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特表2024-546089バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株、その組成物及び使用の方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株、その組成物及び使用の方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/20 20060101AFI20241210BHJP
   A61K 35/742 20150101ALI20241210BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 15/02 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 39/02 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20241210BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241210BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20241210BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20241210BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20241210BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20241210BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20241210BHJP
   C12N 15/11 20060101ALN20241210BHJP
   C12N 15/31 20060101ALN20241210BHJP
【FI】
C12N1/20 A
A61K35/742 ZNA
A61P1/00
A61P3/00
A61P9/00
A61P13/02 105
A61P15/02
A61P31/00
A61P37/04
A61P39/02
A61P39/06
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/14
A61K9/10
A61K9/107
C12N1/20 E
A23L33/135
C12N15/11 Z
C12N15/31
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533236
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-01
(86)【国際出願番号】 US2022081191
(87)【国際公開番号】W WO2023108077
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】2021/0211
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524209811
【氏名又は名称】ディアランド プロバイオティクス アンド エンザイムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ディートン,ジョン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B065
4C076
4C087
【Fターム(参考)】
4B018MD85
4B018ME08
4B018ME11
4B018ME14
4B065AA17X
4B065AA17Y
4B065CA41
4B065CA44
4C076AA17
4C076AA22
4C076AA29
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC21
4C076CC31
4C076CC40
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC64
4C087BC67
4C087MA05
4C087MA22
4C087MA23
4C087MA35
4C087MA37
4C087MA43
4C087MA52
4C087NA14
4C087ZA36
4C087ZA66
4C087ZA81
4C087ZA82
4C087ZB09
4C087ZB32
4C087ZC21
4C087ZC37
(57)【要約】
本発明は、配列番号1と少なくとも97%の同一性を共有するgyrBを有する1種以上の細菌を含む;及び/又は配列番号2と少なくとも97%の同一性を共有する16S rRNAを有する1種以上の細菌を含む、精製された微生物集団を含むバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株を提供する。任意選択的に、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株は、配列番号3と少なくとも97%の同一性を共有する。この株は、組成物及び方法において使用され得る。
【選択図】図27

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1と少なくとも97%の同一性を共有するgyrBを有する1種以上の細菌を含む;及び/又は配列番号2と少なくとも97%の同一性を共有する16S rRNAを有する1種以上の細菌を含む精製された微生物集団を含むバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株。
【請求項2】
配列番号3と少なくとも97%の同一性を共有する請求項1に記載のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株。
【請求項3】
前記精製された微生物集団が、配列番号2を含む16S核酸配列を有する細菌を含む、請求項1に記載のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株。
【請求項4】
前記精製された微生物集団が、配列番号1を含むgyrB核酸配列を有する細菌を含む、請求項1に記載のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株。
【請求項5】
前記精製された微生物集団が、配列番号2を含む16S核酸配列を有する及び配列番号1を含むgyrB核酸配列を有する細菌を含み;任意選択的に前記精製された微生物集団が、配列番号3を含む細菌を含む、請求項1に記載のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株。
【請求項6】
食用として許容可能な担体及び/又は希釈剤と一緒に請求項1~5の何れか1項に記載のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株を含む微生物組成物。
【請求項7】
前記組成物の単位用量が、10~1013CFUのバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株を含む、請求項6に記載の微生物組成物。
【請求項8】
粘液性の粘着性賦形剤をさらに含む、請求項6又は7に記載の微生物組成物。
【請求項9】
少なくとも1つのさらなるプロバイオティクスのバチルス(Bacillus)株をさらに含む、請求項6~8の何れか1項に記載の微生物組成物。
【請求項10】
錠剤、丸剤、カプセル、粉末、溶液、懸濁液、又はエマルジョンとして処方される、請求項6~9の何れか1項に記載の微生物組成物。
【請求項11】
食品として処方される、請求項6~9の何れか1項に記載の微生物組成物。
【請求項12】
膣感染、尿路感染、胃腸感染、胃腸疾患を予防すること又は処置すること、免疫的健康を向上させること、酸化ストレスに対する防御、クレンジング及び解毒、代謝的健康及び心血管系の健康における使用のための、請求項1~5の何れか1項に記載のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株。
【請求項13】
膣感染、尿路感染、胃腸感染、胃腸疾患を予防する又は処置する、免疫的健康を向上させる、酸化ストレスに対する防御、クレンジング及び解毒、代謝的健康及び心血管系の健康の方法であって、請求項1~5の何れか1項に記載のバチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)株を投与することを含む、方法。
【請求項14】
膣感染、尿路感染、胃腸感染、胃腸疾患を予防すること又は処置すること、免疫的健康を向上させること、酸化ストレスに対する防御、クレンジング及び解毒、代謝的健康及び心血管系の健康における使用のための、請求項6~11の何れか1項に記載の微生物組成物。
【請求項15】
膣感染、尿路感染、胃腸感染、胃腸疾患を予防する又は処置する、免疫的健康を向上させる、酸化ストレスに対する防御、クレンジング及び解毒、代謝的健康及び心血管系の健康の方法であって、請求項6~11の何れか1項に記載の微生物組成物を投与することを含む、方法。
【請求項16】
対象内のマイクロバイオームを改善する方法であって、プロバイオティクスを含む組成物を前記対象に投与することを含み、前記プロバイオティクスが、請求項1~5の何れか1項に記載のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株を含む、方法。
【請求項17】
プロバイオティクスとしての使用のための請求項1~5の何れか1項に記載のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株であって、任意選択的に前記菌株が、単一の組成物内で許容可能な担体又は送達ビヒクル及び任意選択的にアジュバント構成成分と会合されるか、又は別個の組成物が別々の菌株の混合物を含む、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株。
【請求項18】
膣感染、尿路感染、胃腸感染、胃腸疾患の処置、免疫的健康を向上させること、酸化ストレスに対する防御、クレンジング及び解毒、代謝的健康及び/又は心血管系の健康のための薬剤の製造における請求項1~5の何れか1項に記載のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単独で又は他の桿菌(Bacilli)株と組み合わせて、プロバイオティクスとして又はプレバイオティクス及びシンバイオティクスと一緒に使用され得る、新規バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株に関する。本発明はまた、単独で又は組み合わせたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株を含む、医薬組成物、乳製品、機能性食品、栄養補給食品及びパーソナルケア用の製品などの組成物、並びに胃腸、尿路、膣及び他の感染及び疾患の予防若しくは処置のための株の使用及び他の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
プロバイオティクスは、患者の微生物バランス、特に呼吸器及び消化管の環境を改善するために投与される、生きている微生物又は微生物混合物である。バチルス(Bacillus)株は、呼吸器感染の処置、下痢症の予防のため、並びに免疫関連疾患の処置のために使用されてきた(Elshaghabee et al.,2017)。
【0003】
正常な腸細菌叢は、様々な細菌種により占められており、これらは、病原体の増殖を調節するのを助ける物質を産生する。ディスバイオシスは、ある種の細菌種の減少及び病原性細菌の増加された増殖を特徴とする状態である。ディスバイオシスは、歯周病、炎症性腸疾患及び慢性疲労症候群の発現と関連付けられている。いくつかの試験は、ディスバイオシスを有する患者は、代謝の及び心臓の障害を発現する上昇したリスクを有し得ることを示唆している(Chan et al.,2013)。
【0004】
プロバイオティックな桿菌(Bacilli)を投与することにより、頻発するディスバイオシスのエピソードがある男女の腸細菌叢を再生することが可能である。ディスバイオシスは、一般的な胃腸問題である。エシェリキア・コリ(Escherichia coli)により引き起こされるディスバイオシスもまた、一般的な問題である(Chan et al.,2013)。
【0005】
桿菌(Bacilli)の存在は、腸微生物生態系の維持にとって重要である。桿菌(Bacilli)は、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、サルモネラspp.(Salmonella spp.)及びその他などの病原性細菌の増殖に対する阻害活性を保持することが示されている(Yilmaz et al.,2005)。この阻害は、有機酸、過酸化水素、バクテリオシン又はロイテリンなどの阻害化合物の産生又は上皮への競合的接着によるものであり得る(Abriouel et al.,2010)。
【0006】
桿菌(Bacilli)はまた、気道感染の処置として調べられている(Marseglia et al.,2007)。例えば、桿菌(Bacilli)の導入及び常在生物の刺激は、尿路感染の再発を防ぐために使用されている(Marseglia et al.,2007)。腸感染を防ぐことにおける桿菌(Bacilli)の役割もまた、研究されている。
【0007】
関連技術の説明
プロバイオティクスとしての桿菌(Bacilli)の重要性は、文献に記載されている。
【0008】
Hyronimus et al.,2000は、インビトロ技術及びヒトにおける13種類の選択された株のコロニー形成能の評価による、多数の桿菌(Bacilli)株のプロバイオティクス活性のスクリーニングを開示する。株を、Caco-2細胞へのpH2.5及び0.3%Oxgall接着に対する抵抗性及び腸内病原性細菌に対する抗微生物活性について調べた(Khochamit et al.,2015)。桿菌(Bacilli)は、良好な接着及び生物治療特性を有することに加え、GITストレス耐性の基本的要件を保持することが示されている(Thakur et al.,2016)。
【0009】
当技術分野で公知の桿菌(Bacilli)の医薬組成物は、インビボ、即ち、哺乳動物微生物生態系で再コロニー形成することにおいて十分に効率的ではなく、従って、医薬組成物、栄養補給食品、乳製品、機能性食品又は吸収性製品の形態での桿菌(Bacilli)の投与時に再コロニー形成する固有の能力がある桿菌(Bacilli)を発見することが必要である。土壌から単離される桿菌(Bacilli)は、ヒト微生物生態系におけるそれらの固有の生存能力のため、投与時にインビボで再コロニー形成する能力を有し得る。投与時にコロニー形成する増強された能力を有する桿菌(Bacilli)株を同定することは、厄介な工程であることが多く、従ってインビボでのコロニー形成能を予測するために最良の試験系を選択することは重要である。
【0010】
文献において、プロバイオティクス株の報告されたインビトロでの接着性に大きなばらつきがあると思われる。このばらつきは実際に、株と株の間の生物学的相違を反映するが、実験条件に依存することも確かである。さらにまた、接着性を測定する方法に関してばらつきがあると思われる。インビトロの実験は、上皮細胞への接着によるインビボでのコロニー形成能を推定するための手段としてしか機能しないと主張され得る。
【0011】
土壌微生物と長い間みなされていたものの、バチルス(Bacillus)spp.は、発酵産物又は芽胞に基づくサプリメントの形態で50年を超えて使用されてきた(Cutting et al.,2011)。天然では至るところに存在する桿菌(Bacilli)は、食物、水及び空気を通じて健康な人間の消化管及び気道に常に侵入する(Benno & Mitsuoka,1986)。それらは、腸から単離されており、最大で10CFU/gに達し得るので、正常な腸細菌叢の支配的な構成成分の1つであると考えられる(Lakshmi et al.,2017)。
【0012】
バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)は、土壌~海水、堆積物、水田、ハチミツ、魚類、ミルク及び乾燥食品の多様な生息場所で見出されている(Alfoldi,1957;Alippi & Reynaldi,2006;Padgham及びSikora,2007;Pelletier & Sygusch,1990;Vary et al.,2007;Von Tersch及びCarlton,1983;Scholle et al.,2003,Kotb,2014)。ハチミツから単離された微生物のさらなる定性的分析は、バチルス(Bacillus)の最も頻度の高い種の1つがバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)であることを明らかにした(Alippi,1995;Alippi et al.,2004;Snowdon & Cliver,1996;Tysset,Durand,& Taliergio,1970)。魚類においてバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)を単離した補助的実験があった(Sumathi et al.,2017)。Afrilasari et al.,2015はまた、ナマズの消化管からバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)を単離することに成功し、この株をPTB 1.4と同定した。バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)の無害な性質により、この細菌はQualified Presumption of Safety(QPS)リスト(European Food Safety Authority,2017)に掲載された。バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株ATCC14581は、本発明で特許請求されるバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411とほぼ同一(>99%)であるとゲノム解析を通じて確認されている。Health Canadaは、この生物がヒトの健康又は環境に対し害がないこと;および環境及びカナダ人に対する曝露は中程度であることを宣言した。従って、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株ATCC14581は、ヒトの健康に対し又は環境に対し害がないと結論付けられる(Health Canada,2018)。
【0013】
まとめると、プロバイオティクス能を有する桿菌(Bacilli)株は、細胞株Caco-2細胞などの他の適切な細胞に接着できるはずである。さらに、プロバイオティクス能を有する桿菌(Bacilli)株が他の細菌種に対するインビトロでの阻害活性を示し、液体培養中での増殖後に酸を産生し及び/又は過酸化水素を産生することもまた望ましい。
【発明の概要】
【0014】
本発明の目的は、上で論じられるような所望の特性を有する適切なプロバイオティクス桿菌(Bacilli)株の医薬処方物又は吸収製品などの、本願を通じて記載されるような株及び組成物を提供することである。一実施形態では、本発明は、単独での又はバチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)株CGI314(その全体において本明細書中に内容が組み込まれるアイルランド特許出願第2021/0210号明細書からの優先権を主張する対応するPCT出願PCT/US2022/xxxxxにおいて開示され特許請求される)及びバチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)株CSI08(その全体において本明細書中に内容が組み込まれるアイルランド特許出願第2021/0209号明細書からの優先権を主張する対応するPCT出願PCT/US2022/xxxxxにおいて開示され特許請求される)などの桿菌(Bacilli)株などの他の株と組み合わせたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411に関する。一実施形態では、これらの株は、同様の又は基本的に同じ有利な特性、例えば粘膜/表面への接着によるコロニー形成能を有し、これは従って膣、尿道、胃腸、ナソ-シナル(naso-sinal)、咽頭、食道、口腔及び/又は粘膜がある身体の他の領域の感染又は疾患の処置又は予防、並びに、皮膚及び/又は上皮を有する身体の他の領域の感染又は疾患の処置又は予防;免疫の健康、酸化ストレスに対する防御、クレンジング及び解毒、代謝的健康及び心血管系の健康、とりわけ抗微生物活性、抗炎症活性、炎症促進応答の抑制を提供すること、例えばマクロファージを刺激することにより免疫応答を活性化すること及び/又は誘発すること、免疫防御を提供すること、例えば腸における消化及び/又は発酵を助けること、分岐状アミノ酸、必須アミノ酸及び群Bビタミンを産生すること、健康な腸及び/又は皮膚を維持すること、毒性物質から粘膜及び他の上皮組織の保護、軟便の発生を減少させること、腸脳軸を改善すること、及びディスバイオシス及びその影響、例えば歯周病、炎症性腸疾患、慢性疲労症候群、代謝障害、心臓障害、気道感染、尿路感染、GI感染及び下痢などを処置する及び/又は予防すること;及び正常及び/又は健康な細菌叢を回復させることなどに適切である。一実施形態では、本発明は、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株MIT411の使用及び糞便移植での使用のための組成物を可能にする。
【0015】
胃腸疾患は、個人における胃腸の異常を処置することを含むが、限定されず、個人は、Bristol Stool Scaleで1又は2である(即ち便秘を処置する)便通の、月に少なくとも1回の24時間のエピソードを有し;又は個人は、Bristol Stool Scaleで6~7である(下痢の傾向)便通の月に少なくとも1回の24時間のエピソードを有し、Bristol Stool Scaleで1又は2である(又は6~7)便通の1カ月あたりの個人の24時間エピソードの頻度は、低下する。
【0016】
また含まれるのは、個人において胃腸の規則正しさを回復させる方法であり、個人は、Bristol Stool Scaleで1又は2;又は6~7である便通の1カ月あたり少なくとも1回の24時間エピソードを有し、Bristol Stool Scaleで3~5である個人の便通の24時間の期間の頻度は、増加する。
【0017】
本発明は、バチルス(Bacillus)含有組成物を用いて、健康な腸の微生物叢を維持することをさらに含む。バチルス(Bacillus)含有組成物は、胃腸微生物叢のプロバイオティックな補充物として使用され得、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、サルモネラspp.(Salmonella spp.)などの腸での病原性細菌と競合し得るか又はそうでなければ病原性細菌を妨害し得る。
【0018】
本発明の別の目的は、粘液性の接着性賦形剤を使用することによる粘膜への接着によりコロニー形成する増大した能力を有する製剤処方物を提供することである。
【0019】
本発明のさらなる目的は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)及びグラム陰性病原性細菌の増殖を抑制する増大した能力を有する膣処方物を提供することである。
【0020】
本発明のまた別の目的は、単独で又は、粘膜でコロニー形成する能力を有する基本的に同じ特性を有する、及び従って膣感染、尿路感染及び胃腸疾患の処置又は予防に適応する、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)株及びバチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)株などの他の桿菌(Bacilli)株と組み合わせてバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411株を含む、乳製品、栄養補給食品製品及び機能性食品などの組成物を提供することである。本発明の組成物は、指定される及び/又はこれらの範囲内に入るあらゆる時間枠を含む、1用量、1日、1日~1週間、1日~1カ月、1カ月~45日、45日~2カ月、3カ月、6カ月、1年又はそれを超えて、投与され得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面において
図1図1は、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411のゲノム分析を例示する。
図2図2は、クレードにおいて配置されるバチルス(Bacillus)sppの系統樹(16S)を例示する。
図3図3は、クレードにおいて配置されるバチルス(Bacillus)spp.の系統樹(gyrB)を例示する。
図4図4は、低温殺菌工程中のリン酸塩類緩衝液中のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)の安定性を示し、結果は、平均濃度±標準偏差を示す。
図5図5は、固体培地(TSA)での腸、皮膚及び尿路の日和見性病原体に対するRenusporeの抗微生物活性を示す。
図6図6は、腸、皮膚及び尿路の日和見性病原体に対する液体TSB培地中のB.メガテリウム(B.megaterium)MIT411の抗微生物活性を示す:E.コリ(E.coli)(p<0.05)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)(****p<0.0001)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)(****p<0.0001)及びS.アウレウス(S.aureus)。
図7図7は、PBS及びB.メガテリウム(B.megaterium)の総抗酸化能を示す。
図8A図8Aは、1ppmの鉛を補充したTSB培地中のRenusporeによる重金属の生物蓄積を示す。
図8B図8Bは、1ppmの水銀を補充したTSB培地中のRenusporeによる重金属生物蓄積を示す。
図9図9は、Renusporeの細胞外分画中の鉄濃度を示す。
図10図10は、Renusporeの細胞外分画中のカルシウム濃度を示す。
図11図11は、Renusporeの細胞外分画中のマグネシウム濃度を示す。
図12図12は、B.メガテリウム(B.megaterium)がTST又はMM培地中のビスフェノールA濃度に影響しないことを示す。
図13図13は、Renusporeの細胞外マトリクスにおける亜硝酸濃度を示す。
図14A図14Aは、Renusporeによるアンモニアの分解を示す。
図14B図14Bは、37℃で24時間での、対照に対する、Renusporeとのインキュベーション後のTSB+1mMアンモニア中に残存するアンモニアの濃度を示す。
図15図15は、37℃でのHT-29及びHT-29MTX細胞へのB.メガテリウム(B.megaterium)MIT411芽胞及び栄養細胞の接着を示す。
図16図16は、24時間でスキムミルク寒天培地を用いる従来の方法により検出される、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411(陽性)対B.コアギュランス(B.coagulans)(陰性)のカゼイン分解活性を示す。
図17図17は、Renusporeが、EnzCheck Kitを用いる定量的な細胞外プロテアーゼ分析を使用してプロテアーゼ活性を示したことを示す。
図18図18は、FAAが、RenusporeUHT発酵乳試料中で増加したことを示す。
図19図19は、FAAが、RenusporeUHT発酵乳試料中で増加したことを示す。
図20図20は、FAAが、RenusporeUHT発酵乳試料中で増加したことを示す。
図21図21は、FAAが、RenusporeUHT発酵乳試料中で増加したことを示す。
図22図22は、SCFAが、Renuspore UHT発酵乳試料中で増加したことを示す。
図23図23は、Fibersol(登録商標)が、対照と比較してインキュベーション24時間後に最小培地中でRenusporeの濃度(CFU/mL)を有意に上昇させなかったことを示す。
図24図24及び図25は、Renusporeが、ヒトマクロファージ細胞培養モデルにおいてサイトカインの発現を上昇させたことを示す。
図25図24及び図25は、Renusporeが、ヒトマクロファージ細胞培養モデルにおいてサイトカインの発現を上昇させたことを示す。
図26図26は、Renusporeが、Hへの曝露後にC.エレガンス(C.elegans)生存を向上させなかったことを示す。
図27図27は、37℃での腸上皮細胞株HT-29及びHT-29-MTXにおけるバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411栄養細胞及び芽胞の接着能を示す。
図28図28は、試験デザインの図式フローチャートを示す。
図29図29は、試験中に投与されたプロバイオティクスカクテルが、プラセボ対照と比較して、一連の試験を通じ軟便の発生を顕著に減少させたことを示す。
図30図30は、プラセボ対照と比較して、硬便のパーセンテージに対し試験中に投与された何れの処理も効果がないことを示す。
図31図31は、試験の第1日及び第45日について各実験群におけるChao1値分布を示すボックスプロットである。点線は、対をなす試料をつなぐ。対応のあるウィルコクソン検定を使用して、群の分布を比較した。
図32図32は、試験の第1日及び第45日について各実験群におけるChao1値分布を示すボックスプロットである。ウィルコクソン検定を使用して、プラセボに対し各実験群の分布を比較した。
図33図33は、Bray-Curtis相違点マトリクスにおいて行われたPCoAクラスター形成を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
遺伝子型同定
出願者らは、ゲノムシーケンシング及び同定についてCornell University(Ithaca NY,USA)と連携した。
【0023】
WGS DNA組成物
全ゲノム配列(WGS)を、アセンブリー及びアノテーションを含み、Cornell Universityにより行った。バイオインフォマティクス分析は、Cornell Universityで、及びDeerland Probiotics and Enzymes(Kennesaw,GA,USA)で完遂された。gyrB遺伝子ポイモルフィズム(poymorphism)の同定を、出願者が行った。
【0024】
gyrB遺伝子は、DNAジャイレースサブユニットBをコードする。DNAジャイレースは、ねじれ角が小さい(underwound)状態で染色体を維持するために、ATP依存的に閉じた環状2本鎖DNAを負に超らせんに巻く。遺伝子シーケンシング分析は、原核生物の種レベルの鑑別のためのよく確立された方法であるgyrB遺伝子多型を使用した(Bavykin et al.,2004;Wang et al.,2007)。代表的なゲノムが、見直され、NCBIにより精選され、UniProt Consortium(NCBI,2016;UniProt,2016)によりコーディネートされた。UniProt Consortium分析と併せたR package SequinRを使用して、本発明で特許請求されるバチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)株CGI314の全ゲノム配列(WGS)及びGyrB配列を他の参照株と比較した(以下の表A、B及びC)。
【0025】
バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411の遺伝子型、gyrB及び16S rRNA同定
【0026】
MIT411単離株及びゲノムを、成功とみなした。
【0027】
単離株についてゲノムサイズ(5.4MBP)及びGC含量(37.8%)は、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株と同等であった。
【表1】
【表2】
【表3】
【0028】
16S rRNA
1つの参照株と比較して、MIT-411の全ゲノムシーケンシング(WGS)及び16S rRNA分析は、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)ATCC-14581と比較した場合、>99%の16S rRNAについての平均ヌクレオチド同一性(ANI)スコアを示した。バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT-411についてゲノムサイズ(5.4Mbp)及びGC含量(37.8%)は、参照株と同等であった。
【0029】
さらなる預託及び受入番号
バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株MIT411(Renuspore)のゲノム配列データは、NCBI GenBankデータベースに預託され、ゲノム配列は、NCBI Prokaryotic Genome Annotation Pipeline(PGAP)によりアノテートされた。ゲノムは、その株に対するGenBank受入番号JABBNK000000000.1で公開されており、例えばリンク:Priestia megaterium strain MIT411,whole genome shotgun sequencing pro -Nucleotide-NCBI(nih.gov)で利用可能である。
【0030】
バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)株CSI08(MuniSpore)のゲノム配列データは、NCBI GenBank データベースに預託され、ゲノム配列は、NCBI Prokaryotic Genome Annotation Pipeline(PGAP)によりアノテートされた。ゲノムは、その株に対するGenBank受入番号JABBNL000000000.1で公開されており、例えばリンク:Alkalihalobacillus clausii strain CSI08,whole genome shotgun seuenci-Nucleotide-NCBI(nih.gov)で利用可能である。
【0031】
バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)株CGI314(Fortispore)のゲノム配列データは、NCBI GenBankデータベースに預託され、ゲノム配列は、NCBI Prokaryotic Genome Annotation Pipeline(PGAP)によりアノテートされた。ゲノムは、その株に対するGenBank受入番号JABBFU000000000.1で公開されており、例えばリンク:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/JABBFU000000000.1で利用可能である。
【0032】
系統発生学的な配置は、Deerland Probiotics及びEnzymes,Inc.により遂行された。
【0033】
デジタルゴールドスタンダードである、ゲノム対ゲノムの距離計算(GGDC)は、DNA-DNAハイブリダイゼーション(DDH)と同程度の信頼性がある(Auch et al.,2010)。GGDCは、亜種の評価のためのより高い識別力を保持し、その後、多重アライメント及び系統発生的分析の確認として使用された。GGDCは、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411がATCC 14581に対して近縁であることを検証した。
【0034】
保存される16S rRNA配列は、細菌における系統発生を比較し試験するためのよく確立された方法であるが、近縁種の間の配列類似性の高い割合は、その有用性を制限する(Wang et al.,2007)。近縁の細菌種における16S rRNA配列類似性の高い率は、分子進化の速度がより遅いためである。過去の研究(Bavtlin et al.,2004;Wang et al.,2007)は、それらの塩基置換の速度及びDNA-DNAハイブリダイゼーション分析との有意で信頼できる相関のため、分類学的なバイオマーカーとしてgyrB配列を使用する妥当性を裏付ける(Dauga et al.,2002;Kasai et al.,1998;Wang et al.,2007)。gyrBは、DNA複製において重要な役割を果たすDNAジャイレースB及びII型トポイソメラーゼをコードする。ジャイレースBサブユニットは、gyrB遺伝子によりコードされる。
【0035】
近隣結合(NJ)法(Saitou & Nei,1987)を使用する系統発生学的な分析は、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)ATCC 15481があるクレードにバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411を位置づけた(図2)。これは、全ての以前のゲノム同一性決定を確認する。バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411は、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)群に位置づけられている。
【0036】
定義
「賦形剤」は、最終処方物の一部を形成するために添加されるあらゆる非活性成分を意味する。
【0037】
「プロバイオティクス」は、生存可能な微生物サプリメントを意味し、これは、対象の身体の腸管、尿路、膣管、皮膚及び/又は他の領域におけるその効果を通じて対象に対する有益な影響を有する。この用語は、適量で投与されると、宿主に健康上の有益性を付与する、生きている微生物を指し得る。プロバイオティクスを含有する食品及び食品添加物は、腸ミクロフローラの健康なバランスの回復を助け得る。さらに、腸内フローラのプロバイオティクス補充は、健康な腸のホメオスタシスを促進し得る。
【0038】
「プレバイオティクス」は、本明細書中で、基質として使用され、それは、プロバイオティクスに対する、及び従ってプロバイオティクスを摂取する(例えば投与される)個々の対象に対する有益な効果を有する。適切なプレバイオティクスは、イヌリン、オリゴ糖及び/又はビタミンから選択され得る。
【0039】
「対象」は、本明細書中で使用される場合、微生物の不均衡に関する何れかの臨床状態に罹患している者並びに予防的に、健康のために又は例えば本発明のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)株(例えばMIT411)の投与からの利益を得ることを含む何らかの他の目的のために細菌調製物を使用している者を含む。任意選択的に、対象は、ヒト、患者及び/又は哺乳動物である。
【0040】
「シンバイオティクス製品」は、プロバイオティクスとプレバイオティクスの組み合わせを意味し、これは相乗的であり、患者に対し有益な影響を有する。
【0041】
「頑強な増殖(hardy growth)」は、細菌が優れた増殖を示すことを意味する。
【0042】
「CFU」という略語は、コロニー形成単位を意味する。
【0043】
対象においてインビボ細菌叢を再生できるプロバイオティックな桿菌(Bacilli)株に関する本発明は、次の詳細な説明が進むにつれて明らかになろう。
【0044】
第1の態様によれば、本発明は、単独で又は基本的に同じ特性を有する他のプロバイオティクスの桿菌(Bacilli)株と組み合わせてバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411を含む。このような他のプロバイオティクスの桿菌(Bacilli)株としては、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)株及びバチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)株が挙げられるが、限定されない。このような他の桿菌(Bacilli)株としては、内容がその全体において本明細書中で組み込まれる、これらの個々の題目下で本日それぞれ提出される、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)株及びバチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)株がさらに挙げられる。
【0045】
本明細書に添付される特許請求の範囲で引用される通りの配列番号1は、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411のgyrBを含む。
【0046】
本明細書に添付される特許請求の範囲で引用される通りの配列番号2は、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411の16S rRNAを含む。
【0047】
本明細書に添付される特許請求の範囲で引用される通りの配列番号3は、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411の組み立てられた全ゲノム配列を含む。
【0048】
配列番号1及び/又は2との少なくとも97%の同一性;又は配列番号3との少なくとも97%の同一性に関して本明細書中で特許請求されるバチルス(Bacillus)株は、次の特性を有する:
【0049】
バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411:
【0050】
この株は胆汁安定性を示す。
【0051】
この株は酸安定性を示す。
【0052】
この株は熱耐性を示す。
【0053】
この株は、バクテリオシンの形態で天然の抗生物質を産生する。
【0054】
本明細書中で開示される株の属及び種を決定するために、全ゲノムをシーケンシングした。この株の量及び組成を、同定し決定した。
【0055】
この株は、抗生物質耐性及び安全性の懸念が殆ど又は全くないと示された。
【0056】
この株は、酸及び胆汁に対し安定性を示すことが見出された。
【0057】
第2の態様によれば、本発明の桿菌(Bacilli)株は、膣感染、尿路感染及び胃腸疾患(胃腸感染を含む)を予防する又は処置すること、並びに免疫的健康を向上させること、酸化ストレスに対する防御、クレンジング及び解毒、代謝的健康及び心血管系の健康における医学的使用に適切である。
【0058】
別の好ましい実施形態では、医薬組成物などの組成物が、薬学的に許容可能な担体及び/又は希釈剤と一緒に、単独での又は同様の及び/又は基本的に同じ特性を有する他のプロバイオティクスの桿菌(Bacilli)株と組み合わせたバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT144を含んで提供される。このような他のプロバイオティクスの桿菌(Bacilli)株としては、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)株及びバチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)株が挙げられるが、限定されない。これらの細菌株は、プロバイオティクス株の容易な投与を可能にするために及び当業者にとって公知の手段により、医薬処方物などの組成物へと処方される。
【0059】
バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)は、全てインビボで、過敏性腸症候群の症状を緩和し(Sudha et al.,2018)、筋肉の完全性及びサイトカイン応答を改善し(Gepner et al.,2017;Jager et al.,2018)、腸のマイクロバイオーム及び免疫応答を調整し(Kimmel et al.,2010)、機能性腸ガス症状を低減し(Kalman et al.,2009)、下痢の実例及び期間を低減させ(Dolin et al.,2009)、機能性腹痛及び膨満の症状を改善し(Hun et al.,2009)、アセトアミノフェン誘導性の急性肝臓傷害を予防し(Neag et al.,2020)、ブチロジェネシス(butyrogenesis)を促進し(Sasaki et al.,2020)、細菌性腟疾患の重症度を低減し(Sudha et al.,2012)及びコレステロールを低下させる(Sudha et al.,2012)ことができると証明されている。バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)はまた、全てインビトロで、免疫応答及び抗炎症作用(Jensen et al.,2017)を誘導し、植物タンパク質消化を改善し(Keller et al.,2017)、Caco-2細胞に接着し(Sharma & Kanwar,2017)、潰瘍性大腸炎がある患者におけるコロニー微小環境を改善し(Sasaki et al.,2020)、HT-29細胞においてS.チフィムリウム(S.typhimurium)により引き起こされる接着、細胞傷害性及びアポトーシス誘導を低減し(Kawarizadeh et al.,2019)、ホエイタンパク質からラクトースを加水分解し(Liu et al.,2019)、t-細胞応答を増強する(Baron,2009)ことも示されている。
【0060】
バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)は、インビボで、再発性の呼吸器感染を予防すること(Marseglia et al.,2007)、下痢の持続期間及び重症度を低減すること(Sudha et al.,2019)において効果的であることが証明されている。バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)はまた、インビトロで、抗菌及び抗酸化能とともにタンパク質加水分解産物を生成させること(Rochin-Medina et al.,2017)、アセトアミノフェンにより誘導される急性肝臓損傷を予防すること(Neag et al.,2020)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)及びバチルス・セレウス(Bacillus cereus)毒により誘導される細胞傷害効果を阻害すること(Ripert et al.,2016)ができることも証明されている。
【0061】
バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)は、インビトロ及びインビボの両方で、酸化ストレスに対して防御効果を発揮することが示されている(Mazzoli et al.,2019)。バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)はまた、酸ストレス条件で適応する及び生存すること並びにインビトロで重金属をキレートすることができることも示されている(Ferreira et al.,2019)。
【0062】
好ましくは、本発明による医薬品中で使用されるプロバイオティクス細菌は、10~1013CFU(コロニー形成単位)の細菌濃度で、例えば上記範囲に含まれる何れかの量又は範囲を含む1日用量として、使用される。一実施形態では、細菌は、10~1012CFU又は10~1011CFU又は10~1010CFUの量で、又は例えば約10、約10、約10、約10、約1010、約1011、約1012及び/又は約1013CFUの量及び上記量を含むか又はそれらの間にある何れかの量又は範囲の量で、使用される。一実施形態では、本発明の組成物は、約10~約1013CFU、例えば約10のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411を含む、基本的にそれからなる、それからなる、及び/又はそれにより特徴づけられる。一実施形態では、本発明の組成物は、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)CSI08及び/又はバチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)CGI314と組み合わせて、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411(例えば約10CFU)を含む。一実施形態では、本発明の組成物は、カプセル形態で経口投与される。一実施形態では、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411は、芽胞形態である、又は芽胞形態ではない。
【0063】
特定の実施形態では、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411を含む組成物は、トレハロース、マルトデキストリン、米粉、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、イノシトール、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、デキストロース、乾燥乳製品などからなる群から選択される1種以上の乾燥担体を含み得る。特定の実施形態では、乾燥担体が、組成物の約1%~約95重量%の重量パーセントでバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411を含む組成物に添加され得る。
【0064】
特定の実施形態では、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411を含む本組成物は、水及び生理塩溶液、尿素、アルコール及びその誘導体(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール)からなる群から選択される1種以上の液体又はゲルに基づく担体;全て生物と適合性がある、天然又は合成香味料及び食品品質の着色剤;コーンスターチ、グアーガム、キサンタンガムなどからなる群から選択される増粘剤;過塩性の担体、メチルパラベン、グアーガム、ポリソルベート、保存剤などからなる群から選択される1種以上の芽胞発芽阻害剤を含み得る。特定の実施形態では、1種以上の液体又はゲルに基づく担体が、組成物の約0.6%~約95%重量/体積の重量/体積パーセンテージでバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411を含む組成物に添加され得る。特定の実施形態では、天然又は合成香味料が、組成物の約3.0%~約10.0%重量/体積の重量/体積パーセンテージでバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411を含む組成物に添加され得る。特定の実施形態では、着色剤が、組成物の約1.0%~約10.0%重量/体積の重量/体積パーセンテージでバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411を含む組成物に添加され得る。特定の実施形態では、増粘剤が、組成物の約2%重量/体積の重量/体積パーセンテージでバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411を含む組成物に添加され得る。特定の実施形態では、1種以上の芽胞発芽阻害剤が、組成物の約1%重量/体積の重量/体積パーセンテージでバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411を含む組成物に添加され得る。
【0065】
送達系
適切な剤形としては、錠剤、カプセル、溶液、懸濁液、粉末、ガム及び菓子類が挙げられる。舌下送達系としては、舌下及び舌上での溶けるタブレット、液体ドロップ及び飲料が挙げられるが、限定されない。可食性フィルム、親水性ポリマー、口腔で溶けるフィルム又は溶けるストリップを、使用し得る。他の有用な送達系は、経口又は鼻腔スプレー又は吸入剤などを含む。適切な剤形としては、錠剤、カプセル、溶液、懸濁液、粉末、ガム及び菓子類が挙げられる。舌下送達系としては、舌下及び舌上での溶けるタブレット、液体ドロップ及び飲料が挙げられるが、限定されない。可食性フィルム、親水性ポリマー、口腔で溶けるフィルム又は口腔で溶けるストリップを、使用し得る。他の有用な送達系は、経口又は鼻腔スプレー又は吸入剤などを含む。
【0066】
経口投与の場合、プロバイオティクスは、錠剤、カプセル、丸剤、粉末、顆粒剤又は他の適切な剤形の調製のために1つ以上の固体の不活性成分とさらに組み合わされ得る。例えば、活性物質は、充填剤、結合剤、保水剤、崩壊剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸収剤及び滑沢剤からなる群から選択される少なくとも1つの賦形剤と組み合わされ得る。他の有用な賦形剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、マンニトール、キシリトール、甘味料、デンプン、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、シリカ、ゼラチン、二酸化ケイ素などが挙げられるが、限定されない。
【0067】
特定の実施形態では、1つ以上の従来のアジュバント、担体又は希釈剤と一緒に本開示の方法に従い投与される組成物の構成成分は従って、医薬組成物及びその単位投与量の形態中に置かれ得る。このような形態としては、全て経口での使用のための、固体及び特に、錠剤、充填カプセル、粉末及びペレット形態;液体及び特に、水性又は非水性溶液、懸濁液、エマルジョン、エリキシル;及びそれらが充填されたカプセル;直腸投与用の座薬及び非経口使用のための滅菌注射用溶液が挙げられる。このような医薬組成物及びその単位剤形は、さらなる活性化合物又は有効成分あり又はなしで、従来の割合で従来の成分を含み得、このような単位剤形は、使用される意図された1日投与量の範囲と釣り合う、有効成分のあらゆる適切な有効量を含有し得る。
【0068】
本開示の方法に従い投与される組成物の構成成分は、多岐にわたる経口及び非経口剤形で投与され得る。次の剤形が、特定の実施形態では、活性成分として、本開示の化学的な化合物又は本開示の化学的な化合物の薬学的に許容可能な塩の何れかを含み得ることは、当業者にとって明らかであろう。
【0069】
本開示の方法に従い投与される医薬組成物を調製するための、薬学的に許容可能な担体は、固体又は液体の何れかであり得る。固体形態の調製物としては、粉末、錠剤、丸剤、カプセル、カシェー、坐薬及び分散性顆粒剤が挙げられる。固体担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤又は封入材料としても作用し得る、1つ以上の物質であり得る。
【0070】
粉末において、担体は、微粉化された固体であり、それは、微粉化された活性成分との混合物中にある。錠剤において、活性成分は、適切な割合で必要な結合能を有する担体と混合され、所望の形状及びサイズで詰められる。
【0071】
特定の実施形態では、本開示の方法に従い投与される粉末及び錠剤は好ましくは、5又は10~約70パーセントの活性化合物を含有し得る。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオバターなどである。「調製」という用語は、さらなる担体あり又はなしで活性成分が担体により取り囲まれる、従ってそれと合わせられる、カプセルを提供する担体としての封入材料を用いる活性化合物の処方を含むと意図される。同様に、カシェー及び薬用キャンディーが、含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸剤、カシェー及び薬用キャンディーが含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸剤、カシェー及び薬用キャンディーは、経口投与に適切な固体形態として使用され得る。
【0072】
液体調製物としては、溶液、懸濁液及びエマルジョン、例えば水又は水-プロピレングリコール溶液が挙げられるが、限定されない。例えば、非経口注射液体調製物は、水性ポリエチレングリコール溶液中で溶液として処方され得る。特定の実施形態では、本開示の方法に従い投与される化学的化合物は従って、非経口投与(例えば注射、例えばボーラス注射又は連続点滴による)のために処方され得、アンプル、プレフィルドシリンジ、低体積注入での投与のための単位用量で、又は保存剤が添加された複数回投与容器で与えられ得る。本組成物は、油性又は水性ビヒクル中で懸濁液、溶液又はエマルジョンとしてこのような形態をとり得、懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤などの処方剤を含有し得る。或いは、有効成分は、使用前に、適切なビヒクル、例えば滅菌、発熱物質不含水との構成のために滅菌固体の無菌的な単離によるか又は溶液からの凍結乾燥により得られる、粉末形態であり得る。
【0073】
経口使用に適切な水溶液は、水中で有効成分を溶解すること、および必要に応じて適切な着色剤、香味料、安定化剤及び増粘剤を添加することにより調製され得る。経口使用に適切な水性懸濁液は、天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム又は他の周知の懸濁剤などの粘性物質とともに水中で微粉化した活性成分を分散させることにより作製され得る。
【0074】
口腔中の局所投与に適切な組成物としては、風味付きの基剤、通常はスクロース及びアカシア又はトラガカント中で活性物質を含む薬用キャンディー;ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアなどの不活性基剤中の有効成分を含むトローチ;及び適切な液体担体中で有効成分を含む洗口液が挙げられるが、限定されない。
【0075】
溶液又は懸濁液は、従来の手段により、例えば、点滴器、ピペット又はスプレーを用いて、鼻腔に直接適用される。本組成物は、単回又は複数回の投与形態で提供され得る。鼻腔内組成物を含む気道への投与に対して意図される組成物において、本化合物は一般に、例えば、5ミクロン以下のオーダーの、小さい粒径を有する。このような粒径は、当技術分野で公知の手段により、例えば、微粒子化により得られ得る。
【0076】
医薬品は好ましくは、単位剤形である。このような形態において、調製物は、適切な量の活性成分を含有する単位用量にさらに分割される。単位剤形は、パッケージされた調製物であってよく、パッケージは、バイアル又はアンプル中のパッケージされた錠剤、カプセル及び粉末などの調製物の個別の量を含有する。また、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェー又は薬用キャンディーそのものであり得る;又はそれは、パッケージされた形態のこれらの何れかの適切な数であり得る。
【0077】
経口投与のための錠剤、カプセル及び薬用キャンディー及び経口使用のための液体は、好ましい組成物である。鼻腔への又は気道への適用のための溶液又は懸濁液は、好ましい組成物である。表皮への局所投与のための経皮パッチは、好ましい。
【0078】
処方及び投与のための技術についてのさらなる詳細は、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES(Mack Publishing Co.,Easton,PA)の最新版で見出され得る。
【0079】
特定の実施形態では、本開示の方法に従い投与される組成物を含む本発明の組成物はまた、1つ以上の賦形剤、最も好ましくは1つ以上の栄養補助剤用の賦形剤又は医薬賦形剤も含み得る。1つ以上の賦形剤を含有しかつ、1つ以上のプロバイオティクスを組み込む組成物は、当技術分野で公知の手順により調製され得る。任意選択的に、組成物は、1つ以上のアジュバント、賦形剤、担体、緩衝液、希釈剤及び/又は他の通例の医薬補助剤を含み得る。例えば、プロバイオティクスは、錠剤、カプセル、粉末、懸濁液、経口投与用の溶液、静脈内、皮内、筋肉内及び皮下投与を含む非経口投与用の溶液及び一般的及び従来のバリア、結合剤、希釈剤及び賦形剤との経皮適用用のパッチ上への適用のための溶液へと処方され得る。
【0080】
特定の実施形態では、本開示の方法に従い投与される栄養補給食品組成物を含む栄養補給食品組成物は、薬学的に許容可能な担体を含み得、かつそれと組み合わせて投与され得る。特定の実施形態では、このような処方物中の有効成分は、約1重量%~約99重量%を含み得る。他の実施形態では、このような処方物中の有効成分は、約0.1重量%~約99.9重量%を含み得る。「薬学的に許容可能な担体」は、処方物の他の成分と適合しかつ使用者に対し有害でない何れかの担体、希釈剤又は賦形剤を意味する。有用な賦形剤としては、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、何れかの許容可能な糖(例えばマンニトール、キシリトール)などが挙げられるが、限定されず、化粧品としての使用の場合、水又は油性基剤が使用さてよく、又はエマルジョンなどを含むその混合物が使用されてよい。
【0081】
投与の経路
本化合物は、経口、舌下、頬側、眼、肺、直腸及び非経口投与を含むが限定されない何れかの経路により、又は経口若しくは鼻腔スプレー(例えば噴霧蒸気、液滴又は固体粒子の吸入)として投与され得る。非経口投与としては、例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、腹腔内、鼻腔内、膣内、膀胱内(例えば膀胱へ)、皮内、経皮、局所又は皮下投与が挙げられる。また本発明の範囲内で企図されるのは、薬物の全身又は局所の放出が後の時間に起こる、制御された処方物での患者の身体における医薬組成物の滴下注入である。例えば、薬物は、循環への制御放出のための又は局所部位への放出のための、デポーに局在され得る。
【0082】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、気管支、鼻腔、プルモナル(pulmonal)、局所(頬側及び舌下を含む)、経皮、膣又は非経口(皮膚、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、脳内、眼内注射又は点滴を含む)投与に適切なものであり得るか、又は粉末及び液体エアロゾル投与を含む、吸入若しくは吹送による又は持続放出系による投与に適切な形態のものであり得る。持続放出系の適切な例は、本発明の化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスを含み、このマトリクスは、造形品、例えばフィルム又はマイクロカプセルの形態であり得る。
【0083】
上記の実施形態は、次の実施例と関連してさらに理解され得る。さらに、次の非限定例は、本発明を例示するために提供される。しかし、当技術分野の熟練者は、本発明のあらゆる与えられる実施形態に対する手順を変更する、例えば順序又は段階を変更することが必要であり得ることを認めるであろう。
【0084】
実施例
実施例1
バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411(本明細書中で以後Renusporeとも呼ばれる)のさらなる特徴評価
【0085】
・温度安定性:
PBS-pH7.51でB.メガテリウム(B.megaterium)MIT411は、45℃、75℃及び90℃にて30秒~3分間PBS中で安定なままである(図4)。
【0086】
Renusporeは、低温殺菌工程において及び、食品及び飲料及び他の適用における他の製造方法の間安定である。
【0087】
図4は、低温殺菌工程の間のリン酸塩類緩衝液中のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)の安定性を示し;結果は、平均濃度±標準偏差を示す。
【0088】
・土壌環境中の腸及び皮膚の病原体に対する抗微生物活性:
B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411(Renuspore)は、0.4%TSA寒天が重層されたTSA上でE.コリ(E.coli)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)及びS.アウレウス(S.aureus)に対し弱い抗微生物活性を有し、曇った阻害ゾーンが観察された(図5及び表1)。抗微生物活性は、固形培地においてP.エルギノーサ(P.aeruginosa)に対し観察されなかった。
【表4】
【0089】
図5は、固形培地(TSA)における腸、皮膚及び尿路の日和見性病原体に対するRenuspore抗微生物活性を示す。曇った阻害ゾーンが、B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411増殖の周囲で観察される。抗微生物活性は、阻害ゾーン(mm)標準偏差として示される。A-E.コリ(E.coli)及びB-S.エンテリティディス(S.enteritidis)及びC-S.アウレウス(S.aureus)。
【0090】
Renusporeは、固形培地において腸病原体サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)及び日和見性の腸及び尿路病原体E.コリ(E.coli)に対し活性である、広い抗微生物プロファイルを示した。Renusporeはまた、日和見性の皮膚病原体S.アウレウス(S.aureus)に対しても活性であった。
【0091】
Renusporeは、細菌病原体を締め出し健康な腸及び皮膚細菌叢を維持する可能性を有する。
【0092】
液体環境での腸及び皮膚の病原体に対する抗微生物活性:
図6は、腸、皮膚及び尿路日和見性病原体:E.コリ(E.coli)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)及びS.アウレウス(S.aureus)に対する、液体TSB培地でのB.メガテリウム(B.megaterium)MIT411抗微生物活性を示す。対照は、個々に病原体の増殖を示し;処置は、B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411存在下での病原体の増殖を示す。p<0.05及び****p<0.0001。
【0093】
Renusporeは、液体培地中で腸病原体サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)及び日和見性の腸及び尿路病原体E.コリ(E.coli)の増殖を阻害した。Renusporeは、液体培地条件において日和見性の皮膚及び尿路病原体P.エルギノーサ(P.aeruginosa)に対し活性であった。
【0094】
Renusporeは、細菌病原体を締め出し健康な腸及び皮膚細菌叢を維持する可能性を有する。
【0095】
・液体環境での腸及び皮膚の病原体に対する抗微生物活性:
B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411(Renuspore)は、液体TSB培地中でサルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)及びP.エルギノーサ(P.aeruginosa)に対し顕著な抗微生物活性を有した(図6及び表2)。弱い抗微生物活性が、E.コリ(E.coli)に対して検出され、抗微生物活性は、これらの条件下でS.アウレウス(S.aureus)に対し観察されなかった。
【表5】
【0096】
表2.B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411 腸、皮膚及び尿路日和見性病原体に対する抗微生物活性をまとめた。検出された抗微生物活性(+)、抗微生物活性は観察されず(-)。
【0097】
Renusporeは、細菌病原体を締め出し健康な腸及び皮膚細菌叢を維持する可能性を有する。
【0098】
・抗酸化活性:Renuspore B.メガテリウム(B.megaterium)の総抗酸化活性を、L.ラムノサス(L.rhamnosus)と比較した。
図7は、PBS及びB.メガテリウム(B.megaterium)の総抗酸化能を示す。結果は、nmole/g(n=3)でのトロロックス同等物の平均濃度±標準誤差を示す。Renusporeは、潜在的なプロバイオティクスL.ラムノサス(L.rhamnosus)と比較して、抗酸化レベルがより高い(示されない)。
【0099】
Renusporeは、顕著な抗酸化レベルを示し、テューキー多重比較検定によれば、Fortispore(バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)CGI314)と有意に異ならない。
【0100】
・Renusporeは、鉛を生物蓄積し、環境から鉛を排除する:
Renusporeは、生体利用可能な鉛の37.97%を排除し得る(図8A)。Renusporeは、重金属を生物蓄積することにおいても有効であると証明されている。
【0101】
図8Aは、1ppmの鉛が補充されたTSB培地でのRenusporeによる重金属生物蓄積を示す。結果は、ppmでの平均濃度(n=5)±標準誤差を示す。Renusporeと対照の間で観察された有意な減少が、示される:***p=0.001。
【0102】
Renusporeは、発明者らの環境において最も一般的に存在する重金属である鉛を生物蓄積する能力を有する。これらのデータは、環境中に存在する重金属などの環境混入物を生物蓄積しかつそれらの有害な影響を防ぐRenusporeの可能性を示す。
【0103】
Renusporeは、重金属の生物的除去のための潜在的なプロバイオティクスとして作用し得、それによりヒト身体における重金属の影響を緩和する。
【0104】
・重金属生物蓄積-水銀:
Renusporeは、水銀を効果的に生物蓄積し得、85.80%の生体利用可能な遊離水銀を減少させる(図8B)。
【0105】
図8Bは、1ppmの水銀が補充されたTSB培地中でのRenusporeによる重金属生物蓄積を示す。結果は、ppmでの平均濃度(n=5)±標準誤差を示す。Renusporeと対照の間で観察された有意な減少が、示される:****p<0.0001。
【0106】
Renusporeは、我々のの環境における2つの最も一般的に存在する重金属である鉛及び水銀を生物蓄積する能力を有する。まとめると、これらのデータは、環境中に存在する重金属などの環境混入物を生物蓄積しかつそれらの有害な影響を防ぐRenusporeの可能性を示す。
【0107】
Renusporeは、重金属の生物的除去のための潜在的なプロバイオティクスとして作用し得、それによりヒト身体における重金属の影響を緩和する。
【0108】
・鉄の生物蓄積:
Renusporeを、鉄の存在下でTSB培地中で増殖させ、その上清をアッセイした。TSB培地+鉄を、対照として使用した。結果は、細胞外分画中の鉄濃度が不変のままであったので、RenusporeはTSB培地中で鉄を生物蓄積しないことを明らかにした(図9)。
【0109】
図9は、Renusporeの細胞外画分中の鉄濃度を示す。結果は、nmole/mlでの総鉄濃度の平均濃度(n=3)±標準誤差を示す。
【0110】
Renusporeは、鉄のような必須無機物の身体の天然の吸収を損なうことなく、毒性重金属の生物的除去のための潜在的なプロバイオティクスとして作用し得る。
【0111】
・Renusporeは、カルシウムを生物蓄積しない:
Renusporeを、カルシウムの存在下でTSB培地中で増殖させ、その上清をアッセイした。TSB培地+カルシウムを、対照として設定した。上清中のカルシウム濃度が不変のままであったので、Renusporeは、TSB培地中のカルシウムを生物蓄積しない(図10)。
【0112】
図10は、Renusporeの細胞外画分中のカルシウム濃度を示す。結果は、ダネットの検定を使用して、μMでのカルシウム濃度の平均(n=3)±標準誤差を示す。
【0113】
Renusporeは、カルシウムのような必須無機物の身体の天然の吸収を損なうことなく、毒性重金属の生物的除去のための潜在的なプロバイオティクスとして作用し得る。
【0114】
・Renusporeは、マグネシウムを生物蓄積しない:
Renusporeを、マグネシウム存在下でTSB培地中で増殖させ、その上清をアッセイした。TSB培地+マグネシウムを、対照として設定した。ダネットの検定を使用して、結果は、Renusporeが、対照(TSB培地)と比較して有意に異ならなかったことを明らかにした。これは、Renusporeが環境からのマグネシウムを生物蓄積しないことを示す(図11)。
【0115】
図11は、Renusporeの細胞外画分におけるマグネシウム濃度を示す。結果は、ダネットの検定を使用して、mmol/Lでのマグネシウム濃度の平均濃度(n=3)±標準誤差を示す。
【0116】
この試験は、どのようにRenusporeが、マグネシウムを生物蓄積せずかつこの必須無機物の吸収について腸管と競合しないかを示した。
【0117】
Renusporeは、マグネシウム、鉄及びカルシウムのような必須無機物の身体の天然の吸収を損なうことなく、毒性重金属の生物的除去のための潜在的なプロバイオティクスとして作用し得る。
【0118】
・Renusporeは、ビスフェノールA(BPA)を利用又は分解しない:
バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411(Renusporeとしても知られる)は、分析したBPA濃度全て(5mg/L~100mg/L)にわたり最小培地(MM)寒天において及びブロスにおいて増殖が確認されなかったので、唯一の炭素供給源としてBPAを利用できなかった。B.メガテリウム(B.megaterium)の細胞増殖は、BPA濃度上昇とともに低下した(表3)。B.メガテリウム(B.megaterium)は、MM及びTSBブロスの両方において一晩、5mg/LのBPA濃度を低下させなかった(図12)。
【0119】
図12は、B.メガテリウム(B.megaterium)がTST又はMM培地中でビスフェノールA濃度に影響しないことを示す。(一番左の垂直なバー:対照;T=24、48、72、96、120時間、垂直バー左から右へ)。
【表6】
【0120】
・Renusporeは、環境に存在するBPAを分解する能力を有しない:
Renusporeは、DEET(N,N-ジエチル-m-トルアミド)を利用または分解しない:
DEETヒドロラーゼに対する遺伝子は、Renusporeゲノムにおいて検出されなかった。Renusporeは、最小培地を使用してエネルギー源としてDEETを利用できない。また、富栄養培地中のこの合成の化学物質の濃度を上昇させることは、Renusporeの増殖に対し毒性の影響を有する(表4、5及び6)。従って、Renusporeは、食物源としてDEETを使用できず、かつより毒性が低い生成物へとそれを分解できない。
【表7】
【表8】
【表9】
【0121】
Renusporeは、環境中に存在するDEETを分解する能力を持たない。
【0122】
・Renusporeは、環境からの亜硝酸塩を解毒し得る:
Renusporeを、亜硝酸塩の存在下でTSB培地中で増殖させ、それらの上清をアッセイした。TSB培地+亜硝酸塩を、対照として設定した。Renusporeは、環境からの亜硝酸塩を完全に除去し、硝酸塩又は一酸化窒素へとそれを変換し始めた(図13)。Renusporeは、亜硝酸レダクターゼを使用し一酸化窒素へとて亜硝酸塩を還元し得るか、又はオキシドレダクターゼを使用して硝酸塩へと亜硝酸塩を酸化し得、両方の酵素は、そのゲノム中で見出された。
【0123】
図13は、Renusporeの細胞外マトリクス中の亜硝酸塩濃度を示す。結果は、nmole/mlでの亜硝酸塩の平均濃度(n=3)±標準誤差を示す。対照とRenusporeの間で観察される有意な低下が、示される:****p<0.0001。
【0124】
Renusporeは、環境の亜硝酸塩を除去し得、ヒト身体における亜硝酸塩の毒性レベルを低下させることにおいて顕著な役割を果たし得る。
【0125】
まとめると、Renusporeは、毒性の亜硝酸塩の生物的除去に対する潜在的なプロバイオティクスとして作用し得、硝酸塩のような害がより少ない生成物へとそれらを酸化する。
【0126】
・Renusporeはアンモニアを生体分解しない:
単独の窒素供給源として塩化アンモニウムを含有する最小塩類培地を使用して、Renusporeが窒素供給源としてアンモニアを使用できるか否かを評価した。グルコース、硫酸マグネシウム及び塩化カルシウムの存在下で、Renusporeは、最小培地中で増殖でき、それにより培地から30%のアンモニアを使用した(図14A)。TSB培地中で、Renusporeは、対照との比較で観察されたアンモニア濃度における47.9%の上昇があるので、おそらくTSB培地中に存在するペプチド供給源から、アンモニアを合成できる(図14B)。
【0127】
図14Aは、Renusporeによるアンモニアの分解を示す。結果は、μmol/Lでのアンモニアの平均濃度(n=3)±標準誤差及びテューキー多重比較試験を示す。注記:印**は、Renusporeと対照の間の有意性を示す(P<0.05)。
【0128】
図14Bは、37℃で24時間の、Renuspore対対照のインキュベーション後の、TSB+1mMアンモニア中に残存するアンモニアの濃度を示す。注記:印**は、Renusporeと対照の間の有意性を示す(P<0.05)。
【0129】
Renusporeは、栄養供給源としてアンモニアを利用し得る。
【0130】
・Renusporeは、上皮腸細胞に接着する:
図15は、37℃でのHT-29及びHT-29MTX細胞へのB.メガテリウム(B.megaterium)MIT411芽胞及び栄養細胞の接着を示す。
【0131】
B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411栄養細胞は、HT-29及びHT-29-MTX腸細胞株に接着しない。B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411芽胞は、HT-29及び粘液産生HT-29-MTX細胞株に接着し;従って、それは、腸細胞に接着し、栄養細胞へと出芽し得る。
【0132】
栄養細胞は、腸に接着することなく毒性のある環境混入物を生物蓄積しかつそれらをヒトの身体から排除し得る。
【0133】
・Renusporeは、高いプロテアーゼ活性を示す:
Renusporeは、スキムミルク寒天プレート上でカゼイン分解活性を示した(図16参照)。Renusporeカゼイン分解活性の定量分析を、蛍光タグ付加カゼイン誘導体を用いる市販のキットを使用することにより評価した。Renusporeは、細胞外プロテアーゼ活性を示した。Renusporeのゲノム分析は、カゼイン分解性プロテアーゼCEPをコードする多重遺伝子(prtP)の存在を明らかにし、これは、Renusporeのこの高いプロテアーゼ活性を説明する。
【0134】
図16は、24時間でスキムミルク寒天培地を用いる従来法により検出される、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411(陽性)対B.コアギュランス(B.coagulans)(陰性)のカゼイン分解活性を示す。透明化ゾーンは、カゼイン分解度の指標を与える。左側のプレートは、画線プレートを示し、右側のプレートは、TSB中で一晩のMIT411株からの接種を示す。
【0135】
図17は、RenusporeがEnzCheck Kitを用いる定量的な細胞外プロテアーゼ分析を使用してプロテアーゼ活性を示したことを示す。
【0136】
インシリコ及びインビトロ分析の両方は、ミルクプロテイン、具体的にはカゼインを加水分解するRenusporeの能力を示唆する。
【0137】
・Renusporeは、多様な炭水化物プロファイルを有する:Renusporeは、様々な単糖類、糖アルコール、アミン糖及びグリコシドを代謝する:
Renusporeは、市販のAPI 50 CHを使用して試験した49種類のうち11種類の炭水化物に対し陽性であった。これらの炭水化物の殆どは、D-リボース、L-アラビノース、D-キシロース、D-グルコース、D-フルクトース及びD-サッカロースなどの単糖類であった。Renusporeのゲノム分析は、これらの糖の殆どの代謝に関与するトランスポーター及び酵素の存在を明らかにする。さらに、多糖類の代謝に関与する遺伝子、デンプン代謝に関与するアミラーゼAもまた、Renusporeのゲノムにおいて同定された。
【表10】
【0138】
インシリコ及びインビトロ分析の両方は、様々な炭水化物を発酵させるRenusporeの多様な能力を示唆する。
・Renusporeは、エステル、タンパク質及び炭水化物に対する酵素活性を有する:Renusporeは、API ZYMキットを使用して、エステラーゼ、α-キモトリプシン、アルカリホスファターゼ(ALP)及びガラクトシダーゼ活性について陽性であり、これは、次のことを意味する:
・適切な脂質供給源の存在下でエステラーゼの作用から遊離脂肪酸を生成させるRenusporeの高い可能性。
・Renusporeのα-キモトリプシン活性、結合に対するアミノ酸N末端がトリプトファン、チロシン、フェニルアラニン又はロイシンであるアミド結合を加水分解する能力、この活性は、Renusporeのタンパク質分解能を高めるはずである。
・ガラクトシダーゼは、これらが様々なオリゴ糖、ラクトシルセラミド、ラクトース及び多くの糖タンパク質に対し活性であるため、Renusporeの炭水化物異化反応の可能性を高める。
【0139】
実際に、インシリコ分析は、エステラーゼ、ALP、プロテアーゼ及びガラクトシダーゼをコードする遺伝子を同定した。
【表11】
【0140】
この試験は、タンパク質、オリゴ糖に対するRenusporeの加水分解能を裏付け、脂肪を分解する可能性を示す。
【0141】
これらのデータは、Renusporeが腸でのこれらの分子の消化を助け得ることを示唆する。
【0142】
・Renusporeは、ミルクプロテイン加水分解から多岐にわたる範囲のアミノ酸を生成する:
UHTミルクモデルを使用して、Renusporeのタンパク質分解能を分析した。Renusporeのインシリコ分析は、様々なプロテアーゼ、ペプチドトランスポーター及びペプチダーゼの存在を明らかにし、Renusporeにおける強いタンパク質分解系の存在を示唆する。GC-MS分析は、全部で38種類の遊離アミノ酸(FAA)化合物を同定し、そのうちの28種類は、Renusporeにおいて統計学的に有意であると見出された。この分析からの結果は、ミルクタンパク質を完全に分解してFAAを放出し得る、Renusporeにおける非常に活性なタンパク質分解系の存在を裏付ける。さらに、Renuspore中のタンパク質分解系は、これらのアミノ酸をさらに異化して芳香族カルボン酸(4-メチル-2-オキソペンタン酸、安息香酸、オキソペンタン酸及びプロポノイック酸(proponoic acid)を生成する可能性を示す。
【表12】
【0143】
インシリコ及びインビトロ分析の両方は、アミノ酸及びそれらの下流生成物の高量の放出がRenusporeが発酵させたUHTミルク中で得られたので、Renusporeが強力で活性なタンパク質分解系を有することを示唆する。
【0144】
・Renusporeは、ミルクプロテイン加水分解から広い範囲のアミノ酸を生成する:棒グラフで示されるRenuspore FAA分析(平均+SEM):
【0145】
図18は、FAAがRenusporeUHT発酵乳試料中で増加したことを示す。多重T検定を使用して行われた統計学的分析-対応のないパラメトリック、2段階設定を使用(Benjamini,Krieger及びYekutieli及びP-値≦0.01=。白色のバーは対照を表す。
【0146】
図19は、FAAがRenusporeUHT発酵乳試料中で増加したことを示す。多重T検定を使用して行われた統計学的分析-対応のないパラメトリック、2段階設定を使用(Benjamini,Krieger及びYekutieli及びP値≦0.01=。白色のバーは対照を表す。
【0147】
図20は、FAAがRenusporeUHT発酵乳試料中で増加したことを示す。多重T検定を使用して行われた統計学的分析-対応のないパラメトリック、2段階設定を使用(Benjamini、Krieger及びYekutieli及びP-値≦0.01=。白色のバーは対照を表す。
【0148】
図21は、FAAがRenusporeUHT発酵乳試料中で増加したことを示す。多重T検定を使用して行われた統計学的分析-対応のないパラメトリック、2段階設定を使用(Benjamini、Krieger及びYekutieli及びP値≦0.01=。白色のバーは対照を表す。
【0149】
・Renusporeは、弱い脂肪分解活性を示す:UHTミルクのRenuspore発酵により産生される限定的な短鎖脂肪酸(SCFA):
Renusporeはエステル分解活性を示しかつエステラーゼA及びリパーゼをコードする遺伝子を有するが、2種類のSCFAのみが、Renusporeが発酵させたUHTミルク試料中で顕著に増加した。
【0150】
図22は、SCFAがRenuspore UHT発酵乳試料中で増加したことを示す。多重T検定を使用して行われた統計学的分析-対応のないパラメトリック、2段階設定を使用(Benjamini,Krieger及びYekutieli及びP値≦0.01=。白色のバーは対照を表す。
【0151】
Renusporeと関連したわずか2種類のSCFAは;プロピオネート及び2-メチル-プロピオネートであり、これらは通常、アミノ酸代謝、具体的にはそれぞれアラニン及びバリン、と関連する。まとめて、これらのデータは、Renusporeの狭い脂肪分解活性を示唆する。
【0152】
・Renusporeプロテオミクス分析は、潜在的なプロバイオティクスの有益性を有するタンパク質を同定する:プロテオミクス試験-Renusporeセクレトーム:
TSBブロス中で24時間増殖させたRenusporeの細胞外分泌物を、質量分析に送って、プロバイオティクス株により放出されたタンパク質を同定した。全部で23種類のタンパク質が検出され、そのうち4種類が、潜在的なプロバイオティクスの有益性を有した(表9A):
【表13】
【0153】
これらのデータは、どのようにRenusporeがタンパク質及び炭水化物の消化を助けることができ、有害な化合物を解毒でき、かつ病原体に対する抗微生物特性を有するかを示す、以前のインビトロの結果を裏付ける。
【0154】
・最小培地中のFibersol(登録商標)(F)存在下でのRenuspore:
図23は、Fibersol(登録商標)が、対照と比較して、インキュベーション後24時間で最小培地中のRenusporeの濃度(CFU/mL)を有意に上昇させなかったことを示す。
【0155】
・インビトロヒトマクロファージモデルでのRenusporeの免疫調節能:
図24及び25は、Renusporeが、ヒトマクロファージ細胞培養モデルにおいてサイトカインの発現を上昇させたことを示す。LPS陽性対照とは異なり、Renusporeは、試験した全てのサイトカイン(TNF-α、IL-1β、IL-18、IL-6、GM-CSF、IL-10、IL-1RA及びEGF)の発現を上昇させた。Renusporeは、TNF-α、GM-CSF及びEGFの発現を誘導することにおいてLPSよりも有効であった。従って、Renusporeは、自然免疫系の強い刺激因子とみなされ得る。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001陰性対照よりも有意に高い;p<0.05、++p<0.01、++++p<0.0001、陽性対照よりも有意に高い。
【0156】
・H酸化ストレスC.エレガンス(C.elegans)モデルにおけるRenusporeの抗酸化能:
図26は、Renusporeが、Hへの曝露後にC.エレガンス(C.elegans)生存を向上させなかったことを示す。ビタミンCを、アッセイについての陽性対照として使用した。p<0.05 対照よりも有意に高い。
【0157】
実施例2
腸上皮のインビトロモデルに対する接着能の評価
細胞株:ヒト結直腸腺癌細胞株HT-29及び粘液分泌性細胞株HT-29-MTXを、5%CO雰囲気で37℃にて10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン及び2μg/mlアンホテリシンBを補充した低グルコースDMEM培地を使用して増殖させた。
【0158】
細胞を、5x10個の細胞/ウェルの密度で24ウェルプレート上に播種し、完全成熟まで21~28日間培養した。培地を2~3日ごとに交換した。
【0159】
実験前に、細胞を、0.5ml DPBSで2回洗浄した。DPBSを、第2回目の洗浄後にウェルから完全に吸引した。
【0160】
芽胞の調製:10ミリグラムのB.クラウシイ(B.clausii)CSI08、B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411及びB.コアギュランス(B.coagulans)CGI314芽胞粉末の重量を、15mlファルコンチューブ中で測定し、10mlの抗生物質不含の完全培養培地中で再懸濁した。懸濁液を分注し、使用まで-20℃で保管した。懸濁液を、調製から2週間以内に使用した。
【0161】
接着アッセイ:500μlの芽胞懸濁液(1.3x10~9.2x10CFU/ml)を、HT-29及びHT-29-MTX細胞に添加し、穏やかにかき回すことにより混合し、COインキュベーター中で37℃にて2.5時間インキュベートした。哺乳動物細胞を含有しない対照ウェルを、調製し、同じように並行してインキュベートした(0.5mlの芽胞懸濁液)。
【0162】
インキュベーション時に、HT-29及びHT-29-MTX細胞を、0.5ml PBSで4回洗浄した。その後、50μLのトリプシン/EDTA溶液及び50μLのPBSを、ウェルに添加し、穏やかに振盪しながら37℃で10分間インキュベートした(~100rpm)。50マイクロリットルのトリプシン/EDTA溶液を、対照ウェルに添加した。
【0163】
結果的に、450μLのPBSを、芽胞を含むウェルに添加し、ウェルの内容物を、剥離しながらエッペンドルフチューブに移し、各30秒間、3回の激しい振盪に供した。対照ウェルの内容物を、エッペンドルフチューブに移し、振盪1回に供した。
【0164】
連続希釈物(プラス対照ウェルの希釈物)を、PBS中で調製し、BC寒天(B.コアギュランス(B.coagulans)CGI314)又はPetriFilm(商標)(B.クラウシイ(B.clausii)CSI08、B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411)上に播種した。プレートを、計数前に37℃にて48時間インキュベートし、PetriFilmを、計数前に37℃で24時間インキュベートした。
【0165】
実験を、実験ごとに3回技術的反復して2又は3回行った。結果は平均±SEMとして表される。
【0166】
図27は、37℃での腸上皮細胞株HT-29及びHT-29-MTXにおけるバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411栄養細胞及び芽胞の接着能を示す(DI_EK_03)。(左グラフ)B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411芽胞(左バー)及び栄養型B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411(右バー)によるHT-29上の接着細菌のパーセンテージを示す図27を参照。また、(右グラフ)B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411芽胞(左バー)及び栄養型B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411(右バー)によるHT-29-MTX上の接着細菌のパーセンテージを示す図27も参照。
【0167】
比較試験において、HT-29-MTX細胞株へのB.クラウシイ(B.clausii)CSI08、B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411及びB.コアギュランス(B.coagulans)CGI314芽胞の接着は、次の通りであった(表D):
【表14】
【0168】
HT-29細胞株へのB.クラウシイ(B.clausii)CSI08、B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411及びB.コアギュランス(B.coagulans)CGI314芽胞の接着(表E):
【表15】
【0169】
結論:
1.上で示される結果は、おそらく芽胞の物理的特性のため、非粘液分泌性細胞と比較して粘液分泌性細胞株HT-29-MTXに接着する芽胞のより高い能力を示す。
2.B.メガテリウム(B.megaterium)MIT411及びB.コアギュランス(B.coagulans)CGI314芽胞は、B.クラウシイ(B.clausii)CSI08芽胞と比較して、非粘液産生細胞株HT-29に接着するより高い(しかし全体的に低い)能力を有する。
【0170】
実施例3
安全性、忍容性及び胃腸の健康におけるバチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)CSI08、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411及びバチルス(Bacillus)カクテルの評価:健康な成人におけるランダム化二重盲検プラセボ対照試験
【0171】
毎日投与される、1X10CFUバチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)CSI08、1X10CFUバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411及び、0.5x10CFUのバチルス・サブチリス(Bacillus subitilis)DE111(登録商標)、0.5x10CFUのバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411、0.5x10CFUのバチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)CGI314、0.5x10CFUバチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)CSI08を含有するプロバイオティクスカクテル(即ち、総数が2.0x10CFUのバチルス・サブチリス(Bacillus subitilis)DE111(登録商標)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)CGI314及びバチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)CSI08)の安全性、忍容性及び影響を、マルトデキストリンを含有するプラセボ対照と比較して評価した。全部で98名の試験参加者は、1日用量を45日間受け、2週間のウォッシュアウト期間がそれに続いた。上気道、尿路及び/又は胃腸に関する愁訴の発生及び持続期間を記録するための質問票及び便通及び便の硬さを記録するための日記を毎日つけて、45日間を通じてコンプライアンスを記録した。糞便及び血液試料を、処置期間の開始及び終了時に微生物学的及び血液学的分析のために収集した。プロバイオティクスカクテルは、試験全体を通じて軟便の発生を顕著に減少させた。記録された呼吸、尿及び胃腸症状、排便頻度及び他の便の硬さは、影響されなかった。肝臓及び腎臓機能などの血液パラメーターにおける臨床的に意義のある変化及び重篤な有害事象は、投与中及び投与後に見られなかった。ベースライン時及び処置期間の終了時に参加者に与えられた気分質問票により決定した場合、悲嘆、焦燥感、エネルギー、食欲、緊張、ストレス、睡眠、心血管系事象、痛み及び疼痛及び眩暈を含む、症状における変化はなかった。同様に、測定された炎症性サイトカイン、抗酸化レベル、コレステロール、トリグリセリド、遊離アミノ酸又はミネラルは影響されないままであった。処置群の何れかでの細菌叢のアルファ又はベータ多様性における負の変化はなかった。これらの有望なデータは、これらの処置が安全で忍容性が良好であったことを示唆し、より大きなコホートでのさらなる研究が、選択人口群におけるこれらの潜在的なプロバイオティクスの有効性を決定するために正当化される。
【0172】
プロバイオティクスは、病原性が低いか又はない、ヒト腸に存在する生きている微生物であり、宿主に対し有益な効果を示す。プロバイオティクス細菌を含有する一般的な製品としては、健康補助食品及び食品、例えば発酵乳製品、ザウアークラウト及びサラミが挙げられる。プロバイオティクス補給は、抗生物質に関連する下痢、便秘、アレルギー及び糖尿病などの、様々な不調の緩和に対する良好な結果を示している。プロバイオティクスは、防御的な特性も示した。
【0173】
プロバイオティクスサプリメントは、ヒト腸に対し異なる効果を発揮する1つ以上の異なる細菌株を含有し得る。一般的なプロバイオティクス株は、胃酸、胆汁酸塩及び膵臓酵素に対するそれらの耐性のためラクトバチルス(Lactobacillus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)及びストレプトコッカス(Streptococcus)などの乳酸産生者である。試験は、乳酸菌が、インビトロでの病原性のグラム陰性細菌コロニー形成(例えばサルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)及びエシェリキア・コリ(Escherichia coli))の有効な阻害剤であることを示した。
【0174】
しかし、全てのプロバイオティクスサプリメントが乳酸産生者であるわけではない。バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)芽胞は、ヒト及び動物の摂取用の、プロバイオティクス、競合的な排除剤及び予防薬として使用されてきた。全ての4種類の桿菌(Bacilli)株は、グラム陽性、芽胞形成、桿状細菌である。栄養制限条件下で、バチルス(Bacillus)sp.は、環境ストレス要因及び栄養欠乏に対して耐性のある休止状態内生芽胞を形成し得、これらの細菌をプロバイオティクスサプリメントに対する実行可能な選択肢にする。
【0175】
DE111、CSI08、CGI314及びMIT411は、プロバイオティクスのユニークな株である。プロバイオティクスのバチルス(Bacillus)株であり、これらは、厳しい消化性の環境に耐えることができ、かつ腸でコロニー形成でき、従って健康なGI管を支援する。現在まで、DE111は、成人用のプロバイオティクス食品成分として及びプロバイオティクスカプセルとして米国及びカナダの両国で販売されている。この治験で使用される他の3種類のバチルス(Bacillus)プロバイオティクスCSI08、CGI314及びMIT411は、現在市場になく、本明細書中で特許請求される。
【0176】
この試験は、3種類の新しいプロバイオティクス株の安全性を決定すること及び健康な成人における胃腸問題及び感染並びに呼吸器感染の発症及び/又は持続期間を低減することにおけるそれらの有効性を評価することであった。
【0177】
材料及び方法
対象
18~65歳の健康な成人ボランティアが、2021年2月~7月にチラシ、ポスターを使用して、および彼らの医師から動員された。受け入れ基準は、インフォームドコンセントを提供する意思があること及び全体的な健康状態が良好であることを含んだ。除外基準は次のものを含んだ:何れかの既存の有害事象条件の存在(例えば胃潰瘍、クローン病、UC、糖尿病、腎臓病、HIV/AIDS、肝炎、癌及び臓器移植レシピエント)、消化の不調(便秘、膨満又は下痢)のための薬物摂取、ランダム化前の過去4週間以内の抗生物質の使用、この試験により提供されたもの以外の何れかのプロバイオティクスサプリメントを中断する意思がないこと、既知の免疫不全又は免疫抑制薬の使用、妊娠、分娩後6カ月又は授乳中、一連の試験中に妊娠について計画している妊娠可能な年齢の女性、別の試験への参加及び気分に対する薬物の使用(例えば抗うつ薬、抗不安薬、統合失調症治療薬)。
【0178】
この試験は、スロベニアのUniversity of Ljubljana,Biotechnical Faculty,Nutritional Research Ethics Committeeにより承認され、ヘルシンキ宣言により確立された指針に従い行われた。全参加者は、この試験からいつでも撤退できることを知らされることに加えて、この試験の目的、要件及びリスクを知らされた。参加者は、試験プロトコールを十分に知っていることを示すそれらの書面による同意を提供した。
【0179】
実験デザイン
この試験は、二重盲検、プラセボ対照、ランダム化、並行試験であった。試験は、University Clinical Centre Maribor,Sloveniaを通じて行われ、CRO Vizera d.o.o.,Sloveniaによりコーディネートされた。参加者を、毎日投与される3つの処置群又はプラセボの何れか1つにランダム化した。処置群は、毎日投与される1x10CFU/用量のバチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)CSI08、1x10CFU/用量のバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411及び、全部で2.0x10CFU/用量のバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)DE111(登録商標)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)MIT411、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)CGI314及びバチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)CSI08を含有するプロバイオティクスカクテルであった。プラセボは、コメのマルトデキストリンであった。
【0180】
ランダム化スキームは、割り付け順序を、密封された不透明の封筒中で、ランダム化の日まで試験に従事する者及び参加者から隠して、CRO Vizera d.o.o.,Sloveniaにより行われた。ベースラインの特徴(年齢、性別、身長、デジタル体重計による体重)の評価及び最初の便試料の収集後に、封筒を開封し、参加者を介入に割り付けた。医師は、ランダム化数と特定の参加者に対する処置群の間のリンクを含有する個々に閉じられた封筒を受け取った。閉じられた封筒は、緊急の場合のみ開封され得た。スポンサーは、参加者の処置が一連の試験中に非盲検化された場合、すぐに知らされた。非盲検に関する情報は、データソース書類において及び参加者のケースレポートフォーム(CRF)において記録しなければならなかった。参加者は次に、食後に1日あたり1個のカプセルを摂取するよう指示された。
【0181】
参加者は、試験センターを3回訪れ、指定された医師と2回電話で話した:スクリーニング目的のための来院0(スクリーニング来院)、処置期間中に2回の来院があり、来院1はベースライン来院であり、ここでランダム化及び製品の分配を行い、来院2は、処置来院の最後であった。さらに、患者は、製品摂取の21日後に(来院と来院の間の電話(In between visits call))及び2回目の来院後の2週間のフォローアップ後に(フォローアップ電話)医師と電話で話した。この試験の図式フローチャートを、図28に示す。
【0182】
スクリーニング、同意及びランダム化の後、参加者は、あらゆる処置の前に血液及び糞便試料を提供した。45日間の介入期間の終了時に、試験参加者は、2回目の糞便試料を提供し、血液試料を再び提供した。
【0183】
図28は、試験デザインの図式フローチャートを示す。
【0184】
プロバイオティクス投与プロトコール
Deerland Probiotics and Enzymes(Kennesaw,Georgia,US)は、同一の、長方形の300mgカプセルとして治験製品を提供し、プラセボは、外観により区別できなかった。治験カプセルは、試験に従事する者又は参加者と接触を持たなかった試験協力者により処置コードがラベルされた瓶に入れて提供された。
【0185】
試験プロトコール
参加者は、Bristol糞便チャート指標に基づいて排便時間及び糞便試料のタイプ及び胃腸の不調、呼吸の不調、尿路症状、頭部、耳鼻咽喉、行動、嘔吐、食欲不振、発熱及び表皮性を含む何れかの症状があったか否かを監視するために、毎日質問票の全項目に記入した。治験中に参加者のGPへの何らかの訪問があったか又は何らかの投薬処方があった場合、これも記録し報告した。気分に関する質問票を、ベースラインで及び処置期間の終了時に参加者に与えて、前月にわたる参加者らの経験を評価した。この質問票は、1(注目に値する症状なし)~3(重度)のスケールで、悲嘆、焦燥感、エネルギー、食欲、緊張、ストレス、睡眠、心血管系事象、痛み及び疼痛及び眩暈を含む14種類の記録される症状からなった。あらゆる有害事象が、試験スタッフに報告された。
【0186】
血液試料の収集及び調製
血液に関する安全性のために、3mLのレッドキャップ血清血餅活性化因子チューブを、血液収集用に使用した(Greiner Bio-One,454029)。生化学血液パネル高密度及び低密度リポタンパク質、総コレステロール及びトリグリセリド決定のために、3.5mLのSST II Advanced/ゲル黄色キャップバイアル(Greiner Bio-One,454029)を、使用した。抗酸化剤及びサイトカインの測定のために、全血を、4mLのリチウム-ヘパリン含有チューブ(Greiner Bio-One,454029)に収集した。血漿試料を、2000Gで15分間の遠心分離により調製した。上清を、分注し、後の分析のために-80℃で保管した。
【0187】
LDL、HDL、総コレステロール及びトリグリセリドの決定
血液学及び生化学評価は、University Clinical Centre Maribor,Sloveniaにおいて行われた。血液安全性を、Sysmex EN-1000を用いて実行し、一方でLDL、HDL、総コレステロール及びトリグリセリドについての生化学アッセイは、製造者の説明書に従いアッセイし、Abbott Allinity Cにより分析した。
【0188】
サイトカイン定量
血清試料中のIL-8及びTNF-アルファの濃度を、製造者の説明書に従い、サンドイッチELISA:ヒトIL-8(CXCL8)ELISAキット(ELH-IL8-1,RayBiotech)及びヒトTNFアルファELISAキット(ELH-TNFa-1,RayBiotech)により決定した。ELISAの前に、血清試料を、キットとともに供給された希釈緩衝液を使用して1:2で希釈した。
【0189】
抗酸化活性の決定
総抗酸化活性を、製造者の説明書に従い総抗酸化能アッセイキット(Sigma,Ireland)を使用して評価し、吸光度を、340nmで測定した。
【0190】
糞便の収集
糞便を、Zymokit DNA/RNA Shield(商標)Fecal Collection Tube(ZymoResearch,California,US)を使用して、処置前のベースライン来院時に及び第45日の最終来院時に再び収集した。参加者は、排便後すぐに氷上に試料を含有する収集システムを置くこと及びクリニック来院時に試験に従事する者に試料を届けることを指示された。
【0191】
DNA抽出及び16SrRNAシーケンシング
およそ200mgの試料からの総糞便DNAを、製造者の説明書に従い、ZymoBIOMICS DNA Miniprepキット(Zymo Research,Irvine,CA,USA)を使用して抽出した。簡潔に述べると、糞便試料を、750μl ZymoBIOMICS(商標)Lysis Solutionを含有するZR BashingBead(商標)Lysisチューブに入れ、BeadBug(商標)6ホモジナイザー(Benchmark Scientific,China)で処理した:4350rpmで5x1分の叩打を行い、各叩打サイクル間に1分間の中断段階を入れた。その後、溶解チューブを、10,000gで1分間遠心分離した。400マイクロリットルの上清を、収集チューブ中のZymo-Spin(商標)III-Fフィルターに移し、8,000gで1分間さらに遠心分離した。ろ液を、1,200μLのZymoBIOMICS(商標)DNA結合緩衝液と混合し、収集チューブ中のZymo-Spin(商標)IICRカラムに移し、10,000gで1分間遠心分離した。3回の洗浄後、DNAを、100μLのZymoBIOMICS(商標)DNase/RNase不含水中で溶出させ、プロトコールに従いZymo-Spin(商標)III-HRCフィルターを使用してさらに精製した。DNA濃度を、Qubit dsDNA BRアッセイキット(ThermoFisher Scientific)を使用して決定した。
【0192】
データ生成
ライブラリ調製を、16S Metagenomic Sequencing Library Preparation(https://support.illumina.com/documents/documentation/chemistry_documentation/16s/16s-metagenomic-library-prep-guide-15044223-b.pdf)についてIlluminaガイドラインに従い行った。簡潔に述べると、16S変性プライマーを使用して、各試料から標的を増幅する。同時に、Illuminaアダプター及びバーコードを含めてライブラリの作製を可能にする。シーケンシングを、ペアエンド250bpリードを生成するNovaseq 6000機器で行った。シーケンシングデータのクオリティーコントロールを、ソフトウェアQIIME2を用いて行った。平均して、670000のリードペアが、1試料あたり生成された。ASV(OTUとも呼ばれる)の分類学的な分類を、QIIME2/DADA2及びSilva132データベースを使用して行った。
【0193】
統計学的分析
1アームあたり25名の参加者が、尿路、胃腸及び上気道の不調の発生及び持続時間を含む、可能性のある有害事象の発生及び性質を評価するために十分であると決定された。記述統計学を使用して、この試験におけるこれらのアウトカムを評価した。クラスカル・ワリス検定を使用して、試験開始時の4つの処置群の間でこれらの個々の症状の何れかの発生におけるか又は試験期間にわたる胃腸、上気道又は尿路に関する愁訴の発生及び持続時間において統計学的に有意な差はなかったことを確認した。さらに、ホルム補正を用いるノンパラメトリックマンホイットニーU検定を、プラセボ群と比較した、3種類のプロバイオティクス製品群のそれぞれの間でのペアワイズ比較のために使用した。
【0194】
胃腸健康質問票及び血液分析について、ベースラインから処置期間終了時の個々の症状スコアの変化の相違を、プラセボ群と比較した場合の3つの処置群のそれぞれの間のペアワイズ比較を評価する事後検定とともに分散分析(一元配置ANOVA検定)を使用して、処置群の中で比較した。
【0195】
シーケンシングデータについて、多重(multiple)アルファ多様性指数を、Observed、Chao1、ACE、Shannon及びSimpson指数を含み計算した。アルファ多様性を次に、処置による-又はベースラインから処置後の時点までの処置内の差を検出するために実験群の間で及びプラセボに対し比較した。
【0196】
様々な試料間の組成上の相違を定量する目的で、Bray-Curtis非類似度を、計算し、多重クラスタリングプロットの生成のために使用した。この方法は、可視化及び解釈を行い易くするために多次元からの情報をつぶす。対応のあるウィルコクソン検定を使用して、群の分布を比較した。
【0197】
存在量変動解析を、様々な処置及び時点にわたり属の存在量の有意差を検出するために行った。全処置からの第1日の試料を、第1日のプラセボ群と比較して、ベースラインで何らかのレスティング差(resting difference)があったか否かを決定した。各群について、第45日対第1日のペアワイズ比較を行った。バイファクトリアル(Bifactorial)分析もまた、第1日に関して第45日でのプラセボ群の応答と比較して、第1日に関して第45日の処置の応答において有意差があるか否かを検出するために、参照としてプラセボ群を使用して行った。
【0198】
結果
参加者
98名の参加者が、45日間の介入を完遂した(図28)。スクリーニング後、1名の参加者が、参加を辞退し、別の参加者が、妊娠したために撤退した。全部で12例の有害事象が、この試験で報告された。これらは、胃食道逆流(3例のAE)、発疹(2例のAE)及び眩暈(2例のAE)を含んだ。発疹のうち一例は、真菌性の発疹(ティネア・コルポリス(Tinea corporis))として報告され、眩暈の一例は、承認された共投薬物の使用が原因であった。報告された全ての他のAE、即ち:膣の炎症、糞便寄生虫(おそらく海外旅行に関連する)、右手首スピン(spin)、金気、腰痛、皮脂腺の炎症、肉芽腫、濃褐色の糞便及びざ瘡は、1度だけ起こった。
【0199】
因果関係評価は、報告されたAEと試験生成物の間に関係がないことを明らかにした。
【0200】
重篤な有害事象は、この試験を通じて報告されなかった。
【0201】
参加者人口統計:
【表16】
【0202】
スクリーニング来院時の胃腸の健康状態:
【表17】
【0203】
個々のリードアウトの何れについても群間で有意差はなかった。
【0204】
便の硬さ及び規則性
平均便通頻度(規則性)は、試験参加者において便通0.33~2.16回/日の範囲であった。様々な期間及び介入群比較は、同等ではないと結論付けられた。便通頻度は、プラセボ処置群又はウォッシュアウト期と平均を比較した場合、有意に異ならなかった(表12)。
【表18】
【0205】
便の硬さは、全処置期間における、軟便を有する参加者の割合及び硬便を有する参加者の割合として報告される。ベースライン質問票は、対照と比較した場合、試験群において軟便又は硬便/便秘の発生における差を報告しなかった(表2)。参加者は、過去1カ月にわたる軟便又は硬便/便秘の頻度について報告するよう求められた。スケールは、次の通りであった、0=なし、1=毎月、2=毎週、3=毎日。
【0206】
図29は、プロバイオティクスカクテルが、プラセボ対照と比較した場合、一連の試験にわたり軟便の発生を顕著に減少させたことを示す。
【0207】
この試験の最初の6週間にわたり、プロバイオティクスカクテルは、反復測定一元配置ANOVAにより決定した場合、対照と比較したとき、全体的な効果として軟便の発生を有意に減少させた(図29)(処置:F(2.615、13.08)=20.07、P<0.0001;時間(F(5、15)=2.803、p=0.055)。試験参加者のうち、プロバイオティクス群において25名のうち16名が、一連のこの試験全体にわたり軟便を全く報告せず、一方プラセボ群では8名のみ、B.クラウシイ(B.clausii)群では10名、およびB.メガテリウム(B.megaterium)群では10名であった。
【0208】
図30は、プラセボ対照と比較した場合、硬便のパーセンテージに対しいずれかの処置の効果を示さない。
【0209】
一連のこの試験にわたり硬便のパーセンテージに対し処置群のいずれかの有意な効果は、なかった(図30)(F(1.829、9.146)=2.831、P=0.113;時間(F(5、15)=1.121、p=0.391)。
【0210】
消化管症状の発生及び持続期間
【表19】
【0211】
クラスカル・ワリス検定は、処置群の間で胃腸感染症状があった日数における有意差を示さなかった。プラセボと比較して、プロバイオティクスを含有する試験製品のいずれも、胃腸の不調症状があった日数における統計学的に有意な差を示さなかった。
【0212】
尿路症状の発生及び持続期間
【表20】
【0213】
クラスカル・ワリス検定は、処置群の間で尿路感染症状があった日数における何らかの有意差を示さなかった。プラセボと比較して、プロバイオティクスを含有する試験製品のいずれも、尿路感染症状があった日数における統計学的に有意な差を示さなかった。
【0214】
上気道感染の発生及び持続期間
【表21】
【0215】
クラスカル・ワリス検定は、処置群の間で気道感染症状があった日数における何らかの有意差を示さなかった。プラセボと比較して、プロバイオティクスを含有する試験製品のいずれも、症状があった日数における統計学的に有意な差を示さなかった。
【0216】
毎日の質問票の分析
表16は、3つの処置群及びプラセボについてのベースライン時及び試験終了時の気分質問票に対する回答をまとめる。95%信頼区間での平均の変化が、示される。ANOVAオムニバス検定(p-値)及び1試料T検定(p-値)の結果も、示される。腸脳軸のスコアの変化に対する正規性の検定は、データが正規分布に従わないことを示し、これは、境界有意である(p-値が0.05~0.10)結果に影響を及ぼし得る。これは、2つの項目:活力の喪失及び食欲における変化、に影響する。代替的ノンパラメトリッククルスカル・ワリス検定を、これらの項目に適用し;0.111(活力の喪失)及び0.123(食欲における変化)のp-値が見られた。一般に、スコアの平均値は、プラセボ群を含む処置期間の終了時にそれほど高くなかった(参加者は、これらの症状によりそれほど悩まされなかった)。結果として、1試料T検定の結果は、試験の3分の1において(70回行ったうち)、統計学的に有意な変化の腸脳軸質問票スコアが観察されたことを示す。しかし、これは、プラセボ群を含む全ての処置群について観察され得る。結果として、ANOVA検定の結果は、処置群の間で腸脳軸スコア変化における有意差は検出されなかったが活力の喪失及び食欲における変化の項目について境界有意性が観察されたことを示す。バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)群における参加者は、これらの2項目について最大の差を経験した。それにもかかわらず、プラセボとのプロバイオティクス群のペアワイズ比較について統計学的有意差は観察されなかった(表16(下))。
【表22】
【0217】
コレステロール及びトリグリセリドレベル
血液試料を、あらゆる処置前の試験開始時に及び再び45日間の処置期間の終了時に集めた。高密度リポタンパク質、低密度リポタンパク質、総コレステロール及びトリグリセリド濃度について、群内の処置の有意な効果はなく、ベースラインと比較した場合の処置の有意な効果もなかった(表17)。
【表23】
【0218】
血液サイトカインレベル
【表24】
【0219】
血液試料を、あらゆる処置前の試験開始時に及び再び45日間の処置期間の終了時に集めた。IL-8又はTNFαについて、群内の処置の有意な効果はなく、ベースラインと比較した場合の処置の有意な効果もなかった(表18)。
【0220】
血液抗酸化レベル
【表25】
【0221】
血液試料を、あらゆる処置前の試験開始時に及び再び45日間の処置期間の終了時に集めた。抗酸化レベルについて、群内の処置の有意な効果はなく、ベースラインと比較した場合の処置の有意な効果もなかった(表10)。
【0222】
代謝産物レベル
【表26】
【0223】
血液試料を、あらゆる処置前の試験開始時に及び再び45日間の処置期間の終了時に集めた。試験したアミノ酸について、群内での処置の有意な効果はなく、ベースラインと比較した場合の処置の有意な効果もなかった(表20)。
【表27】
【0224】
血液試料を、あらゆる処置前の試験開始時に及び再び45日間の処置期間の終了時に集めた。無機物レベルについて、群内の処置の有意な効果はなく、ベースラインと比較した場合の処置の有意な効果もなかった(表21)。
【0225】
細菌叢の変化
処置期間の前後に収集した対象からの試料を、包括的な細菌叢分析のために選択した。短いリード及び質が低いリードの除去の後、202,413配列を保持し、1試料あたり2,736配列の平均および440ヌクレオチドの平均の長さを有した。ESPRITツリーを使用して、及び10配列未満を含有するOTUの除去後、95及び98%の類似性レベルで1,077及び1,618のOTUが保持された。
【0226】
図31は、第1日及び第45日について各実験群におけるChao1値分布を示すボックスプロットである。点線は対となる試料を結ぶ。対応のあるウィルコクソン検定を使用して、群の分布を比較した。0.05未満のp-値は、統計学的に有意であるとみなすべきである。
【0227】
図32は、第1日及び第45日について各実験群におけるChao1値分布を示すボックスプロットである。ウィルコクソン検定を使用して、プラセボに対する各実験群の分布を比較した。0.05未満のp-値は、統計学的に有意であるとみなすべきである。
【0228】
図33は、Bray-Curtis非類似度行列において行われるPCoAクラスタリングを例示する。各処置は、異なるタブにおいて分けられ、一方で色及び形は、時間点と関連付けられる。2つの時間点からの試料は、全ての処置について一緒にクラスター化する傾向があり、データは、第1日のベースライン読み取りで互いに有意に異ならない。試料は、群内又は群間で、処置の結果として互いに有意に異ならなかった。
【表28】
【0229】
処置群の間の有意差は、鼻汁-濃厚がある日数でのみ検出され(p=0.018)、これはおそらくプロバイオティクスカクテル群中の3名の参加者のみがこの症状を報告し、一方で他の4つの処置群でこの症状を報告した参加者がいなかったからである。しかし、鼻汁-濃厚があった日数をプロバイオティクスカクテル群とプラセボ群の間で比較したさらなる分析(ホルム補正を伴うマンホイットニーU検定)は、おそらく試料サイズが小さいために、有意差を示さなかった。
【0230】
【表29】
【0231】
クラスカル・ワリス検定は、臨床的に意義がある感染があった処置群での日数における有意差を示さなかった。しかし、境界の統計学的に有意な結果が、臨床的に意義がある胃腸感染について観察された。これはおそらく、4つのプロバイオティクス処置群で臨床的に意義がある胃腸感染を経験した者がなかったという事実のためであり、一方プロバイオティクス群で、全部で2日間のこのような感染が観察され、これは偶然起きたものであり得る。
【0232】
それにもかかわらず、プラセボと比較して、プロバイオティクスを含有する試験製品のいずれも、統計学的に有意な差を示さなかった。
【表30】
【0233】
群間の有意差が、総処置期間で並びに処置期間の第6週及び第7週における軟便の割合において検出された。しかし、さらなる分析(ホルム補正を用いたマン-ホイットニーU検定)は、おそらく試料サイズが小さいために、有意な差を示さなかった。プロバイオティクスカクテル群における参加者は、全ての便あたりの軟便の最小の割合を有した。
【表31】
【0234】
群の間での有意差は、便秘があった日数でのみ検出され(p=0.013)、これはおそらく、プラセボ群で3名の参加者のみが参加者の日記2においてこの症状を報告し、一方で他の4つの処置群において、どの参加者もこの症状を報告しなかったという事実による。しかし、便秘があった日数を個々のプロバイオティクス群とプラセボ群の間で比較したさらなる分析(ホルム補正を用いたマン-ホイットニーU検定)は、おそらく試料サイズが小さいために、有意な差を示さなかった。
【0235】
この試験は、新規プロバイオティクス、即ちバチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)及び、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)及びバチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)を含有するプロバイオティクスカクテルの安全性及び有効性に取り組んだ。
【0236】
処置群間のベースラインでの参加者の胃腸の健康は、試験群の間で差がなく、これはランダム化のためと予想された。
【0237】
全部で17例のAEが報告され、SAEがなかったので、この試験の主要アウトカム(安全性)が達成された。因果関係評価は、報告されたAEと試験製品の間の関係を示さなかった。
【0238】
有効性に関連するアウトカムのいずれも、何らかの統計学的に有意な差を示さなかったが、これは、試験群あたりの試料サイズが小さいので、驚くに当たらない。さらに、活性生成物に有利ないくつかの傾向が、特に腸脳軸スコア及び軟便の割合において、観察された。
【0239】
結論として、プロバイオティクス生成物は、成人での使用に対して安全であることが示され、腸脳軸及び便の硬さに関していくつかの有益なデータが示された。
【0240】
考察
腸の健康の維持におけるバチルス(Bacillus)プロバイオティクスの使用は、この数年で大いに支持され、その臨床適用を推進した。それらの有利な効果は、抗菌及び免疫調整活性、細胞増殖及び分化の調節、細胞-細胞シグナル伝達、細胞接着、シグナル転写及び形質導入、ビタミンの産生及び遺伝毒性剤からの腸の保護などの、いくつかの特性と関連付けられている。
【0241】
この試験は、健康な成人での全般的な健康及び胃腸症状に対する3種類のプロバイオティクス処置の効果を評価するために行われた。安全性又は忍容性の懸念事項及び有害事象はなかった。胃腸の問題がない健康な個体におけるこの小規模試験コホートで、便通の規則性及び便の硬さに対する負の影響はなく、かつ悲嘆、焦燥感、エネルギー、食欲、緊張、ストレス、睡眠、心血管系事象、痛み及び疼痛及び眩暈に対する負の影響はなかった。実際に、発明者らは、プロバイオティクスカクテルの投与に起因する介入期間を通じた軟便の発生の減少を報告する。
【0242】
参考文献
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【0243】
本発明は、本明細書中に記載される実施形態に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく、修正又は変更され得る。
【0244】
本発明を記載する文脈における(特に特許請求の範囲の文脈における)「a」、「an」、「the」及び同様の指示対称の語の使用は、本明細書中で別段の指示がない限り、又は文脈により明らかに否定されない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書中での値の範囲の列挙は単に、本明細書中で別段の指示がない限り、範囲内に入る各個別の値に個々に言及する省略法として機能すると意図され、各個別の値は、それが個々に本明細書中で列挙されるかのように本明細書に組み込まれる。「約」という用語の使用は、およそ±10%の範囲の述べられる値の上又は下の何れかの値を記載すると意図され;他の実施形態では、値は、およそ±5%の範囲の述べられる値の上又は下の何れかの値の範囲であり得;他の実施形態では、値は、およそ±2%の範囲の述べられる値の上又は下の値の範囲であり得;他の実施形態では、値は、およそ±1%の範囲の述べられる値の上又は下の値の範囲であり得る。前述の範囲は、文脈により明らかにされると意図され、さらなる制限は示唆されない。本明細書中に記載の全ての方法は、本明細書中で別段指示されない限り、又は文脈により明らかに否定されない限り、あらゆる適切な順序で行われ得る。本明細書中で提供されるありとあらゆる例又は代表的な語(例えば「など」)の使用は、本発明をより良好に明らかにするものに過ぎず、別段の断りがない限り、本発明の範囲に対する制限を課さない。明細書中の如何なる語も、請求されていない何れかの要素が本発明の実施に必須ものとして示されるものとして解釈されるべきではない。
【0245】
前述の明細書においてその特定の実施形態に関連して本発明を説明し、例示を目的として多くの詳細を提示してきたが、本発明がさらなる実施形態の影響を受け易いこと及び本明細書中に記載の特定の詳細が本発明の基本的な原理から逸脱することなく、大幅に変更され得ることは当業者にとり明らかであろう。
【0246】
本明細書中で引用される全ての参考文献は、その全体において参照により組み込まれる。本発明は、本発明の精神又は必須の特質から逸脱することなく、他の具体的な形態で具現化され得、従って、本発明の範囲を示すものとして、前述の明細書ではなく添付の特許請求の範囲を参照すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
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図14A
図14B
図15
図16
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図30
図31
図32
図33
【配列表】
2024546089000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
2024546089000001.xml
【国際調査報告】