフォーミング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパウチシートに電池組立体を収容する収容部を形成するためのパウチフォーミング装置およびこれを利用したパウチフォーミング方法に関する。
【0002】
本出願は2022年7月1日付韓国特許出願第10-2022-0081405号に基づいた優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池は電池ケースの形状により、コイン形二次電池、角形二次電池、円筒形二次電池およびパウチ型二次電池などに区分される。
【0004】
二次電池で電池ケースの内部に装着される電極組立体は電極および分離膜の積層構造を有する。
【0005】
電極組立体は活物質が塗布されたシート型の正極と負極の間に分離膜を介在して巻き取ったゼリーロール(jelly roll)型、分離膜が介在された状態で多数の正極と負極を順次積層したスタック型およびスタック型の単位セルを長い長さの分離フィルムで巻き取ったスタック/フォールディング型に区分することができる。
【0006】
最近では、スタック型またはスタック/フォールディング型電極組立体をアルミニウム(AL)パウチ型電池ケースに内蔵したパウチ型二次電池が多く使われる趨勢である。
【0007】
パウチ型二次電池は構造が簡単で単位体積当たりの電気容量が大きく、低い製造費、小さい重量、容易な形態変更が容易な利点がある。
【0008】
パウチ型二次電池はスラリーミキシング(slurry mixing)、電極(正極材/負極材)コーティング(coating)、極板プレス(pressing)、極板スリッティング(slitting)および極板ノッチング/ポンチング(punching/notching)、極板ドライ(drying)、極板ラミネーション(lamination)、極板スタッキング(stacking)、パウチパッケージング(pouch packaging)、電解液注液、化成(formation)、パウチデガッシング(pouch degassing)の工程順で進行されて形成される。
【0009】
一方、パッケージング工程ではパウチシートに電池組立体を収容するための収容部を形成するパウチフォーミング(forming)作業が遂行される。
【0010】
前記収容部はパウチシートの一部の領域を圧入することによって形成される。
【0011】
この時、パウチシートのようなフィルムには一般的に有機滑剤が添加されており、除膜後に滑剤がフィルムの表面に染み出ることになり、滑剤を通じて良好なすべり性を発現することになる。
【0012】
一方、パウチシートはアルミニウム(Al)層を含み、パウチシートのディープフォーミング(deep forming)を遂行することになるとアルミニウム層が破断し、パウチシートにクラック(crack)が発生する問題点がある。
【0013】
また、パウチシートのフォーミング工程時に摩擦力が増加してすべり性能が低下することによって、収容部を圧入するための圧力負荷が多くかかるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明はパウチシートのフォーミング工程時、パウチシートの温度を予め下降させてパウチシートの滑剤の量を増加させ、ディープフォーミング進行時に摩擦を減らすことができるパウチフォーミング装置およびこれを利用したパウチフォーミング方法を提供することを解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、本発明の一側面によると、パウチシートを冷却させるための冷却ユニットおよび冷却ユニットを通過したパウチシートが供給され、パウチシートに電極組立体が収容される収容部を形成するためのフォーミングユニットを含む、パウチフォーミング装置が提供される。
【0016】
また、前記冷却ユニットは、パウチシートが通過する空間部を有する冷却チャンバおよび前記冷却チャンバの空間部の温度を調節するための温度調節部を含むことができる。
【0017】
また、前記温度調節部は前記空間部内に圧縮空気を供給するように設けられ得る。
【0018】
また、前記温度調節部は前記空間部の温度を常温より低く維持させるように設けられ得る。
【0019】
また、前記温度調節部は前記空間部の温度を5℃~10℃に維持させることができる。
【0020】
また、前記フォーミングユニットは、前記冷却ユニットから供給されたパウチシートが装着される装着面および前記装着面に形成されたフォーミング溝を有するダイ(die)、前記収容部を形成するためにパウチシートの一部の領域をフォーミング溝の内部に圧入するためのパンチ(punch)およびダイ上に装着されたパウチシートの縁領域を加圧するためのストリッパ(stripper)を含むことができる。
【0021】
また、前記ダイは装着面がパンチと近づいたりパンチから遠ざかるように移動可能に設けられ得る。
【0022】
また、前記パンチと近づく方向にダイが移動する時、パンチはフォーミング溝の内部に挿入されるように設けられ得る。
【0023】
また、前記パンチがフォーミング溝の内部に挿入される時、ダイの装着面とストリッパは接触状態を維持するように設けられ得る。
【0024】
また、前記ダイは、フォーミング溝と流体移動可能に連結された一つ以上の排出通路を含むことができる。また、前記排出通路はパンチがフォーミング溝の内部に挿入される時、フォーミング溝内の空気をダイの外部に排出させるように設けられ得る。
【0025】
また、前記パウチフォーミング装置は前記冷却ユニットおよびフォーミングユニットを制御する制御部を含むことができる。
【0026】
前記制御部は前記冷却ユニットの冷却温度に基づいてフォーミングユニットを制御するように設けられ得る。
【0027】
また、本発明のさらに他の側面によると、前記パウチフォーミング装置を利用したパウチフォーミング方法であって、冷却ユニットを通過する過程でパウチシートを冷却させる段階および冷却ユニットを通過したパウチシートに電極組立体が収容される収容部を形成する段階を含むパウチフォーミング方法が提供される。
【0028】
また、パウチシートの冷却時、前記冷却ユニットの温度を常温より低く維持させるように設けられ得る。
【0029】
また、パウチシートの冷却時、前記冷却ユニットの温度を5℃~10℃に維持させるように設けられ得る。
【発明の効果】
【0030】
以上で詳察した通り、本発明の一実施例に関連したパウチフォーミング装置およびこれを利用したパウチフォーミング方法は、次のような効果を有する。
【0031】
パウチシートのフォーミング工程以前に、パウチシートの温度を予め下降させることによって、パウチシートの滑剤の量を増加させることができる。
【0032】
また、パウチシートのディープフォーミング時、パウチシートのすべり性能を向上させることができ、圧入時、摩擦が最小化されることによって、フォーミング工程に必要な圧力負荷を減らすことができる効果がある。
【0033】
また、パウチシートの限界フォーミング深さを向上させることができ、これに伴い、電池セル(cell)当たりエネルギー密度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置が使われる工程を説明するためのブロック図である。
【
図2】本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置を示した概略図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置の一作動状態を説明するための概略図である。
【
図4】本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置の一作動状態を説明するための概略図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置の一作動状態を説明するための概略図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置の一作動状態を説明するための概略図である。
【
図7】フォーミング工程が完了したパウチシートを示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置およびこれを利用したパウチフォーミング方法を図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
また、図面符号にかかわらず、同一または対応する構成要素は同一または類似する参照番号を付与し、これに対する重複説明は省略することにし、説明の便宜のために図示された各構成部材の大きさおよび形状は誇張または縮小され得る。
【0037】
図1は、本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置が使われる工程を説明するためのブロック図である。
【0038】
図1を参照すると、パウチフォーミング方法はパウチ型二次電池を製造する工程の中で、極板スタッキング工程と電解液注液工程の間に遂行されるパウチパッケージング工程中に遂行され得る。
【0039】
前記パウチフォーミング工程はパウチシート(1012、
図7参照)に電池組立体(10、
図7参照)が収容される収容部1013を形成するための工程である。
【0040】
また、本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置はパウチフォーミング工程を遂行するための装置である。
【0041】
図2は本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置を示した概略図であり、
図3~
図6は本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置の一作動状態を説明するための概略図である。
【0042】
また、
図7はフォーミング工程が完了したパウチシートを示した概略図である。
【0043】
本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置1000は、パウチシート1010を冷却させるための冷却ユニット1100および前記冷却ユニット1100を通過したパウチシート1010が供給され、パウチシート1010に電極組立体10が収容される収容部1013を形成するためのフォーミングユニット1200を含む。
【0044】
本文書で、冷却ユニット1100を通過してフォーミングユニット1200に供給されるパウチシートは符号1010で表し、フォーミングユニット1200でフォーミング工程以後に収容部1013が形成されたパウチシートを符号1012で表す。
【0045】
前記フォーミングユニット1200はパウチシート1010に収容部1013を形成する装置であり、冷却ユニット1100はフォーミングユニット1200に供給(M)されるパウチシート1010の温度を冷却させる装置である。
【0046】
ここで、冷却ユニット1100およびフォーミングユニット1200に供給されるパウチシート1010はアルミニウム(Al)を含み、シート(sheet)状で設けられ得る。
【0047】
前記冷却ユニット1100は、フォーミングユニット1200にパウチシート1010を供給する前にパウチシート1010の温度を調節するための装置である。特に、冷却ユニット1100はパウチシート1010を所定の温度で冷却させることによって、パウチシート1010の温度を低くするように設けられる。
【0048】
前記冷却ユニット1100は、パウチシート1010が通過する空間部1113を有する冷却チャンバ1110および冷却チャンバ1110の空間部1113の温度を調節するための温度調節部1130を含むことができる。
【0049】
冷却ユニット1100はパウチシート1010を冷却させるために多様な方式で構成され得る。
【0050】
一例として、冷却ユニット1100は圧縮空気(compressed air)を利用して冷却チャンバ1110を通過するパウチシート1010の温度を調節することができる。すなわち、前記温度調節部1130は前記空間部1113内に圧縮空気を供給するように設けられ得る。前記圧縮空気は所定の温度で調節されて冷却チャンバ1110の内部に供給され得る。
【0051】
他の一例として、温度調節部1130は前記空間部1113の温度を調節するために冷媒を利用する方式の冷却装置(圧縮機、蒸発器、凝縮機および膨張バルブなど)を含むことができ、前記冷却装置を通じて、冷却チャンバ1110を通過するパウチシート1010の温度を調節することもできる。
【0052】
このような場合、冷媒によって冷却チャンバ1110の空間部1113の温度が低くなることによって、冷却チャンバ1110を通過するパウチシート1010の温度を低くすることができるようになる。
【0053】
前記温度調節部1130は前記空間部1113の温度を常温より低く維持させるように設けられ得、特に、温度調節部1130は前記空間部1113の温度を5℃~10℃に維持させるように設けられ得る。また、温度調節部1130は後述する制御部1300により制御され得る。
【0054】
通常パウチシート1010はフォーミング工程以前に常温状態で移送されており、この時、パウチシート1010を冷却チャンバ1110に通過させることによって、パウチシート1010を常温より低い温度に予め冷却させることができる。
【0055】
前記制御部1300は温度調節部1130を通じて空間部1113の温度を調節することができる。また、前記パウチフォーミング装置1000はロールツーロール(roll to roll)のような移送部を通じてパウチシート1010を冷却ユニット1100およびフォーミングユニット1200に移送することができる。
【0056】
このように、冷却ユニット1100を利用してパウチシート1010の温度を低くすることになると、フォーミング工程以前にパウチシート1010の滑剤の量が増加してパウチシート1010のすべり性能が向上する。
【0057】
フォーミングユニット1200は二次電池のパッケージング工程中に、パウチシート1010の内部に電極組立体10が収容されるようにする収容部1013を形成するように設けられる。
【0058】
図3を参照すると、フォーミングユニット1200に供給(M)されるパウチシート1010は冷却ユニット1100により温度が低くなった状態である。
【0059】
図2~
図6を参照すると、前記フォーミングユニット1200は、冷却ユニット1100から供給(M)されたパウチシート1010が装着される装着面1231および前記装着面1231に形成されたフォーミング溝1232を有するダイ1230、前記収容部を形成するためにパウチシートの一部の領域をフォーミング溝1232の内部に圧入するためのパンチ1220およびダイ1230上に装着されたパウチシート1010の縁領域を加圧するためのストリッパ1212を含むことができる。
【0060】
図3を参照すると、冷却ユニット1100により冷却されたパウチシート1010はフォーミングユニット1200のダイ1230とパンチ1220およびストリッパ1212の間に供給される。
【0061】
前記ダイ1230はパウチシート1010の下部に位置し、前記パンチ1220およびストリッパ1212はパウチシート1010の上部に位置する。
【0062】
この時、ダイ1230はパウチシート1010の下部でパウチシート1010を支持することができる。前記ダイ1230はパウチシート1010が装着される装着面1231を有する。前記装着面1231はダイ1230の上端部に設けられ得る。
【0063】
前記ダイ1230の装着面1231にはフォーミング溝1232が形成される。フォーミング溝1232は装着面1231の一部の領域が内側(下部)に陥没して形成される。
【0064】
また、ダイ1230に形成されたフォーミング溝1232の大きさおよび形態によって、パウチシート1012に形成される収容部1013の大きさおよび形態が変わることになる。
【0065】
図4を参照すると、パウチシート1010のフォーミング工程のためにダイ1230はパウチシート1010に向かって上昇するように設けられる。また、
図6を参照すると、ダイ1230はパウチシート1012のフォーミング工程が完了すれば最初の位置に下降するように設けられる。
【0066】
図4~
図6を参照すると、前記ダイ1230は装着面1231がパンチ1220と近づいたりパンチ1220から遠ざかるように移動可能に設けられる。このために、ダイ1230にはダイ移動部1240が連結される。
【0067】
この時、パンチ1220と近づく方向にダイ1230が移動する時、パンチ1220はフォーミング溝1232の内部に挿入されるように設けられ、パンチ1220がフォーミング溝1232の内部に挿入される時、ダイ1230の装着面1231とストリッパ1212は接触状態を維持するように設けられる。
【0068】
前記ダイ移動部1240はダイ1230の下端部に連結されて、ダイ1230をパウチシート1012に向かって上昇させたりパウチシート1012から遠ざかるように下降させる動力を提供する。
【0069】
また、ダイ移動部1240はサーボモータ(servo motor)で設けられ得るが必ずしもこれに限定されるものではない。前記ダイ移動部1240がサーボモータで設けられる場合には、パウチシート1012に対するダイ1230の上昇および下降高さを細部的に調節できる利点がある。
【0070】
この時、ダイ移動部1240は軸(axis)形態の移動連結部1242を媒介としてダイ1230と連結されてもよい。
【0071】
一方、ダイ1230は、フォーミング溝1232と流体移動可能に連結された一つ以上の排出通路1234を含むことができ、前記排出通路1234はパンチ1220がフォーミング溝1232の内部に挿入される時、フォーミング溝1232内の空気をダイ1230の外部に排出させるように設けられ得る。
【0072】
図5を参照すると、ダイ1230には少なくとも一つの排出通路1234が形成され得、排出通路1234はダイ1230に形成されたフォーミング溝1232と連通する。排出通路1234は上端部がダイ1230に形成されたフォーミング溝1232と連通し、下端部がダイ1230の下端部を貫通して外部と連通するように形成され得る。
【0073】
フォーミング工程中、ダイ1230、パンチ1220およびストリッパ1212によりパウチシート1012が加圧する時、フォーミング溝1232とパウチシート1012の間に存在する空気は排出通路1234を通じてダイ1230の外部に排出されるようになる。
【0074】
前記排出通路1234はダイ移動部1240を基準としていずれか一側に少なくとも一つが設けられ得るが、ダイ移動部1240を基準として両側にそれぞれ設けられてもよい。
【0075】
前記排出通路1234がダイ移動部1240の両側にそれぞれ設けられる場合、二つの排出通路1234は互いに所定間隔をおいて設けられ得る。
【0076】
また、前記パンチ1220はダイ1230の装着面1231に装着されたパウチシート1010を圧入するように設けられる。
【0077】
図4および
図5を参照すると、パンチ1220はダイ1230の上昇動作によってダイ1230とともにパウチシート1012をフォーミング溝1232の方向に圧入することによって、パウチシート1012に収容部1013を形成する。
【0078】
前記パンチ1220は押圧部1221がダイ1230のフォーミング溝1232と向かい合う位置に配置される。この時、前記パンチ1220の押圧部1221がフォーミング溝1232に挿入されると、パウチシートの一部の領域が圧入されることによってパウチシート1012に収容部1013が形成される。
【0079】
この時、パンチ1220の押圧部1221の幅方向の長さはフォーミング溝1232の幅方向の長さより小さく設けられ得る。
【0080】
また、前記ストリッパ1212はダイ1230とともにパウチシートの縁領域を加圧するように配置され、前記ストリッパ1212はダイ1230の装着面と接触することによって、パウチシート1012の収容部1013周辺に外郭部1014を形成するように設けられる。
【0081】
この時、外郭部1014が形成される位置はパウチシート1012に形成された収容部1013を囲む縁領域を意味する。
【0082】
前記ストリッパ1212はダイ1230とパンチ1220の間に位置したパウチシート1012の縁領域を押圧端部1213で加圧して外郭部1014を形成する。
【0083】
この時、ストリッパ1212により形成された外郭部1014はダイ1230の装着面1231により支持される。
【0084】
一方、パンチ1220は移動支持部1210に位置が固定された状態でダイ1230に装着されたパウチシート1012を加圧することになる。
【0085】
また、移動支持部1210はブロック(block)の形態で設けられ得る。この時、移動支持部1210の内部にはストリッパ1212の連結部1211が挿入され、ストリッパ1212は移動支持部1210の内部で移動(昇降/下降)可能に設けられ、移動支持部1210にはパンチ1220が固定される。
【0086】
図4を参照すると、パンチ1220およびストリッパ1212はパウチシート1010側に下降せず、ダイ1230の上昇動作によってダイ1230の装着面1231に装着されたパウチシート1010が上昇することになると、パンチ1220およびストリッパ1212はダイ1230の装着面1231に装着されたパウチシート1010と接触することになり、前記パウチシート1010を加圧することになる。
【0087】
図5を参照すると、ダイ1230の装着面1231にパウチシート1012が装着された状態で、ダイ移動部1240によりダイ120はパンチ1220およびストリッパ1212と近づく方向に再び上昇する。
【0088】
そうすると、ダイ1230の装着面1231に装着されたパウチシート1012はダイ1230の装着面1231、ストリッパ1212の押圧端部1213およびパンチ1220の押圧部1221にそれぞれ接触することになり、ダイ1230が上昇するにつれてパンチ1220およびストリッパ1212により加圧されてパウチシート1012の収容部1013および外郭部1014がそれぞれ形成される。
【0089】
すなわち、パンチ1220の押圧部1221がフォーミング溝1232の内部に挿入されることにより、パウチシート1012に収容部1013が形成され、ストリッパ1212の押圧端部1213およびダイ1230の装着面1231がパウチシート1012の縁領域を加圧しながら、外郭部1014が形成される。
【0090】
一方、本発明の一実施例に係るパウチフォーミング装置1000は制御部1300を含むことができる。前記制御部1300は前記冷却ユニット1100およびフォーミングユニット1200を制御するように設けられ得る。
【0091】
また、前記制御部1300は移送部の移送速度を調節することもできる。これを通じて、前記制御部1300はパウチシートが冷却チャンバ1110を通過する速度を制御でき、これを通じて、パウチシートの冷却程度を調節することができる。
【0092】
また、前記制御部1300は温度調節部1130を制御して空間部1113の温度を調節することもできる。すなわち、冷却ユニット1100の冷却温度(空間部の温度)を調節することができる。
【0093】
また、制御部1300はダイ移動部1240を制御してダイ1230の上昇および下降動作を制御することができる。
【0094】
また、制御部1300はダイ1230が上昇してパンチ1220およびストリッパ1212にパウチシート1012が接触した以後に、パンチ1220およびストリッパ1212からパウチシート1012に加えられる圧力を調節することもできる。すなわち、前記制御部1300は収容部の深さ(フォーミング深さ)、およびフォーミング圧力を調節するように設けられ得る。
【0095】
また、前記制御部1300は前記冷却ユニット1100の冷却温度(空間部の温度)に基づいてフォーミングユニット1200を制御するように設けられ得る。
【0096】
一例として、冷却チャンバを通過する過程でパウチシートに冷却が十分になされた場合、前記制御部1300はフォーミングユニット1200を制御することによってフォーミング深さを増加させることもでき、冷却チャンバを通過する過程でパウチシートに冷却が十分になされていない場合、前記制御部1300はフォーミングユニット1200を制御することによってフォーミング深さを減少させることもできる。
【0097】
図6を参照すると、パウチシート1012のフォーミング作業が完了すれば、ダイ1230はダイ移動部1240によりパンチ1220およびストリッパ1212と遠ざかる方向、すなわち最初の位置に下降動作する。
【0098】
図7を参照すると、フォーミング工程以後、パウチシート1012の中央領域に収容部1013が形成され、収容部1013を囲む縁領域には外郭部1014が形成される。
【0099】
以下、
図2~
図7を参照して、前述したパウチフォーミング装置1000を利用したパウチフォーミング方法を説明する。
【0100】
本発明の一実施例に係るパウチフォーミング方法は前記パウチフォーミング装置1000を利用したパウチフォーミング方法であって、冷却ユニットを通過する過程でパウチシートを冷却させる段階および冷却ユニットを通過したパウチシートに電極組立体が収容される収容部を形成する段階を含む。
【0101】
前述した通り、パウチシートの冷却時、前記冷却ユニットの温度を常温より低く維持させるように設けられ得る。また、パウチシートの冷却時、前記冷却ユニットの温度を5℃~10℃に維持させるように設けられ得る。
【0102】
具体的には、本発明の一実施例に係るパウチフォーミング方法は冷却段階、装着段階、および収容部形成段階を含むことができる。
【0103】
冷却段階は冷却ユニット1100を利用してパウチシート1010を冷却させるための段階である。
【0104】
また、装着段階は冷却ユニット1100により冷却されたパウチシート1010をダイ1230の装着面1231に装着させる段階である。
【0105】
パウチシート1010は冷却ユニット1100を通過しながら温度が低くなった以後にフォーミングユニット1200に供給(M)される。
【0106】
また、フォーミングユニット1200のストリッパ1212およびパンチ1220とダイ1230の間空間にパウチシート1010が供給(M)される。
【0107】
図3および
図4を参照すると、ダイ1230はダイ移動部1240によりパウチシート1010側に上昇して装着面1231にパウチシート1010が装着される。
【0108】
図5を参照すると、収容部形成段階はパウチシート1012に電池組立体が収容される収容部1013を形成するための段階である。
【0109】
ダイ1230の装着面1231にパウチシート1012が装着された状態で、ダイ1230はダイ移動部1240によりパンチ1220およびストリッパ1212側に上昇する。
【0110】
ダイ1230が予め設定された最終位置まで上昇するにつれ、ダイ1230の装着面1231に装着されたパウチシート1012がパンチ1220およびストリッパ1212の間で加圧される。
【0111】
この時、ダイ1230の上昇でパンチ1220の押圧部1221がダイ1230に形成されたフォーミング溝1232に挿入され、ダイ1230のフォーミング溝1232上に位置したパウチシート1012の一部の領域に収容部1013が形成される。
【0112】
前記パウチフォーミング方法はパウチシートの外郭部形成段階を含むことができる。
【0113】
外郭部形成段階はパウチシート1012の縁領域にストリッパ1212により外郭部1014を形成する段階である。
【0114】
収容部形成段階でダイ1230がパンチ1220およびストリッパ1212と噛み合う位置まで上昇すると、パウチシート1012にはパンチ1220により圧入される中央領域を除いて、ストリッパ1212により縁領域が加圧されることによって外郭部1014が形成される。
【0115】
ここで、外郭部形成段階および収容部形成段階は同時に遂行される。
【0116】
また、パウチシート1012に収容部1013および外郭部1014が形成される時、フォーミング溝1232とパウチシート1012の間に存在する空気は排出通路1234を通じてダイ1230の外部に排出される。
【0117】
図6を参照すると、パウチシート1012に収容部1013および外郭部1014を形成する作業が完了すれば、ダイ1230はダイ移動部1240により下降して本来の位置に復帰する。
【0118】
前述された本発明の好ましい実施例は例示の目的のために開示されたもので、本発明に対する通常の知識を有する当業者であれば本発明の思想と範囲内で多様な修正、変更、付加が可能であり、このような修正、変更および付加は下記の特許請求の範囲に属するものと見なされるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明の一実施例に関連したパウチフォーミング装置およびこれを利用したパウチフォーミング方法によると、パウチシートのフォーミング工程以前に、パウチシートの温度を予め下降させることによって、パウチシートの滑剤の量を増加させることができる。
【国際調査報告】