(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】光操作のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G02B 21/06 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G02B21/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532468
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 US2022051585
(87)【国際公開番号】W WO2023102146
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518318336
【氏名又は名称】エンスペクトラ・ヘルス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス,ガブリエル
【テーマコード(参考)】
2H052
【Fターム(参考)】
2H052AA07
2H052AA09
2H052AC15
2H052AC34
2H052AF14
(57)【要約】
本開示は、撮像のための及び被検体を撮像するシステム、デバイス、及び方法を提供する。システム及びデバイスは、1つ以上の光フィルタリングデバイスを含むことができる。光フィルタリングデバイスは、入力及び出力を有するチャンバを含むことができる。チャンバは、光ビームを受けるように構成されてもよい。チャンバは複数のリフレクタを備えてもよく、複数のリフレクタは、複数のリフレクタのうちの1つ以上のリフレクタの間の光の反射によって入力から出力へと光路内で受けた光を導くように構成される。チャンバは、光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成されてもよい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)光源からの光ビームを撮像対象に導き、(ii)前記光ビームが前記撮像対象と接触する際に前記撮像対象から光を収集するように構成されるプローブと、
前記プローブと光学的に連通している光フィルタリングデバイスであって、前記光フィルタリングデバイスが、(a)チャンバであって、(i)前記プローブによって収集される前記光を受けるように構成される入力と、(ii)前記光を前記チャンバから離れるように伝送するべく構成される出力とを有する、チャンバと、(b)前記チャンバ内に配置される複数のリフレクタとを備え、前記複数のリフレクタが、前記複数のリフレクタのリフレクタ間の前記光の反射により、前記入力から前記出力までの光路内で、受けた前記光を導くように構成され、前記チャンバが、前記光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成される、光フィルタリングデバイスと、
を備えるデバイス。
【請求項2】
前記出力の断面直径が前記入力の断面直径の約0.1倍以上である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記チャンバは、最長の内部直線寸法を有し、前記光路は、前記最長の直線寸法の長さの少なくとも3倍である経路長を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記光路は、0.25メートル、0.5メートル、又は1メートル以上の経路長を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記複数のリフレクタのうちの少なくとも1つのリフレクタがレトロリフレクタである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記複数のリフレクタのうちの少なくとも1つのリフレクタがミラーである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記複数のリフレクタのうちの1つのリフレクタがミラーであり、前記複数のリフレクタのうちの他のリフレクタがレトロリフレクタである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記出力は、前記光の集束部分をコレクタに導くように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスが前記コレクタを備える、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記光フィルタリングデバイスが光ファイバに結合され、前記光ファイバは、前記光を前記コレクタに供給するように構成される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
前記複数のリフレクタが第1のリフレクタを含み、前記複数のリフレクタは、前記リフレクタ間の光路に前記光の集束部分を導くように配置され、前記光路は、前記出力に到達する前に前記第1のリフレクタに複数回戻る、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記複数のリフレクタは、前記チャンバ内の第1の位置にある第1のリフレクタと、前記チャンバ内の第2の位置にある第2のリフレクタとを備え、前記第1のリフレクタは、前記光を前記第2のリフレクタに導くように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記光路が経路長を有し、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとがある距離だけ離間され、前記経路長が前記距離の少なくとも5倍である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記光が横断する前記経路長は、前記距離の5倍~30倍である、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記経路長が約0.5メートル以上である、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記距離が約15センチメートル以下である、請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第1のリフレクタ及び前記第2のリフレクタは、前記チャンバの長さと平行な軸に沿って離間される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項18】
前記光源と前記プローブとの間に配置される走査ユニットを更に備え、前記走査ユニットは、前記撮像対象を横切って前記光ビームを走査するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
前記光源と前記プローブとの間に配置される集束ユニットを更に備え、前記集束ユニットは、前記撮像対象内の前記光ビームの焦点を走査するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記プローブは、前記撮像対象と接触する又は前記撮像対象を貫通するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記プローブは、前記光をコリメートするように構成される対物レンズを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記プローブと前記光フィルタリングデバイスとの間に配置される位置合わせユニットを更に備え、前記位置合わせユニットは、(i)前記光を前記光フィルタリングデバイスに導き、(ii)前記光の前記チャンバへの入射角を調整するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記プローブと前記光フィルタリングデバイスとの間に配置されるビームスプリッタを更に備え、前記ビームスプリッタは、(i)前記光を分割して分割光を生成し、(ii)前記分割光の少なくとも一部を前記光フィルタリングユニットに導くように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項24】
前記デバイスが共焦点撮像用に構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
前記デバイスは、タンデム共焦点撮像及び多光子撮像のために構成される、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記デバイスが携帯可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項27】
光ビームを受けるように構成されるチャンバと、
第1のリフレクタと第2のリフレクタとを備える複数のリフレクタであって、前記第1のリフレクタが前記チャンバ内に配置され、前記第2のリフレクタが前記チャンバ内に配置され、前記第1のリフレクタが、前記第1のリフレクタから前記第2のリフレクタに前記光ビームを導くように構成され、前記第2のリフレクタが、前記第1のリフレクタ、前記第2のリフレクタ、又は前記複数のリフレクタの他のリフレクタが前記光ビームを前記チャンバ外に導く前に、少なくとも1回前記第2のリフレクタから前記第1のリフレクタに前記光ビームを導くように構成される、複数のリフレクタと、
を備えるデバイス。
【請求項28】
前記チャンバは、前記光ビームから非集束光をフィルタ除去するように構成される、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記第1のリフレクタ又は前記第2のリフレクタがレトロリフレクタである、請求項27に記載のデバイス。
【請求項30】
前記レトロリフレクタが内部全反射のために構成される、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記第1のリフレクタ又は前記第2のリフレクタの少なくとも一方がミラーである、請求項27に記載のデバイス。
【請求項32】
前記ミラーが誘電体コーティングを備える、請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
前記誘電体コーティングは、約700ナノメートル~900ナノメートルの波長を有する前記光ビームの前記部分を導くように構成される、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記チャンバが入力及び出力を更に備え、前記入力が前記信号を受けるように構成され、前記出力が前記信号を収集ユニットに導くように構成される、請求項27に記載のデバイス。
【請求項35】
前記収集ユニットは、前記第1の位置又は前記第2の位置と隣り合って配置され、前記収集ユニットが前記光ビームを収集するように構成される、請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記第1のリフレクタ及び前記第2のリフレクタは、前記チャンバの長さと平行な軸に沿って離間される、請求項27に記載のデバイス。
【請求項37】
前記チャンバ内の距離が、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとを隔て、前記光ビームが前記チャンバ内で横断する経路長が、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとを隔てる前記距離の少なくとも3倍である、請求項27に記載のデバイス。
【請求項38】
前記光ビームが横断する前記経路長は、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとを隔てる前記距離の少なくとも5倍である、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記経路長は、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとを隔てる前記距離の5倍~30倍である、請求項37に記載のデバイス。
【請求項40】
前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとの間の前記距離が約15センチメートル以下である、請求項37に記載のデバイス。
【請求項41】
前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとの間の前記距離が約10センチメートル以下である、請求項37に記載のデバイス。
【請求項42】
前記経路長が約0.5メートル以上である、請求項37に記載のデバイス。
【請求項43】
前記経路長が約1メートル以上である、請求項37に記載のデバイス。
【請求項44】
前記第1のリフレクタ又は前記第2のリフレクタは、約0.5センチメートル~2センチメートルの寸法を伴う反射面を有する、請求項27に記載のデバイス。
【請求項45】
(i)光源からの光ビームを撮像対象に供給し、(ii)前記光ビームが前記撮像対象と接触する際に前記撮像対象から光を収集するように構成されるプローブを更に備え、前記プローブが前記チャンバと光学的に連通している、請求項27に記載のデバイス。
【請求項46】
前記第1のリフレクタ又は前記第2のリフレクタが複数の反射要素を備える、請求項27に記載のデバイス。
【請求項47】
光をフィルタリングするためのシステムであって、
光ビームを生成するための光源と、
前記光源と光学的に連通している光フィルタリングデバイスであって、前記光フィルタリングデバイスが、(i)チャンバであって、前記光源から前記光ビームを受けるように構成されるとともに、前記プローブから前記光を受けるように構成される入力と、前記チャンバから離れるように前記光を伝送するべく構成される出力とを有する、チャンバと、(ii)前記チャンバ内に配置される複数のリフレクタとを備え、前記複数のリフレクタが、前記複数のリフレクタのリフレクタ間の前記光の反射により、前記入力から前記出力までの光路内で、受けた前記光を導くように構成され、前記チャンバが、前記光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成される、光フィルタリングデバイスと、
前記光源と前記光フィルタリングデバイスとに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、画像を生成するために、前記出力において前記チャンバから離れるように伝送される前記光ビームを処理するように個別に又は集合的にプログラムされる、1つ以上のコンピュータプロセッサと、
を備えるシステム。
【請求項48】
前記光ビームと前記光フィルタリングデバイスとの間に位置されるビームデエキスパンダユニットを更に備える、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記ビームデエキスパンダユニットは、第1のレンズと第2のレンズとを備える前記ビームデエキスパンダユニットのチャンバを備え、前記第1のレンズは、前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバの第1の端部に位置され、前記第2のレンズは、前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバの第2の端部に位置され、前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバの前記第1の端部と前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバの前記第2の端部とが反対側である、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバが変形可能な壁を備える、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記ビームデエキスパンダユニットが調整構造を備える、請求項48に記載のシステム。
【請求項52】
前記調整構造は、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間の距離を調整するように構成される、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記光フィルタリングデバイスを備える撮像デバイスを更に備える、請求項47に記載のシステム。
【請求項54】
前記出力の断面直径が前記入力の断面直径の約0.1倍以上である、請求項47に記載のシステム。
【請求項55】
前記チャンバは、最長の内部直線寸法を有し、前記経路は、前記最長の直線寸法の長さの少なくとも3倍である経路長を有する、請求項47に記載のシステム。
【請求項56】
前記撮像デバイスは、前記光源と前記光フィルタリングデバイスとの間の光路内に配置されるプローブを備え、前記プローブは、(i)前記光ビームを撮像対象に導き、(ii)前記光ビームが前記撮像対象と接触する際に撮像対象から光を収集し、(iii)前記信号を前記光フィルタリングデバイスに導くように構成される、請求項53に記載のシステム。
【請求項57】
前記プローブは、前記撮像対象と接触する又は前記撮像対象を貫通するように構成される、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記プローブは、前記信号をコリメートするように構成される対物レンズを備える、請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記撮像デバイスがハンドヘルドデバイスである、請求項47に記載のシステム。
【請求項60】
前記撮像デバイスは、集束ユニット、走査ユニット、位置合わせユニット、対物レンズ、ビームスプリッタ、周波数逓倍器、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される1つ以上の部材を更に備える、請求項47に記載のシステム。
【請求項61】
前記光源と前記光フィルタリングデバイスとの間の光路に配置される集束ユニットを更に備え、前記集束ユニットは、前記光ビームの焦点を変化させるように構成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項62】
前記光源と前記光フィルタリングデバイスとの間の光路に配置される走査ユニットを更に備え、前記走査ユニットは、前記光ビームを少なくとも一次元で走査するように構成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項63】
前記光源と前記光フィルタリングデバイスとの間の光路に配置される位置合わせユニットを更に備え、前記位置合わせユニットは、(i)前記光ビームを前記光フィルタリングデバイスに導き、(ii)前記光ビームの前記チャンバへの入射角を調整するように構成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項64】
前記位置合わせユニットがミラーを備える、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記光源と前記光フィルタリングデバイスとの間の光路に配置されるビームスプリッタを更に備え、前記ビームスプリッタは、(i)前記光ビームを分割して分割光ビームを生成し、(ii)前記分割光ビームの少なくとも一部を前記光フィルタリングユニットに導くように構成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項66】
前記複数のリフレクタが第1のリフレクタを含み、前記複数のリフレクタは、前記リフレクタ間の経路に前記光の集束部分を導くように配置され、前記経路は、前記出力に到達する前に前記第1のリフレクタに複数回戻る、請求項47に記載のシステム。
【請求項67】
前記複数のリフレクタは、前記チャンバ内の第1の位置に配置されるとともに前記光を前記チャンバ内の第2の位置に導くように構成される第1のリフレクタと、(c)前記第2の位置に配置されるとともに前記光を前記第1のリフレクタに導くように構成される第2のリフレクタとを備える、請求項47に記載のシステム。
【請求項68】
前記チャンバ内の距離が、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとを隔て、前記光が前記第1の位置と前記第2の位置との間を横断する経路長が、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとを隔てる前記距離の少なくとも3倍である、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記光ビームが横断する前記経路長は、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとを隔てる前記距離の少なくとも5倍である、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記光ビームが横断する前記経路長は、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとを隔てる前記距離の約5倍~30倍である、請求項68に記載のシステム。
【請求項71】
前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとの間の前記距離が約15センチメートル以下である、請求項67に記載のシステム。
【請求項72】
前記経路長が約0.5メートル以上である、請求項68に記載のシステム。
【請求項73】
前記第1のリフレクタ又は前記第2のリフレクタの少なくとも一方がミラーである、請求項67に記載のシステム。
【請求項74】
前記第1のリフレクタ、前記第2のリフレクタ、又は前記第1のリフレクタ及び前記第2のリフレクタの両方がレトロリフレクタを備える、請求項67に記載のシステム。
【請求項75】
前記チャンバの出力に結合される第1の端部と、収集ユニットに結合される第2の端部とを備えるファイバ束を更に備え、前記ファイバ束は、前記チャンバを通過する前記光ビームに続いて前記光ビームを収集し、前記光ビームを前記収集ユニットに導くように構成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項76】
ファイバ束の前記第1の端部がファイバの直線配列を構成する、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記ファイバ束の直径が約1ミリメートル~約5ミリメートルである、請求項75に記載のシステム。
【請求項78】
共焦点撮像構成を更に備え、前記光フィルタリングデバイスが前記共焦点撮像構成の一部である、請求項47に記載のシステム。
【請求項79】
前記共焦点撮像構成は、光フィルタリングのための発光ピンホールを含まない、請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
多光子撮像構成を更に備える、請求項78に記載のシステム。
【請求項81】
前記システムは、タンデム共焦点撮像及び多光子撮像のために構成される、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記システムは、撮像対象の三次元画像を生成するように構成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項83】
前記システムは、携帯型である、請求項47に記載のシステム。
【請求項84】
光をフィルタリングするための方法であって、
(a)(i)複数のリフレクタがそれらの間で光ビームを反射して光路を形成するように配置されるチャンバを備える光フィルタリングデバイスを用意するステップと、
(b)前記チャンバ内に光ビームを導くステップと、
(c)前記光路から非集束光を除去しながら、前記光路内の前記光ビームの集束部分を前記入力から前記リフレクタの間で前記出力に導くステップと、
を含む方法。
【請求項85】
(b)の前に、前記光ビームを光源から撮像対象に伝送し、前記光ビームが前記撮像対象と接触する際に前記撮像対象から光を収集するステップを更に含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記光源と前記撮像対象との間の光路内に配置される集束ユニットを使用して、前記撮像対象内の前記光ビームの焦点を変化させるステップを更に含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記光源と前記撮像対象との間の光路内に配置される走査ユニットを使用して、前記撮像対象を横切って少なくとも一次元で前記光ビームを走査するステップを更に含む、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記撮像対象と前記光フィルタリングデバイスとの間の光路内に配置されるビームスプリッタを使用して、(i)前記光を分割して分割光を生成し、(ii)前記分割光の少なくとも一部を前記光フィルタリングデバイスに導くステップを更に含む、請求項85に記載の方法。
【請求項89】
前記光源と前記撮像対象との間の光路内に配置されるプローブを使用して、前記光ビームを前記撮像対象に導き、前記撮像対象から生成される前記光を収集するステップを更に含む、請求項85に記載の方法。
【請求項90】
前記光ビームの集束部分を前記チャンバの前記出力に導いた後に、前記光を処理して前記撮像対象の画像を生成するステップを更に含む、請求項85に記載の方法。
【請求項91】
前記画像が三次元画像である、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
共焦点撮像のために前記光を使用するステップを更に含む、請求項85に記載の方法。
【請求項93】
(b)の前に、位置合わせユニットを使用して、(i)前記光ビームを前記チャンバと位置合わせし、(ii)前記光ビームの前記チャンバへの入射角を調整するステップを更に含む、請求項85に記載の方法。
【請求項94】
前記光フィルタリングデバイスが撮像デバイスに設けられる、請求項84に記載の方法。
【請求項95】
前記撮像デバイスがハンドヘルドである、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記撮像デバイスは、前記光フィルタリングデバイスを備える共焦点撮像構成を更に含む、請求項94に記載の方法。
【請求項97】
前記撮像デバイスが多光子撮像構成を更に備える、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
タンデム共焦点及び多光子撮像のために前記共焦点撮像構成及び前記多光子撮像構成を使用するステップを更に含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記撮像デバイスは、前記光ビームをコリメートする対物レンズを備える、請求項94に記載の方法。
【請求項100】
前記光ビームが前記チャンバ内を横断する前記光路の経路長が少なくとも0.25Mである、請求項84に記載の方法。
【請求項101】
前記光ビームがコリメート光ビームである、請求項84に記載の方法。
【請求項102】
撮像対象を撮像するための方法であって、
(a)(i)チャンバを備える光フィルタリングデバイス及び(ii)前記撮像対象と光学的に連通するプローブを用意するステップと、
(b)前記プローブを使用して前記撮像対象に光ビームを供給し、結果として得られる戻り光ビームを前記撮像対象から収集するステップと、
(c)前記撮像対象からの前記戻り光ビームを前記光フィルタリングデバイスの前記チャンバに導くステップと、
(d)前記光フィルタリングデバイスの前記チャンバ内の第1のリフレクタから第2のリフレクタに前記光ビームを繰り返し導いて、前記光ビームが前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとの間を横断する経路長が前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとを隔てる距離の少なくとも3倍となるようにするステップと、
(e)前記光ビームを処理して前記撮像対象の画像を生成するステップと、
を含む方法。
【請求項103】
(b)の前に、前記プローブを介して前記光ビームを光源から撮像対象に伝送し、前記光ビームが前記撮像対象と接触する際に前記撮像対象から光を収集するステップを更に含む、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
(c)の前に、前記戻り光ビームをビームデエキスパンダユニットに導くステップを更に含む、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
前記ビームデエキスパンダユニットは、第1のレンズと第2のレンズとを備える前記ビームデエキスパンダユニットのチャンバを備え、前記第1のレンズは、前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバの第1の端部に位置され、前記第2のレンズは、前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバの第2の端部に位置され、前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバの前記第1の端部と前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバの前記第2の端部とが反対側である、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバが変形可能な壁を備える、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記ビームデエキスパンダユニットが調整構造を更に備える、請求項104に記載の方法。
【請求項108】
前記調整構造は、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間の距離を調整するように構成される、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
(c)に続いて、前記光を処理して前記撮像対象の画像を生成するステップを更に含む、請求項103に記載の方法。
【請求項110】
共焦点撮像のために前記光を使用するステップを更に含む、請求項103に記載の方法。
【請求項111】
多光子撮像のために前記光を使用するステップを更に含む、請求項103に記載の方法。
【請求項112】
タンデム共焦点及び多光子撮像のために前記光を使用するステップを更に含む、請求項103に記載の方法。
【請求項113】
前記光ビームが横断する前記経路長は、前記第1の位置と前記第2の位置とを隔てる前記距離の少なくとも5倍である、請求項102に記載の方法。
【請求項114】
前記経路長は、前記第1のリフレクタと前記リフレクタとを隔てる前記距離の5倍~30倍である、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記経路長が約0.5メートル以上である、請求項102に記載の方法。
【請求項116】
前記距離が約15センチメートル以下である、請求項102に記載の方法。
【請求項117】
撮像対象に光ビームを供給するように構成される光源と、
前記光源と光学的に連通しているプローブであって、前記光源からの前記光ビームを前記撮像対象に導くように構成される、プローブと、
前記プローブと光学的に連通している光フィルタリングデバイスであって、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを備えるチャンバを備えるとともに、(i)前記プローブから前記光ビームを受け、(ii)前記光ビームが前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとの間を横断する経路長が、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとを隔てる距離の少なくとも3倍であるように構成される、光フィルタリングデバイスと、
前記光フィルタリングデバイスと光学的に連通している収集ユニットであって、前記光フィルタリングデバイスから前記光ビームを収集するように構成され、前記光ビームが前記撮像対象の画像を生成するために使用可能である、収集ユニットと、
を備える撮像デバイス。
【請求項118】
前記光ビームと前記光フィルタリングデバイスとの間に位置されるビームデエキスパンダユニットを更に備える、請求項117に記載の撮像デバイス。
【請求項119】
前記ビームデエキスパンダユニットは、第1のレンズと第2のレンズとを備える前記ビームデエキスパンダユニットのチャンバを備え、前記第1のレンズは、前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバの第1の端部に位置され、前記第2のレンズは、前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバの第2の端部に位置され、前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバの前記第1の端部と前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバの前記第2の端部とが反対側である、請求項118に記載の撮像デバイス。
【請求項120】
前記ビームデエキスパンダユニットの前記チャンバが変形可能な壁を備える、請求項119に記載の撮像デバイス。
【請求項121】
前記ビームデエキスパンダユニットが調整構造を備える、請求項118に記載の撮像デバイス。
【請求項122】
前記調整構造は、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間の距離を調整するように構成される、請求項121に記載の撮像デバイス。
【請求項123】
前記光ビームが横断する前記経路長は、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとを隔てる前記距離の少なくとも5倍である、請求項117に記載の撮像デバイス。
【請求項124】
前記経路長は、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとを隔てる前記距離の5倍~30倍である、請求項123に記載の撮像デバイス。
【請求項125】
前記経路長が約0.5メートル以上である、請求項117に記載の撮像デバイス。
【請求項126】
前記距離が約15センチメートル以下である、請求項117に記載の撮像デバイス。
【請求項127】
(i)光源からの光ビームを撮像対象に供給し、(ii)前記光ビームが前記撮像対象と接触する際に前記撮像対象から光を収集するように構成されるプローブと、
前記プローブと光学的に連通している光フィルタリングデバイスであって、(i)入力及び出力を備えるチャンバであって、前記入力において前記撮像対象から前記光を受けるように構成されるチャンバと、(ii)第1のリフレクタを含む、前記チャンバ内に位置される複数のリフレクタであって、前記複数のリフレクタのリフレクタが、前記リフレクタ間の経路に前記光の集束部分を導くように配置され、前記経路が、前記出力に到達する前に前記第1のリフレクタに複数回戻る、複数のリフレクタとを備える、光フィルタリングデバイスと、
を備えるシステム。
【請求項128】
(i)光源からの光ビームを撮像対象に供給し、(ii)前記光ビームが前記撮像対象と接触する際に前記撮像対象から光を収集するように構成されるプローブと、
前記プローブと光学的に連通している光フィルタリングデバイスであって、光フィルタリングデバイスが、(a)チャンバであって、(i)前記プローブから前記光を受けるように構成される入力と、(ii)前記チャンバから離れるように前記光を伝送するように構成される出力とを有する、チャンバと、(b)前記チャンバ内に配置され、前記入力から受けた前記光を、前記複数のリフレクタのリフレクタ間の前記光の反射によって前記出力に導くように構成される複数のリフレクタとを備える、光フィルタリングデバイスと、
を備え、
前記光が前記リフレクタを介して反射によって前記入力から前記出力まで横断する経路長は、少なくとも0.25メートルである、
システム。
【請求項129】
チャンバを備え、前記チャンバは、前記チャンバの入力から出力に至る光路をもたらし、(i)前記光路は、前記入力からの光を前記出力に導くように構成され、(ii)前記チャンバは、前記光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成され、前記出力の断面直径は、前記入力の断面直径の約0.1倍以上である、
デバイス。
【請求項130】
チャンバを備え、前記チャンバは、前記チャンバの入力から出力に至る光路をもたらし、(i)前記光路は、前記入力からの光を前記出力に導くように構成され、(ii)前記チャンバは、前記光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成され、前記チャンバが最長の内部直線寸法を有し、前記光路は、前記最長の直線寸法の長さの少なくとも3倍である経路長を有する、
デバイス。
【請求項131】
チャンバを備え、前記チャンバは、前記チャンバの入力から出力に至る光路をもたらし、(i)前記光路は、経路長を有するとともに、前記入力からの光を前記出力に導くように構成され、(ii)前記チャンバは、前記光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成され、前記チャンバが最長の内部直線寸法を有し、前記経路長は、前記最長の直線寸法の少なくとも3倍の長さである、
デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府の関心事項に関する声明
本発明は、国立がん研究所の保健福祉省によって授与された小規模企業イノベーション研究(SBIR)助成金番号2R44CA221591-02A1の下で米国政府の支援を受けてなされた。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
関連出願の相互参照
この出願は、その全体が本明細書に組み込まれる2021年12月2日に出願された米国仮出願第63/285,422号の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
共焦点顕微鏡撮像は、組織に向けられた励起光を使用し、結果として得られる反射光、透過光又は蛍光光を収集する。共焦点顕微鏡撮像は、収集された光をピンホール(又はシングルモードファイバ)に通して焦点が外れた光を排除することによって高解像度画像を作成することができる。集束レンズ構成を使用して、収集された光を、組織内の撮像面への対物焦点と光学的に一致する平面又はスポットに集束させることができる。ピンホールは、焦点が合った光がピンホールを通過する間に背景光又は焦点が外れた光が物理的に排除又は遮断される空間フィルタとして使用される。z軸が集束光ビームの方向にあるx、y、及びz軸上で、集束光の正確な位置合わせが必要とされる。ピンホール及びスポットサイズは、選択された解像度に依存する。ピンホール及びピンホールの位置合わせは、解像度とほぼ同じスケールである。反射率共焦点顕微鏡法を使用する組織撮像では、光の集光スポットが1~10ミクロンとなる場合があり、約1~10ミクロンのピンホールを通じて光の集光スポットを導くことができる。したがって、反射率共焦点顕微鏡撮像は、非常に小さな開口に中心付けられる又は位置合わせされるように集束光の小さなスポットを使用することができる。特に、使用中に撮像構造の任意の不安定性及び/又は熱膨張との位置合わせを失うことが容易な小型のハンドヘルドデバイスでは、小さな大きさの集束要素公差を達成することは困難であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
共焦点顕微鏡撮像のための改良されたシステム及び方法が本明細書で提供される。本明細書では、携帯型又はハンドヘルド型の光学デバイスにおける方法及び装置が更に提供される。組織を撮像するための方法及び装置が本明細書で更に提供される。
【0005】
一態様において、本開示は、(i)光源からの光ビームを撮像対象に導き、(ii)光ビームが撮像対象と接触する際に撮像対象から光を収集するように構成されるプローブと、プローブと光学的に連通している光フィルタリングデバイスであって、前記光フィルタリングデバイスが、(a)チャンバであって、(i)プローブによって収集される光を受けるように構成される入力と、(ii)光をチャンバから離れるように伝送するべく構成される出力とを有する、チャンバと、(b)チャンバ内に配置される複数のリフレクタとを備え、複数のリフレクタが、複数のリフレクタのリフレクタ間の光の反射により、入力から出力までの光路内で、受けた光を導くように構成され、チャンバが、光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成される、光フィルタリングデバイスとを備えるデバイスを提供する。
【0006】
一実施形態において、出力の断面直径が入力の断面直径の約0.1倍以上である。
【0007】
一実施形態において、チャンバは、最長の内部直線寸法を有し、光路は、最長の直線寸法の長さの少なくとも3倍である経路長を有する。
【0008】
一実施形態において、光路は、0.25メートル、0.5メートル、又は1メートル以上の経路長を有する。
【0009】
一実施形態において、複数のリフレクタのうちの少なくとも1つのリフレクタがレトロリフレクタである。
【0010】
一実施形態では、複数のリフレクタのうちの少なくとも1つのリフレクタがミラーである。
【0011】
一実施形態では、複数のリフレクタのうちの1つのリフレクタがミラーであり、複数のリフレクタのうちの他のリフレクタがレトロリフレクタである。
【0012】
一実施形態において、出力は、光の集束部分をコレクタに導くように構成される。
【0013】
一実施形態では、デバイスがコレクタを備える。
【0014】
一実施形態では、光フィルタリングデバイスが光ファイバに結合され、光ファイバは、光をコレクタに供給するように構成される。
【0015】
一実施形態では、複数のリフレクタが第1のリフレクタを含み、複数のリフレクタは、リフレクタ間の光路に光の集束部分を導くように配置され、光路は、出力に到達する前に第1のリフレクタに複数回戻る。
【0016】
一実施形態において、複数のリフレクタは、チャンバ内の第1の位置にある第1のリフレクタと、チャンバ内の第2の位置にある第2のリフレクタとを備え、第1のリフレクタは、光を第2のリフレクタに導くように構成される。
【0017】
一実施形態では、光路が経路長を有し、第1のリフレクタと第2のリフレクタとがある距離だけ離間され、経路長が距離の少なくとも5倍である。
【0018】
一実施形態では、光が横断する経路長は、距離の5倍~30倍である。
【0019】
一実施形態では、経路長が約0.5メートル以上である。
【0020】
一実施形態では、距離が約15センチメートル以下である。
【0021】
一実施形態において、第1のリフレクタ及び第2のリフレクタは、チャンバの長さと平行な軸に沿って離間される。
【0022】
一実施形態において、デバイスは、光源とプローブとの間に配置される走査ユニットを更に備え、走査ユニットは、撮像対象を横切って光ビームを走査するように構成される。
【0023】
一実施形態において、デバイスは、光源とプローブとの間に配置される集束ユニットを更に備え、集束ユニットは、撮像対象内の光ビームの焦点を走査するように構成される。
【0024】
一実施形態において、プローブは、撮像対象と接触する又は撮像対象を貫通するように構成される。
【0025】
一実施形態において、プローブは、光をコリメートするように構成された対物レンズを備える。
【0026】
一実施形態において、デバイスは、プローブと光フィルタリングデバイスとの間に配置される位置合わせユニットを更に備え、位置合わせユニットは、(i)光を光フィルタリングデバイスに導き、(ii)光のチャンバへの入射角を調整するように構成される。
【0027】
一実施形態において、デバイスは、プローブと光フィルタリングデバイスとの間に配置されるビームスプリッタを更に備え、ビームスプリッタは、(i)光を分割して分割光を生成し、(ii)分割光の少なくとも一部を光フィルタリングユニットに導くように構成される。
【0028】
一実施形態では、デバイスが共焦点撮像用に構成される。
【0029】
一実施形態において、デバイスは、タンデム共焦点撮像及び多光子撮像用に構成される。
【0030】
一実施形態では、デバイスが携帯可能である。
【0031】
他の態様において、本開示は、光ビームを受けるように構成されるチャンバと、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを備える複数のリフレクタであって、第1のリフレクタがチャンバ内に配置され、第2のリフレクタがチャンバ内に配置され、第1のリフレクタが、第1のリフレクタから第2のリフレクタに光ビームを導くように構成され、第2のリフレクタが、第1のリフレクタ、第2のリフレクタ、又は複数のリフレクタの他のリフレクタが光ビームをチャンバ外に導く前に、少なくとも1回第2のリフレクタから第1のリフレクタに光ビームを導くように構成される、複数のリフレクタとを備えるデバイスを提供する。
【0032】
一実施形態において、チャンバは、光ビームから非集束光をフィルタ除去するように構成される。
【0033】
一実施形態では、第1のリフレクタ又は第2のリフレクタがレトロリフレクタである。
【0034】
一実施形態では、レトロリフレクタが内部全反射のために構成される。
【0035】
一実施形態では、第1のリフレクタ又は第2のリフレクタの少なくとも一方がミラーである。
【0036】
一実施形態では、ミラーが誘電体コーティングを備える。
【0037】
一実施形態において、誘電体コーティングは、約700ナノメートル~900ナノメートルの波長を有する光ビームの部分を導くように構成される。
【0038】
一実施形態では、チャンバが入力及び出力を更に備え、入力が信号を受けるように構成され、出力が信号を収集ユニットに導くように構成される。
【0039】
一実施形態において、収集ユニットは、第1の位置又は第2の位置と隣り合って配置され、収集ユニットが光ビームを収集するように構成される。
【0040】
一実施形態において、第1のリフレクタ及び第2のリフレクタは、チャンバの長さと平行な軸に沿って離間される。
【0041】
一実施形態では、チャンバ内の距離が、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔て、光ビームがチャンバ内で横断する経路長が、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔てる距離の少なくとも3倍である。
【0042】
一実施形態において、光ビームが横断する経路長は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔てる距離の少なくとも5倍である。
【0043】
一実施形態において、経路長は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔てる距離の5倍~30倍である。
【0044】
一実施形態において、第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間の距離は、約15センチメートル以下である。
【0045】
一実施形態において、第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間の距離は、約10センチメートル以下である。
【0046】
一実施形態では、経路長が約0.5メートル以上である。
【0047】
一実施形態では、経路長が約1メートル以上である。
【0048】
一実施形態において、第1のリフレクタ又は第2のリフレクタは、約0.5センチメートル~2センチメートルの寸法を伴う反射面を有する。
【0049】
一実施形態において、デバイスは、(i)光源からの光ビームを撮像対象に供給し、(ii)光ビームが撮像対象と接触する際に撮像対象から光を収集するように構成されるプローブを更に備え、プローブがチャンバと光学的に連通している。
【0050】
一実施形態では、第1のリフレクタ又は第2のリフレクタが複数の反射要素を備える。
【0051】
一態様において、本開示は、光をフィルタリングするためのシステムであって、光ビームを生成するための光源と、光源と光学的に連通している光フィルタリングデバイスであって、前記光フィルタリングデバイスが、(i)チャンバであって、光源から光ビームを受けるように構成されるとともに、プローブから光を受けるように構成される入力と、チャンバから離れるように光を伝送するべく構成される出力とを有する、チャンバと、(ii)チャンバ内に配置される複数のリフレクタとを備え、複数のリフレクタが、複数のリフレクタのリフレクタ間の光の反射により、入力から出力までの光路内で、受けた光を導くように構成され、チャンバが、光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成される、光フィルタリングデバイスと、光源と光フィルタリングデバイスとに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、画像を生成するために、出力においてチャンバから離れるように伝送される光ビームを処理するように個別に又は集合的にプログラムされる、1つ以上のコンピュータプロセッサとを備えるシステムを提供する。
【0052】
一実施形態において、システムは、光ビームと光フィルタリングデバイスとの間に位置されるビームデエキスパンダユニットを更に備える。
【0053】
一実施形態において、ビームデエキスパンダユニットは、第1のレンズと第2のレンズとを備えるビームデエキスパンダユニットのチャンバを備え、第1のレンズは、ビームデエキスパンダユニットのチャンバの第1の端部に位置され、第2のレンズは、ビームデエキスパンダユニットのチャンバの第2の端部に位置され、ビームデエキスパンダユニットのチャンバの第1の端部とビームデエキスパンダユニットのチャンバの第2の端部とが反対側である。
【0054】
一実施形態において、ビームデエキスパンダユニットのチャンバは、変形可能な壁を備える。
【0055】
一実施形態では、ビームデエキスパンダユニットが調整構造を備える。
【0056】
一実施形態において、調整構造は、第1のレンズと第2のレンズとの間の距離を調整するように構成される。
【0057】
一実施形態において、システムは、光フィルタリングデバイスを備える撮像デバイスを更に備える。
【0058】
一実施形態において、出力の断面直径が入力の断面直径の約0.1倍以上である。
【0059】
一実施形態において、チャンバは、最長の内部直線寸法を有し、経路は、最長の直線寸法の少なくとも3倍の長さの経路長を有する。
【0060】
一実施形態において、撮像デバイスは、光源と光フィルタリングデバイスとの間の光路内に配置されるプローブを備え、プローブは、(i)光ビームを撮像対象に導き、(ii)光ビームが撮像対象と接触する際に撮像対象から光を収集し、(iii)信号を光フィルタリングデバイスに導くように構成される。
【0061】
一実施形態において、プローブは、撮像対象と接触する又は撮像対象を貫通するように構成される。
【0062】
一実施形態において、プローブは、信号をコリメートするように構成される対物レンズを備える。
【0063】
一実施形態では、撮像デバイスがハンドヘルドデバイスである。
【0064】
一実施形態において、撮像デバイスは、集束ユニット、走査ユニット、位置合わせユニット、対物レンズ、ビームスプリッタ、周波数逓倍器、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される1つ以上の部材を更に備える。
【0065】
一実施形態において、システムは、光源と光フィルタリングデバイスとの間に配置される集束ユニットを更に備え、集束ユニットは、光ビームの焦点を変化させるように構成される。
【0066】
一実施形態において、システムは、光源と光フィルタリングデバイスとの間に配置される走査ユニットを更に備え、走査ユニットは、光ビームを少なくとも一次元で走査するように構成される。
【0067】
一実施形態において、システムは、光源と光フィルタリングデバイスとの間の光路に配置される位置合わせユニットを更に備え、位置合わせユニットは、(i)光ビームを光フィルタリングデバイスに導き、(ii)光ビームのチャンバへの入射角を調整するように構成される。
【0068】
一実施形態では、位置合わせユニットがミラーを備える。
【0069】
一実施形態において、システムは、光源と光フィルタリングデバイスとの間に配置されるビームスプリッタを更に備え、ビームスプリッタは、(i)光ビームを分割して分割光ビームを生成し、(ii)分割光ビームの少なくとも一部を光フィルタリングユニットに導くように構成される。
【0070】
一実施形態では、複数のリフレクタが第1のリフレクタを含み、複数のリフレクタは、リフレクタ間の経路に光の集束部分を導くように配置され、経路は、出力に到達する前に第1のリフレクタに複数回戻る。
【0071】
一実施形態において、複数のリフレクタは、チャンバ内の第1の位置に配置されるとともに光をチャンバ内の第2の位置に導くように構成される第1のリフレクタと、(c)第2の位置に配置されるとともに光を第1のリフレクタに導くように構成される第2のリフレクタとを備える。
【0072】
一実施形態では、チャンバ内の距離が、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔て、光が第1の位置と第2の位置との間を横断する経路長が、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔てる距離の少なくとも3倍である。
【0073】
一実施形態において、光ビームが横断する経路長は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔てる距離の少なくとも5倍である。
【0074】
一実施形態において、光ビームが横断する経路長は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔てる距離の約5倍~30倍である。
【0075】
一実施形態において、第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間の距離は、約15センチメートル以下である。
【0076】
一実施形態では、経路長が約0.5メートル以上である。
【0077】
一実施形態では、第1のリフレクタ又は第2のリフレクタの少なくとも一方がミラーである。
【0078】
一実施形態において、第1のリフレクタ、第2のリフレクタ、又は第1のリフレクタと第2のリフレクタの両方は、レトロリフレクタを備える。
【0079】
一実施形態において、システムは、チャンバの出力に結合される第1の端部と、収集ユニットに結合される第2の端部とを備えるファイバ束を更に備え、ファイバ束は、チャンバを通過する光ビームに続いて光ビームを収集し、光ビームを収集ユニットに導くように構成される。
【0080】
一実施形態において、ファイバ束の第1の端部は、ファイバの直線配列を構成する。
【0081】
一実施形態において、ファイバ束の直径は、約1ミリメートル~約5ミリメートルである。
【0082】
一実施形態では、システムが共焦点撮像構成を更に備え、光フィルタリングデバイスは共焦点撮像構成の一部である。
【0083】
一実施形態において、共焦点撮像構成は、光フィルタリングのための発光ピンホールを含まない。
【0084】
一実施形態では、システムが多光子撮像構成を更に備える。
【0085】
一実施形態において、システムは、タンデム共焦点撮像及び多光子撮像のために構成される。
【0086】
一実施形態において、システムは、撮像対象の3次元画像を生成するように構成される。
【0087】
一実施形態では、システムが携帯可能である。
【0088】
一態様において、本開示は、光をフィルタリングするための方法であって、(a)(i)複数のリフレクタがそれらの間で光ビームを反射して光路を形成するように配置されるチャンバを備える光フィルタリングデバイスを用意するステップと、(b)チャンバ内に光ビームを導くステップと、(c)光路から非集束光を除去しながら、光路内の光ビームの集束部分を入力からリフレクタの間で出力に導くステップとを含む方法を提供する。
【0089】
一実施形態において、方法は、(b)の前に、光ビームを光源から撮像対象に伝送し、光ビームが撮像対象と接触する際に撮像対象から光を収集するステップを更に含む。
【0090】
一実施形態において、方法は、光源と撮像対象との間の光路内に配置される集束ユニットを使用して、撮像対象内の光ビームの焦点を変化させるステップを更に含む。
【0091】
一実施形態において、方法は、光源と撮像対象との間の光路内に配置される走査ユニットを使用して、撮像対象を横切って少なくとも一次元で光ビームを走査するステップを更に含む。
【0092】
一実施形態において、方法は、撮像対象と光フィルタリングデバイスとの間の光路内に配置されるビームスプリッタを使用して、(i)光を分割して分割光を生成し、(ii)分割光の少なくとも一部を光フィルタリングデバイスに導くステップを更に含む。
【0093】
一実施形態において、方法は、光源と撮像対象との間の光路内に配置されるプローブを使用して、光ビームを撮像対象に導き、撮像対象から生成される光を収集するステップを更に含む。
【0094】
一実施形態において、方法は、光ビームの集束部分をチャンバの出力に導いた後に、光を処理して撮像対象の画像を生成するステップを更に含む。
【0095】
一実施形態では、画像が3次元画像である。
【0096】
一実施形態において、方法は、共焦点撮像のために光を使用するステップを更に含む。
【0097】
一実施形態において、方法は、(b)の前に、位置合わせユニットを使用して、(i)光ビームをチャンバと位置合わせし、(ii)光ビームのチャンバへの入射角を調整するステップを更に含む。
【0098】
一実施形態では、光フィルタリングデバイスが撮像デバイスに設けられる。
【0099】
一実施形態では、撮像デバイスがハンドヘルドである。
【0100】
一実施形態において、撮像デバイスは、光フィルタリングデバイスを備える共焦点撮像構成を更に備える。
【0101】
一実施形態では、撮像デバイスが多光子撮像構成を更に備える。
【0102】
一実施形態において、方法は、タンデム共焦点及び多光子撮像のために共焦点撮像構成及び多光子撮像構成を使用するステップを更に含む。
【0103】
一実施形態において、撮像デバイスは、光ビームをコリメートする対物レンズを備える。
【0104】
一実施形態において、光ビームがチャンバ内を横断する光路の経路長は、少なくとも0.25Mである。
【0105】
一実施形態では、光ビームがコリメートされた光ビームである。
【0106】
一態様において、本開示は、撮像対象を撮像するための方法であって、(a)(i)チャンバを備える光フィルタリングデバイス及び(ii)撮像対象と光学的に連通するプローブを用意するステップと、(b)プローブを使用して撮像対象に光ビームを供給し、結果として得られる戻り光ビームを撮像対象から収集するステップと、(c)撮像対象からの戻り光ビームを光フィルタリングデバイスのチャンバに導くステップと、(d)光フィルタリングデバイスのチャンバ内の第1のリフレクタから第2のリフレクタに光ビームを繰り返し導いて、光ビームが第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間を横断する経路長が第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔てる距離の少なくとも3倍となるようにするステップと、(e)光ビームを処理して撮像対象の画像を生成するステップとを含む方法を提供する。
【0107】
一実施形態において、方法は、(b)の前に、プローブを介して光ビームを光源から撮像対象に伝送し、光ビームが撮像対象と接触する際に撮像対象から光を収集するステップを更に含む。
【0108】
一実施形態において、方法は、(c)の前に、戻り光ビームをビームデエキスパンダユニットに導くステップを更に含む。一実施形態において、方法は、戻り光ビームをビームデエキスパンダユニットに導いた後にビームデエキスパンダを調整するステップを更に含む。
【0109】
一実施形態において、ビームデエキスパンダユニットは、第1のレンズと第2のレンズとを備えるビームデエキスパンダユニットのチャンバを備え、第1のレンズは、ビームデエキスパンダユニットのチャンバの第1の端部に位置され、第2のレンズは、ビームデエキスパンダユニットのチャンバの第2の端部に位置され、ビームデエキスパンダユニットのチャンバの第1の端部とビームデエキスパンダユニットのチャンバの第2の端部とが反対側である。
【0110】
一実施形態において、ビームデエキスパンダユニットのチャンバは、変形可能な壁を備える。
【0111】
一実施形態では、ビームデエキスパンダユニットが調整構造を更に含む。
【0112】
一実施形態において、調整構造は、第1のレンズと第2のレンズとの間の距離を調整するように構成される。
【0113】
一実施形態において、方法は、(c)に続いて、光を処理して撮像対象の画像を生成するステップを更に含む。
【0114】
一実施形態において、方法は、共焦点撮像のために光を使用するステップを更に含む。
【0115】
一実施形態において、方法は、多光子撮像のために光を使用するステップを更に含む。
【0116】
一実施形態において、方法は、タンデム共焦点及び多光子撮像のために光を使用するステップを更に含む。
【0117】
一実施形態において、光ビームが横断する経路長は、第1位置と第2位置とを隔てる距離の少なくとも5倍である。
【0118】
一実施形態において、経路長は、第1のリフレクタとリフレクタとを隔てる距離の5倍~30倍である。
【0119】
一実施形態では、経路長が約0.5メートル以上である。
【0120】
一実施形態では、距離が約15センチメートル以下である。
【0121】
一態様において、本開示は、撮像対象に光ビームを供給するように構成される光源と、
光源と光学的に連通しているプローブであって、光源からの光ビームを撮像対象に導くように構成される、プローブと、プローブと光学的に連通している光フィルタリングデバイスであって、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを備えるチャンバを備えるとともに、(i)プローブから光ビームを受け、(ii)光ビームが第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間を横断する経路長が、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔てる距離の少なくとも3倍であるように構成される、光フィルタリングデバイスと、光フィルタリングデバイスと光学的に連通している収集ユニットであって、光フィルタリングデバイスから光ビームを収集するように構成され、光ビームが撮像対象の画像を生成するために使用可能である、収集ユニットとを備える撮像デバイスを提供する。
【0122】
一実施形態において、方法は、光ビームと光フィルタリングデバイスとの間に位置されるビームデエキスパンダユニットを更に備える。
【0123】
一実施形態において、ビームデエキスパンダユニットは、第1のレンズと第2のレンズとを備えるビームデエキスパンダユニットのチャンバを備え、第1のレンズは、ビームデエキスパンダユニットのチャンバの第1の端部に位置され、第2のレンズは、ビームデエキスパンダユニットのチャンバの第2の端部に位置され、ビームデエキスパンダユニットのチャンバの第1の端部とビームデエキスパンダユニットのチャンバの第2の端部とが反対側である。
【0124】
一実施形態において、ビームデエキスパンダユニットのチャンバは、変形可能な壁を備える。
【0125】
一実施形態では、ビームデエキスパンダユニットが調整構造を備える。
【0126】
一実施形態において、調整構造は、第1のレンズと第2のレンズとの間の距離を調整するように構成される。
【0127】
一実施形態において、光ビームが横断する経路長は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔てる距離の少なくとも5倍である。
【0128】
一実施形態において、経路長は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔てる距離の5倍~30倍である。
【0129】
一実施形態では、経路長が約0.5メートル以上である。
【0130】
一実施形態では、距離が約15センチメートル以下である。
【0131】
一態様において、本開示は、(i)光源からの光ビームを撮像対象に供給し、(ii)光ビームが撮像対象と接触する際に撮像対象から光を収集するように構成されるプローブと、プローブと光学的に連通している光フィルタリングデバイスであって、(i)入力及び出力を備えるチャンバであって、入力において撮像対象から光を受けるように構成されるチャンバと、(ii)第1のリフレクタを含む、チャンバ内に位置される複数のリフレクタであって、複数のリフレクタのリフレクタが、リフレクタ間の経路に光の集束部分を導くように配置され、経路が、出力に到達する前に第1のリフレクタに複数回戻る、複数のリフレクタとを備える、光フィルタリングデバイスとを備えるシステムを提供する。
【0132】
一態様において、本開示は、(i)光源からの光ビームを撮像対象に供給し、(ii)光ビームが撮像対象と接触する際に撮像対象から光を収集するように構成されるプローブと、プローブと光学的に連通している光フィルタリングデバイスであって、光フィルタリングデバイスが、(a)チャンバであって、(i)プローブから光を受けるように構成される入力と、(ii)チャンバから離れるように光を伝送するように構成される出力とを有する、チャンバと、(b)チャンバ内に配置され、入力から受けた光を、複数のリフレクタのリフレクタ間の光の反射によって出力に導くように構成される複数のリフレクタとを備える、光フィルタリングデバイスと、を備え、光がリフレクタを介して反射によって入力から出力まで横断する経路長は、少なくとも0.25メートルである、システムを提供する。
【0133】
一態様において、本開示は、チャンバを備え、このチャンバは、前記チャンバの入力から出力に至る光路をもたらし、(i)光路は、入力からの光を出力に導くように構成され、(ii)チャンバは、光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成され、出力の断面直径は、入力の断面直径の約0.1倍以上である、デバイスを提供する。
【0134】
一態様において、本開示は、チャンバを備え、このチャンバは、前記チャンバの入力から出力に至る光路をもたらし、(i)光路は、入力からの光を出力に導くように構成され、(ii)チャンバは、光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成され、チャンバが最長の内部直線寸法を有し、光路は、最長の直線寸法の長さの少なくとも3倍である経路長を有する、デバイスを提供する。
【0135】
一態様において、本開示は、
チャンバを備え、前記チャンバは、前記チャンバの入力から出力に至る光路をもたらし、(i)光路は、経路長を有するとともに、入力からの光を出力に導くように構成され、(ii)チャンバは、光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成され、チャンバが最長の内部直線寸法を有し、経路長は、最長の直線寸法の少なくとも3倍の長さである、
デバイスを提供する。
【0136】
本開示の更なる態様及び利点は、本開示の単なる例示的な実施形態が示されて記載されるにすぎない以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになる。理解されるように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、また、その幾つかの詳細は、全てが本開示から逸脱することなく、様々な自明な点で変更が可能である。したがって、図面及び説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定的であると見なされるべきでない。
【0137】
参照による組み入れ
この明細書中で言及される全ての刊行物、特許、及び、特許出願は、あたかもそれぞれの個々の刊行物、特許、又は、特許出願が参照により組み入れられるべく具体的にかつ個別に示唆されたと同じ程度に参照により本願に組み入れられる。参照により組み入れられる刊行物及び特許又は特許出願が明細書中に含まれる開示と矛盾する程度まで、明細書は、任意のそのような矛盾する資料よりも優先する及び/又は勝ることを意図している。
【0138】
本発明の新規の特徴が添付の特許請求の範囲に詳細に記載される。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明及び添付図面(本明細書中の「図」及び「FIG」も)を参照することによって得られ、添付図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【
図1A】共焦点撮像構成の例を概略的に示し、光フィルタリングデバイスと一体化されたプローブを備える共焦点撮像構成の一例を示す。
【
図1B】共焦点撮像構成の例を概略的に示し、光フィルタリングデバイスに接続されたプローブを含む共焦点撮像構成の一例を示す。
【
図2A】例示的な光フィルタリングデバイス及び結果として生じる光ビームの経路を概略的に示し、ミラー及びレトロリフレクタを含む光フィルタリングデバイスの一例を概略的に示す。
【
図2B】例示的な光フィルタリングデバイス及び結果として生じる光ビームの経路を概略的に示し、2つのミラーを含む光フィルタリングデバイスの一例を概略的に示す。
【
図2C】例示的な光フィルタリングデバイス及び結果として生じる光ビームの経路を概略的に示し、2つのレトロリフレクタを含む光フィルタリングデバイスの一例を概略的に示す。
【
図3A】コレクタの光ファイバ束を概略的に示し、コレクタの光ファイバ束の直線配置の一例を示す。
【
図3B】コレクタの光ファイバ束を概略的に示し、コレクタの円環状に配置された光ファイバ束の一例を示す。
【
図4A】光フィルタリングデバイスを通る光路の一例を概略的に示し、折り返し光路の一例を示す。
【
図4B】光フィルタリングデバイスを通る光路の一例を概略的に示し、
図4Aの光路の有効光長の一例を示す。
【
図5】撮像対象を走査するために使用可能な集束ユニットを含む光学素子の一例を示す。
【
図6】撮像対象を走査するために使用可能な集束ユニットを含む光学素子の他の例を示す。
【
図7】撮像対象を走査するための光学素子を含むハンドヘルドデバイスの一例を概略的に示す。
【
図8】ミラーとレトロリフレクタとの間の光路の一例を示す。
【
図9】複数の反射構成の光学素子の例及び概略光路を示す。
【
図10A】走査された生体内深度プロファイルから生成された画像の一例を示し、2光子画像の一例を示す。
【
図10B】走査された生体内深度プロファイルから生成された画像の一例を示し、第2高調波生成画像の一例を示す。
【
図10C】走査された生体内深度プロファイルから生成された画像の一例を示し、反射率共焦点顕微鏡画像の一例を示す。
【
図10D】走査された生体内深度プロファイルから生成された画像の一例を示し、3チャネル平均画像の一例を示す。
【
図12】支持システムに結合されたハンドヘルドデバイスを含む携帯型撮像システムの一例を示す。
【
図13】撮像のための携帯型支持システムの一例を示す。
【
図14】被検体を撮像するために使用される、ハンドヘルドデバイスを含む撮像システムの一例を示す。
【
図15】本明細書中で提供される方法を実施するようにプログラムされる或いはさもなければ構成されるコンピュータシステムを示す。
【
図16】ビームデエキスパンダを通る光路の一例を概略的に示す。
【
図17A】チャンバを伴うビームデエキスパンダの一例を概略的に示し、撮像システム内に配置されたビームデエキスパンダを概略的に示す。
【
図17B】チャンバを伴うビームデエキスパンダの一例を概略的に示し、チャンバを変形させるための作動要素を伴うビームデエキスパンダを示す。
【
図17C】チャンバを伴うビームデエキスパンダの一例を概略的に示し、ビームデエキスパンダのチャンバが変形されていない状態のビームデエキスパンダ及び作動要素を示す。
【
図17D】チャンバを伴うビームデエキスパンダの一例を概略的に示し、チャンバが変形された状態のビームデエキスパンダを示す。
【
図18A】チャンバを伴うビームデエキスパンダの一例を概略的に示し、チャンバを変形させるための調整要素を伴うビームデエキスパンダを示す。
【
図18B】チャンバを伴うビームデエキスパンダの一例を概略的に示し、チャンバが変形されていない状態のビームデエキスパンダを示す。
【
図18C】チャンバを伴うビームデエキスパンダの一例を概略的に示し、チャンバが変形された状態のビームデエキスパンダを示す。
【発明を実施するための形態】
【0140】
本発明の様々な実施形態が本明細書中に示されて説明されているが、当業者に明らかなように、そのような実施形態は単なる一例として与えられる。本発明から逸脱することなく、多くの変形、変更、及び、置換が当業者に想起し得る。本明細書中に記載される発明の実施形態の様々な代替案が使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0141】
本明細書で使用される「被検体」という用語は、一般に、哺乳動物などの動物を指す。被検体は、ヒト又は非ヒト哺乳動物であり得る。被検体は植物であってもよい。被検体は、疾病に罹患しているか又は疾病に罹患している若しくは疾病を有すると疑われ得る。被検体は、疾病に罹患している又は疾病を有することが疑われない場合がある。被検体は症候性であり得る。或いは、被検体は無症候性であり得る。場合によっては、被検体は、疾病の症状を緩和するために又は疾病の被検体を治癒するために処置され得る。被検体は、医師などの医療提供者による治療を受けている患者であり得る。
【0142】
本明細書で使用される「組織特性」という用語は、一般に、組織の状態を指す。組織特性の例には、疾患、異常、正常性、状態、組織の水和状態、組織の構造状態、組織の健康状態、又は有益な状態が含まれるが、これらに限定されない。特性は、病状であり得る。特性は良性(例えば、健康な組織に関する情報)であり得る。組織特性は、組織の分類又は診断を助けることができる1つ以上の特徴を含むことができる。組織特性は、湿疹、皮膚炎、乾癬、扁平苔癬、水疱性類天疱瘡、血管炎、環状肉芽腫、尋常性疣贅、脂漏性角化症、基底細胞癌、光線性角化症、in situ扁平上皮癌(例えば、表皮内癌)、扁平上皮癌、嚢胞、黒子、色素性母斑、黒色腫、皮膚線維腫、痂皮、真菌感染、細菌感染、熱傷、創傷など、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0143】
本明細書で使用される「特徴」という用語は、一般に、所与の組織特性又は複数の組織特性を示す組織又は他の身体部分の態様を指す。特徴の例としては、特性;生理学;解剖学的構造;組成物;組織学;機能;処理;サイズ;幾何形状;規則性;凹凸;光学特性;化学的特性;機械的特性又は他の特性;色;血管系;外観;構造要素;品質;被検体の組織の年齢;組織特性に対応するデータ;関連するリンパ球エキソサイトーシスを伴う急性湿疹における脊椎症;慢性湿疹における表皮肥厚;錯角化及び/又は血管周囲リンパ組織球浸潤;慢性症例(例えば、単純苔癬)における擦過傷及び/又は擦過の兆候(例えば、不規則な表皮肥厚及び真皮乳頭におけるコラーゲンの垂直配向);角化亢進(例えば、錯角症)、角化矯正症;角質層及び扁平上皮層の好中球;低顆粒症;表皮は真皮乳頭上で薄い;規則的な表皮肥厚、有棘網状赤血球隆起;比較的少ない脊椎症;真皮乳頭の拡張毛細血管;血管周囲リンパ組織球浸潤;角化矯正;過顆粒症;鋸歯状の網状隆起を伴う不規則な表皮肥厚;下部表皮及び上部真皮中のコロイド体;基底層の液化変性;上部真皮(例えば、界面皮膚炎)及び/又は表皮における苔癬様リンパ組織球浸潤物;メラニン失禁;表皮下水疱;新しいブリスターの上の生存屋根、古いブリスターの上の壊死;可変血管周囲浸潤物(例えば、リンパ球、組織球、好酸球);前水疱性病変は、好酸球エキソサイトーシスを伴う海綿状態を示し得る(例えば、好酸球性脊椎症);血管壁損傷(例えば、壊死、ヒアリン化、フィブリン);血管壁への炎症細胞の浸潤;赤血球溢出;好中球の白血球破砕症由来の核ダスト;表皮の虚血性壊死;正常表皮;真皮コラーゲン変性症の中心病巣(例えば、壊死症)、ムチン蓄積;組織球の柵状化;多核巨細胞;コラーゲン束間の炎症細胞の1回充填(例えば、「ビジー」真皮);角化亢進症、乳頭腫症、表皮肥厚症;基底様ケラチノサイト;角嚢胞;基底層及び/又は表皮全体に豊富なメラニン;表皮過形成の基部の鋭い境界;場所;基底様腫瘍細胞の凝集巣(例えば、時に少量の扁平上皮分化を伴う);細胞巣の周縁部での核の周辺部寄生;細胞巣の周りのアーチファクト(例えば、裂け目);可変炎症性浸潤及び潰瘍形成;角化亢進及び/又は潰瘍形成;角化症の領域によって分離されていてもよい異型ケラチノサイトを覆っていてもよい角化症のカラム;様々な程度の重なり合う成熟の喪失、退色性亢進、多形性、有糸分裂の増加及び異常、角化異常を伴う基底異型ケラチノサイト-完全な厚さの変化は、「ボーエン様光線性角化症」と呼ばれることがある;可変の表在性血管周囲又は苔癬性慢性炎症性浸潤物;太陽弾性;角化亢進症、錯角化症;表皮肥厚;淡空胞化又は多核細胞を伴う異型ケラチノサイトによる完全な厚さの表皮病変;一部の病変では、辺縁部でのパジェット様の広がり;異型ケラチノサイトの増殖;真皮の浸潤;様々な角化度、任意選択的に扁平上皮系又はケラチン真珠;扁平上皮によって裏打ちされ、場合により扁平であり、顆粒層を有する嚢胞;嚢胞内のラメラ状ケラチン;色素過剰の細長い網状隆起部;メラノサイトの増加;扁平上皮内層であるが、顆粒層はない;濃厚ケラチン含有量;頻繁な石灰化;様々な表皮変化(例えば、単純苔癬);真皮表皮接合部(例えば、錯角症)及び/又は真皮(例えば、界面皮膚炎)におけるメラノサイト/母斑細胞の巣;基底層に限定された表皮中の母斑細胞、任意選択的に網稜の先端;真皮の深度が増すにつれて細胞及び細胞巣の両方のサイズが減少することを示す、一般に円形の母斑細胞(例えば、リンパ球、組織球、好酸球);炎症、外傷状態に基づいて変化する炎症;メラノサイトの非対称増殖;表皮を通って上方及び真皮に下方に浸潤する異型メラノサイト;可変細胞異型(例えば、好酸球性脊椎症);表皮過形成(基底細胞癌を模倣していてもよい);色素過剰の基底層;紡錘形線維芽細胞の周囲にあるが境界が不十分な増殖;組織球及び少数の巨細胞;可変量のコラーゲン;過角化症、角化異常症及び乳頭腫症(扁平疣贅ではない)を伴う限局性表皮過形成;三叉角化;プレイロサイト(例えば、壊死、ヒアリン化、フィブリン);炎症を起こした間質によって取り囲まれた扁平上皮細胞を示す接線方向の切片;細胞質変化を欠く古い病変;ウイルス核封入体、好塩基球性ウイルス核封入体;打撃性乳頭腫症(例えば、壊死症)、角質層は、渦巻き状の頂に似た尖った隆起を伴う錯角化症、血管外漏出赤血球又はヘモシデリンを示す;顆粒層は、顕著なケラトヒアリン顆粒及びケラチノサイトで肥厚し、核周囲の透明化を示す(例えば、「ビジー」真皮);真皮上層のリンパ球浸潤;変性上皮変化を伴う真皮及び表皮における慢性炎症性浸潤を有する退縮病変;軟体動物体に似た多数の粗大な好塩基性細胞質内ケラトヒアリン顆粒など、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0144】
本明細書で使用される「疾病」という用語は、一般に、被検体の一部又は全部に影響を及ぼす異常な状態又は生物学的機能若しくは器官などの生物学的構造の障害を指す。疾病は、感染症などの外部源に由来する因子によって引き起こされ得るか又は自己免疫疾病などの内部機能不全によって引き起こされ得る。疾病は、罹患した被検体に疼痛、機能不全、苦痛、社会的問題及び/又は死亡を引き起こす任意の状態を指すことができる。疾病は、急性状態又は慢性状態であり得る。疾病は、ウイルス、細菌、真菌、原虫、多細胞生物、及びプリオンとしての異常タンパク質を含む病原性微生物の存在に起因し得る感染性疾病を指し得る。疾病は、癌及び遺伝性疾病を含むがこれらに限定されない非感染性疾病を指し得る。場合によっては、疾病を治癒することができる。場合によっては、疾病を治癒することができない。場合によっては、疾病は上皮癌である。上皮癌は、非黒色腫皮膚癌、例えば基底細胞癌(BCC)及び扁平上皮癌(SCC)、並びに黒色腫皮膚癌を含むがこれらに限定されない皮膚癌である。
【0145】
本明細書で使用される「上皮組織」及び「上皮」という用語は、一般に、全身の血管及び器官の空洞及び表面を覆う組織を指す。上皮組織は、一般に3つの形状、すなわち、扁平、円柱、及び、立方体がある上皮細胞を含む。上皮細胞は、扁平細胞、円柱細胞、又は、立方体細胞のいずれかを含む単純な上皮としての単層の細胞、又は、扁平細胞、円柱細胞、及び/又は、立方体細胞のいずれかを含む層状(層状)の深部の2つ以上の細胞の層に配置することができる。
【0146】
本明細書で使用される「癌」という用語は、一般に、正常な増殖制御に対する感受性を失っている可能性がある細胞の増殖によって引き起こされる又は特徴付けられる増殖性障害を指す。同じ組織型の癌は、通常、同じ組織に由来し、それらの生物学的特徴に基づいて異なるサブタイプに分類され得る。癌のカテゴリの非限定的な例は、癌腫(上皮細胞由来)、肉腫(結合組織又は中胚葉由来)、白血病(血液形成組織由来)及びリンパ腫(リンパ組織由来)である。癌は、身体の任意の器官又は組織を含み得る。癌の例としては、黒色腫、白血病、星状細胞腫、神経膠芽腫、網膜芽細胞腫、リンパ腫、神経膠腫、ホジキンリンパ腫及び慢性リンパ性白血病が挙げられる。様々な癌によって影響され得る器官及び組織の例としては、膵臓、乳房、甲状腺、卵巣、子宮、精巣、前立腺、下垂体、副腎、腎臓、胃、食道、直腸、小腸、結腸、肝臓、胆嚢、頭頸部、舌、口、眼及び眼窩、骨、関節、脳、神経系、皮膚、血液、鼻咽頭組織、肺、喉頭、尿路、子宮頸部、膣、外分泌腺及び内分泌腺が挙げられる。場合によっては、癌は多中心性であり得る。場合によっては、癌は未知の原発(CUP)の癌であり得る。
【0147】
本明細書で使用される「病変」という用語は、一般に、疾病及び/又は疾病の疑い、創傷、切開、又は、外科的マージンの(1つ以上の)領域を指す。創傷には、それだけに限らないが、異物が侵入するのに十分な出血及び/又は皮膚外傷をもたらす、擦り傷、擦過傷、切り傷、裂傷、破損、穿刺、切片及び/又は任意の損傷が含まれ得る。切開は、これらに限られるわけではないが、医師、看護師、助妻及び/又は看護師、並びに外科的処置などの処置中の歯科専門家など、医療専門家によって行われる切開を含むことができる。
【0148】
本明細書で使用される「光」という用語は、一般に電磁放射線を指す。光は、赤外線(例えば、約700nm~約1mm)から紫外線(例えば、約10nm~約380nm)までの波長範囲であってもよい。光は可視光であってもよい。或いは、光は非可視光であってもよい。光は、電磁スペクトルの可視及び非可視波長の光の波長を含むことができる。
【0149】
本明細書で使用される「周辺光」という用語は、一般に、ポイントオブケア位置(例えば、患者の自宅又はオフィス、診察室、又は、手術室)など、本開示のデバイス、方法、及びシステムが使用される位置の光など、環境又は被検体を取り囲む光を指す。
【0150】
本明細書で使用される「光軸」という用語は、一般に、カメラレンズ又は顕微鏡などの光学系においてある程度の回転対称性があり得る線を指す。光軸は、レンズ又は球面ミラーの曲率中心を通り、対称軸に平行な線であってもよい。本明細書における光軸は、Z軸とも称され得る。単純なレンズ及びミラーの系の場合、光軸は、各表面の曲率中心を通過し、回転対称軸と一致してもよい。光軸は、軸外光学系の場合のように、系の機械軸と一致してもよい。光ファイバの場合、光軸(ファイバ軸とも呼ばれる)は、ファイバコアの中心に沿っていてもよい。
【0151】
本明細書で使用される「位置」という用語は、一般に、光軸に平行な「深度」とは対照的に、光軸に垂直な平面上の位置を指す。例えば、焦点の位置は、x-y平面内の焦点の位置とすることができる。一方、「深度」位置は、z軸(光軸)に沿った位置とすることができる。焦点の位置は、x-y平面全体にわたって変化させることができる。焦点は、z軸に沿って同時に変化させることもできる。位置は、焦点の位置であってもよい。
【0152】
「位置」という用語はまた、プローブの空間内の位置;対象の解剖学的特徴に対する位置;並びにプローブ及び/又はその光学系又は光軸の向き又は角度を含むことができる、光学デバイス(又はハウジング)の位置を指すことができる。位置は、対象の組織又は組織境界、その上又は近くのプローブの位置又は配向を意味することができる。位置はまた、対象の組織で特定された他の特性又は特徴に関する、又は対象の組織から収集又は観察された他のデータに関する位置を意味することもできる。光学デバイスの位置はまた、タグ、マーカー、又はガイドに対するプローブ又はその光学系の位置及び/又は配向を意味することができる。
【0153】
本明細書で使用される「焦点(focal point)」又は「焦点(focal spot)」という用語は、一般に、平行光線が収束する光学素子のレンズ又はミラーの軸上の光の点を指す。焦点(focal point)又は焦点(focal spot)は、撮像される組織サンプル内にあってもよく、そこから戻り信号が生成され、それを処理して深度プロファイルを形成することができる。
【0154】
本明細書で使用される「焦点面」という用語は、一般に、走査経路に沿って向けられた焦点によって形成される平面を指す。焦点面は、Z軸が一般に光軸であるZ方向の移動と共に、焦点がX及び/又はY方向に移動する場所とすることができる。また、走査経路は、光軸に非平行な経路を画定する少なくとも2つの焦点を含む焦点経路と考えることもできる。例えば、焦点経路は、螺旋として成形された複数の焦点を含むことができる。本明細書で使用される焦点経路は、平面であってもなくてもよく、X-Z平面又はY-Z平面に投影されたときの平面であってもよい。焦点面は傾斜面であってもよい。傾斜面は、光学素子(例えば、レンズ又はミラー)の光軸に対してある角度で配向された平面であってもよい。角度は、約0°~約90°であってもよい。傾斜面は、非ゼロのZ軸成分を有する平面であってもよい。
【0155】
本明細書で使用される「深度プロファイル」という用語は、一般に、組織サンプルの走査から生じる生成された信号から導出された情報又は光学データを指す。組織サンプルを走査することは、光軸又はz軸に平行な方向に延在する撮像焦点、及びx-y軸上の様々な位置を伴うことができる。組織サンプルは、例えば、深度プロファイルが真皮、表皮、及び皮下層などの皮膚の層を横切って延びることができる生体内皮膚組織であり得る。組織サンプルの深度プロファイルは、X-Z平面又はY-Z平面に投影されたときに、投影された垂直断面画像に変換することができる垂直平面プロファイルを形成するデータを含むことができる。深度プロファイルから導出された組織サンプルの垂直断面画像は、垂直又はほぼ垂直であり得る。場合によっては、深度プロファイルは変化する垂直焦点座標を提供するが、水平焦点座標は変化してもしなくてもよい。深度プロファイルは、(光軸上の)光学平面に対してある角度を成す少なくとも1つの平面の形態であってもよい。例えば、深度プロファイルは、光学平面に平行であってもよく又は光学平面に対して90度未満かつ0度より大きい角度であってもよい。深度プロファイルは、ある角度で組織に接触している光学デバイスを使用して生成することができる。例えば、光学デバイスは、組織と接触するプローブを含み得る。プローブは、1つ以上の対物レンズを含むことができる。1つ以上の対物レンズは、組織と接触してもよい。例えば、深度プロファイルは、光軸に垂直ではなく、むしろ光学デバイスが組織に接触している角度と同じ程度だけオフセットされてもよい。深度プロファイルは、サンプルの様々な深度、例えば皮膚組織の様々な深度で情報を提供することができる。深度プロファイルをリアルタイムで提供することができる。深度プロファイルは、組織の平面スライスに対応してもしなくてもよい。深度プロファイルは、傾斜面上の組織のスライスに対応することができる。深度プロファイルは、正確には平面スライスではない組織領域(例えば、スライスは、3次元全ての成分を有することができる)に対応することができる。深度プロファイルは、組織の仮想スライス又は仮想断面とすることができる。深度プロファイルは、生体内組織から走査された光学データであり得る。投影断面画像を形成するために使用されるデータは、一般的な形状又はパターンに沿って分布した複数の焦点から導出されてもよい。複数の分布点は、走査された傾斜面、複数の走査された傾斜面、又は、非平面走査パターン若しくは形状(例えば、渦巻きパターン、波パターン、又は、焦点の他の所定の若しくはランダムな若しくは擬似ランダムなパターンである)の形態とすることができる。深度プロファイルを形成するために使用される焦点の位置は、走査又は関連するデータ処理中に検出又は特定される、組織内の被検体の物体又は領域を追跡するために変更され又は変更可能であってもよい。深度プロファイルは、深度プロファイルの別個の層を形成することができる解剖学的特徴又は特性に対応する1つ以上の別個の戻り信号又は信号から形成することができる。深度プロファイルを形成するために使用される生成された信号は、励起光ビームから生成することができる。深度プロファイルを形成するために使用される生成された信号は、時間的及び位置的に同期させることができる。深度プロファイルは、複数の深度プロファイルを含むことができ、各深度プロファイルは、(1つ以上の)解剖学的特徴又は特性に対応する特定の信号又は信号のサブセットに対応する。深度プロファイルは、時間的及び位置的に同期された信号を使用して生成された複合深度プロファイルを形成することができる。本明細書の深度プロファイルは、生体内組織の光学データが得られる生体内深度プロファイルであり得る。深度プロファイルは、時間的及び位置的に同期された異なる生成信号から生成された光学データの複数の深度プロファイル又は層の合成であり得る。深度プロファイルは、生成された信号の他のサブセットと時間的及び位置的に同期される生成された信号のサブセットから生成された深度プロファイルとすることができる。深度プロファイルは、光学データの1つ以上の層を含むことができ、層のそれぞれは信号の異なるサブセットに対応する。デプスプロファイル又はデプスプロファイル光学データはまた、デプスプロファイル、光学デバイス、光学デバイス位置、他のセンサ、又は識別され、デプスプロファイル又は他の関連情報の時間に対応する情報を処理することからのデータを含むことができる。更に、例えば、医療データ、身体状態、又は他のデータ若しくは特性などの被検体情報に対応する他のデータも、深度プロファイルの光学データと共に含めることができる。深度プロファイルは、注釈又はマーキングを有する注釈付き深度プロファイルとすることができる。
【0156】
本明細書で使用される「医療データ」という用語は、一般に、健康状態、病歴、検査結果、現在及び過去の職業、年齢、性別、人種、皮膚の種類、Fitzpatrick皮膚の種類、皮膚の健康及び外観に関する他のメトリック、対象の国籍、環境への曝露、精神的健康、及び投薬からなる群から選択される少なくとも1つの医療データを含む対象の医療データを指す。被検体の身体的状態は、1つ以上の医療器具を介して得ることができる。1つ以上の医療器具には、聴診器、吸引デバイス、温度計、舌圧子、輸血キット、調整フォーク、人工呼吸器、時計、ストップウォッチ、体重計、ワニ鉗子、ベッドパン、カニューレ、電気除細動器、除細動器、カテーテル、透析器、心電計装置、浣腸装置、内視鏡、ガスボンベ、ガーゼスポンジ、皮下注射針、シリンジ、感染制御装置、器具滅菌器、腎臓皿、測定テープ、医療用ハロゲンペンライト、経鼻胃管、ネブライザー、検眼鏡、耳鏡、酸素マスク及びチューブ、ピペット、スポイト、プロスコープ、反射ハンマー、血圧計、分光計、皮膚鏡、及びカメラが含まれ得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、身体状態が被検体のバイタルサインを備える。バイタルサインは、患者の基本的な身体機能の測定値であり得る。バイタルサインは、体温、脈拍数、呼吸数及び血圧を含み得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、対象の医療データを受信又は使用することを更に含む。
【0157】
本明細書で使用される「投影断面画像」という用語は、一般に、像平面を形成するためにXZ又はYZ平面に投影された深度プロファイル情報から構築された画像を指す。この状況では、組織の表面に対する構造の深さに歪みがない場合がある。投影された断面画像は、走査される組織の部分によって画定され得る。投影された断面画像は、皮膚組織の表面に対して垂直方向に延びることができる。投影断面画像を形成するために使用されるデータは、走査された1つ以上の傾斜面、及び/又は非平面走査パターン、形状(例えば、螺旋、波などである)又は焦点の所定の若しくはランダムなパターンから導出することができる。
【0158】
本明細書で使用される「蛍光」という用語は、一般に、1つ以上の波長(例えば、単一波長又は2つの異なる波長)の入射電磁放射線の吸収の結果として放出され得る放射線を指す。場合によっては、蛍光は、外因的に提供されたタグ又はマーカーからの発光から生じ得る。場合によっては、蛍光は、電磁放射線による励起に対する1つ以上の内因性分子の固有の応答として生じ得る。
【0159】
本明細書で使用される「自己蛍光」という用語は、一般に、電磁放射線による励起に起因する1つ以上の内因性分子からの蛍光を指す。
【0160】
本明細書で使用される「多光子励起」という用語は、一般に、蛍光光子の発光をもたらす、2つ以上の光子によるフルオロフォアの励起を指す。場合によっては、放出された光子は、興奮性光子よりも高いエネルギーにある。場合によっては、複数の多光子励起が組織内で生成され得る。複数の多光子励起は、複数の多光子信号を生成することができる。例えば、細胞核は2光子励起を受けることができる。別の例として、細胞壁は3光子励起を受けることができる。複数の信号の少なくともサブセットは異なっていてもよい。異なる信号は、本明細書に記載の方法に使用することができる異なる波長を有することができる。例えば、異なる信号(例えば、2光子又は3光子信号)を使用して、組織の異なる要素を示すことができるマップを形成することができる。場合によっては、マップは機械学習ベースの診断アルゴリズムをトレーニングするために使用される。
【0161】
本明細書で使用される「第2の高調波発生」及び「SHG」という用語は、一般に、非線形材料と相互作用する光子が効果的に「結合」されて、初期光子の約2倍のエネルギー、したがって約2倍の周波数及び約半分(1/2)の波長を有する新しい光子を形成する非線形光学プロセスを指す。
【0162】
本明細書で使用される「第3の高調波発生」及び「THG」という用語は、一般に、非線形材料と相互作用する光子が効果的に「結合」して、初期光子の約3倍のエネルギー、したがって約3倍の周波数及び約3分の1(1/3)の波長を有する新しい光子を形成する非線形光学プロセスを指す。
【0163】
本明細書で使用される「反射率共焦点顕微鏡法」又は「RCM」という用語は、一般に、サンプル(例えば、組織又はその任意の構成要素)からの反射光を収集及び/又は処理するプロセスを指す。このプロセスは、光ビームがサンプルに向けられ、サンプル内の焦点からの戻り光(「RCM信号」)が収集及び/又は分析され得る非侵襲的プロセスであり得る。プロセスは、生体内又は生体外であり得る。RCM信号は、それらを生成した光ビームの逆方向をトレースすることができる。RCM信号は、偏光又は無偏光であり得る。RCM信号は、ピンホール、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ、交差励起光路及び集光光光路、又は、集光された光を焦点から生じるその部分に制限する他の共焦点配置と組み合わせることができる。本明細書で定義される共焦点顕微鏡装置は、収集のために開口部及び/又は光ファイバ又はファイバ束を介して有限距離又は実質的に無限の距離で光を生じさせる制限された焦点を集束させる装置であり得る。幾つかの実施形態では、焦点からの光は、実質的に無限の距離でコリメートされ、コリメートされたビームとほぼ等しいか又は同様の直径の開口部/ファイバを通過することができる。RCMは、一般に反射光を収集することを指すが、透過光又は蛍光光を収集することができる共焦点配置を指すこともできる。
【0164】
本明細書で使用される「偏光」という用語は、一般に、1つの平面内で振動する波を有する光を指す。無偏光は、一般に、2つ以上の平面で振動する波を有する光を指すことができる。
【0165】
本明細書で使用される「励起光ビーム」という用語は、一般に、生成された信号を生成するために組織に向けられた集束光ビームを指す。励起光ビームは、単一の光ビームとすることができる。励起光ビームは、パルス状の単一の光ビームとすることができる。光の励起ビームは、複数の光ビームとすることができる。複数の光ビームは、本明細書で説明するように時間的及び位置的に同期させることができる。光の励起ビームは、撮像される組織の焦点に同時に送出されるパルスビーム又は連続ビーム又は1つ以上のパルス及び/又は連続ビームの組み合わせであり得る。励起光ビームは、本明細書に記載のように、所定のタイプの戻り信号又は生成信号に応じて選択することができる。本明細書で使用される光の励起ビームは、反射又は透過信号、例えば共焦点顕微鏡信号を生成するために使用される照明光を含む。
【0166】
本明細書で使用される「生成された信号」という用語は、一般に、集束光、例えば励起光の方向から生じる組織から組織に戻される信号を指し、反射、吸収、散乱、又は、屈折光を含むがこれらに限定されない。生成された信号には、組織自体から生じる内因性信号又は外因的に提供されたタグ若しくはマーカーからの信号が含まれ得るが、これらに限定されない。生成された信号は、生体内又は生体外組織のいずれかで生じ得る。生成された信号は、信号生成事象に寄与する励起光子の数によって決定されるように、単一光子生成信号又は多光子生成信号のいずれかとして特徴付けることができる。単一光子生成信号は、反射率共焦点顕微鏡法(「RCM」)信号、単一光子蛍光、及び単一光子自己蛍光を含み得るが、これらに限定されない。RCMなどの単一光子生成信号は、連続光源、パルス光源、又は、パルス若しくは連続のいずれかであり得る光源の組み合わせのいずれかから生じ得る。単一光子生成信号が重ね合わされてもよい。単一光子生成信号はデコンボリューションされ得る。多光子生成信号は、少なくとも2、3、4、5、又は、それ以上の光子によって生成され得る。多光子生成信号は、第2の高調波発生、2光子自己蛍光、2光子蛍光、第3の高調波発生、3光子自己蛍光、3光子蛍光、多光子自己蛍光、多光子蛍光、及びコヒーレント反ストークスラマン分光を含み得るが、これらに限定されない。多光子生成信号は、単一のパルス光源、又は、コヒーレント反ストークスラマン分光法の場合のようなパルス光源の組み合わせのいずれかから生じ得る。多光子生成信号が重ね合わされてもよい。多光子生成信号をデコンボリューションすることができる。他の生成された信号には、光干渉断層法(OCT)、単一又は多光子蛍光/自己蛍光寿命撮像、偏光顕微鏡信号、更なる共焦点顕微鏡信号、及び超音波診断信号が含まれるが、これらに限定されない。単一光子及び多光子生成信号は、直線偏光、円偏光、無偏光、又はそれらの任意の組み合わせのいずれかである生成信号の成分を選択的に検出することによって、偏光顕微鏡法と組み合わせることができる。偏光顕微鏡法は、信号を生成するために使用される光の偏光方向又は任意の中間偏光方向に平行又は垂直な偏光方向を有する生成された信号の全て又は一部を遮断することを更に含むことができる。本明細書に記載の生成された信号は、ピンホール、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ、交差励起及び収集光路、又は、生成された信号から検出された光を焦点から生じる生成された信号のその部分に制限する他の共焦点配置を利用する共焦点技術と組み合わせることができる。例えば、共焦点ラマン信号を生成するために、ラマン分光装置にピンホールを配置することができる。ラマン分光信号は、サンプル又は組織内に存在する異なる振動状態に少なくとも部分的に基づいて異なる信号を生成することができる。光干渉断層撮影信号は、組織を撮像するために複数の位相を含む光を使用することができる。光コヒーレンストモグラフィは、光超音波検査に似ている場合がある。超音波検査は、サンプル内の特徴(例えば、組織)からの音波の反射に少なくとも部分的に基づいて信号を生成することができる。
【0167】
本明細書で使用される「造影剤」という用語は、一般に、限定はしないが、フルオロフォア、金属ナノ粒子、ナノシェル複合体及び半導体ナノ結晶などの任意の薬剤を指し、光学撮像技術を使用して得られたサンプルの画像のコントラストを高めるためにサンプルに適用することができる。フルオロフォアは、抗体標的化フルオロフォア、ペプチド標的化フルオロフォア、及び代謝活性の蛍光プローブであり得る。金属ナノ粒子は、光を散乱させることができる金及び銀などの金属を含むことができる。ナノシェル複合体は、誘電体コア及び金属シェルを含むナノ粒子を含むことができる。半導体ナノ結晶は、量子ドット、例えばセレン化カドミウム又は硫化カドミウムを含有する量子ドットを含むことができる。他の造影剤も、例えば酢酸を組織に適用することによって、本明細書で使用することができる。
【0168】
本明細書で使用される「リアルタイムで」及び「リアルタイムの」という用語は、一般に、即時の、迅速な、オペレータの介入を必要としない、自動的な、及び/又は、プログラムされたことを指す。リアルタイムは、フェムト秒、ピコ秒、ナノ秒、ミリ秒、秒での測定、並びに、より長い時間間隔での測定を含んでもよく、より短い時間間隔での測定を含んでいてもよいが、これらに限定されない。
【0169】
本明細書で使用される「組織」という用語は、一般に、任意の組織又は組織の内容物を指す。組織は、健康、良性、又は、疾病を含まないサンプルであり得る。組織は、組織生検、組織切除、吸引物(細針吸引物など)、組織洗浄、細胞診検体、体液、又は、それらの任意の組み合わせなど、被検体から除去されたサンプルであり得る。画像を得ることができる組織は、結合組織、上皮組織、器官組織、筋肉組織、靭帯、腱、皮膚組織、乳房組織、膀胱、腎臓組織、肝臓組織、結腸組織、甲状腺組織、子宮頸部組織、前立腺組織、肺組織、心臓組織、心臓組織、筋肉組織、膵臓組織、肛門組織、胆管組織、骨組織、骨髄、子宮組織、卵巣組織、子宮内膜組織、膣組織、外陰組織、胃組織、眼組織、鼻組織、副鼻腔組織、陰茎組織、唾液腺組織、腸組織、胆嚢組織、胃腸組織、膀胱組織、脳組織、脊髄組織、ニューロン、血液脳関門を表す細胞、血液、毛髪、爪、ケラチン、コラーゲン、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない対象の任意の組織又は組織の内容物であり得る。
【0170】
本明細書で使用される「撮像対象」という用語は、一般に、それだけに限らないが、生体内又はエクスビボ組織を含む対象、材料、検体、サンプル又は組織を指す。
【0171】
本明細書で使用される「リフレクタ」という用語は、一般に、個々の構造的構成要素、ユニット、又は要素を含むがこれらに限定されない、光ビームの少なくとも一部を反射するように構成することができる要素を指す。リフレクタは、光ビームの少なくとも一部を反射するように構成された表面を覆う材料であってもよい。リフレクタは、光ビームの少なくとも一部を反射するように構成されたレトロリフレクタ、ミラー、又は他の光学素子とすることができる。
【0172】
本明細書で使用される「コレクタ」という用語は、一般に、光ビーム又は他の信号の少なくとも一部を収集するように構成することができる要素を指す。コレクタは、光信号の一部を収集することができる光センサを含むがこれに限定されないセンサを指すことができる。
【0173】
本明細書で使用される「開口数」という用語は、一般に、システムが光を受容又は放出することができる角度の範囲を特徴付ける無次元数を指す。開口数は、顕微鏡法において、対物レンズの受光円錐(したがって、その集光能力及び分解能)を表すために使用され得る。
【0174】
「少なくとも」、「~を超える」、又は、「~以上」という用語が一連の2つ以上の数値における最初の数値に先行するときには常に、「少なくとも」、「~よりも大きい」、又は、「~以上」という用語は、その一連の数値における各数値に適用される。例えば、1、2、又は、3以上は、1以上、2以上、又は、3以上と同等である。
【0175】
「~を超えない」、「~未満」、又は、「~以下」という用語が一連の2つ以上の数値における最初の数値に先行するときには常に、「~を超えない」、「~未満」、「~以下」は、その一連の数値における各数値に適用される。例えば、3、2、又は、1以下は、3以下、2以下、1以下と同等である。
【0176】
光フィルタリング及び撮像のためのシステム及びデバイス
一態様では、本開示は、光フィルタリング及び/又は撮像のためのデバイスを提供する。デバイスはプローブを備えることができる。プローブは、光源からの光ビームを撮像対象に導くように構成され得る。プローブは、光ビームが撮像対象に接触するように光ビームを導くように構成されてもよい。プローブは、撮像対象に接触する光ビーム上で撮像対象から光を収集するように構成されてもよい。デバイスは、光フィルタリングデバイスを更に備えてもよい。光フィルタリングデバイスは、プローブと光学的に連通していてもよい(例えば、光路において)。光フィルタリングデバイスは、チャンバと、複数のリフレクタとを備えることができる。チャンバは、入力及び出力を備えることができる。入力は、プローブによって収集された光を受光するように構成されてもよい。出力は、チャンバから離れるように光を伝達するように構成されてもよい。複数のリフレクタは、チャンバ内に配置されてもよい。複数のリフレクタは、受光した光を導くように構成されてもよい。例えば、複数のリフレクタは、チャンバの入力からチャンバの出力までの光路に(プローブから受け取った)光を導くように構成されてもよい。光は、複数のリフレクタのリフレクタ間の反射によって導かれてもよい。チャンバは、複数のリフレクタ間の光の反射によって入力と出力との間の光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成されてもよい。
【0177】
一態様では、本開示は、光フィルタリング及び撮像のためのデバイスを提供する。一態様では、本開示は、共焦点撮像のための光フィルタリングのためのデバイスを提供する。光フィルタリングデバイスは、複数のリフレクタを有するチャンバを含むことができる。チャンバは、光ビームを受光するように構成されてもよく、又は受光してもよい。チャンバは、光ビームから非集束光をフィルタ除去するように構成されてもよい。これに代え、或いはこれに加えて、チャンバは、光フィルタリングデバイスを備えてもよい。複数のリフレクタの各リフレクタは、チャンバ内の位置に配置されてもよい。各リフレクタは、他の全てのリフレクタから一意の位置にあってもよいし、1つ以上のリフレクタが実質的に同じ位置にあってもよい。反射チャンバ内に誘導された光ビームは、リフレクタ間の経路セグメントによって画定された経路をたどることができ、それによって光ビームは、リフレクタの一方から他方に移動して、チャンバ内への入力からチャンバからの出力までの光路を画定する。光フィルタリングデバイス又はチャンバは、光路に沿って焦点が外れた光を排除するように構成されてもよい。反射チャンバ内に誘導された光ビームは、ユニット間の経路セグメントによって画定された経路をたどることができ、それによって、光ビームは、チャンバの出力に到達する少なくとも1回前に第1のリフレクタに戻る経路内でリフレクタの1つから別のリフレクタに移動する。経路は2つ以上の経路セグメントを含むことができ、経路セグメントは光路の一部であり、その部分は複数のリフレクタの2つのリフレクタの間、チャンバの入力とリフレクタの間、又はリフレクタとチャンバの出力の間にある。
【0178】
別の態様では、本開示は、光フィルタリング及び撮像のためのデバイスを提供する。幾つかの実施形態によれば、光フィルタリング及び撮像のためのデバイスは、共焦点撮像デバイスであってもよい。撮像デバイスは、光源と、プローブと、光フィルタリングデバイスと、コレクタとを含むことができる。光源は、撮像対象に光ビームを供給するように構成されてもよく、又は供給してもよい。プローブは、光源と光学的に連通していてもよい(例えば、光路において)。プローブは、光源からの光ビームを撮像対象に導くように構成されてもよく、又は導くことができる。光フィルタリングデバイスは、プローブと光学的に連通していてもよい。光フィルタリングデバイスは、複数のリフレクタを有するチャンバを含むことができる。光フィルタリングデバイスは、プローブから光ビームを受光するように構成されてもよく、又は受光してもよい。光フィルタリングデバイスは、光ビームが開口からリフレクタの間を通って出力まで進む経路長さを有するように更に構成されてもよい。コレクタは、光フィルタリングデバイスと光学的に連通していてもよい(例えば、光路において)。コレクタは、光フィルタリングデバイスからの光ビームを収集するように構成されてもよく、又は収集してもよい。コレクタは、光フィルタリングデバイスの出力に結合されてもよく、又は光フィルタリングデバイスの出力に配置されてもよい。コレクタは、センサ及び/又は画像プロセッサを含んでもよく、又はそれらに結合されてもよい。光ビームは、撮像対象の画像を生成するために使用可能であり得る。
【0179】
別の態様では、本開示は、光フィルタリング及び撮像のためのシステムを提供する。システムは、光源、光フィルタリングデバイス、及び1つ以上のコンピュータプロセッサを含むことができる。光源は、光ビームを生成するように構成されてもよい。光フィルタリングデバイスは、光源と光学的に連通していてもよい。光フィルタリングデバイスは、チャンバと、複数のリフレクタとを含むことができる。チャンバは、光源からの光ビームを受光するように構成されてもよく、又は受光してもよい。第1のリフレクタは、チャンバ内に配置されてもよい。第1のリフレクタは、チャンバ内の第1のリフレクタからチャンバ内の第2のリフレクタに光ビームの少なくとも一部を導くように構成されてもよく、又は導いてもよい。第2のリフレクタは、チャンバ内の第2の位置からチャンバ内の第1のリフレクタに光ビームの別の部分を導くように構成されてもよく、又は導くことができる。複数のリフレクタ(例えば、第1のリフレクタ及び第2のリフレクタ)を備えるチャンバは、最長の内部寸法を有することができる。最長内部寸法は、1点から第2点までのチャンバの内部の長さであってもよい。最長内部寸法は、チャンバ内の任意の2つの他の点の間の任意の他の長さよりも長くてもよい。光ビームは、チャンバ内の複数のリフレクタのうちの1つ以上のリフレクタ間の反射によって、チャンバの入力とチャンバの出力との間の光路に向けられてもよい。光路の長さは、光路のセグメントの長さの合計であってもよい。場合によっては、光路の長さは、チャンバの最長内部寸法よりも大きくてもよい。光路の長さは、約0.01メートル、0.05メートル、0.08メートル、0.1メートル、0.14メートル、0.17メートル、0.20メートル、0.25メートル、0.30メートル、0.35メートル、0.40メートル、0.50メートル、0.60メートル、0.75メートル、0.90メートル、1メートル、1.25メートル、1.5メートル、1.75メートル、2メートル、2.5メートル、3メートル、5メートル、10メートル以上であってもよい。光路の長さは、約15メートル、11メートル、6メートル、4メートル、2メートル、1メートル、0.80メートル、0.65メートル、0.55メートル、0.45メートル、0.5メートル、0.25メートル、0.20メートル、0.18メートル、0.16メートル、0.13メートル、0.10メートル、0.07メートル、0.04メートル、0.02メートル以下、又はそれより小さくてもよい。光路の長さは、上記の任意の2つの長さの間、例えば約0.25メートル~1メートルの間であってもよい。
【0180】
場合によっては、第2のリフレクタは、光ビームがチャンバの外に導かれる前に、少なくとも1回光ビームを第1のリフレクタに戻してもよい。1つ以上のコンピュータプロセッサは、光源及び光フィルタリングデバイスに動作可能に結合されてもよい。1つ以上のコンピュータプロセッサは、光ビームを処理して画像を生成するように個別に又は集合的にプログラムされてもよい。
【0181】
本明細書に記載のデバイスは、共焦点撮像が使用される場合を含めて、任意のタイプの顕微鏡法で使用することができる。本明細書に記載のデバイスは、針先端プローブ又は他のプローブの有無にかかわらず、及び/又はパルスレーザの有無にかかわらず、任意のレーザ走査顕微鏡で使用することができる。本明細書に記載のデバイスは、任意のタイプの組織撮像に(例えば、組織が本明細書で定義されるように)使用することもできる。更に、本明細書に記載のデバイスのリフレクタは、反射面又は材料とすることができる。更に、リフレクタは、個々の構造的構成要素又はサブユニットであってもよく、及び/又はチャンバの内面を覆う材料であってもよい。
【0182】
共焦点光学撮像のための例示的なデバイスが
図1A及び
図1Bに示される。光学デバイスは、ビームスプリッタ102に光ビームを提供する光源101を含むことができる。ビームスプリッタ102は、光ビームの一部を走査ユニット103に導くことができる。走査ユニット103は、撮像対象105を横切って二次元(例えば、x方向及びy方向の走査)で光ビームを走査することができる。走査ユニット103は、撮像対象105の深度走査(例えば、z方向走査)を提供することができる。走査ユニット103は、x,y,z方向の任意の組み合わせで走査してもよい。走査ユニットは、3次元画像、2次元画像、方向(例えば、z方向に繰り返されるx-y平面内の2次元スライス)の画像のスライス、又は3次元若しくは2次元走査を使用する他の種類の撮像を走査するように構成されてもよい。走査ユニット103は、合成画像を形成するために複数の走査層を提供することができる。走査ユニット103は、多次元画像、例えば、2次元又は3次元画像及び/又は時間依存画像を提供することができる。走査ユニット103は、プローブ104が光ビームを撮像対象105に提供する前に、光ビームをプローブ104に提供することができる。プローブ104は、対物レンズを含むことができる。撮像対象105を光ビームと接触させることにより、光信号を生成することができる。生成された光信号は、撮像対象の1つ以上の特性を示すことができる。光信号は、撮像対象105の撮像に利用可能であってよい。プローブ104は、部分的に、被検体又はサンプルからの光を収集するコレクタとして動作することができる。生成された光信号は、プローブ104によって撮像対象105から収集され得る。プローブ104は、生成された光信号をビームスプリッタ102に導くことができる。ビームスプリッタ102は、光信号の少なくとも一部を光フィルタリングデバイス106に供給することができる。光フィルタリングデバイス106は、光フィルタリングデバイス106の寸法よりも大きい光信号の経路長又は有効経路長を生成することができる。幾つかの実施形態によれば、光フィルタリングデバイス106は、光信号(例えば、光のビーム)がリフレクタ間で反射して経路長を有する光路を形成することを可能にする1つ以上のリフレクタ(例えば、ミラー、レトロリフレクタ又はコーティングされた表面)を含むことができる。リフレクタ間で信号を繰り返し反射することにより、光信号の経路長を複数回増加させて、非集束光又はコリメートされていない光をフィルタ除去することができる。
図1Aに示すように、光フィルタリングデバイス106は、
図2A及び
図2Bを参照してより詳細に説明するようなチャンバを含むことができる。光フィルタリングデバイス106は、光信号の光路、経路長、又は有効経路長を生成することができ、これはチャンバ内の最大直線寸法よりも大きい。
図1Aに示すように、光フィルタリングデバイス106は、コレクタ107に結合又は一体化されてもよい。コレクタ107は、光路の端部で光フィルタリングデバイス106からの光を収集することができる。代替的又は追加的に、
図1Bに示すように、光フィルタリングデバイスは、コレクタ107の一部として含まれるか又はコレクタ107に結合されたファイバ(例えば、光ファイバ束)108に結合されてもよい。
【0183】
図1A及び
図1Bに関して説明した光学デバイス又は撮像デバイスの例には、撮像が使用される場所を含む、任意のタイプの顕微鏡法で使用することができるものが含まれる。本明細書の
図1A及び
図1Bに記載のデバイスは、針先端プローブ又は他のプローブの有無にかかわらず、及び/又はパルスレーザの有無にかかわらず、任意のレーザ走査顕微鏡で使用することができる。本明細書の
図1A及び
図1Bに記載のデバイスは、任意のタイプの組織撮像にも使用することができる。本明細書の
図1A及び
図1Bに記載のデバイスは、共焦点撮像に使用することができる。本明細書の
図2A~
図15に関して説明した光学デバイス又は撮像デバイスの例。
【0184】
本発明の実施形態によれば、収集された反射、透過、蛍光又は自己蛍光光信号から焦点が外れた光を除去するために、チャンバ(例えば、反射チャンバ)を含む光フィルタリングデバイスが提供される。幾つかの実施形態では、収集された光信号は共焦点顕微鏡信号である。幾つかの実施形態では、収集された光信号は、撮像される撮像対象(例えば、組織)に集束された単一光子励起光信号から生成される。幾つかの実施形態では、反射チャンバは、光学撮像デバイスと共に使用されるように構成される。幾つかの実施形態では、光学撮像デバイスはハンドヘルド光学デバイスである。幾つかの実施形態では、光学デバイスは携帯可能である。幾つかの実施形態では、光学デバイスはハンドヘルドデバイスである。収集された光がチャンバ(例えば、反射チャンバ)を通過し、リフレクタ間で反射すると、焦点が外れた光が分散される。次いで、集束光は、チャンバの出力を通過してコレクタに入ることができる。チャンバの出力は、チャンバの出力開口部を含むことができる。出力開口部は、反射経路の端部の開口であってもよい。出力開口部は、反射経路の端部における収集光学系、ファイバ(例えば、収集ファイバのアレイ又は光ファイバ束)とのインタフェース又はその入力であってもよく、出力開口は、反射経路の端部におけるセンサとのインタフェース又はその入力であってもよい。幾つかの実施形態では、出力開口部又は収集ファイバは、焦点が合った光のコリメートビームの直径にほぼ等しい最小直径を有することができる。幾つかの実施形態では、最小出力開口部又はファイバの断面直径又は寸法は、直径が約10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1.5mm、1mm、0.5mm、又は0.1mmであり得る。幾つかの実施形態では、最小出力開口部又はファイバの最小断面寸法は、直径約10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1.5mm、1mm、0.5mm、又は0.1mmであり得る。幾つかの実施形態では、出力(及び出力開口部又は入力収集ファイバ)の断面は、スリットであってもよく、又はスリット形状を有してもよい。幾つかの実施形態によれば、収集された光は、撮像デバイスへの収集後に集束されなくてもよい。幾つかの実施形態によれば、収集された光は、選択された分解能のレベルまでチャンバ内で更に集束されなくてもよい。例えば、約1から10ミクロンの分解能の場合、集光された光ビーム及び/又は集光ファイバ又はファイバ束は、1.5ミリメートル(mm)の断面寸法(例えば、直径)及び/又は約0.2mmの最小断面直径を有することができる。幾つかの実施形態では、出力開口部又は収集ファイバは、焦点が合った光のコリメートビームとスケールが類似した断面寸法(例えば、直径)を有することができる。幾つかの実施形態では、出力開口部又はファイバは、約10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1.5mm、1mm、0.5mm、0.1mm以下の最小断面寸法(例えば、直径)を有することができる。出力開口部又はファイバは、約0.1mm、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm以上の最小断面寸法(例えば、直径)を有することができる。出力開口部又はファイバは、約0.1mm~約0.5mm、0.1mm~1mm,0.1mm~1.5mm,0.1mm~2mm,0.1mm~3mm,0.1mm~4mm,0.1mm~5mm,0.1mm~6mm,0.1mm~7mm,0.1mm~8mm,0.1mm~9mm,0.1mm~10mm,0.5mm~1mm,0.5mm~1.5mm,0.5mm~2mm,0.5mm~3mm,0.5mm~4mm,0.5mm~5mm,0.5mm~6mm,0.5mm~7mm,0.5mm~8mm,0.5mm~9mm,0.5mm~10mm,1mm~1.5mm,1mm~2mm,1mm~3mm,1mm~4mm,1mm~5mm,1mm~6mm,1mm~7mm,1mm~8mm,1mm~9mm,1mm~10mm,1.5mm~2mm,1.5mm~3mm,1.5mm~4mm,1.5mm~5mm,1.5mm~6mm,1.5mm~7mm,1.5mm~8mm,1.5mm~9mm,1.5mm~10mm,2mm~3mm,2mm~4mm,2mm~5mm,2mm~6mm,2mm~7mm,2mm~8mm,2mm~9mm,2mm~10mm,3mm~4mm,3mm~5mm,3mm~6mm,3mm~7mm,3mm~8mm,3mm~9mm,3mm~10mm,4mm~5mm,4mm~6mm,4mm~7mm,4mm~8mm,4mm~9mm,4mm~10mm,5mm~6mm,5mm~7mm,5mm~8mm,5mm~9mm,5mm~10mm,6mm~7mm,6mm~8mm,6mm~9mm,6mm~10mm,7mm~8mm,7mm~9mm,7mm~10mm,8mm~9mm,8mm~10mm,又は9mm~10mmの最小断面寸法(例えば、直径)を有してもよい。
【0185】
幾つかの実施形態では、コリメート光ビームは、約10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1.5mm、1mm、0.5mm、0.1mm以下の断面寸法(例えば、直径)を有することができる。コリメート光ビームは、約0.1mm、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm以上の断面寸法(例えば、直径)を有することができる。ファイバは、約0.1mm~約0.5mm、0.1mm~1mm,0.1mm~1.5mm,0.1mm~2mm,0.1mm~3mm,0.1mm~4mm,0.1mm~5mm,0.1mm~6mm,0.1mm~7mm,0.1mm~8mm,0.1mm~9mm,0.1mm~10mm,0.5mm~1mm,0.5mm~1.5mm,0.5mm~2mm,0.5mm~3mm,0.5mm~4mm,0.5mm~5mm,0.5mm~6mm,0.5mm~7mm,0.5mm~8mm,0.5mm~9mm,0.5mm~10mm,1mm~1.5mm,1mm~2mm,1mm~3mm,1mm~4mm,1mm~5mm,1mm~6mm,1mm~7mm,1mm~8mm,1mm~9mm,1mm~10mm,1.5mm~2mm,1.5mm~3mm,1.5mm~4mm,1.5mm~5mm,1.5mm~6mm,1.5mm~7mm,1.5mm~8mm,1.5mm~9mm,1.5mm~10mm,2mm~3mm,2mm~4mm,2mm~5mm,2mm~6mm,2mm~7mm,2mm~8mm,2mm~9mm,2mm~10mm,3mm~4mm,3mm~5mm,3mm~6mm,3mm~7mm,3mm~8mm,3mm~9mm,3mm~10mm,4mm~5mm,4mm~6mm,4mm~7mm,4mm~8mm,4mm~9mm,4mm~10mm,5mm~6mm,5mm~7mm,5mm~8mm,5mm~9mm,5mm~10mm,6mm~7mm,6mm~8mm,6mm~9mm,6mm~10mm,7mm~8mm,7mm~9mm,7mm~10mm,8mm~9mm,8mm~10mm,又は9mm~10mmの断面寸法(例えば、直径)を有することができる。
【0186】
幾つかの実施形態では、出力において収集されるコリメートされた光のビームの断面直径に対する出力開口部の最小断面直径の比は、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:4、1:3、1:2、又は1:1以上である。幾つかの実施形態では、コリメートされた光のビームの断面直径に対する収集ファイバの最小断面直径の比は、約1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:4、1:3、1:2、又は1:1以上である。幾つかの実施形態では、コリメートされた光ビームの断面直径に対する出力開口部収集ファイバの最小断面直径の比は、上記の任意の2つの値の間、例えば約1:3~約1:2の間である。
【0187】
図2Aは、収集された光サンプル250から焦点が外れた光を除去するように構成されたフィルタリングデバイス200の一例を示す。収集された光サンプル250は、例えば、撮像対象(例えば、生体内又は生体外での組織サンプル)内の平面又は位置に集束された照明光ビームから生じる反射光、透過光、蛍光、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。フィルタリングデバイス200は、チャンバ210と、収集された光ビームがチャンバ210内に導かれる入力220と、チャンバ210を通る経路230に沿って通過する集束光を受光するように構成された出力240とを備えることができる。出力240は、出力開口部を含むことができる。出力240は、コレクタであってもよく、コレクタを含んでもよく、コレクタに光を導くように構成されてもよい。これに代えて又は加えて、反射チャンバは、光が出力を介してチャンバに入るか又はチャンバから出ることを可能にすることができる1つ以上の導波路を含むことができる。チャンバの入力及び/又は出力は、導波路に結合されてもよく、又は導波路を含んでもよい。
【0188】
位置合わせミラー290を使用して、光サンプル250を入力220を通して反射チャンバ210に導くことができる。位置合わせミラー290は、光の方向を移動させ、反射チャンバに入射する光の角度を制御することができる。ミラー290は、x-y平面上、又は単に単一のx軸又はy軸上の光ビームの焦点の位置を変更することができる。チャンバに入る光の位置合わせは、いかなる追加の焦点も必要としなくてもよく、又はz軸上に焦点を位置合わせすることを必要としなくてもよい。
【0189】
チャンバ210は、複数のリフレクタ270,280を備えてもよい。一例では、チャンバ210は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上のリフレクタを含むことができる。リフレクタは、任意の構成で配置されてもよい。リフレクタは、光が反射されて光路を形成するチャンバ内の任意の配置を有することができる。例えば、2つ以上のリフレクタは、他のリフレクタに対して並列配置、円形構成、又は他の形状で構成されてもよい。
【0190】
リフレクタの例には、ミラー、レトロリフレクタ、及びコーティングされた表面が含まれるが、これらに限定されない。リフレクタは、任意の形状の反射面を有することができる。例えば、リフレクタは、円形、正方形、長方形、楕円形、又は任意の他の形状を有する反射面を有することができる。反射面は、約5cm、4cm、3cm、2cm、1.5cm、1cm、0.5cm以下の寸法(例えば、幅、高さ、直径などである。)を有することができる。反射面は、約0.5cm~1cm、0.5cm~1.5cm、0.5cm~2cm、0.5cm~3cm、0.5cm~4cm、0.5cm~5cm、1cm~1.5cm、1cm~2cm、1cm~3cm、1cm~4cm、1cm~5cm、1.5cm~2cm、1.5cm~3cm、1.5cm~4cm、1.5cm~5cm、2cm~3cm、2cm~4cm、2cm~5cm、3cm~4cm、3cm~5cm、又は3cm~5cmの寸法(例えば、幅、高さ、直径など)を有し得る。一例では、反射面は、約2cm以下の寸法(例えば、幅、高さ、直径など)を有することができる。別の例では、反射面は、約0.5cm~2cmの寸法(例えば、幅、高さ、直径など)を有し得る。
【0191】
図2Aは、対向するインタフェース平行リフレクタ270,280の配置を示す。しかしながら、前述したように、3つ以上のリフレクタをインタフェースリフレクタの配置に使用することができ、又はリフレクタの配置は、直列、並列若しくは非並列の向き、又は向きの組み合わせであってもよい。複数のリフレクタ又は複数のチャンバ配置の幾つかの例を
図9に示す。
図2A~
図2Cに示すように、リフレクタ270,280は、ミラー270とレトロリフレクタ280(例えば、
図2Aを参照されたい)の両方、ミラー270(例えば、
図2Bを参照されたい)、又はレトロリフレクタ(例えば、
図2Cを参照されたい)を含んでもよい。これに加えては代えて、チャンバ内の反射コーティングされた表面をリフレクタとして使用してもよい。収集された光は、入力220を通って反射チャンバ210に入り、集束又はコリメートされた光は、少なくとも2つのリフレクタ270,280の間で複数回反射される。光がチャンバ内のリフレクタ270,280の間を移動すると、焦点が外れた、コリメートされていない、発散している、又は収束している光は、コリメートされた軌道から逸脱するか、又はチャンバの出力240及び光ファイバ241の入力の位置に到達すると、拡大された断面にわたって分散する。光ファイバ241は、主に集束コリメート光を集光する。出力240は、出力開口部を含むことができる。出力240は、コレクタ242への入力又はコレクタ242とのインタフェースとして
図2A~
図2Cに示されている。コレクタ242は、センサを含むことができる。コレクタ242の光ファイバ241は、チャンバの出力240がファイバ241の入力である光路の端部でコリメート光を収集するために出力240に配置されてもよい。しかしながら、出力開口部は、コリメートビームの光路230に対して光ファイバ241の前に配置されてもよい。出力開口部は、光ファイバ241の入力又はコレクタ242の入力よりも大きい又は小さい開口寸法を有してもよいし、有しなくてもよい。
【0192】
幾つかの実施形態によれば、例えば、
図2A~
図2Cに示すように、第1及び第2のリフレクタは、チャンバの長さに平行な軸に沿って配置されてもよい。
【0193】
図3A~
図3Bは、(コレクタ242の)収集ファイバ241、又は反射チャンバ210の出力で光路230の端部で光を収集するように構成された光ファイバ束の例を示す。
【0194】
幾つかの実施形態では、収集ファイバ241は、
図3Aに示すように、反射チャンバの出力240で直線的に(例えば、スリットのように)配向されたファイバの束である。幾つかの実施形態では、収集ファイバ241は、
図3Bに示すように収集ファイバの受信機/検出器側で束状又は丸い形状243である。ファイバ束241は、撮像される同様のサイズの特徴のために共焦点顕微鏡撮像で使用されるものよりも比較的大きくすることができる。例えば、ファイバ又は線状ファイバ束は、5マイクロメートルではなく、直径約1.5mm又はその長さ寸法に沿っていてもよい。束の個々のファイバは、より小さくてもよく、例えば直径約0.2mmであってもよい。
【0195】
焦点が外れた光は、はるかに小さいピンホール出口に集束されるのではなく、光路に沿ってフィルタリングで除去されるため、コレクタに光を集束させるために使用又は必要とされるz成分アライメントはない場合がある。出力は、チャンバの入力から出力へ通過する光ビームのx及びy平面上の断面と相対的に同じ又は相対的に類似するx及びy平面上の断面を有する開口を有することができる。一例では、共焦点顕微鏡装置は、光フィルタリングのための発光ピンホールを含まない。
図4A~
図4Bは、チャンバ210の入力220からチャンバ210の出力240までの光路を概略的に示す。光の光路は、リフレクタ270,280の間で反射してもよい。
図4Aに示すように、経路は、収集されたコリメート光がリフレクタから反射されるたびに折り畳まれ、複数の経路セグメント245を形成することができる。入力からリフレクタ間で反射された後の出力までの経路セグメント245は、ある長さを有するように構成される光路を形成し、該光路に沿って焦点が外れた光が除去される。
【0196】
経路セグメント245の長さは、リフレクタ270,280間の距離と同様の大きさであってもよい。リフレクタからの反射の間に少なくとも2つの経路セグメント245を形成することができる。経路セグメントは、リフレクタ間の距離に等しいか、又はそれよりわずかに大きくてもよい。幾つかの実施形態によれば、経路セグメント245の数は、2、3、4、5、6、8、10、12、15、20、25、30、40、50以上であってもよい。一例では、経路セグメントの数は、約2~3、2~4,2~5,2~6,2~8,2~10,2~12,2~15,2~20,2~25,2~30,2~40,2~50,3~4,3~5,3~6,3~8,3~10,3~12,3~15,3~20,3~25,3~30,3~40,3~50,4~5,4~6,4~8,4~10,4~12,4~15,4~20,4~25,4~30,4~40,4~50,5~6,5~8,5~10,5~12,5~15,5~20,5~25,5~30,5~40,5~50,6~8,6~10,6~12,6~15,6~20,6~25,6~30,6~40,6~50,8~10,8~12,8~15,8~20,8~25,8~30,8~40,8~50,10~12,10~15,10~20,10~25,10~30,10~40,10~50,12~15,12~20,12~25,12~30,12~40,12~50,15~20,15~25,15~30,15~40,15~50,20~25,20~30,20~40,20~50,25~30,25~40,25~50,30~40,30~50,又は40~50であってもよい。一例では、経路セグメント245の数は3以上であってもよい。別の例では、経路セグメントの数は5以上であってもよい。別の例では、経路セグメント245の数は、約5から30であってもよい。幾つかの実施形態によれば、経路セグメント245の数は、5から30の間である。幾つかの実施形態によれば、経路セグメント245の数は、3から50の間である。幾つかの例によれば、光は、入射角250でチャンバ210に入る。入射角250は、出射角255とほぼ同じである。
図4Bは、経路(例えば、経路長)の有効長L256を示す。角度255がゼロに近づくにつれて、斜辺の有効長は、有効長L256として示されている隣接する辺の長さに近づく。場合によっては、有効長は光路の長さを表すことができる。したがって、有効長L256は、小さい角度255に基づく近似である。光は、焦点が合った光が出力240に到達するまで経路に沿って移動するように、チャンバ内のリフレクタの間で反射する。コリメート光が経路に沿って移動すると、焦点が外れた光は経路から発散して散乱する可能性がある。
【0197】
反射チャンバは、第1のリフレクタ及び第2のリフレクタを含むことができる。第1のリフレクタ及び第2のリフレクタは、ある距離だけ離れていてもよい。有効長L又は経路長は、少なくとも2、3、4、5、6、8、10、12、15、20、25、30、40、50であってもよく、又はチャンバの最大内側直線寸法又は第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間の距離より大きくてもよい。有効長L又は経路長は、チャンバの最大内部直線寸法又は第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間の距離の約2~3、2~4,2~5,2~6,2~8,2~10,2~12,2~15,2~20,2~25,2~30,2~40,2~50,3~4,3~5,3~6,3~8,3~10,3~12,3~15,3~20,3~25,3~30,3~40,3~50,4~5,4~6,4~8,4~10,4~12,4~15,4~20,4~25,4~30,4~40,4~50,5~6,5~8,5~10,5~12,5~15,5~20,5~25,5~30,5~40,5~50,6~8,6~10,6~12,6~15,6~20,6~25,6~30,6~40,6~50,8~10,8~12,8~15,8~20,8~25,8~30,8~40,8~50,10~12,10~15,10~20,10~25,10~30,10~40,10~50,12~15,12~20,12~25,12~30,12~40,12~50,15~20,15~25,15~30,15~40,15~50,20~25,20~30,20~40,20~50,25~30,25~40,25~50,30~40,30~50,又は40~50であってもよい。一例では、経路長は、チャンバの最大内側直線寸法の少なくとも3倍である。別の例では、経路長は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間の距離の少なくとも3倍である。別の例では、経路長は、チャンバの最大内側直線寸法の少なくとも5倍である。別の例では、経路長は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間の距離の少なくとも5倍である。別の例では、経路長は、チャンバの最大内側直線寸法の約5倍~約30倍である。別の例では、経路長は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間の距離の約5倍~約30倍である。
【0198】
有効長Lが大きいほど、焦点が外れた光は、経路に沿って平行光ビームからより多く発散又は消散することができる。チャンバ内のコリメート光ビームの有効長Lは、入射角250(α)及びチャンバの高さHに対応する。入射する光の角度αが浅いほど、又は高さHが大きいほど、反射が多くなり、有効長Lが大きくなる。有効長L、高さH、及び角度αの関係は、L=H/αによって表すことができる。(例えば、
図4Bを参照されたい)。したがって、角度α又は高さH(例えば、リフレクタの直径)は、選択された有効長Lを提供するように選択することができる。幾つかの実施形態によれば、有効長L又は経路長は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2、3、4、5メートル以上(m)である。幾つかの実施形態によれば、有効長L又は経路長は、約5、4、3、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1メートル以下である。有効長L又は経路長は、約0.1m~0.2m、0.1m~0.3m,0.1m~0.4m,0.1m~0.5m,0.1m~0.6m,0.1m~0.7m,0.1m~0.8m,0.1m~0.9m,0.1m~1m,0.1m~1.5m,0.1m~2m,0.1m~3m,0.1m~4m,0.1m~5m,0.2m~0.3m,0.2m~0.4m,0.2m~0.5m,0.2m~0.6m,0.2m~0.7m,0.2m~0.8m,0.2m~0.9m,0.2m~1m,0.2m~1.5m,0.2m~2m,0.2m~3m,0.2m~4m,0.2m~5m,0.3m~0.4m,0.3m~0.5m,0.3m~0.6m,0.3m~0.7m,0.3m~0.8m,0.3m~0.9m,0.3m~1m,0.3m~1.5m,0.3m~2m,0.3m~3m,0.3m~4m,0.3m~5m,0.4m~0.5m,0.4m~0.6m,0.4m~0.7m,0.4m~0.8m,0.4m~0.9m,0.4m~1m,0.4m~1.5m,0.4m~2m,0.4m~3m,0.4m~4m,0.4m~5m,0.5m~0.6m,0.5m~0.7m,0.5m~0.8m,0.5m~0.9m,0.5m~1m,0.5m~1.5m,0.5m~2m,0.5m~3m,0.5m~4m,0.5m~5m,0.6m~0.7m,0.6m~0.8m,0.6m~0.9m,0.6m~1m,0.6m~1.5m,0.6m~2m,0.6m~3m,0.6m~4m,0.6m~5m,0.7m~0.8m,0.7m~0.9m,0.7m~1m,0.7m~1.5m,0.7m~2m,0.7m~3m,0.7m~4m,0.7m~5m,0.8m~0.9m,0.8m~1m,0.8m~1.5m,0.8m~2m,0.8m~3m,0.8m~4m,0.8m~5m,0.9m~1m,0.9m~1.5m,0.9m~2m,0.9m~3m,0.9m~4m,0.9m~5m,1m~1.5m,1m~2m,1m~3m,1m~4m,1m~5m,1.5m~2m,1.5m~3m,1.5m~4m,1.5m~5m,2m~3m,2m~4m,2m~5m,3m~4m,又は4m~5mであってもよい。幾つかの実施形態によれば、有効長L又は経路長は、約0.3m~1.5mである。一例では、有効長L又は経路長は約0.5mより大きい。一例では、有効長L又は経路長は約1m以上である。別の例では、有効長L又は経路長は約1.5m以上である。
【0199】
幾つかの実施形態によれば、フィルタリングデバイス200及び反射チャンバ210は、ハンドヘルドデバイス内に嵌合するように構成又はサイズ決めされる。高さH、角度α及び選択された有効長さLを選択することに加えて、チャンバの幅Wも選択することができる。有効長L又は経路長は、チャンバの角度α及び高さHに依存するが、幅とは無関係であってもよい。したがって、幅を短くすることにより、チャンバの幅を圧縮して、有効長Lを変更することなくチャンバをハンドヘルドデバイス内に適合させることができる。しかしながら、各反射でいくらかの光(例えば、電力)が失われる可能性があり、したがって、画像の解像度を最適化するために幅方向のチャンバ圧縮の程度を制限する。幾つかの実施形態によれば、チャンバの幅は、約10から200mmであってもよい。一例では、リフレクタ(例えば、チャンバ内の第1の位置と第2の位置との間の距離)を隔てる距離は、約1センチメートル(cm)、2cm、3cm、4cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cm、10cm、12cm、15cm、20cm以上であってもよい。別の例では、リフレクタ(例えば、チャンバ内の第1の位置と第2の位置との間の距離)を隔てる距離は、約20cm、15cm、12cm、10cm、9cm、8cm、7cm、6cm、5cm、4cm、3cm、2cm、1cm以下であってもよい。別の例では、チャンバの最大内側直線寸法は、約1cm~2cm、1cm~3cm,1cm~4cm,1cm~5cm,1cm~6cm,1cm~7cm,1cm~8cm,1cm~9cm,1cm~10cm,1cm~12cm,1cm~15cm,1cm~20cm,2cm~3cm,2cm~4cm,2cm~5cm,2cm~6cm,2cm~7cm,2cm~8cm,2cm~9cm,2cm~10cm,2cm~12cm,2cm~15cm,2cm~20cm,3cm~4cm,3cm~5cm,3cm~6cm,3cm~7cm,3cm~8cm,3cm~9cm,3cm~10cm,3cm~12cm,3cm~15cm,3cm~20cm,4cm~5cm,4cm~6cm,4cm~7cm,4cm~8cm,4cm~9cm,4cm~10cm,4cm~12cm,4cm~15cm,4cm~20cm,5cm~6cm,5cm~7cm,5cm~8cm,5cm~9cm,5cm~10cm,5cm~12cm,5cm~15cm,5cm~20cm,6cm~7cm,6cm~8cm,6cm~9cm,6cm~10cm,6cm~12cm,6cm~15cm,6cm~20cm,7cm~8cm,7cm~9cm,7cm~10cm,7cm~12cm,7cm~15cm,7cm~20cm,8cm~9cm,8cm~10cm,8cm~12cm,8cm~15cm,8cm~20cm,9cm~10cm,9cm~12cm,9cm~15cm,9cm~20cm,10cm~12cm,10cm~15cm,10cm~20cm,12cm~15cm,12cm~20cm,又は15cm~20cmであってもよい。一例では、チャンバの最大内側直線寸法は15cm以下である。別の例では、チャンバの最大内側直線寸法は10cm以下である。
【0200】
図2Aに示すように、リフレクタは、平行であり、インタフェースすることができる。これに代えて又は加えて、リフレクタはオフに設定されてもよい。幾つかの実施形態によれば、リフレクタの少なくとも1つは、光がレトロリフレクタで受光された経路に平行な経路で光を反射する特性を有するレトロリフレクタを備えてもよい。幾つかの実施形態によれば、リフレクタの少なくとも1つは、ミラーを備えてもよい。
図2Aは、反射チャンバ210に用いられるレトロリフレクタ280とミラー270とを組み合わせたリフレクタ270,280を示す。更に、
図2Aは、レトロリフレクタ280及びミラー270をそれぞれリフレクタ270,280として使用する例示的な光路230の概略図である。
図2Aの光路の追加例を
図8に更に示す。レトロリフレクタ280の光学特性は、光が入射光に平行な方向に戻ることを可能にし、これにより、入射光に平行な向きで光を戻すことによって、対向するリフレクタ間の位置ずれを補正することができる。
図2Bは、リフレクタ270としてミラー270を用いた反射チャンバ210を模式的に示しており、模式的に示された光路を形成している。
図2Cは、概略的に示された光路を形成するリフレクタ280として対向する平行なレトロリフレクタ280を使用する反射チャンバ210を概略的に示す。
図2Aに示すように、ミラー270と組み合わせたレトロリフレクタ280は、
図2Cに示す2つのレトロリフレクタ要素経路と比較して、有効長L又は経路長をほぼ2倍にする。ミラーとレトロリフレクタの組み合わせは、
図2Cに示す2つのレトロリフレクタ要素の経路と比較して、所与の経路長Lに対して反射回数が少ない。
【0201】
反射チャンバ210内のミラーリフレクタ270は、平坦であってもよく、選択された波長又は波長範囲を優先的に反射する誘電体コーティングを有してもよい。一例によれば、反射コーティングは、約700nm~900nmの範囲の波長を優先的に反射し得る。コーティングは、特に経路内の複数の反射によって、幾つかの周囲光を遮断するための何らかのフィルタリング効果を提供することができる。レトロリフレクタは、例えば、コーナーキューブレトロリフレクタであってもよい。レトロリフレクタは、光の内部全反射のために構成され得る。レトロリフレクタは、低減衰若しくは低吸収、又は高反射率などの反射特性を提供することができ、ある程度の優先的な波長反射率(例えば、約700nm~900nm)を提供することができる金めっき又は他のコーティングでコーティングすることができる。
【0202】
図9に示すように、複数の反射要素を有する光フィルタリングデバイスが示されている。複数のインタフェースリフレクタ構成(270a,280a)及び(270b,280b)が直列に示されている。収集された光250は、経路をたどる。幾つかの実施形態は、非平行な向き、又はリフレクタの向きの組み合わせを含むことができる。
【0203】
幾つかの実施形態によれば、プローブは、本明細書に記載の光フィルタリングデバイス又はチャンバを備えることができる。幾つかの実施形態によれば、光フィルタリングデバイス又はチャンバは、プローブを備えるハンドヘルド光学デバイス内に嵌合するように、又は嵌合するように寸法決めされるように構成することができる。
【0204】
図5は、
図1A~
図4Bを参照して説明したような光フィルタリングデバイス200を使用する光学デバイス(例えば、ハンドヘルドデバイス)の集束及び走査光学系の一例を示す。光フィルタリングデバイス200は、1つ以上の集束260及び走査光学系265を含むことができる。幾つかの実施形態によれば、光学デバイスの集束ユニット260は、撮像対象(例えば、組織)の深度プロファイルを走査及び作成するために使用することができる。光学デバイスは、光源285(例えば、レーザ)、波長板286(例えば、半波長板)、ビームスプリッタ287(例えば、分極又は非分極)、位置合わせ窓288、1つ以上のリレーレンズ289、ダイクロイックミラー290、プローブ291、位置合わせユニット292、又はそれらの任意の組み合わせなどの追加の光学素子を更に備えてもよい。
図5及び
図6は、励起光の焦点の深度及び位置を同時に調整するように構成された光学デバイスの集束ユニット260の一例を示す。
図6は、撮像された組織の画像又は深度プロファイルを積層するために使用することができる、例えば多光子及びSHG信号などの追加の信号を収集するための追加の集光光学系293を有する
図5の1つ以上の集束光学系260及び走査光学系265を示す。
図7は、ハンドヘルド光学デバイスのハンドル700内に位置された
図5又は
図6の光学デバイスの構成要素又はユニットの集束260及び走査265の例を示す。一例では、光学デバイスは、共焦点撮像のために構成され得る。別の例では、光学デバイスは、多光子撮像用に構成され得る。別の例では、光学デバイスは、タンデム共焦点及び多光子撮像用に構成され得る。
【0205】
図5、
図6及び
図7を参照すると、本明細書に記載の共焦点撮像構成は、レーザからの光を光学デバイスに伝送するように構成された光ファイバ285を含む光学デバイスであってもよい。光ファイバ285は、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ、又は、ファイバの束であってもよい。光ファイバ285は、パルスビーム又は連続ビームのいずれかである複数のレーザ又は光源から光学デバイスに光を伝送するように構成されたファイバの束であってもよい。光ファイバ285は、周波数を所定の励起周波数に変換する(例えば、周波数に1以上の係数を掛けることによって)周波数逓倍器295に結合されてもよい。周波数逓倍器295は、光ファイバ285からの光を半波長板286に伝送することができる。励起光は、半波長板286を通って導かれ、半波長板286の軸に沿って光の偏光方向をシフトさせることができる。光は、励起光の一部を電力モニタに導くビームスプリッタ287を通って送られてもよい。他のセンサが、プローブ及び電力モニタに含まれてもよい。センサ及びモニタは、深度プロファイルを有するデータとして含めることができる撮像デバイス又は撮像対象(例えば、サンプル)に関する追加情報を提供することができる。
【0206】
次いで、照明光又は励起光をアフォーカルz軸スキャナ260に導くことができる。アフォーカルz軸スキャナ260は、可動レンズと、可動レンズに結合されたアクチュエータ(例えば、ボイスコイル)とを備えることができる。アフォーカルz軸スキャナ(例えば、集束ユニット)は、光源とプローブとの間の光学デバイス内に配置されてもよい。アフォーカルz軸スキャナ260は、平行にされた光ビームを収束又は発散させ、撮像中に焦点を軸方向に移動させることができる。焦点を軸方向に移動させることにより、深度プロファイルを撮像することができる。次いで、照明光又は励起光を走査ユニット265(例えば、MEMSミラー)に導くことができる。走査ユニットは、光源とプローブとの間の光学デバイスに配置されてもよい。MEMSミラー265は、焦点を水平平面又はX-Y平面上で移動させることによって走査を可能にすることができる。幾つかの代表的な実施形態によれば、アフォーカルZスキャナ260及びMEMSミラー265は、それらの動きが同期されて組織内の焦点の同期した動きをもたらすように協調コンピュータ制御によって駆動されるアクチュエータによって別々に作動される。幾つかの代表的な実施形態によれば、可動レンズ及びMEMSミラー265の両方を移動させることにより、焦点面と光軸との間の角度を変更することができ、平面(例えば、本明細書で規定されるような傾斜面又は焦点面)を通る深度プロファイルの撮像を可能にすることができる。
【0207】
MEMSミラースキャナ265は、光の少なくとも一部を1つ以上のリレーレンズ289を通して導くように構成されてもよい。1つ以上のリレーレンズ289は、ダイクロイックミラー290に光を導くように構成されてもよい。ダイクロイックミラー290は、励起光を、1つ以上の対物レンズを含んでもよいプローブ291内に導いてもよい。プローブ291は、撮像対象(例えば、被検体の組織)と相互作用するように光を導くように構成され得る。プローブ291は、限定はしないが、反射光を含む、撮像対象と相互作用する光によって生成された1つ以上の信号を収集するように構成することができる。プローブ291によって収集された信号のうちの1つ以上は、撮像対象と相互作用する光によって生成された反射、送信、蛍光/自己蛍光信号、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。プローブ291によって収集された1つ以上の信号のサブセットは、単一光子又は多光子生成信号を含むことができる。
【0208】
プローブ291の対物レンズによって収集された信号は、信号を生成した光の逆経路を追跡することができる。幾つかの実施形態では、返される信号は、RCM又は蛍光/自己蛍光単一光子信号を含み得る。戻り光は、ビームスプリッタ287を通過することができ、戻り光の少なくとも一部は光フィルタリングデバイス200に導かれる。信号は、光フィルタリングデバイス200に光を導くことができる位置合わせユニット292に接触することができる。光フィルタリングデバイス200は、コレクタ242に結合されてもよい。位置合わせユニット292は、例えば、光をx軸及びy軸に移動させ、光を反射チャンバ210の入力220を通して導くミラー270を備えることができる。コレクタ242は、反射チャンバ210を通る光路で反射されたコリメート光を集光するように構成される、例えば、
図3A及び
図3Bを参照して説明したような、ファイバ束などの光ファイバを備えることができる。
【0209】
ビームスプリッタ287は、偏光選択性ビームスプリッタであってもよい。したがって、軸外に戻された、回転された、又はシフトされた偏光成分は、ビームスプリッタ287によってフィルタリングデバイス200に導くことができる。回転された反射光は、撮像対象(例えば、撮像された組織)内の複屈折物体、構造、特徴又は分子からの反射を表すことができる。例えば、臨床撮像に重要な表皮、結合組織及び真皮の構造、細胞の種類、色素は、複屈折性であり、光の極性を回転させることができる。鏡面反射光は、回転された光と比較して優勢かつ明るくなる場合があり、元の経路をたどってビームスプリッタ287を通って戻る。これにより、偏光ビームスプリッタ287は、光を回転させた構造に対応する光を選択し、その光を位置合わせユニット292に導き、次いで反射チャンバ210に導くように動作することができる。鏡面反射光は、別個のチャネルを通って異なる反射チャンバに導くことができ、又はビームスプリッタ287を通って戻るときに消散することができる。反射信号は、偏光又は波長に基づく追加の別個のチャネルを介して、処理のために異なる反射チャンバに更に分割することができる。
【0210】
位置合わせユニット292は、ビームスプリッタによって分離された光250信号をx軸及びy軸において移動させて、光を所望の角度αで入力220を通って反射チャンバ210内に導くように構成されてもよい。光フィルタリングデバイス200は、ビームスプリッタ287から光ファイバ上に向けられた光の更なる集束が使用されないように、又は光焦点のz方向位置決めが使用されないように構成されてもよい。本明細書の幾つかの実施形態によれば、開口220に入る光のx軸及びy軸の位置決め又は角度は、光ファイバ241の出力からの光又は画像を観察することによって選択することができる。光ファイバ241は、シングルモードファイバであってもよく、マルチモードファイバであってもよく、或いは、ファイバの束であってもよい。光ファイバ241は、反射信号を検出するための光検出器に結合されてもよい。
【0211】
図16~
図18を参照すると、本明細書において
図1~
図9で説明した光フィルタリングデバイスに到達する前に、光路にビームデエキスパンダユニットを追加することができる。ビームデエキスパンダユニットは、1つ以上のレンズ(例えば、第1のレンズ及び第2のレンズ)を備えてもよい。ビームデエキスパンダユニットは、チャンバ(例えば、ビームデエキスパンダユニットのチャンバ)を備えてもよい。ビームデエキスパンダユニットのチャンバの1つ以上の壁は、変形可能な壁(例えば、変形可能な内側又は変形可能な外側)であってもよい。ビームデエキスパンダユニットのチャンバの1つ以上の壁は、変形可能な壁でなくてもよい。ビームデエキスパンダユニットは、調整構造を含むことができる。調整構造は、デエキスパンダのチャンバの変形可能な壁を変形させるように構成されてもよい。したがって、軸外光の除去は、本明細書に記載の光フィルタリングデバイスのチャンバに入る前にビームデエキスパンダユニットを通過するときに更に増幅され得る。加えて、ビームデエキスパンダユニットは、光路のビーム直径を縮小又は縮小することができる。
【0212】
幾つかの実施形態によれば、ビームデエキスパンダユニットは、チャンバ(例えば、ビームデエキスパンダユニットのチャンバ)を備えることができる。ビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)は、ビームデエキスパンダユニットのチャンバの対向する端部に配置された2つのレンズ(例えば、第1のレンズ及び第2のレンズ)を備えることができる。
【0213】
ビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)は、ビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)から出力される光が焦点の合った光のコリメートビームであるように、レンズ間の正確な間隔を可能にするための調整構造を備えることができる。
【0214】
幾つかの実施形態では、調整構造(例えば、調整ユニット、調整構造ユニット、調整デバイス、調整構造デバイス、調整機構)は、1つ以上のねじ(例えば、第1のねじ及び第2のねじ)、プレス、アクチュエータ、ビームプロファイラ、1つ以上のジョー(例えば、第1のジョー及び第2のジョー)、1つ以上のダイ要素(例えば、第1のダイ要素及び第2のダイ要素)、1つ以上のブロック要素(例えば、第1のブロック要素及び第2のブロック要素)、ノブ、レバー、又はそれらの組み合わせを備えることができる。幾つかの実施形態では、調整構造は、1つ以上のねじ(例えば、第1のねじ及び第2のねじ)、プレス、アクチュエータ、ビームプロファイラ、1つ以上のジョー(例えば、第1のジョー及び第2のジョー)、1つ以上のダイ要素(例えば、第1のダイ要素及び第2のダイ要素)、1つ以上のブロック要素(例えば、第1のブロック要素及び第2のブロック要素)、ノブ、レバー、又はそれらの組み合わせなどの調整構造要素を使用して、第1のレンズと第2のレンズとの間の正確な間隔を可能にすることができる。幾つかの実施形態によれば、調整構造は、レンズ間の距離を調整するように構成されてもよい。
【0215】
幾つかの実施形態では、レンズ間の距離を調整するために、調整構造要素を作動させて、レンズ間の1つ以上の位置でチャンバの1つ以上の壁を変形させる。作動されると、調整構造要素は、チャンバの壁に係合して変形し、チャンバの長さを減少させ、それによってレンズ間の距離を減少させる。幾つかの実施形態によれば、変形は、レンズ間の距離の均一な変化を提供するために均一又は対称である。幾つかの実施形態によれば、アクチュエータは、チャンバの壁を外側(又は内側)に移動させるねじを回転させる要素又は機構を作動させることができる。ねじは、チャンバ壁のねじ山と係合してもよい。ねじは、チャンバを通る光路に対して垂直に配置されてもよい。他の実施形態では、レンズ間の距離を調整するために、アクチュエータは、第2のジョーに向かってプレスを駆動することができ、第2のジョーは、ブロック要素を駆動して、ビームデエキスパンダ壁のチャンバを内側に対称的に圧縮及び変形させることができる。ビームデエキスパンダ壁のチャンバの変形は、レンズ間の距離を減少させることができる。幾つかの実施形態では、レンズ間の距離は、約1ミリメートル(mm)~約150mmであってもよい。幾つかの実施形態では、レンズ間の距離は、約1mm、2mm、5mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、15mm、20mm、25mm、50mm、75mm、100mm、150mm以上であってもよい。幾つかの実施形態では、レンズ間の距離は、約1mm、2mm、5mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、15mm、20mm、25mm、50mm、75mm、100mm、又は150mm以下であってもよい。幾つかの実施形態では、レンズ間の距離は、上記の任意の2つの値の間、例えば約5mm~約15mmの間であってもよい。
【0216】
幾つかの実施形態によれば、ビームデエキスパンダのチャンバは変形可能であってもよい。例えば、ビームデエキスパンダのチャンバの1つ以上の壁は、チャンバの対向する端部間の距離(すなわち、レンズがチャンバの対向する端部に配置されている場合)を減少又は増加させるように変形可能であってもよい。これに代えて又は加えて、例えば、ビームデエキスパンダのチャンバの1つ以上の壁は、ビームデエキスパンダのチャンバの1つ以上の壁の第1の壁と第2の壁との間の距離を増加又は減少させるように変形可能であってもよい。幾つかの実施形態によれば、ビームデエキスパンダのチャンバ(例えば、チャンバの壁)は、内側に変形可能であってもよい。これに代えて又は加えて、ビームデエキスパンダのチャンバ(例えば、チャンバの壁)は、外側に変形可能であってもよい。
【0217】
光ビームは、ビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダのチャンバ)に入射して通過する。コリメートされた光は、ビームデエキスパンダを出て、反射チャンバ(例えば、
図1~
図9を参照して説明した光フィルタリングデバイスのチャンバ)を備える光フィルタリングデバイスに向けられてもよい。光フィルタリングデバイスは、収集ファイバを備えることができる。収集ファイバは、チャンバの端部(例えば、光フィルタリングデバイスのチャンバ)で光を収集するように構成されてもよい。
【0218】
図16は、ビームデエキスパンダ1610(例えば、ビームデエキスパンダユニット)を通る光ビーム経路1631の一例を概略的に示す。収集又は戻り光(コリメートされたビーム1630を含むことができる)は、本明細書において
図1~
図9で説明した光フィルタリングデバイスに到達する前にビームデエキスパンダ1610に入り、通過することによって光ビーム経路1631をたどることができる。ビームデエキスパンダ1610は、第1のレンズ1611及び第2のレンズ1612を備えてもよい。第1のレンズ1611及び第2のレンズ1612は、それぞれ第1の焦点距離F1及び第2の焦点距離F2を有してもよい。幾つかの実施形態では、焦点距離F1及び焦点距離F2は異なっていてもよい。幾つかの実施形態では、レンズ1611、1612間の距離は、それぞれレンズ1611、1612の焦点距離F1、F2の合計であってもよい。
【0219】
幾つかの実施形態では、デエキスパンダ1610に入力される集光された光ビームは、
図1~
図9を参照して本明細書で説明したように、集束光を含む戻り光を含むことができる。
【0220】
コリメートされた光ビーム1630を含む集光された光は、ビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)1610の入力1615を通ってビームデエキスパンダ1610内に導かれてもよい。収集された光は、ビームデエキスパンダ1610の第1のレンズ1611を通って入力1615に入ることができ、それによって収集された光は集束され得るが、軸外光の発散又は収束は増幅される。第2のレンズ1612は、第1のレンズ1611よりも短い焦点距離を有してもよく、ビームデエキスパンダに入るコリメートされたビーム1630が、ビームデエキスパンダ1610の出力1620(例えば、ビームデエキスパンダユニット)から出るときにコリメートされるように配置される。コリメートされたビーム1630は、ビームデエキスパンダ1610の入力1615に入る前に直径d1を含むことができる。コリメートされたビーム1630は、ビームデエキスパンダ1610の出力1620を出た後の直径d2を含むことができる。
図16に示すように、ビームデエキスパンダ1610(例えば、ビームデエキスパンダユニット)は、軸外光の除去を増幅しながら、入力1615に入る前のコリメートされたビーム1630の直径d1を、出力1620を出た後のコリメートされたビーム1630の直径d2に縮小することができる。幾つかの実施形態では、直径d1は直径d2よりも大きい。幾つかの実施形態では、ビームデエキスパンダ1610は、2つの正の焦点距離レンズを備えることができる。幾つかの実施形態では、ビームデエキスパンダ1610は、2つの負の焦点距離レンズを備えることができる。これに代えて又は加えて、ビームデエキスパンダ1610は、正及び負の焦点距離レンズの組み合わせを備えることができる。
【0221】
ビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)1610は、2つ以上のレンズを備えることができる。ビームデエキスパンダ1610は、3枚以上のレンズ、4枚以上のレンズ、5枚以上のレンズ、6枚以上のレンズ、7枚以上のレンズ、8枚以上のレンズ、9枚以上のレンズ、又は10枚以上のレンズを備えることができる。ビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)1610は、2つ以下のレンズを備えることができる。ビームデエキスパンダ1610は、3枚以下のレンズ、4枚以下のレンズ、5枚以下のレンズ、6枚以下のレンズ、7枚以下のレンズ、8枚以下のレンズ、9枚以下のレンズ、又は10枚以下のレンズを備えることができる。ビームデエキスパンダ1610は、これに代えて又は加えて、湾曲ミラー(例えば、ビームデエキスパンダのチャンバ)を備えることができる。
【0222】
図17A~
図17Dを参照すると、本明細書において
図1~
図9を参照して説明した光フィルタリングデバイス200のチャンバ210に通じることができる光フィルタリングデバイス200の入力220と収集された光ビーム(例えば、戻り光)1750との間にビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)1700を配置することができる。
図17Aに示すように、収集された光ビーム1750は、ビームスプリッタ287を通過することができ、戻り光の少なくとも一部は、光フィルタリングデバイス200の入力220に導かれる前にビームデエキスパンダ1700を通過することができる。収集された光ビーム1750は、ビームデエキスパンダ1700に入る前にコリメートされたビームを含むことができる。収集された光ビーム1750は、ビームデエキスパンダ1700を出た後にコリメートされたビームを含むことができる。
【0223】
図17A~
図17Dを参照すると、ビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)1700は、ビームデエキスパンダ1730のチャンバの両端に取り付けられたレンズ1711、1712を備えることができる。収集された光ビーム1750は、
図1~
図9を参照して本明細書で説明されるプローブ又は撮像デバイスによって収集されてもよい。.収集された光ビーム1750は、レンズ1711、1712及びビームデエキスパンダ1730のチャンバを通過することができる。ビームデエキスパンダ1730のチャンバは、少なくとも1つの壁構造1735を備えることができる。ビームデエキスパンダ1730のチャンバは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、又は少なくとも10個の壁構造1735を備えることができる。
【0224】
壁構造1735は、変形可能であってもよい。幾つかの実施形態では、壁構造1735は、外側に変形可能であってもよい。幾つかの実施形態では、壁構造1735は、内側に変形可能であってもよい。これに代えて又は加えて、幾つかの実施形態では、壁構造1735は、内側及び外側に変形可能であってもよい。幾つかの実施形態では、壁構造1735は、レンズ1711、1712間の距離を縮小するために(例えば、第1のレンズ1711と第2のレンズ1712との間のビームデエキスパンダ1730のチャンバの長さを第1の長さL1(
図17Cに示すように)から第2の長さL2(
図17Dに示すように)に縮小するために)外側に変形可能であってもよい。
【0225】
図17B及び
図17Dを参照すると、ビームデエキスパンダ1730のチャンバの壁構造1735は、ねじ付き開口1741、1742を含むことができる。ねじ付き開口は、対向するねじ付き開口1741、1742の向きを含むことができる。対向するねじ付き開口1741、1742は、ビームデエキスパンダ1730のチャンバの2つのレンズ間の軸に対して垂直であってもなくてもよい(例えば、軸は、第1のレンズ1711を通過し、デエキスパンダ1730のチャンバを通過し、第2のレンズ1712を通って出るビームの光路に対応してもよい)。対向するねじ付き開口1741、1742は、ねじ1751、1752(17B及び17Cに示すように、)をそれぞれ受け入れることができる。ねじ1751、1752を回転させて、ビームデエキスパンダ1730のチャンバの壁構造1735を外側にバックルで留めることができる。これに代えて又は加えて、ねじ1751、1752を回転させて、ビームデエキスパンダ1730のチャンバの壁構造1735を内側にバックルで留めることができる。ねじ1751、1752は、第1のレンズ1711及び第2のレンズ1712を互いに向かって引っ張り、第1の長さL1をビームデエキスパンダ1730のチャンバの第2の長さL2に短縮することができる。
【0226】
図17Bを参照すると、調整構造(例えば、調整ユニット、調整構造ユニット、調整デバイス、調整構造デバイス、調整機構)は、T字形構造1760を備えることができる。T字形構造は、壁構造1735の開口1770に挿入することができるブロック部分1765を備えることができる。ブロック部分1765は、ビームデエキスパンダ1730のチャンバ内に延在してもよく、第1のレンズ1711と第2のレンズ1712との間に配置されてもよい。ブロック部分1765は、ビームの光路1631と位置合わせすることができる開口1775を備えることができる。ブロック部分1765の開口1775は、光ビームがブロック部分1765を通過することを可能にすることができる。ブロック部分1765は、ねじ1751、1752が回転するときに、ねじ1752の第1の端部1753及びねじ1751の第2の端部1754と係合することができる。ねじ1751、1752の回転は、ビームデエキスパンダ1730の壁構造1735のチャンバの変形を対称的に調整することができる。
【0227】
ビームデエキスパンダ1730のチャンバは、変形可能な剛性材料を含むことができる。変形可能な剛性材料は、変形されたときにビーンデエキスパンダ1730のチャンバの形状を維持することができる。変形可能な剛性材料は、ステンレス鋼、アルミニウム、又は剛性の変形可能な形状を維持することができる任意の他の金属若しくは材料などの1つ以上の金属を含むことができる。
【0228】
図17Cを参照すると、第1のレンズ1711と第2のレンズ1712との間の距離は、所望の距離よりもわずかに大きく初期設定(例えば、製造中に)されてもよい。例えば、所望の距離は、レンズ1711、1712のそれぞれの焦点距離F1、F2の合計であってもよい。他の実施形態では、第1のレンズ1711と第2のレンズ1712との間の初期距離は、レンズ1711、1712の焦点距離の合計を含む距離よりもわずかに小さいか又は同じに設定されてもよい。
【0229】
ビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)1700は、調整することができる(例えば、調整構造によって)。調整構造(例えば、調整ユニット、調整構造ユニット、調整デバイス、調整構造デバイス、調整機構)は、第1のレンズ1711と第2のレンズ1712との間の間隔を調整して、光フィルタリングデバイス200の入力に、続いて光フィルタリングデバイス200の反射チャンバ210の端部の集光ファイバ又はコレクタの位置に、集束光のコリメートビームを供給してもよい(
図17Aに示すように)。
【0230】
ビームデエキスパンダ1700を調整するために、調整構造を使用してビーム直径を決定することができる。幾つかの実施形態では、調整構造を使用して、小さいビーム直径を決定することができる。幾つかの実施形態によれば、ビームプロファイラを使用して、より小さいビーム直径を決定することができる。
図17Cに示すように、ねじ1751、1752を調整することによってビーム直径を監視することができる。ビーム直径は、軸外光の増幅された除去を示すことができる(例えば、より小さいビーム直径は、軸外光のより大きな増幅された除去を示すことができる)。ビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)1700が調整構造によって調整されるとき、調整構造の要素(例えば、ねじ1751、1752及びT字形構造1760)は、除去されてもされなくてもよい(
図17Dに示すように)。
【0231】
図18A~
図18Cは、
図17A~
図17Dを参照して同様に説明したように、第1のレンズ1811と第2のレンズ1812との間の長さを変更するように変形されるように構成されたビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)1800を示す。レンズ1811、1812は、ビームデエキスパンダ1830のチャンバの両側に取り付けられてもよい。収集された(例えば、返される)光ビームは、レンズ1811、1812及びビームデエキスパンダ1830のチャンバを通過することができる。収集された光ビームは、ビームデエキスパンダ1800に入る前にコリメートされたビームを含むことができる。収集された光ビームは、ビームデエキスパンダを出た後にコリメートされたビームを含むことができる。ビームデエキスパンダ1830のチャンバは、側壁1835を備えることができる。ビームデエキスパンダ1830のチャンバは、単一の壁、2以上の側壁、3以上の側壁、4以上の側壁、5以上の側壁、6以上の側壁、7以上の側壁、8以上の側壁、9以上の側壁、10以上の側壁、又は11以上の側壁を備えることができる。側壁1835は、側壁1835の脆弱化又は変形を可能にすることができる切り欠き又は開口1840を備えることができる。側壁1835の脆弱化又は変形は、レンズ1811、1812間の距離を縮小する(例えば、第1のレンズ1811と第2のレンズ1812との間のビームデエキスパンダ1830のチャンバの長さを短くする)のに役立ち得る。側壁1835は、例えば、変形されたときにその形状を維持する材料を含むことができる。側壁1835の材料は、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属、又は変形時にその形状を維持することができる任意の他の金属又は材料を含むことができる。
【0232】
図18Aを参照すると、ビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)1800は、調整構造を備えることができる。調整構造は、ビームデエキスパンダ1800から取り外し可能であってもなくてもよい。調整構造は、アクチュエータ1855を備えることができるプレス1850を備えることができる。プレス1850及びアクチュエータ1855は、ビームデエキスパンダ1800を調整するように動作することができる。プレス1850は、第1のジョー1861及び第2のジョー1862を備えてもよい。第1のジョー1861及び第2のジョー1862は、対向する平行なジョーを含む向きを含んでもよい。第1のジョー1861及び第2のジョー1862は、移動可能であってもよい。第1のジョー1861及び第2のジョー1862は、固定されていてもよい。或いは、更に、第1のジョー1861は固定され、第2のジョー1862は移動可能であってもよい。これに代えて及び加えて、第1のジョー1861は移動可能であってもよく、第2のジョー1862は固定されてもよい。第1のジョー1861及び第2のジョー1862は、ビームデエキスパンダのチャンバの2つのレンズ間の軸に対して垂直な向きで互いに対向してもよい(例えば、軸は、ビームデエキスパンダ1800(例えば、ビームデエキスパンダユニット)を通過するビームの経路に対応することができる)。第1のジョー1861は第1のダイ要素1881を備えてもよく、第2のジョー1862は第2のダイ要素1882を備えてもよい。ダイ要素1881、1882は、ジョー1861、1862の内面にそれぞれ固定されてもよい。ジョー1861、1862は、ダイ要素1881、1882がビームデエキスパンダ1800のチャンバの側壁1835に接触した状態で、ビームデエキスパンダ1830の各側にそれぞれ配置されてもよい。ジョー1861、1862は、ジョー1861、1862が互いに接近及び離間するように移動するときにジョー1861、1862を位置合わせすることができる摺動可能な位置合わせねじ1863、1864(
図18Aに示すように)によって移動可能に結合することができる。ジョー1861、1862は、アクチュエータ1855を備えることができる調整構造によって互いに接近及び離間することができる。これに代えて又は加えて、調整構造は、ノブ、レバー、1つ以上のねじ、1つ以上のジョー、プレス、1つ以上のブロック要素、ダイ要素、又はそれらの組み合わせを備えてもよい。場合によっては、全体を通して、ブロック要素は、ダイプレス(例えば、ダイ要素)の要素を指すことができる。ダイ要素は、ビームデエキスパンダのチャンバの壁に接触することができる。幾つかの実施形態では、アクチュエータ1855は、ノブ1870(又はレバー)と、第2のジョー1862に向かってプレスブロック1890を駆動することができる追加のねじ1875とを備えることができ、第2のジョー1862を第1のジョー1861に向かって内側に移動させることができる。幾つかの実施形態では、アクチュエータ1855は、ノブ1870(又はレバー)及び追加のねじ1875を含むことができ、プレスブロック1890を第2のジョー1862から離れるように駆動することができ、これにより第2のジョー1862を第1のジョー1861から外方に移動させることができる。プレスブロック1890がアクチュエータ1855によって作動されると、ジョー1861、1862の間の間隙が減少又は増大され得る。ジョー1861、1862間の間隙が縮小されると、第1のブロック要素1883及び第2のブロック要素1884(
図18Aに示すように、)は、ビームデエキスパンダ1830のチャンバの側壁1835を対称的に圧縮し、内側に変形させることができる。
【0233】
第1のレンズ1811と第2のレンズ1812との間の距離は、所望の距離よりもわずかに大きく初期設定(例えば、製造中に)されてもよい。例えば、所望の距離は、レンズ1811、1812のそれぞれの焦点距離F1、F2の合計であってもよい。他の実施形態では、第1のレンズ1811と第2のレンズ1812との間の初期距離は、レンズ1811、1812の焦点距離の合計を含む距離よりもわずかに小さく又は同じに設定されてもよい。調整構造(例えば、調整ユニット、調整構造ユニット、調整デバイス、調整構造デバイス、調整機構)は、ビームデエキスパンダ(例えば、ビームデエキスパンダユニット)1800を調整するために使用することができる。ビームデエキスパンダ1800を旋回させるために、調整構造を使用してビーム直径を決定することができる(例えば、より小さいビーム直径は、軸外光のより大きな増幅された除去を表すことができる)。幾つかの実施形態によれば、ビームプロファイラを使用して、より小さいビーム直径を決定することができる。ビーム直径は、ブロックプレス1890がアクチュエータ1855によって作動されるときに監視することができる。ビームデエキスパンダ1800が調整された後、調整構造の要素(例えば、プレス1850)を除去することができる。
【0234】
図6及び
図7を参照すると、1つ以上の信号の別のサブセットは、ダイクロイックミラー290を介して収集構成293に送信されてもよく、例えば
図11Bの検出器ブロック1108の、本明細書に記載の1つ以上の光検出器によって検出されてもよい。1つ以上の信号のサブセットは、例えば、SHG及び/又は2光子自己蛍光及び/又は2光子蛍光信号を含み得る多光子信号を備えてもよい。収集構成293は、光学素子(例えば、レンズ又はミラー)を含むことができる。収集構成293は、収集された光をライトガイドを通して1つ以上のフォトセンサに導くことができる。ライトガイド294は、液体ライトガイド、マルチモードファイバ、又はファイバの束であってもよい。
【0235】
光学デバイスは、パワーセンサ以外のセンサを有していてもよい。センサからの情報は、深度プロファイルと共に使用又は記録されて、プローブ及び/又は被検体に関する更なる強化された情報を提供することができる。例えば、光学デバイス内の他のセンサは、位置センサ、GPSセンサ、温度センサ、カメラ又はビデオセンサ、皮膚鏡、加速度計、接触センサ、及び湿度センサを含むことができる。
【0236】
図1A~
図3B及び
図5~
図7を参照すると、本明細書には、とりわけ、画像被検体を撮像するために使用され得る装置が開示される。
図1A~
図3B及び
図5~
図7を参照すると、本明細書には、とりわけ、共焦点撮像のために使用され得る装置が開示される。
【0237】
図1A~
図3B及び
図5~
図7を参照すると、本明細書には、とりわけ、組織の深度プロファイルを生成するために使用され得る装置が開示される。一態様において、被検体の組織の深度プロファイルを生成するための装置は、光源からの励起光ビームを組織の表面に伝送する光学デバイスであって、励起光ビームが、組織に接触する際に、組織の固有の特性を示す信号をもたらす、光学デバイスと、走査経路、走査パターンに沿う又は1つ以上の傾斜方向での励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整する光学デバイス内の1つ以上の集束ユニットと、組織を励起光ビームと接触させる際に生成される信号の少なくともサブセットを検出するように構成される1つ以上のセンサと、1つ以上のセンサに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、1つ以上のコンピュータプロセッサが、組織の深度プロファイルを生成するために1つ以上のセンサによって検出される信号の少なくともサブセットを処理するように個別に又は集合的にプログラムされる、1つ以上のコンピュータプロセッサとを備える。
【0238】
信号の少なくともサブセットは、偏光を含むことができる。光学デバイスは、1つ以上の偏光選択光学系(例えば、偏光フィルタ、偏光ビームスプリッタなど)を備えてもよい。1つ以上の偏光選択的光学素子は、検出されるRCM信号が組織の特定の部分からの特定の偏光であるように、RCM信号の特定の偏光を選択することができる。例えば、偏光選択的光学素子を使用して、組織内の異なる特徴を選択的に撮像又は増幅することができる。
【0239】
信号の少なくともサブセットは、無偏光を含むことができる。光学デバイスは、焦点が外れた全ての光に至るまで排除するように構成されてもよい。焦点が外れた光を排除することにより、RCM信号から低ノイズ画像を生成することができる。
【0240】
リレーレンズ、コリメートレンズ、及び、フィールドレンズなどの複数の屈折レンズを使用して、光源からの超高速パルス光を組織内の小さなスポットに集束させることができる。集束光の小さなスポットは、組織に接触すると、第2高調波発生、2光子自己蛍光、第3高調波発生、コヒーレントアンチストークスラマン分光法、共焦点顕微鏡法信号、又は他の非線形多光子生成信号などの内因性組織信号を生成することができる。また、プローブは、ミラー及び並進レンズなどの光学素子によって生成された走査パターンを組織内の焦点(focal spot)の動きに伝達して、構造を通して焦点を走査し、組織の1点ずつの画像を生成することができる。プローブは、収差を最小化し、焦点走査の線形マッピングを最適化し、分解能及び視野を最大化するために複数のレンズを備えることができる。
【0241】
光学デバイス内の1つ以上の集束ユニットは、限定ではないが、可動レンズ、光学素子(例えば、アフォーカルレンズ)に結合されたアクチュエータ、MEMSミラー、リレーレンズ、ダイクロイックミラー、折り返しミラー、ビームスプリッタ、反射チャンバ、又は
図1A~
図9を参照して本明細書で詳細に説明されるようなそれらの任意の組み合わせを含むことができる。共焦点顕微鏡信号を反射チャンバ内に導くための位置合わせ要素は、角度調整要素、及び/又は可動ミラーを備えることができるが、これらに限定されない。組織の固有の特性を示す信号は、例えば、共焦点顕微鏡信号、第2高調波発生信号、多光子蛍光信号、他の生成信号、又はそれらの任意の組み合わせなど、本明細書の他の箇所に記載されるような信号であってもよい。
【0242】
本明細書の方法と一致する装置は、光学デバイス、超短パルスレーザなどの1つ以上の光源、1つ以上の可動又は調整可能なレンズ、1つ以上の光学フィルタ、1つ以上の光検出器、1つ以上のコンピュータプロセッサ、1つ以上のマーキングツール、及びそれらの組み合わせを含むがこれに限定されない主題の方法の任意の要素を含むことができる。
【0243】
光検出器は、光電子増倍管(PMT)、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード(APD)、電荷結合素子(CCD)検出器、電荷注入素子(CID)検出器、相補型金属酸化膜半導体検出器(CMOS)検出器、多画素光子計数器(MPPC)、シリコン光電子増倍管(SiPM)、光依存抵抗器(LDR)、ハイブリッドPMT/アバランシェフォトダイオードセンサ、及び/又は他の検出器又はセンサを含むことができるが、これらに限定されない。システムは、1つ以上のタイプの1つ以上の光検出器を備えてもよく、各センサは、同じ又は異なる信号を検出するために使用されてもよい。例えば、システムはフォトダイオードとCCD検出器の両方を使用することができ、フォトダイオードはSHG及び多光子蛍光を検出し、CCDは反射率共焦点顕微鏡信号を検出する。光検出器は、少なくとも約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、24、又はそれ以上のフレームレート、又は1秒当たりに取得される画像の数を提供するように動作することができる。光検出器は、最大で約60、50、40、30、24、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5以下のフレームレートをもたらすように動作することができる。
【0244】
光学デバイスは、信号を収集する光電子増倍管(PMT)を備えてもよい。PMTは、電気的インターロック及び/又はシャッタを備えてもよい。電気的インターロック及び/又はシャッタは、上皮組織の表面と光プローブとの間の接触が破壊されたときに活性化することによって、光電子増倍管区画室が周辺光に曝されたときにPMTを保護することができる。起動可能なインターロック及び/又はシャッタを使用することにより、周辺光の存在下で信号を収集することができ、それにより、ユーザは患者のベッドサイドで1つ以上のリアルタイムの手術前の深度プロファイルを生成することができる。光学デバイスは、他の光検出器も備え得る。
【0245】
超短パルス光を供給する光源は、波長調整可能な超短パルスTi:サファイアレーザとすることができる。Ti:サファイアレーザは、モードロック発振器、チャープパルス増幅器、又は、波長可変連続波レーザとすることができる。モードロック発振器は、約数ピコ秒~約10フェムト秒、場合によっては約5フェムト秒の持続時間を有する超短パルスを生成することができる。パルス繰り返し周波数は、約70-90メガヘルツ(MHz)とすることができる。「チャープパルス」という用語は、一般に、パルスがレーザ内の構成要素を損傷するのを防止することができる特別な構造を指す。「チャープパルス」レーザでは、エネルギーが全て同じ時点に及び空間内に位置されないように、パルスを時間的に引き伸ばすことができ、増幅器の光学系の損傷を防止する。次いで、パルスを光学的に増幅し、時間的に再圧縮して、短い局所パルスを形成することができる。
【0246】
装置の可動レンズ又は可動レンズを平行移動させて、複数の異なる走査パターン又は走査経路を生成することができる。可動レンズは、レンズを平行移動させるアクチュエータに結合されてもよい。アクチュエータは、プログラムされたコンピュータプロセッサによって制御されてもよい。アクチュエータは、機械式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、圧電式アクチュエータ、電気機械式アクチュエータ、リニアモータ、リニア電気式アクチュエータ、ボイスコイル、又は、それらの組み合わせなどのリニアアクチュエータとすることができる。機械的アクチュエータは、例えば、ねじ機構、車輪及び車軸機構、並びに、カム機構により、回転運動を直線運動に変換することによって動作することができる。油圧アクチュエータは、ピストンと非圧縮性液体とを備える中空シリンダを含むことができる。空気圧アクチュエータは、油圧アクチュエータと同様であってもよいが、液体の代わりに圧縮ガスを含む。圧電アクチュエータは、電圧の印加下で膨張することができる材料を備えることができる。結果として、圧電アクチュエータは、非常に微細な位置決め分解能を達成することができるが、非常に短い動作範囲を有することもできる。場合によっては、圧電材料はヒステリシスを示す可能性があり、これにより、それらの膨張を繰り返し可能に制御することが困難になる可能性がある。電気機械式アクチュエータは、機械式アクチュエータと同様であってもよい。しかしながら、機械式アクチュエータの制御ノブ又はハンドルは、電気モータに置き換えられてもよい。
【0247】
調整可能なレンズは、使用中にその焦点距離及び/又は光軸の位置などの光学特性を例えば電子制御によって調整できる光学素子を指すことができる。電気的に調整可能なレンズは、適切な電気光学材料(例えば、その局所的な実効屈折率、すなわち屈折率が、材料の両端に印加される電圧の関数として変化する材料)の薄層を含むことができる。電極又は電極アレイを使用して電圧を印加し、屈折率をその値に局所的に調整することができる。電気光学材料は液晶を含み得る。液晶を含む電気光学材料の複屈折軸及び実効屈折率を変調するために電圧を印加することができる。場合によっては、ポリマーゲルを使用することができる。調整可能なレンズは、液晶ディスプレイで使用される画素グリッドと同様に、液晶内の画素のグリッドを画定する電極アレイを備えることができる。個々の画素の屈折率は、位相変調プロファイルを与えるように電気的に制御されてもよい。位相変調プロファイルは、調整可能なレンズの電気光学層の領域にわたる局所的に変化する有効屈折率の結果として層を通過する光に加えられる局所的な位相シフトの分布を指すことができる。
【0248】
場合によっては、光学デバイスと電気的又は電気機械的に通信する電気的又は電気機械的に調整可能なレンズを使用して、複数の異なる走査パターン又は走査経路を得ることができる。電気的又は電気機械的に調整可能なレンズの曲率を変調することにより、上皮組織に対して複数の異なる走査パターン又は走査経路をもたらすことができる。調整可能なレンズの曲率は、電流を印加することによって変調されてもよい。また、装置は、電流の印加を制御するためのプログラムされたコンピュータプロセッサを備えてもよい。
【0249】
被検体の上皮組織における疾患を同定するための装置は、光学デバイスを含み得る。光学デバイスは、光源からの励起光ビームを上皮組織の表面に向けて伝送することができる。励起光ビームは、上皮組織に接触すると、上皮組織の固有の特性に関連する信号を生成することができる。光源は、Ti:サファイアレーザなどの超高速パルスレーザを備えてもよい。超高速パルスレーザは、500フェムト秒、400フェムト秒、300フェムト秒、200フェムト秒、100フェムト秒又はそれ未満のパルス持続時間をもたらすことができる。超短光パルスのパルス繰り返し周波数は、少なくとも10MHz、20MHz、30MHz、40MHz、50MHz、60MHz、70MHz、80MHz、90MHz、100MHz又はそれ以上であり得る。
【0250】
組織は、上皮組織であってもよい。深度プロファイルは、対象の上皮組織の疾患又は状態の同定を可能にし得る。被検体の組織における疾病は、本明細書の他の箇所に開示されている。
【0251】
走査経路又はパターンは、1つ以上の傾斜方向及び1つ以上の傾斜面上にあってもよい。傾斜面は、光学デバイスの光軸に対して傾斜した方向に沿って配置されてもよい。傾斜面と光軸との間の角度は、最大で45°であってもよい。傾斜面と光軸との間の角度は、少なくとも約5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°以上であってもよい。他の場合において、傾斜面と光軸との間の角度は、最大で約85°、80°、75°、70°、65°、60°、55°、50°、45°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、5°以下であってもよい。
【0252】
光学デバイスは、1つ以上の光学フィルタを更に備えてもよく、1つ以上の光学フィルタは、信号のサブセットを収集するように構成されてもよい。本明細書の他の箇所に記載されているように、光学フィルタを使用して、上皮組織の1つ以上の固有の特性に関連する信号の1つ以上の特定のサブセットを収集することができる。光学フィルタは、ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタ、ノッチフィルタ、ダイクロイックフィルタ、ロング経路フィルタ、ショート経路フィルタ、バンド経路フィルタ、又は、応答平坦化フィルタであってもよい。光学フィルタは、1つ以上の光学フィルタであってもよい。これらの光学フィルタは、自己蛍光波長などの特定の波長の光及び/又は偏光などの他の特定の属性を有する光を選択的に透過することができるコーティングされたガラス又はプラスチック要素となり得る。光学フィルタは、第2の高調波発生(SHG)信号、第3の高調波発生(THG)信号、偏光信号、反射率共焦点顕微鏡(RCM)信号、及び、自己蛍光信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を収集することができる。信号のサブセットは、第2の高調波発生(SHG)信号、第3の高調波発生(THG)信号、及び、自己蛍光信号のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0253】
光源は、約200フェムト秒未満のパルス持続時間を伴う超高速パルスレーザを含むことができる。超高速パルスレーザは、最大500フェムト秒、450フェムト秒、400フェムト秒、350フェムト秒、300フェムト秒、250フェムト秒、200フェムト秒、150フェムト秒、100フェムト秒、又は、それより短いパルス持続時間を有する光のパルスを生成することができる。場合によっては、パルス持続時間は約150フェムト秒である。場合によっては、超高速パルスレーザは、少なくとも100フェムト秒、150フェムト秒、200フェムト秒、250フェムト秒、300フェムト秒、350フェムト秒、400フェムト秒、450フェムト秒、500フェムト秒、又は、それより短いパルス持続時間を有する光のパルスを生成することができる。超高速パルスレーザのパルス繰り返し周波数は、少なくとも10MHz、20MHz、30MHz、40MHz、50MHz、60MHz、70MHz、80MHz、90MHz、100MHz、又はそれ以上とすることができる。場合によっては、超高速パルスレーザのパルス繰り返し周波数は、最大で100MHz、90MHz、80MHz、70MHz、60MHz、50MHz、40MHz、30MHz、20MHz、10MHz、又は、それ以下とすることができる。場合によっては、パルス繰り返し周波数は約80MHzである。
【0254】
使用中、光学デバイスのプローブは、組織の表面と接触していてもよい。これに代えて又は加えて、プローブは、組織を貫通するように構成されてもよい。プローブは、1つ以上の対物レンズを含むことができる。対物レンズは、組織の表面に接触してもよい。対物レンズは、光をコリメートするように構成されてもよい。接触は、直接的又は間接的な接触であってもよい。接触が直接接触である場合、接触を実行することは、介在層なしで光学デバイスを対象の組織の隣に配置することを含むことができる。接触が間接的な接触である場合、接触を実行することは、1つ以上の介在層を有する対象の組織の隣に光学デバイスのプローブを配置することを含むことができる。1つ以上の介在層は、衣服、医療用ガーゼ、包帯などを含むことができるが、これらに限定されない。上皮組織の表面と光学デバイスとの間の接触が中断されたとき、検出器(例えば、光の経路に対して)の前に配置されたシャッタが作動し、入射光を遮断することができるように、接触を監視することができる。場合によっては、光検出器は、電気的インターロック及び/又はシャッタを備える。電気的インターロック及び/又はシャッタは、上皮組織の表面と光プローブとの間の接触が破壊されたときに活性化することによって、光電子増倍管区画室が周辺光に曝されたときに光検出器を保護することができる。起動可能なインターロック及び/又はシャッタを使用することにより、周辺光の存在下で信号を収集することができ、それにより、ユーザは患者のベッドサイドで1つ以上のリアルタイムの手術前の深度プロファイルを生成することができる。
【0255】
装置は、プローブと組織の表面との間の変位を検出するセンサを備えることができる。このセンサは、周辺光が光検出器の検出能力を超える場合、周辺光が光検出器に到達して光検出器を損傷させるのを防ぐために、シャッタを作動させる又は光検出器を一時的に停止させることによって、光検出器、例えば光検出器を周辺光から保護することができる。
【0256】
光学デバイスは、パワーメータを備えてもよい。パワーメータは、光源に光学的に結合されてもよい。パワーメータは、光源のパワーの変動を補正するために使用されてもよい。パワーメータは、光源のパワーを制御するために使用されてもよい。例えば、統合された電力計は、特定の撮像セッションに使用される電力量に応じて光源の電力を設定することを可能にすることができる。電力計は、一定期間にわたって得られた画像が同様の照明条件を有するように、一定期間にわたって一貫した照明を保証することができる。パワーメータは、照明光のパワーに関する情報を、深度プロファイルと共に記録することができるシステム処理に与えることができる。パワー情報は、本明細書の他の箇所で説明される機械学習に含めることができる。パワーメータは、例えば、フォトダイオードであってもよく、焦電型パワーメータであってもよく、熱式パワーメータであってもよい。パワーメータが複数のパワーメータであってもよい。
【0257】
装置は、被検体の上皮組織内の疾病の位置を示す境界の輪郭を描くためのマーキングツールを更に備えることができる。マーキングツールは、Genetian Violet InkなどのFDA承認の皮膚マーキングインクを備えるペン又は他の筆記具、例えばCHG/イソプロピルアルコール処理などの積極的な皮膚用の調製物と共に使用することができる調製抵抗性インク、防水パーマネントインク、又は、アルコールなどで容易に除去可能なインクとなり得る。ペンは、微細な先端、超微細な先端、又は、広い先端を有することができる。マーキングツールは、滅菌ペンとなり得る。代案として、マーキングツールが非滅菌ペンであってもよい。
【0258】
装置が携帯型装置であってもよい。携帯型装置は、バッテリによって給電されてもよい。携帯型装置は、ホイールを備えてもよい。携帯型装置は、ハウジング内に収容されてもよい。ハウジングは、約0.1ft2,0.2ft2,0.3ft2,0.4ft2,0.5ft2,1ft2以上のフットプリントを有することができる。代案として、ハウジングは、約1ft2,0.5ft2,0.4ft2,0.3ft2,0.2ft2又は0.1ft2以下のフットプリントを有することができる。携帯型装置は、光学デバイスによって検出できない波長範囲内の光を放射するフィルタリングされた光源を備えることができる。
【0259】
携帯型装置は、最大50ポンド、45ポンド、40ポンド、35ポンド、30ポンド、25ポンド、20ポンド、15ポンド、10ポンド、5ポンド又はそれ未満であってもよい。場合によっては、携帯型装置は、少なくとも5ポンド、10ポンド、15ポンド、20ポンド、25ポンド、30ポンド、35ポンド、40ポンド、45ポンド、50ポンド、55ポンド以上であってもよい。
【0260】
光学デバイスは、ユーザの手とインタフェースするように構成されたハンドヘルドハウジングを備えてもよい。並進可能な光学デバイスは、ハンドヘルド及び携帯可能なハウジングを備えることができる。これにより、外科医、医師、看護師又は他の医療従事者は、患者のベッドサイドで疾病、例えば皮膚組織の癌の位置をリアルタイムで検査することができる。携帯型装置は、約0.1ft2,0.2ft2,0.3ft2,0.4ft2,0.5ft2又は1ft2以上のフットプリントを有することができる。代案として、携帯型装置は、約1ft2,0.5ft2,0.4ft2,0.3ft2,0.2ft2又は0.1ft2以下のフットプリントを有することができる。
【0261】
プローブは、約10ミリメートル(mm)、8mm、6mm、4mm又は2mm未満の先端直径を有することができる。ハンドヘルドデバイスは、使い捨てプローブを容易に接続及び切断できるようにする機構を有してもよい。機構は、プローブとハンドヘルドデバイスとの間の正確な光学的位置合わせを可能にするための位置合わせ機能を有することができる。ハンドヘルドデバイスは、銃のようなフォームファクタを伴う耳鏡又は皮膚鏡のような形状であってもよい。ハンドヘルドデバイスは、最大で約8ポンド(lbs)、4ポンド、2ポンド、1ポンド、0.5ポンド、又は0.25ポンドの重量を有することができる。スクリーンをハンドヘルドデバイスに組み込んで、ポイントオブケア閲覧を行うことができる。スクリーンは、着脱可能であり、向きを変えることができる。ハンドヘルドデバイスは、ローリングカート又はブリーフケース型形態を含むことができる携帯型システムに取り付けることができる。携帯型デバイスはスクリーンを備えてもよい。携帯型デバイスは、ラップトップコンピューティングデバイス、タブレットコンピューティングデバイス、外部スクリーン(例えば、モニタを有するデスクトップコンピュータ)に結合されたコンピューティングデバイス又はそれらの組み合わせを備えてもよい。携帯型システムは、レーザ、電子機器、光センサ、及び、電力システムを含むことができる。レーザは、送出に最適な周波数の光を供給することができる。ハンドヘルドデバイスは、光を、送出に有用な周波数(例えば、1,560nm)から組織の撮像に有用な周波数(例えば、780nm)に変換するための第2の高調波周波数ダブラーを含むことができる。例えば、送出周波数は、少なくとも約800nm、900nm、1,000nm、1,100nm、1,200nm、1,300nm、1,400nm、1,500nm、1,600nm、1,700nm、1,800nm、1,900nm又はそれ以上であってもよく、また、撮像周波数は、少なくとも約400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm又はそれ以上であってもよい。レーザは、バッテリ電力でシステムを動作させるのに十分な低出力であってもよい。システムは、動作中に携帯型ユニットを保持するための充電ドック又はミニスタンドを更に備えることができる。単一の診療所には多くのミニスタンドがあり、部屋間で輸送可能な単一の携帯型システムがある。
【0262】
ハウジングは、イメージセンサを更に備えてもよい。或いは、イメージセンサは、ハウジングの外側に配置されてもよい。いずれの場合も、画像センサは、光学デバイスハウジングを空間内に配置するように構成されてもよい。画像センサは、光学デバイスの周囲の1つ以上の特徴を追跡することによって、空間内に光学デバイスハウジングを配置することができる。イメージセンサはビデオカメラであってもよい。1つ以上の特徴は、組織の特徴(例えば、そばかす、あざなど。)又は医師によって配置された組織上若しくは組織内のマーカーであり得る。1つ以上の特徴は、光学デバイスが使用される空間の特徴(例えば、家具、壁など。)であり得る。例えば、ハウジングは、光学デバイスが使用されている部屋の家具の動きを追跡することによってハウジングの位置を追跡するためにコンピュータアルゴリズムを使用する幾つかのカメラをその中に組み込むことができ、追跡は、組織の部分の完全な3D画像を生成するのを助けるために使用することができる。組織の画像を記録しながらハウジングの位置又は光学デバイスの位置を同時に追跡することにより、コンピュータは、ハウジングが並進するときに組織内の画像の位置を再構成することができる。このようにして、組織のより大きなモザイク領域を撮像してデジタル的に再構成することができる。そのような領域は、組織内の3Dボリューム又は2Dモザイク或いは任意の表面となり得る。イメージセンサは、近赤外の光を検出するように構成されてもよい。ハウジングは、複数の点を投影して、イメージセンサが追跡に使用するためのマップを生成するように構成されてもよい。画像センサを使用することに加えて、1つ以上の位置センサ、1つ以上の他のガイド、又は1つ以上のセンサを光学デバイス又はハウジングと共に又は光学デバイス又はハウジングによって使用して、組織特徴又は組織特性の位置に対してプローブ位置を位置決めすることができる。プロセッサは、現在又は以前に収集されたデータに対する光学デバイスの位置を識別することができる。例えば、組織の識別された特徴を使用して、プローブ位置を識別、マーキング、又は記録することができる。現在又は以前に配置されたタグ又はマーカーを使用して、組織に対するプローブ位置を識別することもできる。そのようなタグ又はマーカーは、染料、ワイヤ、蛍光トレーサ、ステッカー、刻印、切開、縫合糸、機械的基準、機械的アンカー、又は感知できる他の要素を含むことができるが、これらに限定されない。ガイドは、光プローブ位置を指示し、機械的に参照し、及び/又は追跡するために光学デバイスと共に使用することができる。光プローブ位置データは、深度プロファイルを作成するために収集される画像データに組み込むことができる。
【0263】
ハウジングは、信号の少なくともサブセットを1つ以上の検出器に導くように構成された光学素子を含むことができる。1つ以上の検出器は、1つ以上の光ファイバを介してハウジングに光学的に結合されてもよい。ハウジングは、1つ以上の検出器並びに光源を収容することができ、したがって完全にハンドヘルドの撮像システムを有する。
【0264】
図12~
図14は、支持システムに結合された光学デバイスハウジングの一例を示す。
図11A及び
図11Bは、支持システムの一例の内部を示す。携帯型コンピューティングデバイス1101が支持システムの上端に配置されてもよい。支持システムがレーザ1103を備えてもよい。支持システムは、例えば、バッテリ1104、アフォーカルレンズアクチュエータのためのコントローラ1102、MEMSミラードライバ1105、電源1106、1つ以上のトランスインピーダンスアンプ1107、光検出器ブロック1108、複数の動作電子機器1109、データ取得基板1110、他のセンサ若しくはセンサブロック、又は、それらの任意の組み合わせなどの複数のサポート電子機器を備えることができる。
【0265】
図13は、
図12の例の可搬性の一例を示す。
図14は、使用中のシステムの一例を示す。支持システムは、接続ケーブルを介して複数の光パルスをハウジングに送ることができる。複数の光パルスは、複数の信号を生成する組織と相互作用することができる。複数の信号は、接続ケーブルに沿って支持システムに戻って移動することができる。支援システムは、ポータブルコンピュータを備えてもよい。ポータブルコンピュータは、信号を処理して、本明細書に記載の深度プロファイル及び収集された信号から形成することができる画像を生成及び表示することができる。撮像のための被検体の調製は、撮像のために被検体の組織を洗浄するためのアルコールスワブの使用を含み得る。更に、一滴のグリセロール又は油などの光学液体又はゲルを被検体の組織に適用することができる。撮像は、脱毛、染色、薬剤、又は、固定化の不存在下で実施され得る。
【0266】
1つ以上のコンピュータプロセッサは、1つ以上のセンサに動作可能に結合されてもよい。1つ以上のセンサは、赤外線センサ、光学センサ、マイクロ波センサ、超音波センサ、無線周波数センサ、磁気センサ、振動センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、傾斜センサ、圧電センサ、圧力センサ、歪みセンサ、フレックスセンサ、筋電センサ、心電センサ、脳波センサ、熱センサ、静電容量式タッチセンサ、又は、抵抗式タッチセンサを備えることができる。
【0267】
本明細書の方法及び装置の幾つかの実施形態によれば、画像は、本明細書に記載の深度プロファイルとすることができ、本明細書に記載の追加のデータを含むことができる。デプスプロファイルは、画像であってもよい。画像はまた、本明細書に記載の深度プロファイルの一部であってもよく、タイル又は画像データの一部の形態であってもよい。画像は生体内で得ることができる。被検体の身体から組織を除去したり、組織をスライドに固定したりすることなく、信号を収集し、画像、深度プロファイル、タイル、又はデータセットを作成することができる。画像は、組織の表面の下に延びることができる。画像は、少なくとも約1、5、10、25、50、75,100,150,200,250,300,400,500,600,700,800,900、1,000マイクロメートル以上の解像度を有することができる。画像は、最大で約1,000、900,800,700,600,500,400,300,250,200,150,100、75、50、25、10、5、1マイクロメートル以下の解像度を有することができる。画像は、光学画像を含むことができる。
【0268】
光学デバイスを用いて得られた画像は、被検体内の組織特性を検出又は識別するために、又は被検体からの組織の画像を分類するための訓練されたアルゴリズム及び生成された訓練されたアルゴリズムのデータセットを生成するために使用することができる。訓練されたアルゴリズムは、例えば、それぞれが参照により本明細書に完全に組み込まれる、2019年11月13日に出願されたPCT/US2019/061306及び2020年11月12日に出願されたPCT/US2020/060302を参照して説明した通りであり得る。
【0269】
撮像プローブは、1つ以上の電子信号を測定するように構成されてもよい。電子信号は、電流、電圧、電荷、抵抗、キャパシタンス、導電率、インピーダンス、それらの任意の組み合わせ、又はそれらの変化であってもよく、又はそれらを示してもよい。撮像プローブは、撮像光学系を含むことができる。撮像プローブは、1つ以上の光信号を測定するように構成されてもよい。ハンドヘルド光学デバイスを含む撮像プローブの例は、本明細書の他の場所に提供される。撮像プローブによって受信された信号は、信号が受信された組織領域の画像を生成するために使用することができる。撮像プローブはハンドヘルドであってもよい。撮像プローブは、並進されてもよく、持ち上げられてもよく、又は向きが変更されてもよい。例えば、撮像プローブを被検体の皮膚上にある角度で配置し、回転させて異なる位置の組織を見ることができる。
【0270】
撮像プローブは、1つ以上のコンピュータプロセッサに動作可能に結合することができる。例えば、撮像プローブは、プロセッサを備えるコンピュータに差し込まれてもよい。別の例では、撮像プローブは、ネットワークを介して1つ以上のコンピュータプロセッサに接続されてもよい。撮像プローブはハンドヘルドであってもよい。撮像プローブは、本明細書の他の箇所に記載されているように、組織に治療を送達するように構成され得る。
【0271】
信号は、組織の単一領域内でほぼ同時に(例えば、約30秒(s)、20秒、10秒、1秒、0.5秒、0.4秒、0.3秒、0.2秒、0.1秒、0.01秒、0.005秒、0.001秒以下の期間内に生成される信号;同じパルス又はビームの光よって生成される信号など)生成されてもよい(例えば、約1、1E-1、1E-2、1E-3、1E-4、1E-5、1E-6、1E-7、1E-8、1E-9、1E-10、1E-11、1E-12、1E-13立方センチメートル以下で生成される信号)。信号は、同じパルス又はビームの光によって生成されてもよい。信号は、本明細書の他の箇所で説明するように、時間的及び位置的に同期された複数の光ビームによって生成され得る。2つ以上の信号を組み合わせて合成画像を生成することができる。信号又は信号のサブセットは、同じ又は類似の走査パターン又は走査面を使用して組織の単一領域内で生成され得る。複数の信号の各信号は、複数の信号の他の信号から独立していてもよい。ユーザは、信号のどの(1つ以上の)サブセットを使用するかを決定することができる。例えば、RCM信号とSHG信号の両方が走査で収集される場合、ユーザは、RCM信号、多光子信号、又はそれらの任意の組み合わせを使用するかどうかを決定することができる。更に、本明細書で前述したようなハウジング又は光学デバイスの位置のビデオ追跡は、生成された信号と同時に記録することができる。
【0272】
データは、データベースに記憶することができる。データベースは、コンピュータ可読フォーマットで記憶することができる。コンピュータプロセッサは、コンピュータ可読メモリに記憶されたデータにアクセスするように構成されてもよい。コンピュータシステムを使用してデータを分析し、結果を得ることができる。結果は、記憶媒体上に遠隔的又は内部的に記憶され、医薬品専門家などの職員に伝達され得る。コンピュータシステムは、結果を送信するための構成要素と動作可能に結合されてもよい。送信するための構成要素は、有線及び無線構成要素を含むことができる。有線通信構成要素の例としては、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、同軸ケーブル接続、Cat5若しくはCat6ケーブルなどのイーサネットケーブル、光ファイバケーブル、又は、電話回線を挙げることができる。無線通信構成要素の例としては、Wi-Fi受信機、3G又は4GLTEデータ信号などのモバイルデータ規格にアクセスするための構成要素、又は、Bluetooth受信機を挙げることができる。記憶媒体内のこれらのデータは全て、データウェアハウスを構築するために収集及びアーカイブすることができる。
【0273】
深度プロファイルは、単一のベース色相に由来する色を表示する単色画像を含むことができる。それに代えて又は加えて、深度プロファイルは、2つ以上の色を表示する多色画像を含むことができる。多色画像では、色成分は、時間的及び位置的に同期される信号又は信号のサブセットを使用して複数の深度プロファイルに対応することができる。そのような深度プロファイルは、例えば、本明細書の他の箇所で説明するように、光学デバイスを使用して生成することができる。そのような深度プロファイルは、収集されて処理された生成信号の複数のサブセットから形成される個々の成分、画像、又は、深度プロファイルを含むことができる。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが組織上の光プローブの異なる位置に対応する。深度プロファイルは、同じ位置及び時間から収集された画像の複数のサブセットから形成される複数の層を含むことができる。複数の層のそれぞれは、(1つ以上の)他の層の解剖学的構造及び/又は特徴とは異なる解剖学的構造及び/又は特徴を特定するデータを含むことができる。幾つかの実施形態では、複数の深度プロファイルは、信号を検出するときの異なる走査パターンに対応する。幾つかの実施形態において、異なる走査パターンは、同じ時間及びプローブ位置に対応する。幾つかの実施形態では、異なる走査パターンのうちの少なくとも1つの走査パターンが傾斜走査パターンを備える。幾つかの実施形態では、傾斜走査パターンが傾斜面を形成する。
【0274】
そのような深度プロファイルは、複数のサブセット深度プロファイルを含むことができる。このようにして、複数の色を使用して、細胞、核、細胞質、結合組織、脈管構造、色素、及び、組織層境界などの組織の異なる要素を強調することができる。コントラストをリアルタイムで調整して、構造固有のコントラストを与える及び/又は強化することができる。コントラストは、ユーザ(例えば、外科医、医師、看護師、又は他の医療専門家)によって調整することができ、又は、プログラムされたコンピュータプロセッサがリアルタイムでコントラストを自動的に最適化することができる。多色画像では、各色を使用して、第2の高調波発生信号、第3の高調波発生信号、偏光から生じる信号、及び、自己蛍光信号などの収集された信号の特定のサブセットを表すことができる。多色深度プロファイルの色は、外科医及び/又は病理学者が標準的な組織病理学を使用するときに見ることができる画像パターンを反映するようにカスタマイズすることができる。病理学者は、深度プロファイルが従来の組織学的サンプル、例えばヘマトキシリン及びエオシンで染色されたサンプルを見ることができる方法と同様に表示されるとき、深度プロファイルの結果をより容易に解釈することができる。
【0275】
光学デバイス及び1つ以上のコンピュータプロセッサは、同じデバイスを備えてもよい。デバイスはモバイルデバイスであってもよい。デバイスは、互いに動作可能に結合され得る複数のデバイスであり得る。例えば、システムは、レーザ及び検出ボックスに光学的に接続されたハンドヘルド光学デバイスとすることができ、ボックスはコンピュータを含むこともできる。
【0276】
光学デバイスは、デバイスの一部であってもよく、1つ以上のコンピュータプロセッサは、デバイスとは別個であってもよい。1つ以上のコンピュータプロセッサは、コンピュータサーバの一部であってもよい。1つ以上のプロセッサは、分散コンピュータインフラの一部であってもよい。例えば、システムは、光学デバイスからのデータを処理するリモートサーバに無線接続された光学部品の全てを含むハンドヘルド光学デバイスとすることができる。
【0277】
光フィルタリング及び撮像のための方法
本明細書では、とりわけ、被検体の組織の深度プロファイルを生成する方法が開示される。一態様では、撮像対象(例えば、被検体の組織)の深度プロファイルを生成するための方法は、光源から組織の表面に向かって励起光ビームを伝送するために光学デバイスを使用するステップであって、励起光ビームが、組織に接触すると、組織の固有の特性を示す信号を生成する、ステップと、光学デバイスにおける1つ以上の集束ユニットを使用して、走査パターンにおける励起光ビームの焦点の深さ及び位置を同時に調整するステップと、組織を励起光ビームと接触させると生成される信号の少なくともサブセットを検出するステップと、組織の深度プロファイルを生成するために検出された信号の少なくともサブセットを処理するようにプログラムされた1つ以上のコンピュータプロセッサを使用するステップとを含む。走査パターンは、複数の焦点を含むことができる。深度プロファイルを生成するための本明細書に記載の方法は、代替的に、連続的又はパルス化され、焦点に並置される2つ以上の光ビームの組み合わせを利用することができる。
【0278】
一態様では、本開示は、光をフィルタリングし、撮像するための方法を提供する。光をフィルタリングするための方法は、光フィルタリングデバイスを提供することを含むことができる。光フィルタリングデバイスは、チャンバと、第1のリフレクタと、第2のリフレクタとを含むことができる。チャンバ内の距離は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔てることができる。方法は、光ビームをチャンバ内に第1のリフレクタに導くステップと、第1のリフレクタを使用して、光ビームの少なくとも一部をチャンバ内の第1のリフレクタから第2のリフレクタに導くステップと、第2のリフレクタを使用して、光ビームの少なくとも別の部分をチャンバ内の第2のリフレクタから第1のリフレクタに導くステップとを更に含むことができる。光ビームは、第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間を繰り返し横切ることができる。光ビームが第1のリフレクタとリフレクタとの間を通過する経路長は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとを隔てる距離の少なくとも3倍であってもよい。
【0279】
別の態様では、本開示は、光をフィルタリングし、撮像するための方法を提供する。撮像対象を撮像するための方法は、チャンバ及び撮像対象を含む光フィルタリングデバイスと光学的に連通するプローブを提供するステップを含むことができる。方法は、撮像対象に光ビームを提供し、撮像対象から光ビームを収集するためにプローブを使用するステップと、撮像対象からの光ビームを光フィルタリングデバイスのチャンバに導くステップと、光ビームが第1の位置と第2の位置との間を通過する経路長が第1の位置と第2の位置とを隔てる距離の少なくとも3倍であるように、光フィルタリングデバイスのチャンバ内の第1の位置から第2の位置に直接的又は間接的に光ビームを繰り返し導くステップと、撮像対象の生成及び撮像のために光ビームを処理するステップとを更に含むことができる。
【0280】
本明細書に開示される方法及びシステムは、サンプルを撮像する光学系の分解能を向上させるために(例えば、生体内生物学的組織)、撮像ビーム焦点を光軸に対して傾斜又は傾斜した方向にサンプルを通して移動させる走査パターンを利用することによって組織のサンプルの深度プロファイルを形成するために使用され得る。スキャナは、組織の深度プロファイルを形成するために、光軸に対して傾斜した1つ以上の線及び/又は1つ以上の平面内で焦点を移動させることができる。深度プロファイルは、組織の想定し得る疾病状態を特定するために使用することができる組織の断面の一般的又はほぼ代表的な投影垂直断面画像を提供することができる。本方法及びシステムは、深度プロファイル画像成分(例えば焦点の走査パターン)から形成された無傷の生体組織の生体内サンプルの投影垂直断面画像を提供することができる。また、本明細書に開示される方法及びシステムは、組織切片として見られるが、異なるX-Y位置を表すことができる組織断面の画像を生成することができる。
【0281】
幾つかの実施形態によれば、本明細書に開示される方法及びシステムは、1つ以上の傾斜面内の焦点の走査パターンによって形成された1つ以上の傾斜面(又は1つ以上の傾斜焦点面)を利用することができる。集束スポットのX、Y、及びZ位置を同時に制御することができるシステムは、組織内の軌跡を通って焦点を移動させることができる。軌跡は、予め決定されてもよく、修正可能であってもよく、又は、任意であってもよい。垂直Z軸(例えば、光軸)に対してある角度で走査すると、解像度が大幅に向上する可能性がある。この効果は、例えば、傾斜面と点像分布関数(PSF)との交点がXZ平面又はYZ平面におけるPSF投影よりもはるかに小さいために生じ得る。したがって、傾斜線に沿って、又は傾斜面内で移動した集束ビームの有効PSFは、傾斜角が増加するにつれて小さくなり、90°の角度で横方向PSF分解能に近づくことができる(この時点で、走査方向線又は走査平面は、XY(横方向)平面内にあり得る)。本明細書に記載されるような傾斜走査又は撮像は、任意のタイプの戻り信号とともに使用され得る。戻り信号の非限定的な例は、本明細書の他の箇所に記載されている生成信号を含むことができる。
【0282】
走査軌道の一部が焦点をZ方向に移動させることを確実にするために、組織を通る深度プロファイルを光軸に対してある角度(例えば、0°超90°未満)で走査することができる。幾つかの例では、適度な傾斜角は、分解能の実質的な改善をもたらし得る。有効PSFサイズは、Z軸に対する適度な角度についてPSF
lateral/sin(θ)として近似することができ、θはz軸と撮像軸との間の角度である。更なる詳細は、
図3に見出すことができる。したがって、45°の走査角では、傾斜面の深さ軸に沿った分解能は、横方向の分解能よりも1.414倍大きい。サブミクロン横方向分解能では、走査角に応じて、ほぼミクロン又はサブミクロンの傾斜分解能が達成され得る。このプロセスは、はるかに高い開口数(NA)の光学系で達成可能な断面分解能をもたらすことができる。より控えめなNAで動作することによって、光学素子は、軸外収差に対してロバスト性がより高くなり得るとともに、より大きな視野及び/又はより大きな深度を走査することができる。更に、より控えめなNAで動作することにより、高分解能を維持しながら撮像デバイスのフットプリントを小さくすることができる。
【0283】
投影された断面画像が構築されると、傾斜走査から生じる生成された信号から導出された深度プロファイル情報は、XZ又はYZ平面に投影されて画像平面を形成することができる。この状況では、組織の表面に対する構造の深さに歪みがない場合がある。この投影された断面画像は、幾つかの代表的な実施形態では、垂直に対して1つ以上の角度で光学的にスライスされた平面に対応するデータを含むことができる。投影された断面画像は、撮像された構造又は組織の深度を依然として表しながら、大幅に改善された分解能を有することができる。
【0284】
深度プロファイルは、1つ以上の傾斜した方向を含む走査パターンで焦点を走査することによって生成することができる。走査は、単一の平面内にあってもなくてもよい。走査は、1つ以上の傾斜面内であってもよい。走査は、螺旋などの複雑な形状であってもよく、所定の、可変の、又は、ランダムな点の配列であってもよい。走査パターン、走査面、傾斜面、及び/又は、焦点面は、処理された生成信号から形成することができる視覚的又は画像的断面とは異なる平面であってもよい。画像断面は、撮像焦点を垂直平面、傾斜面、非平面パターン、形状(例えば、螺旋、波などである)、又は、焦点のランダム若しくは擬似ランダムな組み合わせにわたって移動させることから生じる処理された生成信号から形成することができる。
【0285】
深度プロファイルはリアルタイムで生成することができる。例えば、深度プロファイルは、光学デバイスが光源から組織の表面に向かって1つ以上の励起光ビームを透過する間に生成されてもよい。深度プロファイルは、少なくとも1フレーム/秒(FPS)、2FPS、3FPS、4FPS、5FPS、10FPS、又はそれ以上のフレームレートで生成することができる。場合によっては、深度プロファイルは、最大で10FPS、5FPS、4FPS、3FPS、2FPS以下のフレームレートで生成されてもよい。フレームレートは、撮像デバイスがフレームと呼ばれる連続画像を表示するレートを指すことができる。深度プロファイルの画像フレームは、組織の断面画像を提供することができる。
【0286】
画像フレーム又は画像の領域は、任意の適切な寸法を有する四辺形であってもよい。画像フレームは、場合によっては等しい辺(例えば、正方形)を有する長方形であってもよく、例えば、組織の200μm×200μmの断面を描写する。画像フレームは、少なくとも約50μm×50μm、100μm×100μm、150μm×150μm、200μm×200μm、250μm×250μm、300μm×300μm、又は、それを超える寸法を有する組織の断面を描写することができる。場合によっては、画像フレームは、約300μm×300μm、250μm×250μm、200μm×200μm、150μm×150μm、100μm×100μm、50μm×50μm以下の寸法を有する組織の断面を描写することができる。画像フレームは、等しい辺を有していなくてもよい。
【0287】
画像フレームは、光軸に対して任意の角度であってもよい。例えば、画像フレームは、光軸に対して約0°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、60°、70°、80°、90°、又は、それ以上の角度であってもよい。画像フレームは、光軸に対して約90°、85°、80°、75°、70°、65°、60°、50°、40°、30°、20°、10°、5°以下の角度であってもよい。場合によっては、角度は、上記又は本明細書の他の箇所に記載されている値のいずれか2つの間、例えば0°~50°の間である。
【0288】
画像フレームは、任意の設計、形状、又は、サイズであってもよい。形状又は形態の例としては、数学的形状(例えば、円形、三角形、正方形、長方形、五角形、又は、六角形)、二次元幾何学的形状、多次元幾何学的形状、曲線、多角形、多面体、多面体、最小表面、線織面、配向不可能な表面、四角形、擬似球面、代数的表面、種々の表面、Riemann表面、箱型描画文字、Cuisenaireロッド、幾何学的形状、通し名を有する形状、記号、ユニコード幾何学的形状、他の幾何学的形状、又は、それらの部分的形状若しくは形状の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。画像フレームは、本明細書の他の箇所で説明するように、投影画像断面画像であってもよい。
【0289】
励起光ビームは、超短パルスの光であってもよい。超短パルス光は、超短パルスレーザ(本明細書では「超高速パルスレーザ」とも呼ばれる)から放射することができる。超短パルスの光は、高いピーク強度を有し、様々な材料において非線形相互作用をもたらす可能性がある。超短パルス光は、フェムト秒又はピコ秒程度の半値全幅(FWHM)を有する光を指し得る。幾つかの例において、超短パルス光は、少なくとも約1フェムト秒、10フェムト秒、100フェムト秒、1ピコ秒、100ピコ秒、又は、1000ピコ秒以上のFWHMを有する。幾つかの例において、超短光パルスは、最大で約1000ピコ秒、100ピコ秒、1ピコ秒、100フェムト秒、10フェムト秒、1フェムト秒又はそれ未満のFWHMであり得る。超短パルス光は、パルス持続時間、パルス繰返し率、及び平均出力を含む幾つかのパラメータによって特徴付けることができる。パルス持続時間は、光パワー対時間のFWHMを指すことができる。パルス繰返し率は、パルスの周波数又は1秒当たりのパルス数を指すことができる。
【0290】
超短パルスレーザ技術の非限定的な例には、チタン(Ti):サファイアレーザ、モードロックダイオードポンプレーザ、モードロックファイバレーザ、及びモードロック色素レーザが含まれる。Ti:サファイアレーザは、レーザ発振媒体(例えば、レーザ内の光学ゲイン源である活性レーザ媒体)としてチタンイオンがドープされたサファイア(Al2O3)の結晶を用いた波長可変レーザであってもよい。レーザ、例えば、ダイオード励起レーザ、ファイバレーザ、及び色素レーザは、超短パルスを得るために、アクティブモードロック又はパッシブモードロックによってモードロックすることができる。ダイオード励起レーザは、ゲイン媒体がレーザ結晶又はバルクガラス片(例えば、イッテルビウム結晶、イッテルビウムガラス、クロムドープレーザ結晶)を備える固体レーザであってもよい。パルス持続時間は、Ti:サファイアレーザで可能な限り短くすることはできないが、ダイオード励起超高速レーザは、パルス持続時間、パルス繰返し率、及び平均出力に関して広いパラメータ領域をカバーすることができる。エルビウム、イッテルビウム、ネオジム、ジスプロシウム、プラセオジム、ツリウム、又は、それらの組み合わせなどの希土類元素がドープされたガラスファイバに基づくファイバレーザも使用することができる。場合によっては、レーザ発振媒体として、場合によっては液体溶液として、ローダミン、フルオレセイン、クマリン、スチルベン、ウンベリフェロン、テトラセン、マラカイトグリーンなどの有機色素を含む色素レーザを使用することができる。
【0291】
超短パルス光を供給する光源は、波長調整可能な超短パルスTi:サファイアレーザとすることができる。Ti:サファイアレーザは、モードロック発振器、チャープパルス増幅器、又は、波長可変連続波レーザとすることができる。モードロック発振器は、約数ピコ秒~約10フェムト秒、場合によっては約5フェムト秒の持続時間を有する超短パルスを生成することができる。パルス繰り返し周波数は、約70-90メガヘルツ(MHz)とすることができる。「チャープパルス」という用語は、一般に、パルスがレーザ内の構成要素を損傷するのを防止することができる特別な構造を指す。「チャープパルス」レーザでは、エネルギーが全て同じ時点に及び空間内に位置されないように、パルスを時間的に引き伸ばすことができ、増幅器の光学系の損傷を防止する。次いで、パルスを光学的に増幅し、時間的に再圧縮して、短い局所パルスを形成することができる。
【0292】
光の超短パルスは、ゲインスイッチングによって生成することができる。ゲインスイッチングにおいて、レーザゲイン媒体は、例えば別のレーザでポンピングされる。ゲインスイッチングは、ガスレーザ(例えば、横方向励起大気(TEA)二酸化炭素レーザ)を含む様々なタイプのレーザに適用することができる。場合によっては、レーザ共振器設定を変更することなくゲインスイッチングを電子ドライバで制御することができるため、パルス繰返し率を調整することは、モードロックレーザよりもゲインスイッチングレーザでより容易に達成することができる。場合によっては、ゲインスイッチングレーザを光学的にポンピングするためにパルスレーザを使用することができる。例えば、窒素紫外線レーザ又はエキシマレーザは、色素レーザのパルス励起に使用することができる。場合によっては、Qスイッチングを使用して超高速パルス光を生成することができる。
【0293】
組織内の疾患を判定するために生成又は収集することができる信号の種類は、反射率共焦点顕微鏡法(RCM)信号であり得る。RCMは、光学デバイスからの光ビームが撮像対象に向けられるとき、組織などの撮像対象から反射される光を使用することができる。RCM信号は、サンプルに向けられる光のごく一部であり得る。RCM信号は、例えば、
図1A~
図7を参照して本明細書で説明したように、焦点が外れた光を排除するか、又はコリメートビームから焦点光を収集することによって収集することができる。撮像対象と光ビームとの相互作用は、RCM信号の偏光を変更してもしなくてもよい。サンプルの異なる成分は、RCM信号の分極を異なる程度に変化させることができる。RCM信号の光路における偏光選択的光学素子の使用は、ユーザがサンプルの所定の成分からRCM信号を選択することを可能にし得る。システムは、異なる解剖学的特徴又は特性に対応するRCM信号を選択、分割、又は、増幅して、更なる組織データを提供することができる。例えば、システムによって検出された偏光の変化に基づいて、システムは、偏光選択的光学素子を使用して、メラニンに関連するRCM信号を選択又は増幅することによって、メラニン沈着物に対応するRCM信号成分を選択又は増幅することができる。コラーゲン、ケラチン、エラスチンを含むがこれらに限定されない他の組織成分は、偏光選択的光学素子を使用して特定することができる。検出され得る生成された信号の非限定的な例は、本明細書の他の箇所に記載されている。
【0294】
組織及び組織内の細胞構造は、波長依存的に励起光ビームと相互作用し、組織の固有の特性に関連する信号を生成することができる。生成された信号は、皮膚組織などの組織又は被検体(例えば、被検体の健康)の健康、機能、治療又は外観に関する被検体の組織の正常状態、異常状態、がん状態、又は他の特徴を評価するために使用することができる。生成及び収集された信号のサブセットは、第2の高調波発生(SHG)信号、第3の高調波発生(THG)信号、偏光信号、及び、自己蛍光信号のうちの少なくとも1つを含むことができる。傾斜面撮像技術は、本明細書の他の箇所に記載されているように、生成された任意の信号と共に使用することができる。
【0295】
非線形多光子励起に基づく高次高調波発生顕微鏡法(HHGM)(例えば、第2の高調波発生及び第3の高調波発生)を使用して、生組織及び固定組織の細胞構造を検査することができる。SHGは、一般に、ほぼ同じ周波数を有する光子が非線形材料と相互作用し、効果的に「結合」して、初期光子の約2倍のエネルギー、したがって約2倍の周波数及び約半分(1/2)の波長を有する新しい光子を生成する非線形光学プロセスを指すことができる。同様に、THGは、一般に、ほぼ同じ周波数を有する光子が非線形材料と相互作用し、効果的に「結合」して、初期光子の約3倍のエネルギー、したがって約3倍の周波数及び約1/3(1/3)の波長を有する新しい光子を生成する非線形光学プロセスを指すことができる。コラーゲン、微小管、及び、筋肉ミオシンなどであるがこれらに限定されない規則正しい内因性分子の第2の高調波発生(SHG)及び第3の高調波発生(THG)は、外因性標識を使用せずに得ることができ、原線維コラーゲン、ミオシン、微小管、並びに、膜電位及び細胞脱分極などの他の細胞情報を含む分子の詳細でリアルタイムの光学的再構成をもたらす。組織内のタンパク質及び分子、例えばI型コラーゲン及びII型コラーゲン、ミオシン、並びに、微小管の秩序化及び組織化は、光と相互作用すると、組織の癌状態を評価するために使用することができる信号を生成することができる。SHG信号を使用して、癌、線維症、及び、結合組織障害を含む疾病で起こり得るコラーゲン原線維/線維構造の変化などの変化を検出することができる。様々な生物学的構造がSHG信号を生成し得る。場合によっては、生体系の機能の仕方を変えることができる外因性プローブ及び造影剤による分子の標識化を使用しなくてもよい。ある場合には、被検体の上皮組織における疾病を特定するための本明細書の方法は、造影剤を被検体に投与することなく実施され得る。
【0296】
組織内の疾病を判定するために生成及び収集され得る別の種類の信号は、自己蛍光であり得る。自己蛍光は、一般に、タンパク質、小分子、及び/又は、生物学的構造などの特定の生物学的分子によって自然に放射される光を指すことができる。組織及び細胞は、様々な自己蛍光タンパク質及び化合物を含むことができる。明確な波長は、細胞及び組織に天然に存在する内因性分子、タンパク質、水、及び、脂肪などの発色団によって吸収され得る。組織中に見出すことができる自己蛍光フルオロフォアの非限定的な例としては、UV範囲で発光することができるトリプトファン、チロシン、及び、フェニルアラニンなどの芳香族アミノ酸、並びに、レチノール、リボフラビン、ナイアシン由来のNAD(P)Hのニコチンアミド環、並びに、ピリドキシン(ビタミンB6)に基づくエラスチン及び幾つかのコラーゲン中に見出されるピリドラミン架橋を含む、約400nm~650nmの範囲の波長で発光することができるビタミン誘導体を含むポリペプチド及びタンパク質が挙げられる。
【0297】
自己蛍光信号は、複数の自己蛍光信号を含み得る。1つ以上のフィルタを使用して、複数の自己蛍光信号を1つ以上の自己蛍光チャネルに分離することができる。例えば、組織の異なる部分は異なる波長で蛍光を発することができ、波長選択性フィルタを使用して各蛍光波長を異なる検出器に向けることができる。1つ以上のモノクロメータ又は回折格子を使用して、複数の自己蛍光信号を1つ以上のチャネルに分離することができる。
【0298】
超高速パルスレーザは、最大500フェムト秒、450フェムト秒、400フェムト秒、350フェムト秒、300フェムト秒、250フェムト秒、200フェムト秒、150フェムト秒、100フェムト秒、又は、それより短いパルス持続時間を有する光のパルスを生成することができる。場合によっては、パルス持続時間は約150フェムト秒である。場合によっては、超高速パルスレーザは、少なくとも100フェムト秒、150フェムト秒、200フェムト秒、250フェムト秒、300フェムト秒、350フェムト秒、400フェムト秒、450フェムト秒、500フェムト秒、又は、それより短いパルス持続時間を有する光のパルスを生成することができる。超高速パルスレーザのパルス繰り返し周波数は、少なくとも10MHz、20MHz、30MHz、40MHz、50MHz、60MHz、70MHz、80MHz、90MHz、100MHz、又はそれ以上とすることができる。場合によっては、超高速パルスレーザのパルス繰り返し周波数は、最大で100MHz、90MHz、80MHz、70MHz、60MHz、50MHz、40MHz、30MHz、20MHz、10MHz、又は、それ以下とすることができる。場合によっては、パルス繰り返し周波数は約80MHzである。
【0299】
収集された信号は、プログラムされたコンピュータプロセッサによって処理されて深度プロファイルを生成することができる。信号は、プログラムされたコンピュータプロセッサに無線で送信することができる。代案として、信号は、有線接続を介してプログラムされたコンピュータプロセッサに送信されてもよい。組織の固有の特性に関する信号又は信号のサブセットは、プログラムされたコンピュータプロセッサの助けを借りて深度プロファイルを生成するために使用することができる。収集された信号及び/又は生成された深度プロファイルは、電子的に記憶することができる。場合によっては、信号及び/又は深度プロファイルは、外科医、医師、看護師、又は、他の医療専門家などのユーザによって削除されるまで記憶される。診断及び/又は治療に使用される場合、深度プロファイルはリアルタイムでユーザに提供され得る。リアルタイムで提供される深度プロファイルは、疾病、例えば皮膚癌の境界を特定するための術前画像として使用することができる。深度プロファイルは、表皮、真皮、及び/又は、皮下組織を含む皮膚組織などの組織の様々な層の視覚化をもたらすことができる。深度プロファイルは、少なくとも角質層、透明帯、顆粒層、有棘層若しくは扁平細胞層、及び/又は、基底細胞層の下で延びることができる。場合によっては、深度プロファイルは、組織の表面よりも少なくとも250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm又はそれ以上下方に及んでもよい。場合によっては、深度プロファイルは、組織の表面よりも最大で750μm、700μm、650μm、600μm、550μm、500μm、450μm、400μm、350μm、300μm、250μm又はそれ以上下方に及んでもよい。場合によっては、深度プロファイルは、組織の表面よりも約100μm~1mm、約200μm~900μm、約300μm~800μm、約400μm~700μm、又は、約500μm~600μm下方に及ぶ。
【0300】
方法は、1つ以上のコンピュータプロセッサを使用して深度プロファイルを処理して組織内の疾病を特定することを更に含むことができる。組織における疾病の特定は、1つ以上の特徴を含み得る。1つ以上の特徴は、以下、すなわち、診断精度の可能性、被検体における疾病の存在の可能性、被検体が疾病を発症する可能性、特定の治療の成功の可能性、又は、それらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を示す1つ以上の定量的値を提供し得る。また、1つ以上のコンピュータプロセッサは、疾病を発症するリスク又は可能性を予測し、疾病の診断又は存在を確認し、疾病の進行を監視し、被検体における疾病の治療の有効性を監視するように構成されてもよい。
【0301】
方法は、被検体の組織を光学デバイスと接触させることを更に含み得る。接触は、直接的又は間接的な接触であってもよい。接触が直接接触である場合、接触を実行することは、介在層なしで光学デバイスを対象の組織の隣に配置することを含むことができる。接触が間接的な接触である場合、接触を実行することは、1つ以上の介在層を有する被検体の組織の隣に光学デバイスを配置することを含むことができる。1つ以上の介在層は、衣服、医療用ガーゼ、及び、包帯を含むことができるが、これらに限定されない。上皮組織の表面と光学デバイスとの間の接触が中断されたとき、検出器(例えば、光の経路に対して)の前に配置されたシャッタが作動し、入射光を遮断することができるように、接触を監視することができる。
【0302】
幾つかの代表的な実施形態によれば、走査パターンは傾斜面に追従することができる。傾斜面は、光学デバイスの光軸に対して傾斜した方向に沿って配置されてもよい。傾斜面と光軸との間の角度は、最大で45°であってもよい。傾斜面と光軸との間の角度は、約5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°以上であってもよい。他の場合には、傾斜面と光軸との間の角度は、約85°、80°、75°、70°、65°、60°、55°、50°、45°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、5°以下であってもよい。場合によっては、傾斜面と光軸との間の角度は、前述の2つの値のいずれかの間、例えば約5°~50°であってもよい。
【0303】
様々な代表的な実施形態によれば、走査経路又はパターンは、向上、改善、又は、最適化された画像分解能を得るように設計される1つ以上のパターンに従うことができる。走査経路又はパターンは、例えば、1つ以上の垂直面、1つ以上の傾斜面、1つ以上の螺旋焦点経路、1つ以上のジグザグ又は正弦波焦点経路、又は、それらの任意の組み合わせを含むことができる。走査経路又はパターンは、傾斜した方向に移動しながら、走査焦点を光学素子の中心付近に維持するように構成されてもよい。走査経路又はパターンは、走査焦点を光軸の中心付近に維持するように構成されてもよい(例えば、焦点軸)。
【0304】
複数の焦点の走査パターンは、アルゴリズムによって選択されてもよい。例えば、(光軸に対して)1つ以上の走査角で移動する焦点を使用して、一連の画像を取得することができる。走査パターンは、垂直走査及び/又は傾斜走査を含むことができる。取得された画像の品質に応じて、アルゴリズムによって選択された異なる走査角度又はそれらの組み合わせを使用して、1つ以上の追加の画像を取得することができる。一例として、垂直走査又はより小さい角度の傾斜走査を使用して取得された画像が低品質である場合、コンピュータアルゴリズムは、走査方向の組み合わせを使用して、又はより大きい走査角度を使用して画像を取得するようにシステムに指示することができる。走査パターンの組み合わせが改善された画質をもたらす場合、撮像セッションはその走査パターンの組み合わせを使用し続けることができる。この方法は、被検体から組織を除去することなく実施され得る。該方法は、造影剤を被検体に投与することなく実施され得る。
【0305】
励起光ビームは、無偏光を含んでもよい。他の実施形態では、励起光ビームが偏光を含んでもよい。励起光ビームの波長は、少なくとも約400ナノメートル(nm)、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm又はそれより長くすることができる。場合によっては、励起光ビームの波長は、最大で約950ナノメートル(nm)、900nm、850nm、800nm、750nm、700nm、650nm、600nm、550nm、500nm、450nm、400nm以下とすることができる。光のパルスの波長は、約700nm~900nm、約725nm~875nm、約750nm~850nm、又は、約775nm~825nmであってもよい。
【0306】
複数の波長を使用することもできる。複数の波長の光が使用される場合、波長は、少なくとも約400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm以上を中心とし、少なくとも約10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、75nm、100nm、125nm、150nm、175nm、200nm、225nm、250nm、275nm、300nm以上の帯域幅を伴うことができる。例えば、波長は、約50nm(例えば、約((780-(50/2))=755nm)~約((780+(50/2))=805nm))の帯域幅で約780nmを中心とすることができる。場合によっては、波長は、最大で約950ナノメートル(nm)、900nm、850nm、800nm、750nm、700nm、650nm、600nm、550nm、500nm、450nm、400nm又はそれより短いものを中心とし、少なくとも約10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、75nm、100nm、125nm、150nm、175nm、200nm、225nm、250nm、275nm、300nm又はそれより長い帯域幅を伴うことができる。
【0307】
信号のサブセットは、第2の高調波発生(SHG)信号、第3の高調波発生(THG)信号、反射率共焦点顕微鏡(RCM)信号、及び、自己蛍光信号から成るグループから選択される信号の少なくとも1つを含むことができる。SHG、THG、RCM及び自己蛍光は、本明細書の他の箇所に開示されている。信号のサブセットは、本明細書で規定される1つ以上の生成された信号を含むことができる。
【0308】
収集は、周辺光の存在下で行なわれてもよい。周辺光は、外科的処置が行われる診察室又は手術領域内で、白熱電球又はランプ、ハロゲンランプ、ガス放電ランプ、蛍光ランプ、発光ダイオード(LED)ランプ、及び、カーボンアークランプを含む様々な種類の電気照明源によってもたらされるような通常の室内照明を指すことができる。
【0309】
傾斜走査、走査経路、又は、走査パターンに沿って励起光ビームの深度及び焦点の位置を同時に調整することにより、深度プロファイルの最大分解能深度を増大させることができる。増大後の最大分解能深度は、元の最大分解能深度の少なくとも約1.1倍、1.2倍、1.5倍、1.6倍、1.8倍、1.9倍、2倍、2.1倍、2.2倍、2.3倍、2.4倍、2.5倍、2.6倍、2.7倍、2.8倍、2.9倍、3倍以上であってもよい。他の実施形態において、増大後の最大分解能深度は、元の最大分解能深度の最大約3倍、2.9倍、2.8倍、2.7倍、2.6倍、2.5倍、2.4倍、2.3倍、2.2倍、2.1倍、2.0倍、1.9倍、1.8倍、1.7倍、1.6倍、1.5倍、1、4倍、又はそれ以下であり得る。この増大は、焦点の深度及び位置が同時に調整され得ない場合に対するものであり得る。
【0310】
組織の固有の特性を示す信号は、光検出器によって検出することができる。光検出器センサの電力及びゲインは、画質を向上させるために変調されてもよい。励起光ビームは、光検出器による感知と同期させることができる。
【0311】
RCM信号は、ビームスプリッタと光学的に連通する一連の光学部品によって検出することができる。ビームスプリッタは、偏光ビームスプリッタ、固定比率ビームスプリッタ、反射ビームスプリッタ、又はダイクロイックビームスプリッタであってもよい。ビームスプリッタは、入射光の約1%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、33%、50%、66%、75%、80%、90%、99%以上を透過することができる。ビームスプリッタは、入射光の約99%、90%、80%、75%、66%、50%、33%、25%、20%、15%、10%、5%、3%、1%以下を透過することができる。一連の光学部品は、1つ以上のミラーを備えてもよい。一連の光学部品は、1つ以上のレンズを備えてもよい。光ファイバは、シングルモード、マルチモード、又は、光ファイバの束であってもよい。
【0312】
方法は、被検体の組織を貫通することなく実施され得る。被検体の組織中の疾病を特定するための本明細書に開示される方法は、疾病の治療中及び/又は治療のために、例えば皮膚癌を治療するためのモース術中に使用することができる。場合によっては、被検体の上皮組織から上皮組織を除去することなく、被検体の上皮組織における疾病、例えば皮膚癌を特定することができる。これは、被検体に対する疼痛及び不快感を有利に防止することができ、疾病の検出及び/又は特定を促進することができる。疾病の位置は、非侵襲的な方法で検出することができ、これにより、ヘルスケア専門家(例えば、外科医、医師、看護師、又は、他の開業医)などのユーザは、手術前に疾病領域の位置及び/又は境界を決定することができる。被検体の上皮組織における疾病の特定は、場合によっては、例えば針によって、被検体の上皮組織を貫通することなく行うことができる。
【0313】
疾病又は状態は、癌を含み得る。場合によっては、癌は、甲状腺癌、副腎皮質癌、肛門癌、非形成性貧血、胆管癌、膀胱癌、骨癌、骨転移、中枢神経系(CNS)癌、末梢神経系(PNS)癌を、乳癌、キャッスルマン病、子宮頸癌、小児非ホジキンリンパ腫、リンパ腫、結腸及び直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイングの腫瘍ファミリー(例えば、ユーイング肉腫)、眼癌、胆嚢癌、胃腸癌、胃腸間質性腫瘍、妊娠栄養芽細胞性疾病、毛細胞白血病、ホジキン病、カポシ肉腫、腎臓癌、喉頭及び下咽頭癌、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、小児白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、肝臓肺癌腫瘍、非ホジキンリンパ腫、男性乳癌、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、鼻腔及び傍鼻癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔及び口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫(成人軟組織癌)、黒色腫皮膚癌、非黒色腫皮膚癌、胃癌、精巣癌、胸腺癌、子宮癌(例えば、子宮肉腫)、膣癌、外陰癌、又はウォルデンストロームのマクログロブリン血症を含んでもよい。疾病は上皮癌であってもよい。上皮癌は、皮膚癌であってもよい。
【0314】
方法は、組織の疾病を分類するために1つ以上のコンピュータプロセッサを使用して深度プロファイルを処理することを更に含むことができる。分類は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.9%又はそれ以上の精度、選択性、及び/又は、特異性で組織が疾病を有すると特定し得る。分類は、最大で約99.9%、99%、98%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、又はそれ以下の精度、選択性、及び/又は、特異性で組織が疾病を有すると特定することができる。1つ以上のコンピュータプロセッサは、1つ以上のコンピュータプログラムを使用して疾病を分類することができる。1つ以上のコンピュータプログラムは、1つ以上の機械学習技術を含むことができる。1つ以上の機械学習技術は、1つ以上のプロセッサ以外のシステムでトレーニングされてもよい。
【0315】
深度プロファイルは、少なくとも約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、75,100,150,200ミクロン又はそれ以上の分解能を有することができる。深度プロファイルは、最大で約200,150,100、75、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5ミクロン又はそれ未満の分解能を有することができる。例えば、深度プロファイルは、1ミクロンの細胞間空間を分解することが可能であり得る。
【0316】
幾つかの実施形態では、データは、照度に関して正規化される。
【0317】
方法は、励起光ビームのパワーを測定することを更に含んでもよい。パワーメータが、励起光ビームのパワーを測定するために使用されてもよい。パワーメータは、励起光ビームのパワーをリアルタイムで測定してもよい。1つ以上のコンピュータプロセッサは、励起光ビームの測定されたパワーの信号を正規化することができる。正規化信号は、平均電力、瞬時電力(例えば、信号と同時に読み取られる電力)、又は、それらの組み合わせに関して正規化されてもよい。1つ以上のコンピュータプロセッサは、正規化された深度プロファイルを生成することができる。正規化された深度プロファイルは、異なる時間に生成された深度プロファイルにわたって比較することができる。深度プロファイルはまた、画像が取得されたときの照明パワーに関する情報を含むことができる。パワーメータが、本明細書では電力センサ又は電力モニタと呼ばれることもある。
【0318】
方法は、複数の信号の同期収集を可能にすることができる。方法は、単一の励起事象によって生成された複数の信号の収集を可能にすることができる。深度プロファイルは、本明細書の他の箇所で説明するように、同じ励起事象から生成される信号を使用して生成することができる。ユーザは、深度プロファイルを生成するためにどの信号を使用するかを決定することができる。
【0319】
方法は、情報の2つ以上の層を生成することができる。2つ以上の情報層は、単一プローブシステムの同じ光パルスから生成されたデータから生成された情報であってもよい。2つ以上の層は、同じ深度プロファイルからのものであってもよい。また、2つ以上の層のそれぞれは、投影断面画像を形成又は表示することができる別個の深度プロファイルを形成することができる。例えば、各別個の層、又は各別個の深度プロファイルは、特定の撮像方法に対応する特定の処理された1つ以上の信号に対応することができる。例えば、皮膚組織から共焦点顕微鏡信号を取得することによって深度プロファイルを生成することができ、メラニンからの2光子蛍光信号及びコラーゲンからのSHG信号を使用して別の深度プロファイルを生成することができ、3つ以上の深度プロファイルを複数の情報層として重ね合わせることができる。信号の各グループは、個々の深度プロファイル及び投影断面画像を形成するために別々にフィルタリング、処理、及び、使用することができ、投影断面画像を生成するために使用することができるデータと単一の深度プロファイルへと組み合わせることができ、信号の各グループからのデータを組み合わせることができ、その組み合わせを使用して単一の深度プロファイル又はそれらの任意の組み合わせを生成することができる。組織の1つ以上の特定の特徴に対応する信号の各グループには、1つ以上の特徴の個々の断面画像又は各信号グループからのデータを含む合成断面画像を表示するために使用される色を割り当てることができる。断面画像又は個々の深度プロファイルを重ね合わせて、合成画像又は深度プロファイルを生成することができる。したがって、多色、多層、深度プロファイル又は画像を生成することができる。
【0320】
画像の例
図10A~
図10Dは、皮膚の深度プロファイルから形成された画像の例を示す。
図10Aは、2光子自己蛍光に起因する生成信号に由来するデプスプロファイルから表示される画像を示す。自己蛍光シグナルは、約780nmの励起シグナルから生成し、光学デバイスの先端のプローブからライトガイドに収集した。自家蛍光信号は、適宜選択した光学フィルタを用いて約415~650nmの範囲で検出された。表皮1003は、皮膚の表面において角質層1001と共に見ることができる。他の特徴と共に、表皮1003と真皮1005層との境界にあるエラスチン1002並びに表皮1003の上皮細胞1008(ケラチノサイト)を見ることができる。
図10Bは、
図10Aの深度プロファイル又は層と時間及び位置が同期した深度プロファイル又は層から表示された画像を示す。
図10Bのデプスプロファイルから表示される画像は、適切に選択された光学フィルタで検出された約390nmの二次高調波発生信号から導出される。第2の高調波発生信号は、約780nmの励起信号から生成され、光学デバイスの先端のプローブからライトガイドに収集された。真皮層1005のコラーゲン1004並びに他の特徴を見ることができる。
図10Cは、
図10A及び
図10Bの深度プロファイル又は層と時間及び位置が同期された深度プロファイル又は層から表示された画像を示す。
図10Cの深度プロファイルから表示される画像は、反射されてRCM検出器に戻る反射共焦点信号から導出される。約780nmの反射信号は、その原点経路を通って戻り、検出及び処理のために反射信号を光ファイバに集束させて位置合わせする位置合わせ配列に合わせて分割された。メラノサイト1007及びコラーゲン1006並びに他の特徴を見ることができる。
図10A、
図10B及び
図10Cの画像は、励起光パルスから得られ、複数の層を有する単一の複合深度プロファイルから導出することができ、又は別個の深度プロファイルから単一の層として導出することができる。
図10Dは、
図10A-
図10Cの重ね合わせ画像を示す。
図10A及び
図10Bの特徴から識別することができる境界は、
図10Dで特定されたメラノサイトの位置を特定するのに役立ち得る。診断情報は、
図10Dの個々の画像及び/又は合成若しくは重ね合わせ画像に含めることができる。例えば、様々な組織層中のメラノサイト又はケラチノサイトの位置及び形状に基づいて幾つかの疑わしい病変を特定できると考えられる。
図10A~
図10Dの深度プロファイルは、説明したような機械学習アルゴリズムで使用するためのデータの例であり得る。例えば、3つの層全てを個々の層として機械学習分類器に入力することができ、合成画像を別の入力として使用することもできる。
【0321】
上皮癌を検出するための光学技術
本開示は、上皮疾病及び皮膚病変を診断するために使用され得る光学技術を提供する。光学撮像技術は、核及び細胞の形態を示すことができ、組織学のものなどのサンプル処理なしに、新たに切除された組織又は生検組織の広い領域における腫瘍のリアルタイム検出の能力を提供することができる。また、光学的撮像方法は、組織サンプルを切除、切片化及び/又は染色することなく、疑わしい組織の非侵襲的でリアルタイムの視覚化を容易にすることができる。光学的撮像は、診断可能な組織の収率を改善し(例えば、線維症又は壊死を伴う領域を避けることによって)、不要な生検又は内視鏡切除を最小限に抑え(例えば、新生物を炎症性病変と区別することによって)、手術マージンをリアルタイムで評価して陰性マージンを確認することができる(例えば、限定された切除を行うために)。組織の処理、切片化、及び、染色を待つ必要なく、組織サンプルをリアルタイムで評価する能力は、特にモース手術中などの時間に敏感な状況で、診断所要時間を改善することができる。上皮性疾病及び癌を診断するための光学撮像技術の非限定的な例としては、多光子顕微鏡法、自己蛍光顕微鏡法、偏光顕微鏡法、共焦点顕微鏡法、ラマン分光法、光干渉断層法、及び、超音波検査法が挙げられる。検出可能な組織成分の非限定的な例としては、ケラチン、NADPH、メラニン、エラスチン、フラビン、プロトポルフィリンix、及びコラーゲンが挙げられる。他の検出可能な成分は、組織境界を含むことができる。
図10A~
図10Dに示す深度プロファイルからの例示的な画像は、例えば、それだけに限らないが、角質層、表皮、及び真皮、メラノサイト、コラーゲン、及びエラスチンの組織境界を含む幾つかの検出可能な成分を示す。
【0322】
共焦点顕微鏡法は、上皮組織を検査するために使用され得る。視認性を高めるために、外因性造影剤を投与してもよい。共焦点顕微鏡法は、約0.5~1.0μmの横方向分解能で、生きているヒト皮膚の約2~5μmの薄切片における核及び細胞形態の非侵襲的画像を提供することができる。共焦点顕微鏡法を使用して、表皮などの生体内微小解剖学的構造及びメラノサイトを含む個々の細胞を可視化することができる。
【0323】
多光子顕微鏡法(MPM)を使用して、患者の皮膚組織などの生体撮像対象における固有の分子信号を撮像することができる。MPMにおいて、サンプルは、通常の励起波長よりも長い波長、例えば2倍の長さ又は3倍の長さの光で照射され得る。MPMは、第2の高調波発生顕微鏡法(SHG)及び第3の高調波発生顕微鏡法(THG)を含むことができる。第3の高調波発生を使用して神経組織を撮像することができる。
【0324】
自己蛍光顕微鏡法は、本質的に蛍光性である生体分子(例えばフルオロフォア)を撮像するために使用することができる。自己蛍光性である内因性生体分子の非限定的な例としては、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、NAD(P)H、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、コラーゲン、レチノール、及びトリプトファン、並びに、トリプトファンのインドールアミン誘導体が挙げられる。腫瘍の進行などに伴うこれらのフルオロフォアの蛍光レベルの変化は、光学的に検出することができる。変化は、変化した細胞代謝経路(NADH、FAD)又は変化した構造組織マトリックス(コラーゲン)に関連し得る。
【0325】
偏光を使用して、生物学的構造を評価し、細胞サイズ及び屈折率などのパラメータを調べることができる。屈折率は、細胞、例えば組織サンプル中の細胞の組成及び組織構造に関する情報を提供することができる。癌は組織の組織構造を著しく変化させる可能性があり、これらの変化は偏光を用いて光学的に検出され得る。
【0326】
また、ラマン分光法は、上皮組織を検査するために使用され得る。ラマン分光法は、脂質、タンパク質及びアミノ酸などの疾病進行バイオマーカーのスペクトルシグネチャを検出するために、非弾性散乱(いわゆる「ラマン」散乱)現象に依存し得る。
【0327】
また、光干渉断層撮影は、上皮組織を検査するために使用され得る。光干渉断層撮影は、レーザ光ビームがビームスプリッタで分割され、光の一部をサンプルに送り、光の一部を基準に送る干渉法に基づくことができる。サンプルからの反射光と基準との組み合わせは、サンプル内の構造の空間寸法及び位置に関する情報を提供する反射プロファイルを決定するために使用することができる干渉パターンをもたらすことができる。現在市販されている光干渉断層撮影システムは、約10~15μmの横方向分解能を有し、約1mm以上の撮像深度を伴う。この技術は、組織成分(例えば、細胞、結合組織など)の異なる層を反映する3次元(3D)画像ボリュームを迅速に生成することができるが、画像分解能(例えば、組織顕微鏡の×4対物レンズと同様である)は、日常的な組織病理診断には十分ではない場合がある。
【0328】
また、超音波は、上皮組織を検査するために使用され得る。超音波を使用して、深度及び血管系などの上皮癌の関連する特徴を評価することができる。超音波検査は、メラニンなどの色素を検出する際には制限され得るが、組織学的分析を補足し、治療決定を支援するための更なる詳細を提供できる。超音波検査は、原発腫瘍の厚さ及び血流などの特徴の非侵襲的評価に使用されてもよく、また、重要な管理判断の修正に寄与し得る。
【0329】
本明細書に開示される上皮疾病及び皮膚病変を診断するための方法は、多光子顕微鏡法、自己蛍光顕微鏡法、偏光顕微鏡法、共焦点顕微鏡法、ラマン分光法、光干渉断層法、及び、超音波検査法のうちの1つ以上を含み得る。場合によっては、上皮疾病及び/又は皮膚病理を診断する方法は、自己蛍光顕微鏡法及び多光子顕微鏡法を含む。代案として、上皮疾病及び/又は皮膚病変を診断するための方法は、自己蛍光顕微鏡法、多光子顕微鏡法、及び、偏光顕微鏡法を含む。第2の高調波発生顕微鏡法及び第3の高調波発生顕微鏡法の両方を使用することができる。場合によっては、第2の高調波発生顕微鏡法及び第3の高調波発生顕微鏡法のうちの1つが使用される。
【0330】
本明細書に開示される上皮疾病及び皮膚病変を診断するための方法は、1つ以上の深度プロファイルを使用して解剖学的特徴及び/又は他の組織特性又は特徴を特定することと、1つ以上の深度プロファイルからの画像を、皮膚病変を特定することができる画像に重ね合わせることとを含み得る。
【0331】
コンピュータシステム
本開示は、本開示の方法を実施するようにプログラムされるコンピュータシステムを提供する。
図15は、本明細書の他の箇所に記載されているシステム及びデバイスに光を向けて撮像対象に光を導き、撮像対象からの光を収集するようにプログラム又は構成されたコンピュータシステム1501を示す。コンピュータシステム1501は、撮像対象からの光を使用して撮像対象を撮像するように更に構成又はプログラムすることができる。コンピュータシステム1501は、例えば、撮像対象に光を導くこと、撮像対象の様々な位置又は深さに光を集束させること、及び撮像対象の画像を生成することなど、本開示のシステム及び方法の様々な態様を調整することができる。コンピュータシステム1501は、モバイル又はポータブル撮像システムの一部であってもよい。これに代えて又は加えて、コンピュータシステム1501は、撮像システムに無線で接続された遠隔デバイスであってもよい。
【0332】
コンピュータシステム1501は、シングルコア又はマルチコアプロセッサ、或いは、並列処理のための複数のプロセッサとなり得る中央処理ユニット(CPU、本明細書では「プロセッサ」及び「コンピュータプロセッサ」でもある)1505を含む。また、コンピュータシステム1501は、メモリ又は記憶場所1510(例えば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶ユニット1515(例えば、ハードディスク)、1つ以上の他のシステムと通信するための通信インタフェース1520(例えば、ネットワークアダプタ)、及び、キャッシュ、他のメモリ、データ記憶、及び/又は、電子ディスプレイアダプタなどの周辺デバイス1525も含む。メモリ1510、記憶ユニット1515、インタフェース1520、及び、周辺デバイス1525は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU1505と通信している。記憶ユニット1515は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(又はデータリポジトリ)となり得る。コンピュータシステム1501は、通信インタフェース1520の助けを借りて、コンピュータネットワーク(「ネットワーク」)1530に動作可能に結合することができる。ネットワーク1530は、インターネット、インターネット及び/又はエクストラネット、或いは、インターネットと通信しているイントラネット及び/又はエクストラネットとなり得る。ネットワーク1530は、場合によっては、遠隔通信及び/又はデータネットワークである。ネットワーク1530は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にし得る1つ以上のコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク1530は、場合によっては、コンピュータシステム1501の助けを借りて、ピアツーピアネットワークを実装することができ、これにより、コンピュータシステム1501に結合されたデバイスがクライアント又はサーバとして動作することが可能になる。
【0333】
CPU1505は、プログラム又はソフトウェアで具体化することができる一連の機械可読命令を実行することができる。命令は、メモリ1510などの記憶場所に記憶されてもよい。命令をCPU1505に導くことができ、該命令は、その後、本開示の方法を実施するようにCPU1505をプログラムする或いはさもなければ構成することができる。CPU1505によって実行される動作の例としては、フェッチ、デコード、実行、及び、ライトバックを挙げることができる。
【0334】
CPU1505は、集積回路などの回路の一部となり得る。システム1501の他の1つ以上の構成要素を回路に含めることができる。場合によっては、回路が特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0335】
記憶ユニット1515は、ドライバ、ライブラリ、及び、保存されたプログラムなどのファイルを記憶することができる。記憶ユニット1515は、ユーザデータ、例えば、ユーザ選択及びユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム1501は、場合によっては、イントラネット又はインターネットを介してコンピュータシステム1501と通信しているリモートサーバ上に位置されるようなコンピュータシステム1501の外部にある1つ以上の更なるデータ記憶ユニットを含むことができる。
【0336】
コンピュータシステム1501は、ネットワーク1130を介して1つ以上のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム1501は、ユーザのリモートコンピュータシステム(例えば、ラップトップ、携帯電話など)と通信することができる。リモートコンピュータシステムの例としては、パーソナルコンピュータ(ポータブルPCなど)、スレート又はタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone、Android対応デバイス、Blackberry(登録商標))、或いは、携帯情報端末が挙げられる。ユーザは、ネットワーク1530を介してコンピュータシステム1501にアクセスすることができる。
【0337】
本明細書の方法は、例えば、メモリ1510又は電子記憶ユニット1515などの、コンピュータシステム1501の電子記憶場所に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実施することができる。機械実行可能コード又は機械可読コードは、ソフトウェアの形で提供できる。使用中、コードはプロセッサ1505によって実行することができる。場合によっては、コードは、記憶ユニット1515から取り出され、プロセッサ1505による即時アクセスのためにメモリ1510に記憶され得る。状況によっては、電子記憶ユニット1515を排除することができ、また、機械実行可能命令がメモリ1510に記憶される。
【0338】
コードは、事前にコンパイルして、コードを実行するようになっているプロセッサを有するマシンで使用するように構成することもでき、また、実行時にコンパイルすることもできる。コードが事前にコンパイルされた又はコンパイル済みの態様で実行できるようにするべく選択され得るプログラミング言語でコードを供給することができる。
【0339】
コンピュータシステム1501など、本明細書で提供されるシステム及び方法の態様は、プログラミングで具体化することができる。本技術の様々な態様は、機械(又はプロセッサ)実行可能コード及び/又はある種の機械可読媒体上に担持されるか又はそれに具体化される関連データの形態の「製品」又は「物品」と考えることができる。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)又はハードディスクなどの電子記憶ユニットに記憶することができる。「ストレージ」タイプの媒体としては、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリのいずれか又は全て、或いは、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも持続性ストレージを提供できる、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの関連モジュールを挙げることができる。ソフトウェアの全て又は一部は、インターネット又はその他の様々な通信ネットワークを通じて通信される場合がある。そのような通信は、例えば、あるコンピュータ又はプロセッサから他のコンピュータ又はプロセッサへの、例えば、管理サーバ又はホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を有し得る他のタイプの媒体は、有線ネットワーク及び光地上回線ネットワークを介して及び様々なエアリンクにわたって、ローカルデバイス間の物理インタフェース全体にわたり使用されるような、光、電気、及び、電磁波を含む。有線リンク又は無線リンク、光リンクなど、そのような波を伝える物理的要素も、ソフトウェアを有する媒体と見なされてもよい。本明細書中で使用されるように、コンピュータ又は機械「読み取り可能媒体」などの用語は、持続性の有形な「記憶」媒体に限定されなければ、実行のためにプロセッサに命令を与えることに関与する任意の媒体を指す。
【0340】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、又は、物理的伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベースなどを実装するために使用され得るような、(1又は複数の)任意のコンピュータなどの任意の記憶デバイスなどの、光ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体としては、同軸ケーブル、コンピュータシステム内のバスを備える配線を含めて、銅線及び光ファイバが挙げられる。搬送波伝送媒体は、電気信号又は電磁信号、或いは、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音響波又は光波の形をとってもよい。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形式としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVD又はDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンがある任意の他の物理的な記憶媒体、RAM、ROM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、データ又は命令を伝送する搬送波、そのような伝送波を伝送するケーブル又はリンク、或いは、コンピュータがプログラミングコード及び/又はデータを読み取ることができるようにする任意の他の媒体が挙げられる。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のためにプロセッサに1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを担持することに関与し得る。
【0341】
コンピュータシステム1501は、例えば、撮像対象を撮像するための設定及び撮像対象の画像の制御を行なうためのユーザインタフェース(UI)1540を備える電子ディスプレイ1535を含む又はそれと通信することができる。UIの例としては、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)及びウェブベースのユーザインタフェースが挙げられるが、これらに限定されない。
【0342】
本開示の方法及びシステムは、1つ以上のアルゴリズムによって実装することができる。アルゴリズムは、中央処理ユニット1505による実行時にソフトウェアを介して実装することができる。アルゴリズムは、例えば、撮像対象を撮像するように構成することができる。
【0343】
本発明の好ましい実施形態について図示して本明細書中で説明してきたが、当業者に明らかなように、そのような実施形態は単なる一例として与えられる。本発明が、明細書中で提供される特定の例によって限定されることは意図されていない。前述の仕様に関連して本発明を説明してきたが、本明細書の実施形態の説明及び例示は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。この時点では、本発明から逸脱することなく、数多くの変形、変更、及び、置換が当業者に想起される。更に、本発明の全ての態様は、様々な条件及び変数に依存する、本明細書中に記載された特定の描写、形態、又は、相対的比率に限定されないことが理解されるものとする。本明細書に記載された本発明の実施形態に対する様々な代替案が、本発明を実施する際に使用されてもよいことが理解されるべきである。したがって、本発明は、そのような代替、修正、変形、又は同等物もカバーするものとすることが企図されている。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物がそれによってカバーされることが意図されている。
【国際調査報告】