(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】流体を圧縮又は加圧するための及び改良された冷却を可能にするエネルギー回収を伴う空冷式加圧装置
(51)【国際特許分類】
F04B 39/06 20060101AFI20241210BHJP
F04D 29/58 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
F04B39/06 E
F04D29/58 M
F04B39/06 L
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024533844
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 IB2022061644
(87)【国際公開番号】W WO2023111745
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】デ ボントリーデル トマス ヴィレム イー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマンス ヘールト
【テーマコード(参考)】
3H003
3H130
【Fターム(参考)】
3H003AC01
3H003BE01
3H003CD05
3H130AA12
3H130AB27
3H130AB60
3H130AC30
3H130BA33A
3H130BA33J
3H130BA35A
3H130BA35J
3H130BA66A
3H130BA66J
3H130CA06
3H130DG03X
3H130EC02A
3H130EC02J
(57)【要約】
流体(2)を圧縮するための加圧装置(1)であって、ハウジング(4)と、流体ダクト(5)と、各々が加圧要素(40、41)を備える1又は2以上の加圧段(38、39)と、ハウジング(4)を貫通する空気流路(19)に空気流(24)を送り込む装置と、液冷回路(25)とを備え、液冷回路(25)は、少なくとも、
-液体(27)を循環させるためのポンプ(26)と、
-各加圧要素(40、41)の下流にある液体-流体熱交換器(42、43)と、
-エネルギーを回収するための液体-液体熱交換器(30)と、
-空気流路(19)に配置された液体-空気熱交換器(33)と、
を備え、流体ダクト出口部(36)には、空気流路(19)において流体-空気熱交換器(35)が設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体(2)を圧縮又は加圧するエネルギー回収を伴う空冷式加圧装置(1)であって、ハウジング(4)と、前記流体(2)を流体ダクト入口(6)から流体ダクト出口(8)まで前記加圧装置(1)を通して導くための流体ダクト(5)と、各々が加圧要素(12、40、41)を備える前記流体ダクト(5)の1又は2以上の加圧段(11、38、39)と、前記ハウジング(4)を貫通する空気流路(19)に空気流を送り込む装置(24)と、閉ループ液冷回路(25)とを備え、
前記液冷回路(25)は、少なくとも、
-前記閉ループ液冷回路(25)内で前記液体(27)を循環させるための、液体流を送り込む装置(26)と、
-前記加圧要素(12、40、41)の各々の下流(液体流の)にある液体-流体熱交換器(28、42、43)と、
-エネルギー回収のための液体-液体熱交換器(30)と、
-前記空気流路(19)に配置された液体-空気熱交換器(33)と、
を備え、
前記流体ダクト(5)の流体ダクト出口部(36)には、前記流体ダクト(5)内の加圧流体(2)から空気流路(19)内の空気(34)への熱伝達のために、前記空気流路(19)において流体-空気熱交換器(35)が設けられている、空冷式加圧装置(1)。
【請求項2】
圧縮機要素(12、40、41)である1又は2以上の加圧要素(12、40、41)を備える圧縮機装置(1)である、請求項1に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項3】
前記空気流を送り込む装置(24)は、単一のファン又はベンチレータ(24)であり、前記液冷回路(27)内の前記液体(27)は、水(27)であり、前記閉ループ液冷回路(25)内で前記液体(27)を循環させるための前記液体流を送り込む装置(26)は、送水ポンプ(26)である、請求項1又は2に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項4】
前記ハウジング(4)は、主として2つの区画(15、16)を備え、第1の区画(15)には、前記加圧要素(12、40、41)、前記液体-流体熱交換器(28、42、43)、及び前記液体-液体熱交換器(30)が組み込まれており、第2の区画(16)は、前記液体-空気熱交換器(33)及び前記流体-空気熱交換器(35)が設置される前記空気流路(19)を形成する、請求項1から3のうちの1又は2以上に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項5】
前記加圧装置(1)は、単一の加圧段(11)のみを備え、前記加圧装置(1)は、前記閉ループ液冷回路(25)に単一の液体-流体熱交換器(28)を備え、前記単一の加圧要素(28)は、前記単一の加圧段(28)の下流(流体流の)にある前記流体ダクト(5)の部分部に配置されるか又は前記流体ダクト(5)の部分と相互作用し、第1のアフタークーラ(29)を形成しており、前記流体-空気熱交換器(35)は、前記第1のアフタークーラ(29)の下流(流体流の)にある前記流体ダクト(5)の部分に配置され、追加のアフタークーラ(37)を形成している、請求項1から4のうちの1又は2以上に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項6】
前記加圧装置は、2つの加圧段(38、39)を備え、それぞれ、低圧段加圧要素(40)を備えた低圧段(38)と、高圧段加圧要素(41)を備えた高圧段(39)であり、前記加圧装置は、前記低圧段加圧要素(40)と前記高圧段加圧要素(41)との間にある前記流体ダクト(5)の部分に配置されるか又はそれと相互作用し、インタークーラ(44)を形成している、前記閉ループ液冷回路(25)の第1の液体-流体熱交換器(42)と、前記高圧段加圧要素(41)の下流(流体流の)にある流体ダクト(5)の部分に配置されるか又はそれと相互作用し、第1のアフタークーラ(29)を形成している、前記閉ループ液冷回路(25)の第2の液体-流体熱交換器(43)とを備え、前記流体-空気熱交換器(35)は、前記第1のアフタークーラ(29)の下流(流体流の)にある前記流体ダクト(5)の部分(36)に配置され、追加のアフタークーラ(37)を形成している、請求項1から5のいずれかに記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項7】
前記加圧装置(1)は、複合アフタークーラ(45)である単一のアフタークーラを備え、前記複合アフタークーラ(45)は、前記第1のアフタークーラ(29)を形成しており、前記ハウジング(4)の前記第1の区画(15)に配置された液体-流体熱交換器(43)である第1の部分(46)と、前記追加のアフタークーラ(37)を形成しており、前記ハウジング(16)の第2の区画によって形成された前記空気流路(19)に配置された流体-空気熱交換器(35)である第2の部分(47)と、を備える、請求項5又は6に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項8】
前記ハウジングは、第1の区画(15)を備え、前記第1の区画(15)には、加圧要素(40、41)、前記液体-流体熱交換器(42、43)、及び前記液体-液体熱交換器(30)が組み込まれており、前記第1の区画(15)には、加圧流体(2)を乾燥させるための乾燥器(48)が組み込まれており、前記乾燥器(48)は、前記流体-空気熱交換器(35)の下流(流体流の)にある前記流体ダクト出口部(36)の部分(50)で加圧流体(2)を乾燥させる、請求項1から7のうちの1又は2以上に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項9】
前記乾燥器(48)は、吸収手段(53)の吸収によって前記流体(2)を乾燥させるように構成された回転ドラム乾燥器(48)であり、前記吸収手段(53)は、加圧流体(2)から前記吸収手段(53)への水の吸収によって前記加圧流体(2)を乾燥させるための乾燥区画(54)と、前記吸収手段(53)からの水の脱離によって前記吸収手段(53)が再生される再生区画(55)とを通って回転するように構成されている、請求項8に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項10】
前記加圧装置(1)は、最も下流(流体流の)にある前記加圧要素(41)と対応する前記第1のアフタークーラ(29)との間の部分で前記流体ダクト(5)に接続され、不飽和高温流体(2)を前記再生区画(55)に供給するために前記流体ダクト(5)と前記回転ドラム乾燥器(48)の前記再生区画(55)との間に延びている流入流体ダクト分岐部(56)を備える、請求項9に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項11】
前記第1のアフタクーラ(29)の上流(液体流の)の前記閉ループ液冷回路(25)に、追加の液体-流体熱交換器(59)が組み込まれており、前記液体-流体熱交換器(59)は、前記回転ドラム乾燥器(48)の前記再生区画(55)から出る流体(2)から前記液冷回路(25)の対応する部分の前記液体(27)への熱伝達のための再生冷却器(59)を形成している、請求項10に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項12】
流出流体ダクト分岐部(58)を流れている前記回転ドラム乾燥器(48)の前記再生区画(55)からの冷却された流体(2)の流れと、追加のアフタークーラ(37)を形成し、流体ダクト出口部(36)の第1のセクション(49)を通って流れる、前記空気流路(19)の前記流体-空気熱交換器(35)からの流体(2)の流れは、前記流出流体ダクト分岐部(58)と前記流体ダクト出口部(36)のセクション(50)とのT字型交差点で混合され、前記回転ドラム乾燥器(48)の前記再生区画(55)を通る流体(2)の流れと逆流で前記回転ドラム乾燥器(48)の乾燥区画に(54)に供給される、請求項11に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項13】
前記加圧装置(1)は、前記液冷回路(25)の一部を短絡するバイパス管(61)を備え、前記バイパス管(61)は、エネルギー回収のための前記液体-液体熱交換器(30)と、前記空気流路(19)に配置された前記液体-空気熱交換器(33)との間の前記液冷回路(25)の部分と、前記再生クーラ(59)と第1のアフタークーラ(29)を形成する前記液体-液体熱交換器(43)との間の前記液冷回路(25)の部分との間に延びている、請求項11又は12に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項14】
バイパス弁(62)は、前記バイパス管(61)に、又は前記再生冷却器(59)と前記第1のアフタークーラ(29)を形成している前記液体-流体熱交換器(43)との間の液冷回路(25)の部分に設けられている、請求項13に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項15】
前記液冷回路(25)は、前記液冷回路(25)の前記第1のアフタークーラ(29)を含む部分と並列に接続される並列液体流分岐部(63)を備え、前記再生冷却器(59)は、前記並列液体流分岐部(63)に含まれている、請求項11から14のうちの1又は2以上に記載の空冷式加圧装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体、一般に空気などのガス状流体、又は二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素などの他のガスを圧縮又は加圧するための加圧装置、一般には圧縮機に関する。しかしながら、加圧装置が、水蒸気などのような、より高密度の流体を圧縮又は加圧するために使用されることは、本発明から除外されない。
【0002】
さらに、本発明の加圧装置は、ハウジングと、流体を流体ダクト入口から流体ダクト出口まで加圧装置を通して導くための流体ダクトと、各々が流体を加圧するための加圧要素を含む1又は2以上の加圧段とを備え、これらの加圧段は、流体ダクトに含まれ、流体ダクトの一部を形成する。
【0003】
一般に、加圧要素は直列に接続されているが、他の構成も本発明から除外さない。
【0004】
一般に、圧縮されていない周囲空気は、流体ダクト入口で取り込まれ、加圧装置内の異なる加圧段を通って圧縮空気に変換され、圧縮空気又は加圧空気(又はより一般的な場合には加圧流体)の使用者が使用するために流体ダクト出口に供給される。
【0005】
より具体的には、本発明は、少なくとも部分的に空冷手段である冷却手段を備える種類の加圧装置に関する。そのために、本発明が関連する加圧装置は、空気流路入口から空気流路出口までハウジングを通る空気流路内で空気流を送り込む装置を備える。一般に、空冷式加圧装置は、加圧装置を冷却するための外部冷却システムが利用できない場合に使用される。
【0006】
また、本発明が関連する種類の加圧装置は、エネルギーを回収するための要素、詳細には加圧装置の作動時に加圧又は圧縮された流体中に蓄積された熱を回収するための要素も備える。
【背景技術】
【0007】
空気又は他の流体を圧縮すると、エネルギーは熱に変換され、その結果、高温の圧縮又は加圧流体が生じる。この熱は、加圧又は圧縮流体を水のような液体で冷却することによって回収することができる。このように、高温の液体、一般には温水が利用可能になり、これは他のプロセス(一般的な加熱など)に使用することができ、圧縮及び加圧プロセスのエネルギーが少なくとも部分的に回収される。これは、エネルギー回収(ER)を伴う加圧装置又は圧縮機と呼ばれる。
【0008】
一般に、水冷式又は液冷式加圧装置は、圧縮又は加圧流体、及び圧縮プロセス中に存在する何らかの他の物質(軸受、ポンプ、歯車装置、及び加圧装置の他の部分を潤滑するためのオイルなど)を冷却するために、外部ユニットからの液体冷却剤を使用する。このような水冷式又は液冷式加圧装置は、熱を一時的に蓄えることができる液体を利用でき、その液体から熱を熱消費者に容易に伝達できるため、エネルギー回収に利用するのにも非常に適していることは明らかである。
【0009】
このような外部冷却液システムが現場で利用できない加圧装置の用途では、他の手段で冷却を得る必要がある。このような場合、一般に空冷が適用され、空気に伝達された熱は、通常、大気中で失われる。しかしながら、空冷を使用するこのような用途でも、ある程度のエネルギー回収が望まれる場合が多い。
【0010】
冷却システムとエネルギー回収システムとの間には、加圧装置、及び/又は加圧又は圧縮流体から何らかのエネルギーを吸収し、この熱を別の場所に伝達するという点で類似点があるが、冷却システムとエネルギー回収システムには、いくつかの大きな相違点もあることに注意することが重要である。
【0011】
例えば、冷却システムは、例えば加圧装置の故障を回避する目的で、全ての状況下で加圧装置に十分な冷却を提供する必要がある。さらに、冷却システムは、通常、他の場所の温度がどんなに上昇しても、システムの特定の部分において十分に低い温度に達することを保証する必要がある。これらの温度は、例えば加圧装置を通る流量、又は加圧装置から供給される加圧流体の所要の出口圧力に依存する。換言すれば、加圧装置の該当する温度は、加圧装置の運転条件によって大きく変動する可能性がある。
【0012】
一方、エネルギー回収システムは、外部のエネルギー消費者又は熱消費者にエネルギーを供給する。このような熱消費者は、通常、セントラルヒーティングシステムのような実用的な用途に有用であるように、入口において十分に高い温度を有する液体を要求する。また、エネルギー回収システムは、多くの場合、連続的に使用されないか又は加圧装置の作動から独立しており、加圧装置の安全かつ効率的な機能に直接結びつかない変動するエネルギー消費を有する。エネルギー回収システムでは、エネルギー消費の変動は、エネルギー消費者又は熱消費者からの要求と需要に完全に依存する。
【0013】
従来技術によれば、エネルギー回収を伴う空冷式加圧装置は、加圧装置に閉ループ液冷回路を組み込むことによって得ることができる。閉ループ液冷回路内で液体を循環させるために、液冷回路は、液体流を送り込む装置、典型的には送水ポンプを備える。液冷回路内の液体は熱伝達液体であり、典型的には水であるが、液冷回路内に、オイル、合成炭化水素又はシリコーンベースの流体、溶融塩又は溶融金属、又は他の何らかの適切な液体のような、他の熱伝達液体を使用することは本発明から除外されない。また、液冷回路内に液体流を送り込むための、必ずしも送水ポンプではない他の対応する適切な装置を使用することもできる。
【0014】
一方、エネルギー回収は、加圧又は圧縮時に加圧流体中に蓄積される熱を、液冷回路の液体中に一時的に蓄積し、この熱を熱消費者に伝達することによって実現される。
【0015】
圧縮時に加圧流体中に蓄積された熱は、液冷回路に含まれる液体-流体熱交換器によって、液冷回路の液体中に捕らえられる。一般に、液冷回路には、加圧装置の加圧段の数に相当する複数の液体-流体熱交換器が含まれる。これらの液体-流体熱交換器は、各加圧要素の下流(流体流の)にある流体ダクトの一部に配置される。このようにして、流体ダクトの該当部分の加圧流体からの熱は、液体冷却回路の対応する部分の液体に伝達される。通常、液体-流体熱交換器は直列に接続され、液冷回路内の液体流は、流体ダクト内の流体流と逆流することが好ましい。
【0016】
液冷回路の液体に一時的に蓄えられた回収熱を熱消費者に供給するために、液体-液体熱交換器が、同様に液冷回路に含まれる。この液体-液体熱交換器は、液冷回路内の液体から熱消費者の別の液体回路(一般には水回路)へ熱を伝達することを目的としている。例えば、このような熱消費者は、工場の事務所の放熱器を暖めるための暖房システム、生産工程で物質を加熱するためのもの、又は他の種類の熱消費者とすることができる。この液体-液体熱交換器は、一連の液体-流体熱交換器の上流(液体流の)に配置されている。
【0017】
一方、所要の冷却能力は、同様に液冷回路に含まれている大型の液体-空気熱交換器で構成される空冷によって、全ての状況で保証される。
【0018】
加圧装置のハウジングには空気流路が設けられ、空気流を送り込む装置、一般にファン又はベンチレータは、空気流路に設置されている。このようにして、空気流は、空気流路入口から空気流路出口まで、ハウジングによって生み出すことができる。液体-空気熱交換器は、液冷回路内の液体から、空気流を送り込む装置によって空気流路を通って送り込まれる空気への熱伝達のために、空気流路内に配置されている。
【0019】
液体-空気熱交換器は、エネルギー回収のための上記の液体-液体熱交換器の下流(液体流の)に配置され、加圧流体からの熱のさらなる吸収のために加圧要素の後方の液体-流体熱交換器に還流する前に、閉ループ液冷回路内の液体を追加的に冷却するための、追加的な液体冷却器として意図されている。
【0020】
実際、液体-流体熱交換器での効率的な熱伝達のためには、流体ダクト内の加圧流体の温度と液冷回路の液体の温度との間の差は、十分に大きいことが必要である。
【0021】
さらに、例えば熱消費者による不十分な熱消費に起因して、熱消費者への伝達によって放出されなかった余剰熱は、いかなる状況であっても、液体-空気熱交換器によって空気流路に放出される。このようにして、加圧装置の安全な機能が保証され、加圧又は圧縮流体から液冷回路の液体への熱の伝達が最適化される。
【0022】
しかしながら、エネルギー回収を伴う空冷式加圧装置の既知の構成には、いくつかの欠点がある。
【0023】
エネルギー回収を伴う空冷式加圧装置のこのような既知の構成の重要な欠点は、エネルギー回収手段を備えておらず、従って外部の熱消費者と熱交換するための一体型液冷回路を備えていない空冷式圧縮機の出口温度と比較すると、加圧装置の出口温度が依然として高いことである。
【0024】
その理由は、エネルギー回収を伴う空冷式加圧装置で使用される液体-流体熱交換器の効率が低いか、非常に低いからであり、何故なら熱消費者にとって有用な十分に高い液体温度を得るためには、液冷回路を通る液体の流量を低く維持する必要があるからである。エネルギー回収が実際に行われるのは、熱消費者に有用な熱源を供給できる場合だけである。
【0025】
液冷回路の流量が少ないと、液体は液体-流体熱交換器内に比較的長い時間留まり、温度は十分に高いレベルまで上昇する時間がある。一方、加圧装置の流体ダクトを所定の流量の流体が通る場合、液体が低流量で流れている状況では、液体が高流量で流れている状況よりも、特定の体積の流体が液冷回路内の液体に伝達する熱量が少なくなる。実際、このような体積の流体が該当する液体-流体熱交換器を流れる間にさらされる液体の量は、液体の低流量状況では、高流量状況よりも相対的に小さくなり、あまり冷却されない。
【0026】
その結果、加圧装置の出口(該当する熱交換器の後)における流体の温度は比較的高く、熱交換器の水/液体側の入口における水/液体温度と熱交換器の流体側の出口における流体の温度との間の差であるアプローチ温度は比較的高い。
【0027】
さらに、このような公知のエネルギー回収を伴う空冷式加圧装置の構成では、実際には2つの熱交換が行われる。第1の熱交換は、空気流路に設置され、液冷回路内の冷却液を冷却するために周囲空気を使用する液体-空気熱交換器で行われる。続いて、第2の熱交換は、上述の液体-流体熱交換器で行われ、ここでは、液冷回路内の冷却液が加圧装置の流体ダクト内の圧縮流体から熱を奪う。その結果、加圧装置の流体ダクト出口における周囲空気温度(冷却空気)と、圧縮又は加圧流体との間の差は大きくなる。実際、合計アプローチ温度は、上述の2つの熱交換のアプローチ温度の合計である。
【0028】
加圧装置の流体ダクト出口で圧縮又は加圧流体の温度が高いことの欠点は、圧縮又は加圧流体が高い湿度負荷(humidity load)を有することである。通常、湿度含量が大きい圧縮又は加圧流体は、圧縮又は加圧流体のほとんどの消費者には例えばその腐食性の特性に起因して許容されない。
【0029】
流体ダクト出口における圧縮又は加圧流体の高温及びその高湿度のさらなる否定的な結果は、従って、圧縮又は加圧流体を乾燥させるために追加的な手段を講じることを必要とする。
【0030】
送出される圧縮又は加圧流体中の大きな湿度含量を低減するための可能性のある解決策は、この目的のために特別に設計された、外部水分離器又は外部乾燥機と組み合わせた、追加の外部アフタークーラを加圧装置の後に追加するものである。このような解決策の欠点は、完全な設置に必要なサイズが著しく増大することである。例えば、余分な湿度を取り除くのに適した乾燥機は、同様の既知の加圧装置に通常適用される標準的な乾燥機よりも非常に大きいはずである。この種の解決策の別の欠点は、コストが非常に高くなることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明の目的は、上述の問題の1又は2以上、及び/又は可能性としてさらに他の問題を解決することである。
【0032】
特に本発明の目的は、エネルギー回収を伴う空冷式加圧装置を提供することであり、加圧装置の流体ダクト出口で測定される、加圧装置内で圧縮又は加圧される流体の流体温度は、従来公知の同様の加圧装置で測定される出口流体温度と比較して改善される、すなわち低減される。
【0033】
本発明のさらに別の目的は、エネルギー回収を伴う空冷式加圧装置を提供することであり、加圧装置の流体ダクト出口における圧縮又は加圧流体は、非常に低減された湿度含量を有する。
【0034】
本発明の目的は、流体出口温度の制御可能性を柔軟性のある方法で高めることである。
【0035】
本発明のさらなる目的は、加圧装置に一体化されている公知の加圧装置と比較して、限られた追加手段のみを追加することによって、及び/又は類似のタイプの公知の加圧装置に相対的にコンパクトな変更のみを適用することによって、流出する加圧又は圧縮流体の低い流体出口温度及び低い湿度含量という上述の目的を達成することである。詳細には、本発明の目的は、加圧装置に外部装置を追加する必要なしで上述の目的を実現することである。
【0036】
最後に、本発明の目的は、サイズが限定され、信頼性が高く、費用対効果の高い、エネルギー回収を伴う効率的な空冷式加圧装置を開発することでもある。
【課題を解決するための手段】
【0037】
この目的のために、本発明は、流体を圧縮又は加圧するエネルギー回収を伴う空冷式加圧装置に関し、空冷式加圧装置は、ハウジングと、流体を流体ダクト入口から流体ダクト出口まで加圧装置を通して導くための流体ダクトと、各々が加圧要素を備える流体ダクトの1又は2以上の加圧段と、ハウジングを貫通する空気流路に空気流を送り込む装置と、閉ループ液冷回路とを備え、
液冷回路は、少なくとも、
-閉ループ液冷回路内で液体を循環させるための、液体流を送り込む装置と、
-加圧要素の各々の下流(液体流の)にある液体-流体熱交換器と、
-エネルギー回収のための液体-液体熱交換器と、
-空気流路に配置された液体-空気熱交換器と、
を備え、
流体ダクトの流体ダクト出口部には、流体ダクト内の加圧流体から空気流路内の空気への熱伝達のために、空気流路において流体-空気熱交換器が設けられている。
【0038】
このような本発明によるエネルギー回収を伴う空冷式加圧装置の大きな利点は、圧縮又は加圧流体を冷却するための追加のアフタークーラを、別個の流体-空気熱交換器の形で備えることであり、このアフタークーラは、エネルギー回収システムとしても機能する液冷回路の一部ではなく、空気流路に設置された加圧装置の空気冷却の独立した部分である。
【0039】
この独立した流体-空気熱交換器によって、圧縮又は加圧流体は、空気流路を通って送り込まれる空気流によって直接的に冷却され、この冷却は、液冷回路のエネルギー回収部の影響を受けないか又はほとんど受けない。また、該当する冷却は、熱交換が1回しか行われず、閉ループ液冷回路のように少なくとも2回の熱交換で構成される間接冷却ではないため、より効果的である。実際には、液冷回路では、圧縮又は加圧流体から液体冷却剤中に熱を吸収するために、液体-流体熱交換器で第1の熱交換が行われ、エネルギー回収とは別に、残った余分な熱を液体から空気に排出して液体を冷却するために、空気流路の液体-空気熱交換器で少なくとも第2の熱交換が行われる。
【0040】
圧縮又は加圧流体の空冷は、空気流路に空気流を送り込む装置によって、空気流路を通る空気流を増減させることによって、より直接的な方法で一定の範囲内に制御することもできる。
【0041】
このようにして、エネルギー回収を伴う公知の空冷式加圧装置に現在見られる上述の問題が解決される。まず第1に、加圧流体又は圧縮流体は、加圧装置の流体ダクト出口に供給することができ、加圧流体又は圧縮流体の消費者への供給に適した十分に低い流体温度を有する。さらに、飽和湿度は低温でははるかに低いため、冷却された加圧又は圧縮流体は、高い湿度を含むことができない。
【0042】
本発明によるエネルギー回収を伴うこのような空冷式加圧装置の別の利点は、全ての構成要素が主として公知の類似の加圧装置のハウジングと実質的に異ならないハウジングに一体化されているので、加圧装置が依然として非常にコンパクトである点である。
【0043】
本発明によるエネルギー回収を伴うこのような空冷式加圧装置のさらに別の重要な利点は、流体-空気熱交換器の形態の圧縮又は加圧流体の追加のアフタークーラが、液冷回路の液体-空気熱交換器と同じ冷却空気流を使用することであり、これは、液冷回路のエネルギー回収部において熱消費者が十分な熱を持ち去らない場合に、一種のバックアップ熱交換器として機能する。
【0044】
このようにして、単一の空気流路に空気流を送り込む装置によって、両方の熱交換器に冷却空気流を供給することができる。この空気流路に空気流を送り込む装置は、例えば、圧縮又は加圧流体を冷却するための追加アフタークーラ及び液冷回路の液体-空気バックアップ熱交換器の両方に流れを供給する大型ファンを備えることができる。
【0045】
本発明によるエネルギー回収を伴う空冷式加圧装置の別の利点は、加圧装置の空冷部の両方の熱交換器に冷却空気を供給するために、空気流路入口と空気流路出口を備えた単一の空気流路を適用できることである。
【0046】
さらに、冷却空気流のための空気流路が加圧装置のデザインの一部であることも好都合あり、追加の流体冷却又は流体乾燥などのために現場で追加の手段を講じる必要がなく、このような加圧装置の設置が非常に簡単になる。
【0047】
本発明による空冷式加圧装置の好ましい実施形態では、加圧装置は、圧縮機要素である1又は2以上の加圧要素を含む圧縮機装置である。
【0048】
圧縮機又は圧縮機装置として実行される加圧装置は、もちろん、流体を圧縮又は加圧するための最も明白な選択肢である。
【0049】
本発明による空冷式加圧装置の別の好ましい実施形態では、空気流を送り込む装置は単一のファン又はベンチレータであり、液冷回路内の液体は水であり、閉ループ液冷回路内の液体を循環させるための液体流を送り込む装置は送水ポンプである。
【0050】
また、空冷式加圧装置のこのような実施形態を実現するためになされた選択は、実用的で、比較的安価で、普遍的に適用される種類のものであるが、もちろん、本発明から逸脱することなく、特定のニーズの機能において他の選択を行うことができる。
【0051】
本発明による空冷式加圧装置のさらに別の好ましい実施形態では、加圧装置のハウジングは主に2つの区画、すなわち加圧要素、液体-流体熱交換器(複数可)、及び液体-液体熱交換器が組み込まれる第1の区画と、液体-空気熱交換器及び流体-空気熱交換器が設置される空気流路を形成する第2の区画とを備える。
【0052】
本発明による加圧装置のこのような実施形態の大きな利点は、装置の周囲から来る空気と熱交換する装置の空冷構成要素が、ハウジングの第1の区画から明確に分離されたハウジングの第2の区画にまとめられるので、非常に構造化されたデザイナが得られ、加圧装置のサイズが、多くの異なる構成要素を含む場合でも、依然としてコンパクトに保たれることである。
【0053】
本発明のエネルギー回収を伴う空冷式加圧装置の可能性のある実施形態では、上記第1の区画には加圧流体を乾燥させるための乾燥器が組み込まれており、この乾燥器は、流体-空気熱交換器の下流(流体流の)にある流体ダクト出口部分の部分で加圧流体を乾燥させる。
【0054】
本発明による加圧装置のこのような実施形態により、非常に高品質の圧縮又は加圧流体を外部の消費者に提供することができ、これにより、圧縮又は加圧流体の高圧要件、低い出口温度及び非常に低い湿度含量の要求が容易に満たされ、単一の加圧装置に必要な構成要素が全て統合される。
【0055】
本発明は、以下に図面を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図2】
図1と同様に、本発明による加圧装置の他の実施形態を示す。
【
図3】
図1と同様に、本発明による加圧装置の他の実施形態を示す。
【
図4】
図1と同様に、本発明による加圧装置の他の実施形態を示す。
【
図5】
図1と同様に、本発明による加圧装置の他の実施形態を示す。
【
図6】
図1と同様に、本発明による加圧装置の他の実施形態を示す。
【
図7】
図1と同様に、本発明による加圧装置の他の実施形態を示す。
【
図8】
図1と同様に、本発明による加圧装置の他の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、流体2を圧縮又は加圧することを目的とする、本発明によるエネルギー回収を伴う空冷式加圧装置1の第1の可能な実施形態を示し、この流体2は、この場合、加圧装置1の周囲3から取り込まれた空気である。
【0058】
加圧装置1はハウジング4を備え、このハウジング4には、加圧装置1を通って流体2を導くための流体ダクト5が取り付けられている。ハウジングは、ほぼ箱形である。流体ダクト5は、この
図1の例ではハウジング4の第1の側壁7に位置する流体ダクト入口6から、この
図1の例ではハウジング4の第2の側壁9に位置する流体ダクト出口8まで延びており、この第2の側壁9は、この場合、ハウジング4の第1の側壁7とは反対側にある。もちろん、他の実施形態では、流体ダクト5は、全く異なる構成を有する全く別の方法で設計することができ、流体ダクト入口6及び/又は流体ダクト出口8は、
図1に示されているものとは全く異なる加圧装置1の部分に位置することができる。本発明の加圧装置1の好ましい実施形態では、流体ダクト5は、ほぼ水平方向AA’に延びている。
【0059】
流体ダクト出口8は、好ましくは、圧縮又は加圧流体2の消費者10に接続されるか、又は例えば配管網(
図1には示されていない、破線)によって多数のそのような消費装置10に接続される。
【0060】
図1に示されている本発明による加圧装置1のこの第1の実施形態は、この加圧装置1の単純なバージョンあるいは最も単純なバージョンと考えることができる。
【0061】
実際、
図1の加圧装置1は、流体を加圧するための加圧要素12を備える、単一の加圧段11のみを備える。この場合、加圧装置1は圧縮機装置1であり、加圧要素12は圧縮機要素11である。圧縮機要素12は流体ダクト5に含まれており、本質的に流体ダクト5の一部を形成している。
【0062】
ハウジング4の外壁14によって画定されたハウジング4の内部空間13は、
図1の場合、中間壁17によって2つの分離した区画15及び16に分割されている。
図1では、この中間壁17は破線で表されているが、実際には、これは、ハウジング4内の第1の区画15と第2の区画16との間の空気流を許容しない中間壁17であると考えるべきである。
【0063】
流体ダクト5は、両方の区画15、16を貫通している。圧縮機要素12は、ハウジング4の第1の区画15に位置する流体ダクト5の一部に含まれている。
【0064】
加圧装置1は空冷装置18を備える。そのために、加圧装置1は、空気流路入口20から空気流路出口21までハウジング4を貫通して延びる空気流路又は空気ダクト19を備える。
【0065】
図1に示す実施形態では、空気流路19は本質的にハウジング4の内部空間13の第2の区画16によって形成されているが、他の実施形態ではこれは必須ではない。この場合、空気流路入口20は、ハウジング4の外側上壁22に設けられ、空気流路出口21は、ハウジング4の外側底壁23に設けられている。その結果、空気流路19は、実質的に垂直方向BB’、すなわち流体ダクト5の水平方向AA’を横切る方向BB’に沿って延びている。
【0066】
また、空冷装置18は、空気流路入口20から空気流路出口21までハウジング4を貫通する、空気流路に空気流を送り込む装置24を備える。代表的には、この空気流を送り込む装置24は、空気流路入口20に配置され、ファン又はベンチレータによって形成されるが、他の場合には、装置24は、複数のファン又はベンチレータ、さらにはさらに他の要素からなる異なる構成要素で構成することができ、これは空気流路19を通る空気流を送り込むための他の位置に配置することができる。
【0067】
また、空冷式加圧装置1は、加圧装置の作動時に圧縮又は加圧された流体2に蓄積されたエネルギー又は熱を回収するための要素を備える。
【0068】
これらの要素は、加圧装置1に組み込まれた別個の閉ループ液冷回路25の一部を形成する。この閉ループ液冷回路25には、液体流を送り込む装置26が設けられており、装置26は、液冷回路25内で液体27を循環させることを目的としている。液体27は熱伝達液体であり、典型的には水であるが、本発明では他の液体を使用することもできる。
図1の場合、液体27は水であり、従って液体流を送り込む装置26は送水ポンプ26である。
【0069】
本発明によれば、液冷回路25は、加圧段数に対応する複数の液体-流体熱交換器を含む。
図1の単純な事例では、単一の加圧段11だけが存在するので、この場合、閉ループ液冷回路25には単一の液体-流体熱交換器28だけが含まれており、液体-流体熱交換器28は、単一の加圧要素12の下流(流体流の)にある流体ダクト5の一部に配置されるか、又はその一部と相互作用する。この単一の液体-流体熱交換器28は、流体ダクト5の該当する部分の加圧された流体2からの熱が液冷回路25の該当する部分の液体27に伝達される第1のアフタークーラ29を形成している。流体2は空気であり液体27は水であるので、この場合、液体-流体熱交換器28は、水-空気熱交換器28である。
【0070】
また、液冷回路25(この場合、水冷回路25)は、エネルギー回収のために、液冷回路25から熱消費者32の液体回路31に熱を伝達するための液体-液体熱交換器30を含む。例えば、液体回路31は、温水が放熱器に運ばれる暖房システムである。その場合、液体-液体熱交換器30は、水-水熱交換器30である。
【0071】
実際には、液体-流体熱交換器28及び液体-液体熱交換器30は、エネルギー回収が実現される主要な要素である。
【0072】
液冷回路25の液体-流体熱交換器28の上流(液体流の)には、液体流を送り込む装置26又は送水ポンプ26が設置されている。
【0073】
加圧要素12、液体-流体熱交換器28、液体-液体熱交換器30、及び液体流を送り込む装置26又は送水ポンプ26は、全て一緒にハウジング4の第1の区画15に設置されている。
【0074】
また、加圧装置1の空冷装置18の一部を形成する液冷回路25は、液体-空気熱交換器33を含む。この液体-空気熱交換器33は、空気流路19に配置され、空気流を送り込む装置24の力で空気流路19を流れる空気34に液冷回路25の熱を伝達することを目的としている。液冷回路25の液体27は水27なので、この場合、液体-空気熱交換器33は、水-空気熱交換器33である。
【0075】
従って、液体-空気熱交換器33は、空気流路19を形成するハウジング4の第2の区画16に設置され、閉ループ液冷回路25は、一部が第1の区画15を通過し、一部が第2の区画16を通過する。
【0076】
最後に、加圧装置1は、流体-空気熱交換器35を備えており、これは空冷装置18の別の部分を形成しており、従って空気流路19に設けられている。この流体-空気熱交換器35は、流体ダクト5内の加圧又は圧縮された流体2に蓄積された熱を、空気流路19の空気34に伝達することを目的としている。流体ダクト5内の流体2は空気2なので、この場合、流体-空気熱交換器35は、空気-空気熱交換器35である。
【0077】
この流体-空気熱交換器35又は空気-空気熱交換器35は、流体ダクト出口部36に配置されており、この流体ダクト出口部36は、最も下流の加圧要素(この場合、単一の加圧要素12である)の下流(流体流の)の流体ダクト5の部分である。本発明によれば、この流体ダクト出口部36は、少なくとも部分的に空気流路19を通過する。
図1の例では、流体ダクト出口部36は全体が空気流路19内に配置されているが、本明細書でさらに説明するように、他の実施形態ではこれは必須ではない。さらに、流体-空気熱交換器35は、第1のアフタークーラ29である液体-流体熱交換器28の下流(流体流の)にある流体ダクト5の部分36に配置されており、従って流体-空気熱交換器35は、追加のアフタークーラ37を形成している。
【0078】
主として空冷装置18を形成する要素、すなわち液体-空気熱交換器33又は水-空気熱交換器33と、流体-空気熱交換器35又は空気-空気熱交換器35とは、空気流路19を形成するハウジングの第2の区画16に一緒に設置されていることは明らかである。
【0079】
空冷式加圧装置1には、通常、潤滑油(オイル)冷却のための別の回路がさらに存在するが、これは本発明の本質的部分ではないので、図には示されていない。潤滑油又はオイルは、このような回路を通って、潤滑が必要な部分から、フィルタ及び熱交換器を越えて、潤滑部分に戻るように循環する。空冷式加圧装置1では、この熱交換器は、一般に油-空気熱交換器であり、例えば、空気流路19に追加の冷却器として取り付けることができる。
【0080】
空冷式加圧装置1のエネルギー回収の機能は非常に単純であり、以下の通りである。
【0081】
空気2又は別の流体2は、流体ダクト入口6で吸い込まれ、流体ダクト5を通って加圧要素又は圧縮機要素12に導かれ、そこで加圧又は圧縮される。この過程で、流体2に熱が蓄積され、一部は液体-流体熱交換器28である第1のアフタークーラ29で放出される。加圧又は圧縮された流体2は、さらに流体ダクト5を通って第2の区画に導かれ、第2の区画は、ファン24によって空気流34が作り出される空気流路19を形成する。流体ダクト出口部36では、加圧又は圧縮された流体2は、さらなる冷却のために第2のアフタークーラ37を通過する。この第2のアフタークーラ37は、今度は流体-空気熱交換器35である。冷却された圧縮又は加圧流体2は、流体ダクト出口8で、加圧又は圧縮流体の消費者10に送られる。
【0082】
第1のアフタークーラ29の液体(水)27に吸収された熱の一部は、回収することができる。水冷回路25の送水ポンプ26は、水27を第1のアフタークーラ29から液体-液体熱交換器30又は水-水熱交換器30に送り、そこで熱は、熱消費者32に放出される。その後、水27は、液体-液体熱交換器30から水冷回路25を通って第2の区画16に送られ、水27に残った余分な熱は、液体-空気熱交換器33又は水-空気熱交換器33において、空気流路19を流れる空気34に放出される。次に、冷却された水27は、第1のアフタークーラ29の入口に戻され、そこで再び加圧又は圧縮された流体2から熱を吸収することができる。
【0083】
本発明によるこのような加圧装置1により、冒頭で述べた目的が実現されることは明らかである。
【0084】
図2は、本発明によるエネルギー回収を伴う空冷式加圧装置1の別の実施形態を示す。この実施形態は、加圧装置1が、この場合2つの加圧段38及び39を備える点で、上述の
図1の実施形態とは異なる。第1の加圧段38は、流体ダクト入口6により近く、低圧段38であり、低圧段加圧要素40を備える。第2の加圧段39は、流体ダクト出口8により近く、高圧段39であり、高圧段加圧要素41を備える。これらの加圧要素40及び41は、流体ダクト5内に直列に配置されている。
【0085】
上述の実施形態と同様に、液冷回路25は、加圧装置1のハウジング4に組み込まれている。
図2に示す本発明による加圧装置1の実施形態は、2つの加圧段38及び39を備えるので、この場合、液冷回路25は、2つの液体-流体熱交換器42及び43を含み、これらの各々は、該当する加圧要素40及び41の各々の下流(流体流の)にある流体ダクト5の一部に配置されるか又はこれと相互作用する。これらの液体-流体熱交換器42、43の両方は、流体ダクト5の該当する部分の加圧された流体2から液冷回路25の該当する部分の液体27に熱を伝達することを目的としている。
【0086】
第1の液体-流体熱交換器42は、閉ループ液冷回路25において、低圧段加圧要素38と高圧段加圧要素39との間にある流体ダクト5の部分に含まれており、従ってインタークーラ44を形成していると考えることができる。
【0087】
第2の液体-流体熱交換器43は、閉ループ液冷回路25において、最も下流(流体流の)の加圧要素である高圧段加圧要素39の下流(流体流の)にある流体ダクト5の部分に含まれており、従って、第1のアフタークーラ29を形成していると考えることができる。
【0088】
液冷回路25内の液体27は、流体ダクト5内で流体2と逆流で流れている。
【0089】
第1の液体-流体熱交換器42及び第2の液体-流体熱交換器43は、液体流を送り込む装置26(液体27が水の場合、典型的には送水ポンプ26)の下側(液体流の)に、直列に接続されている。
【0090】
閉ループ液冷回路25の残りの部分は、
図1の第1の実施形態と基本的に同じである。一連の液体-流体熱交換器42及び43の下流(液体流の)には、まず、エネルギー消費者又は熱消費者30と熱交換するための液体-液体熱交換器30がある。液冷回路25のさらに下流には液体-空気熱交換器33があり、これは、空気流路19を形成しているハウジング4の第2の区画16に配置されている。この液体-空気熱交換器33は、液体27が再び液体流を送り込む装置26又は送水ポンプ26に提供される前に、液冷回路25内の液体27を冷却する同一の機能を有する。
【0091】
また、
図2の加圧装置1の空冷装置18は、
図1の場合と同様に、流体-空気熱交換器35を備えており、これは、第1のアフタークーラ29の下流(流体流の)にある流体ダクト5の部分36に配置されており、従って同様に追加のアフタークーラ37を形成している。
【0092】
2段設計以外は、本発明による加圧装置1の第2の実施形態の機能は、
図1の第1の実施形態の場合と本質的に同じである。
【0093】
図3は、本発明による加圧装置1のさらに別の実施形態を示し、この実施形態は同様に2つの加圧段38及び39を備えているので、上述の
図2の実施形態と多くの類似点を有している。
【0094】
しかしながら、この第3の実施形態では、加圧装置1は、単一のアフタークーラ45のみを備えており、これは複合アフタークーラ45である。この複合アフタークーラ45は、第1の部分46を備え、第1の部分46は、第1のアフタークーラ29を形成し、ハウジング4の第1の区画15に配置された液体-流体熱交換器43である。また、複合アフタークーラ45は、第2の部分47を備え、第2の部分47は、追加アフタークーラ37を形成し、ハウジング4の第2の区画16によって形成された空気流路19に配置された流体-空気熱交換器35である。複合アフタークーラ45の第1の部分46及び第2の部分47は、ハウジング4の中間壁17によって、または中間壁17で互いに分離されており、従ってこの第3の実施形態は、液体-流体熱交換器43と流体-空気熱交換器35が単一のアフタークーラ45に組み合わされている第2の実施形態の少し特別な事例と考えることができる。
【0095】
図4は、本発明による空冷式加圧装置1の第4の実施形態を示す。この第4の実施形態は、同様に
図2の第2の実施形態に基づいており、この第4の実施形態は、第2の実施形態に存在する全ての要素を備え、さらに加圧又は圧縮された流体2を乾燥させるための追加の要素を備えている。
【0096】
この第4の実施形態では、ハウジング4は、加圧要素又は圧縮機要素40及び41、液体-流体熱交換器42及び43、液体-液体熱交換器30、及び液体流を送り込む装置26を取り囲む第1の区画15を備える。想定された目的を達成するために、加圧流体2を乾燥させるための乾燥器48がこの第1の区画15に組み込まれている。この乾燥器48は、流体-空気熱交換器35の下流(流体流の)にある流体ダクト出口部36の部分で加圧流体2を乾燥させており、追加のアフタークーラ37を形成している。従って、流体ダクト5の流体ダクト出口部36は、第1のセクション49を有し、第1のセクション49は、第2の区画16によって形成された空気流路19を通過し、この第1のセクション49には、上記流体-空気熱交換器35が配置されている。この第1のセクション49は、第1の区画15に戻り、乾燥器48が含まれる流体ダクト出口部分36の中間セクション50に戻る。最後に、この中間セクション50は空気流路19に戻り、そこで流体ダクト出口部36の最終セクション51に接続され、この最終セクション51は空気流路19全体を横切り、流体ダクト出口8でハウジング4から出る。
【0097】
図4に示す実施形態では、乾燥器48は、回転ドラム乾燥器48であり、回転ドラム52を備える、吸収手段53での吸収によって流体2を乾燥させる。吸収手段53は、加圧流体2からの水の吸収手段53への吸収によって加圧流体2を乾燥させるための乾燥区画54と、吸収手段53からの水の脱離によって吸収手段53が再生される再生区画55とを通って回転している。
【0098】
回転式乾燥器48の再生区画55で吸収手段53を再生するためには、この再生区画55に不飽和高温流体2を供給する必要がある。乾燥中に再生区画55に蓄積された水は、通過する不飽和高温流体2によって容易に吸収することができる。この目的のために、加圧装置1は、流入流体ダクト分岐部56を備え、分岐部は、最も下流(流体流の)にある加圧要素41と、対応する第1のアフタークーラ43との間の部分で流体ダクト5に接続されている。この流入流体ダクト分岐部56は、上記不飽和高温流体2を供給するために、流体ダクト5と回転ドラム乾燥器48の再生区画55との間に延びている。
【0099】
流入流体ダクト分岐部56は絞り弁57を含み、回転ドラム乾燥器48の再生区画55に供給される不飽和高温流体2の流量を調節できるようになっている。
【0100】
回転ドラム乾燥器48の再生区画55で吸収手段53から水を吸収した後、流入する不飽和高温流体2は飽和高温流体2に転換され、流体ダクト分岐58を通って回転ドラム乾燥器48の再生区画55から出る。
【0101】
回転ドラム乾燥器48の再生区画55から出る飽和高温流体2を冷却するために、追加の液体-流体熱交換器59が、第1のアフタークーラ29又は43の上流(液体流の)の閉ループ液冷回路25に組み込まれている。
図4の例では、全ての液体-流体熱交換器42、43、49は、次々に連続して直列に接続されている。追加の液体-流体熱交換器59は、流出流体ダクト分岐部58の一部と相互作用し、回転ドラム乾燥器48の再生区画55から流出する流体2、すなわち飽和高温流体2から液冷回路25の対応する部分の液体27への熱伝達のための再生冷却器59を形成している。再生冷却器59を通過した後、流体2は低温飽和流体2として流出流体ダクト分岐部58を通って流れ続け、回転ドラム乾燥器48の乾燥区画54で乾燥されることになる。
【0102】
この目的のために、回転ドラム乾燥器48の再生区画55から流出流体ダクト分岐部58を通って到来する冷却された飽和流体2の流れと、追加のアフタークーラ37を形成している空気流路19の流体-空気熱交換器35から出る加圧又は圧縮流体2の流れとは混合され、流体ダクト出口部36の中間セクション50の一部を通って回転ドラム乾燥器48の乾燥区画54に供給される。
【0103】
これらの流れを混合させるために、流体ダクト出口部36の中間セクション50と流出流体ダクト分岐部58のT字型交差部には混合弁60が設けられている。回転ドラム乾燥器48の乾燥区画54を通る流れは、回転ドラム乾燥器48の再生区画55を通る流体2の流れと逆流の方向である。乾燥及び冷却された加圧流体2は、回転ドラム乾燥器48を出て、流体ダクト出口部36の中間セクション50及び最終セクション51を通って、加圧又は圧縮流体2の消費者10に供給される。
【0104】
図5は、本発明による第4の実施形態の変形例である加圧装置1の第5の実施形態を示す。この第5の実施形態では、加圧装置1は、液冷回路25の一部を短絡するバイパス管61を備える。詳細には、このバイパス管61は、エネルギー回収のための液体-液体熱交換器30と空気流路19に配置されている液体-空気熱交換器33との間の液冷回路25の部分と、再生冷却器59と第1のアフタークーラ29を形成する液体-流体熱交換器43との間の液冷回路25の部分との間に延びている。
【0105】
図5の実施形態では、再生冷却器59と第1のアフタークーラ29を形成する液体-流体熱交換器43との間の液冷回路25の部分にはバイパス弁62が設けられている。この第5の実施形態では、液体流の少なくとも一部は、再生冷却器59を出た後、空気流路19に恒久的に戻され、液体-空気熱交換器33で冷却されるようになっている。バイパス弁62が閉じられるほど、冷却のためにバイパス管61を通って空気流路19に戻される液体流の割合が大きくなり、冷却-液体回路25で液体-流体熱交換器43、42に続く液体流の割合が小さくなる。
【0106】
図6は、本発明による第4の実施形態(又は第5の実施形態)のさらに別の変形例である加圧装置1の第6の実施形態を示す。第5の実施形態との唯一の相違点は、
図6の実施形態では、バイパス弁62がバイパス管61に設けられて点である。このことは、バイパス弁62が完全に閉じられている場合に、全ての液体流が、再生冷却器59を通過した後に液体-流体熱交換器43、42に向かって流れ続けることを意味し、これは、
図4に示される状況と完全に等価である。バイパス弁62が開かれるほど、液体-空気熱交換器33で冷却するために空気流路19に戻される液体流の割合が大きくなる。
【0107】
図7は、本発明による加圧装置1の第7の実施形態を示し、この第7の実施形態では、再生冷却器59が、第1のアフタークーラ29を形成する最も下流(流体流の)にある液体-流体熱交換器43に対して並列に取り付けられている点で、回転ドラム乾燥器48を備えた他の実施形態、すなわち
図4-6に示される実施形態とは異なっている。従って、液冷回路25は、第1のアフタークーラ29を含む液冷回路25の部分と並列に接続された並列液体流分岐部63を備える。再生冷却器59は、この並列液体流分岐部63に含まれている。
【0108】
最後に、
図8は、本発明による加圧装置1の第8の実施形態を示し、これは、
図5に示す加圧装置の第5の実施形態と同じ要素を備えるが、追加の再生冷却器64が、回転ドラム乾燥器48の再生区画55から延びている送出流体ダクト分岐部58に設けられている。この追加の再生冷却器64は、第1の再生冷却器59の下流(流体流の)に配置され、これは、ファン又はベンチレータ24によってこの空気流路19を通って送り込まれる空気によって冷却されるために空気流路19に配置される流体-空気熱交換器64である。
【0109】
本発明は、上述の空冷式加圧装置1の実施形態に限定されるものではなく、このような加圧装置1は、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの異なる方法で適用すること及び実施することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 空冷式加圧装置
2 流体
4 ハウジング
5 流体ダクト
19 空気流路
24 空気流
25 液冷回路
27 液体
26 ポンプ
30 液体-液体熱交換器
33 液体-空気熱交換器
36 流体ダクト出口部
35 流体-空気熱交換器
38、39 加圧段
40、41 加圧要素
42、43 液体-流体熱交換器
【手続補正書】
【提出日】2024-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体(2)を圧縮又は加圧するエネルギー回収を伴う空冷式加圧装置(1)であって、ハウジング(4)と、前記流体(2)を流体ダクト入口(6)から流体ダクト出口(8)まで前記加圧装置(1)を通して導くための流体ダクト(5)と、各々が加圧要素(12、40、41)を備える前記流体ダクト(5)の1又は2以上の加圧段(11、38、39)と、前記ハウジング(4)を貫通する空気流路(19)に空気流を送り込む装置(24)と、閉ループ液冷回路(25)とを備え、
前記液冷回路(25)は、少なくとも、
-前記閉ループ液冷回路(25)内で前記液体(27)を循環させるための、液体流を送り込む装置(26)と、
-前記加圧要素(12、40、41)の各々の下流(液体流の)にある液体-流体熱交換器(28、42、43)と、
-エネルギー回収のための液体-液体熱交換器(30)と、
-前記空気流路(19)に配置された液体-空気熱交換器(33)と、
を備え、
前記流体ダクト(5)の流体ダクト出口部(36)には、前記流体ダクト(5)内の加圧流体(2)から空気流路(19)内の空気(34)への熱伝達のために、前記空気流路(19)において流体-空気熱交換器(35)が設けられており、
前記ハウジング(4)は、主として2つの区画(15、16)を備え、第1の区画(15)には、前記加圧要素(12、40、41)、前記液体-流体熱交換器(28、42、43)、及び前記液体-液体熱交換器(30)が組み込まれており、第2の区画(16)は、前記液体-空気熱交換器(33)及び前記流体-空気熱交換器(35)が設置される前記空気流路(19)を形成する、空冷式加圧装置(1)。
【請求項2】
圧縮機要素(12、40、41)である1又は2以上の加圧要素(12、40、41)を備える圧縮機装置(1)である、請求項1に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項3】
前記空気流を送り込む装置(24)は、単一のファン又はベンチレータ(24)であり、前記液冷回路(27)内の前記液体(27)は、水(27)であり、前記閉ループ液冷回路(25)内で前記液体(27)を循環させるための前記液体流を送り込む装置(26)は、送水ポンプ(26)である、請求項1又は2に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項4】
前記加圧装置(1)は、単一の加圧段(11)のみを備え、前記加圧装置(1)は、前記閉ループ液冷回路(25)に単一の液体-流体熱交換器(28)を備え、前記単一の加圧要素(28)は、前記単一の加圧段(28)の下流(流体流の)にある前記流体ダクト(5)の部分部に配置されるか又は前記流体ダクト(5)の部分と相互作用し、第1のアフタークーラ(29)を形成しており、前記流体-空気熱交換器(35)は、前記第1のアフタークーラ(29)の下流(流体流の)にある前記流体ダクト(5)の部分に配置され、追加のアフタークーラ(37)を形成している、請求項1に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項5】
前記加圧装置は、2つの加圧段(38、39)を備え、それぞれ、低圧段加圧要素(40)を備えた低圧段(38)と、高圧段加圧要素(41)を備えた高圧段(39)であり、前記加圧装置は、前記低圧段加圧要素(40)と前記高圧段加圧要素(41)との間にある前記流体ダクト(5)の部分に配置されるか又はそれと相互作用し、インタークーラ(44)を形成している、前記閉ループ液冷回路(25)の第1の液体-流体熱交換器(42)と、前記高圧段加圧要素(41)の下流(流体流の)にある流体ダクト(5)の部分に配置されるか又はそれと相互作用し、第1のアフタークーラ(29)を形成している、前記閉ループ液冷回路(25)の第2の液体-流体熱交換器(43)とを備え、前記流体-空気熱交換器(35)は、前記第1のアフタークーラ(29)の下流(流体流の)にある前記流体ダクト(5)の部分(36)に配置され、追加のアフタークーラ(37)を形成している、請求項1に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項6】
前記加圧装置(1)は、複合アフタークーラ(45)である単一のアフタークーラを備え、前記複合アフタークーラ(45)は、前記第1のアフタークーラ(29)を形成しており、前記ハウジング(4)の前記第1の区画(15)に配置された液体-流体熱交換器(43)である第1の部分(46)と、前記追加のアフタークーラ(37)を形成しており、前記ハウジング(16)の第2の区画によって形成された前記空気流路(19)に配置された流体-空気熱交換器(35)である第2の部分(47)と、を備える、請求項4に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項7】
前記ハウジングは、第1の区画(15)を備え、前記第1の区画(15)には、加圧要素(40、41)、前記液体-流体熱交換器(42、43)、及び前記液体-液体熱交換器(30)が組み込まれており、前記第1の区画(15)には、加圧流体(2)を乾燥させるための乾燥器(48)が組み込まれており、前記乾燥器(48)は、前記流体-空気熱交換器(35)の下流(流体流の)にある前記流体ダクト出口部(36)の部分(50)で加圧流体(2)を乾燥させる、請求項1に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項8】
前記乾燥器(48)は、吸収手段(53)の吸収によって前記流体(2)を乾燥させるように構成された回転ドラム乾燥器(48)であり、前記吸収手段(53)は、加圧流体(2)から前記吸収手段(53)への水の吸収によって前記加圧流体(2)を乾燥させるための乾燥区画(54)と、前記吸収手段(53)からの水の脱離によって前記吸収手段(53)が再生される再生区画(55)とを通って回転するように構成されている、請求項7に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項9】
前記加圧装置(1)は、最も下流(流体流の)にある前記加圧要素(41)と対応する前記第1のアフタークーラ(29)との間の部分で前記流体ダクト(5)に接続され、不飽和高温流体(2)を前記再生区画(55)に供給するために前記流体ダクト(5)と前記回転ドラム乾燥器(48)の前記再生区画(55)との間に延びている流入流体ダクト分岐部(56)を備える、請求項8に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項10】
前記第1のアフタクーラ(29)の上流(液体流の)の前記閉ループ液冷回路(25)に、追加の液体-流体熱交換器(59)が組み込まれており、前記液体-流体熱交換器(59)は、前記回転ドラム乾燥器(48)の前記再生区画(55)から出る流体(2)から前記液冷回路(25)の対応する部分の前記液体(27)への熱伝達のための再生冷却器(59)を形成している、請求項9に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項11】
流出流体ダクト分岐部(58)を流れている前記回転ドラム乾燥器(48)の前記再生区画(55)からの冷却された流体(2)の流れと、追加のアフタークーラ(37)を形成し、流体ダクト出口部(36)の第1のセクション(49)を通って流れる、前記空気流路(19)の前記流体-空気熱交換器(35)からの流体(2)の流れは、前記流出流体ダクト分岐部(58)と前記流体ダクト出口部(36)のセクション(50)とのT字型交差点で混合され、前記回転ドラム乾燥器(48)の前記再生区画(55)を通る流体(2)の流れと逆流で前記回転ドラム乾燥器(48)の乾燥区画に(54)に供給される、請求項10に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項12】
前記加圧装置(1)は、前記液冷回路(25)の一部を短絡するバイパス管(61)を備え、前記バイパス管(61)は、エネルギー回収のための前記液体-液体熱交換器(30)と、前記空気流路(19)に配置された前記液体-空気熱交換器(33)との間の前記液冷回路(25)の部分と、前記再生クーラ(59)と第1のアフタークーラ(29)を形成する前記液体-液体熱交換器(43)との間の前記液冷回路(25)の部分との間に延びている、請求項10又は11に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項13】
バイパス弁(62)は、前記バイパス管(61)に、又は前記再生冷却器(59)と前記第1のアフタークーラ(29)を形成している前記液体-流体熱交換器(43)との間の液冷回路(25)の部分に設けられている、請求項12に記載の空冷式加圧装置(1)。
【請求項14】
前記液冷回路(25)は、前記液冷回路(25)の前記第1のアフタークーラ(29)を含む部分と並列に接続される並列液体流分岐部(63)を備え、前記再生冷却器(59)は、前記並列液体流分岐部(63)に含まれている、請求項10に記載の空冷式加圧装置(1)。
【国際調査報告】